(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の例示的な実施形態を開示する。なお、以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。また、以下の実施形態は開示の技術を限定するものではない。
【0016】
<荷物預かりシステム1の全体構成>
図1は、本実施形態の荷物預かりシステム1の一例を示す模式図である。
【0017】
荷物預かりシステム1は、情報処理装置10と、端末装置11と、複数の無線タグ14と、中継器15と、データベース16(記憶装置)と、を備える。荷物預かりシステム1は、例えば、荷物100を預かる荷物預かり所に設置される。荷物預かり所は、例えば、作業員と客との間で荷物100の受け渡しが行なわれるカウンターと、預けられた荷物100を保管するバックヤード(保管場所)と、を備える。情報処理装置10およびデータベース16は、例えば、荷物預かり所のバックヤードに設置される。端末装置11は、例えば、荷物預かり所のカウンターに設置される。無線タグ14は、カウンターに保管されたり、荷物100に取り付けられたりする。情報処理装置10と、端末装置11、無線タグ14、および中継器15とは、無線通信可能である。また、情報処理装置10とデータベース16とは、有線により通信可能である。また、情報処理装置10と、端末装置11およびデータベース16とは、無線と有線との一方または両方によって通信可能であってよい。また、データベース16は、荷物預かり所以外の場所に設置されてもよい。
【0018】
荷物預かり所での荷物100の預かり手順は、一例として、以下の通りである。作業員は、預け人から荷物100を預かると、当該荷物100に任意の無線タグ14を取り付ける。この際、作業員は、預け人を特定する預け人情報と、荷物100に取り付ける無線タグ14に付与された荷札番号と、を端末装置11に入力する。端末装置11に入力された情報は、端末装置11から情報処理装置10に送信され、情報処理装置10で管理される。そして、作業員は、上記の荷札番号が記載された荷札17(
図2)を預け人に渡し、預かった荷物100をバックヤードに保管する。荷札番号は、無線タグ14を特定する無線タグ特定情報の一例である。
【0019】
一方、荷物100の返却手順は、一例として、以下の通りである。作業員は、預け人から荷札17を受け取ると、荷札17に記載された荷札番号を端末装置11に入力する。端末装置11に入力された情報は、端末装置11から情報処理装置10に送信される。情報処理装置10は、受信した情報で特定される無線タグ14に所定の報知動作を実行させる。作業員は、所定の報知動作を実行した無線タグ14が取り付けられた荷物100をカウンターに運び、無線タグ14を外して預け人に返却する。
【0020】
<無線タグ14>
図2は、実施形態にかかる無線タグ14の一例の側面図であって、無線タグ14に荷札17が取り付けられた状態の図である。無線タグ14は、情報処理装置10と直接または中継器15を介して無線通信する。無線タグ14は、荷物100に着脱可能に取り付けられる。例えば、無線タグ14は、接着テープによって荷物100に貼り付けられたり、紐によって荷物100に取り付けられる。なお、荷物100に対する無線タグ14の取り付け手段(取付具)は、上記に限られない。無線タグ14は、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)タグ等の各種無線規格タグや電子タグ、ICタグとも称される。
【0021】
無線タグ14には、荷札17が着脱可能に結合される。荷札17は、例えば、無線タグ14に爪や嵌合構造等により着脱可能に結合される。荷札17には、荷札番号が記載されている。荷札番号は、無線タグ14ごとに異なる番号が設定されている。無線タグ14と荷札17は、タグ装置18を構成している。荷札番号は、無線タグ14を特定する特定情報の一例である。
【0022】
図3は、実施形態にかかる無線タグ14の構成の一例を示す模式図である。
図3に示されるように、無線タグ14は、制御部30と、記憶装置32と、通信部34と、動作部36と、を備える。制御部30と、記憶装置32と、通信部34と、動作部36とは、無線タグ14の筐体37(
図4)に収容されている。制御部30と、記憶装置32、通信部34、および動作部36とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0023】
記憶装置32は、各種の情報を記憶する。本実施形態では、記憶装置32は、当該記憶装置32が設けられた無線タグ14に設定された荷札番号等を記憶している。記憶装置32は、公知の記憶媒体である。
【0024】
通信部34は、他の装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、通信部34は、情報処理装置10と無線通信するための通信インターフェースである。
【0025】
動作部36は、外部に対して作動状態を報知可能な動作を実行する。詳細には、動作部36の動作は、光の発光、音の出力、振動の発生、形態変化、などの人が身体的感覚によって知覚可能な状態変化を伴うものである。形態変化とは、色、形、および大きさ、の少なくとも1つが変化することを意味する。
【0026】
動作部36は、上記動作を行なう構成を有する。すなわち、動作部36は、例えば、ライト、スピーカ、振動装置、形態変化のための駆動機構等を含む。なお、動作部36は、発光、音の出力、振動の発生、および形態変化、の少なくとも1つを実現する機器であればよい。
【0027】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。すなわち、制御部30は、コンピュータである。CPUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、CPUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。
【0028】
制御部30は、機能的構成として、コマンド解析部30Aと、動作制御部30Bと、を有する。これらの機能的構成は、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行した結果として実現される。なお、上記の機能的構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
【0029】
コマンド解析部30Aは、情報処理装置10から送信されたコマンドを通信部34を介して受信する。すなわち、コマンド解析部30Aは、情報処理装置10からのコマンドを取得する。コマンド解析部30Aは、受信したコマンドを解析する。なお、コマンドの詳細は後述する。コマンド解析部30Aは、当該コマンド解析部30Aが設けられた無線タグ14がコマンドの対象である場合に、当該コマンドを動作制御部30Bに送信する。コマンド解析部30Aは、当該コマンド解析部30Aが設けられた無線タグ14がコマンドの対象ではない場合には、当該コマンドを動作制御部30Bに送信しない。コマンド解析部30Aは、コマンド受信部とも称される。
【0030】
動作制御部30Bは、コマンド解析部30Aからコマンドを受信した場合には、当該コマンドの内容にて動作部36が動作するように動作部36を制御する。これにより、動作部36がコマンドに応じた動作を行なう。
【0031】
図4は、実施形態にかかるタグ装置18の電源回路38および押圧機構47の一例を示す模式図であって、電源回路38が導通状態の図である。
図5は、実施形態にかかるタグ装置18の電源回路38および押圧機構47の一例を示す模式図であって、電源回路38が遮断状態の図である。
【0032】
図4および
図5に示されるように、無線タグ14は、電源回路38を有する。電源回路38は、無線タグ14の筐体37内に収容されている。電源回路38は、固定接点部38aと、可動接点部38bと、電池38cと、を有する。電池38cは、無線タグ14の各部(制御部30、記憶装置32、動作部36)に電力を供給する電源である。固定接点部38aは、筐体37に固定されている。可動接点部38bは、固定接点部38aと接触および離間可能に筐体37に支持され、不図示のばね等の弾性部材によって固定接点部38aに向けて弾性的に押されている。固定接点部38aと可動接点部38bとが接触した状態が電源回路38の導通状態であり、この状態では、電池38cから無線タグ14の各部に電力が供給可能となる。この状態で、不図示の電源ボタンがON操作されることにより電源が供給される。一方、固定接点部38aと可動接点部38bとが離間した状態が電源回路38の遮断状態であり、この状態では、電池38cから無線タグ14の各部に電力が供給されない。
【0033】
また、タグ装置18は、可動接点部38bを動かす押圧機構47を有する。押圧機構47は、無線タグ14に設けられた可動部材39と、荷札17に設けられた突起17bと、を有する。可動部材39は、固定接点部38aに対して移動可能に筐体37に支持されている。可動部材39は、可動接点部38bを押圧しない非押圧位置(
図4)と、可動接点部38bを固定接点部38aから離れる方向に押圧する押圧位置(
図5)と、の間を移動可能である。また、可動部材39は、不図示のばね等の弾性部材によって押圧位置から非押圧位置に向かう方向(
図4,5では右方向)に弾性的に押されている。また、突起17bは、荷札17の板状のベース17aから突出している。
【0034】
上記構成において、無線タグ14から荷札17が取り外された状態では、可動部材39が非押圧位置(
図4)に位置し、固定接点部38aと可動接点部38bとが接触し、電源回路38が導通状態である。この状態から、無線タグ14に荷札17が取り付けられると、その取り付け過程で、可動部材39が突起17bによって押圧されて非押圧位置から押圧位置に移動し、可動接点部38bを押圧して可動接点部38bを固定接点部38aから離間させる(
図5)。これにより、電源回路38が遮断状態となる。
【0035】
電源回路38は、電池38cの電圧の検出部(不図示)を含む。検出部によって検出された電池38cの電圧は、例えば、制御部30が、通信部34を介して情報処理装置10および端末装置11に送信する。このとき、制御部30は、情報処理装置10および端末装置11からの要求に応じて電圧を送信してもよいし、一定時間ごとに電圧を送信してもよい。この電圧から電池38cの蓄電量(電池残量)が算出される。
【0036】
<端末装置11>
図6は、実施形態にかかる端末装置11の構成の一例を示す模式図である。
【0037】
図6に示されるように、端末装置11は、制御部40と、記憶装置42と、通信部44と、UI(ユーザ・インターフェース)部46と、を備える。制御部40と、記憶装置42、通信部44、およびUI部46とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。
【0038】
記憶装置42は、各種の情報を記憶する。記憶装置42は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の公知の記憶媒体である。
【0039】
通信部44は、情報処理装置10と通信するための通信インターフェースである。
【0040】
UI部46は、作業者等の操作者からの操作指示を受け付ける入力機能と、画像を表示する表示機能と、を備える。入力機能は、例えば、キーボード、マウス、などである。表示機能は、例えば、液晶表示装置や、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイなどである。UI部46は、入力機能と表示機能とを一体に備えたタッチパネル付ディスプレイであってもよい。
【0041】
制御部40は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。CPUは、GPU(Graphics Processing Unit)等の他のハードウェアプロセッサであってもよい。すなわち、制御部40は、一般的なコンピュータのハードウェア構成となっている。CPUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、CPUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。
【0042】
制御部40は、機能的構成として、預かり情報受付部40Aと、返却情報受付部40Bと、管理情報表示部40Cと、を有する。これらの機能的構成は、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行した結果として実現される。なお、上記の機能的構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
【0043】
預かり情報受付部40Aは、預かり情報の入力を受け付け、入力を受け付けた預かり情報を通信部44を介して情報処理装置10に送信する。預かり情報は、荷物100を特定する荷物特定情報と、当該荷物100に取り付けられる無線タグ14の無線タグ特定情報と、を含む。また、荷物特定情報は、例えば、荷物100の預け人を特定する預け人特定情報を含む。預け人特定情報は、預け人の、名前、携帯電話の電話番号、住所、性別、年齢、またそれらにかかわる預け人が保有する固有の情報等を含む。また、預かり情報には、入力を受け付けた受付時刻も含まれる。
【0044】
図7は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示する選択画面G1の一例を示す図である。
図8は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示する第1の預かり画面G2の一例を示す図である。
図9は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示する第2の預かり画面G3の一例を示す図である。
【0045】
預かり情報受付部40Aは、UI部46の表示装置に表示された選択画面G1(
図7)の預かりボタンG1aが操作されると、UI部46の表示装置に、預かり情報の入力を受け付ける第1の預かり画面G2(
図8)を表示させる。また、預かり情報受付部40Aは、第1の預かり画面G2のタグ追加ボタンG2aが操作されると、UI部46の表示装置に、預かり情報の入力を受け付ける第2の預かり画面G2(
図8)を表示させる。第2の預かり画面G2は、複数の荷札番号(図中では「No.」)の入力を受け付ける。預かり情報受付部40Aは、第1の預かり画面G2や第2の預かり画面G3で入力を受け付けた預かり情報を情報処理装置10に送信する。
【0046】
返却情報受付部40Bは、返却情報の入力を受け付け、入力を受け付けた返却情報を通信部44を介して情報処理装置10に送信する。返却情報は、荷物特定情報と無線タグ特定情報とのうち少なくとも一方を含む。また、返却情報には、返却情報を送信する端末装置11を特定する端末装置特定情報も含まれる。また、返却情報取得部20Bは、入力を受け付けた時刻も含まれる。
【0047】
図10は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示する第1の返却画面G4の一例を示す図である。
図11は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示する第2の返却画面G5の一例を示す図である。
図12は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示する第3の返却画面G6の一例を示す図である。
【0048】
返却情報受付部40Bは、UI部46の表示装置に表示された選択画面G1(
図7)の返却ボタンG1bが操作されると、UI部46の表示装置に、返却情報の入力を受け付ける第1の返却画面G4(
図10)を表示させる。また、返却情報受付部40Bは、第1の返却画面G4の検索ボタンG4aが操作されると、UI部46の表示装置に、第2の返却画面G5(
図11)を表示させる。返却情報受付部40Bは、第2の返却画面G5の返却ボタンG5aが操作されると、第2の返却画面G5に表示された荷札番号に対応する返却情報を情報処理装置10に送信する。また、返却情報受付部40Bは、第2の返却画面G5の一部返却ボタンG5bが操作されると、UI部46の表示装置に、第3の返却画面G6(
図12)を表示させる。この第3の返却画面G6は、荷札番号の選択を受け付ける画面であり、返却情報受付部40Bは、選択された荷札番号に対応する返却情報を情報処理装置10に送信する。
【0049】
図13は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示するタグ管理画面G7の一例を示す図であって、電池残量が少ない無線タグ14がある場合の図である。
図14は、実施形態にかかる端末装置11のUI部46が表示するタグ管理画面G8の一例を示す図であって、電池残量が少ない無線タグ14がない場合の図である。
【0050】
管理情報表示部40Cは、UI部46の表示装置に、
図13や
図14に示されるタグ管理画面G7,G8を表示させる。タグ管理画面G7,G8には、荷札番号(無線タグ14)ごとに荷物特定情報および電池残量が表示されている。電池残量が閾値以下の無線タグ14の項は、例えば黄色で示され、電池残量が零の無線タグ14の項は、例えば赤色で示される。電池残量がない無線タグ14は、電圧の情報を送信できないため、一定時間無線タグ14からの電波を受信しない場合には、当該無線タグ14の電池残量が零と判定される。電池残量の判定および管理(記憶)は、情報処理装置10が行い、端末装置11に判定結果等の管理情報を送信する。この管理情報に基づいてタグ管理画面G7,G8が表示される。
【0051】
<情報処理装置10>
図15は、実施形態にかかる情報処理装置10の構成の一例を示す模式図である。
【0052】
図15に示されるように、情報処理装置10は、制御部20と、記憶装置22と、通信部24と、を備える。制御部20と、記憶装置22および通信部24とは、データまたは信号を授受可能に接続されている。なお、情報処理装置10は、端末装置11と同様にUI部を備えていてもよい。情報処理装置10は、管理端末とも称される。
【0053】
記憶装置22は、各種の情報を記憶する。本実施形態では、記憶装置22は、預かり情報、返却情報等を記憶する第1の記憶部22Aと、無線タグ14の使用状況を表す使用状況情報を記憶する第2の記憶部22Bと、を含む。第1の記憶部22Aは、預かり情報に含まれる荷物特定情報と無線タグ特定情報とを関連付けて記憶する。第1の記憶部22Aにおいて、無線タグ特定情報に荷物特定情報が関連付けされて記憶されている無線タグ14は、使用中であり、無線タグ特定情報に荷物特定情報が関連付けされて記憶されていない無線タグ14は、使用中ではない。使用状況情報は、例えば、返却フラグによって表される。返却フラグが立っている場合は、無線タグ14は使用中でなく、返却フラグが立っていない場合には、無線タグ14は使用中である。第1の記憶部22Aおよび第2の記憶部22Bは、記憶領域とも称される。記憶装置22は、HDD(ハードディスクドライブ)などの公知の記憶媒体である。なお、記憶装置22を、外部装置に設けてもよい。
【0054】
通信部24は、端末装置11および無線タグ14と通信するための通信インターフェースである。通信部24は、中継器15を介して無線タグ14と通信してもよい。中継器15は、例えば、受信したデータを一度だけ無線タグ14に転送する。
【0055】
制御部20は、CPUと、ROMと、RAMと、を有する。すなわち、制御部20は、コンピュータである。CPUは、GPU(Graphics Processing Unit)等の他のハードウェプロセッサであってもよい。CPUは、ROM等に記憶されたプログラムを読み出して実行する。また、CPUは、各種演算処理を並列処理可能に構成されている。RAMは、CPUがプログラムを実行して種々の演算処理を実行する際に用いられる各種データを一時的に記憶する。
【0056】
制御部20は、機能的構成として、預かり情報取得部20Aと、返却情報取得部20Bと、コマンド送信部20Cと、保存用データ作成部20Dと、を有する。これらの機能的構成は、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行した結果として実現される。なお、上記の機能的構成の一部または全部が専用のハードウェア(回路)によって実現されてもよい。
【0057】
預かり情報取得部20Aは、預かり情報を通信部24を介して端末装置11の預かり情報受付部40Aから受信する。すなわち、預かり情報取得部20Aは、預かり情報を取得する。預かり情報取得部20Aは、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けて第1の記憶部22Aに記憶させる。
【0058】
預かり情報取得部20Aは、第2の記憶部22Bに記憶された使用状況情報が、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる無線タグ特定情報によって特定される無線タグ14が使用中ではないと示している場合には、当該預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けて第1の記憶部22Aに記憶させる。一方、預かり情報取得部20Aは、第2の記憶部22Bに記憶された使用状況情報が、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる無線タグ特定情報によって特定される無線タグ14が使用中であると示している場合には、当該預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けしない。この場合、預かり情報取得部20Aは、端末装置11にエラー情報を後述の確認結果に含めて送信する。
【0059】
返却情報取得部20Bは、無線タグ14を特定する無線タグ特定情報を含む返却情報を通信部24を介して端末装置11の返却情報受付部40Bから受信する。すなわち、返却情報取得部20Bは、返却情報を取得する。返却情報取得部20Bは、受信(取得)した返却情報をコマンド送信部20Cに送信する。
【0060】
コマンド送信部20Cは、返却情報取得部20Bからの返却情報によって特定される無線タグ14の動作部36を作動させるコマンドを送信する。コマンド送信部20Cは、コマンドをブロードキャスト送信する。なお、コマンド送信部20Cは、コマンドを対象の無線タグ14にだけ送信してもよい。コマンドは、作動させる無線タグ14の無線タグ特定情報、動作内容等を含む。動作内容は、光の発光、音の出力、振動の発生、形態変化、等である。また、コマンドは、返却情報に含まれる端末装置特定情報によって特定される端末装置11ごとに動作内容を異なるものにする。例えば、光の発光の場合には、点滅間隔や色を異なるものとし、音の場合には、異なる音にする等である。
【0061】
保存用データ作成部20Dは、預け人特定情報のうち少なくとも一部の情報を数値に変換した保存用データを作成する。例えば、保存用データ作成部20Dは、預け人特定情報のうち性別や国等のそれだけでは個人を特定できない情報だけを対象に保存用データを作成する。数値の変換は、予め設定された対応テーブルに基づいて行なわれる。例えば、性別であれば、男性、女性に対応する数値が設定されている。保存用データ作成部20Dは、変換した数値を一列に並べたテキストデータで記憶装置22やデータベース16に記憶させる。
【0062】
<預かり処理>
次に、荷物預かりシステム1が実行する預かり処理を説明する。
図16は、実施形態にかかる荷物預かりシステム1が実行する預かり処理の流れの一例を示す、フローチャートである。
【0063】
図16に示されるように、端末装置11の預かり情報受付部40Aが、預かり情報の入力を受け付ける(S101)。預かり情報受付部40Aは、入力を受け付けた預かり情報を情報処理端末に送信する(S102)。
【0064】
情報処理装置10では、預かり情報取得部20Aが、預かり情報受付部40Aから送信された預かり情報を受信する(S201)。預かり情報取得部20Aは、第2の記憶部22Bに記憶された使用状況情報を参照して、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる無線タグ特定情報によって特定される無線タグ14の使用状況を確認する(S202)。預かり情報取得部20Aは、確認結果、すなわち無線タグ14の使用状況を端末装置11に送信する(S203)。
【0065】
預かり情報取得部20Aは、無線タグ14が使用中ではない場合(S204:No)には、預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けて第1の記憶部22Aに記憶させる(S205)。
【0066】
一方、預かり情報取得部20Aは、無線タグ14が使用中の場合(S204:Yes)には、預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けせずに、S201に戻る。
【0067】
端末装置11では、預かり情報受付部40Aが、預かり情報取得部20Aから送信された確認結果を受信する(S103)。預かり情報受付部40Aは、無線タグ14が使用中ではない場合(S104:No)には、処理を終了する。一方、預かり情報受付部40Aが、無線タグ14が使用中の場合(S104:Yes)には、S101に戻り、再度預かり情報の入力を受け付ける。
【0068】
<返却処理>
次に、荷物預かりシステム1が実行する返却処理を説明する。
図17は、実施形態にかかる荷物預かりシステム1が実行する返却処理の流れの一例を示す、フローチャートである。
【0069】
図17に示されるように、端末装置11の返却情報受付部40Bが、返却情報の入力を受け付ける(S111)。返却情報受付部40Bは、入力を受け付けた返却情報を情報処理端末に送信する(S112)。
【0070】
情報処理装置10では、返却情報取得部20Bが、返却情報受付部40Bから送信された返却情報を受信する(S211)。返却情報取得部20Bは、受信(取得)した返却情報をコマンド送信部20Cに送信する。
【0071】
コマンド送信部20Cは、返却情報取得部20Bからの返却情報によって特定される無線タグ14の動作部36を作動させるコマンドを作成し、作成したコマンドをブロードキャスト送信する(S212)。
【0072】
無線タグ14では、コマンド解析部30Aが、情報処理装置10のコマンド送信部20Cから送信されたコマンドを受信する(S311)。コマンド解析部30Aは、コマンドの対象が当該コマンド解析部30Aが設けられた無線タグ14か否かを判定する(S312)。コマンド解析部30Aは、コマンドの対象が当該コマンド解析部30Aが設けられた無線タグ14の場合に(S312:Yes)、当該コマンドを動作制御部30Bに送信する。
【0073】
動作制御部30Bは、コマンド解析部30Aからコマンドを受信すると、当該コマンドの内容に基づいて動作部36を制御して動作部36に報知動作を実行させる(S313)。これにより、動作部36がコマンドに応じた報知動作を行なう。なお、無線タグ14の停止ボタン(不図示)が作業者によって操作されることにより、動作部36は報知動作を停止する。また、作業者は、荷物100を預け人に返却したら、無線タグ14と荷札17とを結合する。また、作業者によって返却ボタンG5a(
図11,12)が操作された時点で、預かり情報、返却情報を含む情報がデータベース16等の記憶部に記憶される。なお、当該情報には、動作部36の作動開始時刻および作動終了時刻が含まれてよい。
【0074】
一方、コマンドの対象が当該コマンド解析部30Aが設けられた無線タグ14ではない場合には(S312:No)、コマンド解析部30Aは、当該コマンドを動作制御部30Bに送信しない。すなわち、動作部36は作動しない。
【0075】
<使用前準備>
荷物100の預かり前、すなわち無線タグ14の使用前に、作業者は、端末装置11から情報処理装置10にログインし、各無線タグ14の動作状況を確認する。作業者は、使用対象の無線タグ14の電源が入っているかを確認する。電源が入っている場合には、作業者は、当該無線タグ14の電池残量を確認する。作業者は、電池残量に問題なければ、当該無線タグ14を使用する。
【0076】
一方、作業者は、使用対象の無線タグ14の電源が入っていない場合には、無線タグ14の電源ボタン(不図示)を押して、電源を入れる。電源を入れてLED(不図示)が光った場合には、作業者は、当該無線タグ14の電池残量を確認する。作業者は、電池残量に問題なければ、当該無線タグ14を使用する。作業者は、電源を入れてもLED(不図示)が光らない合には、電池切れのため、電池38cを交換する。そして、再び、電源を入れて、上記の処理を繰り返す。
【0077】
以上のように、実施形態の荷物預かりシステム1は、例えば、荷物100に着脱可能に取り付けられ、外部に対して作動状態を報知可能な動作部36を有した複数の無線タグ14と、無線タグ14と無線通信可能な情報処理装置10と、を備える。情報処理装置10は、無線タグ14を特定する無線タグ特定情報を含む返却情報を取得する返却情報取得部20Bと、返却情報取得部20Bによって取得された返却情報によって特定される無線タグ14の動作部36を作動させるコマンドを送信するコマンド送信部20Cと、を有する。コマンドの対象である無線タグ14がコマンドを受信した場合に、当該無線タグ14の動作部36が作動する。
【0078】
このような荷物預かりシステム1によれば、作業員の探す荷物100に取り付けられた無線タグ14の動作部36だけを作動させることができるので、預けられた荷物100のうち作業員の探す荷物100を作業員が探しやすい。また、これにより、作業効率を向上させて作業量を低減させることができるので、作業員の確保、作業員の満足度の向上、客である預け人の満足度の向上を図ることができる。また、荷物100の管理がしやすくなるので、荷物100の受入数を増やすことができ、収益の向上を図ることができる。
【0079】
また、このように、無線タグ14を用いて荷物100を管理することにより、荷物100の管理に紙を用いる必要がないので、紙の使用の削減を図ることができる。
【0080】
また、実施形態の荷物預かりシステム1では、例えば、コマンド送信部20Cは、コマンドをブロードキャスト送信する。
【0081】
このような荷物預かりシステム1によれば、例えば、コマンド送信部20Cは、コマンドを送る毎にコマンドの送信先を限定する必要がない。
【0082】
また、実施形態の荷物預かりシステム1は、例えば、情報処理装置10と通信可能な端末装置11を備える。端末装置11は、荷物100を特定する荷物特定情報と当該荷物100に取り付けられる無線タグ14の無線タグ特定情報とを含む預かり情報の入力を受け付け、入力を受け付けた預かり情報を情報処理装置10に送信する預かり情報受付部40Aを有する。情報処理装置10は、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けて第1の記憶部22Aに記憶させる預かり情報取得部20Aを有する。
【0083】
このような荷物預かりシステム1によれば、例えば、端末装置11と情報処理装置10とを別々の場所に設置することができる。
【0084】
また、実施形態の荷物預かりシステム1は、例えば、複数の端末装置11を備える。コマンドは、端末装置11ごとに異なる動作を動作部36に指示する。
【0085】
このような荷物預かりシステム1によれば、作業員は、自分が入力操作した端末装置11に対応する無線タグ14を探しやすい。
【0086】
また、実施形態の荷物預かりシステム1では、例えば、預かり情報取得部20Aは、第2の記憶部22Bに記憶された使用状況情報が、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる無線タグ特定情報によって特定される無線タグ14が使用中ではないと示している場合には、当該預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けて第1の記憶部22Aに記憶させる。預かり情報取得部20Aは、第2の記憶部22Bに記憶された使用状況情報が、預かり情報受付部40Aからの預かり情報に含まれる無線タグ特定情報によって特定される無線タグ14が使用中であると示している場合には、当該預かり情報に含まれる荷物特定情報と当該預かり情報に含まれる無線タグ特定情報とを関連付けしない。
【0087】
このような荷物預かりシステム1によれば、例えば、作業員が端末装置11において使用中の無線タグ14の無線タグ特定情報を誤って入力した場合でも、当該無線タグ14に誤って別の荷物100の荷物特定情報が関連付けされることがないので、荷物100を適正に管理することができる。
【0088】
また、実施形態の荷物預かりシステム1では、例えば、預かり情報は、荷物100の預け人を特定する預け人特定情報を含み、情報処理装置10は、預け人特定情報のうち少なくとも一部の情報を数値に変換した保存用データを作成する保存用データ作成部20Dを有する。
【0089】
このような荷物預かりシステム1によれば、例えば、保存用データのデータ量を比較的小さくすることができる。また、このような保存用データは、例えば人工知能(AI)の特徴点フィルタの構築に用いやすい。また、保存用データ作成部20D以外の情報を削除することにより、個人情報の流出を抑制することができる。
【0090】
なお、情報処理装置10、端末装置11、および無線タグ14で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROM、CD−R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、情報処理装置10、端末装置11、および無線タグ14で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、情報処理装置10、端末装置11、および無線タグ14で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0091】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。