(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記周波数変換ミキサの電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲は、少なくとも前記周波数変換ミキサの1dB利得圧縮点以上の入力電力の範囲であり、
前記バッファアンプは、
前記入力電力を、少なくとも前記周波数変換ミキサの1dB利得圧縮点以上の入力電力の範囲まで増幅可能である、
請求項1に記載の位相調整回路。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
本発明の一実施形態によるアレイアンテナ装置1は、各アンテナ素子の備える振幅調整ブロックにおける振幅偏差及び位相偏差、各アンテナ素子の備える位相調整ブロックにおける振幅偏差及び位相偏差を含むアレイアンテナ装置1における振幅偏差及び位相偏差を高精度に調整することのできる装置である。
【0011】
本発明の一実施形態によるアレイアンテナ装置1は、
図1に示すように、位相調整回路10a、10b、10c、10d、ローカル信号生成回路20、パワーアンプ30a、30b、30c、30d、送信アンテナ40a、40b、40c、40dを備える。
以下、位相調整回路10a、10b、10c、10dを総称して、位相調整回路10と呼ぶ。パワーアンプ30a、30b、30c、30dを総称して、パワーアンプ30と呼ぶ。送信アンテナ40a、40b、40c、40dを総称して、送信アンテナ40と呼ぶ。
【0012】
位相調整回路10のそれぞれは、
図1に示すように、ローカル周波数帯移相器11、バッファアンプ12、周波数変換ミキサ13を備える。
ローカル周波数帯移相器11は、グラウンド端子、第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子、第2出力端子を備える。バッファアンプ12は、グラウンド端子、第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子、第2出力端子、第1IF端子、第2IF端子を備える。周波数変換ミキサ13は、グラウンド端子、第1入力端子、第2入力端子、第1出力端子、第2出力端子を備える。なお、
図1においてグラウンド端子は示されていない。
【0013】
ローカル信号生成回路20は、グラウンド端子、第1出力端子、第2出力端子を備える。パワーアンプ30のそれぞれは、グラウンド端子、第1入力端子、第2入力端子、出力端子を備える。
位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11のグラウンド端子は、位相調整回路10b〜10dそれぞれのローカル周波数帯移相器11のグラウンド端子、位相調整回路10それぞれのバッファアンプ12のグラウンド端子、位相調整回路10それぞれの周波数変換ミキサ13のグラウンド端子、ローカル信号生成回路20のグラウンド端子、及び、パワーアンプ30それぞれのグラウンド端子に接続される。
【0014】
位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11の第1入力端子は、位相調整回路10b〜10dそれぞれのローカル周波数帯移相器11の第1入力端子、及び、ローカル信号生成回路20の第1出力端子に接続される。位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11の第2入力端子は、位相調整回路10b〜10dそれぞれのローカル周波数帯移相器11の第2入力端子、及び、ローカル信号生成回路20の第2出力端子に接続される。
【0015】
位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11の第1出力端子は、位相調整回路10aのバッファアンプ12の第1入力端子に接続される。位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11の第2出力端子は、位相調整回路10aのバッファアンプ12の第2入力端子に接続される。位相調整回路10aのバッファアンプ12の第1出力端子は、位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第1入力端子に接続される。位相調整回路10aのバッファアンプ12の第2出力端子は、位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第2入力端子に接続される。
【0016】
位相調整回路10b〜10dそれぞれにおけるローカル周波数帯移相器11、バッファアンプ12、周波数変換ミキサ13の接続についても位相調整回路10aにおけるローカル周波数帯移相器11、バッファアンプ12、周波数変換ミキサ13の接続と同様である。すなわち、位相調整回路10bのローカル周波数帯移相器11の第1出力端子は、位相調整回路10bのバッファアンプ12の第1入力端子に接続される。位相調整回路10bのローカル周波数帯移相器11の第2出力端子は、位相調整回路10bのバッファアンプ12の第2入力端子に接続される。位相調整回路10bのバッファアンプ12の第1出力端子は、位相調整回路10bの周波数変換ミキサ13の第1入力端子に接続される。位相調整回路10bのバッファアンプ12の第2出力端子は、位相調整回路10bの周波数変換ミキサ13の第2入力端子に接続される。また、位相調整回路10cのローカル周波数帯移相器11の第1出力端子は、位相調整回路10cのバッファアンプ12の第1入力端子に接続される。位相調整回路10cのローカル周波数帯移相器11の第2出力端子は、位相調整回路10cのバッファアンプ12の第2入力端子に接続される。位相調整回路10cのバッファアンプ12の第1出力端子は、位相調整回路10cの周波数変換ミキサ13の第1入力端子に接続される。位相調整回路10cのバッファアンプ12の第2出力端子は、位相調整回路10cの周波数変換ミキサ13の第2入力端子に接続される。また、位相調整回路10dのローカル周波数帯移相器11の第1出力端子は、位相調整回路10dのバッファアンプ12の第1入力端子に接続される。位相調整回路10dのローカル周波数帯移相器11の第2出力端子は、位相調整回路10dのバッファアンプ12の第2入力端子に接続される。位相調整回路10dのバッファアンプ12の第1出力端子は、位相調整回路10dの周波数変換ミキサ13の第1入力端子に接続される。位相調整回路10dのバッファアンプ12の第2出力端子は、位相調整回路10dの周波数変換ミキサ13の第2入力端子に接続される。
【0017】
位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30aの第1入力端子に接続される。位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30aの第2入力端子に接続される。
【0018】
位相調整回路10bの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30bの第1入力端子に接続される。位相調整回路10bの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30bの第2入力端子に接続される。
【0019】
位相調整回路10cの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30cの第1入力端子に接続される。位相調整回路10cの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30cの第2入力端子に接続される。
【0020】
位相調整回路10dの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30dの第1入力端子に接続される。位相調整回路10dの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30dの第2入力端子に接続される。
【0021】
位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第1IF端子は、位相調整回路10b〜10dそれぞれの周波数変換ミキサ13の第1IF端子に接続される。位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第2IF端子は、位相調整回路10b〜10dそれぞれの周波数変換ミキサ13の第2IF端子に接続される。
【0022】
パワーアンプ30aの出力端子は、送信アンテナ40aに接続される。パワーアンプ30bの出力端子は、送信アンテナ40bに接続される。パワーアンプ30cの出力端子は、送信アンテナ40cに接続される。パワーアンプ30dの出力端子は、送信アンテナ40dに接続される。
【0023】
位相調整回路10のそれぞれは、ローカル信号生成回路20が生成するローカル信号を受ける。ここで、ローカル信号生成回路20が生成するローカル信号は、例えば、ローカル信号生成回路20の第1出力端子から出力される位相を基準0とする第1ローカル信号LO1と、ローカル信号生成回路20の第2出力端子から出力される位相が基準0から180度ずれた第2ローカル信号LO2である。
【0024】
位相調整回路10のそれぞれは、各アンテナから送信される送信信号の位相偏差が所望の位相偏差となるように、ローカル信号生成回路20から受けたローカル信号の位相を調整する。
【0025】
位相調整回路10のそれぞれにおいて、ローカル周波数帯移相器11のグラウンド端子は、バッファアンプ12のグラウンド端子、及び、周波数変換ミキサ13のグラウンド端子に接続される。ローカル周波数帯移相器11の第1入力端子は、ローカル信号生成回路20の第1出力端子に接続される。ローカル周波数帯移相器11の第2入力端子は、ローカル信号生成回路20の第2出力端子に接続される。ローカル周波数帯移相器11の第1出力端子は、バッファアンプ12の第1入力端子に接続される。ローカル周波数帯移相器11の第2出力端子は、バッファアンプ12の第2入力端子に接続される。バッファアンプ12の第1出力端子は、周波数変換ミキサ13の第1入力端子に接続される。バッファアンプ12の第2出力端子は、周波数変換ミキサ13の第2入力端子に接続される。
【0026】
位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30aの第1入力端子に接続される。位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30aの第2入力端子に接続される。位相調整回路10bの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30bの第1入力端子に接続される。位相調整回路10bの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30bの第2入力端子に接続される。位相調整回路10cの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30cの第1入力端子に接続される。位相調整回路10cの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30cの第2入力端子に接続される。位相調整回路10dの周波数変換ミキサ13の第1出力端子は、パワーアンプ30dの第1入力端子に接続される。位相調整回路10dの周波数変換ミキサ13の第2出力端子は、パワーアンプ30dの第2入力端子に接続される。位相調整回路10それぞれの周波数変換ミキサ13の第1IF端子には、第1入力端子に入力される信号の位相に対応するIF信号が入力される。位相調整回路10それぞれの周波数変換ミキサ13の第2IF端子には、第2入力端子に入力される信号の位相に対応するIF信号(すなわち、第1入力端子に入力される信号を反転させた信号)が入力される。
【0027】
位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11は、ローカル周波数帯移相器11自身が備える第1入力端子を介して、ローカル信号生成回路20から第1ローカル信号LO1を受ける。第1ローカル信号LO1は、位相の基準0となる信号である。また、位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11は、ローカル周波数帯移相器11自身が備える第2入力端子を介して、ローカル信号生成回路20から第2ローカル信号LO2を受ける。第2ローカル信号LO2は、位相の基準0(すなわち、第1ローカル信号LO1の位相)から位相が180度ずれた信号である。位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11は、第1ローカル信号LO1と第2ローカル信号LO2とに基づいて、位相の基準0と同位相の信号sig0、信号sig0から位相が90度ずれた信号sig90、信号sig0から位相が180度ずれた信号sig180、信号sig0から位相が270度ずれた信号sig270の4つの信号を生成する。そして、位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11は、生成した4つの信号に基づいて、位相の基準0から位相がθずれた信号sigθと、信号sigθから位相が180度ずれた信号sig(θ+180)とを生成する。
【0028】
ローカル周波数帯移相器11は、例えば、
図2に示すように、4相ポリフェーズフィルタ(Poly Phase Filter)111(以下、「4相PPF111」と記載)、位相微調整回路112を備える。
【0029】
4相PPF111は、抵抗R1、R2、R3、R4、キャパシタC1、C2、C3、C4を備える。4相PPF111は、RC型PPFであり、例えば、0°、90°、180°、270°の位相値を持った90度ステップの4値直交信号を出力することができる回路である。4相PPF111は、周波数依存性の大きな伝送線路を用いず、集中定数素子で構成することができるため、非特許文献“Yahya Tousi1, Alberto Valdes-Garcia, "AKa-Band Digitally-Controlled Phase Shifter with Sub-Degree Phase Precision," IEEE RFIC, pp. 356-359, 2016.”などの技術を用いた伝送線路インピーダンス特性切り替え型フィルタに比べて小型に実装することが可能である。抵抗R1、R2、R3、R4、キャパシタC1、C2、C3、C4のそれぞれは、第1端子、第2端子を備える。
位相微調整回路112は、切り替えスイッチ回路1121、LCタンク1122を備える。
【0030】
切り替えスイッチ回路1121は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8、SW9、SW10、SW11、SW12、SW13、SW14、SW15、SW16を備える。スイッチSW1、SW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8、SW9、SW10、SW11、SW12、SW13、SW14、SW15、SW16のそれぞれは、第1端子、第2端子、制御端子を備える。
LCタンク1122は、キャパシタC5、インダクタL1を備える。キャパシタC5、インダクタL1のそれぞれは、第1端子、第2端子を備える。
【0031】
抵抗R1の第1端子は、抵抗R2の第1端子、キャパシタC1の第1端子、キャパシタC2の第1端子に接続される。抵抗R1の第1端子のノードは、ローカル周波数帯移相器11の第1入力端子のノードと同一である。抵抗R1の第2端子は、キャパシタC4の第1端子、スイッチSW4の制御端子、スイッチSW7の制御端子に接続される。
【0032】
抵抗R2の第2端子は、キャパシタC1の第2端子、スイッチSW3の制御端子、スイッチSW8の制御端子に接続される。
抵抗R3の第1端子は、抵抗R4の第1端子、キャパシタC3の第1端子、キャパシタC4の第2端子に接続される。抵抗R3の第1端子のノードは、ローカル周波数帯移相器11の第2入力端子のノードと同一である。抵抗R3の第2端子は、キャパシタC2の第2端子、スイッチSW2の制御端子、スイッチSW6の制御端子に接続される。
【0033】
抵抗R4の第2端子は、キャパシタC3の第2端子、スイッチSW1の制御端子、スイッチSW5の制御端子に接続される。
スイッチSW1の第1端子は、スイッチSW2、SW3、SW4、SW5、SW6、SW7、SW8のそれぞれの第1端子に接続される。スイッチSW1の第1端子のノードは、グラウンド端子のノードと同一である。スイッチSW1の第2端子は、スイッチSW9の第1端子に接続される。
【0034】
スイッチSW2の第2端子は、スイッチSW10の第1端子に接続される。スイッチSW3の第2端子は、スイッチSW11の第1端子に接続される。スイッチSW4の第2端子は、スイッチSW12の第1端子に接続される。スイッチSW5の第2端子は、スイッチSW13の第1端子に接続される。スイッチSW6の第2端子は、スイッチSW14の第1端子に接続される。スイッチSW7の第2端子は、スイッチSW15の第1端子に接続される。スイッチSW8の第2端子は、スイッチSW16の第1端子に接続される。
【0035】
スイッチSW9の第2端子は、スイッチSW10、SW11、SW12それぞれの第2端子、キャパシタC5の第1端子、インダクタL1の第1端子に接続される。スイッチSW9の第2端子のノードは、ローカル周波数帯移相器11の第1出力端子のノードと同一である。
【0036】
スイッチSW13の第2端子は、スイッチSW14、SW15、SW16それぞれの第2端子、キャパシタC5の第2端子、インダクタL1の第2端子に接続される。スイッチSW13の第2端子のノードは、ローカル周波数帯移相器11の第2出力端子のノードと同一である。
なお、インダクタL1の第1端子と第2端子との中間点には電源を供給するための電圧入力端子が設けられており、その電圧入力端子には、電圧VDDが印加される。
【0037】
スイッチSW12、SW13には、信号SG0が印加される。信号SG0は、スイッチSW12、SW13をオン状態またはオフ状態にさせる信号である。
スイッチSW11、SW14には、信号SG90が印加される。信号SG90は、スイッチSW11、SW14をオン状態またはオフ状態にさせる信号である。
スイッチSW10、SW15には、信号SG180が印加される。信号SG180は、スイッチSW10、SW15をオン状態またはオフ状態にさせる信号である。
スイッチSW9、SW16には、信号SG270が印加される。信号SG270は、スイッチSW9、SW16をオン状態またはオフ状態にさせる信号である。
【0038】
なお、4つの信号SG0、SG90、SG180、SG270のうちスイッチをオン状態にさせる信号は何れか1つであり、その1つ以外の信号は、スイッチをオフ状態にする信号である。
したがって、
図2に示すローカル周波数帯移相器11は、キャパシタC1、C2、C3、C4のキャパシタンスの値を変更することで、4相PPF111から出力される信号の位相を微調整することができ、切り替えスイッチ113におけるスイッチSW12とSW13、スイッチSW11とSW14、スイッチSW10とSW15、スイッチSW9とSW16のうち何れかをオン状態にすることで、4相PPF111によって生成された4直交信号が180度の位相差の差動信号となるように選別する。具体的には、ローカル周波数帯移相器11の入出力の信号間の位相差を、0度以上90度未満の範囲で移相調整する場合には、スイッチSW12、SW13をON状態、その他のスイッチをオフ状態に設定する。また、ローカル周波数帯移相器11の入出力の信号間の位相差を、90度以上180度未満の範囲で移相調整する場合には、スイッチSW11、SW14をON状態、その他のスイッチをオフ状態に設定する。また、ローカル周波数帯移相器11の入出力の信号間の位相差を、180度以上270度未満の範囲で移相調整する場合には、スイッチSW10、SW15をON状態、その他のスイッチをオフ状態に設定する。また、ローカル周波数帯移相器11の入出力の信号間の位相差を、270度以上360度未満の範囲で移相調整する場合には、スイッチSW9、SW16をON状態、その他のスイッチをオフ状態に設定する。ここで、スイッチを構成するトランジスタのうちオン状態にするトランジスタには、トランジスタの閾値以上の固定の直流電圧を与え、オフ状態にするトランジスタにはトランジスタの閾値未満の固定の直流電圧を与える。また、例えば、アレイアンテナ装置1からの出力信号の放射方向を変更する場合には、各アンテナ4に接続される位相調整回路10aについて、所望のビームパターンが形成されるように各移相状態を設定するようにスイッチSW9〜SW16のオン・オフ状態、及び、LCタンク1122のキャパシタC5の容量値を調整する。
上記のようにローカル周波数帯移相器11によって選別された差動信号は、LCタンク1122を構成するキャパシタC5のキャパシタンスの値を変更することにより、4相PPF111から出力された差動信号の180度位相差を維持したまま、更に0〜90度分の位相加算調整が可能となり、0度以上360度未満の上記移相範囲の移相調整が可能となる。
なお、キャパシタC1〜C5のキャパシタンスの値を変更する場合、例えば、キャパシタC1〜C5の各キャパシタが複数のキャパシタの並列接続により構成されている場合には並列接続されるキャパシタの数を切り替えることによってキャパシタンスの値を変更し、キャパシタC1〜C5の各キャパシタが印加電圧によってキャパシタンスの値が変化するキャパシタである場合には印加電圧を調整することによってキャパシタンスの値を変更する。
【0039】
位相調整回路10aのバッファアンプ12は、位相調整回路10aのローカル周波数帯移相器11から電力を受ける。位相調整回路10aのバッファアンプ12は、受けた電力を、位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13の電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力(例えば、少なくとも周波数変換ミキサ13の1dB利得圧縮点(P1dB)以上の入力電力)まで増幅し、増幅後の電力を位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13に入力する。
【0040】
位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13は、バッファアンプ12の第1出力端子から出力される増幅後の電力と第1IF信号とを混合して第1RF信号を生成する。位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13は、バッファアンプ12の第2出力端子から出力される増幅後の電力と第2IF信号とを混合して第2RF信号を生成する。周波数変換ミキサ13は、例えば、
図3に示すダブルバランスドミキサである。周波数変換ミキサ13は、
図3に示すように、nMOSトランジスタM1、M2、M3、M4、抵抗R11、R12、R13、R14、R15、R16、キャパシタC11、C12、C13、C14、C15、C16、定電流源I1、I2を備える。
nMOSトランジスタM1、M2、M3、M4のそれぞれは、ゲート端子、ドレイン端子、ソース端子を備える。
抵抗R11、R12、R13、R14、R15、R16、キャパシタC11、C12、C13、C14、C15、C16、定電流源I1、I2のそれぞれは、第1端子、第2端子を備える。
【0041】
nMOSトランジスタM1のゲート端子は、抵抗13の第1端子、キャパシタC11の第1端子に接続される。nMOSトランジスタM1のドレイン端子は、nMOSトランジスタM3のドレイン端子、キャパシタC15の第1端子に接続される。nMOSトランジスタM1のソース端子は、nMOSトランジスタM2のソース端子、抵抗11の第1端子、定電流源I1の第1端子に接続される。nMOSトランジスタM1のソース端子には、ローカル周波数帯移相器11の第1出力端子から出力される信号の位相に対応する位相を有するIF信号が入力される。
【0042】
nMOSトランジスタM2のゲート端子は、抵抗R14の第1端子、キャパシタC12の第1端子に接続される。nMOSトランジスタM2のドレイン端子は、nMOSトランジスタM4のドレイン端子、キャパシタC16の第1端子に接続される。
【0043】
nMOSトランジスタM3のゲート端子は、抵抗R15の第1端子、キャパシタC13の第1端子に接続される。nMOSトランジスタM3のソース端子は、nMOSトランジスタM4のソース端子、抵抗R12の第1端子、定電流源I2の第1端子に接続される。
nMOSトランジスタM3のソース端子には、ローカル周波数帯移相器11の第2出力端子から出力される信号の位相に対応する位相を有するIF信号(すなわち、nMOSトランジスタM1のソース端子に入力されるIF信号を反転させた信号)が入力される。
nMOSトランジスタM4のゲート端子は、抵抗R16の第1端子、キャパシタC14の第1端子に接続される。
【0044】
抵抗R11の第2端子は、抵抗R12の第2端子に接続される。抵抗R11の第2端子のノードは、グラウンド端子のノードと同一である。
抵抗R13の第2端子には、nMOSトランジスタM1のゲート端子の直流バイアスを決定するバイアス電圧が印加される。抵抗R14の第2端子には、nMOSトランジスタM2のゲート端子の直流バイアスを決定するバイアス電圧が印加される。抵抗R15の第2端子には、nMOSトランジスタM3のゲート端子の直流バイアスを決定するバイアス電圧が印加される。抵抗R16の第2端子には、nMOSトランジスタM4のゲート端子の直流バイアスを決定するバイアス電圧が印加される。
【0045】
キャパシタC11の第2端子は、キャパシタC14の第2端子に接続される。キャパシタC11の第2端子には、ローカル周波数帯移相器11の第1出力端子から出力される信号が入力される。
【0046】
キャパシタC12の第2端子は、キャパシタC13の第2端子に接続される。キャパシタC12の第2端子には、ローカル周波数帯移相器11の第2出力端子から出力される信号(すなわち、ローカル周波数帯移相器11の第1出力端子から出力される信号を反転させた信号)が入力される。
【0047】
定電流源I1の第2端子は、定電流源I2の第2端子に接続される。定電流源I1の第2端子には、電力源が印加させる。
キャパシタC15の第2端子から、ローカル周波数帯移相器11の第1出力端子から出力される信号の位相に対応する位相を有する第1RF信号が出力される。
キャパシタC16の第2端子から、ローカル周波数帯移相器11の第2出力端子から出力される信号の位相に対応する位相を有する第2RF信号(すなわち、キャパシタC15の第2端子から出力されるRF信号を反転させた信号)が出力される。
図3に示す周波数変換ミキサ13は、nMOSトランジスタM1のソース端子に入力されたIF信号と、キャパシタC11の第2端子に入力された信号とを混合してキャパシタC15の第2端子から混合した信号の位相に対応する位相を有するRF信号を出力する。
また、
図3に示す周波数変換ミキサ13は、nMOSトランジスタM4のソース端子に入力されたIF信号と、キャパシタC14の第2端子から入力された信号とを混合してキャパシタC16の第2端子から混合した信号の位相に対応する位相を有するRF信号を出力する。
【0048】
パワーアンプ30aは、位相調整回路10aの周波数変換ミキサ13が出力する信号を差動入力で受け、受けた信号を増幅したうえで、アンテナ40aを介してRF信号を送信する。
【0049】
位相調整回路10b、パワーアンプ30b、アンテナ40bによって構成される信号経路、位相調整回路10c、パワーアンプ30c、アンテナ40cによって構成される信号経路、位相調整回路10d、パワーアンプ30d、アンテナ40dによって構成される信号経路のそれぞれについても、位相調整回路10a、パワーアンプ30a、アンテナ40aによって構成される信号経路と同様に考えることができ、各信号経路で独立して信号の位相及び振幅を調整することができる。
【0050】
(実施例)
ローカル周波数帯移相器11、バッファアンプ12、周波数変換ミキサ13を備える位相調整回路10についてシミュレーションを行った。
図4は、ローカル周波数帯移相器11に入力される入力電力と周波数変換ミキサ13の電力変換利得との関係を示す図である。
図4において、横軸はローカル周波数帯移相器11に入力される入力電力を示している。縦軸は、周波数変換ミキサ13の電力変換利得を示している。なお、周波数変換ミキサ13の電力変換利得は、周波数変換ミキサ13の出力電力を入力電力で除算して算出している。
図4において、入力電力と電力変換利得との関係は、15本の曲線によって示されている。4直交信号が示す4ビットの値0000〜1111までの15値のそれぞれが各曲線に対応している。なお、15本の曲線と4直交信号が示す4ビットの値との対応関係は、周波数変換ミキサ13の電力変換利得の大きい順、すなわち、周波数変換ミキサ13の出力電力の大きい順に、4直交信号が示す4ビットの値0101、1000、0011、0111、1010、0001、0100、1100、1001、0010、1110、1011、0000、1101、1111が対応している。
この
図4からわかるように、ローカル周波数帯移相器11に入力される入力電力が小さい場合、4直交信号が示す4ビットの値によって、周波数変換ミキサ13の電力変換利得、つまり、周波数変換ミキサ13の出力電力の値のばらつきが大きくなる。そのため、周波数変換ミキサ13の出力電力の値のばらつきを抑えるためには、本発明の一実施形態による位相調整回路10では、周波数変換ミキサ13の前段にバッファアンプ12を設け、周波数変換ミキサ13への入力電力を少なくとも1dB利得圧縮点(P1dB)以上、好ましくは出力電力が飽和するまで電力を増幅する。
また、ローカル周波数帯移相器11は、バッファアンプ12による位相の影響を含めて全体の位相を調整する。
なお、本発明の一実施形態によるバッファアンプ12は、位相調整回路10の周波数変換ミキサ13の電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力(例えば、少なくとも周波数変換ミキサ13の1dB利得圧縮点(P1dB)以上の入力電力)まで増幅すれば、固定の利得であっても、可変利得であってもよい。ただし、本発明の一実施形態によるバッファアンプ12が可変利得である場合、固定の利得である場合よりもより高精度に所望の出力電力に設定でき、アレイアンテナ装置1が出力する信号を、例えば今まで以上に正確な方向に送信できるなど、アレイアンテナ装置1が出力する信号を調整することができる。
【0051】
このように、位相調整回路10それぞれのバッファアンプ12は、ローカル周波数帯移相器11から受けた電力を、位相調整回路10の周波数変換ミキサ13の電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力(例えば、少なくとも周波数変換ミキサ13の1dB利得圧縮点(P1dB)以上の入力電力)まで増幅する。そのため、周波数変換ミキサ13が出力する出力電力をほぼ一定にすることができる。また、位相については、ローカル周波数帯移相器11により調整することができる。
したがって、本発明の一実施形態による位相調整回路10では、周波数変換ミキサ13の出力電力の振幅及び位相を所望の振幅及び位相に調整することができる。その結果、アレイアンテナ装置1は、それぞれのアンテナが出力する信号の振幅と位相をより高精度に調整することができ、それぞれのアンテナが出力する信号を合成して生成されるビームパターンを所望のビームパターンとすることができる。
【0052】
次に、本発明の実施形態による最小構成の位相調整回路10について説明する。
本発明の実施形態による最小構成の位相調整回路10は、
図5に示すように、ローカル周波数帯移相器11、バッファアンプ12、周波数変換ミキサ13を備える。
ローカル周波数帯移相器11は、ローカル信号の周波数帯の信号の位相を調整し、調整後の信号をバッファアンプ12に出力する。
周波数変換ミキサ13は、前記調整後の信号と、当該調整後の信号とは別の信号とを入力し、調整後の信号と別の信号とを混合する。
バッファアンプ12は、ローカル周波数帯移相器11と周波数変換ミキサ13との間に設けられ、周波数変換ミキサ13へ入力する入力電力を、周波数変換ミキサ13の電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲まで増幅可能なアンプである。
このようにすれば、位相調整回路10において、所望の各位相を実現するとともに、各位相ごとの出力電力の差(振幅偏差)を低減することができる。すなわち、位相調整回路10における振幅偏差、及び、位相偏差を高精度に調整することができる。
【0053】
なお、一般的に移相器は入力電力が強い場合、入出力電力の非線形特性が強くなり(本発明の実施形態ではスイッチSW1〜SW16、キャパシタC1〜C5)、信号が歪んでしまい、所望動作をしなくなる。そのため、本発明の実施形態における位相調整回路10において、バッファアンプ12は、ローカル周波数帯移相器11と周波数変換ミキサ13との間に設けられることが望ましい。
また、一般的に移相器では損失が発生し、信号強度が低下してしまうことが多い。そのため、周波数変換ミキサ13からの出力電力を飽和領域レベルまで増幅するには、本発明の実施形態における位相調整回路10において、バッファアンプ12は、ローカル周波数帯移相器11と周波数変換ミキサ13との間に設けられることが望ましい。
また、バッファアンプ12として周波数変換ミキサ13の後段に設ける場合、バッファアンプ12の対応すべき周波数帯はRF周波数帯となる。すなわち、バッファアンプ12がRF周波数帯のアンプとなる。このRF周波数帯は、ローカル信号の周波数帯とIF周波数帯の両方によって決定されるものであるが、本発明の実施形態における位相調整回路10におけるバッファアンプ12のように、ローカル周波数帯移相器11と周波数変換ミキサ13との間に設けることで、ローカル信号の1つの周波数についての補正を行えばよくなるため、位相値ごとの振幅偏差を簡易に高精度に低減することが可能となる。
【0054】
なお、本発明の実施形態における処理は、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わってもよい。
【0055】
本発明の実施形態における記憶部、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていてもよい。また、記憶部、その他の記憶装置のそれぞれは、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していてもよい。
【0056】
本発明の実施形態について説明したが、上述の位相調整回路、アレイアンテナ装置、その他の制御装置は内部に、コンピュータシステムを有していてもよい。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。コンピュータの具体例を以下に示す。
図7は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ5は、
図7に示すように、CPU6、メインメモリ7、ストレージ8、インターフェース9を備える。
例えば、上述の位相調整回路、アレイアンテナ装置、その他の制御装置のそれぞれは、コンピュータ5に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ8に記憶されている。CPU6は、プログラムをストレージ8から読み出してメインメモリ7に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU6は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ7に確保する。
【0057】
ストレージ8の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ8は、コンピュータ5のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インターフェース9または通信回線を介してコンピュータ5に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ5に配信される場合、配信を受けたコンピュータ5が当該プログラムをメインメモリ7に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ8は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0058】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現してもよい。さらに、上記プログラムは、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるファイル、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例であり、発明の範囲を限定しない。これらの実施形態は、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の追加、省略、置き換え、変更を行ってよい。
【0060】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限らない。
【0061】
(付記1)
ローカル信号の周波数帯の信号の位相を調整し、調整後の信号を出力するローカル周波数帯移相器と、
前記調整後の信号と、当該調整後の信号とは別の信号とを入力し、前記調整後の信号と前記別の信号とを混合する周波数変換ミキサと、
前記ローカル周波数帯移相器と前記周波数変換ミキサとの間に設けられ、前記周波数変換ミキサへ入力する入力電力を、前記周波数変換ミキサの電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲まで増幅可能なバッファアンプと、
を備える位相調整回路。
【0062】
(付記2)
前記周波数変換ミキサの電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲は、少なくとも前記周波数変換ミキサの1dB利得圧縮点以上の入力電力の範囲であり、
前記バッファアンプは、
前記入力電力を、少なくとも前記周波数変換ミキサの1dB利得圧縮点以上の入力電力の範囲まで増幅可能である、
付記1に記載の位相調整回路。
【0063】
(付記3)
前記周波数変換ミキサの電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲は、前記周波数変換ミキサの出力電力が飽和する入力電力の範囲であり、
前記バッファアンプは、
前記入力電力を、前記周波数変換ミキサの出力電力が飽和する入力電力の範囲まで増幅可能である、
付記1または付記2に記載の位相調整回路。
【0064】
(付記4)
前記ローカル周波数帯移相器は、
90度ステップの4値直交信号を生成する4値直交信号生成回路と、
前記4値直交信号生成回路の後段にキャパシタンスの値を変更可能なキャパシタを有するLCタンクと、
を備える付記1から付記3の何れか一に記載の位相調整回路。
【0065】
(付記5)
前記4値直交信号生成回路は、
RC型ポリフェーズフィルタを備える、
付記4に記載の位相調整回路。
【0066】
(付記6)
前記バッファアンプは、
前記ローカル周波数帯移相器の位相値設定によらず、前記周波数変換ミキサの飽和電力を出力する、
付記1から付記5の何れか一に記載の位相調整回路。
【0067】
(付記7)
前記バッファアンプは、可変利得アンプである
付記1から付記6の何れか一に記載の位相調整回路。
【0068】
(付記8)
前記バッファアンプは、
利得を調整することにより、出力電力の大きさを制御する、
付記1から付記7の何れか一に記載の位相調整回路。
【0069】
(付記9)
付記1から付記8の何れか一項に記載の位相調整回路と、前記位相調整回路が出力する出力電力を送信するアンテナとをそれぞれ複数備えるアレイアンテナ装置。
【0070】
(付記10)
前記位相調整回路のそれぞれは、
自回路における信号の振幅と位相とを調整することによって前記アンテナそれぞれが出力する前記出力電力の大きさと位相を変更し、前記出力電力を合成して生成されるビームパターンを変更する、
付記9に記載のアレイアンテナ装置。
【0071】
(付記11)
ローカル信号の周波数帯の信号の位相を調整し、調整後の信号を出力することと、
前記調整後の信号と、当該調整後の信号とは別の信号とを入力し、前記調整後の信号と前記別の信号とを混合することと、
周波数変換ミキサへ入力される入力電力を、前記周波数変換ミキサの電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲まで増幅することと、
を含む制御方法。
【0072】
(付記12)
コンピュータに、
ローカル信号の周波数帯の信号の位相を調整し、調整後の信号を出力することと、
前記調整後の信号と、当該調整後の信号とは別の信号とを入力し、前記調整後の信号と前記別の信号とを混合することと、
周波数変換ミキサへ入力される入力電力を、前記周波数変換ミキサの電力についての入出力特性が線形領域から外れる入力電力の範囲まで増幅することと、
を実行させるプログラム。
【0073】
この出願は、2017年10月23日に出願された日本国特願2017−204655を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。