特許第6853525号(P6853525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853525
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】見開き保持具
(51)【国際特許分類】
   B42D 9/00 20060101AFI20210322BHJP
   A47B 23/00 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   B42D9/00 F
   A47B23/00 A
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-173179(P2016-173179)
(22)【出願日】2016年9月5日
(65)【公開番号】特開2018-39136(P2018-39136A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2019年8月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】502115589
【氏名又は名称】株式会社 伊藤伊
(74)【代理人】
【識別番号】110003074
【氏名又は名称】特許業務法人須磨特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊木 涼
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−004311(JP,A)
【文献】 特開2011−251520(JP,A)
【文献】 特公昭40−022227(JP,B1)
【文献】 特開2004−213446(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 9/00
A47B 23/00
23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下向きに凸に湾曲している接地部を有し、前記接地部を下向きにして平面上に載置したとき、前記平面上で左右に揺動自在な本体部と、前記本体部の上面と同じか、それよりも上方に位置し、前記本体部と共に揺動する載置部とを備える右側保持具と、下向きに凸に湾曲している接地部を有し、前記接地部を下向きにして平面上に載置したとき、前記平面上で左右に揺動自在な本体部と、前記本体部の上面と同じか、それよりも上方に位置し、前記本体部と共に揺動する載置部とを備える左側保持具とからなり、
前記右側保持具及び前記左側保持具における前記載置部の上面がいずれも平面であり、それら平面が、それぞれ、前記右側保持具又は前記左側保持具の前記本体部の上面若しくはその一部、又は前記本体部に直接又は間接的に連結された平板状部材の上面若しくはその一部によって構成されており、
前記接地部を下向きにして平面上に載置したとき、前記右側保持具及び前記左側保持具における前記載置部の前記上面が、いずれも、手前下がりになっている見開き保持具。
【請求項2】
前記右側保持具においては、前記接地部の下向きに凸の湾曲が、前記載置部の前記上面における左右方向の中央位置よりも右側の位置で、前記接地部から前記載置部の前記上面までの距離が極大値をとる湾曲であり、前記左側保持具においては、前記接地部の下向きに凸の湾曲が、前記載置部の前記上面における左右方向の中央位置よりも左側の位置で、前記接地部から前記載置部の前記上面までの距離が極大値をとる湾曲である請求項記載の見開き保持具。
【請求項3】
前記右側保持具においては、前記極大値をとる位置が、前記本体部の手前側においては、後方側におけるよりも、前記載置部の前記上面における左右方向左側にずれており、前記左側保持具においては、前記極大値をとる位置が、前記本体部の手前側においては、後方側におけるよりも、前記載置部の前記上面における左右方向右側にずれている請求項記載の見開き保持具。
【請求項4】
前記右側保持具及び前記左側保持具のいずれにおいても、前記本体部が、前後方向に間隔をあけて配置された前方板と後方板、若しくは前後方向に間隔をあけて配置された前方板と中間板と後方板とから構成されている請求項1〜のいずれかに記載の見開き保持具。
【請求項5】
前記右側保持具と前記左側保持具とが、両者の間の左右方向中央に設定される仮想平面に関して、互いに鏡像関係にある請求項1〜のいずれかに記載の見開き保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は見開き保持具に関し、詳細には、書籍、雑誌、楽譜等を見開き状態で保持する見開き保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
書籍や雑誌等を見開き状態で保持する見開き保持具としては、従来から、いわゆる書見台或いは読書台として、種々のものが提案されている。例えば、特許文献1には、折りたたみ自在の脚を備えた開閉自在な左右一対の受け台と、ページ押えとを有する脚つき傾斜読書台が、特許文献2には、正面形状がヘ字状に形成された2枚の載置部材の内側端部を結合具で結合するとともに、載置部材の外側両側にページ保持部材を挿着した書籍ページ保持具が開示されている。しかしながら、これら特許文献1、2に開示されている見開き保持具は、書籍等を受ける左右の受け台が中央で連結されており、見開き状態で背表紙部が突出した湾曲状態にある書籍等を安定的に保持することができないという欠点がある。このため、これら特許文献1、2に開示されている見開き保持具においては、載置した書籍等の見開いたページが勝手に移動したり、開いた書籍等が勝手に閉じてしまったりすることが避けられず、これを防止するために、何らかのページ保持手段が不可欠であり、構造が複雑になる上に、ページをめくる動作に手間が掛かるという不都合がある。
【0003】
一方、例えば、特許文献3においては、上記の欠点を避けるため、2枚一対の書見板を間隔をあけて配置して、両者の間に書籍等の背表紙部を落とし込む箇所を設けるとともに、2枚の書見板の後方への傾斜角度及び左右方向の傾斜角度を比較的大きく設定することによって、書籍等を見開き状態で見易い角度に支持し、卓上又は床上に自立させておくことを可能にしたとされる書見台が提案されている。しかしながら、安定した状態で保持するに適した後方への傾斜角度や左右方向の傾斜角度は書籍等の大きさや厚さに応じて変化するので、特許文献3に開示されている書見台では、載置する書籍等に合わせてその都度後方への傾斜角度や左右方向の傾斜角度を調整する必要があり、多種多様の書籍等に自在に対応できないという不都合がある。
【0004】
特許文献4においても、書籍等を見開き状態で保持する左右の支持板間に間隙を設け、この間隙に書籍の背表紙部分を落とし込むようにした書見台が開示されているが、当該書見台においては、書籍等の見開き角度の調整は、角度調整材と左右の支持板との係合位置を変えることによって行う必要があり、書籍等の大きさや厚さが変わると、その都度調整しなければならないという煩雑さがある点では、特許文献3に開示されている書見台と同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭60−42132号公報
【特許文献2】特開2002−144765号公報
【特許文献3】実用新案登録第3114335号公報
【特許文献4】特許第4665074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の欠点を解消するために為されたもので、ページ押さえ等の手段を必要とせずに書籍等を見開き状態で安定的に保持することができ、かつ、大きさや厚さが異なる書籍等に対しても、特段の調整作業を要することなく自在に対応できる見開き保持具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は上記の課題を解決すべく鋭意研究努力を重ねた結果、書籍等を見開き状態で安定的に保持するには、一体化され、かつ、しっかりと支持された左右の支持体が必要であるという従来の発想から脱却し、書籍等の表及び裏表紙部分を支持する左右の支持体を切り離して別体にするとともに、それら左右の支持体をしっかりと固定せず、それぞれが揺動自在な形状、構造とすることによって、書籍等を見開き状態で安定的に保持することができ、かつ、大きさや厚さが異なる書籍等に対しても自在に対応することができることを見出して、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、下向きに凸に湾曲している接地部を有し、前記接地部を下向きにして平面上に載置したとき、前記平面上で左右に揺動自在な本体部と、前記本体部の上面と同じか、それよりも上方に位置し、前記本体部と共に揺動する載置部とを備える右側保持具と、下向きに凸に湾曲している接地部を有し、前記接地部を下向きにして平面上に載置したとき、前記平面上で左右に揺動自在な本体部と、前記本体部の上面と同じか、それよりも上方に位置し、前記本体部と共に揺動する載置部とを備える左側保持具とからなる見開き保持具を提供することによって上記課題を解決するものである。
【0009】
上記のとおり、本発明の見開き保持具においては、右側保持具と左側保持具とが別体に形成され、かつ、それぞれが平面上で揺動自在に構成されているので、適宜の間隔をあけて左右に配置した右側保持具と左側保持具との上に書籍等を見開き状態で載置すると、前記間隔が書籍等の突出した背表紙部分が右側保持具と左側保持具との間に嵌り込むことが許容され、かつ、左右に見開いた書籍等の表表紙部分と裏表紙部分とが右側保持具又は左側保持具の載置部と当接し、これにより右側保持具と左側保持具とがそれぞれ自ら揺動して、載置された書籍等の大きさや見開き位置等に応じた安定な角度位置に移動するので、何らの調整手段を要することなく、書籍等を見開き状態で安定的に保持することが可能となる。
【0010】
このことは、見開き状態で書籍等のページを繰って右から左、或いは左から右に移動させたときにおいても同様であり、ページが繰られることによって、左右の保持具に掛かる質量が変化すると、その変化に合わせて右側保持具及び左側保持具が揺動して安定な角度位置に移動し、右側保持具及び左側保持具は、それらの載置部とともに、常に安定した角度に維持される。
【0011】
なお、右側保持具及び左側保持具が、平面上で滑ることなく揺動することを確実にするため、右側保持具及び左側保持具の接地部の下面を摩擦の大きな材料で構成するか、摩擦の大きな材料で構成された載置板を用意して、その上に右側保持具及び左側保持具を載置するようにするか、或いは、その双方の手段を講じるのが好ましい。
【0012】
好ましい一態様において、右側保持具及び左側保持具における載置部の上面はいずれも平面であり、それら平面は、それぞれ、右側保持具又は左側保持具の本体部の上面若しくはその一部、又は前記本体部に直接又は間接的に連結された平板状部材の上面若しくはその一部によって構成されている。すなわち、本発明の見開き保持具において、その上に書籍等を載置する載置部の上面は基本的に平面であり、平面であるのが好ましいが、右側保持具又は左側保持具のそれぞれにおいて、必ずしも連続した一枚の平面である必要はなく、部分的に欠損部分があっても良い。また、本体部の上面又はその一部が載置部の上面を形成していても良いし、本体部とは別に本体部に直接又は間接的に連結された平板状部材の上面又はその一部が載置部の上面を形成していても良い。
【0013】
また、本発明の見開き保持具においては、右側保持具及び左側保持具を接地部を下向きにして平面上に載置したとき、右側保持具及び左側保持具における載置部の上面が手前下がりになっているのが好ましい。載置部の上面が手前下がりになっている場合には、左右の保持具間の距離にもよるが、書籍等を手前下がりに見開き保持することができ、保持された書籍等が見易いという利点が得られる。なお、載置部の上面は、載置部の上面を全体としてみたときに手前下がりになっていれば良く、例えば、載置部の上面が連続した一枚の平面ではなく、不連続な点状、線状、又は島状領域から形成されている場合、必ずしも、個々の点状、線状、又は島状領域の上面までを含めて手前下がりになっている必要はなく、それら点状、線状、又は島状領域の上面が、全体として、手前下がりの平面上に位置していれば良い。
【0014】
右側保持具及び左側保持具における載置部の上面を、本体部の後方側よりも手前側が下方に位置する手前下がりにするには、例えば、接地部から載置部の上面までの距離が、右側保持具及び左側保持具のいずれにおいても、載置部の同じ左右方向位置で比べたとき、本体部の後方側よりも手前側が小さくなるように、接地部の下向きに凸の湾曲の形状を設定すれば良い。
【0015】
因みに、本明細書で手前側とは、右側保持具を右に、左側保持具を左にして、両者を並べて置いたときの手前側をいい、後方側とは、右側保持具を右に、左側保持具を左にして、両者を並べて置いたときの奥側をいうものとする。同様に、右側とは、右側保持具を右に、左側保持具を左にして、両者を並べて置いたときの右側をいい、左側とは、右側保持具を右に、左側保持具を左にして、両者を並べて置いたときの左側をいうものとする。
【0016】
さらに、本発明の見開き保持具は、右側保持具においては、接地部の下向きに凸の湾曲が、右側保持具の重心の左右方向位置よりも右側の位置で、接地部から載置部の上面までの距離が極大値をとる湾曲であり、左側保持具においては、接地部の下向きに凸の湾曲が、左側保持具の重心の左右方向位置よりも左側の位置で、接地部から載置部の上面までの距離が極大値をとる湾曲であるのが好ましい。このように、接地部から載置部の上面までの距離が極大値をとる位置が、右側保持具においては、重心よりも右側に、左側保持具においては、重心よりも左側にずれている場合には、右側保持具を右側に、左側保持具を左側にして、両者を平面上に並べて配置したとき、右側保持具にあっては載置部の上面が左下がりに、右側保持具にあっては載置部の上面が右下がりになるので、見開き状態にある書籍等を載置し易いという利点が得られる。
【0017】
さらに、本発明の見開き保持具は、右側保持具においては、接地部から載置部の上面までの距離が極大値をとる位置が、本体部の手前側においては、後方側におけるよりも左側にずれており、左側保持具においては、接地部から載置部の上面までの距離が極大値をとる位置が、本体部の手前側においては、後方側におけるよりも右側にずれているのが好ましい。
【0018】
本発明の見開き保持具がこのように構成されている場合には、右側保持具及び左側保持部を平面上に載置したとき、接地部が、右側保持具では、本体部の手前側が後方側よりも左右方向左側の位置で、左側保持具では、本体部の手前側が後方側よりも左右方向右側の位置で、それぞれ平面と接しながら揺動することになるので、右側保持具は右端が左端よりも手前側に、左側保持具は左端が右端よりも手前側に位置することになって、上から見ると、右側保持具と左側保持具とが、ハの字型を形成し、書籍等を見開き状態で載置し易いという利点が得られる。
【0019】
なお、本発明の見開き保持具において、右側及び左側保持具における本体部は、必ずしも中実な一個の部材から構成されている必要はなく、下向きに凸に湾曲している接地部を有する限り、複数個の部材から構成されていても良く、また、本体部としての外形形状を形作る枠部分だけから構成されていても良い。例えば、右側保持具及び左側保持具のいずれにおいても、本体部は、前後方向に間隔をあけて配置された板状の前方板と、同じく板状の後方板とから構成されていても良いし、或いは、前記前方板と前記後方板に加えて、それら両者の間に配置された1又は複数の板状の中間板とから構成されていても良い。このように、右側保持具及び左側保持具の本体部が、忠実体ではなく、複数枚の板状部材から構成されている場合には、材料が節約できるばかりでなく、右側保持具及び左側保持具の軽量化を図ることもでき、さらには右側保持具及び左側保持具の製作も容易になるので、有利である。
【0020】
なお、本体部が、上記のように、前後方向に間隔をあけて配置された前方板と後方板、若しくは前後方向に間隔をあけて配置された前方板と中間板と後方板とから構成されている場合には、前方板と後方板の下端部、好適には前方板と後方板の下面が下向きに凸に湾曲した接地部を構成することになる。1又は複数枚の中間板に関しても、その下面を下向きに凸に湾曲した形状とし、接地部を構成するようにしても良いことは勿論である。
【0021】
本発明の見開き保持具は、好ましくは、右側保持具と左側保持具とが、両者の間の左右方向中央に設定される垂直な仮想平面に関して、互いに鏡像関係にある構造を有しているのが望ましい。
【0022】
本発明の見開き保持具が対象とする被保持物には特に制限はなく、例えば、書籍、雑誌、カタログ、パンフレット、地図、楽譜等、見開くことができるものであれば何であっても良い。また、見開き保持する目的は、読書や書見に限られず、展示や紹介のためであっても良い。さらに、本発明の見開き保持具は、書籍等を見開き保持するのと類似した状態で様々な物体を保持することにも使用でき、例えば、枕の下に配置して、枕を頭部の両側で安定して支えるためにも使用できる。本発明の見開き保持具を枕の支持具として使用する場合には、睡眠中又は覚醒中に頭の傾斜角度が変化しても、右側保持具及び左側保持具がその変化に追従して揺動し、常に頭部を安定して支えることができるという利点が得られる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の見開き保持具によれば、ページ押さえ等の煩雑な手段を必要とすることなく、書籍等の見開くことが可能な対象物を安定して保持することができるという利点が得られる。本発明の見開き保持具においては、右側保持具と左側保持具とが連結されておらず、別々であるとともに、それぞれ独立して揺動自在であるので、見開き保持する書籍等の大きさや厚さ、表紙の硬さ等が変わっても、右側保持具と左側保持具との間に突出した背表紙部分を無理なく受け入れ、かつ、左右に分配される書籍等の重量やその変化に右側保持具及び左側保持具が良く追従して揺動し、常に安定した角度で書籍等の表表紙部分及び裏表紙部分を支え、保持することができるという利点が得られる。このため、本発明の見開き保持具によれば、見開き保持中に書籍等のページを繰って、その見開き箇所を変化させても、安定した見開き状態が崩れる恐れがなく、極端な場合には、表紙だけ、又は裏表紙だけを一方に残して、他のページを全て他方側に移動させた状態であっても、書籍等を安定して見開き保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の見開き保持具の一例を示す斜視図である。
図2】見開き保持具の揺動状態を模式的に示す斜視図である。
図3】右側保持具だけを取り出して示す正面図である。
図4】左側保持具だけを取り出して示す正面図である。
図5】ハの字型を形成した状態の見開き保持具の斜視図である。
図6】右側保持具だけを取り出して示す右側面図である。
図7】右側保持具だけを取り出して示す左側面図である。
図8】右側保持具だけを取り出して示す平面図である。
図9】左側保持具だけを取り出して示す右側面図である。
図10】左側保持具だけを取り出して示す左側面図である。
図11】左側保持具だけを取り出して示す平面図である。
図12】本発明の見開き保持具に書籍を見開き状態で保持させた状態を示す斜視図である。
図13】本発明の見開き保持具に書籍を見開き状態で保持させた状態を示す斜視図である。
図14】本発明の見開き保持具の他の一例を示す右側保持具の平面図である。
図15】本発明の見開き保持具のさらに他の一例を示す右側保持具の右側面図である。
図16】本発明の見開き保持具のさらに他の一例を示す右側保持具の正面図である。
図17】本発明の見開き保持具のさらに他の一例を示す右側保持具の正面図である。
図18】本発明の見開き保持具のさらに他の一例を示す右側保持具の右側面図である。
図19】本発明の見開き保持具のさらに他の一例を示す右側保持具の右側面図である。
図20】本発明の見開き保持具のさらに他の一例を示す右側保持具の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明が図示のものに限られないことは勿論である。
【0026】
図1は、本発明の見開き保持具の一例を示す斜視図である。図1において、1は見開き保持具であり、見開き保持具1は右側保持具Rと左側保持具Lとから構成されている。2Raは右側保持具Rの前方板、2Rbは右側保持具Rの後方板であり、前方板2Raと後方板2Rbとで右側保持具Rの本体部3Rを構成している。4Raは、前方板2Raの接地部であり、図に示すとおり、下向きに凸に湾曲している。同様に、4Rbは、後方板2Rbの接地部であり、図に示すとおり、下向きに凸に湾曲している。5Rは右側保持具Rの載置部であり、本例において、載置部5Rは、本体部3Rを構成する前方板2Raの上面と後方板2Rbの上面との間に掛け渡された平面状の板状部材で構成されており、その上面は平面である。
【0027】
同じく、2Laは左側保持具Lの前方板、2Lbは左側保持具Lの後方板であり、前方板2Laと後方板2Lbとで左側保持具Lの本体部3Lを構成している。4Laは、前方板2Laの接地部であり、図に示すとおり、下向きに凸に湾曲している。同様に、4Lbは、後方板2Lbの接地部であり、図に示すとおり、下向きに凸に湾曲している。5Lは左側保持具Lの載置部であり、本例において、載置部5Lは、本体部3Lを構成する前方板2Laの上面と後方板2Lbの上面との間に掛け渡された平面状の板状部材で構成されている。
【0028】
6は模式的に描かれた平面であり、平面6の上に見開き保持具1を構成する右側保持具Rと左側保持具Lとが載置され、使用に供されることになる。本例においては、右側保持具Rと左側保持具Lとは、両者の左右方向中央に設定される平面6に対して垂直な仮想平面Pに関して、互いに鏡像関係にある構造を有している。なお、本明細書における右方、左方、前方、後方、上方、下方は、全て図1におけるそれぞれの方向をいうものとする。
【0029】
見開き保持具1を構成する右側保持具Rと左側保持具Lとは、原則的にどのような材料で作製されても良く、例えば、アクリル板などのプラスチック材料や、厚紙や段ボール板などの紙材料、金属材料、さらにはこれらを組み合わせて作製することができる。
【0030】
本発明の見開き保持具1は、上記のとおり、右側保持具R及び左側保持具Lが、それぞれ、下向きに凸に湾曲した接地部2Ra、2Rb、及び2La、2Lbを有する本体部3R及び3Lを備えているので、図2に2点鎖線及び矢印で示すとおり、平面6上で、互いに独立に揺動自在である。
【0031】
図3は、図1に示した右側保持具Rだけを取り出し、載置部5Rを水平に位置させた状態で示す正面図であり、図3において、5Rtopは載置部5Rの上面である。本例において載置部5Rは平板状の部材で構成されているので、上面5Rtopは平面であり、図3に示す状態においては水平でもある。また、載置部5Rの上面5Rtopは、本体部3Rを構成する前方板2Ra及び後方板2Rbの上面よりも上方に位置している。
【0032】
図3に示すとおり、本体部3Rを構成する前方板2Raは下向きに凸に湾曲している接地部4Raを有しており、接地部4Raから載置板5Rの上面5Rtopまでの距離Hnは、図中、左側から右側に向かうに連れて、Hn1、Hn2と増大し、左右方向位置XRamにおいて極大値Ramを取った後、Hn3と減少に転じる。前方板2Raにおける接地部4Raが極大値XRamを取る左右方向位置XRamは、図3に示すとおり、右側保持具Rの重心Gcの左右方向位置よりも右側に位置している。なお、接地部から載置板の上面までの距離とは、接地部の各点から載置板の上面に立てた法線の長さを意味し、以下においても同様である。
【0033】
同様に、本体部3Rを構成する後方板2Rbも下向きに凸に湾曲している接地部4Rbを有しており、接地部4Rbから載置板5Rの上面5Rtopまでの距離は、図中、左側から右側に向かうに連れて次第に増大し、左右方向位置XRbmにおいて極大値Rbmを取った後、減少に転じる。後方板2Rbにおける接地部4Rbが極大値XRbmを取る左右方向位置XRbmも、図3に示すとおり、右側保持具Rの重心Gcの左右方向位置よりも右側に位置している。
【0034】
このように、前方板2Raにおける接地部4Raから載置板5Rの上面5Rtopまでの距離が極大値を取る位置XRam、及び後方板2Rbにおける接地部4Rbから載置板5Rの上面5Rtopまでの距離が極大値を取る位置XRbmが、いずれも右側保持具Rの重心Gcよりも右側に位置しているので、右側保持具Rを平面6上に置くと、右側保持具Rの接地部4Ra及び4Rbは、外力がない状態では、前記極大値を取る位置XRam及びXRbmよりも左側で平面6と接することになり、右側保持具Rは、先に図1に示したとおり、載置部5Rの上面5Rtopが左下がりに傾いた状態で安定する。
【0035】
図4は、図1に示した左側保持具Lだけを取り出し、図3と同様に、載置部5Lを水平に位置させた状態で示す正面図であり、5Ltopは載置部5Lの上面である。本例において載置部5Lは平板状の部材で構成されているので、上面5Ltopは平面であり、図4に示す状態においては水平でもある。
【0036】
図4に示すとおり、前方板2Laは下向きに凸に湾曲している接地部4Laを有しており、接地部4Laから載置板5Lの上面5Ltopまでの距離Hnは、図中、右側から左側に向かうに連れて、Hn1、Hn2と増大し、左右方向位置XLamにおいて極大値Lamを取った後、Hn3と減少に転じる。前方板2Laにおける接地部4Laが極大値XLamを取る左右方向位置XLamは、図4に示すとおり、左側保持具Lの重心Gcの左右方向位置よりも左側に位置している。
【0037】
同様に、後方板2Lbも下向きに凸に湾曲している接地部4Lbを有しており、接地部4Lbから載置板5Lの上面5Ltopまでの距離は、図中、右側から左側に向かうに連れて次第に増大し、左右方向位置XLbmにおいて極大値Lbmを取った後、減少に転じる。後方板2Lbにおける接地部4Lbが極大値XLbmを取る左右方向位置XLbmも、図4に示すとおり、左側保持具Lの重心Gcの左右方向位置よりも左側に位置している。
【0038】
このように、前方板2Laにおける接地部4Laから載置板5Lの上面5Ltopまでの距離が極大値を取る位置XLam、及び後方板2Lbにおける接地部4Lbから載置板5Lの上面5Ltopまでの距離が極大値を取る位置XLbmが、いずれも左側保持具Lの重心Gcよりも左側に位置しているので、左側保持具Lを平面6上に置くと、左側保持具Lの接地部4La及び4Lbは、外力がない状態では、前記極大値を取る位置XLam及びXLbmよりも右側で平面6と接することになり、左側保持具Lは、先に図1に示したとおり、載置部5Lの上面5Ltopが右下がりに傾いた状態で安定する。
【0039】
以上のとおり、見開き保持具1を構成する左右一対の右側保持具Rと左側保持具Lとを平面6上に置くと、外力がない状態では、右側保持具Rは載置部5Rの上面5Rtopが左下がりに傾いた状態で、左側保持具Lは載置部5Lの上面5Ltopが右下がりに傾いた状態で、それぞれ安定するので、書籍等を見開き状態で載置するのが容易となり、好ましい。
【0040】
また、図3に示すとおり、右側保持具Rにおいては、前方板2Raにおける接地部4Raから載置板5Rの上面5Rtopまでの距離が極大値を取る位置XRamが、後方板2Rbにおける接地部4Rbから載置板5Rの上面5Rtopまでの距離が極大値を取る位置XRbmよりも左側に位置しているので、右側保持具Rを平面6上に置いたとき、本体部3Rの手前側、すなわち前方板2Raの方が、後方側、すなわち後方板2Rbよりも左右方向左側の位置で、平面6と接しながら揺動することになり、右側保持具R全体としては右端が左端よりも手前側に位置することになる。
【0041】
一方、左側保持具Lにおいては、図4に示すとおり、前方板2Laにおける接地部4Laから載置板5Lの上面5Ltopまでの距離が極大値を取る位置XLamが、後方板2Lbにおける接地部4Lbから載置板5Lの上面5Ltopまでの距離が極大値を取る位置XLbmよりも右側に位置しているので、左側保持具Lを平面6上に置いたとき、本体部3Lの手前側、すなわち前方板2Laの方が、後方側、すなわち後方板2Lbよりも左右方向右側の位置で、平面6と接しながら揺動することになり、左側保持具L全体としては左端が右端よりも手前側に位置することになる。
【0042】
その結果、見開き保持具1を構成する右側保持具R及び左側保持具Lを平面6上に置いて揺動させると、右側保持具Rと左側保持具Lとは、上から見ると、図5に示すように、ハの字型を形成し、書籍等を見開き状態で載置し易いという利点が得られるので好ましい。
【0043】
なお、右側保持具R及び左側保持具Lにおける接地部4Ra、4La、4Rb、4Lbの下向きに凸の湾曲は、それらの湾曲が上述した左右方向位置に前記極大値を有する湾曲である限り、どのような曲線によって構成されていても良く、例えば、円弧、楕円弧、放物線の一部、双曲線の一部、その他の曲線、又はそれら2種以上を組み合わせて接続した曲線であっても良い。
【0044】
また、図3に示すとおり、本例の見開き保持具1においては、右側保持具Rにおける前方板2Raの接地部4Raから載置部5Rの上面5Rtopまでの距離と、後方板2Rbの接地部4Rbから載置部5Rの上面5Rtopまでの距離とは、載置板5Rの同じ左右方向位置で比べた場合、常に、前者の方が短くなるように、接地部4Raの下向きに凸の湾曲と接地部4Rbの下向きに凸の湾曲とが設定されている。このため、右側保持具Rを接地部4Ra及び4Rbを下向きにして平面6上に置くと、右側保持具Rの載置板5Rの上面5Rtopは手前下がりとなる。
【0045】
左側保持具Lにおいても同様であり、図4に示すとおり、左側保持具Lにおける前方板2Laの接地部4Laから載置部5Lの上面5Ltopまでの距離と、後方板2Lbの接地部4Lbから載置部5Lの上面5Ltopまでの距離とは、載置板5Lの同じ左右方向位置で比べた場合、常に、前者の方が短くなるように、接地部4Laの下向きに凸の湾曲と接地部4Lbの下向きに凸の湾曲とが設定されている。このため、左側保持具Lを接地部4La及び4Lbを下向きにして平面6上に置くと、左側保持具Lの載置板5Lの上面5Ltopは手前下がりとなる。
【0046】
このように本例の見開き保持具1においては、右側保持具R及び左側保持具Lを接地部4Ra、4Rb、及び4La、4Lbを下向きにして平面6上に載置したとき、それぞれの載置部5R、5Lの上面5Rtopと5Ltopとが、いずれも手前下がりになるので、書籍等を手前下がりに見開き保持することができ、保持された書籍等が見易いという利点が得られる。
【0047】
図6図7図8は、図1に示した右側保持具Rだけを取り出して示す、それぞれ、右側面図、左側面図、及び平面図である。図6図8に示されるとおり、載置板5Rは、前方板2Raの上面2Ratopと後方板2Rbの上面2Rbtopの間に掛け渡された一枚の板状部材で構成されており、載置板5Rの上面5Rtopは、本体部3Rを構成する前方板2Ra及び後方板2Rbの上面2Ratop及び2Rbtopよりも上方に位置している。
【0048】
同様に、図9図10図11は、図1に示した左側保持具Lだけを取り出して示す、それぞれ、右側面図、左側面図、及び平面図である。図9図11に示されるとおり、載置板5Lは、前方板2Laの上面2Latopと後方板2Lbの上面2Lbtopの間に掛け渡された一枚の板状部材で構成されており、載置板5Lの上面5Ltopは、本体部3Lを構成する前方板2La及び後方板2Lbの上面2Latop及び2Lbtopよりも上方に位置している。
【0049】
図12は、図1に示す見開き保持具1の使用状態の一例を示す斜視図である。図12において、Bは書籍であり、書籍Bは図に示されるように見開いた状態で、見開き保持具1を構成する右側保持具Rと左側保持具Lの上に載置される。右側保持具Rと左側保持具Lとは間隔Wをあけて配置されているので、これらの上に載置された書籍Bは、見開き状態では下方に突出する背表紙部を右側保持具Rと左側保持具Lとの間に嵌り込ませるとともに、表表紙及び裏表紙を、それぞれ右側保持具Rの載置部5R又は左側保持具Lの載置部5Lと当接させて、右側保持具Rと左側保持具Lとによって見開き保持される。
【0050】
書籍Bの表表紙又は裏表紙部分が載置部5R又は5Lと当接したとき、書籍Bの重さが載置部5R及び5Lに伝達され、その重さと重さが掛かる位置に応じて、右側保持具R及び左側保持具Lは、それぞれの接地部4Ra、4Rbと4La、4Lbの一部を平面6と接触させながら平面6上で揺動し、重さと支える角度とがバランスのとれた角度位置に停止する。図の例では、書籍Bはそのほぼ真ん中の位置で見開いた状態にあるので、右側保持具Rに掛かる重さと左側保持具Lに掛かる重さとは原則として同じであり、右側保持具Rと左側保持具Lとが安定する角度位置は、左右で鏡像関係にある点を除いて、同じである。
【0051】
また、右側保持具Rの載置部5Rの上面5Rtopと、左側保持具Lの載置部5Lの上面5Ltopとは、前述したとおり、手前下がりになっているので、その上に見開き保持される書籍Bも手前下がりとなり、開かれたページが極めて見易い状態で書籍Bは見開き保持されることになる。このような状態で、書籍Bを書見しても良いし、書籍Bを展示しても良い。
【0052】
図13は、図12に示す状態から、書籍Bのページを左から右に繰った状態を示している。図13に示すとおり、書籍Bの殆どのページが右側に移り、左側にはわずかなページしか残されていない状態である。本発明の見開き保持具1においては、ページ押さえなどの機構がないので、見開き保持中においても、自在に書籍Bのページを繰ることが可能である。また、ページを繰ることによって、右側保持具Rの載置部5Rに掛かる重さが増し、逆に、左側保持具Lの載置部5Lに掛かる重さが減少すると、図13中矢印で示すように、右側保持具Rはその重さの増加に応じて、接地部4Ra及び4Rbのより左側で平面6と接触する方向に揺動し、左側保持具Lもその重さの減少に応じて、接地部4La及び4Lbのより左側で平面6と接触する方向に揺動し、いずれも安定する角度位置で停止するので、書籍Bの見開き保持状態は安定的に維持されることになる。なお、書籍Bのページを右から左に繰ったときにも、揺動方向が変わるだけで、右側保持具R及び左側保持具Lが安定する角度位置まで揺動し、書籍Bの見開き保持状態が安定的に維持されることに変わりはない。
【0053】
なお、本発明の見開き保持具1には様々な変形が可能である。以下、右側保持具Rのみを例に各種変形例を説明するが、各種変形例における左側保持具Lは、右側保持具Rと鏡像関係にある点を除いて、右側保持具Rと構造的には同じである。
【0054】
図14は、本発明の見開き保持具1の他の一例における右側保持具Rの平面図である。図14に示すとおり、本例の見開き保持具1においては、右側保持具Rの載置部5Rを構成する平板状部材には、複数の開口h1、h2、h3、h4が設けられている点が先に説明した例とは異なっている。このように、本発明の見開き保持具1においては、載置部5Rを構成する平板状部材は、必ずしも完全な平板状部材でなくても良く、開口h1、h2、h3、h4に示されるような欠損部を有していても良い。この場合、開口h1、h2、h3、h4を除いた部分が、載置部5Rの上面5Rtopとなる。
【0055】
因みに、図14における符号h1、h2、h3、h4で示した部分は、開口である代わりに、上方に突出した部分であっても良く、その場合、突出した部分h1、h2、h3、h4の上面が載置部5Rの上面5Rtopとなる。
【0056】
図15は、本発明の見開き保持具1のさらに他の一例における右側保持具Rの右側面図、図16は正面図である。図15図16に示す例においては、載置部5Rを構成する平板状部材は存在せず、代わりに、前方板2Raと後方板2Rbとを連結する水平な連結部材7Rが設けられている。この例においては、前方板2Raの上面と後方板2Rbの上面とが載置部を構成し、同時に載置部の上面5Rtopでもあり、本体部3Rを構成する前方板2Ra及び後方板2Rbの上面2Ratop及び2Rbtopと載置部の上面5Rtopとは同じ高さにある。
【0057】
本例に示すように、載置部5Rは必ずしも平板状部材で構成されている必要はなく、本体部3Rの上面を載置部として利用することも可能である。
【0058】
図17は、本発明の見開き保持具1のさらに他の一例における右側保持具Rの正面図である。本例においては、先の述べた連結部材7Rに加えて、本体部3Rを構成する前方板2Ra及び後方板2Rbの上面に、飛び飛びに上方に突出する突出部8Raと8Rb(8Rbは8Raの背後に位置しているので図17には示されていない)が形成されている点がこれまでのものとは異なっている。本例の場合、本体部3Rの上面の一部である突出部8Ra及び8Rbの上面が載置部の上面5Rtopを構成している。
【0059】
図18は、本発明の見開き保持具1のさらに他の一例における右側保持具Rの右側面図である。図に示すとおり、本例においては、前方板2Raと後方板2Rbとを連結する連結部材7Rの上部に複数本の支柱9Rが設けられ、それら支柱9Rの上に、載置部5Rを構成する平板状部材が取付けられている。この平板状部材の上面が載置部5Rの上面5Rtopを構成することになる。このように、載置部5Rは、本体部3Rに直接連結されている必要はなく、連結部材7Rや支柱9Rを介して間接的に連結されていても良い。
【0060】
さらに、図19は、本発明の見開き保持具1のさらに他の一例における右側保持具Rの右側面図、図20はその正面図である。図19及び図20に示されるとおり、本例においては、本体部3Rは、前方板2Ra及び後方板2Rbに加えて、それらの中間に配置されている中間板2Rcから構成されている。中間板2Rcは、下向きに凸に湾曲する接地部4Rcを有しており、その湾曲は、前方板2Ra及び後方板2Rbにおける接地部4Ra及び4Rbの湾曲と同様に、載置部5Rの上面5Rtopにおける左右方向の中央位置よりも右側の位置XRcmで、接地部4Rcから載置部5Rの上面5Rtopまでの距離が極大値Rcmをとる湾曲である。因みに、中間板2Rcの接地部4Rcの湾曲が前記極大値Rcmをとる位置XRcmは、前方板2Raの接地部4Raの湾曲が極大値Ramをとる位置XRamtよりも右側で、後方板2Rbの接地部4Rbの湾曲が極大値Rbmをとる位置XRbmよりも左側である。
【0061】
本例においては、前方板2Ra、後方板2Rbに加えて、中間板2Rcも下向きに凸に湾曲した接地部4Rcを有しているので、平面6上に置かれたとき、右側保持具Rは、前方板2Ra、後方板2Rb、及び中間板2Rcの接地部4Ra、4Rb、及び4Rcを平面6に当接させながら、辺面6上で揺動自在である。
【0062】
本例のように、前方板2Ra、後方板2Rbに加えて、中間板2Rcを設ける場合には、右側保持具Rの強度が増強されるので、例えば、厚紙や段ボールなどの比較的強度の小さな材料を用いて本発明の見開き保持具1を作製する場合に好適である。場合によっては、前方板2Ra、中間板2Rc、後方板2Rbの間に連結部材を配設して、さらに強度の増強を図るようにしても良い。また、中間板2Rcの枚数は1枚に限られず、2枚、又は3枚以上であっても良く、さらに不要と思われる場合には、中間板2Rcには接地部4Rcを設けなくても良い。
【産業上の利用可能性】
【0063】
以上述べたとおり、本発明の見開き保持具によれば、書籍等の被保持物を見開いた状態で安定して保持することができる。また、ページ押さえのための機構を必要としないので、構造が簡単になる上に、見開き状態で保持されている被保持物のページを繰る作業も容易に行うことができ、さらには、ページを繰って見開き箇所を変更しても、左右の保持具が適宜の角度揺動して安定な位置へと移動するので、見開き状態での安定的な保持が維持される。本発明の見開き保持具は、読書、読譜、閲覧等のためはもとより、例えば、図書館、書店、各種店舗等における書籍等の見開き状態での展示にも有効であり、その産業上の利用可能性は多大である。
【符号の説明】
【0064】
1 見開き保持具
2a 前方板
2b 後方板
3 本体部
4 接地部
5 載置部
6 平面
7 連結部材
8 突出部
9 支柱
R 右側保持具
L 左側保持具
Gc 重心
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20