【実施例1】
【0024】
本発明に係る物体検知装置について、一実施例である物体検知装置100を例に説明する。物体検知装置100は、工事現場で使用するロードコーンCの先端に設置して、設定した領域への人や物の出入りを検知するものである。ロードコーンCは、所定領域の区分けを目的として設置される保安器具である。
【0025】
第1 物体検知装置100の構成
物体検知装置100をロードコーンCに設置した状態を
図1に示す。物体検知装置100をロードコーンCから取り外した状態を
図2に示す。
図2に示すように、物体検知装置100は、先端の三角錐状部が取り除かれ、先端に開口CRを有するロードコーンCに設置される。物体検知装置100は、ロードコーンCの開口CRに、凸状の固定部101d(後述)が嵌合することによって、ロードコーンCに安定した状態で設置される。
【0026】
物体検知装置100の構成について、
図3を用いて説明する。物体検知装置100は、筐体部101、内部回路部103、警報部105、無線アンテナ107、及び、スタートスイッチ109を有している。
【0027】
筐体部101は、内部回路103を内部に収納するとともに、警報部105、無線アンテナ107、及び、スタートスイッチ109を外部に保持する。筐体部101は、内部空間を有する直方体形状を有している。
【0028】
筐体部101の下方からの斜視図を
図4に示す。筐体部101は、一の側面に、投光用開口101a、受光用開口101b、及び、状態表示用開口101cを有している。また、筐体部101は、底面に、固定部101dを有している。
【0029】
投光用開口101aは、筐体部101の内部に位置する内部回路部103の投光部103c(後述)が投光する検知光を、外部に向かって投光するための開口である。受光用開口101bは、他の物体検知装置100から投光された検知光を受光するための開口である。状態表示用開口101cは、物体検知装置100の動作状態を示すための開口である。
【0030】
固定部101dは、物体検知装置100をロードコーンCの先端に安定して固定する。固定部101dは、ロードコーンCの円錐部の途中に嵌合する凸状部として形成される。
【0031】
なお、物体検知装置100は、
図4に示すような、上から下に向かって、投光用開口101a、状態表示用開口101c、受光用開口101bが並ぶタイプと、状態表示用開口101cを中心に、投光用開口101aと受光用開口101bとの位置が反転し、上から下に向かって、受光用開口101b、状態表示用開口101c、投光用開口101aが並ぶタイプが存在する。前者の物体検知装置100と後者の物体検知装置100とを対として使用する。これにより、複数の検知光によって、物体を検知できる。
【0032】
内部回路部103は、検知光の投受光を制御する電子回路である。内部回路部103については後述する。
【0033】
警報部105は、物体の検知を外部に向かって音により通知するものである。警報部105は、筐体部101の上面に配置されている。警報部105は、スピーカを有している。
【0034】
無線アンテナ107は、他の物体検知装置100と無線通信によりデータを送受信するためのアンテナである。無線アンテナ107は、筐体部101の上面に配置されている。
【0035】
スタートスイッチ109は、内部回路部103へ電力を供給、停止するためのスイッチである。スタートスイッチ109は、筐体部101の上面に配置されている。
【0036】
次に、内部回路部103について、
図5に示すハードウェア構成を用いて説明する。内部回路部103は、CPU103a、メモリ103b、投光部103c、受光部103d、動作状態表示部103e、無線通信部103f、設定部103g、及び、電源部103hを有している。
【0037】
CPU103aは、メモリ103bに記録されているオペレーティング・システム(OS)、物体検知プログラム等その他のアプリケーションに基づいた処理を行う。メモリ103bは、CPU103aに対して作業領域を提供する。メモリ103bは、OS、物体検知プログラム等その他のアプリケーション及び各種データを記録保持する。
【0038】
投光部103cは、所定の検知光、例えば近赤外線を投光する。投光部103cは、例えば、近赤外LED(Light Emitting Diode)を用いて、近赤外線を発生する。なお、投光部103cは、検知光が直線的に、所定の投光軸J103cに沿って投光されるように、所定のレンズ等を用いて調整される。
【0039】
受光部103dは、他の物体検知装置100が投光した検知光を受光する。受光部103dは、例えばフォトトランジスタやフォトダイオード、増幅回路内蔵受光素子等を用いて、検知光を受光する。なお、受光部103dは、フォトダイオードを使用する場合は、増幅回路やフィルター回路を合わせて有するようにしてもよい。
【0040】
投光部103c及び受光部103dは、いわゆる透過型に対応し、比較的長い距離間でも安定して、物体を検知できる。また、周囲の環境変化による検知への影響が少ないため、屋外での使用においても、安定して検知できる。
【0041】
動作状態表示部103eは、受光部103dにおける検知光の受光状態に応じた物体検知装置100の動作を光によって表示する。動作状態表示部103eは、LEDにより光を発光する。動作状態表示部103eは、物体検知装置100が投光軸調整モードにある場合には、受光部103dにおける検知光受光量を表示する。また、動作状態表示部103eは、物体検知装置100が物体検知モードにある場合には、物体を検知したか否か、即ち、受光部103dにおける検知光の受光が途切れたか否かを表示する。なお、投光軸調整モード、物体検知モードにもついては後述する。
【0042】
無線通信部103fは、他の物体検知装置100と接続し、データを送受信する。無線通信部103fは、例えば、RF(Radio Frequency)技術を用いて、無線通信を実現する。無線通信部103fには、無線アンテナ107が接続される。
【0043】
設定部103gには、対となる他の物体検知装置100との間の優劣関係を示すマスター・スレーブ情報が設定される。設定部103gは、DIPスイッチ(Dual In?line Package スイッチ)を有している。使用者は、使用する物体検知装置100に対して、DIPスイッチを操作することによって、マスター又はスレーブを設定する。
【0044】
電源部103hは、内部回路部103の各構成要素に、所定の電力を供給する。電源部103hには、例えば、乾電池を用いる。
【0045】
2.物体検知装置100の使用
(1)事前設定
物体検知装置100には、予め、自身を特定する識別情報が設定されている。また、物体検知装置100には、事前に、対となる物体検知装置100の識別情報が、対応装置情報として設定されている。識別情報、及び、対応装置情報は、メモリ103bに記憶保持されている。
【0046】
(2)物体検知装置100の設置
物体検知装置100の設置について、
図6、
図7を用いて説明する。
図6に示すように、物体検知装置100を使用する使用者は、2つのロードコーンCを、所定間隔で配置する。ロードコーンCを配置する間隔としては、例えば、20メートルとする。
【0047】
使用者は、対となる物体検知装置100を、それぞれ、設置したロードコーンCの先端の開口CR(
図2参照)に、筐体部101の固定部101d(
図4参照)に勘合させて、ロードコーンCに物体検知装置100を設置する。使用者は、設置した物体検知装置100のそれぞれの開口形成側面P101が対向するように、筐体部101を回転させながら、位置を調整する。
【0048】
使用者は、ある程度、位置を調整できれば、それぞれのスタートスイッチ109(
図3参照)を操作して、物体検知装置100を動作させる。使用者は、検知光の投光軸J103cを調整した後、物体検知装置100に物体検知を実行させる。
【0049】
図7に示すように、所定領域Rへの人、物体の進入、及び/又は、所定領域Rからの人、物体の退出(矢印V1、V2、V3、V4)を防止する際には、使用者は、ロードコーンCを領域Rの外周に沿って配置し、配置したロードコーンCの先端に物体検知装置100を設置する。なお、物体検知装置100を配置する際には、対となる物体検知装置100の検知光の投光軸J103cが対向するように配置する。
【0050】
(3)設置後の動作
物体検知装置100は、投光軸調整モード、及び、物体検知モードの2つのモードで動作する。投光軸調整モードとは、自身の投光部103cから投光する検知光の投光軸J103cが対となる物体検知装置100の受光部103dに合わされ、受光部103dにおいて十分な光量が得られるまでのモードである。投光軸調整モードでは、受光部103dが検知光を受光していなくとも、物体を検知したと判断しない。物体検知装置100は自由に持ち運び所望の位置に設置できるため、動作させた段階では、対となるもう一つの物体検知装置100とは、互いに検知光を投光、受光できるように、検知光の投光軸J103cが調整されていない。このため、検知光の投光軸J103cが合わされるまでは、物体検知装置100の受光部103dは、対となる物体検知装置100から検知光を受光していないため、物体を検知した状態となり、物体検知にともなう動作、例えば、警報を発生してしまう。このような、動作させた段階での予期せぬ動作を防止するために、投光軸調整モードを設定する。
【0051】
検知モードとは、物体検知装置100の投光軸J103cの設定が終了し、所定の検知光を受光できる状態となった後、投光部103c、受光部103dを用いて通常の物体検知を実行するモードである。
【0052】
物体検知装置100の動作について、
図8?
図10に示すフローチャートを用いて説明する。なお、
図8?
図10においては、同一の処理については同じ符号を付し、詳細な記述を省略する。
【0053】
図8に示すように、物体検知装置100のCPU103aは、電源が入ると(S501)、投光軸調整モードとして動作する。CPU103aは、設定部103gからマスター・スレーブ設定情報を取得し(503)、自身がマスターであるか、スレーブであるかを判断する(S505)。
【0054】
以下においては、マスターの物体検知装置100のCPU103aを、CPU103aMと、スレーブの物体検知装置100のCPUをCPU103aSとする。ステップS505において、マスター・スレーブ設定情報の値がマスターであると判断したCPU103aMは、無線通信部103fを介して、対となる物体検知装置100に対して、投光軸調整モード開始情報を送信する(S507)。なお、CPU103aMは、設定モード開始情報を送信する際には、メモリ103bに設定されている識別情報を合わせて送信する。
【0055】
一方、ステップS505において、マスター・スレーブ設定情報の値がスレーブであると判断したCPU103aSは、
図9に示すように、マスターである物体検知装置100が送信する投光軸調整モード開始情報を受信すると(S801)、マスターの物体検知装置100に対して投光軸調整モード開始完了情報を送信する(S803)。
【0056】
図8に戻って、CPU103aMは、対となる物体検知装置100、つまり、スレーブの物体検知装置100から、投光軸調整モード開始完了情報を受信すると(S509)、受光部103dを受光待機状態とする(S511)。また、CPU103aMは、投光部103cから検知光の投光を開始する(S513)。
【0057】
一方、
図9に示すように、CPU103aSは、ステップS803において、投光軸調整モード開始完了情報を送信した後、受光部103dを受光待機状態とする(S511)。また、CPU103aSは、投光部103cから検知光の投光を開始する(S513)。
【0058】
この状態で、使用者は、マスターの物体検知装置100、および、スレーブの物体検知装置100、それぞれの筐体部101を回転させながら、それぞれの投光部103cが投光する検知光の投光軸J103cが対となる物体検知装置100の方向に向くように調整する。
【0059】
CPU103aMは、受光部103dにおいて検知光を受光すると(S515)、検知光の受光量に応じて、動作状態表示部103eを動作させる(S517)。例えば、予め設定された検知光の受光量の半分未満の受光量であれば、動作状態表示部103eを点灯せず、半分以上、予め設定した受光量未満であれば、動作状態表示部103eを点滅させ、予め設定された受光量以上の受光量であれば、動作状態表示部103eを連続点灯させる。
【0060】
CPU103aMは、受光部103dにおいて、予め設定された受光量以上の検知光を受光すると(S519)、スレーブの物体検知装置100から、検知光受光情報をするか判断する(S521)。CPU103aMは、検知光受光情報を受信したと判断すると、スレーブの物体検知装置100に、物体検知モード移行情報を送信する(S525)。また、自身も、物体検知モードへ移行する。
【0061】
一方、CPU103aMは、ステップS521において、所定量以上の検知光を受光したと判断した後、その状態で、検知光受光情報を受信せず、所定時間経過したと判断すると(S523)、スレーブの物体検知装置100での投光軸調整が終了していないと判断し、ステップS515以降の処理を繰り返す。
【0062】
一方、スレーブの物体検知装置100のCPU103aSは、
図9に示すように、受光部103dにおいて検知光を受光すると(S515)、検知光の受光量に応じて、動作状態表示部103eを動作させる(S517)。動作状態表示部103eの動作については、マスターの物体検知装置100と同様である。
【0063】
CPU103aSは、受光部103dにおいて、予め設定された受光量以上の検知光を受光すると(S519)、その状態で、所定時間経過したと判断すると(S805)、マスターの物体検知装置100に対して、投光軸調整が終了しとことを示す検知光受光情報を送信する(S807)。CPU103aSは、マスターの物体検知装置100から物体検知モード移行情報を受信すると(S809)、物体検知モードへ移行する。
【0064】
物体検知モードへ移行したマスターの物体検知装置100のCPU103aM、及び、スレーブの物体検知装置100のCPU103aS(以降、両者を区別なくCPU103aとする)は、物体検知モード移行情報の送受信時を基準として、以降の検知光の投受光を実行する。つまり、物体検知装置100は、物体検知モード移行情報の送受信時を基準として、検知光の投受光に関して同期される。CPU103aは、
図10に示すように、所定時間間隔で、投光部103cを介して検知光を投光する(S901)。また、CPU103aは、対となる物体検知装置100からの検知光の投光に合わせて、受光部103dを介して、検知光を受光する(S903)。
【0065】
CPU103aは、ステップS903において、受光部103dにおいて検知光を受光していないと判断すると、警報部105を介して警報を発生し(S905)、人や物等、何らかの物体が投光軸J103cを横切ったことを伝達する。CPU103aは、警報を停止する命令を受けず(S907)、所定時間が経過するまで(S909)、警報を発生する。一方、CPU103aは、ステップS907において、警報を停止する命令を取得するか、または、ステップS909において、警報を停止する命令を取得せず、所定時間が経過すると、警報を停止する(S911)。なお、警報を停止する命令は、警報が発生している段階でのスタートスイッチ109の操作により発生する。
【0066】
CPU103aは、スタートスイッチ109が押されて、動作が終了するまで(S913)、ステップS901?S911の物体検知処理を繰り返す。
【実施例2】
【0067】
前述の実施例1の物体検知装置100は、先端の円錐形状部が取り除かれ、先端に開口CRを有するロードコーンCに設置されるものであった。一方、本実施例に係る物体検知装置200は、先端に円錐形状部CCRを有するロードコーンCCに設置するものである。なお、以降においては、実施例1と同様の構成については、実施例1と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0068】
第1 物体検知装置200の構成
物体検知装置200をロードコーンCCに設置した状態を
図11に示す。物体検知装置200をロードコーンCCから取り外した状態を
図12に示す。
図12に示すように、物体検知装置100は、先端に円錐形状部CCRを有するロードコーンCCに設置される。物体検知装置200は、ロードコーンCCの先端の円錐形状部CCRに、凹状の固定部201d(後述)が嵌合することによって、ロードコーンCCに安定した状態で設置される。
【0069】
物体検知装置200の構成について、
図13を用いて説明する。物体検知装置100は、筐体部201、内部回路部103、警報部105、無線アンテナ107、及び、スタートスイッチ109を有している。
【0070】
筐体部201は、内部回路103を内部に収納するとともに、警報部105、無線アンテナ107、及び、スタートスイッチ109を外部に保持する。筐体部101は、内部空間を有する直方体形状を有している。
【0071】
筐体部201の下方からの斜視図を
図14に示す。筐体部201は、一の側面に、投光用開口101a、受光用開口101b、及び、状態表示用開口101cを有している。また、筐体部201は、底面に、固定部201dを有している。
【0072】
固定部201dは、物体検知装置200をロードコーンCCの先端の円錐形状部CCRに安定して固定する。固定部201dは、ロードコーンCCの円錐形状部CCRに嵌合する凹状部として形成される。
【0073】
[その他の実施形態]
(1)固定部101d:前述の実施例1においては、固定部101dは、筐体部101の底面に形成される凸状部としたが、ロードコーンCに固定できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、
図15Aに示す物体検知装置300の筐体部301ように、投光用開口101a等が形成される側面と対向して位置する面に配置される円筒形状を有し、開口CRに嵌合する凸形状を有する固定部301dとして形成するようにしてもよい。
【0074】
また、前述の実施例2においては、固定部201dは、筐体部201の底面に形成される凹状部としたが、ロードコーンCCに固定できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、
図15Bに示す物体検知装置400の筐体部401ように、投光用開口101a等が形成される側面と対向して位置する面に配置される輪形状を有し、円錐形状部CCRを嵌合する凹形状を有する固定部401dとして形成するようにしてもよい。
【0075】
(2)物体検知装置の設置場所:前述の実施例1においては、物体検知装置100は、ロードコーンCに設置するとしたが、例示のものに限定されない。例えば、所定の棒状体の先端に設置するようにしてもよい。
【0076】
なお、物体検知装置100をロードコーン以外の棒状体に設置する場合には、棒状体の先端の形状に合わせて、固定部101dの形状を変更すればよい。例えば、先端に3つの凹状部を有する棒状体であれば、筐体101の底面に形成した3つの凸状部を固定部とすればよい。また、固定部の形状も、棒状体の凹状部の形状に合わせた矩形状、三角形状等の凸状部であってもよい。実施例2の物体検知装置200の固定部201dについても同様である。
【0077】
(3)物体検知の判断:前述の実施例1においては、マスター、スレーブ、2つの物体検知装置100間で、いずれかの物体検知装置100において物体を検知すれば、それぞれが警報を発生するとしたが、両方の物体検知装置100が物体を検知したときに、警報を発生するようにしてもよい。この場合、物体を検知した物体検知装置100が、もう一方の物体検知装置100に対して、物体を検知したことを示す情報を送信するようにする。
【0078】
(4)投光部103c、受光部103dの位置:前述の実施例1においては、マスターの物体検知装置100と、スレーブの物体検知装置100とでは、投光部103c、受光部103dの位置が入れ替わるとしたが、両者とも、同一の位置に形成するようにしてもよい。この場合、例えば、検知光をある程度の広角で投光するようにしたり、検知光の投光軸J103cを、水平から、対となる物体検知装置100の受光部103d側にずらしたりするようにする。
【0079】
(5)検知状況の視覚化:前述の実施例1においては、動作状態表示部103eは、点滅、連続点灯、消灯によって、投光軸J103cの調整状態を示したが、投光軸J103cの調整状態を示すことができるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、発色の変化によって、投光軸J103cの調整状態を示すようにしてもよい。
【0080】
(6)警報の発生:前述の実施例1においては、物体を検知した際には、警報を発するとしたが、物体検知を知らせることができるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、動作状態表示部103eを点灯、点滅させるようにしてもよい。また、警報部105を配置せず、動作状態表示部103e等による発光のみにより、物体の検知を知らせるようにしてもよい。
【0081】
(7)CPU103a、メモリ103bの配置位置:前述の実施例1においては、CPU103a、メモリ103bは、内部回路部103に配置されるとしたが、物体検知装置100との異なる制御装置として、配置するようにしてもよい。この場合、物体検知装置100とは、例えば、無線通信部103fを介して、物体検知の情報等のデータを送受信するようにすればよい。
【0082】
(8)対での使用:前述の実施例1においては、マスターとスレーブ、対となる2つの物体検知装置100を用いて物体を検知するとしたが、ロードコーンC等に設置でき、物体を検知できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、1つの物体検知装置100において、投光部103cが投光した検知光の反射光を受光部103dが受光することによって、物体を検知するようにすれば、1つの物体検知装置100によって、物体を検知できる。
【0083】
また、物体の検知を容易にするために、実施例1におけるスレーブの物体検知装置100に変えて、所定の反射板等、投光部103cが投光した検知光を受光部103dに反射部材を配置するようにしてもよい。さらに、この場合、反射部材による反射の投光軸J103cを、実施例1と同様に、受光部103dにおける受光量によって調整する投光軸調整を実行するようにしてもよい。
【0084】
(9)筐体部101の形状:前述の実施例1においては、筐体部101は直方体形状としたが、内部回路部103を内包できる形状であれば、例示のものに限定されない。例えば、円柱形状体や、多角柱形状であってもよい。
【0085】
(10)無線アンテナ107、スタートスイッチ109の配置:前述の実施例1においては、無線アンテナ107は、筐体部101の上面に配置されるとした、所定の無線通信を実行できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、筐体部101の上面以外の場所に配置してもよいし、チップアンテナとして内部回路部103の一部として配置するようにしてもよい。
【0086】
スタートスイッチ109についても、筐体部101の上面以外の場所に配置するようにしてもよい。
【0087】
(11)マスター・スレーブ情報の設定:前述の実施例1においては、マスター・スレーブ情報を設定部103fのDIPスイッチで設定するとしたが、マスター・スレーブ情報を設定できるものであれば、例示のものに限定されない。例えば、DIPスイッチではなく、ロータリースイッチを用いるようにしてもよい。また、使用前に、スタートスイッチ109の長押し等によって、マスター・スレーブ情報設定モードとし、所定の装置等を用いて、メモリ103bにマスター・スレーブ情報を記憶させるようにしてもよい。
【0088】
(12)投光軸調整モード:前述の実施例1においては、投光部103cの投光軸が調整されると、物体検知モードに移行するとしたが、投光軸が調整されなくとも、所定時間経過後に、自動的に、物体検知モードに移行するようにしてもよい。
【0089】
(13)物体検知装置の使用:前述の実施例1においては、物体検知装置100の使用は、所定の領域を区別する必要があれば、高速道路の補修現場等に設置されたロードコーンCに限定されない。例えば、工事現場や、ロボット等、工場、物流の中継所であってもよい。なお、検知する対象についても、所定の領域に侵入、所定の領域からの退出するものであれば、作業者、通行者、作業車両、一般通行車両等、種類を限定されない。
【0090】
(14)内部回路部103の構成:前述の実施例1においては、CPU103aをもちいて、物体検知プログラムを実行するとしたが、物体検知プログラムを実行するものであれば、例示のものに限定されない。例えば、ロジック回路によって、物体検知プログラムを実行するようにしてもよい。
【0091】
(15)内部回路部103で実行される処理:前述の実施例1においては、物体検知プログラムを実現する処理として、
図8?
図10のフローチャートを示したが、検知光の投光軸J103cを調整し、物体を検知できるものであれば、例示のフローチャートに限定されない。