【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (その1)開催日 平成28年7月1日 イベント名 一般社団法人 日本アミューズメントパチンコ産業ネットワーク 大型セミナー 開催場所 中野サンプラザ (その2)発行日 平成28年7月20日 刊行物名 月刊グリーンべると 通巻606号 2016.8月号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、間柱に仕切部と上記ホルダのような被収納部とを設ける場合、特許文献2に記載のように、被収納部は扁平な板状に形成され、仕切部の板面に対し平行に配置されることになる。この場合、被収納部の前面から後方に向かう奥行き方向の長さが長いと、これら各部が収納される間柱の本体部内で、被収納部が仕切部の収納空間内に入り込むことがある。
【0006】
そして、このように被収納部が仕切部の収納空間内に入り込むと、仕切部を間柱の前面から引き出すときや、その引き出された仕切部を間柱の収納空間に収納する際に、被収納部が邪魔になり、仕切部の引き出し、収納を良好に実施できないという問題が生じる。
【0007】
本開示の一局面は、隣接する遊技機の間に配置され、板状の仕切部を引出可能に収納するための間柱において、シートホルダやドリンクホルダ等の被収納部を設けた場合に、被収納部が仕切部の収納空間内に入り込むのを防止できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一局面の間柱は、遊技機の間に配置される本体部と、本体部に収納され、本体部の前面に形成された開口から引き出し可能に取り付けられた板状の仕切部と、本体部に、仕切部の板面に対し平行になるよう収納される被収納部とを備える。
【0009】
そして、本体部には、被収納部が仕切部の収納空間側に変位するのを阻止する位置決め部が設けられている。
このため、本開示の間柱においては、間柱の本体部内に仕切部と被収納部とを収納しても、被収納部が仕切部の収納空間内に入り込むことがなく、仕切部を間柱の前面から引き出すときや、仕切部を間柱の収納空間に収納する際に、被収納部が邪魔になることはない。よって、本開示の間柱によれば、仕切部の引き出し、収納を良好に実施することができる。
【0010】
ここで、位置決め部は、被収納部が仕切部の収納空間側に変位するのを阻止するだけでなく、被収納部が前面とは反対側の後方に変位するのを阻止するように構成されていてもよい。
【0011】
このようにすれば、本体部に対し被収納部をよりしっかりと位置決めすることができ、例えば、被収納部が所望の部材を挿入可能なホルダである場合には、そのホルダに所望の部材を挿入するときに、ホルダが動いて部材を挿入し難くなるのを防止できる。
【0012】
次に、本体部は、仕切部の外周を、上方、下方、及び、間柱の前面とは反対側の後方からそれぞれ囲む枠体を備えていてもよい。この場合、位置決め部は、その枠体に設けるようにすれば、位置決め部を間柱の本体部に一体的に組み付けることができるので、遊技機の間に間柱を設置する際の設置作業が簡単になる。
【0013】
また、この場合、位置決め部は、本体部の構成する枠体の内、後方の枠体と一体化されていてもよい。このようにすれば、位置決め部を本体部とは別体で構成する必要がないので、位置決め部の組み付け作業が不要となり、しかも、位置決め部は本体部に対し変位することがないので、被収納部を所望位置にしっかりと位置決めすることができるようになる。
【0014】
また、位置決め部は、例えば枠体の上方から下方に亘って連続するように配置してもよいが、本体部の後方の枠体の複数箇所に分散して設けられていてもよい。
また、位置決め部は、後方の枠体とは反対側の端縁部分が、仕切部の収納空間から離れる方向に曲がっていてもよい。このようにすれば、仕切部を本体部内に収納する際、位置決め部の端縁部分にて、仕切部の後方端部を収納空間側に案内することができようになり、収納時の作業性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
間柱1は、隣接する遊技機の間に設置されるものであり、
図1、
図2に示すように、本体部10、仕切部20、前面パネル30などを備えている。
【0017】
本体部10は、上下方向に延びる収容空間を有しており、前方の開口から板状の仕切部20を引き出し可能に収容している。
また、本体部10には、各種案内用のシート状部材を収納するためのシートホルダ41、飲み物のカップやボトルを載置するための載置ユニットを引き出し可能に収納するドリンクホルダ43、電子機器を接続するための接続コネクタ45なども収容されている。なお、シートホルダ41及びドリンクホルダ43は、本開示の被収納部に相当するものであり、本体部10の収納空間に、仕切部20の板面に対し平行になるように収納される。
【0018】
仕切部20は、本体部10に収容され、本体部10の前面に形成された開口から引き出し可能に取り付けられた板状の部材であり、本実施形態では、3枚の部材でもって段階的に引出および収容できるように構成されている。
【0019】
本実施形態における仕切部20は、第1仕切板21、第2仕切板22、第3仕切板23の3つが重ねて配置されている。
図3に示すように、第1仕切板21は、本体部10に固定された第1レール51を介して内外方向にスライドし、第2仕切板22は、第1仕切板21に固定された第2レール52を介して内外方向にスライドし、第3仕切板23は、第2仕切板22に固定された第3レール53を介して内外方向にスライドする。
【0020】
この結果、仕切部20が本体部10から引き出されたときには、第1仕切板21が本体部10に最も近く、第3仕切板23が本体部10から最も遠くなるよう、第3仕切板23から順に段階的に引き出されることになる。また、仕切部20の本体部10への収納時には、引き出し時とは逆の順序で各仕切板21〜23が順に収納されることになる。
【0021】
なお、仕切部20の収納状態において、第1仕切板21と第2仕切板22は、板面全域が本体部10内に収納されて、外側端縁が本体部10の前面と揃うように構成され、第3仕切板23は、板面の一部領域が本体部10の前面から外部に突出するように構成されている。そして、第3仕切板23の突出部分には取っ手25が設けられており、遊技者等はその取っ手25を持って、仕切部20の引出および収容操作を行うことができる。
【0022】
また、
図3に示すように、本体部10は、収納された仕切部20の外周を、上方、下方、及び、前面とは反対側の後方からそれぞれ囲む枠体11,12,13と、これら枠体同士を連結する板状の側壁部14とを備える。なお、側壁部14には、本体部10の軽量化のために部分的に穴が空けられている。
【0023】
これら枠体11,12,13及び側壁部14は、例えば、金属板をプレス成形することにより、一体的に構成されており、第1レール51は、上下の枠体11、12にそれぞれ設けらている。
【0024】
なお、上下の枠体11、12において、側壁部14とは反対側の端縁部分は、側壁部14と対向するように屈曲されており、上下一対の第1レール51は、その屈曲された端縁部分にそれぞれ固定(ねじ止め)されている。
【0025】
次に、第1仕切板21には、本体部10に固定された上下一対の第1レール51にそれぞれ摺動可能に嵌合される上下一対の嵌合部51Aが固定されている。
この嵌合部51Aの固定は、第1仕切板21の上下端縁部分に固定(ねじ止め)された固定部材55を介して行われ、嵌合部51Aは、この固定部材55において第1仕切板21の上下端縁よりも外側に固定(ねじ止め)されている。これは、上下の嵌合部51A同士の間隔を、本体部10に固定された第1レール51同士の間隔に対応させるためである。
【0026】
また、上下の嵌合部51Aは、第1レール51と略同じ長さの長尺形状であり、上下の固定部材55には、それぞれ、本体部10の上下の枠体11、12に固定された上下の第1レール51に向くように設けられている。
【0027】
また、第1レール51は、嵌合部51Aを摺動自在に嵌合するための溝が、第1仕切板21側を向くように、本体部10の上下の枠体11、12に固定されている。
このため、第1レール51と嵌合部52Aは、本体部10の上下の枠体11、12と、
第1仕切板21の上下に設けられた固定部材55との間に配置されることになる。
【0028】
また更に、上下の嵌合部51Aの引き出し側先端部分には、嵌合部51A及び固定部材55の先端を覆うことで第1仕切板21の上下の角部を保護し、更に、第1仕切板21が収納位置にあるときには第1レール51の先端部分を覆う、合成樹脂製の保護カバー56が設けられている。
【0029】
次に、第2レール52は、第1仕切板21の第1レール51とは反対側の板面の上端及び下端にそれぞれ設けられており、第2仕切板22の第1仕切板21との対向面には、第2レール52に摺動可能に嵌合される上下一対の嵌合部52Aが固定されている。
【0030】
また、第2仕切板22において、嵌合部52Aとは反対側の板面の上方及び下方には、それぞれ、板面端部の嵌合部52Aよりも内側に位置するように、第3レール53が固定されている。
【0031】
そして、第3仕切板23の第2仕切板22との対向面には、第3レール53に摺動可能に嵌合される上下一対の嵌合部53Aが固定されている。第3仕切板23は、第2仕切板22よりも上下方向の長さが短くなっており、嵌合部53Aは、第3仕切板23の板面の上下端部に固定されている。
【0032】
つまり、本実施形態では、第1レール51同士の間隔、第2レール52同士の間隔、及び、第3レール53同士の間隔は、第1レール51同士の間隔が最も長く、第3レール53同士の間隔が最も短くなっている。また、これに対応して、固定部材55を含む第1仕切板21の上下方向の長さが最も長く、第3仕切板23の上下方向の長さが最も短くなっている。
【0033】
この結果、各仕切板21〜23の上下方向の長さを一致させて、スライド用のレールを設けた場合に比べて、仕切部20全体の大きさを小さくすることができる。
また、嵌合部52A、53Aは、嵌合部51Aと同様、対応する第2レール52、第3レール53と略同じ長さを有する長尺形状になっている。
【0034】
そして、上下の嵌合部52A、53Aの引き出し側先端部分には、それぞれ、嵌合部52A、53Aの先端を覆うことで、第2仕切板22、第3仕切板23の上下の角部を保護し、第2仕切板22、第3仕切板23が収納位置にあるときには第2レール52、第3レール53の先端部分を覆う、合成樹脂製の保護カバー57、58が設けられている。
【0035】
このため、仕切部20を本体部10に収納した際には、
図1Aに示すように、本体部10の前面側で、仕切部20の上端側及び下端側にて、保護カバー56、57、58が外側から順に配置されることになる。
【0036】
この結果、仕切部20が収納状態にあるとき、仕切部20が引き出される本体部10の開口が保護カバー56、57、58で覆われ、本体部10の開口部分も保護されることになる。
【0037】
次に、前面パネル30は、本体部10を構成する上下の枠体11、12の前方側に、本体部10の前面を塞ぐように取り付けられる。
前面パネル30には、仕切部20、シートホルダ41、ドリンクホルダ43、接続コネクタ45等の、本体部10への収容物に対応した取付孔(換言すれば開口)が形成されている。
【0038】
また、前面パネル30の上下端部には、隣接する遊技機の間に固定するための固定金具32(
図4参照)にねじ止めするための固定孔(長孔)も設けられている。
また、仕切部20を本体部10から引き出した際に本体部10側に配置される第1仕切板21の後方端部には、板状の目隠し部材27が設けられている。
【0039】
この目隠し部材27は、第2仕切板22及び第3仕切板23が本体部10の外に引き出されることによって開放される前面パネル30の開口を閉じて、その開口から本体部10内に遊技球等の異物が入り込むのを防止するためのものである。
【0040】
また、このように目隠し部材27が設けられていても、本体部10内には、前面パネル30に設けられた取付孔にて形成される開口から、遊技球等の異物が入り込むことがある。
【0041】
そして、本体部10内に異物が入り込むと、仕切部20を本体部10に収納する際の邪魔になり、仕切部を本体部に上手く収納できないことがあるため、本体部10の後方下端部には、本体部10に入り込んだ異物を排出するための排出口15が設けられている。
【0042】
図4に示すように、この排出口15は、本体部10を構成する下方の枠体12と後方の枠体13とが連結される角部で、第1レール51が固定される側とは反対側(つまり、側壁部14側)に設けられている。
【0043】
この結果、本実施形態の間柱1においては、本体部10内に遊技球等の異物が入り込んだとしても、その異物を排出口15から排出させて、遊技機の後方に配置される遊技球の搬送路に導くことができるようになる。
【0044】
また、排出口15は、後方の枠体13の下方端部において、側壁部14側に設けられることから、排出口15を設けることによって、本体部10の強度が低下するのを抑制できる。
【0045】
また、仕切部20は、下方の枠体12に設けられた第1レール51を介して、本体部10内に収納されることから、異物は、仕切部20の収納時の移動に伴い、第1レール51に沿って本体部10の後方へ移動し、排出口15からより確実に排出されることになる。
【0046】
また、
図4に示すように、本体部10の側壁部14には、仕切部20が本体部10から引き出された状態で、目隠し部材27に係合して、仕切部20の収納方向への移動を阻止する収納抵抗部60が上下方向に複数(本実施形態では2個)設けられている。この収納抵抗部60は、例えば、板ばねにて構成されており、仕切部20を本体部10から引き出した状態で、仕切部20が遊技機の振動等で本体部10側に移動するのを防止できる。
【0047】
一方、
図5に示すように、本体部10の後方の枠体13には、仕切部20が本体部10内に収納された状態で、目隠し部材27が当接されて、仕切部20が引き出し方向に移動するのを阻止する引出抵抗部62が設けられている。
【0048】
この引出抵抗部62は、例えば、磁石にて構成されており、磁力にて目隠し部材27を吸引することで、仕切部20の引き出し方向への変位に対する抵抗を発生させる。なお、仕切部20が本体部10内に収納されているとき、収納抵抗部60が第3仕切板23に設けた係合部材に係合するように構成すれば、収納抵抗部60を、引出抵抗部としても機能させることができる。
【0049】
次に、シートホルダ41及びドリンクホルダ43は、接続コネクタ45と同様に、前面
パネル30の取付孔に固定されるが、各ホルダ41、43は、接続コネクタ45に比べて奥行き方向の長さが長い。
【0050】
このため、接続コネクタ45のように単に前面パネル30に固定しただけでは、本体部10内で、各ホルダ41、43が仕切部20の収納空間に侵入し、仕切部20の引き出し時や収納時に邪魔になることが考えられる。
【0051】
そこで、本実施形態では、本体部10の後方の枠体13に、シートホルダ41及びドリンクホルダ43の後方端部を位置決めして、これら各ホルダ41、43が仕切部20の収納空間内に変位するのを阻止する位置決め部17が設けられている。
【0052】
図5に示すように、この位置決め部17は、枠体13の上下方向の2箇所に設けられている。具体的には、2つの位置決め部17は、枠体13の側壁部14とは反対側を屈曲させることで、これら各ホルダ41、43の後方端面、及び、側壁部14との対向面に当接される断面L字上の板体として構成されている。
【0053】
そして、位置決め部17の枠体13とは反対側の端縁部分は、仕切部20の収納空間(換言すれば、側壁部14)から離れる方向に曲げられ、湾曲又は屈曲している。
このため、位置決め部17は、各ホルダ41、43の後方端面及び側壁部14との対向面に当接されて、各ホルダ41が仕切部20の収納空間側及び後方側に変位するのを防止できるだけでなく、収納時に仕切部20を収納空間へ案内することができる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態の間柱1においては、本体部10に対する被収納部であるシートホルダ41及びドリンクホルダ43の後方端部を位置決めする位置決め部17が備えられている。
【0055】
このため、本実施形態の間柱1においては、シートホルダ41やドリンクホルダ43等の被収納部が仕切部20の収納空間内に入り込み、仕切部20の引き出し時や収納時に、これらの被収納部が邪魔になることはない。よって、仕切部20の引き出し、収納を良好に実施することができる。
【0056】
また、位置決め部17は、シートホルダ41及びドリンクホルダ43の後端面に当接されて、各ホルダ41、43が収納方向に変位するのを阻止することができる。このため、シートホルダ41やドリンクホルダ43に、各種案内用のシートや載置ユニットを挿入する際、ホルダ41、43が動いて、これらの部材を挿入し難くなるのを防止できる。
【0057】
また、位置決め部17は、本体部10の後方の枠体13に一体形成されているので、位置決め部17を本体部10に組み付ける作業が不要になり、しかも、本体部10に対し位置決め部17がずれることがないので、シートホルダ41やドリンクホルダ43等の被収納部をしっかりと位置決めできる。
【0058】
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形態をとり得ることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、位置決め部17は、本体部10の枠体13の上下方向の2箇所に設けられるものとして説明したが、
図6に示すように、枠体13の上下方向の略全域に一つ設けるようにしてもよく、或いは、3個以上分散して設けるようにしてもよい。
【0059】
また、位置決め部17は、必ずしも、本体部10の後方の枠体13に設ける必要はなく、上方又は下方の枠体に設けるようにしてもよい。また、位置決め部17は、本体部10とは別体で構成して、必要に応じて、本体部10の所望の位置に固定するように構成して
もよい。
【0060】
また、上記実施形態では、被収納部として、シートホルダ41とドリンクホルダ43を例にとり説明したが、位置決め部17は、仕切部20とは別に本体部10内に収納される被収納部が本体部20の収納空間内に入り込むのを防止できればよいので、位置決め対象となる被収納部は、シートホルダ41やドリンクホルダ43に限定されるものではない。
【0061】
また、上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。