(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記反射面は、光出射方向の中心軸を光軸としたとき前記光源部から前記光軸が延伸する光軸方向に離れるにしたがって拡開し、前記光軸に向かってドーム状に突出する多数の凸部を周方向及び前記光軸方向に有する
請求項1から3の何れか1項に記載の照明装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<概要>
実施形態の一態様に係る照明装置は、光源としての発光素子を備える光源部と、前記光源部を表側に搭載し且つ裏側が前記発光素子からの熱を放出する放熱部と、前記放熱部の表側に配され且つ前記光源部の光出射側を覆う透光性カバー部と、前記光源部の光出射側に配され且つ内側に反射面を有する筒状の反射部とを備え、前記反射部は前記放熱部と離間している。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記光源部は前記発光素子を複数個実装する基板を備え、前記透光性カバー部は、前記基板における発光素子実装領域の外側に当接する当接部と、前記当接部の内周縁から前記光源部の光出射方向にドーム状に膨らんで前記光源部の光出射側を覆う光源カバー部とを有し、前記反射部は、表裏両側が開口した筒状のフレーム部の内側に支持されている。これにより、反射部を簡単な構成で支持できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記透光性カバー部は、前記当接部における前記光源カバー部と反対側に張り出す張出部分で前記放熱部に固定され、前記フレーム部は、前記透光性カバー部の外周側で前記放熱部に当接する状態で、前記放熱部に固定されている。これにより、発光部を遮ることなく、フレームを固定できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記透光性カバー部は凸状のマイクロレンズ部を前記光源部の光出射側を覆う部分に有する。これにより、照射面の照度を均一化できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記透光性カバー部は凹状のマイクロレンズ部を前記光源部の光出射側を覆う部分に有する。これにより、照射面の照度を均一化できる。
実施形態の別態様に係る照明装置において、前記反射面は、光出射方向の中心軸を光軸としたとき前記光源部から前記光軸が延伸する光軸方向に離れるにしたがって拡開し、前記光軸に向かってドーム状に突出する多数の凸部を周方向及び前記光軸方向に有する。これにより、グレアを防止できる。
【0009】
<実施形態>
1.概要
実施形態に係る照明装置1は、天井壁等の設置面の開口に嵌合する状態で使用する、所謂、ダウンライトである。
照明装置1は設置面に対して直交する方向を照射する装置である。設置面が天井壁の場合、照射方向は下方となる。ここで、光の出射方向である光主射方向を表側とし、設置面側を裏側とする。
照明装置1は、
図2〜
図4に示すように、光源部2、放熱部3、透光性カバー部4、反射部5を備える。ここでの照明装置1はさらにフレーム部6を備える。以下、
図3及び
図4を用いて、その概略を説明する。
【0010】
光源部2は光源としてのLED素子21を基板23に備える。放熱部3は、光源部2を表側に搭載し、LED素子21からの熱を裏側に放出する。つまり、放熱部3は、光源部2を表面に搭載するベース31と、ベース31の裏面から裏側に延伸する複数のフィン33とを有する。透光性カバー部4は、
図2に示すように、放熱部3の表側に固定され且つ光源部2を光出射側(表側)から覆う。反射部5は光源部2の光出射側に配され且つ内側に反射面(51a)を有する。フレーム部6は反射部5を支持し且つ放熱部3に取り付けられる。
本実施形態では、光源部2はLEDモジュール20により、放熱部3は放熱体30により、透光性カバー部4はカバー体40により、反射部5は反射体50により、フレーム部6はフレーム体60によりそれぞれ構成されている。
以下、各部の詳細について説明する。
【0011】
2.光源部
主に
図5を用いて説明する。
光源部2は、複数個のLED素子21を基板23に備えるLEDモジュール20により構成される。LEDモジュール20は、給電ケーブル90と接続する2個のコネクタ25を基板23に備える。なお、給電ケーブル90は、例えば、設置面の裏側に配された電源ユニット(図示省略)に接続されている。
LED素子21は、定格点灯時の1個の消費電力が0.1[W]以上1[W]以下に設定された、所謂、「Mid Power」タイプである。「Mid Power」タイプは光−電力の変換効率が高いという特長があり、LED素子21からの発熱がすくないことから放熱部3(ヒートシンク)を小型化できる利点がある。
【0012】
基板23の表面は、LED素子21を実装するための実装領域28と、実装領域28の外周側に位置し且つLED素子21を実装しない非実装領域29とを有する。ここでの実装領域28は図中の2点鎖線に示す円の内側である。
LED素子21は、横・縦比が2:1の矩形状に近い状態で配されると共に矩形状の外側にも配されている。基板23の裏面は平坦面である。なお、LED素子21を矩形状に配することにより、リング状や放射状にLED素子を配置するよりも、配線設計を容易にできる。
【0013】
非実装領域29は、例えば、円形状の実装領域28の外側に位置する円環部29aと、円環部29aにおける5個所の部位から外側に張り出す張出部29b,29cにより構成される。
張出部29bにはLEDモジュール20を放熱体30のベース31に搭載する(取り付ける)ための取付機構を有する。ここでは、LEDモジュール20の放熱体30への取り付けに取付具の一例であるねじ91(
図3及び
図4参照)を利用し、取付機構は貫通孔23aにより構成される。張出部29cには2個のコネクタ25が設けられている。
【0014】
3.放熱部
主に
図6を用いて説明する。
放熱部3はベース31とフィン33とを一体に有する放熱体30により構成される。なお、放熱体30は例えばアルミニウム材により構成されている。
【0015】
(1)ベース
ベース31は円板状をしている(
図3及び
図4参照)。ベース31の表面は平坦状をしている。これにより基板23の裏面との接触面積を確保できる。
ベース31はLEDモジュール20を取り付けるための取付機構を有している。取り付けには上述のようにねじ91(
図3及び
図4参照)を利用している。ベース31はねじ91用のねじ穴31aを複数個(例えば4個)有している。
ベース31はカバー体40用の仮止め機構を有している。ここでの仮止めにはカバー体40のピン部分43c(
図7及び
図8参照)が利用される。ベース31はピン部分43cが挿入(嵌合)される穴31bを複数個(例えば3個)有している。
ベース31はカバー体40、フレーム体60を固定するための固定機構を有している。ここでは、カバー体40、フレーム体60が一体で固定され、フレーム体60が固定具により固定される。固定具としてねじ93(
図3及び
図4参照)が利用されている。ベース31はねじ93用の貫通孔31cを複数個(例えば3個)有している。
ベース31は給電ケーブル90をLEDモジュール20側に導入するための欠け部分31dと溝部分31eを有している。欠け部分31dは周縁から中心に向かって延伸する。溝部分31eは欠け部分31dから周方向に沿って円弧状に設けられている。なお、溝部分31eの深さは給電ケーブル90の表側部分が入る程度である。
【0016】
(2)フィン
フィン33はベース31の裏面から裏側に板状に延伸する。フィン33は、裏側から見たとき、ベース31の中央を中心として径方向に延伸する。フィン33は、ベース31の中央側に設けられた複数の中央側延伸板35と、中央側延伸板35の外側に設けられた複数の外側延伸板37とから構成される。中央側延伸板35はベース31の中心部分で連結されている。なお、フィン33によりヒートシンクが構成される。
【0017】
中央側延伸板35における径方向の外側端部は、裏側から見たとき、板部分の厚みよりも大きい円形状をしている。中央側延伸板35におけるベース31の中央から外側端部のまでの部分は厚みが大小に変化する波状をしている。板状であるフィン33の両面が波状をしているのでフィン33の表面積が広く放熱効率が高い。
外側延伸板37における径方向の両端部は、裏側から見たとき、板部分の厚みよりも大きい円形状をしている。外側延伸板37における径方向の中間部分は厚みが大小に変化する波状をしている。
【0018】
放熱体30は、ベース31の欠け部分31dを基準にして溝部分31eと反対側部分の裏側にフィン33が設けられていない無フィン領域34を有する。この無フィン領域34には、
図1及び
図2に示すように、給電ケーブル90を放熱体30に固定するためのケーブル固定具7が配される。なお、3つのねじ93のうち、ねじ93a(
図3及び
図4参照)はケーブル固定具7を放熱体30(ベース31)に固定する固定具を兼用する。
【0019】
4.透光性カバー部
主に
図7及び
図8を用いて説明する。
透光性カバー部4は透光性樹脂からなるカバー体40により構成される。カバー体40は、基板23の実装領域28の外側に当接する環状の当接部41と、当接部41の内側に配されLEDモジュール20の実装領域28を覆う光源カバー部42とを有する。なお、光源カバー部42は当接部41の内周縁からLEDモジュール20の光出射方向にドーム状に膨らむ。
カバー体40は基板23の周縁に沿って裏側に延伸する延伸部43を有している。カバー体40は基板23に取り付けられているコネクタ25や給電ケーブル90を覆うコネクタカバー部45を有している。
【0020】
(1)当接部
当接部41は、基板23の実装領域28の外側に位置する円環部分41aと、円環部分41aから径方向の外方に張り出す張出部分41b,41cとを有する。つまり、当接部41は、コネクタカバー部45を除いて、基板23の非実装領域29の形状と設計上略一致する。
張出部分41bは円環部分41aの周方向に間隔を置いて4個ある。カバー体40は、基板23を放熱体30に取り付けるねじ91(
図3及び
図4参照)の頭部を収容する収容部47を張出部分41bに有する。収容部47は張出部分41bから表側に半球状に膨出する。張出部分41cは、基板23の張出部29cに対応して、円環部分41aからコネクタ25の配置位置の手前まで延伸している。
【0021】
コネクタカバー部45は張出部分41cの外側に箱状に設けられている。コネクタカバー部45は張出部分41cの外方端から表側に膨出した後に裏側に延伸する。これにより、コネクタカバー部45はコネクタ25や給電ケーブル90を収容するための空間を確保している。コネクタカバー部45は、表側から見たときに円弧状をし、その周方向の両端側が塞がれている。コネクタカバー部45と光源カバー部42との間に後述の反射体50の裏側端部が配される。このため、コネクタカバー部45における光源カバー部42側は、裏側に移るにしたがって光源カバー部42に近づくように傾斜している。この傾斜角度は後述する反射体の外周面の傾斜角度と略等しい。なお、コネクタカバー部45における裏側端は延伸部43の一部を構成する。
【0022】
(2)光源カバー部
光源カバー部42は照射面の照度を均一化するための機構を有している。具体的には、表側に突出する多数の凸部分42aが形成されている。凸部分42aはLEDモジュール20の光軸方向(LED素子21の主出射方向と平行な方向である)に曲面状(ドーム状)又は多角形状に突出するマイクロレンズである。多数の凸部分42aは周期性を有するパターンで設けられている。ここでの凸部分42aは光源カバー部42の表面にある。凸部分42aは、表側(LED素子21の主出射方向)から見たときに、正六角形をし、平面充填されるパターンで設けられている。ここでは、1個の凸部分42aは直径2.3[mm]の円に内接する大きさである。凸部分42aの高さは0.2[mm]としている。
【0023】
(3)延伸部
延伸部43はLEDモジュール20を収容するように延伸する。具体的には、放熱体30に取り付けられたLEDモジュール20を覆う状態で、延伸部43の裏側端がベース31に当接する(
図2、
図14及び
図15参照)。延伸部43の内周面は基板23の周端面(主面と直交する面)と近接対向する。延伸部43の延伸長さ(高さ)は基板23の厚みより少し大きい。
【0024】
延伸部43について延伸方向(表裏方向)と直交する方向を厚み方向とすると、当接部41の張出部分41b,41cに対応する張出側部分43aの厚みが、当接部41の張出部分41b間及び張出部分41bと張出部分41cの間に対応する張出間部分43bの厚みより薄くなっている。換言すると、張出間部分43bは平坦面を有している。
【0025】
カバー体40は放熱体30のベース31に仮固定されるための仮固定機構を有している。仮固定機構は、例えば、張出間部分43bから裏側に延伸するピン部分43cにより構成されている。なお、仮固定機構は位置決め機能も有する。
ピン部分43cは放熱体30のベース31の穴31b(
図6参照)に挿入される。ピン部分43cは周方向に間隔を置いて複数個、例えば3個設けられている。
カバー体40は放熱体30に取り付けられた基板23に対して位置合せする位置合せ機構を有している。位置合せ機構は、例えば、延伸部43の内周面から円環部分41aの中心に向かって延伸するリブ部分43dにより構成されている。リブ部分43dは基板23の欠け部23b(
図5参照)に嵌合する。なお、リブ部分43dはカバー体40の中心を挟んで対向する2か所に設けられている。
【0026】
5.反射部
主に
図9を用いて説明する。
反射部5は表側拡がりの筒状をする筒部51を有する反射体50により構成される。ここでは、筒部51は円筒状をしている。筒部51の内周面51a(
図3及び
図4参照)にはグレア防止のために高反射率の白色塗料が塗布されており、内周面51aは拡散面であるとともに高反射率の反射面となっている。なお、反射体50は樹脂材料により構成されている。反射体50は筒部51の表側端に径方向外方へ張り出す外鍔部53を有している。
【0027】
反射体50はフレーム部6に取り付けられるための取付機構を有する。取付機構は、例えばフレーム体60との係合構造を利用している。取付機構は、筒部51の外周面から裏側に延伸する延伸部55と、延伸部55の延伸先端から筒部51の径方向の外方へ突出する突出部57とから構成される。突出部57はフレーム体60の係合片67a,67b(
図10及び
図11参照)に係合する。なお、延伸部55と突出部57とで係合片56が構成される。
ここでの突出部57は筒部51の裏側端よりも裏側に位置する。
反射体50が装置として組み立てられると、反射体50の筒部51の裏側端は、カバー体40に接触することなく、光源カバー部42の外周縁に近接する。つまり、筒部51の裏側端はカバー体40における当接部41の円環部分41aと対向する。
【0028】
6.フレーム部
主に
図10及び
図11を用いて説明する。
フレーム部6は、略まっすぐな筒状をする筒部61を有するフレーム体60により構成される。ここでは、筒部61は円筒状をしている。フレーム体60はカバー体40を取り付けた状態で放熱体30に固定される。フレーム体60は樹脂材料により構成されている。
フレーム体60は筒部61の表側端に径方向の外方向延伸する外鍔部63を有している。フレーム体60は筒部61の裏側端に中心に向かって延伸する内鍔部65を有する。なお、外鍔部63は設置面の開口縁を隠す機能を有する。
【0029】
(1)筒部
フレーム体60は、
図1及び
図2に示すように、照明装置1を設置面の開口に取り付けるための板ばね体8を支持する支持機構69を筒部61の外周に有している。ここでは周方向に間隔を置いて複数個、例えば3個ある。支持機構69は、板ばね体8の支持部81の幅方向の端面に沿って表裏方向に延伸する一対の縦大リブ61aと、一対の縦大リブ61a間に設けられた複数本の縦小リブ61bとを有している。板ばね体8の支持部81は一対の縦大リブ61a間に配され、複数本の縦小リブ61bにより裏側から支持される。
筒部61は裏側端面から裏側に延伸する延伸板部分61cを有している。延伸板部分61cは放熱体30のベース31の欠け部分31dに挿入される。これにより欠け部分31dを通過する給電ケーブル90を外側から保護できる。また。延伸板部分61cによりベース31に対して位置決めできる。
【0030】
(2)内鍔部
内鍔部65は内周面から延伸する板状部分65aを有している。板状部分65aの延伸量は、場所によって異なり、
図13に示すようにカバー体40の周縁形状に対応している。つまり、板状部分65aの内周縁形状はカバー体40の周縁形状と相似する。そして、板状部分65aの内周縁により囲まれた領域にカバー体40が配される。
筒部61の裏側端は、カバー体40における光源カバー部42の中心から最も離れた部位(コネクタカバー部45)までの距離よりも大きい長さを直径としている。このため、張出部分41cに対応する筒部61の内周部分には内鍔部65が存在せず、コネクタカバー部45の外周面が筒部61の内周面に対向する。
【0031】
内鍔部65はカバー体40の延伸部43の外周面に対向する対向板部分65bを有している。対向板部分65bは板状部分65aの延伸先端に設けられている。対向板部分65bは板状部分65aを補強するリブ機能を有する。対向板部分65bの裏側端を結ぶ仮想面は、
図11の(b)に示すように、筒部61の裏側端を結ぶ仮想面と一致する。つまり、板状部分65aは筒部61の裏側端の手前(裏側端よりも少し表側に移った位置)から延伸し、対向板部分65bは板状部分65aの延伸先端から裏側に延伸する。
【0032】
フレーム体60は、カバー体40の当接部41の外周縁部を表側から支持する支持部66を内鍔部65に有している。支持部66は対向板部分65bから筒部61の中心軸に向かって延伸する延伸部分66aを有している。延伸部分66aは対向板部分65bに沿って設けられ、裏側から見ると円弧状をしている。
支持部66はカバー体40と当接する突部分66bを延伸部分66aに有している。突部分66bは延伸部分66aの周方向に間隔をおいた部位から裏側に突出する。
【0033】
内鍔部65は、フレーム体60を放熱体30に固定するねじ93(
図3及び
図4参照)用のねじ孔65fを有している。ねじ孔65fは板状部分65aから表裏の両側に延伸するボス65gに形成(インサート成形)されている。
内鍔部65は一対の縦大リブ61aの裏側端(正確には裏側端から少し内側に入った部位である)と対向板部分65bとを連結する一対の横リブ65hを板状部分65aに有する。一対の横リブ65h間の内寸は板ばね体8の固定部83の幅方向の外寸に一致している(
図13参照)。なお、一対の横リブ65h間に位置する対向板部分65bとボス65gの高さは、一対の横リブ65h間に配された板ばね体8と当接するように構成されている。
【0034】
フレーム体60は反射体50を取り付けるための取付機構を有している。ここでは、取付機構は係合構造を利用する。フレーム体60は反射体50の係合片56と係合する係合片を有している。係合片67aは1個で、係合片67bは2個で、合計3個ある。係合片67aは筒部61の内周面から中心軸に向かって板状に延伸する。係合片67bは、内鍔部65の板状部分65aを利用している。具体的には、板状部分65aに「L」字状に形成された溝67cを利用している。溝67cは長溝と短溝とが直交するように形成され、長溝が周方向に円弧状に延び、短溝が筒部61の内周面と直交する状態で内周面まで延びる。係合片67bは、短溝の隣であって長溝が延伸する側に存在し、長溝と筒部61との間に存在する板状部分により構成されている。なお、短溝は反射体50の係合片56の挿入口を構成する。
2つの係合片67bのうち、少なくとも1つの係合片67bには裏側に突出する突起67dが設けられている。突起67dは、反射体50の係合片56が係合時の回転方向と反対方向に回転するのを防止する。なお、係合時の回転の際、反射体50の係合片56は弾性変形する。
【0035】
7.ケーブル固定具
ケーブル固定具7は給電ケーブル90を放熱体30のベース31に固定する。ケーブル固定具7は、固定具本体部71と、固定具本体部71から延伸する孔付板部73と、固定具本体部71から延伸し且つ屈曲自在に設けられて孔付板部73と当接する当接板部75とを有している。
固定具本体部71は「Z」字に湾曲する給電ケーブル90を覆う。なお、給電ケーブル90を「Z」字に湾曲させることで、作業時に給電ケーブルに作用するテンションをケーブル固定具7で吸収させることができる。つまり、作業時のテンションによりLEDモジュール20から外れるのを防止している。
固定具本体部71は一端が塞がった筒状を半割したような形状をしている。給電ケーブル90は、固定具本体部71の多端側で裏側に湾曲し、固定具本体部71の一端側で表側に屈曲している。なお、給電ケーブル90は固定具本体部71の一端側で屈曲した後、ベース31の欠け部分31dから基板23側に導入される。
【0036】
固定具本体部71の内面には給電ケーブル90を押圧する押圧部分71aを固定具本体部71の中心軸方向に間隔を置いて複数個(ここでは2個)有している。押圧部分71aは内周面から中心軸に向かって突出すると共に周方向に延伸している。
固定具本体部71は位置決め用の突起71bを複数個(2個)有している。2個の突起71bは放熱部3のベース31の欠け31dに嵌る。
【0037】
当接板部75は、給電ケーブル90を固定具本体部71に配した状態で湾曲させると、給電ケーブル90を押圧部分71a側に押圧し、給電ケーブル90を位置決めする。当接板部75は固定具本体部71の中心軸と直交する方向に長孔75aを有している。当接板部75と孔付板部73とが当接すると、孔付板部73の孔73aと当接板部75の長孔75aとが連通する。ねじ93a(
図3及び
図4参照)は、孔付板部73の孔73a、当接板部75の長孔75a、ベース31の貫通孔31c、板ばね体8の貫通孔83aを通過して、フレーム体60のねじ孔65fに螺合する。
【0038】
8.組合状態
照明装置1の組み立てについて説明する。なお、ここでの組み立ては一例であり、他の方法でも組み立て可能である。
まず、LEDモジュール20を放熱体30のベースにねじ91により取り付け、給電ケーブル90とLEDモジュール20のコネクタ25とを接続し、基板23の形状に位置合わせしてカバー体40をベース31に仮固定する。この状態が
図13における「A」である。
【0039】
次に、反射体50の係合片56をフレーム体60の内鍔部65の溝から挿入させて、フレーム体60の筒部61の中心軸廻りに回転させる。これにより、反射体50の係合片56がフレーム体60の67a,67bに係合する。そして、板ばね体8を、支持部81がフレーム体60の一対の縦大リブ61a間に、固定部83が一対の横リブ65h間に位置するように、配する。この状態が
図13における「B」である。
【0040】
カバー体40の周縁形状と、フレーム体60の内鍔部65の板状部分65aの内周面形状とを合わせるように、放熱体30とフレーム体60体とを突き合わせる。そして、ねじ93により両者を結合する。
この際、カバー体40は放熱体30にねじ等により固定していないが、カバー体40の光源カバー部42の外側部分が反射体50の筒部51の裏側端よりも大きいため、落下することはない。なお、カバー体40はフレーム体60の支持部66により支持されているので落下することはない。
反射体50はフレーム体60に対して回転させることにより係合されるが、係合状態を解除する方向への回転は、カバー体40がフレーム体60に嵌合しているため、規制される。このように、照明装置1は少ない工数で組み立てられ、しかも、係合・嵌合を利用して各部材が外れ難い構造とされている。
【0041】
また、反射体50の裏側開口の大きさは、裏側開口縁がカバー体40の光源カバー部42の外周に位置するように、構成されている。このため、カバー体40の当接部41や延伸部43が表側から見えることはなく、意匠性を高めることができる。
カバー体40の光源カバー部42はLEDモジュール20の実装領域28を覆い、反射体50の裏側開口が光源カバー部42の外側に位置する。このため、LED素子21から発せられた光の取り出し効率を高めることができる。
フレーム部6は、筒部61の裏側端がベース31の表面の周縁部に当接する状態で、放熱部3に固定されている。これにより、フレーム部6の表裏方向の長さを短くできる。
【0042】
9.熱伝導路
図14及び
図15を用いて説明する。
LEDモジュール20は、基板23が放熱体30のベース31に密着するように、ベース31に取り付けられている。カバー体40は、
図15に示すように、ベース31に対してピン部分43cを利用してベース31に仮固定されていると共にフレーム体60の支持部66により表側から支持(挟持)されている。反射体50は、反射体50の筒部51の裏面がカバー体40に接触することなく、フレーム体60に取り付けられている。
このため、LED発光中の熱は、カバー体40を経由して反射体50に伝わることはない。
LEDモジュール20には1個の消費電力が0.1[W]以上1[W]以下に設定された電力変換効率が高い、所謂、「Mid Power」のLED素子21を用いているので、LED素子21からの発熱が少なく、放熱部3を小型化できる。ここでは、フレーム体60の下端から放熱体30の上端までの照明装置1の全高が、設置面へ取り付ける際に、外鍔部63と板ばね体8とを除く、設置面の開口から裏側に向けて挿入される照明装置1の最大幅(直径)より小さい。照明装置の全高が低くなると設置面の開口への取り付け作業が容易となる。
【0043】
フレーム体60は、その裏側端がベース31と当接する状態で、放熱体30に取り付けられている。フレーム体60と放熱体30との当接位置は放熱体30のベース31の周縁側であり、熱発生源のLED素子21はベース31の中央側に配されている。このため、LED発光中の熱のうち、放熱体30からフレーム体60に伝わる熱を少なくできる。
反射体50は3つの係合片56を介してフレーム体60に取付けられている。このため、フレーム体60から係合片56を経由して伝わる熱量を少なくできる。反射体50の筒部51の裏側端は、フレーム体60の筒部61の裏側端よりも表側に位置し、放熱部3のベース31の表面が平坦であることから、反射体50が放熱部3に接触することはない。
反射体50は筒部51の表側端の外鍔部53の外周面でフレーム体60の外鍔部63と当接する。このように、当接位置がフレーム体60における放熱体30と反対側であるため、フレーム体60の外鍔部63から反射体50に伝わる熱量は少ない。
【0044】
以上、実施形態を説明したが、この実施形態に限られるものではなく、例えば、以下のような変形例であってもよい。また、実施形態と変形例、変形例同士を組み合わせたものであってよい。
また、実施形態や変形例に記載していていない例や、要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。
【0045】
<変形例>
1.光源部
光源部2は、発光素子としてLED素子21を備えていたが、例えば、有機発光素子のような他の発光素子を備えてもよい。
複数個のLED素子21は矩形状に似た形状に配されていたが、他の形状に配されてもよい。例えば、多重の同心円状や管状(放射状)に配されてもよいし、正方形状、長方形状のマトリクス状に配されてもよい。
【0046】
2.放熱部
放熱部3はベース31とフィン33とを例えば冷間鍛造で一体化されていたが、例えば、ベースとフィンとを別体とし、両者を結合するようにしてもよい。放熱部のフィンの形状、個数、配置等は発光素子から発せられる熱量によって適宜決定されるものである。例えば、発光素子の数が少ない場合には、フィンの個数を少なくしてもよいし、長さを短くしてもよい。さらに、フィンを薄肉の金属板で構成してもよい。この場合、ベースを薄肉の金属板で構成してもよい。
放熱体は、裏側から見たときに、円形状をしているが、正方形状等の他の形状であってもよい。
【0047】
3.透光性カバー部
透光性カバー部4は、カバー体40で構成したが、例えば、光源カバー部42に相当する光源カバー体と当接部41及び延伸部43に相当する環状体とを別体としてもよい。この場合、両者を結合してもよいし、環状体がフレーム部により表側から支持され、光源カバー体が環状体により表側から支持されてもよい。カバー体を支持する外周体がねじ等の固定具を利用して放熱部に固定されてもよい。
透光性カバー部4はベース31の中央側で放熱部3に固定されているが、透光性カバー部をベース全面を覆うようなサイズとしてもよい。
カバー体40はピン部分43cにより放熱体30に仮固定されているが、例えばねじ等の固定具を利用して放熱部に固定されてもよい。この場合、フレーム体60の支持部66はなくてもよいし、あってもよい。
【0048】
透光性カバー部4は放熱部3に当接するように設けられているが、例えば、透光性カバー部は放熱部との間に隙間が存在するように(当接しないように)設けられてもよい。但し、防塵、防油、防滴、虫の侵入等を考慮すると当接している方が好ましい。
カバー体40の張出部分41b,41cは基板23の形状(張出部29b,29c)に合せて設けられていたが、例えば、基板を張出部のない円形状にして張出部分を有しないカバー体としてもよい。
光源カバー部42の凸部分42aは表側から見たときに六角形状をするマイクロレンズにより構成されている。しかしながら、凸部分は、曲面状(ドーム状)、三角錐、円錐等のマイクロレンズにより構成されてもよい。また、マイクロレンズは凸形状ではなく、凹形状の曲面(お皿型)、三角錐、円錐等でもよい。マイクロレンズは、光源カバー部の裏面にのみ設けられてもよいし、光源カバー部の表裏両面に設けられてもよい。
照射面の照度をより均一にするために、マイクロレンズの隣接間距離は、光源部のLED素子の隣接間距離より短いことが望ましい。
光源カバー部42は表側にドーム状に膨出している。光源カバー部の表面及び裏面は光拡散機能を有していないが、光拡散機能を有してもよい。この際、マイクロレンズを有してもよいし、有しなくてもよい。
【0049】
4.反射部
反射部5は白色塗料を利用した反射面を反射体50に有しているが、他の形態の反射面を有してもよい。他の形態の反射面を有する例について
図16を用いて説明する。なお、実施形態と同じ構成のものは同じ符号を用い、その説明は省略する。
他の形態の反射体150を有する照明装置101は、光源部(不図示)2、放熱部3、透光性カバー部4、反射部105、フレーム部106を備え、板バネ108を利用して設置面の開口に取り付けられる。光源部2はLEDモジュール20により、放熱部3は放熱体30により、透光性カバー部4はカバー体40により、それぞれ構成されている。
反射部105は反射体150により構成され、反射体150は筒部151を備える。反射体150は、筒部151の表裏方向の寸法と内周面の反射面とが実施形態の筒部51と異なる。フレーム部106はフレーム体160により構成され、実施形態のフレーム体60の筒部61と表示方向の寸法が異なる。
【0050】
以下、反射部105の筒部151の内面について説明する。
筒部151はグレア防止機構として中心軸に向かって突出する多数の突部151aを内周面に有する。突部151aは表裏方向及び周方向に規則正しく設けられている。突部151aの形状は、周方向に同じで表裏方向で異なってもよいし、周方向と表裏方向で同じであってもよいし、周方向と表裏方向で異なってもよい。
突部151aはドーム状に突出する。反射体150は樹脂材料により構成され、内周面がメッキ加工されている。つまり、内周面は多数の突部151aを有するメッキ層となっている。
【0051】
反射部5は、放熱部3と空間的に離間し且つ筒部51の中心軸と直交する方向から見たときに放熱部3と重ならない状態で、フレーム部6に取り付けられている。しかしながら、反射部は、放熱部と空間的に離間し且つ筒部の中心軸と直交する方向から見たときに放熱部と重ならない状態であれば、フレーム部以外に取り付けられてもよい。例えば、反射部は透光性カバー部に取り付けられてもよい。この場合、反射部は透光性カバー部と接触してもよいし、しなくてもよい。ただし、光源部からの熱伝導を考慮すると、接触しない方が好ましい。
【0052】
5.フレーム部
フレーム体60は樹脂材料により構成されているが、例えば、金属で構成してもよいし、例えば、筒部61を金属筒で構成し、内鍔部65を樹脂材料で構成してもよい。この場合、一体成形により一体化してもよい。
フレーム体60は、板ばね体8の固定部83がベース31に当接するように、ボス65gを有しているが、板ばね体を表裏方向に移動可能な状態で固定するようにしてもよい。なお、板ばね体をベースと密着する状態で固定すると、放熱部の熱を板ばね体から放出できる。