(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853573
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】化合物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07C 29/14 20060101AFI20210322BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20210322BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20210322BHJP
C07C 31/04 20060101ALI20210322BHJP
C07C 45/61 20060101ALI20210322BHJP
C07C 67/44 20060101ALI20210322BHJP
C07C 69/06 20060101ALI20210322BHJP
C07C 69/14 20060101ALI20210322BHJP
C07C 45/27 20060101ALI20210322BHJP
C07C 4/12 20060101ALI20210322BHJP
C07C 11/09 20060101ALI20210322BHJP
C07D 307/36 20060101ALI20210322BHJP
C07C 11/06 20060101ALI20210322BHJP
C07C 47/04 20060101ALI20210322BHJP
C07C 47/54 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
C07C29/14
B01J35/02 J
B01J35/10 301G
C07C31/04
C07C45/61
C07C67/44
C07C69/06
C07C69/14
C07C45/27
C07C4/12
C07C11/09
C07D307/36
C07C11/06
C07C47/04
C07C47/54
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-101400(P2017-101400)
(22)【出願日】2017年5月23日
(65)【公開番号】特開2018-197194(P2018-197194A)
(43)【公開日】2018年12月13日
【審査請求日】2020年1月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】599002043
【氏名又は名称】学校法人 名城大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大脇 健史
(72)【発明者】
【氏名】青木 和馬
【審査官】
中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−241008(JP,A)
【文献】
特開2000−086415(JP,A)
【文献】
特開2005−272463(JP,A)
【文献】
特開2006−007056(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
B01J
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数2〜20の原料有機化合物に、二酸化チタンの存在下、窒素及び/又はアルゴンで置換され、かつ水が実質的に存在しない不活性雰囲気中で、400〜410nmの波長を有する光を照射することによって、前記原料有機化合物に由来する生成化合物を製造する化合物の製造方法であって、
前記原料有機化合物が、アセトアルデヒドであり、
前記生成化合物が、メタノール、ギ酸メチル、アセトン、及び酢酸メチルからなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする化合物の製造方法。
【請求項2】
炭素数2〜20の原料有機化合物に、二酸化チタンの存在下、窒素及び/又はアルゴンで置換され、かつ水が実質的に存在しない不活性雰囲気中で、400〜410nmの波長を有する光を照射することによって、前記原料有機化合物に由来する生成化合物を製造する化合物の製造方法であって、
前記原料有機化合物が、トルエンであり、
前記生成化合物が、アセトン、2−メチルフラン、及びイソブテンからなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする化合物の製造方法。
【請求項3】
前記二酸化チタンのBET比表面積が5〜200m2/gであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化合物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
環境浄化分野において、光触媒は、光環境下での酸化作用により、有害物質や汚れ物質を分解除去するために利用されている。この場合、光触媒のバンドギャップ、例えば二酸化チタンでは、3.2eV(380nm)以上のエネルギーを有する光を用いて、有害物質等を完全に分解している。すなわち、有害物質を二酸化炭素と水等に分解している。
また、光触媒を用いてバイオマス由来の燃料を製造する方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、セルロース、ヘミセルロース、デンプン等のバイオマスと、光触媒を水にいれて、光を照射している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−207485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、光触媒の利用分野は、環境浄化の分野に限られており、エネルギー創生の分野では研究開発段階で、それ以外の光触媒のさらなる活用が求められていた。
【0005】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、光触媒を利用した化合物の新規な製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記従来技術を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、光触媒を利用した化合物の新規な製造方法を着想した。
そして、この新規な製造方法では、光触媒の酸化反応を制御することによって、有機化合物を完全には分解せずに、原料由来の化合物、いわゆる中間体を製造できるという事実を見いだした。この成果に基づいて、次の発明を提供する。
【0007】
〔1〕炭素数2〜20の原料有機化合物に、二酸化チタンの存在下、不活性雰囲気中で、380〜420nmの波長を有する光を照射することによって、前記原料有機化合物に由来する生成化合物を製造することを特徴とする化合物の製造方法。
【0008】
〔2〕前記二酸化チタンのBET比表面積が5〜200m
2/gであることを特徴とする〔1〕に記載の化合物の製造方法。
【0009】
〔3〕前記原料有機化合物が、アセトアルデヒドであり、
前記生成化合物が、メタノール、ギ酸メチル、アセトン、及び酢酸メチルからなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の化合物の製造方法。
【0010】
〔4〕前記原料有機化合物が、トルエンであり、
前記生成化合物が、アセトン、2−メチルフラン、及びイソブテンからなる群より選ばれた1種以上の化合物であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の化合物の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る化合物の製造方法は、光触媒を用いることによって化合物を安価に製造することができるから、光触媒の新たな応用技術として非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】比較例2の光照射前後のガスクロマトグラムの試験データである。
【
図4】実施例1、2の光照射後のガスクロマトグラムの試験データである。
【
図5】実施例2の光照射後のGCMSの測定結果である。
【
図6】実施例3の光照射前後のガスクロマトグラムの試験データである。
【
図7】実施例3の光照射後に、酸化チタンの表面に吸着した吸着物のGCMSの測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を詳しく説明する。
1.本発明は、炭素数2〜20の原料有機化合物に、二酸化チタンの存在下、不活性雰囲気中で、380〜420nmの波長を有する光を照射することによって、原料有機化合物に由来する生成化合物を製造する製造方法である。
【0014】
ここで、本発明の背景について説明する。
図1に、本発明の背景及び目的が示されている。
図1に示されるように、従来、有害物質は、光触媒による通常の分解過程、すなわち、環境浄化のため酸化分解によって、二酸化炭素及び水まで分解されていた。通常の分解過程を、
図2のスキームに示す。
図2では、アセトアルデヒド、及びトルエンの場合を代表的な例として示している。環境浄化のための酸化分解において、アセトアルデヒド、及びトルエンは、中間体の状態で留まることなく、最終的な二酸化炭素及び水まで速やかに分解されていた。
【0015】
これに対して、本発明では、酸化制御された分解過程を採用することによって、有害物質を二酸化炭素及び水までは分解せずに、分解途中の中間生成物とする。そして、本発明では、この中間生成物を有用物質として有効利用するのである。
次に本発明を詳細に説明する。
【0016】
(1)炭素数2〜20の原料有機化合物
本発明における炭素数2〜20の原料有機化合物とは、炭素数2〜20を有している有機化合物であれば特に限定されない。例えば、炭素数2〜20を有している有機化合物としては、アルデヒド、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素を例示できる。具体的には、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、ベンゼン等を挙げることができる。これらの中でもアセトアルデヒド、トルエンが好ましい。これらは一般的には有害物質であり、これらから新たな生成化合物を得ることは非常に有用性が高いからである。
【0017】
(2)二酸化チタン
本発明における二酸化チタンの結晶型はアナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のいずれでもよい。また、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型のうち2種以上の結晶型を含有していてもかまわない。
二酸化チタンのBET比表面積は、特に限定されない。BET比表面積が5〜200m
2/gであることが好ましい。より好ましくは、10〜150m
2/gである。BET比表面積がこの範囲内であると、原料有機化合物に由来する生成化合物を比較的容易に得られるからである。
【0018】
(3)不活性雰囲気
本発明における不活性雰囲気とは、不活性ガスで置換した雰囲気を意味する。不活性ガスには、通常、窒素及び/又はアルゴンを用いる。不活性雰囲気下で、原料有機化合物に、二酸化チタンの存在下、特定波長の光を照射すると、光触媒の酸化反応が制御又は抑制され、反応途中での生成化合物(生成物)を得られる。一方、例えば、乾燥空気雰囲気下では、原料有機化合物に、二酸化チタンの存在下、特定波長の光を照射しても、光触媒の酸化反応が制御されず、反応途中での生成化合物は、ほとんど得られない。すなわち、乾燥空気雰囲気下では、原料有機化合物の酸化反応が進行して二酸化炭素および水にまで分解してしまう。
なお、本発明においては、水が実質的に存在しない雰囲気で行うことが好ましい。水を含む雰囲気では、光触媒の酸化反応が制御されず、反応途中での生成化合物は、ほとんど得られないからである。
【0019】
(4)光の照射
本発明では、380〜420nmの波長を有する光を照射する。光の波長は好ましくは、400〜410nmである。この範囲内の波長を有する光を照射することによって、光触媒の酸化反応が制御又は抑制され、反応途中での生成化合物(生成物)が得られる。一方、この波長よりも短い波長の光では、光触媒の酸化反応が制御されず、反応途中の生成化合物は、ほとんど得られない。他方、この波長よりも長い波長の光では、光触媒の酸化反応がほとんど進行せず、反応途中の生成化合物は、ほとんど得られない。
【0020】
なお、光の照射強度(mW/cm
2)に関しては、光源の個数、光源から原料有機化合物までの照射距離等の諸条件によっても適切な照射強度範囲が変動することから厳密には特定できず、適宜好ましい条件を選択する。好ましくは、例えば、0.1〜10mW/cm
2とすることができる。この範囲内であると、原料有機化合物に由来する生成化合物を比較的容易に得られる。この範囲の光の照射強度より低いと反応に時間を要し、高いと反応が制御できない。
【0021】
光の照射時間は、二酸化チタンの量、原料有機化合物の量、使用する容器の大きさ等に応じて適宜、変更することができる。好ましくは、例えば、0.5〜24時間とすることができ、より好ましくは、1〜12時間とすることができる。この範囲内であると、原料有機化合物に由来する多様な生成化合物を比較的容易に得られるからである。
【0022】
原料有機化合物に、光を照射する場合の温度条件、圧力条件は特に制限はない。常温条件下でも、常温よりも高温であっても低温の条件下でもよいし、常圧条件下でも、加圧または減圧条件下でもよい。
温度条件としては、合成する有機化合物の蒸気圧との関係によって設定することができる。なお、設備的に安価にできることから、常温で実施することが望ましい。この場合には、二酸化チタンに有機化合物が吸着する場合もあるが、光照射後に二酸化チタンを加熱処理して、吸着した有機化合物を取り出すことができる。
圧力条件としては、好ましくは、例えば、0.5〜2MPaとすることができる。この範囲内であると、原料有機化合物に由来する多様な生成化合物を比較的容易に得られるからである。
【0023】
(5)生成化合物
本発明で製造される生成化合物は、原料有機化合物に由来するものである。例えば、原料有機化合物が酸化及び/又は分解された化合物であり、原料有機化合物よりも炭素数が減少した化合物、例えば炭素数2〜5の有機化合物である。炭素数2〜5の有機化合物は、例えば、炭素数2〜5のエーテル、炭素数2〜5の不飽和炭化水素、炭素数2〜5のケトンを好適に挙げることができる。これらの有機化合物は、各種の反応に有用な物質である。
より具体的には、原料有機化合物としてアセトアルデヒドを用いた場合には、生成化合物は、メタノール、ギ酸メチル、アセトン、酢酸メチル等である。
また、原料有機化合物としてトルエンを用いた場合には、生成化合物は、アセトン、2−メチルフラン、イソブテン等である。
【実施例】
【0024】
以下、実施例により更に具体的に説明する。
1.実験A アセトアルデヒドの分解(実施例1、2)
(1)二酸化チタン
本実験では、以下の2種類の二酸化チタンを使用した。すなわち、P25(日本アエロジル、アナターゼ80%ルチル20%)及びFA−55W(古河機械金属、アナターゼ)を使用した。
これらの二酸化チタンの物性について表1に記載する。なお、一次粒子径(nm)は、X線回折分析(XRD−6000、島津製作所)によって測定した。
また、比表面積は、窒素吸着法(Autosorb−1、カンタローム社)によって測定した。
【0025】
【表1】
【0026】
(2)試料作製
二酸化チタン(P25又はFA−55W)0.1gに対して、10mLの蒸留水を加えて混合し、混合液とした。混合液をシャーレに入れ自然乾燥した。このようにして、二酸化チタンの薄膜試料を2種類作製した。
【0027】
(3)光照射前の準備
二酸化チタン(P25又はFA−55W)の薄膜試料が作製されたシャーレ1枚を、密閉容器(透明、500mL)内に入れて、密閉容器内を表2に示すガスの雰囲気とした。そして、各密閉容器内にシリンジにてアセトアルデヒドを濃度が1000ppmとなるように注入した。その後、各密閉容器を暗所に12時間放置した。
【0028】
【表2】
【0029】
(4)光照射
各密閉容器に表2に記載の波長(nm)の光を1.5mW/cm
2の強度で照射した。
【0030】
(5)実験結果
図3に比較例2の光照射前後のガスクロマトグラムの試験データを示す。360nmの光照射後には、アセトアルデヒドのピークが消失しており、二酸化炭素のピークのみが観察された。よって、比較例2では、アセトアルデヒドは二酸化炭素まで完全に分解しており、有用な生成化合物(中間生成物)を得ることはできないことが確認された。
【0031】
比較例1において、光照射後のガスクロマトグラムでは、アセトアルデヒドのピークが消失しており、二酸化炭素のピークのみが観察された。よって、雰囲気ガスが、乾燥空気である比較例1では、405nmの光を用いても二酸化炭素まで分解してしまい有用な生成化合物(中間生成物)を得ることはできないことが確認された。
【0032】
図4に実施例1、2の光照射後のガスクロマトグラムの試験データを示す。実施例1、2はいずれも未知ピークが確認された。また、実施例2の方が未知ピークの個数が多いことが分かった。よって、二酸化チタンとしてFA−55Wをもちいた方が、P25を用いるよりも多種の有用な生成化合物(中間生成物)を得られることが確認された。これは、FA−55Wの方が、P25よりも比表面積が小さいため、表面に水が付着しにくいことに起因すると推測される。すなわち、P25の方が表面の水の影響により、水が酸素源として機能するため、酸化が進みやすく、生成化合物の種類が少ないと推測される。これに対して、FA−55Wは、表面の水が少ないため酸化反応がより制御されて、多種の生成化合物が得られたものと推測される。なお、実施例1の未知ピークのうちの1つは、アセトンであることが確認された。
【0033】
次に実施例2において得られた生成化合物を同定するためGCMS測定を行った。
図5に、実施例2の光照射後のGCMS測定結果を示す。この結果から、実施例2では、プロペン、ホルムアルデヒド、メタノール、ギ酸メチル、アセトン、酢酸メチルが得られることが確認された。尚、
図5において保持時間4分付近のピークは二酸化炭素で、5分付近のピークはアセトアルデヒドである。
【0034】
(6)まとめ
以上より、窒素雰囲気において405nmの光を照射することで、酸化反応を制御できることが確認された。そして、酸化反応制御によりガスクロマトグラムにおいて、多くの未知ピークが出現することが分かった。
P25を用いて酸化反応を制御するとアセトンが生成することが分かった。
また、FA−55Wで酸化反応を制御するとプロペン、ホルムアルデヒド、メタノール、ギ酸メチル、アセトン、酢酸メチルが生成することが分かった。
【0035】
2.実験B トルエンの分解(実施例3)
(1)二酸化チタン
本実験では、ルチル型の酸化チタン(テイカ、MT−150A、比表面積105m
2/g)を使用した。
【0036】
(2)試料作製
二酸化チタン0.1gに対して、10mLの蒸留水を加えて混合し、混合液とした。混合液をシャーレに入れ自然乾燥した。このようにして、二酸化チタンの薄膜試料を作製した。
【0037】
(3)光照射前の準備
二酸化チタンの薄膜試料が作製されたシャーレ1枚を、密閉容器(テドラバック、透明、4000mL)内に入れて、密閉容器内を窒素ガスの雰囲気とした。そして、密閉容器内にトルエンガスを濃度が100ppmとなるよう入れた。その後、密閉容器を暗所に24時間放置した。
【0038】
(4)光照射
密閉容器に波長405nmの光を1.5mW/cm
2の強度で照射した。
【0039】
(5)実験結果
図6に実施例3の光照射前後のガスクロマトグラムの試験データを示す。光照射後は、未知ピーク(
図6中、破線の円で囲んだピーク)が確認された。
また、実施例3では、照射時間の経過に伴って、酸化チタンの表面が淡黄色に変化しており、生成化合物(中間生成物)が得られていることが目視でも確認された。
【0040】
次に実施例3において得られた生成化合物を同定するためGCMS測定を行った。
図7には、実施例3の光照射後に、酸化チタンの表面に吸着した吸着物のGCMS測定結果が示されている。この結果から、実施例3では、イソブテン、ホルムアルデヒド、アセトン、2−メチルフラン、ベンズアルデヒドが得られることが確認された。このように、実施例3では、トルエンに由来する多くの種類の物質が酸化チタンの表面に吸着していた。
【0041】
(6)まとめ
以上より、窒素雰囲気において405nmの光を照射することで、酸化反応を制御できることが確認された。
また、酸化チタンの表面は、淡黄色を呈色し、トルエン由来の物質が吸着していることが確認された。特に、トルエンから、アセトン、2−メチルフラン、イソブテンという有用な生成化合物が得られることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る化合物の製造方法は、光触媒を用いることによって有用な化合物を容易に製造することができるから、光触媒の新たな応用技術として非常に有用である。