(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る電気掃除機システムS、及び配置部100(塵芥除去装置)について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1に示すように、電気掃除機システムSは、電気掃除機10と、配置部100とを有する。
【0014】
電気掃除機10は、スティック状(縦型)の外観を有する掃除機である。電気掃除機10は、例えば、電源コードを介して外部電源から電力を得るもの等とすることも可能であるが、本実施形態では充電式の掃除機とされている。
図1に示すように、電気掃除機10は、本体部20、延長パイプ30、及び吸込具40を備えている。
【0015】
本体部20は、電気掃除機10の本体をなし、吸引力を発揮して集塵する機能を発揮する部分である。具体的には、本体部20は、筐体22の内部に空気を吸引して気流を発生させる吸引ファンと、吸引ファンを駆動するモータと、モータやその他の電子部品を駆動する駆動回路と、駆動回路に電力を供給する充電池と、その他の部品とを備えている。
【0016】
また、本体部20は、把持部24及び操作部26を備えている。把持部24は、電気掃除機10の使用者が本体部20を把持するために設けられた部分である。すなわち、電気掃除機10は、例えば把持部24を握ることにより、本体部20を保持できる構成とされている。また、操作部26は、電気掃除機10の操作を行うためのものである。操作部26は、例えば
図1のように把持部24の近傍に設けることより、使用者が把持部24を把持しながら操作可能なように設けることができる。本体部20は、吸込具40の継手部44が接続される吸引具接続部28を有している。また、本体部20の背面側には支柱接続部25が設けられている。支柱接続部25は、後に詳述する配置部100において立設されている支持柱116と接続される部分である。支柱接続部25には、本体部20の内部にある充電池に対して電気的に接続された掃除機側端子(図示せず)が設けられている。支柱接続部25を支持柱116に接続することにより、掃除機側端子が支持柱116側に設けられた配置部側端子(図示せず)に対して接続され、通電可能な状態になる。
【0017】
図2に一部を破断して示すように、吸込具40は、ヘッド本体42と、継手部44と、清掃体46と、清掃体駆動機構48とを備えている。ヘッド本体42は、清掃時に床に配置される部分であり、清掃時にユーザにより動作される方向である前後方向に対して、左右方向に長い形状を有する。ヘッド本体42の内部には、床面側を開口端とし、外部から空気や塵埃を吸い込むための吸込空間が形成されている。また、継手部44は、ヘッド本体42に対して所定の回転範囲(前後方向および左右方向)で回転可能に取り付けられている。継手部44は、上述した延長パイプ30の端部が接続される部分である。継手部44は、筒状とされており、内部空間が吸込空間と連通している。
【0018】
図2や
図4に示すように、清掃体46は、ヘッド本体42の長手方向(左右方向)に延びる清掃体本体50と、取付部52とを有する。清掃体本体50は、筒状に形成された清掃部本体55の外側にブラシ取付部56を設けると共に、周方向に隣接するブラシ取付部56,56の間に溝部57を設けたものとされている。ブラシ取付部56及び溝部57は、それぞれ例えば、清掃部本体55軸線方向に略直線的に設けられたもの等とすることができるが、本実施形態では清掃体本体50の軸心位置を中心として、清掃体本体50の外周に螺旋を描くように設けられている。ブラシ取付部56は、レール状とされており、ブラシ(図示せず)を清掃体本体50の外側に向けて突出した状態で挟み込んで保持可能とされている。
【0019】
取付部52は、ヘッド本体42に対して清掃体46を取り付けるために用いられる部分である。取付部52は、清掃体本体50の長手方向一方側、及び他方側において、清掃体本体50に清掃部本体55とは別部材として取り付けられているが、清掃部本体55と一体となっていてもよい。清掃体46は、取付部52をヘッド本体42内に設けられた所定の取り付け位置に取り付けることにより、ヘッド本体42に対して回転自在に支持されている。具体的には、
図2(b),(c)に示すように、清掃体46の軸方向一端側及び他端側の端部56a,56bを、清掃部本体55の両側に接続された軸部によって回転可能に軸支し、端部56a,56bをヘッド本体42に設けられた受部42a,42bに嵌め込むことにより、回転自在に支持されている。清掃体46は、後に詳述するように、端部56b側において清掃体駆動機構48に接続されており、清掃体駆動機構48から動力を受けて自由に回転可能とされている。
【0020】
取付部52のうち、長手方向一方側に設けられた取付部52aには、軸方向に沿って延びる溝部54が周方向に複数設けられている。溝部54は、例えば軸線方向に向けて略直線的に延びるもの等、適宜の構成とすることができるが、後に詳述する配置部100に設けられた清掃部材122を、清掃体本体50の周方向に並んだブラシ取付部56,56の間に形成された溝部57に誘導しやすい形状とすることを考慮に入れた形状にすると良い。かかる知見に基づけば、例えば、溝部54は、例えば
図4に示すようにテーパー状等とすることにより、取付部52と清掃体本体50との接続位置から清掃体46の端部に向かうに従って幅広になる形状とすると良い。これにより、取付部52aの端部の幅広側では、清掃部材122の進入において妨げとなる部分が周方向において減っているため、周方向に並ぶ溝部54のいずれかに清掃部材122を誘導し易くなる。また溝部54は、取付部52と清掃体本体50との接続側において、清掃体本体50の周方向に並んだブラシ取付部56,56の間隙にある溝部57に連続するように形成すると良い。溝部54に対し、清掃体46の端部から清掃部材122を差し入れ、清掃体46の長手方向に清掃部材122を移動させると、清掃部材122は、略テーパー状に形成された溝部54に誘導されて清掃体本体50との境界部分に達し、溝部54に連続するように形成された溝部57に入る。
【0021】
吸込具40は、必ずしも清掃体46が動力を受けて駆動するものである必要はないが、本実施形態では清掃体駆動機構48を設け、清掃体46が清掃体駆動機構48から出力された動力を受けて駆動するものとされている。
図3に示すように、清掃体駆動機構48は、駆動機60、動力伝達体62、出力側プーリ64、従動側プーリ66等を備えている。駆動機60は、ヘッド本体42内に設けられたモータ等によって構成されている。また、動力伝達体62は、歯付の無端ベルトによって構成されている。また、出力側プーリ64は、駆動機60をなすモータの出力軸に取り付けられた歯付のプーリである。また、従動側プーリ66は、一対の取付部52のうち、取付部52aとは反対側に設けられた取付部52bに一体的に設けられた歯付のプーリである。清掃体駆動機構48は、動力伝達体62を出力側プーリ64と従動側プーリ66との間に無端ベルトからなる動力伝達体62を掛け回した構成とされている。そのため、駆動機60を作動させることにより、回転動力を取付部52b側に伝え、ヘッド本体42の吸込空間内において清掃体46を回転駆動させることができる。
【0022】
図1や
図5に示すように、配置部100は、電気掃除機10を配置するためのものである。配置部100は、清掃体46等に付着した塵埃等を除去するための塵埃除去装置としての機能を有する。また、配置部100は、電気掃除機システムSにおいて必須ではないが、電気掃除機10を充電するための充電スタンドとしての機能も有する。配置部100は、配置部本体110、塵埃除去機構120(
図7参照)、駆動制御部150(
図7参照)、及び動作指示部160(
図7参照)を備えている。
【0023】
配置部本体110は、特に形状を限定するわけではないが、本実施形態においては吸込具40と同様に前後方向より左右方向(清掃体46の軸方向)に長い形状を有し、樹脂等によって形成されている。
図5や
図6に示すように、配置部本体110は、天面に載置部112を有する。載置部112は、吸込具40のヘッド本体42が載置される部分であり、例えばヘッド本体42の形状に合わせて凹状の形状とされている。そのため、ヘッド本体42を載置部112に載置して嵌め込むことにより、ヘッド本体42の底面と載置部112とが接した状態になる。
【0024】
また、載置部112には、開口部114が設けられている。開口部114は、載置部112にヘッド本体42を配置した状態において、清掃体46と対向する位置に設けられている。開口部114は、スリット状とされており、載置部112に清掃体46を配置した状態において清掃体46の長手方向に延びるように形成されている。開口部114は、後に詳述する塵埃除去機構120をなす清掃部材122(刃)の少なくとも一部を載置部112の外側に露出させるためのものであると共に、清掃部材122の動きを案内するためのガイドとしても機能する。
【0025】
図1に示すように、配置部本体110の天面であって、載置部112に対して背面側には、支持柱116が立設されている(
図5及び
図6においては図示せず省略)。支持柱116は、載置部112に電気掃除機10のヘッド本体42を載置した状態において、上述した電気掃除機10の本体部20において背面側に設けられた支柱接続部25に対して接続可能な位置まで到達している。そのため、ヘッド本体42が載置部112に載置され、支柱接続部25が支持柱116に接続された状態になるように電気掃除機10を配置することにより、電気掃除機10を立てた状態で保持することができる。また、支持柱116の上端側には、電気掃除機10の本体部20に設けられた掃除機側端子(図示せず)と接続可能な配置部側端子(図示せず)が設けられている。支持柱116に設けられた配置部側端子は、電源に対して電気的に接続されている。そのため、上述したようにして配置部100に電気掃除機10をセットすることにより、電気掃除機10を電源に対して接続し、充電等することができる。
【0026】
図7に示すように、配置部本体110の内側であって、上述した開口部114の長手方向の一方側には、収納部118が設けられている。なお、収納部118は、開口部114の長手方向他端側等に設けても良い。収納部118は、配置部本体110の内側において後に詳述する塵埃除去機構120の清掃部材122(刃)を、開口部114から露出させる必要のないときに収納しておくための空間をなす部分である。さらに詳細には、
図5に示すように、収納部118の内部空間は、配置部本体110の外部には露出しておらず、配置部本体110の内側に存在している。
図6に示すように、収納部118は、開口部114に対し、開口部114の長手方向外側に隣接する位置にある。配置部本体110において収納部118をなす部分であって、開口部114側に向いた側面115には、ゲート部117が設けられている。ゲート部117は、開口部114の延長線上に存在している。ゲート部117は、収納部118から清掃部材122を出入り可能とするためのものである。ゲート部117は、例えば、常時連通した連通口としても良く、安全性向上等の観点から清掃部材122が収納部118に対して出入りするタイミングで開閉する開閉式の開口としても良い。
【0027】
塵埃除去機構120は、清掃部材122、支持部材124、ガイド部126、駆動部128、及び駆動伝達部130を備えている。
【0028】
清掃部材122は、電気掃除機10の吸込具40に設けられたローラー状の清掃体46を、載置部112側から清掃するための部材である。清掃部材122は、清掃体46を清掃可能なものであればいかなるものであっても良いが、例えばブレード(刃)そのもの、あるいはブレード(刃)を備えた部材とすると良い。
【0029】
支持部材124は、載置部112に配置された吸込具40の清掃体46に沿う方向に、清掃部材122を移動可能なように支持するための部材である。支持部材124は、ブロック状の部材によって構成されている。
図8や
図9に示すように、支持部材124には、3つの貫通孔124a〜124cが同一方向に向けて貫通するように設けられている。貫通孔124a〜124cのうち、貫通孔124aをなす内周面には雌ネジが形成されており、他の貫通孔124b,124cをなす内周面は略平滑な面とされている。支持部材124は、貫通孔124a〜124cの貫通方向が清掃部材122の移動方向に向くように設置されている。また、支持部材124は、清掃部材122をなす刃(ブレード)が、清掃部材122の移動方向に向いた姿勢で清掃部材122を支持する。
【0030】
ガイド部126は、上述した支持部材124の移動をガイドするためのものである。ガイド部126は、開口部114の開口方向に沿って直線的に配置された3本の軸部126a〜126cと、2つの終端部材126d,126e(第1端部、第2端部)とを有する。軸部126a〜126cは、それぞれ配置部本体110の内側において互いに略平行であり、かつ開口部114に対して略平行となるように配置されている。軸部126a〜126cは、それぞれ両端部において終端部材126d,126eによって支持されている。終端部材126d,126eは、それぞれ開口部114の開口領域に対して軸部126a〜126cの長手方向外側に外れた位置に設けられている。終端部材126d,126eは、対向するよう配置され、支持部材124は、ガイド部126によって、終端部材126d,126eの間において、終端部材126d,126eの対向方向に沿って移動可能である。なお、ここでの対向方向は、配置部本体110の左右方向や、開口部114の開口方向とも言える。また、軸部126a〜126cのうち、軸部126aの一端側であって、終端部材126dよりも軸線方向内側(支持部材124側)には、従動側プーリ126fが一体的に取り付けられている。
図9に拡大して図示するように、従動側プーリ126fは、歯付のプーリとされている(
図9では終端部材126dを図示せず省略)。
【0031】
軸部126a〜126cのうち、軸部126aは外周に雄ネジが形成されたネジ軸とされ、他の軸部126b,126cは表面にネジが形成されていない棒状のものとされている。軸部126aは、上述した支持部材124の貫通孔124aに挿通されている。軸部126aに形成された雄ネジは、貫通孔124aに形成された雌ネジと係合する。また、軸部126b,126cは、支持部材124の貫通孔124b,124cに挿通され、貫通孔124b,124cの内側を軸部126b,126cが自由に摺動可能とされている。そのため、軸部126aを回転させることにより、軸部126a〜126cに沿って支持部材124を移動させることができる。
【0032】
駆動部128は、塵埃除去機構120の駆動に必要な動力を出力するものである。駆動部128は、駆動力を出力可能なものであれば良いが、本実施形態ではモータが用いられている。駆動部128をなすモータの出力軸は、上述した軸部126aに対して略平行に配置されている。本実施形態においては、
図7に示すように、ガイド部126の前側に駆動部128を配置する収容部125を設ける構成としたが、例えば、ガイド部126(支持部材124)の後側に位置する凹部127に駆動部128を設ける構成等とすれば、収容部125を設けなくてもよい。また、駆動部128の出力軸には、駆動部側プーリ128aが取り付けられている。
【0033】
駆動伝達部130は、駆動部128から出力された駆動力を軸部126aに伝達するためのものである。そのため、塵埃除去機構120は、駆動部128を作動させることにより、軸部126aを介して支持部材124及びこれに支持されている清掃部材122を開口部114に沿って直線的に移動させることができる。駆動伝達部130は、駆動部128から軸部126aに動力伝達するものであればいかなるものであっても良いが、
図9に示すように、本実施形態では駆動部128の出力軸に設けられた駆動部側プーリ128aと、軸部126aの一端側に設けられた従動側プーリ126fと、駆動部側プーリ128a及び従動側プーリ126fの間に掛け回された無端ベルト132とを備えたものとされている。そのため、駆動部128を作動させることにより、回転動力を軸部126a側に伝達できる。
【0034】
上述したように、塵埃除去機構120は、駆動部128を作動させることにより、支持部材124及び清掃部材122を開口部114に沿って直線的に移動させることができる。塵埃除去機構120は、駆動部128の動作制御を行うことにより、開口部114から清掃部材122が露出する領域に加え、開口部114の直下領域よりも開口部114に対して両側に外れた位置にある収納部118が設けられた領域まで清掃部材122を移動させることができる。そのため、塵埃除去機構120は、例えばヘッド本体42に設けられた清掃体本体50の清掃のために開口部114から清掃部材122を露出させる必要がある場合等、清掃部材122を露出させる必要がない状態において、清掃部材122を収納部118に収納させることができる。
【0035】
駆動制御部150は、塵埃除去機構120の動作を司るものである。駆動制御部150は、塵埃除去機構120の動力源である駆動部128の動作制御行うものとされている。駆動制御部150は、ヘッド本体42の清掃体本体50を清掃する清掃イベントが発生することを条件として、駆動部128を駆動させる。
【0036】
動作指示部160は、配置部100にセットされた電気掃除機10の動作を制御するものである。動作指示部160は、上述した清掃イベントの終了を検知することを条件として電気掃除機10を動作させ、清掃イベントにより除去された塵埃を除去するための指示を行う。
【0037】
上述した電気掃除機システムSは、清掃体46のクリーニングを行うために、電気掃除機10が配置部100に適切にセットされる。配置部100の開口部114に清掃体46が対向し、開口部114の開口方向に清掃体46が沿うように吸込具40がユーザによって載置されることが期待されるが、そのように載置することを促す表記をしたり、載置部112の形状によって、適切に吸込具40が載置部112にセットされるようにしてもよい。また電気掃除機システムSは、電気掃除機10を配置部100にセットすることにより、吸込具40の清掃体46に付着した毛髪や埃等の塵埃を清掃するイベント(清掃イベント)や、電気掃除機10に少なくとも吸引動作を行わせるイベント(集塵イベント)を行う。この集塵イベントでは、電気掃除機10は、吸引動作に加えて、清掃体46を回転させる動作を行ってもよい。清掃イベントおよび集塵イベントを電気掃除機10が行うことで、清掃体46のクリーニングを行える。以下、清掃体46のクリーニングを行う場合の制御フローについて、
図10を参照しつつ詳細に説明する。
【0038】
(ステップ1−1)
清掃体46のクリーニングに際し、駆動制御部150は、先ずステップ1−1において電気掃除機10が配置部100に設置されているか否かを確認する。電気掃除機10が配置部100に配置されたか否かは、様々な方法により検知可能であるが、例えば配置部側端子と掃除機側端子との接触や、電気掃除機10や配置部100に設けられたクリーニングを開始できるスイッチの操作等を検出することにより検知すると良い。ステップ1−1において電気掃除機10が配置部100に配置されたことが検知されると、クリーニングの開始イベントが発生し、制御フローがステップ1−2に進む。
【0039】
(ステップ1−2)
ステップ1−2において、駆動制御部150は、電気掃除機10の充電池(図示せず)の充電量を確認する。すなわち、後述のステップ1−4において行われる集塵イベントでは、電気掃除機10を運転させる必要がある。そのため、電気掃除機10の充電量の充電量が不足していると、集塵イベントを行うことができない。電気掃除機10の充電と運転を同時並行させることができないため、クリーニングの開始イベントの発生段階において電気掃除機10の充電量が所定量T以上であるか否かを確認する。ここで、充電量の判定基準となる所定量Tは、適宜設定可能であるが、例えば、電気掃除機10を充電させながら、電気掃除機10を動作させることができないことを考慮し、後に実施される集塵イベントに必要な電力量を基準として所定量Tを設定すると良い。また、電気掃除機10の充電量に対し、清掃イベントの発生中に充電される想定される充電量を加算することで、後に実施される集塵イベントに必要な電力量に到達できるレベルであるか否かを基準として所定量Tを設定しても良い。充電量が所定量T以上であれば制御フローがステップ1−3に進み、充電量が所定量T未満であれば、充電を優先させ、清掃イベントの発生を遅延させるべく、制御フローがステップ1−7に進む。
【0040】
(ステップ1−3)
制御フローがステップ1−3に進むと、駆動制御部150による制御のもと、清掃イベントが行われる。具体的には、清掃イベントが開始されると、駆動部128が順方向に駆動し、清掃部材122及び支持部材124が、ガイド部126によるガイドのもと、移動開始位置である収納部118から開口部114のスリットに沿って他方側の端部(終端部材126e側)まで移動する。その後、駆動部128が逆駆動して収納部118(終端部材126d側)まで戻る。この際、清掃部材122は、吸込具40の清掃体46の端部をなす取付部52に複数設けられたテーパー状の溝部54のうちいずれかに誘導され、自然と清掃体本体50の周方向に並んだブラシ取付部56,56の間隙に入り、清掃体本体50の長手方向に移動する。
【0041】
具体的には、
図11(a)において破線で示すように、先ず、清掃部材122は、吸込具40の清掃体46の端部をなす取付部52に複数設けられたテーパー状の溝部54の一つに入る。その後、図中に矢印で示すように、清掃体46の軸線方向に清掃部材122が移動すると、清掃部材122が周方向に隣接するブラシ取付部56,56の間に形成された溝部57に入り、溝部57内を軸線方向(終端部材126d,126eの対向方向)に直線的に移動する。清掃部材122の移動を進めるうち、
図11(a)において実線で示した位置まで清掃部材122が進むと、清掃部材122は、溝部57の壁面に当たる。その後、さらに清掃部材122を清掃体46の軸線方向に進めようとすると、
図11(a)に矢印で示すように、清掃部材122により清掃体46が押し回されつつ、清掃部材122は清掃体46の軸線方向に進む。このようにして、清掃部材122を進めると、
図11(b)のように清掃部材122が進み、やがて
図11(c)に示すように清掃体46の他端側に到達する。なお、清掃部材122は、清掃体46の他端側において取付部52bとの境界を越えて取付部52b側まで到達するようにしても良いが、本実施形態では
図11(c)のように清掃体46の他端側と取付部52bとの境界あるいはこの近傍まで清掃部材122が到達する。このように、清掃体46の軸線方向に清掃部材122を移動させると、清掃体46の回転を伴いつつ、清掃部材122が清掃体46の一端側から他端側に到達する。清掃部材122は、その後清掃体46の軸線方向に清掃体46の回転を伴いつつ逆向きに戻り、元の位置に戻る。このようにして清掃部材122が清掃体46の軸線方向に移動する過程において、清掃体46の外周に巻き付いている毛髪や埃等の塵埃が清掃部材122により切断される。これにより、清掃イベントが終了する。このようにして清掃イベントが完了すると、制御フローがステップ1−4に進められる。なお、清掃イベントが終了したことの検知は種々の方法によって実現できる。例えば、支持部材124と終端部材126d,126eとが接触したことを検知できるセンサ(図示せず)を設けておき、このセンサの出力に基づいて支持部材124及び清掃部材122の位置を検出することで清掃イベントの終了を検知する構成としても良い。また、別の方法として、例えば、清掃部材122及び支持部材124の駆動源である駆動部128の出力を検知し、支持部材124と終端部材126d,126eとが接触した状態になることで電流値に変化が生じることを利用し、電流値に基づいて清掃イベントの終了を検知する構成としても良い。
【0042】
(ステップ1−4)
制御フローがステップ1−4に移行すると、集塵イベントが開始される。集塵イベントは、動作指示部160による制御のもと、配置部100にセットされた電気掃除機10の運転を開始することにより実施される。電気掃除機10が運転を開始すると、載置部112に載置された電気掃除機10において吸引動作と清掃体46の回転動作が実行される。これにより、清掃イベントにおいて切断された塵埃が電気掃除機10に集塵される。集塵イベントが開始されると、制御フローがステップ1−5に進められる。
【0043】
(ステップ1−5)
制御フローがステップ1−5に移行すると、集塵イベントの開始後、所定時間が経過したか否かが確認される。集塵イベントの実施時間は、清掃イベントにより清掃体46から除去された塵埃を集塵するのに十分な時間に設定すると良く、例えばステップ1−2において判断基準とされた所定量Tに相当する充電量で電気掃除機10を動作できる時間に設定すると良い。集塵イベントの開始後、所定時間の経過が確認されると、制御フローがステップ1−6に進められる。
【0044】
(ステップ1−6)
制御フローがステップ1−6に移行すると、動作指示部160により、電気掃除機10の運転を停止させる指令が出力される。これにより、清掃体46のクリーニングが完了する。
【0045】
(ステップ1−7)
上述したステップ1−3において、電気掃除機10の充電量が所定量T未満であると判断された場合には、制御フローがステップ1−7に進む。ステップ1−7においては、清掃イベントが待機状態とされる。その後、制御フローがステップ1−8に進められる。
【0046】
(ステップ1−8)
ステップ1−8においては、電気掃除機10の充電が行われ、制御フローがステップ1−2に戻される。上述したステップ1−7及びステップ1−8は、電気掃除機10の充電量が所定量Tに達するまで継続される。
【0047】
本実施形態の配置部100及び電気掃除機システムSは、電気掃除機10を載置可能な載置部112と、互いに対向する終端部材126d,126e(第1端部、第2端部)の間において、該対向方向に沿って移動可能な清掃部材122と、載置部112に設けられ、清掃部材122の少なくとも一部が突出する開口部114と、を備えることを特徴とするものである。
【0048】
かかる構成によれば、載置部112に電気掃除機10を載置した状態で、互いに対向する終端部材126d,126e(第1端部、第2端部)の間において、清掃部材122を前記対向方向に沿って移動させることにより、少なくとも一部が開口部114から露出した清掃部材122によって清掃体46に付着している塵埃を効果的に除去可能な配置部100や電気掃除機システムSを提供できる。
【0049】
本実施形態の配置部100及び電気掃除機システムSは、電気掃除機10の吸込具40が載置される載置部112と、吸込具40において回転可能に設けられる清掃体46を、載置部112側から清掃する清掃部材122と、載置部112に設けられ、清掃部材122の少なくとも一部を露出可能な開口部114と、清掃体46の軸方向に沿って移動可能に、清掃部材122を支持する支持部材124とを備えたものである。
【0050】
配置部100及び電気掃除機システムSを上述したような構成とすることにより、支持部材124に支持された清掃部材122を清掃体46の軸線方向に移動させるだけで、清掃体46に付着している塵埃を効果的に除去できる。すなわち、本実施形態の配置部100及び電気掃除機システムSは、清掃部材122を開口部144から露出させつつ、清掃体の軸方向に沿って清掃部材122を移動させることができる。そのため、例えば、清掃体46に巻き付いたり絡まったりした毛髪や埃等の塵埃を清掃部材122により切断する等の方法で清掃し、清掃体46から取り除くことができる。従って、上述した構成の配置部100及び電気掃除機システムSによれば、清掃体46に付着している塵埃を効果的に除去できる。
【0051】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSは、清掃体46の軸方向(終端部材126d,126eの対向方向)に沿って延在する軸部126a〜126cと、支持部材124とを備え、支持部材124が軸部126a〜126c(終端部材126d,126eの対向方向)に沿って移動可能に支持されたものである。
【0052】
かかる構成によれば、軸部126a〜126cに沿って支持部材124を移動させることにより、清掃体46の軸方向に沿って清掃部材122を移動させ、清掃体46に巻き付いたり絡まったりした毛髪や埃等の塵埃を清掃部材122により効果的に除去できる。
【0053】
なお、上記実施形態では、支持部材124を清掃体46の軸方向に移動させるための軸部126a〜126bを設けた例を示したが本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、軸部126a〜126cより多い本数を設ける構成であってもよいし、軸部126a,126cの2本を設ける構成であってもよい。また、例えば、支持部材124を案内するためのレールやスライダーを設ける等して、支持部材124を清掃体46の軸方向(終端部材126d,126eの対向方向)に移動可能としても良い。そのような場合においても、支持部材124は、レール(スライダー)の一端部(第1端部)と他端部(第2端部)との間において移動可能である。
【0054】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSは、駆動部128と、駆動部128の駆動力を支持部材124に伝える駆動伝達部130とを備え、清掃部材122が、駆動伝達部130から伝わった駆動力によって移動するものとされている。
【0055】
かかる構成によれば、駆動部128を駆動させることにより清掃部材122を移動させ、清掃体46に付着した塵埃を清掃部材122により効果的に除去できる。
【0056】
なお、上記実施形態では、駆動部128や駆動伝達部130を設けることにより、駆動部128により発生する動力を用いて支持部材124及び清掃部材122を移動させる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。駆動部128や駆動伝達部130を設けない構成としては、
図12に例示するように、支持部材124を手動で作動させるレバー等の操作部材170を配置部本体110に設ける等し、この操作部材170を操作することにより支持部材124及び清掃部材122を移動できるもの等としても良い。
図12の例においては、操作部材170が、配置部本体110の内部に設けられた支持部材124に対して接続されると共に、配置部本体110の正面に開口部114と同様に左右方向に(終端部材126d,126eの対向方向に沿って)延びるように形成されたスリット172が設けられており、スリット172に沿って操作部材170を手動で移動可能とされている。そのため、
図12の例においては、操作部材170を操作することにより、支持部材124及び清掃部材122を移動させ、清掃体46に付着した塵埃を清掃部材122により除去する作業を行うことができる。
【0057】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSにおいて、載置部112は、清掃部材122が収納される収納部118を備えるものとされている。
【0058】
かかる構成とすることにより、清掃部材122により清掃体46の清掃を行う場合のように清掃部材122を露出させねばならない場合を除いて、清掃部材122を収納部118に収容させ、安全性を向上させることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、配置部100及び電気掃除機システムS内に収納部118を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、収納部118を設けないこととしても良い。収納部118を設けない場合についても、安全性確保等の観点からすれば、清掃部材122が露出することを最小限に抑制すべく、例えば、清掃部材122を格納する部材を設けたり、清掃部材122を覆う部材を設ける等すると良い。
【0060】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSにおいて、清掃体46は、筒状の清掃体本体50と、清掃体本体50を回転可能に取り付ける取付部52とを有し、取付部52が軸方向に沿って延びる溝部54を周方向に複数有し、清掃部材122は、複数の溝部54のうち少なくとも1つの溝部54を移動するものとされている。
【0061】
かかる構成とすることにより、清掃部材122を確実に溝部54に導入させ、清掃部材122を適正な方向に移動するように誘導できる。これにより、清掃体46に付着した塵埃を清掃部材122によってより一層効果的に除去できるようになる。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、溝部54に相当するものを備えていないものや、溝部54の形状が上述したのとは異なるものであっても良い。
【0062】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSにおいて、取付部52は、複数の溝部54それぞれについて、軸方向の両端部のうち少なくとも一方において、該端部に向かうに従って幅広になっていると良い。
【0063】
かかる構成によれば、清掃部材122をより一層確実かつスムーズに溝部54に導入させ、清掃部材122を適正な方向に移動するように誘導できる。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、溝部54の形状は、例えば軸線方向に向けて溝幅が同一に延びるものや、取付部52の端部側の一部がテーパー状で、清掃部本体55側の他部分が軸線方向に向けて溝幅が同一に延びる形状等、上述したのとは異なるものであっても良い。
【0064】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSは、駆動部128を制御する駆動制御部150を備え、駆動制御部150が、電気掃除機10を清掃する清掃イベントが発生することを条件として、駆動部128を駆動させるものである。
【0065】
かかる構成によれば、清掃イベントが発生することを条件として、駆動部128を駆動させ、清掃部材122及び支持部材124を開口部114に沿って移動させることができる。従って、上述した構成によれば、清掃イベントが発生したときに、清掃部材122によって電気掃除機10を適確に清掃できる。
【0066】
なお、本実施形態では、駆動制御部150を設け、清掃イベントが発生することを条件として駆動部128を駆動できる構成とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、配置部100及び電気掃除機システムSは、駆動制御部150を備えず、別途設けられたスイッチ等の操作装置を操作することにより駆動部128を駆動できるもの等としても良い。また、配置部100及び電気掃除機システムSは、清掃イベントが発生することに加え、他の条件を駆動部128を駆動させるための条件として加えたものとしても良い。
【0067】
上述した配置部100及び電気掃除機システムSは、清掃イベントの終了を検知すると、電気掃除機10を動作させるよう電気掃除機10に指示する動作指示部160を備えている。
【0068】
かかる構成によれば、清掃イベントにより清掃体46から除去された塵埃を、電気掃除機10によって収集し、配置部100及び電気掃除機システムS等を清潔な状態にすることができる。なお、本実施形態では動作指示部160を設け、清掃イベントの終了を検知することを条件として、電気掃除機10を作動させる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、配置部100及び電気掃除機システムSに動作指示部160を設けず、清掃イベントの終了後に別途設けられたスイッチ等の操作装置を操作することにより電気掃除機10を作動できるもの等としても良い。なお、清掃イベントが終了したことの検知は種々の方法によって実現できる。例えば、支持部材124と終端部材126d,126eとが接触したことを検知できるセンサ(図示せず)を設けておき、このセンサの出力に基づいて支持部材124及び清掃部材122の位置を検出することで清掃イベントの終了を検知する構成としても良い。また、別の方法として、例えば、清掃部材122及び支持部材124の駆動源である駆動部128の出力を検知し、支持部材124と終端部材126d,126eとが接触した状態になることで電流値に変化が生じることを利用し、電流値に基づいて清掃イベントの終了を検知する構成としても良い。また、配置部100及び電気掃除機システムSは、清掃イベントが終了することに加え、他の条件を電気掃除機10を動作させるための条件として加えても良い。
【0069】
なお、上述した実施形態では、清掃体46のクリーニングを行う場合の制御フローの一例として、
図10の制御フローを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図10の制御フローにおいて、ステップ1−3の清掃イベントよりも前段階(ステップ1−2に相当)において、充電量が所定量T以上であるかを確認することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
図10の制御フローに代えて、充電量が所定量T以上であるかを確認するステップよりも前段階において、清掃イベントを発生させておき、清掃イベントの終了時あるいは清掃イベントが終了してから所定のタイミングにおいて充電量を確認し、集塵イベントに移行するようにしてもよい。具体的には、清掃体46のクリーニングを行う場合の制御フローは、
図10の制御フローに代えて、
図13に示す制御フローのように、
図10のステップ1−2及びステップ1−3に相当する工程の順番を入れ替えたものとしても良い。以下、
図13のフローについて説明する。なお、以下の説明において、上述した
図10のフローと共通する部分については、詳細な説明を省略し、概略の説明とする。
【0070】
(ステップ2−1)
ステップ2−1において、上述した
図10に示したフローのステップ1−1と同様にして、電気掃除機10が配置部100に設置されているか否かを確認する。ステップ2−1において電気掃除機10が配置部100に配置されたことが検知されると、制御フローがステップ2−2に進む。
【0071】
(ステップ2−2)
ステップ2−2は、上述した
図10に示したフローのステップ1−3に相当するものであり、駆動制御部150による制御のもと、清掃イベントが行われる。清掃イベントは、上述したステップ1−3のものと同様にして行われる。清掃イベントにより、吸込具40の清掃体46に絡みついた毛髪等のゴミ(塵埃)等を清掃するための清掃イベントが完了すると、制御フローがステップ2−3に進められる。
【0072】
(ステップ2−3)
ステップ2−3は、
図10に示した制御フローのステップ1−2と同様のステップである。ステップ2−3において、駆動制御部150は、電気掃除機10の充電池(図示せず)の充電量が、後述のステップ2−4において行われる集塵イベントに必要な電力量を基準として設定された所定量T以上であるか否かを確認する。すなわち、
図13に示すフローにおおいては、
図10の制御フローにおけるステップ1−2のように、電気掃除機10が配置部100に設置された段階における電気掃除機10の充電池(図示せず)の充電量を確認するのではなく、ステップ2−2の清掃イベントを終えてステップ2−3に到達するまでの間に充電された後における充電池(図示せず)の充電量を確認する。充電量が所定量T以上であれば制御フローがステップ2−4に進み、充電量が所定量T未満であれば、充電を優先させ、清掃イベントの発生を遅延させるべく、制御フローがステップ2−7に進む。
【0073】
(ステップ2−4〜ステップ2−8)
図13のステップ2−4〜ステップ2−8は、上述した
図10のステップ1−4〜ステップ1−8と同一あるいは同様の動作を行うステップである。すなわち、ステップ2−4においては、
図10のステップ1−4におけるのと同様にして集塵イベントが開始される。集塵イベントが開始されると、制御フローがステップ2−5に進められる。ステップ2−5においては、
図10のステップ1−5と同様に、ステップ2−4での集塵イベントの開始後、所定時間が経過したか否かが確認される。ステップ2−5で集塵イベントの開始後、所定時間が経過したことが確認されると、ステップ2−6に進められる。ステップ2−6では、
図10のステップ1−6と同様に、電気掃除機10の運転を停止させ、清掃体46のクリーニングを完了する。
【0074】
一方、上述したステップ2−3において、電気掃除機10の充電量が所定量T未満であると判断された場合には、ステップ2−7において、集塵イベントが待機状態とされる。その後、制御フローがステップ2−8に進められる。ステップ2−8においては、電気掃除機10の充電が行われ、制御フローがステップ2−2に戻される。上述したステップ2−7及びステップ2−8は、電気掃除機10の充電量が所定量Tに達するまで継続される。
【0075】
上述したように、清掃体46のクリーニングを行う場合の制御フローを
図13に示したものとすれば、ステップ2−2の清掃イベントを行う間に充電量が増加することを考慮に入れた動作を行える。
【0076】
上記実施形態においては、清掃部材122と支持部材124とを別部材とする例を示したが、それらが一体となって清掃部材として構成されていてもよい。また、清掃部材122の一例としてブレードを用いた例を示したが、例えばブレードに代えて、あるいはブレードに加えて熱線等を用いるようにしても良い。かかる構成とした場合についても、上述した配置部100及び電気掃除機システムSの場合と同様に、清掃体46に付着した塵埃を清掃部材122により効果的に除去できる。
【0077】
また、本実施形態では、電気掃除機10の一例としてスティック状(縦型)のものを用いた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。掃除機本体に吸込具が接続されたハンディ型の掃除機であっても、掃除機本体にホースを介して吸込具が接続されたキャニスター式の掃除機であっても、吸込具を載置部112に載置可能であれば適用可能である。また、本発明は電気掃除機10に代えて、掃除機本体に吸込口および清掃体を備えた掃除機にも適用可能である。そのような掃除機の一例としてのロボットクリーナにおいては、配置部100の前面側に傾斜面を設ける等して、ロボットクリーナが自力で載置部112に到達出来る構成等とすると良い。そのように構成すれば、ロボットクリーナが有する回転可能な清掃体を清掃部材122によって清掃することができる。また、ロボットクリーナにおける清掃体を本実施形態における清掃体46と同様に構成することも可能である。
【0078】
また、本実施形態では、配置部100側に塵埃除去機構120を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば吸込具40等に塵埃除去機構120に変わるものを設けても良い。具体的には、例えば
図14に示す塵埃除去機構180のように、吸込具40に設けられた清掃体46に対して並列に軸部182を設けると共に、軸部182に沿って清掃体46の軸線方向に自由に移動可能な支持部材184を設ける。支持部材184には、清掃部材186を支持させる。また、支持部材184は、操作用のレバーとしての機能する部分(レバー部184a)を、ヘッド本体42の正面側に設けたスリット状の開口部188から外側に露出するようにしておく。支持部材184は、レバー部184aをヘッド本体42の内側に向けて押し込むことにより清掃部材186を清掃体46に向けて突出させ、レバー部184aをヘッド本体42の外側に向けて引き戻すことにより清掃部材186を支持部材184の内側に隠すことができるようにしておく。このような塵埃除去機構180を吸込具40に設けることによっても、上述した塵埃除去機構120を設けた場合と同様に清掃体46の清掃を行うことができる。
【0079】
上述した電気掃除機システムSは、回転可能な清掃体46を有する電気掃除機10と、配置部100(塵埃除去装置)とを含み、清掃体36は、軸方向に沿って延びる溝部57を周方向に複数有し、清掃部材122は、複数の溝部57のうちいずれかの溝部を移動することを特徴とするものである。
【0080】
かかる構成によれば、清掃体46の周方向に複数、軸方向に延びるように設けられた溝部57のうちいずれかの溝部57において清掃部材122を移動させることにより、清掃体46に付着している塵埃を効果的に除去できる電気掃除機システムSを提供できる。
【0081】
上述した電気掃除機システムSは、複数の溝部57それぞれについて、軸方向の両端部のうち少なくとも一方において、該端部に向かうに従って幅広になっていることを特徴とするものである。
【0082】
かかる構成によれば、端部の幅広側では、清掃部材122の進入において妨げとなる部分が周方向において減っているため、周方向に並ぶ溝部54のいずれかに清掃部材122を誘導し易くなる。
なお、本実施形態における電気掃除機が有する清掃体46は、配置部100とセットで用いなくても、テーパー状の溝部57を取付部52に設けることで溝部57に刃を誘導し易くしているため、塵挨の除去において十分な効果を奏する。すなわち、ユーザが配置部100を用いずに、ハサミやカッターを使う場合にも、清掃体46に絡まった塵挨を除去し易いという効果を奏する。
【0083】
本発明は、上述した実施形態に示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。