特許第6853591号(P6853591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6853591農作業装置、農作業管理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853591
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】農作業装置、農作業管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A01D 46/30 20060101AFI20210322BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   A01D46/30
   A01B69/00 303P
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2019-518663(P2019-518663)
(86)(22)【出願日】2017年5月17日
(86)【国際出願番号】JP2017018517
(87)【国際公開番号】WO2018211621
(87)【国際公開日】20181122
【審査請求日】2019年11月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】519404090
【氏名又は名称】inaho株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】菱木 豊
(72)【発明者】
【氏名】大山 宗哉
【審査官】 毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−183841(JP,A)
【文献】 特開2013−074807(JP,A)
【文献】 特開2004−203514(JP,A)
【文献】 特開2009−131223(JP,A)
【文献】 特開2011−229406(JP,A)
【文献】 国際公開第2016/009752(WO,A1)
【文献】 特開2013−235461(JP,A)
【文献】 特開平06−141649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01D 34/00−75/00
A01B 51/00−75/00
G07C 5/00− 5/12
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1撮像装置と、
前記第1撮像装置が農作業の対象を撮像することにより得られる第1画像情報に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断する農作業判断部と、
前記農作業判断部の判断結果に基づいて前記農作業を実行する農作業実行部と、
前記農作業の結果を含む農作業情報を生成する農作業情報生成部と、
前記対象の位置を測定する測定部と、
前記農作業情報と、測定された前記位置を示す位置情報と、を管理する農作業情報管理部と、
前記第1画像情報と、前記対象を含む参照画像としての第2画像情報と、に基づいて前記対象の品質を判断する品質判断部と、
を備え、
前記測定部は、前記第1画像情報に基づいて前記対象の寸法を測定し、
前記農作業判断部は、前記寸法と設定した閾値との比較結果と、前記品質と、に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断する、
農作業装置。
【請求項2】
前記農作業情報管理部は、前記対象の位置を測定した時間を示す時間情報を、前記農作業情報と前記位置情報とに関連づけて記録する、
請求項1に記載の農作業装置。
【請求項3】
前記農作業を実行するためのアーム装置を更に備え、
前記農作業実行部は、前記測定部により測定された前記対象の位置に基づいて前記農作業を制御する、
請求項1又は2に記載の農作業装置。
【請求項4】
前記アーム装置は、第2撮像装置を備え、
前記農作業実行部は、前記第2撮像装置が前記対象を撮像することにより得られる第3画像情報に基づいて、前記アーム装置の前記農作業を制御する、
請求項3に記載の農作業装置。
【請求項5】
農作業装置が予め定められた経路に沿って移動するように制御する駆動装置を更に備え、
前記駆動装置は、前記農作業判断部により、前記第1画像情報に含まれる前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断した後に当該農作業装置の移動を制御する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の農作業装置。
【請求項6】
前記第1撮像装置は、前記経路に配置されているマーカを検出し、
前記駆動装置は、検出された前記マーカに基づいて農作業装置の移動を制御する、
請求項5に記載の農作業装置。
【請求項7】
前記測定部が測定する前記対象の位置は、前記第1撮像装置が前記対象を撮像した位置を含む、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の農作業装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載の農作業装置と、
農作業管理サーバと、
を備える農作業管理システムであって、
前記農作業装置は、前記農作業の結果を示す前記農作業情報と前記位置情報とを前記農作業管理サーバに送信し、
前記農作業管理サーバは、前記農作業情報と前記位置情報とに基づいて、前記対象に対して実行する前記農作業の内容を予測する農作業予測部を備える、
農作業管理システム。
【請求項9】
出力部を備える携帯端末を更に備え、
前記農作業管理サーバは、
前記農作業情報と前記位置情報とを関連づけて予め定められた出力態様で出力するための出力情報を生成する出力情報生成部を更に備え、
前記出力部は、前記出力情報に基づいて前記農作業情報と前記位置情報とを予め定められた出力態様で出力する、
請求項8に記載の農作業管理システム。
【請求項10】
撮像装置を備える農作業装置を、
前記撮像装置が農作業の対象を撮像することにより得られる第1画像情報に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断する農作業判断部と、
前記農作業判断部の判断結果に基づいて前記農作業を実行する農作業実行部と、
前記農作業の結果を含む農作業情報を生成する農作業情報生成部と、
前記対象の位置を測定する測定部と、
前記農作業情報と、測定された前記位置を示す位置情報と、を管理する農作業情報管理部と、
前記第1画像情報と、前記対象を含む参照画像としての第2画像情報と、に基づいて前記対象の品質を判断する品質判断部と、して機能させ、
前記測定部は、前記第1画像情報に基づいて前記対象の寸法を測定し、
前記農作業判断部は、前記寸法と設定した閾値との比較結果と、前記品質と、に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業装置、農作業管理システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
農業経営の合理化や農業機械の高性能化にともなって、一圃場あたりの収穫データ等の各種農作業データを集積し、将来の農作業計画やビジネス計画に役立てることがますます重要になってきている。
【0003】
これに関して、特許文献1には、農業機械に装着され、本機側のデ−タを、通信ラインを介して管理端末器に送信するように構成されたデ−タ収集装置において、該管理端末器の記憶装置内に設定されるデ−タフアイルを自動的に作成するように構成すると共に、そのファイル名には、少なくとも作業した日付、機械の識別コ−ド、作業者名、若しくは圃場番号の各要素の1つ又は複数が含まれていることを特徴とする農業機械のデ−タ収集装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平06−231329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のデータ収集装置においては、圃場データを収集することができるものの、圃場データを収集した後、圃場データを収集した位置と圃場データとの関連性を導き出すことができない。よって、圃場データを適切に管理することができず、且つ、圃場データを有効活用することができないため、将来の農作業やビジネスを円滑に実行できないおそれがあった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、農作業情報を適切に管理することができ、且つ、農作業情報の活用による将来の農作業やビジネスの円滑な実行を可能にする農作業装置、農作業管理システム、及びプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る農作業装置は、第1撮像装置と、前記第1撮像装置が農作業の対象を撮像することにより得られる第1画像情報に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断する農作業判断部と、前記農作業判断部の判断結果に基づいて前記農作業を実行する農作業実行部と、前記農作業の結果を含む農作業情報を生成する農作業情報生成部と、前記対象の位置を測定する測定部と、前記農作業情報と、測定された前記位置を示す位置情報と、を管理する農作業情報管理部と、を備える。
【0008】
上記農作業装置において、前記第1画像情報と、前記対象を含む参照画像としての第2画像情報と、に基づいて前記対象の異常の有無を判断する異常判断部を更に備えてもよい。
【0009】
上記農作業装置において、前記測定部は、前記第1画像情報に基づいて前記対象の寸法を測定し、前記農作業判断部は、測定された前記寸法と所定の閾値との比較結果と、前記異常の有無と、に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断してもよい。
【0010】
上記農作業装置において、前記農作業情報管理部は、前記対象の位置を測定した時間を示す時間情報を、前記農作業情報と前記位置情報とに関連づけて記録してもよい。
【0011】
上記農作業装置において、前記農作業を実行するためのアーム装置を更に備え、前記農作業実行部は、前記測定部により測定された前記対象の位置に基づいて前記動作を制御してもよい。
【0012】
上記農作業装置において、前記アーム装置は、第2撮像装置を備え、前記農作業実行部は、前記第2撮像装置が前記対象を撮像することにより得られる第3画像情報に基づいて、前記アーム装置の前記動作を制御してもよい。
【0013】
上記農作業装置において、農作業装置が予め定められた経路に沿って移動するように制御する駆動装置を更に備え、前記駆動装置は、前記農作業判断部により、前記第1画像情報に含まれる前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断した後に当該農作業装置の移動を制御してもよい。
【0014】
上記農作業装置において、前記第1撮像装置は、前記経路に配置されているマーカを検出し、前記駆動装置は、検出された前記マーカに基づいて農作業装置の移動を制御してもよい。
【0015】
上記農作業装置において、前記測定部が測定する前記対象の位置は、前記第1撮像装置が前記対象を撮像した位置を含んでもよい。
【0016】
本発明の一実施形態に係る農作業管理システムは、請求項1〜9のいずれか一項に記載の農作業装置と、農作業管理サーバと、を備える農作業管理システムであって、前記農作業装置は、前記農作業の結果を示す前記農作業情報と前記位置情報とを前記農作業管理サーバに送信し、前記農作業管理サーバは、前記農作業情報と前記位置情報とに基づいて、前記対象に対して実行する前記農作業の内容を予測する農作業予測部を備える。
【0017】
上記農作業管理システムは、出力部を備える携帯端末を更に備え、前記農作業管理サーバは、前記農作業情報と前記位置情報とを関連づけて予め定められた出力態様で出力するための出力情報を生成する出力情報生成部を更に備え、前記出力部は、前記出力情報に基づいて前記農作業情報と前記位置情報とを予め定められた出力態様で出力してもよい。
【0018】
本発明の一実施形態に係るプログラムは、撮像装置を備える農作業装置を、前記撮像装置が農作業の対象を撮像することにより得られる画像情報に基づいて、前記対象に対して前記農作業を実行するか否かを判断する農作業判断部と、前記農作業判断部の判断結果に基づいて前記農作業を実行する農作業実行部と、前記農作業の結果を含む農作業情報を生成する農作業情報生成部と、前記対象の位置を測定する測定部と、前記農作業情報と、測定された前記位置を示す位置情報と、を管理する農作業情報管理部と、して機能させる。
【0019】
なお、各実施形態において、「部」、「装置」、「システム」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」、「装置」、「システム」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」、「装置」、「システム」が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」、「装置」、「システム」の機能が1つの物理的手段や装置により実現されてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、農作業情報と対象の位置とを関連付けて管理することにより、農作業情報を適切に管理することができ、且つ、農作業情報の活用による将来の農作業やビジネスの円滑な実行を可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係る農作業管理システムの概略構成の一例を示すブロック図。
図2】本発明の一実施形態に係る農作業装置の概略構成の一例を示すブロック図。
図3】本発明の一実施形態に係る農作業装置の記録装置に記録される農作業情報テーブルの一例を示す。
図4】本発明の一実施形態に係る農作業装置の記録装置に記録される農作業情報テーブルの一例を示す図。
図5】本発明の一実施形態に係る農作業装置の記録装置に記録される農作業情報テーブルの一例を示す図。
図6】本発明の一実施形態に係る農作業装置の記録装置に記録される農作業情報テーブルの一例を示す図。
図7】本発明の一実施形態に係る農作業管理サーバの概略構成の一例を示すブロック図。
図8】本発明の一実施形態に係る農作業処理フローの一例を示すフローチャート。
図9】本発明の一実施形態に係る圃場において農作業装置が実行する農作業の一例を示す図。
図10】本発明の一実施形態に係る農作業判断処理フローの一例を示すフローチャート。
図11】本発明の一実施形態に係る農作業判断処理における画像処理の一例を説明する図。
図12】本発明の一実施形態に係る農作業判断処理における農作物測定処理の一例を説明する図。
図13】本発明の一実施形態に係る農作業実行処理フローの一例を示すフローチャート。
図14】本発明の一実施形態に係る圃場において農作業装置が実行する農作業の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、一実施形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、一連の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。
【0023】
[農作業管理システムの全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る農作業管理システムの概略構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、農作業管理システム100は、例示的に、圃場FFにおいて農作業を実行し、農作業の結果を管理する農作業装置1と、農作業装置1が実行する農作業の結果を管理し、農作業の結果に基づいて将来実行される農作業の内容を予測する農作業管理サーバ5と、農作業に従事するユーザUが保持する携帯端末3と、を備える。
【0024】
ここで、「農作業」としては、例えば畝Rに配置されているアスパラA(対象)を収穫すること、圃場FFに対して薬剤を散布すること、及び、圃場FFにおいて除草を行うこと等を含む。農作業の「対象」は、アスパラAのような農作物に限られず、圃場FF内に形成される畝R等の地面部分、圃場FF内の所定の空間を含んでもよい。
【0025】
農作業装置1、携帯端末3及び農作業管理サーバ5は、所定の通信ネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。例えば、農作業装置1は、通信ネットワークNを介して、携帯端末3から農作業装置1において農作業を実行するための指示を受け付ける。農作業装置1は、携帯端末3からの指示に基づいて、例えば畝Rにおいて栽培されているアスパラAを、アーム16を用いて収穫する。農作業装置1は、農作業の結果を含む農作業情報を生成し、通信ネットワークNを介して、農作業管理サーバ5に少なくとも当該農作業情報と位置情報とを送信する。農作業管理サーバ5は、通信ネットワークNを介して、携帯端末3に対して、少なくとも当該農作業情報と位置情報とを送信する。携帯端末3は、通信ネットワークNを介して、農作業管理サーバ5から少なくとも当該農作業情報と位置情報とを受信し、出力部7において出力する。
【0026】
このように、農作業情報と対象の位置とを関連付けて管理することにより、農作業情報を適切に管理することができ、且つ、農作業情報の活用による将来の農作業やビジネスの円滑な実行を可能にする。そして、ユーザUは、携帯端末3の出力部7において、農作業装置1が実行する農作業の結果を確認することができる。また、例えばユーザUが農作物の生産者である場合は、携帯端末3の出力部7に出力される農作業の結果の一例である薬剤の散布量を、消費者に提示することで消費者に農作物の安心と安全とを宣伝することができる。さらに、携帯端末3は、AR(ugmented eality)技術を備えた透過式メガネ型端末であってもよい。この場合は、ユーザUが当該メガネ型端末を装着して畝Rを見ると、畝Rにおいて未収穫の箇所を含む領域が光って表示される等の強調表示が実行される。このように、ユーザUは、未収穫の箇所を容易に特定できる。
【0027】
なお、通信ネットワークNは、インターネット、パケット通信網、及び回線通信網の組み合わせであってもよく、例えば農作業装置1と携帯端末3と農作業管理サーバ5のそれぞれの通信部分は無線ネットワークであるが、有線ネットワークを含んでもよい。
【0028】
また、農作業管理システム100においては、農作業装置1、携帯端末3及び農作業管理サーバ5のそれぞれの台数は任意であり、それぞれが2台以上となるように構成することができる。
【0029】
[農作業装置の構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る農作業装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、農作業装置1は、例示的に、不図示のGPS衛星から送信されたGPS信号に基づいて農作業装置1の位置を検出するGPSセンサ12と、農作業の対象を撮像するカメラ14(第1撮像装置)と、農作業を実行するためのアーム装置16と、農作業装置1が実行する各処理に必要な情報を記録する記録装置18と、図1に示す携帯端末3及び農作業管理サーバ5と各種情報を送受信する通信装置20と、農作業装置1が予め定められた経路に沿って移動するように制御する駆動装置22と、上記各構成要素と接続された中央処理装置10と、を備える。なお上記各構成要素は、それぞれが単一の構成要素であってもよいし、複数の構成要素を含む構成要素であってもよい。カメラ14は、例えば、耐外乱光性能を有する、パルスレーザを使用するTOF(ime light)型距離画像センサ、及び、CCD(harge−oupled evice)を備えるカメラの少なくとも一方を備える。
【0030】
中央処理装置10は、農作業情報を管理するための処理を実行するために上記各構成要素を制御する。中央処理装置10は、例えばCPU、MPU等であって、記録装置18に格納されたプログラムに従って動作する。中央処理装置10は、機能的に、対象の位置、高さ及び奥行等を測定する農作物測定部30(測定部)と、対象が規格外品であるか、対象が病害を有しているか等を含む対象の異常を判断する異常判断部32と、カメラ14が農作業の対象を撮像することにより得られる画像情報(第1画像情報)に基づいて、対象に対して農作業を実行するか否かを判断する農作業判断部34と、農作業判断部34の判断結果に基づいて農作業を実行する農作業実行部36と、農作業の結果を含む農作業情報を生成する農作業情報生成部38と、農作業情報生成部38が生成した農作業情報を管理する農作業情報管理部40と、を備える。なお、規格外品は、外品ともいう。
【0031】
記録装置18は、農作業情報生成部38が生成する農作業情報を記録する。記録装置18は、農作業情報を、例えば図3図6に示す農作業情報テーブルとして記録する。
【0032】
図3に示すように、記録装置18は、対象の収穫の有無及び収穫量を含む農作業情報を、対象が栽培されている位置を含む農作業位置(位置情報)と農作業位置が測定された日時とに関連づけて記録する。
【0033】
図4に示すように、記録装置18は、図1に示す農作業装置1が対象を収穫する際に向いている方向、及び、収穫する対象を含む画像情報を含む農作業情報を、農作業位置と農作業位置が測定された日時とに関連づけて記録する。
【0034】
図5に示すように、記録装置18は、対象の収穫の有無、及び、対象の規格外品・病害量を含む農作業情報を、農作業位置と農作業位置が測定された日時とに関連づけて記録する。
【0035】
図6に示すように、記録装置18は、薬剤散布量を含む農作業情報を、農作業位置として薬剤を散布した位置と当該位置が測定された日時とに関連づけて記録する。
【0036】
なお、記録装置18は、農作業装置1が雑草を除去する雑草除去装置である場合、農作業情報として、除去した雑草の重量を、除去した雑草の位置(又は除去処理を実行した農作業装置1の位置)と、雑草を除去した日時と、関連付けて記録してもよい。
【0037】
また、図3図6に示す各農作業情報テーブルは、記録装置18において互いに関連づけて記録されてもよい。また、農作業情報テーブルは、図3図6に示す農作業情報テーブルの少なくとも二つ以上を組み合わせて構成されてもよい。
【0038】
農作業位置は、図1に示すGPSセンサ12が検出する農作業装置1の位置であってもよい。農作業位置は、複数の対象のそれぞれの位置であってもよい。複数の対象のそれぞれの位置は、例えば、畝において、農作物が農作業装置1に対してより近くに(手前に)配置されているか)又はより遠くに(奥に)配置されているかを示す情報であってもよい。図4に示す農作業情報テーブルにおける方向情報は、所定の方向を基準とした場合の角度で示され、複数の対象のそれぞれを収穫する場合に対象ごとに対応づけられた方向であってもよいし、複数の対象を含む対象グループを収穫する場合にグループごとに対応づけられた方向であってもよい。図4に示す農作業情報テーブルにおける画像情報は、単一の対象を含む画像情報であってもよいし、複数の対象を含む画像情報であってもよい。また、画像情報は、農作業装置1が薬剤を散布している状況を示す画像情報であってもよいし、農作業装置1が薬剤を散布した後の状況を示す画像情報であってもよい。
【0039】
なお、記録装置18は、例えばROMやRAM、ハードディスク等の情報記録媒体で構成され、中央処理装置10によって実行されるプログラムを保持する情報記録媒体である。また、記録装置18は、中央処理装置10のワークメモリとしても動作する。なお、記録装置18に格納されたプログラムは、例えば、ネットワークを介して、農作業装置1の外部からダウンロードされて提供されてもよいし、又は、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な各種の情報記録媒体によって提供されてもよい。
【0040】
通信装置20は、例えば、図1に示すように、通信ネットワークNを介して、携帯端末3から農作業を実行するための指示を受信する。他方で通信装置20は、通信ネットワークNを介して、農作業管理サーバ5に例えば図3図6に示す農作業情報テーブルを送信する。
【0041】
駆動装置22は、例えば、左右の車軸に支持された移動用車輪であり、移動用車輪を回転させることにより前後に移動でき、旋回することができる。
【0042】
[農作業管理サーバの構成]
図7は、本発明の一実施形態に係る農作業管理サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。図7に示すように、農作業管理サーバ7は、例示的に、図1に示す農作業装置1及び携帯端末3との間で各種の情報を送受信する通信部50と、農作業情報に基づく情報処理を実行する情報処理部52と、図1に示す農作業装置1から送信される農作業情報を農作業情報テーブルAT(図3図6を参照)と、図1及び図9に示す圃場FFを示す圃場マップMと、を記憶する記録部54と、備える。ここで、圃場マップMは、後述するとおり、図1に示す携帯端末3において農作業の実行範囲を設定する場合や農作業装置1において実際に農作業を実行する場合の移動範囲の制御等に用いられる。なお、記録部54は、情報処理部52が実行する各種情報処理に関する各種プログラム等を記録してもよい。
【0043】
情報処理部34は、機能的に、図1に示す農作業装置1から送信され、通信部50において受信する農作業情報と対象の位置を示す位置情報とに基づいて、対象に対して実行する農作業の内容を予測する農作業予測部60と、農作業情報と対象の位置を示す位置情報とを関連づけて予め定められた出力態様で出力するための出力情報を生成する出力情報生成部62と、を備える。農作業予測部60は、農作業情報として農作物(対象)の画像情報を参照することで、農作物の状態に鑑みた将来の農作業の内容を予測する。例えば、アスパラ群の画像から各アスパラの成長状況を把握し、将来の農作業の内容の一例として収穫時期や今後の収穫量の見込み等を測定する。ここで、出力情報は、農作業予測部60の予測結果を予め定められた出力態様で出力するための出力情報を含んでもよい。出力情報は、図1に示す携帯端末3からの要求に応じて通信部50を介して携帯端末3に送信され、携帯端末3の出力部7において出力される。
【0044】
[農作業処理]
図8及び図9を用いて、本発明の一実施形態に係る農作業処理の全体のフローを説明する。図8は、本発明の一実施形態に係る農作業処理フローの一例を示すフローチャートである。図9は、本発明の一実施形態に係る圃場において農作業装置が実行する農作業の一例を示す図である。
【0045】
(ステップS1)
図1に示すユーザUは、携帯端末3において農作業装置1が農作業を実行する農作業範囲を設定する。例えば、携帯端末3は、図7に示す、農作業管理サーバ5の記録部54に記録された圃場マップ情報Mを取得する。そして、ユーザUは、携帯端末3において、図9に示すように、圃場FFにおける農作業装置1が移動する経路L1、L3及びL5、並びに、農作業装置1が作業を開始するスタート地点P1及び作業を終了するエンド地点P7を設定する。
【0046】
(ステップS3)
図2に示す農作業装置1の駆動装置22は、農作業装置1が圃場FF内を、設定された経路L1に沿って移動するように制御する。まず、農作業装置1は、例えば10cm程度移動したら停止し、後述するとおり農作業を実行する。そして、農作業が完了したら、再度10cm程度移動し、農作業を実行するということを繰り返す。なお、駆動装置22は、図2に示す農作業判断部34により、カメラ14からの画像情報(第1画像情報)に含まれるすべての対象に対して農作業を実行するか否かを判断した後に当該農作業装置1の移動を制御するように構成されてもよい。なお、農作業装置1の移動量に関して、上記では10cm程度と説明したが、これに限られず、当該移動量については、収穫対象物の大きさや配置位置、及び、カメラ14のレンズのサイズ等に基づいて適宜設定されてもよい。
【0047】
(ステップS5)
農作業装置1が農作業を実行する。例えば、図2に示す農作業実行部36は、対象に対して農作業を実行するか否かを判断する農作業判断部34の判断結果に基づいて農作業を実行する。なお、農作業判断部34の処理については、図10〜12を用いて詳述する。また、農作業実行部36の処理については、図13及び14を用いて詳述する。農作業としては、例えば畝R1に配置されている対象を収穫すること、圃場FFに対して薬剤を散布すること、及び、圃場FFにおいて除草を行うこと等を含む。
【0048】
図2に示す農作業装置1の農作業情報生成部38は、農作業の結果を含む農作業情報(図3図6参照)を生成する。また、農作物測定部30(測定部)は、農作業を実行する位置を測定する。農作業を実行する位置は、例えば、農作業を実行する農作業装置1の位置、又は、圃場FFにおいて配置されている対象の位置を含む。農作物測定部30は、農作業を実行する農作業装置1の位置については、図2に示すGPSセンサ12が検出する位置情報に基づいて測定する。また、農作物測定部30は、圃場FFにおいて配置されている対象の位置については、図2に示すGPSセンサ12が検出する農作業装置1の位置情報と、カメラ14が対象を撮像することにより得られる画像情報と、に基づいて測定する。より具体的には、農作物測定部30は、図2に示すGPSセンサ12が検出する農作業装置1の位置情報に基づいて、圃場FFにおいて配置されている対象の位置を推定した後、カメラ14が対象を撮像することにより得られる画像情報に基づいて対象の正確な位置を特定してもよい。
【0049】
農作業情報管理部40は、農作業情報と、農作物測定部30により測定された対象の位置を示す位置情報と、対象の位置を測定した時間を示す時間情報と、を関連づけて、図3図6に示す農作業情報テーブルとして記録装置18において管理する。図2に示す農作業装置1の通信装置20は、記録装置18に記録された農作業情報テーブルを所定のタイミングで図1に示す農作業管理サーバ5に送信する。例えば、通信装置20は、農作業情報テーブルを、定期的に送信してもよいし、農作業が実行される毎に送信してもよいし、一連の農作業がすべて終了した時点で送信してもよい。
【0050】
(ステップS7)
図2に示す農作業装置1のカメラ14(第1撮像装置)が圃場FF内のマーカM1を検出する。
【0051】
(ステップS9)
図2に示す農作業装置1の駆動装置22は、カメラ14により検出されたマーカM1に基づいて農作業装置1の移動を制御する。例えば、農作業装置1は、マーカM1を検出することで、圃場FFの端の地点である地点P3に到着したことを判定する。農作業装置1は、旋回し、経路L3へ移行し、畝R3に対して農作業を再開する。次に、農作業装置1は、マーカM3を検出することで、圃場FFの端の地点である地点P5に到着したことを判定する。農作業装置1は、駆動装置22は、旋回し、経路L5へ移行し、畝R5に対して農作業を再開する。
【0052】
(ステップS11)
農作業装置1が設定された経路L5のエンド地点P7に到着すると、農作業装置1は農作業を終了する。
【0053】
[農作業判断処理]
図10図12を用いて、本発明の一実施形態に係る農作業判断処理のフローを説明する。図10は、本発明の一実施形態に係る農作業判断処理フローの一例を示すフローチャートである。図11は、本発明の一実施形態に係る農作業装置のカメラが撮像することにより得られる画像情報の一例を示す図である。
【0054】
(ステップS21)
図11に示すように、図2に示す農作業装置1のカメラ14は、農作業の対象であるアスパラ群を撮像することで、画像(第1画像情報)を取得する。
【0055】
(ステップS23)
図2に示す農作業装置1の異常判断部32は、ステップS21で取得した画像(第1画像情報)と、例えば農作業装置1の記録装置18に記録された、農作業の対象であるアスパラを含む参照画像(第2画像情報)と、を比較する。より具体的に、異常判断部32は、異常判断を実行するための人工知能モデルを活用する。人工知能モデルは、過去に実行した、異常の有無の判断結果に基づいて繰り返し学習することで正確に異常判断が可能なように形成される。ここで、人工知能モデルには、過去の異常判断の際に用いられた画像(参照画像)が大量に蓄積されている。そして、異常判断部32は、ステップS21で取得した画像について、当該人工知能モデルを参照することで、後述するとおり、アスパラの異常の有無を判断可能となる。
【0056】
(ステップS25)
異常判断部32は、ステップS23の比較結果に基づいてアスパラの異常の有無を判断する。例えば、参照画像には、収穫するに値するような良品のアスパラが含まれており、異常判断部32は、収穫予定のアスパラをカメラ14で撮像した画像と、良品のアスパラが含まれた参照画像と、を比較することで、実際に収穫予定のアスパラが良品であるか否かを判断する。また、参照画像には、収穫するに値しないような規格外品のアスパラが含まれており、異常判断部32は、収穫予定のアスパラをカメラ14で撮像した画像と、規格外品のアスパラが含まれた参照画像と、を比較することで、実際に収穫予定のアスパラが規格外品であるか否かを判断するように構成されてもよい。
【0057】
異常判断部32は、収穫予定のアスパラの色が茶色である場合、参照画像に含まれる良品の色(例えば、緑色)と異なるので、収穫予定のアスパラは、なんらかの病気を有していると判断する。また、異常判断部32は、収穫予定のアスパラの形状が大きな曲線部を有する場合は、参照画像に含まれる良品の形状(例えば、直線形状)と異なるので、収穫予定のアスパラは規格外品として判断する。
【0058】
(ステップS27)
図2に示す農作業装置1の農作物測定部30は、カメラ14がアスパラを撮像することにより得られた画像情報に基づいて、アスパラの栽培位置、高さ、及び奥行を測定する。なお、農作物測定部30は、農作業装置1が備える不図示の測定レーザの照射波、及び、アスパラからの反射波に基づいて、アスパラの栽培位置等を測定してもよい。また、農作業装置1は、カメラ14及び測定レーザの双方を用いて、アスパラの栽培位置、高さ、及び奥行を測定するように構成されてもよい。
【0059】
図12は、図11における破線部分に含まれる2本のアスパラA1及びA2が拡大表示された画像情報の一例を示す図である。図12に示すように、農作物測定部30は、例えば、カメラ14からの画像情報に基づいて、各アスパラA1及びA2の先端及び末端(根元)それぞれのXYZ座標(位置)を測定することで、アスパラA1とアスパラA2との位置の差Dを測定可能である。また、農作物測定部30は、アスパラA1の高さH(寸法)、及び、アスパラA1の幅W(寸法)を測定することができる。
【0060】
(ステップS29)
農作物測定部30は、測定された寸法と設定した閾値とを比較することによりアスパラの状態を判断する。農作物測定部30は、測定されたアスパラA1の高さが30cmである場合は、設定した閾値(26cm)を上回るので、収穫に値する程度に成長したアスパラであると判断する。他方で、農作物測定部30は、測定されたアスパラA1の高さが15cmである場合は、設定した閾値(26cm)を下回るので、収穫に値する程度に成長したアスパラでないと判断する。なお、農作物測定部30は、測定されたアスパラの幅と設定した閾値とを比較することによりアスパラの状態を判断してもよい。なお、「閾値」については、設定した閾値に限られず、所定の閾値であってもよい。
【0061】
(ステップS31)
図2に示す農作業装置1の農作業判断部34は、異常判断部32が出力した判断結果と、農作物測定部30が出力した判断結果と、に基づいてアスパラを収穫するか否かを判断する。例えば、異常判断部32の判断結果が「異常なし」で、農作物測定部30の判断結果が「26cm以上:十分に成長している」である場合は、出荷するに十分なアスパラであるという意味において、「収穫する」と判断する。また、異常判断部32の判断結果が「異常あり」で、農作物測定部30の判断結果が「26cm以下:十分に成長していない」である場合は、今後成長したとしても、出荷するに値しないアスパラであるという意味において、「収穫する」と判断する。この場合は、収穫した後、廃棄等される。さらに、異常判断部32の判断結果が「異常あり」で、農作物測定部30の判断結果が「26cm以上:十分に成長している」である場合も、出荷するに値しないアスパラであるという意味において、「収穫する」と判断する。この場合も、収穫した後、廃棄等される。さらにまた、農作業判断部34は、異常判断部32の判断結果が「異常なし」で、農作物測定部30の判断結果が「26cm以下:十分に成長していない」である場合は、規格外品でもなくなんらかの病気も有しないので、収穫予定のアスパラが収穫するに値する程度に成長するまで待つという意味で、「収穫しない」と判断する。
【0062】
このように、農作業判断部34は、異常判断部32の判断結果と農作物測定部30の判断結果とを総合的に考慮して、対象を収穫するか否かを判断するので、農作業判断部34が、農作物測定部30の判断結果、及び、異常判断部32の判断結果のいずれか一方に基づいて、農作業を実行するか否かを判断する場合に比べて、より正確な判断を実行することができる。
【0063】
[農作業実行処理]
図13及び図14を用いて、本発明の一実施形態に係る農作業実行処理フローを説明する。図13は、本発明の一実施形態に係る農作業実行処理フローの一例を示すフローチャートである。図14は、本発明の一実施形態に係る圃場において農作業装置が実行する農作業の一例を示す図である。
【0064】
(ステップS41)
図10のステップS29において説明したとおり、図2に示す農作物測定部30は、アスパラA5の栽培位置、高さ、及び奥行を測定する。次に、農作業実行部36は、農作物測定部30の測定結果に基づいて、アスパラA5を収穫するまでのアーム装置16の進入経路、例えば、アーム装置16の現在位置から図14に示す圃場FFの畝RにおけるアスパラA5が配置されている位置までの進入経路を設定する。また、進入経路とは、アーム装置16の三次元座標位置から、図14に示す圃場FFの畝RにおけるアスパラA5の切断ポイントを示す三次元座標位置までの経路を含んでもよい。ここで、進入経路については、農作物実行部36が生成した上で設定するように構成されてもよいし、農作物測定部30が、測定結果に基づいて進入経路を生成し、農作物実行部36が進入経路を設定するように構成されてもよい。
【0065】
(ステップS43)
例えばアーム装置16に搭載されたカメラ14(第2撮像装置)によって画像情報(第3画像情報)を取得する。アーム装置16に搭載されているカメラ14(第2撮像装置)は、農作業装置1の本体部分に搭載されるカメラに比べて、アーム装置16の実際の進入経路をより正確に測定できる。
【0066】
(ステップS45)
農作業実行部36は、取得した画像情報に基づいて、アーム装置16の進入経路がステップS41において設定した進入経路と異なっているか否かを判断する。アーム装置16の進入経路がステップS41において設定した進入経路と異なっていない場合(Noの場合)は、ステップS49に進む。他方で、アーム装置16の進入経路がステップS41において設定した進入経路と異なっている場合(Yesの場合)は、ステップS47に進む。
【0067】
(ステップS47)
農作業実行部36は、カメラ14からの画像情報に基づいてアーム装置16の進入経路を制御する。例えば、アーム装置16の進入経路がステップS41において設定した進入経路と異なっている場合は、アスパラA5を確実に収穫することができないおそれがあるため、アーム装置16の進入経路を正しい経路に修正し、アスパラA5を確実に収穫する。例えば、進入経路が、アーム装置16の三次元座標位置から、図14に示す圃場FFの畝RにおけるアスパラA5の切断ポイントを示す三次元座標位置までの経路を含む場合、農作業実行部36は、カメラ14からの画像情報に基づいて、当該切断ポイントのズレを補正するように構成されてもよい。
【0068】
(ステップS49)
農作業実行部36は、アーム装置16を用いてアスパラA5を収穫する。
【0069】
(ステップS51)
農作業実行部36は、アーム装置16を用いて収穫したアスパラA5をストレージSに格納する。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、農作業情報と農作業の対象の位置とを関連付けて管理することにより、農作業情報を適切に管理することができ、且つ、農作業情報の活用による将来の農作業やビジネスの円滑な実行を可能にする。
【0071】
図2及び図10に示すように、農作業判断部34は、異常判断部32の判断結果と農作物測定部30の判断結果とを総合的に考慮して、対象を収穫するか否かを判断する。よって、農作業判断部34が、農作物測定部30の判断結果、及び、異常判断部32の判断結果のいずれか一方に基づいて、農作業を実行するか否かを判断する場合に比べて、より正確な判断を実行することができる。
【0072】
(他の実施形態)
上記各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0073】
上記実施形態においては、図7に示すように、出力情報生成部62は、農作業管理サーバ5が備える。しかしながら、出力情報生成部は、図1に示す携帯端末3が備えてもよい。この場合、農作業管理サーバ5は、農作業情報を携帯端末3に送信し、携帯端末3において出力情報を生成し、生成した出力情報を携帯端末3の出力部7において出力するように構成される。また、図7に示すように、農作業予測部60は、農作業管理サーバ5が備える。しかしながら、農作業予測部60は、携帯端末3又は農作業装置1が備えてもよい。さらに、図2に示すように、農作物測定部30、異常判断部32、農作業判断部34、農作業実行部36、農作業情報生成部38及び農作業情報管理部40の少なくとも一の構成要素は、農作業管理サーバ5又は携帯端末3が備えてもよい。このように、農作業装置1、携帯端末3、及び農作業管理サーバ5の各構成が備える各構成要素については、処理内容に矛盾を生じない範囲で、他の構成が備えるものとしてもよい。
【0074】
上記実施形態においては、図2及び図10に示すように、農作業判断部34は、農作物測定部30の判断結果と、異常判断部32の判断結果と、に基づいて農作業を実行するか否かを判断する。しかしながら、農作業判断部34は、農作物測定部30の判断結果、及び、異常判断部32の判断結果のいずれか一方に基づいて、農作業を実行するか否かを簡易的に判断するように構成されてもよい。
【0075】
上記実施形態においては、農作業情報、位置情報、及び日時情報は、農作業装置1から農作業管理サーバ5を介して携帯端末3に対して送信される。しかしながら、農作業情報は、農作業装置1から直接的に、携帯端末3に送信されてもよい。また、上記実施形態においては、農作業情報、位置情報、及び日時情報は、図1に示す携帯端末3の出力部7において、出力される。しかしながら、農作業情報、位置情報、及び日時情報は、農作業装置1が備える出力部(不図示)において、出力されてもよい。
【符号の説明】
【0076】
1…農作業装置、3…携帯端末、5…農作業管理サーバ、7…出力部、10…中央処理装置、12…GPSセンサ、14…カメラ、16…アーム装置、18…記録装置、20…通信装置、22…駆動装置、30…農作物測定部、32…異常判断部、34…農作業判断部、36…農作業実行部、38…農作業情報生成部、40…農作業情報管理部、50…通信部、52…情報処理部、54…記録部、60…農作業予測部、62…出力情報生成部、100…農作業管理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14