(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
外套体(8)とこの外套体(8)内に伸縮自在に挿入されていて下端が接地可能な挿入体(9)とを有する左右一対の伸縮体(5)と、この左右伸縮体(5)の外套体(8)の対向面に長手方向両端が対向して連結されている上・中・下3段の踏桟部材(6)と、各外套体(8)に挿入されている挿入体(9)を伸縮した位置で外套体(8)に対して固定するロック機構(7)と、各ロック機構(7)をロック動作及びロック解除動作させる操作部材(69)とを備えた伸縮装置であって、
前記外套体(8)は断面視略コの字状であって外套体(8)が向き合う対向部側には長手方向に開口溝(10)が形成されており、
前記各ロック機構(7)は、挿入体(9)に長手方向に沿って設けられかつ外套体(8)の開口溝(10)に対向する被係止部(11)と、外套体(8)と下段踏桟部材(6)との連結位置近傍に配置されかつ開口溝(10)を通って挿入体(9)の被係止部(11)と係脱自在に係合するロック部材(23)とを有しており、
前記操作部材(69)は外套体(8)の対向面に近接しかつ長手方向に沿って上下移動自在に配置されており、操作部材(69)の上部に操作部材(69)を上下動させるための力が加えられる操作部(70)が設けられており、
前記操作部材(69)は外套体(8)の対向面側に開口溝(10)を塞いで配置されていることを特徴とする伸縮装置。
前記操作部材(69)は、上下方向に長い板状の操作壁部(69a)と、操作壁部(69a)の前後両端部から外側方に突出した前後一対の側壁部(69b)とを有していることを特徴とする請求項1に記載の伸縮装置。
前記操作部材(69)の下部とロック部材(23)との間でかつ開口溝(10)と対面する位置に、操作部材(69)の上下移動でロック部材(23)を係脱動作させる連結体(82)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伸縮装置。
前記中段踏桟部材(6)の前後壁(26F,26R)の端部は、外套体(8)の前後壁(13F,13R)に固定具(22)を介して装着されたブラケット(14)に装着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の伸縮装置。
前記ロック機構(7)は、外套体(8)の開口溝(10)内に挿脱して挿入体(9)の被係止部(11)と係脱するロック部材(23)と、このロック部材(23)を揺動自在に支持する枢支軸(24)と、ロック部材(23)をロック動作させる方向に付勢する付勢部材(91)と、この付勢部材(91)に抗してロック部材(23)を枢支軸(24)廻りに揺動させるハンドル(25)と、ロック部材(23)を揺動自在に支持する枢支軸(24)と、外套体(8)の対向面に固定されていて枢支軸(24)を支持する支持フレーム(18)とを有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の伸縮装置。
前記下段踏桟部材(6)の前後壁(26F,26R)の端部は、外套体(8)の前後壁(13F,13R)に固定具(22)を介して装着された支持フレーム(18)に装着さ
れていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の伸縮装置。
前記挿入体(9)の上端には、前記ロック機構(7)と当接して外套体(8)からの抜けを規制する抜き止め部材(15)が開口溝(10)から外方突出状に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の伸縮装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の場合、ハンドルの揺動操作によってロック部材を挿入体に係合した後に、ハンドルを揺動方向と直交する方向に移動させて掛止部を掛止孔に掛止する必要があるし、また、ロック部材を挿入体から離脱する場合には、まずハンドルを揺動方向と直交する方向に移動して掛止部の掛止孔への掛止を解除し、その後ハンドルの揺動操作によってロック部材を挿入体から離脱させなければならず、伸縮調整の操作が非常に面倒であるという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑み、ロック部材の離脱揺動を阻止できると共に、伸縮調整の操作を簡単になし得るようにした伸縮装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明における課題解決のための具体的手段は、次の通りである。
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、外套体8とこの外套体8内に伸縮自在に挿入されていて下端が接地可能な挿入体9とを有する左右一対の伸縮体5と、この左右伸縮体5の外套体8の対向面に長手方向両端が対向して連結されている上・中・下3段の踏桟部材6と、各外套体8に挿入されている挿入体9を伸縮した位置で外套体8に対して固定するロック機構7と、各ロック機構7をロック動作及びロック解除動作させる操作部材69とを備えた伸縮装置であって、
前記外套体8は断面視略コの字状であって外套体8が向き合う対向部側には長手方向に開口溝10が形成されており、
前記各ロック機構7は、挿入体9に長手方向に沿って設けられかつ外套体8の開口溝10に対向する被係止部11と、外套体8と下段踏桟部材6との連結位置近傍に配置されかつ開口溝10を通って挿入体9の被係止部11と係脱自在に係合するロック部材23とを有しており、
前記操作部材69は外套体8の対向面に近接しかつ長手方向に沿って上下移動自在に配置されており、操作部材69の上部に操作部材69を上下動させるための力が加えられる操作部70が設けられており、
前記操作部材69は外套体8の対向面側に開口溝10を塞いで配置されている点にある。
【0008】
また、本発明の他の技術的手段は、前記操作部材69は、上下方向に長い板状の操作壁
部69aと、操作壁部69aの前後両端部から外側方に突出した前後一対の側壁部69bとを有している点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記操作部材69の下部とロック部材23との間でかつ開口溝10と対面する位置に、操作部材69の上下移動でロック部材23を係脱動作させる連結体82が設けられている点にある。
【0009】
また、本発明の他の技術的手段は、前記外套体8は、前後壁13F,13Rと前記開口溝10に対面する側壁とで断面視略コの字状に形成されており、
前記伸縮体5は角筒状に形成されていて、外套体8の前後壁13F,13Rに対面する伸縮体前後壁に、前後壁13F,13Rに設けられる固定具22との接触を回避する上下に長い溝が形成されている点にある。
【0010】
また、本発明の他の技術的手段は、前記中段踏桟部材6の前後壁26F,26Rの端部は、外套体8の前後壁13F,13Rに固定具22を介して装着されたブラケット14に装着されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記ロック機構7は、外套体8の開口溝10内に挿脱して挿入体9の被係止部11と係脱するロック部材23と、このロック部材23を揺動自在に支持する枢支軸24と、ロック部材23をロック動作させる方向に付勢する付勢部材91と、この付勢部材91に抗してロック部材23を枢支軸24廻りに揺動させるハンドル25と、ロック部材23を揺動自在に支持する枢支軸24と、外套体8の対向面に固定されていて枢支軸24を支持する支持フレーム18とを有している点にある。
【0011】
また、本発明の他の技術的手段は、前記下段踏桟部材6の前後壁26F,26Rの端部は、外套体8の前後壁13F,13Rに固定具22を介して装着された支持フレーム18に装着されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記挿入体9の上端には、前記ロック機構7と当接して外套体8からの抜けを規制する抜き止め部材15が開口溝10から外方突出状に設けられている点にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、長尺の操作部材によって、上段踏桟部材の近傍からロック機構のロック動作及びロック解除動作を行うことができ、かつ外套体8の開口溝10を塞ぐことができ
る。
【0013】
また、本発明によれば、連結体82で外套体8の対向面側の開口溝10を塞ぐことがきる。
また、本発明によれば、外套体8の前後壁13F,13Rの固定具22と伸縮体5との接触を回避でき
る。
【0014】
また、本発明によれば、開口溝10を利用して、抜き止め部材15をロック機構7に当接可能にできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜
図11は本発明の伸縮装置を脚立に実施した脚立の構成を示している。
図1及び
図11において、脚立1は、対向配置された一対の梯子2の上部を互いにブラケット3を介してピン4により枢支することにより主構成されている。この脚立1は一対の梯子2を接地面に立てかけることで使用できると共に、一対の梯子2を開かないように両梯子2をロックしている開き止め具のロックを解除して一方の梯子2をピン4廻りに回動させることで使用することができるものである。
【0017】
梯子2は、左右に間隔をおいて配置されて伸縮自在な一対の支柱5(伸縮体)と、この左右支柱5をそれぞれ連結する複数の踏桟部材6と、支柱5と踏桟部材6との間に設けられたロック機構7を有している。
なお、以下の説明において、説明の便宜上、
図1に示すように、踏桟部材6を正面視できて、支柱5が並列している方向(
図1の紙面左右方向)を左右方向とし、
図11に示すように梯子2の並列方向(
図11の紙面左右方向)を前後方向とする。
【0018】
各支柱5は、チャンネル材で形成された支柱本体8(外套体)と、この支柱本体8内に挿入された角筒状の脚柱9(挿入体)とを有しており、脚柱9を軸心方向(上下方向)にスライドすることによって支柱5は伸縮自在となっていて、脚柱9はロック機構7によって伸縮した所定の位置で軸心方向移動不能に固定されるようになっている。
図1〜10において、支柱本体8はアルミニウム等の金属系で断面視略コの字状に形成され、この支柱本体8が向き合っている支柱本体8の対向部側には長手方向に開口溝10が形成されている。
【0019】
脚柱9は支柱本体8と同様にアルミニウム等の金属系で形成されており、支柱本体8の対向側の開口溝10に対応する位置の側壁には複数の被係止部11(ラック部)が形成されている。脚柱9の下端部には接地部材12が装着され、この接地部材12により梯子2が安定した状態で接地面に接地するようになっている。脚柱9の挿入基部である上部に、後述するロック機構7の支持フレーム18に当接して脚柱9を支柱本体8から抜け止めする抜け止め部材15が開口溝10から外方突出状に設けられている。
【0020】
なお、抜け止め部材15は、
図6に示すようにボルト等の固定具17で脚柱9に着脱自在に固定されている。
踏桟部材6は、角筒状に形成されて、踏桟部材6の上下面は前側から後側にいくにしたがって上方又は下方に移行するように傾斜しており、上面側の傾斜部16に滑り止め用の凸凹がその長手方向に亘って形成されている。
【0021】
梯子2の中間部の踏桟部材6(6b)は、支柱本体8の前後壁13F,13Rに装着された板状のブラケット14を介して左右の支柱本体8間で固定されている。
板状のブラケット14は踏桟部材6の外端部に対応して前後一対ずつ配置されており、各ブラケット14は、支柱固定部14aと踏桟固定部14bとを段部14cを介して有し、支柱固定部14aは支柱本体8にリベット等の固定具22で固定され、踏桟固定部14bは踏桟部材6の外端部にリベット等の固定具22で固定され、
図8に示すように支柱本体8の外側面と踏桟部材6の端部との間に後述する長尺操作部材69の挿通空間21が形成されている。
【0022】
ロック機構7は、梯子2の最下段の踏桟部材6aと支柱5との間にそれぞれ設けられて、1つの支柱5につき1つのロック機構7が設けられ、左右支柱本体8のそれぞれの対向面にロック機構7が装着されている。
このロック機構7は、支柱本体8に固定の支持フレーム18と、支持フレーム18に対して左右方向(
図4及び
図5のa方向)に揺動自在に枢支されていて脚柱9の被係止部11と係合するロック部材23と、ロック部材23を揺動自在に支持する枢支軸24と、枢支軸24に支持されてロック部材23を脚柱9から離脱揺動させるハンドル25と、を有している。
【0023】
ロック部材23は、後述するように支持フレーム18に支持された枢支軸24を中心として左右方向に揺動自在となっており、ロック部材23の揺動により脚柱9への係脱が自在に行えるようになっている。
また、ロック機構7は、支持フレーム18に
図2、
図4及び
図5に示すロック位置Xとロック解除位置Yとに移動自在に支持された連動具27を有し、ロック部材23と連動具27との間に、連動具27がロック位置Xに移動するときにロック部材23を脚柱9と係合させかつ連動具27がロック解除位置Yに移動するときにロック部材23を脚柱9から離脱させる連動手段29と、連動具27がロック位置Xに移動したときにロック部材23の離脱揺動を阻止しかつ連動具27がロック位置Xから外れたときにロック部材23の離脱揺動を許容する離脱阻止手段30と、が設けられている。
【0024】
支持フレーム18は、アルミニウム等の金属系の1枚の板材を屈曲させて箱状に形成され且つ、支柱本体8及び踏桟部材6に装着可能とされたもので、脚柱9側(支柱5側)は開口状となっていて、支柱本体8の前後壁13F,13Rに装着され且つ、対向部側に延設された一対の前後側壁部32F,32Rと、脚柱9の被係止部11に対向し且つ、前後側壁部32F,32Rの間に配置された背壁部33と、前後側壁部32F,32Rの下部から下方に突出していて踏桟部材6に装着される一対の踏桟装着部34F,34Rとを有している。
【0025】
支持フレーム18の前後側壁部32F,32Rの外側部は、支柱本体8の前後壁13F,13Rを挟み込み可能に形成されており、前後側壁部32F,32Rの外側部で支柱本体8の前後壁13F,13Rを挟み込み、リベット等の固定具22をこれらに打ち付けることによって、支持フレーム18は支柱本体8に装着されている。
支持フレーム18の踏桟装着部34F,34Rは、踏桟部材6の前後壁26F,26Rの端部側を挟み込み可能に形成されており、踏桟装着部34F,34Rで踏桟部材6の前後壁26F,26Rの端部側を挟み込み、リベット等の固定具22をこれらに打ち付けることによって支持フレーム18は踏桟部材6に装着されている。
【0026】
したがって、支持フレーム18は踏桟部材6を支柱5に連結するためのブラケットの機能を有しており、これにより、踏桟部材6を支柱5に装着するためのブラケットの数を少なくすることができる。
支持フレーム18を踏桟部材6に装着したとき、踏桟部材6の上面側の傾斜部16は支持フレーム18内に突入している。支持フレーム18の背壁部33は、前後方向の垂直板状に形成されている。
【0027】
枢支軸24は円柱状に形成され、支持フレーム18の前後側壁部32F,32Rに貫通状に設けられてロック部材23の揺動方向と同一方向に回転自在に支持されている。
枢支軸24の先端部には、後側壁部32Rの枢支軸用貫通孔36R(枢支軸用貫通孔36F,36Rの一方)よりも大きな径の抜止リング37が装着されており、枢支軸24を前方に引いたときにその抜止リング37が後側壁部32Rに当接してストッパとなり枢支軸24は枢支軸用貫通孔36Rから抜け落ちないようになっている。
【0028】
図3,
図4,
図5,
図9に示すように、ハンドル25は、把持部41と、把持部41から連動具27側に突出した作動部42とを備え、把持部41は枢支軸24の一端部(前端部)に溶接等により固着され、前側壁部32Fの外面に沿って配置され、枢支軸24と作動部42との前部側を連結している。作動部42は円柱状に形成され、枢支軸24とは径方向に離れた位置で後方向に突出している。枢支軸24と把持部41と作動部42とで側面視略コの字形に形成されている。
【0029】
ハンドル25の作動部42は、支持フレーム18の前壁部32Fの下部に設けられた作動部用貫通孔44に挿通されている。作動部用貫通孔44は、枢支軸24の軸心を中心(枢支軸用貫通孔36F,36Rの中心)とする円弧形状に形成されている。
ハンドル25の把持部41は、枢支軸24及び作動部42を一体的に連結している。把持部41と枢支軸24の前部と作動部42の前部に合成樹脂製のハンドルカバー47が外嵌装着され、ハンドルカバー47は把持部41と枢支軸24の前部と作動部42の前部との外周を覆っている。ハンドルカバー47の下部に左右小幅のつまみ48が下方に突設さ
れている。
【0030】
ロック部材23は、支持フレーム18の前後壁部32F,32R間に配置され、枢支軸24の前後略中央部に装着される枢支軸用装着部49と、作動部42の外側方に配置される揺動突部51と、脚柱9の被係止部11に係合する係止部52とを有している。
ロック部材23の枢支軸用装着部49は枢支軸24に回動自在に外嵌されており、ロック部材23は枢支軸24廻りに左右方向(a方向)に揺動自在に支持されている。ロック部材23の下部(遊端側)に連動具27に向けて押圧部54が突設され、枢支軸用装着部49に操作片55が内側方に突設されている。
【0031】
図4,
図5,
図10に示すように、前記連動具27は、前後一対の側壁27aと前後側壁27aの上部を連結する上壁27bと前後側壁27aの左右方向内端部を連結する背壁27cとを有する外側方が開口した箱形に形成され、支持フレーム18内のロック部材23の左右方向の内方側に上方突出状に配置され、支持フレーム18の背壁部33の内面に沿って上下摺動(移動)自在に保持されている。従って、左右支持フレーム18の連動具27は左右の支柱本体8の対向面に沿ってそれぞれその長手方向に移動自在に保持されている。
【0032】
連動具27の背壁27cの上部に角筒体57が外側方に突設されおり、角筒体57の上部が第1押動片58とされ、下部が第2押動片59とされ、第1押動片58と第2押動片59とは操作片55の先端部を上下に挟んだ状態で上下に離間している。背壁27cの角筒体57の下方に規制部60が外側方に突設され、規制部60の前後両側に円弧状のカム面61aを有する前後一対のカム壁61が設けられている。
【0033】
連動具27の上壁27bに前後一対の連結片62が上方突設され、各連結片62には取付孔63が設けられている。
而して、前記連動手段29は、ロック部材23に突設した操作片55と、連動具27に突設した第1押動片58及び第2押動片59とを備え、第1押動片58及と第2押動片59とは操作片55を連動具27の移動方向に挟んでおり、連動具27がロック位置Xに移動するときにロック部材23を係合方向に揺動させるべく第1押動片58が操作片55を押動し、連動具27がロック解除位置Yに移動するときにロック部材23を離脱方向に揺動させるべく第2押動片59が操作片55を押動するように構成されている。
【0034】
なお、本実施形態の場合、連動具27がロック解除位置Yからロック位置Xに移動するとき、まず、規制部60が押圧部54を下方に押動して、ロック部材23を係合方向に揺動させ、その後に、第1押動片58が操作片55を下方に押動するようになり、連動具27がロック位置Xに移動したときに、ロック部材23の係合方向への揺動が完了するようになっている。
【0035】
また、前記離脱阻止手段30は、ロック部材23の揺動端部側に連動具27に向けて突設した押圧部54と、連動具27に押圧部54に向けて突設した規制部60とを備え、連動具27がロック位置Xに移動したときに、押圧部54と規制部60とが対向して、ロック部材23の離脱揺動を阻止し、連動具27がロック位置Xから外れたときに規制部60が押圧部54対向位置から外れて、ロック部材23の離脱揺動を許容するように構成されている。
【0036】
また、連動具27がロック位置Xからロック解除位置Yに移動するときに、規制部60が押圧部54に対して外れた後にロック部材23の離脱揺動が開始されるように、
図4に示す如く第2押動片59と操作片55との間にアイドル間隙65が形成されている。
ハンドル25を枢支軸24廻りに矢印a方向の左右内方に回動操作することにより、連動具27を後述の付勢部材91の付勢に抗してロック解除位置Yに押動する連動具押動手段67が把持部41と連動具27との間に設けられている。この連動具押動手段67は、作動部42の外周面と連動具27の前後カム壁61のカム面61aとで構成されている。
【0037】
図2,
図3,
図6,
図8,
図10に示すように、ロック部材23を操作するための長尺操作部材69が支柱本体8の外面に開口溝10を塞ぐように配置されている。この長尺操作部材69は支柱本体8の外面に沿って長手方向に移動自在に保持されると共に、前記挿通空間21に上下移動自在に挿通保持されている。長尺操作部材69の下端部(一端部)
に後述の連結体82を介して連動具27が連結され、長尺操作部材69の上端部(他端部)に操作部70が設けられている。
【0038】
長尺操作部材69は、上下方向に長い板状の操作壁部69aと、操作壁部69aの前後両端部から外側方に突出した前後一対の側壁部69bとを有し、操作壁部69aの下部に上係止孔71と下係止孔72とが上下に間隔をおいて設けられ、これら係止孔71,72は前後に長い長方形状に形成されている。
操作部70は、長尺操作部材69とは別体に形成されており、長尺操作部材69の外面に沿うように配置される取付壁70aと、取付壁70aの上部から外側方に屈曲して長尺操作部材69の上端面上に配置された天壁70bとを備え、取付壁70aがリベット等の固定具22で長尺操作部材69に固着され、天壁70bの外側端部から上方に向けて指掛け片74が鈎形に突設されている。
【0039】
支柱本体8に、前記長尺操作部材69を移動自在に案内する上ガイド部材76と下ガイド部材77とが設けられている。
図2,
図3,
図6に示すように、上ガイド部材76は、前後一対の側壁76aと、前後側壁76aの上部の左右内端部に連結された垂直板状の背壁76bと、背壁76bの下部から外側方下がりに傾斜しかつ前後側壁76aに連結された傾斜壁76cと、傾斜壁76cの下部から上方に起立しかつ前後側壁76aに連結された垂直板状の支持壁76dとを有し、前後側壁76aがリベット等の固定具22を打ち付けることによって支柱本体8の前後側壁13F,13Rに固着され、支持壁76dと支柱本体8の外面との間に長尺操作部材69の上部が上下移動自在に保持されている。なお、傾斜壁76cの下部に雨水を排出するための排出孔が設けられている。
【0040】
図2,
図3,
図10に示すように、下ガイド部材77は、前後一対の側壁77aと、前後側壁77aの内側端部を連結した背壁77bと、背壁77bから内側方に突出した前後一対の収納側壁77cと、収納側壁77cの上部間を閉塞するように背壁77bの上部から内側方に突出した上バネ受け壁79とを有している。
前記前後側壁77aの左右方向の中途部に段部80が設けられ、段部80よりも内側方に係合片81が前後方向内方に突設されており、前後側壁77aの外側部がリベット等の固定具22を打ち付けることによって支柱本体8の前後側壁13F,13Rに固着され、段部80と係合片81との間で、長尺操作部材69の前後両端部を上下方向移動自在に挟持している。
【0041】
図2,
図3,
図4,
図5,
図10に示すように、前記連動具27と長尺操作部材69の一端部との間に連結体82が設けられている。連結体82は、左右に前壁82aと背壁82bとを有し、背壁82bは前壁82aよりも上方に突出しており、背壁82bの上部から内側方に上壁82cが突設され、上壁82cの外側部に上方及び外側方に階段状に屈曲した上係合片83が突設されている。背壁82bの下部と前壁82aの下部とを連結する底壁82dが設けられ、背壁82bと底壁82dとの間に円筒状の連結筒85が設けられ、前壁82aの上部と背壁82bの中間部とを連結する下バネ受け壁86が設けられ、前壁82aと背壁82bと底壁82dと下バネ受け壁86との前後中央部を連結する連結壁82eが設けられ、前壁82aの上部から外側方に下係合片84が鈎形に突設されている。
【0042】
上係合片83を長尺操作部材69の上係止孔71に係脱自在に係合すると共に、下係合片84を下係止孔72に係脱自在に係合することにより、連結体82は長尺操作部材69の下部に下方突出状でかつ着脱自在に連結固着されている。
連結体82は底壁82dを介して連動具27の上壁27bに載置され、ボルトナット等の締付具88を前後の連結片62と連結筒85とに挿通して締め付けることにより、連結体82は連動具27に着脱自在に連結されている。
【0043】
而して、連結体82の背壁82bの上半分と下バネ受け壁86と下ガイド部材77の前後収納側壁77cと上バネ受け壁79とによって、バネ収納ケース89が形成されている。
このバネ収納ケース89内にコイルバネ90を上下方向に収納し、コイルバネ90の上
端を上バネ受け壁79で受け、コイルバネ90の下端を下バネ受け壁86で受けて、コイルバネ90によって下ガイド部材77に対して連結体82乃至連動具27を下方に付勢している。従って、コイルバネ90により構成した付勢部材91によって連動具27をロック位置Xに付勢するようになっている。
【0044】
また、上係合片83及び下係合片84を上係止孔71又は下係止孔72から外して連結体82を長尺操作部材69から取り外し、締付具88を外して連結体82を連動具27から取り外すことにより、連結体82を長尺操作部材69と連動具27との間から退避させて開口溝10を開放することができるようになっている。
また、連結体82を長尺操作部材69から取り外し、締付具88を緩めて、連結体82を締付具88廻りに内側方に回動することによっても、連結体82を長尺操作部材69と連動具27との間から退避させて開口溝10を開放できるようになっている。
【0045】
その結果、開口溝10より工具を挿入して、脚柱9の上部に取り付けた抜け止め部材15を取り外すことができ、これにより、破損した脚柱9を支柱本体8から取り出して交換したり修理したりすることができる。
前記実施形態によれば、
図4に示すように、ロック部材23が脚柱9の被係止部11に係合し、脚柱9が支柱本体8に対して移動不能にロックされた状態で、支柱5を伸縮調整する場合、操作部70の指掛け片74に指を引っ掛けて長尺操作部材69を上方に引っ張ると、連動具27が付勢部材91の付勢に抗してロック位置Xからロック解除位置Yに移動する。又は、ハンドルカバー47のつまみ48を摘んで、ハンドル25を枢支軸24廻りに矢印a方向の左右内方に揺動操作すると、作動部42がカム面61aを上方に押して連動具27が付勢部材91の付勢に抗してロック位置Xからロック解除位置Yに移動する。
【0046】
そして、連動具27がロック位置Xからロック解除位置Yに移動するときに、第2押動片59と操作片55との間にアイドル間隙65があるため、まず、連動具27の上方移動によって規制部60が押圧部54対向位置から外れ、離脱阻止手段30によるロック部材23の離脱阻止が解除されて、ロック部材23の離脱揺動が可能になる。その後に、第2押動片59が操作片55を上方に押動し、ロック部材23の離脱揺動が開始され、ロック部材23が離脱方向に揺動する。連動具27がロック解除位置Yに移動したとき、ロック部材23の脚柱9の被係止部11からの離脱が完了する。その結果、脚柱9が支柱本体8に対して移動可能になり、支柱5を伸縮することができる。
【0047】
支柱5を伸縮させた後、脚柱9を支柱本体8に対して移動不能にロックするには、長尺操作部材69の上方への引っ張りを解除し、又は、ハンドル25の揺動操作を解除すると、付勢部材91の付勢によって、長尺操作部材69乃至連動具27が下方に移動し、連動具27がロック解除位置Yからロック位置Xに移動する。
連動具27がロック解除位置Yからロック位置Xに移動するとき、まず、規制部60が押圧部54を下方に押動して、ロック部材23を係合方向に揺動させる。その後、第1押動片58が操作片55を下方に押動するようになり、連動具27がロック位置Xに移動したときに、ロック部材23の係合方向への揺動が完了する。
【0048】
また、連動具27がロック位置Xに移動したときに、押圧部54と規制部60とが対向し、離脱阻止手段30がロック部材23の離脱方向への揺動を阻止する。その結果、ロック部材23が脚柱9の被係止部11に係合し、これにより脚柱9が支柱本体8に対して移動不能にロックされる。しかも、離脱阻止手段30がロック部材23の離脱方向への揺動を阻止し、脚柱9が支柱本体8に対して不測に伸縮移動するのを確実に防ぐことができる。
【0049】
従って、連動具27がロック位置Xに移動したときに連動手段29によりロック部材23を脚柱9と係合させ、このとき同時に離脱阻止手段30によってロック部材23の脚柱9への係合が不測に外れるのを防止することができる。しかも、連動具27がロック位置Xから外れると、離脱阻止手段30がロック部材23の離脱揺動を許容し、連動具27のロック位置X乃至ロック解除位置Yへの移動によって、ロック部材23の脚柱9への係合と脚柱9からの離脱とを簡単に変更操作することができ、伸縮調整の操作を簡単になし得
る。
【0050】
また、長尺操作部材69が支柱本体8の外面に沿って配置されるため、ロック機構7や長尺操作部材69が脚立1の使用の邪魔になることもなくなる。しかも、ロック機構7や長尺操作部材69が脚柱9の外部に配置されるため、脚柱9を筒体で構成することができて強度的に有利になる。また、長尺操作部材69を使用して、ロック機構7から離れた箇所からロック部材23の脚柱9への係合と脚柱9から離脱を簡単に操作することが可能になる。
【0051】
なお、本実施形態にかかる発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。上記の実施の形態では、伸縮装置を伸縮可能な支柱5を有する脚立1に適用したが、これに代え、伸縮装置を梯子2や足場台等に適用しても良い。
また、伸縮体は支柱本体8と脚柱9とで構成される支柱5に限定されず、伸縮体は筒状の部材内に脚柱9が挿入されて全体として伸縮する部材であればよい。
【0052】
また、前記実施形態では、連動具27がロック解除位置Yからロック位置Xに移動するとき、まず、規制部60が押圧部54を下方に押動して、ロック部材23を係合方向に揺動させ、その後、第1押動片58が操作片55を下方に押動するようになっているが、これに代え、連動具27がロック解除位置Yからロック位置Xに移動するとき、第1押動片58が操作片55を下方に押動することによってのみ、ロック部材23が係合方向へ揺動するようにしてもよい。