特許第6853656号(P6853656)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6853656包装用容器並びに包装容器の蓋体及び容器本体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853656
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】包装用容器並びに包装容器の蓋体及び容器本体
(51)【国際特許分類】
   B65D 77/04 20060101AFI20210322BHJP
   B65D 1/26 20060101ALI20210322BHJP
   B65D 1/34 20060101ALI20210322BHJP
   B65D 43/08 20060101ALI20210322BHJP
   B65D 77/20 20060101ALI20210322BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   B65D77/04 A
   B65D1/26
   B65D1/34
   B65D43/08
   B65D77/20 C
   B65D85/50 100
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-225014(P2016-225014)
(22)【出願日】2016年11月18日
(65)【公開番号】特開2018-79973(P2018-79973A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2019年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】391011825
【氏名又は名称】中央化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067448
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 スミ子
(74)【代理人】
【識別番号】100167117
【弁理士】
【氏名又は名称】打越 佑介
(72)【発明者】
【氏名】本田 香菜
(72)【発明者】
【氏名】甲地 歩
【審査官】 佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−035881(JP,U)
【文献】 特開2014−076841(JP,A)
【文献】 実開平06−081988(JP,U)
【文献】 実開昭59−078256(JP,U)
【文献】 実開昭61−040363(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0184025(US,A1)
【文献】 特開2015−145285(JP,A)
【文献】 特開2015−016882(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 77/04
B65D 1/26
B65D 1/34
B65D 43/08
B65D 77/20
B65D 85/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容する容器本体と、当該容器本体より背の高い中皿と、当該中皿が載置された状態で当該容器本体を閉蓋する蓋体とを備えた包装用容器であって、
閉蓋状態で前記中皿の位置を固定する中皿固定機構を有し、
前記中皿固定機構は、
前記中皿が、前記容器本体の本体底部、本体側壁部、及び蓋体の蓋体天面部に当接して固定されると共に、
前記蓋体の蓋体天面部のリブ形状と前記中皿の中皿側壁部の上端形状とが一致し、
前記中皿側壁部の上端形状が、前記蓋体天面リブ部内に収納される前記中皿側壁上端部である
ことを特徴とする包装用容器。
【請求項2】
前記中皿固定機構が、更に、
前記容器本体の本体底部の凸形状と前記中皿の中皿底部の凸形状とが一致し、
前記容器本体の本体側壁部の段差形状と前記中皿の中皿フランジ部の先端形状とが一致する機構を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記本体底部の凸形状が、当該本体底部から上方に突出している本体底部凸部であり、
前記本体側壁部の段差形状が、当該本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平の平坦部分を有する本体側壁段差部であり、
前記蓋体天面部のリブ形状が、当該蓋体天面部の周縁の一部に沿って上方に突出している山状の蓋体天面リブ部であり、
前記中皿底部の凸形状が、前記本体底部凸部に被さる略同形状の中皿底部凸部であり、
前記中皿フランジ部の先端形状が、前記本体側壁段差部の平坦部分上に載置される平坦状の中皿フランジ先端部である
とを特徴とする請求項2に記載の包装用容器。
【請求項4】
内容物を収容する包装用容器の容器本体であって、
平面視で略長方形の本体底部から上方に突出している本体底部凸部を少なくとも備え、
前記本体底部凸部は、短手縁に平行かつ互いに隣接しているアーチ状の第1の凸部及び第2の凸部を有し、
前記第2の凸部は、前記第1の凸部より高く、かつ前記本体底部の中心側に位置している
ことを特徴とする包装用容器の容器本体。
【請求項5】
前記本体底部の周縁から上方に拡開して設けられている本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平な平坦部分を有する本体側壁段差部をさらに備え、
前記本体側壁段差部は、前記本体側壁部の短手方向の一部及び長手方向の一部の周方向に設けられている
ことを特徴とする請求項に記載の包装用容器の容器本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種類の異なる食品が入った中皿が容器本体に載置された状態で蓋体にて閉蓋可能な包装用容器並びに上記包装用容器の蓋体及び容器本体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、スーパーやコンビニエンスストア等の小売店で販売される食品の包装には、中皿を用いた包装用容器が広く使われていた。一般的に、中皿は容器本体内の食品とは異質の食品(液状のもの、汁・油が流れ出やすいもの等)を分離して包装するために用いられていた。そして、このような包装用容器では、中皿が容器本体又は蓋体に対して宙吊り状態となる形態が採用されてきた。例えば、中皿のフランジ部分が容器本体のフランジ部分に引っ掛かり、容器本体の食品収納部分の真上に中皿の食品収納部分が配置される二段式の包装用容器である。
【0003】
上述した二段式の包装用容器では、中皿が容器本体の上層に重なることにより、包装用容器の総面積を縮小できるため、店頭販売時の陳列スペースの節約効果が期待されていた。しかしながら、例えば、中皿と容器本体及び蓋体との密着部分(フランジ部分等)からの表面張力による食品の液漏れ(汁漏れ)、食品の重量オーバーによる中皿の落下、容器本体に対する中皿の過嵌合(中皿が容器本体から外れ難い状態)が問題視されていた。
【0004】
そこで、容器本体内に設けられた段部の平坦面に中皿のフランジ部が載置されると共に、蓋体のフランジ部の最下端に該当する押付部が、閉蓋時に上記中皿のフランジ部の上から押し付ける発想(例えば特許文献1参照。)が提案されている。この発想により、蓋体のフランジ部が容器本体内で中皿を介して内嵌合するため、食品の液漏れや中皿の落下を予防すると共に、容器本体から中皿を着脱する作業性の向上が図られる効果が主張されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−213921号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の二段式の包装用容器は、食品を製造及び包装する場所と販売する場所とが異なる商流(例えば、セントラルキッチンによる配給)に適していた。すなわち、容器本体に中皿を容易に装着できるため包装の作業性がよいばかりでなく、容器本体内で中皿が位置ずれしたり落下したりしにくいため物流時の安全性が高く、商品の品質保持が期待されていた。
【0007】
一方、近年の小売店では、食品の冷凍技術や加熱技術の向上を活かし、店舗内のバックヤードで冷凍食品を加熱装置で調理し、温かい状態で消費者に商品提供したり店頭に陳列したりする傾向にある。このような販売形式には、売れ行きや消費者からの注文の状況に応じて商品の増産・減産を適宜判断できるため、小売店はセントラルキッチンから仕入れや在庫の管理負担が軽減するのみならず、消費者へ要求に対して的確なサービスを提供することができる利点がある。
【0008】
上述した小売店の販売形式の変化は、弁当や総菜を購入する消費者の変化が背景にある。詳細には、外食に対する節約志向が発端となった内食(出来合い品の購入による食事)の傾向が継続しつつ、作り立ての食品へのこだわりや自ら加熱調理することへの負担・抵抗が高まり、外食並みの品質と共に、無機質な味気のない食事から有機質な暖かみのある食事を内食に求めるようになってきている。
【0009】
発明者等は、このような消費者の要求の変化を背景とした小売店での商流の変化に食品包装も追随すべきであると考え、中皿の包装の仕方として二段式の包装用容器に限定する必要はないという視点を持った。すなわち、セントラルキッチン等からの商流と異なり、中皿が落下する恐れは低く、在庫管理に伴い店頭での陳列スペースを十分に確保する必要もないため、一段式の包装用容器を採用する発想に至った。
【0010】
一段式の包装用容器では、二段式の包装用容器とは違う利点がある。例えば、容器本体内に盛り付けた食品を消費者に全て見せられる分、購買意欲の向上が図りやすい。また、中皿を容器本体上に載置でき着脱が容易なため、丼物に限らず食品の種類や組み合せの増加が図れる。このような利点は、店舗内のバックヤードでの加熱調理や店頭での注文販売に適している。
【0011】
しかしながら、従来の一段式の包装用容器内に収納される中皿は、容器本体内に設けられた仕切りで固定して位置ずれを予防するため、容器本体内に余分なスペースが生じたり、中皿に蓋体を装着して内容物の漏れを予防するため、余計な資材に対するコストが発生したりしていた。また、一段式の包装用容器に適用される容器本体及び蓋体には、内容物の種類によって部分的にかかる加重が異なるため、破損・変形や内容物の位置ずれが発生していた。
【0012】
このような一段式の包装用容器の問題点を解消すべく、発明者等は創意工夫の末、中皿専用の仕切りや蓋体を用いることなく、容器本体及び蓋体の形状を活かした中皿の位置ずれを予防する構造、加重のかかり具合の異なる食品の盛り付けに対して破損・変形や内容物の位置ずれを予防する容器本体及び蓋体の形状、消費者の要求に応えつつ購買意欲を掻き立てる容器本体及び蓋体の形状に見出した。
【0013】
そこで、本発明の第1の目的は、蓋体で閉蓋可能な容器本体上に載置された中皿の位置を上記容器本体及び上記蓋体で固定する包装用容器並びに上記包装用容器の蓋体及び容器本体を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、剛性を高め、容器本体内の内容物を見やすくする包装用容器の蓋体を提供することにある。また、本発明の第3の目的は、剛性を高め、載置された内容物の位置ずれを防止する包装用容器の容器本体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
すなわち、本発明による包装用容器は、内容物を収容する容器本体と、上記容器本体より背の高い中皿と、上記中皿が載置された状態で上記容器本体を閉蓋する蓋体とを備えた包装用容器であって、閉蓋状態で上記中皿の位置を固定する中皿固定機構を有し、上記中皿固定機構は、上記中皿が、上記容器本体の本体底部、本体側壁部、及び蓋体の蓋体天面部に当接して固定されることを特徴としている。
【0015】
さらに、上記中皿固定機構が、上記容器本体の本体底部の凸形状と上記中皿の中皿底部の凸形状とが一致し、上記容器本体の本体側壁部の段差形状と上記中皿の中皿フランジ部の先端形状とが一致し、上記蓋体の蓋体天面部のリブ形状と上記中皿の中皿側壁部の上端形状とが一致する機構を有することが望ましい。
【0016】
さらに、上記本体底部の凸形状が、上記本体底部から上方に突出している本体底部凸部であり、上記本体側壁部の段差形状が、上記本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平の平坦部分を有する本体側壁段差部であり、上記蓋体天面部のリブ形状が、上記蓋体天面部の周縁の一部に沿って上方に突出している山状の蓋体天面リブ部であり、上記中皿底部の凸形状が、上記本体底部凸部に被さる略同形状の中皿底部凸部であり、上記中皿フランジ部の先端形状が、上記本体側壁段差部の平坦部分上に載置される平坦状の中皿フランジ先端部であり、上記中皿側壁部の上端形状が、上記蓋体天面リブ部内に収納される上記中皿側壁上端部であることが望ましい。
【0017】
また、本発明による包装用容器の蓋体は、容器本体の開口を閉じる包装用容器の蓋体であって、平面視で略長方形の蓋体天面部から上方に突出している一対の山状の蓋体天面リブ部を少なくとも備え、上記蓋体天面リブ部の各々は、上記蓋体天面部の短手縁の全部から双方の長手縁の一部に渡り、かつ長手縁に沿う部分が同等の長さになるように設けられていることを特徴とする。
【0018】
また、上記蓋体天面リブ部が、上記蓋体天面部に対して外側に急勾配に傾斜している急傾斜部と、内側に上記急傾斜部より緩やかに傾斜している緩傾斜部とを有することが望ましい。
【0019】
さらに、本発明による包装用容器の容器本体は、内容物を収容する包装用容器の容器本体であって、平面視で略長方形の本体底部から上方に突出している本体底部凸部を少なくとも備え、上記本体底部凸部は、短手縁に平行かつ互いに隣接しているアーチ状の第1の凸部及び第2の凸部を有し、上記第2の凸部は、上記第1の凸部より高く、かつ上記本体底部の中心側に位置していることを特徴とする。
【0020】
さらに、上記本体底部の周縁から上方に拡開して設けられている本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平な平坦部分を有する本体側壁段差部をさらに備え、上記本体側壁段差部は、上記本体側壁部の短手方向の一部及び長手方向の一部の周方向に設けられていることが望ましい。
【0021】
「内容物」とは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されている弁当や惣菜の食品又は上記食品が入った中皿でもよく、食品としては、例えば、カレーライス、ビーフシチュー、オムライスでもよく、限定はない。
【0022】
「中皿固定機構」とは、容器本体内に載置された中皿が位置ずれしないように閉蓋状態で固定することを実現する容器本体、蓋体、及び中皿の機構を意味し、上記中皿は開蓋状態で着脱容易であってもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明による包装用容器は、閉蓋状態で中皿の位置を固定する中皿固定機構を有し、中皿が容器本体の本体底部及び本体側壁部、並びに蓋体の蓋体天面部に当接して固定されることにより、閉蓋時に中皿の3ヶ所が容器本体及び蓋体に当接して固定されるため、中皿の位置が容器本体内部でずれず、容器本体に載置された内容物の各々の型崩れや偏りを防ぐことができる。
【0024】
また、本発明による包装用容器の蓋体は、平面視で略長方形の蓋体天面部から上方に突出している一対の山状の蓋体天面リブ部を少なくとも備え、上記蓋体天面リブ部の各々は、上記蓋体天面部の短手縁の全部から双方の長手縁の一部に渡り、かつ長手縁に沿う部分が同等の長さになるように設けられていることにより、蓋体の剛性の向上が期待できると共に、容器本体内部を見え易くすることができる。すなわち、蓋体天面リブ部が山状(緩やかな曲面状)だと光の反射を分散させるため、上記蓋体天面リブ部越しでも容器本体内部(中皿含む)を容易に見ることができる。さらに、蓋体天面リブ部は蓋体天面部の長手縁の端部分までであり、中央部分に至っておらず、上記蓋体天面部の周縁に上記蓋体天面リブ部のない平坦部分を有するため、容器本体内部が見え易いのみならず、上記平坦部を内容物に関する所定のラベルの貼付スペースとして活用することもできる。また、蓋体天面リブ部が設けられた範囲が蓋体天面部の短手縁の全部から長手縁の一部に限られているため、容器本体に載置される中皿の上端部分の形状が上記蓋体天面リブ部の形状に一致し易く、蓋体が閉蓋状態で上記中皿を上記容器本体に固定させることができる。
【0025】
また、本発明による包装用容器の容器本体は、内容物を収容する包装用容器の容器本体であって、平面視で略長方形の本体底部から上方に突出している本体底部凸部を少なくとも備え、上記本体底部凸部は、短手縁に平行かつ互いに隣接しているアーチ状の第1の凸部及び第2の凸部を有し、上記第2の凸部は、上記第1の凸部より高く、かつ上記本体底部の中心側に位置していることにより、容器本体の剛性の向上が期待できると共に、本体底部に載置された内容物が長手縁方向にずれることを防ぐことができる。すなわち、上記第1の凸部及び上記第2の凸部が内容物の滑り止めとなり、特に上記本体底部の中心側に位置している上記第2の凸部が上記第1の凸部より高いため、内容物が上記第2の凸部を越えてさらに本体底部の中心側にずれることを予防することができる。また、上記第1の凸部と上記第2の凸部とが隣接しているため、容器本体に載置される中皿の底部の形状が上記第1の凸部及び上記第2の凸部の形状に一致し易く、上記中皿を上記容器本体に固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】包装用容器の一例を示す斜視図である。
図2】包装用容器の容器本体の一例を示す正面図である。
図3】包装用容器の容器本体の一例を示す平面図である。
図4】包装用容器の容器本体の一例を示す底面図である。
図5】包装用容器の容器本体の一例を示す右側面図である。
図6】包装用容器の容器本体の一例を示す端面図である。
図7】包装用容器の容器本体の一例を示す別の端面図である。
図8】包装用容器の蓋体の一例を示す正面図である。
図9】包装用容器の蓋体の一例を示す平面図である。
図10】包装用容器の蓋体の一例を示す底面図である。
図11】包装用容器の蓋体の一例を示す右側面図である。
図12】包装用容器の中皿の一例を示す正面図である。
図13】包装用容器の中皿の一例を示す背面図である。
図14】包装用容器の中皿の一例を示す平面図である。
図15】包装用容器の中皿の一例を示す右側面図である。
図16】包装用容器の中皿の一例を示す左側面図である。
図17】包装用容器の中皿の一例を示す端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1を参照しつつ、本発明による包装用容器並びにこの包装用容器を構成する容器本体、蓋体、及び中皿の概要を説明する。図1は、中皿が載置された容器本体に蓋体が装着されている状態を示す斜視図である。
【0028】
図1に示すように、本実施形態による包装用容器は、内容物を収容する容器本体1と、この容器本体より背の高い中皿3と、この中皿が載置された状態でこの容器本体を閉蓋する蓋体2とを備えた包装用容器であって、閉蓋状態でこの中皿の位置を固定する中皿固定機構を有し、この中皿固定機構は、この中皿が、この容器本体の本体底部11、本体側壁部13、及びこの蓋体の蓋体天面部21に当接して固定されてもよい。
【0029】
さらに、中皿固定機構が、容器本体1の本体底部11の凸形状と中皿3の中皿底部31の凸形状とが一致し、この容器本体の本体側壁部13の段差形状とこの中皿の中皿フランジ部33の先端形状とが一致し、蓋体2の蓋体天面部21のリブ形状とこの中皿の中皿側壁部32の上端形状とが一致する機構を有していてもよい。
【0030】
さらに、本体底部11の凸形状が、この本体底部から上方に突出している本体底部凸部11aであり、本体側壁部13の段差形状が、この本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平の平坦部分を有する本体側壁段差部13aであり、蓋体天面部21のリブ形状が、この蓋体天面部の周縁の一部に沿って上方に突出している山状の蓋体天面リブ部22であり、中皿底部31の凸形状が、この本体底部凸部に被さる略同形状の中皿底部凸部31aであり、中皿フランジ部33の先端形状が、この本体側壁段差部の平坦部分上に載置される平坦状の中皿フランジ先端部33aであり、中皿側壁部の上端形状が、この蓋体天面リブ部内に収納される中皿側壁上端部32aであってもよい。
【0031】
また、本実施形態による包装用容器の蓋体3は、容器本体1の開口を閉じる包装用容器の蓋体3であって、平面視で略長方形の蓋体天面部21から上方に突出している一対の山状の蓋体天面リブ部22を少なくとも備え、この蓋体天面リブ部の各々は、この蓋体天面部の短手縁の全部から双方の長手縁の一部に渡り、かつ長手縁に沿う部分が同等の長さになるように設けられていてもよい。
【0032】
さらに、蓋体天面リブ部22が、蓋体天面部21に対して外側に急勾配に傾斜している急傾斜部22aと、内側にこの蓋体天面リブ急傾斜部より緩やかに傾斜している緩傾斜部22bとを有していてもよい。
【0033】
また、本実施形態による包装用容器の容器本体1は、内容物を収容する包装用容器の容器本体1であって、平面視で略長方形の本体底部11から上方に突出している本体底部凸部11a、11bを少なくとも備え、この本体底部凸部は、短手縁に平行かつ互いに隣接しているアーチ状の第1の凸部11a及び第2の凸部11bを有し、この第2の凸部は、この第1の凸部より高く、かつこの本体底部の中心側に位置していてもよい。
【0034】
さらに、本体底部11の周縁から上方に拡開して設けられている本体側壁部13の周方向から外方に突出して形成される略水平な平坦部分を有する本体側壁段差部13aをさらに備え、この本体側壁段差部は、この本体側壁部の短手方向の一部及び長手方向の一部の周方向に設けられていてもよい。
【0035】
次に、図1図17を参照しつつ、本発明の一実施形態における包装用容器並びにこの包装用容器を構成する容器本体、蓋体、及び中皿の構造を詳細に説明する。図6は、図3のA−A′部分におけるB−B部分を拡大した端面図である。図7は、図3のC−C部分におけるD−D部分を拡大した端面図である。図17は、図14のE−E′部分におけるF−F部分を拡大した端面図である。
【0036】
図1に示すとおり、本実施形態における包装用容器は、食品や中皿が収容される容器本体1と、この容器本体の開口部分を内勘合にて閉じる蓋体2と、この容器本体とこの蓋体とで載置位置を固定される中皿3とを備えていてもよい。食品の消費者が本包装用容器と向き合う通常の状態を平面視とすると、本包装用容器の形状は、平面視で外方に緩やかに膨出した略長方形で、長辺と短辺の比率が白銀比(1:√2)でもよい。
【0037】
図2図7に示すとおり、容器本体1は、食品や中皿が載置される本体底部11と、この本体底部の周縁から緩やかに湾曲した本体境界部12を介して上方に拡開して設けられた本体側壁部13と、この本体側壁部の上端から外方に延出している本体フランジ部14とを備えていてもよい。容器本体1の形状は、平面視で略長方形でもよく、長手辺と短辺の比率が白銀比(1:√2)でもよい。
【0038】
本体底部11は、平坦部分から上向き(容器本体1の内側方向)に突出している本体底部本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bを有していてもよい。本体底部11の形状は、平面視で長手方向の周縁(長手縁)及び短手方向の周縁(短手縁)が外方に緩やかに膨出した略長方形でもよい。長手縁(短手縁)の膨出の度合いは、長手縁(短手縁)の両端を結ぶ直線の長さに対して、0.01〜0.1倍でもよい。本体底部11には、周縁よりやや内側から底上げされた本体底部上底部(符番しない)が設けてあってもよく、この本体底部上底部から本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bが突出していてもよい。
【0039】
本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bは、短手縁と平行かつ互いに隣接しているアーチ形状でもよい。本体底部第2凸部11bは、本体底部第1凸部11aより本体底部11の中央側にあってもよい。本体底部第2凸部11bの最頂点は、本体底部第1凸部11aの最頂点より高くてもよい。本体底部第1凸部11aは、本体底部11の内側方向に傾斜している緩勾配の傾斜面(符番しない)と、外側方向にやや膨らんで傾斜している急勾配の傾斜面(符番しない)とを有していてもよい。本体底部第2凸部11bは、本体底部11の内側方向及び外側方向に同程度の勾配で傾斜している傾斜面(符番しない)をそれぞれ有していてもよい。本体底部第1凸部11aの内側方向に傾斜している緩勾配の傾斜面は、本体底部第2凸部11bの外側方向に傾斜している傾斜面より緩やかな勾配でもよい。本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bは、本体底部11を短手縁と平行に二等分した一方のみ又は両方かつ左右対称に配置されていてもよい。
【0040】
本体境界部12は、本体底部11と本体側壁部13との間にあり、この本体底部の周縁及びこの本体側壁部の下端の周縁と一体的に連設していてもよい。本体境界部12の曲率半径は、10〜18mmでもよく、好ましくは12〜16mm、より好ましくは13〜15mmでもよく、一般的なスプーンの先端が一致する程度に湾曲していてもよい。
【0041】
本体側壁部13は、本体境界部12の上端の周縁から上方に拡開して設けられていてもよい。本体側壁部13の形状は、平面視で本体底部11の長手縁及び短手縁と同程度膨出した丸みのある曲面状でもよい。本体側壁部13の高さ方向の所定部分(例えば、中間付近又はこの中間付近より上側)には、この本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平の平坦部分を有する本体側壁段差部13aが設けてあってもよい。本体側壁部13のうち、本体側壁段差部13aを境にした上側は下側より本体側壁段差部13aの幅に応じて外方に突出していてもよく、この本体側壁部の上端とこの本体側壁段差部との間に蓋体2が内嵌合する本体内嵌合部(符番しない)が設けてあってもよい。
【0042】
本体側壁段差部13aの長辺側の中央部分には、対向する一対の本体側壁段差仕切り部13bが設けてあってもよい。本体側壁段差部13aは、本体側壁段差仕切り部13bを境に本体側壁部13の両側に設けられていてもよく、この本体側壁部の角部分には設けられていてもいなくてもよい。
【0043】
本体フランジ部14は、本体側壁部13の上端の周縁から外方に略水平に延出している本体フランジ平坦部14aと、この本体フランジ平坦部の周縁から下方に傾斜して延出している本体フランジ傾斜部14bとを有していてもよい。本体フランジ部14の角部分に該当する本体フランジ傾斜部14bの周縁の曲率半径は、15〜25mmでもよく、好ましくは17〜23mmで、より好ましくは19〜21mmでもよい。本体フランジ平坦部14aに対する本体フランジ傾斜部14bの角度は、20〜30°でもよく、好ましくは23〜29°、より好ましくは26〜28°でもよい。
【0044】
図8図11に示すとおり、蓋体2は、平面状の蓋体天面部21と、この蓋体天面部の周縁に設けられた一対の山状の蓋体天面リブ部22と、この蓋体天面部又はこの蓋体天面リブ部の周縁から下方に拡開して設けられた蓋体側壁部23と、この蓋体側壁部の下端から上方に延出している蓋体フランジ部24とを備えていてもよい。蓋体2は、透明な素材にて成形されていてもよい。蓋体2の形状は、平面視で略長方形でもよく、長手辺と短辺の比率が白銀比(1:√2)でもよい。
【0045】
蓋体天面部21の形状は、平面視で長手縁及び短手縁が外方に緩やかに膨出した略長方形でもよい。長手縁(短手縁)の膨出の度合いは、長手縁(短手縁)の両端を結ぶ直線の長さに対して、0.01〜0.1倍でもよい。
【0046】
蓋体天面リブ部22は、蓋体天面部21と蓋体側壁部23との境界部分に該当し、この蓋体天面部の長手縁の中央部分(長手縁の中央から両側に32.5〜37.5mmまでの部分)を除く部分から短手縁全部に設けられてもよい。蓋体天面リブ部22を横断する断面の端面面形状は、蓋体天面部21に対して外側に急勾配に傾斜している蓋体天面リブ急傾斜部22aと、内側にこの急傾斜部より穏やかに傾斜している蓋体天面リブ緩傾斜部22bとを有する山状でもよい。蓋体天面リブ部22のうち、蓋体天面部21の長手縁上にある蓋体天面リブ端部22cは、ハの字に拡がりながらこの蓋体天面部に緩やかに湾曲して連設していてもよい。
【0047】
蓋体側壁部23は、蓋体天面リブ部22の周縁又はこの蓋体天面リブ部が設けられていない蓋体天面部21の周縁から下方に拡開して設けられていてもよい。蓋体側壁部23の形状は、平面視で蓋体天面部21の長手縁及び短手縁と同程度膨出した丸みのある曲面状でもよい。
【0048】
蓋体フランジ部24は、蓋体側壁部23の下端の周縁から外方に略水平に延出した後に上方に立設された蓋体フランジ内嵌合部24aと、この蓋体内嵌合部の周縁から外方に略水平に延出した蓋体フランジ先端部24bとを有していてもよい。蓋体フランジ先端部24bの長辺側の中央部分には、一対の脱気孔が設けてあってもよい。
【0049】
図12図17に示すとおり、中皿3は、食品を収容する中皿底部31と、この中皿底部の周縁から上方に拡開して設けられた中皿側壁部32と、この中皿側壁部の上端から略水平な平坦状の中皿側壁上端部33aを介して下方に拡開して設けられた中皿フランジ部33とを備えていてもよい。中皿3の形状は、平面視で略五角形を形成していてもよく、本体底部1又蓋体2の半分側の平面視形状と同等でもよい。
【0050】
中皿底部31は、上方(中皿3の内側方向)に突出した本体底部第1凸部11aと略同形状の中皿底部凸部31aを有していてもよい。中皿底部31の形状は、平面視で略五角形でもよい。容器本体1の中心側の中皿底部31と中皿側壁部32との境界部分の形状は、この容器本体に中皿3が載置された状態で、本体底部第2凸部11bの外側の傾斜面と一致してもよい。
【0051】
中皿側壁部32は、上端から外方に略水平に延出し、かつ部分的に高さの異なる段差形状の中皿側壁上端部32aを有していてもよい。中皿側壁部32の形状は、下端が中皿底部31と同等で、上端に近づくにつれて略五角形から略台形に変化してもよい。中皿側壁上端部32aは、容器本体1に中皿3が載置された状態で、本体フランジ部14より高い位置にあってもよい。
【0052】
中皿フランジ部33は、中皿側壁上端部32aの外周縁から下方に拡開して設けられ、最下端から外方に略水平に延出した中皿フランジ先端部33aを有していてもよい。中皿フランジ先端部33aは、容器本体1に中皿3が載置された状態で、本体側壁段差部13aと同等の高さにあってもよい。中皿フランジ部33の側面には、剛性を高める縦方向又は横方向のリブ(符番しない)が設けられていてもよい。中皿フランジ先端部33aの一部分には、中皿3を傾けたり持ち上げたりする所定の長さの摘みが設けられていてもよい。
【0053】
次に、図1を参照しつつ、本発明の一実施形態における包装用容器の構造(中皿固定機構)を詳細に説明する。
【0054】
容器本体1の本体底部11上に中皿3が載置されると、中皿底部31の中皿底部凸部31aがこの本体底部の本体底部第1凸部11aに被さると共に、中皿底部31と中皿側壁部32との境界部分のうち、容器本体1の中央側が本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bの狭間に嵌ってもよい。
これにより、中皿底部31の形状が、本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bの形状と一致するため、中皿3が本体底部11に対して所定の位置からずれることを予防している。
【0055】
また、中皿フランジ先端部32aが本体側壁段差部13a上に載ると共に、この中皿フランジ先端部のうち、容器本体1の中央側の角部分が本体側壁段差仕切り部13bに当接してもよい。
これにより、中皿フランジ先端部32aの形状が、本体側壁段差仕切り部13bを含む本体側壁段差部13aの形状と一致するため、中皿3は本体側壁部13に対して所定の位置からずれることを予防している。
【0056】
さらに、蓋体2が容器本体1に装着されると、中皿側壁上端部32aに蓋体天面リブ部22が被さってもよい。すなわち、中皿側壁上端部32の段差形状に蓋体天面リブ端部22cが当接してもよい。
これにより、中皿側壁上端部32aの形状が、蓋体天面リブ22の形状と一致するため、中皿3は蓋体天面部21に対して所定の位置からずれることを予防している。
【0057】
したがって、本実施形態による包装用容器は、閉蓋状態で中皿3の位置を固定する中皿固定機構を有し、この中皿が容器本体1の本体底部11及び本体側壁部13、並びに蓋体2の蓋体天面部21に当接して固定されることにより、閉蓋時にこの中皿の3ヶ所がこの容器本体及びこの蓋体に当接して固定されるため、中皿の位置が容器本体内部でずれず、内容物の型崩れや偏りを防ぐことができる。
【0058】
さらに、上述した中皿固定機構として、容器本体1の本体底部11の凸形状(例えば、本体底部第1凸部11a)と中皿3の中皿底部31の凸形状(例えば、中皿底部凸部31a)とが一致し、この容器本体の本体側壁部13の段差形状(例えば、本体側壁段差部13a)とこの中皿の中皿フランジ部33の先端形状(例えば、中皿フランジ先端部33a)とが一致し、この蓋体の蓋体天面部21のリブ形状(例えば、蓋体天面リブ部22)とこの中皿の中皿側壁部32の上端形状(例えば、中皿側壁上端部32a)とが一致する機構を有することにより、中皿の下部、中部、及び上部が、それぞれ容器本体の下部及び中部、並びに蓋体の上部にバランスよく当接して固定されるため、通常の使用において包装用容器全体が傾いたり、横方向に揺れたり、落下したりしても、中皿の固定状態を維持することができる。
【0059】
さらに、本体底部11の凸形状が、この本体底部から上方に突出している本体底部第1凸部11aであり、本体側壁部13の段差形状が、この本体側壁部の周方向から外方に突出して形成される略水平の平坦部分を有する本体側壁段差部13aであり、蓋体天面部21のリブ形状が、この体天面部の周縁の一部に沿って上方に突出している山状の蓋体天面リブ部22であり、中皿底部31の凸形状が、この本体底部第1凸部に被さる略同形状の中皿底部凸部31aであり、中皿フランジ部33の先端形状が、この本体側壁段差部の平坦部分上に載置される平坦状の中皿フランジ先端部33aであり、中皿側壁部32の上端形状が、この蓋体天面リブ部内に収納される中皿側壁上端部32aであることにより、容器本体に対する中皿の位置ずれの予防性、容器本体及び蓋体の剛性、蓋体越しからの容器本体内部の視認性、及び包装容器全体としてのデザイン性を確保するのみならず、消費者の購買意欲を向上させる小売店での新たな商流の実現性を見出すことができる。
【0060】
また、本発明による包装用容器の蓋体2は、平面視で略長方形の蓋体天面部21から上方に突出している一対の山状の蓋体天面リブ部22を少なくとも備え、この蓋体天面リブ部の各々は、この蓋体天面部の短手縁の全部から双方の長手縁の一部に渡り、かつ長手縁に沿う部分が同等の長さになるように設けられていることにより、この蓋体の剛性の向上が期待できると共に、容器本体1内部を見え易くすることができる。すなわち、蓋体天面リブ部22が山状(緩やかな曲面状)だと光の反射を抑制するため、この蓋体天面リブ部越しでもこの容器本体内部(中皿3含む)を容易に見ることができる。さらに、蓋体天面リブ部22は蓋体天面部21の長手縁上の端部分までであり、中央部分に至っておらず、この蓋体天面部の周縁にこの蓋体天面リブ部のない平坦部分を有するため、容器本体1内部が見え易いのみならず、この平坦部分を内容物に関する所定のラベルの貼付スペースとして活用することもできる。また、蓋体天面リブ部22が設けられた範囲が蓋体天面部22の短手縁の全部から長手縁の一部に限られているため、容器本体1に載置される中皿3の上端部分の形状(中皿側壁上端部32a)がこの蓋体天面リブ部の形状に一致し易く、蓋体2が閉蓋状態でこの中皿を容器本体1に固定させることができる。
【0061】
さらに、蓋体天面リブ部22が、蓋体天面部21に対して外側に急勾配に傾斜している蓋体天面リブ急傾斜部22aと、内側にこの蓋体天面リブ急傾斜部より緩やかに傾斜している蓋体天面リブ緩傾斜部22bとを有していることにより、平面視でもこの蓋体天面リブ緩傾斜部越しから容器本体1内部が見え易いばかりでなく、容器本体1に中皿3が載置された状態で、中皿側壁上端部32aに対してこの蓋体天面リブ急傾斜部がストッパーとなるため、開蓋状態で中皿3の横ずれを防ぐことができる。
【0062】
また、本実施形態による包装用容器の容器本体1は、平面視で略長方形の本体底部11から上方に突出している本体底部凸部を少なくとも備え、上記本体底部凸部は、短手縁に平行かつ互いに隣接しているアーチ状の本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bを有し、この本体底部第2凸部11bは、この本体底部第1凸部より高く、かつこの本体底部の中心側に位置していることにより、この容器本体の剛性の向上が期待できると共に、この本体底部に載置された内容物が長手縁方向にずれることを防ぐことができる。すなわち、本体底部第1凸部11a及び本体底部第2凸部11bが内容物の滑り止めとなり、特に本体底部11の中心側に位置している本体底部第2凸部11bが本体底部第1凸部11aより高いため、内容物がこの本体底部第2凸部を越えてさらにこの本体底部の中心側にずれることを予防することができる。また、本体底部第1凸部11aと本体底部第2凸部11bとが隣接しているため、容器本体1に載置される中皿3の中皿底部31の形状がこの本体底部第1凸部及び本体底部第2凸部の形状に一致し易く、この中皿をこの容器本体に固定させることができる。
【0063】
さらに、本体底部11の周縁から上方に拡開して設けられている本体側壁部13の周方向から外方に突出して形成される略水平な平坦部分を有する本体側壁段差部13aをさらに備え、この本体側壁段差部は、この本体側壁部の短手方向の一部及び長手方向の一部の周方向に設けられていていることにより、部分的に形状を変化させて容器本体の剛性をさらに高めるばかりでなく、容器本体1に中皿3が載置された状態で、この本体側壁段差部が中皿フランジ先端部33aの台となると共に、この中皿フランジ先端部がこの本体側壁部の壁際に位置するため、開蓋状態で中皿3の横ずれを防ぐことができる。
【0064】
なお、本実施形態における容器本体1、蓋体2、及び中皿3は、例えば真空成形、圧空成形、真空圧空成形、両面真空成形、熱板成形等のシート成形で、合成樹脂シートを熱成形することにより形成される。合成樹脂シートとしては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂で、単層や多層のシートを使用してもよい。樹脂としては、例えば発泡樹脂を使用すれば、軽量かつ断熱性があり好ましい。さらに、シートの表面または裏面を合成樹脂フィルムで覆ってもよく、表面を覆った場合は印刷を施してもよい。合成樹脂シートの厚みは特に制限はないが、0.15〜0.5mmであればよく、好ましくは0.18〜0.45mm、より好ましくは0.2〜0.35mmである。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明における包装用容器、並びに包装容器の容器本体、蓋体、及び中皿は、食品製造や小売に限らず、例えば、飲食、広告、娯楽、医療、介護、又は子供向け玩具等に関する産業に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 容器本体
11 本体底部
11a 本体底部第1凸部(本体底部凸部、第1の凸部)
11b 本体底部第2凸部(第2の凸部11)
12 本体境界部
13 本体側壁部
13a 本体側壁段差部
13b 本体側壁段差仕切り部
14 本体フランジ部
14a 本体フランジ平坦部(平坦部)
14b 本体フランジ傾斜部
2 蓋体
21 蓋体天面部
22 蓋体天面リブ部
22a 蓋体天面リブ急傾斜部(急傾斜部)
22b 蓋体天面リブ緩傾斜部(緩傾斜部)
22c 蓋体天面リブ端部
23 蓋体側壁部
24 蓋体フランジ部
24a 蓋体フランジ内嵌合部
24b 蓋体フランジ先端部
3 中皿
31 中皿底部
31a 中皿底部凸部
32 中皿側壁部
32a 中皿側壁上端部
33 中皿フランジ部
33a 中皿フランジ先端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17