特許第6853660号(P6853660)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6853660ティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853660
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】ティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F16C 33/14 20060101AFI20210322BHJP
   F16C 33/10 20060101ALI20210322BHJP
   F16C 17/03 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   F16C33/14
   F16C33/10
   F16C17/03
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-242569(P2016-242569)
(22)【出願日】2016年12月14日
(65)【公開番号】特開2018-96479(P2018-96479A)
(43)【公開日】2018年6月21日
【審査請求日】2019年10月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】310010564
【氏名又は名称】三菱重工コンプレッサ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100210572
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(72)【発明者】
【氏名】諫山 秀一
(72)【発明者】
【氏名】長井 直之
(72)【発明者】
【氏名】鴫原 拓造
(72)【発明者】
【氏名】永尾 英樹
【審査官】 藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−057335(JP,A)
【文献】 特開2000−266040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16C 17/00−17/26
F16C 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状に形成され、内部に回転軸を挿通して配設される軸受ハウジングと、前記軸受ハウジング取り付けられる複数のピボットと、それぞれ円弧盤状に形成されるとともに前記ピボットの先端部に固着して支持され、前記ピボットを介して前記軸受ハウジングに対して傾斜可能とされているとともに前記軸受ハウジング内で前記回転軸を囲繞するように略リング状に配設される複数のティルティングパッドとを備えてなるティルティングパッドジャーナル軸受を製造する方法であって、
前記ティルティングパッドの凸曲面状の外周面に、該外周面から内周面側に向けて凹み、内径が前記ピボットの先端部の外径よりも小径のピボット嵌合孔を形成し、
前記ピボット嵌合孔に前記ピボットの先端部をしまり嵌めで固着するように嵌合させ、前記しまり嵌めとともに前記ティルティングパッドの凹曲面状の内周面に凹部を形成するようにしたティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法。
【請求項2】
前記ティルティングパッドジャーナル軸受が、前記ティルティングパッドの内周面と前記回転軸の外周面の間で気体を圧縮し動圧を発生させ、前記ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に気体膜を形成することにより前記回転軸を非接触状態で軸支する動圧気体軸受である請求項1記載のティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ティルティングパッドジャーナル軸受の製造方に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速での振動安定性が高いなどの多くの利点を有することから、例えばターボ圧縮機などの高速回転機械の軸受としてティルティングパッドジャーナル軸受(ティルティ ングパッド軸受)が多用されている。
【0003】
この種のティルティングパッドジャーナル軸受は、例えば、略円筒状に形成され、その内部に互いの軸線を同軸上に配して回転軸を挿通して配設される軸受ハウジングと、軸受ハウジングに一体に取り付けられる複数のピボットと、複数のピボットの先端部にそれぞれ固着して支持され、軸受ハウジング内で回転軸を囲繞するように略リング状に配設される複数のティルティングパッドとを備えて構成されている。
【0004】
そして、このようなティルティングパッドジャーナル軸受は、軸受ハウジングの内部に油や水などの潤滑剤を供給するとともに各ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に潤滑剤を供給することにより、軸線周りに回転する回転軸を軸支することができる。また、リング状に並んでラジアル荷重を受ける各ティルティングパッドがピボットを支点にして僅かに傾動可能に支持されていることにより、各ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間にくさび状の潤滑膜(くさび状の油膜など)が形成され、その潤滑膜の流体膜圧でラジアル荷重が好適に支えられ、高速回転する回転軸を軸支することができる。
【0005】
また、油や水ではなく気体を使い、各ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間で気体を圧縮し動圧を発生させることにより、すなわち、各ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に気体膜(潤滑膜)を形成することにより、高速回転する回転軸を軸支するように構成した動圧気体軸受もある。
【0006】
この動圧気体軸受においては、各ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に気体膜が形成されることにより、高速回転する回転軸を非接触状態で軸支することができる(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平3−121306号公報
【特許文献2】特開平7−317752号公報
【特許文献3】特開平8−42560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のティルティングパッドジャーナル軸受、特に動圧気体軸受においては、ティルティングパッドの中央部(内周面の中央側部分)に高い圧力、高い温度の潤滑膜が発生することでティルティングパッドに局所的な変形が生じ、軸受性能(負荷能力)が低下する場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法は、筒状に形成され、内部に回転軸を挿通して配設される軸受ハウジングと、前記軸受ハウジング取り付けられる複数のピボットと、それぞれ円弧盤状に形成されるとともに前記ピボットの先端部に固着して支持され、前記ピボットを介して前記軸受ハウジングに対して傾斜可能とされているとともに前記軸受ハウジング内で前記回転軸を囲繞するように略リング状に配設される複数のティルティングパッドとを備えてなるティルティングパッドジャーナル軸受を製造する方法であって、前記ティルティングパッドの凸曲面状の外周面に、該外周面から内周面側に向けて凹み、内径が前記ピボットの先端部の外径よりも小径のピボット嵌合孔を形成し、前記ピボット嵌合孔に前記ピボットの先端部をしまり嵌めで固着するように嵌合させ、前記しまり嵌めとともに前記ティルティングパッドの凹曲面状の内周面に凹部を形成するようにした。
【0010】
本発明のティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法においては、前記ティルティングパッドジャーナル軸受が、前記ティルティングパッドの内周面と前記回転軸の外周面の間で気体を圧縮し動圧を発生させ、前記ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に気体膜を形成することにより前記回転軸を非接触状態で軸支する動圧気体軸受であることが望ましい。
【0011】
本発明のティルティングパッドジャーナル軸受は、筒状に形成され、内部に回転軸を挿通して配設される軸受ハウジングと、前記軸受ハウジングに一体に取り付けられる複数のピボットと、それぞれ円弧盤状に形成されるとともに前記ピボットの先端部に固着して支持され、前記軸受ハウジング内で前記回転軸を囲繞するように略リング状に配設される複数のティルティングパッドとを備えるティルティングパッドジャーナル軸受であって、前記ティルティングパッドの凹曲面状の内周面に、前記ピボットの軸線の延長線を略中心とした凹部が設けられている。
ここで、本発明における「前記ピボットの軸線の延長線を略中心とした凹部」の「略中心」は厳密にピボットの軸線の延長線が凹部の中心線と同軸上に配されていなくてもよく、製造等に係る誤差を許容することを意味する。
【0012】
本発明のティルティングパッドジャーナル軸受においては、前記ティルティングパッドの内周面と前記回転軸の外周面の間で気体を圧縮し動圧を発生させ、前記ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に気体膜を形成することにより前記回転軸を非接触状態で軸支する動圧気体軸受であることが望ましい。
【0013】
本発明の圧縮機は、上記のいずれかのティルティングパッドジャーナル軸受を備え、前記回転軸の軸線周りの回転に応じて流体を圧縮するように構成されている。
【発明の効果】
【0014】
本発明のティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法においては、ティルティングパッドの凸曲面状の外周面に、内径がピボットの先端部の外径よりも小径のピボット嵌合孔を形成し、ピボット嵌合孔にピボットの先端部をしまり嵌め(例えば、焼き嵌め、冷やし嵌め、圧入など)で嵌合させて固着すると、このしまり嵌めを行うと同時に、ティルティングパッドの凹曲面状の内周面に凹部を形成することができる。
【0015】
そして、本発明のティルティングパッドジャーナル軸受の製造方においては、ティルティングパッドの凹曲面状の内周面に凹部が凹設されることにより、この凹部への油や気体などの潤滑剤の流れ、凹部周辺の潤滑剤の流れを発生/誘発させ、ティルティングパッドの中央部(中央部分)の局所的な温度上昇や潤滑膜の局所的な圧力上昇を抑制することが可能になる。
【0016】
これにより、本発明のティルティングパッドジャーナル軸受の製造方によれば、ティルティングパッドに局所的な変形が生じることを防止/抑止することができ、従来よりも軸受性能(負荷能力)を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係るティルティングパッドジャーナル軸受のピボット、ティルティングパッドを示す斜視図である。
図2】(a)が実際のティルティングパッドの内周面(凹部)の2D形状計測結果(ピボット位置の軸方向)を示す図であり、(b)が本発明の一実施形態に係るティルティングパッドジャーナル軸受のティルティングパッドの内周面(凹部)の一例を示す断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係るティルティングパッドジャーナル軸受のピボットを示す斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法の一例を示すフロー図である。
図5】本発明の一実施形態に係るティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法において、ティルティングパッドの内周面に樹脂材を圧接する工程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図1から図5を参照し、本発明の一実施形態に係るティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法及びティルティングパッドジャーナル軸受、並びに圧縮機について説明する。
【0020】
ここで、本実施形態では、本発明に係るティルティングパッドジャーナル軸受が、油や水ではなく気体を潤滑剤として使い、各ティルティングパッド(軸受パッド)の内周面と回転軸の外周面の間で気体を圧縮し動圧を発生させることにより、すなわち、各ティルティングパッドの内周面と回転軸の外周面の間に気体膜(潤滑膜)を形成することにより、高速回転する回転軸を軸支するように構成した動圧気体軸受であるものとして説明を行う。
【0021】
本実施形態の圧縮機は、例えばターボ圧縮機などであり、回転軸を軸線周りに高速回転させ、この回転軸の回転を利用して流体を圧縮するように構成されている。例えば、回転軸によって羽根車を回転させ、回転する羽根車による遠心力で気体を圧縮するように構成されている。
【0022】
この圧縮機には、回転軸を軸支する手段としてティルティングパッドジャーナル軸受が具備されている。
【0023】
本実施形態のティルティングパッドジャーナル軸受Aは、図1に示すように、略円筒状に形成され、その内部に互いの軸線を同軸上に配して回転軸を挿通して配設される軸受ハウジング(不図示)と、軸受ハウジング取り付けられる複数のピボット1と、それぞれ円弧盤に形成されるとともにピボット1の先端部1aに固着して支持され、軸受ハウジング内で回転軸を囲繞するように略リング状に配設される複数のティルティングパッド2とを備えて構成されている。
【0024】
本実施形態のティルティングパッド2は、外周面2aから内周面2b側に向けて凹み、内径が略円柱状に形成されたピボット1の先端部1aの外径よりも小径のピボット嵌合孔3が形成されている。そして、各ティルティングパッド2は、ピボット嵌合孔3にピボット1の先端部1aを、例えば、焼き嵌め、冷やし嵌め、圧入などして「しまり嵌め」で固着して嵌合させることにより、ピボット1に一体に固着して支持されている。
【0025】
また、図2に示すように、各ティルティングパッド2は、その凹曲面状の内周面2bに、ピボット1の軸線O1の延長線を略中心として略凹曲面4aを有する凹部4が設けられている。
【0026】
なお、図3(a)、図3(b)に示すように、本実施形態のピボット1は、略円柱状に形成されるとともに、後端部1b側から先端部1a(先端面)に貫通する圧縮気体供給路5が形成されている。この圧縮気体供給路5は、回転軸を回転起動させる際に、これに先行して各ティルティングパッド2の内周面2bと回転軸の外周面の間に圧縮気体を供給し、これらティルティングパッド2の内周面2bと回転軸の外周面の間に気体膜を形成してティルティングパッド2と回転軸を非接触状態にするためのものである。
【0027】
一方、上記構成からなる本実施形態のティルティングパッドジャーナル軸受Aを製造する際には(本実施形態のティルティングパッドジャーナル軸受Aの製造方法においては)、まず、図1図4及び図5に示すように、金属素材を機械加工して、ティルティングパッド2(本実施形態ではバックメタル部2c)を粗加工する。
【0028】
次に、粗加工によって所定の曲率の凹円弧面状に成形したティルティングパッド2のバックメタル部2cの内周面2dにPEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)などの樹脂材6を貼り付けて積層配置するとともに、樹脂材6を金型7で圧接し、ティルティングパッド2の内周面部に一体化させる。
【0029】
次に、図1図4及び図5に示すように、ティルティングパッド2のバックメタル部2cを機械加工して、所定の曲率の凸円弧面状の外周面2aを成形し、この外周面2aの所定位置に、略円柱状のピボット1の先端部1aの外径よりもその内径が僅かに小径となるようにピボット嵌合孔3を穿設する。例えば、本実施形態では、ピボット1の外径より100μm程度小径となるようにピボット嵌合孔3を形成する。さらに、所定形状の円弧盤状に成形したティルティングパッド2(2c)を仕上げ加工する。
【0030】
次に、略円柱状に形成されたピボット1の先端部1aを、ティルティングパッド2のピボット嵌合孔3に焼き嵌め、冷やし嵌め、圧入などして「しまり嵌め」で固着して嵌合させ、ピボット1を一体に取り付ける。
【0031】
このとき、ピボット1の先端部1aの外径よりもその内径が僅かに小径となるように形成されたピボット嵌合孔3にピボット1の先端部1aを「しまり嵌め」で嵌合し固着することにより、図2(a)、図2(b)に示すように、この「しまり嵌め」を行うと同時に、自動的にティルティングパッド2の凹曲面状の内周面2bに凹部4を形成することができる。すなわち、「しまり嵌め」を行うと、必然的にティルティングパッド2の凹曲面状の内周面2bに内側に引き込まれる力が生じ、この力によって凹部4が自動的に形成される。
【0032】
例えば、先端部1aの外径が50mmのピボット1を、このピボット1の先端部1aの外径よりも100μm程度小径のピボット嵌合孔3に「しまり嵌め」すると、ピボット1の軸線O1の延長線を略中心とし、最大深さh=15μm程度、内径t=100mm程度の凹曲面4aを有する凹部4が自動的に形成される。
【0033】
そして、本実施形態のティルティングパッドジャーナル軸受A(ティルティングパッドジャーナル軸受Aの製造方法及び圧縮機)においては、ティルティングパッド2の凹曲面状の内周面2bに凹部4が凹設されることにより、この凹部4への潤滑剤としての気体の流れ、凹部4の周辺の潤滑剤の流れを発生/誘発させ、ティルティングパッド2の中央部(中央部分側)の局所的な温度上昇や潤滑膜の局所的な圧力上昇を抑制することが可能になる。
【0034】
これにより、ティルティングパッド2に局所的な変形が生じることを防止/抑止することができ、従来よりも軸受性能(負荷能力)を向上させることが可能になる。
【0035】
以上、本発明に係るティルティングパッドジャーナル軸受の製造方法及びティルティングパッドジャーナル軸受、並びに圧縮機の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0036】
例えば、本実施形態では、本発明に係るティルティングパッドジャーナル軸受Aがターボ圧縮機などの圧縮機に具備されているものとしたが、本発明に係るティルティングパッドジャーナル軸受Aは、ラジアル荷重を好適に支え、軸線周りに回転する回転軸を軸支するためのあらゆる軸受に適用可能である。
【0037】
また、本発明の圧縮機は、ティルティングパッドジャーナル軸受Aを備え、回転軸の軸線周りの回転に応じて流体を圧縮するように構成されていればよく、例えば、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機など、ターボ圧縮機以外の圧縮機であってもよい。
【0038】
さらに、本実施形態では、本発明に係るティルティングパッドジャーナル軸受Aが、油や水ではなく気体を潤滑剤として使い、各ティルティングパッド2の内周面2bと回転軸の外周面の間で気体を圧縮し動圧を発生させることにより、高速回転する回転軸を軸支するように構成した動圧気体軸受であるものとして説明を行った。
これに対し、本発明に係るティルティングパッドジャーナル軸受Aは、気体以外の油や水などの潤滑剤を用い、回転軸を軸支するように構成されていてもよい。そして、この場合においても、勿論、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 ピボット
1a 先端部
1b 後端部
2 ティルティングパッド(軸受パッド)
2a 外周面
2b 内周面
2c バックメタル部
2d バックメタル部の内周面
3 ピボット嵌合孔
4 凹部
4a 凹曲面
5 圧縮気体供給路
6 樹脂材
7 金型
O1 ピボットの軸線
図1
図2
図3
図4
図5