(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記中性塩触媒が、第一族元素イオン及び第二族元素イオンよりなる群から選ばれるいずれかのカチオンと、塩化物イオン、臭化物イオン、及びヨウ化物イオンよりなる群から選ばれるいずれかのアニオンとの組合せからなる塩である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。
上記硬化剤(B)が、フルオロフォスフェート基、フルオロアンチモネート基、または、フルオロボレート基を含む化合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
上記硬化剤(B)が、トリフェニルスルホニウム基、ジフェニルスルホニウム基、及びジフェニルヨードニウム基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する化合物であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
上記硬化剤(B)が、活性エネルギー線が照射された上記硬化性組成物のエポキシ基を硬化せしめる硬化剤であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物を基材に塗布する工程と、当該硬化性組成物を硬化させ、硬化被膜を形成する工程と、を含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の加水分解性シリル基を有するエポキシシラン化合物のシロキサン樹脂からなる硬化性組成物は、中性塩を触媒として、下記一般式(I)および(II)で表される加水分解性シリル基を有するシラン化合物を加水分解及び縮合させた縮合物(A)を得た後、エポキシ基を硬化せしめる硬化剤(B)を配合してなる。
一般式(I):
R
1−(SiR
2a(OR
3)
3−a) (I)
(式中、R
1は末端がエポキシ構造含有基で置換された炭素数1〜10のアルキル基であり、R
2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基であり、R
3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。aは0〜2の整数である。)
一般式(II):
R
4−(SiR
2a(OR
3)
3−a) (II)
(式中、R
4は炭素数1〜10の置換若しくは非置換のアルキル基、アルケニル基、並びに、置換アリール基から選ばれ、エポキシ構造含有基を有さない基である。R
2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基であり、R
3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。aは0〜2の整数である。)
縮合物(A)は、シラン化合物(I)に対するシラン化合物(II)のモル比を9以下として中性塩触媒の存在下で加水分解及び縮合させて得られる、重量平均分子量30,000以下の縮合物であり、シラン化合物(I)およびシラン化合物(II)が有するケイ素原子に直接結合したOR
3基のモル数Xに対する、縮合物(A)が有するケイ素原子に直接結合したOR
3基のモル数Yの比Y/Xが0.2以下であることを特徴とする。
【0027】
<(A)縮合物>
加水分解性シリル基を有するシラン化合物(I)は、下記一般式(I):
R
1−(SiR
2a(OR
3)
3−a) (I)
(式中、R
1は末端がエポキシ構造含有基で置換された炭素数1〜10のアルキル基であり、R
2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基であり、R
3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。aは0〜2の整数である。)で表される。
【0028】
加水分解性シリル基を有するシラン化合物(II)は、下記一般式(II):
R
4−(SiR
2a(OR
3)
3−a) (II)
(式中、R
4は炭素数1〜10の置換若しくは非置換のアルキル基、アルケニル基、並びに、置換アリール基から選ばれ、エポキシ構造含有基を有さない基である。R
2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基であり、R
3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。aは0〜2の整数である。)で表される。
【0029】
一般式(I)のR
1における末端がエポキシ構造含有基で置換された炭素数1〜10のアルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、等が挙げられる。
【0030】
一般式(I)のR
1におけるエポキシ構造含有基としては、エポキシ基を含有する官能基であればよく、例えば、エポキシ基、グリシジルエーテル基、エポキシシクロヘキシル基、等が挙げられる。
【0031】
上記「末端」とは、上記アルキル基が直鎖である場合はSiから最も遠位のメチル基となる。分岐鎖を有するアルキル基の場合は、主鎖が有するSiから最も遠位のメチル基、および/または、1もしくは複数の分岐鎖が有するメチル基であってよい。
【0032】
一般式(I)及び(II)のR
2は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基である。このような炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ベンジル基、及び、フェネチル基が挙げられる。
【0033】
一般式(I)及び(II)のR
3は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、及び、デシル基が挙げられる。加水分解性シリル基を有するシラン化合物を加水分解・縮合させやすいという観点から、R
3のアルキル基の炭素数は1〜3が好ましく、最も好ましくは1である。
【0034】
一般式(II)のR
4は、炭素数1〜10の置換若しくは非置換のアルキル基、アルケニル基、並びに、置換アリール基から選ばれ、エポキシ基を有さない基である。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、ヘプチル基、イソヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、等が挙げられる。アルキル基の置換基としては、チオール基、アミノ基、イソシアナート基、(メタ)アクリロイル基、フェニル基、及び、クロロ基が挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、1−メチルエテニル基、2−メチルエテニル基、2−プロペニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ブテニル基、4−ペンテニル基、5−ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、ビシクロヘキセニル基、6−ヘプテニル基、7−オクテニル基、デセニル基、ペンタデセニル基、エイコセニル基、トリコセニル基、等が挙げられる。置換アリール基としては、スチリル基が挙げられる。
【0035】
これらの中でも、貯蔵安定性がよく、活性エネルギー線照射時の硬化速度が速く、さらに得られた塗膜のクラック発生が抑制できる点から、R
4としては、非置換のアルキル基である場合、炭素数3以上10以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数3以上6以下のアルキル基であることがより好ましい。R
4が置換アルキル基である場合、アルキル基は炭素数3以上10以下であることが好ましく、炭素数3以上6以下であることがより好ましく、置換基はフェニル基、シクロヘキシル基、及び、(メタ)アクリロイル基が好ましい。R
4がアルケニル基である場合、ビニル基又はアリル基であることが好ましい。置換アリール基としては、スチリル基が好ましい。R
4が非置換アルキル基で炭素数が2以下である場合や、R
4が置換アルキル基で置換基がフェニル基、シクロヘキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基より嵩高くない場合、架橋時に緻密な架橋構造となり、ゲル化することがある。また、アルキル基の炭素数が11以上である場合や、置換アルキル基で置換基がフェニル基、シクロヘキシル基、又は、(メタ)アクリロイル基よりも嵩高い場合、疎水性が高くなり加水分解速度が極端に低下したり、活性エネルギー線照射時の硬化速度が低下したりすることがある。
【0036】
一般式(I)および一般式(II)のaは、0〜2の整数であり、硬化性組成物に要求される物性に応じて適宜選択する。
【0037】
シラン化合物(I)の具体例としては、例えば、1−グリシジルオキシメチルトリメトキシシラン、1−グリシジルオキシメチルメチルジメトキシシラン、1−グリシジルオキシメチルトリエトキシシラン、1−グリシジルオキシメチルメチルジエトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルメチルジメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリエトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルトリメトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルメチルジメトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルトリエトキシシラン、4−グリシジルオキシブチルメチルジエトキシシラン、6−グリシジルオキシヘキシルトリメトキシシラン、6−グリシジルオキシヘキシルメチルジメトキシシラン、6−グリシジルオキシヘキシルトリエトキシシラン、6−グリシジルオキシヘキシルメチルジエトキシシラン、8−グリシジルオキシオクチルトリメトキシシラン、8−グリシジルオキシオクチルメチルジメトキシシラン、8−グリシジルオキシオクチルトリエトキシシラン、8−グリシジルオキシオクチルメチルジエトキシシラン、等のグリシジル基含有シラン;
1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメチルジメトキシシラン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、1−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルメチルジエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルメチルジメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルメチルジエトキシシラン、6−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ヘキシルトリメトキシシラン、6−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ヘキシルメチルジメトキシシラン、6−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ヘキシルトリエトキシシラン、6−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ヘキシルメチルジエトキシシラン、8−(3,4−エポキシシクロヘキシル)オクチルトリメトキシシラン、8−(3,4−エポキシシクロヘキシル)オクチルメチルジメトキシシラン、8−(3,4−エポキシシクロヘキシル)オクチルトリエトキシシラン、8−(3,4−エポキシシクロヘキシル)オクチルメチルジエトキシシラン、等の脂環エポキシ基含有シラン;
エポキシトリメトキシシラン、エポキシメチルジメトキシシラン、エポキシトリエトキシシラン、エポキシメチルジエトキシシラン、1−エポキシメチルトリメトキシシラン、1−エポキシメチルメチルジメトキシシラン、1−エポキシメチルトリエトキシシラン、1−エポキシメチルメチルジエトキシシラン、2−エポキシエチルトリメトキシシラン、2−エポキシエチルメチルジメトキシシラン、2−エポキシエチルトリエトキシシラン、2−エポキシエチルメチルジエトキシシラン、3−エポキシプロピルトリメトキシシラン、3−エポキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−エポキシプロピルトリエトキシシラン、3−エポキシプロピルメチルジエトキシシラン、4−エポキシブチルトリメトキシシラン、4−エポキシブチルメチルジメトキシシラン、4−エポキシブチルトリエトキシシラン、4−エポキシブチルメチルジエトキシシラン、6−エポキシヘキシルトリメトキシシラン、6−エポキシヘキシルメチルジメトキシシラン、6−エポキシヘキシルトリエトキシシラン、6−エポキシヘキシルメチルジエトキシシラン、8−エポキシオクチルトリメトキシシラン、8−エポキシオクチルメチルジメトキシシラン、8−エポキシオクチルトリエトキシシラン、8−エポキシオクチルメチルジエトキシシラン、等のエポキシ基含有シラン、等が挙げられる。
【0038】
上述のように、加水分解性シリル基を有するシラン化合物を加水分解及び縮合させやすいという観点から、一般式(I)におけるR
3のアルキル基の炭素数は1〜3が好ましく、最も好ましくは1である。また、硬化時におけるエポキシ基の反応性(モビリティ)という観点から、エポキシ基とケイ素原子とを結合するアルキレン基の炭素数が重要であり、その炭素数は1〜4が好ましく、更に好ましくは2又は3である。
【0039】
上記観点を併せて、シラン化合物(I)としては、中でも、R
1が、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基および3−グリシジルオキシプロピル基である化合物が好ましく、具体的には、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルメチルジメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
【0040】
シラン化合物(II)の中で、一般式(II)におけるR
4が非置換のアルキル基であるものとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルメチルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルメチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルメチルジメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ブチルメチルジエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルメチルジメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルメチルジエトキシシラン、オ
クチルトリメトキシシラン、オ
クチルメチルジメトキシシラン、オ
クチルトリエトキシシラン、オ
クチルメチルジエトキシシラン、等が挙げられる。
【0041】
また、一般式(II)におけるR
4が置換アルキル基であるものとしては、下記のものが挙げられる。ここで、置換基としては特に制限は無いが、入手しやすさという観点からチオール基、(メタ)アクリロイル基、フェニル基、シクロヘキシル基、及び、クロロ基が好ましい。
【0042】
ただし、これら置換基のうち、チオール(メルカプト)基は加水分解性シリル基を加水分解及び縮合反応させている最中にエポキシ基と反応する可能性がある為、シラン化合物(I)としては、求核攻撃を受けにくいエポキシシクロヘキシル基を有するエポキシシラン化合物を選択することが好ましい。
【0043】
他方、置換基としてアミノ基や酸無水物基を有するシラン化合物は、メルカプト基以上に、加水分解性シリル基を加水分解及び縮合反応させている最中にエポキシ基と反応する可能性が高い為、本願において用いることは好ましくない。
【0044】
R
4がチオール基置換アルキル基である化合物としては、1−メルカプトメチルトリメトキシシラン、1−メルカプトメチルメチルジメトキシシラン、1−メルカプトメチルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、4−メルカプトブチルメチルジメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリエトキシシラン、4−メルカプトブチルメチルジエトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルメチルジメトキシシラン、6−メルカプトヘキシルトリエトキシシラン、6−メルカプトヘキシルメチルジエトキシシラン、8−メルカプトオクチルトリメトキシシラン、8−メルカプトオクチルメチルジメトキシシラン、8−メルカプトオクチルトリエトキシシラン、8−メルカプトオクチルメチルジエトキシシラン、等が挙げられる。
【0045】
R
4がイソシアネート基置換アルキル基である化合物としては、1−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、1−イソシアネートメチルメチルジメトキシシラン、1−イソシアネートメチルトリエトキシシラン、1−イソシアネートメチルメチルジエトキシシラン、2−イソシアネートエチルトリメトキシシラン、2−イソシアネートエチルメチルジメトキシシラン、2−イソシアネートエチルトリエトキシシラン、2−イソシアネートエチルメチルジエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、4−イソシアネートブチルトリメトキシシラン、4−イソシアネートブチルメチルジメトキシシラン、4−イソシアネートブチルトリエトキシシラン、4−イソシアネートブチルメチルジエトキシシラン、6−イソシアネートヘキシルトリメトキシシラン、6−イソシアネートヘキシルメチルジメトキシシラン、6−イソシアネートヘキシルトリエトキシシラン、6−イソシアネートヘキシルメチルジエトキシシラン、8−イソシアネートオクチルトリメトキシシラン、8−イソシアネートオクチルメチルジメトキシシラン、8−イソシアネートオクチルトリエトキシシラン、8−イソシアネートオクチルメチルジエトキシシラン、等が挙げられる。
【0046】
R
4が(メタ)アクリロイル基置換アルキル基である化合物としては、1−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリメトキシシラン、1−(メタ)アクリロイルオキシメチルメチルジメトキシシラン、1−(メタ)アクリロイルオキシメチルトリエトキシシラン、1−(メタ)アクリロイルオキシメチルメチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルメチルジメトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリエトキシシラン、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルメチルジエトキシシラン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメトキシシラン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルメチルジメトキシシラン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリエトキシシラン、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルメチルジエトキシシラン、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリメトキシシラン、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルメチルジメトキシシラン、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルトリエトキシシラン、8−(メタ)アクリロイルオキシオクチルメチルジエトキシシラン、等が挙げられる。
【0047】
R
4がフェニル基置換アルキル基である化合物としては、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、2−フェニルエチルトリメトキシシラン、2−フェニルエチルトリエトキシシラン、3−フェニルプロピルトリメトキシシラン、3−フェニルプロピルトリエトキシシラン、4−フェニルブチルトリメトキシシラン、4−フェニルブチルトリエトキシシラン、5−フェニルペンチルトリメトキシシラン、5−フェニルペンチルトリエトキシシラン、6−フェニルヘキシルトリメトキシシラン、6−フェニルヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0048】
R
4がシクロヘキシル基置換アルキル基である化合物としては、シクロヘキシルメチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルメチルトリエトキシシラン、2−シクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、2−シクロヘキシルエチルトリエトキシシラン、3−シクロヘキシルプロピルトリメトキシシラン、3−シクロヘキシルプロピルトリエトキシシラン、4−シクロヘキシルブチルトリメトキシシラン、4−シクロヘキシルブチルトリエトキシシラン、5−シクロヘキシルペンチルトリメトキシシラン、5−シクロヘキシルペンチルトリエトキシシラン、6−シクロヘキシルヘキシルトリメトキシシラン、6−シクロヘキシルヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0049】
R
4がクロロ基置換アルキル基である化合物としては、例えば、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、4−クロロブチルトリメトキシシラン、4−クロロブチルトリエトキシシラン、5−クロロペンチルトリメトキシシラン、5−クロロペンチルトリエトキシシラン、6−クロロヘキシルトリメトキシシラン、6−クロロヘキシルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0050】
R
4がアルケニル基である化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルメチルジメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルメチルジエトキシシラン、1−オキセタニルオキシメチルトリメトキシシラン、1−オキセタニルオキシメチルメチルジメトキシシラン、1−オキセタニルオキシメチルトリエトキシシラン、1−オキセタニルオキシメチルメチルジエトキシシラン、2−オキセタニルオキシエチルトリメトキシシラン、2−オキセタニルオキシエチルメチルジメトキシシラン、2−オキセタニルオキシエチルトリエトキシシラン、2−オキセタニルオキシエチルメチルジエトキシシラン、3−オキセタニルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−オキセタニルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−オキセタニルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−オキセタニルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、4−オキセタニルオキシブチルトリメトキシシラン、4−オキセタニルオキシブチルメチルジメトキシシラン、4−オキセタニルオキシブチルトリエトキシシラン、4−オキセタニルオキシブチルメチルジエトキシシラン、6−オキセタニルオキシヘキシルトリメトキシシラン、6−オキセタニルオキシヘキシルメチルジメトキシシラン、6−オキセタニルオキシヘキシルトリエトキシシラン、6−オキセタニルオキシヘキシルメチルジエトキシシラン、8−オキセタニルオキシオクチルトリメトキシシラン、8−オキセタニルオキシオクチルメチルジメトキシシラン、8−オキセタニルオキシオクチルトリエトキシシラン、8−オキセタニルオキシオクチルメチルジエトキシシラン、等が挙げられる。
【0051】
R
4が置換アリール基である化合物としては、p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン、等が挙げられる。
【0052】
本発明の縮合物(A)においては、シラン化合物(I)、(II)は、それぞれ1種以上含まれていればよい。例えば、シラン化合物(I)、(II)はそれぞれ1種ずつ含まれていてもよいし、それぞれ2種以上含まれていてもよい。また、シラン化合物(I)及び(II)の一方が1種含まれ、他方が2種以上含まれていてもよい。2種以上の化合物が含まれる場合、それぞれの化合物の使用比率は任意である。
【0053】
本発明の硬化性組成物において、硬化物の物性として耐摩耗性や耐薬品性を求める場合は、縮合物(A)は、シラン化合物(I)に対するシラン化合物(II)のモル比(シラン化合物(II)のモル数/シラン化合物(I)のモル数)が0以上9以下となる条件で加水分解及び縮合させて得ることが好ましい。
【0054】
エポキシ構造含有基以外の官能基、例えば(メタ)アクリロイル基を有するシラン化合物のシラン化合物(I)に対するモル比が9を超えると、耐摩耗性や耐薬品性の高い硬化物を得ることはできるが、エポキシ基の架橋に比べて硬化収縮が大きくなる為、熱や湿度による負荷がかかった際にクラックが生じる懸念がある。これに対して、エポキシ構造含有基による硬化は開環反応を伴う為、収縮が少なく、硬化収縮をほとんど生じずに硬化物を得ることも可能である。
【0055】
また、縮合物(A)におけるエポキシ構造含有基の含有量が低下すると、分子間架橋が不十分となり、硬度や耐擦傷性が低下する懸念があることから、ハードコート性(すなわち、硬度や耐擦傷性)を考慮すると、シラン化合物(I)に対するシラン化合物(II)のモル比は、0以上5以下であることがより好ましく、0以上3以下であることがさらに好ましく、0以上1以下であることが特に好ましい。
【0056】
本発明の縮合物(A)としては、シラン化合物が加水分解及び縮合してシロキサン結合を形成した2〜200量体であることが好ましい。
【0057】
本発明の縮合物(A)の重量平均分子量は、500以上が好ましく、1,000以上がより好ましく、2,000以上がさらに好ましい。また、上記縮合物(A)の重量平均分子量は、30,000以下が好ましく、28,000以下がより好ましく、25,000以下がさらに好ましい。
【0058】
縮合物(A)の重量平均分子量が500未満(さらには1,000未満)であると、縮合物(A)に揮発性がある。そのため、硬化前に、希釈溶剤を加熱によって除去する場合は、縮合物(A)の一部あるいは全量が揮発してしまう虞がある。また、重量平均分子量が低いほど耐衝撃性が低下する懸念もある。重量平均分子量が30,000を超えると、その他の配合物との相溶性が低下し、塗膜形成時に白濁する虞がある。ここで、重量平均分子量は、GPCで測定した重量平均分子量である。
【0059】
上記重量平均分子量が500未満または1000未満である場合、上記揮発性のため、縮合物(A)への紫外線照射前に加熱工程(希釈溶剤を除去するための工程)を行うことは困難である。しかしながら、この場合、縮合物(A)が低分子量であり、低粘度であるため、希釈溶剤を用いずに塗工液を調製することができる。そのため、紫外線照射前に縮合物(A)の加熱を行う必要がない。以上のことから、重量平均分子量が500未満または1000未満である縮合物(A)の場合は、希釈溶剤を用いずに、当該縮合物(A)を含有する塗工液を調製することが好ましい。
【0060】
なお、シロキサン樹脂(縮合物(A))の重量平均分子量は、反応に用いる水の量、触媒の種類及び量を適切に選択することにより、コントロールすることができる。例えば、最初に仕込む水の量を増やすことにより、重量平均分子量を高くすることができる。
【0061】
本発明の縮合物(A)の原料であるシラン化合物(I)及びシラン化合物(II)が有するケイ素原子に直接結合したOR
3基のモル数Xに対する、縮合物(A)が有するケイ素原子に直接結合したOR
3基のモル数Yの比Y/Xは、0.2以下であることが好ましく、0.1以下がより好ましく、0.05以下がさらに好ましく、実質的に0であることが最も好ましい。
【0062】
Y/Xが0.2を超えると、活性エネルギー線照射後に経時で塗膜が収縮しクラックが発生してしまう。ここで、Y/Xは、
1H−NMRおよび
29Si−NMRで測定することによって求めることができる。なお、Y/Xは、反応に用いる水の量、触媒の種類及び量を適切に選択することより、0.2以下にすることができる。例えば、水の量が多いほど加水分解が促進され、Y/Xは低い値となる。
【0063】
本発明の縮合物(A)中に残存するOR
3基の個数は、縮合物(A)1分子中に2個以下であることが好ましく、1個以下であることがより好ましく、0.5個以下であることがさらに好ましく、0.1個以下であることが特に好ましく、実質的に残存していないことが最も好ましい。
【0064】
架橋点密度を高めて、硬化物の硬度や耐擦傷性を向上させるとの観点から、縮合物(A)におけるエポキシ構造含有基の残存率、すなわち、原料であるシラン化合物(I)が有するエポキシ構造含有基のモル数に対する、縮合物(A)におけるエポキシ構造含有基のモル数の割合は高い方が好ましい。
【0065】
本発明の上記エポキシ構造含有基の残存率として、具体的には、20%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましい。ここで、エポキシ構造含有基の残存率は
1H−NMR測定によって求めることができる。
【0066】
本発明においては、加水分解及び縮合反応は、中性塩触媒下(すなわち、中性塩触媒の存在下)で実施する。
【0067】
加水分解及び縮合反応を中性塩触媒の存在下で実施することにより、加水分解及び縮合反応の前後および貯蔵中に、エポキシ基を失活させることなく、シロキサン樹脂を得ることができる。
【0068】
また、中性塩触媒自身が製造容器や保管容器を侵すことがない為、製造・保管設備の材質に制約を受けることなく、使用することができる。
【0069】
これは、一般に、酸触媒や塩基触媒では、触媒自身が、種々の物質と求電子的・求核的に反応することや、反応溶液中の水素イオン濃度及び水酸化物イオン濃度を変化させることにより、それらのイオンが反応に寄与するのに対し、中性塩では、上記のような反応活性(酸触媒や塩基触媒が示すような反応活性)が極端に低いことに起因する。
【0070】
また、加水分解及び縮合反応において酸触媒や塩基触媒を用いる場合には、上記理由により、酸・塩基の除去工程や中和工程を経る必要がある。これらの工程は、煩雑であったり、収率を低下させたりする為、好ましくない。これらの問題に対しても、中性塩触媒を用いることは、これらの工程を必要としない為、好ましい。
【0071】
本発明で用いられる中性塩とは、強酸と強塩基とからなる正塩のことであり、例えば、カチオンとして第一族元素イオン、第二族元素イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、及びグアニジウムイオンよりなる群から選ばれるいずれかと、アニオンとしてフッ化物イオンを除く第十七族元素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、及び過塩素酸イオンよりなる群から選ばれるいずれかとの組合せからなる塩のことである。
【0072】
本発明における中性塩の具体的な化合物としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化フランシウム、塩化ベリリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化ラジウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラプロピルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラペンチルアンモニウム、塩化テトラヘキシルアンモニウム、塩化グアニジウム;
臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、臭化フランシウム、臭化ベリリウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウム、臭化ラジウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラプロピルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化テトラペンチルアンモニウム、臭化テトラヘキシルアンモニウム、臭化グアニジウム;
ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化フランシウム、ヨウ化ベリリウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ストロンチウム、ヨウ化バリウム、ヨウ化ラジウム、ヨウ化テトラメチルアンモニウム、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラペンチルアンモニウム、ヨウ化テトラヘキシルアンモニウム、ヨウ化グアニジウム;
硫酸リチウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸ルビジウム、硫酸セシウム、硫酸フランシウム、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸ラジウム、硫酸テトラメチルアンモニウム、硫酸テトラエチルアンモニウム、硫酸テトラプロピルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、硫酸テトラペンチルアンモニウム、硫酸テトラヘキシルアンモニウム、硫酸グアニジウム;
硝酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ルビジウム、硝酸セシウム、硝酸フランシウム、硝酸ベリリウム、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウム、硝酸ラジウム、硝酸テトラメチルアンモニウム、硝酸テトラエチルアンモニウム、硝酸テトラプロピルアンモニウム、硝酸テトラブチルアンモニウム、硝酸テトラペンチルアンモニウム、硝酸テトラヘキシルアンモニウム、硝酸グアニジウム;
過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ルビジウム、過塩素酸セシウム、過塩素酸フランシウム、過塩素酸ベリリウム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩素酸ストロンチウム、過塩素酸バリウム、過塩素酸ラジウム、過塩素酸テトラメチルアンモニウム、過塩素酸テトラエチルアンモニウム、過塩素酸テトラプロピルアンモニウム、過塩素酸テトラブチルアンモニウム、過塩素酸テトラペンチルアンモニウム、過塩素酸テトラヘキシルアンモニウム、過塩素酸グアニジウム、等が挙げられる。これら中性塩は、単独でも使用することができるし、2種以上を組合せ使用することもできる。
【0073】
これら中性塩の中でも、触媒として用いるという観点から、アニオンとしては求核性が高い第十七族元素イオンがより好ましく、カチオンとしては、求核作用を阻害しないように、嵩高くないことが求められ、第一族元素イオン、第二族元素イオンがより好ましい。更に、入手性、取扱い時の安全性を考慮すると、中性塩としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化ルビジウム、臭化セシウム、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化ルビジウム、ヨウ化セシウム、ヨウ化マグネシウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化ストロンチウムが特に好ましい。
【0074】
本発明においては、中性塩の使用量が多い程、シラン化合物の加水分解及び縮合反応は促進されるが、縮合物の透明性や精製工程などを考慮した際には、添加量(中性塩の使用量)は少ない程よい。
【0075】
本発明における中性塩の使用量は、シラン化合物の加水分解性シリル基1モルに対して、0.000001モル以上0.1モル以下が好ましく、0.000001モル以上0.01モル以下がより好ましく、0.000005モル以上0.05モル以下が特に好ましく、0.000005モル以上0.01モル以下が最も好ましい。
【0076】
本発明の縮合物(A)の製造において、加水分解及び縮合反応に必要な水の量は、ケイ素原子に直接結合したOR
3基に対して0.4〜20当量が好ましく、0.45〜3当量がより好ましく、0.45〜2当量がさらに好ましい。
【0077】
水の量が0.4当量未満では、OR
3基の一部が加水分解せずに残存してしまう場合がある。水の量が20当量を超えると、加水分解及び縮合反応の速度が大きすぎて高分子量の縮合物が生成され、塗膜の物性、透明性を低下させる場合がある。
【0078】
本発明の縮合物(A)の製造においては、製造上の安全性を考慮し、希釈溶剤、加水分解により発生するアルコール、等を還流しながら、製造を行うことが好ましい。
【0079】
本発明の縮合物(A)の製造において用いられる希釈溶剤は、アルコールまたはエーテル化合物を指し、更に水溶性であることが好ましい。
【0080】
その理由としては、本発明において用いるシラン化合物(I)、(II)は、中性塩や加水分解に用いる水との相溶性が低いものが多い為、反応を円滑に進める上で、反応溶液としては相溶していることが好ましい為である。
【0081】
これに対して、ケトンやエステル系の溶剤は、カルボニル基を有し、反応を阻害しやすい為、適切ではない。
【0082】
本発明の縮合物(A)の製造において用いられる希釈溶剤の沸点としては、40℃以上200℃以下が好ましく、50℃以上200℃以下がより好ましく、60℃以上250℃以下がさらにより好ましく、60℃以上230℃以下が特に好ましい。
【0083】
希釈溶剤の沸点が40℃未満では、低温で希釈溶剤が還流状態となって、反応の妨げとなる傾向がある。希釈溶剤の沸点が200℃超では、沸点が高すぎて反応後に希釈溶剤を取り除くことが困難となる為、分液抽出等の煩雑な工程を組み込むことが必要となる場合がある。
【0084】
本発明の縮合物(A)製造において用いられる希釈溶剤の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテルなどが挙げられる。これら希釈溶剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0085】
本発明における希釈溶剤の使用量は、水および希釈溶剤の合計量として、シラン化合物(I)および(II)の合計量が、シラン化合物(I)および(II)と、水および希釈溶剤との合計量に対して20質量%以上90質量%以下であることが好ましく、30質量%以上80質量%以下がより好ましく、40質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。
【0086】
希釈溶剤の使用量が多すぎると、反応系中におけるシラン化合物の濃度が低下し、反応速度が低下することが懸念される。一方で、水とシラン化合物との相溶性を向上させたり、反応の進行に伴う系中の粘度上昇を抑えて反応速度の低下を抑制する効果も期待できる為、適切な量を選択することが重要である。
【0087】
本発明の縮合物(A)の製造における反応温度は、40〜200℃の範囲が好ましく、50〜250℃の範囲がより好ましく、60〜230℃の範囲がさらに好ましい。
【0088】
反応温度が40℃よりも低いと、中性塩の触媒活性が低下し、反応時間が大幅に増加する傾向があり、反応温度が200℃よりも高い場合には、有機置換基が副反応を起こして失活してしまう懸念がある。
【0089】
<(B)エポキシ基を硬化せしめる硬化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤、すなわち、本発明に係る硬化性組成物が含有する硬化剤(B)としては、特に制限はなく、一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。
好ましい硬化剤としては、例えば、酸無水物系硬化剤、カチオン重合開始剤、有機リン化合物、アミン系硬化剤、第3級アミン等が挙げられる。
【0090】
硬化剤(B)が縮合物(A)中におけるエポキシ基の重合を促す硬化剤(当該エポキシ基を重合せしめる硬化剤。以降、「重合型硬化剤」と称する場合がある。)である場合には、上記硬化性組成物における硬化剤(B)の含有量は、縮合物(A)100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0091】
エポキシ基の重合を促す硬化剤(重合型硬化剤)の使用量が縮合物(A)100重量部に対して0.5重量部より少ない場合には、エポキシ基の重合が十分に進行しない場合があり、10重量部より多い場合には、重合開始点が増えることに起因し、エポキシ基の重合が十分に進行しない場合がある。また、上記使用量が縮合物(A)100重量部に対して10重量部より多い場合は、重合開始点として作用せずに可塑剤として塗膜内に残存する場合もある。
【0092】
硬化剤(B)が活性水素を有しており、縮合物(A)中におけるエポキシ基と付加反応する硬化剤である(以降、「付加型硬化剤」と称する場合がある。)場合、すなわち、上記硬化剤(B)がエポキシ基に対して付加することでエポキシ基を硬化せしめる硬化剤の場合には、上記硬化性組成物における硬化剤(B)の含有量は、縮合物(A)100重量部に対して10〜150重量部が好ましく、30〜150重量部がより好ましい。
【0093】
エポキシ基と付加反応する硬化剤(付加型硬化剤)の配合量が縮合物(A)100重量部に対して10重量部より少ない場合には、硬化が十分に進行しない場合があり、150重量部より多い場合には、硬化剤が過剰で、エポキシ基の架橋は十分に進行するものの、残存する硬化剤(B)が可塑剤となり、架橋密度が十分に高くならない場合がある。
【0094】
以下に、酸無水物系硬化剤、カチオン重合開始剤、有機リン化合物、および、その他の使用可能な硬化剤の詳細に関して、記す。
【0095】
(b−1)酸無水物系硬化剤
本発明におけるエポキシ基を硬化せしめる硬化剤としては、耐熱性の観点から、酸無水物系硬化剤が好ましい。なお、酸無水物系硬化剤は、重合型及び付加型の複合型硬化剤に分類される。
【0096】
酸無水物系硬化剤としては、例えば、フタル酸無水物、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルハイミック酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、ヘット酸無水物、ナジック酸無水物、メチルナジック酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が挙げられる。
【0097】
これら酸無水物硬化剤は、単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせ及び配合量にて用いてもよい。
【0098】
酸無水物系硬化剤を用いる場合には、縮合物(A)中のエポキシ基に対する硬化剤中の官能基の当量比が、0.5〜10の範囲となるように用いることが好ましい。当量比が0.5〜110の範囲内であると、未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなる為、好ましい。
【0099】
(b−2)カチオン重合開始剤
本発明におけるエポキシ基を硬化せしめる硬化剤としては、得られる硬化物の耐摩耗性、耐薬品性等の物性の観点から、カチオン重合開始剤が好ましい。なお、カチオン重合開始剤は、重合型硬化剤に分類される。
【0100】
カチオン重合開始剤としては、熱によりカチオン種および/またはルイス酸を発生する熱カチオン重合開始剤、光によりカチオン種および/またはルイス酸を発生する光カチオン重合開始剤等が挙げられる。なお、熱カチオン重合開始剤と光カチオン重合開始剤との間には明確な区分はなく、熱及び光のいずれに対しても硬化剤として作用するものもある。本明細書では、エポキシ基をカチオン重合せしめ、カチオン種および/またはルイス酸を発生させるカチオン重合開始剤を、酸発生剤とも称する。本発明において、硬化剤(B)は、エポキシ基をカチオン重合せしめる酸発生剤であってもよい。
【0101】
熱カチオン重合開始剤としては、例えば、ジアゾニウム塩、スルホニウム塩、アンモニウム塩、ピリジニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩等のオニウム塩系カチオン重合開始剤;アルミニウム錯体とシラノール化合物との組み合わせ、アルミニウム錯体とビスフェノールSとの組み合わせ等のアルミニウム錯体複合系カチオン重合開始剤、等が挙げられる。
【0102】
熱カチオン重合開始剤として、より具体的には、例えばジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム・トリスペンタフルオロフェニ
ルボレート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム・トリスペンタフルオロフェニ
ルボレート、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリセカンダリーブトキシド、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネートなどを挙げることができる。
【0103】
光カチオン重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩等が挙げられる。光カチオン重合開始剤は、活性エネルギー線が照射された上記硬化性組成物のエポキシ基を硬化せしめる硬化剤に該当する。
【0104】
光カチオン重合開始剤として、より具体的には、例えばジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウム・トリスペンタフルオロフェニ
ルボレート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルスルホニウム・ヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウム・トリスペンタフルオロフェニ
ルボレート、ビス(ターシャリーブチルスルフォニル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
【0105】
カチオン重合開始剤は、市販品として入手することができる。例えば、3M社製FC−520、ユニオン・カーバイド社製UVR−6990、UVR−6974、ジェネラルエレクトリック社製UVE−1014、UVE−1016、デグッサ社製KI−85、旭電化(株)製SP−15、SP−170、三新科学工業(株)製SI−60L、SI−80L、SI−100L(以上、熱カチオン重合開始剤)、サンアプロ(株)製CPI−100P、CPI−101A、CPI−200K、CPI−200S、和光純薬工業(株)製WPI−124、WPI−113、WPI−116、WPI−169、WPI−170、WPI−124、ローディア社製ロードシル2074(以上、光カチオン重合開始剤)、等が挙げられる。
【0106】
これらカチオン重合開始剤の中でも、オニウム塩が、取り扱い性の観点から好ましい。更に、オニウム塩の中でも、ジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩が特に好ましい。
【0107】
カチオン重合開始剤である硬化剤(B)は、トリフェニルスルホニウム基、ジフェニルスルホニウム基、及びジフェニルヨードニウム基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する化合物であることも、有機樹脂・溶剤への溶解性および/または紫外線吸収能に優れるという理由で好ましい。当該化合物としては、例えばジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロフォスフェート等を挙げることができる。
【0108】
以上述べたこれらカチオン重合開始剤は、単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせ及び配合量にて用いてもよい。
【0109】
カチオン重合開始剤の添加量は、生成する酸の発生量、発生速度に応じて調整が必要だが、縮合物(A)(固形分)100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0110】
カチオン重合開始剤の添加量が、縮合物(A)(固形分)100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲内であると、エポキシ樹脂硬化物の耐摩耗性、耐薬品性が良好となる為に、好ましい。
【0111】
更に、フルオロフォスフェート系、フルオロアンチモネート系、またはフルオロボレート系などの超強酸を用いたカチオン開環重合で硬化させた際には、その酸強度の高さからエポキシ基の重合が速やかに進行し、耐摩耗性、耐薬品性の高い硬化物が得られる。更に、特異的に硬化膨張することもある。
【0112】
(b−3)有機リン化合物
本発明におけるエポキシ基を硬化せしめる硬化剤としては、硬化反応の促進の観点から、有機リン化合物が好ましい。なお、有機リン化合物は、重合型硬化剤に分類される。
【0113】
有機リン化合物としては、例えば、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類;メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等のホスホニウム塩、等が挙げられる。
【0114】
これら有機リン化合物は、単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせ及び配合量にて用いてもよい。
【0115】
有機リン化合物の添加量は、生成する酸の発生量、発生速度に応じて調整が必要だが、縮合物(A)(固形分)100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0116】
(b−4)アミン系硬化剤
本発明におけるエポキシ基を硬化せしめる硬化剤としては、入手しやすさとコストの観点から、アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く)が好ましい。なお、アミン系硬化剤は、付加型硬化剤に分類される。
【0117】
アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く)の例としては、例えば、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類等が挙げられる。
【0118】
脂肪族アミン類としては、例えば、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、等が挙げられる。
【0119】
ポリエーテルアミン類としては、例えば、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が挙げられる。
【0120】
脂環式アミン類としては、例えば、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が挙げられる。
【0121】
芳香族アミン類としては、例えば、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、2,4−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチ
ルフェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。
【0122】
これらアミン系硬化剤は、単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせ及び配合量にて用いてもよい。
【0123】
アミン系硬化剤は、縮合物(A)(固形分)100重量部に対して、10〜150重量部が好ましく、30〜150重量部がより好ましい。
【0124】
(b−5)第3級アミン
本発明におけるエポキシ基を硬化せしめる硬化剤としては、入手しやすさとコストの観点から、第3級アミンが好ましい。なお、3級アミンは、重合型硬化剤に分類される。
【0125】
第3級アミンとしては、例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、等が挙げられる。
【0126】
これらの第3級アミンは、単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせ及び配合量にて用いてもよい。
【0127】
第3級アミンは、縮合物(A)(固形分)100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
【0128】
(b−6)その他の硬化剤
本発明におけるエポキシ基を硬化せしめる硬化剤として、酸無水物系硬化剤、カチオン重合開始剤、有機リン化合物、アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)、第3級アミン等を挙げることができる。それら以外の硬化剤としては、例えば、アミド系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール類、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤、等が挙げられる。
【0129】
これらその他の硬化剤は、単独で用いても良いし、2種以上を任意の組み合わせ及び配合量にて用いてもよい。
【0130】
<(C)金属酸化物微粒子>
本発明のエポキシシラン縮合物を用いた硬化性組成物には、必要に応じて、金属酸化物微粒子(C)を使用することができる。金属酸化物
微粒子(C)を配合することにより、塗膜の耐摩耗性がさらに向上する場合がある。
【0131】
金属酸化物微粒子(C)としては、例えば、シリカ(SiO
2)、アルミナ(Al
2O
3)、酸化スズ(SnO
2)、ジルコニア(ZrO
2)、酸化亜鉛(ZnO)、チタニア(TiO
2)、ITO(スズ・酸化インジウム)、酸化アンチモン(Sb
2O
3、Sb
2O
5)、及びこれらの複合微粒子等を挙げることができる。
【0132】
これらの中でも、高硬度の観点から、シリカ、アルミナ、ジルコニアおよび酸化アンチモンが好ましい。特に、シリカ微粒子およびアルミナ微粒子が、入手のしやすさやコスト、表面硬度などから好ましく、シリカ微粒子が特に好ましい。これら金属酸化物微粒子は、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0133】
このような金属酸化物微粒子(C)は、粉体状または溶剤分散ゾルであることが好ましい。金属酸化物微粒子(C)が溶剤分散ゾルである場合、他の成分との相溶性、分散性の観点から、分散媒は、有機溶剤であることが好ましい。このような有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、δ−ブチロラクトン等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。これらの中でも、アルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。
【0134】
金属酸化物微粒子(C)の平均粒子径(平均一次粒子径)は、100nm以下であることが好ましく、より好ましくは40nm以下であり、特に好ましくは20nm以下である。金属酸化物微粒子(C)の平均粒子径が100nmを超えると、得られる塗膜の透明性が損なわれる傾向がある。なお、上記平均粒子径は、JIS Z 8330:2013に基づき、BET吸着法によって測定することができる。
【0135】
市販されているシリカ微粒子分散品としては、例えば、コロイダルシリカとして、メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、MIBK−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等(以上、日産化学工業株式会社製)、OSCALシリーズ、ELECOMシリーズ(以上、日揮触媒化成株式会社製)等が挙げられる。
【0136】
市販されている粉体シリカとしては、例えば、アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50等(以上、日本アエロジル株式会社製)、シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122等(以上、旭硝子株式会社製)、E220A、E220等(以上、日本シリカ工業株式会社製)、SYLYSIA470(富士シリシア株式会社製)、SGフレ−ク(日本板硝子株式会社製)等が挙げられる。
【0137】
市販されているアルミナ微粒子分散品としては、例えば、NANOBYK−3601、NANOBYK−3602、NANOBYK−3610等(以上、ビックケミー・ジャパン株式会社製)、アルミナのイソプロパノール分散品としては、AS−150I等(住友大阪セメント株式会社製)、アルミナのトルエン分散品としては、AS−150T(住友大阪セメント株式会社製)、ジルコニアのトルエン分散品としては、HXU−110JC(住友大阪セメント株式会社製)、アルミナ、チタニア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化亜鉛等の粉末及び溶剤分散品としては、商品名ナノテック(シーアイ化成株式会社製)等を挙げることができる。
【0138】
これらの中でも、ELECOM V−8802およびELECOM V−8804(以上、日揮触媒化成株式会社製)は、塗液中の微粒子の分散性が高く、得られる塗膜の透明性や硬度、耐摩耗性がより向上する為、好ましい。
【0139】
金属酸化物
微粒子(C)の使用量は、縮合物(A)100重量部に対して、0〜100重量部が好ましく、さらに好ましくは0〜50重量部である。金属酸化物
微粒子(C)の使用量が100重量部を超えると、塗膜を形成できない場合や塗膜の透明性が低下する場合がある。金属酸化物微粒子(C)は、塗膜の強度に悪影響を与えない為、縮合物(A)と共に存在しても問題ない。
【0140】
縮合物(A)および金属酸化物微粒子(C)の固形分濃度の合計は、基材との密着性の観点から、本発明に係る硬化性組成物の固形分重量を100重量%として、30重量%以上80重量%以下が好ましく、40重量%以上80重量%以下がより好ましく、50重量%以上80重量%以下がさらにより好ましく、60重量%以上80重量%以下が特に好ましい。縮合物(A)および金属酸化物微粒子(C)の固形分濃度の合計が30重量%以上80重量%以下の範囲では、得られる塗膜と基材との密着性が改善される。
【0141】
<光増感剤(D)>
本発明の硬化性組成物において、硬化剤(B)が光酸発生剤である場合には、光酸発生剤の感光性を向上させる目的で、必要に応じて、光増感剤(D)を用いることができる。光増感剤(D)は、使用する光酸発生剤では吸収できない波長域の光を吸収できるものがより効率的である為、光酸発生剤の吸収波長域との重なりが少ないものがよい。
【0142】
光増感剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、アントラセン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体、アントラキノン誘導体、ベンゾイン誘導体等が挙げられる。
【0143】
これらの中でも、酸化電位が低く、電子移動に関与する一重項あるいは三重項状態の励起エネルギーの高いものが理想的であり、光誘起電子供与性の観点から、アントラセン誘導体、チオキサントン誘導体およびベンゾフェノン誘導体が好ましい。
【0144】
より詳しくは、9,10−ジアルコキシアントラセン、2−アルキルチオキサントン、2,4−ジアルキルチオキサントン、2−アルキルアントラキノン、2,4−ジアルキルアントラキノン、p,p’−アミノベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アルコキシベンゾフェノン、ベンゾインエーテル等が挙げられる。
【0145】
さらに、具体的には、アントロン、アントラセン、9,10−ジフェニルアントラセン、9−エトキシアントラセン、ピレン、ペリレン、コロネン、フェナントレン、ベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイル安息香酸ブチル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−i−ブチルエーテル、9−フルオレノン、アセトフェノン、p,p’−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p’−テトラエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フェノチアジン、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ピクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3’−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン等が挙げられる。これら光増感剤は、単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0146】
光増感剤(D)を使用する場合の添加量は、目的とする硬化速度に応じて適宜調整すればよいが、光酸発生剤100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.5重量部以上がより好ましく、また、10重量部以下が好ましく、5重量部以下がより好ましい。
【0147】
光増感剤(D)の添加量が0.1重量部未満では、目的とする光増感剤の効果が得られにくい傾向があり、10重量部を超えると、塗膜が着色したり、コストアップに繋がる傾向がある。
【0148】
<硬化性組成物>
本発明の硬化性組成物は、上記(A)、(B)成分を含有し、必要により(C)、(D)成分を含有するが、物性を調整する為に、さらに各種の添加剤を適宜配合してもよい。例えば、無機フィラー、無機顔料・有機顔料、可塑剤、分散剤、湿潤剤、増粘剤、消泡剤などの通常塗料に用いられる添加剤を添加することができる。
【0149】
無機フィラーとしては、各種のものが用いられるが、例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機フィラー、アルミナ、ジルコン、酸化チタン、酸化亜鉛、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等を始めとして、エポキシ系封止材等の従来の封止材の充填材として一般に使用、あるいは/および、提案されている無機フィラー等を挙げることができる。
【0150】
本発明の硬化性組成物あるいは硬化物を発光ダイオード用のリフレクター、反射板等に使用する場合には、白色フィラーとしては酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、黒色フィラーとしては、黒鉛、カーボンブラック、グラファイトが好ましい。
【0151】
さらに、発光ダイオード用のリフレクターに使用する場合には、リードフレーム(主に銅に銀メッキしたものが用いられる)との接着性確保、反り抑制、内部応力低減の点からは、上記硬化性組成物あるいは硬化物と、無機フィラーとの線膨張率を合わせた方が良く、そのためにはシリカ類を併用するのが好ましい。
【0152】
無機フィラーは、適宜、表面処理されていてもよい。表面処理方法としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、カップリング剤による処理、等が挙げられる。
【0153】
カップリング剤の例としては、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、分子中に有機基と反応性のある官能基と加水分解性のケイ素基を各々少なくとも1個有する化合物であれば、特に限定されない。有機基と反応性のある基としては、取扱い性の点からエポキシ基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ばれる少なくとも1個の官能基が好ましく、硬化性及び接着性の点から、エポキシ基、メタクリル基、アクリル基が特に好ましい。加水分解性のケイ素基としては、取扱い性の点からアルコキシシリル基が好ましく、反応性の点からメトキシシリル基、エトキシシリル基が特に好ましい。
【0154】
好ましいシランカップリング剤としては、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ官能基を有するアルコキシシラン類;3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシラン等のメタクリル基あるいはアクリル基を有するアルコキシシラン類、等が挙げられる。
【0155】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物(本発明に係る硬化性組成物)には、溶剤を配合することができる。溶剤として特に制限はないが、使用する基材がプラスチックの場合には、基材の耐溶剤性が低いことが多いため、メチルイソブチルケトンやジイソブチルケトンなどのケトン類、ブタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール類、酢酸ブチルや酢酸イソプロピルなどのエステル類、ジエチレングリコールメチルエーテルやプロピレングリコールメチルエーテルなどのエーテル類が好ましい。特に、エーテル系溶剤を全溶剤の30重量%以上使用することが、基材を傷めない点で好ましい。
【0156】
溶剤の配合量としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成分の総量100重量部に対して、0〜300重量部が好ましく、0〜150重量部がより好ましい。溶剤の配合量が300重量部より多くなると、上記のごとく基材を傷める可能性がある為、好ましくない。
【0157】
本発明の活性エネルギー線硬化性組成物の調製方法としては、特に限定はなく、例えば、上記の成分を配合し、必要であれば遮光して、ハンドミキサーやスタティックミキサーで混合すること、プラネタリーミキサーやディスパー、ロール、ニーダーなどを用いて、常温又は加熱下で混練すること、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合すること、等の通常の方法が挙げられる。
【0158】
<硬化物>
本発明の硬化物には、活性エネルギー線硬化性組成物を硬化させて得られるものが含まれる。つまり、本発明に係る硬化物は、本発明に係る硬化性組成物を硬化した物である。
【0159】
硬化させる際に照射する活性エネルギー線としては、可視光、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、δ線などを挙げることができるが、反応速度が速く、活性エネルギー線発生装置が比較的安価であるという点からは、紫外線が最も好ましい。
【0160】
活性エネルギー線の照射量としては、50〜10,000mJ/cm
2の積算光量が好ましく、100〜2,000mJ/cm
2の積算光量がより好ましい。
活性エネルギー線の照射量が50mJ/cm
2未満の場合、光量が少ないために硬化に時間がかかり、生産性が悪くなる場合がある。一方、活性エネルギー線の照射量が10,000mJ/cm
2を超える場合、綺麗に硬化しなかったり、基材を傷める場合がある。
【0161】
本発明の硬化物には、熱硬化性組成物を硬化させて得られるものも含まれる。その際、硬化温度には特に限定はなく、通常200℃以下が好ましく、150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。200℃より高温で硬化させる場合、縮合物(A)中の有機成分が分解される懸念がある。
【0162】
本発明の硬化性組成物あるいは硬化物は、種々の用途に用いることができる。従来のエポキシ樹脂硬化性組成物が使用される各種用途に応用することが可能である。
【0163】
例えば、透明材料、光学材料、光学レンズ、光学フィルム、光学シート、光学部品用接着剤、光導波路結合用光学接着剤、光導波路周辺部材固定用接着剤、DVD貼り合せ用接着剤、粘着剤、ダイシングテープ、電子材料、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、高電圧絶縁材料、層間絶縁膜、絶縁用パッキング、絶縁被覆材、接着剤、高耐熱性接着剤、高放熱性接着剤、光学接着剤、LED素子の接着剤、各種基板の接着剤、ヒートシンクの接着剤、塗料、UV粉体塗料、インク、着色インク、UVインクジェット用インク、コーティング材料(ハードコート、シート、フィルム、剥離紙用コート、光ディスク用コート、光ファイバ用コート等を含む)、成形材料(シート、フィルム、FRP等を含む)、シーリング材料、ポッティング材料、封止材料、発光ダイオード用封止材料、発光ダイオード用のリフレクター・反射板、光半導体封止材料、液晶シール剤、表示デバイス用シール剤、電気材料用封止材料、太陽電池の封止材料、高耐熱シール材、レジスト材料、液状レジスト材料、着色レジスト、ドライフィルムレジスト材料、ソルダーレジスト材料、カラーフィルター用材料、光造形、電子ペーパー用材料、ホログラム用材料、太陽電池用材料、燃料電池用材料、表示材料、記録材料、防振材料、防水材料、防湿材料、熱収縮ゴムチューブ、オーリング、複写機用感光ドラム、電池用固体電解質、ガス分離膜に応用できる。また、コンクリート保護材、ライニング、土壌注入剤、蓄冷熱材、滅菌処理装置用シール材、コンタクトレンズ、酸素富化膜の他、他樹脂等への添加剤等が挙げられる。
【0164】
<積層体>
本発明の硬化性組成物を用いて、積層体を製造することができる。
【0165】
本発明の積層体は、本発明の硬化性組成物を基材に塗布する工程、及び、活性エネルギー線や熱源を用いて当該硬化性組成物を硬化させ、硬化被膜を形成する工程を含む製造方法により得られる。
【0166】
つまり、本発明に係る積層体は、基材の表面に積層された本発明に係る硬化性組成物を硬化した物である。
【0167】
本発明において、基材としては特に限定されず、後述する各種基材を使用することができる。
【0168】
本発明の積層体は、パソコンやスマートフォン、タブレット等の前面板、自動車等の窓ガラス、自動車等のランプの保護具材、フィルム等に好適に使用できる。
【0169】
本発明の硬化性組成物は、例えば、金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系基材、プラスチック、フィルム、シート、木材、紙、繊維、等からなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用できる。さらに、フィルムやシートなど剛性の低い基材に対しては、本発明の硬化物が低硬化収縮であることから、積層フィルム等の積層体の反り発生が抑えられ、積層フィルム等の積層体の他の部材との密着性が確保しやすいことや、真空成形等での成型性に優れることなどの観点から、より好適に使用できる。
【0170】
活性エネルギー線の照射による硬化においては、硬化時に高熱を必要としないという点を生かすという観点から、基材としては樹脂性基材が好ましく、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以降、「PET」と称する)樹脂、等のプラスチック、フィルム、シート等の基材が挙げられる。
【0171】
アクリル樹脂基材としては、例えば、スミペックス、テクノロイ(以上、住化アクリル販売株式会社製)、アクリプレン、アクリライト(以上、三菱レイヨン株式会社製)、パラグラス、コモグラス(以上、株式会社クラレ製)、デラグラス、デラプリズム(以上、旭化成テクノプラス株式会社製)、カナセライト(カナセ工業株式会社製)等が挙げられる。
【0172】
ポリカーボネート樹脂基材としては、例えば、カーボグラス(旭硝子株式会社製)、アイリスポリカシート(アイリスシンヨー株式会社製)、ユーピロン(三菱ガス化学株式会社製)、パンライト(帝人化成株式会社製)、ポリカーボネートプレート(タキロン株式会社製)、ポリカエース(住友ベークライト株式会社製)、ポリカプレート(積水成型工業株式会社製)、PCミラー(株式会社菱晃製)等が挙げられる。
【0173】
PET樹脂基材としては、例えば、ペットエース(住友ベークライト製)、エステラ、エステラ・スーパー(積水成型工業株式会社製)、ペテルス(三菱樹脂株式会社製)、ペテック(タキロン株式会社製)、ミネロン(ミネロン化成工業株式会社製)、ポリテックA−PETシート(ポリテック株式会社製)、A−PET樹脂シート(帝人化成株式会社製)、ルミラー(東レ株式会社製)、コスモシャイン(東洋紡株式会社製)等が挙げられる。
【0174】
本発明における塗膜厚みとしては、1〜100μmであることが好ましい。塗膜厚みが1μm未満では、プラスチック、フィルム、シート等の基材自体の硬度の影響を受けやすく、十分な硬度が得られない傾向があり、塗膜厚みが100μmを超えると、活性エネルギー線が深部まで到達せずに硬化が遅くなる傾向がある。但し、塗膜厚みを100μm以上とする場合には、数回に分けて、塗装と活性エネルギー線の照射を繰り返す方法を採用することが好ましい。
【0175】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【0176】
なお、本発明は以下のように構成することも可能である。
【0177】
〔1〕下記一般式(I):
R
1−(SiR
2a(OR
3)
3−a) (I)
(式中、R
1は末端がエポキシ構造含有基で置換された炭素数1〜10のアルキル基であり、R
2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基であり、R
3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。aは0〜2の整数である。)で表される、加水分解性シリル基を有するシラン化合物(I)、及び、
下記一般式(II):
R
4−(SiR
2a(OR
3)
3−a) (II)
(式中、R
4は炭素数1〜10の置換若しくは非置換のアルキル基、アルケニル基、並びに、置換アリール基から選ばれ、エポキシ構造含有基を有さない基である。R
2はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜25のアリール基及び炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれる1価の炭化水素基であり、R
3はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。aは0〜2の整数である。)で表される、加水分解性シリル基を有するシラン化合物(II)を、
シラン化合物(I)に対するシラン化合物(II)のモル比を9以下として中性塩触媒下で加水分解・縮合させて得られる重量平均分子量30,000以下の縮合物(A)および、
エポキシ基を硬化せしめる硬化剤(B)を含有し、
縮合物(A)の原料であるシラン化合物(I)および(II)が有するケイ素原子に直接結合したOR
3基のモル数Xに対する、縮合物(A)が有するケイ素原子に直接結合したOR
3基のモル数Yの比Y/Xが0.2以下であることを特徴とする硬化性組成物。
【0178】
〔2〕中性塩が、カチオンとして第一族元素イオン、第二族元素イオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、グアニジウムイオンよりなる群から選ばれるいずれかと、アニオンとしてフッ化物イオンを除く第十七族元素イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオンよりなる群から選ばれるいずれかとの組合せからなる塩であることを特徴とする、〔1〕に記載の硬化性組成物。
【0179】
〔3〕中性塩(A)が、カチオンとして第一族元素イオン、第二族元素イオンよりなる群から選ばれるいずれかと、アニオンとして塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンよりなる群から選ばれるいずれかとの組合せからなる塩であることを特徴とする、〔1〕または〔2〕に記載の硬化性組成物。
【0180】
〔4〕硬化剤(B)がエポキシ基をカチオン重合せしめる酸発生剤である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0181】
〔5〕硬化剤(B)が、フルオロフォスフェート基、フルオロアンチモネート基、フルオロボレート基を含む化合物であることを特徴とする、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0182】
〔6〕更に、平均粒子径が100nm以下の金属酸化物微粒子(C)を含有することを特徴とする、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0183】
〔7〕金属酸化物微粒子(C)がシリカ微粒子であることを特徴とする、〔6〕に記載の硬化性組成物。
【0184】
〔8〕縮合物(A)100重量部に対して、硬化剤(B)がエポキシ基を重合せしめる硬化剤の場合には、縮合物(A)100重量部に対して0.5〜10重量部、エポキシ基に対して付加することで硬化せしめる硬化剤の場合には10〜150重量部含有し、金属酸化物微粒子(C)を0〜150重量部含有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0185】
〔9〕硬化剤(B)がトリフェニルスルホニウム基、ジフェニルスルホニウム基、ジフェニルヨードニウム基よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する化合物であることを特徴とする、〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0186】
〔10〕硬化剤(B)が活性エネルギー線を照射することでエポキシ基を硬化せしめることを特徴とする、〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の硬化性組成物。
【0187】
〔11〕〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の硬化性組成物を硬化させて得られることを特徴とする、硬化物。
【0188】
〔12〕〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の硬化性組成物を基材に塗布する工程、硬化させ、硬化被膜を形成する工程を含むことを特徴とする、積層体の製造方法。
【0189】
〔13〕〔12〕に記載の製造方法により得られることを特徴とする、積層体。
【実施例】
【0190】
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0191】
実施例・比較例で用いた物質は、以下のとおりである。
○加水分解性シリル基を有するシラン化合物(I)
A−186:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、分子量246.3
A−187:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、分子量236.3
○加水分解性シリル基を有するシラン化合物(II)
A−174:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、分子量248.4
A−171:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ビニルトリメトキシシラン、分子量148.2
A−1630:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、メチルトリメトキシシラン、分子量136.2
A−189:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、分子量196.3
KBM−5103:信越化学工業株式会社製、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、分子量234.3
○中性塩
塩化マグネシウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量95.2)
塩化ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、特級、分子量58.4)
○エポキシ硬化剤(B)(エポキシ基を硬化せしめる硬化剤(B))
ピロ
メリット酸無水物:東京化成工業株式会社製、分子量218.2
CPI−101A:サンアプロ株式会社製、トリアリールスルホニウム・SbF6塩
ヘキサメチレンジアミン:東京化成工業株式会社製、分子量116.2
ベンジルジメチルアミン:東京化成工業株式会社製、分子量135.1
○希釈溶剤
PGME:1−メトキシ−2−プロパノール(株式会社ダイセル製、分子量90)
メタノール:三菱ガス化学株式会社製、分子量32
○その他
HCl:塩酸(和光純薬工業株式会社製、0.01モル/L)
ギ酸:和光純薬工業株式会社製、0.01モル/L
TEA:トリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製、分子量101.2)
2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン:東京化成工業株式会社製、分子量164.2
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(新中村化学工業株式会社製、分子量578)
V−8804:オルガノシリカゾルのPGME分散液(日揮触媒化成株式会社製、不揮発分40%)
合成例で得られた縮合物に対する評価は、以下のとおりである。
【0192】
(ケイ素に直接結合したOR基の定量)
以下の方法により、反応前後のシラン化合物中のケイ素に直接結合したOR基を測定して、Y/X比を算出した。日本電子製JNM−LA400を用いて、重アセトンを溶媒として
1H−NMRおよび
29Si−NMR測定を行った。
【0193】
(重量平均分子量の測定)
重量平均分子量は、GPCで測定した。すなわち、送液システムとして東ソー(株)製HLC−8220GPCを用い、カラムとして東ソー(株)製TSK−GEL Hタイプを用い、溶媒としてTHFを用い、ポリスチレン換算で算出した。
【0194】
(エポキシ基の残存性評価)
得られた縮合物に対して、日本電子製JNM−LA400を用いて、重アセトンを溶媒として
1H−NMR測定を行った。結果は「残存エポキシ率」として表1に示した。
【0195】
実施例・比較例で得られた試験片に対する物性評価は、以下のとおりである。なお、試験片に対する評価は、硬化後、室温で7日間静置した後に、測定した。
【0196】
(密着性)
硬化塗膜上に1mm間隔のクロスカット10×10の100マスとなるようにカッターで切り込みを入れ、切り込み上にニチバン製セロハンテープ(登録商標)を貼り付け、90度上方に勢い良く剥離させ、基材から硬化塗膜が剥がれないか目視にて観察した。完全に密着している場合を100点、完全に剥離した場合を0点とし、1マス当り1点で点数評価した。
【0197】
(耐摩耗性)
マイズ試験機製テーバー式アブレーションテスター(磨耗輪CS−10F使用)を用いて硬化皮膜の磨耗試験(500gf荷重500回転)を行い、磨耗試験前後の硬化皮膜の濁度を、ヘーズメーターを用いて測定し、〔磨耗試験後の濁度−磨耗試験前の濁度〕の値をΔHazeとした(ΔHazeは15以下の場合に耐磨耗性は良好である)。
【0198】
(硬度)
JIS K5600に準拠して、鉛筆硬度を評価した。鉛筆硬度試験は、6B〜9Hまでの硬さの異なる鉛筆を使って750g加重で塗膜上に線を引くように動かして、傷が付いた際に用いていた鉛筆のランク(例えば3Hなど)を記載するというものである。硬度がHB以上であれば、製造上問題となることがないため、結果は良好であると言える。
【0199】
(耐アルカリ性)
硬化塗膜上に0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液0.5mLをスポットし、水分が揮発しないようにキャップし、55℃で4時間加熱した後、水酸化ナトリウム水溶液を拭き取り、スポット痕の有無を○×で評価した。
【0200】
(耐熱クラック)
熱風乾燥機を用いて110℃で24時間加熱した後に、塗膜にクラックが入っていないか目視にて観察し、○×で評価した。
【0201】
(反り)
得られた積層体の塗膜面が上面となるように、積層体を水平な台の上に設置した。積層体の上面の4つの頂点のそれぞれについて、台の上面から垂直方向の距離を測定し、その平均値を算出した。積層体が塗装した面側に反る(積層体の下面の角が台の面から浮く)場合には正の値、その逆の場合には負の値とした。なお、基材のPCシートを単独、同条件で評価した反りの結果は、0mmであった。
【0202】
<縮合物(A)の合成例1〜18>
表1に記載の配合物(配合量の単位は重量部)を、攪拌機、温度計、還流冷却器を備えた反応器に仕込み、表1に記載の反応温度、反応時間で撹拌させて、縮合物を得た。得られた縮合物は、エバポレータを用いて減圧脱揮及び濃縮し、PGMEを用いて50%溶液に調整した。得られた縮合物に対する評価結果を、表1に示す。
【0203】
表1において、「シラン化合物(I)」から「溶剤」までに記載した化合物が上記配合物であり、重量平均分子量、残存エポキシ率、およびY/X比は、それぞれ、得られた縮合物(A)における値である。
【0204】
【表1】
<実施例1>
[塗工液の作製]
縮合物として合成例1[A−187(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)の縮合物(50%溶液)]100重量部に対して、硬化剤としてピロメリット酸無水物32.6重量部を配合し、塗工液を調製した。なお、塗工液は、不揮発分が40%になるように、希釈溶剤としてPGME(1−メトキシ−2−プロパノール)73.9重量部を用いて希釈したものを使用した。
【0205】
[積層体の作製]
得られた塗工液を、住友ベークライト製ポリカーボネート(EC−100、1.0mm厚)上に、バーコータ#20を用いて、乾燥膜厚が約12μmとなるように塗布した。次いで、熱風乾燥機を用いて120℃で1時間かけて、希釈溶剤の除去と硬化反応を同時に完了させ(以下、「熱硬化」と称する。)、試験片とした。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0206】
<実施例2>
[塗工液の作製]
硬化剤の種類および量をCPI−101A(トリアリールスルホニウム 6フッ化アンチモン酸塩)2.5重量部に、PGMEの量を28.8重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、塗工液を得た。
【0207】
[積層体の作製]
得られた塗工液を、住友ベークライト製ポリカーボネート(EC−100、1.0mm厚)上に、バーコータ#20を用いて、乾燥膜厚が約12μmとなるように塗布した。次いで、希釈溶剤を除去する為に熱風乾燥機を用いて120℃で2分間加熱した後、空気中で高圧水銀ランプを用い、240mWで、波長310〜390nmの積算光量が1000mJ/cm
2となるように紫外線を照射することで硬化させ(以下、「紫外線硬化」と称する。)、試験片とした。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0208】
<実施例3>
[塗工液の作製]において、硬化剤の種類および量をヘキサメチレンジアミン6.9重量部に、PGMEの量を35.4重量部に変更して、塗工液を得た以外は、実施例1と同様の操作により、熱硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0209】
<実施例4>
[塗工液の作製]において、硬化剤の種類および量をベンジルジメチルアミン32.3重量部、PGMEの量を73.5重量部に変更して、塗工液を得た以外は、実施例1と同様の操作により、熱硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0210】
<実施例5>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例2[A−187(80モル%)/A−1630メチルトリメトキシシラン(20モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0211】
<実施例6>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例3[A−187(20モル%)/A−1630(80モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0212】
<実施例7>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例4[A−187(10モル%)/A−1630(90モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0213】
<実施例8>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例5[A−187(80モル%)/A−171(ビニルトリメトキシシラン(20モル%))]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0214】
<実施例9>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例6[A−187(80モル%)/A−174(3−メタクリロイルオキシトリメトキシシラン(20モル%))に、PGMEの量を30.3重量部に、硬化剤の種類および量を、CPI−101A(トリアリールスルホニウム 6フッ化アンチモン酸塩)2.5重量部および2−ヒドロキシ−2−プロピオフェノン1.0重量部に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0215】
<実施例10>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例7[A−187(80モル%)/KBM5103(20モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例9と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0216】
<実施例11>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例8[A−186(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0217】
<実施例12>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例9[A−187(50モル%)/A−186(50モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0218】
<実施例13>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例10[A−186(80モル%)/A−189(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(20モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0219】
<実施例14>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例11[合成触媒を塩化マグネシウムから塩化ナトリウムに変更]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0220】
<実施例15>
[塗工液の作製]において、合成例1の縮合物70重量部にV−8804(日揮触媒化成株式会社製シリカゾル)30重量部を配合して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表2に示す。
【0221】
【表2】
<比較例1>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例12[A−187を縮合触媒としてHClを用いた縮合物]100重量部に、硬化剤の量を27.0重量部に、PGMEの量を65.5重量部に変更して、塗工液を得た以外は、実施例1と同様の操作により、熱硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0222】
<比較例2>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例12に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0223】
<比較例3>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例12に変更して、塗工液を得た以外は、実施例3と同様の操作により、熱硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0224】
<比較例4>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例12に、硬化剤ベンジルジメチルアミンの量を26.8重量部に変更して、塗工液を得た以外は、実施例4と同様の操作により、熱硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0225】
<比較例5>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例13[縮合触媒がギ酸]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0226】
<比較例6>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例15[縮合触媒無し]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0227】
<比較例7>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例17[A187(5モル%)/A−1630(95モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0228】
<比較例8>
[塗工液の作製]において、縮合物を合成例18[A187(5モル%)/KBM−5103(95モル%)]に変更して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0229】
<比較例9>
[塗工液の作製]において、多官能アクリレートとしてDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)100重量部を用いて、硬化剤として2−ヒドロキシ−2−プロピオフェノン3.0重量部、希釈剤としてPGME154.5重量部を配合して、塗工液を得た以外は、実施例2と同様の操作により、紫外線硬化により試験片を得た。
得られた試験片に対する物性評価結果を、表3に示す。
【0230】
【表3】
実施例1〜4は、合成例1で得た縮合物(A)と、それぞれ異なる硬化剤とを配合して、該縮合物(A)を硬化させた。実施例1〜4で用いた縮合物(A)は、A−187を中性塩で(中性塩触媒の存在下で)合成した縮合物(合成例1)であり、得られた硬化物は、硬化剤の種類に因らず、いずれも耐摩耗性、耐薬品性に優れた塗膜であり、反りの少ない積層体が得られた。
【0231】
中でもカチオン重合開始剤を用いて硬化させたもの(実施例2)は、最も耐摩耗性が高かった。これに対して、比較例1〜4でも、種々の硬化剤で硬化させているが、縮合物の合成に用いた触媒が塩酸であったため、エポキシ基の加水分解により、硬化物の物性が、中性塩で合成した縮合物を用いたものより悪かった。これは比較例5(ギ酸触媒)、比較例6(無触媒)でも同様であった。
【0232】
実施例5〜10では、A−187に対して、他のシラン化合物を共縮合させており、これらでも十分に耐摩耗性、耐薬品性の高い硬化物が得られており、反りの少ない積層体が得られた。
【0233】
しかし、実施例6、7では、硬化物の耐摩耗性、硬度が他の実施例より若干低い値となっていた。これは、A−187の共縮合比率が20モル%(実施例6)、10モル%(実施例7)と低いことに起因していると考える。
【0234】
一方、実施例6、7で得られた硬化物の密着性、耐アルカリ性、耐熱クラック、反りについては他の実施例と同等の結果となっており、耐摩耗性についてもΔHazeは15以下であるため良好であり、硬度も実使用上十分な値である。それゆえ、実施例6、7で得られた硬化物も、十分に本願発明の効果を奏すると言える。
【0235】
実施例11〜14では、エポキシ構造含有基を有するシラン化合物をA−187からA−186(エポキシシクロヘキシル基を有する)に変更したが、A−187の縮合物を用いた硬化物と比べて、同等以上の性能が出ている。
【0236】
特に実施例13では、A−189(チオール基を有するシラン化合物)を共縮合しており(合成例10)、エポキシ基とチオール基が共存する縮合物にも関わらず、ゲル化することなく縮合物が得られた(表1)。そして、該縮合物を硬化することにより耐摩耗性、耐薬品性の高い硬化物が得られており、反りの少ない積層体が得られた。これは、エポキシシクロヘキシル基の求核攻撃に対する耐性の高さに起因すると考える。
【0237】
実施例14では、中性塩触媒を塩化マグネシウムから塩化ナトリウムに変えており、実施例14の結果は、中性塩の変化が縮合物、硬化物に影響しないことを示唆している。一方で、合成例14(トリエチルアミン触媒を使用)、合成例16(ギ酸触媒を使用)では、ゲル化して縮合物が得られなかった(表1)。この結果は、縮合における触媒の重要性の高さ、及び中性塩の触媒性能の高さを示唆している。
【0238】
実施例15では、縮合物に対して、金属酸化物微粒子としてオルガノシリカゾルを配合しており、未配合の実施例2と比較して、耐摩耗性、硬度いずれも少し向上しており、且つ反りが少ない積層体が得られている。この結果は、シリカ粒子を配合することにより、塗膜トータルとしての架橋密度が高くなったことに起因すると考える。
【0239】
比較例7〜8では、縮合物に関してエポキシ基を有するシラン化合物(シラン化合物(I))の割合が低いため、硬化物の基材との密着性、耐アルカリ性、耐熱クラッ
クが悪化しており、比較例7では硬化物の耐摩耗性も低くなっていた。
【0240】
更に、比較例8では、エポキシ基を有するシラン化合物の割合が低い代わりに、アクリロイル基を有するシラン化合物の割合が高くなっており、アクリロイル基の架橋に起因する硬化収縮により、反りが大きな積層体となっている。
【0241】
比較例9では、シラン化合物からなる縮合物を用いる代わりに、多官能アクリレートだけを用いた硬化物である。比較例9は、耐摩耗性の高い硬化物が得られているが、耐アルカリ性が十分でなく、また、アクリレートの硬化による硬化収縮が大きく、加熱養生した際にクラックが発生した。