【実施例】
【0048】
以下に実施例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。なお全体的な遺伝子操作は、Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989))に記載されているように行うことができる。また、遺伝子操作に使用する酵素、クローニング宿主等は、市場の供給者から購入し、その説明に従い使用することができる。なお、酵素としては、遺伝子操作に使用できるものであれば特に限定されない。
【0049】
また、以下の製造例、実施例、及び比較例で使用されるKNK005ΔphaZ1,2,6株は、C.necator H16株の染色体上のphaZ1,2,6遺伝子が欠失し、アエロモナス・キャビエ由来のPHA合成酵素遺伝子(配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子)が導入された形質転換体であり、国際公開第2014/065253号の方法に準じて作製することが出来る。
【0050】
(製造例1)KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株の作製
まず、染色体置換用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0051】
C.necator H16株の染色体DNAをテンプレートとして配列番号8及び配列番号9で示されるプライマーを用いて、PCRを行った。PCRは初めに98℃で2分の処理を行った後、98℃で15秒、60℃で30秒、68℃で2分の一連の反応を25サイクル繰り返し、ポリメラーゼはKOD−plus−(東洋紡社製)を用いた。また同様に、配列番号10及び配列番号11で示されるプライマーを用いて、PCRを行った。さらに、上記PCRで得られた2種類のDNA断片をテンプレートとして、配列番号8及び11で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行い、得られたDNA断片を制限酵素SwaIで消化した。このDNA断片を、SwaI消化した特開2007−259708号公報に記載のベクターpNS2X−sacBと、DNAリガーゼ(Ligation High(東洋紡社製))にて連結し、nagE構造遺伝子の793番目の塩基より上流および下流の塩基配列を有し、且つnagE構造遺伝子の793番目の塩基がGからCに置換された塩基配列を含む染色体置換用プラスミドベクターpNS2X−sacB+nagEG793Cを作製した。
【0052】
次に、染色体置換用プラスミドベクターpNS2X−sacB+nagEG793Cを用いて、以下のようにして染色体置換株KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C株の作製を行った。
【0053】
染色体置換用プラスミドベクターpNS2X−sacB+nagEG793Cで大腸菌S17−1株(ATCC47055)を形質転換し、KNK005ΔphaZ1,2,6株とNutrient Agar培地(Difco社製)上で混合培養して接合伝達を行った。
【0054】
得られた培養液を、250mg/Lのカナマイシンを含むシモンズ寒天培地(クエン酸ナトリウム2g/L、塩化ナトリウム5g/L、硫酸マグネシウム・7水塩0.2g/L、りん酸二水素アンモニウム1g/L、りん酸水素二カリウム1g/L、寒天15g/L、pH6.8)に播種し、当該寒天培地上で生育してきた菌株を選択して、前記プラスミドがKNK005ΔphaZ1,2,6株の染色体上に組み込まれた株を取得した。この株をNutrient Broth培地(Difco社製)で2世代培養した後、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地上に希釈して塗布し、生育してきた菌株をプラスミドが脱落した株として取得した。さらにDNAシーケンサーによる解析により、染色体上のnagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換された菌株1株を単離した。この変異導入株をKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C株と命名した。得られたKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C株はC.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、さらにnagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換された株である。
【0055】
さらに、遺伝子破壊用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0056】
C.necator H16株の染色体DNAをテンプレートとして配列番号12及び配列番号13で示されるプライマーを用いて、PCRを行った。PCRは上記と同様の反応条件で行い、ポリメラーゼはKOD−plus−(東洋紡社製)を用いた。また同様に、配列番号14及び配列番号15で示されるプライマーを用いて、PCRを行った。さらに、上記PCRで得られた2種類のDNA断片をテンプレートとして、配列番号12及び15で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行い、得られたDNA断片を制限酵素SwaIで消化した。このDNA断片を、SwaI消化した特開2007−259708号公報に記載のベクターpNS2X−sacBと、DNAリガーゼ(Ligation High(東洋紡社製))にて連結し、nagR構造遺伝子より上流および下流の塩基配列を有する遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X−sacB+nagRUDを作製した。
【0057】
次に、遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X−sacB+nagRUDを用いて、以下のようにして遺伝子破壊株KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株の作製を行った。
【0058】
遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X−sacB+nagRUDで大腸菌S17−1株(ATCC47055)を形質転換し、上記で得られたKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C株とNutrient Agar培地(Difco社製)上で混合培養して接合伝達を行った。
【0059】
得られた培養液を、250mg/Lのカナマイシンを含むシモンズ寒天培地(クエン酸ナトリウム2g/L、塩化ナトリウム5g/L、硫酸マグネシウム・7水塩0.2g/L、りん酸二水素アンモニウム1g/L、りん酸水素二カリウム1g/L、寒天15g/L、pH6.8)に播種し、当該寒天培地上で生育してきた菌株を選択して、前記プラスミドがKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C株の染色体上に組み込まれた株を取得した。この株をNutrient Broth培地(Difco社製)で2世代培養した後、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地上に希釈して塗布し、生育してきた菌株をプラスミドが脱落した株として取得した。さらにDNAシーケンサーによる解析により、染色体上のnagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失した菌株1株を単離した。この遺伝子破壊株をKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株と命名した。KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株は、C.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、さらにnagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失した株である。
【0060】
(製造例2)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6株の作製
まず、cscAおよびcscB遺伝子発現用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0061】
人工遺伝子合成により、cscAおよびcscB遺伝子を含む、配列番号16で示される塩基配列が導入されたプラスミドを得た。このプラスミドを制限酵素MunIおよびSpeIで消化し、得られたcscAおよびcscB遺伝子を含むDNA断片を、国際公開第2007/049716号に記載のプラスミドベクターpCUP2をMunIおよびSpeIで切断したものと連結し、プラスミドベクターpCUP2−cscABを得た。
【0062】
さらに、E.coli HB101株のゲノムDNAをテンプレートとして配列番号17および配列番号18で示されるプライマーを用いて製造例1と同様の条件でPCRを行った。PCRで得られたlacUV5プロモーター配列を含むDNA断片をMunIで消化した。このDNA断片を、上記のプラスミドベクターpCUP2−cscABをMunIで切断したものと連結した。得られたプラスミドの中から、lacUV5プロモーターの下流にcscAおよびcscBが位置する向きに、lacUV5プロモーター配列を含むDNA断片が挿入されたものをPCRによって選別し、プラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABを得た。
【0063】
次に、プラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABをKNK005ΔphaZ1,2,6株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6株を得た。
【0064】
プラスミドベクターの細胞への導入は以下のように電気導入によって行った。遺伝子導入装置はBiorad社製のジーンパルサーを用い、キュベットは同じくBiorad社製のgap0.2cmを用いた。キュベットに、コンピテント細胞400μlと発現ベクター20μlを注入してパルス装置にセットし、静電容量25μF、電圧1.5kV、抵抗値800Ωの条件で電気パルスをかけた。パルス後、キュベット内の菌液をNutrientBroth培地(DIFCO社製)で30℃、3時間振とう培養し、選択プレート(NutrientAgar培地(DIFCO社製)、カナマイシン100mg/L)で、30℃にて2日間培養して、生育してきた形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6株を取得した。
【0065】
(製造例3)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株の作製
製造例2で作製したプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABを、製造例2と同様の方法で、製造例1で作製したKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株を得た。
【0066】
(製造例4)pCUP2−lacUV5−cscA in KNK005ΔphaZ1,2,6株の作製
まず、cscA遺伝子発現用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0067】
製造例2に記載のプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABをテンプレートとして配列番号19及び配列番号20で示されるプライマーを用いて製造例1と同様の条件でPCRを行った。PCRで得られたcscA遺伝子配列を含むDNA断片を制限酵素MunIおよびSpeIで消化し、国際公開第2007/049716号に記載のプラスミドベクターpCUP2をMunIおよびSpeIで切断したものと連結し、プラスミドベクターpCUP2−cscAを得た。さらに、E.coli HB101株のゲノムDNAをテンプレートとして配列番号17および配列番号18で示されるプライマーを用いて製造例1と同様の条件でPCRを行った。PCRで得られたlacUV5プロモーター配列を含むDNA断片をMunIで消化した。このDNA断片を、上記のプラスミドベクターpCUP2−cscAをMunIで切断したものと連結した。得られたプラスミドの中から、lacUV5プロモーターの下流にcscAが位置する向きに、lacUV5プロモーター配列を含むDNA断片が挿入されたものをPCRによって選別し、プラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscAを得た。
【0068】
次に、プラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscAを、製造例2と同様の方法でKNK005ΔphaZ1,2,6株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscA in KNK005ΔphaZ1,2,6株を得た。
【0069】
(製造例5)pCUP2−lacUV5−cscB in KNK005ΔphaZ1,2,6株の作製
まず、cscB遺伝子発現用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0070】
製造例2に記載のプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABをテンプレートとして配列番号21及び配列番号22で示されるプライマーを用いて製造例1と同様の条件でPCRを行った。PCRで得られたcscB遺伝子配列を含むDNA断片を制限酵素MunIおよびSpeIで消化し、国際公開第2007/049716号に記載のプラスミドベクターpCUP2をMunIおよびSpeIで切断したものと連結し、プラスミドベクターpCUP2−cscBを得た。さらに、E.coli HB101株のゲノムDNAをテンプレートとして配列番号17および配列番号18で示されるプライマーを用いて製造例1と同様の条件でPCRを行った。PCRで得られたlacUV5プロモーター配列を含むDNA断片をMunIで消化した。このDNA断片を、上記のプラスミドベクターpCUP2−cscBをMunIで切断したものと連結した。得られたプラスミドの中から、lacUV5プロモーターの下流にcscBが位置する向きに、lacUV5プロモーター配列を含むDNA断片が挿入されたものをPCRによって選別し、プラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscBを得た。
【0071】
次に、プラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscBを、製造例2と同様の方法でKNK005ΔphaZ1,2,6株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscB in KNK005ΔphaZ1,2,6株を得た。
【0072】
(製造例6)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK144S株の作製
まず、特開2013−9627号公報に記載のプラスミドbAO/pBlu/SacB−Kmを用いて、以下のようにしてプロモーターおよびリボソーム結合配列挿入株ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株の作製を行った。
【0073】
プラスミドbAO/pBlu/SacB−Kmで大腸菌S17−1株(ATCC47055)を形質転換し、製造例1で得られたKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株とNutrient Agar培地(Difco社製)上で混合培養して接合伝達を行った。
【0074】
得られた培養液を、250mg/Lのカナマイシンを含むシモンズ寒天培地(クエン酸ナトリウム2g/L、塩化ナトリウム5g/L、硫酸マグネシウム・7水塩0.2g/L、りん酸二水素アンモニウム1g/L、りん酸水素二カリウム1g/L、寒天15g/L、pH6.8)に播種し、当該寒天培地上で生育してきた菌株を選択して、前記プラスミドがKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株の染色体上に組み込まれた株を取得した。この株をNutrient Broth培地(Difco社製)で2世代培養した後、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地上に希釈して塗布し、生育してきた菌株をプラスミドが脱落した株として取得した。さらにDNAシーケンサーによる解析により、染色体上のbktB遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入された菌株1株を単離した。この遺伝子挿入株をACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株と命名した。ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株は、C.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、nagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにbktB(βケトチオラーゼ)遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入された株である。
【0075】
さらに、以下のようにしてプロモーターおよびリボソーム結合配列挿入株ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR/trc−J4b株の作製を行った。
【0076】
まず、プロモーターおよびリボソーム結合配列挿入用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0077】
C.necator H16株の染色体DNAをテンプレートとして配列番号23及び配列番号24で示されるプライマーを用いて、製造例1と同様の条件でPCRを行った。また同様に、配列番号25及び配列番号26で示されるプライマーを用いて、同様の条件でPCRを行った。さらに、プラスミドpKK388−1(CLONTECH社製)をテンプレートとして配列番号27および配列番号28で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行った。上記PCRで得られた3種類のDNA断片をテンプレートとして、配列番号23及び配列番号26で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行い、得られたDNA断片を制限酵素SwaIで消化した。このDNA断片を、SwaI消化した特開2007−259708号公報に記載のベクターpNS2X−sacBと、DNAリガーゼ(Ligation High(東洋紡社製))にて連結し、phaJ4b構造遺伝子より上流の塩基配列、trcプロモーター、リボソーム結合配列、及びphaJ4b構造遺伝子配列を有するプロモーターおよびリボソーム結合配列挿入用プラスミドベクターpNS2X−sacB+phaJ4bU−trc−phaJ4bを作製した。
【0078】
次に、プロモーターおよびリボソーム結合配列挿入用プラスミドベクターpNS2X−sacB+phaJ4bU−trc−phaJ4bを用いて、ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株を親株として、上記のプロモーターおよびリボソーム結合配列挿入株の作製方法と同様に、接合伝達、シモンズ寒天培地での選択、及び、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地での選択を行い、ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR/trc−J4b株を作製した。ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR/trc−J4b株は、C.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、nagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、bktB遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、さらにphaJ4b遺伝子の開始コドン直前にtrcプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入された株である。
【0079】
さらに、以下のようにして染色体置換株KNK144S株の作製を行った。
【0080】
特開2008−29218号公報に記載の染色体置換用ベクターpBlueASRUを用いて、ACP−bktB/ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR/trc−J4b株を親株として、製造例1に記載の染色体置換株の作製と同様に、接合伝達、シモンズ寒天培地での選択、及び、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地での選択を行い、KNK144S株を作製した。KNK144S株はC.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、nagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、bktB遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、phaJ4b遺伝子の開始コドン直前にtrcプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、さらにphaA構造遺伝子配列中に終止コドンと制限酵素NheI切断部位が生成した株である。
【0081】
次に、製造例2に記載のプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABを、製造例2と同様の方法でKNK144S株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK144S株を得た。
【0082】
(製造例7)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK143S株の作製
まず、プロモーター、リボソーム結合配列及び遺伝子挿入用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0083】
C.necator H16株の染色体DNAをテンプレートとして配列番号29及び配列番号30で示されるプライマーを用いて、PCRを行った。PCRは上記と同様の反応条件で行い、ポリメラーゼはKOD−plus−(東洋紡社製)を用いた。また同様に、配列番号31及び配列番号32で示されるプライマーを用いて、PCRを行った。さらに、上記PCRで得られた2種類のDNA断片をテンプレートとして、配列番号29及び32で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行い、得られたDNA断片を制限酵素SwaIで消化した。このDNA断片を、SwaI消化した特開2007−259708号公報に記載のベクターpNS2X−sacBと、DNAリガーゼ(Ligation High(東洋紡社製))にて連結し、phaZ2構造遺伝子より上流および下流の塩基配列を有するプラスミドベクターpNS2X−sacB+phaZ2MunISpeIを作製した。
【0084】
次に、人工遺伝子合成により、リボソーム結合配列、ccrおよびemdを含む、配列番号33で示される塩基配列が導入されたプラスミドを得た。このプラスミドを制限酵素MunIおよびSpeIで消化し、得られたリボソーム結合配列、ccrおよびemd遺伝子を含むDNA断片を、プラスミドベクターpNS2X−sacB+Z2UDMunISpeIをMunIおよびSpeIで切断したものと連結し、プラスミドベクターpNS2X−sacB+Z2U−ccr−emd−Z2Dを得た。
【0085】
次に、プラスミドpKK388−1(CLONTECH社製)をテンプレートとして配列番号34および配列番号35で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行った。PCRで得られたtrcプロモーター配列を含むDNA断片をMunIで消化した。このDNA断片を、上記のプラスミドベクターpNS2X−sacB+Z2U−ccr−emd−Z2DをMunIで切断したものと連結した。得られたプラスミドの中から、trcプロモーターの下流にccrおよびemdが位置する向きに、trcプロモーター配列を含むDNA断片が挿入されたものをPCRによって選別し、プロモーター、リボソーム結合配列及び遺伝子挿入用プラスミドベクターpNS2X−sacB+Z2U−trc−ccr−emd−Z2Dを得た。
【0086】
次に、プロモーター、リボソーム結合配列及び遺伝子挿入用プラスミドベクターpNS2X−sacB+Z2U−trc−ccr−emd−Z2Dを用いて、KNK144S株を親株として、製造例6に記載のプロモーターおよびリボソーム結合配列挿入株の作製方法と同様に、接合伝達、シモンズ寒天培地での選択、及び、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地での選択を行い、KNK143S株を作製した。KNK143S株は、C.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、nagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、bktB遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、phaJ4b遺伝子の開始コドン直前にtrcプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、phaA構造遺伝子配列中に終止コドンと制限酵素NheI切断部位が生成し、さらに元々はphaZ2遺伝子があった位置にtrcプロモーター、リボソーム結合配列、ccr遺伝子及びemd遺伝子が挿入された株である。
【0087】
次に、製造例2に記載のプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABを、製造例2に記載の方法でKNK143S株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK143S株を得た。
【0088】
(製造例8)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK140S株の作製
まず、遺伝子破壊用プラスミドの作製を行った。作製は以下のように行った。
【0089】
KNK005ΔphaZ1,2,6株の染色体DNAをテンプレートとして配列番号36及び配列番号37で示されるプライマーを用いて、製造例1と同様の条件でPCRを行った。また同様に、配列番号38及び配列番号39で示されるプライマーを用いて、同様の条件でPCRを行った。上記PCRで得られた2種類のDNA断片をテンプレートとして、配列番号36及び配列番号39で示されるプライマーを用いて同様の条件でPCRを行い、得られたDNA断片を制限酵素SwaIで消化した。このDNA断片を、SwaI消化した特開2007−259708号公報に記載のベクターpNS2X−sacBと、DNAリガーゼ(Ligation High(東洋紡社製))にて連結し、phaA構造遺伝子より上流の塩基配列、及びphaB1(アセトアセチルCoAレダクターゼ)構造遺伝子より下流の塩基配列を有する遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X−sacB+phaAB1UDを作製した。
【0090】
次に、遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X−sacB+phaAB1UDを用いて、KNK−144S株を親株として、製造例1に記載の染色体置換株の作製と同様に、接合伝達、シモンズ寒天培地での選択、及び、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地での選択を行い、KNK140S株を作製した。KNK140S株は、C.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、nagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、bktB遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、phaJ4b遺伝子の開始コドン直前にtrcプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、さらにphaA遺伝子の開始コドンからphaB1遺伝子の終止コドンまでを欠失した株である。
【0091】
次に、製造例2に記載のプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABを、製造例2に記載の方法でKNK140S株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK140S株を得た。
【0092】
(製造例9)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK142S株の作製
製造例8に記載の遺伝子破壊用プラスミドベクターpNS2X−sacB+phaAB1UDを用いて、製造例7に記載のKNK−143S株を親株として、製造例1に記載の染色体置換株の作製と同様に、接合伝達、シモンズ寒天培地での選択、及び、15%のシュークロースを含むNutrient Agar培地での選択を行い、KNK142S株を作製した。KNK142S株はC.necator H16株の染色体上のphaZ6遺伝子及びphaZ1遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、さらにphaZ2遺伝子の16番目のコドンから終止コドンまでを欠失し、染色体上に配列番号4に記載のアミノ酸配列を有するPHA合成酵素をコードする遺伝子が導入され、nagE構造遺伝子の793番目の塩基であるGがCに置換され、nagR遺伝子の開始コドンから終止コドンまでを欠失し、bktB遺伝子の開始コドン直前にA. caviaeのphaC遺伝子のプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、phaJ4b遺伝子の開始コドン直前にtrcプロモーターおよびリボソーム結合配列を含む塩基配列からなるDNAが挿入され、元々はphaZ2遺伝子があった位置にtrcプロモーター、リボソーム結合配列、ccr遺伝子及びemd遺伝子が挿入され、さらにphaA遺伝子の開始コドンからphaB1遺伝子の終止コドンまでを欠失した株である。
【0093】
次に、製造例2に記載のプラスミドベクターpCUP2−lacUV5−cscABを、製造例2に記載の方法でKNK142S株へ導入し、形質転換体pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK142S株を得た。
【0094】
(比較例1〜4)KNK005ΔphaZ1,2,6株、KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株、pCUP2−lacUV5−cscA in KNK005ΔphaZ1,2,6株およびpCUP2−lacUV5−cscB in KNK005ΔphaZ1,2,6株におけるスクロースの資化性、PHA生産性およびその3HH組成比率
種母培地の組成は1w/v% Meat−extract、1w/v% Bacto−Trypton、0.2w/v% Yeast−extract、0.9w/v% Na
2HPO
4・12H
2O、0.15w/v% KH
2PO
4とした。種母培地でプラスミドベクター導入株を培養する場合には、カナマイシンを最終濃度100μg/mlとなるように種母培地に添加した。
【0095】
スクロース資化性試験およびPHA生産に使用した生産培地の組成は1.1w/v% Na
2HPO
4・12H
2O、0.19w/v% KH
2PO
4、0.13w/v% (NH
4)
2SO
4、0.1w/v% MgSO
4・7H
2O、0.1v/v%微量金属塩溶液(0.1N塩酸に1.6w/v% FeCl
3・6H
2O、1w/v% CaCl
2・2H
2O、0.02w/v% CoCl
2・6H
2O、0.016w/v%CuSO
4・5H
2O、0.012w/v% NiCl
2・6H
2Oを溶かしたもの。)とした。炭素源は40w/v%スクロース水溶液を単一炭素源として用い、1.5w/v%となるように培地に添加した。
【0096】
KNK005ΔphaZ1,2,6株(国際公開第2014/065253号参照)、製造例1において作製したKNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株、製造例4において作製したpCUP2−lacUV5−cscA in KNK005ΔphaZ1,2,6株および製造例5において作製したpCUP2−lacUV5−cscB in KNK005ΔphaZ1,2,6株の各グリセロールストック(50μL)をそれぞれ種母培地(5mL)に接種して培養温度30℃で24時間振とう培養し、得られた培養液を種母とした。
【0097】
スクロース資化性試験およびPHA生産培養では、200mLの生産培地を入れた坂口フラスコに前記種母を1.0v/v%接種し、培養温度30℃で振とう培養を行った。経時的に培養液をサンプリングし、菌体の増殖(OD
600)および培地中の各種糖濃度(スクロース、グルコース、フルクトース)を測定した。糖濃度の測定はF−キット ショ糖/D−グルコース/果糖(株式会社 J.K.インターナショナル)を用いて行った。結果を
図1〜4に示した。
【0098】
72時間培養後、遠心分離によって菌体を回収、メタノールで洗浄、凍結乾燥し、乾燥菌体重量を測定した。
【0099】
PHA生産量は以下のように算出した。得られた乾燥菌体1gあたり100mLのクロロホルムを加え、室温で一昼夜攪拌して、菌体内のPHAを抽出した。菌体残渣をろ別後、エバポレーターで総容量が1/3になるまで濃縮後、濃縮液量の3倍量のヘキサンを徐々に加え、ゆっくり攪拌しながら、1時間放置した。析出したPHAをろ別後、50℃で3時間真空乾燥した。乾燥PHAの重量を測定し、PHA生産量を算出した。結果を表1に示した。
【0100】
生産されたPHAの3HH組成比率は以下のようにガスクロマトグラフィーによって測定した。乾燥PHAの約20mgに2mlの硫酸−メタノール混液(15:85)と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱することでPHA分解物のメチルエステルを得た。冷却後、これに1.5gの炭酸水素ナトリウムを少しずつ加えて中和し、炭酸ガスの発生がとまるまで放置した。4mlのジイソプロピルエーテルを添加してよく混合した後、遠心して、上清中のPHA分解物のモノマー単位組成をキャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析した。ガスクロマトグラフは島津製作所GC−17A、キャピラリーカラムはGLサイエンス社製NEUTRA BOND−1(カラム長25m、カラム内径0.25mm、液膜厚0.4μm)を用いた。キャリアガスとしてHeを用い、カラム入口圧100kPaとし、サンプルは1μlを注入した。温度条件は、初発温度100〜200℃まで8℃/分の速度で昇温し、さらに200〜290℃まで30℃/分の速度で昇温した。上記条件にて分析した結果、得られたPHAの3HH組成比率を表1に示した。
【0101】
比較例1、2および4のKNK005ΔphaZ1,2,6株、KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株およびpCUP2−lacUV5−cscB in KNK005ΔphaZ1,2,6株は、スクロースを炭素源として増殖することができなかった。比較例3のpCUP2−lacUV5−cscA in KNK005ΔphaZ1,2,6株は、スクロースを炭素源としてわずかに増殖したが、その増殖速度は非常に遅かった。また、比較例3のpCUP2−lacUV5−cscA in KNK005ΔphaZ1,2,6株によって生産されたPHAは3HHモノマー単位を含有せず、3HBのホモポリマーであるPHBであった。
【0102】
(実施例1)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6株におけるスクロース資化性、PHA生産性およびその3HH組成比率
種母培地の組成は比較例1〜4に記載のものと同様とした。種母培地でプラスミドベクター導入株を培養する場合には、カナマイシンを最終濃度100μg/mlとなるように種母培地に添加した。
【0103】
スクロース資化性試験およびPHA生産に使用した生産培地の組成および炭素源は比較例1〜4に記載のものと同様とした。
【0104】
製造例2において作製したpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6株を比較例1〜4と同様の方法で培養し、経時的に培養液をサンプリングし、菌体の増殖(OD
600)および培地中の各種糖濃度(スクロース、グルコース、フルクトース)を測定した。糖濃度の測定は比較例1〜4と同様の方法で行った。結果を
図5に示した。
【0105】
72時間培養後、遠心分離によって菌体を回収、メタノールで洗浄、凍結乾燥し、乾燥菌体重量を測定した。
【0106】
PHA生産量および3HH組成比率を比較例1〜4と同様の方法で算出した。得られたPHA生産量および3HH組成比率を表1に示した。
【0107】
pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6株は、スクロースを炭素源として良好に増殖し、PHAを生産した。生産されたPHAはホモポリマーであるPHBであった。
【0108】
(実施例2)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株におけるスクロース、グルコース、フルクトース資化性、PHA生産性およびその3HH組成比率
種母培地の組成は比較例1〜4に記載のものと同様とした。種母培地でプラスミドベクター導入株を培養する場合には、カナマイシンを最終濃度100μg/mlとなるように種母培地に添加した。
【0109】
スクロース資化性試験およびPHA生産に使用した生産培地の組成は比較例1〜4に記載のものと同様とした。炭素源は40w/v%スクロース水溶液を単一炭素源として用い、1.5w/v%となるように培地に添加した。
【0110】
製造例3において作製したpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株を比較例1〜4と同様の方法で培養し、経時的に培養液をサンプリングし、菌体の増殖(OD
600)および培地中の各種糖濃度(スクロース、グルコース、フルクトース)を測定した。糖濃度の測定は比較例1〜4と同様の方法で行った。結果を
図6に示した。
【0111】
72時間培養後、遠心分離によって菌体を回収、メタノールで洗浄、凍結乾燥し、乾燥菌体重量を測定した。
【0112】
PHA生産量および3HH組成比率を比較例1〜4と同様の方法で算出した。結果を表1に示した。
【0113】
また、上記と同様の条件で炭素源をスクロース水溶液から同濃度のグルコース水溶液またはフルクトース水溶液に変更した生産培地において培養を行い、経時的に培養液をサンプリングし、菌体の増殖(OD
600)、乾燥菌体重量、及び、PHA生産量を測定した。結果を
図7に示した。
【0114】
生産されたPHAの3HH組成比率を比較例1〜4と同様の方法で算出した。得られたPHAの3HH組成比率を表1に示した。
【0115】
pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株は、スクロースを炭素源として、特に優れた増殖力およびPHA生産性を示した。スクロースを炭素源とした場合の増殖速度はグルコースを炭素源とした場合を上回り、C.necator H16株が元来資化可能なフルクトースを炭素源とした場合と同等であった。
【0116】
pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK005ΔphaZ1,2,6/nagEG793C,dR株によって生産されたPHAは、3HBのホモポリマーであるPHBであった。
【0117】
(実施例3〜6)pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK144S株、pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK143S株、pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK140S株およびpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK142S株におけるPHA生産性およびその3HH組成比率
種母培地の組成は比較例1〜4に記載のものと同様とした。種母培地でプラスミドベクター導入株を培養する場合には、カナマイシンを最終濃度100μg/mlとなるように種母培地に添加した。
【0118】
PHA生産に使用した生産培地の組成および炭素源は比較例1〜4に記載のものと同様とした。製造例6〜9において作製したpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK144S株、pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK143S株、pCUP2−lacUV5−cscAB in KNK140S株およびpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK142S株をそれぞれ比較例1〜4と同様の方法で培養し、72時間培養後、遠心分離によって菌体を回収、メタノールで洗浄、凍結乾燥し、乾燥菌体重量を測定した。
【0119】
PHA生産量および3HH組成比率を比較例1〜4と同様の方法で算出した。結果を表1に示した。
【0120】
いずれの株も、スクロースを炭素源として良好に増殖し、PHAを生産した。実施例3のpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK144S株および実施例5のpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK140S株によって生産されたPHAは3HHモノマーを僅かに含有するPHBHであり、実施例4のpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK143S株によって生産されたPHAは、3HH組成比率が2.3%のPHBHであった。実施例6のpCUP2−lacUV5−cscAB in KNK142S株によって生産されたPHAは、3HH組成比率が26.7%と非常に高いPHBHであった。
【0121】
【表1】