特許第6853795号(P6853795)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853795
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】契約用書類及び契約システム
(51)【国際特許分類】
   B42D 11/00 20060101AFI20210322BHJP
   B42D 15/04 20060101ALI20210322BHJP
【FI】
   B42D11/00 P
   B42D15/04 A
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-22047(P2018-22047)
(22)【出願日】2018年2月9日
(65)【公開番号】特開2019-136931(P2019-136931A)
(43)【公開日】2019年8月22日
【審査請求日】2019年7月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】518049681
【氏名又は名称】Chubb損害保険株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(72)【発明者】
【氏名】岩田 義弘
【審査官】 金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−225102(JP,A)
【文献】 特開2006−272955(JP,A)
【文献】 特開2012−171271(JP,A)
【文献】 実開平07−033852(JP,U)
【文献】 特開平09−011672(JP,A)
【文献】 特開平11−321158(JP,A)
【文献】 特開平08−142538(JP,A)
【文献】 特開2000−194266(JP,A)
【文献】 実開昭60−080962(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
契約用書類において、
契約内容の説明が記載された説明部と、
前記説明部の後方に綴じられ、前記契約内容に関連した払込用紙を含む払込部と、
前記払込部の後方に一方の縁が綴じられるとともに、他方の縁が前記説明部と繋がっており、前記説明部との間に前記払込部を袋とじにするカバー部とを備え
前記払込用紙は、前記払込部の一部分が切取線で画定されて形成され、前記切取線を跨いでシールが貼付されたことを特徴とする、契約用書類。
【請求項2】
請求項1に記載の契約用書類において、前記シールは、前記払込部の前記説明部側の面に貼付されていることを特徴とする、契約用書類。
【請求項3】
請求項1または2に記載の契約用書類において、前記シールは、前記払込部の中央よりも前記カバー部の前記他方の縁側に寄せて貼付されたことを特徴とする、契約用書類。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の契約用書類において、前記払込部は、剥した前記シールを再貼付して保管するための保管領域が形成されたことを特徴とする、契約用書類。
【請求項5】
契約用書類において、
契約内容の説明が記載された説明部と、
前記説明部の後方に綴じられ、前記契約内容に関連した払込用紙を含む払込部と、
前記払込部の後方に一方の縁が綴じられるとともに、他方の縁が前記説明部と繋がっており、前記説明部との間に前記払込部を袋とじにするカバー部とを備え、
前記説明部は、前記契約内容を項目毎に仕切るための仕切部と、隣り合う前記仕切部の間に袋とじに綴じられ、前記仕切部よりも小さな紙面面積を有する被仕切部とを備えたことを特徴とする、契約用書類。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の契約用書類において、前記払込部は、前記説明部よりも小さな紙面面積を有することを特徴とする契約用書類。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の契約用書類において、前記カバー部の前記他方の縁は前記説明部に接合されて繋がっており、前記他方の縁を前記説明部から剥がすと前記払込用紙が露出することを特徴とする、契約用書類。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の契約用書類において、前記説明部は、前記カバー部の前記他方の縁近傍で前記他方の縁に沿って前記説明部を切断するための切断部が形成されており、前記切断部を用いて前記説明部を切断すると前記払込用紙が露出することを特徴とする、契約用書類。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の契約用書類において、前記払込部は、クレジットカード払い、コンビニ決済を含むネット決済にリンクさせるためのQRコードまたはバーコードを含むことを特徴とする、契約用書類。
【請求項10】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の契約用書類を用いてネット決済することを特徴とする契約システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、契約及び払込みを行うための契約用書類及び契約システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、損害保険や生命保険等の契約申込のための契約用書類が知られている。この種の契約用書類は、契約に関する重要事項を説明するための重要事項説明書、契約の意向を確認するための意向確認書、及び契約に伴う料金を銀行やコンビニエンスストア等で払い込むための払込用紙等が別帳票となっているものが多かった(例えば、引用文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−284268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術による契約用書類では、重要事項説明書、意向確認書、及び払込用紙等が別帳票となっていることから、契約者または見込顧客は重要事項説明書や意向確認書等を十分に確認することなく、払込用紙を用いて料金を払い込んでしまうことがあった。このため、契約者または見込顧客が意図していた契約プランと異なるプランで契約及び料金の払い込みをしていまうといったトラブルが生じ得た。そこで、保険加入時の商品説明、意向確認、重要事項説明、契約申込、保険料申込までの一連の流れを契約者または見込顧客が確実に行うことのできる契約用書類が求められている。また、保険料払込をネット決済方式を採用する場合においても、保険加入時の商品説明、意向確認、重要事項説明、保険申込みまでの一連の流れを、書類にて行いたいというお客様のニーズは強い。
【0005】
本発明は、契約内容の説明及び振り込みに関する一連の流れを一体化し、契約者または見込顧客が段階的に契約手続きを進めることのできる契約用書類を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、契約用書類において、契約内容の説明が記載された説明部と、前記説明部の後方に綴じられ、前記契約内容に関連した払込用紙を含む払込部と、前記払込部の後方に一方の縁が綴じられるとともに、他方の縁が前記説明部と繋がっており、前記説明部との間に前記払込部を袋とじにするカバー部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
この場合において、前記払込部は、前記説明部よりも小さな紙面面積を有していてもよい。前記カバー部の前記他方の縁は前記説明部に接合されて繋がっており、前記他方の縁を前記説明部から剥がすと前記払込用紙が露出してもよい。前記説明部は、前記カバー部の前記他方の縁近傍で前記他方の縁に沿って前記説明部を切断するための切断部が形成されており、前記切断部を用いて前記説明部を切断すると前記払込用紙が露出してもよい。前記払込用紙は、前記払込部の一部分が切取線で画定されて形成され、前記切取線を跨いでシールが貼付されていてもよい。前記シールは、前記払込部の前記説明部側の面に貼付されていてもよい。前記シールは、前記払込部の中央よりも前記カバー部の前記他方の縁側に寄せて貼付されていてもよい。前記払込部は、剥した前記シールを再貼付して保管するための保管領域が形成されていてもよい。前記説明部は、前記契約内容を項目毎に仕切るための仕切部と、隣り合う前記仕切部の間に袋とじに綴じられ、前記仕切部よりも小さな紙面面積を有する被仕切部とを備えていてもよい。前記払込部は、クレジットカード払い、コンビニ決済を含むネット決済にリンクさせるためのQRコード(登録商標)やバーコードを含んでいてもよい。上述の契約用書類を用いてネット決済することを特徴とする契約システムであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、契約内容の説明及び振り込みに関する一連の流れを一体化し、契約者または見込顧客が段階的に契約手続きを進めることのできる契約用書類を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)は、第1実施形態に係る契約用書類を示す正面図であり、図1(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
図2図2(a)は、契約用書類の第1のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図であり、図2(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
図3図3(a)は、契約用書類の第2のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図であり、図3(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
図4図4(a)は、契約用書類の第3のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図であり、図4(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
図5図5(a)は、契約用書類の第4のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図であり、図5(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
図6図6(a)は、第2実施形態に係る契約用書類を示す正面図であり、図6(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
図7図7は、契約用書類の第1のステップに対応するページを開いた様子を示すである。
図8図8は、契約用書類の第4のステップに対応するページを開いた様子を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態に係る契約用書類を示す正面図であり、図1(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
【0011】
本実施形態に係る契約用書類10は、図1(a)に示すように、損害保険の新規加入申込や保険継続申込に用いられる冊子であり、図1(b)に示すように、説明部1と、払込部2と、裏表紙(カバー部)3とを備えている。
【0012】
説明部1は、保険加入時の商品説明、意向確認、重要事項説明、契約申込等、契約内容の説明が記載されている。本実施形態に係る説明部1は、表紙1cを入れて5枚の用紙から構成されている。
【0013】
説明部1は、契約内容を項目毎に仕切るための仕切部1bと、隣り合う仕切部1b,1bの間に袋とじに綴じられ、仕切部1bよりも小さな紙面面積を有する被仕切部1cとを備えている。すなわち、説明部1は、隣り合う仕切部1b,1bの小口どうしが接着されて袋とじが形成されており、必要に応じてこの袋とじ内に重要事項説明書等である被仕切部1cが包含されて綴じられている。なお、本実施形態では、各ページを綴じるのには通常の接着剤を用いているが、小口側の接着には、張り合わされたページどうしを一度剥がすと、再び接着されることのない性質を有する疑似接着が用いられている。この疑似接着は、図中の疑似接着領域Aにてなされている。本実施形態では、他のページよりも小さな紙面面積を有する被仕切部1c及び払込部2以外の各ページの小口を疑似接着で接着しており、契約内容等の記載事項に同意して新たなページを開く度に、契約の締結に向けて手続きの内容が絞られていくようになっている。
【0014】
払込部2は、説明部1の後方のページとして綴じられており、本実施形態では契約内容に関連した2枚の払込用紙4,4を含んでいる。これらの払込部2は、説明部1よりも小さな紙面面積を有している。2枚の払込用紙4,4は、それぞれ異なる保険プランに対応しており、契約者または見込顧客は加入を望む保険プランに対応するいずれかの払込用紙4,4のみを切り取って使用し、コンビニエンスストアや銀行等で料金を払い込むようになっている。
【0015】
裏表紙3は、払込部2の後方のページとして一方の縁3a(図5(a)参照)が綴じられるとともに、小口側の他方の縁3bが説明部1と疑似接着により接着されて繋がっており、説明部1との間に払込部2を袋とじに包含している。契約者または見込顧客が他方の縁3bを説明部1から剥がすと、袋とじの小口が開いて払込部2が露出するようなっている。
【0016】
次に、一例として損害保険型の保険商品の契約更新手続に関する意向把握ステップ、すなわち契約用書類を読み進める手順について説明する。なお、新規契約手続に関しても同様な意向把握ステップとなる。図2(a)は、契約用書類の第1のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図、図2(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図、図3(a)は、契約用書類の第2のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図、図3(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図、図4(a)は、契約用書類の第3のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図、図4(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図、図5(a)は、契約用書類の第4のステップに対応するページを開いた様子を示す正面図、図5(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図である。
【0017】
まず、図2(a)に示すように、契約者が契約用書類10の表紙1aの小口側の疑似接着を剥がしてめくると、第1のステップに関する記載が現れる。このとき、図2(b)に示すように、表紙1a以外の疑似接着されたページは小口側が接着された状態を維持している。
【0018】
第1のステップでは、意向把握の推定を行い、自動車や不動産購入等に伴う補償を望む契約者に対し、主な意向や情報を把握する。なお、実際の処理としては、例えば、記載された質問に対する契約者の回答が「はい」である場合に、契約者が次の質問に進むという処理を繰り返すことにより、様々な情報を把握していく。質問の内容としては、契約者の氏名や住所等である。なお、本実施形態では契約更新手続のため、氏名や住所等は予め印字されており、記載内容が正しいか否かを確認するだけでよい。
【0019】
第1のステップを終えると、次に、図3(a)に示すように、契約者が契約用書類10の次のページの小口側の疑似接着を剥がしてめくると、第2のステップに関する記載が現れる。このとき、図3(b)に示すように、後方の疑似接着されたページは小口側が接着された状態を維持している。
【0020】
第2のステップでは、保険商品のプランの提案及び説明をする。ここでは、個別プランの作成及び提案が行われており、主な意向と個別プランの比較とを記載するとともに、保険会社が把握した契約者の意向と個別プランとの関係性をわかり易く説明した内容が記載されている。なお、実際の処理としては、例えば、契約更新手続の場合、前年度に契約していたプランと実質的に同一のプランと、今回新たに契約者に勧める別のプラントとの契約内容及び料金等を、表を用いて説明しており、新規契約の場合、今回新たに見込顧客に勧めるプランの契約内容及び料金等を、表を用いて説明している。
【0021】
第2のステップを終えると、次に、図4(a)に示すように、契約者が契約用書類10の次のページである仕切部1bの小口側の疑似接着を剥がしてめくると、第3のステップに関する記載が現れる。このとき、図4(b)に示すように、一対の仕切部1b,1aどうしの疑似接着が剥がれるので袋とじが開かれ、内包する被仕切部1cが露出している。被仕切部1cは、疑似接着されていないので、容易にページをめくることができるようになっている。
【0022】
第3のステップでは、重要事項説明書を契約者に開示して契約者に重要事項説明書の確認を促し、契約者の最終的な意向と選択したプランとが合致しているか否かの確認を促す。ここでは、例えば、「重要事項説明書についてご確認いただけましたか?」といった内容の質問に対して契約者の回答が「はい」である場合に、契約者が説明部1の最終ページの用紙を裏表紙3から剥がすように促す。
【0023】
第3のステップを終えると、次に、図5(a)に示すように、契約者が説明部1の最終ページである仕切部1bの小口側の疑似接着を剥がしてめくると、第4のステップに関する記載が現れる。このとき、図5(b)に示すように、説明部1と裏表紙3との疑似接着が剥がれて袋とじが開かれ、内包する払込部2が露出している。払込部2は、疑似接着されていないので、容易にページをめくることができるようになっている。
【0024】
第4のステップでは、契約締結前の段階において、契約者の意向と申込もうとする保険契約の内容とが合致しているかどうかを確認する、すなわち最終的な意向確認を促す。なお、この意向確認は、シール5上に、例えば、「<必ずお読みください>下記の内容に同意し、お客さまご自身でシールを剥がし、払込票を切り離してからコンビニでお支払いください。また、はがしたシールは上部の所定の場所に貼り付けて保管してください。重要事項説明書を確認し、契約案内の記載事項に相違がないことを確認したうえで、その内容に承諾し、保険料を払込み、保険契約を申し込みます」と記載することによって促している。
【0025】
払込用紙4は、払込部2の一部分がミシン目である切取線2aで画定されて形成されており、切取線2aを跨いで、シール5が払込部2の説明部1側の面に貼付されている。このシール5を剥がさないと払込用紙4を払込部2から切り取ることができず、コンビニ等での払込ができないようになっている。ここで、シール5は、払込部2の中央よりも裏表紙3の他方の縁3b側にシール5の中心が位置するように貼付されており、望ましくはシール5よりも小口側に形成されている部分の切取線2aの長さが、綴じられている部分も含んだ払込部2の横幅の0%以上10%以下である。すなわち、シール5の端部が払込部2の縁と一致している、または、若干離れている。これにより、契約用書類10を綴じ合わせている側に寄せてシール5を払込部2に貼付した場合よりも切取線2aが裂け難くなり、シール5は払込用紙4を払込部2に対して強固に保持することができるため、契約者がシール5を剥がさずに払込用紙4を払込部2から切り取ることが困難になっている。払込部2は、剥したシール5を再貼付して保管するための保管領域2bが形成されている。シール5は再貼付可能な特殊なシールであり、保管領域2bに再貼付することで、申込、すなわち保険料払込を契約者自身で後で確認できるようになっている。
【0026】
なお、払込用紙4をコンビニエンスストアや銀行での払い込みを可能にする場合は、払込用紙4のバーコードを、契約者または見込顧客の情報、契約内容、保険料、払込期日を特定する情報に対応させる。一方、クレジットカード払いやコンビニ決済等のネット決済を可能にする場合は、QRコードを、契約者または見込顧客の情報、契約内容、保険料、払込期日を特定する情報に対応させており、インターネット上の専用サイトで保険料と契約者または見込顧客の名前等とを確認し、契約用書類で自ら意向把握や契約内容確認済みであることを再確認した後に、クレジットカード払いやコンビニ決済等のネット決算にて保険料を払い込むようになっている。契約者または見込顧客は、専用サイトで契約内容、保険料、払込期日、満期日等を再確認することが可能になっている。
【0027】
本実施形態に係る契約用書類10は、契約内容の説明が記載された説明部1と、説明部1の後方に綴じられ、契約内容に関連した払込用紙4を含む払込部2と、払込部2の後方に一方の縁3aが綴じられるとともに、他方の縁3bが説明部1と繋がっており、説明部1との間に払込部2を袋とじにする裏表紙3とを備えている。これにより、契約者または見込顧客は説明部1を読み進めた後、袋とじを開くという行為を介してから振込用紙4に関する次のステップに到達する。このため、契約内容の説明及び振り込みに関する一連の流れを一体化し、契約者または見込顧客が段階的に契約手続きを進めることができる。すなわち、単に一体化されたのではなく、各ページが段階的にしか開かず、各ステップを飛ばすことを容易に出来ない工夫が凝らしてあり、その手順に従わないと保険料が払えないようになっている。
【0028】
また、一般的に、コンビニ等での保険料払込用紙は、見た目が何らかの督促状に似ていることにより契約者または見込顧客に督促状であると誤解され得るものであるが、本実施形態に係る契約用書類作成10は、意向確認から払込まで一体型となって見た目が督促状と異なっているため、保険料払込用紙が契約者または見込顧客に督促状を受け取ったかのような圧迫感を覚えさせることがない。
【0029】
さらに、疑似粘着を用いて形成した袋とじの中に、紙面面積の異なる書類を入れ込んでおくことで、ステップ毎に書類を区分けできるため、重要事項説明書等の複数枚数からなる説明資料を一まとめに包含させることができるようになっている。
【0030】
(第2実施形態)
図6(a)は、第2実施形態に係る契約用書類を示す正面図、図6(b)は、その小口側端部を拡大して表した底面図であり、図7は、契約用書類の第1のステップに対応するページを開いた様子を示す底面図であり、図8は、契約用書類の第4のステップに対応するページを開いた様子を示す底面図である。なお、第2実施形態では第1実施形態と異なる部分について説明し、第1実施形態と略同一の構成に対しては同一の符号を用いている。
【0031】
本実施形態に係る契約用書類20は、疑似接着を用いずに通常の接着剤を用いて各用紙を接着しており、各ページを縁1dの近傍で切断することにより次のページに進めるようになっている。具体的には、説明部1は、図6(a)に示すように、小口側の縁1d近傍で、縁1dに沿って説明部1を切断するための切断部6が形成されている。この切断部6は、縁1dに沿ってミシン目で画定されて帯状に形成されており、切断部6の上下一方の端部を指でつまみ、縁1dに沿って他方の端部に向けて引っ張ることにより説明部1から切り離される。これにより、説明部1は、縁1dが本体から切断されるようになっている。
【0032】
切断部6は、図6(b)に示すように、説明部1の被仕切部1c以外の各ページに形成されており、図7(a)に示すように、ページをめくっていくほど切断部6の位置は縁1dから離れていくようになっている。これにより、図7(b)に示すように、次のページを切断する際に、次のページの切断部6が前のページに残った縁1dで覆われないようにすることができる。切断部6を用いて説明部1の最終ページを切断すると、図8(a)に示すように、払込用紙4が露出するようになっている。このとき、説明部1の切断した各仕切部1bの小口側の縁は、図8(b)に示すように、裏表紙3に接合された状態で残っている。
【0033】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。上記実施形態では、払込部2を内包するための袋とじを形成するのに裏表紙3を用いているが、これに限定されず、払込部2よりも後方に綴じられて説明部1と袋とじを形成することのできる用紙であれば最後に綴じられた用紙でなくてもよい。
【符号の説明】
【0034】
1 説明部
1a 表紙
1b 仕切部
1c 被仕切部
1d 縁
2 払込部
2a 切取線
2b 保管領域
3 裏表紙(カバー部)
3a 一方の縁
3b 他方の縁
4 払込用紙
5 シール
6 切断部
10 契約用書類
20 契約用書類
A 疑似接着領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8