(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記2種類のガンマ特性は、前記液晶表示装置に表示される映像のコントラストを強調するためのガンマ特性と、前記液晶表示装置に表示される映像を立体的に表示するためのガンマ特性である
請求項1記載の液晶表示装置。
前記第1映像信号生成部は、さらに、前記補正後映像信号に対して、外部から入力される第2制御信号に依存する強さで、視差による立体視を抑制するための立体視抑制処理を施す
請求項1〜2のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
前記第1映像信号生成部は、さらに、前記第2制御信号に依存する比率でアルファブレンドされた階調値に対して空間的に平滑化することで、前記第1映像信号を生成するローパスフィルタを有する
請求項5記載の液晶表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
【0013】
図1は、実施の形態に係る液晶表示装置10の構成を示す斜視図である。液晶表示装置10は、背面側から表示面側に向かって配置された、バックライト11、第1液晶表示パネル12、第1液晶表示パネル12と第2液晶表示パネル14とを貼り合わせる接着層13、第2液晶表示パネル14、及び、表示面側から第1液晶表示パネル12と第2液晶表示パネル14とを覆うフロントシャーシ15で構成される。なお、本実施の形態では、背面側に位置する第1液晶表示パネル12は、白黒(つまり、グレースケール)表示パネルであり、表示面側に位置する第2液晶表示パネル14は、カラー表示パネルであるとして、以下の説明をする。ただし、液晶表示装置10の構成としては、この組み合わせに限定されず、第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14は、それぞれ、独立して、白黒表示パネル及びカラー表示パネルのいずれであってもよい。
【0014】
図2は、
図1に示される液晶表示装置10が備える信号処理に関する構成を示す図である。液晶表示装置10は、信号処理に関する構成として、信号処理部20、第1液晶表示パネル12、及び、第2液晶表示パネル14を備える。
【0015】
信号処理部20は、入力された映像信号に対して高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をシームレスにリニアに変化させる処理を施した後に、第1液晶表示パネル12用の第1映像信号、及び、第2液晶表示パネル14用の第2映像信号を生成し、それぞれ、第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14に出力する。なお、本明細書において、映像とは、動画だけでなく、医療画像等の静止画も含む。
【0016】
第1液晶表示パネル12は、信号処理部20から出力された第1映像信号を表示するパネル(本実施の形態では、白黒表示パネル)であり、入力された第1映像信号から映像信号と同期信号とを生成する第1タイミングコントローラ12a、第1タイミングコントローラ12aが生成した映像信号に従って第1表示領域12dを表示駆動する第1ソースドライバ12b、第1タイミングコントローラ12aが生成した同期信号に従って第1表示領域12dを行単位で表示制御する第1ゲートドライバ12c、及び、2次元状に配置された画素で構成される第1表示領域12dを備える。
【0017】
第2液晶表示パネル14は、信号処理部20から出力された第2映像信号を表示するパネル(本実施の形態では、カラー表示パネル)であり、入力された第2映像信号から映像信号と同期信号とを生成する第2タイミングコントローラ14a、第2タイミングコントローラ14aが生成した映像信号に従って第2表示領域14dを表示駆動する第2ソースドライバ14b、第2タイミングコントローラ14aが生成した同期信号に従って第2表示領域14dを行単位で表示制御する第2ゲートドライバ14c、及び、2次元状に配置された画素で構成される第2表示領域14dを備える。
【0018】
図3は、
図2に示される信号処理部20の構成を示すブロック図である。信号処理部20は、最大値処理部(Max(RGB))21、ガンマ補正部22、第1映像信号生成部23、及び、第2映像信号生成部24を備える。なお、本実施の形態では、入力された映像信号は、表示する画像を構成する画素ごとに3つの色成分(R(赤)、G(緑)、B(青))それぞれの階調値(R値、G値、B値)を含む信号である。
【0019】
最大値処理部21は、入力された映像信号に含まれる3つの色成分それぞれの階調値から最大値を抽出する回路である。具体的には、最大値処理部21は、映像信号に対して、画素ごとに、階調値(R値、G値、B値)の最大値を選択して出力する。なお、最大値処理部21は、入力されたカラーの映像信号を白黒の映像信号に変換する処理部の一例であり、入力されたカラーの映像信号を白黒の映像信号に変換する他の方式の処理部(例えば、R値、G値及びB値を用いて輝度値に変換する処理部等)に置き換えてもよい。あるいは、入力された映像信号が輝度成分を含む場合には、最大値処理部21は、入力された映像信号から輝度成分だけを抽出して出力する処理部に置き換えてもよい。
【0020】
ガンマ補正部22は、最大値処理部21から出力された映像信号(ここでは、画素ごとの最大値を示す映像信号)に対して、外部から入力される第1制御信号に依存して定まるガンマ補正(より詳しくは、少なくとも2種類のガンマ特性を用いたガンマ補正)を施すことで補正後映像信号を生成する回路であり、第1ルックアップテーブル(LUT−A)22a、第2ルックアップテーブル(LUT−B)22b及びアルファブレンド部(αブレンド)22cを有する。第1制御信号は、液晶表示装置10の表示における高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合を指示する制御信号であり、例えば、液晶表示装置10に対するユーザからの指示に対応する信号(例として、リモコン等の操作ボタンを介して液晶表示装置10に与えられた信号等)である。
【0021】
第1ルックアップテーブル22aは、
図4の(a)に示されるような、液晶表示装置10に表示される映像のコントラストを強調するためのガンマ特性(入力階調値と出力階調値との関係)を示すデータを記憶するメモリである。
図4の(a)に示されるガンマ特性は、低い入力階調値(つまり、暗い色)だけに対して入力階調値と出力階調値との間に正の相関をもたせることで、液晶表示装置10に対してコントラストを向上させた2D表示をさせるのに好適なカーブとなっている。
【0022】
第2ルックアップテーブル22bは、
図4の(b)に示されるような、液晶表示装置10に表示される映像を立体的に表示するためのガンマ特性を示すデータを記憶するメモリである。
図4の(b)に示されるガンマ特性は、入力階調値の全体にわたって入力階調値と出力階調値との間に正の相関をもたせることで、第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14での表示における視差を生じさせるエッジ強調をし、これによって液晶表示装置10に対して3D表示をさせるのに好適なカーブとなっている。
【0023】
アルファブレンド部22cは、第1ルックアップテーブル22a及び第2ルックアップテーブル22bから、最大値処理部21から出力された映像信号(つまり、入力階調値)に対応する値(出力階調値)を読み出し、読み出した2個の値(出力階調値)を第1制御信号に依存する比率でアルファブレンドすることで、映像信号に対してガンマ補正を施す回路である。例えば、第1ルックアップテーブル22aから読み出した出力階調値をA、第2ルックアップテーブル22bから読み出した出力階調値をB、第1制御信号に依存する比率をα(0以上1以下の値)とすると、α・A+(1−α)・Bの演算結果を出力する。
【0024】
第1映像信号生成部23は、ガンマ補正部22から出力された補正後映像信号を用いて、背面側に配置される第1液晶表示パネル12用の第1映像信号を生成する回路であり、より詳しくは、補正後映像信号に対して、視差による立体視を抑制するための立体視抑制処理を施す回路であり、最大値フィルタ(MaxF)23a及びローパスフィルタ(LPF)23bを備える。
【0025】
最大値フィルタ23aは、画素ごとに、その画素の階調値を、その画素及び周辺画素(例えば、その画素と8個の周辺画素を含む合計9個の画素)の階調値における最大値(最も白い階調値)に置き換える回路である。これは、高い階調値(より白い色)を周辺の画素に波及させることで、白エリアを拡張する処理に相当する。
【0026】
ローパスフィルタ23bは、画素の階調値を空間的に平滑化する回路であり、より詳しくは、画素ごとに、その画素の階調値を、その画素及び周辺画素(例えば、その画素と8個の周辺画素を含む合計9個の画素)の階調値の平均値に置き換える。
【0027】
このような最大値フィルタ23a及びローパスフィルタ23bにより、第1映像信号生成部23は、第1液晶表示パネル12における白エリアを増加させてからぼかす処理を施すことで、コントラストを優先させる場合における視差問題を改善(つまり、立体視を抑制)している。
【0028】
第2映像信号生成部24は、第1映像信号生成部23から出力された第1映像信号を用いて、表示面側に配置される第2液晶表示パネル14用の第2映像信号を生成する回路であり、逆ガンマ補正部(INV−LUT)24a及び乗算器24bを備える。
【0029】
逆ガンマ補正部24aは、第1映像信号に対して、ガンマ補正部22によるガンマ補正の逆変換に相当する値(つまり、係数)を出力する回路であり、例えば、αが0.5である場合のガンマ補正部22によるガンマ補正の逆変換に相当するルックアップテーブルを用いて上記係数を出力する。
【0030】
乗算器24bは、逆ガンマ補正部24aが出力した係数を、信号処理部20に入力された映像信号(つまり、R値、G値、B値のそれぞれ)に乗じる乗算器である。
【0031】
このような逆ガンマ補正部24a及び乗算器24bにより、第2映像信号生成部24は、第1映像信号に対して逆ガンマ補正を施して得られる値を、入力された映像信号に乗じることで、結果として、入力された映像信号に対して第2映像信号の階調値で除して得られる階調値を第2映像信号として生成する。これにより、第1映像信号の階調値と第2映像信号の階調値とを乗じた結果が、入力された元の映像信号の階調値に一致するように、入力された映像信号が第1映像信号と第2映像信号とに分離される。
【0032】
次に、以上のように構成された本実施の形態に係る液晶表示装置10による動作について説明する。
【0033】
図5は、本実施の形態に係る液晶表示装置10による動作(つまり、映像信号処理方法)を示すフローチャートである。まず、最大値処理部21は、入力された映像信号に含まれる3つの色成分それぞれの階調値から最大値を抽出する(S10)。具体的には、最大値処理部21は、映像信号に対して、画素ごとに、階調値(R値、G値、B値)の最大値を選択して出力する。
【0034】
次に、ガンマ補正部22は、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合を指示する第1制御信号を外部から取得する(S11)。
【0035】
そして、ガンマ補正部22は、最大値処理部21から出力された映像信号に対して、いま取得した第1制御信号に依存して定まるガンマ補正を施すことで補正後映像信号を生成する(ガンマ補正ステップS12)。具体的には、ガンマ補正部22において、アルファブレンド部22cは、第1ルックアップテーブル22a及び第2ルックアップテーブル22bから、最大値処理部21から出力された映像信号(つまり、入力階調値)に対応する値(それぞれ、出力階調値A及びB)を読み出し、第1制御信号に依存する比率αを用いてα・A+(1−α)・Bを算出し、算出した結果を補正後映像信号として出力する。
【0036】
次に、第1映像信号生成部23は、ガンマ補正部22から出力された補正後映像信号を用いて、背面側に配置される第1液晶表示パネル12用の第1映像信号を生成する(第1映像信号生成ステップS13)。具体的には、第1映像信号生成部23は、最大値フィルタ23a及びローパスフィルタ23bを用いた処理により、第1液晶表示パネル12における白エリアを増加させてからぼかす処理を施すことで、コントラストを優先させる場合における視差問題を改善(つまり、立体視を抑制)する。
【0037】
そして、第2映像信号生成部24は、第1映像信号生成部23から出力された第1映像信号を用いて、表示面側に配置される第2液晶表示パネル14用の第2映像信号を生成する(第2映像信号生成ステップS14)。具体的には、第2映像信号生成部24は、逆ガンマ補正部24a及び乗算器24bを用いた処理により、第1映像信号に対して逆ガンマ補正を施して得られる値を、入力された映像信号に乗じることで、結果として、入力された映像信号に対して第2映像信号の階調値で除して得られる階調値を第2映像信号として生成する。
【0038】
以上の処理(S10〜S14)は、入力された映像信号に含まれる画素ごとに繰り返される。このような映像信号処理方法により、第1制御信号を介して液晶表示装置10に対してαブレンドの程度を指示することで、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をシームレスにリニアに変化させることができる。
【0039】
図6は、
図5に示されるガンマ補正ステップS12での処理例を説明する図である。ここでは、ガンマ補正部22における第1ルックアップテーブル22aのガンマ特性(LUT−A)、第2ルックアップテーブル22bのガンマ特性(LUT−B(ここでは、0.5のガンマに相当するガンマ特性))、及び、アルファブレンド部22cによるアルファブレンド(ここでは、α=0.5でのアルファブレンド)で実現されるガンマ特性が図示されている。ガンマ補正部22は、高コントラストの2D表示に好適な第1ルックアップテーブル22aのガンマ特性と、3D表示に好適な第2ルックアップテーブル22bのガンマ特性とを混合して得られるガンマ特性を用いて、最大値処理部21から出力された映像信号に対して、外部から入力される第1制御信号に依存したアルファブレンドを行うことで、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をシームレスにリニアに変化させるガンマ補正を施す。
【0040】
図7は、本実施の形態に係る液晶表示装置10による表示が立体的に見える条件(つまり、3D表示の条件)の例(つまり、第1映像信号及び第2映像信号の具体例)を示す図である。
図7の(a)〜(d)は、いずれも、白から黒(又は、黒から白)への急激な変化(つまり、エッジ部)が存在する箇所の立体視化の例を示し、具体的には、それぞれ、白黒段差、輝度変化のある白黒段差、輝点、及び、黒点の立体視化の例を示している。
図7の(a)〜(d)において、上段の図は、表示面側に配置される第2液晶表示パネル14の輝度分布を示し、下段の図は、背面側に配置される第1液晶表示パネル12の輝度分布を示している。なお、輝度分布は、横軸を、液晶表示パネルにおける一方向(例えば、横方向)における画素の位置とし、縦軸を、輝度(高いほど白い)とした場合における分布を示す。
【0041】
図7の(a)〜(d)のいずれの例においても、下段の図に示されるように、第1液晶表示パネル12用の第1映像信号として、ガンマ補正部22での処理(具体的には、α=0でのアルファブレンド)及び第1映像信号生成部23のローパスフィルタ23bによる処理(つまり、ぼかす処理)により、空間位置に応じて黒から白に急激に変化する(つまり、急激に白くなる)箇所では、徐々に黒から白に変化する(つまり、徐々に白くなる)信号が生成される。その結果、上段の図に示されるように、第2液晶表示パネル14用の第2映像信号として、第1映像信号に対する逆ガンマ補正部24aによる処理(つまり、入力された映像信号に対して第1映像信号の階調値で除する処理)により、白から黒への輝度変化が強調された立体視に好適な信号が生成される。
【0042】
ここで、本実施の形態に係る液晶表示装置10では、入力された映像信号の第1映像信号及び第2映像信号への輝度配分が0.5:0.5となったときに、立体視条件が成立するように、設計されている。これは、ガンマ補正部22におけるアルファブレンドにおいて、α=0の場合(つまり、3D用の第2ルックアップテーブル22bの成分を100%採用する場合)に相当する。このようなときに、液晶表示装置10を正面視した場合に輝度特性が元画像(つまり、入力された映像信号)と等価となり、斜め視した場合にエッジ部にて立体視状態となる。なお、正面視した場合に輝度特性が元画像と等価となるのは、第2映像信号として、第1映像信号に対して逆ガンマ補正部24aによる処理を施している(つまり、入力された映像信号に対して第1映像信号の階調値で除する処理を施している)からである。
【0043】
ところで、このような立体視優先の表示では、斜め視した場合に立体的なエッジ強調表現となり、コントラスト強調の2D表示とはならないために、高コントラストの2D表示を優先する場合には、エッジ強調表現を緩和する必要がある。エッジ強調表現の緩和は、ガンマ補正部22において、αを1に近づけたアルファブレンドをする(つまり、2D用の第1ルックアップテーブル22aを優先的に採用する)ことで実現され得る。第1ルックアップテーブル22aでは、低い入力階調値だけに対して入力階調値と出力階調値との間に正の相関があるが、それよりも高い入力階調値に対しては出力階調値が飽和した値となるので、この第1ルックアップテーブル22aを優先的に採用したアルファブレンドによって、第1映像信号生成部23における立体視抑制処理が効果的に行われ、その結果、立体視よりも高コントラストの2D表示を実現できる。
【0044】
次に、本実施の形態に係る液晶表示装置10による表示例(第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14の表示例)について、
図8〜
図11を用いて説明する。
【0045】
図8は、白黒段差をもつ元画像が液晶表示装置10に入力された場合において高コントラストの2D表示をさせる(α=1)ときと3D表示をさせる(α=0)ときの表示例(第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14の表示例)を示す図である。
【0046】
図8の(a1)及び(a2)は、それぞれ、元画像、及び、その輝度特性を示す。なお、輝度特性は、2次元に配置された各画素の輝度を縦軸(3次元表示における高さ)として表現したものであり、光の透過率とみることもできる。
図8の(a1)及び(a2)に示されるように、元画像は、左半分が黒で、右半分が灰色の白黒段差をもつ画像である。
【0047】
図8の(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)は、液晶表示装置10に高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合には、
図8の(c1)及び(c2)に示されるように、第1映像信号は、第1ルックアップテーブル22aを優先的に採用したアルファブレンドにより、全体的に白強調された画像を示し、
図8の(b1)及び(b2)に示されるように、第2映像信号は、
図8の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図8の(c1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ強調が抑制された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、高コントラストの2D表示が得られる。
【0048】
図8の(d1)、(d2)、(e1)及び(e2)は、液晶表示装置10に3D表示(α=0)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、3D表示(α=0)をさせる場合には、
図8の(e1)及び(e2)に示されるように、第1映像信号は、第2ルックアップテーブル22bを優先的に採用したアルファブレンドにより、全体的に黒強調された画像を示し、
図8の(d1)及び(d2)に示されるように、第2映像信号は、
図8の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図8の(e1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ部が強調された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、エッジ部が強調された3D表示が得られる。
【0049】
図9は、輝線をもつ元画像が液晶表示装置10に入力された場合において高コントラストの2D表示をさせる(α=1)ときと3D表示をさせる(α=0)ときの表示例(第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14の表示例)を示す図である。
【0050】
図9の(a1)及び(a2)は、それぞれ、元画像、及び、その輝度特性を示す。
図9の(a1)及び(a2)に示されるように、元画像は、黒色背景の中央において縦に走る輝線(ここでは、灰色の縦線)をもつ画像である。
【0051】
図9の(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)は、液晶表示装置10に高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合には、
図9の(c1)及び(c2)に示されるように、第1映像信号は、第1ルックアップテーブル22aを優先的に採用したアルファブレンドにより、全体的に白であってほとんど濃淡変化のない画像を示し、
図9の(b1)及び(b2)に示されるように、第2映像信号は、
図9の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図9の(c1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ強調が抑制された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、高コントラストの2D表示が得られる。
【0052】
図9の(d1)、(d2)、(e1)及び(e2)は、液晶表示装置10に3D表示(α=0)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、3D表示(α=0)をさせる場合には、
図9の(e1)及び(e2)に示されるように、第1映像信号は、第2ルックアップテーブル22bを優先的に採用したアルファブレンドにより、中央に濃淡変化のグラデーションをもつ画像を示し、
図9の(d1)及び(d2)に示されるように、第2映像信号は、
図9の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図9の(e1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ部が強調された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、エッジ部が強調された3D表示が得られる。
【0053】
図10は、黒線をもつ元画像が液晶表示装置10に入力された場合において高コントラストの2D表示をさせる(α=1)ときと3D表示をさせる(α=0)ときの表示例(第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14の表示例)を示す図である。
【0054】
図10の(a1)及び(a2)は、それぞれ、元画像、及び、その輝度特性を示す。
図10の(a1)及び(a2)に示されるように、元画像は、灰色背景の中央において縦に走る黒線をもつ画像である。
【0055】
図10の(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)は、液晶表示装置10に高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合には、
図10の(c1)及び(c2)に示されるように、第1映像信号は、第1ルックアップテーブル22aを優先的に採用したアルファブレンドにより、全体的に白であってほとんど濃淡変化のない画像を示し、
図10の(b1)及び(b2)に示されるように、第2映像信号は、
図10の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図10の(c1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ強調が抑制された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、高コントラストの2D表示が得られる。
【0056】
図10の(d1)、(d2)、(e1)及び(e2)は、液晶表示装置10に3D表示(α=0)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、3D表示(α=0)をさせる場合には、
図10の(e1)及び(e2)に示されるように、第1映像信号は、第2ルックアップテーブル22bを優先的に採用したアルファブレンドにより、中央に濃淡変化のグラデーションをもつ画像を示し、
図10の(d1)及び(d2)に示されるように、第2映像信号は、
図10の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図10の(e1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ部が強調された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、エッジ部が強調された3D表示が得られる。
【0057】
図11は、文字列を示す元画像が液晶表示装置10に入力された場合において高コントラストの2D表示をさせる(α=1)ときと3D表示をさせる(α=0)ときの表示例(第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14の表示例)を示す図である。
【0058】
図11の(a1)及び(a2)は、それぞれ、元画像、及び、その輝度特性を示す。
図11の(a1)及び(a2)に示されるように、元画像は、灰色の矩形背景の中に白抜きの文字列をもつ画像である。
【0059】
図11の(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)は、液晶表示装置10に高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、高コントラストの2D表示(α=1)をさせる場合には、
図11の(c1)及び(c2)に示されるように、第1映像信号は、第1ルックアップテーブル22aを優先的に採用したアルファブレンドにより、全体的に白であってほとんど濃淡変化のない画像を示し、
図11の(b1)及び(b2)に示されるように、第2映像信号は、
図11の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図11の(c1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ強調が抑制された画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、高コントラストの2D表示が得られる。
【0060】
図11の(d1)、(d2)、(e1)及び(e2)は、液晶表示装置10に3D表示(α=0)をさせる場合における第1映像信号及び第2映像信号が表す画像を示し、それぞれ、第2映像信号が示す画像、その画像の輝度特性、第1映像信号が示す画像、及び、その画像の輝度特性を示す。このように、3D表示(α=0)をさせる場合には、
図11の(e1)及び(e2)に示されるように、第1映像信号は、第2ルックアップテーブル22bを優先的に採用したアルファブレンドにより、灰色の矩形領域が文字列の箇所を白色とする濃淡変化のグラデーションをもつ画像を示し、
図11の(d1)及び(d2)に示されるように、第2映像信号は、
図11の(a1)に示される画像の輝度値に対して
図11の(e1)に示される画像の輝度値で除して得られる画像、つまり、エッジ部が強調された文字列の画像を示す。これにより、第1映像信号による画像と第2映像信号による画像を重ねて見た場合に、エッジ部が強調された文字列の3D表示が得られる。
【0061】
以上のように、本実施の形態に係る液晶表示装置10は、入力された映像信号を表示する装置であって、積層するように配置された第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14と、映像信号に対して、外部から入力される第1制御信号に依存して定まるガンマ補正を施すことで補正後映像信号を生成するガンマ補正部22と、補正後映像信号を用いて第1液晶表示パネル12用の第1映像信号を生成する第1映像信号生成部23と、第1映像信号を用いて第2液晶表示パネル14用の第2映像信号を生成する第2映像信号生成部24とを備える。
【0062】
また、本実施の形態に係る映像信号処理方法は、積層するように配置された第1液晶表示パネル12及び第2液晶表示パネル14を備える液晶表示装置10による映像信号処理方法であって、入力された映像信号に対して、外部から入力される第1制御信号に依存して定まるガンマ補正を施すことで補正後映像信号を生成するガンマ補正ステップS12と、補正後映像信号を用いて第1液晶表示パネル12用の第1映像信号を生成する第1映像信号生成ステップS13と、第1映像信号を用いて第2液晶表示パネル14用の第2映像信号を生成する第2映像信号生成ステップS14とを含む。
【0063】
これにより、入力された映像信号に対して、外部から入力される第1制御信号に依存して定まるガンマ補正を施すことで第1映像信号が生成され、第1映像信号に基づいて第2映像信号が生成される。よって、外部からの制御によってガンマ補正の特性を変更できるので、例えば、第1制御信号として、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合を示す信号とすることで、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をシームレスにリニアに変化させるのに好適な液晶表示装置10が実現される。
【0064】
つまり、ガンマ補正部22は、少なくとも2種類のガンマ特性を用いてガンマ補正を施す。具体的には、ガンマ補正部22は、2種類のガンマ特性を示す2個のルックアップテーブル(第1ルックアップテーブル22a及び第2ルックアップテーブル22b)を保持し、2個のルックアップテーブルから、映像信号に対応する2個の値を読み出し、読み出した2個の値を第1制御信号に依存する比率でアルファブレンドすることで、映像信号に対してガンマ補正を施す。ここで、2種類のガンマ特性は、液晶表示装置10に表示される映像のコントラストを強調するためのガンマ特性と、液晶表示装置10に表示される映像を立体的に表示するためのガンマ特性である。
【0065】
これにより、外部から入力される第1制御信号に依存する比率で、映像のコントラストを強調するためのガンマ特性と映像を立体的に表示するためのガンマ特性とを混合して得られる統合ガンマ特性によって第1映像信号が生成されるので、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をシームレスにリニアに変化させるのに好適な液晶表示装置10が実現される。
【0066】
また、第2映像信号生成部24は、第1映像信号に対して逆ガンマ補正を施して得られる値を映像信号に乗じることで、第2映像信号を生成する。これにより、入力された映像信号に対して第2映像信号の階調値で除して得られる階調値が第2映像信号として生成されるので、第1映像信号の階調値と第2映像信号の階調値とを乗じた結果が、入力された元の映像信号の階調値に一致することになり、第1液晶表示パネル12と第2液晶表示パネル14とを重ねて見た場合に、入力された元の映像信号の輝度特性が再現される。
【0067】
また、映像信号は、3つの色成分それぞれの階調値を含み、液晶表示装置10は、さらに、映像信号に含まれる3つの色成分それぞれの階調値から最大値を抽出する最大値処理部21を備え、ガンマ補正部22は、最大値処理部21で抽出された最大値に対して、ガンマ補正を施す。これにより、3つの色成分に対する最大値化という簡単な処理により、カラーの映像信号から高コントラスト化及び3D化に必要な白黒の映像信号が生成される。
【0068】
なお、立体視抑制処理を行う第1映像信号生成部としては、上記実施の形態における第1映像信号生成部23に限られない。
【0069】
図12は、上記実施の形態の変形例に係る第1映像信号生成部25を備える信号処理部20aの構成を示すブロック図である。本変形例に係る信号処理部20aは、上記実施の形態に係る信号処理部20における第1映像信号生成部23に代えて変形例に係る第1映像信号生成部25を備える。
【0070】
第1映像信号生成部25は、ガンマ補正部22から出力された補正後映像信号を用いて、背面側に配置される第1液晶表示パネル12用の第1映像信号を生成する回路であり、より詳しくは、補正後映像信号に対して、外部から入力される第2制御信号に依存する強さで、視差による立体視を抑制するための立体視抑制処理を施す回路であり、最大値フィルタ(MaxF)25a、最小値フィルタ(MinF)25b、アルファブレンド部(αブレンド)25c及びローパスフィルタ(LPF)25dを備える。第2制御信号は、液晶表示装置10の表示における高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合を指示する制御信号であり、例えば、液晶表示装置10に対するユーザからの指示に対応する信号(例として、リモコン等の操作ボタンを介して液晶表示装置10に与えられた信号等)である。
【0071】
最大値フィルタ25aは、ガンマ補正部22から出力された補正後映像信号が示す画素の階調値をその画素及びその画素に隣接する複数の画素(例えば、その画素と8個の周辺画素を含む合計9個の画素)の階調値のうちの最大値に置き換えるフィルタ処理を行う回路である。これは、高い階調値(より白い色)を周辺の画素に波及させることで、白エリアを拡張する処理であり、立体視を抑制する効果を発揮する。
【0072】
最小値フィルタ25bは、ガンマ補正部22から出力された補正後映像信号が示す画素の階調値をその画素及びその画素に隣接する複数の画素の階調値(例えば、その画素と8個の周辺画素を含む合計9個の画素)のうちの最小値に置き換えるフィルタ処理を行う回路である。これは、低い階調値(より黒い色)を周辺の画素に波及させることで、黒エリアを拡張する処理であり、立体視を強調する効果を発揮する。
【0073】
アルファブレンド部25cは、最大値フィルタ25a及び最小値フィルタ25bを用いて得られる2つの階調値を、第2制御信号に依存する比率でアルファブレンドする回路である。例えば、最大値フィルタ25aから読み出した出力階調値をA、最小値フィルタ25bから読み出した出力階調値をB、第2制御信号に依存する比率をβ(0以上1以下の値)とすると、β・A+(1−β)・Bの演算結果を出力する。
【0074】
ローパスフィルタ25dは、画素の階調値を空間的に平滑化する回路であり、より詳しくは、アルファブレンド部25cから出力された階調値を用いて、画素ごとに、その画素の階調値を、その画素及び周辺画素(例えば、その画素と8個の周辺画素を含む合計9個の画素)の階調値の平均値に置き換えることで第1映像信号を出力する回路である。
【0075】
図13は、
図12に示される第1映像信号生成部25の処理例を示す図である。ここでは、白黒段差をもつ元画像が信号処理部20aに入力された場合において、第2制御信号に依存する比率βの値によって、第1映像信号及び第2映像信号の輝度分布がどのようになるかが図示されている。
図13の(a)は、信号処理部20aに入力された白黒段差をもつ元画像の例を示す。
図13の(b1)及び(b2)は、それぞれ、β=1の場合における第2映像信号及び第1映像信号の輝度分布を示す。
図13の(c1)及び(c2)は、それぞれ、β=0.5の場合における第2映像信号及び第1映像信号の輝度分布を示す。
図13の(d1)及び(d2)は、それぞれ、β=0の場合における第2映像信号及び第1映像信号の輝度分布を示す。
【0076】
図13の(b1)及び(b2)に示されるように、β=1の場合には、アルファブレンド部25cにおいて最大値フィルタ25aが100%採用されることになるので、第1映像信号における輝度変化の大きい箇所が第2映像信号における低い階調値(つまり、黒い領域)に寄ることになる。よって、図示されている視線のように、白黒段差の下方に第1映像信号におけるグラデーションが位置し、視差に起因する影が見えにくくなり、その結果、立体視が抑制され、高コントラストの2D表示が実現される。
【0077】
また、
図13の(c1)及び(c2)に示されるように、β=0.5の場合には、アルファブレンド部25cにおいて最大値フィルタ25a及び最小値フィルタ25bが50%ずつ採用されることになる。よって、
図13の(b1)及び(b2)に示されるβ=1の場合における表示特性(つまり、高コントラストの2D表示)と、
図13の(d1)及び(d2)に示されるβ=0の場合の表示特性(つまり、3D表示)とを等しい重みで併せ持つ表示が実現される。
【0078】
図13の(d1)及び(d2)に示されるように、β=0の場合には、アルファブレンド部25cにおいて最小値フィルタ25bが100%採用されることになるので、第1映像信号における輝度変化の大きい箇所が第2映像信号における高い階調値(つまり、白い領域)に寄ることになる。よって、図示されている視線のように、白領域の下方に第1映像信号におけるグラデーションが位置し、視差に起因する影が見えやすくなり、その結果、立体視が強調され、3D表示が実現される。
【0079】
以上のように、本実施の形態の変形例に係る第1映像信号生成部25は、ガンマ補正部22から出力された補正後映像信号に対して、外部から入力される第2制御信号に依存する強さで、視差による立体視を抑制するための立体視抑制処理を施す。よって、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合を変化させる方法として、第1制御信号を用いたガンマ補正部22による調整に加えて、第2制御信号を用いた第1映像信号生成部25によっても調整されるので、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合が、よりシームレスにリニアに変化させることが可能になる。
【0080】
また、第1映像信号生成部25は、少なくとも2種類のフィルタ処理を用いて立体視抑制処理を施す。より具体的には、第1映像信号生成部25は、補正後映像信号が示す画素の階調値を画素及び画素に隣接する複数の画素の階調値のうちの最大値に置き換える最大値フィルタ25aと、画素の階調値を画素及び画素に隣接する複数の画素の階調値のうちの最小値に置き換える最小値フィルタ25bとを有し、補正後映像信号に対して最大値フィルタ25a及び最小値フィルタ25bを用いて得られる2つの階調値を、第2制御信号に依存する比率でアルファブレンドすることで、補正後映像信号に対して立体視抑制処理を施す。そして、第1映像信号生成部25は、さらに、第2制御信号に依存する比率でアルファブレンドされた階調値に対して空間的に平滑化することで第1映像信号を生成するローパスフィルタ25dを有する。
【0081】
これにより、外部から入力される第2制御信号に依存する比率で、最大値フィルタ25aによる立体視を抑制する処理と最小値フィルタ25bによる立体視を強調する処理とを統合したフィルタ処理によって第1映像信号が生成されるので、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をよりシームレスにリニアに変化させるのに好適な液晶表示装置が実現される。
【0082】
以上、本発明の液晶表示装置及び映像信号処理方法について、実施の形態及び変形例に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施の形態及び変形例に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態及び変形例に施したものや、実施の形態及び変形例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0083】
例えば、上記実施の形態では、入力される映像信号は、R値、G値、B値を含むカラー信号であったが、このような種類の信号に限定されない。Y、Cb、Crを含む色差信号であってもよいし、白黒信号であってもよい。上記実施の形態におけるガンマ補正部22、第1映像信号生成部23及び25は、入力された映像信号から変換された白黒信号に対する処理を行うので、入力された映像信号の種類に依存することなく、処理を行うことができる。
【0084】
また、上記実施の形態及び変形例では、第1制御信号及び第2制御信号として、液晶表示装置10に対するユーザからの指示に対応する信号の例が挙げられたが、このような信号に限られない。例えば、入力された映像信号の種類に応じて2D表示及び3D表示への好適性を判断し、その好適性を第1制御信号及び第2制御信号として出力する信号種別判定回路を設けてもよい。例として、入力された医療画像に写っている血管の多さに応じて、第1制御信号及び第2制御信号を生成する画像種別判定回路を設けてもよい。
【0085】
また、上記実施の形態及び変形例では、アルファブレンド部22c及び25cは、それぞれ、第1制御信号及び第2制御信号に依存する比率でアルファブレンドしたが、第1制御信号及び第2制御信号が、それぞれ、α及びβを直接的に示す信号であってもよいし、間接的に示す信号であってもよい。また、第1制御信号及び第2制御信号は、独立した別個の信号であってもよいし、同一の信号であってもよい。
【0086】
また、上記実施の形態及び変形例では、第1制御信号に依存してガンマ補正部22が動作し、第2制御信号に依存して第1映像信号生成部25が動作したが、必ずしも、いずれもが外部からの制御信号に依存して動作する必要はない。例えば、第1制御信号及び第2制御信号のいずれかが固定のα/βを示してもよい。ガンマ補正部22及び第1映像信号生成部25の少なくとも一方が外部からの制御信号に依存して動作することで、高コントラストの2D表示と3D表示それぞれの混合の割合をシームレスにリニアに変化させることが可能だからである。