(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記運転者付与外力情報が、運転者の姿勢変化によって生じる体重移動によって車体に与えられる力に関する情報を含む、請求項2または3に記載の乗物の疑似感情生成システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、開示された「自動二輪車自体の情報」は、自動二輪車の挙動を示す基礎的な情報でしかない。上記制御装置では、単純な乗物の挙動しか疑似感情に反映できず、多様な疑似感情を生成できない可能性がある。
【0005】
そこで本発明は、より多様な疑似感情を生成可能な乗物の疑似感情生成システム、およびより多様な会話情報を出力できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る乗物の疑似感情生成システムは、乗物の疑似感情を生成するシステムであって、走行中に外部から前記乗物に与えられる外力を示す外力情報に基づき、前記乗物の疑似感情を生成する感情生成部を備える。
【0007】
前記構成によれば、外部から乗物に与えられる外力、またはそれに起因する車体挙動の変化を考慮でき、多様な疑似感情を生成できる。特に、外力に対する影響(例えば、外力に起因する車体挙動の変化)が比較的大きな鞍乗型車両においては、多様な疑似感情を生成しやすくなる。
【0008】
前記外力情報は、走行中に運転者から乗物に与えられる外力を示す運転者付与外力情報を含んでもよい。
【0009】
前記構成によれば、運転者から乗物に与えられる外力、またはそれに起因する車体挙動の変化を考慮して多様な疑似感情を生成できる。
【0010】
前記乗物は、車体を傾斜させて旋回走行可能であり、前記運転者付与外力情報が、運転者から与えられる操舵軸周りのトルクに関する情報を含んでもよい。
【0011】
前記構成によれば、旋回走行中に車体を傾斜させる乗物において、運転者によって与えられる操舵軸周りのトルクは、車体挙動に大きな影響を及ぼす。このような影響を考慮して多様な疑似感情を生成できる。
【0012】
前記運転者付与外力情報が、運転者の姿勢変化によって車体に与えられる力に関する情報を含んでもよい。
【0013】
前記構成によれば、運転者の姿勢変化に伴って車体姿勢が変化したり、運転者と車両とを含む移動体全体の重心位置が変化したりして、車体挙動に大きな影響を及ぼす乗物の場合に、このような車体挙動の変化を考慮して多様な疑似感情を生成できる。
【0014】
前記外力情報は、走行中に路面から車両接地部位に与えられる外力を示す路面付与外力情報を含んでもよい。
【0015】
前記構成によれば、路面から車両に与えられる力は車体挙動に大きな影響を及ぼす乗物の場合には、路面付与外力情報に基づいた感情生成を行うことで、路面接地部位の状況に応じた多様な疑似感情を生成できる。
【0016】
前記乗物は、車体を傾斜させて旋回走行可能であり、前記外力情報が、運転者から与えられる操舵軸周りのトルクに関する情報と、走行中に路面から車両接地部位に与えられる外力を示す路面付与外力情報とを含んでもよい。
【0017】
前記構成によれば、車体挙動に対応して多様な疑似感情を生成できる。
【0018】
運転者の運転技量を判断する技量判断部を更に備え、前記感情生成部が、前記技量判断部により判断された運転技量に基づいて、前記乗物の前記疑似感情を生成してもよい。
【0019】
前記構成によれば、技量の上達に応じて車両の疑似感情を変化させることも可能となる。
【0020】
本発明の一形態に係る会話情報出力方法は、乗物を運転する運転者に会話情報を出力するための会話情報出力方法であって、走行中に外部から前記乗物に与えられる外力を示す外力情報を取得する取得工程と、前記取得工程で取得された外力情報に基づいて、会話情報を出力する出力工程とを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、より多様な疑似感情を生成可能な乗物の疑似感情生成システム、およびより多様な会話情報を出力する方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。全図を通じて同一のまたは対応する要素には同一の符号を付して詳細説明の重複を省略する。
【0024】
図1は、第1実施形態に係る疑似感情生成システム1の構成図である。本実施形態では、乗物として、運転者が跨るシートを備えた鞍乗型車両、特にそのなかでも、前輪および後輪を1つずつ備えるとともに車輪(例えば、後輪)を駆動する駆動源を搭載した自動二輪車を例示する。以下の説明では、駆動源として、吸気系に開度可変のスロットル弁を装備したエンジンを例示するが、駆動源には、エンジンに代えてまたは加えて電気モータが用いられてもよい。
【0025】
鞍乗型車両またはその一例である自動二輪車は、車体外部から与えられる外力に対する影響が大きい。また、自動二輪車は、前輪接地点および後輪接地点を通過する前後軸周りに車体を傾斜させて旋回走行する乗物の好適例である。なお、車体の傾斜運動に関わるパラメータ(具体的には、車体傾斜角、車体傾斜角速度、車体傾斜角加速度)に応じて、路面から車輪に作用する力は変わる。
【0026】
ハードウェアの側面から疑似感情生成システム1の構成について説明する。疑似感情生成システム1は、少なくとも自動二輪車に搭載された車載機器2を含む。車載機器2には、電子制御ユニット6、および、多数のセンサが含まれる。センサには、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ、車体速度を検出する車速センサ、エンジン冷却水温を検出する水温センサ、車間距離を測定する距離センサ、前輪ブレーキ圧を検出する前ブレーキ圧センサ、後輪ブレーキ圧を検出する後ブレーキ圧センサ、燃料残量を検出する燃料残量センサ、車体傾斜角を検出する傾斜角センサ、などが含まれる。
【0027】
疑似感情生成システム1は、車載機器2とインターネット接続されたサーバ30を含んでもよい。この場合、電子制御ユニット6とサーバ30との間で双方向通信可能に、サーバ30は車載機器2としての電子制御ユニット6と接続される。
【0028】
疑似感情生成システム1は、車載機器2とBluetooth(登録商標)等のように無線接続されて運転者が着用する着用機器3を含んでもよい。着用機器3には、マイク8およびスピーカ9を有したヘッドセット7が含まれる。ヘッドセット7はヘルメットに内蔵されていてもよい。この場合、マイク8およびスピーカ9は車載機器2としての電子制御ユニット6に接続される。マイク8は運転者の発話を拾い、その音声情報が電子制御ユニット6に出力される。スピーカ9は、電子制御ユニット6で生成された音声情報を出力する。
【0029】
疑似感情生成システム1は、「感情源情報」に基づいて自動二輪車の疑似感情を生成する感情生成部11を備える。感情源情報は、感情生成部11において疑似感情の生成に用いられる情報である。
【0030】
感情源情報には、本実施形態では、自動二輪車の走行情報や、走行中に外部から自動二輪車に与えられた外力を示す外力情報や、運転者の運転技量を示す運転技量情報や、運転者の感情を示す運転者感情情報が含まれる。感情生成部11は、少なくとも外力情報に基づいて、自動二輪車の疑似感情を生成する。
【0031】
「疑似感情」は、「快適」あるいは「不快」を示す車両感情情報でもよいし、「喜」、「怒」、「哀」あるいは「楽」を示す車両感情情報でもよいし、「好」あるいは「嫌」を示す車両感情情報でもよいし、「抑圧」あるいは「解放」を示す車両感情情報でもよい。疑似感情は、自動二輪車を生き物とみなした場合に生じるであろう感情と言うこともできる。自動二輪車は往々にして馬に譬えられるが、疑似感情生成システム1は、このような例えに一層の現実味を与えるものである。そして、この疑似感情を示す車両感情情報は、運転者に報知される。このことから、車両感情情報は運転者に向けた報知情報でもある。運転者は、報知情報から自動二輪車の感情に接することができ、生き物(例えば、馬)に乗って移動しているような感覚を得ることができる。
【0032】
なお、本書では、感情生成部11が感情源情報に基づいてどのようにして疑似感情を生成するのか、これを表す具体的な感情生成プログラム、感情生成ロジック、あるいは感情生成エンジンに関する詳細説明は省略する。
【0033】
走行情報は、車体の走行状態(車体挙動)を示す情報が含まれる。走行状態は、走行時のエンジン制御のために検出される内部情報が含まれてもよい。また、走行情報は、車体の警告状態を示す情報が含まれてもよい。また、走行情報は、運転者から車体に与えられる運転操作のための操作指令を示す情報が含まれてもよい。また、走行情報は、車両制御装置から合垂れられる車体制御のための操作指令を示す情報が含まれてもよい。このような走行情報は、走行時に車体内で生じる現象を示す情報が含まれる。走行情報には、アクセル開度、車体速度、前後方向車体加速度、左右方向車体加速度、駆動源冷却用のクーラント温度(一例として、エンジン冷却水温)、車間距離(自車とその前を走行する車両との間の距離)、前輪ブレーキ圧、後輪ブレーキ圧、バッテリ残量、スロットル開度、燃料残量、エンジン回転数、ヨーレート、あるいは、車体傾斜角を示す情報が含まれる。いずれの情報も公知のセンサを用いて取得可能な情報であるので、情報取得のための手段や構成についての詳細説明は省略する。
【0034】
外力情報は、乗物外から乗物に与えられた力[ニュートン]およびトルク[ニュートン・メートル]のいずれかに関する情報を意味する。外力情報として、大きさ以外に大きさの時間変化、向き、向きの時間変化、およびそれらを複合した情報を含んでもよい。外力情報には、運転者から自動二輪車に与えられた外力を示す運転者付与外力情報や、路面から自動二輪車の路面接地部位(典型的には、タイヤ踏面)に与えられる外力を示す路面付与外力情報が含まれる。運転者付与外力情報には、運転者から与えられる操舵軸AS(
図2を参照)周りのトルクτ(
図2を参照)に関する情報(以下、説明便宜上「操舵トルク情報」という)が含まれる。また、運転者付与外力情報には、運転者の姿勢変化に関する情報(以下、説明便宜上「姿勢変化情報」という)が含まれる。
【0035】
疑似感情生成システム1は、上記した外力情報を取得する外力情報取得部12、運転者の運転技量を判断して運転技量情報を取得する技量判断部13、および、運転者の感情を示す運転者感情情報を取得する運転者感情情報取得部14を含む。外力情報取得部12は、運転者付与情報を取得する運転者付与外力情報取得部21、および、路面付与外力情報を取得する路面付与外力情報取得部22を含む。運転者付与外力情報取得部21は、操舵トルク情報を取得する操舵トルク情報取得部23、および、姿勢変化情報を取得する姿勢変化情報取得部24を含む。
【0036】
運転者付与外力として、運転者の体重移動により生じる外力が与えられてもよい。例えば、シート荷重センサ、運転者の位置センサなどを用いて運転者の前後方向および左右方向の体重移動変化を取得してもよい。また、旋回時に生じる車体遠心力を検出し、検出値から遠心力に対応する運転者姿勢の左右方向変化を演算してもよい。また、前後輪のサスペンションのストローク変化を検出し、その検出値から、運転者姿勢の前後方向変化を演算してもよい。このほか、運転者がステップを押し付ける力や、運転者がハンドルを上方に持ち上げたり、ハンドルを下方に押し付けたりする力を検出し、その検出値に基づいて会話情報を出力してもよい。例えば、平均値に対して大きく体重移動をしている場合には、運転者が意図的に体重移動をしていることを判断し、会話情報を異ならせてもよい。
【0037】
図2は、路面付与外力および操舵トルクの説明図である。路面付与外力情報取得部22は、路面付与外力(タイヤ力、車輪力ともいう)を取得する。路面付与外力は、前後方向、左右方向のほか、上下方向であってもよい。また、それらの方向に延びる軸線周りに働く力であってもよい。「路面付与外力」には、前輪31に前後方向に働く前輪縦力Fxf、前輪31に左右方向に働く前輪横力Fyf、鉛直方向に働く前輪鉛直力Nf、後輪32に前後方向に働く後輪縦力Fxr、後輪32に左右方向に働く後輪横力Fyr、後輪32に鉛直方向に働く後輪鉛直力Nr、およびこれらを合成した力(例えば、後輪縦力Fxrと後輪横力Fyrとを合成した力)、または合算した力(例えば、前輪縦力Fxfと後輪縦力Fxrとの和)が含まれる。路面付与外力情報は、車輪に設けたひずみゲージの検出結果に基づいて、推定演算されてもよい。ひずみゲージのような直接的に外力を検出する手法のほか、前後方向加速度、車体傾斜角βおよびその時間変化値(傾斜角速度や傾斜角加速度)などの車体挙動変化を検出することで、車体挙動変化を生じさせたであろう路面付与外力を推定演算してもよい。このように、路面付与外力は、直接的にまたは間接的に取得されてもよい。路面付与外力情報取得部22は、路面付与外力情報を間接的に取得する場合において、車両の設計パラメータ、車体、運転者および積載物の総重量にも基づいて、路面付与外力を推定演算する。路面付与外力は前輪および後輪をそれぞれ個別に求めることで、前輪と後輪との路面付与外力にそれぞれ応じた会話情報を出力することができ、さらに多様な応答を実現することができる。
【0038】
操舵トルク情報取得部23は、操舵トルク情報を取得する。操舵トルクτは、ヘッドパイプ近傍に設けられたトルクセンサやロードセルなどで直接的に検出されてもよい(トルクセンサが操舵トルク情報取得部23を構成していてもよい)。操舵トルクτは、取得された路面付与外力に基づいて推定演算されてもよい(操舵トルク情報取得部23が、路面付与外力に基づいて操舵トルクτを推定演算してもよい)。
【0039】
図3Aは高い運転技量を有する運転者が自動二輪車を操縦したときの路面付与外力情報の時刻歴を表し、
図3Bは初心者が自動二輪車を操縦したときの路面付与外力情報の時刻歴を表す。技量判断部13は、一例として、路面付与外力情報取得部22によって取得される路面付与外力情報、特に、駆動輪に路面から作用する縦力および横力、またはこれら2つの合力の時系列データに基づいて、運転技量を判断してもよい。
図3Aに示すように、高い運転技量を有する運転者は、いわゆる摩擦円FCが示すタイヤグリップ限界の付近まで路面付与外力を発生させるようにしながら安定した操縦を行える。しかし、
図3Bに示すように、初心者は、駆動輪に路面から作用する力が小さいまま操縦を行う。すなわち、初心者は、車体を横滑りするかどうかギリギリになるまで車体を大きく傾斜させることができず、駆動輪に空回りが発生するかどうかギリギリになるまでエンジン出力を大きくしたりすることができない。このような運転性向にしたがって、時系列データから統計的に導出される路面付与外力情報の平均値や分散値に応じて、運転技量を判断することは可能である。
【0040】
運転者感情情報取得部14は、ヘッドセット7のマイク8によって拾われた運転者の発話内容を示す音声情報を基にして、運転者の感情を示す運転者感情情報を生成する。運転者の感情も、上述した疑似感情と同様、「快適」あるいは「不快」を示す運転者感情情報でもよいし、「喜」、「怒」、「哀」あるいは「楽」を示す運転者感情情報でもよいし、「好」あるいは「嫌」を示す運転者感情情報でもよい。
【0041】
感情生成部11は、上記したような感情源情報に基づいて、疑似感情を生成する。生成された疑似感情は、運転者に報知される。疑似感情生成システム1は、報知のための機器として、例えば、前述したスピーカ9あるいはメータ10を備えている。電子制御ユニット6は、疑似感情を表した音声情報を報知情報としてスピーカ9に出力する。スピーカ9は、音声情報を放音し、運転者の聴覚に訴えて運転者に自動二輪車の疑似感情を報知する。電子制御ユニット6は、疑似感情を表した視覚情報を報知情報としてメータ10に出力する。メータ10は、視覚情報を表示し、運転者の視覚に訴えて運転者に自動二輪車の疑似感情を報知する。
【0042】
ここで、本実施形態では、自動二輪車の走行情報のみならず、外力情報に基づいて疑似感情が生成される。この場合、外力が大きいほど、大きな抑圧を示す感情が生成されてもよい。外力が小さいほど、大きな快適さを示す感情が生成されてもよい。運転者によって付与される操舵トルクや、路面付与外力が大きいほど、大きな不快さを示す感情が生成されてもよい。操舵トルクや路面付与外力が小さいほど、大きな快適さを示す感情が生成されてもよい。このように、外力を疑似感情の生成のパラメータとして用いることで、あたかも外力によって生き物に生じる感情を疑似感情として設定できる。
【0043】
あるいは、時間経過に対する外力の変化度合い(外力の時間変化率)に基づいて、疑似感情を設定してもよい。操舵トルクの値自体が大きくても、その時間変化が小さい場合(比較的大きな操舵トルクが継続的に付与されている状態(比較的長期の定常旋回走行など))、快適さを示す感情が大きくなるように設定されてもよい。
【0044】
なお、疑似感情として「不快」を示す車両感情情報が生成された場合、スピーカ9で放音される発話内容が消極的なものとしたり、発話頻度が減ってもよい。疑似感情として、「快適」を示す車両感情情報が生成された場合、スピーカ9で放音される発話頻度が増えてもよい。
【0045】
外力情報には、走行中に運転者から乗物に与えられた外力を示す運転者付与外力情報が含まれている。このように、運転者から乗物に与えられる外力、またはそれに起因する車体挙動の変化を考慮して多様な疑似感情を生成できる。
【0046】
運転者の運転技量を判断する技量判断部を更に備え、感情生成部が、技量判断部により判断された運転技量に基づいて、自動二輪車の疑似感情を生成している。これにより、技量の上達に応じて車両の疑似感情を変化させることができる。
【0047】
鞍乗型車両は、自動車と比べて軽量および小型であり、車外から与えられる外力が、走行挙動に与える影響が大きい。特に車体を傾斜させた状態で旋回する車両では、運転者による姿勢変化に応じて車体傾斜量が変化するので、外力が及ぼす車体挙動に与える影響が大きい。本実施例では、乗物の挙動に影響を与える外力に基づいて感情生成することで、結果(実際の挙動)が同じでも異なる感情を生成することもできる。これによって、会話情報をより多様にすることができ、運転者にとって飽きが生じにくくすることができる。
【0048】
また、外力が与えられてから実際に車体挙動が変化する前に、会話情報を生成することができるので、会話情報の出力を早めることができ、運転者との会話タイミングを保ちやすく、会話の不自然さを抑えやすい。
【0049】
上述したように、運転者または路面などから乗物に与えられる外力によって、疑似感情を変化させる場合の一例として、乗物を生き物として仮定した場合に生じるであろう感情を疑似感情として設定してもよい。例えば、運転者から与えられる外力、例えば左右方向の体重移動が急変化したり大きい場合には、疲れを示す感情が反映された会話情報が出力されてもよい。逆に、運転者から与えられる外力が小さい場合や、変化が緩やかな場合には、快適さを示す感情が反映された会話情報が出力されてもよい。
【0050】
また、運転者から与えられる外力から運転者の感情を推定し、会話情報に反映してもよい。外力の加えられ方は、運転者の感情が大きく現れる要素の一つである。例えば、運転者から与えられる外力が大きい場合など、運転者にかかる負担が大きいことを判断すると、運転者を労う会話情報を出力したり、休憩を促す会話情報を出力してもよい。また、外力が与えられる傾向から、運転者の疲れを判断して、運転者の疲れに応じた会話情報を出力してもよい。また、外力の傾向を確認して、運転者に元気があると判断される場合には、それに共感した会話情報を出力してもよい。このように、運転者から与えられる外力から、運転者の感情を推定し、運転者の感情に共感した会話情報を出力してもよい。また、運転者の力の入れ具合(外力の与え方)で、異なる感情生成を与えることができる。
【0051】
路面付与外力が小さい(すなわち、摩擦力が低い)場合には、駆動力および制動力が挙動として現れにくいことから、不快さを示す感情が生成されてもよい。また、路面付与外力が所定値を超える場合には、車輪スリップや横滑り移動が生じる可能性があることから、不快さを示す感情が生成されてもよい。
【0052】
また、前輪と後輪とで個別に路面付与外力が与えられることで、更に多様な会話情報を生成することができる。摩擦円に対する余裕が大きい場合には、快適な感情を生成してもよい。また、摩擦円に対する余裕度を大きくするような操作、例えば、垂直抗力が増加した場合には、快適な感情を生成してもよい。また、旋回半径や遠心力に応じた適切な体重移動を行うことで、車体が無理なく旋回できるような外力パターンが与えられた場合には、快適な感情を生成してもよい。例えば、コーナー進入時にリーンインし、コーナー脱出時にリーンアウトさせて旋回性を高めた場合には、快適な感情を生成してもよい。
【0053】
また、不快な感情の場合には、発言頻度を減らすようにしてもよい。また、快適である感情の場合には、発言頻度を増やすようにしてもよい。
【0054】
運転者から与えられる外力に加えて、運転者が車両を操作する操作情報も含めて感情生成することで、更に感情生成の多様化を図り易い。例えば、操作情報と運転者付与外力とで乗物を生き物として仮定した場合に生じるであろう感情を疑似感情として設定しやすい。また、運転者の感情をより詳しく推定しやすく、運転者の感情に応じた会話を図り易い。
【0055】
また、運転者付与外力または路面付与外力が小さい場合に会話情報を出力したり、会話情報の出力頻度を増やしてもよい。これによって運転者が複雑な操作を行っていない可能性が高い場面(例えば、運転者がリラックスしている状態)での会話出力をさせることができる。言い換えると、運転者付与外力が大きい場合、あるいは大きく変化している場合には、会話情報の出力自体をしなかったり、出力頻度を減らしたり、外力が大きい場合の特別な会話出力を生成してもよい。これによって、複雑な運転操作における会話を減らしたり、運転操作を支援する会話情報を与えたりしてもよい。このように、外力付与状況に応じて、会話情報の出力タイミングを設定することで、運転者が把握しやすいタイミングでの応答を図ることができる。
【0056】
操舵トルクと、路面付与外力情報との両方に基づいて、疑似感情を生成することで、車体を傾斜させる乗物での、運転者の意図や快適さを推定しやすく、推定結果に応じた感情を生成することで、多様でかつ適切な応答を適切な時期に出力しやすくすることができる。
【0057】
音声として会話情報を伝えることが好ましいが、メータ表示装置に表示させるなど、音声以外、例えば画像として会話情報を伝えてもよい。また、サーバへ送信しなくてもよい。
【0058】
図4に示すように、第2実施形態に係る疑似感情生成システム200は、表示装置201および表示制御部202を備えている。表示装置201は、運転者に情報を視覚的に伝達する装置である。表示装置は、制御装置の表示制御部によって、疑似感情ごとに点灯形態が変化するように制御される。点灯形態で情報を伝達することで、運転者は、文字情報を視認して情報を判断する場合に比べて、直感的に情報を判断できる。特に、感情という情報を取り扱うに際して、文字で伝達するよりも直観的な情報伝達を行うことができるので有益である。
【0059】
点灯形態の要素には、色、明るさ、形(図形およびそのサイズ)、動き(時間変化)が含まれる。これら要素の組み合わせによって様々な点灯形態を生成でき、これら要素の少なくとも1つが変化することで点灯形態が変化する。例えば、暗い赤の小さな丸形の径を大小させる形態、明るい青の直線体を明滅させる形態を生成できる。点灯形態は、文字言語で表されるものとは異なり、非言語の情報、あるいは(動的または静的な)図形情報である。表示装置201に表示される情報は、計器(メータ)ユニット211(
図5参照)に表示される情報とは異なり、計器ユニット211に表示される情報に比べて、運転操作に直接影響しなかったり、運転操作への影響が小さい情報である。点灯形態の要素としての「動き(時間変化)」、あるいは、伝達すべき情報が変化するときに生ずる点灯形態の変化は、運転者にとって直感的または感性的に認識可能であることが好ましい。
【0060】
そして、点灯形態は、運転者が走行路を直視している状態でも、認識可能であることが好ましい。人間の視界には、視力が高い中心視力で物体が視認される高認識領域と、中心視力よりも低い中心外視力で物体が視認される低認識領域とが存在する。表示装置201は、運転者の視点を走行路または計器ユニット211に向けた場合に、少なくとも低認識領域に入るように配置される。点灯形態(特に、上記要素の「明るさ」)および点灯領域(点灯形態が表示される領域)は、低認識領域であっても運転者がこれを認識可能に設定される。たとえば、点灯領域は、計器ユニット211に設けられる文字のうちで最小の表示領域よりも、大きい面積の領域に形成される。好ましくは、点灯領域は、計器ユニット211に設けられる文字のうちで最大の表示領域よりも、大きい面積の領域に形成される。これによって表示装置201が低認識領域にある状態(例えば、視点を走行路に向けて運転操作に注力している状態)でも、表示内容(点灯形態がどのようなものであるのか、ひいては伝達されている情報が何を示すのか)を瞬間的に判断しやすくすることができる。
【0061】
点灯形態が、非言語の情報として表現されることで、言語情報のように言語を読み取った後で、言語の意味を認識する場合に比べて、直感的・感覚的に情報を認識できる。また運転者の視野の高認識領域外に点灯領域が位置したとしても、言語情報の認識に比べて、伝達される情報を容易に認識することができる。
【0062】
本実施形態では、表示装置201には、点光源あるいは面光源で構成された発光部を含む。また、表示装置201は、運転者に識別させる情報(疑似感情の種類)の多様化のため、複数の点灯形態を表示できる。前述したとおり、点灯形態は、色、明るさ、形、動き(時間変化)によって構成され、これらのうち少なくともいずれかが変化することで変化する。これによって複数の情報を伝達するにあたって、不所望に点灯領域が増加することを抑えることができる。たとえば、発光部は、発光色可変、光量可変および発光周期可変であることが望ましい。発光部の具体的光源は特に限定されず、LED(Light Emitting Diode)や有機EL(Electronic Luminescent)を例示できる。
【0063】
表示装置201は、乗物の車体に設けられる。具体的には、表示装置201は、運転姿勢をとっている運転者が点灯形態を視認可能となる位置に配置される。表示装置201は、制御装置と接続され、制御装置によって制御される。具体的には、表示装置201は、制御装置から与えられる点灯指令に応じて、点灯形態を変化させる。
【0064】
図5は表示装置201の一例を示す図である。乗物2(例えば、自動二輪車)は、車幅方向中央部に計器ユニット211を備える。計器ユニット11は、速度計11a、回転速度計11b、走行距離計11cおよび燃料計11dなどの複数の計器を集約的に配置してユニット化したものである。
【0065】
乗物2は、操舵装置として運転者が把持した状態で回動操作する左右一対のハンドルバー212L,212Rを備える。本実施例では、ハンドルバー212L,212Rは、計器ユニット211の車幅方向外側に設けられる。乗物2は、車両の車幅方向外側後方の状況を把握するためのバックミラーである左右一対のサイドミラー213L,213Rを備える。サイドミラー213L,213Rは、計器ユニット211の車幅方向外側かつハンドルバー212L,212Rの上方に設けられる。各サイドミラー213L,213Rは、車体から概略上方に延びるミラーステー213a、ミラーステー213aの上端部に取り付けられたミラーハウジング213b、および、ミラーハウジング213bに収容されて鏡面を後方に向けたミラー213cで構成される。
【0066】
運転者は、サイドミラー213L,213Rで車両後方を確認し、計器ユニット211で車両状態を確認しつつ、ハンドルバー212L,212Rを握って車両前方を見て車両を運転する。計器ユニット211およびサイドミラー213L,213Rは、運転姿勢をとっている運転者が視認容易に配置されている。本実施形態の乗物2は、運転者への走行風圧を抑えるための風防装置として、ウィンドシールド214を備える。ウィンドシールド214は、透明の板材で構成されている。ウィンドシールド214は、車体から概略上方に延び、計器ユニット211を前から覆っている。
【0067】
表示装置201には、計器ユニット211よりも車幅方向外側に配置されるサイドライトユニット41L,41Rが含まれる。サイドライトユニット41L,41Rは、前述した発光部の一例である。サイドライトユニット41L,41Rは、一例として、複数のLEDを面状または線状に配列してなる光源装置である。各LEDは、例えば、RGBフルカラーLEDである。サイドライトユニット41L,41Rは左右一対であり、車幅中心線に対して対称に設けられている。本実施例では、一対のサイドライトユニット41L,41Rは、一対のサイドミラー213L,213Rのミラーステー213aにそれぞれ設けられる。具体的には、サイドライトユニット41L,41Rは、ミラーステー13aの後面に設けられることで発光面が運転者に対向し、上下方向に長尺の形状を成している。また、ミラーステー213aは上方に向かうほど車幅方向外側に傾斜し、一対のサイドライトユニット41L,41Rも、これに倣って車幅方向に傾斜しながら上下方向に延在している。サイドライトユニット41L,41Rは、上下方向に延びる長尺の帯形状を有して配置されればよく、他の例として、ウィンドシールドの車幅方向両側縁に設けられてもよい。またウィンドシールドを支持するためのウィンドシールドステーが上下方向に延びて設けられる場合には、ウィンドシールドステーにサイドライトユニット41L,41Rが設けられてもよい。
【0068】
本実施形態に係る表示装置201には、計器ユニット211の表示部分よりも上方に配置されるフロントライトユニット42L,42Rが含まれる。フロントライトユニット42L,42Rも、複数のLEDを面状あるいは線状に配列してなる光源装置であり、各LEDは、例えばRGBフルカラーLEDである。フロントライトユニット42L,42Rは、一対のミラーステー213aの車幅方向内側に配置され、ウィンドシールドの一対の車幅方向外側縁の内側に配置される。フロントライトユニット42L,42Rは、車幅方向に長尺の形状を成し、計器ユニット211の上縁を縁取るように配置されている。本実施例では、フロントライトユニット42L,42Rも左右一対であり、車幅中心線に対して対称に設けられている。フロントライトユニット42L,42Rは、車幅方向に延びる長尺の帯形状を有して配置されればよく、他の例として、ウィンドシールドの後縁や、計器ユニット11の表示部分の下方、たとえば計器ユニット211の下縁を縁取るように配置されてもよい。またフロントライトユニット42L,42Rは、アッパブラケットやハンドルポストに設けられてもよい。
【0069】
帯形状のライトユニット41L,41R,42L,42Rを用いることで、点灯領域を広範囲化することができる。これによって点灯形態を変化させた場合の視認性の向上を図りやすい。また、複数の点灯形態から1つを選択して表示するという手法を採ることで、記号や文字で情報を伝える場合に比べて、情報量は少ないものの伝達される情報の理解度を高めることができる。
【0070】
サイドライトユニット41L,41Rは、予め定められた動的な点灯形態で点灯させることができる。動的な点灯形態の一例として、上外側から下内側に向けてあるいはその逆向きに複数LEDの点灯箇所を変えていくことで、ミラーステー前面に流星状の表示を行うパターンを挙げることができる。以下、上外側から下内側に向けて点灯箇所を変える形態を「内向流星型」、下内側から上外側に向けて点灯箇所を変える形態を「外向流星型」という。動的な点灯形態の一例として、一括点灯および一括消灯の一連の動作を1回以上行うパターンを挙げることができる(以下、この形態を「全体点滅型」という)。サイドライトユニット41L,41Rは、左右一対である。流星型の点灯形態を用いる場合、点灯箇所の位置が左右対称となるようサイドライトユニット41L,41Rが制御される。全体点滅型の点灯形態を用いる場合、点灯時期と消灯時期が左右同時になるようサイドライトユニット41L,41Rが制御される。フロントライトユニット42L,42Rでも、上記同様の動的な点灯形態を用いた点灯制御を行うことができる。
【0071】
本実施形態に係る表示装置4には、車幅中心線上に配置されるセンターライトユニット43が含まれる。センターライトユニット43は、図形を表示可能に構成され、伝達すべき情報ごとに表示する図形を異ならせることで、複数の点灯形態を表示できる。本実施例では、センターライトユニット43は、伝達すべき疑似感情ごとに図形の動かし方を異ならせることで、複数の点灯形態を表示できる。センターライトユニット43は、様々な図形パターンを動的に表示可能な小型の表示部分を有する。本実施形態では、一対のフロントライトユニット42L,42Rの間に配置されている。
【0072】
図6にセンターライトユニット43の点灯形態の一例を示す。例えば、センターライトユニット43で表示される動的図形パターンには、概略円形の図形が一定周期で径を大小させることで鼓動を表現した図形パターンを挙げることができる。上述した図形パターンは、伝達すべき情報に応じて、径を変化させる周期を異ならせたり、外形形状を異ならせたりしてもよい。
【0073】
表示装置201(上記ライトユニット41L,41R,42L,42R、43)における点灯色は、色の持つイメージと伝達すべき疑似感情の内容とを連関させるようにして設定されている。例えば、穏当な感情の伝達には緑を用い、激しい感情の伝達には赤を用いるなどである。多様な情報の伝達のため、表示装置は、点灯色の色相だけでなく、色調(明度および彩度)、発光量なども自在に設定可能であってもよい。
【0074】
また表示装置のうち、サイドライトユニット41L,41Rは、車両状態を表示する計器ユニット211よりも車幅方向外側に配置される。これによって計器ユニット211への視認性が低下することを防ぎつつ、表示装置4による情報伝達を行うことができる。サイドライトユニット41L,41Rは、ミラーステー213L、213R、ウィンドシールドステー、ウィンドシールド縁部などの既存装置に支持されることで、新たに表示装置4を支持する部材を不要とすることができ、構造を単純化することができる。
【0075】
またサイドライトユニット41L,41Rおよびフロントライトユニット42L,42Rは、表示領域が帯状に形成されることで、表示領域を大きくすることができ、運転者の視点中心を走行路または計器ユニット211に向けた状態でも、表示装置201の視認性を高めることができる。また表示装置201が左右一対設けられることで、運転者の視線が左右方向一方に向いたとしても、表示装置4の視認性を高めることができる。
【0076】
また本実施形態のセンターライトユニット43は、計器ユニット211近傍に配置されることで、運転者の視界内に入る頻度が高く、運転者への情報伝達効果を高めることができる。またセンターライトユニット43は、非言語情報の表示である擬似感情を表示することで、計器ユニット211確認時に運転者が把握しやすくすることができる。センターライトユニット43は、色変化、形状パターンおよび形状の時間変化のすべてを関連させて、伝達すべき情報ごとに変化させることで、表示領域が小さい場合でも、運転者への視認性を向上させることができる。なお、色変化、形状パターンおよび形状の時間変化のうち2つ以上組み合わせることが好ましいが、情報に応じて、いずれか1つを変化させてもよい。
【0077】
これまで実施形態について説明したが、上記構成は本発明の範囲内で適宜変更、削除または追加可能である。
【0078】
運転のしやすさ、滑らかな運転をしているかどうかに応じて会話情報を異ならせてもよい。ステアリングトルクのほか、体重移動でも運転のしやすさに応じて会話情報を異ならせてもよい。運転の滑らかさ、ステアリングの滑らかさが高いほど、快適な感情を示す会話情報が出力されてもよい。なお、運転の滑らかさ、ステアリングの滑らかさを数値化するための演算式は特に限定されない。あるパラメータ値について、これまでの運転傾向から予想される予想値と、実際の計測値との差分に基づいて、運転の滑らかさを数値評価することが可能である。
【0079】
「感情源情報」には、環境情報、車両セッティング情報、識別情報、累積情報が含まれていてもよい。環境情報には、一例として、走行位置、路面勾配、走行路の種類、地域、温度、天候、時間帯、渋滞有無を示す情報が含まれる。車両セッティング情報には、サスペンションの硬さ、装備品を示す情報が含まれる。識別情報は、車両または運転者を識別するための情報である。累積情報は、使用年数、整備点検からの経過年数を示す情報が含まれる。感情生成部により生成される疑似感情については、運転者によって正否あるいは適否に関するフィードバックを受け、感情生成部が疑似感情生成に関して学習制御を行ってもよい。その場合、累積情報は、運転者からのフィードバック情報であってもよい。
【0080】
「感情源情報」には、運転者反応情報が含まれていてもよい。運転者反応情報は、ヘッドセットに装着されたマイクで拾われた音声情報に基づいて生成されてもよい。運転者反応情報(音声情報)に基づき、運転者の反応が「嬉しい」あるいは「楽しい」という感情を示すものである場合、このような運転者の反応に疑似感情が感化されて良化してもよい。
【0081】
運転者から与えられる外力、路面から与えられるガリ翼の両方を用いるとしたが、いずれか一方から疑似感情を生成してもよい。
【0082】
乗物外部から与えられる他の外力として、走行風に基づく空気抵抗力や、横風、凹凸路面から受ける上下方向の力が用いられてもよい。空気抵抗力や横風が大きい場合には、不快さを示す感情が生成されてもよい。同様に、石畳走行時など、凹凸路面から受ける上下方向の力が大きい場合には、不快さを示す感情が生成されてもよい。また、追い風の場合には、快適さを示す感情が生成されてもよい。走行速度が大きい場合に、空気抵抗が小さくなるように運転者が運転姿勢を変化させた場合に、快適さを示す感情を生成してもよい。
【0083】
また、外力が与えられた生き物として生じる感情を生成してもよいし、外力を与えた運転者の意図を反映した感情を生成してもよいし、それらとは無関係に外力が与えられた場合の会話情報として設定してもよい。
【0084】
例えば、時間経過に対する外力の変化度合いに基づいて、疑似感情を設定してもよい。例えば、ステアリングトルクの時間変化が小さい場合や、これまでの変化傾向を継続する場合には、快適な感情となるように設定してもよい。
【0085】
また、予め定める所定期間における外力の最大値や、所定期間における外力の累積値に基づいて、疑似感情を設定してもよい。また、外力が所定値を超える頻度や、外力変化の振幅、周波数に基づいて疑似感情を設定してもよい。同じ傾向の変化が続く場合には、疑似感情としてリラックスした感情となるように設定してもよい。
【0086】
技量判断に関し、上記とは別の技量判断手法を用いてもよい。例えば、変速操作の上達度に関する技量を用いてもよい。例えば、変速時でのエンジン回転数の回転数合わせがスムーズなほど技量が高いとしてもよい。また、旋回時の傾斜が大きいほど技量が高いとしてもよい。
【0087】
運転者の外力付与について、状況ごとの上級者による外力パターンや模範的な外力パターンが記憶されていてもよい。運転者の外力付与パターンが、上級者または模範的な外力パターンに近づくと、ポジティブな感情を出力するようにしてもよい。また、運転の上達を支援する情報として、会話情報を出力してもよい。
【0088】
頻度が多い、例えば類似の外力パターンが所定回数以上、与えられる場合には、慣れていることを示す感情を生成してもよい。また、頻度が少ない外力パターンが与えられる場合には、緊張していることを示す感情を生成してもよい。
【0089】
走行路に関する情報と、外力パターンとの両方に基づいて会話情報を出力してもよい。これによって、走行シチュエーションに対する外力パターンの違いを反映して、会話情報を出力できる。走行シチュエーションとして、走行路の違いのほか、走行路面種類の違い、走行時間帯の違いなどを含んでもよい。
【0090】
また、運転する運転者と、外力パターンとの両方に基づいて会話情報を出力してもよい。これによって、運転者ごとの外力パターンの違いを反映して会話情報を出力できる。