特許第6853905号(P6853905)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6853905経カテーテル人工弁の送達、再配置及び回収のための装置及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6853905
(24)【登録日】2021年3月16日
(45)【発行日】2021年3月31日
(54)【発明の名称】経カテーテル人工弁の送達、再配置及び回収のための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/24 20060101AFI20210322BHJP
【FI】
   A61F2/24
【請求項の数】12
【外国語出願】
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2020-28512(P2020-28512)
(22)【出願日】2020年2月21日
(62)【分割の表示】特願2018-506080(P2018-506080)の分割
【原出願日】2016年4月15日
(65)【公開番号】特開2020-78584(P2020-78584A)
(43)【公開日】2020年5月28日
【審査請求日】2020年3月6日
(31)【優先権主張番号】62/148,579
(32)【優先日】2015年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/312,136
(32)【優先日】2016年3月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515319530
【氏名又は名称】テンダイン ホールディングス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】イークヴァル,クレイグ エー.
(72)【発明者】
【氏名】リ,ホイ
(72)【発明者】
【氏名】オーテ,ジョン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】テゲルス,ザカリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヴィドランド,ロバート エム.
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0316518(US,A1)
【文献】 特表2014−513585(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0128963(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0192601(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0268064(US,A1)
【文献】 特表2013−525039(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓内に留置された人工心臓弁を抜去又は再配置するように構成され、かつ、外部シースと、外部拡大器と、内部拡大器と、ハンドルアセンブリと、を含む再捕捉デバイスを備え、
前記外部シースが第1ルーメンを規定し、
前記外部拡大器が、第2ルーメンを規定し、かつ、前記外部シースの前記第1ルーメン内に少なくとも部分的に移動可能に配置され、
前記内部拡大器が、第3ルーメンを規定し、かつ、前記外部拡大器の前記第2ルーメン内に少なくとも部分的に移動可能に配置され、
前記ハンドルアセンブリが、前記内部拡大器に動作的に連結され、前記外部シースに動作的に連結され、かつ、テザー留置メカニズムを含み、前記テザー留置メカニズムが、前記人工心臓弁から延在するテザーを前記ハンドルアセンブリに固着するように構成され、
前記内部拡大器が、前記人工心臓弁から延在する前記テザーが前記テザー留置メカニズムに固着されると、前記内部拡大器が前記内部拡大器及びテザー留置メカニズムを前記外部拡大器に対して近位側へ移動させるように作動されるように構成されることで、前記人工心臓弁の第1部分が、前記外部拡大器の前記第2ルーメン内に配置され、かつ、縮小構成に移動させられ、
前記外部シースが、前記外部シースを前記内部拡大器に対して及び前記外部拡大器に対して遠位側へ移動させるように作動されるように構成されることで、前記人工心臓弁の前記第1部分の遠位にある前記人工心臓弁の第2部分が、前記外部シースの前記第1ルーメン内に配置され、かつ、縮小構成に移動させられる、装置。
【請求項2】
前記人工心臓弁の前記第1部分及び前記人工心臓弁の前記第2部分が集合的に前記人工心臓弁全体を含むことで、前記人工心臓弁全体が前記外部シース内に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハンドルアセンブリが、前記内部拡大器に動作的に連結された第1アクチュエータと、前記外部シースに動作的に連結された第2アクチュエータと、をさらに含み、前記第1アクチュエータが、前記内部拡大器を前記外部拡大器に対して移動させるように構成され、前記第2アクチュエータが、前記外部シースを前記内部拡大器に対して及び前記外部拡大器に対して移動させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記内部拡大器は、前記人工心臓弁の近位部分に係合するように構成された遠位チップを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
心臓内に留置された人工心臓弁を抜去又は再配置するように構成され、かつ、外部シースと、外部拡大器と、内部拡大器と、ハンドルアセンブリと、を含む再捕捉デバイスを備える装置であって、
前記外部シースが第1ルーメンを規定し、
前記外部拡大器が、第2ルーメンを規定し、かつ、前記外部シースの前記第1ルーメン内に少なくとも部分的に移動可能に配置され、
前記内部拡大器が、前記外部拡大器の前記第2ルーメン内に少なくとも部分的に移動可能に配置され、
前記ハンドルアセンブリが、前記内部拡大器に動作的に連結され、かつ、前記外部拡大器に動作的に連結されたアクチュエータを含み、前記ハンドルアセンブリがテザー留置メカニズムをさらに含み、前記テザー留置メカニズムが、前記人工心臓弁から延在するテザーを前記ハンドルアセンブリに固着するように構成され、
前記アクチュエータが、前記内部拡大器に連結された第1ばね及び前記外部拡大器に連結された第2ばねに動作的に連結された駆動メカニズムを含み、
前記アクチュエータが作動されると、前記人工心臓弁から延在する前記テザーが前記テザー留置メカニズムに固着された時に前記内部拡大器が前記外部拡大器に対して近位側に移動するように構成されることで、前記人工心臓弁の第1部分が、前記外部拡大器の前記第2ルーメン内に引き込まれ、かつ、縮小構成に移動させられ、前記外部拡大器が前記内部拡大器の後に作動されて、前記外部拡大器を前記外部シースに対して近位側へ移動させることで、前記人工心臓弁の前記第1部分の遠位にある前記人工心臓弁の第2部分が、前記外部シースの前記第1ルーメン内に引き込まれ、かつ、縮小構成に移動させられる、装置。
【請求項6】
前記人工心臓弁の前記第1部分及び前記人工心臓弁の前記第2部分が集合的に前記人工心臓弁全体を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記アクチュエータが、前記テザー留置メカニズムに動作的にさらに連結されることで、前記内部拡大器及び前記テザー留置メカニズムが互いに移動するように作動され得る、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記アクチュエータが、前記テザー留置メカニズムに動作的にさらに連結され、前記テザー留置メカニズムは、前記内部拡大器及び前記外部拡大器が作動された際に巻取りハウジング内に前記テザーを巻き取るように構成された駆動シャフトを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記第2ばねが、前記第1ばねと異なるばね定数を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記第1ばねがコイルばねを含み、前記第2ばねがテープばねを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記第1ばねがコイルばねを含み、前記第2ばねがコイルばねを含む、請求項5に記載の装置。
【請求項12】
前記内部拡大器は、前記人工心臓弁の近位部分に係合するように構成された遠位チップを含む、請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、開示が全体として参照により本明細書に組み入れられる、2015年4月16日に出願された表題「Apparatus and Methods for Delivery, Repositioning, and Retrieval of Transcatheter Prosthetic Valves」の米国特許仮出願第62/148,579号の優先権及び利益を主張するものである。本出願はまた、開示が全体として参照により本明細書に組み入れられる、2016年3月23日に出願された表題「Apparatus and Methods for Delivery, Repositioning, and Retrieval of Transcatheter Prosthetic Valves」の米国特許仮出願第62/312,136号の優先権及び利益を主張するものである。
【0002】
[0002] 経カテーテル人工心臓弁の送達、留置、再配置及び回収において使用されるデバイス及び方法に関する実施形態が本明細書に記載される。
【背景技術】
【0003】
[0003] 人工心臓弁は、心臓内に送達及び留置するための特定の難題を提示する可能性がある。心臓弁膜症、そして特に大動脈及び僧帽弁疾患は、米国(US)における重大な健康問題であり、USでは年間およそ90,000例の弁置換が実施されている。心臓弁の同所性置換を含む伝統的な弁置換術は、「開心」術が検討される。手短に述べると、当該手術は、胸部の外科的開口、人工心肺装置による体外循環の開始、心臓の停止及び開口、罹患した弁の切除及び交換、ならびに心臓の再起動を必要とする。弁置換術は、典型的には他の部分が健常なヒトでは1〜4%の死亡リスクを伴うが、大部分が体外循環の必要性を原因として、有意に高い疾病率が当該手術に関連する。さらに、開胸術は多くの場合、高齢患者では耐性が低い。したがって当該手術の体外部品の排除は、疾病率の低下をもたらす可能性があり、弁置換療法のコストを有意に抑制する可能性がある。
【0004】
[0004] 経カテーテル法での大動脈弁の置換は、積極的な研究の対象であるが、僧帽弁に関してはそれほど注目が注がれていない。これは一部として、自然僧帽弁装置に関連する複雑さがより大きいこと、つまり置換プロテーゼの挿入及び係留に関連する難題がより大きいことを反映している。したがって経カテーテル心臓弁置換のための送達デバイス及び方法が必要とされている。同じく、留置された人工心臓弁を再配置及び/又は回収するためのデバイス及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 人工僧帽弁を心臓に送達及び留置する際に使用される装置及び方法が本明細書に記載される。ある実施形態において、装置は、カテーテルアセンブリ、弁保持チューブ及びハンドルアセンブリを含む。弁保持チューブは、カテーテルアセンブリの基端部分に、そしてハンドルアセンブリの先端部分に着脱自在に連結され得る。ハンドルアセンブリは、ハウジング及び送達ロッドを含む。送達ロッドは、ハウジングに対して遠位側に移動するように作動されて、弁保持チューブ内に配置された人工心臓弁を弁保持チューブからカテーテルアセンブリの細長いシースのルーメン内で遠位側へ移動させるように構成される。カテーテルアセンブリは、ハウジングに対して近位側に移動するように作動されて、人工弁が細長いシースのルーメンの外側に配置されるように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】[0006]人工僧帽弁が心臓内に植込まれた心臓の一部の断面図である。
図2】[0007]実施形態による送達デバイスの略図である。
図3】[0008]実施形態による弁装填デバイスの略図である。
図4】[0009]実施形態による送達デバイスの上面図である。
図5】[0010]図4の送達デバイスの分解組立図である。
図6】[0011]図4の送達デバイスのハンドルアセンブリの側面図である。
図7】[0012]図6のハンドルアセンブリの側部断面図である。
図8】[0013]図4の送達デバイスのカテーテルアセンブリの側面図である。
図9】[0014]図8のカテーテルアセンブリの側部断面図である。
図10A】[0015]図4の送達デバイスの弁保持チューブの斜視図である。
図10B】[0016]図10Aの弁保持チューブの側部断面図である。
図11】[0017]遠位側で作動された送達ロッドを示した図4の送達デバイスのハンドルアセンブリの上面図である。
図12A】[0018]第1部分的に作動された位置の送達シースと共に示された図4の送達デバイスの上面図である。
図12B】[0019]第2完全に作動された位置の送達シースと共に示された図4の送達デバイスの上面図である。
図13】[0020]別の実施形態による送達デバイスの斜視図である。
図14】[0021]実施形態による、そして人工弁のフレームに連結されて示された、再捕捉デバイスの側面図である。
図15】[0022]人工弁フレームに係合された第1位置の内部拡大部材と共に示された図14の再捕捉デバイス及び人工弁フレームの一部の拡大図である。
図16】[0023]外部拡大器内に配置された第2位置の内部拡大器(見えない)、ならびに外部拡大器の一部及び外部シース内に捕捉された弁の一部の上に延設された外部シースと共に示された、図14の再捕捉デバイス及び人工弁フレームの一部の拡大図である。
図17】[0024]外部シース内に配置された外部拡大器(見えない)、及び外部シース内に捕捉された弁フレームの一部と共に示された、図14の再捕捉デバイス及び人工弁フレームの一部の拡大図である。
図18】[0025]実施形態による弁装填デバイスの斜視図である。
図19】[0026]図18の弁装填デバイスの分解組立図である。
図20A】[0027]図18の弁装填デバイスの上面図である。
図20B】[0028]図20Aの弁装填デバイスの断面図である。
図21A】[0029]図18の弁装填デバイスのハンドルアセンブリの側面図である。
図21B】[0030]図21Aのハンドルアセンブリの断面図である。
図22A】[0031]図18の弁装填デバイスのトップキャップアセンブリの側面図である。
図22B】[0032]図18の弁装填デバイスの外部漏斗の側面図である。
図23】[0033]装填デバイスの作動前の第1位置で示された図18の弁装填デバイスの断面図である。
図24】[0034]ハンドルアセンブリから延在するリードスクリューを含む装填デバイスの作動後の第2位置で示された図18の弁装填デバイスの断面図である。
図25】[0035]作動位置にある装填リードスクリューと共に示された、別の実施形態による弁装填デバイスの斜視図である。
図26】[0036]実施形態による人工心臓弁を送達する方法の流れ図である。
図27】[0037]実施形態によるキットの略図である。
図28】[0038]実施形態による拡大デバイスの側面図である。
図29】[0039]図28のB−B線に沿った断面図である。
図30】[0040]拡張構成での図28の拡大デバイスのバルーン部材の側面図である。
図31】[0041]縮小(collapsed)構成での図28の拡大デバイスのバルーン部材の側面図である。
図32】[0042]図30の詳細部分Cの拡大図である。
図33】[0043]図30のバルーン部材の先端図である。
図34】[0044]図30のD−D線に沿った断面図である。
図35】[0045]図30のE−E線に沿った断面図である。
図36】[0046]図28の拡大デバイスのバルーン部材、細長い膨張チューブ、及び細長いガイドワイヤチューブの側面図である。
図37】[0047]図36の詳細部分Fの拡大図である。
図38】[0048]図37のG−G線に沿った断面図である。
図39】[0049]図28のバルーン部材及び細長い膨張チューブの側面図である。
図40】[0050]図39の詳細部分Hの拡大図である。
図41】[0051]図28の細長い膨張チューブの遠位部分の側面図である。
図42】[0052]図41のI−I線に沿った図41の細長い膨張チューブの断面図である。
図43】[0053]一部が送達シース内に配置されて示された別の実施形態による拡大デバイスのバルーン部材の側面図である。
図44】[0054]別の実施形態による再捕捉デバイスの斜視図である。
図45】[0055]図44の再捕捉デバイスの側面図である。
図46】[0056]図44及び45の再捕捉デバイスの側部断面図である。
図47】[0057]別の実施形態による再捕捉デバイスの斜視図である。
図48】[0058]図47の再捕捉デバイスの側面図である。
図49】[0059]図47及び48の再捕捉デバイスの側部断面図である。
図50】[0060]別の実施形態による再捕捉デバイスの斜視図である。
図51】[0061]図50の再捕捉デバイスの側面図である。
図52】[0062]図50の再捕捉デバイスの側部断面図である。
図53】[0063]別の実施形態による再捕捉デバイスの斜視図である。
図54】[0064]図53の再捕捉デバイスの側部断面図である。
図55】[0065]図53の再捕捉デバイスの上面図である。
図56】[0066]図55の56−56線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0067] 人工心臓弁(例えば、人工僧帽弁)を心臓に送達及び留置する際に使用される装置及び方法が本明細書に記載される。ある実施形態において、本明細書に記載された送達デバイスを用いて、人工心臓弁を留置及び再配置することができる。ある実施形態において、本明細書に記載された送達デバイスは、正確な弁留置を可能にする二段階制御の留置メカニズムを含み得る。本明細書に記載された送達デバイスは、多様な弁サイズを収容し得るシングル34Frのオールインワンシステムを含み得る。ある実施形態において、留置された人工心臓弁を再配置及び/又は回収するために用いられ得る再配置及び回収デバイスが、本明細書に記載される。当該再配置及び回収デバイスは、人工弁を再配置及び/又は抜去/回収するために心臓内に植込まれた人工弁の二段階制御の捕捉を含み得る。
【0008】
[0068] ある実施形態が、人工僧帽弁を参照しながら本明細書に記載されるが、本明細書に記載された装置及び方法が他の任意のタイプの心臓弁を留置、再配置及び/又は抜去するのに用いられ得ることが、理解されなければならない。例えば本明細書に記載された装置及び方法は、三尖弁、肺心臓弁(pulmonary heart valve)又は大動脈心臓弁を留置、再配置及び/又は抜去するのに用いられ得る。さらに本明細書に記載された装置及び方法は、例えば経心尖アプローチ、経心房、経心室又は経血管アプローチ(例えば、経頸静脈、経大腿動脈)など、心臓への様々な送達アプローチから用いられ得る。
【0009】
[0069] ある実施形態において、拡大デバイスが、当該送達デバイスに連結され得るか、又は当該デバイス内に組み込まれ得る。ある実施形態において、当該拡大デバイスは、バルーン拡大部材を含み得、例えば送達デバイスのハンドルアセンブリ又はカテーテルアセンブリの中で規定されたポートから挿入され得る。そのような拡大デバイスを、図13及び図28図43を参照しながら以下に記載する。拡大デバイスの使用は、人工弁及び/又は心臓(例えば、心房)を損傷するリスクの低減を支援し得る。
【0010】
[0070] 本明細書に記載されたとおり、ある実施形態において、送達デバイスは、1つ又は複数のアクチュエータを有するハンドルアセンブリと、送達カテーテルアセンブリと、弁保持チューブと、を含み得る。当該弁保持チューブは、ハンドルアセンブリの先端部分に着脱自在に連結され得、送達カテーテルアセンブリのハブに着脱自在に連結され得る。ある実施形態において、当該弁保持チューブは、ハンドルアセンブリに連結され得、当該弁保持チューブとハンドルアセンブリは、送達カテーテルに集合的かつ可動的に連結され得る。ある実施形態において、当該弁保持チューブは、ハンドルアセンブリに連結される前に、カテーテルアセンブリに連結され得る。ある実施形態において、当該弁保持チューブは使用の際、カテーテルアセンブリが心臓に挿入される前に、ハンドルアセンブリに、そしてカテーテルアセンブリに連結される。ある実施形態において、カテーテルアセンブリが心臓に挿入された後に、当該弁保持チューブとハンドルアセンブリが、送達カテーテルアセンブリに集合的かつ可動的に連結され得る。人工弁(例えば、人工僧帽弁)を心臓に送達する手順の際に場合により用いられ得、送達カテーテルのルーメンに受け入れられ得る拡大デバイスもまた、本明細書に記載される。本明細書に記載された送達デバイスを用いて、制御された手法で人工僧帽弁を心臓に留置し、送達カテーテル及び心臓内への人工僧帽弁の漸進的移動を提供し得る。
【0011】
[0071] ある実施形態において、装置は、カテーテルアセンブリ、弁保持チューブ及びハンドルアセンブリを含む。当該弁保持チューブは、カテーテルアセンブリの基端部分に、そしてハンドルアセンブリの先端部分に着脱自在に連結され得る。当該ハンドルアセンブリは、ハウジング及び送達ロッドを含む。当該送達ロッドを作動させて、ハウジングに対して遠位側へ移動され、弁保持チューブ内に配置された人工心臓弁を弁保持チューブからカテーテルアセンブリの細長いシースのルーメン内を遠位側へ移動するように構成される。当該カテーテルアセンブリを作動させて、ハウジングに対して近位側へ移動させ、人工弁が細長いシースのルーメンの外側に配置されるように構成される。
【0012】
[0072] ある実施形態において、装置は、弁が非縮小構成又は付勢された拡張構成である時に人工心臓弁を内部に受け入れるように構成された装填漏斗アセンブリと、人工心臓弁を縮小構成で受け入れるように構成された内部領域を規定する弁保持チューブと、含む。当該弁保持チューブは、装填漏斗アセンブリ及び第2端部に着脱自在に連結されるように構成された第1端部を有する。当該装置は、ハンドルと装填リードスクリューとを含むハンドルアセンブリをさらに含む。当該装填リードスクリューは、弁保持チューブの第2端部に着脱自在に連結され得る。ハンドルアセンブリは、テザー留置メカニズム及びアクチュエータノブをさらに含む。当該テザー留置メカニズムは、ハンドルアセンブリに対して固定された位置で漏斗アセンブリ内に配置された人工心臓弁から延在するテザーを固着し得る。アクチュエータノブは、装填リードスクリュー及びハンドルに動作的に連結されているため、ハンドルと装填リードスクリューとの間の相対的移動で、人工弁が弁保持チューブ内に配置される。
【0013】
[0073] ある実施形態において、装置は、心臓内に留置された人工心臓弁を抜去又は再配置するように用いられ得る再捕捉デバイスを含む。再捕捉デバイスは、外部シース、外部拡大器、内部拡大器、及びハンドルアセンブリを含む。外部シースは、第1ルーメンを規定し、外部拡大器は、第2ルーメンを規定し、少なくとも一部が外部シースの第1ルーメン内に可動的に配置される。内部拡大器は、少なくとも一部が外部拡大器の第2ルーメン内に可動的に配置されており、遠位チップを含む。ハンドルアセンブリは、内部拡大器に動作的に連結され、外部拡張器に動作的に連結されたアクチュエータと、人工心臓弁から延在するテザーをハンドルアセンブリに固着するテザー留置メカニズムと、を含む。当該アクチュエータは、内部拡大器に連結された第1バネに、そして外部拡張器に連結された第2バネに、動作的に連結された駆動メカニズムを含む。アクチュエータを作動させた時、人工心臓弁から延在するテザーがテザー留置メカニズムに固着されると、内部拡大器が外部拡大器に対して近位側へ移動して、人工心臓弁の第1部分が外部拡大器の第2ルーメン内へ引っ張られて、縮小構成になる。外部拡大器は、内部拡大器の後に連続して作動され、外部拡大器を外部シースに対して近位側へ移動するため、人工心臓弁の第1部分の遠位側にある人工心臓弁の第2部分が、外部シースの第1ルーメン内へ引っ張られて、縮小構成になる。
【0014】
[0074] ある実施形態において、経カテーテル僧帽弁置換を心臓の僧帽弁輪に送達する方法は、本明細書に記載されたとおり、送達デバイスを用いて経カテーテル僧帽弁プロテーゼを僧帽弁輪の中に留置することを含む。経カテーテル僧帽弁プロテーゼは、弁膜を内部に配置された拡張可能な金属ステント本体から作製され得る。ステント本体は、合成材料又は安定した心膜組織で覆われ得、弁膜は、安定した心膜組織から作製され得る。拡張可能な金属ステント本体は、選択的な心房カフを有し得、当該カフは、合成材料及び/又は安定化された心膜組織から作製された被覆を場合により有し得る。経カテーテル僧帽弁プロテーゼは、圧縮状態でカテーテルを介して留置され得、カテーテルから放出されると拡張し得る。僧帽弁プロテーゼ(本明細書では「人工僧帽弁」又は「人工弁」又は「人工心臓弁」とも称される)は、僧帽弁プロテーゼの基端部分に連結された1つ又は複数のテザーを含み得る。
【0015】
[0075] 1つ又は複数のテザーの先端は、例えば左心室内に係留され得る。1つ又は複数のテザーを、1つ又は複数のテザーを留める前に所望の張力に締め付け、そして/又は他の方法で調整して、一定の長さを確定し、テザーを、例えば心尖部に固着し得る。本明細書に開示されたデバイス及び方法で送達され得る人工僧帽弁としては、例えば2014年5月30日に出願された表題「Structural Members for Prosthetic Mitral Valves」の国際特許出願第PCT/US14/40188号(「PCT出願第’40188号」)、2014年6月25日に出願された表題「Thrombus Management and Structural Compliance Features For Prosthetic Heart Valves」のPCT/US14/44047(「PCT出願第’44047号」)、2014年10月2日に出願された表題「Prosthetic Heart Valve and Systems and Methods for Delivering the Same」のPCT/US14/58826(「PCT出願第’58826号」)、及び2016年1月6日に出願された表題「Prosthetic Mitral Valves and Apparatus and Methods for Delivery of Same」のPCT/US16/12305(「PCT出願第’12305号」)に開示されたものを挙げることができ、それらの開示は参照により本明細書に組み入れられる。
【0016】
[0076] ある実施形態において、手術用キットは、本明細書に記載された送達デバイスと、本明細書に記載された経カテーテル人工弁を送達する手順で当該送達デバイスと共に用いられ得るアクセサリー部品と、を含み得る。当該送達デバイス及びアクセサリー部品は、滅菌パッケージ内に配置され得る。例えばある実施形態において、キットは、本明細書に記載されたとおり、送達デバイス及び拡大デバイス及び/又は弁装填デバイスを含み得る。ある実施形態において、キットはまた、経カテーテル弁(例えば、人工僧帽弁)、及び/又は心臓内の適所に経カテーテル弁を固着するために用いられ得る心外膜パッドを含み得る。ある実施形態において、キットは、本明細書に記載された回収及び再配置デバイスを含み得る。
【0017】
[0077] 本明細書で用いられる言語「近位」及び「遠位」はそれぞれ、例えば医療デバイスの、操作担当者に近づく方向及び離れる方向を指す。したがって例えば、患者の身体に最も近い医療デバイスの端部(例えば、患者の身体に接触している、又は患者の体内に配置されている)は、医療デバイスの先端であり、例えば医療デバイスの先端と反対側の端部、及び医療デバイスのユーザー(又はユーザーの手)に最も近い端部は、医療デバイスの基端である。
【0018】
[0078] 図1は、内部に留置された経カテーテル人工僧帽弁PMVと、人工僧帽弁PMVを心臓の心尖部に固着する心外膜係留デバイスEADと、を有する心臓の左心室LV及び左心房LAの断面図である。図1は、自然弁輪NAの中に密閉されていて、人工僧帽弁PMVの心房カフACを用いてそこに保持された人工僧帽弁PMVと、自然弁尖からの放射状の張力と、取付け部分Tpによって人工僧帽弁PMVに、そして心外膜係留部EADに固着された心室テザーTと、を示している。本明細書に記載された装置及び方法は、様々な異なるタイプ及び実施形態の心外膜係留デバイス、例えば開示が全体として参照により本明細書に組み入れられる表題「Epicardial Anchor Devices and Methods」の係属中の国際特許出願第PCT/US14/49218号(「PCT出願第’49218号」)に記載されたものなど、と併せて用いられ得る。
【0019】
[0079] 図2は、実施形態による送達デバイスの略図である。送達デバイス100は、例えば人工僧帽弁などの、心臓内の人工心臓弁を送達及び留置するのに用いられ得る。送達デバイス100は、カテーテルアセンブリ130と、カテーテルアセンブリ130に着脱自在に連結され得るハンドルアセンブリ120と、ハンドルアセンブリ120に、そしてカテーテルアセンブリ130に着脱自在に連結され得る弁保持チューブ125と、を含む。
【0020】
[0080] カテーテルアセンブリ130は、ハブ132及び送達シース136を含む。送達シース136は、ルーメン(図2に示されない)を規定し、そこへ弁保持チューブ125が挿入されて、以下により詳細に記載されるとおり、弁保持チューブ125内に配置される人工弁(図2に示されない)を送達し得る。ある実施形態において、送達シース136は、例えば34Frの編組シースであり得る。ハブ132は、シース136の基端に配置されていて、人工弁がシース136のルーメン内に挿入される前に最初に導入される内部領域を規定する。使用の際には、ハブ132は、心臓の外側に配置されたままであり、シースが心臓内に挿入される時のシースのルーメンへの接近を提供し得る。ハブ132はまた、拡大デバイスなどのデバイスが、以下により詳細に記載されるとおり導入され得るポート(図2に示されない)を含み得る。
【0021】
[0081] ハンドルアセンブリ120は、ハウジング122と、ハウジング122に連結されたテザー留置及びメカニズム留置連結器(本明細書では「留置メカニズム」とも称される)127と、ハウジング122から遠位側に延在する送達ロッド124と、ハウジング122に連結された近位アクチュエータノブ126(本明細書では「近位アクチュエータ」又は「第1アクチュエータ」とも称される)と、ハウジングに連結された遠位アクチュエータノブ128(本明細書では「遠位アクチュエータ」又は「第2アクチュエータ」とも称される)と、を含む。近位アクチュエータノブ126は、送達ロッド124に動作的に連結され得、そして以下により詳細に記載されるとおり、送達シース136の中で、弁保持チューブ125の中に予め装填されていてハンドルアセンブリ120に連結された人工心臓弁を遠位側へ移動させる、又は押出すのに用いられ得る。遠位アクチュエータノブ128は、送達シース136に動作的に連結され得、心臓内への人工弁の留置の際に送達シース136を作動又は移動させるのに用いられ得る。例えば人工弁は最初、送達シース136の先端部分の中に位置づけられるまで、送達ロッド124によって遠位側へ移動され得、その後、心臓内に人工弁を留置するために、送達シース136を近位側へ移動させて、人工弁を送達シース136の外側及び心臓内に配置する。遠位アクチュエータ128は、人工弁の緩やかな制御的留置を提供し得る。ある実施形態において、同じく送達シース136を作動させて、心臓内に既に留置されている人工心臓弁を再捕捉して、人工弁を再配置又は抜去し得る。例えば心臓内の弁の最初の留置の際に、弁を再配置させることが望ましい場合がある。送達デバイス100を作動させて、弁の近位の部分を一部再捕捉してその位置への調整を行い得る。例えば、送達シースを作動させて遠位に移動させ、弁の一部を再捕捉し、その後、弁が再配置された後、再度近位側へ移動させて弁を解放し得る。送達ロッド124もまた、人工弁の一部を再捕捉するのに用いられ得る。例えば、人工弁の一部が送達ロッド124のルーメン内で再捕捉されるように、送達ロッド124を作動させて、ルーメンを規定し得、遠位側へ移動し得る。当該送達デバイスを用いた人工心臓弁の送達及び留置のさらなる詳細を、具体的実施形態を参照しながら以下に示す。
【0022】
[0082] 弁保持チューブ125は、人工僧帽弁(図2に示されない)を弁保持チューブ125の内部ルーメン内に圧縮構成で含有又は保持し得る。図3に関して議論されるとおり、ある実施形態において、弁装填デバイス160は、人工弁を弁保持チューブ125の中に装填して、人工弁が制御的手法で所望の圧縮サイズ及び形状に圧縮されるように用いられ得る。そのような弁装填デバイスもまた、具体的実施形態を参照して以下により詳細に記載される(例えば、図18図24参照)。弁保持チューブ125(内部に人工僧帽弁を含む)は、ハンドルアセンブリ120の先端部分に連結され得る。例えば、ハンドルアセンブリ120の送達ロッド124の先端部分の一部が、弁保持チューブ125の内部領域内に受け入れられ得るように、弁保持チューブ125が、ハンドルアセンブリ120に連結され得る。ある実施形態において、当該弁保持チューブ125及びハンドルアセンブリ120は、弁保持チューブ125をハンドルアセンブリ120に着脱自在に連結する嵌合クイックコネクト連結器(mating quick connect couplers)を含み得る。弁保持チューブ125を送達デバイス220に連結する前に、人工弁(弁保持チューブ125内の)に連結されたテザー(図示されない)が、送達ロッド124によって規定されたルーメンにねじ込まれて、ハンドルアセンブリ120から近位側へ延設され得る。
【0023】
[0083] 弁保持チューブ125は、人工心臓弁を心臓に送達する様々な異なる手順に順応するように、様々な長さを有し得る。例えばある実施形態において、弁保持チューブ125は、約2cm〜15cmの間の長さを有し得る。ある実施形態において、シース136は、約12cm〜約38cmの長さを有し得る。ある実施形態において、シース136は、約50cm〜約150cmの長さを有し得る。
【0024】
[0084] ある実施形態において、人工心臓弁(例えば、僧帽弁)は、本明細書に記載された送達デバイス100を用いて、心尖部へ送達され得る、即ち心臓の左心室の心尖を通して送達され得る。そのような心尖送達では、送達デバイス100は、肋間送達によって心臓及び心膜腔に接近し得る。この場合、シース136は、例えば12〜38cmの長さを有し得る。
【0025】
[0085] 別の送達アプローチにおいて、送達デバイス100は、そのような手順で一般に用いられる硬質チューブシステムの使用を必要とせずに、順方向又は逆行の送達アプローチのいずれかを利用して人工心臓弁を送達し得る。別の実施形態において、送達デバイス100は、経中隔アプローチを介して心臓に接近し得る。いずれかの例で、長い距離を進まなければならない場合、弁保持チューブ125は、例えば60〜150cmの長さを有し得る。
【0026】
[0086] テザー留置メカニズム127は、ハウジング122の基端部分に連結され得、人工弁から延在するテザー(複数可)をハンドルアセンブリ120に連結するのに用いられ得る。人工弁に連結された1つ又は複数のテザーが、ハンドルアセンブリ120を延設され得、留置メカニズム127も挿入され得るか、又はねじ込まれ得る。ある実施形態において、留置メカニズム127は、テザーをテザー留置メカニズム127に、つまりハンドルアセンブリ122に固着するために用いられ得るばねメカニズムを含む。ばねメカニズムを作動させて、テザーを偏向させて(例えば、テザーのニチノールワイヤを屈曲させて)、留置の際にテザーに一定の、又は実質的に一定の荷重(張力)を加え得る。ばねメカニズムはまた、人工弁の留置後の送達デバイスの抜去の際に人工弁に加えられる荷重の調整を可能にし得る。テザーへの張力は、人工弁を移動させるために弛緩され得、その後、テザー及び人工弁を新たな位置に固着するために再度緊張され得る。ある実施形態において、テザー留置メカニズム127は、テザーピン留めメカニズム(tether pinning mechanism)を含む。そのような実施形態において、ピン留め部材が、テザーを穿刺してテザーを留置メカニズム127に固着するのに用いられ得る。
【0027】
[0087] 大きな圧力がかかる圧縮弁により、カテーテルから放出が人工弁を例えば何フィートもの距離、発射し得る留置手順の際に、テザー留置メカニズム127が、さらなる安全性を提供し得る。しかし、本明細書で提供される留置メカニズム127及び緩やかな調整の留置を提供する能力によって、ユーザーは留置を制御して、弁がシース136から不注意に飛び出すのを予防することができる。
【0028】
[0088] 人工僧帽弁を心臓内に送達及び留置するための1つの例示的使用において、ハブ132が、心外膜表面付近の心臓の外側に、又は心外膜と接触して、配置されるように、カテーテルアセンブリ130のシース136が、患者の心臓の心外膜表面に挿入されて、心臓の左心室を通して左心房に延設され得る。ある実施形態において、シース136を心臓内に導入する前に、ガイドワイヤ(図示されない)が心臓内に、そして左心房へ延設される。シース136はその後、ガイドワイヤに沿ってねじ込まれ、心臓内に挿入され得る。例えばガイドワイヤは、シース136を通してハブ132上に配置されたポートの外側へ延設され得る。ある実施形態において、シース136を心臓内に挿入する前に、拡大デバイス(図2に図示されない)の先細の先端部分がシース136の先端の外側に延設されるように、拡大デバイスが、ハブ132のポートからシース136のルーメンに挿入され得る。拡大デバイスの先細の先端は、シース136の導入部を提供し得、心外膜表面及び僧帽弁輪を通した入口の開口又は拡大を支援し得る。例示的拡大デバイスは、開示全体が参照により本明細書に組み入れられる、2014年10月29日出願の米国特許出願第14/527,382号(「第’382号出願」)に記載される。拡大デバイスの他の実施形態が、図13及び図28図43を参照しながら本明細書に記載される。シース136が心臓内の所望の位置に配置されたら、拡大デバイスが抜去されて、心臓内にシース136が残され得る。拡大デバイスのさらなる詳細を、以下に記載する。
【0029】
[0089] 先に記載されるとおり、弁保持チューブ125(人工弁が内部に配置される)は、ハンドルアセンブリ120の先端部分に連結され得る。弁から延在するテザーは、送達ロッド124にねじ込まれ、ハンドルアセンブリ120の基端の外へ延設され得る。弁保持チューブ125がハンドルアセンブリ120の先端部分に連結され、送達ロッド124の先端部分が弁保持チューブ125内に配置されながら、弁保持チューブ125が、カテーテルアセンブリ130のハブ132内に挿入されて、ハブ132に連結され得る。ある実施形態において、弁保持チューブ125のO−リング(図1に示されない)は、ハブ132内の弁保持チューブ125の位置を維持し得る。例えばある実施形態において、弁保持チューブ125及びハブ132は、弁保持チューブ125をハブ132に着脱自在に連結するためにO−リングを含む嵌合クイックコネクト連結器を含み得る。
【0030】
[0090] 弁保持チューブ125をカテーテルアセンブリに連結して、その後、近位アクチュエータノブ126を作動(例えば、回転)させて、送達ロッド124を遠位側へ移動させて、送達ロッド124の先端が人工弁を弁保持チューブ125から送達シース136の先端部分に押出し得る。送達ロッド124が遠位側へ移動すると、送達ロッド124は、ハンドルアセンブリ120のハウジング122に対して移動し、弁保持チューブ125は、ハウジング122に関して静止したままであるため、送達ロッド124が人工弁を弁保持チューブ125から送達シース136内へ押出し得る。その後、テザーは、留置メカニズム127に固着して、弁をハウジング122に固着し得る。その後、人工弁が、送達シース136から心臓の左心房内に、又は自然僧帽弁の弁輪内に配置されたままになるように、遠位アクチュエータノブ128を作動させて、ハウジング122に関して送達シース136(及びハブ132を介してそれに連結された弁保持チューブ125)を引戻し得る、又は近位側へ移動させ得る。人工弁が留置された後、人工弁は、必要に応じて操縦及び再配置され、その後、テザーが、留置メカニズム127から解放され得る。その後、テザーは、先に記載されるとおり、例えば心外膜パッド(例えば、図1のEAD)によって、心臓の心外膜表面へ固着され得る。
【0031】
[0091] 別の例示的手順において、最初、カテーテルアセンブリ130を心臓に挿入し、その後弁保持チューブ125及びハンドルアセンブリ120をそれに連結するのではなくむしろ、カテーテルアセンブリ130が心臓内に挿入される前に、弁保持チューブ125がハンドルアセンブリ120及びカテーテルアセンブリ130の両方に連結され得る。そのような手順において、先に記載されたものと同じステップが、カテーテルアセンブリ130を心臓に挿入するため、例えばカテーテルアセンブリ130をガイドワイヤに沿って、そして/又は先に記載されたとおり拡大デバイスを用いて挿入するために、用いられ得る。その後、送達デバイス100を、先に記載されたものと同じ手法で作動させて、人工弁を最初、送達シース136内で遠位側へ移動させ、その後、送達シース136を近位側へ移動させて、人工弁を心臓内に配置し得る。
【0032】
[0092] 図3は、弁装填デバイス160の略図である。弁装填デバイス160は、漏斗アセンブリ115と、装填ハンドルアセンブリ165と、先に記載された弁保持チューブ125と、を含む。弁保持チューブ125をハンドルアセンブリ120及びカテーテルアセンブリ130に連結する前に、人工弁(本明細書では「弁」とも称される)が、弁装填デバイス160を用いて弁保持チューブ125内に装填される。弁は最初、漏斗アセンブリ115内に配置され、弁を付勢された拡張構成から縮小構成にする。漏斗アセンブリ115は、外部漏斗164と、内部漏斗又は心出しコーン162と、を含む。弁は、外部漏斗164内に配置され、その後、内部漏斗が、外部漏斗164に、それらの間に弁を挟んで連結され、制御された手法で弁を所望の形状及び構成に縮小させる。弁保持チューブ125は、弁保持チューブ125が先に記載されたハンドルアセンブリ120及びカテーテルアセンブリ130に連結されたのと類似の手法で、クイックコネクト連結器を介して漏斗アセンブリ115及び装填ハンドルアセンブリ165に着脱自在に連結され得る。
【0033】
[0093] 装填ハンドルアセンブリ165は、ハンドル157(「メイン装填ノブ」又は「アクチュエータ」とも称される)と、弁に連結されたテザーを固着する留置メカニズム168と、ハンドル157に動作的に連結された装填リードスクリュー166と、を含む。弁保持チューブ125を漏斗アセンブリ115及び装填ハンドルアセンブリ165に連結し、弁から延在するテザーを留置メカニズム168に固着させて、弁装填デバイス160を作動させて、弁を漏斗アセンブリ内で配置させる第1位置から、弁を弁保持チューブ125内に配置させる第2位置まで弁を移動させ得る。より具体的には、ハンドル167は、回転され得、次にハンドル167に関してリードスクリューを移動させ、次に弁保持チューブ125及び漏斗アセンブリ115をハンドル167から離れるように移動させる。弁は、作動(留置メカニズム168へのテザーの固着を通して)の際にハンドル167に対して固定された位置にある(即ち静止している)ため、漏斗アセンブリ115は、ハンドルから離れるように移動し、弁保持チューブ125は、弁を覆って移動し、弁を弁保持チューブ125の内部領域内に配置する。弁装填デバイス160の様々な部品及び操作に関する詳細は、図18図25及び弁装填デバイス560に関連して以下に記載される。
【0034】
[0094] 図4図12は、一実施形態による送達デバイスを示している。送達デバイス200は、カテーテルアセンブリ230と、カテーテルアセンブリ230に着脱自在に連結され得るハンドルアセンブリ220と、ハンドルアセンブリ220及びカテーテルアセンブリ230に着脱自在に連結され得る弁保持チューブ225と、を含む。送達デバイス200は、先に記載された送達デバイス100と同一又は類似の部品及び特色を含み得、そして同一又は類似の機能を果たし得る。送達デバイス200は、これまでの実施形態に関して先に記載されたとおり心臓内に人工心臓弁、例えば人工僧帽弁(図示しない)を送達及び留置するために用いられ得る。
【0035】
[0095] カテーテルアセンブリ230は、ハブ232及び送達シース236を含む。送達シース236は、ルーメン221(図9)を規定し、そこで弁保持チューブ225の内部領域内に予め配置された人工弁(図示されない)が、人工弁の送達の際に移動され得る。ハブ232は、シース236の基端に配置され、内部領域を規定し、そこで人工弁は最初、シース236のルーメン内への挿入前に導入される。使用の際に、ハブ232は、心臓の外側に配置されたままで、心臓内に挿入されると、シース236のルーメンへの接近を提供し得る。ハブ232はまた、ポート237を含み、そこから様々なデバイス、例えば拡大デバイス(図示されない)が、図13の実施形態に関連してより詳細に記載されるとおり、人工心臓弁の送達の際に挿入及び使用され得る。拡大デバイスの他の実施形態が、図28図43に関連して以下に記載されており、送達デバイス200によって用いられ得る。ポート237はまた、内部にガイドワイヤを受け入れるために用いられ得る。例えばガイドワイヤは、送達シース236の先端からハブ232の内部へ、そしてポート237から外へねじ込まれ得る。
【0036】
[0096] ハンドルアセンブリ220は、ハウジング222と、ハウジング222に連結されたテザー留置メカニズム227と、ハウジング222に連結された送達ロッド224と、ハウジング222に連結された近位アクチュエータノブ226(「第1アクチュエータ」又は「近位アクチュエータ」とも称される)と、ハウジング222に連結された遠位アクチュエータノブ228(「第2アクチュエータ」又は「遠位アクチュエータ」とも称される)と、を含む。留置トラベルウィンドウ(deployment travulel whindow)223が、ハウジング222上に配置され、人工弁の送達の進み具合を観察するために用いられ得る。例えば送達ロッド224は、留置トラベルウィンドウを通して可視になるマーキングを含み得る。マーキングは、例えば数字もしくは文字で標識され得、又は色で暗号化され得る。マーキングは、弁の留置の際に弁が遠位側へ進んだ進み具合又は距離を示し得る。弁の留置の際に送達シースの近位側への移動を示すマーキングもまた、含まれ得る。
【0037】
[0097] 近位アクチュエータノブ226は、送達シース236内で、弁保持チューブ225の中に予め装填されていてハンドルアセンブリ220に連結された人工心臓弁(図示されない)を遠位側へ移動させる、又は押出すのに用いられ得る。例えば、人工心臓弁が送達シース236の先端部分の中に配置されるまで、送達ロッド224が人工心臓弁に係合して、人工心臓弁を送達シース236内で遠位側へ移動させる(押出す)ように、近位アクチュエータノブ226が、送達ロッド224に動作的に連結され得、送達ロッド224を送達シース236内でハウジング222に対して遠位側へ移動させるために用いられ得る。この実施形態において、近位アクチュエータ226が回転され、次にロッド224をハウジング222に対して移動させる。弁を留置すると、弁保持チューブ225が、ハウジング222に一定の関係で固着され、このためロッド224が作動した時にハウジング222に対して移動しない。これにより、ロッド224は、弁を弁保持チューブ225からハブ232内へ、その後、送達シース236の先端部分の中へ遠位側へ押出し得る。弁を送達シース236の先端内に配置させて、テザーが、留置メカニズム227を介してハウジング222に固着され得る。
【0038】
[0098] 遠位アクチュエータノブ228は、心臓内への人工弁の留置の際に、送達シース236に動作的に連結され得、送達シース236を作動又は移動させるために用いられ得る。この実施形態において、図7に示すとおり、遠位アクチュエータノブ228は、リードスクリュー229に連結され、次に弁保持チューブ225に連結される。したがって弁保持チューブ225が、ハブ232に連結されると、リードスクリュー229を作動させて、ハウジングに対して弁保持チューブ225及びカテーテルアセンブリ230を移動させ得る。例えば先に記載されるとおり、人工弁を心臓内に留置させるために人工弁を送達シース236内に配置させて、送達シース236をハウジング222に対して近位側へ移動させ(遠位アクチュエータノブ228を作動させることによる)、人工弁を送達シース236の外側及び心臓内に配置する。
【0039】
[0099] 同じく送達シース236を作動させて、人工弁が再配置され得るように、心臓内に既に留置されている人工心臓弁を部分的に再捕捉し得る。例えば、人工弁が上記のとおり留置された後、人工弁が再配置されなければならないことが決定されたら、アクチュエータノブ228はリードスクリュー229を反対方向に作動させて、リードスクリュー229を遠位側へ移動させて、送達シース236を、人工弁の近位部分を越えて戻し得る。送達デバイス200はその後、人工弁を所望の場所に位置づけられるように操縦され得、アクチュエータノブ228を作動させて、送達シース236を近位側へ移動させて再度、送達シース236から人工弁を解放し得る。さらに、先に記載されたとおり、送達ロッド224をアクチュエータノブ226によって作動させて遠位側へ移動させ、人工弁の一部を送達ロッド224のルーメン内で再捕捉し得る。
【0040】
[0100] これまでの実施形態について先に記載されたとおり、弁保持チューブ225(例えば、図10A及び図10B参照)は、弁保持チューブ225の内部ルーメン内で人工僧帽弁(図示されない)を圧縮構成で含有又は保持し得る。図3に関して先に記載されたとおり、そして図18図25に関して以下に記載されるとおり、人工弁が制御された手法で所望の圧縮サイズ及び形状に圧縮されるように、弁装填デバイスを用いて、人工弁を弁保持チューブ225内に予め装填し得る。弁保持チューブ225は(内部の人工僧帽弁と共に)、ハンドルアセンブリ220の先端部分に着脱自在に連結され得、カテーテルアセンブリ230のハブ232に着脱自在に連結され得る。
【0041】
[0101] 例えば図5に図示すとおり、弁保持チューブ225は、第1クイックコネクト連結器211(この実施形態では雌型コネクタ)及び第2クイックコネクト連結器212(この実施形態では雄型コネクタ)を含み得る。第1クイックコネクタ211は、ハンドルアセンブリ220の先端部分に配置されたクイックコネクト連結器213(この実施形態では雄型コネクタ)に嵌合して連結され得る。同様に、弁保持チューブ225の第2クイックコネクト連結器212は、カテーテルアセンブリ230のハブ232に配置されたクイックコネクト連結器214(この実施形態では雌型コネクタ)に嵌合して連結され得る。クイックコネクト連結器は、ハンドルアセンブリ220に対する、そしてカテーテルアセンブリ230に対する弁保持チューブ225の位置を維持するためにOリングを含み得る。クイックコネクト連結器は、多様な異なるタイプの適切な連結器/コネクタであり得る。例えばクイックコネクト連結器は、バヨネット式コネクタ又は1/4回転式コネクタであり得る。別の実施形態において、雄型連結器と雌型連結器が、逆転し得る(例えば、弁保持チューブ252の連結器211が、ハンドルアセンブリの雌型連結器213に嵌合して連結され得る雄型連結器になり得る)ことが、理解されなければならない。弁保持チューブ225をハンドルアセンブリに連結して、ハンドルアセンブリ220の送達ロッド224の先端部分が、弁保持チューブ225の内部領域内に受け入れられ得る。弁保持チューブ225を送達ロッド224に連結する前に、人工弁(弁保持チューブ225内)に連結されたテザー(図示されない)が、送達ロッド224により規定されるルーメンにねじ込まれ、ハンドルアセンブリ220から近位側へ延設され得る。
【0042】
[0102] 弁保持チューブ225は、先に記載された弁保持チューブ225と同一又は類似の構成であり得、そして同一又は類似の機能を果たし得る。例えば弁保持チューブ225は、人工心臓弁を心臓に送達するための様々な異なる手順に適合するように様々な長さを有し得る。留置メカニズム227は、ハウジング222の基端部分に連結され得る。この実施形態において、留置メカニズム227は、テザーを穿刺してテザーを留置メカニズム227に固着するように構成され得るテザーピン留め部材を含む。
【0043】
[0103] 人工僧帽弁を心臓内に送達及び留置するための使用の際に、弁保持チューブ225は、先に記載されたクイックコネクト連結器を介して、ハンドルアセンブリ220及びカテーテルアセンブリ230に連結され得る。例えば、弁保持チューブ225は、カテーテルアセンブリ230のハブ232に挿入され得、クイックコネクト連結器212及び214は、ハブ232内の弁保持チューブ225の位置を維持し得る。同様にクイックコネクト連結器211及び213は、ハンドルアセンブリ220に対する弁保持チューブ225の位置を維持し得る。カテーテルアセンブリ230の送達シース236は、患者の心臓の心外膜表面から挿入され得、ハブ232が心外膜表面の付近の心臓の外側で、又は心外膜表面と接触して、配置されるように、心臓の左心室を通して左心房に延設され得る。先に記載されたとおり、ある実施形態において、シース236を心臓に導入する前に、ガイドワイヤを心臓に入れて、左心房まで延設する。シース236をその後、ガイドワイヤに沿ってねじ込み、心臓内に挿入し得る。ある実施形態において、心臓内にシース236を挿入する前に、拡大デバイス(図示されない)(例えば、図13の拡大デバイス354、及び以下に記載される拡大デバイス834及び934)を、先に記載されたとおり使用して、患者の心臓内へ送達デバイス200を挿入するための先細の遠位挿入チップを提供することができる。送達デバイス100に関して先に記載されたとおり、別の手順において、カテーテルアセンブリ230は、弁保持チューブ225を連結する前に、最初に心臓に挿入され得る。
【0044】
[0104] 図4は、即使用可能な位置にある組み立てられた送達デバイス200を示している(例えば、弁保持チューブ225が、内部に装填された人工弁と共にハウジング222及びカテーテルアセンブリ230に連結されている)。その後、先に記載されたとおり、近位アクチュエータノブ226を作動(例えば、回転)させて、送達ロッド224を遠位側(図4及び図11の矢印Aの方向)へ移動させ、人工弁を弁保持チューブ225から送達シース236の先端部分の中へ押出し得る。図11は、人工弁を弁保持チューブ225から遠位側へ押出すように作動された送達ロッド224を示すために、例示の目的でカテーテルアセンブリ230及び弁保持チューブ225を含まない送達ハンドル220を示している。送達ロッド224が遠位側へ移動すると、弁保持チューブ225は、静止したまま、又はハウジング222に対して固定されたままであるため、弁保持チューブ225が送達シース236の先端部分に配置されるまで、送達ロッド224が人工弁を弁保持チューブ225から送達シース236の中へ押出すことができる。テザーは、留置メカニズム227に固着され得、その後、人工弁が送達シース236の外側及び心臓の左心房内に配置されたままになるように、遠位アクチュエータノブ228を作動させて、ハウジング222に対して送達シース236を引戻し得る、又は近位側へ移動させ得る。より具体的には、上記のとおり、遠位アクチュエータ228は、リードスクリュー229に動作的に連結され、リードスクリュー229は、弁保持チューブ225に連結されている。したがって、弁保持チューブ225もまた、送達シース236に連結されているため、送達シース236も又はウジング222に対して近位側(図12A及び図12Bの矢印Bの方向)へ移動する。図12Aは、一部が引戻された(近位側へ移動した)送達シース236を示しており、それに連結された弁保持チューブ225は、一部がハウジング222内に配置されて示されている。図12Bは、全て引戻された送達シース236と、一部がハウジング222内に配置されたハブ232と、全体がハウジング222内に配置された弁保持チューブ225と、を示している。人工弁が留置された後、テザーは留置メカニズム227に連結されており、人工弁は、必要に応じて操縦及び再配置され得、その後、テザーは、留置メカニズム227から解放され得る。テザーはその後、例えば先に記載されたとおり、心外膜パッド(例えば、図1のEAD)によって心臓の心外膜表面に固着され得る。
【0045】
[0105] さらに、先に記載されたとおり、テザーを固着する前に、人工弁の最初の留置の際に、弁が再配置されなければならないことが決定されたら、送達デバイス200を作動させて、弁の近位部分を部分的に再捕捉して、その位置に適合させ得る。例えば送達シース236を作動させて遠位側へ移動させ、弁の一部を再捕捉して、その後、弁が再配置された後、シース236を作動させて再度、近位側へ移動させて、弁を解放し得る。あるいは送達ロッド224を用いて、人工弁の一部を再捕捉することもできる。例えば、人工弁の一部が、送達ロッド224のルーメン内で再捕捉されるように、送達ロッド224を作動させて、遠位側へ移動させ得る。その後、弁は再配置され、その後、送達ロッド224を作動させて近位側へ移動させ、弁を解放し得る。
【0046】
[0106] 図13は、別の実施形態による送達デバイスを示している。送達デバイス300は、カテーテルアセンブリ330と、カテーテルアセンブリ330に着脱自在に連結され得るハンドルアセンブリ320と、ハンドルアセンブリ320及びカテーテルアセンブリ330に着脱自在に連結され得る弁保持チューブ(図示されない)と、を含む。この実施形態において、弁保持チューブは、ハンドルアセンブリ320のハウジング322及びカテーテルアセンブリ330の内部に配置されている。送達デバイス300は、先に記載された送達デバイス100及び/又は送達デバイス200と同一又は類似の部品及び特色を含み得、同一又は類似の機能を果たし得る。送達デバイス300は、例えばこれまでの実施形態で先に記載されたとおり、人工僧帽弁(図示されない)など、心臓内の人工心臓弁を送達及び留置するのに用いられ得る。
【0047】
[0107] カテーテルアセンブリ330は、ハブ332及び送達シース336を含む。送達シース336は、これまでの実施形態で先に記載されたとおり、ルーメン(図示されない)を規定し、そこで弁保持チューブ内に配置された人工弁が、人工弁の送達の際に移動され得る。
【0048】
[0108] ハンドルアセンブリ320は、ハウジング322と、ハウジング332に連結された送達ロッド(図示されない)と、ハウジング322に連結された近位アクチュエータノブ326と、ハウジング322に連結された遠位アクチュエータノブ328と、を含む。留置トラベルウィンドウ323が、ハウジング322上に配置され、留置トラベルウィンドウ323を通して可視になる人工心臓弁の送達の進み具合を観察するために用いられ得る。近位アクチュエータノブ326は、弁保持チューブ(図示されない)を介してハンドルアセンブリ320内に装填される人工心臓弁(図示されない)を遠位側へ移動させる、又は押出すために用いられ得る。遠位アクチュエータノブ328は、心臓内への人工弁の留置の際に送達シース336を作動又は移動させるために用いられ得る。例えば人工弁は、送達シース336のルーメンの先端部分の中に位置づけられるまで、遠位側へ移動され得る。人工弁を留置するために、送達シース336を近位側へ移動させて、人工弁を送達シース336の外側及び心臓内で配置する。人工弁が送達デバイス100及び200に関して先に記載されたとおり再配置され得るように、送達シース336を作動させて、心臓内に留置された人工心臓弁を再捕捉することもできる。図7及び8に図示されていないが、ハウジング322はまた、これまでの実施形態で先に記載されたとおり、ハウジング322に連結されたばね式テザー留置及び機械的留置連結器(本明細書では「留置メカニズム」とも称される)を含み得る。
【0049】
[0109] 先に記載されたとおり、弁保持チューブは、弁保持チューブの内部ルーメン内で人工僧帽弁を圧縮構成で含有又は保持し得る。弁保持チューブ(内部の人工僧帽弁を含む)は、ハンドルアセンブリ320の先端部分に連結され得、そしてカテーテルアセンブリ330のハブ332に連結され得る。これまでの実施形態で先に記載されたとおり、送達ロッドの先端部分の一部は、ハンドルアセンブリ320に連結されると、弁保持チューブの内部領域内に受け入れられ得る。弁保持チューブを送達ロッドに連結する前に、人工弁(弁保持チューブ内)に連結されたテザー(図示されない)を、送達ロッドによって規定されるルーメンにねじ込まれて、ハンドルアセンブリ320から近位側へ延設され得る。
【0050】
[0110] この実施形態において、人工弁の留置の際に送達デバイス300と共に用いられ得る拡大デバイス354が、例示される。拡大デバイス354は、シース336の導入部を提供し得、心外膜表面にある僧帽弁輪を通る入口の開口又は拡大を支援し得る、先細の先端を含み得る。拡大デバイス354は、拡張可能な拡大器バルーン部材334(本明細書では「バルーン部材」とも称される)を含む。バルーン部材334は、送達シース336をとおり、そしてハブ332によって規定されるポート337から外部へ延在する細長い膨張チューブを介して、バルーンマニホールド356に連結される。バルーン部材334は、心臓内へのカテーテルアセンブリ330の挿入の際の導入部を提供するための先細の遠位チップ部分を有する。バルーンマニホールド356は、膨張媒体に連結され得、バルーン部材334を膨張及び収縮させるために用いられ得る。ポート337は、ハブ332上の、人工弁の遠位側に配置される。言い換えれば、弁保持チューブ(人工弁を含む)が、カテーテルアセンブリ330に連結されると、バルーンシャフトがポート337を出た場所の近位側に人工弁が配置される。図13はまた、拡大デバイス354のルーメンに挿入され得、細長い部材349を含む、輸送マンドレル353を示している。先端がバルーン部材334の先端の外側に配置されるまで、細長い部材349は、バルーンマニホールド356から、拡大デバイス354によって規定されるルーメンを通して挿入され得る。輸送マンドレル353は、拡大デバイス354の様々な部品の整列を維持し、拡大デバイス354の使用前に部品が潰れる可能性を低減又は排除するために用いられ得る。輸送マンドレル353は、患者の体内への送達デバイス300の挿入前に抜去され得る。
【0051】
[0111] 人工僧帽弁を心臓内に送達及び留置するための使用の際に、ハブ332が心外膜表面の付近の心臓の外側に、又は心外膜表面と接触して、配置されるように、拡大デバイス354、カテーテルアセンブリ330、ハンドルアセンブリ320及び弁保持チューブ(図示されない)を互いに連結し、バルーン部材334を膨張させて、送達シース336を患者の心臓の心外膜表面から挿入し得、心臓の左心室を通して左心房に延設し得る。送達シース336が、所望の場所に位置づけられると、バルーン部材334は、収縮され得、ポート337から抜去され得る。
【0052】
[0112] これまでの実施形態で先に記載されたものと類似の手法で、近位アクチュエータノブ326をその後、作動(例えば、回転)させて、送達ロッドを遠位側へ移動させ、人工弁を弁保持チューブから送達シース336の先端部分の中へ押出し得る。その後、人工弁が送達シース336の外側及び心臓の左心房内で配置されたままになるように、遠位アクチュエータノブ328を作動させて、送達シース336を引戻し得る、又は近位側へ移動させ得る。
【0053】
[0113] 図14図17は、実施形態により再捕捉デバイスを示している。人工弁が再配置及び/又は回収/抜去され得るように、再捕捉デバイス410が、心臓内に配置される人工弁を捕捉するために用いられ得る。再捕捉デバイス410は、ハンドルアセンブリ420に動作的に連結された外部シース444と、外部シース444のルーメン内に配置された外部拡大器442と、外部拡大器442のルーメン内に可動的に配置されてハンドルアセンブリ420に動作的に連結された内部拡大器446と、を含む。再捕捉デバイス410は又はンドルアセンブリ420の基端部分に連結されたテザー留置メカニズム427を含む。テザー留置メカニズム427は、本明細書に記載され、そして/又は上記の参照により本明細書に組み入れられる第’382号出願に記載される留置メカニズムと同一又は類似の構成であり得、テザーを再捕捉デバイス410に固着するために用いられ得る。内部拡大器446は、人工弁440の少なくとも一部を受け入れ得るルーメンを規定し、以下により詳細に記載されるとおり、心臓内に植込まれる人工弁と係合するように構成された遠位チップを含む。
【0054】
[0114] ハンドルアセンブリ420は、ハウジング422と、ハウジング422に連結されてシース444に動作的に連結された近位アクチュエータノブ426と、ハウジング422に連結されて拡大部材446に動作的に連結された遠位アクチュエータノブ428と、を含む。留置トラベルウィンドウ423が、ハウジング422上に配置され、人工心臓弁の抜去又は再捕捉の進み具合を観察するために用いられ得る。近位アクチュエータノブ426(本明細書では「近位アクチュエータ」又は「第1アクチュエータ」とも称される)は、外部拡大器442のルーメン内で内部拡大器446を遠位側及び近位側へ移動させるのに用いられ得る。遠位アクチュエータノブ428(本明細書では「遠位アクチュエータ」又は「第2アクチュエータ」とも称される)は、外部シース444を遠位側及び近位側へ作動又は移動させるのに用いられ得る。
【0055】
[0115] 図14及び図15に示すとおり、心臓内に留置された人工弁440を捕捉するために、人工弁440に連結されたテザーを内部拡大器446のルーメン内にねじ込み得、又は挿入し得、近位アクチュエータ426を作動させて内部拡大器446を遠位側へ移動させて弁440と接触させることにより、内部拡大器446の遠位チップを、弁440の近位部分と係合させ得る。したがって内部拡大器446が、遠位側へ移動すると、図14及び図15に示すとおり、弁440の一部が内部拡大器446のルーメン内に受け入れられて、縮小され得る。図16に示すとおり、拡大部材442の遠位チップ及び弁440の第1部分が、外部拡大器442のルーメン内に引込まれるように、内部拡大器446を作動させて(例えば、近位アクチュエータノブ426を回して、又は回転させて)内部拡大器446を近位側へ移動させることができる。例えば、弁440の一部を内部拡大器のルーメン内で縮小させて、弁440が、内部拡大器446と共に遠位側へ移動する。図16に示されたとおり弁440が捕捉されて、テザーが、留置メカニズム427に固着され得、弁440が、心臓内に移動/再配置され得る。
【0056】
[0116] 弁440を全て抜去/回収するために、弁440が外部シース444のルーメン内で全て捕捉されるまで、シース444を図17に示すとおり遠位側へ移動させて、弁440をシース444のルーメン内でさらに捕捉し得る。例えば、遠位アクチュエータノブ428を作動させて(例えば、回転させて、又は回して)、外部シース444を内部拡大器446及び外部拡大器442に対して遠位側へ移動させ得る。外部シース444を、ハンドルアセンブリ422に対しても移動させる。したがって、留置メカニズム427を介してテザーをハンドルアセンブリ422に固着させて、外部シース444が、弁440に対して遠位側へ移動して、弁440を外部シース444のルーメン内で捕捉する。弁440をシース444のルーメン内で捕捉させて、心臓及び患者の体から再捕捉デバイス410を抜去することにより、弁440を心臓から抜去し得る。
【0057】
[0117] 再捕捉デバイス410の二段階作動が、心臓内に移植された人工弁の制御された捕捉を可能にして、人工弁を再配置及び/又は抜去/回収する。弁440のフレームの近位部分は最初、フレームの一部が外部拡大器442のルーメン内に配置されるのに十分、収縮され得、その後、外部シース444のルーメン内に移動すると、より完全に収縮された構成になり得る。再捕捉デバイスのさらなる実施形態を、図44図53を参照して以下に記載する。
【0058】
[0118] 図18図25は、実施形態による弁装填デバイス560を示している。弁装填デバイス560は、本明細書に記載された弁保持チューブ(例えば、125、225)と類似又は同一であり得る弁保持チューブ525の中に人工弁(図示されない)を装填するために用いられ得る。弁装填デバイス560は、人工弁を弁保持チューブに装填する前に、弁を所望のサイズ及び形状に圧縮するために用いられ得る。弁装填デバイスの別の実施形態が、先の参照により本明細書に組み入れられる第’382号出願に記載される。弁装填デバイス560は、ハンドルアセンブリ565と、トップキャップアセンブリ596及び外部漏斗564を含む漏斗アセンブリ515と、を含む。トップキャップアセンブリ596は、内部漏斗又は心出しコーン562を含む。図20B及び図21Bに最良に示すとおり、ハンドルアセンブリ565は、心出しロッドロケータ563に動作的に連結された心出しロッド561と、装填リードスクリュー566と、メイン装填ノブ又はハンドル567と、を含む。テザー穿刺部材568は、弁装填デバイス560内の人工弁から延在するテザーを固着するのに用いられ得る。以下により詳細に記載されるとおり、装填リードスクリュー566を作動させて弁保持チューブ525を移動させ、人工弁を捕捉し得る。
【0059】
[0119] 弁保持チューブ525は、ハンドルアセンブリ565の装填リードスクリュー566上でクイックコネクト連結器551(この実施形態では雄型コネクタ)に嵌合により連結し得るクイックコネクト連結器550(この実施形態では雌型コネクタ)を介してハンドルアセンブリ565に着脱自在に連結され得る。弁保持チューブ525はまた、外部漏斗564上でクイックコネクト連結器543(この実施形態では雌型コネクタ)に嵌合により連結され得るクイックコネクト連結器541(この実施形態では雄型コネクタ)を介して外部漏斗564に連結され得る。クイックコネクト連結器550、551、541及び543は、例えばバヨネット式コネクタ又は1/4回転式コネクタであり得る。クイックコネクト連結器は又はンドルアセンブリ565に対する、そして外部漏斗564に対する弁保持チューブ525の位置を維持するためのOリングを含み得る。心出しロッド561は、人工弁が外部漏斗564内に装填されたら、弁を心出しして、弁を適所に保持するために用いられ得る。心出しロッド固着ノブ569は、心出しロッド561を適所に固着する。心出しロッド固着ノブ569は、例えばサムスクリュー又はセットスクリューであり得る。
【0060】
[0120] ある実施形態において、人工弁を弁装填デバイス560内に装填する前に、ハンドルアセンブリ565が最上部でクイックコネクト連結器551と共に水平方向で位置づけられるように、ハンドルアセンブリ565が取り付け具の中に配置され得る。弁保持チューブ525のクイックコネクト連結器550をハンドルアセンブリ565のクイックコネクト連結器551に連結することにより、弁保持チューブ525が、先に記載されたとおりハンドルアセンブリ565に連結され得る。外部漏斗564のクイックコネクト連結器543を弁保持チューブ525のクイックコネクト連結器541に連結することにより、外部漏斗564が、弁保持チューブ525に連結され得る。したがってハンドルアセンブリ565、弁保持チューブ525及び外部漏斗564は、取り付け具の中で水平方向に互いに連結される。人工心臓弁は、漏斗アセンブリ515の外部漏斗564によって規定される内部領域の中に配置され得る。弁のテザーは、外部漏斗564をとおり、弁保持チューブ525へ、そしてハンドルアセンブリ565の心出しロッド561へねじ込まれる。テザー穿刺部材568を回してテザーを穿刺し、テザーを装填デバイス560に固着し得る。ある実施形態において、非対称の人工僧帽弁では、弁のA2区分(PCT出願第’58826号参照)が上方へ装填されるように、弁が装填デバイス560に装填される。これにより、弁を自然前尖のA2領域に送達してLVOT狭窄を低減又は予防するのと同じ方法で、弁のA2区分を確実に圧縮し得る。内部漏斗又は心出しコーン562はその後、それぞれ嵌合するネジ部分597及び598によって外部漏斗564に螺合されて(例えば、図22A及び図22B参照)、例えば図20Bに示すとおり、内部漏斗/心出しコーン562を外部漏斗564にロックするクイックコネクタ545(例えば、サムスクリュー又はセットスクリュー)で外部漏斗564に固着され得る。
【0061】
[0121] シリンジをトップキャップアセンブリ596のポート548に連結し、生理食塩水洗浄を提供して、装填デバイス560内に封入された気泡を全て除去することができる。弁もまた、装填デバイス560内に入った状態で、空気をチェックし、振とうして軽くたたき、封入された空気などを除去し得る。任意の気泡が認められたら、装填デバイス560を(例えば、ポート548に連結されたシリンジで)、特に弁の任意の上部ポケットから、生理食塩水で洗浄することにより、気泡を除去し得る。一部の例では、弁装填デバイス560内への人工弁の装填工程を、生理食塩水/水浴に浸漬された弁及び装填デバイス560を用いて実施して、装填デバイス560内に封入された気泡の全てを注意深く除去し得る。
【0062】
[0122] 別の手順において、外部漏斗564が弁保持チューブ525に連結される前に、弁が外部漏斗564内に配置され得る。外部漏斗564及び心出しコーン562は、先に記載されたとおり互いに連結され得、外部漏斗564は、クイックコネクト連結器541及び543を介して弁保持チューブ525に連結され得る。一部の例において、漏斗アセンブリ515(外部漏斗及びトップキャップアセンブリ596)が弁保持チューブ525に連結される前に、弁保持チューブ525が、クイックコネクト連結器550及び551を介してハンドルアセンブリ565に連結され得る。他の例において、漏斗アセンブリ515がハンドルアセンブリ565に連結される前に、弁保持チューブ525が、ハンドルアセンブリ565に連結され得る。
【0063】
[0123] 漏斗アセンブリ515(人工弁が内部に装填される)を弁保持チューブ525及びハンドルアセンブリ565に連結して、アセンブリ全体が、取り付け具から外され、ひっくり返して、水平方向で取り付け具の中に再度、配置されるが、この場合、最上部がハンドルアセンブリ565の先端となり、底部が漏斗アセンブリ515となる。弁を漏斗アセンブリ515から弁保持チューブ525へ移動させる手順の際に、生理食塩水洗浄を引続き利用し得る(例えば、ポート548から導入)。人工弁を漏斗アセンブリ515(即ち、外部漏斗564/心出しコーン562)から弁保持チューブ525の内部領域の中へ移動させるために、メイン装填ノブ又はハンドル567を作動(例えば、回転)させ、次に図23に示すとおりハンドル567に対して矢印Aの方向に装填リードスクリュー566を移動させる。装填リードスクリュー566が、矢印Aの方向に移動すると、弁保持525がクイックコネクト連結器550、551を介して装填リードスクリュー566に、そしてクイックコネクト連結器541、543を介して漏斗アセンブリ515に連結されているため、弁保持チューブ525及び漏斗アセンブリ515もまた、装填リードスクリュー566と共に図24に示すとおり矢印Aの方向に移動する。図23は、近位側へ移動する前の弁保持チューブ525、漏斗アセンブリ515及び装填リードスクリュー566を示し、図24は、ハンドルアセンブリ565に対して矢印Aの方向に近位側へ移動した後の弁保持チューブ525、漏斗アセンブリ515及び装填リードスクリュー566を示している。
【0064】
[0124] テザー(弁に取り付けられた)がテザー穿刺部材568を介してハンドルアセンブリ565(及びハンドル567)に固着されているため、人工弁(図示されない)(漏斗アセンブリ515内に配置された)は、ハンドル567に対して固定された位置のままである。同様に、心出しロッド561は、ハンドル567に対して軸方向に固定されたまま、心出しロッド固着ノブ569に保持されているため、固定された位置のままである。したがって、弁保持チューブ525及び漏斗アセンブリ515が矢印Aの方向に移動すると、人工弁(及び心出しロッド561)は移動せず、人工弁が弁保持チューブ525の内部領域内で捕捉されるまで、漏斗アセンブリ515及び弁保持チューブ525は人工弁を覆って移動する。人工弁が弁保持チューブ525内のまま、弁保持チューブ525が、外部漏斗564及びハンドルアセンブリ565から離脱され得る。その後、弁保持チューブ525は、本明細書に記載されたとおり弁送達デバイス(例えば、100、200)に連結されて、心臓に送達され得る。
【0065】
[0125] 人工弁を漏斗アセンブリ515内に配置された状態から弁保持チューブ525内に配置された状態に移動させる上記方法は、装填リードスクリュー566を矢印Aの方向へ移動させ、その後、漏斗アセンブリ515及び弁保持チューブ525を矢印Aの方向へ移動させることを含むが、別の方法では、装填リードスクリュー566を作動させて、反対方向(即ち、図23及び図24の矢印Bの方向)に移動させることができる。そのような方法において、テザーは、テザー留置メカニズム568に連結/固着され、留置メカニズムは、アクチュエータ/ハンドル567に対して固定された状態であるため、アクチュエータ/ハンドル567が矢印Bの方向に移動すると、テザーはアクチュエータ/ハンドル567に沿って同じ方向に移動する。したがってテザー(弁に連結された)は、人工弁を漏斗アセンブリ515から弁保持チューブ525内へ引込まれ得る。
【0066】
[0126] 図25は、弁装填デバイス560と同一又は類似の特色を含み得、同一又は類似の機能を果たし得る、弁装填デバイス560’の別の実施形態を示している。例えば弁装填デバイス565’は、外部漏斗564’及び内部漏斗562を有する漏斗アセンブリ515’と、弁保持チューブ525’と、装填リードスクリュー566’を有するハンドルアセンブリ565’と、を含む。図25は、弁保持チューブ525’及び漏斗アセンブリ515’を矢印Aの方向に移動するよう作動させた後の弁装填デバイスを示している。弁装填デバイス560’に関するより詳細は、先の参照により組み込まれる仮特許出願第62/148,579号及び同第62/312,136号に記載される。
【0067】
[0127] 図26は、実施形態による、人工僧帽弁を心臓に留置する方法を示す流れ図である。670では、人工僧帽弁が、弁装填デバイス(例えば、160、560)に装填され、弁装填デバイス内で付勢された拡張構成から圧縮構成に移行する。672では、人工僧帽弁が、圧縮構成を維持しながら、弁保持チューブ(例えば、125、225、525)に移行する。674では、人工僧帽弁が圧縮構成で内部に配置された弁保持チューブが、弁送達デバイス(例えば、100、200)のハンドルアセンブリの先端部分に連結される。弁保持チューブをハンドルアセンブリの先端に連結する前に、人工僧帽弁に連結されたテザーを、ハンドルアセンブリのルーメンへ、そしてハンドルアセンブリのテザー留置メカニズム(例えば、127、227)のルーメンへねじ込まれ得る。676では、弁保持チューブが、弁送達デバイスのカテーテルアセンブリ(例えば、130、230)のハブに連結され得る。したがって弁保持チューブの基端は、ハンドルアセンブリに連結され、弁保持チューブの先端は、カテーテルアセンブリに連結される。678では、カテーテルアセンブリの先端が、心臓に挿入されて、心臓の左心房に延設される。例えば、弁保持チューブをカテーテルアセンブリに、そしてハンドルアセンブリに連結して、カテーテルアセンブリのシースの先端が、心臓内に挿入され得る。680では、人工僧帽弁が遠位側へ、弁保持チューブから送達シースの先端部分へ移動するように、近位アクチュエータノブを作動させる。682では、人工僧帽弁が送達シースの先端の外側及び心臓の左心房内に配置されるように、遠位アクチュエータノブを作動させて送達シースを近位側へ移動させる。人工僧帽弁は、保持チューブ及び送達シース内で展開すると、心臓内で付勢された拡張構成になる。
【0068】
[0128] 図27は、実施形態によるキットの略図である。ある実施形態において、外科キット705は、例えば本明細書に記載された送達デバイス(例えば、送達デバイス100、200、300)であり得る送達デバイス700、及び弁装填デバイス760(例えば、弁装填デバイス160、560)を含み得る。キット705はまた、再捕捉デバイス710(例えば、410、1010、1110、1210、1310)を場合により含み得る。キット705は、心臓内の適所の経カテーテル弁740及び/又は本明細書に記載された拡大デバイス754(例えば、拡大デバイス354、854、954)及び/又はガイドワイヤ(図23に示されない)を固着するために、経カテーテル人工弁740(例えば、人工僧帽弁)及び/又は心外膜パッド784の1つ又は複数を場合により含み得る。キット705は、キットの部品が輸送用に密封され得る滅菌パッケージ794も含み得る。
【0069】
[0129] 図28図42は、例えば先に記載された送達デバイス100、200、300などの送達デバイス(図28図42については図示されない)と共に用いられ得る拡大デバイスの別の実施形態を示している。拡大デバイス854は、先に記載されたカテーテル230のポート237又はカテーテルアセンブリ330のポート337などのカテーテルアセンブリのポートから挿入され得る。拡大デバイス854が、側部ポート227、337から挿入された時に恒常性弁(図示されない)を通過するように、恒常性弁が側部ポートに連結され得る。
【0070】
[0130] 図28の側面図に示すとおり、拡大デバイス854は、送達シース(図示されない)(先に記載された送達シース336など)の導入部を提供して心臓の心外膜表面から心室、例えば心尖部の壁を通る入口の開口又は拡大を支援し得る、先細の先端を有する拡張可能な拡大バルーン部材834(本明細書では「バルーン部材」とも称される)を含む。バルーン部材834は、一部が膨張した、又はほぼ全てが膨張した構成で、図28図30、及び図34図42に示されている。
【0071】
[0131] バルーン部材834は、細長い膨張チューブ855を介してバルーンマニホールド856に連結されている。バルーンマニホールド856は、先に記載されたバルーンマニホールド356と同一又は類似し得、膨張ポート888及びガイドワイヤポート889を含む。膨張ポート888は、バルーン部材834を膨張又は収縮させるのに用いられる膨張媒体の供給源に連結され得る。細長い膨張チューブ855(本明細書では「膨張チューブ」とも称される)は、バルーンマニホールド856に、そして以下により詳細に記載されるとおりバルーン部材834に連結されている。膨張媒体が膨張ポート888から膨張ルーメンをとおりバルーン部材834の中へ移動し得るように、膨張チューブ855は、バルーン部材834の内部領域と流体連通する膨張ルーメンを規定する。拡大デバイス854は、バルーン部材834(以下により詳細に記載)の遠位ネック部分839に連結されていて、バルーン部材834、膨張チューブ855の膨張ルーメンをとおり、膨張チューブ855の基端の外に延在する、細長いガイドワイヤチューブ857(本明細書では「ガイドワイヤチューブ」とも称される)を含み得る。ガイドワイヤチューブ857は、ガイドワイヤ(図示されない)が挿入され得るガイドワイヤルーメンを規定する。ガイドワイヤは、例えば0.035インチ(約0.89mm)径であり得る。
【0072】
[0132] 図29は、図28のB−B線に沿った断面図である。図28及び図29に示されたとおり、バルーンマニホールド856は、マニホールドハブ858と、相対的に硬質のマニホールドハブ858に対して膨張チューブ855の曲げ歪みを緩和する先細の歪み緩和部分859と、を含む。マニホールドハブ858及び歪み緩和部分859は、例えば場所809で、例えば接着剤を介して、互いに連結され得る。
【0073】
[0133] 図28及び図29に示すとおり、輸送マンドレル853が、ガイドワイヤチューブ857のガイドワイヤルーメンに挿入され得、近位ノブ847に連結された細長い部材849を含む。先端が図28に示すとおり膨張チューブ857の先端の外側に配置されるようになるまで、細長い部材849は、バルーンマニホールド856に、そして細長いガイドワイヤチューブ857に挿入され得る。輸送マンドレル853は、拡大デバイス854の様々な部品の整列を維持するため、そして拡大デバイス854の使用前にガイドワイヤチューブ857が潰れる可能性を低減又は排除するために用いられ得る。この実施形態において、輸送マンドレル853の近位ノブ847は、クイックコネクト連結器、例えばLuerロック連結メカニズムによってバルーンマニホールド856に連結され得る。例えば近位ノブ847は、バルーンマニホールド856のガイドワイヤポート889のLuerロック機構890に嵌合で連結され得るLuerロック機構852を含み得る。拡大デバイス854の使用前に、輸送マンドレル853が細長いガイドワイヤチューブ857及びバルーンマニホールド856から除去されるように、ガイドワイヤポート889のLuerロック機構890からLuerロック機構852を解放して、輸送マンドレル853を近位側へ引張ることにより、輸送マンドレル853が拡大デバイス854から除去され得る。
【0074】
[0134] 図30は、一部が膨張/拡張構成のバルーン部材834の側面図である。バルーン部材834は、それぞれ第1外径及び第2外径を有する第1本体部分831及び第2本体部分833を含む。第2外径は、第1外径よりも大きい。バルーン部材834の先端部分は、先細の凹面遠位部分835及び遠位ネック部分839を含む。バルーン部材834の基端部分は、円錐状部分838及び近位ネック部分881を含む。
【0075】
[0135] バルーン部材834、及びバルーン部材834の個々の部分は、任意の適切な長さを有し得る。例えば凹面遠位部分835と、第1本体部分831と、第2本体部分833が、ひとまとめでの長さLを有し得る。ある実施形態において、長さLは、例えば約3.723インチ(約9.4564cm)であり得る。凹面遠位部分835は、長さLを有し得、第1本体部分831は、長さLを有し得、第2本体部分833は、長さLを有し得る。ある実施形態において、長さLは、例えば約1.350インチ(約3.429cm)であり得、長さLは、例えば約1.25インチ(約3.175cm)であり得、長さLは、例えば約0.75インチ(約1.905cm)であり得る。追加としてある実施形態において、先細の凹面遠位部分835は、親水性コーティングを含み得る。
【0076】
[0136] ある実施形態において、遠位ネック部分839は、例えば0.30インチ(約7.62mm)であり得る長さLを有し得、近位ネック部分881は、例えば0.60インチ(約15.24mm)であり得る長さLを有し得る。円錐状部分838は、第2本体部分833から近位ネック部分881まで、任意の適切な角度で勾配になり得る。例えば近位ネック部分838に対する円錐状部分838の勾配は、角度θであり得る。ある実施形態において、角度θは、例えば25°であり得る。図31に示すとおり非膨張構成の場合、バルーン部材834を、送達シースへの挿入のためにより小さなサイズに折り畳み得るか、又は縮小させ得る。
【0077】
[0137] ある実施形態において、バルーン部材834の膨張圧に応じて、バルーン部材834が膨張構成に拡張すると、凹面遠位部分835が非凹面形状に拡張し得る。そのような場合、遠位部分835は先細になり得、凹面になり得ない。ある実施形態において、バルーン内の目的圧力が、使用される膨張構成で2〜3ATMになるように、バルーン部材834が構成され得る。2〜3ATMでは、凹面遠位部分835は、凹面形状又はわずかにより真直ぐな先細形状を維持するように構成され得る。
【0078】
[0138] 図32は、図30における詳細部分Cの拡大図である。図32に示されたとおり、バルーン部材834は、第1本体部分831と第2本体部分833との間に第1移行部分831A及び第2移行部分833Aを含む。第1移行部分831A及び第2移行部分833Aは、第1本体部分831と第2本体部分833との間に滑らかで丸みを帯びた移行部を提供する。
【0079】
[0139] 図33は、図30に示されたバルーン部材834の先端の図である。図33に示され、先に記載されたとおり、第2本体部分833の外径は、第1本体部分831の外径よりも大きい。例えばある実施形態において、第2本体部分833は、約0.455インチ(約11.56mm)の外径を有し得、第1本体部分831は、約0.445インチ(約11.30mm)の外径を有し得る。第1本体部分831が先に記載されたシース336などのシースの中に配置された時に、凹面遠位部分835とシース336との間に滑らかな移行部が存在するように、第1外径が選択され得る。追加として第1本体部分831は、親水性コーティングを含み得る。拡張構成で、送達シース(上記のシース336など)の内側に配置された時に、第2本体部分833が送達シースの内面に対して密閉を生じ得るように、第2外径(第2本体部分833の)が選択され得る。別の言い方をすると、非制限で拡張/膨張構成の時、第2本体部分833の第2外径は、シースの内径よりも大きくなり得る。
【0080】
[0140] 図34は、図30に示されたD−D線に沿った断面図である。図34に示されたとおり、遠位ネック部分839は、外径D及び内径Dを有する。ある実施形態において、外径Dは、例えば約0.064インチ(約1.626mm)であり得、内径Dは、例えば約0.056インチ(約1.422mm)であり得る。
【0081】
[0141] 図35は、図30に示されたE−E線に沿った断面図である。図35に示されたとおり、遠位ネック部分881は、外径D及び内径Dを有する。ある実施形態において、外径Dは、例えば約0.1075インチ(約2.7305mm)であり得、内径Dは、例えば約0.103インチ(約2.6162mm)であり得る。
【0082】
[0142] 図36は、バルーン部材834、細長い膨張チューブ855、及び細長いガイドワイヤチューブ857の側面図である。先に記載されたとおり、細長いガイドワイヤチューブ857は、バルーン膨張チューブ855を通して配置される。細長いガイドワイヤチューブ857の遠位部分は、バルーン部材834の遠位側へ延在し、細長いガイドワイヤチューブ857の近位部分は、長さLで細長い膨張チューブ855の基端の近位側へ延在する。細長いガイドワイヤチューブ857により規定されたガイドワイヤルーメンが、ガイドワイヤポート889を介して接近可能になるように、長さLが、バルーン膨張マニホールド856(図28及び図29に示される)と係合し得る任意の適切な長さであり得る。例えばある実施形態において、長さLは、約0.668インチ(約16.97mm)であり得る。
【0083】
[0143] 図37は、図36で同定された詳細部分Fの拡大図である。図37に示すとおり、バルーン部材834の遠位ネック部分839は、接着剤883を介して細長いガイドワイヤチューブ857に連結され得る。接着剤883が、細長いガイドワイヤチューブ857の外面と遠位ネック部分839の外面との間に滑らかな先細の移行領域が生じるように、接着剤が適用され得る。接着剤883の先細の勾配は、長さLにわたり得、それはある実施形態において、例えば約0.04インチ(約1.016mm)であり得る。
【0084】
[0144] 図38は、図32のG−G線に沿った図37の拡大詳細部分の断面図である。図38に示すとおり、細長い膨張チューブ855をバルーン部材834の遠位ネック部分839に連結する接着剤883は、遠位ネック部分839の内面と細長いガイドワイヤチューブ857の外面との間の長さLにも配置され得る。ある実施形態において、長さLは、例えば0.160インチ(約4.064mm)〜約0.320インチ(約8.128mm)の間であり得る。
【0085】
[0145] 追加として図38に示されたとおり、細長いガイドワイヤチューブ857は、患者の心臓に挿入された時に非侵襲的先端を提供して周囲組織への潜在的外傷を低減するように、細長いガイドワイヤチューブ857の残りの第2部分807よりも軟質の材料で形成され得る先端(先端部分885とも称される)の第1部分885を含み得る。例えばある実施形態において、遠位部分885は、Pebax(登録商標)、架橋されたPebax(登録商標)、ナイロン、ウレタンなどの低デュロメータ材料で形成され得る。細長いガイドワイヤチューブ857の先端部分885が、長さL10でバルーン部材834の遠位ネック部分839に重なるように、細長いガイドワイヤチューブ857が、遠位ネック部分839内に配置され得る。ある実施形態において、長さL10は、例えば約0.080インチ(約2.032mm)であり得る。ガイドワイヤチューブ857の残りの第2部分807は、複数の層で形成されていて、改善されたガイドワイヤ移動、耐キンク性及び接合性を提供し得る。例えばある実施形態において、ガイドワイヤチューブ857の残りの第2部分807は、PTFE/PI複合材料の内層と、例えば304Vステンレス鋼で形成されたコイル材料と、医療用のPebax(登録商標)7233 SA01で形成された材料の外層と、を含む三層構造で形成され得る。第2部分807の先端が、先端部分885のルーメン内に受け入れられ得るように、ガイドワイヤチューブ857の第1、又は先端の部分885は、ガイドワイヤチューブ857の第2部分807の外径よりも大きな内径を有し得る。第1、又は先端の部分885はまた、残りの部分の外面と先端部分885との間に配置された接着剤によってガイドワイヤチューブ857の第2部分に連結され得る。
【0086】
[0146] 図39は、細長い膨張チューブ855に連結されたバルーン部材834の側面図である。図39に示すとおり、バルーン部材834の近位ネック部分881は、細長い膨張チューブ855に連結され得る。同じく図示すとおり、細長い膨張チューブ855は、長さL11を有し得る。ある実施形態において、長さL11は、例えば約11.12インチ(約28.25cm)であり得る。細長い膨張チューブ855は、接着剤886を介してバルーン部材834に連結され得る。
【0087】
[0147] 図40は、図39の詳細部分Hの拡大図である。図40に示すとおり、細長い膨張チューブ855の先端部分871は、バルーン部材834の近位ネック部分881の中に配置される。近位ネック部分881は、径Dを有し得、それはある実施形態において、例えば約0.116インチ(約2.9464mm)以下であり得る。細長い膨張チューブ855の先端部分871が、バルーン部材834の近位ネック部分881に挿入され得るように(図41及び42に示すとおり)、細長い膨張チューブ855の先端部分871は、膨張チューブ855の残りの部分873の径Dよりも小さな外径Dを有し得る。例えばある実施形態において、先端部分871の径Dは、0.099インチ(約2.5146mm)であり得、膨張チューブ855の残りの部分873の径Dは、例えば0.113インチ(約2.8702mm)であり得る。ある実施形態において、先端部分871の内径は、図41に示されたとおり膨張チューブ855の残りの部分873の内径と同一であり得る。ある実施形態において、膨張チューブ855の先端部分871及び残りの部分873は、統合式又は一体形成された部品として形成され得る。ある実施形態において、膨張チューブ855の先端部分871及び残りの部分873は、互いに連結される別の部品であり得る。
【0088】
[0148] 図40に示すとおり、ある実施形態において、膨張チューブ855の先端部分871は、バルーン部材834の近位ネック部分881の中へ長さL13で配置され得る。ある実施形態において、長さL13は、例えば少なくとも約0.125インチ(約3.175mm)であり得る。接着剤886が、バルーン部材834の近位ネック部分881と、細長い膨張チューブ855の先端部分871との間に配置されて、近位ネック部分881を細長い膨張チューブ855にしっかりと連結され得る。ある実施形態において、ネック部分881の基端と、膨張チューブ855のより大きな径の部分873との間に小さな間隙が存在し、接着剤886が、この間隙の中へ挿入されて2つの部品の外面に沿ってまんべんなく塗布され得るように、先端部分871が、近位ネック部分881に挿入される。接着剤886は、近位ネック部分881の外面と、細長い膨張チューブ855の外面との間に滑らかな先細の移行部を提供し得る。ある実施形態において、接着剤886は、長さL12にわたって配置され得、それは例えば約0.02インチ(約0.508mm)であり得る。
【0089】
[0149] 使用の際、上記のとおり、拡大デバイス854は、先に記載された送達デバイス100、200、300などの送達デバイスと併せて用いられて、人工僧帽弁を心臓内へ送達及び留置し得る。非膨張構成(図示されない)の時、拡大デバイス854は、折り畳まれ、又は縮小されて、カテーテルアセンブリのハブのポート(例えば、カテーテルアセンブリ230、330のハブ232、332のポート237、337)に連結された恒常性弁(図示されない)に挿入され得る。バルーン部材834の凹面遠位部分835が、送達シース236、336の先端の遠位側に延在し、第1本体部分831及び第2本体部分833が、送達シース236、336の中に配置されるように、拡大デバイス854が送達シース236、336のルーメン内で遠位側へ押出され得る、又は移動され得る。ある実施形態において、拡大デバイス854は、送達シース236、336内の拡大デバイス854の位置づけを支援するために、膨張チューブ855の外部にマーカ875(図39参照)を含み得る。例えば、拡大デバイス854が、送達シースの中に挿入されて、マーカ875が、送達シースの側部ポートに連結された恒常性弁に達した時に、バルーン834が、送達シースの中の正しい場所に位置づけられるような場所の膨張チューブ855上に、マーカ875が配置され得る。
【0090】
[0150]拡大デバイス854が、カテーテルアセンブリ(例えば、カテーテルアセンブリ230、330の送達シース236、336内に配置される)に連結されて、カテーテルアセンブリが、送達デバイスのハンドルアセンブリ(例えば、送達デバイス200、300のハンドルアセンブリ220、320)と連結又はドッキングされ得る。カテーテルアセンブリ(例えば、230、330)が、送達デバイス(例えば、200、300)のハンドルアセンブリ(例えば、220、320)にドッキング/連結される前、又はその後に、輸送マンドレル853が、ガイドワイヤポート889から切り離されて、細長いガイドワイヤチューブ857から抜去され得る。カテーテルアセンブリ(拡大デバイスが連結されている)をハンドルアセンブリに連結した後、第2本体部分833が、送達シース236、336の内面への密閉を生じるように、送達シースに空気をパージし得、バルーン部材834を非膨張構成(例えば、折り畳まれた、又は縮小された)から膨張構成に拡張され得る。アセンブリ全体が、細長いガイドワイヤチューブ857のルーメンの先端を介して、ガイドワイヤ(図示されない)に装填され得る。例えば、ガイドワイヤは、患者の心臓に挿入して、患者の体外に延設され得、ガイドワイヤの基端は、ガイドワイヤチューブ857の先端の中に挿入されて、ガイドワイヤチューブ857の基端の外側に延設され得る。挿入されたガイドワイヤによって、拡大デバイス854及び送達シース236、336の先端部分が、患者の心臓(例えば、心尖部)の心外膜表面に挿入され得、心臓の左心室の壁から左心房の中へ延設され得る。バルーン部材834の先細の先端は、心外膜表面での入口の開口又は拡大を支援する。送達シース236、336が、所望の場所に置かれたら、バルーン部材834を縮小させ得、拡大デバイス854を、ポート237、337を介して送達デバイス200、300から抜去し得る。その後、これまでの実施形態を参照して先に記載されたとおり、送達デバイス200、300を作動させて、人工僧帽弁を送達し得る。
【0091】
[0151] 図43は、断面が示されたシース936と係合されたバルーン部材934の側面図である。バルーン部材934は、バルーン部材934と類似し得る。例えば拡大デバイス934は、それぞれ第1外径及び第2外径を有する第1本体部分931及び第2本体部分933を含む。第2外径は、第1外径よりも大きい。バルーン部材934はまた、先細の凹面遠位部分935及び遠位ネック部分939を含む。近位側部では、バルーン部材934は、円錐状近位部分938及び近位ネック部分981を含む。
【0092】
[0152] この実施形態において、バルーン部材934はまた、拡大した部分987を含む。拡大した部分987は、環の形状であり得、膨張した時に、第1本体部分931に対して大きな外径を有する(図43に示されたとおり)。シース936は、先に記載された送達シース236又は336と同一又は類似であり得る。図43に示されたとおり、シース936は、拡大した部分987の近位側部に隣接し得る。シース936が拡大した部分987と隣接した結果、バルーン934とシース936との間の移行部は、滑らかになる。別の言い方をすると、バルーン部材934及びシース936が、心外膜表面から移動すると、組織は、シース936の先端を捕らえない。加えて、バルーン部材934が、膨張構成の時、シース936が、拡大した部分987を超えて遠位側へ移り得ないように、拡大した部分987が、シース936の限界又は止め具として作用し得る。
【0093】
[0153] 図44図46は、留置された/植込まれた人工心臓弁(例えば、人工僧帽弁)を再捕捉して、人工心臓弁を再配置及び/又は回収/抜去するために用い得る再捕捉デバイスの別の実施形態を示す。再捕捉デバイス1010は、ハンドルアセンブリ1020に連結された外部シース1044と、ハンドルアセンブリ1020に動作的に連結され、外部シース1044のルーメン内に可動的に配置された外部拡大器1042と、外部拡大器1042のルーメン内に可動的に配置され、ハンドルアセンブリ1020に動作的に連結された内部拡大器1046と、を含む。この実施形態において、再捕捉デバイス1010は、以下により詳細に記載されるとおり、アクチュエータアセンブリに組み込まれるテザー留置メカニズムを含む。内部拡大器1046は、ルーメンを規定し、そこで人工弁(図示されない)から延在するテザーを受け入れ得、再捕捉手順の際に人工弁の一部を受け入れ得る。内部拡大器1046はまた、以下により詳細に記載されるとおり、心臓内に植込まれた人工弁に係合するように構成された遠位チップを含む。
【0094】
[0154] 図46に示すとおり、ハンドルアセンブリ1020は、ハウジング1022と、ハウジング1022に連結され、駆動シャフトメカニズム1006に動作的に連結されたアクチュエータノブ1026と、を含む。駆動シャフトメカニズム1006は、内部拡大器1046に動作的に連結され、以下により詳細に記載されるとおり、再捕捉手順の際に、テザー(人工弁から延在する)を巻き取る巻取りハウジング1077を含む。第1ばね1091は、細長いチューブ1079及び内部拡大器1046に連結されている。第1ばね1091は、例えばコイルばねであり得る。外部拡大器1042は、細長いロッド1093に連結され、細長いロッド1093は、一対のテープばね1092に連結されるが、テープばね1092は、例えば定荷重ばね又は不定荷重ばねであり得る。
【0095】
[0155] 人工心臓弁を再捕捉デバイス1010で捕捉するために、人工弁から延在するテザーを内部拡大器1046の先端から挿入して、内部拡大器1046のルーメン、細長いチューブ1079、巻取りハウジング1077、及びハイポチューブ1018を通過し、再捕捉デバイス1010の基端の外へ出される。Touhy弁1017は、ハイポチューブ1018に連結されており、それにテザーを締め付けるように構成され、以下に記載されるとおりテザーが再捕捉手順の際に巻き取られると抵抗を提供する。弁1017はまた、密閉を提供して、当該システムの生理食塩水洗浄を可能にする。
【0096】
[0156] テザーを再捕捉デバイス1010にねじ込み、内部拡大器1046の遠位チップを、テザーに沿って遠位側へ移動させて、人工弁の近位部分に係合させ得る。その後、アクチュエータ1026を作動させて(例えば、ノブを回転させて、又は回して)、内部拡大器1046を外部拡大器1042に対して近位側へ移動させ得る。内部拡大器1046が近位側へ移動すると、テザーは巻取りハウジング1077内に巻き取られ、次に弁が、近位側へ引っ張られる。例えばテザーは、両方の方向から巻取りハウジング1077内へ巻き取られ得る。一方はテザーからハイポチューブ1018の中へ延びる方向であり、他方は、テザーが細長いチューブ1079からハウジング1077に入る方向である。ばね1091が完全に縮小して、外部拡大器1042につかえて、ばね1091への荷重が増加するまで、内部拡大器1046を引続き作動させて、外部拡大器1042に対して近位側へ移動させ、外部拡大器1042のルーメン内で部分的に人工弁を引張り得る。この時点で、弁が一部捕捉されており、所望なら、心臓内で再配置され得る。
【0097】
[0157] 弁を完全に捕捉及び回収/抜去するために、アクチュエータ1026を引続き作動させて(例えば、回転させて/回して)、外部拡大器1042に対するばね1091の荷重により、外部拡大器1042が内部拡大器1046及びそれに連結された弁と共に近位側へ移動し始める。言い換えれば、内部拡大器1046は、外部拡大器1042を外部シース1044に対して近位側へ引張る。外部シース1044は、ハンドルアセンブリ1020に対して固定されたままである。外部拡大器1042が近位側へ移動すると、細長いロッド1093がテープばね1092と係合して、スロット1094内を摺動する。細長いロッド1093を介して外部拡大器1042に連結されたばね1092は、外部拡大器1042を近位側へ移動させるのに用いられる荷重を制御し得る。ある実施形態において、ばね1092は、例えば8〜10ポンド(約3.7〜4.5kg)の定荷重を提供し得る。ある実施形態において、ばね1092は、不定荷重を提供し得る。例えば外部拡大器1042の作動開始時に、より大きなばね荷重を提供することが望ましい場合がある。外部拡大器1042が近位側へ移動すると、弁が外部シース1044のルーメン内へ完全に引込まれ、縮小構成になる。その後、弁と共に患者の身体から再捕捉デバイス1010を抜去することにより、弁が心臓から抜去/回収され得る。
【0098】
[0158] 図47図49は、留置された/植込まれた人工心臓弁(例えば、人工僧帽弁)を再捕捉して人工心臓弁を再配置及び/又は回収/抜去するのに用いられ得る再捕捉デバイスの別の実施形態を示している。再捕捉デバイス1110は、ハンドルアセンブリ1120に連結された外部シース1144と、ハンドルアセンブリ1120に動作的に連結され、外部シース1144のルーメン内に可動的に配置された外部拡大器1142と、外部拡大器1142のルーメン内に可動的に配置され、ハンドルアセンブリ1120に動作的に連結された内部拡大器1146と、を含む。これまでの実施形態と同様に、再捕捉デバイス1110は、以下により詳細に記載されるとおり、アクチュエータアセンブリの中へ組み込まれたテザー留置メカニズムを含む。内部拡大器1146は、ルーメンを規定し、そこで人工弁(図示されない)から延在するテザーを受け入れ得、再捕捉手順の際には人工弁の一部を受け入れ得る。内部拡大器1146はまた、以下により詳細に記載されるとおり、心臓内に植込まれた人工弁と係合するように構成された遠位チップを含む。
【0099】
[0159] 図48に示すとおり、ハンドルアセンブリ1120は、ハウジング1122と、ハウジング1122に連結され、駆動シャフトメカニズム1106に動作的に連結されたアクチュエータノブ1126と、を含む。駆動シャフトメカニズム1106は、内部拡大器1146に動作的に連結され、以下により詳細に記載されるとおり、再捕捉手順の際にテザー(人工弁から延在する)を巻き取る巻取りハウジング1177を含む。第1ばね1191は、細長いチューブ1179及び内部拡大器1146に連結される。第1ばね1191は、例えばコイルばねであり得る。この実施形態において、外部拡大器1142は、細長いロッド1179に連結され、当該ロッド1179もまた、例えばコイルばねであり得る、第2ばね1192に連結される。ばね1191は、第2ばね1192よりも柔らかいばね定数を有する。解放レバー1195が、駆動シャフトメカニズム1106に連結され、再捕捉手順の際に駆動メカニズム1106が逆方向に移動するのを予防し得る。しかし所望なら、解放レバー1195を作動させて、必要に応じて駆動メカニズムを後退させることができる。
【0100】
[0160] 再捕捉デバイス1110で人工心臓弁を捕捉するために、人工弁から延在するテザーを、内部拡大器1146の先端から挿入して、内部拡大器1146のルーメン、細長いチューブ1179、巻取りハウジング1177、及びハイポチューブ1118を通過し、再捕捉デバイス1110の基端の外へ出される。Touhy弁1117は、ハイポチューブ1118に連結されており、それにテザーを締め付けるように構成され、以下に記載されるとおりテザーが再捕捉手順の際に巻き取られると、抵抗を提供する。弁1117はまた、密閉を提供して、当該システムの生理食塩水洗浄を可能にする。
【0101】
[0161] テザーを再捕捉デバイス1110からねじ込み、内部拡大器1146の遠位チップを、テザーに沿って遠位側へ移動させて、人工弁の近位部分に係合させ得る。その後、アクチュエータ1126を作動させて(例えば、ノブを回転させて、又は回して)、内部拡大器1146を外部拡大器1142に対して近位側へ移動させ得る。内部拡大器1146が近位側へ移動すると、テザーは巻取りハウジング1177内に巻き取られ、次に弁が近位側へ引張られる。例えばテザーは、両方の方向から巻取りハウジング1177内に巻き取られ得る。一方はテザーからハイポチューブ1118の中へ延びる方向であり、他方は、テザーが細長いチューブ1179からハウジング1177に入る方向である。ばね1191が完全に縮小して、外部拡大器1142につかえて、ばね1191への荷重が増加するまで、内部拡大器1146を引続き作動させて、外部拡大器1142に対して近位側へ移動させ、外部拡大器1142のルーメン内で部分的に人工弁を引張り得る。この時点で、弁が一部捕捉されており、所望なら、心臓内で再配置され得る。
【0102】
[0162] 弁を完全に捕捉及び回収/抜去するために、アクチュエータ1126を引続き作動させて(例えば、回転させて/回して)、外部拡大器1142を、内部拡大器1146及びそれに連結された弁と共に近位側へ移動させ始める。言い換えれば、内部拡大器1146は、外部拡大器1142を外部シース1144に対して近位側へ引張る。外部シース1144は、ハンドルアセンブリ1120に対して固定されたままである。外部拡大器1142が、近位側へ移動すると、外部拡大器1142が、第2ばね1192に対して荷重を加える。第2ばね1192は、外部拡大器1142を近位側へ移動させるのに用いられる荷重の制御を支援し得る。ある実施形態において、ばね1192は、例えば8〜10ポンド(約3.7〜4.5kg)の定荷重を提供し得る。ある実施形態において、ばね1191及び1192はそれぞれ、不定荷重を提供し得る。外部拡大器1142が、近位側へ移動すると、弁が外部シース1144のルーメン内へ完全に引込まれ、縮小構成になる。その後、弁と共に患者の身体から再捕捉デバイス1110を抜去することにより、弁が心臓から抜去/回収され得る。
【0103】
[0163] 図50図52は、留置された/植込まれた人工心臓弁(例えば、人工僧帽弁)を再捕捉して人工心臓弁を再配置及び/又は回収/抜去するのに用いられ得る再捕捉デバイスの別の実施形態を示している。再捕捉デバイス1210は、ハンドルアセンブリ1220に連結された外部シース1244と、ハンドルアセンブリ1220に動作的に連結され、外部シース1244のルーメン内に可動的に配置された外部拡大器1242と、外部拡大器1242のルーメン内に可動的に配置され、ハンドルアセンブリ1220に動作的に連結された内部拡大器1246と、を含む。内部拡大器1246は、ルーメンを規定し、そこで人工弁(図示されない)から延在するテザー(図示されない)を受け入れ得、再捕捉手順の際に、人工弁の一部を受け入れ得る。内部拡大器1246はまた、以下により詳細に記載されるとおり、心臓内に植込まれた人工弁に係合するように構成された遠位チップを含む。この実施形態において、再捕捉デバイス1210は、テザーを穿刺してテザーを再捕捉デバイス1210に固着させ得るピン留め部材を含むテザー留置メカニズム1227を含む。
【0104】
[0164] 図52に示すとおり、ハンドルアセンブリ1220は、ハウジング1222と、内部拡大器1246に動作的に連結された第1アクチュエータノブ1226と、外部拡大器1242に動作的に連結された第2アクチュエータノブ1228と、を含む。細長いチューブ1279は、内部拡大器1246に連結され、ハウジング1222内を延設され、テザー留置メカニズム1227に連結される。
【0105】
[0165] 再捕捉デバイス1210で人工心臓弁を捕捉するために、人工弁から延在するテザーを、内部拡大器1246の先端から挿入して、内部拡大器1246のルーメン、細長いチューブ1279に通し、ハンドルアセンブル1220の先端にある留置メカニズム1227によってピン留めされる。テザーを再捕捉デバイス1210にねじ込んで、内部拡大器1246の遠位チップを、テザーに沿って遠位側へ移動させて、人工弁の近位部分に係合させ得る。その後、第1アクチュエータ1226を作動させて(例えば、ノブを回転させて、又は回して)、内部拡大器1246を外部拡大器1242に対して近位側へ移動させ得る。内部拡大器1246が近位側へ移動すると、留置メカニズム1227及びそれに連結されたテザーが、内部拡大器1246と共に引張られて、弁もまた、近位側へ引張られる。弁が近位側へ引張られると、弁の一部が外部拡大器1242のルーメン内へ引張られ、ルーメン内で縮小構成になる。この時点で、弁が一部捕捉されており、所望なら、心臓内で再配置され得る。
【0106】
[0166] 弁を完全に捕捉及び回収/抜去するために、第2アクチュエータ1228を作動させて(例えば、回転させて/回して)、外部拡大器1242を、内部拡大器1246及びそれに連結された弁と共に近位側へ移動させ始める。外部シース1244は、ハンドルアセンブリ1220に対して固定されたままである。弁が外部シース1244内に完全に配置され、縮小構成になるまで、外部拡大器1242は近位側へ移動し得る。その後、再捕捉デバイス1210を患者の体内に配置された弁と共に患者の身体から抜去することにより、弁が心臓から抜去/回収され得る。
【0107】
[0167] 図53図56は、留置された/植込まれた人工心臓弁(例えば、人工僧帽弁)を再捕捉して人工心臓弁を再配置及び/又は回収/抜去するのに用いられ得る再捕捉デバイスの別の実施形態を示している。再捕捉デバイス1310は、ハンドルアセンブリ1320に連結された外部シース1344と、ハンドルアセンブリ1320に動作的に連結され、外部シース1344のルーメン内に可動的に配置された外部拡大器1342と、外部拡大器1342のルーメン内に可動的に配置され、ハンドルアセンブリ1320に動作的に連結された内部拡大器1346と、を含む。内部拡大器1346は、ルーメンを規定し、そこで人工弁(図示されない)から延在するテザー(図示されない)を受け入れ得、再捕捉手順の際に、人工弁の一部を受け入れ得る。内部拡大器1346はまた、以下により詳細に記載されるとおり、心臓内に植込まれた人工弁に係合するように構成された遠位チップを含む。この実施形態において、再捕捉デバイス1310は、テザーを穿刺してテザーを再捕捉デバイス1310に固着させ得るピン留め部材を含むテザー留置メカニズム1327を含む。
【0108】
[0168] 図55及び図56に示すとおり、ハンドルアセンブリ1320は、ハウジング1322と、細長いねじ込み部材1308と、アクチュエータノブ1326と、を含む。アクチュエータノブ1326は、内部拡大器1346及び外部拡大器1342に動作的に連結されている。細長いチューブ1379は、アクチュエータノブ1326と、内部拡大器1346及び外部拡大器1342にも連結され、ハウジング1322内で延設されている。アクチュエータノブ1326は、アクチュエータノブ1326を回転させてアクチュエータノブをねじ込み部材1308に沿って進ませることによって作動され得る。アクチュエータノブが作動すると(例えば、回転すると/回されると)、テザー留置メカニズム1327がねじ込み部材1308に対してアクチュエータノブ1326と共に移動するように、テザー留置メカニズム1327が、アクチュエータノブ1326に動作的に連結されている。図53に示されたとおり、テザー留置メカニズム1327のピン留め部材は、細長いねじ込み部材1308のスロットの外に延在し、テザー留置メカニズム1327は、アクチュエータノブ1326が作動すると、スロット1307に沿って移動し得る。ある実施形態において、アクチュエータノブ1326及び/又はねじ込み部材1308は、アクチュエータノブ1326をねじ込み部材1308に沿って1つの方向に進めるだけである一方向メカニズムを含む。これは、アクチュエータノブ1326が再捕捉手順の際に不注意に遠位側に戻るのを予防し得る。解放レバー1319は、外部拡大器1342に連結され、以下により詳細に記載されるとおり、外部シース1344に対して固定された位置で外部拡大器1342を着脱自在に固着するように構成されている。
【0109】
[0169] 人工心臓弁を再捕捉デバイス1310で捕捉するために、人工弁から延在するテザーを、内部拡大器1346の先端から挿入して、内部拡大器1346のルーメンと細長いチューブ1379に通し、留置メカニズム1327によりピン留めされ得る。テザーを再捕捉デバイス1310にねじ込んで、内部拡大器1346の先端をテザーに沿って遠位側に移動させて、人工弁の基端と係合させ得る。外部拡大器1342が外部シース1344に対して移動し得ないように解放レバー1319が係合されて(例えば、押込みで)、アクチュエータノブ1326を作動させて(例えば、ノブを回転され、又は回され)内部拡大器1346を外部拡大器1342に対して、そして外部シース1344に対して近位側へ移動させ得る。内部拡大器1346が、近位側へ移動すると、留置メカニズム1327及びそれに連結されたテザーが、内部拡大器1346と共に近位側に移動し、弁もまた、近位側に移動し、それにより弁の一部が外部拡大器1342のルーメン内に引込まれ、外部拡大器1342のルーメン内で縮小構成になる。この時点で、弁は、一部捕捉されており、所望なら心臓内さ再配置され得る。
【0110】
[0170] 弁を完全に捕捉及び回収/抜去するために、解放レバー1319を引張る、又は動かして、外部拡大器1342を外部シース1344から解放し得る。アクチュエータノブ1326を作動させて、細長いねじ込み部材1308に沿ってさらに近位側に進み得、外部拡大器1342を内部拡大器1346及びそれに連結された弁と共に近位側に移動させる。外部シース1344は、ハンドルアセンブリ1320に対して固定されたままである。弁が外部シース1344のルーメン内に全て配置されて、縮小構成になるまで、外部拡大器1342が近位側に移動され得る。その後、再捕捉デバイス1310を患者の体内に配置された弁と共に患者の身体から抜去することにより、弁が心臓から抜去/回収され得る。
【0111】
[0171] 再捕捉デバイス410に関して先に記載されたとおり、本明細書に記載された再捕捉デバイスのそれぞれ(即ち、410、1010、1110、1210、1310)は、心臓内に植込まれた人工弁の制御的捕捉により、人工弁を再配置及び/又は抜去/回収させる再捕捉デバイスの二段階作動を含む。弁のフレームの近位部分は最初、フレームの一部が外部拡大器(例えば、442、1042、1142、1242、1342)のルーメン内に配置されるのに十分、縮小され得、その後、外部シース(例えば、444、1044、1144、1244、1344)のルーメン内に移動すると、より完全に縮小した構成に移行し得る。
【0112】
[0172] 様々な実施形態を先に記載したが、それらが例示として表されたに過ぎず、限定ではないことが理解されなければならない。上記の方法が特定の順序で起こる特定の事象を示す場合には、特定の事象の順序を改変し得る。加えて、特定の当該事象は、可能ならば並行して同時に実施され得、そして上記のとおり連続して実施され得る。
【0113】
[0173] 先に記載された図式及び/又は実施形態が、特定の方向又は位置に配列された特定の部品を示す場合には、部品の配列は、改変され得る。実施形態が、特別に図示及び記載されたが、形態及び詳細の様々な変更が可能であることは理解されよう。本明細書に記載された装置及び/又は方法の任意の部分は、相互に排他的な組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に記載された実施形態は、記載された異なる実施形態の機能、構成要素、及び/又は特色の様々な組み合わせ及び/又は部分的組み合わせを含み得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
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図25
図26
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図32
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図44
図45
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図52
図53
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図55
図56