【文献】
Molecular and Cellular Biology,2013年,Vol.33, No.4,p.800-814
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記がん疾患は、乳癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、結腸癌、肛門癌、星状細胞腫、白血病、リンパ腫、頭頸部癌、肝臓癌、精巣癌、子宮頸部癌、肉腫、血管腫、食道癌、眼癌、喉頭癌、頚溝癌、中皮腫、骨髄腫、口腔癌、直腸癌、咽喉癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、大腸癌、膵臓癌、腎臓癌、皮膚癌、基底細胞癌、黒色腫、扁平細胞癌腫、口腔扁平上皮癌腫、大腸直腸癌、膠芽腫、子宮内膜癌及び悪性脳膠腫からなる群から選ばれたいずれか一つのがん疾患であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
前記組成物は、配列番号2乃至配列番号6、及び配列番号18乃至配列番号21からなる群から選ばれるいずれか一つのアミノ酸配列を含むインターフェロンベータ変異体と同時に又は順次的に投与されることを特徴とする請求項6記載の組成物。
インターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療用製剤を製造するための、(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び(b)配列番号1で表示される、ヒトの天然型インターフェロンベータのアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がスレオニンもしくはセリンで置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体の使用であって、
前記ヒトのインターフェロンベータ変異体は、配列番号2乃至配列番号6からなる群から選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列を含み、
前記siRNAは、配列番号9乃至配列番号13からなる群から選ばれたいずれか一つの塩基配列を含むことを特徴とする前記使用。
【発明の概要】
【0007】
[発明の詳細説明]
[技術的課題]
ここで、本発明者らはがん細胞からcFLIPの発現水準を抑制することにより、がん細胞を感作させて、インターフェロンベータの抗がん効果を向上できることを確認して、本発明を完成した。
【0008】
従って、本発明の目的は、
(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び
(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体
を有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療用薬学的組成物を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、
インターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療用製剤を製造するための(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体の使用を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、
(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、
cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAを有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用組成物を提供することである。
【0012】
本発明のさらに他の目的は、
インターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用製剤の製造のためのcFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAの使用を提供することである。
【0013】
本発明のさらに他の目的は、
cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作方法を提供することである。
【0014】
[技術的解決方法]
前記のような目的を達成するために、本発明は、
(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び
(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体を有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療用薬学的組成物を提供することである。
【0015】
また、(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び
(b)配列番号1に表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体からなるインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療用薬学的組成物を提供する。
【0016】
また、本質的に、(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び
(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体からなるインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療用薬学的組成物を提供する。
【0017】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、
インターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療用製剤を製造するための(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体の使用を提供する。
【0018】
本発明の他の目的を達成するために、本発明は、
(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び
(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターペロンベータ変異体を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療方法を提供する。
【0019】
また、(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与すること特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療方法を提供する。
【0020】
また、本質的に、(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列(GNITV)からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列含をむか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニン又はセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体からなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療方法を提供する。
【0021】
本発明のさらに、他の目的を達成するために、本発明は、
cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAを有効成分として含むインターフェロンベータの抵抗性がん細胞の感作用組成物を提供する。
【0022】
また、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAからなるインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用組成物を提供する。
【0023】
また、本質的に、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAからなるインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用組成物を提供する。
【0024】
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、
インターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用製剤の製造のためのcFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAの使用を提供する。
【0025】
本発明のさらに他の目的を達成するために本発明は、
cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作方法を提供する。
【0026】
また、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作方法を提供する。
【0027】
また、本質的に、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAからなる組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作方法を提供する。
【0029】
本発明は、
(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び
(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体を有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん疾患治療用薬学的組成物を提供する。
【0030】
本発明者らは、インターフェロンベータ(interferon β、IFNβ又はIFN-β)に反応して細胞死が起こるがん細胞と、そうでないIFNβ抵抗性がん細胞にIFNβ変異体のカービィフェロン(carbiferon)を処理して細胞死、と細胞死受容体シグナル伝達に関連したタンパク質発現様相を比較した結果、IFNβ抵抗性がん細胞から、IFNβの処理によりcFLIPの発現率が上昇することを発見した。さらにIFNβ抵抗性がん細胞からsiRNAを利用してcFLIPの発現を抑制すると、カービィフェロンに反応してIFNβ抵抗性がん細胞から細胞死に重要なカスパーゼ-8などが活性化されて、細胞生存率が大きく減少するなど、カービィフェロンのがん細胞死効果が発揮されることを確認した。これに、本発明者らはcFLIP siRNAを有効成分として含むIFNβ抵抗性がん細胞をIFNβに反応して細胞死が起こるようにする感作用組成物を提供する。共にIFNβ又はその変異体とcFLIP siRNAを併用投与してIFNβ抵抗性がん疾患に治療効果を有する薬学的組成物を提供する。
【0031】
本発明でポリヌクレオチド(polynucleotide)又は核酸は、単一又は二重鎖の形態からなるデオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid、DNA)又はリボ核酸を意味する。他の制限がない限り、天然に生成されるヌクレオチドと類似した方法で核酸に混成化される天然のヌクレオチドの公知のアナログも含まれる。一般的に、DNAはアデニン(adenine、A)、グアニン(guanine、G)、シトシン(cytosine、C)、チミン(thymine、T)など四種の塩基で構成されていて、RNAはチミンの代わりにウラシル(uracil、U)を有している。核酸の二重鎖でAはT又はU、CはG塩基と水素結合を為すが、このような塩基の関係を「相補的(complementary)」と称する。
【0032】
前記「mRNA(messenger RNA又は伝令RNA)」は、タンパク質の合成過程で特定の遺伝子の塩基配列の遺伝情報をリボソーム(ribosome)に伝達してポリペプチド合成(タンパク質翻訳、translation)の青写真の役割をするRNAである。遺伝子を鋳型(templetetemplate)にして、単一鎖のmRNAが転写(transcription)の過程を通じて合成される。
【0033】
また、タンパク質は、ポリペプチド(polypeptide)又はペプチド(peptide)と互換性を有して使用され、例えば、天然状態のタンパク質から一般的に発見されるようにアミノ酸残基の重合体を意味する。
【0034】
本明細書に使用されたアミノ酸の一文字(三文字)は、生化学分野での標準略語規定により、次のアミノ酸を意味する:A(Ala):アラニン;C(Cys):システイン;D(Asp):アスパラギン酸;E(Glu):グルタミン酸;F(Phe):フェニルアラニン;G(Gly):グリシン;H(His):ヒスチジン;I(IIe):イソロイシン;K(Lys):リジン;L(Leu):ロイシン;M(Met):メチオニン;N(Asn):アスパラギン;O(Ply):ピロリシン;P(Pro):プロリン;Q(Gln):グルタミン;R(Arg):アルギニン;S(Ser):セリン;T(Thr):スレオニン;U(Sec):セレノシステイン;V(Val):バリン;W(Trp):トリプトファン;Y(Tyr):チロシン。
【0035】
本明細書に表記される(アミノ酸一文字)(アミノ酸位置)(アミノ酸一文字)は、天然型タンパク質(wile-type protein、本発明では配列番号1で表示される人間の天然型インタフェロンベータタンパク質)の該当アミノ酸の位置から先行表記されたアミノ酸が、後行表記されたアミノ酸に置換されることを意味する。例えば、R27Tは正常型タンパク質の27番に該当するアルギニンがトレオニンに置換されることを意味する。
【0036】
本明細書で発現(expression)とは、細胞からタンパク質又は核酸が生成されることを意味する。
【0037】
前記「cFLIP(cellular FLICE-like inhibitory protein)」とは、CASH、FLIP、MRIT、CLARP、FLAME、Casper、FLAME1、FLAME-1、I-FLICE、CASP8AP1などの名称でも知られている遺伝子であり、公式名称は「CASP8 and FADD like apoptosis regulator(CFLAR)」である。cFLIPはカスパーゼ-8と構造的に類似しいるがタンパク質分解活性はなく、典型的な細胞死受容体による細胞死とパターン受容認識体による細胞死を調節する。
【0038】
本発明でのcFLIP遺伝子はヒトから由来したもので、染色体上2q33-34に位置する。ヒトのcFLIP遺伝子には多様な亜型(isoform)タンパク質を符号化する転写変異体(transcript variant)が存在し、亜型には代表的に、cFLIP
L、cFLIP
R、cFLIP
Sなど三つが存在する。本発明でのcFLIPは、好ましくは、cFLIP
LとcFLIP
Sを意味する。cFLIP
LはN-末端に2つのDEDドメイン(death effector domain)とC-末端にカスパーゼ類似ドメイン(caspase-like domain)がある約55kDaのタンパク質であり、cFLIP
Sはカスパーゼ類似ドメイン無しで二つのDEDドメインだけがある約27kDaのタンパク質である。
【0039】
本発明によるcFLIP遺伝子のmRNAはより具体的には、cFLIP
L又はcFLIP
Sを符号化するものであり、これに限定はされないが配列番号7又は配列番号8でなされた群から選ばれたいずれか一つの塩基配列を含むものでもある。
【0040】
前記「siRNA(small interfering RNA又はshort interfering RNA又はsilencing RNA)」は、細胞内に人為的に導入され、特定遺伝子のmRNAの分解を誘導してタンパク質翻訳(translation)が生じないようにして、遺伝子発現を抑制するRNA干渉(RNA interference)現象を起こす短い二重鎖のRNAであり、標的mRNAの特定部位に相補的な20乃至25個のヌクレオチドで構成されている。細胞内でsiRNAの二重鎖のうち、標的mRNAの相補的な鎖(antisense strand)がRISC(RNA-induced silencing complex)タンパク質複合体と結合して標的化mRNAに結合し、RISC複合体内のアルゴノート(argonaute)タンパク質が標的mRNAを切断して分解したり、タンパク質翻訳に重要なタンパク質とリボソームがmRNAと結合することを抑制したりするなどのメカニズムで、特定遺伝子の発現を抑制する。
【0041】
従って、本発明の薬学的組成物の有効成分であるcFLIP siRNAは、cFLIP遺伝子のmRNA上の特定の塩基配列と、互いに相補的に結合して結果的にcFLIP mRNAを分解させることにより、cFLIP遺伝子の発現水準を下げる20乃至25bpの短いRNAを意味するものある。前記cFLIP siRNAは具体的には、配列番号9乃至配列番号13からなる群から選ばれたいずれか一つ以上のものでもあって、最も好ましくは配列番号11又は配列番号12でなされたものである。本発明によるcFLIP siRNAのcFLIP mRNA上の標的部位は、
図5に示した通りである。本発明の薬学的組成物からcFLIP siRNAは、インターフェロンベータ抵抗性がん細胞から細胞死又は細胞死受容体関連シグナル伝達系を活性化して、抗がん剤、最も好ましくはインターフェロンベータ又はその変異体の抗がん作用に敏感に反応できる感作剤(sensitizer)で作用するようになる。
【0042】
本発明によるsiRNAは、オリゴヌクレオチドの生体内安定性向上、核酸分解酵素抵抗性付与及び非特異的免疫反応減少のための多様な変異(modification)を加えたものでもある。前記オリゴヌクレオチドの変異は、一つ以上のヌクレオチド内糖構造の2'炭素位置から、OH基が-CH
3、-OCH
3(methoxy)、-NH
2、-F、-O-2-メトキシエチル、-O-プロピル(propyl)、-O-2-メチルチオエチル(metylthioethyl)、-O-3-アミノプロピル、-O-3-ジメチルアミノプロピル、-O-N-メチルアセトアミド又はO-ジメチルアミドオキシエチルへの置換による変異;ヌクレオチド内糖(sugar)構造内の酸素が硫黄に置換された変異;又はヌクレオチド結合のホスホロチオエート(phosphorothioate)又はボラノホスフェート(boranophosphate)、メチルホスホネート(methyl phosphonate)結合への変異から選ばれた一つ以上の変異を組み合わせて使用することができ、PNA(peptide nucleic acid)、LNA(locked nucleic acid)又はUNA(unlocked nucleic acid)の形態への変異も使用可能である。
【0043】
本発明の薬学的組成物の他の有効成分は、抗がん活性を有するヒトのインターフェロンベータ変異体であって、配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がトレオニン(R27T)もしくはセリン(R27S)に置換された変異体である。前記ヒトのインターフェロンベータ変異体は、ヒトの天然型インターフェロンベータに一つ以上のN-連結型糖鎖が追加されるようにしたもので、
天然型インターフェロンベータポリペプチド(配列番号1)のC-末端にGNITV配列が付加されて、その位置のアスパラギンにN-連結型糖鎖化が起こるようにするか、又は
天然型インターフェロンベータポリペプチド(配列番号1)にR27T又はR27Sのアミノ酸置換を導入して、その部位のアミノ酸配列の25乃至28番目のアミノ酸配列がアスパラギン-グリシン-トレオニン/セリン-ロイシン(NG(T/S)L)に変更されることにより、その位置のアスパラギンにN-連結型糖鎖化が起こるようにしたものである。
【0044】
前記インターフェロン変異体は、天然型と比較して、抗ウイルス活性、細胞成長抑制活性、免疫調節機能、生体内半減期及び安定性などが向上されたもので、韓国登録特許10-0781666号とPCT出願PCT/KR2016/002129号に詳細に記載されている。
【0045】
具体的には、前記ヒトのインターフェロンベータ変異体のアミノ酸配列は、配列番号2乃至配列番号6からなる群から選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列を含むものでもある。
【0046】
また、本発明のインターフェロンベータ変異体は、配列番号2乃至配列番号6のうちのいずれか一つで表示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドの機能的同等物を含む。前記機能的同等物とは、前記配列番号で表示されるアミノ酸配列と、少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の配列相同性(つまり、同一性)を有するポリペプチドを意味する。例えば、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、100%の配列相同性を有するポリペプチドを含むもので、前記配列番号のアミノ酸配列を含むポリペプチドと実質的に同質の生理活性を示すポリペプチドを意味する。ここで実質的に同質の生理活性とは、配列番号2乃至配列番号6のうち、いずれか一つで表示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドと同じN-連結型糖鎖(N-linked glycosylation)を保有することにより、野生型(wild type、WT)ヒトのインターフェロンベータと比較して等しいか、又は、それ以上の活性を有することを意味する。
【0047】
ヒトのインターフェロンベータの活性としては、多発性硬化症に対する軽減、緩和又は治療活性、抗ウイルス活性、細胞成長抑制活性、抗成長活性、抗増殖活性、リンパ球細胞毒性増大活性、免疫調節活性、標的細胞の分化誘導又は抑制活性、サイトカイン生成の増加活性、細胞傷害性T細胞の効果増加活性、大食細胞の効果増加活性、ナチュラルキラー細胞(natural killing cell)の増加活性、癌予防又は治療活性、自己免疫障害予防又は治療活性、ウイルス感染予防又は治療活性、HIV関連疾病の予防又は治療活性、C型肝炎予防又は治療活性、リウマチ性関節炎予防又は治療活性など、極めて多様な例を挙げられる。本発明の目的のために、ヒトのインターフェロンベータの活性とは、特にがん細胞の増殖を抑制して細胞死を誘導する抗がん活性を意味する。
【0048】
インターフェロンベータは、多様なメカニズムにより、がん細胞の増殖を抑制して、細胞死を誘導し、抗がん活性を有する。インターフェロンベータは、腫瘍細胞の血管新生作用に対する阻害作用をすることにより、腫瘍細胞の成長を抑制したり、腫瘍が存在する部位の周辺環境から先天性又は後天性免疫反応を誘導したりすることにより、腫瘍細胞の死を誘導し、抗がん効果を示すことができる。さらにインターフェロンベータは、がん細胞に直接作用して、細胞外部刺激に反応する外在的細胞死受容体シグナル伝達系(extrinsic death receptor pathway)と内在的ミトコンドリアシグナル伝達系(intrinsincintrinsic mitochondrial pathway)など、主な細胞死関連シグナル伝達を調節する(Parker B et al.、Nat. Rev. Cancer.、16:131-144、2016)。
【0049】
前記機能的同等物は、配列番号2乃至配列番号6のうち、いずれか一つで表示されるアミノ酸配列中の一部が付加、置換又は欠失の結果、生成されるものでもある。前記においてアミノ酸の置換は、好ましくは保存的置換である。天然に存在するアミノ酸の保存的置換の例は次の通りである;脂肪族アミノ酸(Gly、Ala、pro)、疎水性アミノ酸(Ile、Leu、Val)、芳香族アミノ酸(Phe、Tyr、Trp)、酸性アミノ酸(Asp、Glu)、塩基性アミノ酸(His、Lys、Arg、Gln、Asn)及び硫黄含有アミノ酸(Cys、Met)。また、前記機能的同等物には、本発明のインターフェロンベータ変異体ポリペプチドのアミノ酸配列上でアミノ酸の一部が欠失した変異体も含まれる。前記アミノ酸の欠失又は置換は、好ましくは本発明のポリペプチドの生理活性に直接関連していない領域に位置している。また、アミノ酸の欠失は、好ましくは前記配列番号で表示されるアミノ酸配列のポリペプチドの生理活性に直接関与していない部分に位置する。また、前記ポリペプチドのアミノ酸配列の両末端又は配列内にいくつかのアミノ酸が付加された変異体も含まれる。また、本発明の機能的同等物の範囲には、本発明によるポリペプチドの基本骨格及びその生理活性を維持しながら、ポリペプチドの一部化学構造が変異されたポリペプチド誘導体も含まれる。例えば、本発明のポリペプチドの安定性、貯蔵性、揮発性又は溶解度などを変更させるための構造変更がこれに含まれる。
【0050】
また、本発明によるヒトのインターフェロンベータ変異体は、抗体又は抗体の断片と結合された融合タンパク質でもある。インターフェロンベータは、多様な組織と細胞から発現されるので、インターフェロンベータの抗増殖活性と細胞死活性ががん細胞に集中されるように、がん細胞特異的に発現するタンパク質又は高分子物質、すなわち、腫瘍性抗原を特異的に認識する抗体と結合したインターフェロンベータ変異体は、癌の標的治療剤として、副作用は減少させ、より優れた治療効果を期待することができる。具体的には、配列番号18乃至配列番号21からなる群から選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列を含むものでもある。
【0051】
前記腫瘍性抗原は、免疫反応、特にT細胞に媒介された免疫反応をもたらす腫瘍細胞により生産されるタンパク質である。腫瘍抗原は、当該技術分野によく知られていて、例えば、糖鎖関連抗原、癌胚芽抗原(CEA)、ヒト絨毛性ゴナドトロピンβサブユニット、α-フェトプロテイン(AFP)、レクチン反応性AFP、サイログロブリン、RAGE-1、MN-CA IX、ヒトテロメラーゼ逆転写酵素、RU1、RU2(AS)、腸カルボキシルエステラーゼ、mut hsp70-2、M-CSF、プロスターゼ、前立腺特異的抗原(PSA)、PAP、NY-ESO-1、LAGE-1a、p53、プロステイン、PSMA、Her2/neu、スルビビン(survivin)及びテロメラーゼ、前立腺癌腫瘍抗原-1(PCTA-1)、MAGE、ELF2M、好中球エラスターゼ、エフリンB2、CD22、インスリン成長因子(IGF)-I、IGF-II、IGF-I受容体及びメソテリンを含む。
【0052】
本発明で指称された腫瘍性抗原の類型は、また、腫瘍特異的抗原(TSA)又は腫瘍関連抗原(TAA)でもある。TSAは、腫瘍細胞について固有であり、身体の他の細胞上で発生しない。TAAに関連した抗原は、腫瘍細胞について固有ではなく、代わりに、抗原に対する免疫原性耐性状態を誘導できない条件下で、正常細胞上でも発現される。腫瘍に対する抗原の発現は、免疫システムが抗原に対して反応するようにする条件下で発生することができる。TAAは、免疫システムが非成熟で反応することができない胎児発達の間、正常細胞上で発現される抗原であるか、又は正常細胞上で極めて低い水準で通常的に存在するが、腫瘍細胞上で、はるかに高い水準に発現される抗原でもある。
【0053】
TSA又はTAA抗原の包括的な例示は次の通りである:MART-1/MelanA(MART-I)、gp100(Pmel 17)、チロシナーゼ、TRP-1、TRP-2のような分化抗原及びMAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-2、p15のような腫瘍特異的多重系統抗原;CEAのような過発現された胚芽抗原;過発現された腫瘍遺伝子及びp53、Ras、HER-2/neuのような突然変異された腫瘍抑制遺伝子;染色体転位からもたらされた固有腫瘍抗原;例えばBCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、MYL-RAR;及びウイルス抗原、例えばエプスタインバーウイルス抗原EBVA及びヒトのパピローマウイルス(HPV)抗原E6及びE7。他の大きいタンパク質基盤抗原には、TSP-180、MAGE-4、MAGE-5、MAGE-6、RAGE、NY-ESO、p185erbB2、p180erbB-3、c-met、nm-23H1、PSA、TAG-72、CA19-9、CA72-4、CAM17.1、NuMa、K-ras、βカテニン、CDK4、Mum-1、p15、p16、43-9F、5T4、791Tgp72、α-フェトプロテイン、β-HCG、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3/CA27.29/BCAA、CA195、CA242、CA-50、CAM43、CD68/P1、CO-029、FGF-5、G250、Ga733/EpCAM、HTgp-175、M344、MA-50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO-1、RCAS1、SDCCAG16、TA-90/Mac-2結合性タンパク質/シクロフィリンC関連タンパク質、TAAL6、TAG72、TLP、及びTPS。
【0054】
前記腫瘍性抗原を特異的に認識する抗体には、例えば、HuM195(例えば、Kossman et al.、Clin. Cancer Res.、5:2748-2755、1999)、CMA-676(例えば、Sievers et al.、Blood、93:3678-3684、1999)、AT13/5(例えば、Ellis et al.、J. Immunol. 155:925-937、1995)、HB7、トラスツズマブ(例えば、HERCEPTIN;Fornier et al.、Oncology(Huntingt)、13:647-58、1999)、TAB-250(Rosenblum et al.、Clin. Cancer Res.、5:865-874、1999)、BACH-250、TA1(Maier et al.、Cancer Res.、51:5361-5369、1991)、及び米国特許第5772997号;第5770195号に記述されたmAb(mAb 4D5;ATCC CRL10463);及び米国特許第5677171号に記述されたmAb、Mc5(例えば、Peterson et al.、Cancer Res.、57:1103-1108、1997;Ozzello et al.、 Breast Cancer Res. Treat.、25:265-276、1993)、hCTMO1(例えば、Van YM et al.、Cancer Res.、56:5179-5185、1996)、CC49(例えば、Pavlinkova et al.、 Clin. Cancer Res.、5:2613-2619、1999)、B72.3(例えば、Divgi et al.、Nucl. Med. Biol.、21:9-15、1994)、マウスモノクローナル抗-HM1.24 IgG2a/κ、ヒト化抗-HM1.24 IgG1/κ抗体(例えば、Ono et al.、Mol. Immuno.、36:387-395、1999)、リツキシマブ(rituximab)、イブリツモマブ・チウキセタン(ibritumomabtiuxetan)及びトシツモマブ(tositumomab)、AME-133v(Applied Molecular Evolution)、オクレリズマブ(Ocrelizumab;Roche)、オファツムマブ(Ofatumumab;Genmab)、TRU-015(Trubion)及びIMMU-106(Immunomedics)などが含まれるがこれに制限されない。
【0055】
本発明の抗体は、ヒト抗体、キメラ抗体及び/又はヒト化抗体でもあるが、これに制限されない。前記キメラ抗体は、ネズミ免疫グロブリンの可変領域とヒト免疫グロブリンの保存領域で構成されている抗体を意味する。これらの変異は、単にヒト抗体の保存領域をネズミ抗体の保存領域に置換させるもので構成され、これにより、薬学的用途について許可可能な十分に低い免疫原性を有することができるヒト/ネズミキメラを生成する。
【0056】
前記ヒト化抗体とは、非ヒト相補性決定領域(CDR)を有する抗体の配列を変異させることにより、ヒトの抗体生殖細胞(germline)から由来したアミノ酸配列で(部分的にまた全体的に)構成された抗体を意味する。抗体の可変領域及びCDRのヒト化は、当業界でよく知られている技法によって行われる。これらの抗体は、Fc依存的エフェクター機能のために必要ではあるが、抗体に対する免疫反応をはるかに少なく誘発させるようなヒトの保存領域を保有する。一例として、可変領域のフレームワーク領域は、非ヒトCDRを実質的に完全に残すか、又はCDRをヒトのゲノムから由来した配列に替えた相応するヒトのフレームワーク領域によって置換することさえする(例えば、特許出願US2006/25885参照)。全体(fully)のヒト抗体は、ヒトの免疫システムに相応するように、免疫システムが変異された遺伝改質マウスから生産される。ヒト化抗体はさらに、ヒト抗体のフレームワーク、非ヒト抗体の一つ以上のCDRを含めて、存在する任意の保存領域がヒトの免疫グロブリンの保存領域と実質的に同じ、つまり約85%又は90%以上が同じ、好ましくは95%以上が同一な抗体を示す。したがって、ヒトの抗体(おそらくCDRは除いて)のすべての部分は、一つ以上の天然のヒトの免疫グロブリン配列の相応する部分と実質的に同一である。
【0057】
本発明での抗体断片は、抗体対応物(counterpart)と同じ抗原と反応できる抗体断片を示す。これらの断片は、通常の技術者により簡単に同定することができ、ここでは一例としてFab断片(例えば、パパイン消化による断片)、Fab'断片(例えば、ペプシン消化及び部分的還元による断片)、F(ab')2断片(例えば、ペプシン消化による断片)、Facb(例えば、プラスミン消化による断片)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元及び再凝集による断片)及びscFv断片(短鎖Fv;例えば、分子生物学技法による断片)が含まれる。前記断片は当業界で知られているか、及び/又は本願に開示されている通り、酵素分割、合成又は組換え技法により生産することができる。
【0058】
本明細書で「治療」とは、疾患の発生又は再発抑制、症状の緩和、疾患の直接又は間接的な病理学的結果の減少、疾患の進行速度の減少、疾病状態の改善、好転、緩和又は改善された予後を意味する。本発明の治療対象疾患は、インターフェロンベータ抵抗性がん疾患である。
【0059】
前記インターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療用薬学的組成物は、インターフェロンの抗がん作用に反応しないがん疾患であれば、その種類に制限はされないが、具体的には、乳癌、胃癌、卵巣癌、肺癌、結腸癌、肛門癌、星状細胞腫、白血病、リンパ腫、頭頸部癌、肝臓癌、精巣癌、子宮頚部癌、肉腫、血管腫、食道癌、眼癌、喉頭癌、経口癌、中皮腫、骨髄腫、口腔癌、直腸癌、咽喉癌、膀胱癌、子宮癌、前立腺癌、大腸癌、膵臓癌、腎臓癌、皮膚癌、基底細胞癌、黒色腫、扁平上皮癌腫、口腔扁平上皮癌腫、大腸直腸癌、膠芽症、子宮内膜癌及び悪性脳膠腫からなる群から選ばれたいずれか一つのがん疾患でもある。
【0060】
本発明による薬学的組成物は、抗がん又はがん細胞感作のために、薬学的に許容される担体と一緒に、当業界に公知された方法で、投与経路により多様に製剤化することができる。前記担体には、全ての種類の溶媒、分散媒質、水中油又は油中水エマルジョン、水性組成物、リポソーム、マイクロビーズ及びマイクロソームが含まれる。
【0061】
前記本発明による薬学的組成物は、薬学的に有効な量、すなわち、インターフェロンベータ抵抗性がんを感作させ、ヒトのインターフェロンベータ又はその変異体と併用投与されたとき、抗がん効果を示すことに十分な量で患者に投与することである。例えば、一般的な1日の投与量には、約0.01乃至1000mg/kgの範囲で投与することができ、好ましくは、約1乃至100mg/kgの範囲で投与することができる。本発明の薬学的組成物は、望ましい投与量の範囲内で、1回又は数回に分割投与することができる。また本発明による薬学的組成物の投与量は、投与経路、投与対象、年齢、性別、体重、個人差及び疾病の状態により、通常の技術者が適切に選択することができる。
【0062】
投与経路は、経口的又は非経口的に投与することができる。非経口的な投与方法は、これに限定はされないが、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、境膜内、心臓内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸管、局所、舌下又は直腸内投与でもある。
【0063】
本発明の薬学的組成物を経口投与する場合、適切な経口投与用担体と一緒に当業界に公知された方法により粉末、顆粒、錠剤、丸剤、糖衣錠剤、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、懸濁液、ウェハなどの形態で製剤化することができる。適切な担体の例としては、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール及びマルチトールなどを含む糖類と、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉、米澱粉及びジャガイモ澱粉などを含む澱粉類、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースなどを含むセルロース類、ゼラチン、ポリビニルピロリドンなどのような充填剤が含まれる。また、場合によっては、架橋結合ポリビニルピロリドン、寒天、アルギン酸又はナトリウムアルギネートなどを崩解剤に添加することができる。さらに、前記薬学的組成物は、抗凝集剤、潤滑剤、湿潤剤、香料、乳化剤及び防腐剤などをさらに含むことができる。
【0064】
また、非経口的に投与する場合、本発明の薬学的組成物は、適切な非経口担体と一緒に注射剤、経皮投与剤及び鼻腔吸入剤の形態で当業界に公知された方法により製剤化することができる。前記注射剤の場合には、必ず滅菌する必要があり、バクテリア及び真菌のような微生物の汚染から保護されるべきである。注射剤の場合、適切な担体の例には、これに限定はされないが、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール等)、これらの混合物及び/又は植物油を含む溶媒又は分散媒質でもある。より好ましくは、適切な担体にはハンクス溶液、リンゲル液、トリエタノールアミンが含有されたPBS(phosphate buffered saline)又は注射用滅菌水、10%エタノール、40%プロピレングリコール及び5%デキストロースのような等張溶液などを使用することができる。前記注射剤を微生物汚染から保護するために、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどのような多様な抗菌剤及び抗真菌剤を追加して含むことができる。また、前記注射剤は殆どの場合、糖又は塩化ナトリウムのような等張化剤を追加して含むことができる。
【0065】
経皮投与剤の場合、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、外用液剤、パスタ剤、リニアメント剤、エアロゾル剤などの形態が含まれる。前記経皮投与は、薬学的組成物を局所的に皮膚に投与して薬学的組成物に含有された有効量の活性成分が皮膚内に伝達されることを意味する。例えば、本発明の薬学的組成物を注射型製剤で製造して、これを30ゲージの細い注射針で皮膚を軽く淡刺(prick)するか、皮膚に直接的に塗布する方法で投与することができる。これらの製剤は、製薬化学に一般的に公知された処方書文献(Remington's Pharmaceutical Science、15th Edition、1975、Mack Publishing Company、Easton、Pennsylvania)に記述されている。
【0066】
吸入投与剤の場合、本発明により使用される化合物は、適切な推進剤、例えばジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切な気体を使用して、加圧パック又は噴霧器からエアロゾルスプレーの形態で便利に送達することができる。加圧エアロゾルの場合、投薬単位は、計量された量を送達する弁を提供して決定することができる。例えば、吸入器又は吹込器に使用されるゼラチンカプセル及びカートリッジは、化合物及びラクトース又はデンプンのような適切な粉末基剤の粉末混合物を含有するように製剤化することができる。
【0067】
その他の薬学的に許容される担体には、次の文献に記載されていることを参考にすることができる(Remington's Pharmaceutical Sciences、第19th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1995)。
【0068】
本発明による薬学的組成物は、一つ以上の緩衝剤(例えば、食塩水又はPBS)、カーボハイドレート(例えば、グルコース、マンノース、スクロース又はデキストラン)、抗酸化剤、静菌剤、キレート剤(例えば、EDTA又はグルタチオン)、アジュバント(例えば、水酸化アルミニウム)、懸濁剤、濃厚剤及び/又は保存剤を追加して含むことができる。
【0069】
また、本発明の薬学的組成物は、哺乳動物に投与された後、活性成分の迅速、持続又は遅延された放出を提供できるように当業界に公知された方法を使用して製剤化することができる。
【0070】
また、本発明の薬学的組成物は単独で投与するか、抗がん又はインターフェロンベータ抵抗性がんの感作効果がある公知の化合物と併用して投与することができる。
【0071】
また、本発明は、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAを有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用組成物を提供する。
【0072】
前記インターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用組成物とは、インターフェロンベータの刺激に反応しないがん細胞の細胞死に対する敏感性(sensitivity)を増加させ、インターフェロンベータ又はその変異体の抗がん治療効果が現れるようにする組成物を意味する。本発明者らが発現したcFLIP遺伝子の発現を抑制するsiRNAが、インターフェロンベータ抵抗性がん細胞に対して感作作用をするメカニズムは、前述した通りである。
【0073】
前記cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAは、ヒトのcFLIP遺伝子の発現を効果的に抑制して、多様なcFLIPのイソ型タンパク質(isoform)が全て発現されないようにするためのものである。具体的には配列番号9乃至配列番号13からなる群から選ばれたいずれか一つの塩基配列を含むものでもある。
【0074】
また、本発明による感作用組成物は、抗がん剤と同時に投与されることもあり、順次投与されることもある。つまり、本発明による感作用組成物は、抗がん剤との時間差をおいて別に、抗がん剤よりも先に、又は後に投与することもある。投与方法と投与経路については、本発明の薬学的組成物で説明した通りである。
【0075】
本発明の目的上、前記抗がん剤とは、ヒトのインターフェロンベータ又はその変異体を意味するもので、最も好ましくは配列番号2乃至配列番号6からなる群から選ばれるいずれか一つのアミノ酸配列を含むインターフェロンベータ変異体である。また、前記ヒトのインターフェロンベータ変異体は、がん患者に注入されたとき、体内でがん細胞組織に選択的に集中できるようにがん細胞特異的マーカーに結合する抗体又はその断片と融合した形態のタンパク質でもある。抗体又はその断片と結合した融合タンパク質形態のインターフェロンベータ変異体は、具体的には、配列番号18乃至配列番号21からなる群から選ばれたいずれか一つのアミノ酸配列を含むものでもある。
【0076】
本発明による感作用組成物は、インターフェロン抵抗性がん細胞の感作効果に最適化された製剤で製造され、ヒトのインターフェロンベータ変異体と同じ剤形でもあって、場合によっては他の製剤で製造することもある。
【0077】
本発明の感作用組成物を適用できるがん疾患は、インターフェロンベータ抵抗性がん疾患であれば、その種類に限定されず、具体的ながん疾患の種類は本発明の薬学的組成物で説明した通りである。
【0078】
また、本発明は、インターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療用製剤を製造するための(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び(b)配列番号1で表示されるヒトの天然型インターフェロンベータのアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がスレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体の使用を提供する。
【0079】
また、本発明は、(a)cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNA;及び(b)配列番号1で表示される、ヒトの天然型インターフェロンベータのアミノ酸配列からC-末端にグリシン-アスパラギン-イソロイシン-スレオニン-バリン配列(GNITV)を含むか、又は、27番目のアルギニンアミノ酸がスレオニンもしくはセリンに置換されたヒトのインターフェロンベータ変異体を有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療方法を提供する。
【0080】
また、本発明は、インターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作用製剤の製造のためのcFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAの使用を提供する。
【0081】
また、本発明は、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAを有効成分として含む組成物の有効量を、これを必要とする個体に投与することを特徴とするインターフェロンベータ抵抗性がん細胞の感作方法を提供する。
【0082】
本発明の前記「有効量」とは、個体に投与したとき、インターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療効果を示す量を意味し、前記「個体」とは、動物、好ましくは哺乳動物、特にヒトを含む動物でもあって、動物から由来した細胞、組織、器官等などでもある。前記個体は前記の効果が必要な患者(patient)でもある。
【0083】
本発明の「製剤又は組成物」とは、食品組成物、化粧料組成物、薬学的組成物などの形態でもあって、本発明では、好ましくは薬学的組成物を意味するものでもあり、これは前述した通りである。
【0084】
本発明の用語「〜を含む(comprising)」とは、「含有する」又は「特徴とする」と同じく使用され、組成物又は方法において、言及されていない追加的な成分要素又は方法の段階などを排除しない。用語「〜からなる(consisting of)」とは、別に記載されていない追加的な要素、段階、又は成分などを除外することを意味する。用語「本質的に〜からなる(essentially consisting of)」とは、組成物又は方法の範囲において、記載された成分要素又は段階と共にこの基本的な特性に実質的に影響を与えない成分要素又は段階などを含むこと意味する。
【発明の効果】
【0085】
したがって、本発明は、cFLIP遺伝子のmRNAに相補的に結合するsiRNAとインターフェロンベータ変異体を有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん疾患の治療用薬学的組成物と、cFLIP siRNAを有効成分として含むインターフェロンベータ抵抗性がん細胞感作用組成物を提供する。本発明の組成物は、インターフェロンベータの抵抗性又は耐性を示してインターフェロンベータに反応しないがん細胞から、cFLIPの発現水準を下げることにより、がん細胞の細胞死を促進する効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0088】
ただし、下記実施例は、本発明を例示するのみのものであって、本発明の内容が下記実施例に限定されるものではない。
【0089】
<実施例1>
がん細胞のIFNβ抵抗によるカービィフェロンの異なる効果
IFNβに反応するがん細胞とIFNβに反応しない抵抗性がん細胞からカービィフェロン(R27T)の抗癌効果を比較した(
図1、
図2)。
【0090】
カービィフェロンの細胞毒性を確認するために、96ウェルプレートの各ウェルに、1×10
4個のOVCAR-3細胞又は5×10
3個のHeLa細胞を分株した後、24時間、37.5℃、5%CO
2の環境で培養した。24時間後、細胞培養液を除去して、カービィフェロンを10〜1000ng/mlの濃度で処理した後、24時間乃至72時間培養した。この後、培養液を除去してPBSで3回洗浄した後、WST試薬を1:10に希釈して、各ウェル当たり100μlずつ処理した後、2時間、37.5℃、5%CO
2の環境で放置した後、430nmの波長で吸光度を測定した。
【0092】
遺伝子発現の測定のために、OVCAR-3又はHeLa細胞にカービィフェロンを100ng/mlの濃度で処理した後、24時間乃至72時間培養した。その後、培養液を除去してPBS洗浄を3回行った後、細胞を回収して、Trizolを活用してRNAを抽出した後、これを元にcDNAを合成し、合成されたcDNAを鋳型(template)にしてTaqmanプローブ(Taqman probe)を活用したqPCRを行った。実験に使用されたプライマーの塩基配列は、表1に示した通りである。
【0093】
カービィフェロン処理による細胞死受容体シグナル伝達分子の発現様相を検証するために、OVCAR-3又はHeLa細胞株に100ng/mlのカービィフェロンを処理した後、前記のような方法で培養して細胞培養液をPBSで3回洗浄した後、プロテアーゼ阻害剤とホスファターゼ阻害剤が含まれたRIPAバッファー100μlで処理して、30分間氷上に置いて細胞を溶解させた。溶解された細胞を1.5mlチューブに入れて13000rpm、4℃の条件で遠心分離して上澄み液(溶解物)だけを回収した後、新たなチューブに集めた。BCA定量法を利用して、溶解物のタンパク質濃度を定量した後、30μgの溶解物を採取して5×サンプルバッファーと混合して、100℃で10分間沸騰させて、タンパク質が十分に変性されるように誘導した。用意されたサンプルを、マーカー(marker)と共に10%SDS-PAGEゲルにローディング(loading)して、70V(voltage)で30分、120V(voltage)で1時間かけて泳動した。その後、ゲルを慎重に分離して3Mペーパー上に置いて、その上にPVDF(polyvinylidene difluoride)膜を置いた後、再び3Mペーパーで覆い、1×トランスファーバッファーに浸して100V(voltage)で90分間、タンパク質トランスファーを行った。5%のBSAが含まれたトリス緩衝生理食塩水(Tris-buffered saline)-Tween 20(TBS-T、0.1% Tween 20)で膜を1時間30分ブロッキングした後、各抗体をTBS-Tに1:1000に希釈して準備した。膜を抗体希釈水に浸して常温で2時間振りながら反応させた。この過程が終わった後、10分間、3回ずつTBS-Tで拭いて、常温でホースラディッシュペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)が結合された二次抗体を添加して1時間反応させた。さらに、一度の洗浄過程を行った後、バンドをECL試薬(enhanced chemiluminescence reagent、Intron)で処理した後、フィルムに現像した。
図1のC、
図2のC、さらに
図3で、レーン1はコントロール、レーン2は24時間、レーン3は48時間、レーン4は72時間のカービィフェロン100ng/ml処理群である。
【0094】
IFNβに反応するがん細胞であるOVCAR-3細胞株にIFNβの変異体であるカービィフェロンを1、10、100、又は1000ng/mlの濃度で処理して24ないし72時間培養した後、細胞生存率を確認した結果、OVCAR-3細胞はカービィフェロン濃度依存的に、そして培養時間が長ければ長いほど、細胞生存率が大幅に減少することが観察された(
図1のA)。また、細胞死滅に重要な細胞死受容体シグナル伝達に関与するDR4、DR5、FASL、FAS、TNF-α、TRAILの発現水準をqPCR(
図1のB)とウエスタンブロット(
図1のC)で確認した結果、その水準が大幅に増加した。
【0095】
これとは対照的に、IFNβに反応しない抵抗性がん細胞のHeLa細胞株から同じ方法で培養してカービィフェロンの効果を確認した結果、最も高い濃度でも細胞生存率は大きく変わることはなかったが(
図2のA)、細胞死受容体シグナル伝達関連遺伝子は、HeLa細胞株でも発現が増加することが分かった(
図2のB、
図2のC)。
【0096】
一方、IFNβ反応性OVCAR-3とIFNβ無反応性HeLa細胞株から細胞死を抑制するタンパク質であるcFLIPの発現を確認した結果、カービィフェロン(100ng/ml)で刺激したHeLa細胞株でのみcFLIPタンパク質が増加することが分かった(
図3)。これはcFLIPタンパク質発現を抑制することが、IFNβ無反応性がん疾患を治療するための感作剤に利用することができる可能性を提示する。
【0097】
<実施例2>
cFLIP発現抑制がカービィフェロンの効果に及ぼす影響
がん細胞から、cFLIPタンパク質の発現抑制がカービィフェロンの抗癌効果に及ぼす影響をcFLIP siRNAを利用して確認した(
図4)。
【0098】
cFLIP阻害によるカービィフェロンの細胞毒性能を検証するために、HeLa細胞を24ウェルプレートに1×10
4個ずつ分株した後、24時間、37.5℃、5%CO
2の環境で培養した。24時間経過後、細胞培養液を除去し、10nMのcFLIP siRNA(Dharmacon、cat# LU-003772-00-0002)をDharmafectトランスフェクション試薬(Dharmafect transfection reagent)と混ぜて室温で15分間定温放置(incubation)した後、細胞に処理した。24時間処理した後、培養液を除去し、カービィフェロンを100ng/mlの濃度で処理した後、48時間追加培養した。この後、培養液を除去してPBSで3回洗浄した後、細胞生存率を測定し(
図4のA)、タンパク質発現を確認した(
図4のB)。
【0099】
細胞生存率を測定するために、WST試薬を1:10で培養液に混ぜて、各ウェルに処理して、2時間、37.5℃、5%CO
2の環境で反応させた後、430nmの波長で吸光度を測定した。
タンパク質発現を確認するウエスタンブロットのために、プロテアーゼ阻害剤とホスファターゼ阻害剤が含まれたRIPAバッファー100μlを処理して、30分間氷上に置いて細胞溶解させた。溶解された細胞を1.5mlチューブに入れて、13000rpm、4℃の条件で遠心分離して上澄み液(溶解物)のみを回収した後、新たなチューブに集めた。BCA定量法を利用して、溶解物のタンパク質濃度を定量した後、30μgの溶解物を採取して5×サンプルバッファーと混合して、100℃で10分間沸騰させて、タンパク質が十分に変性するように誘導した。用意したサンプルを、マーカー(marker)と一緒に10%SDS-PAGEゲルにローディングして、70V(voltage)で30分、120V(voltage)で1時間電気泳動した。その後、ゲルを慎重に分離して、3Mペーパーの上に置いて、その上にPVDF(polyvinylidene difluoride)膜を置いた後、再び3Mペーパーを覆い、1×トランスファーバッファーに浸して、100V(voltage)で90分間、タンパク質トランスファーを行った。5%のBSAが含まれたトリス緩衝生理食塩水(Tris-buffered saline)-Tween 20(TBS-T、0.1% Tween20)で膜を1時間30分間ブロッキングした後、各抗体をTBS-Tで1:1000に希釈して準備した。膜を抗体希釈水に浸して、室温で2時間、振りながら反応させた。この過程が終わった後、10分間、3回ずつ、TBS-Tで拭いて、常温でホースラディッシュペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase;HRP)が結合された二次抗体を添加して、1時間反応させた。再び一度洗浄過程を行った後、バンドをECL試薬(enhanced chemiluminescence reagent、Intron)で処理した後、フィルムに現像した。
図4のBで、レーン1はコントロール、レーン2はカービィフェロン単独処理、レーン3はsiRNA単独処理、レーン4はカービィフェロン、cFLIP siRNAの並行処理群である。
【0100】
IFNβの突然変異体であるカービィフェロンは、がん細胞から細胞死受容体シグナル伝達系を活性化させて、最終的にカスパーゼ-3による細胞死を起こす。cFLIPタンパク質発現を抑制するために、市販されている4種類のcFLIP siRNA(Dharmacon、cat# LU-003772-00-0002)を混合して、HeLa細胞に処理し、カービィフェロン存在下又は不存在下での細胞生存率を測定した(
図4のA)。cFLIP siRNAにより、cFLIPのlong formとshort formの全ての発現が、殆ど完全に抑制されたことをウエスタンブロットで確認した(
図4のB、cFLIP
L、cFLIP
S)。その結果、カービィフェロン(100ng/ml)又はcFLIP siRNA(10nM)だけを処理した場合には、対照群と比較して、細胞生存率の差が殆どなかったが、カービィフェロンとcFLIP siRNAを同時に処理した場合には、細胞生存率が約50%程度減少した。また、カービィフェロンとcFLIP siRNAを同時に処理した場合にのみ、ウエスタンブロットで細胞死に重要な活性化された切断カスパーゼ-8の存在が確認された。以上の結果は、IFNβ無反応細胞からcFLIP siRNAを利用してcFLIPの発現を抑制することにより、カービィフェロンによる細胞死を効果的に促進できることを示したものである。
【0101】
<実施例3>
IFNβ抵抗性がん細胞を感作するためのcFLIP siRNA選別
IFNβに反応しないがん細胞からIFNβ又はカービィフェロンの細胞死効果を感作するための最適なsiRNAをデザインして選別した。
【0102】
cFLIPのlong formとshort formは、細胞死滅に関連して同じ機能を遂行するので、二つの形態のcFLIPの発現を全て抑制できるsiRNAが最も好ましく、このために適切なcFLIPの標的配列の位置と配列を決定した(
図5)。まずsiDirect version 2.0 programを利用して、7種のsiRNAを選別し、さらに市販されている2種のsiRNAを含めた(Dharmacon)。
【0103】
デザインしたcFLIP siRNAのcFLIP阻害能を確認するために、HeLa細胞を分株した後、24時間、37.5℃、5%CO
2の環境で培養した。24時間後、細胞培養液を除去して、10nMのsiRNAをDharmafectトランスフェクション試薬と混ぜて、室温で15分間定温放置した後、細胞に処理した。48時間処理した後、培養液を除去して、先の実施例の場合と同じ方法でウエスタンブロットを実施した。
図6のAから、レーン1はMock、レーン2は陰性対照群siRNA(NC siRNA)、レーン3から11まではデザインしたcFLIP siRNAの処理群である。また、20nMのsiRNAで形質転換して、同じ方法で培養して得られた細胞から、Trizolを活用してRNAを抽出した後、これを基にcDNAを合成し、合成されたcDNAを鋳型にしてTaqmanプローブを活用したqPCRを行った(
図6のB)。
【0104】
選別したsiRNAは、IFNβ無反応性細胞のHeLa細胞株に48時間処理した後、cFLIP long form(cFLIP
L)とshort form(cFLIP
S)タンパク質の水準をウエスタンブロットで確認した。分析対象の9種のsiRNAをそれぞれ処理した細胞では、全てcFLIP
LとcFLIP
Sタンパク質が感知されなかった(
図6のA)。また、siRNAを処理した細胞では、qPCRで測定したcFLIP mRNA水準が対照群と比較して約50%以上減少したことが明らかになった(
図6のB)。qPCRとウエスタンブロットの結果に基づいて、cFLIP発現阻害能が優れたことが確認されたD-513、211、262、404、480など、5種のsiRNAを1次的に選別した。
【0105】
1次的に選別したcFLIP siRNAは、HeLa 細胞株を利用して、カービィフェロンの細胞死効果に及ぼす影響を追加的に確認した。まず、それぞれのsiRNAが細胞死に及ぼす影響を確認するためにカービィフェロン無しでsiRNA単独で処理して、先の実施例の場合と同じ方法で、細胞生存率を測定した(
図7のA)。HeLa細胞をプレートに接種して、24時間経過後、siRNA(最終濃度10nM)を処理して、再び24時間経過後、WSTアッセイを行った結果、細胞の生存率が減少することが示され、siRNA単独でも細胞毒性、すなわち細胞死誘導効果があった。
【0106】
次に、cFLIP siRNAとカービィフェロン併用処理の効果を確認した(
図7のB)。HeLa細胞株は、接種24時間後にsiRNA(最終濃度10nM)を処理して、再び24時間経過後、カービィフェロン(100ng/ml)を処理し、24時間後の細胞生存率を測定した。siRNAのみ単独で処理した場合と比較して、カービィフェロンとsiRNAを併用処理した場合、HeLa細胞株の細胞生存率を下げることに相乗(synergy)効果があることが観察された。カービィフェロンとの併用処理の効果を分析したsiRNAの中で、効果が最も優れた404及び480 cFLIP siRNAを2次に選別した。
【0107】
<実施例4>
多様ながん細胞株でcFLIP siRNAとカービィフェロン併用処理の効果
最終的に選別された404及び408 cFLIP siRNAのIFNβ無反応性がん細胞に対する感作効果を、多様ながん細胞株を利用して確認した(
図8)。
【0108】
選別したcFLIP siRNAとカービィフェロン又はACFPとの並行処理による細胞死能を検証するために、SK-OV-3、SNU-216、NCI-N87細胞を24ウェルプレートに1×10
4個ずつ分株した後、24時間、37.5℃、5%CO
2の環境で培養した。ACFPは、ハーセプチン(herceptin)の重鎖末端にカービィフェロン(R27T)を融合させた融合タンパク質である。24時間後、細胞培養液を除去して、10nMのsiRNAをDharmafectトランスフェクション試薬と混ぜて、室温で15分間定温放置した後、細胞に処理した。24時間処理した後、培養液を除去してカービィフェロン、ACFP、ハーセプチンを100ng/mlの濃度で処理した後、48時間追加培養した。その後、培養液を除去してPBSで3回洗浄した後、WST試薬を1:10で培養液に混ぜて各ウェルに処理した後、2時間、37.5℃、5%CO
2の環境で反応させた後、430nmの波長で吸光度を測定した。本実施例に使用された細胞株は、IFNβに全く反応しないか(SNU-216)、又は、IFNβに通常反応する細胞よりもIFNβに対する敏感性が極めて低いものと確認された(SK-OV-3、NCI-N87)(データ図示せず)。
【0109】
卵巣がん細胞であるSK-OV-3細胞株(
図8のA)、前記がん細胞のSNU-216細胞株(
図8のB)、とNCI-N87細胞株(
図8のC)から、cFLIP siRNAの効果を、細胞生存率を測定して調べた。siRNAを処理していない場合、ハーセプチン単独よりは、ハーセプチンと結合した融合タンパク質形態のACFP及びカービィフェロンが、がん細胞の生存率減少により効果的であった。さらにcFLIP siRNAと同時に処理した場合、ACFPとカービィフェロンの細胞死効果は増進されることが明らかになった。