(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記突起は、下方に向かって膨出するようにドーム状に形成され、前記突起の下方に前記ベース側板部の外面との間に切れ目を有する請求項1又は請求項2に記載のシールドコネクタ。
少なくとも1本の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルと、前記シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタとを備えるコネクタ付きシールドケーブルであって、
前記シールドコネクタが、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のシールドコネクタであるコネクタ付きシールドケーブル。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
【0015】
(1)本発明の一態様に係るシールドコネクタは、少なくとも1本の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルの端部に接続される。前記シールドコネクタは、前記電線の導体端部に接続される端子を保持するインナーハウジングと、前記インナーハウジング及び前記シールドケーブルの端部を収容し、前記シールドケーブルの端部が挿入されるケーブル挿入部を有するシールドシェルとを備える。前記インナーハウジングは、側面から突出する凸部を有する。前記シールドシェルは、前記インナーハウジングが配置されるベースと、前記ベースに嵌合されるカバーとを有する。前記ベースは、前記インナーハウジングの下面を覆い、前記ケーブル挿入部に向かって延伸される底板部と、前記インナーハウジングの両側面を覆うように前記底板部の両側から立設し、前記ケーブル挿入部に向かって一連に形成される一対のベース側板部と、前記ベース側板部に形成され、前記インナーハウジングの前記凸部が係合される係合孔とを有する。前記カバーは、前記インナーハウジングの上面を覆い、前記ケーブル挿入部に向かって延伸される上板部と、前記ベース側板部の外側に重複して前記係合孔を覆うように前記上板部の両側から立設し、前記ケーブル挿入部に向かって一連に形成される一対のカバー側板部とを有する。
【0016】
上記シールドコネクタによれば、シールドシェルを構成するベース及びカバーがそれぞれベース側板部及びカバー側板部を有し、カバー側板部がベース側板部に重複すると共に、ベース側板部の係合孔がカバー側板部により覆われる。また、ベース(底板部及びベース側板部)とカバー(上板部及びカバー側板部)とがそれぞれ、インナーハウジングからケーブル挿入部に向かって一連に形成されている。したがって、上記シールドコネクタは、シールドシェルの周方向に隙間が生じ難く、インナーハウジング及び露出する電線の端部の周囲を全周に亘ってシールドシェルで覆うことができる。よって、上記シールドコネクタは、電磁波ノイズの侵入や漏洩を効果的に抑制でき、シールド性に優れる。
【0017】
また、上記シールドコネクタは、インナーハウジングの凸部とベース側板部の係合孔との係合により、インナーハウジングをベースに位置決めして固定できるので、組立性に優れる。
【0018】
(2)上記シールドコネクタの一形態として、前記ベースが前記ベース側板部の外面から突出する突起を有し、前記カバーの前記カバー側板部に前記ベースの前記突起が嵌合される嵌合孔が形成されていることが挙げられる。
【0019】
上記形態によれば、ベース側板部の突起とカバー側板部の嵌合孔との嵌合により、カバーをベースに位置決めして嵌合でき、シールドコネクタの組立性に優れる。また、ベース側板部に突起、カバー側板部に嵌合孔を設けることで、ベースとカバーとを嵌合させてシールドシェルを組み立てるときに、突起と嵌合孔との嵌合状態をシールドシェルの外から目視で確認することができる。この点でも、シールドコネクタの組立性に優れる。
【0020】
(3)上記シールドコネクタの一形態として、前記ベース及び前記カバーの一方の前記ケーブル挿入部に、前記シールドケーブル側に突出し、前記シールド導体の端部に圧着される圧着片を有するバレル部を有し、他方の前記ケーブル挿入部には、前記バレル部に対向するように形成され、前記圧着片で押さえられて前記シールド導体の端部に接する突出片を有することが挙げられる。
【0021】
上記形態によれば、ベース及びカバーの一方のケーブル挿入部にバレル部を有し、圧着片がシールド導体の端部に圧着されることで、シールドシェルとシールド導体とを電気的に接続できる。また、圧着片がシールド導体の端部に圧着されることで、シールドケーブルの端部にシールドシェルを強固に接続できる。更に、ベース及びカバーの他方に突出片を有し、圧着片をシールド導体の端部に圧着したときに突出片が圧着片で押さえられる。これにより、圧着片を圧着したときに締め付け力の集中を分散でき、圧着によるシールド導体の端部の過度の変形を防止できながら、シールドケーブルの端部にシールドコネクタをより強固に接続できる。したがって、上記形態は、シールドケーブルの引抜強度を十分に確保できる。
【0022】
(4)上記シールドコネクタの一形態として、前記カバーが、前記カバー側板部の内面から突出し、上下方向に延びる突条部を有し、前記インナーハウジングの側面に前記カバーの前記突条部が挿入される縦溝が形成されていることが挙げられる。
【0023】
上記形態によれば、カバー側板部の突条部がインナーハウジングの縦溝に挿入されることで、インナーハウジングに対してカバーを位置決めでき、インナーハウジングとシールドシェル(ベース及びカバー)との位置決めをより高精度に行うことができる。
【0024】
(5)本発明の一態様に係るコネクタ付きシールドケーブルは、少なくとも1本の通信線を含む電線と、前記電線の周囲を一括して被覆するシールド導体とを有するシールドケーブルと、前記シールドケーブルの端部に接続されるシールドコネクタとを備える。そして、前記シールドコネクタが、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のシールドコネクタである。
【0025】
上記コネクタ付きシールドケーブルによれば、本発明の一態様に係るシールドコネクタを備えることで、シールドケーブルの端部において、インナーハウジング及び露出する電線の端部を全周に亘ってシールドシェルで覆うことができる。よって、上記コネクタ付きシールドケーブルは、シールドコネクタでの電磁波ノイズの侵入や漏洩を効果的に抑制でき、シールドコネクタにおけるシールド性が高い。
【0026】
[本発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態に係るシールドコネクタ及びコネクタ付きシールドケーブルの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0027】
[実施形態1]
<コネクタ付きシールドケーブル>
図1〜
図9を参照して、実施形態1のシールドコネクタ及びコネクタ付きシールドケーブルの概要を説明する。実施形態1のコネクタ付きシールドケーブル1は、
図1,
図2に示すように、シールドケーブル100と、シールドケーブル100の端部に接続されるシールドコネクタ10とを備える。実施形態1のシールドコネクタ10は、
図3,
図4に示すように、インナーハウジング20とシールドシェル40とを備え、シールドシェル40は、インナーハウジング20が配置されるベース41と、ベース41に嵌合されるカバー51とを有する。まず、シールドケーブル100の構成を説明し、次いで、シールドコネクタ10の構成について詳しく説明する。以下の説明では、シールドコネクタ10のインナーハウジング20側を前(正面)、シールドケーブル100側を後とし、ベース41(底板部42)側を下、カバー51(上板部52)側を上として説明する。
【0028】
<シールドケーブル>
シールドケーブル100は、
図3〜
図5に示すように、複数の電線110と、これら電線110の周囲を一括して被覆するシールド導体130と、シールド導体130の外周を被覆するシース140とを有する。シールド導体130は、銅やアルミニウムといった導電性金属からなる編組線で形成され、シース140は、絶縁性の樹脂やゴムなどで形成されている。シールドケーブル100の端部では、シース140が除去され、
図5に示すようにシールド導体130の端部がシース140上に折り返され、シールド導体130から電線110の端部が露出している。複数の電線110の端部は撚り戻されて、
図4に示すように並列に分岐されている。
【0029】
シールドケーブル100は、
図6に示すように、10本の電線110を有する。具体的には、高速通信用として、通信線121,122の対とドレイン線123とを2組(計6本)、低速通信用として、通信線124,125の対を1組(計2本)、並びに、電源線126(1本),グランド線127(1本)を有する。通信線121,122は、USB(Universal Serial Bus)3.0規格の通信線(最大通信速度:5Gbps)であり、ドレイン線123付きの差動ペア・ケーブルである。通信線124,125は、USB2.0規格の通信線(最大通信速度:480Mbps)であり、ツイストペア・ケーブルである。電線110のうち、ドレイン線123以外は、導体111の外周に絶縁被覆112(
図5を参照)を有する。シールドケーブル100の端部では、
図6に示すように電線110の端部が上下に5本ずつ分かれて横並びに配置されており、
図5に示すように電線110の先端で導体111の端部が露出している。
図6は、インナーハウジング20の後方から見た図である。
【0030】
<シールドコネクタ>
(インナーハウジング)
インナーハウジング20は、
図4,
図6に示すように電線110の導体111端部に接続される端子22を保持する部材であり、絶縁性樹脂で形成されている。インナーハウジング20は、
図7に示すように、端子22を収納する端子孔23が形成された本体部21と、電線110の導体111端部が配置される配置部31とを有する。インナーハウジング20の本体部21には、上下に5個ずつ端子孔23が並んで形成されており(
図1を参照)、各端子孔23に端子22が挿入されて収納されている。配置部31は、本体部21の上下方向の中間位置から後方に向かって延出するように、本体部21と一体に設けられている。配置部31には、
図6,
図7に示すように、導体111端部を配置するための配置溝32が形成されている。
【0031】
〈端子〉
端子22は、導電性金属からなるメス型端子であり、本体部21の端子孔23に収納される角筒状の部分と、その後方に一体に形成されて導体111端部と電気的に接続される板状の部分とを有する(
図7を参照)。この板状部分は、配置部31の配置溝32に沿って配置される。導体111端部は、
図4に示すように、端子22の板状部分に載置され、半田付けにより電気的に接続される。インナーハウジング20は、
図3,
図4に示すように電線110の導体111端部に端子22が接続された状態で、後述するベース41に配置される。
【0032】
〈凸部・縦リブ・縦溝〉
インナーハウジング20は、
図7に示すように、本体部21及び配置部31の各側面から突出する凸部25,35を有する(図では、左側面のみ示しているが、反対側の右側面も同じである)。凸部25,35は、インナーハウジング20の前後方向に並んで設けられており、それぞれ下方に向かってテーパ状に形成されている。凸部25,35は、後述するベース側板部43に形成された係合孔45,46に係合される。また、インナーハウジング20は、側面から突出して上下方向に延びる縦リブ27を有し、縦リブ27が凸部25に隣接するように凸部25と一体に設けられている。縦リブ27は、後述するベース側板部43に形成された縦孔47に挿入される。
【0033】
更に、インナーハウジング20の側面には、
図8,
図9に示すように、上下方向に沿って縦溝28が形成されている。
図9の上図は、カバー51を下から見た概略平面図であり、下図は、インナーハウジング20が配置されたベース41を上から見た概略平面図である。縦溝28は、インナーハウジング20の前方に設けられ、縦溝28には、後述するカバー側板部53に設けられた突条部58が挿入される。
【0034】
(シールドシェル)
シールドシェル40は、
図3,
図4に示すようにインナーハウジング20及びシールドケーブル100の端部を収容する部材であり、導電性金属で形成されている。シールドシェル40は、
図3に示すように、前方から順にインナーハウジング20を収容するハウジング収容部61と、露出する電線110の端部を収容する電線収容部62と、シールドケーブル100の端部が挿入されるケーブル挿入部63とを有する。ケーブル挿入部63には、シールドケーブル100の外径に対応した形状の開口が形成されている。シールドシェル40は、インナーハウジング20の下側に配置されるベース41と、インナーハウジング20の上側に配置され、ベース41の上方から覆うように嵌合されるカバー51とで構成されている。
【0035】
(ベース)
ベース41は、
図7に示すように、インナーハウジング20の下面を覆い、ケーブル挿入部63に向かって延伸される底板部42と、インナーハウジング20の両側面を覆うように底板部42の両側から立設する一対のベース側板部43とを有する。ベース側板部43は、ケーブル挿入部63に向かって一連に形成されている。ベース41は、金属製の板材を所定の形状に切断して折り曲げることにより形成されている。
【0036】
〈係合孔・縦孔〉
ベース41のベース側板部43には、
図7,
図8に示すように、インナーハウジング20の凸部25,35が係合される係合孔45,46が形成されている。更に、ベース側板部43の上端縁から上下方向に沿って縦孔47が係合孔45に隣接するように形成され、係合孔45と縦孔47とが連通している。この縦孔47には、インナーハウジング20の縦リブ27が挿入される。インナーハウジング20をベース41の上方から嵌め込むことで、インナーハウジング20の凸部25,35及び縦リブ27と、ベース側板部43の係合孔45,46及び縦孔47とがそれぞれ係合して、インナーハウジング20がベース41に位置決めして固定される。係合孔45と縦孔47とが連通しており、係合孔45の上側に位置するベース側板部43の部分(
図8中、点線で囲む部分)は、片持ち支持された状態になっている。そのため、インナーハウジング20をベース41の上方から嵌め込んで、凸部25を係合孔45に係合する際、ベース側板部43の上記部分が外側に開き易く、係合し易い。
【0037】
〈突起〉
また、ベース41は、
図7〜
図9に示すように、ベース側板部43の外面から突出する突起44を有する。突起44は、後述するカバー側板部53に形成された嵌合孔54(
図7,
図8を参照)に嵌合される。この突起44は、打ち出し(叩き出し)により形成され、下方に向かって膨出するようにドーム状に形成されている。突起44の下方には外面との間に切れ目が形成されているが、
図8に示すように、この切れ目はベース側板部43の外面(ベース41の側面)を平面視したときに実質的に見えない。つまり、突起44の形成部分は、ベース側板部43の外面に直交する方向に実質的に開口していない。
【0038】
(カバー)
カバー51は、
図7に示すように、インナーハウジング20の上面を覆い、ケーブル挿入部63に向かって延伸される上板部52と、ベース側板部43の外側に重複するように上板部52の両側から立設する一対のカバー側板部53とを有する。カバー側板部53は、ベース側板部43の外側に重複して、ベース側板部43の係合孔45,46及び縦孔47を覆う(
図2を参照)。カバー側板部53は、ケーブル挿入部63に向かって一連に形成されている。カバー51は、ベース41と同様に、金属製の板材を所定の形状に切断して折り曲げることにより形成されている。カバー51は、
図3に示すように、インナーハウジング20及びシールドケーブル100(電線110)の端部がベース41に配置された状態で、ベース41の上方から取り付けられる。
【0039】
〈嵌合孔〉
カバー51のカバー側板部53には、
図7,
図8に示すように、ベース側板部43の突起44が嵌合される嵌合孔54が形成されている。ベース41にカバー51を嵌合したとき(
図2を参照)、ベース側板部43の突起44とカバー側板部53の嵌合孔54とが嵌合することで、カバー51がベース41に位置決めして嵌合される。
【0040】
〈突条部〉
また、カバー51は、
図9に示すように、カバー側板部53の内面から突出し、上下方向に伸びる突条部58を有する。突条部58は、カバー側板部53の先端を内側に折り曲げることにより形成されている。この突条部58をインナーハウジング20に形成された縦溝28に挿入することで、インナーハウジング20に対してカバー51が位置決めされる。
【0041】
〈バレル部・突出片〉
シールドケーブル100の端部は、
図3に示すように、折り返されたシールド導体130の端部の一部がシールドシェル40内に収容され、残部がケーブル挿入部63から露出するように挿入される。ベース41側のケーブル挿入部63には、
図3,
図4に示すように、後方に突出するバレル部70が一体に形成されている。バレル部70は、U字状をなし、両端から延びる一対の圧着片71,72を有する。バレル部70の上方からシールド導体130の端部を挿入し、圧着片71,72をカシメることで、シールド導体130の端部に圧着片71,72が圧着される(
図1を参照)。バレル部70は、圧着片71,72をカシメてシールド導体130の端部に圧着したとき、圧着片71,72が互いに噛み合って円筒状をなすように形成されている。具体的には、圧着片71は、テーパ状の突片を有し、圧着片72は、圧着片71の突片が嵌合するV状の切欠を有する二股状の突片を有する。
【0042】
更に、カバー51側のケーブル挿入部63には、
図3に示すように、バレル部70に対向するように後方に突出する突出片75が一体に形成されている。突出片75は、シールドケーブル100の外周面に沿うように円弧状に形成されている。突出片75は、圧着片71,72をカシメてバレル部70を圧着したとき(
図1を参照)、圧着片71,72の内側に位置して押さえ付けられ、シールド導体130の端部に接触する。バレル部70がシールド導体130の端部に圧着されることで、バレル部70(圧着片71,72)及び突出片75がシールド導体130の端部に接触し、シールドシェル40とシールド導体130とが電気的に接続される。
【0043】
<作用効果>
実施形態1のシールドコネクタ10及びコネクタ付きシールドケーブル1は、次の効果を奏する。
【0044】
(1)シールドシェル40を構成するベース41及びカバー51がそれぞれベース側板部43及びカバー側板部53を有し、カバー側板部53がベース側板部43に重複して、ベース側板部43の係合孔45,46及び縦孔47を覆う。また、ベース41(底板部42及びベース側板部43)とカバー51(上板部52及びカバー側板部53)がそれぞれ、ハウジング収容部61からケーブル挿入部63まで一連に形成されている。したがって、シールドコネクタ10は、シールドシェル40の周方向に隙間が生じ難く、インナーハウジング20及び露出する電線110の端部の周囲を全周に亘ってシールドシェル40で覆うことができる。よって、シールドコネクタ10は、電磁波ノイズの侵入や漏洩を効果的に抑制でき、シールド性に優れる。また、コネクタ付きシールドケーブル1は、シールドコネクタ10を備えることから、シールドコネクタ10におけるシールド性が高く、通信品質の向上が可能である。特に、高速通信用の通信線121,122を有するシールドケーブルに適用した場合に、通信品質の向上が期待できる。
【0045】
(2)インナーハウジング20の凸部25,35とベース側板部43の係合孔45,46との係合により、インナーハウジング20をベース41に位置決めして固定できるので、シールドコネクタ10の組立性に優れる。また、凸部25,35と係合孔45,46との係合により、ベース41に対するインナーハウジング20の上下方向の移動や、インナーハウジング20の傾きを抑制できる。更に、インナーハウジング20の縦リブ27がベース側板部43の縦孔47に挿入されることで、ベース41に対するインナーハウジング20の前後方向の移動、並びにインナーハウジング20の傾きを効果的に規制できる。シールドシェル40に対するインナーハウジング20の動きを規制することで、インナーハウジング20とシールドシェル40との間のインピーダンスに変化が生じ難い。したがって、シールドコネクタ10でのインピーダンスの不整合による通信品質の低下を効果的に抑制できる。
【0046】
(3)ベース側板部43の突起44とカバー側板部53の嵌合孔54との嵌合により、カバー51をベース41に位置決めして固定できるので、シールドコネクタ10の組立性に優れる。突起44が打ち出し(叩き出し)で形成されていることで、突起44の形成部分がベース側板部43の外面に直交する方向に実質的に開口しておらず、シールドシェル40の周方向に隙間を生じさせないようにすることができる。また、ベース側板部43に突起44、カバー側板部53に嵌合孔54を設けることで、ベース41とカバー51とを嵌合させてシールドシェル40を組み立てるときに、突起44と嵌合孔54との嵌合状態をシールドシェル40の外から目視で確認することができる。この点でも、シールドコネクタ10の組立性に優れる。
【0047】
(4)カバー側板部53の突条部58がインナーハウジング20の縦溝28に挿入されることで、インナーハウジング20に対してカバー51を位置決めできる。これにより、インナーハウジング20とシールドシェル40(ベース41及びカバー51)の位置決めをより高精度に行うことができる。
【0048】
(5)バレル部70の圧着片71,72がシールド導体130の端部に圧着されることで、シールドシェル40とシールド導体130とを電気的に接続できる。また、シールドケーブル100の端部にシールドシェル40(シールドコネクタ10)を強固に接続でき、シールドシェル40の前後方向の移動を規制できる。更に、バレル部70に対向するように突出片75を有することで、圧着片71,72を圧着したときに締め付け力の集中を分散でき、圧着によるシールド導体130の端部の過度の変形を防止できながら、シールドコネクタ10をより強固に接続できる。したがって、シールドケーブル100の引抜強度を十分に確保できる。