特許第6853989号(P6853989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6853989
(24)【登録日】2021年3月17日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】監視支援装置およびデータ管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20210329BHJP
【FI】
   G06F21/31
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2020-161581(P2020-161581)
(22)【出願日】2020年9月28日
【審査請求日】2020年9月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592089205
【氏名又は名称】久米機電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143111
【弁理士】
【氏名又は名称】青山 秀夫
(74)【代理人】
【識別番号】100189876
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 将晴
(72)【発明者】
【氏名】久米 隆司
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−194762(JP,A)
【文献】 特開平07−012738(JP,A)
【文献】 特開平05−146791(JP,A)
【文献】 特開2003−271217(JP,A)
【文献】 特開平07−013603(JP,A)
【文献】 特開2000−016794(JP,A)
【文献】 特開2002−181731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
G06F 21/00
G06F 21/30−21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象を監視させる監視装置に装着される監視支援装置において、
前記監視装置が、操作手段により操作され、取得した監視情報を出力手段により出力させ、ユーザ認証機能を有していない監視装置であって、
前記監視支援装置は、認証者判定手段と有効化手段と情報取得手段とを有し、
前記認証者判定手段が、監視支援装置に操作者をログイン認証させ、
前記有効化手段が、前記認証者判定手段がログイン認証を有効とさせたときのみに、前記操作手段を操作できるように操作手段の機能を有効化させ、
前記監視支援装置が有する前記情報取得手段が、前記監視装置が取得した監視情報と前記操作手段が操作された操作情報とからなる出力情報を、前記出力手段から取得し、
前記監視装置に装着された前記監視支援装置において、取得した前記出力情報が、自らが有する前記認証者判定手段がログイン認証した認証情報と、時刻情報と共に管理される、
ことを特徴とする監視支援装置。
【請求項2】
前記有効化手段が、前記操作手段の電源遮断手段とされ、
前記操作者のログイン認証が有効とされたときのみに、前記操作手段に操作用電源を供給させて、前記操作手段が操作可能とされる
ことを特徴とする請求項1に記載の監視支援装置。
【請求項3】
前記有効化手段が、前記操作手段からの信号遮断手段とされ、
前記操作者のログイン認証が有効とされたときのみに、前記操作手段からの操作信号が前記監視装置から前記監視対象機器に伝達される、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視支援装置。
【請求項4】
前記監視支援装置が、変更情報抽出手段を含み、
前記変更情報抽出手段が、変更された監視設定の情報のみを抽出させ、
前記変更された監視設定の情報のみが、前記認証情報と前記時刻情報と共に管理される、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の監視支援装置。
【請求項5】
前記監視支援装置が、記憶手段を含み、
前記記憶手段が、前記出力情報と、前記認証情報とを、前記時刻情報と共に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の監視支援装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の前記監視支援装置と、サーバ用コンピュータとを含むデータ管理システムであって、
前記監視支援装置から伝達された前記出力情報と前記認証情報とが、時刻情報と共にサーバ用コンピュータにおいて記憶されている、
ことを特徴とするデータ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させる監視支援装置およびデータ管理システムに関する。詳細には、ユーザの認証機能を有していないため、真正なログインが保証されていない既存の監視装置に装着させる監視支援装置およびデータ管理システムに関する。
【0002】
より詳細には、既存の監視装置の改造を伴わないで、既存の監視装置を真正なログインが保証されている状態のみで機能させ、監視対象機器の記録と、真正な認証情報と、操作情報とを、時刻情報と共に記憶させ、既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させる監視支援装置およびデータ管理システムに関する。
【背景技術】
【0003】
製造・流通される薬品等の物品に規格外品を発生させないように、製造装置等の操作者の操作ログや、製造装置等の動作ログを基に、製造・運搬・保管等の過程に問題がないかが常に監視され、規格外品が発生されないように監視装置により監視されている。
【0004】
従来、医薬品の製造業者等においては、ログデータの改ざんが困難である紙媒体により、監視対象機器の記録をなすログデータが保存されていた。しかし、製造だけでなく運搬・保管の全ての過程で、ログデータを保存して、必要なデータを抽出しやすくするために、ログデータを電子化することが不可欠となっている。
【0005】
製造過程において、撮像される画像を使って、積層させたPTPシートの形態の良品・不良品を判定させ、記録させている監視装置がある。この監視装置は、PTPシートの積層体の側方から錠剤に向けて、面照明による平行光を照射させ、撮像された画像を微小区画に分割し、夫々の区画を明度により二値化して、錠剤の大きさ・欠落等を判定させている。従来の監視装置はログデータを出力させることが可能とされていたが、操作者のログイン情報等が管理できない物が多かった。
【0006】
監視装置は、操作部と表示部を兼ねた表示パネルにタッチして操作させる形式の物もあるが、誤操作を防止させるように、操作した後は操作部を取外して操作できないようにする形式の物もある。操作部において監視装置の機能を変更する操作も、監視装置の監視機能に応じて夫々異なったものとされていた。
【0007】
ここで、薬品の形態の監視装置の一つを具体的に説明する。薬品は、薬効成分が等価であっても、粉体の粒径のばらつき・凝固過程の温湿度環境等に起因して、凝固された錠剤の形態やPTPシートの結束状態が微妙に異なることがあるため、錠剤の形状の歪、色の濃淡、部分欠損、PTPシートの包装状態について、製造業者毎に判定基準を定め、良好と判定された形態の薬品のみが出荷されている。
【0008】
しかし、画一的な判定基準だけで判定させた場合には、薬効については全く良品であるにも拘わらず、形態又は色のみが判定基準を外れているために、所定の廃棄率を超える規格外品が発生することがある。そうした場合には、検査担当者が、製造ロットごとにカメラ等の検査機器の判定基準の設定を微調整して、総合的には良品であることを確認した上で、形態規格の一部のみが規格外であることにより廃棄率が過大となることを抑制している。
【0009】
この設定の調整は、画像の中の検査位置を変更させる調整、検査範囲を拡大・縮小させる調整、画像の濃淡比率の調整等であり、これらの調整は現場から離れた場所では行うことが困難な調整である。具体的には、取り込んだ画像の上に、検査対象を示す周囲の枠を画素単位で移動させるようにして、現場において熟練した検査担当者が経験に基づいて調整させている。
【0010】
錠剤の原料である粉体の色によっても、製造ロットや製造環境により微妙な差が生じる場合もある。画像の濃淡比率についても、製造現場の温湿度や照明環境の状態を確認しながら、PTPシートの製品規格で許容される範囲で、検査担当者の経験に基づいて、カメラ検査機器により撮像された画像の濃淡比率が設定調整されている。
【0011】
既存のカメラ検査機器等の監視装置の調整には、前記のように、製造状況を現地で確認しながら、経験に基づいて調整させることが必要であるため、新しい監視装置の導入が進みにくく、監視装置のログデータがサーバ用コンピュータで一括管理されにくい要因の一つとなっていた。
【0012】
従来の監視装置は、データ出力端子からデータを出力させる出力手段を備えていても、特定の検査担当者のみが操作する監視装置であるためか、ユーザの認証機能だけでなく、汎用性、機能拡張性が欠けている装置が多かった。そのため、既存の監視装置をそのまま使いつつログデータを電子データ化させることに伴い、電子データの真正性を保証することができる監視支援装置およびデータ管理システムの提供が課題となっていた。
【0013】
特許文献1には、ユーザの認証機能を有さない既存の処理設備に、ユーザを認証させる管理端末を追加して接続させ、ユーザを認証させるようにした設備管理システムの技術が開示されている。この文献に記載の技術によれば、既存の処理設備と追加させた管理端末とを通信させ、処理設備に入力されたユーザ情報を、追加させた管理端末に取り込みユーザを認証させてから、その認証結果を各処理設備に戻して、各処理設備に操作の許可又は不許可の処理をさせている。
【0014】
しかし、特許文献1に記載の技術によっては、ユーザを認証させる管理端末が単にユーザを判定させる演算処理手段に過ぎないため、既存の処理設備に管理端末を追加させるだけでなく、既存の処理設備の入力手段・出力手段・記憶手段を変更させる必要があった。そのため、既存の処理設備の改造が煩雑となり、導入が進みにくいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
特許文献1:特開2007−241490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させる監視支援装置およびデータ管理システムを提供することである。詳細には、既存の監視装置の改造を伴わないで、既存の監視装置を真正なログインが保証されている状態のみで機能させ、監視対象の記録と、真正な認証情報と、操作情報とを、時刻情報と共に記憶させ、既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させる監視支援装置およびデータ管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の発明は、監視対象を監視させる監視装置に装着される監視支援装置において、前記監視装置が、操作手段により操作され、取得した監視情報を出力手段により出力させ、ユーザ認証機能を有していない監視装置であって、前記監視支援装置は、認証者判定手段と有効化手段と情報取得手段とを有し、前記認証者判定手段が、監視支援装置に操作者をログイン認証させ、前記有効化手段が、前記認証者判定手段がログイン認証を有効とさせたときのみに、前記操作手段を操作できるように操作手段の機能を有効化させ、前記監視支援装置が有する前記情報取得手段が、前記監視装置が取得した監視情報と前記操作手段が操作された操作情報とからなる出力情報を、前記出力手段から取得し、前記監視装置に装着された前記監視支援装置において、取得した前記出力情報が、自らが有する前記認証者判定手段がログイン認証した認証情報と、時刻情報と共に管理されることを特徴としている。
【0018】
監視装置とは、製造・運搬・保管等の過程において、物品の品質を保証させるために、物品を監視している監視対象機器、例えばカメラ検査機器等を監視している装置をいう。具体的には、製造ラインを対象とした監視対象機器は、判定基準に基づいて物品を判定させるカメラ検査機器や重量検査機器であればよく、物品を保管する調温倉庫の温度監視機器であってもよい。物品の種別が限定されないことは勿論のことである。操作手段は、監視装置と一体でもよく、監視装置本体と分離されたリモコン形式であってもよい。
【0019】
出力情報は、監視情報と操作情報とからなっている。監視情報とは、例えば物品の判定基準、基準適否判定結果、撮像された画像情報、温度管理情報等であり限定されない。操作情報とは、駆動処理の開始・停止・終了の操作時点、駆動速度、変更操作等の操作内容の情報であればよい。認証情報とは、認証処理に伴う全ての情報をいう。例えば、認証操作がされたこと、認証された者の識別情報、認証失敗の情報等であればよい。
【0020】
有効化手段は、認証者判定手段が、操作者が正当権限を有する者と認証させているときのみに、操作手段に操作信号を発信させることを有効化させている。認証をさせているときとは、操作時点に限定されればよい。操作手段が操作され、操作者が監視装置を離れた状態では、操作した状態がそのまま継続されるようにすればよい。ログインが有効とされ、立ち合い操作された状態のみで、監視装置の操作が有効とされるため、操作の真正性が保証される。
【0021】
認証者判定手段にユーザが認証されなかったときは、操作信号の伝達が無効化される。認証者判定手段は、入力されたユーザの識別子と、予め登録された判定識別子とを照合させてログイン認証をさせる公知の認証者判定手段とすればよく、態様は限定されない。情報取得手段も、監視装置の出力手段から出力情報を取得させることができればよく、態様は限定されない。
【0022】
本発明の第1の発明によれば、認証者判定手段が正当なユーザと認証させているときのみに、操作手段の機能が有効化される。有効化手段は、操作手段を機能させ操作信号の伝達を有効化させるだけでよく、操作手段以外の監視装置は変更させる必要がない。また、誰が操作しているのかについても、監視支援装置に備えられた認証者判定手段から取得させることができる。
【0023】
これにより、ユーザの認証機能を有さない既存の監視装置を改造しないでそのまま活用させながら、ログデータを電子データ化させて、その電子データの真正性を保証させることができるという従来にない有利な効果を奏する。
【0024】
本発明の第2の発明は、第1の発明の監視支援装置であって、前記有効化手段が、前記操作手段の電源遮断手段とされ、前記操作者のログイン認証が有効とされたときのみに、前記操作手段に操作用電源を供給させて、前記操作手段が操作可能とされることを特徴としている。
【0025】
第2の発明によれば、有効化手段が操作手段の電源遮断手段とされている。ユーザの認証がされない限り、操作手段を作動させるための操作用電源が遮断され、監視装置が操作できない。仮に、監視支援装置が停止しているときに、人為的なミスによって監視装置の電源スイッチが入れられても、監視装置自体は駆動せず、監視装置の操作記録が記録されることがない。操作用電源の遮断は、コイルに与えられる入力信号によりスイッチを開閉させるリレー回路等の簡易な方法でよい。
【0026】
監視装置の操作手段が監視装置本体と分離された形式の場合には、監視支援装置がなす電源遮断手段を介して操作手段を監視装置に接続させるだけで、操作手段の操作を有効化させることができる。操作手段が監視装置と一体の場合には、監視支援装置がなす電源遮断手段を介して監視装置自体の電源が投入されるようにすればよい。これにより、監視支援装置の構造が簡単であると共に、既存の監視装置を改造しなくても容易に導入させることができるという有利な効果を奏する。
【0027】
本発明の第3の発明は、第1の発明の監視支援装置であって、前記有効化手段が、前記操作手段からの信号遮断手段とされ、前記操作者のログイン認証が有効とされたときのみに、前記操作手段からの操作信号が前記監視装置から前記監視対象機器に伝達されることを特徴としている。
【0028】
第3の発明によれば、有効化手段が信号遮断手段とされている。ユーザ認証がされない限り、監視装置の操作手段が監視装置本体と分離されていても、一体であっても、操作手段から監視対象機器への操作信号が信号遮断手段により遮断され、出力情報が作成されることがない。これにより、バッテリーを内蔵しているため又は監視装置と一体となっているため、操作手段に電源遮断手段を導入できない場合でも、既存の監視装置に容易に導入させることができるという有利な効果を奏する。
【0029】
本発明の第4の発明は、第1の発明から第3の発明の監視支援装置であって、前記監視支援装置が、変更情報抽出手段を含み、前記変更情報抽出手段が、変更された監視設定の情報のみを抽出させ、前記変更された監視設定の情報のみが、前記認証情報と前記時刻情報と共に管理されることを特徴としている。
【0030】
本発明の第4の発明によれば、監視支援装置が、変更情報抽出手段を含んでいる。変更情報抽出手段が、変更された監視設定の情報のみを抽出させている。これにより、監査証跡レポートを作成させる際に、変更された設定情報のみを表示させることもでき、規格外品の発生原因の究明にかかる労力を軽減させることができるという有利な効果を奏する。
【0031】
本発明の第5の発明は、第1の発明から第4の発明の監視支援装置であって、前記監視支援装置が、記憶手段を含み、前記記憶手段が、前記出力情報と、前記認証情報とを、前記時刻情報と共に記憶させることを特徴としている。
【0032】
本発明の第5の発明によれば、監視支援装置に含まれる記憶手段に、出力情報と認証情報と時刻情報とを共に記憶させている。これにより、データ管理システムが構築されていない監視装置であっても、記憶手段に記憶されたログデータの真正性を保証させることができるという有利な効果を奏する。
【0033】
本発明の第6の発明は、第1の発明から第4の発明の前記監視支援装置と、サーバ用コンピュータとを含むデータ管理システムであって、前記監視支援装置から伝達された前記出力情報と前記認証情報とが、時刻情報と共にサーバ用コンピュータにおいて記憶されていることを特徴としている。
【0034】
本発明の第6の発明によれば、サーバ用コンピュータが、監視支援装置についてユーザの認証をさせると共に、出力情報等の記録情報を記憶させている。これにより、記録情報が監視装置に分散して記憶されることがなく、監視装置が複数である場合でも、サーバ用コンピュータに唯一かつ真正な記録情報を記録させることができる。
【発明の効果】
【0035】
・本発明の第1の発明によれば、ユーザの認証機能を有さない既存の監視装置を改造しないでそのまま活用させながら、ログデータを電子データ化させて、その電子データの真正性を保証させることができるという従来にない有利な効果を奏する。
・本発明の第2の発明によれば、監視支援装置の構造が簡単であると共に、既存の監視装置を改造しなくても容易に導入させることができるという有利な効果を奏する。
・本発明の第3の発明によれば、操作手段に電源遮断手段を導入できない場合でも、既存の監視装置に容易に導入させることができるという有利な効果を奏する。
【0036】
・本発明の第4の発明によれば、監査証跡レポートを作成させる際に、変更された設定情報のみを表示させることもでき、規格外品の発生原因の究明にかかる労力を軽減させることができるという有利な効果を奏する。
・本発明の第5の発明によれば、データ管理システムが構築されていない監視装置であっても、記憶手段に記憶されたログデータの真正性を保証させることができるという有利な効果を奏する。
・本発明の第6の発明によれば、記録情報が監視装置に分散して記憶されることがなく、監視装置が複数である場合でも、サーバ用コンピュータに唯一かつ真正な記録情報を記録させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】監視支援装置の説明図(実施例1)。
図2】監視支援装置の処理フロー図(実施例1)。
図3】監視装置の監視設定の一例及び変更情報抽出手段の説明図(実施例1)。
図4】監視支援装置の説明図(実施例2)。
図5】サーバ用コンピュータを含んだデータ管理システムの説明図(実施例3)。
図6】データ管理システムの処理フロー図(実施例3)。
【発明を実施するための形態】
【0038】
監視対象を監視させる監視装置に適用される監視支援装置に、操作者が正当なユーザか否かを認証させる認証者判定手段と、監視装置の操作手段の有効化手段と、監視装置から情報を取得させる情報取得手段とを備えさせた。有効化手段により、認証者判定手段が、操作者を正当と認証させているときだけに、操作手段の機能を有効化させ、ユーザ認証機能を有さない既存の監視装置を、真正なログインが保証されている状態のみで機能させるようにした。また、監視対象の記録と、真正なログイン情報と、操作の情報とを、時刻情報と共に記憶させ、既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させるようにした。
【0039】
以下、実施例1においては有効化手段が電源遮断手段とされる例を説明し、実施例2においては有効化手段が信号遮断手段とされる例を説明する。実施例3においては複数の監視支援装置が、一つのサーバ用コンピュータで一括管理される例を説明する。また、各実施例のブロック図においては、任意の構成については破線で囲って示している。
【実施例1】
【0040】
実施例1においては、有効化手段が電源遮断手段とされる監視支援装置1を、図1から図3を参照して説明する。図1(A)図は、監視支援装置1と監視装置100との配置図を示し、図1(B)図は、監視支援装置1及び監視装置100のブロック図を示している。図2は、監視支援装置の処理フロー図を示している。図3は、監視装置の監視設定の例と、変更情報抽出手段の説明図とを示している。
【0041】
まず、監視対象機器を監視させる監視装置100について簡単に説明する。実施例1においては、監視対象が薬剤を格納させるPTPシートが積層されてなる集積体200とされ、監視装置100がPTPシート201の良品・不良品の合否を検査させるカメラ検査機器とされる場合を例に説明する。監視装置100は、搬送路300の側方に配置された面照明301(図1(A)図参照)により、集積体200の側方から平行光302を照射させると共に、監視対象機器とされる撮像手段103により集積体200を撮像させる。次に、撮像された画像を微小区画に分割し、各区画を明・暗により二値化し、PTPシートの積層枚数が正しいか、PTPシートの反りが許容範囲か否か、錠剤が欠落していないか等を判定させている。
【0042】
監視装置100は、操作手段101と、監視装置本体102と、製品を撮像させる撮像手段103とを備えている(図1(B)図参照)。操作手段101は、監視支援装置1をなす有効化手段40を介して監視装置本体102に有線接続されて電源供給を受ける。監視装置本体102は、製品が製品規格に適合しているか否かを判定させる判定手段として機能される制御手段104と、監視設定情報記憶手段及び出力情報記憶手段をなす記憶手段105と、出力情報の出力手段106とを備えている(図1(B)図参照)。また監視装置本体には、監視装置の処理内容を操作者が確認するための表示手段107が接続される。撮像手段103は周知のカメラ等であればよく限定されない。
【0043】
判定手段には、撮像手段103により撮像された画像が取り込まれ、監視設定情報記憶手段に記憶された監視設定の情報に基づいて、製品が製品規格に適合しているか否かを判定させている。監視設定とは、監視装置が製品の合否を判定させる判定基準とされる。例えば、検査位置、検査範囲、錠剤の歪み・欠損を判定させる閾値、色の濃淡等である。
【0044】
出力情報記憶手段は、監視装置100が取得した監視情報と操作手段が操作された操作情報とからなる出力情報を記憶させている。本実施例においては、監視情報は製造されたPTPシートの合否を判定させた情報とされる。操作情報は、駆動処理の開始・停止・終了の操作時点、駆動速度、変更操作等の操作内容の情報とされる。
【0045】
監視支援装置1(図1(A)図一点鎖線参照)は、制御手段10と、操作者の識別子を入力させる入力手段20と、各情報を記憶させる記憶手段30と、前記操作手段の有効化手段40と、前記出力手段から出力情報を取得させる情報取得手段50とを備えている。また、監視支援装置1には時刻を取得させる時刻取得手段60が接続される。監視支援装置1をなす監視支援装置本体70には、制御手段10と記憶手段30と情報取得手段50とを有し、入力手段20と有効化手段40と時刻取得手段60が接続されている。更に、制御手段10の処理状況を確認させる表示手段71が接続されてもよい。
【0046】
制御手段10は、監視装置100の操作者が正当なユーザか否かを判定させる認証者判定手段、監視装置の監視設定の情報を変更させたときに、変更された監視設定の情報のみを抽出させる変更情報抽出手段として機能される。
【0047】
入力手段20は、操作者の識別子を入力することができればよく態様は限定されない。識別子とは、自他を識別させるための認証情報をいい、具体的にはユーザID、パスワード、生体情報、装置ID等をいう。入力手段の具体例としては、キーボード、マウス、タッチパネル等であってもよく、ICカード、RFIDタグに記憶された情報を読み取らせる非接触読取装置、虹彩・音声・顔・脈波等を読み取らせる生体認証装置であってもよい。
【0048】
記憶手段30は、判定識別子を記憶させる判定識別子記憶手段として機能されると共に、前記出力情報を記憶させる出力情報記憶手段、認証者判定手段による認証情報を記憶させる認証情報記憶手段、出力情報が作成された時刻を記憶させる時刻情報記憶手段として機能され、出力情報が認証情報と時刻情報と共に管理される。破線で示すように、変更された監視設定の情報のみを記憶させる変更情報記憶手段として機能させてもよい。
【0049】
前記認証者判定手段は、入力手段に入力された識別子を、判定識別子記憶手段から読み出された判定識別子と照合させる。照合の結果、操作者が正当な権原を有する者と判定されたときには、ログイン認証を処理させる。判定識別子とは、操作者が入力させた識別子が正当か否かを判定させる情報をいう。具体的には、操作者ごとの固有な情報とされる。固有な情報とは、パスワード、氏名、所属、指紋等の生体情報等であればよい。
【0050】
判定識別子記憶手段は、一つの判定識別子が記憶される場合に限定されず、複数のユーザの判定識別子が記憶されるデータベースであってもよい。認証情報とは、ログイン認証がされた情報だけでなく、ログイン認証が解除された情報、認証失敗の情報も含まれる。
【0051】
制御手段10の判定に基づいて、有効化手段40においてリレースイッチが開閉されて、操作手段101への電源が遮断又は供給される。認証者判定手段がログイン認証を有効とさせたときのみ、電源を遮断していた電源遮断手段のスイッチを閉じて、監視装置本体と操作手段とを導通させる。有効化手段をなす電源遮断手段を通して、監視装置から操作手段に操作用電源が供給されて、はじめて操作手段の機能が有効化される。これにより、真正なログインが保証されているときのみに、既存の監視装置が機能される。
【0052】
電源遮断手段の形態は限定されないが、例えば、リレー回路であれば簡易な構造で電源の遮断又は供給を切り替えることができ好適である。より具体的には、電源を電磁コイルに供給させて電磁作用により接点を機械的に開閉させる有接点リレー、電気信号により半導体等の電子部品を作動させる機械的接点を持たない無接点リレーのいずれとしてもよく限定されない。
【0053】
有効化手段40の外面には、操作手段から延びる信号線108と同一規格の信号線用の接続端子41が備えられ、操作手段101をそのまま接続させることができる。有効化手段40と監視装置本体102も、夫々に備えられた接続端子42,109を信号線43により接続させることができる(図1(A)図参照)。接続端子、信号線は、例えばUSB端子、USBケーブルであればよい。
【0054】
操作者のログイン認証が有効とされた状態で操作された操作が、変更操作されるまで有効に継続させるようにしておけば、操作者が監視支援装置から離れても操作状態をそのまま維持させることもできる。ログイン認証が継続している期間においてログイン状態を有効とさせるには、操作者にRFIDタグを携行させ、それを連続に読み取らせるようにすればよい。
【0055】
変更情報抽出手段は、監視装置100の監視設定の情報が変更されたときには、変更前後の監視設定の情報を照合させて、変更された監視設定の情報のみを抽出させ、抽出させた情報のみを監視設定情報記憶手段に記憶させている。変更情報抽出手段を備えさせない場合には、変更に拘らない情報も含めて、全ての監視設定の情報を記憶させればよい。
【0056】
ここで、監視設定の調整と、変更情報抽出手段について、PTPシートの外形の検査の例を、図3を参照して具体的に説明する。図3(A)図は、集積体200とされたPTPシート201の外形の合否判定の監視設定の例を示している。図3(B)図は、検査範囲Aにおいて監視設定の調整が必要な状態を示している。図3(C)図は、検査範囲Aにおける監視設定の情報を示している。図3(D)図は変更された監視設定の情報を抽出させた例を示している。
【0057】
具体的には、集積体200の長手方向端部204の反りが製品規格の許容範囲内に収まっているかの判定基準をなす検査範囲Aと、長手方向端部204の位置が揃っているかの判定基準をなす検査範囲B、錠剤の欠落がないかの判定基準をなす検査範囲C1,C2,C3,・・・等がある(図3(A)図参照)。
【0058】
ここで、監視設定の調整について、検査範囲Aを例に、図3(B)図を参照して詳細に説明する。なお、検査範囲B、Cについては同様であるため、以下の具体的な説明は省略している。集積体200は、PTPシート201を積み重ねてから、各々のPTPシートが水平方向にずれないように、透明な帯体205をPTPシートの中央部に巻き回して締め付け、帯体205を熱溶着させている。
【0059】
そのため、工場内の温湿度、熱溶着機の温度のむら、帯体の伸縮誤差等によって、集積体200の締め付け状態には個体差が発生する。帯体205の締め付けが強い場合には、集積体200の中央部側が僅かに凹むと共に、長手方向端部204が僅かに反り上がることがある(図3(B)図参照)。すなわち、反りが所定の範囲よりも大きくなった場合には、集積体の締め付け強さが規定よりも大きく、結束状態ガ不良品と判定させている。
【0060】
一方、最上段にあるPTPシートの長手方向端部204が検査範囲Aに収まっている場合には結束状態が良品であると判定させる(図3(A)図参照)。しかし、薬品の品質に問題がないにも拘わらず、包装資材の品質誤差による僅かな反りだけで不良品と判定させた場合には、過度な廃棄率が発生することがある。そこで、製造ロットごとに、検査担当者が自らの経験に基づいて監視設定の情報をなす検査範囲Aの大きさを変更させ、廃棄率を適正にさせる必要がある。
【0061】
次に、監視設定の情報の変更について、図3(C)図,図3(D)図を参照して説明する。長方形形状をなす検査範囲Aは、X座標の始点(ST)及び終点(ED)と、Y座標の始点(ST)及び終点(ED)が入力されることにより、検査範囲の枠の大きさと位置とが設定されている(図3(C)図参照)。具体的には、X座標の始点・終点と、Y座標の始点・終点の組み合わせから検査範囲Aの四隅の座標A1(100,70)、A2(250,70)、A3(100,80)、A4(250,80)が設定される(図3(B)図参照)。
【0062】
反りの許容範囲を大きくさせる場合には、検査範囲AのY座標の終点について数値を大きくするように、例えば終点(ED)を80から85に変更させる(図3(D)図)。なお、検査範囲Aの大きさを変えずに、位置だけを上方に移動させて反りが検査範囲Aに収まるようにしてもよい。
【0063】
変更情報抽出手段は、変更前後の監視設定の情報を照合させ、変更された監視設定の情報がある場合には、変更された情報のみを抽出させる。本実施例の場合には、Y座標の終点の数値だけが変更されているため、Y座標の終点の数値情報のみを抽出させる。この変更された監視設定の情報は、監視設定の情報が変更されたときの認証情報と時刻情報と共に、変更情報記憶手段に記憶される。
【0064】
情報取得手段50(図1(B)図参照)は、監視装置本体の出力手段106から監視装置の記憶手段105に記憶された出力情報を取得させている。例えば、監視装置本体102の接続端子110(図1(A)図参照)に信号線51を接続させて出力情報を取得させればよい。監視装置の記憶手段105においてされた情報更新、情報の新規作成に同期して、出力情報が取得される。取得された出力情報は、認証者判定手段から取得される操作者の認証情報と、時刻情報取得手段60から取得される時刻情報と共に、監視支援装置1の記憶手段30に記憶される。
【0065】
なお、理解を容易にするために、監視装置本体と表示手段と操作手段とを別の構成として例示しているが、タッチして操作が可能な液晶画面が組み込まれた一体型の監視装置であってもよいことは勿論である。一体型の監視装置の場合には、一体型の監視装置の他の機能と共に操作手段としての機能が監視支援装置により操作が有効化される。
【0066】
監視支援装置1によれば、監視装置が取得した監視情報と操作手段が操作された操作情報とからなる出力情報が、認証者判定手段による認証情報と、時刻情報と共に記録され、データの完全性の要件である真正性を保証させることができる。
【0067】
次に、監視支援装置1における処理フローを、図2を参照して説明する。図2においては、変更された監視設定の情報のみを抽出させるフローを含めて説明しているが、監視設定の変更操作の情報の取得が不要な場合は、ステップ60からステップ80までを省略すればよい。
【0068】
まず、監視支援装置の処理が開始され(S00)、入力手段から操作者の識別子が入力されたか否かを判定させるステップ10に進み(S10)、識別子が入力されるまではステップ10で処理が待機される。識別子が入力されると、識別子を判定識別子と対比して認証を判定させるステップ20に進み(S20)、正当な操作者であると判定された場合には、操作者のログイン認証を有効とさせるステップ30に進む(S30)。一方、正当な操作者ではないと判定させたときにはログイン認証が有効とされず、ステップ10に戻り処理が待機される。
【0069】
操作者のログイン認証が有効とされると、電源遮断手段により操作手段の機能を有効化させるステップ40に進み(S40)、操作手段に操作用電源を供給させる。この時点から、操作手段により監視装置を操作することができる状態となる。次に、出力情報と認証情報とを時刻情報と共に記憶させるステップ50に進み、それぞれの情報を記憶手段に記憶させる(S50)。次に、監視設定の情報が変更されていないかの判定に進む(S60)。
【0070】
監視設定の情報が変更されなかった場合には、監視装置の終了処理がされたかを判定させるステップ90に進み(S90)、監視装置の終了処理がされない限り、ステップ50からステップ90までが繰り返される。監視装置の終了処理がされると、監視支援装置の終了処理のステップ100に進み(S100)、出力データの管理が終了される。
【0071】
一方、監視設定の情報が変更された場合には、変更された監視設定の情報を抽出させるステップ70に進み(S70)、変更情報抽出手段により変更された監視設定の情報のみを抽出させる。次に、変更された監視設定の情報のみを、認証情報と時刻情報と共に記憶させるステップ80に進み(S80)、これらの情報が変更情報記憶手段に記憶される。次に、監視装置の終了処理がされたかを判定させるステップ90に進み(S90)、監視設定の情報が変更されなかった場合と同様に処理を実行させる。
【実施例2】
【0072】
実施例2においては、有効化手段として、操作手段から監視対象機器への操作信号を遮断させる信号遮断手段を備えた監視支援装置2を、図4を参照して簡単に説明する。図4は、監視支援装置2(図4の一点鎖線参照)と監視装置120との配置図を示している。実施例1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略している。
【0073】
実施例2においては、監視装置120は、タッチして操作が可能な液晶画面121が監視装置本体102に組み込まれた一体型の監視装置とされている。監視装置120は、操作手段及び表示手段として機能される液晶画面121以外の構成は実施例1と共通とされているため、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略している。なお、操作手段及び表示手段として機能される前記液晶画面は、監視装置との一体型に限定されず、通信手段により操作信号を監視装置に伝達させるタブレット端末機器であってもよい。
【0074】
有効化手段が信号遮断手段とされるときには、監視支援装置2をなす信号遮断手段44を介して、監視装置本体102を監視対象機器とされる撮像手段103に接続させ、ログイン認証が有効とされない場合には、操作信号を監視対象機器に伝達させないようにさせればよい。
【0075】
具体的には、実施例1と同様に、認証者判定手段により操作者の認証をさせ、操作者が正当な権限を有するか否かに応じて、監視装置から監視対象機器への出力信号の伝達を、監視支援装置2をなす制御手段に制御させればよい。操作者がログイン認証されない場合には、操作信号を監視対象機器に伝達させないで、監視装置の出力手段からの出力情報を、不正ログインに伴う出力情報として処理させる。操作者がログイン認証される場合には、操作の情報を監視対象機器に伝達させ、真正なログイン認証と共に、操作の情報を、時刻情報と共に記憶させるようにすればよい。
【実施例3】
【0076】
実施例3においては、複数の監視支援装置1が、一つのサーバ用コンピュータ80で一括管理されるデータ管理システム3の例を、図5及び図6を参照して説明する。図5はデータ管理システムのブロック図を示している。図6は、データ管理システムの処理フロー図を示している。実施例3においては、実施例1と共通する構成については同一の符号を付して説明を省略している。なお、図5においては、監視支援装置(A)についてのみ具体的なブロック図を示し、監視支援装置(B)以下は省力している。
【0077】
データ管理システム3は、一つのサーバ用コンピュータ80と、複数の監視装置100(a,b,c・・・)と、それに対応する監視支援装置1(A,B,C・・・)とが、情報接続手段90により接続されて構成される。サーバ用コンピュータ80は、記憶手段81と制御手段82とを備えている。
【0078】
記憶手段81は、監視支援装置の数に対応して複数に区分された記憶領域を有し、各々の記憶領域において監視支援装置の装置識別番号ごとに、出力情報記憶手段、認証情報記憶手段、時刻情報記憶手段として機能される。例えば、監視支援装置1(A)からの情報は第1記憶領域に記憶させ、監視支援装置1(B)からの情報は第2記憶領域に記憶させる。
【0079】
ここで複数に区分された記憶領域とは、一つの記憶装置内の記憶領域を複数に区分させてもよく、装置識別番号ごとに独立した別個の記憶装置としてもよい。記憶手段81は判定識別子を記憶させる判定識別子記憶手段としても機能される。また、記憶手段81の各記憶領域を、変更された監視設定の情報を記憶させる変更情報記憶手段として機能させてもよい。
【0080】
制御手段82は、各監視支援装置1(A,B,C・・・)から伝達された情報を、装置識別番号に基づいて記憶手段81の各記憶領域に記憶させる。また制御手段82を、記憶手段81に記憶させた情報を時系列順に並べてなる監査証跡レポートを作成させる監査証跡作成手段として機能させてもよい。
【0081】
情報接続手段90の通信規格は限定されず、高速通信に適していれば無線であってもよい。データ管理システム3においては、情報接続手段90により接続された時刻情報取得手段60から時刻を取得させている。サーバ用コンピュータ80に、操作者に処理内容を確認させる表示手段83、各記憶領域に記憶させた各情報を出力させる出力手段84、入力手段85を備えさせるとよい。
【0082】
監視支援装置1は、制御手段10、入力手段20、有効化手段40、情報取得手段50の構成については実施例1又は実施例2のいずれであってもよい。図5においては、理解を容易にするために実施例1と同様に示している。サーバ用コンピュータ80の判定識別子記憶手段に記憶された判定識別子を、記憶手段30において一時保存できるようにしておけば、RFIDタグを有する操作者を認識している間だけ、認証を有効とさせることもできる。
【0083】
ここでデータ管理システム3の処理フローを、図6を参照して説明する。図6は、サーバ用コンピュータに記憶された判定識別子を監視支援装置に伝達させる処理、監視装置に係る情報と変更された監視設定情報とをサーバ用コンピュータに伝達させる処理を含んだフロー図を示している。サーバ用コンピュータを備えない実施例1とは、情報を伝達させるステップS200、S210、S220が異なっている。
【0084】
まず監視支援装置が起動され、サーバ用コンピュータと通信され、データ管理システムの処理が開始される(S00)。サーバ用コンピュータの判定識別子記憶手段の判定識別子の情報を、監視支援装置に伝達し記憶手段30(図5参照)に一時的に保存させるステップ200に進む(S200)。一時的に保存して同期をさせない場合には、ステップ200は省略される。
【0085】
操作者の識別子が入力されたかを判定させるステップ(S10)から、操作手段の機能を有効化させるステップ40(S40)までは、複数の監視支援装置で並行して処理がされる点以外は、実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0086】
次に、出力情報と操作者の認証情報と時刻情報とを、サーバ用コンピュータに伝達させるステップ210に進む(S210)。このステップ210では、装置識別番号と共に出力情報と認証情報とが、各々の監視支援装置(A,B,C・・・)からサーバ用コンピュータに伝達され、時刻情報取得手段が時刻情報をサーバ用コンピュータに伝達させる。装置識別番号と共に認証情報と時刻情報を記憶させるステップ50に進み(S50)、サーバ用コンピュータの装置識別番号に対応された記憶領域に、装置識別番号と出力情報と認証情報と時刻情報とを記憶させる。
【0087】
監視設定の情報が変更されていないか判定させるステップ60(S60)に進み、監視設定の情報が変更された場合には、変更された監視設定の情報のみを抽出させるステップ70に進む(S70)。変更された監視設定の情報と操作者の認証情報と時刻情報とをサーバ用コンピュータに伝達させるステップ220に進む(S220)。
【0088】
取得された各情報を記憶させるステップ80に進み(S80)、サーバ用コンピュータの装置識別番号に対応された記憶領域に、監視設定の情報のうち、変更された監視設定の情報のみが、装置識別番号と認証情報と時刻情報と共に記憶される。次に、監視装置の終了処理がされたかを判定させるステップ90に進み(S90)、監視設定の情報が変更されなかった場合と同様に処理を実行させる。
【0089】
(その他)
・実施例2においては、監視支援装置を介して、監視装置を監視対象機器に接続させる例を説明したが、信号遮断手段の態様はこれに限定されない。例えば、操作手段が操作信号を無線通信させるリモコン機器である場合には、実施例1と同様に、信号遮断手段に無線通信の受信手段を備えさせ、信号遮断手段を介して、操作手段を監視装置に接続させればよい。
・実施例3で示したサーバコンピュータは事業所の構内サーバコンピュータに限定されず、クラウドコンピュータ上のサーバコンピュータであってもよいことは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
1,2…監視支援装置、3…データ管理システム、
100…監視装置、200…集積体、201…PTPシート、
10…制御手段、20…入力手段、30…記憶手段、40…有効化手段、
50…情報取得手段、60…時刻取得手段、70…監視支援装置本体、71…表示手段、
41,42…接続端子、43…信号線、51…信号線、
80…サーバ用コンピュータ、81…記憶手段、82…制御手段、
83…表示手段、84…出力手段、85…入力手段、90…情報接続手段、
101…操作手段、102…監視装置本体、103…撮像手段、104…制御手段、
105…記憶手段、106…出力手段、107…表示手段、108…信号線、
109、110…接続端子、
120…監視装置、121…液晶画面、44…信号遮断手段、
204…長手方向端部、205…帯体、
300…搬送路、301…面照明、302…平行光
【要約】      (修正有)
【課題】既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させる監視支援装置およびデータ管理システムを提供する。
【解決手段】監視対象機器(撮像手段103)を監視させる監視装置に適用する監視支援装置であって、操作者が正当なユーザか否かを認証させる認証者判定手段と、監視装置の操作手段の有効化手段と、監視装置から情報を取得する情報取得手段と、を備える。有効化手段により、認証者判定手段が操作者を正当と認証させているときだけに、操作手段の機能を有効化させ、ユーザ認証機能を有さない既存の監視装置を、真正なログインが保証されている状態のみで機能させる。また、監視対象の記録と、真正な認証情報と、操作情報とを、時刻情報と共に記憶させ、既存の監視装置が出力させる電子データの真正性を保証させる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6