特許第6854051号(P6854051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854051
(24)【登録日】2021年3月17日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】部品検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/952 20060101AFI20210329BHJP
   G01N 21/84 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   G01N21/952
   G01N21/84 C
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2017-129303(P2017-129303)
(22)【出願日】2017年6月30日
(65)【公開番号】特開2019-12033(P2019-12033A)
(43)【公開日】2019年1月24日
【審査請求日】2020年5月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 浩一
【審査官】 村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−049515(JP,A)
【文献】 特開平07−092107(JP,A)
【文献】 特開昭64−038640(JP,A)
【文献】 特開2007−033284(JP,A)
【文献】 特開平01−152347(JP,A)
【文献】 特開2003−215054(JP,A)
【文献】 特開2015−163843(JP,A)
【文献】 米国特許第4969746(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査部品が侵入可能なスリットが外周部分に複数形成された回転ディスクと、
回転ディスクの下部に配置され、スリットに侵入した被検査部品を載置する搬送面を有する床部と、
被検査部品の底面を撮像する撮像手段と、
床部に連接して設けられることにより、回転ディスクの間欠回転に伴って床部の搬送面に沿って搬送される被検査部品が移載され、撮像手段が被検査部品の底面を撮像する際には、当該底面を遮断しない位置へ移動する可動床部と、
撮像手段が被検査部品の底面を撮像する際には、被検査部品を回転ディスク側に押圧する押圧手段と、
を備えることを特徴とする部品検査装置。
【請求項2】
撮像手段が被検査部品の底面を撮像する際には、押圧手段が作動した後に、可動床部が作動することを特徴とする請求項1に記載の部品検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査部品を順次搬送しながら搬送面上に載置された被検査部品の外観を検査する部品検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検査部品を順次搬送しながら、その外観を検査する装置としては、特許文献1に示すものがある。この部品傷検査装置は、被検査部品の一例としてナットを検査するものであり、ナットを収納可能な収納溝が外周部に複数形成された回転ディスクを有する。また、回転ディスクの下部にはガイド板が配置されており、収納溝に収納されたナットはガイド板の搬送面に載置される。このため、回転ディスクの収納溝に収納されたナットは、回転ディスクの間欠回転に伴ってガイド板の搬送面に沿って搬送され、間欠回転により一時停止した際に、CCDカメラによって側面および上面が撮像され、これらの部位の傷、寸法等が検査される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−237441号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記部品検査傷検査装置では、被検査部品がガイド板の搬送面に接している部分(被検査部品の底面)がガイド板によって遮断されているので、被検査部品の底面をCCDカメラで撮像して検査することができない問題を有していた。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みて創成されたものであり、被検査部品を連続的に搬送しながら、搬送面上に載置された被検査部品の底面を検査可能な部品検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
被検査部品が侵入可能なスリットが外周部分に複数形成された回転ディスクと、回転ディスクの下部に配置され、スリットに侵入した被検査部品を載置する搬送面を有する床部と、被検査部品の底面を撮像する撮像手段と、床部に連接して設けられることにより、回転ディスクの間欠回転に伴って床部の搬送面に沿って搬送される被検査部品が移載され、撮像手段が被検査部品の底面を撮像する際には、当該底面を遮断しない位置へ移動する可動床部と、撮像手段が被検査部品の底面を撮像する際には、被検査部品を回転ディスク側に押圧する押圧手段とを備える部品検査装置による。
【0007】
なお、撮像手段が被検査部品の底面を撮像する際には、押圧手段が作動した後に、可動床部が作動することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、可動床部が被検査部品の底面を遮断しない位置へ移動することにより、被検査部品の底面を撮像カメラで撮像可能になるとともに、このとき、押圧手段が被検査部品の落下を防止するため、被検査部品を搬送面上に載置して連続的に搬送しながら、被検査部品の底面を検査可能な部品検査装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明である部品検査装置の全体構成を示す平面図。
図2】本発明である部品検査装置の動作を示す要部拡大平面図。
図3】本発明である部品検査装置の動作を示す要部拡大断面図。
図4】本発明である部品検査装置の動作を示す要部拡大平面図。
図5】本発明である部品検査装置の動作を示す要部拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は部品検査装置であり、被検査部品は、頭部および鍔部を有しない棒状部品Wである。部品検査装置の基台(図示せず)には、ベースプレート2が取り付けられており、このベースプレート2には、モータ(図示せず)の駆動にともなって矢印A方向へ円周方向に回転する回転ディスク3が載置されている。
【0011】
前記回転ディスク3の外周縁部には、所定分割角毎にU字形状をなすスリット4が複数個設けられている。また、回転ディスク3には、部品供給フィーダ(図示せず)が連設してあり、順次棒状部品をB地点にあるスリット4へ供給するように構成されている。スリット4は、上部および底部が開口した形状である。
【0012】
回転ディスク3の下部には、スリット4の底部を塞ぐようにして床部5が配置されている。このため、スリット4に供給された棒状部品は、床部5に立設した状態でスリット4に収納され、回転ディスク3の回転に伴って床部5の搬送面5aを摺動しながら搬送される。また、回転ディスク3は、上下に所定の間隔をあけて平行に配置した薄板3a,3bから成るため、スリット4は棒状部品の側面を上下で支持するように構成されている。
【0013】
さらに、回転ディスク3の外周面に沿うようにしてガイド部材6が設けられており、スリット4に収納された棒状部品がスリット4から落下しないようになっている。
【0014】
B地点から所定回転した位置には、図2乃至図5に示す検査ユニット10が配置されている。検査ユニット10は、可動床部11と、押圧手段の一例である押さえ部材12と,撮像手段の一例であるCCDカメラ13とを有している。
【0015】
可動床部11は、床部5と連接して設けられ、エアシリンダ14の駆動によって矢印C方向に往復移動するように構成されている。
【0016】
押さえ部材12は、その先端で棒状部品の側面を横方向から回転ディスク3の中心側へ押圧可能な高さに配置されており、エアシリンダ15の駆動によって矢印D方向に往復移動するように構成されている。
【0017】
可動床部11の下方には、ミラー16が所定角傾斜して配置されており、C地点に到達した棒状部品の底面を映しだすように構成されている。なお、可動床部11とミラー16との間には、図示しない投光器が配置されていることが好ましい。
【0018】
また、ミラー16に映し出された棒状部品の底面を撮像可能な位置には、CCDカメラ13が配置されており、棒状部品の底面を撮像して画像処理することにより、その寸法および傷の有無について良否判定を行うように構成されている。
【0019】
図1に示すように、検査ユニット10が配置された地点からE地点およびF地点にかけても、可動床部11に連接する床部5が設けられており、回転ディスク3の回転に伴って棒状部品は、床部5の搬送面5aを摺動しながら搬送される。
【0020】
また、E地点には、図示しない不良品排出手段が配置されるとともに、ガイド部材6が設けられておらず、この構成により、不良品と判定された棒状部品は、不良品排出手段によって外方向へ排出される。
【0021】
さらに、図1に示すF地点には、ガイド部6および床部5が設けられておらず、CCDカメラ13によって良品と判定された棒状部品は、この地点で落下する。
【0022】
以下、部品検査装置1の動作を説明する。モータの駆動によって間欠回転可能に構成された回転ディスク3は、スリット4がB地点で到達する度に一時停止して部品供給フィーダから供給される棒状部品を順次スリット4内に収納し、回転に伴って床部5の搬送面を摺動させながら検査ユニット10まで搬送する。
【0023】
続いて、可動床部11の上面は床部5の搬送面と同一平面上に連接して設けられているので、回転ディスク3の回転に伴って棒状部品は床部5から可動床部11に移載され、ここで回転ディスク3は一時停止する。このとき、図2および図3に示すように、押さえ部材12は、後退しており、棒状部品を押圧しない位置にある。
【0024】
続いて、CCDカメラ13により棒状部品を撮像する場合、図4および図5に示すように、押さえ部材12がエアシリンダ15の駆動により、棒状部品の側面を押圧する位置まで前進する。そして、可動床部11がエアシリンダ14の駆動により後退し、棒状部品の底面が露わになる。このため、ミラー16には棒状部品の底面が映し出され、これをCCDカメラが撮像して画像処理する。
【0025】
上記検査が終了すると、押さえ部材12は再び後退するとともに、可動床部11は再び前進し、図2及び図3に示す位置に戻る。
【0026】
続いて、回転ディスク3は、回転を開始し、棒状部品の底面を床部5に摺動させながらE地点まで搬送する。このとき、上記検査によって不良品と判定されたものは、E地点で排出される。
【0027】
一方、良品と判定された棒状部品は、E地点で排出されることなく、F地点まで搬送され、ここで回収される。
【0028】
上記部品検査装置によれば、検査ユニット10が、可動床部11が棒状部品の底面を遮断しない位置へ移動することにより、CCDカメラ13で撮像可能になるとともに、このとき、押さえ部材12が棒状部品の落下を防止するように構成されている、このため、回転ディスク3によって棒状部品を立設させた状態で連続搬送する機構でありながら、その底面を検査可能な部品検査装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 部品検査装置
2 ペースプレート
3 回転ディスク
3a,3b 薄板
4 スリット
5 床部
6 ガイド部材
10 検査ユニット
11 可動床部
12 押さえ部材
13 CCDカメラ
14,15 エアシリンダ
16 ミラー
W 棒状部品
図1
図2
図3
図4
図5