(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成部は、前記行動情報と前記遺伝子情報とに加えて、前記利用者の環境を示す環境情報、または、前記利用者の身体的な情報を示す身体情報の少なくともいずれか1つに基づいて、前記状態情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
前記生成部は、前記行動情報として、前記利用者によるウェブ検索の内容、または、前記利用者による所定の電子商店街の利用履歴の少なくともいずれか1つに基づいて、前記状態情報を生成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報提供装置。
前記生成部は、特定された疾患と関連性を有する行動を示す前記行動情報の数若しくは内容に基づいて、前記特定した疾患のリスクの値を推定し、推定されたリスクの値に応じて異なる態様で提供される情報を、前記状態情報として生成する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の情報提供装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法および情報提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1−1.情報提供装置の一例〕
まず、
図1を用いて、情報提供装置が実行する情報提供処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報提供装置が実行する情報提供処理の一例を示す図である。
図1では、情報提供装置10は、インターネット等の所定のネットワークNを介して、利用者U01が使用する利用者端末100、医師等といった医療従事者が使用する病院端末200、遺伝子解析を行う解析業者が使用する解析業者端末300といった情報処理装置と通信可能である。なお、情報提供装置10は、
図1に示した利用者端末100以外にも、任意数の利用者が使用する任意の数の利用者端末100と通信可能であるものとする。また、情報提供装置10は、
図1に示した病院端末200以外にも、任意の医療従事者が使用する病院端末200や、任意の病院に設置された病院端末200と通信可能である。また、情報提供装置10は、任意の解析業者が使用する任意の数の解析業者端末300と通信可能である。
【0011】
情報提供装置10は、後述する情報提供処理を実行する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。また、病院端末200は、医師等の医療従事者が使用する端末装置であり、例えば、PC(Personal Computer)等の情報処理装置である。また、解析業者端末300は、遺伝子解析を行う業者が使用する端末装置であり、例えば、PC等の情報処理装置である。
【0012】
利用者端末100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、利用者端末100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPCやノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0013】
〔1−2.遺伝子解析について〕
ここで、情報提供装置10は、利用者からの許諾をあらかじめ得ることを前提に、利用者が有する遺伝子の情報に基づいた各種の情報提供サービスを実現する。例えば、情報提供装置10は、サービスの利用登録をおこなった利用者U01の遺伝子の解析を解析業者に依頼し、解析業者から利用者U01の遺伝子の解析結果である遺伝子情報を受付けると、受付けた遺伝子情報に基づいた各種のサービスを利用者U01に対して提供する。
【0014】
このような遺伝子情報には、利用者U01が有する身体的な因子を示す情報が含まれる。例えば、遺伝子情報には、利用者U01の遺伝子配列、利用者U01が有すると予測されるアレルギーの種別、利用者U01がどのような病気(例えば、癌や糖尿病等)にかかりやすいか、利用者U01の身体がどのような状態になりやすいか(例えば、太りやすいのか、痩せやすいのか等)といった情報が含まれる。また、遺伝子情報には、利用者U01が有する身体的な因子のみならず、例えば、利用者U01が興奮しやすいか否か、利用者U01が落ち込みやすいか否か等といった、利用者U01の性格の指標となりえる情報が含まれていてもよい。このように、遺伝子情報は、身体的な因子や精神的な因子等、利用者が有する先天的特徴を示す情報となりえる。なお、遺伝子情報には、上述した情報以外にも、解析可能な各種の情報が含まれていてもよい。
【0015】
また、遺伝子情報は、偶発的所見等の観点から、利用者U01本人の遺伝子情報であっても、利用者U01に直接提供される情報と、医師などの第三者を介して提供されるべき情報とが含まれると考えられる。そこで、情報提供装置10は、遺伝子情報を、利用者U01に対して直接提供可能な情報と、医師等の第三者を介して提供される情報とに分けて提供する。
【0016】
〔1−3.情報提供処理について〕
ここで、利用者の体調等といった変動する情報のみに基づいて、利用者の体調変化等、利用者の各種状態を予測した場合には、予測精度が悪化する恐れがある。そこで、情報提供装置10は、利用者の遺伝子情報、すなわち、利用者に関する不変的な情報を用いて、利用者の状態に応じた状態情報を生成し、生成した状態情報の提供を行う。具体的には、情報提供装置10は、利用者のネットワーク上における行動を示す行動情報と、利用者の遺伝子情報とを取得し、取得された行動情報と遺伝子情報とに基づいて、状態情報を生成する。
【0017】
〔1−3−1.行動情報について〕
ここで、行動情報とは、例えば、利用者によるウェブ検索の内容や、利用者による所定の電子商店街の利用履歴等、ネットワーク上において利用者が行った任意の行動を示す情報である。例えば、情報提供装置10は、ウェブ検索の内容として、利用者がウェブ検索において入力した検索クエリの履歴、ウェブ検索の結果閲覧したウェブページの履歴等を示す行動情報を取得してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、利用者が電子商店街で閲覧した商品の履歴や購入した商品の履歴等を示す行動情報を取得してもよい。
【0018】
また、情報提供装置10は、上述した行動情報以外にも、例えば、利用者が閲覧したウェブページやウェブコンテンツの履歴、利用者がダウンロードしたアプリケーションの履歴、利用者が実行したアプリケーションの履歴、利用者が選択した広告の履歴、オークションで利用者が閲覧した商品の履歴や入札した商品の履歴等を示す行動情報を収集してもよい。また、情報提供装置10は、利用者が行った路線検索の履歴、すなわち、利用者がどこからどこまで移動したかを示す履歴や、ブログ等に投稿した内容等を行動情報として取得してもよい。このように、情報提供装置10は、利用者が行ったネットワークと関連する任意の行動を示す情報を、行動情報として収集すればよい。
【0019】
なお、情報提供装置10は、利用者が行った各種の行動の履歴のみならず、これらの履歴から予測される利用者の行動、すなわち、予測された利用者の将来の行動を示す行動情報を取得してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が閲覧したウェブページの履歴等から、利用者が選択するであろう(すなわち、利用者が気に入るであろう)広告の内容や種別を示す行動情報を予測してもよい。また、情報提供装置10は、利用者が購入した商品の履歴等から、利用者が購入するであろう商品を示す行動情報を予測してもよい。
【0020】
〔1−3−2.他の情報を考慮した情報提供処理について〕
また、情報提供装置10は、利用者の行動情報および利用者の遺伝子情報以外にも、利用者の状態を予測する要因となりえる情報であれば、任意の情報を取得し、取得した情報を考慮して、利用者の状態情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者の脈拍、血圧、体重等の推移を示す情報、すなわち、利用者の身体的な状態を示す身体情報を取得し、取得した身体情報を考慮して、状態情報を生成してもよい。また、例えば、情報提供装置10は、利用者の位置、その位置の気温、気圧、天気等、利用者を取り巻く環境の状態を示す環境情報を取得し、取得した環境状態を考慮して、状態情報を生成してもよい。また、情報提供装置10は、これら行動情報、身体情報、および環境情報を任意の組み合わせで遺伝子情報と共に使用して、状態情報を生成してもよい。
【0021】
〔1−3−3.状態情報について〕
ここで、情報提供装置10は、利用者の状態を示す情報であれば、任意の情報を状態情報として生成してよい。例えば、情報提供装置10は、行動情報と遺伝子情報とに基づいて、利用者が有する身体的、精神的なリスクを示すリスク情報として状態情報を生成してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、遺伝子情報が示す各種の情報と、行動情報が示す利用者の行動との相関に基づいて、利用者の身体的なリスクを示す状態情報を生成する。すなわち、情報提供装置10は、遺伝子情報が示す利用者の先天的特徴と、行動情報とのマッチング結果に基づいて、利用者の身体的なリスクを示す状態情報を生成する。例えば、情報提供装置10は、遺伝子情報と行動情報とから、利用者の現在または将来の状態を推定し、推定した状態に応じて、利用者に対して提案する情報を生成する。
【0022】
以下、情報提供装置10が状態情報を生成する処理の具体例について、幾つか説明する。例えば、情報提供装置10は、所定の疾患が発生しやすい遺伝子を有する旨を遺伝子情報が示す場合、すなわち、所定の疾患が発生しやすい先天的特徴を利用者が有する場合には、その疾患と関連性のある行動を行動情報から特定する。より具体的には、情報提供装置10は、利用者が、糖尿病になりやすい遺伝子を有する場合には、糖分が多く含まれる食品や酒類の購入履歴が行動情報に含まれているか否かや、糖分が多く含まれる食品や酒類の購入頻度を特定する。そして、情報提供装置10は、糖分が多く含まれる食品や酒類の購入履歴が行動情報に含まれている場合や、購入頻度が所定の閾値よりも多い場合には、糖尿病の恐れがある旨を示す状態情報を生成する。
【0023】
また、例えば、情報提供装置10は、複数の利用者の行動情報と遺伝子情報とから、利用者の状態情報を生成してもよい。より具体的には、情報提供装置10は、各利用者の行動情報の共通性と、各利用者の遺伝子情報の共通性とに基づいて、各利用者の状態情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、ある疾患になりやすい遺伝子を有する複数の利用者を特定し、特定した各利用者が共通して行っている行動を行動履歴から特定する。そして、情報提供装置10は、その疾患になりやすい遺伝子を有していない利用者等のうち、特定した行動を行っている利用者に対し、その疾患になりやすい旨を示す状態情報を提供してもよい。
【0024】
また、情報提供装置10は、環境情報や身体情報を考慮して、状態情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、心臓に疾患が生じやすい遺伝子を有する利用者を特定する。また、情報提供装置10は、特定した利用者の脈拍や血圧、特定した利用者の現在位置や気温、気圧等を環境情報や身体情報から特定する。そして、情報提供装置10は、例えば、急激な血圧の変動が認められる場合や、気温や気圧が大きく変動する場合には、心臓の疾患が生じやすくなっている旨の状態情報を提供してもよい。また、情報提供装置10は、行動情報、身体情報および環境情報から各種の疾患が生じうる可能性のスコアを算出し、算出したスコアが所定の閾値を超えた場合には、対応する疾患が生じうる旨の状態情報を提供してもよい。
【0025】
なお、情報提供装置10は、上述した状態情報以外にも、利用者が有するリスクを示す状態情報であれば、任意の内容の状態情報を生成してよい。また、情報提供装置10は、疾患の発生のみならず、例えば、糖尿病になりやすくなる旨を示す状態情報等、疾患に対する注意を促す内容の状態情報を生成してもよい。
【0026】
また、情報提供装置10は、遺伝子情報と状態情報とを組み合わせた状態情報を生成してもよい。例えば、情報提供装置10は、上述した状態情報と共に、利用者が有する遺伝子情報のうち、各種の疾患に関連する遺伝子情報を含む状態情報を提供してもよい。このような情報は、利用者に対してリスクを認識させるのみならず、医師等に対して提供されることで、より適切な医療行為の実現を促すことができる。
【0027】
また、情報提供装置10は、状態情報が所定の条件を満たす場合には、所定の警告を出力してもよい。例えば、情報提供装置10は、心臓に疾患が生じやすい遺伝子を有する利用者の血圧が急激に上昇している場合等、予測される利用者の状態が緊急を要する場合には、利用者に対して各種の警告を通知してもよい。なお、状態情報は、上述したように、利用者の状態を医療的な観点から示す情報であってもよく、他にも、利用者の状態を、広告配信や商品の提案等に利用可能な態様で示す各種の情報であってもよい。
【0028】
〔1−3−4.状態情報の提供先について〕
ここで、情報提供装置10は、利用者や利用者が許諾した他の利用者に対して、生成した状態情報を提供する。例えば、情報提供装置10は、利用者U01の遺伝子情報と行動情報とから生成した状態情報、すなわち、利用者U01の現在または将来の状態を示す状態情報を、利用者U01に対して提供してもよく、例えば、利用者U01が許諾した家族や医師等の他の利用者に対して提供してもよい。
【0029】
また、情報提供装置10は、状態情報の提供先となる利用者に応じて、状態情報のうち提供する範囲の変更や制御を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者が許諾した他の利用者が、医師等の医療関係者である場合には、偶発的所見の観点から、遺伝子情報や状態情報を含む状態情報の全体を提供してもよい。一方で、遺伝子情報の内容や状態情報の内容には、癌等といった重篤な疾患になりやすい等の情報が含まれる場合がある。そこで、利用者の心理的な負担を考慮し、情報提供装置10は、遺伝子を提供した利用者本人に対しては、状態情報のうち所定の範囲のみを提供してもよい。例えば、情報提供装置10は、重篤な遺伝子疾患等を有する旨を利用者U01の状態情報が示す場合には、利用者U01の許諾を得た医師のみに状態情報を提供し、利用者U01に対しては、状態情報を提供せずともよい。
【0030】
〔1−3−5.行動情報と遺伝子情報との関係性の学習について〕
なお、情報提供装置10は、行動情報と遺伝子情報との関係性を学習したモデルを用いて、状態情報の生成を行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、所定の疾患について、どのような遺伝子情報を有する利用者がどのような行動を行っているか、どのような行動を行った際に、遺伝子情報が示す疾患に罹患しやすいか等といった行動情報と遺伝子情報との共起性をモデルに学習させる。そして、情報提供装置10は、利用者から取得した行動情報と遺伝子情報とをモデルに入力することで、発現する可能性の高い疾患等を示す状態情報を生成してもよい。
【0031】
また、情報提供装置10は、前回生成した状態情報と、利用者の実際の状態との差分に基づいて、行動情報と遺伝子情報とから状態情報を生成する手法を修正してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U01の行動情報や遺伝子情報等に基づいて、糖尿病に罹患しやすい旨を示す状態情報を生成したものとする。そして、情報提供装置10は、状態情報を生成してから所定の時間が経過するまでの間に、利用者U01が糖尿病に罹患した場合には、利用者U01の行動情報と遺伝子情報との関係が、糖尿病に罹患しやすい利用者の行動情報と遺伝子情報との関係であるものとして、モデルの再学習を行う。この結果、情報提供装置10は、様々な利用者に対して状態情報を生成すればするほど、状態情報の精度を向上させることができる。
【0032】
なお、情報提供装置10は、任意のモデルを用いて、上述した処理を実行して良い。例えば、情報提供装置10は、GWAS(Genome-Wide Association Study)を用いた学習器や、ディープラーニング、SVM(Support Vector Machine)等、任意の機械学習の技術を用いて、行動情報と遺伝子情報との関連性を学習し、学習結果に基づいて、利用者の状態情報を生成すればよい。
【0033】
〔1−4.情報提供処理の一例〕
次に、
図1を用いて、情報提供処理の一例について説明する。また、以下の例では、情報提供装置10は、利用者U01の遺伝子情報、行動情報、身体情報および環境情報に基づいて、利用者U01が有するリスクなど、利用者の状態を示す状態情報を生成し、生成した状態情報を利用者U01や利用者U01が許諾した医師に対して提供する処理の一例について説明する。
【0034】
まず、情報提供装置10は、利用者U01が使用する利用者端末100を介して、利用者登録を受付ける(ステップS1)。このような利用者登録時においては、利用者U01に対し、遺伝子情報の保存、遺伝子情報の利用、遺伝子情報を用いた状態情報の生成および配信、利用者U01が許可した医師等への遺伝子情報や状態情報の提供、モデルの修正等に用いる旨の許諾を受付ける。また、情報提供装置10は、利用者U01に対して診断等といった各種の医療行為を行う医師の登録を受付ける。
【0035】
続いて、情報提供装置10は、遺伝子の解析依頼を、解析業者に対して送信する(ステップS2)。このような場合、解析業者は、利用者U01に対して血液、唾液、毛髪等といった生体サンプルの採取キットを送信する。そして、利用者U01は、採取キットを用いて採取された生体サンプルを解析業者に提供する(ステップS3)。このような場合、解析業者は、利用者U01の遺伝子情報を解析し(ステップS4)、遺伝子情報を情報提供装置10に登録する(ステップS5)。
【0036】
また、情報提供装置10は、利用者U01の行動情報や身体情報を収集する(ステップS6)。例えば、情報提供装置10は、利用者U01が使用するウェアラブルデバイス等から、利用者U01の血圧等を取得し、利用者端末100や図示を省略したログサーバ等から、利用者U01の行動情報を取得する。この際、情報提供装置10は、GPS(Global Positioning System)等を用いて利用者U01の現在位置を特定し、特定した利用者U01の現在位置の気温や気圧等といった環境情報を取得してもよい。
【0037】
そして、情報提供装置10は、行動情報を含むリスク解析用情報と、遺伝子情報とから、利用者が有するリスクの状態を示す状態情報、すなわち、状態情報を生成する(ステップS7)。例えば、情報提供装置10は、リスク解析用情報データベース31を有し、リスク解析用情報データベース31に、リスク解析用情報R10を格納する。このようなリスク解析用情報R10には、取得した利用者U01の行動情報R01、身体情報R02、および環境情報R03が含まれている。また、情報提供装置10は、遺伝子情報データベース32を有し、遺伝子情報データベース32に、解析業者から登録を受付けた利用者U01の遺伝子情報G10を格納する。
【0038】
まず、情報提供装置10は、遺伝子情報データベース32から利用者U01の遺伝子情報G10を読み出すと、読み出した遺伝子情報G10から利用者U01が罹患しやすい疾患など、遺伝子情報G10から特定可能な利用者U01の先天的特徴を特定する。そして、情報提供装置10は、リスク解析用情報データベース31に登録されたリスク解析用情報R10と、特定した先天的特徴とのマッチングを行い、利用者に対して提供する状態情報C10を生成する。例えば、情報提供装置10は、利用者が遺伝的に高血圧になりやすいという先天的特徴を特定した際に、利用者が比較的カロリーが高い食品を頻繁に購入している旨の行動情報R01が取得された場合には、高血圧の警告を含む状態情報C10を生成する。なお、情報提供装置10は、ステップS6およびステップS7を、所定の時間間隔で実行する。
【0039】
そして、情報提供装置10は、利用者U01から状態情報C10の提供要求を受付けた場合には(ステップS8)、状態情報C10を提供する。より具体的には、情報提供装置10は、利用者U01または利用者U01が許諾した他の利用者に対し、状態情報C10のうち提供する範囲を利用者の種別に応じて決定し、決定した範囲を配信する(ステップS9)。例えば、情報提供装置10は、利用者の種別が登録された利用者種別データベース33と、各利用者に対して状態情報の閲覧を許可した利用者が登録された利用者許諾データベース34とを有する。このような場合、情報提供装置10は、状態情報の要求元となる利用者の種別と、その利用者に対する許諾の状態とに応じて、状態情報の要求元となる利用者に対して提供する状態情報の範囲を決定する。
【0040】
例えば、利用者種別データベース33には、利用者を識別する利用者ID(Identifier)と、利用者の種別とが対応付けて登録されている。また、利用者許諾データベース34には、利用者IDに対し、その利用者IDが示す利用者に対して状態情報の閲覧を許可した利用者の利用者IDが許諾IDとして対応付けて登録されている。このような情報が登録されている場合、情報提供装置10は、まず、状態情報C10の要求元である利用者U01の利用者ID「ID#1」と対応付けられた種別「本人」を特定する。この結果、情報提供装置10は、状態情報C10の要求元が利用者U01本人であるので、状態情報のうち、予め定められた所定の範囲を利用者U01に対して提供する(ステップS10)。
【0041】
ここで、情報提供装置10は、病院端末200を使用する医師から認証および提供要求を受付けたものとする(ステップS11)。このような場合、情報提供装置10は、要求元となる医師の認証を行うとともに、医師の利用者ID「ID#2」と対応付けられた種別「医師」を特定する。また、情報提供装置10は、医師の利用者ID「ID#2」と対応付けられた許諾ID「ID#1」を特定する。このような場合、状態情報C10の要求元となる医師に対しては、利用者U01が状態情報C10の提供を許諾している。このため、情報提供装置10は、状態情報C10の要求元となる医師に対し、状態情報のみならず、遺伝子情報G10の内容や、遺伝子情報G10が示す先天的特徴等を含むすべての状態情報C10を提供する(ステップS12)。この結果、医師は、状態情報C10を用いて、利用者U01の診断や各種疾患の通知等を行う(ステップS13)。
【0042】
また、情報提供装置10は、所定の疾患に罹患している可能性が高い場合等、ステップS7にて生成した状態情報が所定の要件を満たす場合は、各種の警告を含むアラート通知を利用者U01の利用者端末100に送信する(ステップS14)。この結果、利用者U01は、疾患や健康状態に対する各種の対応を迅速に行うことができる。
【0043】
〔2.情報提供装置の構成〕
以下、上記した情報提供処理を実現する情報提供装置10が有する機能構成の一例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、通信部20、記憶部30、および制御部40を有する。
【0044】
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、利用者端末100、病院端末200、解析業者端末300の他、利用者のネットワーク上の行動を示すログデータを管理するログサーバ400との間で情報の送受信を行う。
【0045】
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部30は、リスク解析用情報データベース31、遺伝子情報データベース32、利用者種別データベース33、利用者許諾データベース34、および状態情報データベース35(以下、「各データベース31〜35」と記載する場合がある。)を記憶する。
【0046】
以下、
図3〜
図6を用いて、各データベース31〜35に登録される情報の一例について説明する。
図3は、実施形態に係るリスク解析用情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図3に示す例では、リスク解析用情報データベース31には、「利用者ID」および「リスク解析用情報」といった項目を有する情報が登録される。また、「リスク解析用情報」には、「行動情報」、「身体情報」、「環境情報」といった項目に属する各種の情報が登録される。
【0047】
「利用者ID」は、利用者を識別する識別子である。また、「リスク解析用情報」は、対応付けられた利用者IDが示す利用者の行動情報R01、身体情報R02、および環境情報R03を含む情報である。例えば、
図3に示す例では、リスク解析用情報データベース31には、利用者U01の行動情報R01として、電子商店街における購買履歴「購買履歴#1、購買履歴#2」、ウェブ検索における検索クエリ「検索クエリ#1、検索クエリ#2」、閲覧したウェブページの閲覧履歴「閲覧履歴#1、閲覧履歴#2」、オークションの入札履歴「入札履歴#1、入札履歴#2」、路線検索等に基づく移動履歴「移動履歴#1、移動履歴#2」等が登録されている。
【0048】
また、例えば、リスク解析用情報データベース31には、利用者U01の身体情報R02として、脈拍「脈拍#1、脈拍#2」、血圧「血圧#1、血圧#2」、体重「体重#1、体重#2」等が登録されている。また、例えば、リスク解析用情報データベース31には、利用者U01の環境情報R03として、利用者の現在位置を示す位置「位置#1、位置#2」、現在位置の気温「気温#1、気温#2」、現在位置の気圧「気圧#1、気圧#2」、現在位置の天気「天気#1、天気#2」等が登録されている。
【0049】
なお、
図3に示す情報以外にも、リスク解析用情報データベース31には、各利用者のリスク解析用情報R10が登録されているものとする。また、
図1に示す例では、「購買履歴#1」や「検索クエリ#1」等といった概念的な値を記載したが、実際には、リスク解析用情報データベース31には、各項目の内容を示す各種の情報が登録されることとなる。
【0050】
図4は、実施形態に係る遺伝子情報データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図4に示す例では、遺伝子情報データベース32には、「利用者ID」および「遺伝子情報」といった項目を有する情報が登録される。ここで、「遺伝子情報」とは、対応付けられた利用者IDが示す利用者の遺伝子情報G10を示す情報である。なお、
図4に示す例では、遺伝子情報G10として、「解析データ#1」、「解析データ#4」等といった概念的な値を記載したが、実際には、遺伝子情報データベース32には、遺伝子情報G10として、遺伝子配列や各種疾患に対応する遺伝子の有無等を示す情報が登録される。
【0051】
例えば、
図4に示す例では、遺伝子情報データベース32には、利用者ID「ID#1」と遺伝子情報「解析データ#1」とが対応付けて登録されている。このような情報は、利用者ID「ID#1」が示す利用者U01の遺伝子情報G10が、遺伝子情報「解析データ#1」である旨を示す。
【0052】
図5は、実施形態に係る利用者種別データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図5に示す例では、利用者種別データベース33には、「利用者ID」および「種別」といった項目を有する情報が登録される。ここで、「種別」とは、対応付けられた利用者IDが示す利用者の種別を示す情報である。
【0053】
例えば、
図5に示す例では、利用者種別データベース33には、利用者ID「ID#1」と種別「本人」とが対応付けて登録され、利用者ID「ID#2」と種別「医師」とが対応付けて登録され、利用者ID「ID#3」と種別「ユーザ家族」とが対応付けて登録され、利用者ID「ID#4」と種別「本人」とが対応付けて登録されている。このような情報は、利用者ID「ID#1」、「ID#4」が示す利用者が、遺伝子解析を依頼した利用者本人である旨を示し、利用者ID「ID#2」が示す利用者が、いずれかの利用者の診察を行う医師である旨を示し、利用者ID「ID#3」が示す利用者が、いずれかの利用者の家族である旨を示す。
【0054】
図6は、実施形態に係る利用者許諾データベースに登録される情報の一例を示す図である。
図6に示す例では、利用者許諾データベース34には、「利用者ID」および「許諾ID」といった項目を有する情報が登録される。ここで、「許諾ID」とは、対応付けられた利用者IDが示す利用者に対して状態情報の閲覧を許可した利用者の利用者IDを示す情報である。なお、許諾ID「null」とは、許諾の必要が無い、または、許諾が行われていない旨を示す。
【0055】
例えば、
図6に示す例では、利用者許諾データベース34には、利用者ID「ID#2」と許諾ID「ID#1」とが対応付けて登録され、利用者ID「ID#3」と許諾ID「ID#1」とが対応付けて登録されている。このような情報は、利用者ID「ID#2」、「ID#3」が示す利用者に対し、利用者ID「ID#1」が示す利用者が状態情報の閲覧を許諾している旨を示す。
【0056】
図2に戻り、説明を続ける。状態情報データベース35には、情報提供装置10が生成した状態情報C10が登録されている。例えば、状態情報データベース35には、各利用者について生成された状態情報C10が順次登録されることとなる。
【0057】
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサによって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
【0058】
図2に示すように、制御部40は、登録受付部41、収集部42、取得部43、生成部44、要求受付部45、決定部46、および提供部47を有する。登録受付部41は、利用者U01からの利用者登録を受付ける。このような場合、登録受付部41は、利用者U01に対して一意な利用者IDを付与するとともに、解析業者端末300に対して利用者U01の遺伝子情報の解析を依頼する。
【0059】
また、登録受付部41は、利用者U01に対して付与した利用者IDと、種別「本人」とを対応付けて利用者種別データベース33に登録する。また、登録受付部41は、利用者U01が状態情報の提供を許諾する他の利用者の種別の登録を受付ける。このような場合、登録受付部41は、利用者U01が登録した他の利用者の利用者IDと、利用者U01が登録した種別とを対応付けて利用者種別データベース33に登録する。また、登録受付部41は、利用者U01の利用者IDを許諾IDとして、利用者U01が許諾した利用者の利用者IDとを対応付けて利用者許諾データベース34に登録する。
【0060】
収集部42は、利用者U01の遺伝子情報G10と、利用者U01のリスク解析用情報R10を収集する。例えば、収集部42は、利用者U01の遺伝子情報G10を解析業者端末300から受付けると、受付けた遺伝子情報G10を利用者U01の利用者IDと対応付けて遺伝子情報データベース32に登録する。また、収集部42は、ログサーバ400等から、利用者U01の行動情報R01を収集し、利用者端末100等から利用者U01の身体情報R02を収集し、天気予報を管理するサーバ等から、利用者U01の環境情報R03を収集する。そして、収集部42は、収集した行動情報R01、身体情報R02、および環境情報R03を、リスク解析用情報R10として、リスク解析用情報データベース31に登録する。
【0061】
取得部43は、利用者U01のネットワーク上における行動を示す行動情報R01と、利用者U01の遺伝子情報G10とを取得する。例えば、取得部43は、所定の時間間隔で、状態情報を生成する対象となる利用者のリスク解析用情報R10と、遺伝子情報G10とを、リスク解析用情報データベース31および遺伝子情報データベース32から取得する。
【0062】
生成部44は、行動情報R01と遺伝子情報G10とに基づいて、利用者U01の状態に応じた状態情報C10を生成する。より具体的には、生成部44は行動情報R01と、遺伝子情報G10が示す先天的特徴とに基づいて、状態情報C10を生成する。そして、生成部44は、生成した状態情報C10を、状態情報データベース35に格納する。具体的には、生成部44は、行動情報R01と遺伝子情報G10とに加えて、環境情報R03、または、身体情報R02の少なくともいずれか1つに基づいて、状態情報C10を生成する。例えば、生成部44は、取得部43が取得したリスク解析用情報R10から、行動情報R01として、検索クエリ等といった利用者U01によるウェブ検索の内容や、購買履歴等といった利用者U01による所定の電子商店街の利用履歴を用いて、利用者の現在または将来の状態を示す状態情報を生成する。
【0063】
ここで、生成部44は、状態情報として、利用者U01が罹患しやすい疾患等、利用者U01が有するリスクを示す状態情報を生成してもよい。また、生成部44は、状態情報として、遺伝子情報G10と状態情報とを組み合わせた状態情報を生成してもよい。また、生成部44は、例えば、遺伝子情報G10が示す利用者U01の先天的特徴と、行動情報R01とのマッチング結果に基づいて、利用者U01が有するリスクを示す状態情報を生成してもよい。
【0064】
また、生成部44は、行動情報R01と遺伝子情報G10とに基づいて、利用者U01の状態を推定し、推定された状態に応じて、利用者U01に対して提案する情報を、状態情報C10として生成してもよい。例えば、生成部44は、利用者U01が糖尿病になりやすい遺伝子を有し、かつ、行動情報R01に、「のどが渇く」等といった糖尿病に罹患した際の身体的な特徴を示す検索クエリが含まれている場合には、利用者U01が糖尿病であると判定する。そして、生成部44は、利用者U01が糖尿病であると判定した場合には、利用者U01に対して、医師による診断を提案する情報を、状態情報C10として生成してもよい。
【0065】
なお、生成部44は、行動情報R01と遺伝子情報G10との関係性や、行動情報R01と遺伝子情報G10が示す先天的特徴との関係性を学習した学習器を用いて、上述した状態情報の生成を実行してもよい。例えば、生成部44は、行動情報R01と遺伝子情報G10との共起性を学習した学習器を用いて、状態情報の生成を実現してもよい。また、生成部44は、前回生成した状態情報C10と、利用者U01の実際の状態との差分に基づいて、行動情報R01と遺伝子情報G10とから状態情報C10を生成する手法を修正してもよい。また、生成部44は、生成された状態情報が所定の条件を満たす場合には、所定の警告を出力するように提供部47に対して指示する。
【0066】
要求受付部45は、利用者U01や利用者U01が許諾した他の利用者等から、状態情報の提供要求を受付ける。このような場合、要求受付部45は、要求元となる利用者の認証を行うとともに、要求元の利用者を示す利用者IDを決定部46に出力する。
【0067】
決定部46は、状態情報のうち提供する範囲を決定する。より具体的には、決定部46は、要求元となる利用者の種別に応じて、状態情報C10のうち提供する範囲を変更する。例えば、決定部46は、要求元となる利用者が、医師等の医療関係者である場合には、状態情報C10の全体を提供する旨を決定する。また、決定部46は、要求元となる利用者が、遺伝子解析を依頼した本人である場合には、状態情報C10のうち、予め定められた一部の範囲を提供する旨を決定する。
【0068】
例えば、決定部46は、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた種別を利用者種別データベース33から特定する。そして、決定部46は、特定した種別が「本人」である場合には、状態情報C10のうち、予め定められた所定の範囲を提供する旨を決定する。一方、決定部46は、特定した種別が「ユーザ家族」である場合には、状態情報C10のうち、利用者の家族に対して提供する範囲として予め定められた所定の範囲を提供する旨を決定する。また、決定部46は、特定した種別が「医師」である場合には、状態情報C10の全体を提供する旨を決定する。
【0069】
続いて、決定部46は、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた種別が「本人」である場合には、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応する状態情報を状態情報データベース35から読み出す。そして、決定部46は、読み出した状態情報のうち、決定した範囲を提供部47に対して出力する。例えば、決定部46は、リスク解析情報R10と遺伝子情報G10とに基づいて、利用者が罹患している可能性の高い疾患を列挙した状態情報C10が生成された場合、利用者が罹患している可能性の高い疾患のうち、重篤な疾患を除外した状態情報C10を、提供部47に対して出力する。
【0070】
一方、決定部46は、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた種別が「本人」以外の種別である場合には、種別に応じて状態情報C10のうち提供する範囲を決定する。例えば、決定部46は、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた種別が「医師」である場合には、状態情報C10の全体や、遺伝子情報G10を提供対象として決定する。また、決定部46は、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた種別が「ユーザ家族」である場合には、例えば、利用者が罹患している可能性の高い疾患のうち、診断に注意を要する疾患以外の疾患や、重篤な疾患を提供対象として決定する。
【0071】
続いて、決定部46は、利用者許諾データベース34を参照し、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた許諾IDを特定する。そして、決定部46は、特定した許諾IDと対応する状態情報を状態情報データベース35から読み出し、読み出した状態情報のうち、決定した範囲を提供部47に対して出力する。また、決定部46は、要求受付部45から受付けた利用者IDと対応付けられた種別が「本人」以外の種別であり、かつ、利用者許諾データベース34から特定した許諾IDが「null」である場合には、許諾を得ていないものとして、状態情報を提供しない旨を出力するよう、提供部47に指示する。
【0072】
例えば、決定部46は、利用者ID「ID#2」を要求受付部45から受付けた場合には、利用者ID「ID#2」と対応付けられた種別「医師」を利用者種別データベース33から特定し、利用者ID「ID#2」と対応付けられた許諾ID「ID#1」を特定する。このような場合、決定部46は、状態情報C10の提供先が、利用者ID「ID#1」が示す利用者によって許諾を受けた医師であるので、利用者ID「ID#1」が示す利用者の状態情報C10や、遺伝子情報G10の全体を提供対象とする。
【0073】
提供部47は、状態情報C10を提供する。例えば、提供部47は、状態情報の要求元に対して、決定部46から受付けた状態情報を提供する。また、提供部47は、状態情報を提供しない旨を出力するよう指示された場合には、状態情報が提供できない旨を、状態情報の要求元に対して提供する。また、提供部47は、所定の警告を出力するように生成部44から指示された場合には、生成部44が生成した状態情報に対応する利用者に対して、各種の警告を提供する。
【0074】
〔3.処理の流れの一例〕
次に、
図7、
図8を用いて、情報提供装置10が実行する情報提供処理の流れの一例について説明する。
図7は、実施形態に係る情報提供装置が状態情報を生成する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。また、
図8は、実施形態に係る情報提供装置が状態情報を提供する処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【0075】
まず、
図7を用いて、情報提供装置10が状態情報C10を生成する処理の流れの一例を説明する。まず、利用者U01は、利用者登録とともに、遺伝子情報G10の利用許諾を情報提供装置10に送信する(ステップS101)。このような場合、情報提供装置10は、許諾情報に基づいて、利用者IDを利用者U01に提供する(ステップS102)。続いて、利用者U01は、遺伝子の解析依頼を情報提供装置10に送信する(ステップS103)。このような場合、情報提供装置10は、遺伝子の解析依頼を解析業者A01に対して送信する(ステップS104)。
【0076】
続いて、利用者U01は、遺伝子解析に用いる生体サンプルを解析業者A01に対して送付する(ステップS105)。このような場合、解析業者A01は、遺伝子解析を行い(ステップS106)、遺伝子情報G10を情報提供装置10に通知する(ステップS107)。この結果、情報提供装置10は、利用者U01の遺伝子情報G10を登録する(ステップS108)。
【0077】
ここで、利用者U01は、所定の時間間隔で、身体情報R02を情報提供装置10に対して通知する(ステップS109)。また、情報提供装置10は、利用者U01の現在位置等に基づいて、環境情報R03を収集するとともに(ステップS110)、ログサーバ400等から、利用者U01の行動情報を収集する(ステップS111)。そして、情報提供装置10は、遺伝子情報G10と、リスク解析用情報R10とに基づいて、利用者U01の状態に基づく状態情報C10を生成し(ステップS112)、生成した状態情報C10を登録して(ステップS113)、処理を終了する。
【0078】
続いて、
図8を用いて、情報提供装置10が状態情報C10を提供する処理の流れの一例を説明する。まず、利用者U01は、情報提供装置10に、状態情報C10の閲覧を許諾する他の利用者U02と、医師D01とを登録する(ステップS201)。このような場合、情報提供装置10は、状態情報C10の閲覧を許諾された各利用者の登録を受付ける(ステップS202)。
【0079】
例えば、情報提供装置10は、利用者U01から、利用者U02の種別が「ユーザ家族」であり、医師D01の種別が「医師」である旨の登録を受付ける。このような場合、情報提供装置10は、医師D01に利用者ID「ID#2」を提供し、利用者U02に利用者ID「ID#3」を提供する。そして、情報提供装置10は、利用者ID「ID#2」に種別「医師」を対応付けて利用者種別データベース33に登録し、利用者ID「ID#2」に許諾ID「ID#1」を対応付けて利用者許諾データベース34に登録する。また、情報提供装置10は、利用者ID「ID#3」に種別「ユーザ家族」を対応付けて利用者種別データベース33に登録し、利用者ID「ID#3」に許諾ID「ID#1」を対応付けて利用者許諾データベース34に登録する。
【0080】
ここで、情報提供装置10は、利用者U01から状態情報C10の閲覧要求を受付けた場合(ステップS203)、状態情報C10のうち本人に対して提供する範囲を決定し(ステップS204)、決定した範囲の状態情報C10を提供する(ステップS205)。一方、情報提供装置10は、利用者U02から状態情報C10の閲覧要求を受付けた場合(ステップS206)、状態情報C10のうち、利用者U01から許諾された利用者U02、すなわち、利用者の家族に対して提供する範囲を決定し(ステップS207)、決定した範囲の状態情報C10を提供する(ステップS208)。一方、情報提供装置10は、医師D01から状態情報C10の閲覧要求を受付けた場合は(ステップS209)、状態情報C10の全ての範囲を遺伝子情報G10と共に医師D01に提供する(ステップS210)。
【0081】
この結果、利用者U01、利用者U02、および医師D01は、利用者U01の状態情報C10を閲覧し(ステップS211)、状態情報C10の内容に応じて、食事制限や運動の予定等、利用者U01の状態に対してどのような対応を行うかを示す対応情報の登録を行う(ステップS212)。なお、このような対応情報は、利用者U01の体調管理を補助するサービスやアプリケーション等が指針として利用可能な情報であり、情報提供装置10に対して登録が行われてもよく、利用者U01が使用する利用者端末100や、利用者U01の体調管理を補助するサービスを提供するサーバ装置等に登録されてもよい。
【0082】
また、利用者U01、利用者U02、および医師D01は、利用者U01の実際の状態を情報提供装置10に送信する(ステップS213)。例えば、利用者U01は、自身が認識可能な範囲で利用者U01の実際の状態を情報提供装置10に送信すればよい。また、医師D01は、利用者U01の実際の診断結果や身体情報等を情報提供装置10に送信すればよい。このような場合、情報提供装置10は、ステップS208にて提供した状態情報が示す利用者U01の状態と、ステップS213にて送信された実際の状態とに基づいて、状態情報C10を生成する手法を更新し(ステップS214)、処理を終了する。
【0083】
続いて、
図9を用いて、情報提供装置10が実行する情報提供処理の流れについて説明する。
図9は、実施形態に係る情報提供装置が実行する情報提供処理の流れの一例を示すフローチャートである。例えば、情報提供装置10は、利用者U01の遺伝子情報G10を取得し(ステップS301)、行動情報R01を含むリスク解析用情報R10を取得する(ステップS302)。続いて、情報提供装置10は、遺伝子情報G10とリスク解析用情報R10とに基づいて、利用者U01の状態を示す状態情報C10を生成し(ステップS303)、状態情報C10の提供要求を受信したか否かを判定する(ステップS304)。
【0084】
そして、情報提供装置10は、状態情報C10の提供要求を受信した場合は(ステップS304:Yes)、状態情報C10のうち、提供要求の送信元となる利用者の種別に応じた範囲を提供し(ステップS305)、ステップS102に戻る。一方、情報提供装置10は、状態情報C10の提供要求を受信していない場合は(ステップS304:No)、ステップS102に戻る。
【0085】
〔4.変形例〕
上記では、情報提供装置10による情報提供処理の一例について説明した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。以下、情報提供装置10が実行する情報提供処理のバリエーションについて説明する。
【0086】
〔4−1.適用可能なサービスについて〕
上述した例では、情報提供装置10は、利用者U01の遺伝子情報G10と、行動情報R01とに基づいて、利用者U01が罹患しやすい疾患や、利用者U01が罹患していると予測される疾患等を示す情報を、利用者U01の状態に応じた状態情報C10として生成した。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。すなわち、情報提供装置10は、利用者U01の遺伝子情報G10と、行動情報R01とに基づいて、利用者U01の状態に応じた状態情報C10を生成するのであれば、任意の内容の状態情報C10を生成してもよい。
【0087】
このような状態情報C10の内容については、利用者U01の遺伝子情報G10と、行動情報R01とに基づいて、利用者U01に対してどのようなサービスを提供するかに応じて任意の設定が適用可能である。例えば、情報提供装置10は、広告配信、ショッピング、オークション、旅行やホテル等の予約、ニュースの配信、音楽や動画像の配信サービス、ゲームコンテンツの配信、路線検索、求人検索、レストラン検索、不動産検索、レシピ検索、カップリングサービス等、任意のサービスにおいて、上述した情報提供処理を適用可能である。また、情報提供装置10は、情報提供処理を適用するサービスと関連する利用者U01の行動を示す情報であれば、任意の情報を行動情報R01として収集してもよい。
【0088】
例えば、情報提供装置10は、複数の利用者の行動情報R01と、遺伝子情報G10との関連性を学習し、所定の遺伝子情報G10を有する利用者が購入する可能性が高い商品を特定する。そして、情報提供装置10は、ある利用者が所定の遺伝子情報G10を有している場合には、その遺伝子情報G10を有している利用者が購入する可能性が高い商品の広告や商品の購入を提案する情報、すなわち、利用者がその遺伝子情報G10を有しているという状態に応じた状態情報を生成し、提供してもよい。
【0089】
また、情報提供装置10は、利用者が気に入りそうな商品、レストラン、ホテル、旅行先、不動産、ゲーム、音楽や動画像等の広告や提案を行う状態情報を生成してもよい。また、情報提供装置10は、利用者が検索しそうな路線検索の結果を含む状態情報を生成してもよい。また、情報提供装置10は、所定の遺伝子情報G10を有している利用者が多く働いている会社や職業等を特定し、その遺伝子情報G10を有している他の利用者に対し、その会社や職業を提案する状態情報を生成してもよい。また、情報提供装置10は、複数の利用者の行動情報R01と、遺伝子情報G10との関連性に基づいて、相性がいい利用者の組み合わせを特定し、特定した組み合わせに従って、利用者のカップリングサービスを提供してもよい。
【0090】
また、情報提供装置10は、利用者が気に入りそうな商品、レストラン、ホテル、旅行先、不動産、ゲーム、音楽や動画像等の広告や提案を行う場合には、これらの購入履歴、閲覧履歴、渡航履歴、使用履歴、視聴履歴等を行動情報R01として取得してもよい。すなわち、情報提供装置10は、情報提供処理を適用するサービスに関連する任意の履歴を行動情報として取得してもよい。
【0091】
また、情報提供装置10は、行動情報R01に基づいて、数学者や会計士等、数字に強い利用者が共通して有する遺伝子情報G10を特定する。そして、情報提供装置10は、特定した遺伝子情報G10を有する利用者に対して広告を配信する場合には、商品や役務の価格を示す数値を含む広告を配信し、特定した遺伝子情報G10を有さない利用者に対して広告を配信する場合には、価格を示す数値を含まない広告を配信してもよい。
【0092】
このように、情報提供装置10は、利用者U01の行動情報R01と遺伝子情報G10とに基づいて、利用者U01の状態に応じた情報を生成するのであれば、任意のサービスを提供するための情報であって、任意の内容の状態情報C10を生成してよい。このようなサービスの内容や、状態情報C10の内容は、上述した例に限定されるものではなく、各種サービスの内容に応じて適宜設定の変更が可能である。
【0093】
〔4−2.警告の出し分けについて〕
ここで、情報提供装置10は、状態情報C10の内容に応じて、警告の出し分けを行ってもよい。例えば、情報提供装置10は、重篤な疾患の可能性が高い場合や、リスクの度合いが高い疾患の可能性が高い場合等には、電話等といった緊急性を担保できる手法により、利用者U01本人に対して、警告を出力してもよい。また、情報提供装置10は、リスクの度合いが低い場合等には、メール等の警告を、利用者U01本人のみならず、医師D01等に出力してもよい。
【0094】
〔4−3.セキュリティの保持について〕
なお、遺伝子情報G10やリスク解析用情報R10は、個人情報に該当する可能性がある。そこで、情報提供装置10は、個人情報保護の観点から、セキュリティを保持するための各種の技術を採用してもよい。例えば、情報提供装置10は、利用者U01や医師D01の認証を行う際に、生体認証を採用してもよい。また、情報提供装置10は、遺伝子情報G10やリスク解析用情報R10を暗号化した状態で記憶および配信してもよい。
【0095】
〔4−4.装置構成〕
なお、情報提供装置10は、任意の数の利用者端末100と通信可能に接続されていてもよく、任意の数の病院端末200、解析業者端末300、およびログサーバ400と通信可能に接続されていてもよい。また、情報提供装置10は、利用者端末100と情報のやり取りを行うフロントエンドサーバと、情報提供処理を実行するバックエンドサーバとにより実現されてもよい。このような場合、フロントエンドサーバには、
図2に示す登録受付部41、要求受付部45、提供部47が配置され、バックエンドサーバには、記憶部30の各データベース31〜35と共に、収集部42、取得部43、生成部44、決定部46等が配置されることとなる。
【0096】
〔4−5.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0097】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、
図2に示した要求受付部45、決定部46、および提供部47は、統合されてもよい。
【0098】
また、上記してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0099】
〔5.プログラム〕
また、上述してきた実施形態に係る情報提供装置10は、例えば
図10に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図10は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力IF(Interface)1060、入力IF1070、ネットワークIF1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0100】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。一次記憶装置1040は、RAM等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD、フラッシュメモリ等により実現される。
【0101】
出力IF1060は、モニタやプリンタといった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインタフェースであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力IF1070は、マウス、キーボード、およびスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインタフェースであり、例えば、USB等により実現される。
【0102】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。また、入力装置1020は、USBメモリ等の外付け記憶媒体であってもよい。
【0103】
ネットワークIF1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0104】
演算装置1030は、出力IF1060や入力IF1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0105】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。
【0106】
〔6.効果〕
上述したように、情報提供装置10は、利用者U01のネットワーク上における行動を示す行動情報R01と、利用者U01の遺伝子情報G10とを取得する。そして、情報提供装置10は、行動情報R01と遺伝子情報G10とに基づいて、利用者U01の状態に応じた状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、状態情報C10の予測精度を向上させることができる。
【0107】
また、情報提供装置10は、行動情報R01と遺伝子情報G10とに加えて、利用者U01の環境を示す環境情報R03、または、利用者の身体的な情報を示す身体情報R02の少なくともいずれか1つに基づいて、状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、状態情報C10の予測精度を向上させることができる。
【0108】
また、情報提供装置10は、行動情報R01として、利用者U01によるウェブ検索の内容、または、利用者U01による所定の電子商店街の利用履歴の少なくともいずれか1つに基づいて、状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、利用者U01の行動情報R01と遺伝子情報G10との関連性に基づいて、状態情報C10を生成することができる。
【0109】
また、情報提供装置10は、利用者U01が有するリスクを示す状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、例えば、利用者U01に対して、疾患の予防や注意を促すことができる。
【0110】
また、情報提供装置10は、状態情報C10として、遺伝子情報G10を組み合わせた状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、医師D01等に、診断の指標となる情報を提供することができる。
【0111】
また、情報提供装置10は、遺伝子情報G10が示す利用者U01の先天的特徴と、行動情報R01とのマッチング結果に基づいて、利用者が有するリスクを示す状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、例えば、利用者が糖尿病になりやすいというリスクを有する際に、糖分が多い食品を頻繁に購入している場合等に、糖尿病に罹患するリスクが高い旨の状態情報C10を提供することができる。
【0112】
また、情報提供装置10は、行動情報R01と遺伝子情報G10とに基づいて、利用者U01の状態を推定し、推定された状態に応じて、利用者U01に対して提案する情報を、状態情報C10として生成する。このため、情報提供装置10は、利用者U01の状態に応じた各種の状態情報C10を提供することができる。
【0113】
また、情報提供装置10は、状態情報C10が所定の条件を満たす場合には、所定の警告を出力する。このため、情報提供装置10は、利用者U01のが有するリスクが急を要する場合等に、迅速な警告を行うことができる。
【0114】
また、情報提供装置10は、利用者U01または利用者U01が許諾した他の利用者(例えば、利用者U02や医師D01)に対して、状態情報C10を提供する。ここで、情報提供装置10は、状態情報C10のうち提供する範囲を、利用者に応じて変更する。例えば、情報提供装置10は、利用者U01が許諾した他の利用者が、医師D01等の医療関係者である場合には、他の利用者に対して状態情報C10の全体を提供する。一方、情報提供装置10は、利用者U01に対して、状態情報C10のうち、予め定められた一部の範囲を提供する。このため、情報提供装置10は、偶発的所見や、利用者U01の心理状況を考慮した情報の提供を行うことができる。
【0115】
また、情報提供装置10は、過去に生成した状態情報C10と、利用者U01の実際の状態との差分に基づいて、行動情報R01と遺伝子情報G10とから状態情報C10を生成する手法を修正する。このため、情報提供装置10は、状態情報C10の予測精度を順次高めていくことができる。
【0116】
また、情報提供装置10は、行動情報R01と遺伝子情報G10との関係性を学習した学習器を用いて、行動情報R01と遺伝子情報G10とから状態情報C10を生成する。このため、情報提供装置10は、様々な観点から利用者U01の状態情報C10を生成することができる。
【0117】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0118】
また、上記してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、制御部は、制御手段や制御回路に読み替えることができる。