特許第6854092号(P6854092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854092
(24)【登録日】2021年3月17日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20210329BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   G02F1/1345
   G02F1/1343
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-100057(P2016-100057)
(22)【出願日】2016年5月19日
(65)【公開番号】特開2017-207638(P2017-207638A)
(43)【公開日】2017年11月24日
【審査請求日】2019年3月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】特許業務法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】岩本 宜久
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 隆祐
【審査官】 廣田 かおり
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−133910(JP,A)
【文献】 特開2015−121584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1345
G02F 1/1343
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1電極及び複数の第1ダミー電極を有する第1基板と、
複数の第2電極及び複数の第2ダミー電極を有する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に設けられる液晶層と、
前記液晶層を囲んで前記第1基板と前記第2基板との間に設けられるシール材と、
前記シール材近傍又は内部に前記第1基板と前記第2基板の間で導通を行う導通部、
を含み、
前記シール材に囲まれる内部領域は、各々が複数のセグメント表示部を組み合わせて1つの意味を有する図柄を表現する領域である複数の単位表示領域と、当該各単位表示領域の相互間に存在する領域であるセグメント間領域と、当該各単位表示領域のそれぞれにおける各前記セグメント表示部に囲まれた内部の領域であるセグメント内領域とを含み、
当該複数の単位表示領域は、第1方向に沿って互いに離間して配置されており、
前記複数のセグメント表示部のそれぞれは、前記複数の第1電極の1つと前記複数の第2電極の1つの重なる領域において画定されており、
前記複数の第1電極のうちの少なくとも1つの第1電極は、
前記複数の単位表示領域にそれぞれに対応づけられており前記第1方向において互いに分離し、離間して配置された複数の電極部位と、
前記複数の電極部位のそれぞれに接続されており、それぞれが前記第1方向と異なる方向に沿って前記内部領域よりも外側まで延びる複数の第1引き回し配線と、
前記内部領域よりも外側に配置されており、前記複数の第1引き回し配線の相互間を接続する第1渡り配線と、
を有しており、
前記複数の第1ダミー電極は、少なくとも前記セグメント間領域と前記セグメント内領域のそれぞれに対応して配置されたものを含み、前記複数の第2ダミー電極は、少なくとも前記セグメント間領域と前記セグメント内領域のそれぞれに対応して配置されたものを含む、
液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1渡り配線は、前記シール材と重なる位置に配置されており、
前記第1基板は、少なくとも前記第1渡り配線を覆って配置される絶縁膜を更に有する、
請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記複数の第1ダミー電極のうち前記セグメント内領域に対応づけられた第1ダミー電極は、前記少なくとも1つの第1電極の前記複数の電極部位の相互間領域を通って前記内部領域の外側まで延びる第1ダミー引き回し配線を有する、
請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記複数の第2ダミー電極のうちの2つ以上の第2ダミー電極は、
それぞれが前記第1方向と異なる方向に沿って前記内部領域よりも外側まで延びる複数の第2ダミー引き回し配線と、
前記内部領域よりも外側に配置されており、前記複数の第2ダミー引き回し配線の相互間を接続する第2渡り配線と、
を有しており、
前記複数の第1電極のうち、他の1つの第1電極は、
前記複数の単位表示領域にそれぞれに対応づけられており前記第1方向において互いに分離し、離間して配置された複数の電極部位と、
前記複数の電極部位のそれぞれに接続されており、それぞれが前記第1方向と異なる方向に沿って前記内部領域よりも外側まで延びる複数の第3引き回し配線と、
を有しており、
前記複数の第2ダミー引き回し配線と前記複数の第3引き回し配線との間が前記シール材を介して導通することにより、前記他の1つの第1電極の前記複数の電極部位の相互間が導通する、
請求項1〜3の何れか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セグメント表示型の液晶表示装置において外部要因により発生する静電気に起因する不具合を抑制する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な液晶表示装置は、一対の基板と、各基板の一面に設けられる電極と、各基板の間に設けられる液晶層と、各基板の外側に設けられる一対の偏光板などを主な構成として備えている。このような液晶表示装置においては、例えば使用開始される前に外部に傷が付くことを防ぐために、各偏光板の表面に保護フィルムが設けられることがある。この場合、保護フィルムを剥離した際に静電気が生じて液晶表示装置が帯電することにより、本来表示に用いる部分ではない領域(非表示部)において液晶層に配向の変化がもたらされ、外観上で表示の変化として視認できる状態となる。このような場合に、その表示の変化した状態が消失するまでには長い時間を要する場合がある。このような不具合は、保護フィルムを剥離する際に限らず、外部要因により発生する静電気に起因して生じ得るものでもある。
【0003】
上記のような静電気に起因する不都合に関して、例えば特開2008−170812号公報(特許文献1)には、静電気用アースパターンを液晶表示領域の外周部に形成し、この静電気用アースパターンの一端をGND端子に接続し且つ他端を電気的に開放したという構成を備えることにより、静電気の除去と耐ノイズ性を向上させて表示誤動作の発生を抑える液晶表示素子が開示されている。
【0004】
また、例えば特開平10−10551号公報(特許文献2)には、信号電極を形成した上基板と、走査電極を形成した下基板に、それぞれの電極とは絶縁されて、かつ液晶封入領域内からシール材の外側に延出された一対のダミー電極を配置し、少なくともシール材の外側のダミー電極間に点状の導電部材を設置して両ダミー電極の間を相互に電気的に接続することにより、各基板で溜まった電荷を移動できるようにした液晶表示素子が開示されている。
【0005】
また、例えば特開2008−40307号公報(特許文献3)には、一方の透明基板に、文字や図形を表わす電極及び引き出しリードからなるセグメント電極と、このセグメント電極に対して独立形成した導電膜部とを有する透明電極を設け、他方の透明基板に、文字や図形を表わす電極及び引き出しリードからなるコモン電極と、このコモン電極に対して独立形成した導電膜部とを有する透明電極を設け、導電膜部同士の間を電気接続した構成の液晶表示装置が開示されている。
【0006】
ところで、セグメント表示型の液晶表示装置においては、例えば複数のセグメント表示部を組み合わせて1つの意味を有する図柄(数字など)を表現する単位表示領域を複数備えている場合が多い。例えば、数桁の数字を表現するセグメント表示型の液晶表示装置の場合であれば、上記した複数のセグメント表示部で構成される単位表示領域を左右方向に並べて配置することになる。このようなセグメント表示型の液晶表示装置においては、上記した従来技術によっても、静電気への対策としては未だ不十分であり、平面視における複数の単位表示領域の間に挟まれる領域や各単位表示領域の内部領域(セグメント表示部に囲まれた領域)において表示不具合が生じる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−170812号公報
【特許文献2】特開平10−10551号公報
【特許文献3】特開2008−40307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明に係る具体的態様は、静電気に起因する不具合の解消に要する時間を更に低減することが可能な技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る一態様の液晶表示装置は、(a)複数の第1電極及び複数の第1ダミー電極を有する第1基板と、(b)複数の第2電極及び複数の第2ダミー電極を有する第2基板と、(c)前記第1基板と前記第2基板の間に設けられる液晶層と、(d)前記液晶層を囲んで前記第1基板と前記第2基板との間に設けられるシール材と、(e)前記シール材近傍又は内部に前記第1基板と前記第2基板の間で導通を行う導通部を含み、(f)前記シール材に囲まれる内部領域は、各々が複数のセグメント表示部を組み合わせて1つの意味を有する図柄を表現する領域である複数の単位表示領域と、当該各単位表示領域の相互間に存在する領域であるセグメント間領域と、当該各単位表示領域のそれぞれにおける各前記セグメント表示部に囲まれた内部の領域であるセグメント内領域とを含み、(g)当該複数の単位表示領域は、第1方向に沿って互いに離間して配置されており、(h)前記複数のセグメント表示部のそれぞれは、前記複数の第1電極の1つと前記複数の第2電極の1つの重なる領域において画定されており、(i)前記複数の第1電極のうちの少なくとも1つの第1電極は、前記複数の単位表示領域にそれぞれに対応づけられており前記第1方向において互いに分離し、離間して配置された複数の電極部位と、前記複数の電極部位のそれぞれに接続されており、それぞれが前記第1方向と異なる方向に沿って前記内部領域よりも外側まで延びる複数の第1引き回し配線と、前記内部領域よりも外側に配置されており、前記複数の第1引き回し配線の相互間を接続する第1渡り配線とを有しており、(j)前記複数の第1ダミー電極は、少なくとも前記セグメント間領域と前記セグメント内領域のそれぞれに対応して配置されたものを含み、前記複数の第2ダミー電極は、少なくとも前記セグメント間領域と前記セグメント内領域のそれぞれに対応して配置されたものを含む、液晶表示装置である。
【0010】
上記構成によれば、ダミー電極の配置の自由度を上げることができ、単位表示領域間の領域やセグメント内領域などへもダミー電極を配置することが可能となる。従って、単位表示領域間の領域やセグメント内部領域などにおける静電気に起因する不具合の解消に要する時間を更に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図である。
図2図2は、第1実施形態の液晶表示装置の構成を示す平面図である。
図3図3は、第1実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。
図4図4は、第1実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。
図5図5(A)は、図4に示すA部の拡大図である。図5(B)は、図4に示すB部の拡大図である。
図6図6は、第2実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。
図7図7は、第1基板11に設けられる絶縁膜の構成を示す平面図である。
図8図8は、第3実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。
図9図9は、図8に示すC部の拡大図である。
図10図10は、第3実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。
図11図11は、第4実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。
図12図12は、第4実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。
図13図13は、第5実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。
図14図14は、第5実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の液晶表示装置の構成を示す断面図である。液晶表示装置は、対向配置された第1基板11および第2基板12と、第1基板11に設けられた第1電極13と、第2基板12に設けられた第2電極14と、第1基板11と第2基板12の間に配置された液晶層17を基本構成として備える。本実施形態の液晶表示装置は、電極同士の重なり合う領域が表示したい文字や図案を形作るように構成され、基本的に予め定めた文字等のみを表示可能であり、概ね、有効表示領域内における面積比で多くとも70%以下、通常は50%以下の領域が文字等の表示に寄与するものであるセグメント表示型の液晶表示装置である。なお、液晶表示装置は、セグメント表示型とドットマトリクス型が混合したものであってもよい。
【0013】
第1基板11および第2基板12は、それぞれ、平面視において矩形状の基板であり、互いに対向して配置されている。第1基板11、第2基板12としては、例えばガラス基板、プラスチック基板等の透明基板を用いることができる。図示のように、第1基板11と第2基板12の間には、例えば多数のスペーサーが均一に分散配置されており、それらスペーサーによって両基板の間隙が所望の大きさ(例えば数μm程度)に保たれている。
【0014】
第1電極13は、第1基板11の一面側に設けられている。同様に、第2電極14は、第2基板12の一面側に設けられている。第1電極13および第2電極14は、それぞれ例えばインジウム錫酸化物(ITO)などの透明導電膜を適宜パターニングすることによって構成されている。なお、図示を省略しているが各電極の上面にさらに絶縁膜が設けられていてもよい。
【0015】
第1配向膜15は、第1基板11の一面側に第1電極13を覆うようにして設けられている。第2配向膜16は、第2基板12の一面側に第2電極14を覆うようにして設けられている。これらの第1配向膜15、第2配向膜16としては、液晶層17の配向状態を垂直配向に規制する垂直配向膜が用いられている。各配向膜15、16は、ラビング処理等の一軸配向処理が施されており、一方向への配向規制力を有している。各配向膜15、16への配向処理の方向は、例えば互い違い(アンチパラレル)となるように設定される。
【0016】
液晶層17は、第1基板11と第2基板12の間に設けられている。本実施形態においては、誘電率異方性Δεが負でありカイラル材を含まず、流動性を有する(すなわち液状体の)液晶材料を用いて液晶層17が構成される。本実施形態の液晶層17は、電圧無印加時における液晶分子の配向方向が一方向に傾斜した状態となり、第1基板11および第2基板12の各基板面に対して概ね、88°以上90°未満の範囲内のプレティルト角を有する略垂直配向となるように設定されている。そして、第1電極13と第2電極14の間に電圧を印加した際には、液晶層17の液晶分子は配向処理によって規制された方向へ配向する。
【0017】
第1偏光板21は、第1基板11の外側に配置されている。同様に、第2偏光板22は、第2基板12の外側に配置されている。第1偏光板21と第2偏光板22は、例えば、各々の吸収軸が互いに略直交するように配置されている。また、各偏光板と各基板との間には適宜Cプレート等の視角補償板が配置されてもよい。
【0018】
図2は、第1実施形態の液晶表示装置の構成を示す平面図である。図示のように本実施形態の液晶表示装置は、7つのセグメント表示部を組み合わせて1つの意味を有する図柄である1つの数字を可変に表現する単位表示領域を左右方向に離間して3つ配置することにより、3桁の数字を表現するセグメント表示型の液晶表示装置である。各単位表示領域30a、30b、30cをそれぞれ構成する各セグメント表示部は、それぞれがコモン電極として機能する4つの第1電極13のいずれか1つと、それぞれがセグメント電極として機能する4つの第2電極14のいずれか1つとの重なり合った領域として画定されており、マルチプレックス駆動されることによってそれぞれ独立に点消灯可能である。
【0019】
取り出し電極C1、C2、C3、C4は、それぞれ第2基板12の一面の上端側に設けられている。これらの取り出し電極C1〜C4は、コモン電極として機能する第1電極13へ駆動電圧を与えるためのものである。また、取り出し電極S1、S2、S3、S4、S5、S6は、それぞれ第2基板12の一面の上端側に設けられている。これらの取り出し電極S1〜S6は、セグメント電極として機能する第2電極14へ駆動電圧を与えるためのものである。
【0020】
シール材19は、第1基板11と第2基板12との重なる領域の外縁にほぼ沿って枠状に設けられており、両基板を固定するとともに、両基板間の液晶層17を囲んで封止する。また、シール材19は、各基板の図中右側では、端部に沿って直線状に設けられ、かつほぼ中央の一部で途切れて開口している。この開口部は、液晶層17を形成する際の注入口であり、封止材によって閉じられている。概ね、シール材19に囲まれた内部領域が有効表示領域(有効表示部)に対応し、そのうち、セグメント表示部以外の部分は表示変化を生じない部分である非表示部となる。また、シール材19は、例えばカーボン粒子、銀粒子、金コーティング粒子などの導電性粒子を含有しており、厚さ方向(第1基板11および第2基板12の厚さ方向)にのみ導電性を生じる異方導電性を有する。
【0021】
ここで、「単位表示領域」とは、例えば、平面視において、1つの意味を有する図柄を表示するために必要な複数のセグメント表示部の全てを含む(すなわち囲む)最小限の領域として定義することができる。各単位領域30a、30b、30cは、シール材19に囲まれる内部領域に含まれており、一方向(図中左右方向)に沿って互いに離間して配置されている。また、各単位表示領域30a、30b、30cの相互間に存在する領域をセグメント間領域31とする。また、各単位表示領域30a、30b、30cのそれぞれにおける各セグメント表示部に囲まれた内部の領域をセグメント内領域32とする。
【0022】
ここで、「セグメント間領域」とは、例えば、平面視において隣り合う単位表示領域30a、30b、30cのいずれか2つの間に挟まれる領域として定義することができる。図示の例では、セグメント間領域31は、隣り合う各単位表示領域30a、30b、30cの間において、各単位表示領域30a、30b、30cの外縁の一部同士が平面視で対向する範囲に含まれる領域として定義される。
【0023】
ここで、「セグメント内領域」とは、例えば、平面視において、1つの単位表示領域内で複数のセグメント表示部によって囲まれた領域(略閉領域)として定義することができる。図示の例では、セグメント内領域32は、各単位表示領域30a等において、4つのセグメント表示部に囲まれた領域として定義されており、各単位表示領域30a等のそれぞれに2つずつ存在する。
【0024】
以下では、セグメント間領域31、セグメント内領域32における静電気に起因する表示不具合を解消するための時間を短縮し得る液晶表示装置の構成について詳細に説明する。
【0025】
図3は、第1実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。図3では、第2基板12を第2電極14が形成されている側から平面視した様子が示されている。第2基板12の一面には、各々がセグメント電極として機能する第2電極14と、ダミー電極40、41、42が設けられている。図示のように、第2基板12の一面は、各第2電極14と各ダミー電極40、41、42によってほぼ全体が覆われている。ここで、「ダミー電極」とは、セグメント表示部における表示制御には直接的な関わりのない電極をいう(以下同様)。
【0026】
各第2電極14は、それぞれ引き回し配線を介して、取り出し電極S1〜S6のいずれかと接続されている。これらの取り出し電極S1〜S6を介して、各第2電極14に外部の駆動装置(図示せず)から電圧を印加することができる。
【0027】
ダミー電極40、41、42は、各第2電極14の存在する領域以外の領域のほぼ全体に設けられている。なお、図中、一部のダミー電極にのみ符号を付している。ダミー電極40は、第1基板側の第1電極13(コモン電極)の引き回し部分と対向させるためのダミー電極である。ダミー電極41は、セグメント内領域32に対応付けたダミー電極である。ダミー電極42は、セグメント間領域31に対応づけたダミー電極である。
【0028】
図4は、第1実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。図4では、第1基板11を第1電極13が形成されている側と逆側から平面視した様子が示されている。図4に示すように、第1基板11の一面には、各々がコモン電極として機能する第1電極13と、ダミー電極50、51、52、53が設けられている。図示のように、第1基板11の一面は、各第1電極13と各ダミー電極50、51、52、53によってほぼ全体が覆われている。なお、第1電極13については、図中、上側に存在するものから順に第1電極13a、第1電極13b、第1電極13c、第1電極13dと示すものとする。
【0029】
第1電極13aは、各単位表示領域30a、30b、30cのそれぞれの上側と左上側の各セグメント表示部に対応付けられたコモン電極である。この第1電極13aは、各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた電極部位を有しており、これらの電極部位は、各単位表示領域30a等の並ぶ方向である図中の左右方向においては互いに接続されずに分離・独立しており、離間して配置されている。第1電極13aは、各単位表示領域30a等の並ぶ方向である図中の左右方向とは交差する方向である図中の上下方向に延びる引き回し配線を有する。そして、各引き回し配線は、第1基板11の上辺側のシール材19よりも外側に設けられた渡り配線を介して相互に接続されている。これにより、第1電極13aの各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた部位が相互に電気的に接続され、かつ第1基板11の図中上端側に設けられたパッド部C11と接続される。
【0030】
本実施形態ではシール材19に導電性粒子を含有させ異方性のある導通部とし電気的接続を行っているが、電気的接続方法はこれに限らない。電気的接続を要する部位にAgペースト、カーボンペーストなどの導電性材料をポッティングやスクリーン印刷などで選択的に配置して電気的接続を行っても構わない。Agペースト、カーボンペーストなどの導電性材料はシール材19の内部あるいは近傍のいずれにも配置可能である。
【0031】
第1電極13bは、各単位表示領域30a、30b、30cのそれぞれの中央と右上側の各セグメント表示部に対応付けられたコモン電極である。この第1電極13bは、各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた電極部位を有しており、これらの電極部位が各単位表示領域30a等の並ぶ方向である図中の左右方向において引き回し配線を介して互いに接続されており、かつパッド部C12と接続されている。また、第1電極13bは、図中の上下方向に延びる引き回し配線を有する。各引き回し配線は、第1基板11の上辺側へ延びており、シール材19と重なっている。
【0032】
第1電極13cは、各単位表示領域30a、30b、30cのそれぞれの左下側と右下側の各セグメント表示部に対応付けられたコモン電極である。この第1電極13cは、各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた電極部位を有しており、かつ図中の上下方向に延びる引き回し配線を有する。各引き回し配線は、第1基板11の下辺側へ延びており、シール材19と重なる領域において渡り配線を介して相互に接続されている。また、第1電極13cは、かつパッド部C13と接続されている。
【0033】
第1電極13dは、各単位表示領域30a、30b、30cのそれぞれの下側の各セグメント表示部に対応付けられたコモン電極である。この第1電極13dは、各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた電極部位を有しており、これらの電極部位は、各単位表示領域30a等の並ぶ方向である図中の左右方向においては互いに接続されずに分離・独立しており、互いに離間して配置されている。第1電極13dは、各単位表示領域30a等の並ぶ方向である図中の左右方向とは交差する方向である図中の上下方向に延びる引き回し配線を有する。そして、各引き回し配線は、第1基板11の下辺側のシール材19と重なる領域に設けられた渡り配線を介して相互に接続されている。これにより、第1電極13dの各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた部位が相互に電気的に接続され、かつ第1基板11の図中上端側に設けられたパッド部C14と接続される。
【0034】
ダミー電極50、51、52、53は、各第1電極13の存在する領域以外の領域のほぼ全体に設けられている。なお、図中、一部のダミー電極にのみ符号を付している。ダミー電極50、51、52は、それぞれ、セグメント内領域32に対応付けたダミー電極である。これらのダミー電極50、51、52は、それぞれ、図中の上下方向に沿って第1基板11の上辺側または下辺側に延びる引き回し配線を有する。ダミー電極53は、セグメント間領域31に対応づけたダミー電極である。
【0035】
これらのダミー電極50、51、52、53、および上記した第2基板12側のダミー電極40、41、42は、相互に、あるいは第1電極13や第2電極14の引き回し配線との間でシール材19を介して導通し、同電位化されている。例えば、第2基板12のある1つのダミー電極42(図3において下側に示すもの)と第1基板11のある1つのダミー電極53(図4において下側に示すもの)との間は、第1基板11と第2基板12の各下辺側のシール材19を介して相互に導通している。それにより、これらダミー電極42、53の重なり合う領域に対応するセグメント間領域52が同電位化される。
【0036】
図5(A)は、図4に示すA部の拡大図である。上記のように第1電極13aは、図中の上下方向に延びる複数の引き回し配線113aを有しており、各引き回し配線113aはシール材19と重なる位置まで延びている。そして、各引き回し配線113aは、第1基板11の上辺側のシール材19よりも外側に設けられた渡り配線213aを介して相互に接続されている。これにより、第1電極13aの各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた部位が相互に電気的に接続され、かつパッド部C11と接続される。また、図示のように各ダミー電極50、51が有する引き回し配線150、151もシール材19と重なる位置まで延びている。
【0037】
なお、渡り配線213aをシール材19よりも外側に配置しているので、この部分での第1基板11と第2基板12の間の導通は生じないが、導通の可能性をより低くするために、両基板の隙間に紫外線硬化樹脂等の絶縁物を充填することも好ましい。
【0038】
図5(B)は、図4に示すB部の拡大図である。上記のように第1電極13dは、図中の上下方向に延びる複数の引き回し配線113dを有しており、各引き回し配線113dはシール材19と重なる位置まで延びている。そして、各引き回し配線113dは、第1基板11の下辺側のシール材19と重なる領域に設けられた渡り配線213dを介して相互に接続されている。これにより、第1電極13dの各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた部位が相互に電気的に接続され、かつ第1基板11の右辺側に設けられた引き回し配線(図4参照)を介してパッド部C14と接続される。また、図示のように各ダミー電極52、53が有する引き回し配線152、153もシール材19と重なる位置まで延びている。
【0039】
以上のような構成によれば、第1電極13aの各電極部位の間が図中の左右方向において互いに接続されずに分離・独立し、互いに離間するので、各電極部位の間を通して上下方向にダミー電極や引き回し配線を配置できるようになり、他のダミー電極などの配置の自由度を上げることができる。それにより、単位表示領域間の領域やセグメント内領域などへもダミー電極を配置することが容易となる。したがって、単位表示領域間の領域やセグメント内部領域などにおける静電気に起因する不具合の解消に要する時間を更に低減することが可能となる。
【0040】
(第2実施形態)
第2実施形態の液晶表示装置の基本的構成は上記した第1実施形態と同様であり、第1基板に設けられる渡り配線の構造が主に異なる。以下では、第1実施形態と共通する構成については同符号を用いることで詳細な説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
【0041】
図6は、第2実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。図6では、第1基板11を第1電極13が形成されている側と逆側から平面視した様子が示されている。上記した第1実施形態では各引き回し配線113aを相互に接続する渡り配線213aが第1基板11の上辺側のシール材19よりも外側に設けられていたが、この渡り配線213aは、図示のようにシール材19と重なる位置に配置されていてもよい。この場合に、各ダミー電極の引き回し配線についてはシール材19の内側へ位置をずらして配置される。この場合に、第2基板12側の引き回し配線と第1基板11側の渡り配線213aとの間がシール材19を介して導通してしまうので、それを回避するために、図7に示すように、第1基板11には、少なくとも渡り配線213aの部分に絶縁膜60を設ける必要がある。また、第1基板11には、シール材19の内側(枠内)の部分にも絶縁膜61を設けることが好ましい。このような構成によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。第1実施形態に記載したAgペースト等の接続技術を用いて選択的に電気的接続を行ってもよい。
【0042】
(第3実施形態)
第3実施形態の液晶表示装置の基本的構成は上記した第1実施形態等と同様であり、主に渡り配線を第2基板側に設けた点が異なる。以下では、第1実施形態と共通する構成については同符号を用いることで詳細な説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
【0043】
図8は、第3実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。図8では、第2基板12を第2電極14が形成されている側から平面視した様子が示されている。上記した第1実施形態等では各引き回し配線を相互に接続する渡り配線が第1基板11に設けられていたが、この渡り配線に相当する構成を第2基板12に設けてもよい。
【0044】
図9は、図8に示すC部の拡大図である。また、図10は、第3実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。第2基板12において、各ダミー電極40は、図中の上下方向に延びる複数の引き回し配線を有しており、各引き回し配線はシール材19と重なる位置まで延びている。そして、各ダミー電極40の引き回し配線は、各取り出し電極の相互間を通って第2基板12の上辺側端部まで延びており、第2基板12の上辺側のシール材19よりも外側であって各取り出し電極S1〜S6よりも外側に設けられた渡り配線240を介して相互に接続されているとともに取り出し電極C1と接続されている。
【0045】
この渡り配線240は、図示のように第2基板12の左右方向に延在している。ここで、第1基板11側に設けられている各第1電極13aは、シール材19を介していずれかのダミー電極40と導通するので、結果として、各第1電極13aは、引き回し配線240を介して相互に接続され、かつ取り出し電極C1と接続される。それにより、図10に示すように、第1実施形態等においては第1基板11側に設けていた渡り配線が不要となる。このような構成によっても、第1実施形態等と同様の効果が得られる。
【0046】
なお、各取り出し電極にリードフレームやフレキシブルフィルムを接続する場合には、第2基板12に設けた渡り配線240やこの渡り配線240に連なる引き回し配線がリードフレーム等と導通する可能性も考えられる。また、リードフレーム等の取付時に渡り配線240等が剥離する可能性も考えられる。このため、渡り配線240等の上面に硬質な絶縁膜を形成することも好ましい。第1実施形態に記載したAgペースト等の接続技術を用いて選択的に電気的接続を行ってもよい。
【0047】
(第4実施形態)
第4実施形態の液晶表示装置の基本的構成は上記した第1実施形態等と同様であり、主に渡り配線を第1基板側と第2基板側の双方に設けた点が異なる。以下では、第1実施形態と共通する構成については同符号を用いることで詳細な説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
【0048】
図11は、第4実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。図11では、第2基板12を第2電極14が形成されている側から平面視した様子が示されている。上記した第3実施形態と同様に、第2基板12において、各ダミー電極40は、図中の上下方向にシール材19の位置まで延びる複数の引き回し配線を有しており、これらの引き回し配線は渡り配線240を介して相互に接続されているとともに、取り出し電極C1と接続されている。第1基板11側に設けられている各第1電極13aは、シール材19を介していずれかのダミー電極40と導通するので、結果として、各第1電極13aは、引き回し配線240を介して相互に接続され、かつ取り出し電極C1と接続される。
【0049】
図12は、第4実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。図12では、第1基板11を第1電極13が形成されている側と逆側から平面視した様子が示されている。上記した第1実施形態等では、渡り配線213aを用いて第1電極13aの各電極部位の間を接続していたが、本実施形態では、同様に構成される渡り配線213bを用いて第1電極13bの各電極部位の間を接続している。これにより、第1電極13bの各電極部位は、図中の左右方向においては、各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた部位が互いに接続されずに分離・独立し、互いに離間する。
【0050】
本実施形態では、各渡り配線213b、240はそれぞれシール材19の外側に設けられているため、第1基板11と第2基板12の間で導通を生じさせることや誤点灯を生じさせることはない。しかし、基板間の短絡をより確実に防ぐためには、対応する電極面の少なくとも一方の上面に絶縁膜を設けることや、両基板間の隙間に紫外線硬化性樹脂などを充填することが好ましい。このような構成によっても、第1実施形態等と同様の効果が得られる。さらに、第1電極13aの各電極部位の間、第1電極13bの各電極部位の間が図中の左右方向において互いに接続されずに分離・独立し、互いに離間するので、各電極部位の間を通して上下方向にダミー電極や引き回し配線を配置できるようになり、他のダミー電極などの配置の自由度をより増すことができる。第1実施形態に記載したAgペースト等の接続技術を用いて選択的に電気的接続を行ってもよい。
【0051】
(第5実施形態)
第5実施形態の液晶表示装置の基本的構成は上記した第1実施形態等と同様であり、主に第4実施形態における第1基板側の渡り配線と第2基板側の渡り配線の機能を変更点が異なる。以下では、第1実施形態等と共通する構成については同符号を用いることで詳細な説明を省略し、相違点について詳細に説明する。
【0052】
図13は、第5実施形態の液晶表示装置における第2基板の構成を示す平面図である。図13では、第2基板12を第2電極14が形成されている側から平面視した様子が示されている。上記した第4実施形態と同様に、第2基板12において、各ダミー電極40、42は、図中の上下方向にシール材19の位置まで延びる複数の引き回し配線を有しており、これらの引き回し配線は渡り配線242を介して相互に接続されているとともに、取り出し電極C2と接続されている。第1基板11側に設けられている第1電極13bの各電極部位は、シール材19を介していずれかのダミー電極40、42と導通するので、結果として、第1電極13bの各電極部位は、引き回し配線242を介して相互に接続され、かつ取り出し電極C2と接続される。
【0053】
図14は、第5実施形態の液晶表示装置における第1基板の構成を示す平面図である。図14では、第1基板11を第1電極13が形成されている側と逆側から平面視した様子が示されている。本実施形態では、渡り配線213aを用いて第1電極13aの各電極部位の間を接続している。これにより、第1電極13aの各電極部位の間は、図中の左右方向においては、各単位表示領域30a等のそれぞれに対応付けられた部位が互いに接続されずに分離・独立し、互いに離間させることができる。
【0054】
本実施形態では、各渡り配線213aはシール材19と重なる位置に設けられているため、基板間の短絡を防ぐためには、対応する電極面の少なくとも一方の上面に絶縁膜を設けることや、両基板間の隙間に紫外線硬化性樹脂などを充填することが必要である。このような構成によっても、第1実施形態等と同様の効果が得られる。第1実施形態に記載したAgペースト等の接続技術を用いて選択的に電気的接続を行ってもよい。
【0055】
(実施例)
次に、本発明を適用した液晶表示装置の実施例について説明する。
【0056】
第1基板および第2基板として、一面にITOからなる導電膜が形成された一対の青板ガラス基板(厚さ0.7mm)を用意する。各ガラス基板の導電膜を所望の表示図柄に対応するパターンにするために、フォトリソグラフィーおよびエッチング処理によりパターニングを行う。
【0057】
次に、各基板の一面(電極面)の少なくとも有効表示部を覆うようにしてSiO等からなる絶縁膜を所望の面内パターン形状に形成する。次に、垂直配向膜を絶縁膜と同様に有効表示部内が少なくとも含まれるように塗布し、180℃〜220℃で焼成する。
【0058】
次に、垂直配向膜を布厚2.8mm〜3.2mm程度の綿製ラビング布で一方向へラビング処理する。ラビング条件としては、完成後の液晶表示装置におけるプレティルト角が88.5°〜89.9°となるようにする。
【0059】
一方の基板(例えば第1基板)の配向膜が形成された面に対し、少なくとも有効表示部より大きな領域を囲むように枠状にシール材を印刷する。シール材には径4.2μmのガラスファイバースペーサーおよび両基板面の導通を確保するための径4.5μmの金コーティングされたプラスティックボールがそれぞれ1.5wt%ずつ添加されている。
【0060】
なお、金コーティングされたプラスティックボールを用いない場合には、他方の基板(例えば第2基板)の導通が必要となる位置にAgペーストをポッティング、スクリーン印刷等で配置する。
【0061】
他方の基板(例えば第2基板)には、径4.0μmのプラスティックボールスペーサーを乾式散布法により、100個/mmの密度で散布する。
【0062】
第1基板、第2基板を、各々の配向膜の形成面が対向するように位置合わせして重ね合わせ、両基板をプレスした状態で150℃の条件で焼成する。焼成時間については、シール材が硬化するのに必要十分な時間とする。
【0063】
次に、貼り合わせた第1基板と第2基板の間に、誘電率異方性が負の液晶材料を真空注入法にて注入し、紫外線硬化樹脂で注入口を封止後、120℃、1時間の熱処理を行う。
【0064】
貼り合わせた両基板の基板面を中性洗剤で洗浄後、各基板の表面に所望の視角補償板、偏光板を上記で示した積層順番で貼り合わせる。
【0065】
一方の基板(第2基板)側において他方の基板(第1基板)より外形が外側へ突出している部分には取り出し電極が配置されているので、それらの部分に対してリードフレーム、異方導電性フィルムを介したフレキシブルフィルム、ドライバICをボンディングする。
【0066】
最後に、取り出し電極に外部駆動回路を接続し、裏側の偏光板下に反射板またはバックライトを設けることにより、液晶表示装置が完成する。本実施例の液晶表示装置は、パネル部分の下側基板(第2基板)が縦27.5mm×横25mmで取り出し電極部の長さは2.5mmである。有効表示部は両基板が重ねられている25mm角領域のうち、内側の約22mmとし、残り3mm内にシール部を形成している。
【0067】
上記製造方法により、第1〜第5実施形態のそれぞれに対応した液晶表示装置を作製し、表面に貼り合わせた偏光板の保護フィルムを剥離した際の異常点灯状態を目視観察したところ、異常点灯は観察されなかった。このことから、各実施形態の構成によれば静電気帯電による異常点灯が著しく抑制されることが分かった。
【0068】
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。
【符号の説明】
【0069】
11:第1基板
12:第2基板
13:第1電極
14:第2電極
15:第1配向膜
16:第2配向膜
17:液晶層
19:シール材
21:第1偏光板
22:第2偏光板
30:単位表示領域
31:セグメント間領域
32:セグメント内領域
40、41、42、50、51、52、53:ダミー電極
213a、213b、240:渡り配線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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