特許第6854150号(P6854150)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854150
(24)【登録日】2021年3月17日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】監視システム、及び監視方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20210329BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20210329BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20210329BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   G08B25/04 E
   G08B25/00 510M
   G08B21/02
   H04N7/18 D
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-32501(P2017-32501)
(22)【出願日】2017年2月23日
(65)【公開番号】特開2018-136873(P2018-136873A)
(43)【公開日】2018年8月30日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 秀行
(72)【発明者】
【氏名】田中 拓朗
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕哉
【審査官】 松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−106548(JP,A)
【文献】 特開2012−104022(JP,A)
【文献】 特開2015−138410(JP,A)
【文献】 特開2002−092264(JP,A)
【文献】 特開2002−297757(JP,A)
【文献】 特開2002−230672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F19/00
G06Q10/00−10/10
30/00−30/08
50/00−50/20
50/26−99/00
G08B19/00−31/00
H04N7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の装置から情報を取得する取得部と、
前記取得された情報を用いて異常を検知する異常検知部と、
時間の経過に伴い変化する複数の人員の配置を示す監視体制計画を記憶する記憶部と、
なくとも所定時間後までの期間における前記監視体制計画に基づいて前記異常に対処させる対処人員の選定を行う選定部と
前記選定された対処人員の端末に前記異常への対処指示を通知する通知部と
を備える監視システム。
【請求項2】
前記所定時間として前記異常への対処予定時間を設定する設定部を備え、
前記選定部は、少なくとも前記対処予定時間後までの期間における前記監視体制計画に基づいて前記対処人員を選定する
ことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記設定部は、発生した前記異常の種類に応じた前記対処予定時間を設定する
ことを特徴とする請求項2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記選定部は、少なくとも前記所定時間後の時点における前記監視体制計画に基づいて前記対処人員を選定する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記監視体制計画は前記人員ごとの役割を含み、
前記選定部は、前記役割の重要度合いの時間的な変化に基づいて前記対処人員を選定する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
前記選定部は、前記監視体制計画において予め設定された重要監視地点に配置される人員を考慮して前記対処人員を選定する
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項7】
取得部が、他の装置から情報を取得し、
異常検知部が、前記取得された情報を用いて異常を検知し、
記憶部が、時間の経過に伴い変化する複数の人員の配置を示す監視体制計画を記憶し、
選定部が、少なくとも所定時間後までの期間における前記監視体制計画に基づいて前記異常に対処させる対処人員の選定を行い、
通知部が、前記選定された対処人員の端末に前記異常への対処指示を通知する
監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発生した異常に対処させる人員の選定に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェアラブル型の機器を用いて所定の場所を監視する技術が、特許文献1に記載されている。特許文献1の技術では、ヘルメットに装着したカメラ及びインターカムからの映像信号及び音声信号をウェストポーチに収納したエンコードサーバで記録することで、装着者が移動しながら映像及び音声を記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−148842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
イベントの開催場所等の場所を監視する場合、所定の監視体制の下、各人員が監視を行う。不審者、不審物又は負傷者の出現等の何らかの異常が発生した場合には、いずれかの人員がその異常が発生した場所へ移動し、対処を行う。この対処中の期間において、監視が手薄な場所が生じることは望ましくない。
そこで、本発明は、将来の監視体制への影響を考慮して異常に対処する人員を選定する仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明の監視システムは、時間の経過に伴い変化する複数の人員の配置を示す監視体制計画を記憶する記憶部と、異常が発生した場合、少なくとも所定時間後までの期間における前記監視体制計画に基づいて前記異常に対処させる対処人員の選定を行う選定部とを備える。
本発明の監視システムにおいて、前記所定時間として前記異常への対処予定時間を設定する設定部を備え、前記選定部は、少なくとも前記対処予定時間後までの期間における前記監視体制計画に基づいて前記対処人員を選定してもよい。
この監視システムにおいて、前記設定部は、発生した前記異常の種類に応じた前記対処予定時間を設定してもよい。
本発明の監視システムにおいて、前記選定部は、少なくとも前記所定時間後の時点における前記監視体制計画に基づいて前記対処人員を選定してもよい。
本発明の監視システムにおいて、前記監視体制計画は前記人員ごとの役割を含み、前記選定部は、前記役割の重要度合いの時間的な変化に基づいて前記対処人員を選定してもよい。
本発明の監視システムにおいて、前記選定部は、前記監視体制計画において予め設定された重要監視地点に配置される人員を考慮して前記対処人員を選定してもよい。
本発明の監視方法は、時間の経過に伴い変化する複数の人員の配置を示す監視体制計画を記憶し、異常が発生した場合、少なくとも所定時間後までの期間における前記監視体制計画に基づいて前記異常に対処させる対処人員の選定を行う。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、将来の監視体制への影響を考慮して異常に対処する人員を選定する仕組みを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態に係る監視システムの全体構成を示す図。
図2】同実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示す図。
図3】同実施形態に係る監視体制テーブルの構成の一例を示す図。
図4】同実施形態に係る監視システムで実行される処理を示すシーケンスチャート。
図5】同実施形態に係る監視体制の変化の様子を示す図。
図6】同実施形態に係る監視体制の変化の様子を示す図。
図7】同実施形態に係る異常への対処中の監視体制の一例を示す図。
図8】同実施形態に係る異常への対処中の監視体制の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る監視システム1の全体構成を示す図である。監視システム1は、マラソン競技等のイベントの開催場所を監視するシステムである。監視システム1は、サーバ装置10と、複数の携帯端末20と、複数のカメラ装置30と、オペレーション端末40とを備える。サーバ装置10は、複数の携帯端末20、及び複数のカメラ装置30の各々と通信回線NW1経由で通信を行う。通信回線NW1は、例えば、インターネット、及び無線通信網を含む公衆の通信回線である。サーバ装置10は、オペレーション端末40と通信回線NW2経由で通信を行う。通信回線NW2は、例えば、LAN(Local Area Network)を含む通信回線である。サーバ装置10、及びオペレーション端末40は、イベントの開催場所を監視するための監視センタに配置される。
なお、通信回線NW1,NW2は、有線及び無線のいずれの通信回線であってもよい。
【0009】
サーバ装置10は、イベントの開催場所で異常が発生した場合に、その異常への対処を監視員Uに指示するための処理を行う情報処理装置である。監視員Uは、所定の監視体制の下で、監視を行う人員である。監視体制は、複数の監視員Uの配置を示す。監視員Uは、何らかの異常が発生した場合には、その異常への対処を行う。「異常」とは、本実施形態では、不審者、不審物(例えば危険物)、及び負傷者のような、開催者又は参加者にとってイベントの進行を妨げ得る事象のことをいう。どの事象を異常と認めるかについては、どのように決められていてもよい。監視員Uには、例えば、警備を担当する人員、医療救護を担当する人員、又はイベントの運営に関わる人員(例えば、交通整理、案内を担当する人員)等の、様々な任務の人員がいる。図1には、監視員Uとして、監視員U1〜U4の4人が示されている。
【0010】
携帯端末20は、監視対象の区域にいる監視員Uによって携帯される端末装置である。携帯端末20は、例えば、スマートフォンである。ただし、携帯端末20は、タブレット型コンピュータ、ウェアラブル型(例えば腕時計型)等の、通信機能を有する携帯端末であってもよい。
【0011】
複数のカメラ装置30は、予め決められた場所に設置(固定)されている。カメラ装置30は、自装置に割り当てられた監視エリアを撮像し、撮像した画像を示す画像データを、サーバ装置10へ送信する。カメラ装置30は、例えば、街灯や電柱等の高所に設置され、例えば斜め下方向を撮像する。ただし、カメラ装置30の設置場所はいかなる場所でもよいし、撮像方向もいかなる方向でもよい。
【0012】
オペレーション端末40は、監視センタにいるオペレータにより使用されるコンピュータ装置である。オペレーション端末40は、複数のカメラ装置30からサーバ装置10に集められた画像データに基づいて、イベントの開催場所の画像を表示する。また、オペレーション端末40は、サーバ装置10に対する情報の入出力に用いられる。
【0013】
図2は、サーバ装置10の構成の一例を示す図である。図2に示すように、サーバ装置10は、制御部11と、第1通信部12と、第2通信部13と、記憶部14とを備える。制御部11は、サーバ装置10の各部を制御する。制御部11は、演算処理装置としてのCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)を含むプロセッサを有する。CPUは、ROM又は記憶部14に記憶されたプログラムをRAMに読み出して実行することにより、サーバ装置10の各部を制御する。第1通信部12は、通信回線NW1経由で、携帯端末20、及びカメラ装置30と通信する。第2通信部13は、通信回線NW2経由で、オペレーション端末40と通信する。第1通信部12、及び第2通信部13は、例えばモデムを備える。記憶部14は、制御部11により実行されるプログラム、及び監視体制テーブル141を記憶する。監視体制テーブル141は、時間の経過に伴い変化する複数の監視員の配置(監視体制)を示す監視体制計画を管理するテーブルである。本実施形態では、イベントの進行に伴い監視体制計画は変化する。記憶部14は、例えばハードディスクを備える。
【0014】
図3は、監視体制テーブル141の構成の一例を示す図である。監視体制テーブル141では、「日時」と、「監視員ID」と、「監視位置」と、「監視方向」と、「任務」と、「移動可否」という各情報が対応付けられている。「日時」のフィールドには、その監視体制計画での監視が実行される日時が格納される。「監視員ID」のフィールドには、監視員Uの識別子が格納される。監視員ID「UID001」、「UID002」、「UID003」、「UID004」は、順に、監視員U1,U2,U3,U4を示す。「監視位置」のフィールドには、監視員Uが監視中に居るべき位置(場所)の情報が格納される。監視位置は、ここではA地点、B地点・・・というような識別子を用いて表現しているが、別の表現としてもよい。例えば、緯度及び経度を用いた表現、又は「○○ビル」というような場所の名称を用いた表現が考えられる。「監視方向」のフィールドには、監視員Uが監視中に向くべき方向の情報が格納される。本実施形態では、監視方向は、方位を用いて表される。「任務」のフィールドには、監視員Uの任務の情報が格納される。本実施形態では、「警備」、「医療救護」、及び「運営」のいずれかであるが、これら以外の任務があってもよい。「移動可否」のフィールドには、異常の発生時に監視員Uが監視位置から離れることを許可するか否かの情報が格納される。
監視体制テーブル141は、イベントの開催前に作成され、監視体制計画として記憶される。
【0015】
図2に戻って、制御部11の機能を説明する。制御部11は、プログラムを実行することにより、異常検知部111と、設定部112と、選定部113と、通知部114とを有する。制御部11の各機能は、プロセッサ、及びプロセッサにより実行されるプログラムの協働により実現される。
異常検知部111は、イベントの開催場所で発生し得る異常を検知する処理である異常検知処理を実行する。異常検知部111は、例えば、第1通信部12を用いてカメラ装置30から取得した画像データを解析することにより、異常検知処理を実行する。この解析には、公知の画像解析を用いることができる。また、異常検知部111は、オペレータにより入力された情報を、第2通信部13を用いてオペレーション端末40から取得し、この情報に基づいて異常を検知することもできる。異常の検知方法は、特に問わない。
【0016】
設定部112は、異常への対処予定時間を設定する。対処予定時間は、異常への対処に要することが見込まれる時間である。選定部113は、異常検知部111により異常が発生したと判定された場合に、複数の監視員Uの中から、発生した異常への対処指示を行う異常に対処させる対処人員として監視員Uの選定を行う。選定部113は、監視体制テーブル141を記憶部14から読み出し、少なくとも対処予定時間後までの期間における監視体制計画に基づいて、異常に対処させる監視員Uの選定を行う。通知部114は、第1通信部12を用いて、選定部113により選定された監視員Uに異常への対処指示を行う。
【0017】
図4は、監視システム1で実行される処理を示すシーケンスチャートである。
サーバ装置10において異常検知部111は、異常検知処理を実行する(ステップS1)。次に、異常検知部111は、この異常検知処理の結果に基づいて異常が発生したどうかを判定する(ステップS2)。ステップS2で「NO」と判定した場合、異常検知部111は、ステップS1,S2の処理を繰り返し行う。
【0018】
異常検知部111により異常が発生したと判定された場合(ステップS2;YES)、設定部112は対処予定時間を設定する(ステップS3)。設定部112は、ここでは、異常の種類に応じた対処予定時間を設定する。例えば、異常が「不審者」である場合は、対処予定時間は「30分」、異常が「不審物」である場合は、対処予定時間が「20分」、異常が「急病人」である場合は、対処予定時間は「60分」という具合に決められている。異常の種類と対処予定時間との関係は、例えばイベントの運営者等により決められる。次に、選定部113は、設定された対処予定時間に基づいて、その異常に対処させる監視員Uの選定を行う(ステップS4)。選定部113は、監視体制テーブル141を参照して、対処予定時間後までの監視体制計画に基づいてこの選定を行う。
【0019】
図5、及び図6は、監視体制の変化の様子の一例を示す図である。
図5及び図6に表される監視体制は、図3の監視体制テーブル141に基づいている。図5の上段の図には、「2017/02/01 9:00〜9:20」の監視体制が示されている。この例では、監視員U1,U2,U3,U4は、ほぼ等間隔の監視位置で、且つ同じ監視方向である「南」を向くように配置されている。監視員U1,U2,U3,U4が監視する範囲を、順に監視範囲T1,T2,T3,T4と表す。監視範囲T1,T2,T3,T4は、ここでは扇形の範囲である。図5の下段の図には、「2017/02/01 9:20〜9:40」の監視体制が示されている。この例では、監視員U3,U4は、監視員U1,U2とは異なる監視方向を向く監視体制となる。また、監視員U2,U3,U4の監視位置が比較的近い。よって、監視範囲T2,T3、T4は互いに重なり合っている範囲が比較的大きい。図6には、「2017/02/01 9:40〜10:00」の監視体制が示されている。この例では、監視員U1,U2,U3,U4は、ほぼ等間隔の監視位置で、且つ同じ監視方向である「東」を向くように配置されている。
【0020】
ここで、「2017/02/01 9:15」に、図5の上段の図に示す監視範囲T2内で、「不審者」による異常が発生した場合を考える。この異常の発生位置を、「異常発生位置P」と表す。この場合、選定部113は、現在時点である「2017/02/01 9:15」から、対処予定時間後までの監視体制計画に基づいて、この異常に対処させる監視員Uを選定する。対処予定時間を、ここでは「30分」とする。
【0021】
仮に現在時点である「2017/02/01 9:15」の監視体制計画のみを考慮した場合、異常発生位置Pから最も近い監視員U2を選定するのが妥当ともいえる。監視員が異常発生位置Pに到達するまでの時間が短くて済み、異常への対処を迅速に開始することができるからである。
【0022】
一方、対処予定時間は「30分」であるため、異常発生時刻「2017/02/01 9:15」から30分後の「2017/02/01 9:45」までの期間、監視体制に影響が及ぶことになる。この期間に監視員U2が元の監視体制から離脱することにより、次のような問題が生じる。異常への対処中と見込まれている「2017/02/01 9:20〜9:40」においては、図7に示すように、監視員U1と監視員U3との間に、いずれの監視範囲にも属さない範囲である「非監視範囲」B1が形成される。このような非監視範囲は、監視が行われていない、又は監視が手薄になっている範囲であることを意味するから、極力存在させないことが望ましい。
【0023】
ここで、監視員U2ではなく監視員U3が選定された場合、「2017/02/01 9:20〜9:40」においては、図8に示す監視体制となる。監視員U3は、監視員U2よりも異常発生位置Pから遠い。しかし、非監視範囲B2は非監視範囲B1よりも小さくて済む。監視員U2,U3,U4の監視位置が比較的近いことに起因する。
【0024】
「2017/02/01 9:00〜9:20」、及び「2017/02/01 9:20〜9:40」の監視体制では、監視員U1,U2,U3,U4が、ほぼ等間隔の監視位置で、且つ同じ監視方向を向くように配置されている。よって、どの監視員Uが選定されても、監視体制への影響は同等と考えられる。
したがって、監視員U2よりも監視員U3に異常に対処させる方が、監視体制の乱れは少なくて済むといえる。
【0025】
そこで、選定部113は、例えば、異常発生時から対処予定時間後までの期間において、或る監視員Uが対処にあたることにより生じる非監視範囲が最小となるように、異常に対処させる監視員Uの選定を行う。この際、選定部113は、異常発生位置Pからの距離が所定距離内である監視員Uのみを選定の対象としてもよい。
【0026】
図4に戻って説明する。通知部114は、第1通信部12を用いて、選定部113により選定された監視員U宛てに、異常への対処指示を行う(ステップS5)。ここでは、通知部114は、監視員U3の携帯端末20宛てに、対処指示に係る通知を行う。監視員U3は、この対処指示に応じて、異常発生位置Pに移動して異常への対処を行う。なお、対処指示を受けた監視員U3は、異常への対処を完了すると、元の監視体制に戻る。
【0027】
なお、図5の例では、複数の監視員Uの間に非監視範囲が存在しない状況において、或る監視員Uの撮像範囲内で異常が発生した場合を示したが、複数の監視員Uの間に非監視範囲が元々存在す状況で異常が発生した場合も同様である。選定部113は、いずれかの監視員Uが対処のために現在の監視体制から離脱したと仮定して、その場合に対処予定時間後までに生じる非監視範囲が最も小さくなる監視員Uを選定する。即ち、選定部113は、複数の撮像範囲の分布を考慮して対処させる監視員Uを選定している。また、異常発生位置がいずれの監視員Uの撮像範囲にも含まれない場合でも、同様に処理することができる。
【0028】
以上が、監視システム1で実行される処理の流れである。ところで、ステップS4における監視員Uの選定の方法には、様々な方法がある。
選定部113は、発生した異常の種類に基づいて監視員Uを選定してもよい。選定部113は、更に、各監視員Uの役割に基づいて、監視員Uを選定してもよい。監視員Uの役割は、例えば、監視員Uの任務、監視位置、及び監視方向の少なくとも1つ以上に基づき特定される。
例えば、発生した異常が負傷者である場合は、選定部113は、任務が「医療救護」である監視員Uを選定する。発生した異常が不審者の出現である場合は、選定部113は、任務が「警備員」である監視員Uを選定する。異常の種類については、画像解析により特定されてもよいし、監視センタのオペレータにより指定されてもよい。また、選定部113は、発生した異常の種類に基づいて、選定する監視員Uの数を決定してもよい。
【0029】
選定部113は、対処予定時間後までの各監視員Uの役割の重要度合いの時間的な変化に基づいて、監視員Uの選定を行ってもよい。例えば、マラソン競技のスタート地点付近を監視位置とする監視員については、イベントの開始直後は重要度が高いが、その後は低下すると考えられる。重要度合いが低い役割の監視員Uほど、監視体制から離脱しても、その監視体制に与える影響は少ないと考えられる。そこで、選定部113は、役割の重要度合いが低い監視員Uを優先的に、監視員Uを対処人員として選定する。この場合、図3の監視体制テーブル141に各監視員の各時間帯について重要度を対応付けておき、異常発生時に対処させる監視員Uを選定する際、各監視員Uを選定した場合の非監視範囲の大きさに重要度に応じた重み付け係数を掛けて、この重み付け非監視範囲の大きさが最小となる監視員Uを対処人員として選定すればよい。例えば、重要度を3段階とし、重み付け係数を、重要度が「高」の場合は「2」、「中」の場合は「1」、「低」の場合は「0.5」として重み付け非監視範囲の面積を算出する。
【0030】
選定部113は、対処予定時間後までの各監視体制において、予め設定された重要監視地点が異常に対処する監視員U以外のいずれかの監視範囲に含まれるように、異常に対処させる監視員Uの選定を行ってもよい。重要監視地点については、一切監視範囲から漏れることのないようにしたい場合があるからである。かかる地点として、例えば、重要施設及びその周辺、又はマラソン競技のスタート地点及びゴール地点のような人の混雑度合いが高くなりやすい地点がある。そこで、選定部113は、重要監視地点が監視範囲に含まれる監視員Uについては、異常に対処させる監視員として選定しない。監視が必要な地点は、予め決められていればよい。当該重要監視地点は、時間の経過、例えばイベントの進行に伴って変化させられてもよいし、変化させられなくてもよい。
更に別の選定方法が採用されてもよい。
【0031】
以上説明した監視システム1によれば、将来の監視体制への影響を少なくしつつ異常に対処する監視員Uを選定することができる。また、監視システム1によれば、選定した監視員Uが異常へ対処しているときにおいても、監視体制が手薄になるのを防止することができる。
【0032】
本発明は、上述した実施形態と異なる形態で実施してもよい。また、以下に示す変形例は、各々を組み合わせてもよい。
上述した実施形態では、選定部113は、対処予定時間後まで期間における監視体制計画に基づいて、異常に対処させる監視員Uの選定を行っていた。選定部113は、対処予定時間後までの全期間ではなく、少なくとも対処予定時間後までの或る時点又は一部の期間の監視体制計画に基づいて、監視員Uの選定を行ってもよい。即ち、選定部113は、対処予定時間後までの少なくとも一部の期間又は時点の監視体制に基づいて、監視員Uの選定を行えばよい。これにより、現在時点の監視体制のみを考慮する場合に比べて、将来の監視体制への悪影響は軽減される。
【0033】
なお、監視体制への影響を判定する上記「或る時点」は、例えば、設定された対処予定時間が経過した時点や、対処予定時間の半分が経過した時点である。判定対象とする時点は1つに限らず、対処予定時間後までの複数の時点における監視体制への影響を比較して、対処人員とする監視員Uの選定を行う。
また、監視体制への影響を判定する上記「一部の期間」は、例えば、異常発生時から対処予定時間後までの期間のうち、異常発生時刻から始まる所定期間、対処終了予定時刻を終わりとする所定期間、或いは、異常発生時刻と対処終了時刻の中間の一部の期間である。
【0034】
また、選定部113は、対処予定時間後までの期間のうち、監視員Uの監視ポストが最も長くなる監視体制に基づき、異常に対処させる監視員Uを選定してもよい。上述した図3図5及び図6の例を用いて説明すると、異常発生時刻は「2017/02/01 9:15」で対処予定時間は「30分」であるため、その時点での第1監視ポスト(「2017/02/01 9:00〜9:20」)には5分間の影響が生じ、次の第2監視ポスト(「2017/02/01 9:20〜9:40」)には全体となる20分間の影響が生じ、さらに次の第3監視ポスト(「2017/02/01 9:40〜10:00」)には5分間の影響が生じることになる。そこで、選定部113は、対処の影響が最も長い期間となる第2監視ポストにおいて非監視範囲が最小となるように対処人員とする監視員Uの選定を行う。
また、選定部113は、非監視範囲が最小となる監視員Uではなく、非監視範囲が所定値以下となる監視員Uのうちから異常に対処させる監視員Uを選定してもよい。
【0035】
上述した実施形態では、対処予定時間は可変時間であったが、所定の固定時間でもよい。また、設定部112は、対処予定時間を、異常の種類以外の条件に基づいて設定してもよい。かかる条件として、異常発生位置、及び各監視員が異常発生位置に移動するための移動量等がある。
【0036】
上述した実施形態で説明したハードウェア回路、機能又は動作の一部が省略されてもよい。本発明の監視システムでは、オペレータの行う行為は人工知能の技術を用いて自動化されてもよい。また、上述した実施形態でサーバ装置10が有していた機能の一部を、携帯端末20、又はオペレーション端末40が有してもよい。また、本発明の監視システムは、イベントの開催場所の監視に限られず、公共の場所等の任意の場所の監視に適用し得る。
【0037】
上述した実施形態の監視システムが実現する各機能は、1又は複数のハードウェア回路により実現されてもよいし、1又は複数のプログラムを実行することにより実現されてもよいし、これらの組み合わせにより実現されてもよい。監視システムの機能がプログラムを用いて実現される場合、このプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD(Hard Disk Drive)、FD(Flexible Disk))等)、光記録媒体(光ディスク等)、光磁気記録媒体、半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよいし、ネットワークを介して配信されてもよい。また、本発明は、監視方法として把握することも可能である。
【0038】
本願の発明は、上述した実施形態に限定されることなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0039】
1…監視システム、10…サーバ装置、11…制御部、111…異常検知部、112…設定部、113…選定部、114…通知部、12…第1通信部、13…第2通信部、14…記憶部、141…監視体制テーブル、20…携帯端末、30…カメラ装置、40…オペレーション端末。
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