特許第6854217号(P6854217)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6854217パンチング機に適用されるサクション装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854217
(24)【登録日】2021年3月17日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】パンチング機に適用されるサクション装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/18 20060101AFI20210329BHJP
   B21D 45/08 20060101ALI20210329BHJP
   B26F 1/02 20060101ALI20210329BHJP
   B26F 1/14 20060101ALI20210329BHJP
   B21D 45/00 20060101ALN20210329BHJP
【FI】
   B26D7/18 G
   B21D45/08 Z
   B26F1/02 C
   B26F1/14 E
   !B21D45/00 E
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-153996(P2017-153996)
(22)【出願日】2017年8月9日
(65)【公開番号】特開2018-24089(P2018-24089A)
(43)【公開日】2018年2月15日
【審査請求日】2020年5月13日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0103237
(32)【優先日】2016年8月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517280018
【氏名又は名称】モベイス サンスター カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョン ソン
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5983767(JP,B2)
【文献】 特開平5−16099(JP,A)
【文献】 特開2002−264079(JP,A)
【文献】 特開2008−183670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/18
B21D 45/08
B21D 45/00
B26F 1/02
B26F 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに交互に作動する複数の針台と、前記複数の針台それぞれに連結された複数のパンチャーとを備え、前記複数のパンチャーそれぞれの内部にはスラッジ排出のための通孔が設けられている、パンチング機に適用されるサクション装置であって、
前記複数のパンチャーそれぞれに連通し、前記複数の針台の左右移動に伴って移動し、摺動面を有するサクションブロックと、
前記サクションブロックの前記摺動面に接し、固定された位置を有する吸引パイプと、および、
前記吸引パイプに連通する捕集網とを含み、
前記複数の針台の中から、パンチング動作を行う針台のみが選択的に前記吸引パイプと連通するようにすることを特徴とする、サクション装置。
【請求項2】
前記吸引パイプの終端に設置され、前記サクションブロックの摺動面にスライドされる吸着パッドをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のサクション装置。
【請求項3】
前記吸着パッドは、
スラッジ吸引動作をしない場合および針台が左右移動する場合には、前記サクションブロックの摺動面と一定の距離を維持して左右移動がスムーズに行われるようにし、
スラッジを吸引する針台に移動した場合、前記サクションブロックの摺動面との密着状態が強固となるようにすることを特徴とする、請求項2に記載のサクション装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パンチング機に係り、さらに詳細には、複数の針台を有するパンチング機におけるパンチング作業の際に発生するスラッジを効果的に排出するサクション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、パンチング機を用いたパンチング作業が行われていた。
【0003】
このようなパンチング機は、針台に針の代わりにパンチャーを装着して作業物に孔を開けるものである。
【0004】
図1は従来のパンチング機の構成を示す。
【0005】
図1に示すように、パンチング機100は、複数の針台22(図1では2つの針台を示している。)を備え、複数の針台22それぞれにパンチャー26が装着される。このパンチャー26は、底が円錐状の長い円筒状をし、内部にはスラッジ排出のための通孔(図示せず)が穿設されている。
【0006】
複数の針台22を構成するそれぞれの針台22は互いに交互に作動する。
【0007】
針台22の昇降に伴ってパンチャー26も昇降する。針台22が下降するとき、パンチャー26がベッド30上の作業物を貫通し、これにより作業物に孔が穿設される。
【0008】
このとき、発生するスラッジはパンチャー26の内部に流入する。
【0009】
それぞれのパンチャーの上部には、集塵機10に連結されるチューブ12がそれぞれ結合されている。
【0010】
チューブ12の他側はエア分配器14に連結されている。
【0011】
これにより、パンチャー26の内部に流入したスラッジは、チューブ12に沿ってエア分配器14およびスプリングホース18を介して捕集網10に導かれる。
【0012】
図示してはいないが、周知の如く、スプリングホースとエア分配器14との間には吐出弁があり、吐出弁により発生する圧力差によってスラッジがスプリングホースを介して排出される。
【0013】
しかしながら、従来のパンチング装置100において、パンチング作業の際に針台22が上下に作動するたびに、チューブ12がだぶだぶと揺れてパンチャー26とチューブ12との結合状態が不安定になるという問題点がある。
【0014】
また、エア分配器14を介して、それぞれのチューブ12にスラッジ吸引のための圧縮空気を割り当てているため、いずれの針台が動作しても、それに連結されたチューブだけでなく、全てのチューブ12でスラッジ吸引動作が発生して非効率的であるという欠点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】韓国公開特許第2001−0055195号公報
【特許文献2】韓国公開特許第1997−0010041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、従来のパンチング機に適用されたチューブを使用しないことにより外観が美麗になったパンチング機を提供することにある。
【0017】
本発明の他の目的は、パンチング作業中の針台に対してのみ選択的にスラッジ吸引動作が行われるようにすることにより集塵効率を上昇させるパンチング機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明のパンチング機に適用されるサクション装置は、交互に作動する複数の針台と、前記複数の針台それぞれに連結された複数のパンチャーとを備え、前記複数のパンチャーそれぞれの内部にはスラッジ排出のための通孔が設けられているパンチング機に適用されるサクション装置であって、前記複数のパンチャーそれぞれに設けられた通孔に連通し、前記複数の針台の左右移動に伴って移動し、摺動面を有するサクションブロックと、前記サクションブロックの摺動面に接し、固定された位置を有する吸引パイプと、前記吸引パイプに連通する捕集網とを含み、前記複数の針台の中から、パンチング動作を行う針台のみが選択的に前記吸引パイプと連通するようにすることを特徴とする。
【0019】
ここで、前記吸引パイプの終端に設置され、前記サクションブロックの摺動面にスライドされる吸着パッドをさらに含むことを特徴とする。
【0020】
ここで、前記吸着パッドは、スラッジ吸引動作をしない場合および針台が左右移動する場合には、前記サクションブロックの摺動面と一定の距離を維持して左右移動をスムーズにし、スラッジを吸引する針台に移動した場合、前記サクションブロックの摺動面との密着状態を強固にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るパンチング装置は、従来のパンチング装置に比べて、各針台に連結されるチューブが取り除かれて外観が美麗になるうえ、パンチング作業中の針台のみ選択的にスラッジ吸引動作が行われるようにすることにより集塵効率が上昇するという効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のパンチング機の構成を示す。
図2】本発明に係る構成を示す。
図3】吸着パッドと摺動面との結合状態を示す。
図4】本発明に係るサクション装置の実施例を示す。
図5図4に示された吐出弁の構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して本発明の構成および動作を詳細に説明する。
【0024】
図2は本発明に係る構成を示す。
【0025】
図2に示すように、本発明に係るパンチング機200は、複数の針台222(222−1〜222−n)を備え、複数の針台222(222−1〜222−n)それぞれにパンチャー226(226−1〜226−n、nは針台の個数)が装着される。このパンチャー226は、底が円錐状の長い円筒状をし、内部にはスラッジ(sludge)排出のための通孔が設けられている。
【0026】
複数の針台222を構成するそれぞれの針台222−1〜222−nは、互いに交互に作動する。
【0027】
針台222の昇降に伴ってパンチャー226も昇降する。針台222が下降するとき、パンチャー226がベッド230上の作業物を貫通し、これにより作業物に孔が穿設される。
【0028】
このとき、発生するスラッジはパンチャー226の内部に流入する。
【0029】
それぞれのパンチャー226−1〜226−nの上部には、パンチャー226−1〜226−nに連通するサクションブロック228が設置されており、ヘッド240の上部には、メインホース連結ブロック232が設置される。
【0030】
メインホース連結ブロック232の一側には吸引パイプ234が突出しており、メインホース連結ブロック232の他側にはスプリングホース216が連結されている。
【0031】
スプリングホース216は捕集網210に連通している。
【0032】
図示してはいないが、周知の如く、スプリングホース216とエア分配器との間には吐出弁があり、吐出弁により発生する圧力差によってスラッジがスプリングホース216を介して排出される。
【0033】
図2の左側に示されるように、パンチング機200には複数の針台222(222−1〜222−n)が設置されており、複数の針台222(222−1〜222−n)それぞれにはパンチャー226(226−1〜226−n)が連結されている。
【0034】
複数の針台222(222−1〜222−n)は、選択的に動作し、複数の針台222(222−1〜222−n)からいずれか一つの針台を選択する動作は、複数の針台222(222−1〜222−n)全体を左右に移動させて一つの針台を作業位置に位置させることにより行われる。
【0035】
通常、針台は、前記複数の針台に挿入された糸のカラーを多様にするために複数個を備えている。
【0036】
それぞれのパンチャー226−1〜226−nの上部には、パンチャー226−1〜226−nに連通するサクションブロック228が設置されている。
【0037】
サクションブロック228は、針台222の左右移動に伴って一緒に移動する。
【0038】
サクションブロック228の一側には摺動面228aが設けられており、この摺動面228aには、それぞれのパンチャー226−1〜226−nに連通する吸引溝が設けられている。
【0039】
サクションブロック228の摺動面228aには、吸引パイプ234が隣接して設置されている。吸引パイプ234が摺動面228aの吸引溝のいずれかに整列されると、当該吸引溝に連通したパンチャーではスラッジ吸引動作が起こる。
【0040】
サクションブロック228が針台選択動作に伴って左右に移動するので、吸引パイプ234が整列される吸引溝、すなわちパンチャーは、パンチング動作を行う針台に連結されたものである。
【0041】
サクションブロック228は、針台222の左右移動に伴って一緒に移動し、針台222に対して固定されているので、従来のパンチング機におけるチューブを代替する。
【0042】
また、本発明は、サクションブロック228の吸引溝と吸引パイプ234との整列状態に応じて、パンチング動作中の針台に対してのみスラッジ吸引動作が行われるので、すべての針台に対してスラッジ吸引動作が行われる従来のパンチング機に比べて集塵効率が高くなる。
【0043】
一方、サクションブロック228の摺動面228aと吸引パイプ234との結合が確実に行われるように、吸引パイプ234の終端に吸着パッド234aが設置される。この吸着パッド234aは、サクションブロック228の摺動面228aとの密着状態を強固にする。
【0044】
図3は吸着パッドと摺動面との結合状態を示す。
【0045】
図3を参照すると、吸着パッド234aは、スラッジ吸引動作をしない場合、および針台が左右移動する場合には、摺動面228aと一定の距離を維持して左右移動がスムーズに行われるようにする。
【0046】
図3の(a)の場合は、間隔がある場合であって、待機状態へ円滑に移動するためであり、図3の(b)の場合は、間隔なしに密着している場合であって、作動状態を意味する。
【0047】
これとは異なり、コンプレッサーの動作時にスラッジを吸引する針台へ移動した場合、サクションブロック228の摺動面228aとの密着状態が強固になるようにする。
【0048】
また、サクションブロック228の摺動面228aと吸着パッド234a付き吸引パイプ234とは、コンプレッサーの動作時にのみ吸引圧力によって互いに密着する。前記コンプレッサーの動作が停止すると、吸引圧力が損失して互いに離隔するので、サクションブロック228の摺動面228aと吸着パッド234a付き吸引パイプ234は自動的に微細に互いに脱着される。
【0049】
前記吸着パッド234aの材質は、POM(ポリアセタール)を使用したが、この他にゴムやプラスチック材質にしても良い。
【0050】
吸引パイプ234は、サクションブロック228に対して固定された位置を有しなければならないので、メインホース連結ブロック232は、例えばヘッド240などの固定されたものに設置される。
【0051】
図4は本発明に係るサクション装置の実施例を示す。
【0052】
図4を参照すると、コンプレッサー402、エアソレノイド弁404、吐出弁406、及びオペレーションボックス408が備えられていることが分かる。
【0053】
吐出弁406は、メインホース連結ブロック232と捕集網210との間のスラッジ排出通路に設置される。
【0054】
エアソレノイド弁404は、コンプレッサー402から発生した圧縮空気が吐出弁402に提供されることを断続する。
【0055】
オペレーションボックス408はエアソレノイド弁404の作動を制御する。
【0056】
図5図4に示された吐出弁の構成を示す。
【0057】
図5を参照すると、吐出弁406の内部には斜線方向にホールが穿設されており、エアソレノイド弁404を介して圧縮空気が供給されると、斜線進行方向に圧縮空気が流れながら、急速に流れる空気により圧力が低くなって反対方向のスラッジを吸引する。
【0058】
こうすることにより、パンチングによって発生したスラッジを捕集網へ移動させるのである。
【符号の説明】
【0059】
100、200 パンチング機
10、210 捕集網
22、222 針台
26、226 パンチャー
228 サクションブロック
232 メインホース連結ブロック
234 吸引パイプ
240 ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5