(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記操作部の操作に応じた設定内容とは、操作される前記操作部の種類によらず任意の前記操作部が操作された回数に応じた設定内容である、請求項1に記載のトイレシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一又は類似の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省く場合がある。また、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るトイレシステムAを、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係るトイレシステムAの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、トイレシステムAは、トイレ装置1及びリモコン装置2を備える。
【0016】
トイレ装置1は、便座装置3及び便器本体4を備える。
【0017】
便座装置3は、リモコン装置2と無線通信することで情報を送受する。この無線通信とは、例えば、電波による通信である。
便座装置3は、トイレルーム内に設けられた便器本体4上に設置されている。便座装置3は、便座ボックス5、便蓋6及び便座7を備える。
【0018】
便座ボックス5は、便器本体4の後部に設置されている。
便蓋6及び便座7は、便座ボックス5に対して上下方向に回動可能に支持されている。
【0019】
リモコン装置2は、トイレルームの所定位置に着脱可能に設置されている。例えば、この所定位置とは、例えば、トイレルームの壁面である。このリモコン装置2は、便座装置3と電波通信する。このリモコン装置2は、発電式のリモコンである。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態に係るリモコン装置2の前面を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るリモコン装置2の後面を示す図である。
【0021】
図2,
図3に示すように、リモコン装置2は、複数の操作ボタン8、及びモード切替スイッチ9を備える。なお、操作ボタン8は、本発明の「操作部」の一例である。
【0022】
複数の操作ボタン8は、便座装置3の各機能に対応するボタンであって、リモコン装置2の前面に設けられている。ユーザは、所望の機能(例えば、便器洗浄や衛生洗浄の吐水)に対応した操作ボタン8を操作することで、便座装置3に対して所望の機能を実行させることができる。例えば、操作ボタン8は、押ボタンである。本実施形態では、リモコン装置2の前面には、操作ボタン8として、おしり洗浄ボタン8a、ビデ洗浄ボタン8b、洗浄調節ボタン8c、乾燥ボタン8d、及び停止ボタン8eがそれぞれ設けられている。
【0023】
おしり洗浄ボタン8aは、トイレ装置1に対しておしり洗浄を開始させるためのボタンである。
ビデ洗浄ボタン8bは、トイレ装置1に対してビデ洗浄を開始させるためのボタンである。
洗浄調節ボタン8cは、おしり洗浄又はビデ洗浄の吐水の強さを調整するためのボタンである。
乾燥ボタン8dは、トイレ装置1に対して局部乾燥を開始させるためのボタンである。
停止ボタン8eは、トイレ装置1に対しておしり洗浄、ビデ洗浄、又は局部乾燥を停止させるためのボタンである。
【0024】
モード切替スイッチ9(スイッチ)は、リモコン装置2の後面に設けられている。このモード切替スイッチ9は、通常モードと管理者モードとを切り替えるスイッチである。モード切替スイッチ9は、リモコン装置2がトイレルームの壁面に取り付けられるとオン状態となる。これにより、リモコン装置2が通常モードとなる。一方、リモコン装置2がトイレルームの壁面から取り外されるとオフ状態となる。これにより、リモコン装置2が管理者モードとなる。
【0025】
通常モードとは、操作ボタン8ごとに設定される機能(例えば、ビデ洗浄、おしり洗浄、局部乾燥)をトイレ装置1に実行させるためのモードである。一方、管理者モードとは、トイレ装置1の設定を操作ボタン8の操作により設定変更可能なモードであって、例えば、管理者や施工者などの特定の者のみが使用するモードである。例えば、トイレ装置1の設定とは、便座7の設定温度や、ビデ洗浄及びビデ洗浄のシャワーの設定温度である。したがって、管理者モードの場合に、ユーザにより操作ボタン8が操作されたとしても、トイレ装置1ではビデ洗浄やおしり洗浄等の洗浄機能及び局部乾燥等の乾燥機能は実行されない。
【0026】
通常、リモコン装置2は壁面に取り付けられ、通常モードで動作することになる。一方、管理者等がトイレ装置1の設定を変更する場合には、リモコン装置2は管理者により壁面から取り外され、管理者モードで動作することになる。
【0027】
以下に、本発明の一実施形態に係るリモコン装置2の構成について具体的に説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るリモコン装置2の概略構成の一例を示す図である。
図4に示すように、リモコン装置2は、複数の操作検出部10(10a〜10e)、発電部11、リンク機構12、及び制御部13を更に備える。
【0028】
操作検出部10は、複数の操作ボタン8ごとに設けられている。すなわち、操作検出部10は、複数の操作ボタン8のそれぞれに対応して設けられている。また、複数の操作検出部10は、制御部13にそれぞれ電気的に接続されている。
この操作検出部10は、対応する操作ボタン8が操作されたこと(操作ボタン8への操作)を検出する。例えば、操作ボタン8が押ボタンである場合には、操作検出部10は、対応する操作ボタン8への押下操作を検出する。
【0029】
本実施形態では、操作検出部10aがおしり洗浄ボタン(操作ボタン)8aに対応して設けられ、操作検出部10bがビデ洗浄ボタン(操作ボタン)8bに対応して設けられ、操作検出部10cが洗浄調節ボタン(操作ボタン)8cに対応して設けられ、操作検出部10dが乾燥ボタン(操作ボタン)8dに対応して設けられ、操作検出部10eが停止ボタン(操作ボタン)8eに対応して設けられている。
【0030】
操作検出部10は、例えば、プッシュボタンスイッチである。以下に、操作検出部10における、操作ボタン8に対する押下操作の検出方法について、
図5,6を用いて説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る操作ボタン8の横断図(
図2のA−A線断面図)である。
図6は、本発明の一実施形態に係る操作ボタン8の縦断面図(
図2のB−B線断面図)である。
【0031】
図5に示すように、操作ボタン8は、リモコン装置2の前面側のケースである上蓋部40に設けられたボタン孔41に挿着されている。これにより、操作ボタン8は、ボタン孔41の軸方向(リモコン装置2の厚さ方向)に対して移動可能となる。
ボタン孔41の周りには、リング状の補強部14が形成されている。
【0032】
操作ボタン8は、被押圧部21、カム部25、及びスイッチ押圧部26を備えている。
【0033】
被押圧部21は、例えば、円板状である。この被押圧部21の上面は、ユーザに押圧される部分である。また、被押圧部21の周縁には、上面と反対側に向かって垂れ下がった縁取り部23が設けられている。
【0034】
縁取り部23は、リング状であって、その外径寸法が補強部14の内径寸法に略等しい。この縁取り部23は、補強部14に対して摺動可能である。縁取り部23の下端は、外方に折れ曲がってフランジ24を構成する。
【0035】
フランジ24は、補強部14の下端に当接して、操作ボタン8が上蓋部40から外れないようにしている。
【0036】
カム部25は、被押圧部21の裏面において、スイッチ押圧部26を挟むように一対で突設されている。
カム部25は、例えば板状であって、一端が被押圧部21に接続され、他端である自由端には両角に傾斜面が形成されている(
図6参照)。この傾斜面が
図6に示す第1カム部27である。
【0037】
スイッチ押圧部26は、被押圧部21の裏面の略中央において、被押圧部21の上面と反対側に向かって突設している。
スイッチ押圧部26は、操作検出部10に対向して設けられており、操作ボタン8が押下操作された場合に操作検出部10を押圧する。これにより、操作検出部10は、オン状態となり、操作ボタン8に対する押下操作を検出することになる。なお、スイッチ押圧部26の形状は、操作検出部10を押圧できるような任意の形状に変更可能である。
【0038】
図4に戻り、発電部11は、各操作ボタン8の少なくともいずれかが操作されることにより発電する。具体的には、発電部11は、操作ボタン8に対する操作力を電力に変換することで発電する。例えば、発電部11は、電磁誘導により上記操作力を電力に変換してもよいし、圧電素子を用いて上記操作力を電力に変換してもよい。この発電部11により発電された電力は、リモコン装置2の動作電源として用いられる。
【0039】
リンク機構12は、各操作ボタン8と発電部11との間に設けられている。
このリンク機構12は、各操作ボタン8に対する操作力を発電部11に伝達する。このリンク機構12は、複数の操作ボタン8のうち、少なくとも一つの操作ボタン8が押下操作された場合には、その押下操作の操作力を発電部11に伝達することができる。
【0040】
以下に、本実施形態に係るリンク機構12の具体的な構成について、
図7〜9を用いて説明する。
図7は、本発明の一実施形態に係るリンク機構12の概略構成の一例を示す平面図である。
図8は、本発明の一実施形態に係る操作ボタン8が押下操作されていない状態のリンク機構12の断面図である。
図9は、本発明の一実施形態に係る操作ボタン8が押下操作されたときの状態のリンク機構12の断面図である。
【0041】
リンク機構12は、本体部101及び圧縮コイルバネ115を備える。
本体部101は、例えば、ラダー形状である。本体部101は、縦木部110及び横木部130を備える。
【0042】
縦木部110は、長板状の部材である。この縦木部110は、本体部101に一対で設けられている。
【0043】
縦木部110には、スライド部111、被ガイド部112、及び第2カム部120が形成されている。
【0044】
スライド部111は、縦木部110の下面に形成されており、リモコン装置2の後面側のケースである下蓋部42に対して接触且つ摺動可能に構成されている。スライド部111は、リモコン装置2の操作ボタン8に対向する位置に形成されていることが好ましい。なお、縦木部110の下面を全面的に下蓋部42に接触させると接触抵抗が増大するため、本実施形態では、スライド部111のみが下蓋部42に接触し、スライド部111以外の下面は、下蓋部42から離隔している。
【0045】
被ガイド部112は、下蓋部42から離隔した下面の一部に形成された板状部材である。この被ガイド部112は、下蓋部42に形成されているガイドレール31に挟み込まれている。これにより、本体部101は、被ガイド部112がガイドレール31に案内されることにより、下蓋部42に対してリモコン装置2の長手方向に摺動する。
【0046】
圧縮コイルバネ115は、縦木部110の自由端と下蓋部42との間に設けられている。この圧縮コイルバネ115は、縦木部110に対して移動方向とは反対方向に付勢する。
【0047】
第2カム部120は、縦木部110の外方側面に形成されている。この第2カム部120は、発電部11の可動部11bに対向している。
【0048】
横木部130は、一対の縦木部110に複数懸架されている。本実施形態では、横木部130は、操作ボタン8の第1カム部27に対向する棒状のローラである。
【0049】
次に、本実施形態に係る操作ボタン8の押下操作による発電方法について説明する。
ユーザにより操作ボタン8が押下操作されると、操作ボタン8の第1カム部27である傾斜面又は曲面が本体部101の横木部130を押圧する。そして横木部130が押圧されると、この押圧力が第1カム部27から縦木部110に伝達され、本体部101はガイドレール31に案内されながら、下蓋部42の面に沿って移動する(
図8における右側の方向に移動する)。この本体部101の移動に伴い、第2カム部120が発電部11の可動部11bに作用して、その発電部11の可動部11bを変位させる。これにより、発電部11が発電する。なお、操作ボタン8の押下操作が開放されると、圧縮コイルバネ115の付勢力により縦木部110が元の位置に戻される。そして、縦木部110が元の位置に戻ることにより、縦木部110が第1カム部27を押圧して操作ボタン8を持ち上げる。なお、操作ボタン8は、操作検出部10に内蔵されている圧縮コイルバネの付勢力(押下方向と反対方向に付勢する力)によって持ち上げられてもよい。
【0050】
次に、本実施形態に係る制御部13について説明する。
制御部13は、操作ボタン8が操作されると、発電部11で発電された電力を動作電源として起動する。そして、制御部13は、操作検出部10から検出信号を取得すると、その検出信号に基づいて、複数の操作ボタン8の中から押下操作された操作ボタン8を判別する。例えば、制御部13は、検出信号を送信した操作検出部10を特定し、その特定した操作検出部10の検出対象である操作ボタン8を特定することで押下操作された操作ボタン8を判別する。
【0051】
そして、制御部13は、モード切替スイッチ9がオン状態である場合、すなわち通常モードである場合には、押下操作された操作ボタン8に応じた操作信号をトイレ装置1に無線送信する。これにより、制御部13は、トイレ装置1に対して、操作ボタン8ごとに設定される機能(例えば、ビデ洗浄、おしり洗浄、局部乾燥)をトイレ装置1に実行させことができる。
【0052】
一方、制御部13は、モード切替スイッチ9がオフ状態である場合、すなわち管理者モードである場合には、任意の操作ボタン8が操作されたことをきっかけとして、設定信号をトイレ装置1に無線送信する。この設定信号は、トイレ装置1の設定を変更するための信号であって、操作信号とは異なる信号である。この設定信号は、例えば、操作ボタン8が操作されるごとにトイレ装置1に無線送信される。
【0053】
次に、本実施形態に係るトイレ装置1における便座装置3について、説明する。
便座装置3は、制御部13から操作信号を無線通信で取得した場合には、その操作信号に応じた機能を実行する。
【0054】
また、便座装置3は、制御部13から設定信号を無線で取得した場合には、その設定信号に基づいてトイレ装置1の設定を変更する。より具体的には、便座装置3は、制御部13からの設定信号をカウントし、そのカウント数に応じた設定内容に設定変更する。すなわち、便座装置3は、管理者モードにおいて、任意の操作ボタン8が操作された回数に応じた設定内容に、トイレ装置1の設定を変更する。
【0055】
例えば、便座装置3は、各操作回数に応じた設定内容を記憶している。
図10は、本発明の一実施形態に係る便座装置3が記憶する各操作回数に応じた設定内容の一例をテーブル形式で示す図である。
【0056】
図10に示すように、例えば、操作回数が1回である場合には、設定内容として便座7の温度を「高」に設定する内容がその操作回数と関連づけられている。操作回数が2回である場合には、設定内容として便座7の温度を「中」に設定する内容がその操作回数と関連づけられている。操作回数が3回である場合には、設定内容として便座7の温度を「低」に設定する内容がその操作回数と関連づけられている。操作回数が4回である場合には、設定内容として便座7の温度を「切」に設定する内容がその操作回数と関連づけられている。
【0057】
ここで、便座装置3は、以下の(1)〜(3)の少なくともいずれかの方法により設定信号のカウント数を確定する。このカウント数の確定とは、設定変更の確定を意味する。
【0058】
(1)便座装置3は、トイレ装置1に対する所定の動作が実行された場合に、カウント数を現在のカウント数に確定し、その確定したカウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する。ここで、所定の動作とは、ユーザによるトイレ装置1に対する動作であって、例えば、ユーザのトイレ装置1への着座や脱座である。
【0059】
(2)便座装置3は、リモコン装置2に対する所定の動作が実行された場合に、カウント数を現在のカウント数に確定し、その確定したカウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する。ここで、所定の動作とは、ユーザによるリモコン装置2に対する動作であって、例えば、通常モードにおける操作ボタン8への操作である。したがって、便座装置3は、リモコン装置2から操作信号を取得した場合には、カウント数を現在のカウント数に確定し、その確定したカウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する。
【0060】
(3)便座装置3は、管理者モードにおいて、操作ボタン8が操作されてから操作ボタン8が操作されない時間が所定時間が経過した場合には、カウント数を現在のカウント数に確定し、その確定したカウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する。例えば、便座装置3は、最新の設定信号を取得してから所定時間が経過する間に新たな設定信号を取得しない場合には、カウント数を現在のカウント数に確定し、その確定したカウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する。
【0061】
以下に、本発明の一実施形態に係るトイレシステムAの全体動作について、
図11を用いて説明する。
図11は、本発明の一実施形態に係るトイレシステムAの全体動作の流れを示す図である。
【0062】
まず、リモコン装置2は、操作ボタン8が操作されることで発電部11が発電すると、その発電部11で発電された電力を動作電源として起動する。そして、リモコン装置2の制御部13は、モード切替スイッチ9がオン状態か否かを判定する(ステップS101)。制御部13は、モード切替スイッチ9がオン状態である場合には、通常モードとして動作する(ステップS102)。一方、制御部13は、モード切替スイッチ9がオフ状態である場合には、管理者モードとして動作する(ステップS103)。
【0063】
以下に、通常モードにおけるトイレシステムAの動作の流れについて説明する。
図12は、本発明の一実施形態に係る通常モードにおけるトイレシステムAの動作の流れを示すシーケンス図である。
【0064】
図12に示すように、リモコン装置2の制御部13は、操作検出部10からの検出信号に基づいて、押下操作された操作ボタン8を判別する(ステップS201)。そして、制御部13は、その判別した操作ボタン8に応じた操作信号をトイレ装置1に無線送信する(ステップS202)。そして、トイレ装置1は、制御部13から操作信号を無線で取得した場合には、その操作信号に応じた機能を実行する(ステップS203)。
【0065】
次に、管理者モードにおけるトイレシステムAの動作の流れについて説明する。
図13は、本発明の一実施形態に係る管理者モードにおけるトイレシステムAの動作の流れを示すシーケンス図である。
【0066】
制御部13は、操作検出部10からの検出信号を取得すると、設定信号を便座装置3に無線送信する(ステップS301)。ここで、制御部13は、通常モードでの動作とは異なり、押下操作された操作ボタン8を判別する必要がない。すなわち、制御部13は、押下操作された操作ボタン8の種類によらず、複数の操作ボタン8のうち、いずれかの操作ボタン8が押下されたことをきっかけとして設定信号を便座装置3に無線送信する。なお、本実施形態では、制御部13は、操作ボタン8が押下操作されるごとに設定信号を便座装置3に無線送信する。
【0067】
便座装置3は、制御部13から無線送信される設定信号をカウントする(ステップS302)。
便座装置3は、ステップS302の処理を継続しながら、制御部13から設定信号を取得してから(操作ボタン8の操作が行われてから)、便座装置3又はリモコン装置2に対する所定の動作が実行されたか否かを判定する(ステップS303)。例えば、便座装置3は、制御部13から設定信号を取得してから、便座装置3への着座や脱座、又は通常モードでのリモコン装置2に対する押下操作を検出した場合には、上記所定の動作が実行されたと判定して、設定信号のカウントを停止する。
【0068】
一方、便座装置3は、制御部13から設定信号を取得してから、便座装置3への着座や脱座、又は通常モードでのリモコン装置2に対する押下操作を検出しない場合には、設定信号のカウント処理を継続する。
【0069】
また、便座装置3は、ステップS303において、ステップS302の処理を継続しながら、制御部13から設定信号を取得してから(操作ボタン8の操作が行われてから)、所定時間が経過するまでに新たな操作信号を取得したか否かを判定する。便座装置3は、制御部13から設定信号を取得してから所定時間が経過するまでに新たな操作信号を取得しない場合には、設定信号のカウントを停止する。
【0070】
一方、便座装置3は、制御部13から設定信号を取得してから、制御部13から設定信号を取得してから所定時間が経過するまでに新たな操作信号を取得した場合には、カウント数をカウントアップするとともに、設定信号のカウント処理を継続する。
【0071】
便座装置3は、制御部13から設定信号を取得してから上記所定の動作が実行された場合又は所定時間が経過するまでに新たな操作信号を取得しない場合には、設定信号のカウントを停止するとともに、現在のカウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する(ステップS304)。なお、便座装置3は、カウント数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更した後は、そのカウント数を0にリセットする。
【0072】
上述したように、本実施形態に係るトイレシステムAは、リモコン装置2が所定位置から離脱された場合には管理者モードに移行する。例えば、リモコン装置2は、後面側に設けられたモード切替スイッチ9を備え、このモード切替スイッチ9がオン状態からオフ状態に移行した場合には、管理者モードに移行する。これにより、トイレシステムAは、モード切替スイッチ9がオフ状態である場合には、常に管理者モードとなるため、管理者モードが解除される時間的制約がない。したがって、ユーザにとって使い勝手が良く、ユーザによる操作ミスが減少する。
【0073】
また、本実施形態に係るトイレシステムAは、管理者モードにおいて、トイレ装置1若しくはリモコン装置2に対する所定の動作が実行されるまで又は操作ボタン8の操作が行われない時間が所定時間経過するまでの間に、行われた任意の操作ボタン8の操作回数に応じた設定内容にトイレ装置1の設定を変更する。これにより、ユーザは、管理者モードにおいて、操作ボタン8を押下する順番や押下する操作ボタン8の種類を気にせずに、任意の操作ボタン8の押下回数によりトイレ装置1の設定を変更することができる。したがって、ユーザにとって、使い勝手が良く、ユーザによる操作ミスが減少する。
【0074】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0075】
(変形例1)上記実施形態では、制御部13は、モード切替スイッチ9がオン状態からオフ状態に移行した場合には、管理者モードに移行したが、本発明はこれに限定されない。すなわち、制御部13は、リモコン装置2が所定位置(例えば、壁に設置されている位置)から離脱された場合に通常モードから管理者モードに移行すればよく、この所定位置からの離脱を判定する方法として、例えば、上記モード切替スイッチ9を用いてもよいし、赤外線センサを用いてもよい。換言すれば、本発明のトイレシステムAは、リモコン装置2が所定位置から離脱したことを検出する方法には、特に限定されない。
【0076】
(変形例2)上記実施形態では、リモコン装置2は、操作ボタン8が操作されることにより発電したが、発電方式には特に限定されない。
【0077】
(変形例3)上記実施形態では、操作検出部10がプッシュボタンスイッチである場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、操作検出部10はプッシュボタンスイッチ等のように機械式のスイッチでもよいし、ホール素子や静電容量式等のスイッチでもよい。
【0078】
(変形例4)上記実施形態では、モード切替スイッチ9は、リモコン装置2の後面に設けられている場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、モード切替スイッチ9は、リモコン装置2の側面や前面に設けられていてもよい。
【0079】
(変形例5)上記実施形態のモード切替スイッチ9は、例えば、以下に示す構成を備える。例えば、モード切替スイッチ9は、使用者がモードを切り替えるために操作するモード切替操作部と、モード切替操作部の操作を検出するモード切替操作検出部と、を有している。モード切替操作検出部は、プッシュボタンスイッチ等のように機械式のスイッチでもよいし、ホール素子や静電容量式等のスイッチで構成され、例えば、後側からモード切替操作部に押圧されることで、モード切替操作部の操作を検出するように配置されている。そして、モード切替操作検出部は、検出結果を制御部13に送信する。制御部13は、モード切替操作検出部がモード切替操作部の操作を検出している場合には、通常モードとなる。