(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のコンテナに用いられるバタフライ弁タイプの開閉弁は、開閉操作にあたって比較的大きな回転力を加える必要があるため、手動開閉式の場合、開閉操作が容易でないという課題があった。
【0006】
一方、バタフライ弁タイプの開閉弁を開閉装置などを用いて自動開閉させる場合、開閉弁の操作ハンドルを正確に位置決めして保持し、この操作ハンドルを一方向に回転させて開閉弁を開き、また逆方向に回転させて開閉弁を閉めるといった精密な動きを行うことができるロボットアームなどを備えた複雑な構造の自動開閉装置を用いる必要があった。また、自動開閉バルブとして一般的に用いられる空気式や電気式アクチュエータを備えたバタフライ弁を移動するコンテナに用いる場合、エアー配管や電気配線の自動着脱が必要であり、この場合もこれらの正確な位置決めが必要とされる。こうした自動開閉バルブや特殊な形状の操作ハンドルを備えたコンテナを用意する必要があり、コンテナのコストアップを招くという課題もある。
【0007】
さらに、こうした開閉弁の自動操作に適応した特殊な形状の操作ハンドルは、手動によって操作することが困難であり、自動開閉装置を用いない場合は開閉弁の操作が困難になるという課題もあった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであって、自動開閉装置を用いた開閉および手動での開閉にいずれも対応可能な開閉弁装置を備えたコンテナ、および簡易な構成で開閉弁装置の開閉が可能な開閉弁操作装置を備えたコンテナ排出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明のコンテナは、以下の構成を有する。
底部に排出口を備えたコンテナ本体と、前記排出口を開閉する弁体、該弁体を回動可能に支持する弁軸、該弁軸の外側で互いに離間して配された2つの操作片、前記弁軸および2つの前記操作片を結合する結合部材を有する開閉弁装置と、を備え、前記開閉弁装置は、前記弁体の開放位置および閉塞位置の少なくともいずれか一方において、前記弁軸の回動を抑制するロック部材を備え、前記ロック部材はボールプランジャーからなり、付勢ボールを前記コンテナ本体の外面に形成されたボール受け穴に嵌合させることで、前記弁体を前記開放位置および前記閉塞位置の少なくともいずれか一方で係止させ
、前記結合部材は、前記弁軸の端部に取り付けられ、前記弁軸の軸線に直角な方向に広がる円板状部材と、該円板状部材の外周部から2つの前記操作片のそれぞれに向けて延び、先端に前記操作片が固着される板状部材とからなり、前記ロック部材は、前記板状部材に形成されていること特徴とする。
【0010】
本発明のコンテナによれば、弁体を回動可能に支持する弁軸に、結合部材を介して互いに離間して配された2つの操作片を結合させることによって、この2つの操作片をそれぞれ上方に伸長させるだけで、1つの弁軸を互いに逆方向に回動させることができ、コンテナの排出口を容易に閉塞および開放させることができる。
【0011】
また、こうしたコンテナによれば、2つの伸縮アームを備えた簡易な構成の開閉弁操作装置を設置するだけで、排出操作を低コストで自動的に行うことが可能になる。また、コンテナは、一方の操作片を弁体の開放操作用、他方の操作片を弁体の閉塞操作用として、手動での開閉であっても操作を容易にすることができる。
【0012】
また、弁体の自動開閉に対応した特殊な形状の開閉弁装置を用いなくても、市販の安価なバタフライ弁を弁体として用いることができ、弁体の自動開閉に対応したコンテナを低コストに製造することができる。また、開閉弁操作装置を用いた自動開閉操作と手動開閉操作のいずれにも対応可能なコンテナが実現できる。
【0013】
また、本発明では、前記操作片は、前記弁軸の軸線に平行に延びる棒状の部材であることを特徴とする。
【0016】
本発明のコンテナ排出装置は、以下の構成を有する。
底部に排出口を備えたコンテナ本体と、前記排出口を開閉する弁体、該弁体を回動可能に支持する弁軸、該弁軸の外側で互いに離間して配された2つの操作片、前記弁軸および2つの前記操作片を結合する結合部材を有する開閉弁装置と、を備え、前記開閉弁装置は、前記弁体の開放位置および閉塞位置の少なくともいずれか一方において、前記弁軸の回動を抑制するロック部材を備え、前記ロック部材はボールプランジャーからなり、付勢ボールを前記コンテナ本体の外面に形成されたボール受け穴に嵌合させることで、前記弁体を前記開放位置および前記閉塞位置の少なくともいずれか一方で係止させるコンテナと、伸長位置と縮退位置との間で伸縮可能な第1の伸縮アームおよび第2の伸縮アームと、前記第1の伸縮アームおよび第2の伸縮アームを支持する枠体とを備え、前記第1の伸縮アームは、先端部分が一方の前記操作片に接触して、縮退位置から伸長位置に伸びる間に前記弁体を閉塞位置から開放位置に向けて回動させ、前記第2の伸縮アームは、先端部分が他方の前記操作片に接触して、縮退位置から伸長位置に伸びる間に前記弁体を開放位置から閉塞位置に向けて回動させる開閉弁操作装置と、を有することを特徴とする。
【0017】
本発明のコンテナ排出装置によれば、エアシリンダーを用いた第1の伸縮アームと第2の伸縮アームとを形成し、これら2本の伸縮アームをそれぞれ伸長させるだけで、コンテナの1つの弁軸を互いに逆方向に回動させることが可能になる。これによって、コンテナの排出口の弁体による開閉を低コストで容易に自動化させることが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、自動開閉装置を用いた開閉および手動での開閉にいずれも対応可能な開閉弁装置を備えたコンテナ、および簡易な構成で開閉弁装置の開閉が可能な開閉弁操作装置を備えたコンテナ排出装置を提供することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を適用した一実施形態であるコンテナ、開閉弁操作装置を備えたコンテナ排出装置について図面を参照して説明する。なお、以下に示す実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係るコンテナおよび開閉弁操作装置を備えたコンテナ排出装置(ホッパー装置)を示す平面図である。
コンテナ排出装置10は、収容物の一例である粉粒体を収容する本発明のコンテナ20と、このコンテナ20の開閉弁装置50を操作する開閉弁操作装置30と、この開閉弁操作装置30が取り付けられるとともにコンテナ20を着脱可能に支持する架台40と、自動制御装置60(
図6参照)とを備えている。なお、コンテナ20の収容物は、粉粒体に限らず液体等であってもよい。
【0022】
コンテナ20は、筒部21、この筒部21からコンテナ20の平面視中央に配置される排出口23に向かって漸次縮径される漏斗状の錐部22、筒部21の上方を覆う天板24を有するコンテナ本体25と、このコンテナ本体25の底部の排出口23に形成された開閉弁装置50と、を備えている。
【0023】
コンテナ20の筒部21は、本実施形態では四角筒状を成している。また、錐部22は、四角筒を成す筒部21の各面から排出口21に向けて傾斜する4面からなる四角錐状を成している。なお、コンテナ20の筒部21および錐部22は、本実施形態のように四角筒、四角錐以外にも、それぞれ円筒状、円錐状に形成することもできる。また、多角筒状、多角錐状に形成することもでき、コンテナ本体25の外形形状は限定されるものでは無い。
【0024】
排出口23は、例えば円形の開口であり、コンテナ本体25に収容された粉粒体Mの排出時には、後述するシューター41が接続される。
【0025】
図2は、コンテナの開閉弁装置を示す要部拡大模式図である。
開閉弁装置50は、排出口23を開閉する弁体51と、弁体51を回動可能に支持する弁軸52と、弁軸52の外側で互いに離間して配された一方の操作片53および他方の操作片54と、弁軸52および2つの操作片53,54を結合する結合部材55を備えている。
【0026】
弁体51は、例えば、円形の排出口23を閉塞可能な円板状のバタフライ弁であり、面方向に平行に延びる弁軸52が固着されている。こうした弁体51は、弁軸52を90°回動させることによって、排出口23を閉塞する閉塞位置V1(
図2中の実線)と、弁体51の一面を鉛直方向に沿わせた開放位置V2(
図2中の鎖線)との間で変位可能にされる。
【0027】
弁体51は、閉塞位置V1においては、排出口23を閉塞することによって、コンテナ本体25に収容された粉粒体Mの排出口23からの流出を阻止する。また、弁体51は、開放位置V2においては、弁体51の一面が鉛直方向に沿って起立することにより、排出口23は、弁体51の厚み分を除いた領域が開放され、粉粒体Mの流出(排出)を可能にする。なお、弁体51の開放位置V2は、弁体51の一面が鉛直方向に対して90°未満の角度範囲で傾斜した半開状態も含む。
【0028】
結合部材55は、弁軸52の一方の端部に取り付けられ、弁軸52の軸線Oに直角な方向に広がる円板状部材56と、この円板状部材56の外周部から一方の操作片53および他方の操作片54に向けてそれぞれ延びる板状部材57a,57bとから構成されている。
【0029】
操作片53,54は、それぞれ板状部材57a,57bの先端に固着され、弁軸52の軸線Oに対して平行に延びる円筒棒状の部材からなる。
【0030】
このような構成の開閉弁装置50においては、一方の操作片53を
図3に示すように上方に向けて持ち上げることによって、弁体51が閉塞位置V1から開放位置V2に回動する。また、他方の操作片54を
図4に示すように上方に向けて持ち上げることによって、弁体51が開放位置V2から閉塞位置V1に回動する。
【0031】
板状部材57bには、弁体51の閉塞位置V1において弁軸52の回動を抑制するロック部材58が形成されている。ロック部材58は、例えば、ボールプランジャーからなり、他方の操作片54が
図4に示す上方にある時に、ボールプランジャーの付勢ボールをコンテナ本体25の外面に形成されたボール受け穴に嵌合させることによって、弁体51を閉塞位置V1で係止させる。これにより、例えばコンテナ20の移動時の振動などによって弁体51が開放位置V2に向けて回動して粉粒体Mが予期せず流出するといったことを防止する。
【0032】
再び
図1を参照して、開閉弁操作装置30は、上述したような構成のコンテナ20の開閉弁装置50を自動操作するものであり、第1の伸縮アーム31と、第2の伸縮アーム32と、これら第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32を支持する枠体33と、を備えている。
【0033】
なお、
図1の実施例では開閉弁操作装置30が開閉弁装置50の下方に設置されているが、
図14に示すように、開閉弁装置50の側方に開閉弁操作装置30を設置することもできる。
図14においては、
図1の各部材に相当する部材に同一の番号を付している。
以下、
図1に示した、開閉弁操作装置30が開閉弁装置50の下方に設置された例について説明する。
【0034】
第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32は、それぞれ伸長位置と縮退位置との間で伸縮可能であり、例えば、エアシリンダーによって伸縮される。こうした第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32は、例えば、圧縮空気のエアシリンダーへの注入によって伸長し、外部からそれぞれの伸縮アーム31,32を押し縮めることによってエアシリンダーの内部の空気が排出されて縮退する。
【0035】
第2の伸縮アーム32は、第1の伸縮アーム31よりも伸縮力が大きくなるように形成することが好ましい。即ち、第2の伸縮アーム32のエアシリンダーは、第1の伸縮アーム31のエアシリンダーよりも容量の大きなものが選択される。
【0036】
なお、第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32の伸縮手段は、エアシリンダー以外にも、例えば、油圧シリンダーや電磁式ソレノイド、あるいはリニアモータなどを用いることもできる。
【0037】
第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32は、枠体33に対して回動可能に支持されている。本実施形態では、第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32は、枠体33に形成された回転軸によって、コンテナ20の弁軸52の軸線O(
図2参照)に直角な方向に沿って一定の角度範囲で回動可能に枠体33に軸着される。また、第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32は、コイルバネなどの付勢手段(図示略)によって、応力が加わらない状態においては、それぞれの長手方向が鉛直方向に沿う位置になるように付勢されている。
【0038】
これにより、第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32は、鉛直方向から鉛直方向に対して例えば45°以下の角度範囲で傾斜した方向に伸縮することができる。
【0039】
第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32の先端部分には、操作片係合部材34,35がそれぞれ設けられている。操作片係合部材34,35は、第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32の伸縮方向に沿って広がる二又形状を成している。
【0040】
こうした二又形状を成す操作片係合部材34,35によって、第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32の伸長時に、コンテナ20の開閉弁装置50を構成する操作片53,54が挟持される。
【0041】
架台40は、例えば、鋼材などからなるフレームを結合してなり、上部でコンテナ20を支持する。また、架台40の上部には、開閉弁操作装置30の第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32を回動可能に支持する枠体33が固定されている。
【0042】
架台40には、コンテナ20の排出口23に脱着自在に接続されて、コンテナ本体25から排出された粉粒体Mを誘導するシューター41が形成されている。シューター41は、上下動機構42と、伸縮管43とを有する。上下動機構42は、例えば、エアシリンダーや油圧シリンダーを備え、伸縮管43を鉛直方向に沿って伸縮させる。伸縮管43は、例えば、伸縮自在な蛇腹パイプからなり、一方の端部を成す接続部43aがコンテナ20の排出口23に密着可能に形成されている。伸縮管43は、コンテナ20から排出された粉粒体Mを誘導する。
【0043】
このような構成のシューター41は上下動機構42によって、
図1に示すような、架台40で支持されたコンテナ20の排出口23から伸縮管43の接続部43aが下方に退避した離間位置と、
図3に示すような、コンテナ20の排出口23に伸縮管43の接続部43aが接続された接続位置との間で変位可能に形成されている。
【0044】
また、
図5に示すように、シューター41の近傍には、シューター弁45が形成されている。シューター弁45は、
図4に示す伸縮管43の離間位置において伸縮管43の一方の開口端を塞ぐ位置(
図5中の位置T1)と、伸縮管43から退避した位置(
図5中の位置T2)との間で回動可能に形成されている。こうしたシューター弁45は、コンテナ20を架台40から取り外した状態において、伸縮管43の一方の開口端を塞ぐ位置に回動することによって、伸縮管43の開口端が露出して異物等が流入することを防止する。
【0045】
図6に示すように、自動制御装置60は、シューター41とコンテナ20の排出口23との接続部分の近傍に配置されたシューター検出センサ61と、開閉弁操作装置30の第1の伸縮アーム31および第2の伸縮アーム32の伸縮を制御する制御部62と、を備えている。
【0046】
シューター検出センサ61は、シューター41の伸縮管43とコンテナ20の排出口23との接続を検出し、接続検出信号を制御部に出力する。こうしたシューター検出センサ61は、検出片の動きを検出する機械式センサ、可視光や赤外光を用いた光学センサなど、各種センサを用いることができる。
【0047】
制御部62は、例えば、ボートマイコンや制御用インターフェースなどから構成されている。制御部62は、例えば、シューター検出センサ61からの検出信号を受けて、開閉弁操作装置30を制御してコンテナ20の排出口23の開閉を行う。また、制御部62は、シューター41の上下動機構42や、シューター弁45(
図5参照)も制御する。なお、シューター検出センサ61の代わりに、シューター41の上下動機構42の上昇完了時に制御部62に向けて制御信号を出力する構成であってもよい。
【0048】
以上のような構成のコンテナ20や開閉弁操作装置30を含むコンテナ排出装置10の作用を説明する。
図7〜
図12は、コンテナおよび開閉弁操作装置を含むコンテナ排出装置の動きを示す要部拡大斜視図である。
内部に粉粒体Mを収容したコンテナ20から粉粒体Mを排出させる際には、シューター41の伸縮管43が退縮した離間位置にある状態(
図7参照)で、コンテナ20をコンテナ排出装置10の架台40の所定位置に載置する(
図8参照)。コンテナ20が架台40に載置されると、自動制御装置60の制御部62は排出制御プログラムを開始する。なお、自動制御装置60の排出制御プログラムの開始は、架台40へのコンテナ20の載置を検出するセンサによって自動で行ったり、架台40へのコンテナ20の載置後、手動で行ったりすることができる。
【0049】
自動制御装置60は、まず、シューター41の上下動機構42を動作させ、伸縮管43をコンテナ20の排出口23に向けて伸長させ、接続位置にする(
図9参照)。伸縮管43の接続部43aがコンテナ20の排出口23に接続されると、シューター検出センサ61が制御部62に向けて検出信号を出力する。
【0050】
シューター41がコンテナ20の排出口23に接続されると、自動制御装置60の制御部62は、開閉弁装置50の弁体51を閉塞位置V1から開放位置V2に向けて回動させる。まず、自動制御装置60は、第1の伸縮アーム31を縮退位置(
図9参照)から伸長位置(
図10参照)に向けて伸長させる。
【0051】
この時、第1の伸縮アーム31は、二又形状の操作片係合部材34によって開閉弁装置50の円筒棒状の操作片53を挟持する。そして、コンテナ20の弁軸52を図中の時計回り方向に回動させながら縮退位置から伸長位置に向けて伸びる。操作片53は弁軸52に結合部材55を介して結合されているので円弧状に移動するが、第1の伸縮アーム31は枠体33に対して回動可能に支持されているので、操作片53の動きに追従して鉛直方向から角度を変えながら伸長することができる。
【0052】
また、第1の伸縮アーム31の伸長開始時においては、第1の伸縮アーム31は鉛直方向に向けて起立するように付勢されているので鉛直方向に伸長するが、例えば、コンテナ20の架台40への設置位置が多少ずれていて操作片53の初期位置が第1の伸縮アーム31の直上から多少外れていても、操作片係合部材34が二又形状に形成されているため、伸縮アーム31を操作片53に確実に係合させることができる。
【0053】
また、第1の伸縮アーム31の伸長開始時においては、結合部材55を構成する板状部材57bに形成されたロック部材58のボールプランジャーの付勢に抗して弁軸52が回動し始める。
【0054】
図10に示すように、第1の伸縮アーム31が伸長位置まで伸ばされると、操作片53の上昇(回動)によって結合部材55を介して弁軸52が約90°回動される。弁軸52の回動によって、弁体51は、排出口23を閉塞する閉塞位置V1から弁体51の一面を鉛直方向に沿わせた開放位置V2に向けて変位する。これによって、コンテナ20に収容されている粉粒体Mは、開放された排出口23からシューター41の伸縮管43を介して排出される。排出された粉粒体Mは、例えば、貯留タンクなどに導入されればよい。
【0055】
なお、第1の伸縮アーム31は、コンテナ20から粉粒体Mを排出している間、
図11に示すように、エアシリンダーの縮退操作側に圧縮空気を供給することによって第1の伸縮アーム31を縮退位置まで押し縮め、次の動作に備える。なお、第1の伸縮アーム31のエアシリンダー内を外気と連通させた解放状態にすることにより、第1の伸縮アーム31を自重によって縮退位置まで押し縮めてもよい。
【0056】
コンテナ20から粉粒体Mの排出を完了したら、次に、自動制御装置60は、第2の伸縮アーム32を縮退位置(
図11参照)から伸長位置(
図12参照)に向けて伸長させる。なお、第2の伸縮アーム32を伸長させるタイミングは、センサ等によって粉粒体Mの排出完了を自動的に検出したり、目視等で粉粒体Mの排出完了を確認して手動で開始入力することができる。
【0057】
第2の伸縮アーム32は、二又形状の操作片係合部材35によって開閉弁装置50の円筒棒状の操作片54を挟持する。そして、コンテナ20の弁軸52を図中の反時計回り方向に回動させながら縮退位置から伸長位置に向けて伸びる。操作片54は弁軸52に結合部材55を介して結合されているので円弧状に移動するが、第2の伸縮アーム32は枠体33に対して回動可能に支持されているので、操作片54の動きに追従して鉛直方向から角度を変えながら伸長することができる。
【0058】
また、第2の伸縮アーム32の伸長開始時においては、第2の伸縮アーム32は鉛直方向に向けて起立するように付勢されているので鉛直方向に伸長するが、例えば、操作片54の位置が第2の伸縮アーム32の直上から多少外れていても、操作片係合部材35が二又形状に形成されているため、伸縮アーム32を操作片54に確実に係合させることができる。
【0059】
図12に示すように、第2の伸縮アーム32が伸長位置まで伸ばされると、操作片54の上昇(回動)によって結合部材55を介して弁軸52が約90°回動される。弁軸52の回動によって、弁体51は、開放位置V2から排出口23を閉塞する閉塞位置V1に向けて変位する。これによって、コンテナ20の排出口23は、弁体51によって閉塞される。
【0060】
また、第2の伸縮アーム32が伸長位置に達する際には、板状部材57bに形成されたロック部材58のボールプランジャーが結合部材55の回動を抑止することにより、弁体51を閉塞位置V1で係止させる。これにより、このコンテナ20に再度、粉粒体Mを収容した際に、コンテナ20の移動時の振動などによって弁体51が開放位置V2に向けて回動して粉粒体Mが予期せず流出するといったことを防止できる。
【0061】
この後、例えば
図13に示すように、エアシリンダー内の縮退操作側に圧縮空気を供給することによって、第2の伸縮アーム32を縮退位置まで押し縮め、別なコンテナ20の粉粒体Mの排出に備える。なお、第2の伸縮アーム32のエアシリンダー内を外気と連通させた解放状態にすることにより、第2の伸縮アーム32を自重によって縮退位置まで押し縮めてもよい。
【0062】
以上のように、本発明のコンテナ20によれば、弁体51を回動可能に支持する弁軸52に、結合部材55を介して互いに離間して配された2つの操作片53,54を結合させることによって、この2つの操作片53,54をそれぞれ上方に伸長させるだけで、1つの弁軸52を互いに逆方向に回動させることができ、コンテナ20の排出口23を容易に閉塞および開放させることができる。
【0063】
そして、こうしたコンテナ20によれば、2つの伸縮アーム31,32を備えた簡易な構成の開閉弁操作装置30を設置するだけで、粉粒体Mの排出操作を低コストで自動的に行うことができる。また、こうしたコンテナ20は、一方の操作片53を弁体51の開放操作用、他方の操作片54を弁体51の閉塞操作用として、手動での開閉であっても操作を容易にすることができる。
【0064】
また、弁体の自動開閉に対応した特殊な形状の開閉弁装置を用いなくても、市販の安価なバタフライ弁を弁体51として用いることができ、弁体の自動開閉に対応したコンテナ20を低コストに製造することができる。また、開閉弁操作装置30を用いた自動開閉操作と手動開閉操作のいずれにも対応可能なコンテナ20が実現できる。
【0065】
本発明の開閉弁操作装置30によれば、エアシリンダーを用いた第1の伸縮アーム31と第2の伸縮アーム32とを形成し、これら2本の伸縮アーム31,32をそれぞれ伸長させるだけで、コンテナ20の1つの弁軸52を互いに逆方向に回動させることが可能になる。これによって、コンテナ20の排出口23の弁体51による開閉を低コストで容易に自動化させることが可能になる。
【0066】
また、2つの伸縮アーム31,32をそれぞれ回動可能に枠体33に取り付け、また、開閉弁装置50の操作片53,54を保持する伸縮アーム31,32の操作片係合部材34,35を二又形状にすることによって、操作片53,54の位置が多少ずれていても、伸縮アーム31,32は伸長時に容易に操作片53,54を挟持することができる。これにより、コンテナ20の架台40への載置の際の精度の高い位置決め機構が不要になり、簡易な構成で低コストに開閉弁装置50の自動化を実現することが可能になる。
【0067】
また、開閉弁装置50の操作にあたっては、弁体51による排出口23の確実な閉塞を行うために、第2の伸縮アーム32を第1の伸縮アーム31よりも伸縮力が大きくなる、即ち容量の大きいエアシリンダーを用いることで、第1の伸縮アーム31は伸縮力が小さい安価なものを適用して、低コストでかつ省スペースな開閉弁操作装置30を実現することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態を説明したが、こうした実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。