(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854476
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】植物栽培装置
(51)【国際特許分類】
A01G 31/04 20060101AFI20210329BHJP
A01G 9/00 20180101ALI20210329BHJP
【FI】
A01G31/04 A
A01G9/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-215517(P2016-215517)
(22)【出願日】2016年11月2日
(65)【公開番号】特開2018-68254(P2018-68254A)
(43)【公開日】2018年5月10日
【審査請求日】2019年7月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】302060926
【氏名又は名称】株式会社フジタ
(73)【特許権者】
【識別番号】504237050
【氏名又は名称】独立行政法人国立高等専門学校機構
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(72)【発明者】
【氏名】菅原 玲子
(72)【発明者】
【氏名】小林 紀子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 修
(72)【発明者】
【氏名】柴田 裕一
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−163013(JP,A)
【文献】
米国特許第05323567(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/04
A01G 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培架台と、前記栽培架台の両端が着脱可能に取り付けられるとともに、養液が貯留される養液槽とを有する植物栽培装置において、
前記栽培架台は、前記養液槽の養液に浸潤するように植物を収容する複数の枠体と、隣接する枠体の間を連結する伸縮自在な複数の伸縮部とを有し、
前記栽培架台の両端は、前記伸縮部の伸縮方向と交差する方向へ向けて移動可能とされ、
前記養液槽は、養液が貯留される養液槽本体と、前記栽培架台の移動を誘導する誘導部とを有し、
前記誘導部は、前記伸縮部の伸縮方向に対して所要の角度をもって傾斜し、かつ前記養液槽の内側を横切るように配置され、
前記栽培架台は、一端が前記養液槽本体に着脱可能に取り付けられるとともに、他端が前記誘導部に着脱可能に取り付けられることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項2】
請求項1に記載の植物栽培装置において、
前記誘導部は、前記養液槽の互いに対向する一対の側壁の外側に配置される一対の支持部と、前記支持部に巻きつけられ、前記伸縮部の伸縮方向に対して前記所要の角度をもって傾斜する方向へ向けて移動可能な環状の誘導部本体とからなることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項3】
請求項2に記載の植物栽培装置において、
前記支持部は、少なくとも一つが回転駆動部であり、この回転駆動部が回転することによって前記誘導部本体が前記伸縮部の伸縮方向に対して前記所要の角度をもって傾斜する方向へ向けて移動し、前記誘導部本体の移動に伴って、前記伸縮部が伸長し、複数の前記栽培架台が前記伸縮部の伸長方向と交差する方向へ移動することを特徴とする植物栽培装置。
【請求項4】
請求項3に記載の植物栽培装置において、
前記回転駆動部は、滑車であるとともに、前記誘導部本体は、前記滑車に巻き掛けられた循環移動体であることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の植物栽培装置において、
前記伸縮部には、前記伸縮部の伸縮にともなって伸縮する遮光シートが取り付けられることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の植物栽培装置において、
前記栽培架台は、前記伸縮部の伸縮方向と交差する方向に複数が配置され、
前記養液槽には、前記栽培架台と前記伸縮部の伸縮方向に対して交差する方向において隣接する栽培架台との間隔を広げ、前記伸縮部と同一方向に伸縮する遮光板が着脱可能に装着されることを特徴とする植物栽培装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の植物栽培装置において、
前記栽培架台の両端には、前記養液槽本体の内面と接触可能な摺動体が固定されるとともに、
前記枠体には、前記養液槽の底部側に向けて延在し、先端が前記養液槽の底部と接触可能とすることで前記栽培架台を支持する摺動支持体が固定されることを特徴とする植物栽培装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、養液を用いて植物を栽培する植物栽培装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般的な植物栽培装置510としては、
図7に示すように、養液544が貯留された養液槽540と、この養液槽540の上側を覆うように配置されたパネル580と、このパネル580に所要の間隔をもって形成され、植物を保持する複数の孔部581とを備えたものが知られている。
【0003】
この植物栽培装置510によれば、植物の生長段階に応じて、孔部581同士の間隔が広い他の植物栽培装置510に植物を移植することで、植物同士の間隔を調整することができる。これにより、植物が小さいときには、孔部581同士の間隔が狭い植物栽培装置510に植え付けることで、植物栽培装置510の空間の利用効率を向上させ、植物が大きくなったときには、孔部581同士の間隔が広い植物栽培装置510に移植することで、植物同士が接触することを防止する。
【0004】
しかし、上記植物栽培装置510は、植物の生長に応じて、その都度、植物を孔部581から取り外し、別の植物栽培装置510に移植しなければならず、作業負担が大きい。
【0005】
また、上記移植作業は、植物を傷めないよう丁寧に他の植物栽培装置510へ移植しなければならないため、細心の注意を払う必要があり、多くの作業時間を要する。
【0006】
そして、移植作業の作業負担が大きくなること、移植作業の作業時間が多くなることに比例して、植物の生産コストに占める人件費の割合が高くなる。
【0007】
これらの課題に対して、特許文献1に記載の装置が提案されているが、この装置は、サイズが大きく高価であるため、規模の大きな栽培施設でしか採用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7−147857
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、個々の植物を傷めることなく、少ない作業負担及び作業時間で植物同士の間隔を容易に調整することができ、かつ、規模の小さな栽培施設であっても採用することができる植物栽培装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明の植物栽培装置は、栽培架台と、前記栽培架台の両端が着脱可能に取り付けら
れるとともに、養液が貯留された養液槽とを有する植物栽培装置において、前記栽培架台は、前記養液槽の養液に浸潤するように植物を収容する複数の枠体と、隣接する枠体の間を連結する伸縮自在な複数の伸縮部とを有
し、前記栽培架台の両端は、前記伸縮部の伸縮方向と交差する方向へ向けて移動可能とされ、前記養液槽は、養液が貯留される養液槽本体と、前記栽培架台の移動を誘導する誘導部とを有し、前記誘導部は、前記伸縮部の伸縮方向に対して所要の角度をもって傾斜し、かつ前記養液槽の内側を横切るように配置され、前記栽培架台は、一端が前記養液槽本体に着脱可能に取り付けられるとともに、他端が前記誘導部に着脱可能に取り付けられることを特徴とする。
【0012】
また、本発明において好ましくは、前記誘導部は、前記養液槽の互いに対向する一対の側壁の外側に配置される一対の支持部と、前記支持部に巻きつけられ
、前記伸縮部の伸縮方向に対して
前記所要の角度をもって傾斜する方向へ向けて移動可能な環状の誘導部本体とから
なるものである。
【0013】
また、本発明において好ましくは、前記支持部は、少なくとも一つが回転駆動部であり、この回転駆動部が回転することによって前記誘導部本体が前記伸縮部の伸縮方向に対して所要の角度をもって傾斜する方向へ向けて移動し、前記誘導部本体の移動に伴って、前記伸縮部が伸長し、前記複数の栽培架台が前記伸縮部の伸長方向と交差する方向へ移動してなるものである。
【0014】
また、本発明において好ましくは、前記回転駆動部は、滑車であるとともに、前記誘導部本体は、前記滑車に巻き掛けられた循環移動体からなるものである。
【0015】
また、本発明において好ましくは、前記伸縮部には、前記伸縮部の伸縮にともなって伸縮する遮光シートが取り付けられてなるものである。
【0016】
また、本発明において好ましくは、前記栽培架台は、前記伸縮部の伸縮方向と交差する方向に複数が配置され、前記養液槽には、前記栽培架台と前記伸縮部の伸縮方向に対して交差する方向において隣接する栽培架台との間隔を広げ、前記伸縮部と同一方向に伸縮する遮光板が着脱可能に装着されてなるものである。
【0017】
また、本発明において好ましくは、前記栽培架台の両端には、前記養液槽本体の内面と接触可能な摺動体が固定されているとともに、前記枠体には、前記養液槽の底部側に向けて延在し、先端が前記養液槽の底部と接触可能とすることで前記栽培架台を支持する摺動支持体が固定されてなるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の植物栽培装置によれば、個々の植物を他の栽培架台に移植させることなく、大きさの異なる養液槽に栽培架台を移動させることができるため、個々の植物を傷めることなく、少ない作業負担及び作業時間で植物同士の間隔を容易に調整することができる。
【0019】
また、本発明の植物栽培装置は、栽培架台や養液槽について、サイズの小さいものや安価なものを適宜選択することができるため、規模が小さな栽培施設であっても採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る植物栽培装置を示すもので、(a)は、養液槽に栽培架台を取り付けた状態を示す平面図であり、(b)は、(a)における養液槽よりも大きい養液槽に栽培架台を取り付けた状態を示す平面図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る植物栽培装置を示すもので、(a)は、栽培架台の平面図を示し、(b)は、(a)における栽培架台の伸縮部が伸長した状態を示す平面図であり、(c)は、栽培架台を養液槽に装着した状態を示す断面図である。
【
図3】本発明の第二実施形態に係る植物栽培装置を示す平面図である。
【
図4】本発明の第二実施形態に係る植物栽培装置を示すもので、(a)は、栽培架台を示す平面図であり、(b)は、栽培架台を養液槽に取り付けた状態を示す断面図である。
【
図5】本発明の第三実施形態に係る植物栽培装置を示す平面図である。
【
図6】本発明の第三実施形態に係る植物栽培装置の摺動支持体を示すもので、(a)は、摺動支持体の全体を示す平面図であり、(b)は、栽培架台を枠体に固定し、栽培架台を養液槽に取り付けた状態を示す断面図であり、(c)は、摺動支持体の他の態様を示す斜視図である。
【
図7】従来技術に係る植物栽培装置の示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下において、本発明に係る植物栽培装置10の第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1(a)及び
図2(c)は、複数の栽培架台20と、この複数の栽培架台20が着脱可能に取り付けられるとともに、養液44が貯留された養液槽40とを備えた本実施形態に係る植物栽培装置10を示す。
【0022】
栽培架台20は、
図2に示すように、不図示のレタス等といった植物をウレタンスポンジ培地31を介して保持する複数の枠体30と、これらの枠体30の間に装着された複数の伸縮部32と、栽培架台20の両端に位置するとともに、伸縮部32の一端に装着されることで、後述する養液槽40に取り付けられる取付部33とを備える。
【0023】
枠体30は、平面略方形をなすものであって、この枠体30の内部には、植物を植え付けるウレタンスポンジ培地31が固定されている。この枠体30は、ウレタンスポンジ培地31に植え付けられた植物の根に養液44を十分に浸透させることができ、その容積は、植物の根が十分生長できるように設定されている。
【0024】
伸縮部32は、伸縮可能なトングアーム機構を有するものである。
【0025】
取付部33は、栽培架台20の両端に位置する伸縮部32に取り付けられているとともに、伸縮部32の伸縮方向と交差する方向へ移動可能な状態で、養液槽40の側壁41の上端に着脱可能に取り付けられている。
【0026】
養液槽40は、上側が開放された平面略長方形をなすものであって、養液槽40の面積を確定する底部43と、この底部43から垂直方向に立ち上がる側壁41を備える。この養液槽40の内面は、PTFEによるコーティングがなされている。側壁41は、上端に栽培架台20の取付部33が取り付けられる一対の長壁42aと、この長壁42aと交差する方向の底部43から垂直方向に立ち上がる短壁42bを備える。そして、この養液槽40には、植物の生長に必用な各種養分を含有する養液44が、枠体30に保持されたウレタンスポンジ培地31に浸透可能な液面レベルで貯留されている。
【0027】
次に、本実施形態に係る植物栽培装置10における植物の栽培方法を説明する。
【0028】
まず、植物の苗を
図2に示す栽培架台20のウレタンスポンジ培地31に植え付け、栽培架台20を
図1(a)に示す小さい養液槽40へ取り付ける。その後、植え付けた植物が生長したときには、養液槽40の側壁41の上端に取り付けられた取付部33を外すことによって、養液槽40から栽培架台20を取り外し、栽培架台20の両端に位置する取付部33を互いに離れる方向へ力を加えることで、トングアーム機構によって伸縮部32を伸ばす。これにより、栽培架台20における各枠体30間の間隔が広がり、植物同士の間隔が広がる。そして、
図1(b)に示すように、栽培架台20を別の大きな養液槽40の側壁41の上端に取り付けることで、栽培架台20の移動が完了する。
【0029】
以上により、本実施形態に係る植物栽培装置10によれば、植物を保持する枠体30を栽培架台20ごと別の大きな養液槽40に移動させることができるため、植物の生長に応じて個々の植物を移植する必要がなくなり、個々の植物を傷めることもなくなる。
【0030】
また、本実施形態に係る植物栽培装置10によれば、トングアーム機構によって、伸縮部32が伸びるため、枠体30と隣接する枠体30との間隔を広げることができる。これにより、
図1に示すように、植物が小さいときには、植物同士の間隔が狭くなるように小さな養液槽40に栽培架台20を取り付けることで、植物栽培装置10の空間の利用効率を向上させ、植物が大きくなったときには、植物同士の間隔が広くなるように大きな養液槽40に栽培架台20を取り付けることで、植物同士が接触することを防止することができる。また、養液槽40の内面には、PTFEによるコーティングがなされているため、例え、養液槽40の内面に藻が付着したとしても容易に除去することができる。
【0031】
次に、本発明に係る植物栽培装置10の第二実施形態について、図面に基づいて説明する。
図3に示す通り、本実施形態に係る植物栽培装置10は、上記第一実施形態に係る植物栽培装置10に対して、伸縮部32に遮光シート60が装着され、栽培架台20と伸縮部32の伸縮方向に対して交差する方向において隣接する栽培架台20との間に遮光板61が装着されている点で相違する。
【0032】
遮光シート60は、
図4に示す通り、蛇腹折りされることによって伸縮部32の伸縮にともなって伸縮し、養液槽40に貯留された養液44へ光が照射されることを防止し、養液44に藻が発生することを防止する。
【0033】
遮光板61は、
図3に示すように養液槽40の側壁41の上端に着脱可能に装着され、隣接する栽培架台20の間に配置され、すなわち栽培架台20と遮光板61が交互に配置されるものであって、養液槽40に貯留された養液44へ光が照射されることを防止し、養液44に藻が発生することを防止する。
【0034】
以上により、本実施形態に係る植物栽培装置10の遮光シート60及び遮光板61によれば、養液44に藻が発生することを防止するため、藻と植物の間での養分の競合を防止することができる。加えて、本実施形態に係る植物栽培装置10の遮光シート60及び遮光板61によれば、藻が枠体30に保持された植物の葉や茎等に接触することで植物の衛生状態が悪化することを防止する。このため、本実施形態に係る植物栽培装置10は、根より上側に位置する葉が生食されるレタスを栽培するときに特に有用である。
【0035】
また、本実施形態に係る植物栽培装置10によれば、養液槽40の側壁41の上端に着脱可能とされた遮光板61が隣接する遮光板61の間隔を調整するスペーサーとしての機能を発揮する。これにより、本実施形態に係る植物栽培装置10は、植物の幼苗期に遮光板61を取り外すことによって、隣接する植物同士を近づけ、植物栽培装置10の空間の利用効率を向上させることができる。加えて、本実施形態に係る植物栽培装置10は、植物の生長期に遮光板61を装着することによって、隣接する植物同士の間隔を広げることで植物同士の接触を防止するといったように、植物の生長段階に応じて間隔を調整することができる。
【0036】
次に、本発明に係る植物栽培装置10の第三実施形態について、図面に基づいて説明する。
図5及び
図6に示すように本実施形態に係る植物栽培装置10は、上記第一及び第二実施形態に係る植物栽培装置10に対して、養液槽40に誘導部50が設けられ、この誘導部50を境に複数の栽培架台20が水平に並んで配置され、取付部33には、養液槽40の長壁42aと接触可能な摺動体70が固定され、枠体30には、養液槽40の底部43と接触可能な摺動支持体71が固定されている点で相違する。
【0037】
誘導部50は、一対の滑車52と、この滑車52に巻き掛けられ、養液44の上に水平に張設された環状の循環移動体51とを備えている。
【0038】
一対の滑車52は、養液槽40の短壁42bの外側とこの短壁42bの対向方向に位置する短壁42bの外側に配置され、モータ及び減速機構等からなる不図示の駆動装置によって、
図5に示す回転方向Bへ回転するものである。
【0039】
循環移動体51は、滑車52に巻き掛けられ、養液槽40の短壁42bとこの短壁42bの対向方向に位置する短壁42bの間を所要の角度をもって傾斜する方向へ向けて配置されるものであって、栽培架台20の両端の取付部33,33のうち一方を着脱自在に取り付け可能となっている。そして、この循環移動体51を境に養液槽40の一方に配置される栽培架台20は、
図5における左側から右側にかけて伸縮部32の伸縮可能領域が漸次減少するのに対して、養液槽40の他方に配置される栽培架台20は、
図5における左側から右側にかけて伸縮部32の伸縮可能領域が漸次拡大する。
【0040】
複数の栽培架台20は、循環移動体51を隔てて両面に配置されており、
図5に示す移動方向Aへ向けて移動可能とされ、循環移動体51を境に養液槽40の一方に配置される栽培架台20と、循環移動体51を境に養液槽40の他方に配置される栽培架台20とは、相互に対応する位置に配置される。
【0041】
摺動体70は、
図6(b)に示すように、取付部33の内面に固定されるものであって、養液槽40における長壁42aのPTFEでコーティングされた内面に摺動自在に接触している。そして、この摺動体70は、栽培架台20が移動方向Aへ向けて移動することによって、養液槽40の長壁42aに付着した藻やよごれを擦り落とすことができる。
【0042】
摺動支持体71は、
図6(b)に示すように、複数の枠体30のうち、中央に位置する枠体30とウレタンスポンジ培地31の間に挟持され、養液槽40の底部43と摺動自在に接触している。この摺動支持体71は、先端部72が養液槽40の底部43と接触することによって栽培架台20を支持する。さらに、先端部72は、栽培架台20が移動方向Aへ向けて移動することによって、養液槽40の底部43に付着した藻などといったよごれを擦り落とすことができる。なお、本実施形態に係る摺動支持体71は、
図6(b)に示すものだけでなく、
図6(c)に示すように枠体30に固定される位置や、摺動支持体71の幅は、特に制限されない。
【0043】
次に、本実施形態に係る植物栽培装置10における植物の栽培方法を説明する。
【0044】
まず、植物の苗が植え付けられた栽培架台20を養液槽40における移動方向Aの始点Cの位置に取り付ける。その後、植え付けた植物の生長に応じて、養液槽40の外側に配置された一方の滑車52を回転させることで、滑車52に巻き掛けられた循環移動体51が循環移動し、循環移動体51に取り付けられた取付部33が移動方向Aへ向けて移動するとともに養液槽40の側壁41の上端に取り付けられた取付部33も移動方向Aへ向けて移動する。これにより、トングアーム機構によって伸縮部32が伸び、栽培架台20における各枠体30の間隔が広がることで、各枠体30に保持された植物同士の間隔が広がる。そして、栽培架台20が移動方向Aの終点Dに達したときに、ウレタンスポンジ培地31に植え付けられた植物を収穫する。
【0045】
以上により、本実施形態に係る植物栽培装置10によれば、滑車52を回転させることで、栽培架台20における各枠体30の間隔を広げることができるため、第一及び第二実施形態に係る植物栽培装置10と比較して、より容易に植物同士の間隔を広げることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る植物栽培装置10によれば、根が枠体30に保持された植物を幼苗期から収穫期まで同一の養液槽40で栽培することができる。
【0047】
なお、本実施形態における循環移動体51としては、例えば、ワイヤー、チェーン、ベルト、ロープなどといったものが挙げられる。
【0048】
また、本実施形態における摺動体70、及び摺動支持体71としては、ブラシ、養液槽40に付着した藻などといったよごれを拭き取るワイパー機構などが挙げられる。
【0049】
また、滑車52に巻き掛けられた循環移動体51は、常時一定の速度で循環移動してもよく、一定の周期をもって循環移動してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 植物栽培装置
20 栽培架台
30 枠体
31 ウレタンスポンジ培地
32 伸縮部
33 取付部
40 養液槽
41 側壁
42a 長壁
42b 短壁
43 底部
44 養液
50 誘導部
51 循環移動体
52 滑車
60 遮光シート
61 遮光板
70 摺動体
71 摺動支持体
72 先端部
A 移動方向
B 回転方向
C 始点
D 終点