特許第6854536号(P6854536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6854536-充電機能付き昇降式駐車装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854536
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】充電機能付き昇降式駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/18 20060101AFI20210329BHJP
   E04H 6/42 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   E04H6/18 601Z
   E04H6/42 H
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2019-83813(P2019-83813)
(22)【出願日】2019年4月25日
(62)【分割の表示】特願2018-3576(P2018-3576)の分割
【原出願日】2018年1月12日
(65)【公開番号】特開2019-124121(P2019-124121A)
(43)【公開日】2019年7月25日
【審査請求日】2019年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】516313900
【氏名又は名称】株式会社日本パーキングシステムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100098545
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100087745
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 善廣
(74)【代理人】
【識別番号】100106611
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 幸史
(74)【代理人】
【識別番号】100189717
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 貴章
(72)【発明者】
【氏名】遠山 恒幸
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−111804(JP,A)
【文献】 特開2005−272023(JP,A)
【文献】 特開2011−169064(JP,A)
【文献】 特開2011−111805(JP,A)
【文献】 特開2010−095848(JP,A)
【文献】 特開2017−024814(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0096994(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00−6/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を載置するパレットと、
前記パレットを昇降させる昇降機構と
を有し、
前記昇降機構が、
昇降用モータと、
前記昇降用モータによって回転する駆動軸と、
駆動体を介して前記駆動軸に接続されて前記パレットを昇降させる昇降伝達体と
から構成され、
昇降動作を行う前記パレットに充電コンセントを設け、
前記充電コンセントと巻き取り機構とを接続する第1電源ケーブルと、
前記巻き取り機構と充電用分電盤とを接続する第2電源ケーブルと
を備えた充電機能付き昇降式駐車装置であって、
前記巻き取り機構を、前記パレットに設けることなく前記駆動軸とともに回転するケーブル巻き取りボビンとし
前記第1電源ケーブルが、前記パレットの前記昇降動作に応じて、前記ケーブル巻き取りボビンに巻き取り又は前記ケーブル巻き取りボビンから巻き出され、
前記ケーブル巻き取りボビンからの前記第2電源ケーブルを、前記昇降用モータの昇降用モータ電源ケーブルとともに配設し
ことを特徴とする充電機能付き昇降式駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、昇降動作及び横行動作を行うパレットに充電コンセントを設けた充電機能付き昇降式駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び特許文献2は、車両を載置するパレットと、パレットを昇降させる昇降機構と、パレットを横行させる横行機構とを有し、昇降機構が、昇降用モータと、昇降用モータによって回転する駆動軸と、駆動体を介して駆動軸に接続されてパレットを昇降させる昇降伝達体とから構成され、昇降動作及び横行動作を行うパレットに充電コンセントを設け、充電コンセントと巻き取り機構とを接続する第1電源ケーブルと、巻き取り機構と充電用分電盤とを接続する第2電源ケーブルとを備えた充電機能付き昇降横行式駐車装置を開示している。
特許文献1及び特許文献2において、昇降動作及び横行動作を行うパレットは2階と3階のパレットである。
2階及び3階のパレットに設けた充電コンセントは第1電源ケーブルによって巻き取り機構と接続され、巻き取り機構はフレームに設置されている。従って、パレットの昇降動作に応じて、第1電源ケーブルは巻き取り機構に巻き取り又は巻き取り機構から巻き出されるため、第1電源ケーブルはたるみを生じない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−111804号公報
【特許文献2】特開2011−111805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1及び特許文献2では、巻き取り機構と充電用分電盤とを接続する第2電源ケーブルについては、たるみを生じないための手段は講じられておらず、パレットの横行動作によってたるみを生じる可能性がある。
【0005】
本発明は、第1電源ケーブル及び第2電源ケーブルを安全に配設できる充電機能付き昇降式駐車装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の本発明の充電機能付き昇降式駐車装置は、車両を載置するパレット10と、前記パレット10を昇降させる昇降機構20とを有し、前記昇降機構20が、昇降用モータ21と、前記昇降用モータ21によって回転する駆動軸22と、駆動体23を介して前記駆動軸22に接続されて前記パレット10を昇降させる昇降伝達体24とから構成され、昇降動作を行う前記パレット12、13(10)に充電コンセント50を設け、前記充電コンセント50と巻き取り機構70Aとを接続する第1電源ケーブル61Aと、前記巻き取り機構70Aと充電用分電盤80とを接続する第2電源ケーブル62Aとを備えた充電機能付き昇降式駐車装置であって、前記巻き取り機構70Aを、前記パレット12、13(10)に設けることなく前記駆動軸22とともに回転するケーブル巻き取りボビン(70A)とし、第1電源ケーブル61Aが、前記パレット12、13(10)の前記昇降動作に応じて、前記ケーブル巻き取りボビン(70A)に巻き取り又は前記ケーブル巻き取りボビン(70A)から巻き出され、前記ケーブル巻き取りボビン(70A)からの前記第2電源ケーブル62Aを、前記昇降用モータ21の昇降用モータ電源ケーブル21Aとともに配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、昇降用モータによって回転する駆動軸を利用することで、第1電源ケーブルの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第2電源ケーブルを昇降用モータの昇降用モータ電源ケーブルとともに配設することでたるみやふらつきを無くし、第1電源ケーブル及び第2電源ケーブルを安全に配設できる。
また、本発明によれば、巻き取り機構を充電コンセントとともにパレットに配置することで第1電源ケーブルをたるみやふらつき無く配設でき、第2電源ケーブルの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第1電源ケーブル及び第2電源ケーブルを安全に配設できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例による充電機能付き昇降式駐車装置の主要構成図
図2】本発明の他の実施例による充電機能付き昇降式駐車装置の主要構成図
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1の実施の形態による充電機能付き昇降式駐車装置は、巻き取り機構を、パレットに設けることなく駆動軸とともに回転するケーブル巻き取りボビンとし、第1電源ケーブルが、パレットの昇降動作に応じて、ケーブル巻き取りボビンに巻き取り又はケーブル巻き取りボビンから巻き出され、ケーブル巻き取りボビンからの第2電源ケーブルを、昇降用モータの昇降用モータ電源ケーブルとともに配設したものである。本実施の形態によれば、昇降用モータによって回転する駆動軸を利用することで、第1電源ケーブルの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第2電源ケーブルを昇降用モータの昇降用モータ電源ケーブルとともに配設することでたるみやふらつきを無くし、第1電源ケーブル及び第2電源ケーブルを安全に配設できる。
【実施例】
【0010】
以下本発明の一実施例による充電機能付き昇降式駐車装置について説明する。
図1は本実施例による充電機能付き昇降式駐車装置の主要構成図である。
【0011】
本実施例による充電機能付き昇降式駐車装置は、車両を載置するパレット10と、パレット10を昇降させる昇降機構20と、パレット10を横行させる横行機構30とを有している。
昇降機構20は、昇降用モータ21と、昇降用モータ21によって回転する駆動軸22と、駆動体23を介して駆動軸22に接続されてパレット10を昇降させる昇降伝達体24とから構成される。
横行機構30は、横行レール31と、横行レール31上を摺動するフレーム40に設けた横行用モータ(図示せず)と、フレーム40に設けたローラ(図示せず)とから構成される。
【0012】
図1に示す4階用の充電機能付き昇降式駐車装置では、パレット10は、横行動作して入出庫できる1階用のパレット、1階と2階を昇降動作し2階を横行動作できる2階用のパレット12、1階と3階を昇降動作し3階を横行動作できる3階用のパレット13、1階と4階を昇降動作できる4階用のパレット14とを備える。なお、1階用のパレット及び1階用の横行機構は図示を省略している。
昇降動作及び横行動作を行うパレット12、13には、充電コンセント50を設けている。
【0013】
第1電源ケーブル61Aは、充電コンセント50と巻き取り機構70Aとを接続し、第2電源ケーブル62Aは、巻き取り機構70Aと充電用分電盤80とを接続する。
巻き取り機構70Aは、駆動軸22とともに回転するケーブル巻き取りボビンとしている。例えば、駆動軸22が正回転した時にパレット12、13が降下する場合には、第1電源ケーブル61Aは巻き取り機構70Aから巻き出され、駆動軸22が逆回転した時にパレット12、13が上昇する場合には、第1電源ケーブル61Aは巻き取り機構70Aに巻き取られる。
このように、第1電源ケーブル61Aは、パレット12、13の昇降動作に応じて、ケーブル巻き取りボビン(巻き取り機構70A)に巻き取り又はケーブル巻き取りボビン(巻き取り機構70A)から巻き出される。
第2電源ケーブル62Aは、ケーブル巻き取りボビン(巻き取り機構70A)から昇降用モータ21まではフレーム40に配設し、昇降用モータ21から充電用分電盤80までは、昇降用モータ21の昇降用モータ電源ケーブル21Aとともに配設している。
【0014】
本実施例によれば、パレット12、13の昇降動作及び横行動作によって、第1電源ケーブル61A及び第2電源ケーブル62Aにたるみを生じることがなく、昇降用モータ21によって回転する駆動軸22を利用することで、第1電源ケーブル61Aの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第2電源ケーブル62Aを昇降用モータ21の昇降用モータ電源ケーブル21Aとともに配設することでたるみやふらつきを無くし、第1電源ケーブル61A及び第2電源ケーブル62Aを安全に配設できる。
【0015】
なお、昇降動作だけを行うパレット14にも充電コンセント50を設けることが好ましい。パレット14に充電コンセント50を設ける場合にも、第1電源ケーブル61Aは、充電コンセント50と巻き取り機構70Aとを接続し、第2電源ケーブル62Aは、巻き取り機構70Aと充電用分電盤80とを接続し、巻き取り機構70Aを、駆動軸22とともに回転するケーブル巻き取りボビンとする。
このように、横行動作を行わないパレット14についても、パレット14の昇降動作によって、第1電源ケーブル61A及び第2電源ケーブル62Aにたるみを生じることがなく、昇降用モータ21によって回転する駆動軸22を利用することで、第1電源ケーブル61Aの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第2電源ケーブル62Aを昇降用モータ21の昇降用モータ電源ケーブル21Aとともに配設することでたるみやふらつきを無くし、第1電源ケーブル61A及び第2電源ケーブル62Aを安全に配設できる。
【0016】
図2は本発明の他の実施例による充電機能付き昇降式駐車装置の主要構成図である。なお、図1と同一構成には同一符号を付して説明を省略する。また、1階用のパレット及び1階用の横行機構は図示を省略している。
【0017】
昇降動作及び横行動作を行うパレット12、13には、充電コンセント50、巻き取り機構70B、及びケーブル巻き取りモータ90を設けている。従って、充電コンセント50と巻き取り機構70Bとを接続する第1電源ケーブル61Bは、パレット12、13上で配設される。
巻き取り機構70Bと充電用分電盤80とを接続する第2電源ケーブル62Bは、パレット12、13の昇降動作及び横行動作に応じて、巻き取り機構70Bに巻き取り又は巻き取り機構70Bから巻き出される。
巻き取り機構70Bは、ケーブル巻き取りモータ90によって駆動される巻き取りドラムとしている。例えば、パレット12、13が降下する場合には、第2電源ケーブル62Bは巻き取り機構70Bに巻き取られ、パレット12、13が上昇する場合には、第2電源ケーブル62Bは巻き取り機構70Bから巻き出される。
このように、第2電源ケーブル62Bは、パレット12、13の昇降動作及び横行動作に応じて、巻き取りドラム(巻き取り機構70B)に巻き取り又は巻き取りドラム(巻き取り機構70B)から巻き出される。
【0018】
本実施例によれば、巻き取り機構70Bを充電コンセント50とともにパレット12、13に配置することで第1電源ケーブル61Bをたるみやふらつき無く配設でき、第2電源ケーブル62Bの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第1電源ケーブル61B及び第2電源ケーブル62Bを安全に配設できる。
【0019】
なお、昇降動作だけを行うパレット14にも充電コンセント50を設けることが好ましい。パレット14に充電コンセント50を設ける場合にも、充電コンセント50と巻き取り機構70Bとを接続する第1電源ケーブル61Bはパレット14上で配設され、巻き取り機構70Bと充電用分電盤80とを接続する第2電源ケーブル62Bは、パレット14の昇降動作に応じて、巻き取り機構70Bに巻き取り又は巻き取り機構70Bから巻き出される。
このように、横行動作を行わないパレット14についても、パレット14の昇降動作によって、巻き取り機構70Bを充電コンセント50とともにパレット14に配置することで第1電源ケーブル61Bをたるみやふらつき無く配設でき、第2電源ケーブル62Bの巻き取り又は巻き出しをスムーズに行え、第1電源ケーブル61B及び第2電源ケーブル62Bを安全に配設できる。
【0020】
図2に示す実施例では、巻き取り機構70Bを駆動するケーブル巻き取りモータ90をパレット10に配置し、ケーブル巻き取りモータ90によって巻き取り機構70Bを駆動させているが、第2電源ケーブル62Bを、ばね材による弾性力によって巻き取り機構70Bに巻き取るものでもよい。ケーブル巻き取りモータ90によって巻き取り機構70Bを駆動する場合には確実に動作させることができるが、ばね材による弾性力によって巻き取り機構70Bに巻き取る場合には連動などの制御を必要としない。
【0021】
図1及び図2に示す実施例では、地上4階用の充電機能付き昇降横行式駐車装置を示しているが、パレット10が昇降動作及び横行動作を行うものであれば、階数には限定されず、また、地下に車両収容スペースを有するものでもよい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、パレットが昇降動作及び横行動作を行うものに適しているが、パレットが昇降動作だけ行うものにも適用できる。
【符号の説明】
【0023】
10、12、13、14 パレット
20 昇降機構
21 昇降用モータ
21A昇降用モータ電源ケーブル
22 駆動軸
23 駆動体
24 昇降伝達体
30 横行機構
31 横行レール
40 フレーム
50 充電コンセント
61A、61B 第1電源ケーブル
62A、62B 第2電源ケーブル
70A、70B 巻き取り機構
80 充電用分電盤
90 ケーブル巻き取りモータ
図1
図2