【実施例】
【0090】
[実施例1]
<運転支援システムの構成>
図1は、本発明の表示制御システムの実施例1に係る運転支援システムの概略構成を示す図である。
【0091】
図1に示すように、運転支援システムは、車両に搭載されるドライブレコーダ10と、ドライブレコーダ10において所定条件成立時に画像を記憶するメモリカード25と、このメモリカード25に記憶された画像を再生するための運転支援装置30とから構成される。
【0092】
ドライブレコーダ10は、第1制御部11、加速度センサ(Gセンサ)12、ジャイロセンサ13、気圧センサ14、GPSアンテナ15、このGPSアンテナ15で受信したGPS信号から車両のGPS位置情報を測位するGPS(Global Positioning System)レシーバ16、スイッチ、ボタン等を含んで構成される第1操作部17、画像を一次記憶するための第1メモリ18、メモリカード25を挿入するスロットを有し且つメモリカード25への画像の書き込み等を行うための第1IF(インターフェイス)19、車両の前方を所定のレートで連続的に撮像するように車両に設置されたCCDカメラ20、車両信号取得部21、及びドライブレコーダ10の各要素に電力を供給するための電源部22等を有している。
【0093】
また、ドライブレコーダ10は、ナビゲーション装置(図示せず)と連携して、ナビゲーション装置のディスプレイにおいて画像を再生できるように構成しても良い。更に、GPSレシーバ16は、必ずしも必須の構成ではないが、外付けの機器、例えばAVM(Automatic Vehicle Monitoring)システムや、ナビゲーション装置が受信した位置情報を取得する構成としても良い。
【0094】
第1制御部11は、CPU、ROM及びRAM等を含んだマイコン等で構成され、ドライブレコーダ10の動作全体の制御を司る。
【0095】
Gサンサ12は、互いに直交する2軸方向(X軸及びY軸)の重力加速度(以下、単に加速度と記す)を検出し、検出した加速度(Gデータとも記す)を時刻データと共に第1制御部11へ送信する。第1制御部11は、例えば10ミリ秒間隔でGセンサ12から出力されたGデータ(Gx、Gy)を取得して、Gデータから加速度の値(大きさ)を判別することができる。
【0096】
なお、GxはX軸方向(車両の前後方向)、GyはY軸方向(車両の左右方向)の加速度と示すものとする。また、Gセンサ12は、Z軸方向(車両の上下方向)も加えた3軸のものを利用しても良いし、3軸のものにおいて、Z軸方向の加速度Gzのデータを利用しなくても良い。
【0097】
ジャイロセンサ13は、車両の角加速度(回転)を検出し、主に、車両の進行方向の変化(すなわち、鉛直方向軸であるヨー(Z軸)の回転)を検出し、検出した角加速度データを時刻データと共に第1制御部11へ送信する。第1制御部11は、例えば10ミリ秒間隔でジャイロセンサ13から出力された角加速度データを取得して、角加速度データから角加速度の値(大きさ)を判別することができる。
【0098】
気圧センサ14は、車両外部の大気の圧力を検出し、検出した気圧値に基づいて高度を計算し、気圧値及び高度値(気圧・高度データ)を時刻データと共に第1制御部11へ送信する。第1制御部11は、例えば10ミリ秒間隔で気圧センサ14から出力された気圧・高度データを取得して、気圧・高度データから気圧・高度の値(大きさ)を判別することができる。
【0099】
第1制御部11は、CCDカメラ20が、100ミリ秒おきに1枚の画像を撮像し、撮像された画像を時刻データと共に第1メモリ18に順次循環的に記憶(後述するメモリカード25への記憶のために一次記憶)するように制御する。例えば、常にCCDカメラ20が撮像した画像24秒分(画像240枚分)の画像データが、第1メモリ18に記憶されるように構成される。なお、CCDカメラ20が撮像する画像は、100ミリ秒毎に1枚でなく、例えば50ミリ秒毎に1枚でも良い。また、CCDカメラ20が撮影した動画を記憶するように構成しても良い。
【0100】
車両信号取得部21は、車両の故障診断コネクタと接続して、車両の各種信号や情報(車両データ)を、例えば100ミリ秒間隔で取得して、取得した車両データを時刻データと共に第1制御部11へ送信する。車両データとしては、例えば、[1]車両運転時のブレーキ操作を検出した信号、[2]同じくウインカ操作を検出した信号、[3]同じくアクセル操作を検出した信号、[4]同じくハンドル回転を検出した信号、[5]同じくシフトレバー位置を検出した信号、[6]同じくサイドブレーキ操作を検出した信号や、[7]車両内の車両故障診断システム(OBD)から得られる車両故障診断情報(車速、エンジン回転数、冷却水温度など)、[8]車載LAN(CAN)を介して得られる各種車両情報(自車両のECU(Electronic Control Unit)からの各機能制御データ、車外のネットワークや他の車両からの通信データなど)などである。
【0101】
一例として、車両信号取得部21は、ブレーキ操作を検出した信号を取得した場合、車両のブレーキが操作されたか否かを示すブレーキ操作データ、ブレーキ操作が開始された時刻を示すブレーキ操作開始時刻データ及びブレーキ操作が終了された時刻を示すブレーキ操作終了時刻データを第1制御部11へ送信する。即ち、車両信号取得部21からのブレーキ操作データ、ブレーキ操作開始時刻データ及びブレーキ操作終了時刻データによって、第1制御部11は、ブレーキ操作がなされたか否か、ブレーキ操作が開始された時刻、及びブレーキ操作が終了された時刻を判別することができる。
【0102】
他の例として、車両信号取得部21は、ハンドル回転を検出した信号を取得した場合、車両のハンドルが回転された否かを示すハンドル回転データ、ハンドル回転が開始された時刻を示すハンドル回転開始時刻データ及びハンドル回転が終了された時刻を示すハンドル回転終了時刻データを第1制御部11へ送信する。即ち、車両信号取得部21からのハンドル回転データ、ハンドル回転開始時刻データ及びハンドル回転終了時刻データによって、第1制御部11は、ハンドル回転がなされたか否か、ハンドル回転が開始された時刻、及びハンドル回転が終了された時刻を判別することができる。
【0103】
なお、GPSアンテナ15、GPSレシーバ16、第1IF19、CCDカメラ20、車両信号取得部21等の一部又は全部は、ドライブレコーダ10と別体に構成されても良い。例えば、GPS機能を有する既存のナビゲーション装置と連携させた場合、ドライブレコーダ10にGPSレシーバ16等の機能は不要であるので、その分だけドライブレコーダ10のコストを低く抑えることができる。
【0104】
運転支援装置30は、第2制御部31、ディスプレイ等によって構成される表示部32、表示画面を紙面に印刷するプリンタ等から構成される出力部33、キーボード、マウス等の入力デバイスを含んで構成される第2操作部34、画像を一次記憶するための第2メモリ35、メモリカード25を挿入するためのスロットを含み且つメモリカード25から画像の読み出し等を行うための第2IF(インターフェイス)36、及び入力画像に所定の画像処理を施すための画像処理部37等を有している。
【0105】
第2制御部31は、CPU、ROM及びRAM等を含んで構成され、運転支援ソフトがインストールされたパーソナルコンピュータ(PC)であり、運転支援ソフトに含まれるプログラムを解釈実行して運転支援装置30の各構成要素を動作させ、本発明の特徴部分にかかる各種機能を実現する。
【0106】
メモリカード25は、2Gバイトの記憶容量を有する書き換え可能な不揮発性の半導体メモリカードである。このメモリカード25は、第1IF19を構成するスロットに挿入されて、所定条件の成立時点の前後の所定期間に、第1メモリ18に常に循環的に一次記憶している所定の画像(例えば、所定条件の成立時点の前10秒分の画像と、後5秒分の画像)が記憶される。その後、メモリカード25は、第1IF19を構成するスロットから排出されて第2IF36を構成するスロットに再挿入されて、記憶されている画像を運転支援装置30へ出力する。
【0107】
なお、メモリカード25として半導体メモリカードを用いたが、それに限定されることなく、カードタイプ以外の半導体メモリ、持ち運び可能なハードディスク(HD)、その他の記憶媒体等を利用することができる。また、メモリカード等の記憶容量は任意であって、用途に応じて自由に決定することが可能である。
【0108】
ドライブレコーダ10は、予め定める所定の条件が成立したとき(すなわち、ドライブレコーダ10による記録を行うべきイベントが発生したとき)、具体的には、(a)急ブレーキ、急ハンドル、衝突など、あるいは、その他の事故の発生に相当するイベント(事象)などの発生により車両に衝撃が加わって、内部に備えるGセンサ12から出力されたGデータの値(大きさ)が所定の閾値を超えたときや、その他(b)第1操作部17の緊急スイッチが押されたときなど、その検出を所定条件成立としてその時点の前後数秒〜十数秒分(例えば、前10秒、後5秒など)の各種データを、所定条件成立時刻データとともに取得して、1つの運転情報としてメモリカード25に記録する。
【0109】
メモリカード25に記録される運転情報は、Gセンサ12から出力されたGデータ、ジャイロセンサ13から出力された角加速度データ、気圧センサ14から出力された気圧・高度データ、GPSレシーバ16が測位したGPS位置情報、CCDカメラ20が撮影したカメラ画像データ、車両信号取得部21が取得した車両の各種信号や情報(ブレーキ操作やハンドル回転などの検出データ、車速データなど)、を含む。
【0110】
ドライブレコーダ10は、記録を行うべきイベントが発生して所定条件が成立した時点から前後数秒〜十数秒分(例えば、前10秒、後5秒など)の複数のカメラ画像1枚1枚に対応付けて、運転情報の各種データをメモリカード25に記録する。
【0111】
<メモリカードのデータ構造>
次に、
図2を参照して、メモリカード25に記録される内容のデータ構造について説明する。
図2は、メモリカード25に記録される内容のデータ構造を概念的に示す図である。
【0112】
図2に示すように、メモリカード25には、各所定条件の成立毎に、対応する運転情報が、運転情報1、運転情報2、運転情報3というように区分されて記録される。運転情報1は、所定条件成立時の前後15秒分(前10秒、後5秒)に相当する150枚のカメラ画像1〜150と、カメラ画像以外のその他の運転情報を含む画像関連情報とから構成される。画像関連情報は、所定条件成立時のGデータとその時刻データを含む主項目データと、150枚のカメラ画像1〜150それぞれに対応する関連データ1〜150とを含む。運転情報2、3についても同様である。
【0113】
主項目データは、Gデータ、角加速度データ、気圧・高度データ、それぞれの時刻データを含み、画像関連データは、カメラ画像の撮影日や撮影時刻、カメラ画像の撮影時の車両の各種信号や情報(ブレーキ操作やハンドル回転などの検出データ、車速データなど)、車両のGPS位置情報を含む。
【0114】
<所定条件成立時の加速度変化と画像等の記憶方法>
次に、
図3及び
図4を参照して、車両に衝撃が加わるなどの所定条件の成立時において、ドライブレコーダ10のGセンサ12(
図1参照)で検出される加速度(Gデータ)の変化の様子と、ドライブレコーダ10における画像等の記憶方法について説明する。
【0115】
図3(a)はGセンサ12から出力されたGデータ(Gx、Gyの合成値)の時系列的変化を示しており、
図3(b)及び
図3(c)は各所定条件の成立毎に記憶すべき画像期間の例を示し、
図3(d)はメモリカード25に1つのファイルとして記憶する画像期間の例を示し、
図3(e)は作成されるサムネイル画像の元となる画像の選択タイミングの例を示している。なお、サムネイル画像の作成及び表示については後述する。また、
図4はドライブレコーダの記録処理を示すフローチャートである。
【0116】
例えば、運転手が急ハンドル操作をし、その直後に追突された場合、
図3(a)に示すように、(1)まず、急ハンドル操作により車両に衝撃が加わった時点より、Gセンサ12から出力されたGデータの値(大きさ)が、ほぼゼロから急増し、(2)次に、追突されたことで、再び、車両に衝撃が加わりGデータの値(大きさ)が急増する場合について説明する。
【0117】
図3(a)に示すように、(1)まず、Gデータの値(大きさ)が急増する時刻tp1において、Gセンサ12のGデータの値(大きさ)が、閾値加速度Gs(例えば、0.3G)になった時、第1制御部11は、所定条件が成立したと判断(判定)し(
図4のステップS11のYES)、更に、前回の所定条件の成立時点から、後述する“所定時間”が経過したかを判断する(
図4のステップS12)。前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過していると判断し(ステップS12のYSE)、CCDカメラ20が撮像し、常に第1メモリ18に循環的に一次記憶している画像を、新たなデータ(新たなデータファイル)としてメモリカード25に記憶し(
図4のステップS13)、同時に、時刻tp1の時刻データ(TP1)を所定条件成立時点の時刻データとしてメモリカード25に記憶するように動作する。
【0118】
具体的には、
図3(b)に示すように、時刻tp1の前のTA秒間の画像PA1と、時刻tp1の後のTB秒間の画像PB1と、時刻tp1の時刻データ(TP1)とを、新たなデータファイルとしてメモリカード25に記憶するように制御する。例えば、TAは10秒、TBは5秒とすることができる。
【0119】
なお、TA及びTBの期間は自由に設定できるものとする。例えば、ドライブレコーダ10の設定画面(図示せず)に設定時間(秒)を表示させながら、ドライブレコーダ10の第1操作部17の時間設定ボタンを操作して時間を設定し、設定された情報を保存しておくことにより、任意の時間に設定できる。
【0120】
(2)次に、前回の所定条件の成立時点である時刻tp1から“7秒後”のGデータの値(大きさ)が急増する時刻tp2において、同様に、Gセンサ12のGデータの値(大きさ)が、閾値加速度Gs(例えば、0.3G)になった時、第1制御部11は、再び、所定条件が成立したと判断(判定)し(
図4のステップS11のYES)、更に、前回の所定条件の成立時点から“所定時間”が経過したかを判断する(
図4のステップS12)。前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過していないと判断し(ステップS12のNO)、CCDカメラ20が撮像し、常に第1メモリ18に循環的に一次記憶している画像を、前回の車両挙動データに継続するデータ(前回のデータファイルに継続する1つのデータファイル)としてメモリカード25に記憶し(
図4のステップS14)、同時に、時刻tp2の時刻データ(TP2)を所定条件成立時点の時刻データとしてメモリカード25に記憶するように動作する。
【0121】
具体的には、もしも、時刻tp2おいて、前回の所定条件の成立時点から“所定時間”が経過していれば、
図3(c)に示すように、時刻tp2の前のTA秒間の画像PA2と、時刻tp2の後のTB秒間の画像PB2と、時刻tp2の時刻データ(TP2)とを、新たなデータファイルとしてメモリカード25に記憶するように制御する。しかし、この場合(すなわち、前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過していない場合)、
図3(d)に示すように、時刻tp1の前のTA秒間の画像PA1[a]と、時刻tp1の時刻データTP1[b]と、時刻tp1の後のTB秒間の画像PB1[c]とを記憶し、更に、画像PB1の最後尾に続けて、時刻tp2の前のTA秒間の画像PA2のうち、画像PB1と重複する部分を除いた画像PB1の最後尾の時点(te1)以降の続きの部分画像PA2a[d]と、時刻tp2の時刻データTP2[e]と、時刻tp2の後のTB秒間の画像PB2[f]とを記憶し、[a]〜[f]を1つのデータファイルとして記憶する。
【0122】
すなわち、この場合、この1つのデータファイルとしては、時刻tp1の前のTA秒間の開始時点(時刻ts1)から時刻tp2の後のTB秒間の終了時点(時刻te2)に亘って連続する一連の期間に亘る画像を記憶すると共に、時刻tp1の時刻データTP1及び時刻tp2の時刻データTP2を記憶する。
【0123】
以上のように、例えば、(1)運転手が急ハンドル操作をし、(2)その直後に追突された場合のように、前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過しないうちに、新たな所定条件が成立した場合、前回の所定条件の成立時点(tp1)の後のTB秒間の画像PB1の最後尾に続けて、新たな所定条件の成立時点(tp2)の前のTA秒間の画像PA2のうち、画像PB1の最後尾の時点(te1)以降の続きの部分画像PA2aを記憶する。
【0124】
なお、上記の“所定時間”、すなわち、前回の所定条件の成立時点[時刻tp1]から次の所定条件の成立時点[時刻tp2]までの時間は、時刻tp1の後のTB秒間(例えば、5秒間)と時刻tp2の前のTA秒間(例えば、10秒間)とを加算した時間(例えば、15秒間)以内であって、時刻tp1の後のTA秒間と時刻tp2の前のTB秒間とに重なりがある場合とする。すなわち、時刻tp1の後のTB秒間の終了時点(時刻te1)が、時刻tp2の前のTA秒間の開始時点(時刻ts2)と同時となるか、時刻te1の方が時刻ts2よりも前の時点(時刻)になる場合とする。
【0125】
次に、第1制御部11は、第1操作部17の中のACCスイッチ又は電源スイッチ(図示せず)のOFF操作による終了信号を受信したか否かの判断を行い(
図4のステップS15)、終了信号を受信した場合には(
図4のステップS15のYES)、終了処理を行って(S16)、一連の処理を終了する。終了信号を受信していない場合には(
図4のステップS15のNO)、
図4のステップS12〜S14を繰り返し実行する。
【0126】
上記のように車両に衝撃が加わるなどのイベントが発生し、Gセンサ12の検出Gデータの値(大きさ)が所定の閾値を超えた時、1回の所定条件成立(イベント発生)毎に、第1制御部11は、(a)画像データ及び(b)所定条件成立時点(時刻)の時刻データ(TP1,TP2)と共に、(c)Gセンサ12の検出Gデータ(Gx、Gy)及びその時刻データ、(d)ジャイロセンサ13の検出角加速度データ及びその時刻データ、(e)気圧センサ14の気圧・高度データ及びその時刻データ、(f)車両信号取得部21で取得された時刻tp1,tp2の前のTA秒間及び時刻tp1,tp2の後のTB秒間の車両データ及びその時刻データ(例えば、ブレーキ操作データとその時刻データ、ハンドル回転データとその時刻データ、車速データとその時刻データなど)を、メモリカード25に記憶する。なお、上述したデータの一部のみをメモリカード25に記憶するように構成しても良い。
【0127】
メモリカード25に記憶されるイベント数(所定条件成立数)は、メモリカード25の記憶容量に応じて、可変することができるが、例えば、500イベント以上分のデータが記憶できるようにすることが好ましい。また、第1制御部11は、上記のように所定条件が成立したと判断された時点が所定時間内で複数回続くような場合を除いて、所定条件成立毎にメモリカード25にデータファイルを作成して、画像データ、所定条件成立時点の時刻データ(TP1,TP2,…)、Gセンサ12のGデータ(Gx、Gy)及びその時刻データ、角加速度データ及びその時刻データ、気圧・高度データ及びその時刻データ、車両データ及びその時刻データを記憶するようにすることが好ましい。
【0128】
なお、上述した所定条件の成立時において、閾値加速度Gsを超えることを所定条件の成立としたが、例えば、単位時間あたりの加速度の変化量がある値を超えた場合(0.1秒間に、Gデータの値(大きさ)が0.1G以上変化した場合)に所定条件が成立したと判断するようにしても良い。
【0129】
<サムネイル画像の作成及び表示処理>
次に、運転支援装置30におけるサムネイル画像の作成及び表示処理について、
図5を参照して説明する。本例では、所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関するサムネイル画像の作成及び表示処理動作について説明する。
【0130】
図5は、実施例1に係るサムネイル画像の作成及び表示処理を示すフローチャートであり、このサムネイル画像の作成及び表示処理は、運転支援装置30の第2制御部31のRAMにHDD等からロードされた制御プログラムにしたがってCPUが実行することにより実現され、第2操作部34の運転支援ソフトの起動の操作に基づいて開始される。また、
図5に示すフローチャートの処理が開始される時点で、スロットを構成する第2IF36にドライブレコーダ10において画像が記憶されたメモリカード25が挿入されているものとする。
【0131】
ステップS21において、第2制御部31は、メモリカード25に記憶されたデータの中から所定条件成立時点(時刻)の時刻データ(TP1,TP2)を取得する。
【0132】
次のステップS22では、第2制御部31は、
図3(d)に示す時刻tp1,tp2の前後の期間の画像PA1,PB1,PA2a,PB2の中から複数の異なるタイミングに撮影された複数の画像を選択する。
【0133】
具体的には、この制御プログラムには、
図3(d)に示す時刻tp1,tp2の前後の期間の画像PA1,PB1,PA2a,PB2の中から、
図3(e)に示す時刻tp1のTA秒(例えば、10秒)前の時刻ts1に撮影された画像P1を「第1画像」として選択し、順次、時刻ts1以降に所定間隔で撮影された画像P2〜7を「第2〜7画像」として選択し、時刻tp1に撮影された画像P8を「第8画像」として選択する。更に、時刻tp1以降に所定間隔で撮影された画像P9〜11を「第9〜11画像」として選択し、時刻tp2に撮影された画像P12を「第12画像」として選択する。更に、時刻tp2以降に所定間隔で撮影された画像P13〜15を「第13〜15画像」として選択し、最後に、時刻te2のTB秒(例えば、5秒)後の時刻te2に撮影された画像P16を「第16画像」として選択するといった制御処理がプログラムされている。第2制御部31は、このような制御プログラムに従って、画像PA1,PB1,PA2a,PB2の中から第1〜第16画像の選択制御を行う。
【0134】
なお、時刻ts1,tp1,tp2,te2に撮影された第1,8,12,16画像(画像P1,P8,P12,P16)以外の「第2〜7、9−11、13−15画像」として選択される画像P2〜7、9−11、13−15の画像間隔は、例えば、1.25〜1.75秒程度と設定することが可能であるが、アプリケーションに応じて、最適な値を選択するように構成するとよい。例えば、運転支援装置30の設定画面(図示せず)に設定時間(秒)を表示させながら、運転支援装置30の第2操作部34の時間設定ボタンを操作して時間を設定し、設定された情報を保存しておくことにより、任意の時間に設定する。
【0135】
次のステップS23では、第2制御部201は、第2制御部201内のROMに格納されて制御プログラムに従って、画像処理部37に対して、ステップS22において選択された「第1〜第16画像」(P1〜P16)から第1〜第16サムネイル画像を作成させる画像処理を行わせる。
【0136】
なお、選択された第1〜第16画像からサムネイル画像を作成するには、例えば、元となる第1〜第16画像を、それぞれ縮小化する画像処理を施してサムネイル画像を作成する。その他、縮小化する画像処理以外にも、選択された第1〜第16画像の拡大化する画像処理を施したり、画像の一部を切り出す画像処理を施したりするなど、その他の所定の画像処理を施すことによりサムネイル画像を作成してもよい。また、選択された第1〜第16画像に何も画像処理せずにそのままをサムネイル画像としてもよい。
【0137】
続くステップS24では、第2制御部31は、第2制御部31内のROMに格納されて制御プログラムに従って、画像処理部37に対して、ステップS23において作成された時刻tp1及びtp2(すなわち、所定条件成立時点)の第8及び第12のサムネイル画像中に、カラーラインや文字やマークなどを重畳(スーパーインポーズ)する画像処理を行わせる。
例えば、第8のサムネイル画像中の、画像下側部分には黄色の横ラインを重畳し、画像右上部分には黄色文字を重畳する。また、第12のサムネイル画像中の、画像下側部分には緑色の横ラインを重畳し、画像右上部分には緑色文字を重畳する。表示する文字としては、所定条件の種別を示す「衝撃」や「スイッチ」などの色文字を重畳する。
【0138】
続くステップS25では、第2制御部31は、第2制御部31内のROMに格納されて制御プログラムに従って、表示処理部38に対して、ステップS24において作成された第1〜第16サムネイル画像を表示部32に表示させる表示処理を行わせる。具体的には、後述するようにサムネイル画像をマトリックス構造に配置させて同一画面上に一覧表示させる。
これで所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関するサムネイル画像の作成及び表示処理を終了する。
【0139】
<タイムチャート画像の作成及び表示処理>
次に、運転支援装置30におけるタイムチャート画像の作成及び表示処理について、
図6を参照して説明する。本例では、所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関するタイムチャート画像の作成及び表示処理動作について説明する。
【0140】
図6は、実施例1に係るタイムチャート画像の作成及び表示処理を示すフローチャートであり、このタイムチャート画像の作成及び表示処理は、運転支援装置30の第2制御部31のRAMにHDD等からロードされた制御プログラムにしたがってCPUが実行することにより実現され、第2操作部34の運転支援ソフトの起動の操作に基づいて開始される。また、
図6に示すフローチャートの処理が開始される時点で、スロットを構成する第2IF36にドライブレコーダ10において画像が記憶されたメモリカード25が挿入されているものとする。
【0141】
ステップS31において、第2制御部31は、メモリカード25に記憶されたデータの中から所定条件成立時点(時刻)の時刻データ(TP1,TP2)を取得する。
次のステップS32では、第2制御部31は、第2制御部31内のROMに格納されて制御プログラムに従って、画像処理部37に対して、タイムチャート画像の時間軸に、ドットや縦線や文字などを重畳(スーパーインポーズ)する画像処理を行わせる。
【0142】
例えば、加速度値(Gデータ)の時系列変化を、横軸を時間にし、縦軸をGデータの大きさにして、折れ線グラフなどでグラフフィック表示するタイムチャート画像の時間軸の、
時刻データ(TP1)に基づく該当位置に、黄色のドットと、黄色の縦線を重畳し、更に、黄色文字を重畳する。また、同様に、タイムチャート画像の時間軸の、時刻データ(TP2)に基づく該当位置に、緑色のドットと、緑色の縦線を重畳し、更に、緑色文字を重畳する。
【0143】
続くステップS33では、第2制御部31は、第2制御部31内のROMに格納されて制御プログラムに従って、表示処理部38に対して、ステップS32において画像処理されたタイムチャート画像を表示部32に表示させる表示処理を行わせる。
これで所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関するタイムチャート画像の作成及び表示処理を終了する。
【0144】
<地図画像の作成及び表示処理>
次に、運転支援装置30における地図画像の作成及び表示処理について、
図7を参照して説明する。本例では、所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関する地図画像の作成及び表示処理動作について説明する。
【0145】
図7は、実施例1に係る地図画像の作成及び表示処理を示すフローチャートであり、この地図画像の作成及び表示処理は、運転支援装置30の第2制御部31のRAMにHDD等からロードされた制御プログラムにしたがってCPUが実行することにより実現され、第2操作部34の運転支援ソフトの起動の操作に基づいて開始される。また、
図7に示すフローチャートの処理が開始される時点で、スロットを構成する第2IF36にドライブレコーダ10において画像が記憶されたメモリカード25が挿入されているものとする。
【0146】
ステップS41において、第2制御部31は、メモリカード25に記憶されたデータの中から所定条件成立時点(時刻)の時刻データ(TP1,TP2)を取得する。
次のステップS42では、第2制御部31は、ステップS41において取得した時刻データ(TP1,TP2)の時刻におけるGPS位置情報(GPS位置データ)を取得する。
【0147】
続くステップS43では、第2制御部31は、第2制御部31内のROMに格納されて制御プログラムに従って、画像処理部37に対して、地図画像上に、矢印や文字などを重畳(スーパーインポーズ)する画像処理を行わせる。
例えば、道路地図上の、時刻データ(TP1)の時刻におけるGPS位置データに基づく該当位置に、黄色の矢印と黄色文字を重畳する。また、同様に、道路地図上の、時刻データ(TP2)の時刻におけるGPS位置データに基づく該当位置に、緑色の矢印と緑色文字を重畳する。
【0148】
続くステップS44では、第2制御部31は、第2制御部31内のROMに格納されて制御プログラムに従って、表示処理部38に対して、ステップS43において画像処理された地図画像を表示部32に表示させる表示処理を行わせる。
これで所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関する地図画像の作成及び表示処理を終了する。
【0149】
<サムネイル画像等の表示例>
次に、運転支援装置30の表示部32に表示する表示画像の一態様について、
図8を参照して説明する。
図8は、実施例1に係るサムネイル画像等の表示態様の一例を示す画面表示図である。
図8に例示するサムネイル画像の表示態様は、運転支援装置30の表示部32に所定条件が成立した時点が所定時間内に2回ある場合の一連の車両挙動に関するサムネイル画像が表示された状態を示している。
【0150】
図8に示すように、表示部32に表示された画面41には、プレイリスト部42、サムネイル画像部43、タイムチャート部44、地図部45が表示される。また、画面41には、その他に、表示される画像が撮影されたときの加速度情報(Gデータ)や速度情報(時速)や位置情報(緯度、経度)などが表示される。
【0151】
プレイリスト部42には、1つまたは複数の所定条件の成立毎に記録された運転情報ファイルを区別するファイル番号46が、「衝撃」や「スイッチ」などの所定条件の種別文字47と共に一覧で表示される。また、1つの運転情報ファイルの中に所定条件の成立時点が2回以上ある場合にも、その全て時点の種別文字が表示される。そして、このプレイリスト部42に一覧表示された複数の運転情報ファイルの中から、1つの運転情報ファイルが選択可能になっていて、選択された2番目の運転情報ファイルは、太線枠48で囲われて、他の選択されなかった運転情報ファイルと区別されて表示される。
【0152】
選択された2番目の運転情報ファイルは、所定条件が成立した時点が2回あり、1回目の所定条件の種別を「衝撃1」という黄色文字49で表示し、2回目の所定条件の種別を「衝撃2」という緑色文字50で表示している。また、5番目の運転情報ファイルは、所定条件が成立した時点が3回あり、1〜3回目の所定条件の種別を異なる色の文字(例えば、黄色文字と緑色文字と青色文字)で表示している。
【0153】
なお、「衝撃1」は1回目の所定条件の種別が「車両に衝撃が加わったとき」であることを示し、「衝撃2」は2回目の所定条件の種別が「車両に衝撃が加わったとき」であることを示す。なお、所定条件の種別が「緊急スイッチが押されたとき」は「スイッチ」などと表示する。
【0154】
プレイリスト部42において選択された運転情報ファイルに含まれるカメラ画像から作成したサムネイル画像が、後述するサムネイル画像部43に表示され、プレイリスト部42において、別の運転情報ファイルを選択すると、選択した別の運転情報ファイルに含まれるカメラ画像から作成した別のサムネイル画像が表示されるように切り換えられる。
【0155】
サムネイル画像部43には、上記のプレイリスト部42において選択された2番目の運転情報ファイルに含まれるカメラ画像から作成したサムネイル画像が表示される。プレイリスト部42において、別の運転情報ファイルが選択されると、選択された別の運転情報ファイルに含まれるカメラ画像から作成した別のサムネイル画像が表示されるように切り換えられる。
【0156】
サムネイル画像部43には、縦方向4行×横方向4列のマトリックス構造に配置された16個のサムネイル画像51(M1〜M16)が同一画面上に一覧表示される。この16個のサムネイル画像51(M1〜M16)は、
図3(e)に示す画像P1〜P16から作成されたものであって、撮影された時系列順に画面41の左上から右下という順(すなわち、1つの行内は左から右へ、そして、右端のサムネイル画像の次はその下の行の左端のサムネイル画像へ続くという順)に並ぶようにして配置して表示される。
【0157】
16個のサムネイル画像M1〜M16のうち、所定条件成立時点である時刻tp1,tp2におけるサムネイル画像M8,M12には、他のサムネイル画像と区別できるようにカラーの横ラインと色文字が表示される。
時刻tp1におけるサムネイル画像M8には、黄色の横ライン52と、「衝撃1」という所定条件の種別を表す黄色文字53が表示され、サムネイル画像M12には、緑色の横ライン54と、「衝撃2」という所定条件の種別を表す緑色文字55が表示される。
【0158】
タイムチャート部44には、上記のプレイリスト部42において選択された2番目の運転情報ファイルに含まれる画像関連情報から取得した加速度値(Gデータ)の時系列変化が、横軸を時間にし、縦軸をGデータの大きさにして、折れ線グラフなどでタイムチャートが表示される。具体的には、タイムチャート横軸において、1回目の所定条件の成立時点には、黄色のドット56と、黄色の縦線57が表示されると共に、「衝撃1」という所定条件の種別を表す黄色文字58が表示される。同様に、2回目の所定条件の成立時点には、緑色のドット59と、緑色の縦線60が表示されると共に、「衝撃2」という所定条件の種別を表す緑色文字61が表示される。
【0159】
地図部45には、上記のプレイリスト部42において選択された2番目の運転情報ファイルに含まれる画像関連情報から取得した車両のGPS位置情報に基づいて、所定条件の成立時点における位置が道路地図上に表示される。具体的には、道路地図上において、1回目の所定条件の成立時点における該当位置に、黄色の矢印62と、「衝撃1」という所定条件の種別を表す黄色文字63が表示される。同様に、2回目の所定条件の成立時点における該当位置に、緑色の矢印64と、「衝撃2」という所定条件の種別を表す緑色文字65が表示される。
【0160】
なお、
図8では、16個のサムネイル画像を表示しているが、サムネイル画像の表示個数はこれに限定されるものではなく、他の表示個数を選択することも可能である。また、表示する要素は、サムネイル画像、Gデータのタイムチャート、地図のうちのいずれか又は他の要素(車両速度のタイムチャートなど)と合わせて表示させること等も可能である。
【0161】
以上のように本実施例1の運転支援装置30では、次のような利点を奏する。すなわち、
(1)所定条件が成立した時点が複数回ある一連の期間に亘る車両挙動に関連付けて、複数回の所定条件が成立した時点の時刻データが記録されるので、複数回の所定条件が成立した時点の時刻データに基づいて、所定条件が成立した時点の車両の挙動を容易に特定することができる。
例えば、急ハンドル操作をし、その直後に追突されて、車両に衝撃が加わるなどの所定条件成立時点が2回ある一連の期間に亘る車両挙動に関連付けて、2回の所定条件成立時点の時刻データに基づいて、各時点の車両の挙動を容易に特定して、多数の「一連の期間に亘る車両挙動」の中から、自己が必要とする車両の挙動情報を容易に特定して利用することができる。
【0162】
(2)
図8に例示するサムネイル画像等の表示態様のように、プレイリスト部42には、運転情報ファイルのファイル番号と、所定条件が成立した全ての時点の種別文字が一覧で表示されるので、1つの運転情報ファイルに含まれる所定条件の成立回数や種別を確認して、複数の運転情報ファイルの中から、1つの運転情報ファイルを容易に選択することができる。
また、所定条件の成立時点毎に、所定条件の種別が異なる色の文字で表示されるので、色の情報から異なる時点であることが判別できる。更に、例えば、最初の時点の色が「黄色」、次が「緑色」、その次が「青色」というように、予め色で順番を決めておくことで、色の情報から所定条件の成立時点の順番も判別できる。
【0163】
(3)
図8に例示するサムネイル画像等の表示態様のように、サムネイル画像部43には、16個のサムネイル画像M1〜M16のうち、所定条件成立時点である時刻tp1,tp2におけるサムネイル画像M8,M12には、黄色あるいは緑色の横ラインや所定条件種別文字が表示されるので、所定条件成立時点におけるサムネイル画像M8,M12と、所定条件成立時点以外の時点におけるサムネイル画像とを一目で区別して視線できる。
また、異なる所定条件成立時点におけるサムネイル画像M8,M12には、それぞれ異なる色の横ラインや所定条件種別文字が表示されるので、両者を一目で区別できる。
【0164】
更に、サムネイル画像M8,M12に表示される横ラインや所定条件種別文字の色(黄色と緑色)を、プレイリスト部42に表示される所定条件種別文字の色と同じ色(黄色と緑色)にしているので、同じ色の表示が同じ所定条件成立時点のものであるとして、同じ所定条件成立時点のサムネイル画像と、プレイリスト部42に表示される所定条件種別を一目で区別して視認することができる。
【0165】
(4)
図8に例示するサムネイル画像等の表示態様のように、タイムチャート部44には、タイムチャート横軸において、所定条件の成立時点には、黄色あるいは緑色のドットや縦線や所定条件種別文字が表示されるので、タイムチャート横軸における所定条件成立時点のGデータを容易に把握することができる。
また、タイムチャート横軸において、異なる所定条件成立時点には、それぞれ異なる色のドットや縦線や所定条件種別文字が表示されるので、両者を一目で区別できる。
【0166】
更に、タイムチャート横軸に表示されるドットや縦線や所定条件種別文字の色(黄色と緑色)を、プレイリスト部42に表示される所定条件種別文字の色と同じ色(黄色と緑色)にしているので、同じ色の表示が同じ所定条件成立時点のものであるとして、同じ所定条件成立時点のタイムチャート部44のドットや縦線や所定条件種別文字と、プレイリスト部42に表示される所定条件種別を一目で区別して視認することができる。
【0167】
(5)
図8に例示するサムネイル画像等の表示態様のように、地図部45には、道路地図上において、所定条件の成立時点における位置が、黄色あるいは緑色の矢印や所定条件種別文字が表示されるので、道路地図上における所定条件成立時点の位置を容易に把握することができる。
また、道路地図上において、異なる所定条件成立時点の位置には、それぞれ異なる色の矢印や所定条件種別文字が表示されるので、両者を一目で区別できる。
【0168】
更に、道路地図上に表示される矢印や所定条件種別文字の色(黄色と緑色)を、プレイリスト部42に表示される所定条件種別文字の色と同じ色(黄色と緑色)にしているので、同じ色の表示が同じ所定条件成立時点のものであるとして、同じ所定条件成立時点の地図部45の矢印や所定条件種別文字色と、プレイリスト部42に表示される所定条件種別を一目で区別して視認することができる。
【0169】
[実施例2]
本実施例2は、実施例1と同様に、(1)まず、急ハンドル操作により車両に衝撃が加わってGデータの値(大きさ)が急増し、(2)次に、追突されたことで、再び、車両に衝撃が加わりGデータの値(大きさ)が急増し、その後に、(3)第1操作部17の緊急スイッチが押された場合について、
図9を参照して、説明する。
なお、(1)まず、急ハンドル操作により車両に衝撃が加わってGデータの値(大きさ)が急増し、(2)次に、追突されたことで、再び、車両に衝撃が加わりGデータの値(大きさ)が急増するまでは、実施例1と同様であり、
図9のうち、
図9(a),
図9(b),
図9(c)は、それぞれ
図3(b),
図3(c),
図3(d)と同じであるので、同一符号を付してその説明を一部省略する。
【0170】
(1)まず、時刻tp1において、第1制御部11は、所定条件が成立したと判断(判定)し、CCDカメラ20が撮像した画像をメモリカード25に記憶し、同時に、時刻tp1の時刻データ(TP1)を所定条件成立時点の時刻データとしてメモリカード25に記憶するように動作する。具体的には、
図9(a)に示すように、画像PA1と、画像PB1と、時刻tp1の時刻データ(TP1)とを、新たなデータファイルとしてメモリカード25に記憶する。
【0171】
(2)次に、時刻tp1から“7秒後”の時刻tp2において、第1制御部11は、再び、所定条件が成立したと判断(判定)し、CCDカメラ20が撮像した画像を、前回の車両挙動データに継続するデータとしてメモリカード25に記憶し、同時に、時刻tp2の時刻データ(TP2)を所定条件成立時点の時刻データとしてメモリカード25に記憶するように動作する。具体的には、
図9(c)に示すように、画像PA1と、時刻データTP1と、画像PB1と、画像PA2のうち画像PB1と重複する部分を除いた部分画像PA2aと、時刻データTP2と、画像PB2とを、1つのデータファイルとして記憶する。
【0172】
(3)更に、時刻tp2から“11秒後”の時刻tp3において、第1操作部17の緊急スイッチが押された時、第1制御部11は、再び、所定条件が成立したと判断(判定)し(
図4のステップS11のYES)、更に、前回の所定条件の成立時点から“所定時間”が経過したかを判断する(
図4のステップS12)。前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過していないと判断し(ステップS12のNO)、CCDカメラ20が撮像し、常に第1メモリ18に循環的に一次記憶している画像を、前回の車両挙動データに継続するデータ(前回のデータファイルに継続する1つのデータファイル)としてメモリカード25に記憶し(
図4のステップS14)、同時に、時刻tp2の時刻データ(TP2)を所定条件成立時点の時刻データとしてメモリカード25に記憶するように動作する。
【0173】
具体的には、もしも、時刻tp3おいて、前回の所定条件の成立時点から“所定時間”が経過していれば、
図9(d)に示すように、時刻tp3の前のTA秒間の画像PA3と、時刻tp3の後のTB秒間の画像PB3と、時刻tp3の時刻データ(TP3)とを、新たなデータファイルとしてメモリカード25に記憶するように制御する。しかし、この場合(すなわち、前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過していない場合)、
図9(e)に示すように、時刻tp1の前のTA秒間の画像PA1[a]と、時刻tp1の時刻データTP1[b]と、時刻tp1の後のTB秒間の画像PB1[c]とを記憶し、更に、画像PB1の最後尾に続けて、時刻tp2の前のTA秒間の画像PA2のうち、画像PB1と重複する部分を除いた画像PB1の最後尾の時点(te1)以降の続きの部分画像PA2a[d]と、時刻tp2の時刻データTP2[e]と、時刻tp2の後のTB秒間の画像PB2[f]とを記憶し、更にまた、画像PB2の最後尾に続けて、時刻tp3の前のTA秒間の画像PA3のうち、画像PB2と重複する部分を除いた画像PB2の最後尾の時点(te2)以降の続きの部分画像PA3a[g]と、時刻tp3の時刻データTP3[h]と、時刻tp3の後のTB秒間の画像PB3[i]とを記憶し、[a]〜[i]を1つのデータファイルとして記憶する。
【0174】
すなわち、この場合、この1つのデータファイルとしては、時刻tp1の前のTA秒間の開始時点(時刻ts1)から時刻tp3の後のTB秒間の終了時点(時刻te3)に亘って連続する一連の期間に亘る画像を記憶すると共に、時刻tp1の時刻データTP1、時刻tp2の時刻データTP2及び時刻tp3の時刻データTP3を記憶する。
【0175】
以上のように、例えば、(1)急ハンドル操作をし、(2)その直後に追突され、(3)その後に緊急スイッチが押された場合のように、前回の所定条件の成立時点から所定時間が経過しないうちに、新たな所定条件が成立し、更に、この新たな所定条件の成立時点から所定時間が経過しないうちに、別の新たな所定条件が成立した場合、前回の所定条件の成立時点(tp1)の後のTB秒間の画像PB1の最後尾に続けて、新たな所定条件の成立時点(tp2)の前のTA秒間の画像PA2のうち、画像PB1の最後尾の時点(te1)以降の続きの部分画像PA2aを記憶し、また、新たな所定条件の成立時点(tp2)の後のTB秒間の画像PB2の最後尾に続けて、別の新たな所定条件の成立時点(tp3)の前のTA秒間の画像PA3のうち、画像PB2の最後尾の時点(te2)以降の続きの部分画像PA3aを記憶する。
【0176】
以上のように本実施例2の運転支援装置30では、次のような利点を奏する。すなわち、
例えば、急ハンドル操作をし、その直後に追突されて、車両に衝撃が加わるなどの所定条件成立時点が2回あり、更に、緊急スイッチが押されて、所定条件成立時点が合計で3回ある一連の期間に亘る車両挙動に関連付けて、3回の所定条件成立時点の時刻データに基づいて、各時点の車両の挙動を容易に特定して、多数の「一連の期間に亘る車両挙動」の中から、自己が必要とする車両の挙動情報を容易に特定して利用することができる。
【0177】
<表示事例>
図10は、サムネイル画像等の表示画面例を示す図である。
図10において、
図8における同一構成箇所には同一番号を付して、その説明を省略する。
この表示画面例は、ドライブレコーダ10内に装着され、カメラ画像や画像関連情報を含む運転情報が記録されたメモリカード25を取り出して、運転支援装置30の表示部32に表示させているものである。
【0178】
図10の表示画面例において、プレイリスト部42には、1番〜6番までのファイル番号と、各ファイル番号に続けて、各運転情報ファイルに含まれる所定条件成立時点の日付と時刻(例えば、「2012年5月21日14時9分16秒」など)と、所定条件の種別文字(例えば、「衝撃」など)を表示している。
なお、所定条件成立時点の時刻については、各運転情報ファイルに複数の所定条件成立時点のデータが含まれていた場合に、ここでは、表示スペースの関係で、その最初の所定条件成立時点の時刻のみを表示しているが、各運転情報ファイルに含まれる全ての所定条件成立時点の時刻を表示してもよい。
また、
図10のプレイリスト部42では、2番目の運転情報ファイルが選択されて、選択された2番目の運転情報ファイルの部分(横長の帯状表示部)は、選択されなかった運転情報ファイル(1番,3〜6番)の部分(横長の帯状表示部)とは異なる背景色で表示している。
【0179】
図10の表示画面例において、サムネイル画像部43には、上記のプレイリスト部42において選択された2番目の運転情報ファイルに含まれるカメラ画像から作成したサムネイル画像を表示している。
【0180】
サムネイル画像部43には、縦4行×横4列のマトリックス構造に配置されて同一画面上に一覧表示された16個のサムネイル画像を表示している。16個のサムネイル画像は、撮影された時系列順に表示画面の左上から右下という順に並ぶようにして配置して表示している。表示画面の左上のサムネイル画像を1番目として、8番目と12番目のサムネイル画像には、他のサムネイル画像と区別できるようにカラーの横ラインと色文字を表示している。8番目のサムネイル画像には、サムネイル画像の下に黄色の横ラインを表示し、サムネイル画像の右上に「衝撃1」という所定条件の種別を表す黄色文字を表示している。また、12番目のサムネイル画像には、サムネイル画像の下に緑色の横ラインを表示し、サムネイル画像の右上に「衝撃2」という所定条件の種別を表す緑色文字を表示している。
【0181】
図10の表示画面例において、タイムチャート部44には、上記のプレイリスト部42において選択された2番目の運転情報ファイルに含まれる画像関連情報から取得したGデータの時系列変化を、横軸を時間にし、縦軸をGデータの大きさにして、折れ線グラフでタイムチャートを表示している。
タイムチャート部44には、タイムチャート横軸において、1回目の所定条件の成立時点には、黄色の縦長の囲枠線を表示し、同様に、2回目の所定条件の成立時点には、緑色の縦長の囲枠線を表示している。
【0182】
図10の表示画面例において、地図部45には、上記のプレイリスト部42において選択された2番目の運転情報ファイルに含まれる画像関連情報から取得した車両のGPS位置データに基づいて、所定条件の成立時点における位置を道路地図上に表示している。
地図部45には、道路地図上において、1回目の所定条件の成立時点における該当位置に、黄色の矢印61を表示し、同様に、2回目の所定条件の成立時点における該当位置に、緑色の矢印を表示している。
【0183】
<変形例>
本発明は、上述した本発明の実施形態の記載内容に限定されず、種々の変形が可能である。その変形例としては、例えば、次のように実施しても良い。
【0184】
(1)上述した実施形態では、Gセンサ12から出力されたGデータの値(大きさ)が閾値加速度Gsになった時(時刻tp1,tp2)を所定条件が成立したと判断しているが、これに限らず、例えば、ジャイロセンサ13から出力された角加速度データや気圧センサ14から出力された気圧・高度データの値(大きさ)が所定値になった時を所定条件が成立したと判断してもよい。また、記録された映像を解析した結果から所定条件が成立したと判断してもよい。
その他、外部ポートからの信号入力があった時、及びAVM−ECU(Automatic Vehicle Monitoring − Engine Control Unit)などの外部機器からの通信(例えば、RS−232C)によりコマンドを受信した時などをイベント発生時としてもよい。
【0185】
(2)上述した実施形態では、Gデータとして、X軸方向(車両の前後方向)の成分加速度(Gデータ)Gxと、Y軸方向(車両の左右方向)の成分加速度(Gデータ)Gyの合成値を用いて所定条件の成立を判断しているが、これに限らず、各成分加速度(Gx,Gy)を個々に用いて所定条件の成立を判断するようにしてもよい。例えば、Gxが所定の閾値を越えた後、Gyが所定の閾値を所定時間内に超えた場合など、各成分の値(大きさ)の変化パターンが所定のパターンを採った場合に所定条件が成立したと判断するようにしてもよい。また、Gx,Gyの他にZ軸方向(車両の上下方向)の成分加速度Gz等も加味して所定条件の成立を判断するようにしてもよい。
【0186】
(3)上述した実施形態では、所定条件成立と判断した時刻tp1,tp2の前後のTA秒の時間とTB秒の時間は異なる時間(実施例では、前は10秒、後は5秒)とし、特に、時刻tp1,tp2の前のTA秒の時間を長くし、後のTB秒の時間を短くているが、これに限らず、例えば、時刻tp1,tp2の前のTA秒の時間を短くし、後のTB秒の時間を長く(例えば、前は5秒、後は15秒)としてもよく、また、TA秒の時間とTB秒の時間を同一の時間としてもよい。
【0187】
(4)上述した実施形態に限らず、所定条件成立と判断した時刻tp1,tp2の前後のTA秒の時間とTB秒の時間、あるいはTA秒とTB秒の合計時間は、所定条件の種別によって異なる時間とするとよい。例えば、所定条件を満たした際に記録する車両の挙動情報の記録期間(時間)を、長い時間が必要となる種別では長くし、短い時間で良い種別では短くするとよい。
【0188】
(5)上述した実施形態では、所定条件成立時点の時刻データを、画像データやGデータなどの車両挙動データと同じデータファイルに記録したが、これに限らず、所定条件成立時点の時刻データを、車両挙動データと記録したデータファイルとは別のデータファイルに、時刻データと車両挙動データとの関連性が特定可能とされるようにして記録してもよい。
【0189】
(6)上述した実施形態では、所定条件成立時点(tp1,tp2)を特定可能する情報として、その時点の時刻データ(TP1,TP2)を記憶しているが、これに限らず、基準となる時点の時刻からの経過時間データを記憶してもよい。基準となる時点の時刻は、例えば、一連の期間の開始時刻(すなわち、1つのデータファイルとして記録される期間の最初の所定条件成立時点の前のTA秒間の開始時刻)とし、この開始時刻から所定条件の成立時点の時刻までの経過時間とするとよい。
【0190】
(7)上述した実施形態に限らず、GPS位置データなどの車両の挙動情報を所定の時間間隔で繰返し取得した場合に、所定条件成立時点は、所定の時間間隔のいずれかに一致する時点とするとよい。
例えば、1秒間隔でGPS位置データを取得した場合、所定条件成立時点が、GPS位置データを取得した時点の0.6秒後の時点であった場合、次に、GPS位置データを取得した時点に所定条件が成立したものとして、その時刻を所定条件成立時点とする。このようにすると、所定条件成立時点をGPS位置データの取得時点と一致させることができ、GPS位置データの取得時点の時刻データを、所定条件成立時点の時刻データとして取得することが可能となる。
【0191】
(8)上述した実施形態では、プレイリスト部42には、所定条件の成立時点毎に、所定条件の種別が異なる色の文字で表示されるが、これに限らず、例えば、種別文字に異なる色の塗り潰し・背景などで表示するとよい。また、サムネイル画像部43やタイムチャート部44や地図部45に表示する所定条件の種別文字についても同様である。
【0192】
(9)上述した実施形態では、本発明の表示制御システムを運転支援システム(運転支援装置30)の例で説明したが、各種の電子機器の機能として実施することができる。例えば、ナビゲーション装置、ドライブレコーダ、レーダ探知機及びカーオーディオの機能として組み込んでもよい。
【0193】
(10)上述した実施形態に限らず、運転支援装置30の第2制御部31のROM予め記憶されている制御プログラムを、汎用のパーソナルコンピュータ、携帯電話機、スマートフォン、携帯ゲーム機などの携帯端末にダウンロードし、携帯端末に搭載されたコンピュータに、第2制御部31の制御処理を実行させ、メモリカード25に記憶された画像や各種データを読み込ませ、読み込ませた画像や各種データから作成されたサムネイル画像を表示させてもよい。
【0194】
(11)上記の実施形態の各機能は、その機能をコンピュータ読み取り可能なプログラム言語で記述してそのプログラムを、第2制御部31のコンピュータに実行させることで実現しているが、これに限らず、例えば、プログラムを複数のコンピュータに分散配置し、分散処理するようにしてもよい。