(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
トレーは、底板と、底板の上方に臨む底面の4方の周縁辺から立ち上がって、矩形シート状の吸収体を収容する収容領域を形成する周壁とを有し、平面視で4個所の隅部を有する挿入方向に細長い矩形であり、
これらの隅部における底板と周壁とが交差する交差部は、外側方に凸に湾曲させた曲面によって構成されることを特徴とする請求項4に記載の動物用トイレ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、清潔に保ち、尿臭の発生を抑制する動物用トイレを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
図23〜
図28に示されるとおり、
(a)動物が出入りする出入り口23が形成されるカバー周壁21を有するカバー2と、
(b)上容器3であって、
動物を乗載する簀子31と、
カバー周壁21を支持し、簀子31の外側方に連なり動物を乗載する空間33をカバー周壁21とともに形成する上周壁32とを有する上容器3と、
(c)下容器4であって、
上容器3が上方から嵌まり込んで上容器3を支持する下周壁43を有し、
簀子31から落下する尿を吸収する吸収体98(
図15、19、20)を収容する下容器4とを有する動物用トイレにおいて、
(d)下容器4の下周壁43の上部81(
図27、28)に連なり、周方向にわたって外側方に延びる下支持部82が形成され、
(e)上容器3の上周壁32の上部91に連なり、周方向にわたって外側方に延び、下支持部82上に載置され、下支持部82の外周面84aを周方向にわたって露出する上支持部92が形成され、
(f)カバー周壁21の下部101は、上支持部92の外周面94aを周方向にわたって露出し、
カバー周壁21の下部101にその左右外側方で、上周壁32の上支持部92よりも下方に延びる連結片104(
図25)が設けられ、
この連結片104には、第1連結部105が設けられ、
(g)下周壁43の上部81に、第1連結部105に連結、離脱可能な第2連結部106が設けられることを特徴とする動物用トイレである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に従えば、動物用トイレ1を構成する3つの構成要素であるカバー2と、簀子31を備える上容器3と、下容器4とを、たとえば、建物の室内などでの使用時および運搬時などで、組み立てた状態を保つために、カバー周壁21の連結片104の第1連結部105と下容器4の下周壁43の第2連結部106とが連結、離脱可能に設けられる。この組み立てた状態において、下容器4の下周壁43の上部81に連なる下支持部82の外周面84aと、上容器3の上周壁32の上部91に連なる上支持部92の外周面94aとの両者は、カバー周壁21の下部101の下方で周方向にわたって外側方に露出したままで延びる。
【0008】
したがって、動物用トイレ1の外方からは、左右外側方に設けてある第1および第2連結部105、106の連結状態を直接に目で見なくても、あるいは連結状態を見ることができない構造であっても、周方向にわたって外方でとても広い範囲で、下から上に順に、下支持部82、上支持部92、カバー周壁21を明確に見ることができ、3つの構成要素2、3、4の完成した組み立て状態を確認することができる。これによって、3つの構成要素2、3、4の組み立て状態が不完全なままで動物の出入り時および使用時に、がたつきを生じることなどが防がれ、あるいは、両手で抱えて運搬中に、構成要素2、3、4の、たとえば、1つを誤って落下することなどが防がれる。
【0009】
下支持部82の外周面84aを露出する上支持部92、および上支持部92の外周面94aを露出するカバー周壁21の下部101の前記露出は、連結片104および第1、第2連結部105、106付近以外の全周に連続する必要はなく、周方向にわたって部分的に、または間欠的、不連続で間隔をあけて、形成されてもよく、第1および第2連結部105、106が設けられる左右外側方だけでなく、本発明によれば、周方向にわたって外方でもっと広い範囲で連結状態を見ることができればよい。
【0010】
上支持部92の少なくとも外周面94aの色(たとえば、濃い茶色)を、その下の下支持部82の外周面84aおよび上に配置されるカバー周壁21の下部101の各色(たとえば、ベージュ)とは、異なるように選ぶことによって、組み立て状態を確認することがさらに容易になるようにしてもよい。
【0011】
後述の実施の形態では、カバー周壁21の連結片104の第1連結部105を連結孔105で実現し、下容器4の下周壁43の第2連結部106を外側方に突出する連結突部106で実現し、両者105、106を嵌合して連結、離脱可能に構成してもよい。これによってもまた、連結孔105に嵌合して露出した連結突部106を、比較的狭い範囲からではあるが、明確に見ることができ、外方から嵌合連結状態を視認して、組み立て状態を直接に確認できる。
【0012】
本発明の他の考え方によれば、たとえば、板状の連結片104の第1連結部105を、内側方に突出する爪状の掛合突起で実現し、下容器4の下周壁43の第2連結部106を、外側方に突出するもう1つの爪状の掛合突起で実現し、両者105、106を掛合係合して連結、離脱可能に構成することもできる。この構成では、動物用トイレ1の左右両側部に設けられる第1および第2連結部105、106の両者の連結を外方から見て確認できないが、周方向の広い範囲にわたって、下支持部82の外周面84a、上支持部92の外周面94a、カバー周壁21の下部101を明確に見ることができるので、3つの構成要素2、3、4の完成した組み立て状態を容易に確認できる。
【0013】
本発明は、
図23〜
図29に示されるとおり、
下容器4の下支持部82上に、上容器3の上支持部92よりも内側方で立設され、上支持部92の内側方への変位を制限する内制限突起85が形成され、
上容器3の上支持部92に、上支持部92の内側方へ突出し、内制限突起85の端面85a、85bに当接する前後制限突起111が形成され、
内制限突起85と前後制限突起111との当接によって、上容器3と下容器4との前後方向の相互の変位が阻止されることを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、下容器4の下支持部82に立設される内制限突起85は、上支持部92の内側方への変位を制限し、これによって、下容器4の下支持部82に上支持部92が載置されることが確実になる。さらに、上容器3の上支持部92の内側方へ突出した前後制限突起111は、内制限突起85の側方に当接し、これによってもまた、上容器3と下容器4との前後方向の相互の変位が阻止され、下支持部82に上支持部92が載置されることが確実になる。したがって、上容器3は、その簀子31上に動物が出入りする際、下容器4とずれることはなく、上容器3は振動せず、下容器4に対して安定して保持され、動物の排尿、排泄時の不安な心理を無くす。
【0015】
本発明は、
図23〜
図29に示されるとおり、
上容器3の上支持部92は、上周壁32の上部91とともに外側方に逆U字状に連なり、内制限突起85を覆う連結部93を介して形成され、
前後制限突起111は、上周壁32の上部91と連結部93とを連結して固定されることを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、上周壁32は、その上部91と外側方の連結部93とによって下方に臨む位置決め用空間113を形成し、位置決め用空間113内で、いわば補強リブとして前後制限突起111が上部91と外側方の連結部93とを連結して固定されて強度が向上される。位置決め用空間113の下部内に、内制限突起85が入り込むので、下支持部82上に上支持部92が載置されることが確実である。
【0017】
本発明は、
図27に示されるとおり、
カバー周壁21の下部101は、その下部101とともに内側方に逆U字状に連なる覆い部115によって、下方に臨む載置用空間116を形成し、この載置用空間116の内方に、載置用突部102を収容し、
載置用突部102は、カバー周壁21の下部101と覆い部115とを連結して固定され、
載置用突部102またはカバー周壁21の下端103のいずれか少なくとも一方が、上支持部92上に載置されることを特徴とする。
【0018】
本発明に従えば、カバー周壁21には、その下部101と内側方の覆い部115とによって形成される載置用空間116で、それらの内面に、いわば補強リブとして載置用突部102が固定されて強度が向上される。載置用空間116の下部内に、上支持部92が入り込むので、上支持部92上に載置用突部102が載置されることが確実であり、カバー周壁21と上支持部92との側方の不所望なずれが防がれ、カバー2が上容器3に安定して保持される。
【0019】
本件の動物用トイレ1において、載置用突部102が上支持部92上に載置される前述の第1の構成に代えて、カバー周壁21の下端103が上載置部94上に載置される第2の構成でもよく、またはこれらの第1および第2の両者を同時に採用した第3の構成が実現されてもよい。さらにまた、第1、第2または第3の構成が、動物用トイレ1の周方向の各位置毎に選択的にそれぞれ実現されてもよい。
【0020】
前記最下端37aの縦の位置は、透孔236の中央位置でもよいが、尿の排泄量の多い位置に選ばれてもよい。
【0021】
本発明は、
図41〜
図45のとおり、
動物を乗載する簀子31と、簀子31の下方に配置される下容器4とを有し、
下容器4は、
簀子31を支持する下容器本体41と、
底板54を有し、底板54上で、簀子31から落下する尿を吸収する吸収体98を収容し、下容器本体41に引き出し状に挿脱自在なトレー42とを有する動物用トイレにおいて、
下容器本体41は、下周壁43と、その下周壁43の下部に連なり、トレー42を支持する底部44とを有し、
下周壁43には、前後方向のほぼ中央に、凹部313が形成され、
凹部313の外面は、下周壁43が、前後から中央になるにつれて、かつ、上下方向のほぼ中央から下方になるにつれて、左右方向の内方に凹んで、滑らかな湾曲面で形成され、
凹部313の上部は、前後方向の中央から前後になるにつれて、かつ、上方になるにつれて、左右側方に膨らんで、滑らかな湾曲面で形成されることを特徴とする動物用トイレである。
【0022】
本発明によれば、凹部313の上部に手掛け部314が形成される。飼い主、作業者が、左右の手掛け部314の下面に両手の指先をそれぞれ掛けることによって、動物用トイレ1bの運搬が容易である。また下容器本体41に凹部313が設けられるので、動物用トイレ1bに動物などによって衝撃力が作用しても、トレー42の左右方向9の両側の凹部313によってトレー42の左右方向9の変位が抑えられ、下容器本体41内でトレー42が横ぶれして左右方向9に大きく変位することが防がれる。
【0023】
本発明は、トレー42は、底板54と、底板54の上方に臨む底面の4方の周縁辺から、
図35の紙面にほぼ垂直に手前側に立ち上がって、矩形シート状の吸収体98を収容する収容領域330を形成する周壁55とを有し、平面視で4個所の隅部331〜334を有する挿入方向7に細長い矩形であり、
これらの隅部331〜334における底板54と周壁55とが交差する交差部は、尿などの排泄物および埃などの微細な異物が滞留しないように、外側方12に凸に湾曲させた曲面によって構成されることを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、尿などの排泄部および埃などの微細な異物が滞留しないように、外側方に凸に湾曲させた、いわゆる面取り加工による曲面によって構成されてもよい。これによって残着した異物などの残着物による菌の繁殖が抑制され、衛生上の清浄度を向上することができる。
【0025】
本発明は、周壁55は、前壁57bと、左右一対の側壁56と、後壁58とを有し、
前壁57bは、トレー42の挿入方向7の上流(すなわち、前方、
図35および
図36の左方)に形成され、左右方向(
図35および
図36では上下方向)に延び、
側壁56は、前壁57bに連なって形成され、挿入方向7に平行な前後の縦方向(
図35および
図36では左右方向)に延び、
後壁58は、トレー42の挿入方向7の下流(すなわち、後方、
図35および
図36の右方)で各側壁56に連なって形成され、左右方向に延び、
前壁57bの内壁面57cは、中央寄り内壁面57c1と、隅部331、332における左右両端部付近の隅部内壁面57c2とを有し、底板54の底面に連なる内壁面57cの下端は、左右方向に一直線状に延び、
内壁面57cの隅部331、332以外の部分である中間の中央寄り内壁面57c1は、
図38のとおり、トレー42の底板54の底面に対する角度α1で、底板54の底面から上方になるにつれて収容領域330の外方(挿入方向7の上流)に、傾斜した平面であり、
隅部331、332の付近において、隅部内壁面57c2(
図36を参照)は、中央寄り内壁面57c1に滑らかに連なり、収容領域330の外方(挿入方向7の上流)に延びて、
図39のとおり、底面に対する角度θ(θ>α1)が、左右の横方向の外方(
図36の上方向)になるにつれて大きい値に変化するように、収容領域330側、すなわち内側に凸に緩やかに湾曲して形成されることを特徴とする。
【0026】
本発明は、側壁56の内側面56aにおいて、内側面56aの底板54の底面に連なる下端は、挿入方向7に平行に一直線状に延び、
内側面56aは、
図40のとおり、底面に対して角度α2(θ>α2)で、底板54の底面から上方になるにつれて収容領域330の外方(左右方向の外方、
図36の上方向)に、隅部331の付近の隅部内側面56a1をも含めた縦方向の全長にわたって、傾斜した平面であり、
隅部内側面56a1は、隅部内壁面57c2に連なり、前壁57bの隅部内壁面57c2は、隅部内側面56a1を含む内側面56aよりも左右方向の外方(
図36の上方)に延びていないことを特徴とする。
【0027】
本発明は、下容器4は、下周壁43における左右方向9の両側に、互い近接する方向に突出する一対の係止片337、338が設けられ、
トレー42は、端壁57と側壁56との交差部に、各係止片337、338が当接する段差部335、336を有することを特徴とする。
【0028】
本発明は、トレー42の底板54には、前後方向8に沿って平行に延びる左右一対の移動案内部311が、下方に突設され、
下容器本体41の底部44には、前後方向8に沿って平行に延びる左右一対の縦隆起部307が、上方に突設され、
各移動案内部311は、各縦隆起部307の外側方で相互に凹凸嵌合して、トレー42の挿入方向7の移動範囲内で案内されることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は本発明の実施の一形態の動物用トイレ1の斜視図であり、
図2は動物用トイレ1の分解斜視図である。これらの図面を参照して、動物用トイレ1は基本的に、カバー2と、上容器3と、下容器4とを含む。カバー2は、上部が開口したカバー周壁21と、内向きカバー部22とを有する。内向きカバー部22は、猫などの動物が出入りする出入り口23を形成する。上容器3は、動物を乗載する簀子31と、簀子31を支持する上周壁32とを有し、上周壁32は、動物を乗載する空間33をカバー周壁21とともに形成する。下容器4は、簀子31を有する上容器3を支持する下容器本体41と、簀子31から落下する尿を吸収する吸収体98(
図18、
図19)を収容し、下容器本体41に引き出し状に挿脱自在なトレー42とを有する。これらのカバー2と、上容器3と、下容器4とは、合成樹脂の射出成形によって、それぞれ製造される。
【0031】
トレー42の下容器本体41からの引き出し方向6と、挿入方向7とをまとめて、挿脱方向8、または前後方向ということがある。引き出し方向6、挿入方向7をそれぞれ前、後ということがある。引き出し方向6の上流である前から見て左右方向9という。動物を乗載する空間33内へ向かう方向を内側方11と呼び、その空間33から外へ向かう方向を外側方12と呼ぶ。上下、左右、水平などは、本件動物用トイレ1を、簀子31の上面が水平となる使用状態における方向をいう。
【0032】
図3は簀子31の一部の平面図であり、
図4は簀子31の一部の底面図であり、
図5は簀子31の上から見た斜視図であり、
図6は簀子31の下から見た斜視図である。簀子31は、複数の縦材34と複数の横材35とが一体的に交差して透孔36が形成される。縦材34の軸線は、挿脱方向8に平行であり、横材35の軸線は、挿脱方向8に垂直な左右方向に平行である。各透孔36は、平面視で、縦が横よりも長い、細長い形状を有する同一形状であり、長方形でもよいが、その他の形状でもよく、たとえば、後述の
図32、
図33のように、縦の中央位置236bに近づくにつれて小さくなるつづみ状であってもよい。透孔36は、敷設された粒状の排泄物処理材が通り抜けずに落下しない寸法、形状を有する。簀子31を構成する縦材34の数と横材35の数は異なっても、同じでもよい。
【0033】
図7は
図3における切断面線VII−VIIから見た簀子31の断面図である。縦材34の下端は、下に凸の逆アーチ部37が挿脱方向8に沿う縦に繰返して連続して構成される。逆アーチ部37は、下に凸の大きな半径の円弧状に形成され、縦に隣接する横材35間の距離を1周期として繰返して連続する形状を有する。各横材35の軸直角断面は、その軸線方向(
図3および
図4の紙面の上下方向、
図7の紙面に垂直方向)に一様であり、同一である。各逆アーチ部37の最下端37aは、横材35の直下方に配置される。各逆アーチ部37の最上端37bは、縦方向に隣接する横材35の間の中央位置で、横材35の最下端35dよりも上方にある。逆アーチ部37の最下端37aは、横材35の最下端35dと同一位置にあってもよく、横材35は、逆アーチ部37の最下端37aと最上端37bとを含む下端よりも下方に突出することはない。最上端37bは、上に凸の小さな半径の円弧状に形成される。したがって、逆アーチ部37の下端は、簀子31の上面が水平となるように設置されたとき、挿脱方向8に延びる仮想鉛直面内で滑らかな曲線で連続するので、トレー42および吸収体98の上端に接触しても、トレー42の挿脱操作が円滑であり、逆アーチ部37の下端とトレー42および吸収体98の上端とが引っ掛かって挿脱操作が困難になることはない。
【0034】
猫などの動物から排泄された尿は、簀子31上の排泄物処理材を経て簀子31上に流れ、各透孔36の上部でその全面に拡がった、たとえば、長方形である薄い尿の液体膜を形成し、その薄膜は、透孔36を閉じる。尿の薄膜は、縦材34と横材35の透孔36に臨む外側面に接触しながら、透孔36を閉じたままで下降してゆく。薄膜が下降して落下する動作は、
図10および
図11を参照して、後述する。薄膜は、それが形成されることによって尿の落下を遅らせるが、本件実施の形態によれば、落下の遅れを抑えることができる。
【0035】
図8は、
図7における切断面線VIII−VIIIから見た簀子31の断面図であり、
図8では、縦材34の軸直角断面を明瞭に示すために、横材35にハッチングを施さないで示す。
図9は、
図7における切断面線IX−IXから見た簀子31の断面図である。縦材34の軸直角断面は、外側面がなめらかに連なる上部分34aと下部分34bとを有する。上部分34aの幅W1は、上になるにつれて狭く形成される上に凸の形状を有する。下部分34bの幅W2は、下になるにつれて狭く形成される下に凸の形状を有する。排泄された尿は、上部分34aの外側面に沿って円滑に速やかに流下する。さらに、下部分34bでは、透孔36を形成する両縦材34の外側面間の横(
図8、
図9の左右方向)の距離が、下になるにつれて大きくなるので、透孔36を閉じている薄膜が破裂しやすくなり、その破裂後の尿が、縦材34の外側面に沿って下降しやすくなり、円滑に速やかに流下する。
【0036】
横材35に関してもまた、軸直角断面の外側面がなめらかに連なる上部分35aと下部分35bとを有し、上部分35aの幅W3が、上になるにつれて狭く形成される上に凸の形状を有し、下部分35bの幅W4が、下になるにつれて狭く形成される下に凸の形状を有する。これによって、透孔36を閉じている薄膜が破裂しやすくなり、その破裂後の尿が、縦材34および横材35の外側面に沿って下降しやすくなり、円滑に速やかに流下する。
【0037】
透孔36の端部の内周面、および縦材34と横材35との交差部分の表面などは、丸みを帯びて形成され、たとえば、
図3、4および
図7〜10の仮想線のとおりであり、角ばっていないので、付着した動物の排泄物の除去掃除が容易である。
【0038】
縦材34の最上端34cは、横材35の最上端35cと仮想一平面内に形成される。本発明の実施の他の形態では、縦材34の最上端34cは、横材35の最上端35cよりも低く形成される。これによって、排泄された尿は、横材35の最上端35cよりも低いほうの縦材34の最上端34cからその縦材34の外側面に沿って移動しやすいので、縦に細長い透孔36に導いて、薄膜を速やかに形成できる。本発明の実施のさらに他の形態では、前述の構成とは逆に、横材35の最上端35cを、縦材34の最上端34cよりも低く形成しても、排泄された尿を透孔36に導いて、薄膜を速やかに形成できる。
【0039】
本件発明者の実験によれば、前述の実施の形態において、透孔36は、たとえば、縦Aは23mm、横Bは3mmであり、A/Bの比は、2倍以上、好ましくは、5〜11倍であり、さらに好ましくは、8.5〜9.5倍であり、縦材34の最上端34cと逆アーチ部37の最上端37bとの距離Cは、たとえば、5mmであり、C/Bの比は、好ましくは、1〜3倍であり、さらに好ましくは、1〜2倍であってもよい、これによって、縦材34と横材35とによって規定される透孔36の薄膜38を抑制して、尿の落下を促進できる。
【0040】
図10は排泄された尿が簀子31上に流れて透孔36を下降する状態を示す断面図であり、
図11(1)〜(6)は縦材34と横材35によって形成される透孔36を尿の薄膜38が閉じてから下降して破裂し、落下する状態を示す平面図である。
図10には、透孔36に形成される尿の薄膜38を、上から下に、仮想線に参照符38a〜38eを付して示す。
図11(1)のとおり、薄膜38aは、動物が排泄した尿が透孔36を閉じている。尿は、縦材34と横材35の透孔36に臨む外側面に接触しながら、透孔36を閉じたままで縦材34と横材35の透孔36に臨む外側面に接触しながら、下降して
図11(2)のとおり、薄膜38bを経て、さらに、薄膜38cは逆アーチ部37の最上端37bに到達する。
【0041】
薄膜38cが逆アーチ部37の最上端37bに到達し、その最上端37bを経て下降することによって、縦材34の透孔36に臨む外側面から、縦の中央位置付近で離間し、透孔36内で縦(
図11(3)の左右方向)に分断されて破裂し、小さな亀裂39cを生じる。逆アーチ部37の最上端37bは、縦方向に隣接する横材35の間で、横材35の最下端35dよりも上方にあるので、薄膜38bは、透孔36を閉じたまま下降して、逆アーチ部37の最上端37bに到達して、透孔36の縦の、たとえば中央位置で、亀裂39cを生じさせることができ、縦の両側へ尿の等量を分配して流下することができる。このことによっても、尿の落下速度を促進できる。
【0042】
薄膜38cが下降して薄膜38dから薄膜38eの位置になるにつれて、亀裂39cは、亀裂39d(
図11(4))から亀裂39e(
図11(5))のとおり、縦に次第に大きく分断されてゆく。その後、
図11(6)のとおり、透孔36から尿の薄膜38が消失し、尿は、縦材34の外側面に沿って流下し、縦材34における下に凸の円弧を描く下端である逆アーチ部37に集められて逆アーチ部37の最下端37aに向かって移動して集められ、その最下端37aから大きな液滴となってトレー42上の吸収体98に落下して吸収される。
【0043】
逆アーチ部37をその最下端37aに向かって移動する尿の単位移動量あたりの体積は、下方になるにつれて大きくなるので、縦材34の逆アーチ部37および縦材34の外側面上の尿を、表面積を減らそうとする大きな表面張力または毛管力で、下方に引き寄せる。こうして、簀子31上に排泄された尿は、透孔36に薄膜38を形成しても、尿の表面張力または毛管力を利用して、逆アーチ部37の最下端37aに速やかに集めて大きな液滴に成長させて落下させることができる。したがって、尿が簀子31に残留したままにならず、動物用トイレ1とその周囲とを清潔に保ち、尿臭の発生を抑制することができる。
【0044】
図12は、トレー42の挿入方向7の下流における簀子31の一部を示す断面図である。簀子31は、多数の透孔36を形成する縦材34と横材35との全体が外枠71によって一体的に外囲されて構成される。簀子31は、トレー42が下容器本体41に装着されている状態で、トレー42に配置された吸収体98の直上にある。
【0045】
外枠71は、左右方向9の両側の縦部72と、挿入方向7の上下流の横部73とから成り、上容器3の上周壁32の下部に一体的に連なる。縦材34の逆アーチ部37の最下端37aは、外枠71の下端74および横材35の最下端35dよりも下方に位置する。これによって、トレー42を下容器本体41から引き出す操作時および下容器本体41への挿入時である挿脱操作時、トレー42の上部またはトレー42内の吸収体98が、たとえ、縦材34の逆アーチ部37の最下端37aに接触などして干渉しても、トレー42の挿脱操作を円滑に行なうことができ、トレー42が簀子31の下端の、たとえば、横材35に引っ掛かって操作が困難になることはない。
【0046】
前述の実施の形態では、全ての縦材34の逆アーチ部37の最下端37aが、外枠71の下端74および横材35の全ての最下端35dよりも下方に位置するが、本発明の実施の他の形態では、一部の数の縦材34の最下端37aが、外枠71の下端74および横材35の全ての最下端35dよりも下方に位置するように構成してもよく、前記一部の数の縦材34は、補強のために、たとえば、横の中央に配置される1または複数の縦材34であってもよい。
【0047】
本発明の実施の他の形態では、逆アーチ部37の最上端37bの、透孔36の縦における位置を、動物からの尿の排泄量が多い個所寄りに設定することによって、各透孔36において最上端37bに関して縦の両側への尿の等量を分配するようにして、尿の落下速度を促進するようにしてもよい。
【0048】
本発明の実施のさらに他の形態では、
図7〜
図9における縦材34と横材35とのいずれか一方の軸直角断面が前述と同じく、上部分と下部分とを有し、上部分の幅W1、W3が、上になるにつれて狭く形成される上に凸の形状を有し、下部分の幅W2、W4が、下になるにつれて狭く形成される下に凸の形状を有するように構成され、いずれか他方の上部分または下部分の外側面の幅W1、W3:W2、W4は、上下方向に一様であってもよく、または他の断面形状でもよい。
【0049】
図13は下容器4の下容器本体41の上方から見た斜視図であり、
図14は下容器4の下容器本体41の下方から見た斜視図である。下容器本体41は、下周壁43と、その下周壁43の下部に連なり、トレー42を支持する底部44とを有する。下周壁43は、トレー42を挿脱する装着口45を有する。
【0050】
図15は、
図1の切断面線XV−XVから見た右下部分を示す動物用トイレ1の挿入方向7に垂直な横断面図である。
図15において、動物用トイレ1は、挿入方向7に平行な対称面46に関して左右対称に構成される。
【0051】
図13〜
図15を参照して、底部44には、トレー42の挿入方向7の上流で装着口45の下部を形成して底部44の上面から隆起する上流の端部係止部である端部突起47が形成される。底部44上には、挿入方向7に沿って平行に延びる左右方向9に一対の縦案内部48と、挿入方向7の上流に配置される横案内部49と、挿入方向7の下流に配置される下流の端部係止部である端部突起50とが、矩形の底穴51のまわりに枠状に隆起して、それらの上面が仮想一平面内あり、扁平に形成される。
【0052】
図16はトレー42の挿入方向7の上流の一部を示す斜視図であり、
図17はトレー42の挿入方向7の下流の一部を示す斜視図であり、
図18はトレー42を上下にひっくり返して見た斜視図である。トレー42は、底板54と、その底板54から立ち上がって外囲する周壁55とを有する。周壁55は、簀子31の外枠71の縦部72よりも外側方で挿入方向7に沿って平行に延びる左右方向9に一対の側壁56と、トレー42の挿入方向7の上流で底板54から立ち上がって連なる端壁57と、トレー42の挿入方向7の下流で底板54から立ち上がって連なる後壁58とを有する。端壁57は、トレー42の下容器本体41への装着状態で、下周壁43の装着口45を閉鎖する。端壁57は、引き出し操作用把手59を有する。この把手59は、装着口45の内方へ凹んで形成され、手の指を引っ掛けるために引き出し方向6の上流で下方に膨出した突部61を有する。吸収体98は、周壁55によって囲まれた底板54上に収容される。収容される吸収体98の取扱い操作を容易にするために、端壁57と後壁58とには、挿入方向7の上流および下流に凹んだ凹所62、63がそれぞれ形成される。
【0053】
トレー42の底板54には、挿入方向7に沿って平行に延びる左右方向9に一対の移動案内部64が突設され、この移動案内部64は、下容器本体41の底部44の縦案内部48に、その外側方で相互に凹凸嵌合して、トレー42の挿入方向7の移動範囲内で、案内される。挿脱移動時、トレー42の移動案内部64が下容器本体41の底部44の縦案内部48にトレー42の挿脱方向8に相互に凹凸嵌合して案内されて導かれ、挿脱方向8の垂直にずれることはなく、トレー42は振動せず、安定して挿脱移動できる。
【0054】
底板54の下面は、底部44上の縦案内部48と、横案内部49と、端部突起50とに面接触して支持され、移動案内部64の下方への突設高さは、縦案内部48の高さ未満であり、したがって、移動案内部64の下端は、底部44の上方にある。移動案内部64は、挿入方向7の両端部が低くなるように傾斜して形成され、これによって、トレー42の挿脱時、下容器本体41の端部突起47上を円滑に乗り越えて操作を容易にする。
【0055】
図19は
図1の切断面線XIX−XIXから見た動物用トイレ1の挿入方向7に沿う上流の一部の縦断面図であり、
図20は
図1の切断面線XIX−XIXから見た動物用トイレ1の挿入方向7に沿う下流の一部の縦断面図である。
図18をも参照して、トレー42の底板54の下面には、挿入方向7の上流と下流との位置決め係止部である位置決め突起66、67が、左右方向9に対を成して、それぞれ形成される。
【0056】
図21は
図19の下容器本体41の底部44に設けられた挿入方向7の上流の端部突起47付近の拡大断面図である。トレー42の装着状態では、位置決め突起66は、下容器本体41の底部44に設けられた端部突起47よりも挿入方向7の下流に位置し、位置決め突起66の
図21における左方に臨む上流端66aは、底部44の端部突起47の
図21における右方に臨む下流端47aと係止し、実質的に当接する。
【0057】
図22は
図20の下容器本体41の底部44に設けられた挿入方向7の下流の端部突起50付近の拡大断面図である。トレー42の装着状態では、位置決め突起67は、下容器本体41の底部44に設けられた端部突起50よりも挿入方向7の下流に位置し、位置決め突起67の
図22における左方に臨む上流端67aは、底部44の端部突起50の
図22における右方に臨む下流端50aと係止し、実質的に当接する。
【0058】
このような端部突起47、50と位置決め突起66、67との各係止によって、トレー42が下容器本体41に挿入された状態が安定して保持される。したがって、下容器本体41の簀子31上で動物を乗載する空間33に動物が出入りする際に振動などが生じても、下容器本体41とトレー42とが相対的に不所望に変位せず、トレー42が下容器本体41に挿入されたままに保たれる。これによって、装着口45が端壁57によって閉じられたままとなり、尿臭の漏れが防がれる。
【0059】
上流の位置決め突起66は、トレー42の挿入方向7の下流になるにつれて、上方に傾斜した傾斜面66bを有する。これによって、トレー42の挿入時に、端部突起47の上面を摺動して乗り越えて、
図19、
図21のように係止される。また、下流の位置決め突起67は、トレー42の挿入方向7の下流になるにつれて、上方に傾斜した傾斜面67bを有する。これによって、トレー42の挿入時、端部突起47、横案内部49、端部突起50の上面を摺動して乗り越えて、
図20、
図22のように端部突起50と係止される。この位置決め突起66,67の傾斜面66b、67bは、トレー42の挿入操作時、端部突起47、50をその下流端47a、50aから乗り上げる動作を容易にする。
【0060】
トレー42の引き出し移動の開始時に、把手59をわずかに持ち上げることによって、上流の位置決め突起66は、端部突起47を乗り越えて、その傾斜面66bが摺動して端部突起47の下流端47aと位置決め突起66の上流端66aとの係止が解除される。下流の位置決め突起67は、端部突起50を乗り越えて、その傾斜面66bが摺動して端部突起50の下流端50aと位置決め突起67の上流端67aとの係止が解除され、さらに横案内部49および端部突起47をこの順序で乗り越えて摺動する。したがって、トレー42の下容器本体41への挿脱操作が容易である。
【0061】
再び
図19および
図21を参照して、トレー42は、底板54に連なって挿入方向7の上流寄りで停止突起68を有し、この停止突起68は、トレー42の装着のための移動時、トレー42の挿入方向7の下流端68aが、下容器本体41の底部44の端部突起47の上流端47bに当接して、下流への移動が制限され、装着状態になる。底板54から停止突起68を経て端壁57が立ち上がる。下容器本体41の下周壁43に、装着口45付近で垂下して形成される停止片69は、装着状態では、トレー42の端壁57の上部における挿入方向7の下流端57aと離間している。トレー42の移動操作中、トレー42の端壁57が装着口45を閉じて、さらに、挿入方向7に過度に押し込まれると、停止片69は、トレー42の端壁57の下流端57aに当接して、トレー42の下流への移動を制限し、トレー42の過度な変形を防いで、下容器本体41およびトレー42の破損を防ぎ、耐久性が向上される。端壁57の下流端57aは、リブ70によって補強される。リブ70の上端70aは、挿入方向7の下流になるにつれて下方に傾斜し、停止片69から下方に離間し、接触しない。
【0062】
こうして、下容器本体41の装着口45からのトレー42の装着状態では、下容器本体41の各端部突起47、50の下流端47a、50aとトレー42の各位置決め突起66、67の上流端66a、67aとがそれぞれ係止、当接し、このとき、トレー42の停止突起68の下流端68aは、下容器本体41の底部44の上流の端部突起47の上流端47bに係止、当接し、トレー42の端壁57は、下容器本体41の装着口45を閉鎖する。したがって、トレー42が下容器本体41に挿入されて装着された状態が安定して保持されるので、トレー42の吸収体98からの尿臭が装着口45から漏れることはなく、本件
動物用トイレ1が設置される、たとえば、建物の室内が快適に維持される。
【0063】
本発明の実施の他の形態では、トレー42の装着状態で、前述の下容器本体41の各端部突起47、50の下流端47a、50aとトレー42の各位置決め突起66、67の上流端66a、67aとがそれぞれ当接せず、わずかな間隔をあけた構成であってもよく、このとき、トレー42の停止突起68の下流端68aも、下容器本体41の底部44の上流の端部突起47の上流端47bに当接せず、わずかな間隔をあけた構成であってもよく、用語「係止」は、このような構成も含む。これによって、トレー42の吸収体98からの尿臭が装着口45から実質的に漏れることはなく、しかも、猫の使用時の出入りによって、または体重によって、トレー42が傾いたり変位、変形しても、係止は保たれ、トレー42が下容器本体41から引き出し方向6へ不所望に出てきてしまうことを防ぐことができる。
【0064】
図23はカバー2と上容器3と下容器4とを組み立てた状態で連結する連結構造80を、その構造の理解の便宜のために、上容器3の上載置部94とその付近を省略して示す動物用トイレ1の右側面図であり、
図24は連結構造80の分解斜視図である。カバー2と上容器3と下容器4とから成る3つの構成要素2、3、4は、動物用トイレ1を構成し、たとえば、建物の室内などでの使用時および運搬時などで、組み立てた状態を分解可能に保つ。
【0065】
図25は
図23の切断面線XXV−XXVから見た連結構造80を示す断面図であり、
図26は
図23の切断面線XXVI−XXVIから見た連結構造80を示す断面図であり、
図27は
図23の切断面線XXVII−XXVIIから見た連結構造80を示す断面図であり、
図28は
図23の切断面線XXVIII−XXVIIIから見た連結構造80を示す断面図である。下容器4の下容器本体41の下周壁43には、その上部81に連なって周方向にわたって外側方に延びる下支持部82が形成される。下支持部82は、上部81から外側方に水平に延びる下載置部83と、下載置部83の外側部から垂下した補強片84とを有する。上容器3の上周壁32には、その上部91に連なって周方向にわたって外側方に延びる上支持部92が形成される。上支持部92は、上部91から垂下する連結部93と、連結部93から外側方に水平に延びる上載置部94とを有し、上載置部94は下載置部83上に載置される。連結部93は、上周壁32の上部91から外側方に連なって水平に延びる頂部93aを有する。
【0066】
カバー周壁21の下部101は、内側方(
図25の左方)に突出して上容器3の上支持部92の頂部93a上に載置される載置用突部102を有する。カバー周壁21の下端103は、上支持部92の上載置部94の外周面94a、およびさらに下方の補強片84の外周面84aを露出する。カバー周壁21の下部101にその左右外側方で、上周壁32の上支持部92(
図27)よりも下方に延びる連結片104(
図25)が設けられる。この連結片104には、第1連結部である連結孔105が設けられる。下周壁43の上部81には、外側方に隆起した隆起部108が形成される。この隆起部108には、連結孔105に嵌合したり外したりして連結、離脱可能な第2連結部である連結突部106が形成される。連結突部106は、その下方に突出する突片106aを有し、連結孔105の下縁との引っ掛かりを確実にする。連結突部106の外側面106bは、下方になるにつれて外側方に延びて傾斜し、連結孔105への容易な嵌合を案内する。連結片104の自然状態では、
図25のように連結孔105に連結突部106が嵌合して連結されている。連結片104の下部を、その連結片104の合成樹脂の内側方への弾発力に抗して、
図25の矢符107の方向に指で変位することによって、連結孔105から連結突部106を外して、本件動物用トイレ1を、3つの構成要素であるカバー2、上容器3、下容器4に分解できる。連結孔105と連結突部106とは、猫の足裏部の掌球のほぼ3角形に模した形状の長い底辺によって、嵌合を確実にし、その上方周辺で連結片104には指球を模した突部が形成される。
【0067】
連結片104の付近では、上支持部92の頂部93a以外の上載置部94および連結部93は、切欠き95によって、分断されて形成されない。上支持部92における連結片104とその付近に形成される切欠き95は、上容器の取扱いのために指を掛けることを容易にし、また連結片104と上載置部94との干渉を避ける。連結突部106は、下周壁43の上部91において、外方に膨出された隆起部108に形成される。補強片84は、端壁部86から分厚い連絡部87を経て隆起部108に連なる。
【0068】
連結構造80によって、カバー2、上容器3、下容器4を組み立てた状態において、下容器4の下周壁43の上部91に連なる下支持部82の補強片84と、上容器3の上周壁32の上部91に連なる上支持部92の上載置部94との両者は、周方向にわたって外側方に延びる。カバー周壁21の下端103は、上支持部92の上載置部94の外周面94a、およびさらに下方の補強片84の外周面84aを常時、露出する。したがって、動物用トイレ1の連結構造80以外の全外周にわたり、外方からは、
図27、
図28に明瞭に示されるとおり、下から上に順に、下支持部82の補強片84の外周面84a、上支持部92の上載置部94の外周面94a、およびカバー周壁21の下部101を明確に見ることができるので、本件
動物用トイレ1の左右各側部の連結構造80の連結孔105への連結突部106の嵌合状態を見なくても、3つの構成要素2、3、4の完成した組み立て状態を、外方のどこからでも目で見て容易に確認することができる。したがって、下支持部82と上支持部92とカバー周壁21の下部101とから成る、いわば3層構造が周方向にわたって外側方から観察しやすい。これによって、3つの構成要素2、3、4の組み立て状態が不完全なままで使用されて動物の出入り時にがたつきを生じることなどが防がれ、あるいは、運搬中に、たとえば、1つの構成要素2、3、4を誤って落下することなどが防がれる。
【0069】
上容器3の色を下容器4およびカバー2の各色と異ならせることによって、組み立て状態を確認することがさらに容易になる。たとえば、上容器3における上支持部92の上載置部94の少なくとも外周面94aの色(たとえば、濃い茶色)と、その下および上に配置される、下容器4における下支持部82の補強片84の外周面84a、およびカバー周壁21の少なくとも下部101の各色(たとえば、明るいベージュ)とを、異なるように選ぶことによって、組み立て状態を、さらに容易に確認できるようになる。
【0070】
実施の他の形態では、連結構造80が、第1連結部105と、それに着脱可能に連結する第2連結部106とを、連結片104と下周壁43の上部81との間に設けて、動物用トイレ1の外側方からの連結状態を、連結片104によって遮られて観察し難い構造であっても、前述の下支持部82と上支持部92とカバー周壁21の下部101とから成る3層構造が周方向にわたって外側方から観察できるので、連結状態の確認が容易である。連結状態が不完全であれば、下支持部82と上支持部92とカバー周壁21の下部101とがずれるので、不完全な連結状態を、容易に知ることができる。
【0071】
板状の連結片104の内側方に突出する、たとえば、爪状などの掛合突起で実現し、下容器4の下周壁43の第2連結部を、外側方に突出するもう1つの爪状などの掛合突起で実現し、両者を掛合係合して連結、離脱可能に構成することもできる。この実施の形態では、これらの掛合突起が連結片104に覆われているので、両者の連結を外方から明確に見ることができないが、周方向に延びる上載置部94の外周面94aと、その下方で周方向に延びる補強片84の外周面84aとを、カバー2の下部101とともに外方から明確に見ることができ、これによって、3つの構成要素2、3、4の完成した組み立て状態を容易に確認することができる。
【0072】
下容器4の下支持部82における下載置部83上には、連結構造80に関して、トレー42の挿入方向7の上流と下流とに間隔をあけて、一対の内制限突起85が立設される。内制限突起85は、上容器3の上支持部92の上載置部94よりも内側方(
図25の左方)に配置され、上支持部92の上載置部94の内側方への変位を制限する。
【0073】
図29は、動物用トイレ1の連結構造80付近におけるカバー周壁21の下部101と、それに連なる連結片104と、上容器3の上支持部92の連結部93などとを切り欠いて省略して示す一部の右側方から見た断面図である。上容器3の上支持部92には、連結構造80に関して、トレー42の挿入方向7の上流と下流とに間隔をあけて、一対の前後制限突起111が上支持部92の連結部93からその内側方(
図25の左方)へ突出して形成される。各前後制限突起111は、対を成す内制限突起85の遠ざかった外方に配置される。これによって、各前後制限突起111は、各内制限突起85の遠ざかった外方の端面85a、85bに当接して、上容器3と下容器4との前後方向(
図29の左右方向)の相互の変位が阻止される。これらの内制限突起85および前後制限突起111によって、簀子31上に動物が出入りする際、上下の容器3、4が不所望な変位を生じることはなく、ずれることはなく、上容器3は振動せず、下容器4に対して安定して保持され、動物の排尿、排泄時の不安な心理を無くす。
【0074】
実施の他の形態では、一対の各前後制限突起111は、一対の各内制限突起85間に配置され、各内制限突起85の近接方向の内方の端面85c、85dに当接して、上容器3と下容器4との前後方向の相互の変位が阻止されてもよい。実施のさらに他の形態では、内制限突起85と前後制限突起111とのいずれか一方が単一個だけ設けられ、その一方の前後方向両側に、いずれか他方が設けられて、上容器3と下容器4との相互の変位が阻止されてもよい。
【0075】
再び
図25を参照して、上容器3の上支持部92は、上周壁32の上部91とともに外側方に逆U字状に連なり、内制限突起85を覆う連結部93を介して上載置部94に連なって形成される。前後制限突起111は、上周壁32の上部91と連結部93とを連結して固定され、リブとして補強の役目をも果たす。
図29のリブ112は、前後制限突起111と同じ構造を有し、下容器本体41の下周壁43の周方向に間隔をあけて配置され、上部91と連結部93とを連結して補強する。こうして、上周壁32は、その上部91と、頂部93aを含む外側方の連結部93とによって、下方に臨む位置決め用空間113を形成する。この位置決め用空間113内に、いわば補強リブとしての働きを兼ねる前後制限突起111が、複数のリブ112とともに連結して固定されて上周壁32の強度が向上される。位置決め用空間113の下部内に内制限突起85が入り込むので、上容器3と下容器4とのずれが防がれ、下支持部82の下載置部83上に上支持部92の上載置部94が載置されることが確実である。
【0076】
カバー周壁21の下部101は、その下部101とともに内側方に逆U字状に連なる覆い部115によって、下方に臨む載置用空間116を形成する。この載置用空間116の内方に、載置用突部102が収容される。載置用突部102は、上支持部92における連結部93の頂部93aの上に載置される。載置用突部102は、カバー周
壁21の下部101と覆い部115とを連結して固定され、補強リブの働きもする。載置用空間116の下部内に、連結部93とその頂部93aとが入り込むので、頂部93a上に載置用突部102が載置されることが確実であり、カバー周壁21と上支持部92との側方(
図25〜28の左右方向)の不所望なずれが防がれ、カバー2が上容器3に安定して保持される。覆い部115は、空間33内で頂部93aの下方に延び、排泄時の尿が外方に漏れることがない。
【0077】
図30は動物用トイレ1のために使用されるスコップ120の上から見た斜視図であり、
図31はそのスコップ120の下から見た斜視図である。スコップ120は、簀子31上に粒状の排泄物処理材を敷設するため、動物の排泄物および汚損した排泄物処理材を取出すためなどに、使用され、合成樹脂製である。スコップ120は、排泄物処理材および排泄物などをすくい取るためのすくい部121と、使用者が片手で掴む柄122とを有する。排泄物処理材および排泄物などをまとめて処理材などという。すくい部121は、処理材などをすくい取る先端の平板状のすくい板123と、すくい板123に連なる受け部124と、受け部124からの処理材などを保持する保持部125と、これらのすくい板123と受け部124と保持部125とを囲んで後端から柄122に連なる外囲壁126とを有する。受け部124は、すくい板123ですくい上げられた処理材などを一時的に受け留めるために、すくい板123とともに凹所127を形成する。保持部125は、凹んで形成され、底には、処理材などが落下しない寸法、形状を有する多数の穴128を有する。柄122には、L字状のフック129が、すくい部121寄りにすくい部121に臨んで形成され、そのフック129の基端部に穴131が形成される。外囲壁126および柄122の周縁は、リブ132によって補強される。フック129によって、スコップ120をカバー周壁21の周方向に延びる上縁25(
図1)にその外側方で引っかけておくことができるので、紛失が防がれる。
【0078】
図32は、本発明の実施の他の形態における簀子231の一部の平面図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を200の位で示し、説明の重複を避ける。透孔236の平面視の形状は、その横(
図32の上下方向)の幅W5が縦(
図32の左右方向)の両端部236aから、縦方向に隣接する横材235間の中央位置236bに近づくにつれて小さくなるつづみ状である。透孔236の両端部236aは、横材235付近で縦外方に凸の円弧状に形成される。透孔236の両端部236aに連なって縦材234の対向する外側面は、平面視で、両端部236aよりも半径の大きな円弧状の一部に形成される。これによって、尿の薄膜を縦の中央位置236bに速やかに集めることができる。
【0079】
図33は、
図32の実施の形態における切断面線XXXIII−XXXIIIから見た簀子231の断面図である。縦材234の下端は、下に凸の逆アーチ部237が、縦に隣接する横材235間の距離を、挿脱方向8に沿う縦の1周期として、繰返して連続する形状を有する。各逆アーチ部237の最下端237aは、横材235間の中央位置236bにある。各逆アーチ部237の最上端237bは、横材235の最下端235dに連なる。
【0080】
排泄された尿は、簀子231の各透孔236の上部でその全面に拡がって、薄膜を形成し、透孔236を閉じる。次に、透孔236の幅W5は、内径が大きな両端部236aから中央位置236bに近づくにつれて小さくなるので、薄膜は、両端部236a付近で破裂する。その後、破裂した薄膜は、
図32の矢符238aのとおり、中央位置に向かって集まりながら移動し、
図33の矢符238bのとおり、縦材234の外側面に接触しながら下降し、矢符238cのとおり、中央位置236b付近で体積が大きくなる。矢符238bの尿の一部は、逆アーチ部237の下端に沿って中央位置236bに向かって集まりながら移動する。こうして集積された尿は、逆アーチ部237の中央位置236bにある最下端237aからまとまって落下するので、排泄された尿の簀子231からの落下を速やかに達成することができる。簀子231のその他の構成と作用とは、前述の実施の形態と同じである。
【0081】
図34は、本発明の実施のさらに他の形態における前述の
図19に対応する動物用トイレ1の挿入方向7に沿う上流の一部の縦断面図である。この実施の形態は、前述の実施の形態に類似する。注目すべきは、トレー42が押し込まれて装着口45内へ装着移動される途中、トレー42の端壁57が装着口45を閉じた状態となる前に、トレー42の端壁57の上部の構成要素であるリブ70の上部の凹所70cから挿入方向7下流で上方に傾斜した突部70bと、下容器本体41の下周壁43に装着口45付近に設けられるもう1つの構成要素である停止片69とが一時的に嵌合または係止した状態になるように構成される。これによって、トレー42の装着完了の直前に、これらの停止片69および突部70bの一時的な嵌合または係止による衝突によって、操作者の手にクリック感を与えることができ、トレー42の装着完了を容易に確認できる。
【0082】
この
図34の実施の形態において、トレー42の端壁57が装着口45を閉じたトレー42の装着完了状態では、これらの突部70b、さらには端壁57の下流端57a、リブ70、および停止片69は、前述の嵌合または係止した状態を保たず、離間している。
【0083】
装着完了状態を保つために、トレー42の下部と下容器本体41の底部44付近とにおいて、端部係止部47、50と位置決め係止部66、67との係止、および下容器本体41の底部44における端部係止部47とトレー42の停止係止部68との係止の両者が、実現される。実施の他の形態では、端部係止部47、50と位置決め係止部66、67との係止、および下容器本体41の底部44における端部係止部47とトレー42の停止係止部68との係止のうち、少なくともいずれか一方の係止、またはその他の係止が、実現されてもよい。
【0084】
(第2実施形態)
図35は本発明の実施のさらに他の形態の動物用トイレ1aに用いられる下容器4の平面図であり、
図36は
図35に示される下容器4の1つの隅部331付近の拡大平面図であり、
図37は
図35に示される下容器4の1つの隅部331付近を挿入方向7の上流から見た斜視図である。
図38は
図36の切断面線XXXVIII−XXXVIIIから見た断面図であり、
図39は
図36の切断面線XXXIX−XXXIXから見た断面図であり、
図40は
図36の切断面線XL−XLから見た断面図である。なお、前述の
図1〜
図34に示す実施の形態と対応する部分には同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。
【0085】
本実施の形態の動物用トイレ1aは、基本的に、前述の実施の形態の動物用トイレ1aと同様に、カバー2と、簀子31を有する上容器3と、下容器4とを含む。下容器4は、上容器3を支持する下支持部82を有する下容器本体41と、簀子31から落下する尿を吸収する吸収体98を収容するトレー42とを有する。これらのカバー2、簀子31を有する上容器3、およびトレー42を有する下容器4は、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのオレフィン系の熱可塑性樹脂から成り、たとえば射出成形によって個別に一体成形することができる。このような材料および製造方法は、
図1〜
図34の各実施の形態においても適用可能である。
【0086】
トレー42は、下容器本体41に引き出し状に、挿入方向7にのみ挿入可能であり、トレー42を挿入方向7とは逆向きの姿勢で挿入することはできない。動物用トイレ1aは、トレー42の挿入方向7に平行な、
図35の紙面に垂直な対称面に関して、左右対称に構成される。下容器本体41は、下周壁43と、その下周壁43の下部に連なり、トレー42を支持する底部44とを有する。
【0087】
トレー42は、底板54と、底板54の上方に臨む底面の4方の周縁辺から、
図35の紙面にほぼ垂直に手前側に立ち上がって、矩形シート状の吸収体98を収容する収容領域330を形成する周壁55とを有する。トレー42は、平面視において挿脱方向8に長い矩形であり、4個所の隅部331〜334を有する。
【0088】
周壁55は、前壁57bと、左右一対の側壁56と、後壁58とを有する。前壁57bは、トレー42の挿入方向7の上流(すなわち、前方、
図35および
図36の左方)に形成され、左右の横方向(
図35および
図36では上下方向)に延びる。側壁56は、前壁57bに連なって形成され、挿入方向7に平行な前後の縦方向(
図35および
図36では左右方向)に延びる。後壁58は、トレー42の挿入方向7の下流(すなわち、後方、
図35および
図36の右方)で各側壁56に連なって形成され、左右方向に延びる。
【0089】
底板54の底面と側壁56の内側面56aとの交差部、底板54の底面と前壁57の内壁面57c、および後壁58の内壁面58aとの交差部は、収容領域330側から見て外方に凸に湾曲した曲面、すなわちR面に面取りされてもよい。これによって尿などの付着物が交差部に残着することが防がれ、菌などの繁殖を抑制して、トレー42内を衛生的に清浄な状態に維持することができる。
【0090】
前壁57bの内壁面57cは、中央寄り内壁面57c1と、隅部331、332における左右両端部付近の隅部内壁面57c2とを有する。底板54の底面に連なる内壁面57cの下端は、左右方向に一直線状に延びる。内壁面57cの隅部331、332以外の部分である中間の中央寄り内壁面57c1は、
図38のとおり、トレー42の底板54の底面に対する角度α1で、底板54の底面から上方になるにつれて収容領域330の外側方(挿入方向7の上流、
図35、
図36の左方)に傾斜した平面である。
【0091】
隅部331、332の付近において、隅部内壁面57c2(
図36を参照)は、中央寄り内壁面57c1に滑らかに連なり、収容領域330の外方(挿入方向7の上流)に延びて、
図39のとおり、底面に対する角度θ(θ>α1)が左右方向の外方(
図36の上方向)になるにつれて大きい値に変化するように、引き出し操作用把手59側、すなわち内側(
図36の右方)に凸に緩やかに湾曲して形成される。
【0092】
側壁56の内側面56aにおいて、内側面56aの底板54の底面に連なる下端は、挿入方向7に平行に一直線状に延びる。内側面56aは、
図40のとおり、底面に対して角度α2(θ>α2)で、底板54の底面から上方になるにつれて収容領域330の外側方(左右方向の外方、
図36の上方向)に、隅部331の付近の隅部内側面56a1をも含めた縦方向の全長にわたって、傾斜した平面である。隅部内側面56a1は、隅部内壁面57c2に連なる。したがって、前壁57bの隅部内壁面57c2は、隅部内側面56a1を含む内側面56aよりも左右方向の外側方(
図36の上方)に延びていない。
【0093】
後壁58の内壁面58aは、底板54の底面からほぼ垂直、すなわち、底面から立ち上がるにつれて挿入方向7の下流に僅かに傾斜して形成される。このような僅かな傾斜とは、たとえば前述の前壁57bの中央寄り内壁面57c1と挿入方向7に垂直な対称面に関して対称に、すなわち底面に対して角度θと同様な角度で挿入方向7の下流に傾斜して形成される。したがって本実施の形態のトレー42の各側壁56の内側面56aは、前壁57bおよび後壁58の間にわたって挿入方向7に平行に延びて形成されている。
【0094】
図41は本発明の実施のさらに他の形態の動物用トイレ1bの下容器4bを示す一部の拡大断面図であり、
図42は
図41のセクションXLIIの拡大図であり、
図43は
図41の動物用トイレ1bを右斜め下から見た外観を示す斜視図である。
図44は
図43に示される動物用トイレ1bを左斜め上から見た外観を示す斜視図であり、
図45は
図43の切断面線XLV−XLVから見た断面図である。
図46Aはトレー42が下容器本体41から引出された下容器4bを左斜め上から見た斜視図であり、
図46Bはトレー42が下容器本体41から引出された下容器4bを左斜め上から見た斜視図である。なお、前述の
図1〜
図40に示す実施の形態と対応する部分には、同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。
【0095】
本実施の形態の動物用トイレ1bは、基本的に、カバー2と、簀子31を有する上容器3と、下容器4bとを含む。下容器4bは、上容器3を支持する下支持部82を有する下容器本体41と、簀子31から落下する尿を吸収する吸収体98を収容し、下容器本体41に引き出し状に、前後方向8に挿脱自在なトレー42とを有する。これらのカバー2、簀子31を有する上容器3、およびトレー42を有する下容器4bは、たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのオレフィン系の熱可塑性樹脂から成り、たとえば射出成形によって製造することができる。
【0096】
動物用トイレ1bは、平面視において、トレー42の前後方向8に平行な対称面に関して左右対称に構成される。下容器本体41は、下周壁43と、下周壁43の下部に連なり、トレー42を支持する底部44とを有する。下周壁43は、ほぼ一様な厚さを有する。下周壁43には、前後方向8のほぼ中央に、一対の凹部313が形成される。凹部313の外面は、下周壁43が、前後から中央になるにつれて、かつ、上下方向のほぼ中央から下方になるにつれて、左右方向の内方に凸に凹んで、滑らかに湾曲して形成される。凹部313の上部は、前後方向8の中央から前後になるにつれて、かつ、上方になるにつれて、左右の外側方12に凸に膨らんで、滑らかに湾曲して形成される。
【0097】
凹部313の前後方向8の中央およびその中央付近で前後方向8に延びる領域では、後述の仮想一平面310に対する垂直面と成す角度θ(
図41を参照)は、上方になるにつれて大きく形成され、これによって、凹部313の上部に手掛け部314が形成される。飼い主などの作業者が、左右の手掛け部314の下面に両手の指先をそれぞれ掛けることによって、動物用トイレ1bを安定に把持して容易に運搬することができる。
【0098】
底部44は、正面から見て、右縦底部301と、左縦底部302と、中央縦底部303と、前横底部304と、後横底部305とを有する。右縦底部301と左縦底部303と中央縦底部303とは、前後方向8に平行に延び、前横底部304と、後横底部305とは左右方向9に平行に延びる。これらの底部301〜305の各底面と、下容器本体41に挿入された状態にあるトレー42の底部306の下面とは、共通な仮想一平面310よりも上方にあり、したがって、下容器本体41は、底部301〜305の各底面を床などの平坦な設置面上に面接触させて安定に支持される。中央縦底部303に関して左右方向9の両側には、一対の縦隆起部307が設けられる。
【0099】
一対の縦隆起部307のうちの一方の縦隆起部307は、左縦底部302と中央縦底部303との間で、かつ前横底部304と後横底部305との間に位置する。また、一対の縦隆起部307のうちの他方の縦隆起部307は、右縦底部301と中央縦底部303との間で、かつ前横底部304と後横底部305との間に位置する。これらの縦隆起部307は、仮想一平面310から1mm〜3mm程度上方に離間した位置で、仮想一平面310に平行な板状部分307aと、板状部分307aの周縁辺から外側方に向かって下方に傾斜し、各底部301〜305に連なる傾斜部分307bとを有する。傾斜部分307bの傾斜角度は、仮想一平面310に対して30°〜90°、好ましくは45°に選ばれる。
【0100】
トレー42の底板54には、
図41のとおり、前後方向9に沿って平行に延びる左右一対の移動案内部311が、下方に突設される。下容器本体41の底部44の上部において、移動案内部311は、左右一対の縦隆起部307に、その外側方で相互に凹凸嵌合している。これによって、各縦隆起部307の前後方向9に沿って平行に延びる傾斜部分307bは、各移動案内部311のための縦案内部として働き、トレー42の挿脱方向8の移動範囲内で、各移動案内部311を挿脱方向8に平行に案内する。したがってトレー42は、吸収体98の交換などのために、平面視において挿脱方向8に対してずれた方向、あるは交差する方向に外力が作用しても、トレー42は左右方向9にずれることはなく、振動せず、安定して挿脱移動できる。
【0101】
このような底部301〜305と各縦隆起部307とによる、傾斜部分307bを構成する段差は、下容器本体41の底部44の挿脱方向9に垂直な断面における断面性能を向上し、下容器本体41の縦方向の曲げ剛性を高め、下容器本体41の薄肉化、減容化および軽量化を図ることができる。
【0102】
各凹部313のトレー42に臨む内面は、トレー42の移動案内部311が、振動または傾斜などによって縦隆起部307に乗り上げて、または乗り上げることなく、トレー42が大きく左右方向9に変位することを防ぐ。凹部313の外面および内面は、滑らかな湾曲面であるので、排泄物などの付着物を拭き取って清潔に保つことが容易である。
【0103】
移動案内部311の下面は、
図42に示すように、下容器本体41における底部44の左縦底部302の上面に接触して支持される。移動案内部311の下方への突設高さは、縦隆起部307の隆起高さを超え、したがって、トレー42の底板54の下面は、縦隆起部307の上方にある。下容器本体41における底部44の右縦底部301およびトレー42の移動案内部311に関しても、前述のとおり、左右対称に構成される。
【0104】
下容器本体41の底部301〜305の各底面は、共通な仮想一平面310上にあり、したがって、平坦な設置面上に面接触して動物用トイレ1が安定に支持されるとともに、上容器3の荷重は下支持部82を介して、およびトレー42の荷重は移動案内部311を介して、左右一対の平らな縦底部301、302に作用する。したがって、平坦な設置面上に面接触する縦底部301、302は、トレー42が下容器本体41に対して左右方向9における最も一方寄りに配置され、下容器本体41に荷重が偏心して作用した状態においても、下容器本体41の変形のおそれはない。
【0105】
図47はトレー42の1つの隅部331付近を拡大した斜視図であり、
図48は1つの隅部331付近を上方から見た拡大平面図であり、
図49は下容器本体41にトレー42が装着された下容器4を斜め上から見た斜視図である。前述のトレー42は、挿入方向7の上流側の端部における、左右方向9の両側部に設けられる段差部335、336を有する。下容器本体41は、下周壁43における装着口45の左右方向9の両側に、互い近接する方向に突出する一対の係止片337、338が設けられる。各係止片337、338は、板状であり、下容器本体41の
装着口45近傍の内面に一体に、挿入方向7に垂直な仮想平面に沿って、互いに近接する方向に突出して形成される。
【0106】
図50は隅部331付近を拡大した平面図であり、
図51は隅部331およびその近傍を部分的に切欠いた断面図であり、
図52は隅部331付近を挿入方向7の上流から見た拡大図である。トレー42は、挿脱方向8を含む鉛直な仮想一平面(
図50では、紙面に垂直な方向)に関して面対称に形成されるので、一対の段差部335、336のうちの一方の段差部335および一対の係止片337、338のうちの一方の係止片337について述べる。下容器本体41の装着口45の挿入方向7の下流には、装着口45に近接して係止片337が設けられる。係止片337は、挿脱方向8に垂直な鉛直面と平行な板状体から成り、トレー42の挿脱方向8の移動経路側に突出して、下容器本体41と一体に形成される。
【0107】
係止片337は、下容器本体41の下周壁43に連なる第1基端部337aと、底部44に連なる第2基端部337bと、第1基端部337aから左右方向9の最も離れた位置で底部44の底面に垂直に延びる第1遊端部337cと、底部44から底面に垂直な方向に最も離れた位置で第2基端部337bと平行に延びる第2遊端部337dとを有する。
【0108】
トレー42の端壁57と側壁56との交差部331には、前述の段差部335が形成される。端壁57、各側壁56および後壁58は、底板54から立ち上がる壁部分339と、壁部分339の上端から外側方に延びるフランジ部分340と、フランジ部分340の先端から下方に立下がるリブ341とを有する。これらの壁部分339、フランジ部分340およびリブ341は、周方向に連なり、前述の端壁57、各側壁56および後壁58を構成する。段差部335は、これらの壁部分339、フランジ部分340およびリブ341の一部から成る。このような構成によって、トレー42の肉厚を薄くして軽量化し、かつ高い曲げ剛性が達成される。
【0109】
段差部335は、平面視において、挿脱方向8の沿う鉛直面に平行な第1案内面335aと、第1案内面335aの挿入方向7の下流端に連なり、左右方向9の外側方に湾曲する第2案内面335bと、第2案内面335bの挿入方向7の下流端に連なり、挿入方向7の下流になるにつれて外側方12に凸に湾曲した第3案内面335cと、第3案内面335cの挿入方向7の下流端に連なり、挿入方向7に延びる第4案内面335dと、第4案内面335dの挿入方向7の下流端に連なり、外側方12に延びる第5案内面335eとを有する。
【0110】
第5案内面335eは、平面視において、係止片337の第1遊端部337cの内面337c1を含む鉛直面よりも幅ΔLだけ外側方12に突出している。このような第5案内面335eの外側端には、リブ341の側面341aが連なる。側面341aは、第5案内面335eの外側端との交差部から挿入方向7の下流に向かって距離L11の区間において、壁部分339に近接する方向に緩やかに傾斜して形成され、係止片337との干渉が防がれている。
【0111】
側面341aの距離L11の区間よりも挿入方向7の下流の領域は、内面337c1を含む鉛直面よりも壁部分339寄りに位置している。前述の幅ΔLは、たとえば1〜3mmであってもよい。また距離L11は、たとえばトレー42の挿脱方向9の全長L12の10%〜25%であってもよい。
【0112】
トレー42が下容器本体41から挿入方向7の上流へ引出された状態で、トレー42を挿入方向7の下流で挿入するとき、側面341aは係止片337の第1遊端部337cの内面337c1から内側へ離間しており、トレー42をさらに挿入方向7の下流へ移動させると、側面341c1に距離L11の途中で接触する。これによってトレー42の操作者にトレー42が下容器本体41の装着完了位置に近づいたことを感覚的に伝えることができる。この状態からトレー42をさらに挿入方向7の下流へ移動させると、係止片337はトレー42の側面341aから受ける押圧力によって挿入方向7の下流へ弾性変形し、トレー42を挿入する操作者には、挿入方向7に対してより大きな押込み抵抗力が伝わり、トレー42がほぼ装着完了位置の手前まで押し込まれたことが感覚的に伝えられる。
【0113】
操作者がこのような押込み抵抗力に抗してトレー42を挿入方向7の下流へさらに押込むと、押込み力抵抗力はさらに大きくなり、係止片337の第1遊端部337cを第5案内面335eが挿入方向7の下流に通過したとき、押込み力は急激に減少して、係止片337の第1遊端部337cにトレー42の側面341cが接触しない状態に戻り、係止片337の復帰音とともに押込み抵抗力が急激に低下することによるクリック感が操作者に伝わる。
【0114】
これによって、操作者は、トレー42が装着完了位置まで挿入されたことを感覚的に明瞭に認識することができる。このように挿入方向7の下流に向かって弾性変形していた係止片337は、側面341aとの摩擦抵抗がなくなり、復帰音および振動が操作者に伝わるので、トレー42が装着完了位置まで挿入されたことを操作者は明瞭に認識することができるので、無理にトレー42を下容器本体41に押し込むことが防がれ、トレー42および下容器本体41の損傷および変形などが防止される。
【0115】
また、トレー42は下容器本体41に確実に装着されるので、吸収体98の交換などの作業に不慣れな操作者であっても、トレー42を下容器本体41に確実に装着することができるので、下容器本体42の装着口45がトレー42の端壁57によって塞がれ、吸収体98などに付着した尿などの異臭が装着口45の隙間から放散することが防がれ、室内環境が動物臭または尿臭などの異臭によって汚損されることが防がれる。
【0116】
トレー42の第5案内面335eが係止片337よりも挿入方向7の下流に位置した状態では、猫などの動物が接触してトレー42に直接または間接に外力が作用しても、第5案内面335eが係止片337に当接するので、トレー42が挿入方向7の上流へ移動することが阻止され、したがって下容器本体41の装着口45からトレー42の端壁57が突出し、動物用トイレ1bを運搬または移動のために傾斜させても、トレー42が下容器本体41から突出してしまうことが防がれる。
【0117】
下容器本体41の底部44には、縦隆起部307が形成され、トレー42には移動案内部311が形成され、移動案内部311と縦隆起部307とは相互に凹凸嵌合して、トレー42を挿脱方向8に案内するように構成される。これによって、トレー42の下容器本体41に対する左右方向9の変位が抑制され、トレー42の引き出し方向6および挿入方向7の移動の直進性が得られ、トレー42を下容器本体41に対して円滑に出し入れすることができ、吸収体98の交換、清拭および洗浄などのためのトレー42の出し入れ時の操作性を向上することができる。また、移動案内部311と縦隆起部307とが凹凸嵌合するように構成されるので、トレー42に直接または間接に衝撃力が作用しても、トレー42が下容器本体41内で左右方向9に変位してしまうことが防がれ、トレー42の下容器本体41に対する位置決め状態が保持され、優れた位置決め保持機能が達成される。
【0118】
本発明の実施の他の形態では、トレー42の底板54に挿入方向7の下流に設けられる位置決め突起67が、
図20および
図22に示されるように端部突起50の下流端50aを乗り越えたとき、トレー42の
下周壁43の挿入方向7の上流に位置するもう1つの位置決め突起66が横案内部49に挿入方向7の上流から当接するように、位置決め突起66を底板54に位置決めして形成することによって、トレー42の挿入方向7の下流への移動が抑制され、下容器本体41の装着口45を前壁57bが塞いだ位置に、トレー42を保持することができる。これによってトレー42に付着した尿などの付着物および吸収体98などから発散される尿臭などの臭気が、装着口45と前壁57aとの間から外部へ漏洩することが防がれる。
【0119】
下容器本体41の底穴51は、各一対の縦案内部48および横案内部49によって外囲され、各縦案内部48の上面および各横案内部49の上面は仮想一平面上に含まれるので、トレー42を下容器本体41に装着した状態では、トレー42の底板54の下面が各縦案内部48の上面および各横案内部49の上面に接触して支持されるので、
図1〜
図34に示す実施の形態の動物用トイレ1のように、底穴51を有する下容器4であっても、下容器本体41の底穴51はトレー4によって塞がれる。また、下容器4に乗載される上容器3の簀子31には、猫砂などと呼ばれる粒状の排泄物処理材が敷設されるので、各透孔36は排泄物処理材によって塞がれる。
【0120】
したがって、上容器3と下容器4との間で下周壁43によって囲まれた空間は、通気性が抑制された、いわば閉じた空間とされるので、前述の尿臭などの臭気が滞留しやすい。このような空間は、前述のとおり、装着口45がトレー42の前壁57によって塞がれ、トレー42に振動、衝撃などの外力が作用しても隙間あるいは開口を生じにくく、臭気が外部へ漏れにくい、という優れた効果が達成される。
【0121】
また、動物用トイレ1では、下容器本体42には、
図13に示すとおり、底部44に縦案内部48および横案内部49が形成され、また動物用トイレ1a,1bでは、
図43および
図45に示すとおり、底部44に縦隆起部307が形成されるので、底部44の高い曲げ剛性を達成できるとともに、トレー42の左右方向9の変位および挿脱方向9の変位を抑制することができる。これによって、猫などの動物が、簀子31に飛び乗り、簀子31から飛び出し、簀子31上で砂掻きなど行なったときの振動、衝撃などの外力に対して、下容器本体41に対してトレー42が容易に移動するという不具合が防がれ、トレー42の下容器本体41への適切な装着状態を維持できる、という優れた効果を奏することができる。
【0122】
図53は、本発明の実施のさらに他の形態の動物用トイレ1cを示す平面図であり、
図54は動物用トイレ1cの下容器4cの一部を示す平面図である。
図55は動物用トイレ1cの側面図であり、
図56は
図53の切断面線LVI−LVIから見た動物用トイレ1cの断面図である。
図57は動物用トイレ1cの正面図であり、
図58は
図53の切断面線LVIII−LVIIIから見た動物用トイレ1cの断面図であり、
図59は動物用トイレ1cの斜視図である。前述の
図53は、中心軸線L21に関して左側は、前述のカバー2、上容器3および下容器4が重ねられて組立てられた状態を示し、中心軸線L21に関して右側は、上容器3の簀子31を省略した状態を示す。
図54は、動物用トイレ1cのカバー2を省略した平面を示す。なお、前述の実施の各形態と対応する部分には、同一の参照符を付し、重複する説明は省略する。
【0123】
本実施の形態の動物用トイレ1cは、前述の第1〜第3実施形態の動物用トイレ1,1a,1bと同様に、カバー2と、上容器3と、下容器4とを含む。カバー2は、上部が開口したカバー周壁21と、内向きカバー部22とを有する。内向きカバー部22は、猫などの動物が出入りする出入り口23を形成する。上容器3は、動物を乗載する簀子31と、簀子31を支持する上周壁32とを有し、上周壁32は、動物を乗載する空間33をカバー周壁21とともに形成する。下容器4は、簀子31を有する上容器3を支持する下容器本体41と、簀子31から落下する尿を吸収する吸収体98を収容し、下容器本体41に引き出し状に挿脱自在なトレー42とを有する。これらのカバー2と、上容器3と、下容器4とは、ポリプロピレンなどの合成樹脂の射出成形によって、それぞれ製造され、外観寸法を参考までに述べると、547mm×395mm×250mm程度である。
【0124】
図60は
図57の切断面線LX−LXから見た動物用トイレ1cの挿入方向7に沿う上流の一部の拡大断面図であり、
図61〜
図68は下容器本体41の構成を示す図である。
図61は下容器本体41の平面図であり、
図62は下容器本体41の正面図であり、
図63は下容器本体41の底面図である。
図64は下容器本体41の背面図であり、
図65は下容器本体41の側面図であり、
図66は
図61の切断面線LXVI−LXVIから見た下容器本体41の断面図であり、
図67は下容器本体41を右斜め上から見た斜視図であり、
図68は下容器本体41を底面側から見た斜視図である。
【0125】
図69〜
図77はトレー42の構成を示し、
図69はトレー42の平面図であり、
図70はトレー42の正面図であり、
図71はトレー42の底面図であり、
図72はトレー42の背面図であり、
図73はトレー42の側面図である。
図74は
図69の切断面線LXXIVI−LXXIVから見たトレー42の断面図であり、
図75は
図69の切断面線LXXV−LXXVから見たトレー42の断面図であり、
図76はトレー42を右斜め上から見た斜視図であり、
図77のトレー42を下方から見た斜視図である。
【0126】
本実施の形態において、トレー42の端壁57の上端57aは、トレー42が下容器本体41に挿入された状態で、下容器本体41の装着口45に上方から臨む内向き壁部43aに挿入方向7の上流から下流に向かって弾発的に当接し、装着口45を隙間なく閉鎖するように構成される。このような構成によって、下容器本体41の簀子31上で動物を乗載する空間33に動物が出入りする際に振動などが生じても、下容器本体41とトレー42とが相対的に不所望に変位せず、トレー42が下容器本体41に挿入されたままに保たれ、トレー42に付着した尿、または吸収体98に吸収された尿による尿臭が外部へ漏れ出ることが防がれ、いわゆる動物臭、ペット臭などと呼ばれる不快な異臭の放散が抑制される。
【0127】
上流の位置決め突起66は、トレー42の挿入方向7の下流になるにつれて、上方に傾斜した傾斜面66bを有する。これによって、トレー42の挿入時に、端部突起47の上面を摺動して乗り越えて、係止される。また、下流の位置決め突起67は、トレー42の挿入方向7の下流になるにつれて、上方に傾斜した傾斜面67bを有する。これによって、トレー42の挿入時、端部突起47、横案内部49、端部突起50の上面を摺動して乗り越えて、端部突起50と係止される。この位置決め突起66,67の傾斜面66b、67bは、トレー42の挿入操作時、端部突起47、50をその下流端47a、50aから乗り上げる動作を容易にする。
【0128】
トレー42の引き出し移動の開始時に、把手59をわずかに持ち上げることによって、上流の位置決め突起66は、端部突起47を乗り越えて、その傾斜面66bが摺動して端部突起47の下流端47aと位置決め突起66の上流端66aとの係止が解除される。下流の位置決め突起67は、端部突起50を乗り越えて、その傾斜面66bが摺動して端部突起50の下流端50aと位置決め突起67の上流端67aとの係止が解除され、さらに横案内部49および端部突起47をこの順序で乗り越えて摺動する。したがって、トレー42の下容器本体41への挿脱操作が容易である。
【0129】
トレー42は、底板54に連なって挿入方向7の上流寄りで停止突起68を有し、この停止突起68は、トレー42の装着のための移動時、トレー42の挿入方向7の下流端68aが、下容器本体41の底部44の端部突起47の上流端47bに当接して、下流への移動が制限され、装着状態になる。底板54から停止突起68を経て端壁57が立ち上がる。下容器本体41の下周壁43に、装着口45付近で垂下して形成される停止片69は、装着状態では、トレー42の端壁57の上部における挿入方向7の下流端57aと離間している。トレー42の移動操作中、トレー42の端壁57が装着口45を閉じて、さらに、挿入方向7に過度に押し込まれると、停止片69は、トレー42の端壁57の下流端57aに当接して、トレー42の下流への移動を制限し、トレー42の過度な変形を防いで、下容器本体41およびトレー42の破損を防ぎ、耐久性が向上される。端壁57の下流端57aは、リブ70によって補強される。リブ70の上端70aは、挿入方向7の下流になるにつれて下方に傾斜し、停止片69から下方に離間し、接触しない。
【0130】
こうして、下容器本体41の装着口45からのトレー42の装着状態では、下容器本体41の各端部突起47、50の下流端47a、50aとトレー42の各位置決め突起66、67の上流端66a、67aとがそれぞれ係止、当接し、このとき、トレー42の停止突起68の下流端68aは、下容器本体41の底部44の上流の端部突起47の上流端47bに係止、当接し、トレー42の端壁57は、下容器本体41の装着口45を閉鎖する。したがって、トレー42が下容器本体41に挿入されて装着された状態が安定して保持されるので、トレー42の吸収体98からの尿臭が装着口45から漏れることはなく、本件
動物用トイレ1が設置される、たとえば、建物の室内が快適に維持される。
【0131】
本実施の形態においても、トレー42が押し込まれて装着口45内へ装着移動される途中、トレー42の端壁57が装着口45を閉じた状態となる前に、トレー42の端壁57の上部の構成要素である停止片69と、下容器本体41の下周壁43に装着口45付近に設けられるもう1つの構成要素であるリブ70の上部の凹所70cから挿入方向7下流で上方に傾斜した突部70bとが一時的に嵌合または係止した状態になるように構成される。これによって、トレー42の装着完了の直前に、これらの停止片69および突部70bの一時的な嵌合または係止による衝突によって、操作者の手にクリック感を与えることができ、トレー42の装着完了を容易に確認できる。
【0132】
トレー42の端壁57が装着口45を閉じたトレー42の装着完了状態では、これらの停止片69および突部70bは、前述の嵌合または係止した状態を保たず、離間している。装着完了状態を保つために、トレー42の下部と下容器本体41の底部44付近とにおいて、端部係止部47、50と位置決め係止部66、67との係止、および下容器本体41の底部44における端部係止部47とトレー42の停止係止部68との係止の両者が、実現される。実施のたの形態では、端部係止部47、50と位置決め係止部66、67との係止、および下容器本体41の底部44における端部係止部47とトレー42の停止係止部68との係止のうち、少なくともいずれか一方の係止、またはその他の係止が、実現されてもよい。