(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記柄部の回転軸を介して、前記櫛部の先端と第1塗布部の先端までの距離が最大となる柄部の回転軸の位置において、前記柄部の回転軸から前記櫛部の先端までの距離と、該柄部の回転軸から第1塗布部の先端までの距離が等しい、請求項1〜3の何れか1項に記載の毛髪処理剤塗布具。
第1塗布部が、ブラシ台の長さ方向に所定の間隔をおいて配置された複数本のブラシ歯からなるブラシ歯列を、該ブラシ台の幅方向に3列以上有するブラシ部である、請求項1〜6の何れか1項に記載の毛髪処理剤塗布具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の好ましい一実施形態に係る毛髪処理剤塗布具1は、
図1及び
図2に示すように、柄部2と、柄部2の先端部分に設けられた支持基部3と、支持基部3に支持させて設けられた櫛部4、第1塗布部5及び第2塗布部6を有する。
柄部2は、毛髪処理剤塗布具1を用いて毛髪に対して毛髪処理剤の塗布作業を行う際に片手で把持する部分であり、本実施形態の毛髪処理剤塗布具1における柄部2は、
図2中、Xで示す方向に長い形状の平板状をなし、
図1及び
図2に示すように、その長手方向に直交する断面形状が、上下方向Zに長い扁平な形状を有している。また柄部2は、上下方向Zにおいて略対称の形状を有し、また、その上下方向Zに直交する方向Yにおいても略対称の形状を有している。本明細書において、上下方向、上側及び下側は、
図1及び
図2に示すように、柄部2の長手方向Xを水平とし、毛髪処理剤塗布具1における櫛部4側を鉛直下側、第1塗布部5を鉛直上側としたときの上下方向、上側及び下側である。
【0010】
本実施形態の毛髪処理剤塗布具1について更に説明すると、支持基部3は、柄部2と連続する平板状をなし、柄部2の先端部分に一体に設けられている。支持基部3は、毛髪処理剤塗布具1の後端1b側から先端1a側に向かって上下方向の高さが漸減している。他方、柄部2は、支持基部3の近傍に上下方向の高さが最小の部位を有し、毛髪処理剤塗布具1の後端1bに向かって高さが漸増している。柄部2は、長手方向Xに亘って上下方向の高さが均一であっても良い。
【0011】
櫛部4は、柄部2の長手方向Xに沿って設けられている。第1塗布部5も、柄部2の長手方向Xに沿って設けられている。第1塗布部5は、支持基部3を挟んで櫛部4とは反対側に設けられている。柄部2の長手方向Xに沿って設けられているという表現に、柄部2の後述する回転軸Sに対して、櫛部4や第1塗布部5が平行である場合に限定する意図ではなく、櫛部4や第1塗布部5の延在方向が、概ね柄部2の長手方向Xに沿っていることを意味する。
【0012】
櫛部4は、
図1に示すように、支持基部3の下縁部に沿って一体に設けられた支持基部3より方向Yに幅広の櫛歯台41と、櫛歯台41に、その長手方向に間隔をおいて突設された複数の櫛歯42とからなる。
第1塗布部5は、
図1に示すように、ブラシ台51の長さ方向X’に所定の間隔をおいて配置された複数本のブラシ歯52からなるブラシ歯列53を、ブラシ台51の幅方向Y’に3列以上有するブラシ部である。より具体的には、ブラシ歯列53を、ブラシ台51の幅方向Y’に5列有しており、その内の中央3列は、両端の2列よりもブラシ歯52の高さが低くなっている。
本実施形態における第1塗布部5は、斯かる構成を有することによって、毛髪処理剤を垂れないように載せることができるようになっており、更には、ブラシ台51の幅方向Y’に、二剤式の毛髪処理剤を構成する2剤、例えば、アルカリ剤を含有する第1剤7aと酸化剤を含有する第2剤7bとを並列状態で載せることができるようになっている(
図3参照)。
【0013】
また、本実施形態における第1塗布部5は、ブラシ台51の長さ方向X’の両端部に、ブラシ台51の幅方向Y’に所定の間隔をおいて配置された複数本のブラシ歯55からなる幅方向ブラシ歯列54を有している(
図3参照)。幅方向ブラシ歯列54は、前記中央3列のブラシ歯列53のブラシ歯よりも、ブラシ歯55の高さが高くなっており、ブラシ台51の中央部に、高さの高いブラシ歯を有する2列のブラシ歯列53と2列の幅方向ブラシ歯列54とに囲まれた凹部56が形成されている。これにより、第1塗布部5に載せた毛髪処理剤が一層垂れ落ちにくくなる。
なお、ブラシ台51は、長さ方向X’及び幅方向Y’を有し、処理剤塗布具1を上側から視たとき、ブラシ台51の長さ方向X’が、柄部2の長手方向Xと一致している。
【0014】
本実施形態における第2塗布部6は、
図1に示すように、基台部61と、基台部61から突出する複数の毛束62を備えた刷毛部である。
第2塗布部6の基台部61は、
図2に示すように、柄部2の長手方向Xと直交する直交方向Z’、より具体的には前述した上下方向Zに沿って延びており、その基台部61の延在方向に沿って複数の毛束62が所定の間隔で直列状態に配置されている。
図2に示す基台部61は、毛髪処理剤塗布具1の先端側から視て、角部を丸めた長方形状であるが、楕円形、長円形等、他の任意の形状に変更可能である。
第2塗布部6の毛束62は、それぞれの一端が基台部61に設けた固定用孔内に挿入されて固定されている。毛束62の固定方法としては、熱融着、接着剤、平線を用いた固定等の任意の方法を採用可能である。毛束62は、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロン等の合成樹脂製の細毛の束であり、可撓性を有することが好ましい。なお、後述のように、第2塗布部は、基台部61から突出する複数のブラシ歯を備えたブラシ部であっても良い。
【0015】
第2塗布部6は、第1塗布部5で毛髪処理剤を塗布する範囲に比して狭い範囲に毛髪処理剤を塗布し易くするものであり、例えば、もみあげや毛の生え際などの頭髪の細かい部分に毛髪処理剤を塗布する際に利用する。
第2塗布部6は、
図1に示すように、毛髪処理剤塗布具1の先端部分1aに形成されている。また、第2塗布部6の長手方向の長さL6(以下、単に第2塗布部の長さL6と称する場合もある)は、第1塗布部5の長手方向の長さL5(以下、単に第1塗布部の長さL5と称する場合もある)より短い長さである。第2塗布部6の長さL6が第1塗布部5の長さL5より短いことで、頭髪の細かい部分に対する毛髪処理剤の塗布が容易となる。
【0016】
本実施形態では、第2塗布部6の長さL6は、柄部2の長手方向Xと直交する直交方向Z’に沿う長さであり、前述した上下方向Zに沿う長さでもある。第2塗布部6の長さL6は、
図2に示すように、毛束やブラシ歯の根元部分6bにおいて、前記直交方向Z’の一端に位置する毛束やブラシ歯の外側端部から該直交方向Z’の他端に位置する毛束やブラシ歯の外側端部までの距離を測定する。他方、第1塗布部5の長さL5は、第1塗布部5の基面58に沿って測定する。第1塗布部5の基面58は、ブラシ歯52が突出するブラシ台51の上面である。本実施形態におけるブラシ台51の上面は、平面状であり、柄部2の回転軸Sを含む平面による断面形状が直線状であり、第1塗布部5の長さL5は、該ブラシ台51の上面に沿って測定するが、当該断面形状が凸状又は凹状に湾曲している場合は、柄部2の長手方向Xの一端に位置するブラシ歯55a又は毛束の外側端部から該長手方向Xの他端に位置するブラシ歯55b又は毛束の外側端部までの距離L5を測定する。なお、櫛部4の長さL4も同様であり、櫛歯台41の基面48に沿って測定する。櫛部4の基面48は、櫛歯42が突出する櫛歯台41の上面(櫛歯42が突出する方向を上とした場合)であるが、該上面の、柄部2の回転軸Sを含む平面による断面形状が凸状又は凹状に湾曲している場合は、柄部2の長手方向Xの一端に位置する櫛歯42aの外側端部から該長手方向Xの他端に位置する櫛歯42bの外側端部までの距離L4を測定する。
【0017】
広い範囲に塗布する場合の作業性と細かい部分に塗布する場合の作業性とを両立させる観点から、第2塗布部6の長さL6は、第1塗布部5の長さL5の、5%以上60%以下であることが好ましく、より好ましくは10%以上40%以下である。また、同様の観点から、第2塗布部6は、柄部2の厚み方向Yに沿う幅が、第1塗布部5よりも狭いことが好ましい。
【0018】
また、本実施形態における第2塗布部6は、柄部2の長手方向Xと直交する直交方向Z’における中心位置C6(
図2参照)が、柄部2の回転軸Sから該直交方向Z’に離間している。より詳細には、第2塗布部6は、上下方向Zにおける中心位置C6(
図2参照)が、柄部2の回転軸Sから該上下方向Zに離間している。本実施形態の第2塗布部6における中心位置C6は、第2塗布部6の前記長さL6を2等分する位置である。
第2塗布部6には、例えば、毛髪処理剤を収容したトレー内に第2塗布部6を挿入して毛髪処理剤を付着させ、その毛髪処理剤を第2塗布部6に付着した状態で、頭髪に運んで頭髪に塗布する。
このとき、第2塗布部6の中心位置C6が柄部2の回転軸Sから離間していると、柄部2を把持している片手により柄部2を回転させるだけで、
図4に示すように、第2塗布部6を、円弧を描くように移動させることができる。例えば、柄部2自体の移動を抑制しつつ柄部2を回転させて塗布することにより、柄部2の移動時に生じるブレを抑制しながら毛髪処理剤を所望の部位に高精度に塗布することができる。また、塗布しにくい部位などに対しても、柄部2を回転させることや、柄部2の移動と回転とを組み合わせることで、塗布作業が簡単になる。
【0019】
また、第2塗布部6の中心位置C6が柄部2の回転軸Sから離間していると、
図5に示すように、第2塗布部6を頭髪に当てたときに、頭髪から加わる荷重Fにより、柄部2を回転させようとするモーメントが働く。モーメントは、回転軸Sからの離間距離に比例して大きくなり、増幅されて柄部2に伝達される。そのため、柄部2を把持して塗布作業を行っている使用者は、第2塗布部6が頭髪に接触していることを認知し易くなり、微細な部分に塗布する際に、第2塗布部6の頭髪に対するあて具合を調整し易くなる。
本実施形態の毛髪処理剤塗布具1によれば、このような作用により、もみあげや毛の生え際などの頭髪の細かい部分に毛髪処理剤を塗布する場合の作業性や塗布精度を向上させることができる。
【0020】
柄部2の回転軸Sは、以下のように定義される。
図2に示すように、手8で柄部2を把持する範囲のうち、より毛髪処理剤塗布具1の先端1aに近い位置P1における柄部2の高さ方向の中心位置M1と、より毛髪処理剤塗布具1の後端1bに近い位置P2における柄部2の高さ方向の中心位置M2とを通る直線を、柄部2の回転軸Sとする。ここで、髪処理剤塗布具1の後端1bに近い位置P2は、手8で柄部2を把持して楽に回転できる位置であり、先端1aに近い位置P1からの距離(L8)が、成人の親指先端から中指の腹の中央までの標準的な寸法である35mm〜55mmとなる位置である。即ち、第2塗布部6の中心位置C6は、髪処理剤塗布具1の後端1bに近い位置P2を、先端1aに近い位置P1からの距離L8が35〜55mmの範囲内となる任意の位置(好ましくは距離L8が45mmとなる位置)に設定し、その位置における中心位置M2を利用して回転軸Sを定めたときに、当該回転軸Sから離間していればよく、また、その第2塗布部6の中心位置C6は、当該回転軸Sから第1塗布部5に近づく側に離間していることが好ましい。なお、第2塗布部6の中心位置C6は、髪処理剤塗布具1の後端1bに近い位置P2を、先端1aに近い位置P1からの距離L8が35〜55mmの範囲内となる、いずれの位置に設定しても、回転軸Sから第1塗布部5に近づく側に離間していることが更に好ましい。
一方、毛髪処理剤塗布具1の先端1aに近い位置P1は、柄部2の形状にもよるが、本実施形態では、毛髪処理剤塗布具1の後端1bに向かって高さが漸増し始める位置である。なお、柄部2が長手方向Xに亘って上下方向の高さが均一の場合には、先端1aに近い位置P1は、柄部2と支持基部3との境界である。
なお、櫛部4の後端部及び第1塗布部5の後端部のうち、より毛髪処理剤塗布具1の後端1bに近い方の後端部から、後端1b側に長手方向Xに15mm離間した位置を、先端1aに近い位置P1としても良い。櫛部4が櫛歯台41を有する場合、櫛部4の後端部は、該櫛歯台41の後端部であり、第1塗布部5がブラシ台51を有する場合、第1塗布部5の後端部は、該ブラシ台51の後端部である。
【0021】
本実施形態の毛髪処理剤塗布具1においては、第2塗布部6の中心位置C6が、
図2に示すように、柄部2の回転軸Sに対して第1塗布部5に近づく側に離間している。これにより、第1塗布部5の上面に毛髪処理剤が載置されている場合であっても、毛髪処理剤をこぼすことなく、柄部2を回転させて、第2塗布部6による毛髪への毛髪処理剤の塗布が可能となる。
更に第2塗布部6は、その全体が、柄部2の回転軸Sより第1塗布部5側に位置することが好ましい。第2塗布部6の全体が、柄部2の回転軸Sより第1塗布部5側に位置するか否かは、毛束やブラシ歯の先端部分6aではなく、毛束やブラシ歯の根元部分6bが、柄部2の回転軸Sより第1塗布部5側に位置するか否かで判断する。
【0022】
また上述した一又は二以上の効果がより確実に奏されるようにする観点から、第2塗布部6の中心位置C6は、柄部2の回転軸Sからの離間距離L7が、好ましくは2mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また好ましくは30mm以下、より好ましくは15mm以下であり、また好ましくは2mm以上30mm以下、より好ましくは5mm以上15mm以下である。本実施形態では、7.5mmである。
【0023】
また毛髪処理剤塗布具1は、直交方向Z’又は上下方向Zにおいて、第2塗布部6の基台部61の長手方向の端面6cが、第1塗布部5の基面58に達していないことが、第1塗布部5による塗布作業中に頭髪に第2塗布部6が触れないようにする観点から好ましい。
【0024】
また毛髪処理剤塗布具1は、直交方向Z’又は上下方向Zにおいて、第2塗布部6の基台部61の長手方向の端面6dが、櫛歯の基面48に達していないことが、第2塗布部6による塗布作業中に頭髪に櫛部4が触れないようにする観点から好ましい。
第2塗布部6の基台部61の長手方向の端面は、櫛歯の基面48及び第1塗布部5の基面58の何れにも達していないことが好ましい。第1塗布部5の基面58は、前述したように、ブラシ歯52が突出するブラシ台51の上面であり、櫛部4の基面48は、櫛歯42が突出する櫛歯台41の上面(櫛歯42が突出する方向を上とした場合)である。
【0025】
本実施形態の毛髪処理剤塗布具1においては、
図2に示すように、前記柄部の回転軸Sを介して、前記櫛部の先端と前記第1塗布部の先端までの距離が最大となる柄部の回転軸Sの位置O(
図2参照)において、柄部2の回転軸Sから櫛部4の先端までの距離Ldと、柄部2の回転軸Sから第1塗布部5の先端までの距離Luが等しい。
図2では毛髪処理剤塗布具1の最も後端1b側の櫛歯42先端とブラシ歯55の先端までの距離が最大になるように描いているが、回転軸S上の別の箇所で最大になるように設計しても良い。
斯かる構成により、櫛部4と第1塗布部5とを順次使用する際の使い易さが向上する。すなわち、柄部2を回転させながら櫛部4と第1塗布部5とを順次使用する際に、柄部の回転軸Sを介して、前記櫛部の先端と前記第1塗布部の先端までの距離が最大となる柄部の回転軸Sの位置Oで櫛部4または第1塗布部5が毛髪に最初に接触し、接触した感触を使用者が認識することにより、毛髪処理剤の塗布を行うことができる。また、柄部2の回転軸Sから櫛部4の先端までの距離Ldと、柄部2の回転軸Sから第1塗布部5の先端までの距離Luが等しいため、手を大きく動かすことなく柄部2の回転のみで、櫛部4と第1塗布部5とを順次使用することが可能となる。
【0026】
また本実施形態の毛髪処理剤塗布具1においては、櫛部4の基面48が、毛髪処理剤塗布具1の先端部分に近づくにつれて第1塗布部5に近づくように、柄部2の回転軸Sに対して傾斜している。これにより、櫛部4を毛髪に当てて梳る際に、柄部2は毛髪から離れたところに位置することになる為、毛髪に塗布されたか又は櫛部4に付着した毛髪処理剤が、柄部2を把持している手に付着することを防ぐことができる。
【0027】
櫛部4の基面48の、柄部2の回転軸Sに対する傾斜角度θ2は、2°以上30°以下が好ましく、より好ましくは5°以上20°以下である。本実施形態では傾斜角度θ2は、9°である。
他方、第1塗布部5の基面58の、柄部2の回転軸Sに対する傾斜角度θ1は、傾斜角度θ2よりも小さいことが好ましい。第1塗布部5の基面58は、毛髪処理剤塗布具1の先端部分に近づくにつれて柄部2の回転軸Sに近づくように該回転軸Sに対して傾斜していても良いし、柄部2の回転軸Sと略平行であっても良い。
これにより、使用者は、第1塗布部5を上方に向けた状態で、毛髪処理剤を、当該第1塗布部5の上面に、量や位置等を視認しながら容易に載置させることができる。第1塗布部5の基面58の、柄部2の回転軸Sに対する傾斜角度θ1は、0°以上20°以下が好ましく、より好ましくは0°以上10°以下が好ましい。本実施形態では、傾斜角度θ1は6°である。
【0028】
また本実施形態の毛髪処理剤塗布具1においては、第1塗布部5が、複数本のブラシ歯からなるブラシ歯列を3列以上有するブラシ部であるため、第1塗布部5上に毛髪処理剤を直接載せて塗布作業を行うことができる。これにより、第1塗布部5により広い範囲に塗布した後、細かい部分に第2塗布部6で塗布する等、両者を使い分けて効率的な毛髪処理剤の塗布作業を行うことができる。
本実施形態の毛髪処理剤塗布具1によれば、このように、使用者は、柄部2を手で把持して、毛髪処理剤塗布具1を移動させたり柄部2を回転させたりしながら、櫛部4、第1塗布部5及び第2塗布部6の各々を、頭皮と対向させるように配置して、毛髪を掻き分ける操作や、毛髪を梳かす操作や、毛髪の細かい部分を梳かす操作を、容易に行うことができる。
また本実施形態の毛髪処理剤塗布具1は、好ましくはその全体がプラスチック製であるが、一部にそのプラスチック以外の材を用いることも可能である。
【0029】
本実施形態の毛髪処理剤塗布具1は、柄部2を手で把持し、第1塗布部5を上方に向けた状態で、例えば特開2002−119328号公報や特開2003−205983号公報に記載の2連エアゾール容器から、2剤式の毛髪処理剤である染毛剤の、例えばアルカリ剤及び染料を含有する第1剤と、酸化剤である過酸化水素を含有する第2剤とを、好ましくはクリーム状や泡状にして吐出することで、
図3に示すように、吐出させた第1剤及び第2剤を、第1塗布部5の長さ方向X’に延設させると共に、第1塗布部5の幅方向Y’に並べた状態で、当該第1塗布部5の上面に載置させることができる。これによって、混合前の第1剤及び第2剤の各々の品質や量を、視認によって容易に確認することが可能である。そして、第1塗布部5を頭髪に押し付けた状態で、好ましくは第1塗布部5の幅方向に第1塗布部5をスライド移動させることによって、第1剤と第2剤とを混合させながら、染毛剤をなじませるようにして毛髪に塗布することも可能である。
【0030】
また、使用者は、毛髪処理剤塗布具1の第2塗布部6を用いて、例えば毛髪に塗布された染毛剤を掬い取って、毛の生え際や、もみあげ部等の、細かい部分の毛髪になじませるようにして染毛剤を塗布することによって、これらの細かい部分の毛髪を、容易に処理することも可能になる。
前述した通り、第2塗布部6によりトレー等から染毛剤を掬い取って、頭髪の細かい部分に塗布することもできる。
【0031】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。
例えば、第2塗布部6は、基台部から突出する複数の毛束を備えた刷毛部に代えて、基台部から突出する複数のブラシ歯を備えたブラシ部であっても良い。また反対に第1塗布部5が、基台部から突出する複数の毛束を備えた刷毛部であっても良い。第1塗布部5が幅方向Y’に有するブラシ歯列の列数は、5列に代えて1〜4列又は6列以上とすることもでき、好ましくは3列以上20列以下であり、より好ましくは3列以上10列以下である。
【0032】
また、柄部2及び支持基部3は、それぞれ、柄部2の回転軸Sに直交する断面が、上下方向に長い形状でなくても良く、例えば、回転軸Sに直交する断面が、中空又は中実の円形であっても良い。また柄部2は、上下方向Zの上縁部及び下縁部が直線状に代えて上方に凸に湾曲した曲線等であっても良い。
毛髪処理剤塗布具によって毛髪に塗布する毛髪処理剤は、染毛剤の他、脱色剤、トリートメント剤、パーマ剤、マニキュア剤等であっても良い。また、毛髪処理剤は、アルカリ剤を含有する第1剤と、酸化剤を含有する第2剤とを混合して使用する二剤型の毛髪処理剤であっても良いし、一剤型の毛髪処理剤であっても良い。
二剤式の毛髪処理剤としては各種公知のものを利用でき、毛髪処理剤を構成する第1剤及び第2剤も、その毛髪処理剤を構成する第1剤及び第2剤として公知のものを特に制限なく用いることができる。また、毛髪処理剤により処理する「毛髪」は、ヒトの頭髪であることが好ましいが、犬や猫などのペットの頭部の頭髪や頭部以外の体毛であっても良い。