(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854645
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/06 20060101AFI20210329BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20210329BHJP
F21Y 103/00 20160101ALN20210329BHJP
F21Y 107/50 20160101ALN20210329BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20210329BHJP
【FI】
F21S8/06 100
F21V3/00 320
F21Y103:00
F21Y107:50
F21Y115:10
【請求項の数】15
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-558292(P2016-558292)
(86)(22)【出願日】2015年3月27日
(65)【公表番号】特表2017-509125(P2017-509125A)
(43)【公表日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】EP2015056816
(87)【国際公開番号】WO2015144925
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2018年3月19日
(31)【優先権主張番号】14161883.5
(32)【優先日】2014年3月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】フェッラーリ エレナ ティツィアナ
(72)【発明者】
【氏名】デ ギール ロナルド コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ボーエイ シルヴィア マリア
【審査官】
當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】
韓国公開特許第10−2012−0137079(KR,A)
【文献】
米国特許第02436635(US,A)
【文献】
特開2010−192228(JP,A)
【文献】
特開2007−280733(JP,A)
【文献】
米国特許第06174069(US,B1)
【文献】
特開2010−205422(JP,A)
【文献】
米国特許第05537304(US,A)
【文献】
特開2011−154872(JP,A)
【文献】
実開昭48−057985(JP,U)
【文献】
特開2008−218238(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/072386(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0273323(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/06
F21V 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2主面の反対側の、距離Wのところに第1主面を持つハウジングであって、光源光を生成するための光源を収容するよう構成されているハウジングを有する照明器具であって、
前記第1主面が、光源光を透過する光出射窓を有すると共に、前記第1主面から横方向に延在し、長さLを持つ少なくとも1つの側壁によって境界をつけられ、前記側壁の第1縁端部が、前記第1主面に境界をつけ、
各側壁が、本質的にその全長Lにわたって、0.1*Wと0.8*Wとの間の高さHを持ち、光源光を透過する光放射窓を有し、
前記光出射窓が、第1光源と関連づけられ、前記光放射窓が、第2光源と関連づけられる照明器具。
【請求項2】
Hが、0.2*Wと0.4*Wとの間にあることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記側壁が、第2縁端部を持ち、前記光放射窓が、前記側壁の第1縁端部から前記側壁の第2縁端部の方へ延在する、又は前記光放射窓が、前記側壁の第2縁端部から前記側壁の第1縁端部の方へ延在することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記光出射窓が、前記第1主面全体にわたって延在することを特徴とする請求項1、2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記光出射窓と前記光放射窓との間に、非光放射周囲領域が含まれることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記光放射窓が、多くの、相対的に小さな光透過性サブ窓によって形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
Hが、前記側壁の周囲にわたって一定であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
Hが、前記側壁の周囲にわたって変化することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記側壁が、0.2*W乃至0.6*Wの範囲内にある高さHBを持つ遮光帯によって前記光放射窓から分離された他の光放射窓を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記ハウジングが、前記光源を収容することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記第1光源が、前記光出射窓の方へ主光放射方向を持ち、前記第2光源が、前記光放射窓の方へ主光放射方向を持つことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記第1光源及び前記第2光源が、独立して制御可能であることを特徴とする請求項11に記載の照明器具。
【請求項13】
前記ハウジングが、音響吸収性材料を有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項14】
前記光源光が、前記光放射窓から、光ビームとして、前記光出射窓に対する垂線と前記光ビームとの間の多くとも65°の角度において、発せられることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項15】
前記第2主面が、他の光出射窓を有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第2主面の反対側の、距離Wのところに第1主面を持つハウジングを有する照明器具であって、前記ハウジングが、光源光を生成するための光源を収容するよう構成されており、前記第1主面が、光源光を透過する光出射窓を有すると共に、前記第1主面から横方向に延在し、長さLを持つ少なくとも1つの側壁によって境界をつけられる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
冒頭の段落に記載されているようなタイプの照明器具は、EP2634474A1から既知である。これらのタイプの照明器具の既知の問題は、例えば、かさばる、吸音材、光源、配線、電子回路、ヒートシンクなどのような照明器具部品を収容するために必要とされる空間のために、相対的に大きい厚さ、即ち、相対的に高い側壁が必要とされることである。多くの場合、これらの照明器具は、ペンダント照明器具として利用され、それに対して、通常、人々が働くために会議机及び事務机を照明するために、浮いている照明器具の印象を与えるよう、天井から吊り下げられる。しかしながら、これらの照明器具の大きい幅又は高さ若しくは厚さにより、これらのペンダント照明器具の下で働く人々は、かなり重く、厚い照明器具が、前記人々の頭の上に吊り下げられているという印象のために、居心地の悪さを感じるという問題が生じる。前記既知の照明器具は、相対的に大きい高さの照明器具部品を、第1主面及び第2主面の中央領域に、即ち、側壁から遠くに、配置することによって、この問題を解決している。その場合、ハウジングは、その中央領域において、厚く、周辺領域において、即ち、側壁の近くで、スリムである。しかしながら、この解決策は、照明器具部品の収容のために相対的に少ない空間及び細長い配線しか利用できないという不利な点であって、熱発生又は熱放散部品、例えば、ヒートシンクと、熱に弱い電気部品とが相対的に互いの近くに配置されることから、その後の、電子部品の早期故障のリスクを伴う不利な点を含む。
【0003】
DE102012205188A1は、両方とも同じ光源と関連する、第1主面内の光出射窓と、側壁内の光放射窓とを持つ照明器具を開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上述の不利な点が抑制される、冒頭の段落に記載されているようなタイプの照明器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それに対して、前記照明器具は、前記第1主面に境界をつける前記側壁の第1縁端部を更に有し、前記側壁は、0より大きく、且つWより小さい高さH、例えば、0.1*Wと0.8*Wとの間の高さHを持ち、光源光を透過する光放射窓を有し、前記光出射窓は、第1光源と関連づけられ、前記光放射窓は、第2光源と関連づけられる。これらの方策によって、前記照明器具は、その実際の物理的な高さ/厚さと比べて、減らされた厚さ/高さの印象を持たせる。本発明の照明器具においては、更に、照明器具部品の収容のために十分な空間が利用可能であり、熱発生/放散部品と、ヒートシンクと、熱に弱い(電気)部品とが相対的に互いから遠いところに配置され得ることから、電子部品の早期故障のリスクは、減らされる。前記電気部品が、前記ハウジング内に望み通りに配設され得るので、細長い配線は、不要になり得る。
【0006】
前記光放射窓は、1つの連続的な光透過性領域によって形成されてもよく、即ち、前記光放射窓の表面積は、前記光透過性領域の表面積と同じである。他の例においては、前記光放射窓は、多くの、例えば、100個、10000個又は250000個の、相対的に小さな光透過性サブ窓によって形成されてもよい。前記多くの相対的に小さな光透過性サブ窓は、実質上、前記光放射窓の表面積と同じ表面積を構成するが、物理的には、個々のサブ窓の表面積の合計は、前記光放射窓の表面積より少ない。これらのサブ窓は、例えば、丸いドット、正方形のドット、ゼブラパターンのような細長いストライプ、同心円によって形成されるドット、又は多くの、例えば、4つの平行な波状ストライプとして実施され得る。これらのサブ窓は、相対的に大きな距離離れたところから観察される場合に、まとまって1つの大きな光放射窓になり、実質上、1つの光透過性領域を形成するのに対して、相対的に小さな距離離れたところから観察される場合に、前記照明器具が、審美的で、装飾的な特徴を持つようにする。
【0007】
前記側壁から発せられる光の効果は、前記側壁の縁端部が知覚しにくいので、前記照明器具の実際の高さを隠すこと、及び/又は前記第1主面の前記光出射窓が、前記側壁の前記光放射窓で拡張されているように見えることである。この効果の質は、前記第1主面の前記光出射窓からの光束と、周囲光レベルと、前記光出射窓からの前記光放射窓の距離及びサイズからの、並びに前記側壁の前記光放射窓からの光束との間のバランスに依存する。
【0008】
本発明による照明器具は、前記光出射窓が、第1光源と関連づけられ、前記光放射窓が、第2光源と関連づけられることを特徴とするのは、グレアの防止という理由のためでもある。後に、各々、前記光出射窓及び前記前記光放射窓から発せられる、前記第1光源及び前記第2光源の間の光束における比は、例えば、光強度及び/又は色における、例えば、オフィスの照明に適した値又は勾配における、所定の好ましい値に設定され得る。第1及び第2光源は、例えば、前記第1及び第2光源が、各々、前記第1光源の場合は、前記光出射窓の方向であり、前記第2光源の場合は、前記光放射窓の方向である、各々の光の主放射方向を持つことを意味する、又は例えば、前記第1及び第2光源が、各々の窓を向いていることを意味する。
【0009】
本発明の照明器具の実施例は、Hが、0.2*Wと0.4*Wとの間にあることを特徴とする。これは、前記照明器具が更にスリムな外観を持つようにし、更に、Hは、グレアの限られたリスクしか伴わずに、依然として相対的に小さいHで、少なくとも1つの縁端部を隠すのに十分である。それに対して、前記光放射窓における光レベルは、好ましくは、前記周囲光レベルと比べて、数倍高い、例えば、少なくとも10倍高い。前記高さHは、前記側壁の前記長さLにわたって一定であってもよく、又は他の例においては、前記高さHは、前記側壁の前記長さLにわたって可変である。可変高さHの場合には、前記高さは、前記ペンダント照明器具の前記第1主面の形状に適応され得る。例えば、細長い矩形の第1主面の場合には、前記光放射窓の前記高さHは、例えば、その長さ方向において、前記矩形の角に向かって、減少していくことができ、先細の構成の前記照明器具を提案し、前記照明器具がより洗練されて見えるようにする。
【0010】
前記側壁の少なくとも1つの縁端部が隠される限り、前記照明器具の実際の厚さは、決定されることができず、従って、本発明の照明器具の実施例においては、前記光放射窓は、前記側壁の第1縁端部から前記側壁の第2縁端部の方へ延在してもよく、又は前記光放射窓は、前記側壁の第2縁端部から前記側壁の第1縁端部の方へ延在してもよい。一般に、前記側壁は、例えば、前記第1主面が、円形又は長円形の形状を持つ場合に、前記第1主面のまわりの全周囲のものである。他の例においては、前記第1主面の境界が、多くの識別可能な側壁によって形成され、前記側壁は、例えば、前記第1主面が、正方形、凧又は矩形の形状を持つ場合に、識別されることができ、その場合、少なくとも1つの側壁が、光放射窓を有する。より多くの側壁がある場合には、好ましくは、各側壁が、各々の光放射窓を持ち、これらの光放射窓の高さH及び/又はこれらの光放射窓から発せられる光束は、互いに同じであってもよく、又は異なっていてもよい。前記光放射窓が、前記第1縁端部から前記第2縁端部の方へ延在し、前記光出射窓が、前記第1主面全体にわたって延在する場合には、前記光放射窓及び前記光出射窓は、一緒に、物理的に又は実質上、一体化している光出射窓を形成する。一般に、前記側壁は、閉じたハウジングを形成し、斯くして、前記ハウジング内に塵が積もるのを防止するよう、前記第1主面と前記第2主面を接続するが、他の例においては、前記ハウジングは、容易な組立てのための「ボックス及び蓋」の構成のものであってもよい。その場合、前記第1及び第2主面は、各々の(部分的な)側壁を持ち、次いで、別々の特別なパーツ、例えば、スペーサを介して、互いに接続され得る。
【0011】
グレアのリスクは、考慮に入れられるべきであり、例えば、前記光放射窓を介して発せられる光束の適切な設定によって、又は前記光出射窓に対する垂線と、前記光放射窓から発せられるような光ビーム(の主方向)との間の65°の臨界角未満の指向性によって、回避されるべきである。これは、例えば、前記光放射窓において前記光源光を望ましい方向に向け直す屈折/反射構造、例えば、回折格子、フレネルレンズ、中間光学構造(meso-optic structure)若しくはマイクロレンズ光学部品を、前記光放射窓に設けることによって、又は他の例においては、前記光放射窓の方への望ましい方向に光源光の細いビームをもたらす光学部品、例えば、放物面反射器/コリメータを、前記光源に設けることによって、達成されることができる。前記光放射窓からの、65°より大きい角度における光放射が、グレアをもたらさないかすかな周囲照明を生成するよう、低い光レベルを持つことは好ましいだろう。更に、前記光放射窓からのこのような低い明るさの放射は、前記照明器具から相対的に大きい距離からの、前記光源の動作状態に関する、即ち、前記照明器具の前記光源がオン/オフに切り替えられているかどうかの、簡単なチェックを可能にする。
【0012】
前記照明器具の実施例は、前記第1光源が、前記光出射窓の方へ主光放射方向を持ち、前記第2光源が、前記光放射窓の方へ主光放射方向を持つことを特徴とする。その場合、光強度のより容易な制御が達成され、その場合、より広範囲の光強度設定が可能になる。更に、前記第1光源及び前記第2光源が、独立して制御可能であること、例えば、好ましくは、前記第1光源及び前記第2光源が、別々の電気的接続部を持ち、且つ/又は各々の別々のPCBに取り付けられることを特徴とする前記照明器具の実施例は、更に好ましい。その場合、前記光出射窓及び前記光放射窓から発せられるような光束のレベル及び比は、周囲の状況に対して更に容易に調節可能であり、従って、望ましい隠す効果が、より容易に最適化され得る。
【0013】
光源が個々に制御可能であるというこの特徴は、とりわけ、前記第2主面が他の光出射窓を有する本発明による照明器具の実施例において、興味深い。その場合、様々な光放射窓及び光出射窓を通して発せられる光源光の光束及び色(温度)の両方が、要望通りに調節可能である。
【0014】
前記照明器具の実施例は、前記光出射窓と前記光放射窓との間に、非光放射周囲領域が含まれることを特徴とする。この非光放射領域は、前記側壁の前記光放射窓が、前記側壁の第2縁端部から前記側壁の第1縁端部の方へ延在すること、及び/若しくは前記光出射窓が、前記第1主面全体にわたっては延在しないこと、又は前記光出射窓が、前記第1主面全体にわたって延在し、且つ前記光放射窓が、前記側壁の第2縁端部から前記側壁の第1縁端部の方へ延在することによって、得られ得る。本発明の照明器具のこれらの実施例は、照明される幾らかより厚いリング内で浮いている相対的に非常に平坦な照明器具という肯定的な印象を与える。前記光出射窓のまわりに二重リングを持つことも可能である。それに対して、本発明の照明器具の実施例は、前記側壁が、0.2*W乃至0.6*Wの範囲内にある高さHBを持つ遮光帯によって互いに分離された前記光放射窓及び他の光放射窓を有することを特徴とする。前記第1主面及び前記第2主面の両方が各々の光出射窓を有する本発明による照明器具の実施例においては、これらは、前記側壁に含まれる前記光放射窓のうちの関連するものと整合され得る。
【0015】
前記光出射窓が前記第1主面全体にわたって延在する場合には、2つ以上の照明器具を、それらの第1側壁が互いに当接し、それらの第1主面が光学的に1つの一体化している面として知覚され、従って、実質上、1つの拡張された照明される光出射窓が形成されるように、接続することが可能である。従って、連続的な光放射(つり)天井を作成することが可能になる。
【0016】
本発明による照明器具の実施例は、前記ハウジングが音響吸収性材料を有することを特徴とする。とりわけ、音響吸収性照明器具は、相対的に厚く、それらの厚みは、望ましくないノイズ/音の十分な低減を得るために必要とされ、本発明の方策は、これらのタイプの照明器具が、より薄く、審美的により魅力的に見えるようにする。
【0017】
本発明による照明器具の実施例が、交換可能な光源を有することは可能であり、又は本発明による照明器具の実施例が、固定された内蔵光源を有することは可能である。とりわけ、光源としてLEDが用いられる場合には、前記照明器具の前記ハウジングに既に内蔵されている前記光源を有することは、非常に便利である。なぜなら、LEDの寿命は、故障という理由での光源の交換が必要とみなされないような寿命であるからである。
【0018】
この明細及び請求項において「光源」と書いてある場合、この表現は、単一の、LED、低圧水銀放電蛍光灯、高圧ガス放電ランプのような少なくとも1つの単一の光源を指してもよく、又はPCBに取り付けられる多数のLED若しくはハロゲン白熱灯のような(同様の)光源の少なくとも1つのアレイを指してもよく、又は一緒に白色LED光源を形成するRGB(A)のLEDのような一緒に複合光源を形成する少なくとも1つの複数の一次光源を指してもよい。
【0019】
前記照明器具の前記第1主面及び/又は前記第2主面は、平坦な面であってもよいが、他の例においては、ファセット化されてもよく、わずかに湾曲していてもよく、又はかすかな波のような(subtle wave-like)湾曲を持っていてもよい。前記第1主面及び前記第2主面は、一般に、互いに対して平行に構成されるが、他の例においては、前記第1主面及び前記第2主面のうちの一方の面は、平坦であるのに対して、他方の面は、湾曲していてもよく、ファセット化されてもよく、又は波のような湾曲を持っていてもよい。
【0020】
「前記側壁が前記第1主面に境界をつける」という表現は、前記側壁が、前記第1主面と物理的な接触をしている実施例と、前記側壁が、前記第1主面の仮想境界を形成する実施例との両方を含むものである。換言すれば、前記側壁の前記第1縁端部と、前記第1主面の物理的な境界との間には、相対的に小さなギャップ、例えば、同じ方向に前記第1主面の寸法の多くとも5%の幅を持つギャップがあってもよい。
【0021】
本発明による照明器具は、ペンダント照明器具に代わり、壁及びファサードに取り付けられることもできる。これらの照明器具が、音響減少目的のために取り付けられる場合には、音/ノイズを十分に吸収するために相対的に大きな厚み(W)が必要とされる。これらの照明器具の場合にも、視覚的により審美的な外観を持つことは望ましく、従って、本発明は、ペンダント照明器具、天井に取り付けられる照明器具、及び壁に取り付けられる照明器具に適用される。
【0022】
ここで、概略的な図面を用いて、本発明を更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による照明器具の第1実施例の下からの斜視図を示す。
【
図2】本発明による照明器具の第2実施例の下からの斜視図を示す。
【
図3】本発明による照明器具の第3実施例の長さ方向における部分断面図を示す。
【
図4】本発明による照明器具の第4実施例の部分断面図を示す。
【
図5】本発明による照明器具の第5実施例の部分断面図を示す。
【
図6】本発明による照明器具の第6実施例の部分断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、かすかな波のような湾曲を持ち、電源に電気的に接続されており、吊りケーブル3を介して天井から吊り下げられている、照明器具1の本発明第1実施例の下からの斜視図を示している。前記照明器具は、第2主面9の反対側の、距離Wのところに第1主面7を持つハウジング5であって、光源光(図示せず)を生成するための光源(図示せず)を収容するハウジング5を有する。前記第1主面は、光出射窓17として拡散器を有し、前記光出射窓17は、前記第1主面全体にわたって延在し、光源光を拡散透過し、各々が各々の長さLa、Lb、Lc、Ldを持ち、前記第1主面から横方向に延在する少なくとも4つの側壁19a、19b、19c、19dによって境界をつけられる。各側壁の各々の第1縁端部21a、21b、21c、21dは、前記第1主面に境界をつける。各側壁は、本質的にその全長Lにわたって、光源光を透過し、約0.25*Wである高さHを持つ各々の光放射窓25a、25b、25c、25dを有する。前記光放射窓は、それらの第1縁端部で、前記光出射窓に境界をつける。
【0025】
図2は、本発明によるペンダント照明器具1の第2実施例の下からの斜視図を示している。前記照明器具は、第2主面9の反対側の、距離Wのところに第1主面7を持つハウジング5であって、光源光(図示せず)を生成するための光源(図示せず)を収容するハウジング5を有する。前記第1主面は、光出射窓17を有し、前記第2主面9は、他の光出射窓25を有する。側壁19は、0.55*Wの高さHBを持つ遮光帯29によって互いに分離される光放射窓23及び他の光放射窓27を有する。前記他の光放射窓は、多くの、この場合には、25000個の、丸いドットとして実施される相対的に小さな光透過性サブ窓24によって形成される。これらのサブ窓は、相対的に大きな距離離れたところから観察される場合に、まとまって1つの大きな光放射窓になり、実質上、1つの光透過性領域を形成するのに対して、相対的に小さな距離離れたところから観察される場合に、詳細なズームの図に示されているように、前記照明器具が、審美的で、装飾的な特徴を持つようにする。
【0026】
図3は、本発明による照明器具1の第3実施例の長さ方向における部分断面図を示している。前記照明器具は、光源11、即ち、この図においては、第1ランバートLED光源11aのアレイ及び第2ランバートLED光源11bのアレイが収容されるハウジング5を持つ。前記照明器具は、更に、前記第1光源のアレイと関連する光出射窓17を持ち、且つ前記第2光源のアレイと関連する光放射窓23を持つ。前記光放射窓は、その第1縁端部21で、前記光出射窓に境界をつける。光源の各アレイは、関連する光源のアレイの強度/明るさを独立して制御し、斯くして、光源光13の光束を、各々、前記光出射窓及び前記光放射窓から発せられるよう独立して制御する各々の制御装置15a、15bによって制御される。配線31は、前記制御装置が、その関連する光源の近くに配置され得るので、相対的に短くなり得る。
【0027】
図4は、
図3の断面図と同様の、本発明による照明器具1の第4実施例の部分断面図を示している。光源11は、ハウジング5内に収容され、この実施例においては、第1光源として、第1の細長い蛍光灯11aの対を有し、第2光源として、第2の細長い蛍光灯11bの対を有する。蛍光灯11a及び11bは、各々、蛍光灯11a及び11bが、関連する窓の方へ主光放射方向55を持つようにするよう、各々の、関連する窓と反対の側に、各々の反射性コーティングを具備する。前記光源は、全て、単一の制御装置15によって制御され、独立して制御可能ではない。第1主面7は、非光放射周囲領域33によって囲まれる光出射窓17を持つ。側壁19は、前記側壁の第1縁端部21にも第2縁端部35にも境界をつけず、約0.5*Wの高さHを持つ光放射窓23を持つ。
【0028】
図5は、
図3の断面図と同様の、本発明による照明器具1の第5実施例の部分断面図を示している。前記照明器具のハウジング5は、特別なコネクタ41、例えば、スペーサを介して互いに接続されるボックス37及び蓋39を有する。この実施例においては、側壁19は、第1主面7と第2主面9との間の全距離Wにわたっては延在せず、この実施例においては、前記側壁は、距離Wの約65%にわたって延在する。前記側壁の光放射窓23は、高さHを持ち、高さHも、Wの約65%である。前記光放射窓は、前記第1主面に対する垂線Nと65°より小さい角度αの方向に光源光12を向け直す、中間光学屈折構造43を具備するが、中間光学屈折構造43は、任意の屈折及び/又は反射構造、例えば、回折格子、マイクロレンズ光学部品又はフレネルレンズであってもよい。前記ハウジングは、光源11を収容するだけでなく、前記照明器具が、例えば、約10乃至15cmの相対的に大きい厚さ(W)を持つようにする、音響吸収性材料45も収容する。
【0029】
図6は、
図3の断面図と同様の、本発明による照明器具1の第6実施例の部分断面図を示している。前記照明器具は、わずかに湾曲しており、その側壁19は、第2縁端部35から第1縁端部21の方へ延在する光放射窓23を有する。前記光放射窓は、前記側壁の周囲にわたって可変高さHa、Hb、Hcを持ち、前記照明器具の中央領域47から前記照明器具の周囲領域49の方へ先細りになる。前記光放射窓は、光源光12を拡散透過する。第1光源11aは、PCB51に取り付けられる、前記光出射窓に面するLEDのアレイであり、第2光源11bは、第2光源11bからの光の主放射方向が前記光放射窓の方向であるようにするよう反射器53を備える細長いハロゲン白熱灯である。光源11a及び11bは、独立して制御可能である。