特許第6854650号(P6854650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854650
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】電力消費量を管理する装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20210329BHJP
   H02J 3/14 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   H02J13/00 311T
   H02J3/14
   H02J13/00 301A
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-574502(P2016-574502)
(86)(22)【出願日】2015年3月10日
(65)【公表番号】特表2017-511684(P2017-511684A)
(43)【公表日】2017年4月20日
(86)【国際出願番号】FR2015050596
(87)【国際公開番号】WO2015136216
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2018年1月19日
(31)【優先権主張番号】1452094
(32)【優先日】2014年3月13日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513293016
【氏名又は名称】ヴォルタリ
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デリジー,フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ルフェーブル ドゥ サン ジェルマン,ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】ウーリー,ジャン−マルク
(72)【発明者】
【氏名】ハインツ,ブリュノ
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−223327(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/034861(WO,A1)
【文献】 特開2010−213411(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第10062109(DE,A1)
【文献】 特開2002−159119(JP,A)
【文献】 特開2002−171643(JP,A)
【文献】 特開平10−104279(JP,A)
【文献】 特開平05−168124(JP,A)
【文献】 特開2002−374602(JP,A)
【文献】 特開2002−158457(JP,A)
【文献】 特開2002−076661(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0112831(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気設備の電流源に連結された電流線との連結部を夫々受容することができ、入力コネクタと出力コネクタの形成に適した複数のコネクタ(28)と、
前記電流線と接続され、前記電流線は前記入力コネクタの少なくとも1つおよび前記出力コネクタの少なくとも1つに連結され、各電流線を通る電流を測定することが可能で、少なくとも5Aの電流を通すことができる分流器(38)および前記コネクタ(28)のうちの1つに連結され、前記電流線への電流の供給が選択的かつ個別に中断されることを可能とし、有意量の熱を消散するリレー(40)を含む電子要素(38),(40)を受容するプリント回路を備え、前記電流線上の電力消費量を管理する処理回路(6),(8)であって、測定回路(6),制御回路(8)により夫々形成される処理回路(6),(8)と、
低電圧の配電盤に設置されることが可能で、2つの反対側の端部(15),(17)と、各端部(15),(17)に沿う少なくとも1つの開口(14,16)とを有するボックス(4)であって、一方で前記ボックス(4)の前記反対側の端部(15),(17)に沿って前記複数のコネクタ(28)を、他方で前記反対側の端部(15),(17)の間に前記処理回路(6),(8)を収容する、ボックス(4)と、を備え、
前記処理回路(6)は、前記コネクタ(28)に連結された1つ以上の電流線の瞬間的な電力消費量を決定するよう設計された前記測定回路(6)であり、
前記処理回路(8)は、前記コネクタに連結された前記電流線のうちの1つ以上の電流線の電流の供給を選択的に中断するように設計された前記制御回路(8)であり、
前記処理回路(6),(8)の前記プリント回路は、第1の分離空間と第2の分離空間とを画定するように前記ボックス(4)内に配置され、少なくとも5Aの電流を導通することができる前記電子要素(38),(40)は、前記ボックス(4)の前記反対側の端部のうちの一方に近接して、前記複数のコネクタ(28)と共に前記第1の分離空間内に収容されるように、前記プリント回路上に受容され、
前記第1および第2の分離空間を画定する前記プリント回路は、前記制御回路(8)の前記プリント回路であり、前記測定回路(6)の前記プリント回路は、前記制御回路(8)の前記プリント回路の平面に対して略直交して延在し、前記測定回路(6)および前記制御回路(8)の最も多くの熱を放出し易い電力導体である電気または電子要素としての前記コネクタ(28)、前記分流器(38)および前記リレー(40)が前記第1の分離空間に収容され、
前記複数のコネクタ(28)が前記電流線を受容するときに前記開口(14),(16)のうちの少なくとも幾つかは部分的に断面方向の空間が空いたままであり、それらの開口(14),(16)には蓋がされておらず、当該空間を通じて、前記開口(14)、(16)の一方から前記ボックス(4)の内部空間としての前記第1の分離空間を経て前記開口(14)、(16)の他方への空気流を形成することが可能である
ことを特徴とする、電力消費量を管理する装置。
【請求項2】
前記開口(14),(16)のうちの少なくとも幾つかは、前記複数のコネクタ(28)のうちの少なくとも幾つかを受容することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のコネクタ(28)が前記電流線を受容するとき、前記ボックス(4)の前記端部のうちの一方(15)の前記開口(14)における前記電流線が占めていない空きの断面積は、前記ボックス(4)の他端部(17)の前記開口(16)における前記電流線が占めていない空きの断面積よりも大きいか、または等しいことを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記測定回路(6)は、前記第1の分離空間に配置された複数の分流器(38)を備え、各分流器(38)は、前記入力コネクタおよび前記出力コネクタを備える各対のコネクタ(28)と、各分流器(38)を通る電流を測定する装置とに連結されることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路(8)は、リレー(40)、トライアック‐ダイアックおよびサイリスタを含む群の中から選択される複数の要素を備え、前記要素は、前記第1の分離空間に配置され、前記入力コネクタおよび前記出力コネクタを含む各対のコネクタ(28)に夫々連結されることを特徴とする、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記第2の分離空間に配置された供給回路(10)を更に含むことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の分離空間に配置されたパイロット回路(12)を更に含むことを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
23kWの電力を管理できることを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記ボックス(4)の幅1ミリメートル当り426Wの電力を管理できることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記ボックス(4)のcmの単位体積当り72Wの電力を管理できることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力消費量を管理する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気の生成と消費のバランスの問題は、消費量のバラツキや電気エネルギーが貯蔵できないことを理由に、頻繁に生じている。この制約により、電気システムの関係者は、消費量がピークの期間だけでなく適宜生成と消費量を調節する手段を利用する必要がある。
【0003】
この問題に対処するため、本出願人は、広範囲にわたる削減という概念、すなわちユーザが知らない内に、特定の電気設備の動作を同期的かつ一時的に中断することによって消費量を調整する原理を開発した。
【0004】
したがって、各箇所の利用の瞬間的な消費量を測定することができ、および/または命令を受けて供給を中断することができる装置が必要とされている。
【0005】
かかる装置は、大きさが制限された電気設備(例えば家庭または第3次産業の現場の電気基板等)に設置される必要があるため、このような装置達成はより一掃複雑であり、したがって、非常に大きな制約を示唆している。
【0006】
これらの寸法的な制約に加えて、規制による制約が生じる。実際、能動的な冷却手段における欠陥は、例えば火災を引き起こす危険性があるため、また、装置は、これらの装置を保護するためにロックされてユーザが接触することができないため、これらの装置では能動的な冷却手段を使用することが許可されない。
【0007】
しかしながら、電流を測定または中断するために、電流は特定のインピーダンスを示す要素を通して迂回させる必要がある。関連する電流および電圧(5つの経路において230Vで最大20A)を考慮すると、受動的に消費される瞬時電力は、約100〜200Wであり、これは、検討されている限られた空間では(例えば、電気基板に一体化した製品という典型的な事例において)極めて高い。
【0008】
既存の装置は不十分である、すなわち、既存の装置は大き過ぎである、または、2つ以上の線に関して電流が測定および/または中断されることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、このような状況の改善である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のため、本発明は、電力消費量を管理する装置であって、
電流線との連結部を夫々受容することができ、入力コネクタと出力コネクタの形成に適した複数のコネクタと、
前記電流線と接続され、前記電流線は前記入力コネクタの少なくとも1つおよび前記出力コネクタの少なくとも1つに連結され、電子要素を受容するプリント回路を備え、電流線上の電力消費量を管理する処理回路と、
低電圧の配電盤に設置されることが可能で、2つの反対側の端部と、各端部に沿う少なくとも1つの開口と、を有するボックスであって、一方で前記ボックスの前記反対側の端部に沿って前記複数のコネクタを、他方で前記反対側の端部の間に前記処理回路を収容し、前記コネクタが電線を受容するときに前記開口のうちの少なくとも幾つかは部分的に断面方向の空間が空いたままであり、それらの開口には蓋がされておらず、当該空間を通じて空気循環が可能であるボックスとを備える電力消費量を管理する装置を提案する。
【0011】
前記処理回路の前記プリント回路は、第1の分離空間と第2の分離空間とを画定するように前記ボックス内に配置され、少なくとも5Aの電流を導通することができる電子要素は、前記ボックスの前記反対側の端部のうちの一方に近接して、前記複数のコネクタと共に前記第1の分離空間内に収容されるように、前記プリント回路上に受容される。
【0012】
この装置の前記設計および前記処理回路の前記プリント回路の前記特定の配置により、空気循環通路を画定することが可能になる。
【0013】
様々な変形の実施の形態によれば、前記装置は以下の特徴、すなわち、
前記開口のうちの少なくとも幾つかは、前記複数のコネクタのうちの少なくとも幾つかを受容し、
前記コネクタが電流線を受容するとき、前記ボックスの前記端部のうちの一方の前記開口における前記電流線が占めていない空きの断面は、前記ボックスの他端の前記開口における前記電流線が占めていない空きの断面よりも大きいか、または等しく、
前記処理回路は、前記出力コネクタに連結された1つ以上の電線の瞬間的な電力消費量を決定するよう設計された測定回路であり、
前記測定回路は、入力コネクタと出力コネクタを備える各対のコネクタに連結され、各分流器を通る電流を測定する装置に連結された、前記第1の分離空間に配置された複数の分流器を備え、
前記処理回路は、前記出力コネクタに連結された前記電線のうちの1つ以上の電線の電流の提供を選択的に中断するように設計された制御回路であり、
前記制御回路は、リレー、トライアック‐ダイアックおよびサイリスタを含む群の中から選択される複数の要素を備え、前記要素は、入力コネクタと出力コネクタを含む各対のコネクタに夫々連結された、前記第1の分離空間に配置され、
前記第1および第2の分離空間を決定する前記プリント回路は、前記制御回路の前記プリント回路であり、前記測定回路の前記プリント回路は、前記測定回路および前記制御回路の最も多くの熱を放出し易い電力導体が、前記第1の分離空間に収容されるように、前記制御回路の前記プリント回路に対して略直交して延在し、
前記装置は、前記第2の分離空間に配置された供給回路を更に含み、
前記装置は、前記第2の分離空間に配置されたパイロット回路を更に含み、
前記装置は、23kWの電力を管理でき、
前記装置は、前記ボックスの幅1ミリメートルあたり426Wの電力を管理でき、
前記装置は、前記ボックスのcmの単位体積あたり72Wの電力を管理できる、
といった特徴を示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の非制限的な例示に由来し、図の説明を読むことによってさらに明らかになる。
図1図1は、電気基板に設置された状態のように配置された本発明の装置の正面概略図である。
図2図2は、図1の矢印IIに沿う概略図である。
図3図3は、図1の矢印IIIに沿う概略図である。
図4図4は、図1の矢印IVに沿う概略図である。
図5図5は、図4の矢印Vに沿う図1の装置の内部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面および以下の説明は、基本的に明確な特性の要素を含んでいる。したがって、図面および以下の説明は、本発明をより良く説明するのに役立つだけでなく、必要に応じてその定義に寄与することができる。
【0016】
図1図5は、本発明の1つの実施の形態の幾つかの図を示している。したがって、必要に応じて図面を参照しながら説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る、電力消費量を管理する装置2を表している。図1は、正面の概略図であり、例えば、この装置2は、電気基板の所定の位置にあるときに見られる。以下では、「上」または「底」、「左」または「右」等の相対的用語は、この基準となる図に関して定義されている。同様に、図1に関して幅および高さを、図1の平面に直交する方向に関して奥行を指示することができる。
【0018】
装置2はボックス4を含み、ボックス4は、ここで説明する例では、測定回路6、制御回路8、供給回路10およびパイロット回路12(図4図5を参照)を収容している。測定回路6と制御回路8は、夫々処理回路を形成している。
【0019】
ここで説明する例では、ボックス4は、電気設備の電流源に連結された電線を受容するために一端15に沿って形成された参照番号14の5つの貫通開口と、電力消費量の管理をしようとする電線を受容するために反対の端17に沿って形成された参照番号16の4つの貫通開口とを含んでいる。したがって、開口16の数よりも1つ多い開口14が存在する。更なる開口14(図1の一番左)は、装置2に電力を供給するために使用される。開口14,16は、ボックス4が低電圧の配電盤に受容されるときにボックス4の上部および底部を夫々画定するボックス4の両端15,17の水平面に設けられる。
【0020】
ここで説明する例では、更なる開口14を除いて、その他の開口は、ペア単位で考えられ、各対は、管理対象のひとつの電線に関連する。したがって、図1では、一番右の開口14は、一番右の開口16と対を形成し、右から2番目の開口14は、右から2番目の開口16と関連し、中央の開口14は、左から2番目の開口16と関連し、左から2番目の開口14は、一番左の開口16と関連する。各電線は、以下に説明される端子板によって開口14または16内の所定の位置に保持され、その締付けねじ20は見られることができる。ボックス4には、中性電線を受容するための4つの開口22も見られる。変形として、開口22は省略されてもよい。変形として、ねじ20は、クリップ、または任意のその他の適切な固定機構と取り換えられることができる。
【0021】
電気的な観点から、且つ更なる開口14を無視すると、ここで説明される例の開口14は入力開口であり、開口16は出力開口である。変形として、開口14の一部または全てが出力開口であることができ、開口16の一部または全てが入力開口であることができる。さらに、開口14および16は、上記で説明された方法とは異なるように関連させることもできる。
【0022】
図2は、矢印IIに沿う図1の装置の図を示し、したがって、上から見た図として見ることができる。図2は、入力開口14および中性電線を受容するための開口22のより良い図を提供する。
【0023】
図2に見られるように、各開口14は、コネクタ28が受容される凹部26が見られる端子板24を受容する。このように、端子板24とコネクタ28の間に電線が受容されることができ、ねじ20により、これらの結合が可能になる。本明細書にて説明される例では、コネクタ28は薄板形状を有する。各端子板の形状は、電線が端子板24とコネクタ28の間に受容されるときに、開口14および凹部26が少なくとも部分的に空いているように設計されるため、各端子板24の水平面におけるボックス4の内側と外側の間には貫通開口29が常に存在している。
【0024】
図3は、矢印IIIに沿う図1の装置の図を示し、したがって、下からの図として見ることができる。図3は、出力開口16のより良い図を提供する。
【0025】
図3に見られるように、各開口16は、コネクタ28が受容される凹部26が見られる端子板24を受容する。このように、端子板24とコネクタ28の間に電線が受容されることができ、ねじ20により、これらの結合が可能になる。本明細書にて説明される例では、コネクタ28は薄板形状を有する。各端子板の形状は、電線が端子板24とコネクタ28の間に受容されるときに、開口16および凹部26が少なくとも部分的に空いているように設計されるため、各端子板24の水平面におけるボックス4の内側と外側の間には貫通開口29が常に存在している。
【0026】
本明細書にて説明される例では、開口14(装置2が電気基板に設置されるときに上面に配置されるように設計される)の一組の貫通開口29の断面は、開口16(装置2が電気基板に設置されるときに底面に配置されるように設計される)の一組の貫通開口29の断面に略等しい。
【0027】
前記コネクタが電流線を受容する時、装置2が電気基板に設置されるときに上面に配置されるように設計されるボックス4の端部の開口における前記電流線が占めていない空きの断面は、ボックス4の対向する端部の開口における前記電流線が占めていない空きの断面よりも大きい。
【0028】
したがって、問題となるのは、電線を受容した後の空き面積であることは明白である。開口14,16の数は重要ではない。さらに、空気循環を可能にするための端部15,17に沿う開口14,16が設けられる一方で、コネクタ28はボックス4を閉じるように受容されることができる。
【0029】
図4は、矢印IVに沿う図1の装置の図を示し、したがって、側面図として見ることができる。図4は、ボックス4の形状と、点線で(透視法で)表される測定回路6、制御回路8、供給回路10とパイロット回路12のより良い図を提供している。
【0030】
図4に見られるように、ボックス4には、図1図3にも見られる深さに関して3つの異なる部分が見られる。参照記号Aの第1の部分は、最小の深さを示し、開口14および16を受容する。参照記号Bの第2の部分は、最大の深さを示し、パイロット回路12を受容する。最後に、参照記号Cの第3の部分は、参照記号Aの第1の部分と参照記号Bの第2の部分の間に配置され、供給回路10と開口22を受容する。
【0031】
測定回路6は、最小の深さを示す参照記号Aの第1の部分に部分的に、且つ参照記号Cの第3の部分に部分的に受容される。制御回路8は、測定回路6に対して略垂直に配置され、参照記号Aの第1の部分に受容される。
【0032】
参照記号Aの第1の部分は、参照記号Cの第3の部分よりも僅かに大きい高さを示す。これにより、コネクタ28と端子板24を締め付けるためにねじ20に接触できる。参照記号Bの第2の部分は、電気基板内の設置によって制約されるため、最小の高さを示す部分である。
【0033】
実際、一旦装置2が電気基板に設置されると、ユーザは、図4では一番左側の参照記号Bの第2の部分の壁面に対応する部分しか見えない。しかしながら、熱的な観点からは、部分B,Cは、制御回路8まで延在する単一の空間として見ることができる。以下に見られるように、制御回路8は、制御回路8の両側で、夫々ボックス4内に2つの空間を画定する。
【0034】
図4に見られるように、ボックス4にはカバー30が見られる。カバー30には、電気基板に固定するための手段を示す矢印Vの方向に沿って突出する2つの部分32がある。
【0035】
図5は、図4の矢印Vに沿う図1の装置の内部の図を示している。コネクタ28は、制御回路8上に受容された半田溶接部36および分流器38によって測定回路6に連結される。管理しようとする電線(すなわち、装置2の供給を意図する電線以外の全て)に対応する4つの半田溶接部36は、夫々分流器38の内の1つに連結される。分流器38により、各電線を通る電流を測定することが可能になる。したがって、例えば装置2に供給することを意図する電線の供給電圧の並行した測定により、管理対象の電線の各々で消費される電力を回収することが可能になる。分流器38は、5Aの電流を通すことができ、分流器毎に約8Wの大量の熱を消散させる電子要素を構成する。
【0036】
図5は、制御回路8に連結されたブロック40も示している。ブロック40は複数のリレーを含み、複数のリレーは、夫々、出力開口16のコネクタ28のうちのひとつに連結され、電線への供給が選択的かつ個別に中断されることを可能にする。切り替え時、ブロック40のリレーも有意量の熱を消散し易い。変形として、ブロック40のリレーは、トライアック‐ダイアック、サイリスタ、または電流を制御するためのその他の電子要素と交換されることができる。変形として、ブロック40は、全ての電線の供給を同時に中断または命令するように設計されることができ、単一のリレー、トライアック‐ダイアックまたはサイリスタを含むことができる。
【0037】
したがって、制御回路8が、ボックス4を2つの空間に分割するプリント回路を含むことは明らかである。第1の空間は、上述のように、開口14および16を含み、コネクタ28、分流器38およびブロック40を収容する。
【0038】
このように、最も多くの熱を放出する要素の全てが第1の分離空間に配置され、これらの中でも、最も多くの熱を放出する要素、すなわち、分流器38は、装置2が電気設備内の所定の位置に取付けられたときに第1の分離空間の上部に配置される。
【0039】
特に指定しない限り、最も多くの熱を放出する要素は、開口14に受容されるコネクタ28に近接して、すなわち、ボックス4が低電圧の配電盤に受容されるときにボックス4の上部を画定する端部に近接して配置される。測定回路6および/または制御回路8は、コネクタ28を受容し且つボックス4が低電圧の配電盤に受容されるときにボックス4の上部および底部を夫々画定するボックス4の端部の間に受容される。
【0040】
本明細書にて説明される例では、最も少ない熱を放出する装置2の要素は、第2の空間に受容される。変形として、最も少ない熱を放出する要素のうちの少なくとも幾つかは、第1の空間に受容されることもできる。
【0041】
開口14および16は、入力および出力で電線を受容するときでも開口したままであり、且つ第1の空間は、最も多くの熱を放出する装置2の要素の全てを受容するため、この装置2の配置により、第1の空間に空気流を形成することが可能になる。
【0042】
この配置により、装置2が閉じ込める通電要素の熱の大量の放出にもかかわらず装置2を受動的に冷却することが可能になる。
【0043】
通過する電流のために最も多い熱を放出し易い通電の電気または電子要素は、「高温要素」という表現で表されてもよい。例えば、分流器は、夫々4.6kWの平均電力の電流を受ける可能性があり、したがって、大きな放熱容量を必要とする。したがって、これは最大23kWの管理対象の電力を表している。
【0044】
逆に、「低温要素」は、例えばパイロット回路12のマイクロコントローラ等の、最も少ない熱を放出し易い通電要素を意味するものと理解される。したがって、「高温要素」および「低温要素」という用語は、相対的な性質のものではあるが、本発明の枠組みの範囲内で正確な技術的意味を見出す。
【0045】
測定回路6および制御回路8の高温要素は第1の分離空間に位置し、低温要素は第2の分離空間内に位置している。これは、第1の分離空間と第2の分離空間の間で分離壁として機能するプリント回路を有する制御回路8の場合、高温要素と低温要素をプリント回路の両側に溶接することによって達成される。制御回路8のプリント回路の平面に対して直交するように配置された測定回路6の場合、制御回路8の両側に高温要素と低温要素を溶接すれば十分である。この「90°」の配置により、装置2の設置面積を極限まで抑えることが可能になり、したがって、320cmの体積につき3U、すなわち約54mmの設置面積において4つまたは5つの電線の管理に寄与することが可能になる。
【0046】
本明細書にて説明される例では、装置2は、2つの処理回路、すなわち測定回路6と制御回路8を含んでいる。変形として、装置2は、単一の処理回路、すなわち測定回路6と制御回路8のみ、または別の処理回路を含むことができる。同様に、供給回路10とパイロット回路12は、変形として省略でき、それらの機能の一部または全てが処理回路で直接実施される。装置2に供給するために使用される第5の線は省略でき、または他の4つの電線のように管理される電線でもよく、したがって、装置2は5つの電線を管理する。
【0047】
本明細書にて説明される例では、パイロット回路12は、広範囲にわたる削減を制御するための遠くに設置されたボックスとの無線またはCPL通信ユニットを含んでいる。したがって、パイロット回路12は、測定回路6から生データを受信し、この生データから、装置2に連結された各電線の瞬間的な消費を導き出している。更に、パイロット回路12は、装置2に連結された電線のうちの1つ以上の電線の電流を中断するため、または変調するために、制御回路8を制御するように広範囲にわたる削減制御ボックスからデータを受信することができる。最後に、パイロット回路12は、広範囲にわたる削減制御ボックスを必要とすることなく、局所的な機能に基づいて装置2に連結された電線のうちの1つ以上の電線の電流を中断するため、または変調するために埋込み知能を有することもできる。変形として、パイロット回路12は、ホームオートメーションシステム、または電気設備の供給の管理が有用である任意のその他のシステムと交渉するなど、その他の機能を実行するように設計することができる。
【0048】
本発明は、特に、低電圧の設備、すなわち約230V(または110V)および最大で1000Vの電圧と、各線につき5アンペアよりも大きい電流であって、説明される例では各線につき約20アンペアの電流を示す設備の電力消費量を管理することにその用途を見出すことに留意されたい。高電圧(>1000V)または非常に低い電圧(<100V)の電力設備は、装置を収容するために利用可能な体積を組み合わせること、および消費される電力という観点では同じ課題が生じない。
図1
図2
図3
図4
図5