特許第6854734号(P6854734)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854734
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】カテーテルトレイ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
   A61M25/00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-161887(P2017-161887)
(22)【出願日】2017年8月25日
(65)【公開番号】特開2019-37508(P2019-37508A)
(43)【公開日】2019年3月14日
【審査請求日】2020年2月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591029921
【氏名又は名称】フジモリ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085556
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100115211
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 三十義
(72)【発明者】
【氏名】薮 尚伸
(72)【発明者】
【氏名】多田 裕一
【審査官】 岡▲さき▼ 潤
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0206623(US,A1)
【文献】 米国特許第05344011(US,A)
【文献】 国際公開第2011/033939(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手元操作部からフレキシブルなシャフトが延びるカテーテルを保持するカテーテルトレイであって、
前記手元操作部を保持する手元保持部と、
前記シャフトを巻回した巻回体の周方向の一部分を除く部分をはみ出させて前記一部分を保持する巻回保持部と、
を備え、前記手元保持部には、前記カテーテルトレイの長手方向に沿って直線状に延びるとともに前記手元保持部が収容される手元保持溝と、前記手元保持溝の長手方向の中間部を横断するように前記カテーテルトレイの幅方向に延びて前記カテーテルトレイの幅方向の両縁に達する横断凹部とが形成され、
前記巻回保持部には、前記巻回体の前記一部分が収容される円弧状の巻回保持溝が形成され、かつ前記手元保持溝と前記巻回保持溝の延び方向の中間部との合流部となる溝部が、前記長手方向に沿って直線状に延びるように形成され、前記合流部となる溝部の底面が前記巻回保持溝の底面と面一に連続していることを特徴とするカテーテルトレイ。
【請求項2】
前記巻回保持部の幅が、前記巻回体の半径以下であることを特徴とする請求項1に記載のカテーテルトレイ。
【請求項3】
前記巻回保持溝における前記中間部よりも前記手元保持部とは反対側の溝部分の溝幅が、前記巻回保持溝における前記合流部となる溝部より前記手元保持部側の溝部分の溝幅よりも広いことを特徴とする請求項1又は2に記載のカテーテルトレイ。
【請求項4】
前記巻回保持溝が作る前記円弧の中心角が、180°以下であることを特徴とする請求項3に記載のカテーテルトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カテーテルを保持するカテーテルトレイに関し、特に、製造後出荷時のカテーテルの包装に用いるカテーテルトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
医療などで使用されるカテーテルは、手元操作部からフレキシブルなワイヤ状のシャフトが長く延びている(特許文献1等参照)。シャフトが、人体に挿入可能である。
商品としてのカテーテルは、製造後、カテーテルトレイに収容される。更に包装袋にカテーテルトレイごと収容されて出荷される。医師などの使用者が、包装袋を開け、カテーテルトレイからカテーテルを取り出して使用する。包装袋及びカテーテルトレイは、ゴミとして廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4863869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カテーテルのシャフトは長尺であるために、通常、カテーテルのシャフトは巻回した状態でカテーテルトレイにセットされる。このシャフトの巻回体の直径は、例えば十数cm〜数十cm程度になる。従来のカテーテルトレイは、巻回体の全体を保持するため、巻回体の直径より大きな縦横寸法を有し、大型になっている。このため、材料の使用量が多く、金型も大きくなり、製造コストがかかっていた。また、病院等の使用者側においては、カテーテルを取り出した後のカテーテルトレイはゴミになるだけなので、大型のカテーテルトレイはゴミの量が増える。
カテーテルの巻き径が小さければ、カテーテルトレイは小型化可能である。しかし、そうすると、カテーテルに巻き癖が付いてしまうおそれがある。
本発明は、かかる事情に鑑み、コンパクトでコストダウンでき、ゴミを減量でき、しかもカテーテルの巻き癖を抑制可能なカテーテルトレイを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため、本発明は、手元操作部からフレキシブルなシャフトが延びるカテーテルを保持するカテーテルトレイであって、
前記手元操作部を保持する手元保持部と、
前記シャフトを巻回した巻回体の周方向の一部分を除く部分をはみ出させて前記一部分を保持する巻回保持部と、
を備えたことを特徴とする。
【0006】
当該カテーテルトレイによれば、巻回保持部が、カテーテルの巻回体の周方向の一部分だけを保持可能な大きさであればよく、コンパクトにすることができ、コストダウンできる。しかも、巻回体の巻き径を小さくする必要がなく、巻き癖を抑えることができる。病院等のカテーテルの使用者側においては、カテーテルトレイのコンパクト化によってゴミを減量することができる。
【0007】
前記巻回保持部の幅が、前記巻回体の半径以下であることが好ましい。これによって、巻回体の半周以上がはみ出すことになり、カテーテルトレイを確実にコンパクトにできる。
前記巻回保持部には、前記巻回体の一部分を収容可能な円弧状の巻回保持溝が形成されていることが好ましい。これによって、巻回体をしっかりと保持できる。
前記巻回保持溝が作る前記円弧の中心角が、180°以下であることが好ましい。これによって、カテーテルトレイを確実にコンパクトにできる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カテーテルトレイをコンパクト化してコストダウンを図ることができ、更に病院等のカテーテルの使用者側におけるゴミを減量することができる。しかも、カテーテルの巻き癖を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るカテーテルトレイの平面図であり、該カテーテルトレイによって保持されたカテーテルを二点鎖線にして示す。
図2図2は、図1のII−II線に沿う、前記カテーテルトレイの巻回保持部の拡大断面図である。
図3図3は、前記カテーテルトレイの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1図3は、カテーテルトレイ10を示したものである。図1に示すように、カテーテルトレイ10によって、製造後かつ未使用のカテーテル9が保持されている。図示は省略するが、カテーテルトレイ10及びこれに保持されたカテーテル9は、包装袋に収容されている。
【0011】
図1において二点鎖線にて示すように、カテーテル9は、手元操作部90と、シャフト91を含む。手元操作部90は、例えば真っ直ぐな棒状ないしはスティック状になっており、手で持って操作可能である。シャフト91は、フレキシブルなワイヤ状になっており、手元操作部90から長く延び、人体に挿入可能である。シャフト91と手元操作部90は、接合部96で連結されている。接合部96は、接合部保護部97によって保護されている。接合部保護部97は耐キンクプロテクターである。接合部保護部97は、樹脂で作られ、剛性に差がある手元操作部90とシャフト91の折れを防止する機能を有する。図1及び図2に示すように、シャフト91の外周に樹脂製の保護チューブ92が被覆されている。図1に示すように、保護チューブ92及びシャフト91が巻回されて巻回体93となっている。接合部保護部97の先端部は、保護チューブ92の基端開口部92cに嵌合される。使用時、接合部保護部97は保護チューブ92の基端開口部92cから外される。保護チューブ92の基端開口部92cと、接合部96と、手元操作部90が、略一直線上にカテーテルトレイ10に配置される。カテーテルトレイ10自体における、基端開口部92cが配置される部分と、接合部96が配置される部分と、手元操作部90が配置される部分も、略一直線上に配置されている。それによって、シャフト91の折れを防ぐ。
【0012】
図1及び図3に示すように、カテーテルトレイ10は、手元操作部90を保持する手元保持部11と、巻回体93を保持する巻回保持部20を含み、縦長形状になっている。
カテーテルトレイ10の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の樹脂である。なお、カテーテルトレイの材質は、必ずしもPETに限定されるものではなく、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の他の樹脂を用いてもよい。
【0013】
カテーテルトレイ10は、例えば真空成形によって製造される。なお、カテーテルトレイの製造方法は、必ずしも真空成形に限定されるものではなく、射出成形等の他の製造方法を適用してもよい。
【0014】
カテーテルトレイ10の幅は、5cm〜15cm程度である。これは、手の平で把持しやすいサイズである。
【0015】
カテーテルトレイ10の長手方向の一側部(図1において下側部)に手元保持部11が配置されている。手元保持部11には、例えば四角形ないしは三角形の4つ(複数)の角形隆起部12が縦横に並んで設けられている。これら角形隆起部12によって、手元保持溝13と、横断凹部15が形成されている。手元保持溝13は、カテーテルトレイ10の長手方向(図1において上下)に沿って直線状に延びている。
図3に示すように、各角形隆起部12における手元保持溝13に面する壁部の上側部には、小さい係止突起12fが形成されている。
【0016】
横断凹部15は、カテーテルトレイ10の幅方向(図1において左右)に延びている。横断凹部15が、手元保持溝13の長手方向の中間部を横断している。横断凹部15における手元保持溝13との交差部には、窪み15cが形成されている。横断凹部15の両端部は、カテーテルトレイ10の左右の縁にそれぞれ達している。
【0017】
図1において二点鎖線にて示すように、手元保持溝13に手元操作部90が収容される。かつ、係止突起12fが、手元操作部90の表側面(図1において紙面手前側の面)の縁部に係止される。これによって、手元操作部90をしっかりと保持できる。
【0018】
図1及び図3に示すように、カテーテルトレイ10の長手方向の他側部(図1において上側部)に巻回保持部20が配置されている。巻回保持部20には、外回り隆起部21と、内回り隆起部22が設けられ、かつ巻回保持溝23が形成されている。
【0019】
外回り隆起部21は、平面視で概略円弧状になっている。外回り隆起部21の外周縁によって、カテーテルトレイ10の円弧状の角部10cが形成されている。外回り隆起部21の内周縁に沿う円周の延長上に、手元保持部11の4つの角形隆起部12のうち三角形の隆起部12Aの円弧状の斜辺部が配置されている。
【0020】
内回り隆起部22は、部分円板形状になっている。
図3に示すように、外回り隆起部21及び内回り隆起部22の高さは、互いに等しく、かつ角形隆起部12よりも低い。
なお、外回り隆起部21及び内回り隆起部22の高さが、角形隆起部12と同じ高さであってもよい。
また、カテーテルトレイ10の外周縁には鍔部10fが設けられ、各隆起部12,21,22と鍔部10fとの間に段差10dが形成されているが、鍔部10fを省略して、各隆起部12,21,22が、段差10d無しで、カテーテルトレイ10の外周縁に達していてもよい。
カテーテルトレイ10の外周縁は、全周にわたって段差無く面一になっている。したがって、カテーテルトレイ10を包装箱に収めた際、角形隆起部12と前記外周縁の全周とによってカテーテルトレイ10が包装箱内で拘束され、安定する。
【0021】
外回り隆起部21及び三角形隆起部12Aと、内回り隆起部22との間に、巻回保持溝23が形成されている。巻回保持溝23は、平面視で円弧状に延びている。外回り隆起部21及び三角形隆起部12Aによって、巻回保持溝23の外回り側の縁が画成されている。内回り隆起部22によって、巻回保持溝23の内回り側の縁が画成されている。
【0022】
巻回保持溝23が作る円弧の中心角α23は、好ましくは180°以下であり、より好ましくはα23=90°〜150°であり、一層好ましくはα23=120°程度である。
巻回保持部20の幅W20ひいてはカテーテルトレイ10の幅寸法は、好ましくはカテーテル9の巻回体93の半径R93以下である(W20≦R93)。
【0023】
手元保持溝13と巻回保持溝23は、それぞれ底面を有し、手元保持溝13の底面は巻回保持溝23の底面と高さが異なる。手元保持溝13の底面と巻回保持溝23の底面の間に、移行部が形成されていてもよい。接合部保護部97は、移行部上に配置されてもよい。
【0024】
巻回保持溝23の中間部に手元保持溝13が合流されている。巻回保持溝23は、前記合流部を挟んで、隆起部21,22どうし間の溝部分23aと、隆起部12A,22どうし間の溝部分23bとに分かれている。溝部分23aは、溝部分23bよりも長く、かつ溝幅が広い。
溝部分23aの前記合流部における接線上に手元保持溝13が配置されている。
各溝部分23a,23bにおける前記合流部とは反対側の端部、すなわち巻回保持溝23の両端部23d,23eは、カテーテルトレイ10の互いに同じ側(図1において右側)の縁に達している。
【0025】
図1及び図2に示すように、巻回保持溝23の溝底部には、複数の整列突起24が形成されている。各整列突起24は、半円状の断面に形成され、かつ長手方向が巻回保持溝23の周方向に向けられている。好ましくは、各整列突起24には、長手方向に沿って巻回保持溝23に合わせた曲率が付与されている。
【0026】
図1及び図2に示すように、隆起部21,22どうし間の溝部分23aにおいては、一対の整列突起24,24が、溝幅方向(図2において左右)に間隔を置いて平行に並んで配置されている。かつ、溝部分23aの周方向に間隔を置いて、二対(複数対)の整列突起24,24が配置されている。
図1及び図3に示すように、隆起部12A,22どうし間の溝部分23bには、1つの整列突起24が配置されている。
なお、整列突起24の数及び配置は、前記に限られず、適宜変更可能である。
【0027】
図1及び図2に示すように、各整列突起24と隆起部21,22,12Aとの間、ないしは一対の整列突起24,24どうしの間に、挟持隙間23cが形成されている。挟持隙間23cの幅は、保護チューブ92の直径以下である。
【0028】
巻回保持溝23の両側壁における、整列突起24と対応する位置には、それぞれ係止突起23fが形成されている。係止突起23fは、半円状の断面に形成され、巻回保持溝23の周方向に延びている。
【0029】
図1の二点鎖線に示すように、巻回体93の周方向の一部分93aを除く部分93bが巻回保持部20からはみ出すようにして、前記一部分93aが、巻回保持部20によって保持されている。以下、前記一部分93aを、適宜、被保持部分93aと称し、一部分93aを除く部分93bを、適宜はみ出し部分93bと称す。
【0030】
被保持部分93aは、巻回保持溝23に収容されている。巻回体93における被保持部分93aとはみ出し部分93bとの境が、巻回保持溝23の両端部23d,23eに通されている。
被保持部分93aの周長は、はみ出し部分93bの周長以下であり、好ましくは、はみ出し部分93bの周長より短い。被保持部分93aの中心角は、巻回保持溝23の中心角α23と対応し、180°以下である。したがって、巻回体93の半周以上が、はみ出し部分93bとなっている。
なお、巻回体93は、手元操作部90側からシャフト91の先端側へ向かって、一周ごとに内周側に巻かれている。巻回体93の各一周部分を巻き部分93cと称す。
【0031】
図1及び図2に示すように、被保持部分93aにおける各巻き部分93cが、挟持隙間23cに弾性的に嵌め入れられ、かつ係止突起23fが巻き部分93cに係止されることで、巻回体93をしっかりと保持することができる。これによって、多少の振動程度では、巻回体93がカテーテルトレイ10から外れないようにすることができる。更に、整列突起24によって、被保持部分93aにおける複数の巻き部分93cを巻回体93の径方向に整列させることができる。
巻回体93のはみ出し部分93bは、周方向の1箇所又は複数箇所において、ホルダ95によって保持されている。
【0032】
ホルダ95は、保護チューブ92がはみ出している部分に少なくとも一つ以上配置される。例えば、ホルダ95はカテーテルトレイ10の巻回保持溝端部23eの近くに配置される。また、ホルダ95が複数配置される場合、ホルダ95の高さがカテーテルトレイ10と同じであっても良い。それによって、包装箱(図示省略)との位置関係が固定される。ホルダ95の高さは、カテーテルトレイ10の巻回保持溝23の高さ又はカテーテルトレイ10の厚みと略同等であることが好ましい。
【0033】
保護チューブ92の基端開口部92cが手元保持溝13又は巻回保持溝23に位置する。また、保護チューブ92の基端側開口部92cは、カテーテル9の挿入を容易にするため、ラッパ状に開口し、その基端側開口部92cの形状にあわせてカテーテルトレイ10が成型されていることが好ましい。
【0034】
保護チューブ92の先端開口部92dは、カテーテルトレイ10内部に配置されていてもよく、先端開口部92dの形状に合わせた溝形状がカテーテルトレイ10に形成されていてもよい。
【0035】
カテーテルトレイ10によれば、巻回保持部20が、巻回体93の周方向の一部分93aだけを保持可能な大きさであればよい。したがって、巻回体93の全体を保持するよりもカテーテルトレイ10をコンパクトにでき、軽量化できる。更に、カテーテルトレイ10の材料となる樹脂の所要量を減らすことができる。かつ製造用の金型を小型化できる。この結果、カテーテルトレイ10の製造コストを低減できる。
しかも、巻回体93の巻き径を小さくする必要がなく、巻き癖を抑えることができる。
カテーテルトレイ10は、樹脂シートの真空成形によって製造でき、射出成形で製造するよりも安価にできる。
カテーテルトレイ10は、形状及び構造が簡単であり、それでいて、カテーテル9をしっかりと保持できる。
【0036】
商品としてのカテーテル9は、製造後、カテーテルトレイ10に保持された状態で、包装箱や包装袋(図示省略)にカテーテルトレイ10ごと入れられて出荷される。
医師などの使用者が、包装箱や包装袋を開け、カテーテルトレイ10からカテーテル9を取り出して使用する。このとき、先ず、ホルダ95を取り外す。続いて、横断凹部15に指を挿し入れ、手元操作部90の中間部を摘まんで引き上げる。これによって、手元操作部90を手元保持部11から簡単に取り出すことができる。更に、手元操作部90をカテーテルトレイ10に対して巻回保持部20とは反対方向(図1において下方)へ引っ張る。すると、シャフト91が保護チューブ92から引き抜かれる。これによって、カテーテル9を、カテーテルトレイ10及び保護チューブ92から分離して、使用することができる。
保護チューブ92は、カテーテルトレイ10に比べ剛性が高い。そのため、保護チューブ92を変形させることなく、カテーテルトレイ10を変形させることで、カテーテル9を折りにくく安全に、かつ容易に取り出すことができる。
前記包装袋と、カテーテルトレイ10と、保護チューブ92は、ゴミとして廃棄される。カテーテルトレイ10を小さくすることによって、ゴミを減量することができる。
【0037】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の改変をなすことができる。
例えば、巻回保持部20は、巻回体93の周方向の一部分93aを除く部分93bをはみ出させて前記一部分93aを保持すればよく、巻回保持部20の幅W20が、巻回体93の半径以上であってもよく、巻回保持溝23が作る円弧の中心角α23が180°以上であってもよい。被保持部分93aが、巻回体93の半周以上であってもよく、はみ出し部分93bが、巻回体93の半周以下であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、例えば医療などで使用されるカテーテルの包装体に適用できる。
【符号の説明】
【0039】
10 カテーテルトレイ
10d 段差
10f 鍔部
11 手元保持部
12,12A 角形隆起部
12f 係止突起
13 手元保持溝
15 横断凹部
15c 窪み
20 巻回保持部
21 外回り隆起部
22 内回り隆起部
23 巻回保持溝
23a,23b 溝部分
23c 挟持隙間
23d,23e 端部
23f 係止突起
9 カテーテル
90 手元操作部
91 シャフト
92 保護チューブ
92c 基端開口部
92d 先端開口部
93 巻回体
93a 被保持部分(一部分)
93b はみ出し部分(一部分を除く部分)
93c 巻き部分
95 ホルダ
96 接合部
97 接合部保護部
20 巻回保持部の幅
α23 中心角
93 巻回体の半径
図1
図2
図3