(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記第2センサ期間において、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量変化に応じた信号の分布に基づいて、被検出体の位置及び検出面に加えられる押力を検出する、
請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示装置の一構成例を示すブロック図である。本実施形態の表示装置1は、被検出体の表示面への接触や近接を検出する検出機能が内蔵されている。
図1に示すように、表示装置1は、表示パネル10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動回路14と、検出部40とを備える。
【0010】
表示パネル10は、表示素子を有する複数の画素を備えるとともに、複数の画素に対向する表示面を有している。また、表示パネル10は、映像信号Vdispの入力を受けて表示面に複数の画素からなる画像の表示を行う。
【0011】
制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13及び駆動回路14に制御信号を供給して、主に表示動作を制御する回路である。
【0012】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示パネル10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
【0013】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示パネル10の、各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。これに限定されず、制御部11が画素信号Vpixを生成し、この画素信号Vpixをソースドライバ13に供給してもよい。
【0014】
駆動回路14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、第1電極COML(
図5参照)に表示駆動信号Vcomdc、検出用の第1駆動信号VTP及び第2駆動信号TSVcomを供給する回路である。
【0015】
制御部11は、表示パネル10における、使用者の手指やタッチペン等からなる被検出体(以後、単に被検出体と称する)を検出する検出動作を制御する。表示パネル10は、相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、表示パネル10の表示面に接触又は近接した指の位置を検出する機能を含む。表示パネル10は、相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、指から表示パネル10の表示面に加えられる押力を検出する機能を含む。又、表示パネル10は、電磁誘導方式によるタッチ検出の基本原理に基づいて、表示面に接触又は近接したタッチペンを検出する機能を含む。
【0016】
表示パネル10は、電磁誘導方式によりタッチペンの接触又は近接を検出した場合、第1検出信号Vdet1を検出部40に出力する。また、表示パネル10は、相互静電容量方式により指の接触又は近接、及び指から加えられる押力を検出した場合、第2検出信号Vdet2を検出部40に出力する。
【0017】
検出部40は、電磁誘導方式のタッチ検出において、制御部11から供給される制御信号と、表示パネル10から出力される第1検出信号Vdet1とに基づいて、表示パネル10の表示面へのタッチペンのタッチの有無を検出する。また、検出部40は、相互静電容量方式のタッチ検出において、制御部11から供給される制御信号と、表示パネル10から出力される第2検出信号Vdet2とに基づいて、表示面への指のタッチの有無を検出する。検出部40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。
【0018】
図1に示すように、検出部40は、第1アナログフロントエンド回路47A(以下、第1AFE(Analog Front End)47Aと表す)と、第2アナログフロントエンド回路47B(以下、第2AFE47Bと表す)と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46と、を備える。
【0019】
第1AFE47Aは、第1増幅部42Aと、第1A/D変換部43Aとを含む。第2AFE47Bは、第2増幅部42Bと、第2A/D変換部43Bとを含む。第1増幅部42Aは、表示パネル10から供給された第1検出信号Vdet1を増幅する。第2増幅部42Bは、表示パネル10から供給された第2検出信号Vdet2を増幅する。第1A/D変換部43A及び第2A/D変換部43Bは、それぞれ第1駆動信号VTP及び第2駆動信号TSVcomに同期したタイミングで、第1増幅部42A及び第2増幅部42Bから出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。第1AFE47A及び第2AFE47Bは、それぞれ第1検出信号Vdet1及び第2検出信号Vdet2をデジタル信号に変換して信号処理部44に出力するアナログ信号処理回路である。
【0020】
信号処理部44は、第1AFE47A及び第2AFE47Bの出力信号に基づいて、表示パネル10に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、被検出体による検出信号の差分の信号(絶対値|ΔV|)を取り出す処理を行う。信号処理部44は、絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較し、この絶対値|ΔV|がしきい値電圧未満であれば、被検出体が非接触状態であると判断する。一方、信号処理部44は、絶対値|ΔV|がしきい値電圧以上であれば、被検出体の接触状態又は近接状態と判断する。このようにして、検出部40はタッチ検出が可能となる。
【0021】
本明細書において、「接触状態」とは、被検出体が表示面に接触した状態又は接触と同視し得るほど近接した状態を含む。また、「非接触状態」とは、被検出体が表示面に接触していない状態又は接触と同視できるほどには近接していない状態を含む。
【0022】
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。座標抽出部45は、タッチパネル座標を出力信号Voutとして出力する。座標抽出部45は、出力信号Voutを制御部11に出力してもよい。制御部11は出力信号Voutに基づいて、所定の表示動作又は検出動作を実行することができる。
【0023】
検出タイミング制御部46は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、第1AFE47A及び第2AFE47Bと、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。
【0024】
なお、検出部40の第1AFE47A及び第2AFE47Bと、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とは、表示装置1に搭載される。ただし、これに限定されず、検出部40の全部又は一部の機能は外部のプロセッサ等に搭載されてもよい。例えば、信号処理部44及び座標抽出部45が、表示装置1とは別の外部のコントローラ200に搭載されてもよい。
【0025】
表示パネル10は、静電容量方式のタッチ検出の基本原理に基づいたタッチ制御と、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理に基づいたタッチ制御がなされる。ここで、
図2を参照して、本実施形態の表示パネル10の相互静電容量方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。
図2は、相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための説明図である。なお、
図2は、検出回路を併せて示している。また、以下の説明では、被検出体として指が接触又は近接する場合を説明するが、指に限られず、例えばスタイラスペン等の導体を含む物体であってもよい。
【0026】
例えば、
図2に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及び検出電極E2を備えている。容量素子C1には、駆動電極E1と検出電極E2との対向面同士の間に形成される電気力線に加え、駆動電極E1の端部から検出電極E2の上面に向かって延びるフリンジ分の電気力線が生じる。容量素子C1は、その一端が交流信号源に接続され、他端は電圧検出器DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば、
図1に示す検出部40に含まれる。
【0027】
交流信号源から駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgが印加される。電圧検出器DETには、容量素子C1の容量値に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動に変換する。
【0028】
接触状態では、
図2に示すように、指によって形成される静電容量C2が、検出電極E2と接触し、又は接触と同視し得るほど近傍にある。これにより、駆動電極E1と検出電極E2との間にあるフリンジ分の電気力線が導体(指)により遮られる。このため、容量素子C1は、非接触状態での容量値よりも容量値の小さい容量素子として作用する。
【0029】
電圧検出器DETから出力される電圧信号の接触状態での振幅は、非接触状態に比べて小さくなる。この電圧信号の差分の絶対値|ΔV|は、被検出体の有無によって変化する。検出部40は、絶対値|ΔV|を所定のしきい値電圧と比較することで、被検出体が非接触状態であるか、接触状態又は近接状態であるかが判断される。
【0030】
次に、
図3及び
図4を参照して、本実施形態の表示パネル10の電磁誘導方式によるタッチ検出の基本原理について説明する。
図3は、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、磁界発生期間の説明図である。
図4は、電磁誘導方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、磁界検出期間の説明図である。
【0031】
図3及び
図4に示すように、電磁誘導方式では、タッチペン100の接触又は近接を検出する。タッチペン100の内部には、共振回路101が設けられている。共振回路101は、コイル102と容量素子103とが並列接続されて構成される。
【0032】
電磁誘導方式では、送信コイルCTと受信コイルCRが重なって設けられる。送信コイルCTxは、第1方向Dxに長手を有し、受信コイルCRxは、第2方向Dyに長手を有する。受信コイルCRxは、平面視で送信コイルCTxと交差して設けられる。送信コイルCTxは、交流信号源(駆動信号源)に接続され、受信コイルCRxは電圧検出器DET(
図2参照)に接続される。
【0033】
図3に示すように、磁界発生期間では、交流信号源から送信コイルCTxに所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波が印加される。これにより、送信コイルCTxに電流が流れ、送信コイルCTxはこの電流変化に応じた磁界M1を発生する。タッチペン100が接触又は近接している場合、送信コイルCTxとコイル102との相互誘導による起電力がコイル102に発生する。これにより、容量素子103が充電される。
【0034】
次に、
図4に示す磁界検出期間では、タッチペン100のコイル102は、共振回路101の共振周波数に応じて変化する磁界M2を発生する。磁界M2が受信コイルCRxを通過することで、受信コイルCRxとコイル102との相互誘導による起電力が受信コイルCRxに発生する。電圧検出器DETには、受信コイルCRxの起電力に応じた電流が流れる。送信コイルCTx及び受信コイルCRxを走査することにより、タッチペン100の検出が行われる。
【0035】
次に、本実施形態の表示装置1の構成例を詳細に説明する。
図5は、第1実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図6は、第1実施形態に係るフロントライトの概略断面構造を表す断面図である。
図5に示すように、表示装置1は、画素基板2と、対向基板3と、表示機能層としての液晶層6と、フロントライト90と、センサ基体97とを備える。対向基板3は、画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置される。また、液晶層6は画素基板2と対向基板3との間に設けられる。
【0036】
画素基板2は、第1基板21と、第3電極24と、画素電極25と、信号線SGLと、絶縁層23と、平坦化膜29と、配向膜28とを有する。第3電極24、信号線SGL及び画素電極25は、この順で第1基板21に設けられる。第1基板21は、例えば、ガラス基板が用いられる。なお、第1基板21には、信号線SGLに加え、図示しない回路素子や、ゲート線GCL等の各種配線が設けられる。回路素子は、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子や、容量素子を含む。
【0037】
画素電極25は、平坦化膜29の上に複数設けられる。配向膜28は、画素電極25と液晶層6との間に設けられる。画素電極25は、例えばアルミニウム(Al)や銀(Ag)等の金属で形成されている。また、画素電極25は、これらの金属材料と、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電材料とを積層した構成としてもよい。画素電極25は、良好な反射率を有する材料が用いられ、外部から入射する光を拡散反射させる反射電極として形成される。
【0038】
第3電極24は、第1基板21の表面に対して垂直な方向において、第1基板21と画素電極25との間に設けられる。第3電極24は、絶縁層23、平坦化膜29を介して画素電極25と重なって設けられる。これにより、第3電極24と画素電極25との間に保持容量53(
図7参照)が形成される。
【0039】
対向基板3は、第2基板31と、第2基板31の一方の面に設けられたカラーフィルタ32と、第1電極COMLと、配向膜38と、第2基板31の他方の面に設けられた接着層35と、偏光板36とを有する。本実施形態において、第2基板31は、例えば、ガラス基板又は樹脂基板である。第2電極TDLは、表示パネル10の検出電極として機能し、又は、受信コイルCRxとして機能する。
【0040】
カラーフィルタ32は、第1基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は第1基板21の上に配置されてもよい。カラーフィルタ32は、例えば、色領域32R(赤色)、色領域32G(緑色)、色領域32B(青色)の3つのフィルタを有する。カラーフィルタ32は、W(白色)のフィルタを含んでいてもよく、或いは5つ以上の異なる色のフィルタを含んでいてもよい。色領域32R、32G、32Bの境界部分に遮光層39が設けられる。遮光層39は、いわゆるブラックマトリクスと呼ばれる着色された樹脂層、或いは金属層である。
【0041】
第1電極COMLは、第2基板31に対して、偏光板36の反対側に設けられ、第1基板21と垂直な方向において、カラーフィルタ32と液晶層6との間に設けられる。第1電極COMLは、透光性の導電材料、例えばITO等で形成されている。
【0042】
液晶層6は、例えば、ネマティック(Nematic)液晶を含んでいる。液晶層6は、第1電極COMLと画素電極25との間の電圧レベルが変更されることにより、液晶層6を透過する光を副画素SPixごとに変調する。
【0043】
フロントライト90は、対向基板3の表面に設けられる。フロントライト90は、接着層55を介して偏光板36の上側に設けられる。フロントライト90は、光を対向基板3及び画素基板2に向けて照射する照明部である。具体的には、
図6に示すように、フロントライト90は、導光板91と、光源94とを含む。
【0044】
導光板91は、第1導光板92と、第2導光板93とを有する。第1導光板92は、第1面92aと、第1面92aの反対側の第2面92bとを有する板状の部材である。第2導光板93は、第1面93aと、第1面93aの反対側の第2面93bとを有する板状の部材である。第1導光板92及び第2導光板93は、例えばアクリル樹脂などの、透光性樹脂が用いられる。第1導光板92及び第2導光板93は、同じ屈折率及び線膨張係数を有する。
【0045】
第1導光板92と第2導光板93とは重なって設けられ、第1導光板92の第1面92aと、第2導光板93の第2面93bとが接する。第1導光板92の第2面92bには、接着層55を介して偏光板36(
図5参照)が設けられる。また、第2導光板93の第1面93aには、接着層56を介してセンサ基体97及び第2電極TDL(
図5参照)が設けられる。本実施形態では、第1導光板92と第2導光板93とが組み合わされた導光板91において、第2面92bが、第1基板21及び第2基板31(
図5参照)と対向する第1主面であり、第1面93aが、第1主面と反対側の第2主面である。第1導光板92の第1面92aには、複数の凹部92cが形成されている。凹部92cは、半球状、或いは部分球面状である。凹部92cと第2面93bとの間の空間は空気層である。
【0046】
光源94は第2導光板93の側面93cに設けられる。光源94は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)である。光源94からの光PLは、第1導光板92と接着層55との界面及び第2導光板93と接着層56との界面で反射を繰り返しつつ、第1導光板92及び第2導光板93の内部を進行する。光PLのうち、凹部92cで屈折された光ILは、第1導光板92の第2面92bから対向基板3に向けて照射される。
【0047】
第1導光板92と第2導光板93との間、すなわち導光板91の内部に、凹部92cと第2面93bとで囲まれた空気層が形成される。このため、タッチ入力などの際に外部から押力が加えられた場合であっても、凹部92cと他の部材との接触が抑制される。これにより、凹部92cの損傷を抑制して、フロントライト90の耐久性を向上できる。
【0048】
図5に示すように、センサ基体97は、フロントライト90の表面に設けられる。センサ基体97の第1面97aは、画像が表示される表示面であり、被検出体が接触又は近接する検出面である。センサ基体97の第1面97aには、保護層98が設けられる。また、センサ基体97の第2面97bには、第2電極TDLが設けられる。第2電極TDLは、接着層56を介してフロントライト90の導光板91に接着される。言い換えると、第2電極TDLは、センサ基体97と導光板91の間に設けられる。センサ基体97は、透光性の樹脂材料等を用いたフィルム状の基材であってもよい。センサ基体97は、薄型のガラス基板であってもよい。このような構成により、第1基板21、複数の画素電極25、表示機能層としての液晶層6、複数の第1電極COML、導光板91及び複数の第2電極TDLは、この順で重なって設けられる。
【0049】
本実施形態において、タッチ検出は、保護層98の表面に直接、接触する被検出体を検出する場合を含む。また、タッチ検出は、保護層98が設けられていない場合、第1面97aに接触する被検出体を検出する場合も含む。このような構成により、フロントライト90からの光IL(
図6参照)は、対向基板3及び液晶層6を透過し、画素基板2の画素電極25に到達する。画素電極25によって反射された光は、液晶層6を透過して副画素SPixごとに変調されて第1面97aから出射する。本実施形態の表示装置1は、この反射光を利用して画像を表示する反射型液晶表示装置である。なお、フロントライト90からの光ILに加え、外部から入射する光も画素電極25によって反射して、反射光として利用してもよい。
【0050】
なお、本明細書において、第1面97aと平行な方向を第1方向Dxとし、第1面97aと平行な面において第1方向Dxと交差する方向を第2方向Dyとする。また、第1面97aに垂直な方向を第3方向Dzとする。また、本明細書において、第1基板21に垂直な方向において、第1基板21から第2基板31に向かう方向を「上側」とする。また、第2基板31から第1基板21に向かう方向を「下側」とする。また、「平面視」とは、第1基板21の表面に垂直な方向から見た場合を示す。
【0051】
次に表示装置1の表示動作について説明する。
図7は、第1実施形態に係る表示装置の画素配列を表す回路図である。
図5に示す第1基板21には、各副画素SPixのスイッチング素子Tr、信号線SGL及びゲート線GCL等が形成されている。信号線SGLは、各画素電極25に画素信号を供給する配線である。ゲート線GCLは、各スイッチング素子Trを駆動する駆動信号を供給する配線である。
【0052】
図7に示すように、表示装置1は、マトリクス状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれスイッチング素子Tr、液晶素子52及び保持容量53を備えている。スイッチング素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。液晶素子52は、画素電極25と第1電極COMLとの間で発生する液晶容量を含む。保持容量53は、画素電極25と第3電極24との間に形成される容量を用いることができる。これに限定されず、保持容量53は、容量素子を設けてもよい。
【0053】
複数のゲート線GCLは、ゲートドライバ12に接続される。ゲートドライバ12は、ゲート線GCLを順次選択する。ゲートドライバ12は、選択されたゲート線GCLを介して走査信号Vscan(
図1参照)をスイッチング素子Trのゲートに印加する。これにより、副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)が表示駆動の対象として順次選択される。また、複数の信号線SGLは、ソースドライバ13に接続される。ソースドライバ13は、選択された1水平ラインを構成する副画素SPixに、信号線SGLを介して画素信号Vpixを供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号に応じて1水平ラインずつ表示が行われる。
【0054】
この表示動作を行う際、駆動回路14(
図1参照)は、第1電極COML及び第3電極24に対して表示駆動信号Vcomdcを印加する。これにより、各第1電極COML及び第3電極24は、表示動作時には画素電極25に対する共通電極として機能する。本実施形態では、第1電極COML及び第3電極24はゲート線SGLに沿って設けられ、信号線GCLと交差する。なお、これに限定されず、第1電極COML及び第3電極24はゲート線GCLと交差して設けられていてもよい。
【0055】
上述した
図7に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられ、3色の色領域32R、32G、32Bに対応する副画素SPixを1組として画素Pixが構成される。
【0056】
次に、第1電極COML及び第2電極TDLの構成と、タッチ検出動作について説明する。
図8は、第1実施形態に係る表示装置を模式的に表す平面図である。
図8に示すように、表示装置1には、表示領域Adと、周辺領域Gdとが設けられている。本明細書において、表示領域Adは、画像を表示させるための領域であり、複数の画素Pix(副画素SPix)と重なる領域である。本実施形態において、表示領域Adの長辺に沿った方向を第2方向Dyとし、第2方向Dyと交差する方向を第1方向Dxとする。
【0057】
図8に示すように、第1電極COMLは、表示領域Adに設けられる。第1電極COMLは、第1方向Dxに長尺に設けられ、第2方向Dyに複数配列されている。第2電極TDLは、表示領域Adに設けられる。第2電極TDLは第2方向Dyに沿って設けられ、第1方向Dxに複数配列される。すなわち、第2電極TDLは、平面視で、第1電極COMLと交差する。第1電極COML、第2電極TDL共に帯状に形成されている。第1電極COMLと第2電極TDLとの交差部分及びその周辺にそれぞれ静電容量が形成される。
【0058】
第2電極TDLは、数μmから十数μm程度の線幅を有する金属細線をジグザグ線、波線、或いは、メッシュ状に形成して構成される。なお、第2電極TDLは、第1電極COMLと同様に、ITO等の透光性導電材料を用いてもよい。
【0059】
図8に示すように、第1基板21及びセンサ基体97の周辺領域Gdには、フレキシブル基板110が接続される。フレキシブル基板110には、表示パネル10の検出動作を制御するタッチIC49が設けられている。第2電極TDLは、それぞれタッチIC49に電気的に接続される。さらに、第1基板21の周辺領域Gdには、表示パネル10の表示動作を制御する駆動IC19が設けられている。第1電極COMLは、それぞれ駆動IC19に電気的に接続される。
図1に示すソースドライバ13、駆動回路14等の各種回路は、駆動IC19に形成されている。駆動IC19と表示領域Adとの間にマルチプレクサ16が形成されている。また、
図1に示す第1AFE47A及び第2AFE47Bは、タッチIC49に形成されている。
【0060】
第1基板21の周辺領域Gdの長辺には、ゲート走査部12A、第1電極走査部14A等の各種回路が設けられている。ゲート走査部12Aは、ゲートドライバ12(
図1参照)に含まれる回路であり、ゲート線GCLを順次選択する。第1電極走査部14Aは、第1電極COMLを順次、又は同時に選択する回路である。第1電極走査部14Aは、第1電極COMLと電気的に接続され、駆動IC19からの各種駆動信号を第1電極COMLに供給する。なお、周辺領域Gdのうち、各種回路が設けられた領域を周辺回路領域80とする。
【0061】
この構成により、相互静電容量方式のタッチ検出を行う場合には、駆動IC19は第1電極COMLに時分割的に第2駆動信号TSVcomを供給する。この場合、第1電極走査部14Aは、複数の第1電極COMLを含む駆動電極ブロックBk(
図11参照)を同時に選択して、駆動電極ブロックBkごとに順次、第2駆動信号TSVcomを供給してもよい。そして、第1電極COMLと第2電極TDLとの間の静電容量変化に応じた第2検出信号Vdetが第2電極TDLからタッチIC49に出力されることにより、被検出体のタッチ検出が行われる。つまり、第1電極COMLは、上述した相互静電容量方式のタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、第2電極TDLは検出電極E2に対応する。
【0062】
本実施形態では、
図5に示すように、第2電極TDLが導光板91よりも上側に設けられている。このため、第2電極TDLを導光板91と第2基板31との間に設けた場合に比べて、第2電極TDLと指等の被検出体との距離が小さくなる。また、第2電極TDLと第1電極COMLとの間に形成されるフリンジ電界が、センサ基体97の第1面97aの上側に形成されやすくなる。これにより、表示装置1は、タッチ検出感度を向上できる。
【0063】
次に、電磁誘導方式のタッチ検出について説明する。
図9は、第1実施形態に係る表示装置の分解斜視図である。
図9に示すように、第3電極24は、第1方向Dxに長尺に設けられ、第2方向Dyに複数配列されている。第3電極24は、平面視で第1電極COMLと重なって設けられ、第1電極COMLと同じ方向に長手を有する帯状である。また、信号線SGLは、第1基板21と液晶層6との間に配置される。信号線SGLは、第2方向Dyに沿って設けられ、第1方向Dxに沿って複数並んで設けられる。各第1電極COML及び各第3電極24は、平面視で、複数の信号線SGLに交差する。
【0064】
第1AFE47A及び第2AFE47Bは、マルチプレクサ48を介して第2電極TDLと電気的に接続される。駆動IC19は、切り替え信号Vssをマルチプレクサ48に供給する。マルチプレクサ48は、切り替え信号Vssに基づいて、第2電極TDLと、第1AFE47A及び第2AFE47Bとの間の接続状態を変更する回路である。マルチプレクサ48は、電磁誘導方式の際に、第2電極TDLと第1AFE47Aとを接続し、相互静電容量方式の際には、第2電極TDLと第2AFE47Bとを接続する。マルチプレクサ48は、第2基板31に設けられていてもよく、タッチIC49に形成されていてもよい。第1AFE47A及び第2AFE47Bからの出力信号は、外部のコントローラ200に供給される。コントローラ200は、例えば、制御基板に実装されたホストICである。
【0065】
電磁誘導方式のタッチ検出の際、駆動IC19は、第1電極COMLに第1駆動信号VTPを供給する。第1電極COMLは、電磁誘導方式のタッチ検出の際に送信コイルCTxとして機能する。これにより、第1電極COML、タッチペン100及び第2電極TDLの間でそれぞれ電磁誘導が生じる。第2電極TDLには、タッチペン100との相互誘導により起電力が発生する。この起電力に応じた第1検出信号Vdet1がマルチプレクサ48を介して第2電極TDLから第1AFE47Aに供給される。これにより、電磁誘導方式のタッチ検出が行われる。
【0066】
本実施形態において、電磁誘導方式のタッチ検出の際、駆動IC19は、第3電極24にも第1駆動信号VTPを供給する。また、相互静電容量方式のタッチ検出の際、駆動IC19は、第3電極24にも第1駆動信号VTPを供給する。つまり、第3電極24は、第1電極COMLと同様に、相互静電容量方式では駆動電極E1として機能し、電磁誘導方式では送信コイルCTxとして機能する。これにより、相互静電容量方式及び電磁誘導方式のタッチ検出での検出感度を向上させることができる。
【0067】
第1電極COMLは、表示の際の共通電極、相互容量方式によるタッチ検出の際の駆動電極、及び、電磁誘導方式の際の送信コイルの機能を有する。このため、それぞれの動作に応じて接続状態を変更する必要がある。次に、第1電極COMLの接続構成について説明する。
図10は、表示期間での第1電極の接続構成を示す回路図である。
図11は、第1センサ期間での第1電極の接続構成を示す回路図である。
図12は、第2センサ期間での第1電極の接続構成を示す回路図である。
【0068】
図10から
図12に示すように、複数の第1電極COML1、COML2、…、COMLnが配列されている。なお、以下の説明において、第1電極COML1、COML2、…、COMLnを区別して説明する必要がない場合には、第1電極COMLと表す。
【0069】
第1電極走査部14Aは、第1配線L1a、L1bと、第2配線L2a、L2bと、スイッチSW1a、SW1b、SW2a、SW2bとを含む。第1電極走査部14Aは、第1電極COMLの一端側と他端側の両方に設けられている。なお、以下の説明では、
図10から
図12を参照しつつ、第1電極COMLの一端を左端とし、他端を右端と表す。第1電極COMLの左端側に第1配線L1aと第2配線L2aとが設けられ、右端側に、第1配線L1bと第2配線L2bとが設けられる。
【0070】
スイッチSW1aは、第1電極COMLの左端と第1配線L1aとの間に設けられる。スイッチSW2aは、第1電極COMLの左端と第2配線L2aとの間に設けられる。スイッチSW1a及びスイッチSW2aは、それぞれの第1電極COMLの左端に並列に接続される。また、スイッチSW1bは、第1電極COMLの右端と第1配線L1bとの間に設けられる。スイッチSW2bは、第1電極COMLの右端と第2配線L2bとの間に設けられる。スイッチSW1b及びスイッチSW2bは、第1電極COMLの右端に並列に接続される。
【0071】
駆動IC19は、第1配線L1a、L1b及び第2配線L2a、L2bを介して、各種信号を第1電極COMLに供給する。駆動回路14(
図1参照)は、表示駆動信号供給部14a、検出駆動信号供給部14b、第1電圧供給部14c及び第2電圧供給部14dを含む。これらの各供給部は、駆動IC19に搭載されている。
【0072】
表示駆動信号供給部14aは、第2配線L2a、L2bを介して、表示駆動信号Vcomdcを第1電極COMLに供給する。検出駆動信号供給部14bは、第1配線L1a、L1bを介して、検出用の第2駆動信号TSVcomを第1電極COMLに供給する。第1電圧供給部14cは、第1配線L1a、L1bを介して、第1電位を有する直流の第1電圧VTPHを第1電極COMLに供給する。第2電圧供給部14dは、第2配線L2a、L2bを介して、第1電位よりも小さい第2電位を有する直流の第2電圧VTPLを第1電極COMLに供給する。
【0073】
図10に示すように、画像を表示する表示期間Pdでは、制御部11からの制御信号に応じて、全てのスイッチSW1a、SW1bがオフになり、全てのスイッチSW2a、SW2bがオンになる。これにより、全ての第1電極COMLは第1配線L1a、L1bと遮断され、全ての第1電極COMLの左端に第2配線L2aが接続され、右端に第2配線L2bが接続される。
【0074】
これにより、表示期間Pdでは、表示駆動信号供給部14aは、第2配線L2a、L2bを介して、全ての第1電極COMLに表示駆動信号Vcomdcを供給する。なお、これに限定されず、表示駆動信号供給部14aは、表示駆動の対象となる1水平ラインと重なる第1電極COMLに、時分割的に表示駆動信号Vcomdcを供給してもよい。
【0075】
図11に示すように、電磁誘導方式のタッチ検出を行う第1センサ期間Pemでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW1a、SW1b、スイッチSW2a、SW2bが動作し、駆動電極ブロックBkが選択される。具体的には、第1電極COML2、COML3、COML4、COML6、COML7、COML8が駆動電極ブロックBkとして選択される。それ以外の第1電極COMLは、非選択電極ブロックNBkである。第1電極COML4と第1電極COML6との間の領域は、被検出体を検出する検出領域Aemである。
【0076】
非選択電極ブロックNBkの第1電極COMLでは、制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW1a、SW1b及びスイッチSW2a、SW2bがオフになる。これにより、非選択電極ブロックNBkの第1電極COMLは、フローティング状態となる。
【0077】
第1電極COML2、COML3、COML4の左側では、スイッチSW1aはオフになり、スイッチSW2aはオンになる。これにより、第1電極COML2、COML3、COML4の左端は、第2配線L2aと電気的に接続される。第1電極COML2、COML3、COML4の右側では、スイッチSW1bはオンになり、スイッチSW2bはオフになる。これにより、第1電極COML2、COML3、COML4の右端は、第1配線L1bと電気的に接続される。
【0078】
第1電極COML6、COML7、COML8の左側では、スイッチSW1aはオンになり、スイッチSW2aはオフになる。これにより、第1電極COML6、COML7、COML8の左端は、第1配線L1aと電気的に接続される。第1電極COML6、COML7、COML8の右側では、スイッチSW1bはオフになり、スイッチSW2bはオンになる。これにより、第1電極COML6、COML7、COML8の右端は、第2配線L2bと電気的に接続される。
【0079】
これにより、制御部11からの制御信号に応じて、第1センサ期間Pemに、少なくとも1つの第1電極(第1電極COML6、COML7、COML8)の左端側に第1電圧供給部14cが接続され、右端側に第2電圧供給部14dが接続される。また、少なくとも1つの第1電極の他の第1電極(第1電極COML2、COML3、COML4)の左端側に第2電圧供給部14dが接続され、右端側に第1電圧供給部14cが接続される。
【0080】
第2電圧供給部14dは、第2配線L2aを介して、第2電圧VTPLを第1電極COML2、COML3、COML4の左端に供給する。また、第1電圧供給部14cは、第1配線L1bを介して、第1電圧VTPHを第1電極COML2、COML3、COML4の右端に供給する。これにより、第1電極COML2、COML3、COML4の左端と右端とで電位差が生じ、電流I1が右端から左端に向かう方向に流れる。第1電圧VTPH及び第2電圧VTPLは、いずれも直流の電圧信号である。各スイッチの動作を所定の周波数で切り替えることで、交流の電圧信号である第1駆動信号VTPが形成される。
【0081】
第1電圧供給部14cは、第1配線L1aを介して、第1電圧VTPHを第1電極COML6、COML7、COML8の左端に供給する。また、第2電圧供給部14dは、第2配線L2bを介して、第2電圧VTPLを第1電極COML6、COML7、COML8の右端に供給する。これにより、第1電極COML6、COML7、COML8の左端と右端とで電位差が生じ、電流I2が左端から右端に向かう方向に流れる。
【0082】
このようにスイッチSW1a、SW2a、SW1b、SW2bの動作を切り替えることにより、第1電極COMLの両端に供給される第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとが変更される。これにより、第1電極COMLに第1駆動信号VTPが供給される。第1駆動信号VTPに応じた電流I1、I2により磁界が発生する。
【0083】
電流I1と電流I2とは互いに反対方向に流れる。このため、電流I1により発生する磁界と、電流I2により発生する磁界は、検出領域Aemで重なり合う。電流I1と電流I2とを反対方向に流すことにより、検出領域Aemを通る磁界の強度を高めることができる。電流I1と電流I2とにより発生する磁界が、
図3に示す電磁誘導方式の磁界発生期間に発生する磁界M1に相当する。また、駆動電極ブロックBkに含まれる第1電極COML2、COML3、COML4、COML6、COML7、COML8が送信コイルCTxに相当する。
【0084】
制御部11は、第1電極COML1から第1電極COMLnを、順次選択する。これにより、電磁誘導方式により、表示領域Adの全体のタッチ検出が行われる。
図10に示すように、周辺領域Gdにも第1電極COML1、COML2、COML3、COMLnが設けられている。これにより、表示領域Adの周縁部においても磁界を発生させることができる。この場合、第1電極COML1、COML2、COML3、COMLnは、検出領域Aemとは重ならない位置に設けられる。
【0085】
図11に示す例に限定されず、検出領域Aemの一方に配置された1つ又は2つの第1電極COMLと、他方に配置された1つ又は2つの第1電極COMLとで送信コイルCTxを形成してもよい。検出領域Aemの一方に配置された4つ以上の第1電極COMLと、他方に配置された4つ以上の第1電極COMLとで送信コイルCTxを形成してもよい。また、これらの数が同数ではなく、一方の第1電極COMLの数が他方の第1電極COMLの数と異なる構成も採用可能である。
【0086】
図12に示すように、相互静電容量方式のタッチ検出を行う第2センサ期間Pesでは、制御部11からの制御信号に応じて、駆動電極ブロックBkの第1電極COMLの両端に接続されたスイッチSW1a、SW1bがオンになる。また、スイッチSW2a、SW2bがオフになる。これにより、駆動電極ブロックBkが選択される。非選択電極ブロックNBkでは、第1電極COMLの両端に接続されたスイッチSW2a、SW2bがオンになり、スイッチSW1a、SW1bがオフになる。
【0087】
検出駆動信号供給部14bは、第1配線L1a、L1bを介して、交流電圧信号である第2駆動信号TSVcomを駆動電極ブロックBkの第1電極COMLに供給する。また、表示駆動信号供給部14aは、第2配線L2a、L2bを介して、直流電圧信号である表示駆動信号Vcomdcを非選択電極ブロックNBkの第1電極COMLに供給する。制御部11は、表示領域Adに設けられた第1電極COMLを、順次選択する。なお、第2センサ期間Pesでは、第2電圧供給部14dが、非選択電極ブロックNBkに直流電圧信号である第2電圧VTPLを供給する構成も採用可能である。
【0088】
図13は、第1センサ期間での第1電極の接続構成の他の例を示す回路図である。
図13に示すように、第1電極COML6、COML7、COML8の右側では、スイッチSW1bはオンになり、スイッチSW2bはオフになる。第1電極COML6、COML7、COML8の左側のスイッチSW1a、スイッチSW2a及び第1電極COML2、COML3、COML4に接続されたスイッチSW1a、SW1b、スイッチSW2a、SW2bの動作は、
図11に示す例と同様である。
【0089】
駆動IC19の各供給部は、第1電極COMLの右端側に配置された第1配線L1b及び第2配線L2bには、各種信号を供給しない。
【0090】
このような構成により、第1電極COML2、COML3、COML4の右端と、第1電極COML6、COML7、COML8の右端とは、スイッチSW1b及び第1配線L1bを介して電気的に接続される。すなわち、第1電極COML2、COML3、COML4と、第1配線L1bと、第1電極COML6、COML7、COML8とは、検出領域Aemを囲んでループ状に接続される。
【0091】
第1電圧供給部14cは、第1配線L1aを介して、第1電圧VTPHを第1電極COML6、COML7、COML8の左端に供給する。また、第2電圧供給部14dは、第2配線L2aを介して、第2電圧VTPLを第1電極COML2、COML3、COML4の左端に供給する。これにより、電流I3が第1電極COML2、COML3、COML4から第1電極COML6、COML7、COML8に流れる。電流I3により検出領域Aemを通る磁界が発生する。
【0092】
このように、複数の第1電極COMLのうち、一対の第1電極(第1電極COML2、COML3、COML4と第1電極COML6、COML7、COML8)の同側の端部を接続するスイッチSW1bが設けられている。制御部11は、第1センサ期間Pemに、スイッチSW1b、SW2bの動作により一対の第1電極COMLどうしを接続する。また、制御部11は、第1センサ期間Pemとは異なる期間、例えば表示期間PdにスイッチSW1b、SW2bの動作により一対の第1電極COMLどうしを非接続状態とする。
【0093】
このような構成であっても、第1電極COMLは、第1センサ期間Pemに送信コイルCTxを構成する。また、第1電極COML2、COML3、COML4を流れる電流I3の向きと、第1電極COML6、COML7、COML8を流れる電流I3の向きとが互いに反対になる。これにより検出領域Aemを通る磁界の強度を高めることができる。したがって、電磁誘導方式の検出感度を高めることができる。
【0094】
図14は、第1センサ期間での第1電極の接続構成の他の例を示す回路図である。
図14では、第1電極COMLの右側では、第1配線L1b及び第2配線L2bにグランド電位GNDが供給される。第1電極COML2、COML3、COML4の右端は、スイッチSW2bを介して第2配線L2bに接続される。第1電極COML2、COML3、COML4及び第1電極COML6、COML7、COML8の左側では、各スイッチの動作は、
図13に示す例と同様である。
【0095】
第1電圧供給部14cは、第1配線L1aを介して、第1電圧VTPHを第1電極COML6、COML7、COML8の左端に供給する。第1電圧VTPHとグランド電位GNDとの電位差により、第1電極COML6、COML7、COML8の左端から右端に向かって電流I3が流れる。また、第2電圧供給部14dは、第2配線L2aを介して、第2電圧VTPLを第1電極COML2、COML3、COML4の左端に供給する。なお、
図11、
図13に示す例では、第2電圧VTPLは実質的にグランド電位GNDと同じ電位を有する。これに対し、
図14では、第2電圧VTPLは、グランド電位GNDよりも小さい負の電位を有する。このように、第2電圧供給部14dは、負の電位を有する第2電圧VTPLを供給することも可能である。
図14に示すように、第2電圧VTPLとグランド電位GNDとの電位差により、第1電極COML2、COML3、COML4の右端から左端に向かって電流I3が流れる。電流I3により検出領域Aemを通る磁界が発生する。このような構成であっても、第1電極COMLは、第1センサ期間Pemに送信コイルCTxを構成する。
【0096】
図15は、第2電極の構成を示す平面図である。
図15には、複数の第2電極TDLのうち、6つの第2電極TDL1、TDL2、TDL3、TDL4、TDL5、TDL6を示す。なお、以下の説明において第2電極TDL1、TDL2、TDL3、TDL4、TDL5、TDL6を区別して説明する必要がない場合には、第2電極TDLと表す。
【0097】
第2電極TDLは、数μmから十数μm程度の線幅を有する金属細線がメッシュ状に形成されている。隣り合う第2電極TDLの間にダミー電極TDLdが設けられる。ダミー電極TDLdは、第2電極TDLと類似したメッシュ状の金属細線で構成される。ダミー電極TDLdは、スリットSLにより第2電極TDLと離隔しており、また、配線L3、L4、L5とも接続されていない。つまり、ダミー電極TDLdはフローティング状態となっている。このような構成により、第2電極TDLが設けられた部分と、ダミー電極TDLdが設けられた部分との光の透過率の差が低減される。
【0098】
第2電極TDL1の他端fnと、第2電極TDL2の他端fnとは、配線L3により接続されている。第2電極TDL3の他端fnには配線L4が接続されている。また、第2電極TDL1の一端Snと、第2電極TDL3の一端Snとは、配線L5により接続されている。配線L3又は配線L4のいずれか一方が、マルチプレクサ48(
図9参照)を介して第1AFE47A及び第2AFE47Bに接続される。配線L3又は配線L4の他方は図示しないグランドに接続される。第2電極TDL4、TDL5、TDL6も同様の構成となっている。
【0099】
このように、第2電極TDL1、配線L5及び第2電極TDL3は、ダミー電極TDLd及び第2電極TDL2を囲んでループ状に接続される。これにより、第2電極TDL1、配線L5及び第2電極TDL3は、電磁誘導方式における受信コイルCRxを構成する。具体的には、タッチペン100(
図4参照)からの磁界M2が、第2電極TDL1、配線L5及び第2電極TDL3で囲まれた領域を通過した場合、磁界M2の変化に応じた起電力が、第2電極TDL1、配線L5及び第2電極TDL3に発生する。この起電力に応じた信号が第1AFE47Aに供給される。これにより、タッチペン100を検出することができる。
【0100】
静電容量方式では、第2電極TDL1、TDL2、TDL3が互いに電気的に接続されており、1つの検出電極ブロックとして機能する。第2電極TDL1、TDL2、TDL3は、第1電極COMLとの間の容量変化に応じた信号を第2AFE47Bに供給する。これにより、指等の被検出体を検出することができる。
【0101】
図16は、第2電極の構成の他の例を示す説明図である。
図16に示すように、第2電極TDLの一端Sn側にスイッチ回路48Aが設けられ、第2電極TDLの他端fn側にマルチプレクサ48が設けられる。スイッチ回路48Aは、第2電極TDLの同じ側の一端Snどうしの接続と遮断とを切り替える。なお、
図16では図面を見やすくするために第2電極TDLを模式的に示し、またダミー電極TDLd(
図15参照)を省略して示す。
図16においても、第2電極TDLは、
図15と同様に、メッシュ状に形成された金属細線で構成される。
【0102】
スイッチ回路48Aは、複数の配線L6と、スイッチSW3aと、スイッチSW3bとを含む。スイッチSW3aは、第2電極TDLの一端Snと配線L6との間に設けられる。スイッチSW3bは、複数の配線L6の間に設けられる。また、第2電極TDLの他端fnは、それぞれ配線L7を介してマルチプレクサ48に接続される。
【0103】
電磁誘導方式では、制御部11からの制御信号に応じて、一対の第2電極TDL1及び第2電極TDL3に接続されたスイッチSW3aはオンになる。また第2電極TDL2に接続されたスイッチSW3aはオフになる。これにより、スイッチ回路48Aは、一対の第2電極TDL1と第2電極TDL3の同じ側の一端Snどうしを、配線L6を介して電気的に接続する。
【0104】
第2電極TDL1、配線L6及び第2電極TDL3は、ループ状に接続されて、電磁誘導方式における受信コイルCRxとして機能する。第2電極TDL4、配線L6及び第2電極TDL6も同様である。
【0105】
マルチプレクサ48は、第2電極TDL1及び第2電極TDL3のいずれか一方の他端fnと第1AFE47Aとを接続する。これにより一対の第2電極TDL1及び第2電極TDL3に生じた起電力に応じた信号が、第1AFE47Aに供給される。
【0106】
一方、第2センサ期間Pesでは、全てのスイッチSW3a及びスイッチSW3bがオフになる。これにより、第2電極TDLの一端Snどうしが遮断される。マルチプレクサ48は、それぞれの第2電極TDLの他端fnを、第2AFE47Bに接続する。各第2電極TDLは、第1電極COMLとの間の容量変化に応じた信号を第2AFE47Bに供給する。これにより、指等の被検出体を検出することができる。
【0107】
図16では、1つのスイッチSW3bのみ示しているが、隣り合う第2電極TDLの間にそれぞれスイッチSW3bを設けてもよい。制御部11からの制御信号に応じて、スイッチSW3a、SW3bの動作を切り替えることにより、受信コイルCRxを構成する第2電極TDLを適宜変更することができる。
【0108】
次に、第3電極24と第1電極COMLとの接続構成について説明する。
図17は、第1電極と第3電極の接続構成を説明するための断面図である。
図18は、第3電極及び導通部を模式的に示す平面図である。
図19は、第1電極及び導通部を模式的に示す平面図である。
【0109】
図17は、表示領域Adの最外周の1画素分と、これに隣接する周辺領域Gdを示している。
図17に示すように、画素基板2では、第1基板21の上に、スイッチング素子Tr、画素電極25、第3電極24、接続電極72、絶縁層23、平坦化膜29、配向膜28等が設けられている。配向膜28は、表示領域Adで画素電極25を覆って設けられる。また、配向膜28は、周辺領域Gdで導通部81と重ならない領域に設けられ、導電層71の一部と重なっている。スイッチング素子Trは、ゲート電極64、ソース電極62、半導体層61及びドレイン電極63を含む。ゲート電極64はゲート線GCLと同層に設けられ、ゲート線GCLの一部分がゲート電極64として用いられてもよい。ソース電極62は信号線SGLと同層に設けられ、信号線SGLの一部がソース電極62として用いられてもよい。
【0110】
画素電極25は、平坦化膜29に設けられたコンタクトホールを介してドレイン電極63と接続される。第3電極24は、ゲート電極64(ゲート線GCL)と同層に設けられる。
図18に示すように、第3電極24は、接続電極72と電気的に接続される。
【0111】
対向基板3では、第2基板31の一方の面にカラーフィルタ32が設けられる。また、第2基板31の周辺領域Gdには、加飾層37が設けられる。オーバーコート層34は、カラーフィルタ32と加飾層37を覆って設けられる。第1電極COMLは、オーバーコート層34と液晶層6との間に設けられる。また、第2基板31の他方の面に第2電極TDLが設けられる。第1電極COMLは、表示領域Adから周辺領域Gdまで連続して設けられる。ここで、第1電極COMLのうち、周辺領域Gdに設けられた部分を接続部COMLaとする。配向膜38は、表示領域Adで第1電極COMLを覆って設けられる。また、配向膜38は、周辺領域Gdで導通部81と重ならない領域に設けられ、接続部COMLaの一部と重なっている。
【0112】
周辺領域Gdには、第1基板21と第2基板31との間に導通部81が設けられている。導通部81は、第1基板21と第2基板31との間を封止するシール部である。導通部81は、封止材に分散された複数の導電粒子82を含む。導通部81は、平坦化膜29を介して周辺回路領域80の上側に設けられる。
【0113】
導電層71は接続電極72と接続される。導電層71は、例えばITO等の透光性を有する導電性材料である。また、導通部81の導電粒子82を介して接続部COMLaと導電層71が接続されている。これにより、第1電極COMLと第3電極24とが電気的に接続される。
【0114】
ここで、導通部81の中央部よりも外側で、第2基板31の外周までの領域を領域A51とする。接続部COMLaは、表示領域Adと周辺領域Gdの境界から、領域A51まで設けられていることが好ましい。これにより、接続部COMLaは、導通部81と電気的に接続される。また、第2電極TDLのうち周辺領域Gdに設けられた端部TDLaよりも外側で、第2基板31の外周までの領域を領域A52とする。接続部COMLaは、領域A52まで設けられていることが好ましい。こうすれば、周辺回路領域80と第2電極TDLとの間に接続部COMLaが設けられる。このため、接続部COMLaは、周辺回路領域80からのノイズをシールドすることができる。
【0115】
図18に示すように、第3電極24は、保持容量形成部24aと、配線24bとを含む。保持容量形成部24aは、ドレイン電極63と重なって設けられ、ドレイン電極63との間に保持容量を形成する。配線24bは、第1方向Dxに配列された保持容量形成部24aを接続する。このような構成により、第3電極24は、全体として第1方向Dxに長手を有する長尺状に形成される。つまり、第3電極24は、
図19に示す第1電極COMLと同じ方向に長手を有する。また、
図19に示すようにカラーフィルタ32の色領域32R、32G、32Bは、平面視で第1電極COMLと交差する。
【0116】
図18及び
図19に示すように、接続電極72は、第2方向Dyに配列された複数の第1電極COMLにそれぞれ対応して設けられる。つまり、接続電極72は、導通部81を介して、第1電極COMLと1対1の関係で接続される。1つの第1電極COMLと重なって設けられた複数の第3電極24は、1つの接続電極72に接続される。第2方向Dyに隣り合う第1電極COMLどうしは、スリットSLCにより分離される。ここでスリットSLCの幅は、導電粒子82の径よりも大きい。これにより、隣り合う第1電極COMLどうしは、電気的に離隔される。
【0117】
図19に示すように、複数の第1電極COMLのうち、1つの第1電極COMLが駆動電極ブロックBkとして選択される。駆動電極ブロックBk以外の第1電極COMLは非選択電極ブロックNBkである。上述したように、駆動IC19(
図10参照)は、各種駆動信号を駆動電極ブロックBkに供給する。
【0118】
図18に示すように、駆動電極ブロックBkと重なって対向する複数の第3電極24は、導通部81を介して駆動電極ブロックBkと電気的に接続される。これにより、複数の第3電極24は、第3電極ブロックBkCsとして、駆動電極ブロックBkと一体に機能する。第3電極ブロックBkCsには、駆動電極ブロックBkに供給される各種駆動信号と同じ信号が供給される。
【0119】
つまり、
図11に示す第1センサ期間Pemでは、第1電極COML2、COML3、COML4、COML6、COML7、COML8と重なって対向する複数の第3電極24も送信コイルCTxとして機能する。すなわち、第3電極24は、駆動IC19から第1電圧VTPH及び第2電圧VTPLが供給されて磁界M1を発生する。第3電極24から発生する磁界は、検出領域Aemで、第1電極COMLから発生する磁界と重なり合う。
【0120】
また、
図12に示す第2センサ期間Pesでは、駆動電極ブロックBkと重なる複数の第3電極24にも、駆動IC19から第2駆動信号TSVcomが供給される。これらの第3電極24も第2電極TDLとの間に静電容量を形成する。これにより、相互静電容量方式のタッチ検出での検出感度を向上させることができる。
【0121】
ここで、駆動電極ブロックBkの第1電極COMLはITOで形成されているのに対し、第3電極ブロックBkCsの第3電極24は金属により形成される。このため、第3電極24は第1電極COMLに比べ著しく低抵抗である。これにより、駆動電極として第3電極24を用いることにより、交流矩形波である第1駆動信号VTPや第2駆動信号TSVcomの鈍りを抑制することができる。係る点を
図20を参照して説明する。
【0122】
図20は、駆動電極に入力されるパルス波を説明するための説明図である。
図20に示す第1パルス波PW1、第2パルス波PW2及び第3パルス波PW3は、第1駆動信号VTPや第2駆動信号TSVcomに含まれる複数のパルス波のうち、1つのパルス波を例示している。第1パルス波PW1は、駆動電極に入力されるパルス波の理想状態の波形を示す。第2パルス波PW2は、ITOにより形成される第1電極COMLのみを駆動電極として用いた場合の波形を示す。ITOは抵抗が大きいため、交流矩形波が入力されると、第1パルス波PW1に比べ波形が鈍ってしまう。特に立下りで鈍りが大きくなる。
【0123】
これに対し、第3パルス波PW3は、ITOで形成された第1電極COMLに、第3電極24を組み合わせて駆動電極として用いた場合の波形を示す。第3電極24は金属であり、且つ、各画素Pix(副画素SPix)の保持容量を形成する保持容量形成部24aを有して大面積である。このため、ITOと比較して第3電極24の抵抗は著しく小さい。これによって、駆動電極全体としての応答性が向上し、第2パルス波PW2に比べ、第3パルス波PW3の波形のうち、特に立下りが急峻になる。これにより、本実施形態においては、電磁誘導方式、相互静電容量方式のいずれの場合であっても駆動信号の応答性が高められ、検出感度が向上する。
【0124】
なお、第3電極24と、検出電極である第2電極TDLとの間に第1電極COMLや画素電極25が存在することとなる。この場合であっても、第1電極COMLは、第3電極24と同じ信号が供給され、画素電極25は実質的にフローティング状態である。このため、第1電極COML及び画素電極25は、第3電極24と同じ相で振られることとなり、これらが第3電極24の駆動電極としての機能を阻害することを抑制できる。
【0125】
図21は、第1実施形態に係る表示装置の動作例を示すタイミング波形図である。
図22は、第1実施形態に係る表示装置の他の動作例を示すタイミング波形図である。表示装置1は、タッチ検出動作(検出期間)及び表示動作(表示期間)を時分割に行う。タッチ検出動作及び表示動作はどのように分けて行ってもよい。例えば、表示パネル10の1フレーム期間、すなわち、1画面分の映像情報が表示されるのに要する時間の中において、タッチ検出及び表示をそれぞれ時分割に行う方法について説明する。
図21では、複数の表示期間Pdと、第1センサ期間Pemとが、時分割で交互に実行される例を示している。また、
図22では、複数の表示期間Pdと、第2センサ期間Pesとが、時分割で交互に実行される例を示している。
【0126】
図21に示すように、表示期間Pdにおいて、上述した表示動作が実行される。
図10に示したように、全ての第1電極COMLが、駆動電極ブロックBkとして選択される。駆動IC19は、第2配線L2a、L2bを介して、表示駆動信号Vcomdcを駆動電極ブロックBkに供給する。同じ期間で、駆動電極ブロックBkと対向する第3電極ブロックBkCsにも表示駆動信号Vcomdcが供給される。
【0127】
第1センサ期間Pemでは、
図11に示したように、駆動IC19は、第1電圧VTPHと第2電圧VTPLとを駆動電極ブロックBkの両端に交互に供給する。これにより、駆動電極ブロックBkに第1駆動信号VTPが供給される。同じ期間で、駆動電極ブロックBkと重なって対向する第3電極ブロックBkCsにも同じ第1駆動信号VTPが供給される。また、非選択電極ブロックNBk及び非選択第3電極ブロックNBkCsは、第1駆動信号VTPが供給されずフローティング状態となる。
【0128】
このように、第1センサ期間Pemでは、第2基板31(
図5、
図17参照)に設けられた第1電極COMLに加え、第1基板21に設けられた第3電極24も同時に駆動される。これにより、磁界M2の強度を高めることができる。また、非選択電極ブロックNBkの第1電極COMLは、フローティング状態となる。
【0129】
第2電極TDLには、第1駆動信号VTPにより形成された電磁誘導に基づく起電力が発生する。この起電力に応じた第1検出信号Vdet1は、表示期間Pdと重なる期間に第1AFE47Aに出力される。本実施形態では、第2電極TDLは、導光板91(
図5、
図9参照)に対して表示機能層である液晶層6とは反対側に設けられている。これにより、第2電極TDLを導光板91と第2基板31との間、例えば第2基板31と接着層35との間に設けた場合に比べて、第2電極TDLと液晶層6との距離が大きくなる。このため、表示期間Pdでは、第1検出信号Vdet1による液晶層6の変動が抑制され、表示品質の低下を抑制できる。
【0130】
図22に示すように、第2センサ期間Pesでは、
図11に示したように、駆動IC19は、駆動電極ブロックBkに第2駆動信号TSVcomを供給する。同じ期間で、駆動電極ブロックBkと重なって対向する第3電極ブロックBkCsにも同じ第2駆動信号TSVcomが供給される。第1電極COMLと第2電極TDLとの間の静電容量変化に応じた第2検出信号Vdet2は、第2電極TDLから第2AFE47B(
図9参照)に供給される。また、非選択電極ブロックNBk及び非選択第3電極ブロックNBkCsは、表示駆動信号Vcomdcが供給される。非選択電極ブロックNBk及び非選択第3電極ブロックNBkCsは、固定された電位であればよく、第2電圧VTPLが供給されてもよい。
【0131】
表示装置1は、第2センサ期間Pesでは、検出面(センサ基体97の第1面97a又は保護層98の表面)に接触又は近接する指を検出するが、これに限定されない。表示装置1は、例えば、検出面に加えられる押力も検出することができる。次に、
図23から
図34を参照して、第2センサ期間Pesでのタッチ検出及び押力検出について説明する。
【0132】
図23は、指が検出面に近接しているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図24は、指が検出面に近接しているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図25は、指が検出面に近接しているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
図26は、指が検出面に接触しているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図27は、指が検出面に接触しているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図28は、指が検出面に接触しているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
図29は、指が検出面に押力F1を加えているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図30は、指が検出面に押力F1を加えているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図31は、指が検出面に押力F1を加えているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
図32は、指が検出面に押力F2を加えているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図33は、指が検出面に押力F2を加えているときの、指の位置と第2検出信号との関係を説明するための説明図である。
図34は、指が検出面に押力F2を加えているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
【0133】
図23は、
図9の第1方向Dxから見たときの、表示装置1に対する指Fgの位置と、第2検出信号Vdet2との関係を示している。図示した例は、第1電極COML1から第1電極COML8を順次駆動したときの第2電極TDL6から出力される第2検出信号Vdet2を示している。
図24は、第2方向Dyから見たときの、表示装置1に対する指Fgの位置と、第2検出信号Vdet2との関係を示している。図示した例は、第1電極COML4を駆動したときに第2電極TDL1から第2電極TDL8から出力される第2検出信号Vdet2を示している。また、
図25は、
図9の第3方向Dzから見たときの、第2検出信号Vdet2の分布を示している。なお、
図26から
図34もそれぞれ同様である。
【0134】
図23から
図34では、保護層98を省略して示し、センサ基体97の第1面97aを検出面として説明する。これに限定されず、保護層98が設けられている場合には、保護層98の表面が検出面である。ここで、
図23から
図34に示すように、指Fgが検出面に近接も接触もしていない初期状態における第2検出信号Vdet2の値を基準値とする。
図23から
図34では基準値は0である。また、基準値より大きい正の閾値を第1閾値THaとする。第1閾値THaより大きい正の閾値を第2閾値THbとする。基準値より小さい負の閾値を第3閾値THcとする。基準値以上の正の第2検出信号Vdet2のうち、第1閾値THa以上、第2閾値THb未満の信号をタッチシグナルTS1とする。基準値以上の正の第2検出信号Vdet2のうち、第2閾値THb以上である信号をタッチシグナルTS2とする。また、基準値以上、第1閾値THa未満である信号をタッチシグナルTSaとする。また、基準値未満の負の第2検出信号Vdet2のうち、第3閾値THc以下である信号をタッチシグナルTS3とし、基準値未満、第3閾値THcより大きい信号をタッチシグナルTScとする。
【0135】
表示装置1は、第2検出信号Vdet2の各タッチシグナルの大きさと位置から指Fgの位置及び押力を検出する。このような指Fgの位置及び押力の検出は、例えば、第1電極COMLと第2電極TDLとの間の電極間容量の一画面分の分布を検出した後に行われる。
【0136】
ここで、第2電極TDLのi番目の第2電極TDLiと、第1電極COMLのj番目の第1電極COMLjが交差する位置を位置SPijと表す。例えば、第2電極TDL6と第1電極COML4とが交差する位置を位置SP64として表すこととする。位置SPijにおける電極間容量は、第1電極COMLjに第2駆動信号TSVcomが供給されたときの、第1電極COMLjと第2電極TDLiとの間に形成される容量を示している。
【0137】
図23及び
図24に示すように、指Fgは、位置SP64において、検出面に近接している。指Fgは位置SP64において、第2電極TDL6との間に間隔LAを空けて接近している。また、第1電極COMLと第2電極TDLとの間隔を、間隔L0とする。
【0138】
指Fgの近接により、位置SP64及び周辺の位置での第1電極COMLと第2電極TDLとの間の電極間容量が、他の位置での電極間容量よりも減少する。これにより、
図23に示すように、位置SP64においてタッチシグナルTS1が生じ、位置SP63と、位置SP65においてタッチシグナルTSaが生じる。また、
図24に示すように、位置SP54と、位置SP74においてタッチシグナルTSaが生じる。
【0139】
図25に示すように、タッチシグナルTS1は、斜線の領域で表される。ここで得られる第2検出信号Vdet2は全て正のタッチシグナルである。なお、
図25では、第1閾値THaより小さいタッチシグナルTSaについては図示されない。位置SP64のみでタッチシグナルTS1が検出されることから、検出部40(
図1参照)は、指Fgが位置SP64を中心に位置していることを検出できる。また、位置SP64で得られたタッチシグナルTS1の大きさ(信号値)から、検出部40は、指Fgが検出面に近接していることを検出できる。検出部40は、このような第2検出信号Vdet2の分布から、指Fgが第2電極TDLに対して間隔LAを有して位置することを検出できる。
【0140】
次に、
図26及び
図27に示すように、指Fgは、位置SP64において、検出面に接している。指Fgと第2電極TDLとの間の間隔LAは最小値となる。また、このときの位置SP64における電極間容量は、
図23及び
図24での電極間容量より小さくなる。また、このときの間隔L0は、
図23及び
図24での間隔L0と等しい。
【0141】
図26に示すように、位置SP64においてタッチシグナルTS2が生じ、位置SP65と、位置SP63においてタッチシグナルTS1が生じる。また、
図27に示すように、位置SP54、位置SP74においてタッチシグナルTS1が生じる。
【0142】
図28に示すように、タッチシグナルTS2は、黒塗りの領域で表される。ここで得られる第2検出信号Vdet2は全て正のタッチシグナルである。第2検出信号Vdet2の分布のうち、位置SP64で得られたタッチシグナルTS2が最も大きいため、検出部40は、指Fgが位置SP64を中心に位置していることを検出できる。また、位置SP64の周辺の位置SP63、SP65、SP54、SP74のタッチシグナルTS1の分布から、検出部40は、指Fgが検出面に接していることを検出できる。
【0143】
図23から
図28に示したように、指Fgが検出面に近接又は接触しているとき、例えば、得られる第2検出信号Vdet2は全て正となる。検出部40は、一番大きい第2検出信号Vdet2が検出される位置SPに指Fgがあることを検出し、また、その周りの第2検出信号Vdet2の分布から、指Fgの近接の程度や、もしくは接触しているかを検出することが可能である。
【0144】
図29及び
図30に示すように、指Fgは、位置SP64において、検出面に押力F1を加えている。このとき、指Fgと第2電極TDLとの間の間隔LAは最小値となっている。このときの位置SP64における電極間容量は、
図26及び
図27に示した電極間容量より大きくなる。また、このときの第1電極COMLと第2電極TDLとの間隔L1は、
図23から
図27に示した間隔L0より小さい。電極間容量は、間隔LAが最小値をとることによる初期容量からの減少分と、間隔L0から間隔L1へ小さくなったことによる初期容量からの増加分と、を合わせて求められる。
【0145】
図29及び
図30に示すように、位置SP64の周辺では、位置SP61、SP62、SP63、SP65、SP66、SP67、SP24、SP34、SP44、SP54、SP74、SP84において、間隔L1が間隔L0より小さくなる。これにより、電極間容量が初期容量より大きくなる。
【0146】
図29に示すように、指Fgが検出面に接触することにより、位置SP64においてタッチシグナルTS2が生じる。また、押力F1で間隔L1が小さくなることにより、位置SP63と、位置SP65と、位置SP66とにおいて負のタッチシグナルTS3が生じる。同様に、位置SP61と、位置SP62と、位置SP67とにおいて負のタッチシグナルTScが生じる。また、
図30に示すように、位置SP44と、位置SP54と、位置SP74とにおいて負のタッチシグナルTS3が生じる。位置SP24と、位置SP34と、位置SP84とにおいて負のタッチシグナルSTcが生じる。
【0147】
図31に示すように、タッチシグナルTS3は、左斜め斜線の領域で表される。ここで得られる全ての第2検出信号Vdet2のうち、位置SP64のみが正のタッチシグナルTS2であり、位置SP64以外の位置SPでは全て負のタッチシグナルTS3である。なお、第3閾値THcより大きい負のタッチシグナルTScについては、図示されない。位置SP64のみで正のタッチシグナルTS2が検出されることから、検出部40は、指Fgが位置SP64を中心に位置していることを検出できる。また、位置SP64の周辺の位置SP63、SP65、SP66、SP44、SP54、SP74において、負のタッチシグナルTS3が得られることから、検出部40は、指Fgが検出面に押力を加えていることを検出できる。すなわち、検出部40は、指Fgの位置SPと押力F1の大きさを同時に検出できる。
【0148】
図32及び
図33に示すように、指Fgは、位置SP64において、検出面に押力F2を加えている。押力F2は、押力F1より大きい。このとき、指Fgと第2電極TDLとの間の間隔LAは最小値となっている。このときの位置SP64における電極間容量は、
図29及び
図30に示した電極間容量より大きくなる。また、このときの間隔L2は、
図29及び
図30に示した間隔L1より小さい。電極間容量は、間隔LAが最小値をとることによる初期容量からの減少分と、間隔L0から間隔L2へ小さくなったことによる初期容量からの増加分と、を合わせて求められる。
【0149】
図32に示すように、指Fgが検出面に接触することにより、位置SP64においてタッチシグナルTS2が生じる。また、押力F2で間隔L2が小さくなることにより、位置SP62と、位置SP63と、位置SP65と、位置SP66と、位置SP67とにおいて負のタッチシグナルTS3が生じる。同様に、位置SP61と、位置SP68とにおいて負のタッチシグナルTScが生じる。また、
図33に示すように、位置SP34と、位置SP44と、位置SP54と、位置SP74とにおいて負のタッチシグナルTS3が生じる。位置SP14と、位置SP24と、位置SP84とにおいて負のタッチシグナルSTcが生じる。ここで、各位置SPでの電極間容量は、
図29及び
図30における電極間容量より大きいため、位置SP64に生じるタッチシグナルTS2は、
図29及び
図30で示したタッチシグナルTS2より小さい。
【0150】
図34に示すように、位置SP53、SP55、SP73、SP75においてもタッチシグナルTS3が生じる。位置SP64のみが正のタッチシグナルTS2であり、位置SP64以外では全て負のタッチシグナルTS3である。なお、第3閾値THcより大きい負のタッチシグナルTScについては、図示されない。位置SP64のみで正のタッチシグナルTS2が検出されることから、検出部40は、指Fgが位置SP64を中心に位置していることを検出できる。また、位置SP64の周辺の位置SP62、SP63、SP65、SP66、SP67、SP34、SP44、SP54、SP74、SP53、SP55、SP73、SP75において、負のタッチシグナルTS3が得られる。これにより、検出部40は、指Fgが検出面に押力を加えていることを検出できる。また、押力F2は押力F1より大きいため、
図31と比較すると、
図34に示されたタッチシグナルTS3の方がより広い分布で検出される。これにより、第2検出信号Vdet2の分布から、検出部40は、指Fgが検出面に押力F2を加えていることを検出できる。
図29及び
図30と同様に、検出部40は、指Fgの位置SPと押力F2の大きさを同時に検出できる。
【0151】
このように、本実施形態に係る表示装置1によれば、指Fgの近接又は接触を検出可能な第1電極COML及び第2電極TDLを備え、第1電極COMLと第2電極TDLとの間隔Lは押力に応じて変化する。このため、指Fgによって押力が加えられた状態では、第2電極TDLが第1電極COMLに近づくことで電極間容量が増加する一方で、指Fgが接触することで電極間容量が減少する。特に、指Fgによって押力が加えられる押圧部では、指Fgの接触による電極間容量の減少分が、間隔Lの減少による電極間容量の増加分よりも大きい。このため、押圧部における容量は、指Fgによる押圧がない初期状態での初期容量よりも小さくなる。一方、押圧部の周辺では、電極間容量の増加分が電極間容量の減少分より大きいため、その電極間容量は初期容量よりも大きくなる。このような電極間容量の変化を検出することにより、検出部40は、指Fgによる押圧の有無、及び押圧の位置を検出することが可能となる。
【0152】
また、第1電極COMLと第2電極TDLとの間の間隔Lは、押力の大きさに応じて変化する。本実施形態では、第2電極TDLは、導光板91(
図5、
図9参照)に対して表示機能層である液晶層6とは反対側に設けられている。これにより、第2電極TDLを導光板91と第2基板31との間、例えば第2基板31と接着層35との間に設けた場合に比べて、第1電極COMLと第2電極TDLとの間の間隔Lが大きい。また、
図5に示すように導光板91と偏光板36との間に接着層55が設けられ、導光板91と第2電極TDLとの間に接着層56が設けられる。接着層55、56は、指Fgから加えられる押力により変形する柔軟な樹脂材料が用いられる。接着層55、56は、例えば、シリコン系接着剤が用いられる。これにより、押力の大きさに応じて第1電極COMLと第2電極TDLとの間の間隔Lが変化しやすくなり、表示装置1は良好に押力を検出できる。
【0153】
以上のように、表示装置1は、第2センサ期間Pesにおいて、第1電極COMLと第2電極TDLとの間の静電容量変化に応じた信号(第2検出信号Vdet2)の分布に基づいて、被検出体の位置及び検出面に加えられる押力を検出することが可能となる。
【0154】
なお、
図23から
図34では、第2電極TDLが8本、第1電極COMLが8本の場合を例に説明したが、特に限定されない。第2電極TDL及び第1電極COMLがそれぞれ2本以上7本以下、又は9本以上でもよい。また、閾値の値は図示した範囲に限らず、さらに細かい閾値の範囲を有していてもよい。なお、第2検出信号Vdet2の大きさの範囲として閾値を用いたが、閾値を設けずに基準値からの第2検出信号Vdet2の増減により、検出部40は位置と押力とを検出してもよい。また、
図23から
図34に示した例は、指Fgが1つの第2電極TDLと1つの第1電極COMLとが交差する位置SPを中心として位置している場合の例である。ただし、指Fgの大きさや第2電極TDL及び第1電極COMLの大きさは特に限定されず、1つの指Fgが、複数の位置SPを同時に押圧する場合もあり得る。この場合、指Fgの位置に対応する第2電極TDL及び第1電極COMLの本数の増加に伴って、得られる第2検出信号Vdet2はより複雑な分布となる。
【0155】
次に、タッチ検出及び押力検出の他の例について説明する。
図35は、指がセンサ基体に押力F1を加えているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
図36は、指がセンサ基体に押力F2を加えているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
図37は、複数の指がセンサ基体に押力F1を加えているときの、平面視での第2検出信号の分布を説明するための説明図である。
図35から
図37では、第1電極COML及び第2電極TDLの本数は特に限定されず、得られた第2検出信号Vdet2の分布は滑らかな曲線で示されている。第1電極COML及び第2電極TDLの本数が増加するにつれて、第2検出信号Vdet2の分布は、
図35から
図37に示すような曲線の形に近似する。
【0156】
図35は、
図29から
図31と同様に、指Fgが検出面に押力F1を加えている場合の第2検出信号Vdet2の分布を示している。
図35に示すように、タッチシグナルTS1は、タッチシグナルTS2の分布の周りを囲んで分布している。さらに、タッチシグナルTS3は、タッチシグナルTS1の分布との間に領域TS0を挟んで、タッチシグナルTS1の分布の周りを囲んで分布している。検出部40は、このような第2検出信号Vdet2の分布を検出することにより、指Fgの位置を検出し、指Fgが検出面に押力F1を加えていることを検出できる。なお、指Fgが検出面に近接又は接触している状態では、タッチシグナルTS1は、タッチシグナルTS2の分布の周りを囲んで分布し、タッチシグナルTS3が検出されない。これにより、検出部40は、指Fgの位置を検出でき、押力が加えられていないことが検出できる。
【0157】
図36は、
図32から
図34と同様に、指Fgが検出面に押力F2を加えている場合の第2検出信号Vdet2の分布を示している。
図36に示すように、タッチシグナルTS1は、タッチシグナルTS2の分布の周りを囲んで分布している。さらに、タッチシグナルTS3は、タッチシグナルTS1の分布との間に領域TS0を挟んで、タッチシグナルTS1の分布の周りを囲んで分布している。
図36では、
図35と比較すると、タッチシグナルTS1の分布とタッチシグナルTS2の分布の各面積が小さくなり、領域TS0とタッチシグナルTS3の分布の各面積が大きくなる。検出部40は、このような第2検出信号Vdet2の分布を検出することにより、指Fgの位置を検出し、指Fgが検出面に押力F2を加えていることを検出できる。
【0158】
図37においては、タッチシグナルTS2の2つの分布が検出される。2つのタッチシグナルTS2の分布の周りをそれぞれ個別にタッチシグナルTS1の分布が囲んでいる。タッチシグナルTS3は、タッチシグナルTS1の分布との間に領域TS0を挟んで、タッチシグナルTS1の2つの分布の周りを囲んで分布している。検出部40は、このような第2検出信号Vdet2の分布を検出することにより、2つの指Fgについて位置と押力を検出することが可能である。なお、検出部40は、指Fgの数が2つの場合に限らず、3つ以上の指Fgが同時に押圧する場合も検出可能である。
【0159】
(第2実施形態)
図38は、第2実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。
図39は、第2実施形態に係るフロントライトの概略断面構造を表す断面図である。なお、上述した第1実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0160】
図38に示すように、本実施形態の表示装置1Aにおいて、フロントライト90Aの導光板95の上に第2電極TDLが設けられている。第2電極TDLの上には、接着層56を介してカバー基体97A及び保護層98が設けられている。本実施形態では、第2電極TDLは導光板95に直接、接して設けられる。本実施形態においても、第1基板21、複数の画素電極25、表示機能層としての液晶層6、複数の第1電極COML、導光板95及び複数の第2電極TDLは、この順で重なって設けられる。
【0161】
図39に示すように、フロントライト90Aは、導光板95と、光源94とを含む。導光板95は、第1主面95aと、第1主面95aとは反対側の第2主面95bとを有する。第1主面95aは、第1基板21及び第2基板31(
図38参照)と対向する面であり、接着層55を介して偏光板36(
図38参照)と貼り合わされる。第2主面95bは、接着層56を介してカバー基体97A(
図38参照)と貼り合わされる。
【0162】
導光板95の第2主面95bには、複数の凹部95dが形成されている。凹部95dには、高反射層96Aと、低反射層96Bとが設けられている。高反射層96Aは、導光板95を伝搬する光PLを好適に反射する金属材料である。高反射層96Aとして、例えば、銀やアルミニウムを用いることができる。低反射層96Bは、高反射層96Aの上に設けられる。低反射層96Bは、高反射層96Aよりも光の反射率が低い材料である。又は、低反射層96Bは、遮光層であってもよい。低反射層96Bは、光の反射率が比較的低い金属や金属酸化物を用いることができる。
【0163】
第2電極TDLは、導光板95の第2主面95bに設けられる。第2電極TDLは、高反射層96Aと同層に設けられていてもよく、高反射層96Aと異なる層に設けられていてもよい。
【0164】
光源94は導光板95の側面95cに設けられる。光源94からの光PLは、導光板95と接着層55との界面及び導光板95と接着層56との界面で反射を繰り返しつつ、導光板95の内部を進行する。光PLのうち、凹部95dの高反射層96Aで屈折された光ILは、第1主面95aから対向基板3に向けて照射される。
【0165】
本実施形態においても、第2電極TDLが導光板95の上に設けられている。このため、第2電極TDLを導光板95と第2基板31との間に設けた場合に比べて、第2電極TDLと指等の被検出体との距離が小さくなる。また、第2電極TDLと第1電極COMLとの間に形成されるフリンジ電界が、カバー基体97Aよりも上側に形成されやすくなる。これにより、表示装置1Aは、タッチ検出感度を向上できる。
【0166】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。
【0167】
例えば、本態様の表示装置は、以下の態様をとることができる。
(1)第1基板と、表示機能層と、複数の第1電極と、導光板と、複数の第2電極と、前記第1電極及び前記第2電極を制御する制御部と、を備え、
前記第1基板、前記表示機能層、複数の前記第1電極、前記導光板及び複数の前記第2電極は、この順で設けられ、
前記制御部は、画像を表示する複数の表示期間と、第1センサ期間と、第2センサ期間とを時分割で実行し、
前記第1センサ期間には、前記第1電極に第1駆動信号が供給されて、前記第2電極には電磁誘導に基づく起電力が発生し、
前記第2センサ期間には、前記第1電極に第2駆動信号が供給されて前記第1電極と前記第2電極との間で静電容量を形成する、
表示装置。
(2)前記第2電極が設けられたセンサ基体を有し、
前記第2電極は、前記センサ基体と、前記導光板との間に配置される、
上記(1)に記載の表示装置。
(3)前記第1基板と対向する第2基板と、前記第2基板と前記導光板との間に設けられた偏光板と、を有し、
前記導光板と前記偏光板との間、及び前記導光板と前記第2電極との間に、それぞれ接着層が設けられる、
上記(2)に記載の表示装置。
(4)前記導光板は、前記第1基板と対向する第1主面と、前記第1主面の反対側の第2主面とを有し、
前記第2電極は、前記第2主面に設けられる、
上記(1)に記載の表示装置。
(5)前記第2電極に接続されたアナログフロントエンド回路をさらに備えている、
上記(1)乃至上記(4)のいずれか1つに記載の表示装置。
(6)前記表示期間に、前記電磁誘導に基づく起電力に応じた信号が、前記第2電極から前記アナログフロントエンド回路に出力される、
上記(5)に記載の表示装置。
(7)前記第2電極と前記アナログフロントエンド回路の間には、前記第2電極と前記アナログフロントエンド回路の接続状態を切り替えるスイッチ回路が設けられており、
前記スイッチ回路は、
前記第1センサ期間に、少なくとも一対の第2電極の同側の一端部どうしを接続すると共に、当該一対の第2電極のうちの一方の第2電極の他端部と前記アナログフロントエンド回路とを接続し、
前記第2センサ期間には、各前記第2電極と前記アナログフロントエンド回路とを接続する
上記(5)又は上記(6)に記載の表示装置。
(8)前記複数の第1電極のうち、一対の第1電極の同側の端部を接続するスイッチ部が設けられており、
前記制御部は、前記第1センサ期間に、前記スイッチ部の動作により前記一対の第1電極どうしを接続し、前記第1センサ期間とは異なる期間に前記スイッチ部の動作により前記一対の第1電極どうしを非接続状態とする、
上記(1)乃至上記(7)のいずれか1つに記載の表示装置。
(9)前記複数の第1電極に第1電圧を供給する第1電圧供給部と、前記複数の第1電極に前記第1電圧よりも小さい第2電圧を供給する第2電圧供給部と、を備え、
前記第1センサ期間に、少なくとも1つの前記第1電極の一端側に前記第1電圧供給部が接続され、他端側に前記第2電圧供給部が接続され、少なくとも1つの前記第1電極の他の前記第1電極の一端側に前記第2電圧供給部が接続され、他端側に前記第1電圧供給部が接続される、
上記(1)乃至上記(8)のいずれか1つに記載の表示装置。
(10)前記制御部は、前記第2センサ期間において、前記第1電極と前記第2電極との間の静電容量変化に応じた信号の分布に基づいて、被検出体の位置及び検出面に加えられる押力を検出する、
上記(1)乃至上記(9)のいずれか1つに記載の表示装置。