特許第6854762号(P6854762)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6854762サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854762
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 487/04 20060101AFI20210329BHJP
   A61K 31/4162 20060101ALI20210329BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20210329BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20210329BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20210329BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20210329BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20210329BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20210329BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   C07D487/04 138
   C07D487/04CSP
   A61K31/4162
   A61K31/496
   A61K31/454
   A61P43/00 111
   A61P43/00 105
   A61P43/00 121
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P29/00
   A61P37/06
   A61P29/00 101
【請求項の数】37
【全頁数】198
(21)【出願番号】特願2017-534308(P2017-534308)
(86)(22)【出願日】2015年12月23日
(65)【公表番号】特表2018-502098(P2018-502098A)
(43)【公表日】2018年1月25日
(86)【国際出願番号】US2015000297
(87)【国際公開番号】WO2016105528
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2018年12月19日
(31)【優先権主張番号】62/096,040
(32)【優先日】2014年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511071555
【氏名又は名称】ダナ−ファーバー キャンサー インスティテュート, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,ナサニエル,エス.
(72)【発明者】
【氏名】リアン,ヤンケ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ティンフー
(72)【発明者】
【氏名】クウィアトコウスキ,ニコラス,ポール
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−514026(JP,A)
【文献】 特表2010−518069(JP,A)
【文献】 特表2009−520805(JP,A)
【文献】 特表2010−505905(JP,A)
【文献】 特表2010−523643(JP,A)
【文献】 特表2004−505977(JP,A)
【文献】 BRASCA, M. G. et al.,ChemMedChem,2007年,Vol. 2,pp. 841-852
【文献】 DATABASE REGISTRY [ONLINE] Retrieved from STN,2011年12月 4日,検索日:07 OCT 2019 RN 1350102-23-6, 1349782-05-3, 1349471-31-3, 1349357-86-3, 1349106-33-7, 1348397-56-7, 1348192-23-3, 1348088-42-5
【文献】 LI, H. et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2011年,Vol. 21,pp. 584-587
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)または式(I’):
【化1】
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の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体であって、式中:
は、−NRであり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基であるか、あるいは、RとRとは連結して、任意置換ヘテロ環式、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
およびRの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換C〜Cアルキル、または任意置換アリールであるか、あるいはRとRとは、連結して、任意置換C〜Cカルボシクリル環を形成し;
は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
は、−NRL1−、または−NRL1C(=O)−であり、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
環Aは、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり;
は、結合、−C(=O)−、−NRL2−、−C(=O)NRL2−、−NRL2C(=O)−、−O−、または−S−であり、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
環Bは、不在であるか、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり;ならびに
は、式(i−1)、(i−16)、(i−18a)、(i−18b)、および(i−18c):
【化2】
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【化3】
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【化4】
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式中:
は、結合、または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C=O−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−で置き換えられ、ここで、RL3aの各出現は、独立して水素、任意置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、あるいは2つのRL3b基は、連結して、任意置換の炭素環式または任意置換のヘテロ環式環を形成し;
E1、RE2、およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHOREE、−CHN(REE、−CHSREE、−OREE、−N(REE、−Si(REE、または−SREEであり、ここで、REEの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、あるいは、2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成し
は、O、SまたはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換の任意置換C1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
窒素保護基の各々は、独立して、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOCまたはBoc)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート,シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、フェナシルスルホンアミド、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基、または窒素保護基(複数)が結合される窒素原子(複数)と一緒になった窒素保護基(単数)2つの例がN,N’−イソプロピリデンジアミンである、からなる群から選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、
aaのそれぞれは独立してC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRaa基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
bbのそれぞれは独立して水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、SON(Rcc、SOcc、SOORcc、SORaa、C(=S)N(Rcc、C(=O)SRcc、C(=S)SRcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORee、−P(=O)(N(Rcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRbb基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
ccのそれぞれは独立して水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
ddのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee、−P(=O)(ORee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRgg基によって置換されるか、または、2つのジェミナルRdd置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し;
eeのそれぞれは独立してC1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
ffのそれぞれは独立して水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRff基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
ggのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−NH(C1〜6アルキル)、−NH(C1〜6アルキル)、−NH、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO1〜6アルキル、−SOOC1〜6アルキル、−OSO1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)、−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールであるか;または、2つのジェミナルなRgg置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し;
は対イオンであり、
酸素原子置換基の各々は、独立して、メチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリエート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート(adamantoate)、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチルカーボネート、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−ブテノエート、o−(メトキシアシル)ベンゾエート、α−ナフトエ―ト、ニトレート、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、トシレート(Ts)、−Raa、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(ORcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbからなる群から選択される;
のいずれかである、
前記化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、同位体標識された誘導体。
【請求項2】
およびRの各々は、独立して、水素、ハロゲン、または任意置換C〜Cアルキルであるか、あるいは、RとRは、連結して、任意置換C〜Cカルボシクリル環を形成する、
前記化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項3】
式(II)または式(III):
【化5】
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のものである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項4】
式:
【化6】
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のものである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項5】
式:
【化7】
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式中、R1aは、水素、任意置換C1〜C6アルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、任意置換C1〜C6アルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換ヘテロ環式、または任意置換ヘテロアリール環を形成する、
のものである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項6】
式:
【化8】
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【化9】
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式中、R1aは、水素、任意置換C1〜C6アルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、任意置換C1〜C6アルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換ヘテロ環式、または任意置換ヘテロアリール環を形成する、
のものである、請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項7】
環Aが 任意置換フェニル環、任意置換シクロヘキシル環または任意置換ピペリジン環である、請求項1〜3および5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項8】
が−NRL1−である、請求項1、2、4、6、および7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項9】
が−NH−である、請求項8に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項10】
が−NRL1(C=O)−である、請求項1、2、4、6、および7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項11】
が−NH(C=O)−である、請求項10に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項12】
が−(C=O)−、−NRL2(C=O)−または結合である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項13】
環Bが、不在であるか、任意置換フェニル環または任意置換ピペリジン環である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項14】
が、任意置換アルキルアミノ基である、請求項1〜4および7〜13のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項15】
が、式(ii−1)または式(ii−2):
【化10】
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式中:
は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
1aは、水素、任意置換C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
2aは、水素、−OR1N、または−NR1N2Nであり、ここで、R1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、任意置換C〜Cアルキル、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基であるか、あるいはR1NとR2Nは、連結して、任意置換ヘテロ環式、または任意置換ヘテロアリール環を形成する、
のものである、請求項14に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項16】
が、式(i−1):
【化11】
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のものである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項17】
が、式
【化12】
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のものである、請求項16に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項18】
およびRが、各々独立して、任意置換C1〜6アルキルまたは任意置換アリールであるか、あるいはRとRとが、連結して、任意置換C3〜6炭素環式環を形成する、請求項1および7〜17のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項19】
およびRが、いずれもメチルである、請求項18に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項20】
が、水素である、請求項1、2および7〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項21】
が、任意置換C1〜C6アルキルである、請求項1、2および7〜19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項22】
が、−CHである、請求項21に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項23】
化合物が式:
【化13】
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【化14】
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【化15】
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【化16】
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【化17】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、立体異性体、互変異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項24】
化合物が式
【化18】
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である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、立体異性体、互変異性体、もしくは同位体標識された誘導体。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体、および薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項26】
それを必要とする対象において増殖性疾患を処置するための請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項27】
増殖性疾患が、がんである、請求項26に記載の医薬組成物。
【請求項28】
増殖性疾患が白血病である、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項29】
増殖性疾患がリンパ腫である、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項30】
増殖性疾患が多発性骨髄腫である、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項31】
増殖性疾患が脳癌、乳癌、骨癌、大腸癌、肺癌、神経芽細胞腫またはメラノーマである、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項32】
増殖性疾患が良性新生物である、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項33】
増殖性疾患が炎症性疾患である、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項34】
増殖性疾患が自己免疫疾患である、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項35】
増殖性疾患が、関節リウマチである、請求項26の使用のための医薬組成物。
【請求項36】
生体試料または対象におけるサイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害するための、転写を阻害するための、細胞増殖を阻害するための、または、細胞のアポトーシスを誘導するための、請求項25に記載の医薬組成物。
【請求項37】
請求項1〜24のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体、または請求項25に記載の医薬組成物;および
前記化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異性体、立体異性体、もしくは同位体標識された誘導体、あるいは前記医薬組成物を、対象に投与するか、または生体試料と接触させるための説明
を含む、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2014年12月23日に出願された米国仮出願U.S.S.N. 62/096,040に対する35 U.S.C.§119(e)の優先権を主張し、該仮出願の全内容は、本明細書において参考として援用される。
【0002】
政府の支援
本発明は、国立衛生研究所により付与された助成金番号1 R01 CA 179483-01A1下の政府の支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)ファミリーのメンバーは、細胞増殖において重要な調節的役割を果たす。現在20種の既知の哺乳動物CDKが存在する。CDK7〜CDK13が転写に関連付けられている一方で、CDK1、2、4および6が、実証可能な細胞周期との関連性を示す。哺乳動物CDKの間でユニークなことに、CDK7は、強化されたキナーゼ活性を有し、細胞周期および転写の両方を制御している。細胞質ゾルにおいて、CDK7は、ヘテロ三量体複合体として存在し、CDK1/2活性化キナーゼ(CAK)として機能し、それにより、CDK7によるCDK1/2中の保存された残基のリン酸化が、完全な触媒的CDK活性および細胞周期の進行のために必要とされると考えられる。(Desai et al., “Effects of phosphorylation by CAK on cyclin binding by CDC2 and CDK2.” Mol. Cell Biol. 15, 345-350 (1995); Kaldis et al., “Analysis of CAK activities from human cells.” Eur. J. Biochem. 267, 4213-4221 (2000); Larochelle et al., “Requirements for CDK7 in the assembly of CDK1/cyclin B and activation of CDK2 revealed by chemical genetics in human cells.” Mol. Cell 25, 839-850 (2007))。核においては、CDK7は、RNAポリメラーゼ(RNAP)II基本転写因子複合体のキナーゼコアを形成し、遺伝子の転写活性において必要なステップである、RNAP IIのC末端ドメイン(CTD)をリン酸化するという任を負う(Serizawa. et al., “Association of CDK-activating kinase subunits with transcription factor TFIIH.” Nature 374, 280-282 (1995); Shiekhattar et al., “CDK-activating kinase complex is a component of human transcription factor TFIIH.” Nature 374, 283-287 (1995); Drapkin et al., “Human cyclin-dependent kinase -activating kinase exists in three distinct complexes.” Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93, 6488-6493 (1996); Liu. et al., “Two cyclin-dependent kinases promote RNA polymerase II transcription and formation of the scaffold complex.” Mol. Cell Biol. 24, 1721-1735 (2004); Akhtar et al., “TFIIH kinase places bivalent marks on the carboxy-terminal domain of RNA polymerase II.” Mol. Cell 34, 387-393 (2009); Glover-Cutter et al., “TFIIH-associated CDK7 kinase functions in phosphorylation of C-terminal domain Ser7 residues, promoter-proximal pausing, and termination by RNA polymerase II.” Mol. Cell Biol. 29, 5455-5464 (2009))。まとめると、CDK7の2つの機能、すなわち、CAKおよびCTDリン酸化は、細胞増殖、細胞周期、および転写の重要な面を支持する。
【0004】
RNAP II CTDリン酸化の妨害は、抗アポトーシス性BCL-2ファミリーのものを含む短い半減期を有するタンパク質に優先的に影響を及ぼすことが示されている(Konig et al., “The novel cyclin-dependent kinase inhibitor flavopiridol downregulates Bcl-2 and induces growth arrest and apoptosis in chronic B-cell leukemia lines.” Blood 1, 4307-4312 (1997); Gojo et al., “The cyclin-dependent kinase inhibitor flavopiridol induces apoptosis in multiple myeloma cells through transcriptional repression and down-regulation of Mcl-1.” Clin. Cancer Res. 8, 3527-3538 (2002))。癌細胞は、BCL-2ファミリーメンバーの上方調節を通して細胞死シグナル伝達を回避する能力を示している(Llambi et al., “Apoptosis and oncogenesis: give and take in the BCL-2 family.” Curr. Opin. Genet. Dev. 21, 12-20 (2011))。したがって、ヒトCDK7キナーゼ活性の阻害は、抗増殖活性をもたらす可能性があり、薬理学的阻害は、がんを含む増殖性障害を処置することにおいて有用であると考えられる。実際に、CTDキナーゼを標的とする非選択的汎用CDK阻害剤であるフラボピリドールは、慢性リンパ球性白血病(CLL)の処置のために有効性を示したが、僅かな毒性プロフィールを被った(Lin et al., “Phase II study of flavopiridol in relapsed chronic lymphocytic leukemia demonstrating high response rates in genetically high-risk disease.” J. Clin. Oncol. 27, 6012-6018 (2009); Christian et al., “Flavopiridol in chronic lymphocytic leukemia: a concise review.” Clin. Lymphoma Myeloma 9 Suppl. 3, S179-S185 (2009))。選択的CDK7阻害剤は、CLLおよび他のがんの処置のための治療剤として、有望性を保持し得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、式(I)の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を提供する。式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物は、キナーゼの活性を阻害することができる。ある態様において、阻害されるキナーゼは、CDKである。ある態様において、キナーゼは、CDK7である。ある態様において、式(I)の化合物は、他のキナーゼ(例えばCDK12およびCDK13)と比較して、CDK7について選択的である。本発明はさらに、キナーゼ(例えばCDK7)の阻害を研究するために、ならびに、キナーゼの過剰発現および/または異常な活性(例えばCDK7)に関連する疾患の予防および/または処置のための治療として、本発明の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を用いる方法を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、対象における増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌、大腸癌)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)の予防および/または処置のために用いられる。
【0006】
ある態様において、式(I)の化合物は、CDK13と比較して、CDK7の活性を選択的に阻害することができる。CDK7の選択的阻害剤の発見は、CDKファミリーメンバーのキナーゼドメインの配列および構造の高い類似性により妨げられてきたので、転写的サイクリン依存性キナーゼ(tCDK)の選択的阻害剤の開発は、それらの転写の制御への寄与の精査、およびそれらの治療的潜在能力の評価を可能にするであろう。いかなる特定の理論にも拘束されることは望まないが、CDK7に対する本発明の化合物の選択性は、化合物がCDK7のシステイン残基(Cys312)を共有結合的に修飾する能力に起因する可能性がある。CDK7のCys312は、CDKおよび他のキナーゼの間でほぼユニークである。
【0007】
一側面において、本発明は、式(I):
【化1】
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の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグを提供し、ここで、R、R、R、R、R、リンカーL、リンカーL、環Aおよび環Bは、本明細書において定義されるとおりである。
【0008】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(II):
【化2】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、ここで、R、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、本明細書において定義されるとおりである。
【0009】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(III):
【化3】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、ここで、R、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、本明細書において定義されるとおりである。
【0010】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(V−a)、(V−b)、(V−c)、または(V−d):
【化4】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、ここで、R、R1a、R1N、R2N、リンカーL、環Aおよび環Bは、本明細書において定義されるとおりである。
【0011】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IX−a)、(IX−b)、(IX−C)、または(IX−d):
【化5】
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【化6】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであり、ここで、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、本明細書において定義されるとおりである。
【0012】
別の側面において、本開示は、本明細書において記載される化合物および任意に薬学的に許容し得る賦形剤を含む医薬組成物を提供する。ある態様において、本明細書において記載される医薬組成物は、本明細書において記載される化合物の治療または予防有効量を含む。医薬組成物は、それを必要とする対象において増殖性疾患を処置するため、それを必要とする対象において増殖性疾患を予防するため、対象、生体試料、組織もしく細胞においてタンパク質キナーゼの活性を阻害するため、および/または細胞においてアポトーシスを誘導するために有用であり得る。
【0013】
別の側面において、本発明は、増殖性疾患を処置および/または予防するための方法を提供する。処置することができる例示的な増殖性疾患として、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌、大腸癌)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患が挙げられる。
【0014】
本発明の別の側面は、生体試料または対象においてキナーゼの活性(例えばCDK(例えばCDK7))を阻害する方法に関する。ある態様において、方法は、CDK7の選択的阻害を含む。
【0015】
また本発明により提供されるのは、生体試料または対象において転写を阻害する方法である。CDK7の活性により影響を受ける遺伝子の転写は、本発明の化合物により阻害することができる。
【0016】
本発明はまた、生体試料または対象において細胞増殖を阻害する方法を提供する。なお別の側面において、本発明は、生体試料または対象において細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供する。
【0017】
さらに別の側面において、本発明は、対象における増殖性疾患(例えばがん)の処置における使用のための、式(I)の化合物ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物を提供する。
【0018】
本開示の別の側面は、本明細書に記載される化合物またはその医薬組成物の容器を含むキットに関する。本明細書に記載されるキットは、化合物または医薬組成物の単回用量(a single dose)または複数回用量(multiple doses)を包含し得る。キットは本開示の方法に有用であり得る。ある種の態様において、キットは化合物または医薬組成物を用いるための説明書をさらに包含する。本明細書に記載されるキットはまた、U.S.食品医薬品局(FDA)などの規制当局によって要求される情報(例えば処方の情報)をもまた包含する。
【0019】
本発明は、対象に、本明細書において記載される化合物またはその医薬組成物の有効量を投与するための方法を記載する。また記載されるのは、本明細書において記載される化合物またはその医薬組成物の有効量を細胞と接触させる方法である。ある態様において、本明細書において記載される方法は、さらに、対象にさらなる医薬品を投与することを含む。ある態様において、本明細書において記載される方法はさらに、細胞をさらなる医薬品に接触させることを含む。本明細書において記載される方法は、さらに、対象に対して、放射線治療、免疫治療、および/または移植を行うことを含んでもよい。
【0020】
さらに別の側面において、本開示は、本開示の方法における使用のための、本明細書において記載される化合物およびその医薬組成物を提供する。
【0021】
本発明の1つ以上の態様の詳細は、本明細書において記載される。本発明の他の特徴、目的および利点は、詳細な説明、例および請求の範囲から明らかとなるであろう。
【0022】
図面の簡単な説明
添付の図面は、本願の一部において組み込まれ、これを構成し、本願のいくつかの態様を説明し、説明と一緒に、本発明の原理を説明するために役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、DMSO(A〜D)または化合物101(E〜H)で処置されたCAK複合体の分析の間に記録された、CDK7ペプチドについての全イオンクロマトグラム(total ion chromatogram:TIC;A、E)および抽出イオンクロマトグラム(extracted ion chromatogram:XIC;B〜D、F〜H)を示す。図1A:TIC;DMSO。図1B:XIC;DMSO。図1C:XIC;DMSO。図1D:XIC;DMSO。図1E:TIC;化合物101。図1F:XIC;化合物101。図1G:XIC;化合物101。図1H:XIC;化合物101。
【0024】
図2図2は、化合物101で処置されたCDK7から誘導されたペプチドの分析の間に記録されたMSスペクトル(m/z686〜690)を示す。m/z687.7498におけるシグナルは、YFSNRPGPTPGCQLPRPNCPVETLKに対応し、Cys312は、化合物101で標識されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
定義
具体的な官能基および化学用語の定義が下でより詳細に記載される。化学元素はHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.内表紙の元素周期表CAS版に従って同定され、具体的な官能基はそこに記載されるどおりに一般に定義される。加えて、有機化学の一般の法則、さらには具体的な官能部分および反応性は、Thomas Sorrell, Organic Chemistry, University Science Books, Sausalito, 1999;Smith and March, March's Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001;Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989;および、Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987に記載されている。本開示は、いかなるやり方によっても、本明細書に記載の置換基の例示列挙で限定されることを意図していない。
【0026】
本明細書に記載される化合物は1つ以上の不斉中心を含み得、それゆえに種々の異性体形態、例えばエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーで存在し得る。例えば、本明細書に記載される化合物は単体のエナンチオマー、ジアステレオマー、もしくは幾何異性体の形態であり得るか、または、立体異性体の混合物の形態であり得る(ラセミ混合物および1つ以上の立体異性体が濃縮された混合物を包含する)。異性体は、当業者に知られている方法(キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)ならびにキラル塩の形成および結晶化を包含する)によって混合物から単離され得るか;または、好ましい異性体は、不斉合成によって調製され得る。例えば、Jacques et al., Enantiomers, Racemates and Resolutions (Wiley Interscience, New York, 1981);Wilen et al., Tetrahedron 33:2725 (1977);Eliel, Stereochemistry of Carbon Compounds (McGraw-Hill, NY, 1962);および、Wilen, Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p. 268 (E.L. Eliel, Ed., Univ. of Notre Dame Press, Notre Dame, IN 1972) を参照。本開示は、加えて、他の異性体が実質的にない単体の異性体としての、およびその代わりに、種々の異性体の混合物としての、本明細書に記載される化合物を包摂する。
【0027】
値の範囲が列挙されるときには、範囲内の各値および部分範囲を包摂することが意図される。例えば「C1〜6」はC、C、C、C、C、C、C1〜6、C1〜5、C1〜4、C1〜3、C1〜2、C2〜6、C2〜5、C2〜4、C2〜3、C3〜6、C3〜5、C3〜4、C4〜6、C4〜5、およびC5〜6を包摂することが意図される。
【0028】
用語「脂肪族」は、飽和および不飽和両方の直鎖(すなわち非分岐)、分岐、非環式、環式、または多環式脂肪族炭化水素を包含し、それらは1つまたは2つ以上の官能基によって任意置換される。当業者によって認められるであろうとおり、「脂肪族」は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびシクロアルキニル部分を包含するが、これに限定されないことを本明細書においては意図される。それゆえに、用語「アルキル」は、直鎖、分岐、および環式アルキル基を包含する。同様の慣例が他の総称的な用語、例えば「アルケニル」、「アルキニル」、および同類に適用される。なおその上に、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」、および同類は、置換および無置換の基の両方を包摂する。ある種の態様において、「低級アルキル」は、1〜6つの炭素原子を有する(環式、非環式、置換、無置換、分岐、または非分岐)アルキル基を表すために用いられる。
【0029】
ある種の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含有する。ある種の他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含有する。さらに他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含有する。なお他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含有する。まだ他の態様において、本開示に使われるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜4個の炭素原子を含有する。例示のための脂肪族基は、それゆえに、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル部分、および同類を包含するが、これらに限定されず、これもやはり1以上の置換基を持ち得る。アルケニル基は、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル、および同類を包含するが、これらに限定されない。代表的なアルキニル基は、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニル、および同類を包含するが、これに限定されない。
【0030】
用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を有する直鎖または分枝飽和炭化水素基のラジカルを言う(「C1〜10アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜9つの炭素原子を有する(「C1〜9アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜8つの炭素原子を有する(「C1〜8アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜7つの炭素原子を有する(「C1〜7アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜6つの炭素原子を有する(「C1〜6アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜5つの炭素原子を有する(「C1〜5アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜4つの炭素原子を有する(「C1〜4アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜3つの炭素原子を有する(「C1〜3アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1〜2つの炭素原子を有する(「C1〜2アルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は1つの炭素原子を有する(「Cアルキル」)。いくつかの態様において、アルキル基は2〜6つの炭素原子を有する(「C2〜6アルキル」)。C1〜6アルキル基の例は、メチル(C)、エチル(C)、プロピル(C)(例えばn−プロピル、イソプロピル)、ブチル(C)(例えばn−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、イソブチル)、ペンチル(C)(例えばn−ペンチル、3−ペンタニル、アミル、ネオペンチル、3−メチル−2−ブタニル、第三級アミル)、およびヘキシル(C)(例えばn−ヘキシル)を包含する。アルキル基の追加の例はn−ヘプチル(C)、n−オクチル(C)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルキル基のそれぞれは独立して無置換であるか(「無置換アルキル」)、または1つ以上の置換基(例えばハロゲン、例えばF)によって置換される(「置換アルキル」)。ある種の態様において、アルキル基は無置換C1〜10アルキルである(例えば無置換C1〜6アルキル、例えば−CH)。ある種の態様において、アルキル基は置換C1〜10アルキルである(例えば置換C1〜6アルキル、例えば−CF)。
【0031】
「アルケニル」は、2〜20個の炭素原子および1以上の炭素−炭素二重結合を有し、三重結合を有さない、直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜5つの炭素原子を有する(「C2〜5アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルケニル」)。いくつかの態様において、アルケニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルケニル」)。1個以上の炭素−炭素二重結合は、内部(例えば2−ブテニル中)または末端(例えば1−ブテニル中)であり得る。C2〜4アルケニル基の例は、エテニル(C)、1−プロペニル(C)、2−プロペニル(C)、1−ブテニル(C)、2−ブテニル(C)、ブタジエニル(C)、および同類を包含する。C2〜6アルケニル基の例は、前述のC2〜4アルケニル基、さらにはペンテニル(C)、ペンタジエニル(C)、ヘキセニル(C)、および同類を包含する。アルケニルの追加の例はヘプテニル(C)、オクテニル(C)、オクタトリエニル(C)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルケニル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換アルケニル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アルケニル」)。ある態様において、アルケニル基は無置換C2〜10アルケニルである。ある種の態様において、アルケニル基は置換C2〜10アルケニルである。アルケニル基において、立体化学が特定されていないC=C二重結合(例えば、−CH=CHCHまたは
【化7】
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)は、(E)または(Z)二重結合であってもよい。
【0032】
「アルキニル」は、2〜20個の炭素原子、1以上の炭素−炭素三重結合、および任意に1以上の二重結合を有する、直鎖または分岐炭化水素基のラジカルを指す(「C2〜20アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜10個の炭素原子を有する(「C2〜10アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜9個の炭素原子を有する(「C2〜9アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜8個の炭素原子を有する(「C2〜8アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜7個の炭素原子を有する(「C2〜7アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜6個の炭素原子を有する(「C2〜6アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜5個の炭素原子を有する(「C2〜5アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜4個の炭素原子を有する(「C2〜4アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2〜3個の炭素原子を有する(「C2〜3アルキニル」)。いくつかの態様において、アルキニル基は2個の炭素原子を有する(「Cアルキニル」)。1個ま以上の炭素−炭素三重結合は内部(例えば2−ブチニル中)または末端(例えば1−ブチニル中)であり得る。C2〜4アルキニル基の例は、限定なしにエチニル(C)、1−プロピニル(C)、2−プロピニル(C)、1−ブチニル(C)、2−ブチニル(C)、および同類を包含する。C2〜6アルケニル基の例は前述のC2〜4アルキニル基、さらにはペンチニル(C)、ヘキシニル(C)、および同類を包含する。アルキニルの追加の例は、ヘプチニル(C)、オクチニル(C)、および同類を包含する。別様に指定されない限り、アルキニル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換アルキニル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アルキニル」)。ある態様において、アルキニル基は無置換C2〜10アルキニルである。ある態様において、アルキニル基は置換C2〜10アルキニルである。
【0033】
「カルボシクリル」または「炭素環式」は、3〜10個の環内炭素原子(「C3〜10カルボシクリル」)および0個のヘテロ原子を非芳香族環系中に有する非芳香族環式炭化水素基のラジカルを指す。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6カルボシクリル」)。いくつかの態様において、カルボシクリル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10カルボシクリル」)。例示的なC3〜6カルボシクリル基は、限定なしにシクロプロピル(C)、シクロプロペニル(C)、シクロブチル(C)、シクロブテニル(C)、シクロペンチル(C)、シクロペンテニル(C)、シクロヘキシル(C)、シクロヘキセニル(C)、シクロヘキサジエニル(C)、および同類を含む。例示的なC3〜8カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3〜6カルボシクリル基、さらにはシクロヘプチル(C)、シクロヘプテニル(C)、シクロヘプタジエニル(C)、シクロヘプタトリエニル(C)、シクロオクチル(C)、シクロオクテニル(C)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル(C)、ビシクロ[2.2.2]オクタニル(C)、および同類を含む。例示的なC3〜10カルボシクリル基は、限定なしに、前述のC3〜8カルボシクリル基、さらにはシクロノニル(C)、シクロノネニル(C)、シクロデシル(C10)、シクロデセニル(C10)、オクタヒドロ−1H−インデニル(C)、デカヒドロナフタレニル(C10)、スピロ[4.5]デカニル(C10)、および同類を含む。前述の例が例示している通り、ある態様において、カルボシクリル基は単環式であるか(「単環式カルボシクリル」)、または縮合、架橋、もしくはスピロ環系、例えば二環式系を含有するか(「二環式カルボシクリル」)のいずれかであり、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。「カルボシクリル」はまた、上で定義されている炭素環式環が1つまたは2つ以上のアリールまたはヘテロアリール基と縮合しており、取り付け点が炭素環式環上にある環系をも含む。かかる場合には、炭素数は炭素環式環系中の炭素数を継続して指示する。別様に指定されない限り、カルボシクリル基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換カルボシクリル」)または1つもしくは2つ以上の置換基によって置換される(「置換カルボシクリル」)。ある態様において、カルボシクリル基は無置換C3〜10カルボシクリルである。ある態様において、カルボシクリル基は置換C3〜10カルボシクリルである。
【0034】
いくつかの態様において、「カルボシクリル」は3〜10個の環内炭素原子を有する単環式飽和カルボシクリル基である(「C3〜10シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜8個の環内炭素原子を有する(「C3〜8シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は3〜6個の環内炭素原子を有する(「C3〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は5〜6個の環内炭素原子を有する(「C5〜6シクロアルキル」)。いくつかの態様において、シクロアルキル基は5〜10個の環内炭素原子を有する(「C5〜10シクロアルキル」)。C5〜6シクロアルキル基の例はシクロペンチル(C)およびシクロヘキシル(C)を含む。C3〜6シクロアルキル基の例は、前述のC5〜6シクロアルキル基、さらにはシクロプロピル(C)およびシクロブチル(C)を含む。C3〜8シクロアルキル基の例は前述のC3〜6シクロアルキル基、さらにはシクロヘプチル(C)およびシクロオクチル(C)を含む。別様に指定されない限り、シクロアルキル基のそれぞれは、独立して無置換であるか(「無置換シクロアルキル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換シクロアルキル」)。ある態様において、シクロアルキル基は無置換C3〜10シクロアルキルである。ある態様において、シクロアルキル基は置換C3〜10シクロアルキルである。
【0035】
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環式」は、環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する3〜10員非芳香族環系のラジカルを指し、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「3〜10員ヘテロシクリル」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロシクリル基において、原子価が許容すれば取り付け点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロシクリル基は単環式(「単環式ヘテロシクリル」)または縮合、架橋、もしくはスピロ環系(例えば二環式系(「二環式ヘテロシクリル」))のいずれかであり得、飽和であり得るかまたは部分不飽和であり得る。ヘテロシクリル二環式環系は1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロシクリル」は、上で定義されているヘテロ環式環が1以上のカルボシクリル基と縮合しており、取り付け点がカルボシクリルもしくはヘテロ環式環上のいずれかにある環系、または、上で定義されているヘテロ環式環が1以上のアリールもしくはヘテロアリール基と縮合しており、取り付け点がヘテロ環式環上にある環系をもまた包含する。かかる場合には、環員数はヘテロ環式環系中の環員数を継続して指示する。別様に指定されない限り、ヘテロシクリルのそれぞれは独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換ヘテロシクリル」)または1以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロシクリル」)。ある種の態様において、ヘテロシクリル基は無置換3〜10員ヘテロシクリルである。ある種の態様において、ヘテロシクリル基は置換3〜10員ヘテロシクリルである。
【0036】
いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、硫黄、ホウ素、リン、およびケイ素から選択される(「5〜10員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜8員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜8員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、ヘテロシクリル基は環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜6員非芳香族環系であり、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜6員ヘテロシクリル」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロシクリルは窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。
【0037】
1個のへテロ原子を含有する例示的な3員ヘテロシクリル基は、限定なしにアジルジニル(azirdinyl)、オキシラニル、およびチオレニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な4員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゼチジニル、オキセタニル、およびチエタニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにテトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチオフェニル、ピロリジニル、ジヒドロピロリル、およびピロリル−2,5−ジオンを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにジオキソラニル、オキサスルフラニル、ジスルフラニル、およびオキサゾリジン−2−オンを包含する。3個のへテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロシクリル基は、限定なしにトリアゾリニル、オキサジアゾリニル、およびチアジアゾリニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにピペリジニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、およびチアニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにピペラジニル、モルホリニル、ジチアニル、ジオキサニルを包含する。2個のへテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロシクリル基は、限定なしにトリアジナニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゼパニル、オキセパニル、およびチエパニルを包含する。1個のへテロ原子を含有する例示的な8員ヘテロシクリル基は、限定なしにアゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルを包含する。Cアリール環に対して縮合した例示的な5員ヘテロシクリル基(本明細書においては5,6−二環式ヘテロ環式環ともまた言われる)は、限定なしにインドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリノニル、および同類を包含する。アリール環に対して縮合した例示的な6員ヘテロシクリル基(本明細書においては6,6−二環式ヘテロ環式環ともまた言われる)は、限定なしにテトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、および同類を包含する。
【0038】
「アリール」は、芳香族環系中に提供された6〜14個の環内炭素原子およびゼロ個のへテロ原子を有する、単環式または多環式(例えば、二環式または三環式)4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイ中に共有された6、10、または14個のπ電子を有する)のラジカルを指す(「C6〜14アリール」)。いくつかの態様において、アリール基は6つの環内炭素原子を有する(「Cアリール」、例えばフェニル)。いくつかの態様において、アリール基は10個の環内炭素原子を有する(「C10アリール」、例えば1−ナフチルおよび2−ナフチルなどのナフチル)。いくつかの態様において、アリール基は14個の環内炭素原子を有する(「C14アリール」、例えばアントラシル(anthracyl))。「アリール」はまた、上で定義されているアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、ラジカルまたは取り付け点がアリール環上にある環系をも包含する。かかる場合には、炭素原子数はアリール環系中の炭素原子数を継続して指示する。別様に指定されない限り、アリール基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換であるか(「無置換アリール」)または1以上の置換基によって置換される(「置換アリール」)。ある種の態様において、アリール基は無置換C6〜14アリールである。ある種の態様において、アリール基は置換C6〜14アリールである。
【0039】
「アラルキル」はアルキルおよびアリールの下位集合であり、任意置換アリール基によって置換された、任意置換アルキル基を指す。ある種の態様において、アラルキルは任意置換ベンジルである。ある種の態様において、アラルキルはベンジルである。ある種の態様において、アラルキルは任意置換フェネチルである。ある種の態様において、アラルキルはフェネチルである。
【0040】
「ヘテロアリール」は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4個の環内ヘテロ原子を有する5〜10員単環式または二環式4n+2芳香族環系(例えば、環式アレイ中に共有された6または10個のπ電子を有する)のラジカルを指し、各へテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。1以上の窒素原子を含有するヘテロアリール基において、原子価が許容すれば取り付け点は炭素または窒素原子であり得る。ヘテロアリール二環式環系は1以上のへテロ原子を一方または両方の環中に含み得る。「ヘテロアリール」は、上で定義されているヘテロアリール環が1以上のカルボシクリルまたはヘテロシクリル基と縮合しており、取り付け点がヘテロアリール環上にある環系を包含する。かかる場合には、環員数はヘテロアリール環系中の環員数を継続して指示する。「ヘテロアリール」は、上で定義されているヘテロアリール環が1以上のアリール基と縮合しており、取り付け点がアリールまたはヘテロアリール環上のいずれかにある環系をもまた包含する。かかる場合には、環員数は縮合(アリール/ヘテロアリール)環系中の環員数を指示する。一方の環がへテロ原子を含有しない二環式ヘテロアリール基(例えば、インドリル、キノリニル、カルバゾリル、および同類)において、取り付け点はいずれかの環(すなわち、へテロ原子を持つ環(例えば2−インドリル)またはへテロ原子を含有しない環(例えば5−インドリル)いずれか)上にあり得る。
【0041】
いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供された環内炭素原子および1〜4員の環ヘテロ原子を有する5〜10員芳香族環系であり、各ヘテロ原子は独立して窒素、酸素、および硫黄から選択される(「5〜10員ヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜8員の芳香族環系であり、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜8員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、ヘテロアリール基は、芳香族環系中に提供される環炭素原子および1〜4個の環ヘテロ原子を有する5〜6員の芳香族環系であって、ここで、各々のヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素および硫黄から選択される(「5〜6員のヘテロアリール」)。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜3個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1〜2個の環内ヘテロ原子を有する。いくつかの態様において、5〜6員ヘテロアリールは窒素、酸素、および硫黄から選択される1個の環内ヘテロ原子を有する。別様に指定されない限り、ヘテロアリール基のそれぞれは、独立して任意に置換され、すなわち無置換(「無置換ヘテロアリール」)または1以上の置換基によって置換される(「置換ヘテロアリール」)。ある種の態様において、ヘテロアリール基は無置換5〜14員ヘテロアリールである。ある種の態様において、ヘテロアリール基は置換5〜14員ヘテロアリールである。
【0042】
1個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしにピロリル、フラニル、およびチオフェニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしに、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、およびイソチアゾリルを包含する。3個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしに、トリアゾリル、オキサジアゾリル、およびチアジアゾリルを包含する。4個のヘテロ原子を含有する例示的な5員ヘテロアリール基は、限定なしにテトラゾリルを包含する。1つのヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにピリジニルを包含する。2個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにピリダジニル、ピリミジニル、およびピラジニルを包含する。3または4個のヘテロ原子を含有する例示的な6員ヘテロアリール基は、限定なしにトリアジニルおよびテトラジニルをそれぞれ包含する。1個のヘテロ原子を含有する例示的な7員ヘテロアリール基は、限定なしに、アゼピニル、オキセピニル、およびチエピニルを包含する。例示的な5,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、イソベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンゾイソフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、インドリジニル、およびプリニルを包含する。例示的な6,6−二環式ヘテロアリール基は、限定なしに、ナフチリジニル、プテリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キノキサリニル、フタラジニル、およびキナゾリニルを包含する。
【0043】
「ヘテロアラルキル」はアルキルおよびヘテロアリールの下位集合であり、任意置換ヘテロアリール基によって置換された任意置換アルキル基を指す。
【0044】
「不飽和」または「部分不飽和」は、少なくとも1つの二重または三重結合を包含する基を指す。「部分不飽和」環系は、不飽和の複数部位を有する環を包摂することをさらに意図されるが、本明細書において定義される芳香族基(例えばアリールまたはヘテロアリール基)を包含することは意図されない。同様に、「飽和」は、二重または三重結合を含有しない、すなわち全て単結合を含有する基を指す。
【0045】
さらに、二価連結基であるアルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は接尾辞エン(-ene)を使用して言及される。例えば、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、カルボシクリレン、ヘテロシクリレン、アリーレン、およびヘテロアリーレンである。
【0046】
本明細書に記載される原子、部分、または基は、明示的に別様に提供されない限り、原子価が許容すれば置換または無置換であり得る。用語「任意置換」は、置換または無置換を指す。
【0047】
基は、明示的に別様に提供されない限り、任意に置換される。用語「任意に置換される」は、置換されているか、または置換されていないことを指す。ある種の態様において、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリール基は任意置換である(例えば、「置換」もしくは「無置換」アルキル、「置換」もしくは「無置換」アルケニル、「置換」もしくは「無置換」アルキニル、「置換」もしくは「無置換」カルボシクリル、「置換」もしくは「無置換」ヘテロシクリル、「置換」もしくは「無置換」アリール、または「置換」もしくは「無置換」ヘテロアリール基)。一般に、用語「置換」は、用語「任意」によって先行されているか否かにかかわらず、基(例えば炭素または窒素原子)の上に存在する少なくとも1個の水素が、許容される置換基(例えば、置換によって安定な化合物(例えば、転位、環化、脱離、または他の反応などによって自発的に変換をしない化合物)をもたらす置換基)によって置き換えられるということを意味する。別様に表されない限り、「置換」された基は基の1または2以上の置換可能な位置に置換基を有し、いずれかの所与の構造中の1つの位置よりも多くが置換されるときには、置換基は各位置において同じかまたは異なるかのいずれかである。用語「置換」は、有機化合物の全ての許容される置換基、安定な化合物の形成をもたらす本明細書に記載される置換基のいずれかによる置換を包含すると考えられる。本発明は、安定な化合物に達するためにいずれかのおよび全てのかかる組み合わせを企図する。本発明の目的のためには、窒素などのへテロ原子は、へテロ原子の原子価を満たし且つ安定な部分の形成をもたらす本明細書に記載される水素置換基および/またはいずれかの好適な置換基を有し得る。ある種の態様において、置換基は炭素原子置換基である。ある種の態様において、置換基は窒素原子置換基である。ある種の態様において、置換基は酸素原子置換基である。ある種の態様において、置換基は硫黄原子置換基である。
【0048】
例示的な炭素原子置換基は、ハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORaa、−ON(Rbb、−N(Rbb、−N(Rbb、−N(ORcc)Rbb、−SH、−SRaa、−SSRcc、−C(=O)Raa、−COH、−CHO、−C(ORcc、−COaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−C(=O)N(Rbb、−OC(=O)N(Rbb、−NRbbC(=O)Raa、−NRbbCOaa、−NRbbC(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−OC(=NRbb)N(Rbb、−NRbbC(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−NRbbSOaa、−SON(Rbb、−SOaa、−SOORaa、−OSOaa、−S(=O)Raa、−OS(=O)Raa、−Si(Raa、−OSi(Raa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、−C(=S)SRaa、−SC(=S)SRaa、−SC(=O)SRaa、−OC(=O)SRaa、−SC(=O)ORaa、−SC(=O)Raa、−P(=O)aa、−OP(=O)aa、−P(=O)(Raa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−P(=O)N(Rbb、−OP(=O)N(Rbb、−P(=O)(NRbb、−OP(=O)(NRbb、−NRbbP(=O)(ORcc、−NRbbP(=O)(NRbb、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(Rcc、−P(ORcc、−P(Rcc、−P(ORcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(ORcc、−B(Raa、−B(ORcc、−BRaa(ORcc)、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRdd基によって置換されるか;ここで、Xは対イオンである;
または、炭素原子上の2つのジェミナルな水素が、基=O、=S、=NN(Rbb、=NNRbbC(=O)Raa、=NNRbbC(=O)ORaa、=NNRbbS(=O)aa、=NRbb、もしくは=NORccによって置き換えられ;
aaのそれぞれは独立してC1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRaa基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
bbのそれぞれは独立して水素、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−CN、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、SON(Rcc、SOcc、SOORcc、SORaa、C(=S)N(Rcc、C(=O)SRcc、C(=S)SRcc−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORee、−P(=O)(N(Rcc1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRbb基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;ここで、Xは対イオンである;
ccのそれぞれは独立して水素、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRdd基によって置換され;
ddのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−ORee、−ON(Rff、−N(Rff、−N(Rff、−N(ORee)Rff、−SH、−SRee、−SSRee、−C(=O)Ree、−COH、−COee、−OC(=O)Ree、−OCOee、−C(=O)N(Rff、−OC(=O)N(Rff、−NRffC(=O)Ree、−NRffCOee、−NRffC(=O)N(Rff、−C(=NRff)ORee、−OC(=NRff)Ree、−OC(=NRff)ORee、−C(=NRff)N(Rff、−OC(=NRff)N(Rff、−NRffC(=NRff)N(Rff、−NRffSOee、−SON(Rff、−SOee、−SOORee、−OSOee、−S(=O)Ree、−Si(Ree、−OSi(Ree、−C(=S)N(Rff、−C(=O)SRee、−C(=S)SRee、−SC(=S)SRee−P(=O)(ORee、−P(=O)(Ree、−OP(=O)(Ree、−OP(=O)(ORee、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、5〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、もしくは5つのRgg基によって置換されるか、または、2つのジェミナルRdd置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、Xは対イオンである;
eeのそれぞれは独立してC1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、および3〜10員ヘテロアリールから選択され、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;
ffのそれぞれは独立して水素、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜10員ヘテロシクリル、C6〜10アリール、および5〜10員ヘテロアリールから選択されるか、または、2つのRff基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5つのRgg基によって置換され;ならびに、
ggのそれぞれは独立してハロゲン、−CN、−NO、−N、−SOH、−SOH、−OH、−OC1〜6アルキル、−ON(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)、−NH(C1〜6アルキル)、−NH(C1〜6アルキル)、−NH、−N(OC1〜6アルキル)(C1〜6アルキル)、−N(OH)(C1〜6アルキル)、−NH(OH)、−SH、−SC1〜6アルキル、−SS(C1〜6アルキル)、−C(=O)(C1〜6アルキル)、−COH、−CO(C1〜6アルキル)、−OC(=O)(C1〜6アルキル)、−OCO(C1〜6アルキル)、−C(=O)NH、−C(=O)N(C1〜6アルキル)、−OC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)(C1〜6アルキル)、−N(C1〜6アルキル)C(=O)(C1〜6アルキル)、−NHCO(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH(C1〜6アルキル)、−NHC(=O)NH、−C(=NH)O(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)(C1〜6アルキル)、−OC(=NH)OC1〜6アルキル、−C(=NH)N(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH(C1〜6アルキル)、−C(=NH)NH、−OC(=NH)N(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH(C1〜6アルキル)、−OC(NH)NH、−NHC(NH)N(C1〜6アルキル)、−NHC(=NH)NH、−NHSO(C1〜6アルキル)、−SON(C1〜6アルキル)、−SONH(C1〜6アルキル)、−SONH、−SO1〜6アルキル、−SOOC1〜6アルキル、−OSO1〜6アルキル、−SOC1〜6アルキル、−Si(C1〜6アルキル)、−OSi(C1〜6アルキル)、−C(=S)N(C1〜6アルキル)、C(=S)NH(C1〜6アルキル)、C(=S)NH、−C(=O)S(C1〜6アルキル)、−C(=S)SC1〜6アルキル、−SC(=S)SC1〜6アルキル、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−P(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(C1〜6アルキル)、−OP(=O)(OC1〜6アルキル)、C1〜6アルキル、C1〜6ペルハロアルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C3〜10カルボシクリル、C6〜10アリール、3〜10員ヘテロシクリル、5〜10員ヘテロアリールであるか;または、2つのジェミナルなRgg置換基が連結されて=Oもしくは=Sを形成し得;ここで、Xは対イオンである。
【0049】
「対イオン」または「アニオン性対イオン」は、電子的中性を保つために、カチオン性第四級アミノ基と結合した負荷電基である。アニオン性対イオンは、一価であってもよい(すなわち1個の負の形式電荷を包含する)。アニオン性対イオンはまた、二価または三価などの多価であってもよい(すなわち1個より多くの負の形式電荷を包含する)。例示的な対イオンは、ハロゲン化物イオン(例えば、F、Cl、Br、I)、NO、ClO、OH、HPO、HSO、スルホン酸イオン(例えば、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、ナフタレン−2−スルホン酸、ナフタレン−1−スルホン酸−5−スルホン酸、エタン−1−スルホン酸−2−スルホン酸、および同類)、およびカルボン酸イオン(例えば、酢酸、エタン酸、プロパン酸、安息香酸、グリセリン酸、乳酸、酒石酸、グリコール酸、および同類)、BF、PF、PF、AsF、SbF、B[3,5−(CF、B(C、BPh、Al(OC(CF、ならびにカルボランアニオン(例えば、CB1112または(HCB11MeBr)を包含する。多価であってもよい例示的な対イオンは、CO2−、HPO2−、PO3−、B2−、SO2−、S2−、カルボン酸アニオン(例えば、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、グルコン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、サリチル酸、フタル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、および同類)、ならびにカルボランを包含する。
【0050】
「ハロ」または「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)、またはヨウ素(ヨード、−I)を指す。
【0051】
「アシル」は、−C(=O)Raa、−CHO、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−C(=O)NRbbSOaa、−C(=S)N(Rbb、−C(=O)SRaa、または−C(=S)SRaaからなる群から選択される部分を指し、RaaおよびRbbは本明細書において定義されるとおりである。
【0052】
窒素原子は、原子価が許容すれば置換または無置換であり得、一級、二級、三級、および四級窒素原子を包含する。例示的な窒素原子置換基は、水素、OH、ORaa、N(Rcc、CN、C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、−P(=O)aa、−P(=O)(Raa、−P(=O)N(Rcc、−P(=O)(NRcc、C1〜10アルキル、C1〜10ペルハロアルキル、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリールを包含するが、これに限定されず、または、窒素原子に取り付けられた2つのRcc基が連結されて3〜14員ヘテロシクリルもしくは5〜14員ヘテロアリール環を形成し、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは上で定義されているとおりである。
【0053】
ある種の態様において、窒素原子上に存在する置換基は、窒素保護基である(アミノ保護基ともまた言われる)。窒素保護基は、−OH、−ORaa、−N(Rcc、−C(=O)Raa、−C(=O)N(Rcc、−COaa、−SOaa、−C(=NRcc)Raa、−C(=NRcc)ORaa、−C(=NRcc)N(Rcc、−SON(Rcc、−SOcc、−SOORcc、−SORaa、−C(=S)N(Rcc、−C(=O)SRcc、−C(=S)SRcc、C1〜10アルキル(例えば、アラルキル、ヘテロアラルキル)、C2〜10アルケニル、C2〜10アルキニル、C3〜10カルボシクリル、3〜14員ヘテロシクリル、C6〜14アリール、および5〜14員ヘテロアリール基を包含するが、これに限定されず、ここで、各アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アラルキル、アリール、およびヘテロアリールは独立して0、1、2、3、4、または5個のRdd基によって置換され、Raa、Rbb、Rcc、およびRddは本明細書において定義される通りである。窒素保護基は当該技術分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
【0054】
例えば、アミド基などの窒素保護基(例えば−C(=O)Raa)は、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(Ν’−ジチオベンジルオキシアシルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロケイ皮酸アミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、およびo−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミドを包含するが、これらに限定されない。
【0055】
カルバメート基などの窒素保護基(例えば−C(=O)ORaa)は、メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート,シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシアシルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、および2,4,6−トリメチルベンジルカルバメートを包含するが、これらに限定されない。
【0056】
スルホンアミド基などの窒素保護基(例えば−S(=O)aa)は、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミドを包含するが、これらに限定されない。
【0057】
他の窒素保護基は、フェノチアジニル−(10)−アシル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノアシル誘導体、N’−フェニルアミノチオアシル誘導体、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、N−アセチルメチオニン誘導体、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタンアダクト(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、四級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボロン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタアシルクロムまたはタングステン)アシル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミデート、ジベンジルホスホロアミデート、ジフェニルホスホロアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、および3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)を包含するが、これらに限定されない。
【0058】
例示的な酸素原子置換基は、−Raa、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc−P(Rcc、−P(ORcc、−P(ORcc、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbを包含するが、これに限定されず、Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義される通りである。ある態様において、酸素原子上に存在する酸素原子置換基は、酸素保護基である(ヒドロキシル保護基ともまた言われる)。酸素保護基は当分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。例示的な酸素保護基は、メチル、t−ブチルオキシカルボニル(BOCまたはBoc)、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル(Bn)、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−トリス(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−トリス(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)ビス(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジスルフラン−2−イル、ベンゾイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルtヘキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルメート、ベンゾイルホルメート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオネート、4−オキソペンタノエート(レブリエート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノエート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロエート、アダマントエート(adamantoate)、クロトネート、4−メトキシクロトネート、ベンゾエート、p−フェニルベンゾエート、2,4,6−トリメチルベンゾエート(メシトエート)、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾエート、4−アジドブチレート、4−ニトロ−4−メチルペンタノエート、o−(ジブロモメチル)ベンゾエート、2−ホルミルベンゼンスルホネート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチレート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾエート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−ビス(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチレート、モノスクシノエート、(E)−2−メチル−2−−ブテノエート、o−(メトキシアシル)ベンゾエート、α−ナフトエ―ト、ニトレート、アルキルΝ,Ν,Ν’,Ν’−テトラメチルホスホロジアミデート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボレート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェネート、スルフェート、メタンスルホネート(メシレート)、ベンジルスルホネート、トシレート(Ts)を包含するが、これらに限定されない。
【0059】
例示的な硫黄原子置換基は、−Raa、−C(=O)SRaa、−C(=O)Raa、−COaa、−C(=O)N(Rbb、−C(=NRbb)Raa、−C(=NRbb)ORaa、−C(=NRbb)N(Rbb、−S(=O)Raa、−SOaa、−Si(Raa、−P(Rcc、−P(RccX−、−P(ORcc、−P(ORccX−、−P(=O)(Raa、−P(=O)(ORcc、および−P(=O)(N(Rbbを包含するが、これらに限定されず、Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義されるとおりである。ある態様において、硫黄原子上に存在する硫黄原子置換基は硫黄保護基である(チオール保護基ともまた言われる)。硫黄保護基は当該技術分野において周知であり、参照によって本明細書に組み込まれるProtecting Groups in Organic Synthesis, T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd edition, John Wiley & Sons, 1999に詳細に記載されているものを包含する。
【0060】
「炭化水素鎖」は、置換または無置換の二価アルキル、アルケニル、またはアルキニル基を言う。炭化水素鎖は、(1)炭化水素鎖の2つのラジカルの直ちに間に1つ以上の炭素原子鎖、(2)炭素原子鎖(単数または複数)上に任意に1つ以上の水素原子、および(3)炭素原子鎖(単数または複数)上に任意に1つ以上の置換基(水素ではない「主鎖でない置換基」)を包含する。炭素原子鎖は連続してつながった炭素原子(「主鎖原子」または「炭素ユニット」)からなり、水素原子またはへテロ原子を包含しない。しかしながら、炭化水素鎖の主鎖でない置換基は、水素原子、炭素原子、およびへテロ原子を包含するいずれかの原子を包含し得る。例えば、炭化水素鎖−CH(C)−は、1つの主鎖原子C、C上の1つの水素原子、および主鎖でない置換基−(C)を包含する。xが正の整数である用語「C炭化水素鎖」は、炭化水素鎖の2つのラジカルの間に主鎖原子(単数または複数)のx数を包含する炭化水素鎖を言う。xの1つの可能な値よりも多くがある場合には、xの最も小さい可能な値が炭化水素鎖の定義に用いられる。例えば、−CH(C)−はC炭化水素鎖であり、
【化8】
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はC炭化水素鎖である。値のある範囲が用いられるとき、範囲の意味は本明細書に記載される通りである。例えば、C3〜10炭化水素鎖は、炭化水素鎖の2つのラジカルの直ちに間の最も短い炭素原子鎖の主鎖原子数が3、4、5、6、7、8、9、または10である炭化水素鎖を言う。炭化水素鎖は飽和であり得る(例えば−(CH−)。炭化水素鎖は不飽和でもまたあり得、1つ以上のC=Cおよび/またはC≡C結合を炭化水素鎖中のどこかに包含し得る。例えば、−CH=CH−(CH−、−CH−C≡C−CH−、および−C≡C−CH=CH−は全て、無置換で不飽和の炭化水素鎖の例である。ある種の態様において、炭化水素鎖は無置換である(例えば−C≡C−または−(CH−)。ある種の態様において、炭化水素鎖は置換である(例えば−CH(C)−および−CF−)。炭化水素鎖上のいずれか2つの置換基が連結されて任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し得る。例えば、
【化9】
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および
【化10】
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は全て炭化水素鎖の例である。対照的に、ある種の態様において、
【化11】
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は本明細書に記載される炭化水素鎖の範囲内ではない。C炭化水素鎖の主鎖原子がへテロ原子によって置き換えられるときには、もたらされる基はCx−1炭化水素鎖ではなく、主鎖原子がへテロ原子によって置き換えられたC炭化水素鎖と言われる。例えば、
【化12】
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は1つの主鎖原子が酸素原子によって置き換えられたC炭化水素鎖である。
【0061】
用語「脱離基」は、合成有機化学の分野におけるその通常の意味を与えられ、求核剤によって置換されることができる原子または基を言う。例えば、Smith, March Advanced Organic Chemistry 6th ed. (501-502)を参照。好適な脱離基の例は、ハロゲン(例えばF、Cl、Br、またはI(ヨウ素))、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アルカンスルホニルオキシ、アレーンスルホニルオキシ、アルキル−カルボニルオキシ(例えばアセトキシ)、アリールカルボニルオキシ、アリールオキシ、メトキシ、N,O−ジメチルヒドロキシルアミノ、ピキシル、およびハロホルメートを包含するが、これに限定されない。例示的な脱離基は活性化された置換ヒドロキシル基を包含するが、これに限定されない(例えば−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCOaa、−OC(=O)N(Rbb、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb、−OS(=O)Raa、−OSOaa、−OP(Rcc、−OP(Rcc、−OP(=O)aa、−OP(=O)(Raa、−OP(=O)(ORcc、−OP(=O)N(Rbb、および−OP(=O)(NRbb。Raa、Rbb、およびRccは本明細書において定義されるとおりである)。いくつかのケースでは、脱離基はスルホン酸エステル、例えばトルエンスルホナート(トシラート、−OTs)、メタンスルホナート(メシラート、−OMs)、p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ(ブロシラート、−OBs)、−OS(=O)(CFCF(ノナフラート、−ONf)、またはトリフルオロメタンスルホナート(トリフラート、−OTf)である。いくつかのケースでは、脱離基はブロシラート、例えばp−ブロモベンゼンスルホニルオキシである。いくつかのケースでは、脱離基はノシラート、例えば2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。脱離基はまた、ホスフィンオキシド(例えば、光延反応の間に形成される)または内部の脱離基、例えばエポキシドまたは環状サルフェートであり得る。脱離基の他の限定しない例は水、アンモニア、アルコール、エーテル部分、チオエーテル部分、ハロゲン化亜鉛、マグネシウム部分、ジアゾニウム塩、および銅部分である。
【0062】
他の定義
用語「薬学的に許容し得る塩」は、正当な医学的見識の範囲内において、ヒトおよび下等動物の組織と接触しての使用にとって好適であって、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、および同類がなく、妥当なベネフィット/リスク比に見合った塩を指す。薬学的に許容し得る塩は当該技術分野において周知である。例えば、Bergeらは薬学的に許容し得る塩を詳細にJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66, 1-19に記載しており、これは参照によって本明細書に組み込まれる。本発明の化合物の薬学的に許容し得る塩は、好適な無機および有機酸および塩基に由来するものを包含する。薬学的に許容し得る無毒な酸付加塩の例はアミノ基の塩であり、無機酸(例えば塩化水素酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸、および過塩素酸)によって、または有機酸(例えば酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、もしくはマロン酸)によって、あるいは、当該技術分野において知られている他の方法(例えばイオン交換)を用いることによって、形成される。他の薬学的に許容し得る塩は、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、しょうのう酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、二グルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、蟻酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチニン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、および同類を包含する。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、およびN(C1〜4アルキル)塩を包含する。代表的なアルカリまたはアルカリ土類金属塩は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、および同類を包含する。さらなる薬学的に許容し得る塩は、適切なときには、無毒のアンモニウム、四級アンモニウム、および対イオンを用いて形成されたアミンカチオン(例えばハロゲン化物、水酸化物、カルボン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、低級アルキルスルホン酸塩、およびアリールスルホン酸塩)を包含する。
【0063】
用語「溶媒和物」は、通常はソルボリシス反応によって溶媒と結合した化合物の形態を指す。この物理的結合は水素結合を含み得る。従来の溶媒は、水、メタノール、エタノール、酢酸、DMSO、THF、ジエチルエーテル、および同類を包含する。本明細書に記載される化合物は、例えば結晶形態で調製され得、溶媒和され得る。好適な溶媒和物は薬学的に許容し得る溶媒和物を包含し、さらに、化学量論的な溶媒和物および非化学量論的な溶媒和物を両方包含する。ある場合には、例えば1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子中に組み込まれるときに、溶媒和物が単離できるであろう。「溶媒和物」は溶液相および単離可能な溶媒和物を両方包含する。代表的な溶媒和物は、水和物、エタノレート、およびメタノレートを包摂する。
【0064】
用語「水和物」は、水と結合した化合物を指す。典型的には、化合物の水和物中に含有される水分子数は水和物中の化合物分子数に対して明確な比である。そのため、化合物の水和物は例えば一般的式R・xHOによってあらわされ得、Rは化合物であり、xは0よりも大きい数である。所与の化合物は水和物の1つの型よりも多くを形成し得、例えば、一水和物(xは1である)、低級水和物(xは0よりも大きく1よりも小さい数である。例えばヘミ水和物(R・0.5HO))、および多水和物(xは1よりも大きい数である。例えば二水和物(R・2HO)および六水和物(R・6HO))を包含する。
【0065】
用語「互変異性体(tautomer)」または「互変異性体(tautomeric)」は、水素原子の少なくとも1つの形式的な移動と原子価の少なくとも1つの変化(例えば、単結合から二重結合、三重結合から単結合、または逆)からもたらされる2つ以上の相互変換可能な化合物を指す。互変異性体の厳密な比は複数の因子(温度、溶媒、およびpHを含む)に依存する。互変異性体化(すなわち、互変異性体対を提供する反応)は酸または塩基によって触媒され得る。例示的な互変異性体化は、ケト−エノール、アミド−イミド、ラクタム−ラクチム、エナミン−イミン、およびエナミン−(異なる)エナミン互変異性化を包含する。
【0066】
同じ分子式を有するがそれらの原子の結合の性質もしくは順序または空間中のそれらの原子の配置が異なる化合物は、「異性体」と呼ばれるということもまた理解されるであろう。空間中のそれらの原子の配置が異なる異性体は「立体異性体」と呼ばれる。
【0067】
互いの鏡像でない立体異性体は「ジアステレオマー」と呼ばれ、互いの重ね合わせ不可能な鏡像であるものは「エナンチオマー」と呼ばれる。化合物が不斉中心を有する(例えばそれが4つの異なる基に結合している)ときには、一対のエナンチオマーが可能である。エナンチオマーはその不斉中心の絶対立体配置によってキャラクタリゼーションされ得、カーンおよびプレローグのRおよびS順位則によって、または分子が偏光面を回転させる様式によって記載され、右旋性または左旋性として(すなわち、それぞれ(+)または(−)異性体として)指示される。キラル化合物は、単体のエナンチオマーまたはその混合物として存在し得る。エナンチオマーの等しい割合を含有する混合物は「ラセミ混合物」と呼称される。
【0068】
用語「多形」は、特定の結晶充填配置にある化合物(またはその塩、水和物、もしくは溶媒和物)の結晶形態を指す。全ての多形は同じ元素組成を有する。異なる結晶形態は、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬さ、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性、ならびに可溶性を通常は有する。再結晶化溶媒、結晶化速度、保管温度、および他の因子は、1つの結晶形態を優勢にさせ得る。化合物の種々の多形は、異なる条件下の結晶化によって調製され得る。
【0069】
用語「共結晶」とは、少なくとも2つの成分からなる結晶構造を指す。ある態様において、共結晶は、本発明の化合物と、限定されないが、原子、イオン、分子または溶媒分子を含む1つ以上の他の成分とを含んでもよい。ある態様において、共結晶は、本発明の化合物と、当該化合物に関連する1つ以上の成分(限定されないが、前記化合物の異性体、互変異生体、塩、溶媒和物、水和物、合成前駆体、合成誘導体、フラグメントまたは不純物を含む)を含んでもよい。
【0070】
用語「同位体標識された誘導体」または「同位体標識された」とは、化合物中(または塩、水和物もしくは溶媒和物の関連するイオンもしくは分子)の1つ以上の原子が、同じ要素の同位体で置き換えられている化合物を指す。分子中の所与の要素または位置について、同位体は、濃縮されるか、または、当該要素の全ての原子のうちで、もしくは試料中の当該分子中のその位置における全ての原子のうちで、標識されていないバリアントと比較して、より高いパーセンテージにおいて存在するであろう。ある態様において、濃縮された同位体は、安定な同位体であろう。ある態様において、濃縮された同位体は、不安定または放射活性同位体であろう(例えば放射性核種)。ある態様において、濃縮された同位体は、限定されないが、核磁気共鳴、質量分析、赤外分光法、または放射活性の崩壊を測定する技術を含むがこれらに限定されない測定技術により、検出することができる。
【0071】
用語「プロドラッグ」は、切断可能な基を有し、ソルボリシスによってまたは生理条件下で本明細書に記載される化合物になる(これはin vivoで薬学的に活性である)化合物を指す。かかる例は、コリンエステル誘導体および同類、N−アルキルモルホリンエステルおよび同類を包含するが、これらに限定されない。本発明の化合物の他の誘導体は、それらの酸および酸誘導体形態両方で活性を有するが、酸感応性形態においては、哺乳生物において、可溶性、組織適合性、または遅放の利点を多くの場合に提供する(Bundgard, H., Design of Prodrugs, pp. 7-9, 21-24, Elsevier, Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、当業者に周知の酸誘導体(例えば、親酸と好適なアルコールとの反応によって調製されたエステル、または親酸化合物と置換もしくは無置換アミンとの反応によって調製されたアミド、または酸無水物、または混合無水物など)を包含する。本発明の化合物上のペンダントな酸性基に由来する単純な脂肪族または芳香族エステル、アミド、および無水物は、特定のプロドラッグである。いくつかのケースにおいては、二重エステル型プロドラッグ、例えば(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。本明細書に記載される化合物のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、アリール、C〜C12置換アリール、およびC〜C12アリールアルキルエステルが好ましくあり得る。
【0072】
用語「阻害」、「阻害すること、「阻害する」、または「阻害剤」は、基剤と相対的に、化合物が細胞における特定の生体プロセスの活性(例えば、ブロモドメインおよび/またはブロモドメイン含有タンパク質の活性)を減少させる、減速させる、停止させる、または防止する能力を言う。
【0073】
化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットが第1のタンパク質または第1のクロマチンに「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」結合すると言われるときには、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、第1のタンパク質および第1のクロマチンとは異なる第2のタンパク質または第2のクロマチンに結合するよりも高い結合親和性(例えば、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)で、第1のタンパク質または第1のクロマチンに結合する。化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットがブロモドメイン含有タンパク質の活性を「選択的に」、「特異的に」、または「競合的に」調節する(例えば、増大させるかまたは阻害する)と言われるときには、化合物、医薬組成物、方法、使用、またはキットは、ブロモドメイン含有タンパク質とは異なる少なくとも1つのタンパク質の活性よりも大きい程度まで(例えば、約2倍以上、約5倍以上、約10倍以上、約30倍以上、約100倍以上、約1,000倍以上、または約10,000倍以上)、ブロモドメイン含有タンパク質の活性を調節する。
【0074】
用語「異常な活性」は、正常な活性から逸脱した活性、すなわち、正常でない活性を言う。用語「増大した活性」は正常な活性よりも高い活性を言う。
【0075】
用語「組成物」および「製剤」は交換可能に用いられる。
【0076】
投与が考えられる「対象」は、ヒト(すなわち、いずれかの年齢群の男性または女性、例えば、小児科の対象(例えば、幼児、児童、思春期)または成人の対象(例えば、若年成人、中年成人、または高齢成人))ならびに/または他の非ヒト動物、例えば哺乳類(例えば霊長類(例えばカニクイザル、アカゲザル)、商業的に関わる哺乳類、例えばウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、またはイヌ)および鳥類(例えば、商業的に関わる鳥類、例えばニワトリ、アヒル(duck)、ガチョウ、またはシチメンチョウ)を包含するが、これに限定されない。ある態様において、動物は哺乳類である。動物は発育のいずれかのステージにある雄または雌であり得る。動物はトランスジェニック動物または遺伝子組み換え動物であり得る。ある態様において、対象は非ヒト動物である。ある態様において、動物は魚類である。「患者」は、疾患の処置の必要があるヒト対象を指す。対象は植物でもまたあり得る。ある態様において、植物は陸生植物である。ある態様において、植物は非維管束陸生植物である。ある態様において、植物は維管束陸生植物である。ある態様において、植物は種子植物である。ある態様において、植物は栽培植物である。ある態様において、植物は双子葉植物である。ある態様において、植物は単子葉植物である。ある態様において、植物は顕花植物である。いくつかの態様において、植物は禾穀類植物、例えばメイズ、コーン、小麦、米、オートムギ、大麦、ライ麦、またはミレットである。いくつかの態様において、植物はマメ科植物、例えば豆植物、例えば大豆である。いくつかの態様において、植物は高木または低木である。
【0077】
用語「生体サンプル」は、組織サンプル(例えば、組織切片および組織の針生検)、細胞サンプル(例えば、細胞学的スメア(例えばPapまたは血液スメア)または顕微解剖によって得られた細胞のサンプル)、生物丸ごとのサンプル(例えば、酵母または細菌のサンプル)、または細胞画分、断片、もしくはオルガネラ(例えば、細胞をリシスし、そのコンポーネントを遠心分離によってまたは別様に分離することによって得られる)を包含するいずれかのサンプルを言う。生体サンプルの他の例は、血液、血清、尿、精液、糞便、脳脊髄液、間質液、粘液、涙、汗、膿汁、生検組織(例えば外科生検または針生検によって得られる)、乳頭吸引液、母乳、膣液、唾液、スワブ(例えば口腔内スワブ)、または別の生体サンプルに由来する生体分子を含有するいずれかの材料を包含する。
【0078】
用語「投与する」、「投与すること」、または「投与」は、対象中に、対象において、または対象に対して、本発明の化合物またはその組成物をインプラントすること、吸収させること、摂取すること、注射すること、吸入すること、または別様に導入することを指す。
【0079】
用語「処置」、「処置する」、および「処置すること」は、本明細書に記載される疾患を反転させること、緩和すること、その発症を遅延させること、またはその進行を阻害することを指す。いくつかの態様において、処置は、疾患の1以上の兆候または症状が発生したかまたは観察された後に投与され得る。他の態様において、処置は、疾患の兆候または症状の非存在下で投与され得る。例えば、処置は、症状の発症に先立って(例えば、症状の既往に照らしておよび/または病原体への暴露に照らして)易罹患性の対象に投与され得る。処置は、例えば再発を遅延させるかまたは予防するために、症状が消散した後にもまた継続され得る。
【0080】
用語「状態」、「疾患」、および「障害」は交換可能に用いられる。
【0081】
本明細書に記載される化合物の「有効量」は、所望の生物学的応答を惹起し、すなわち状態を処置するのに十分な量を指す。当業者によって認められるであろうとおり、本明細書に記載される化合物の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、化合物の薬物動態、処置されようとする状態、投与のモード、ならびに対象の年齢および健康などの因子に依存して変わり得る。ある種の態様において、有効量は、治療有効量である。ある種の態様において、有効量は、予防有効量である。ある種の態様において、有効量は、単回用量における、本明細書に記載の化合物の量である。ある種の態様において、有効量は、複数回用量における、本明細書に記載の化合物の組み合わされた量である。
【0082】
本明細書に記載される化合物の「治療有効量」は、状態の処置の点で治療ベネフィットを提供するかまたは状態と関連する1つ以上の症状を遅延させるかもしくは最小化するのに十分な量である。化合物の治療有効量は、単独でまたは他の療法と組み合わせて、状態の処置の点で治療ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「治療有効量」は、総合的な治療法を改善する、状態の症状、兆候、もしくは原因を減少させるかもしくは回避する、および/または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包摂し得る。
【0083】
本明細書に記載される化合物の「予防有効量」は、状態または状態と関連する1つ以上の症状を予防するかあるいはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、単独でまたは他の剤と組み合わせて、状態の予防の点で予防ベネフィットを提供する治療剤の量を意味する。用語「予防有効量」は、総合的な予防法を改善するかまたは別の予防剤の予防有効性を増強する量を包摂し得る。
【0084】
「増殖性疾患」は、細胞の増加による異常な成長または進展が原因で生起する疾患を指す(Walker, Cambridge Dictionary of Biology; Cambridge University Press: Cambridge, UK, 1990)。増殖性疾患は、1)正常には静止期の細胞の病的な増殖、2)それらの正常な所在からの細胞の病的な移動(例えば、新生物性細胞の転移)、3)マトリックスメタロプロテイナーゼなどの蛋白質分解酵素(例えば、コラゲナーゼ、ゼラチナーゼ、およびエラスターゼ)の病的な発現、または4)増殖性網膜症および腫瘍転移におけるような病的な血管新生と関連し得る。例示的な増殖性疾患は、がん(すなわち「悪性新生物」)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、および自己免疫疾患を含む。
【0085】
用語「血管新生」は、新たな血管が既存の管から形成される生理プロセスを指す。血管新生は、中胚葉細胞前駆体からの内皮細胞のde novoの形成である血管発生とは別物である。発生している胚中の最初の管は血管発生によって形成され、その後は血管新生が正常なまたは異常な発生中の大部分の血管成長を担う。血管新生は、成長および発生、さらには創傷治癒および肉芽組織の形成の不可欠なプロセスである。しかしながら、血管新生はまた、良性の状態から悪性のものへの腫瘍の移行の根本的なステップでもあり、がんの処置における血管新生阻害剤の使用に至る。血管新生は成長因子(例えばVEGF)などの血管新生蛋白質によって化学的に刺激され得る。「病的な血管新生」は、疾患に帰結するおよび/または疾患と関連する異常な(例えば、過剰なまたは不十分な)血管新生を指す。
【0086】
用語「新生物」および「腫瘍」は交換可能に用いられ、組織の異常な集塊を指し、集塊の成長は正常な組織の成長を上回り、正常な組織の成長と調和しない。新生物または腫瘍は以下の特徴に依存して「良性」または「悪性」であり得る。細胞分化の程度(形および機能性を包含する)、成長の速度、局所浸潤、および転移。「良性新生物」は一般的に良く分化しており、悪性新生物よりも特徴的に低速の成長を有し、元部位に局在したままである。加えて、良性新生物は浸潤、侵襲、または遠隔部位に転移する素質を有さない。例示的な良性新生物は、脂肪腫、軟骨腫、アデノーマ、アクロコルドン、老人性血管腫、脂漏性角化症、黒子、および脂腺増殖症を包含するが、これらに限定されない。いくつかのケースにおいて、ある「良性」腫瘍は後に悪性新生物を生じさせ得、これは腫瘍の新生物性細胞の部分集団中の追加の遺伝子変化からもたらされ得、これらの腫瘍は「前悪性新生物」と言われる。例示的な前悪性新生物はテラトーマである。対照的に、「悪性新生物」は一般的に不良に分化しており(退形成)、進行性の浸潤、侵襲、および周辺組織の破壊を伴う特徴的に急速な成長を有する。なおその上に、悪性新生物は遠隔部位に転移する素質を一般的に有する。用語「転移(metastasis)」、「転移(metastatic)」、または「転移する」は、原発性のまたは元の腫瘍から別の臓器または組織へのがん細胞の拡散または遊走を指し、典型的には、二次性(転移)腫瘍が在る臓器または組織のものではなく、原発性のまたは元の腫瘍の組織型の「二次性腫瘍」または「二次性細胞集塊」の存在によって同定可能である。例えば、骨に遊走した前立腺がんは転移前立腺がんと言われ、骨組織中で増殖するがん性の前立腺がん細胞を包含する。
【0087】
用語「がん」は、制御不能に増殖し、かつ正常生体組織に浸潤し破壊する能力を有する異常細胞の発生によって特徴付けられる疾患の類を指す。Stedman’s Medical Dictionary, 25th ed.; Hensyl ed.; Williams & Wilkins:Philadelphia, 1990を参照。例示のがんとして、血液悪性腫瘍が挙げられるが、これに限定されない、追加の例示のがんとしては、これらに限定はされないが、以下が挙げられる:聴神経腫;腺癌;副腎のがん;肛門がん;血管肉腫(例えば、リンパ管肉腫、リンパ管内皮性肉腫、血管肉腫);虫垂がん;良性単一クローン性免疫グロブリン血症;胆管がん(例えば、胆管癌);膀胱がん;乳房のがん(breast cancer)(例えば、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳がん(mammary cancer)、乳房の髄様癌、三種陰性乳癌(TNBC));脳がん(例えば、髄膜腫、神経膠芽腫、神経膠腫(例えば、星状細胞腫、乏突起神経膠腫)、髄芽腫);気管支がん;カルチノイド腫瘍;子宮頚がん(例えば、子宮頸部腺癌);絨毛癌;脊索腫;頭蓋咽頭腫;結腸直腸(colorectal)がん(例えば、結腸(colon)がん、直腸(rectal)がん、結腸直腸腺癌);結合組織のがん;上皮癌;上衣腫;内皮性肉腫(例えば、カポジ肉腫、多発性特発性出血性肉腫);子宮内膜がん(例えば、子宮がん、子宮肉腫);食道がん(例えば、食道の腺癌、バレット腺癌);ユーイング肉腫;眼のがん(例えば、眼内黒色腫、網膜芽細胞腫);家族性過好酸球増加症;胆嚢がん;胃がん(例えば、胃腺癌);消化管間質腫瘍(GIST);胚細胞がん;頭頸部がん(例えば、頭頸部扁平上皮癌、口腔がん(例えば、口腔扁平上皮癌)、咽喉がん(例えば、喉頭がん、咽頭がん、鼻咽頭がん、口腔咽頭がん));重鎖病(例えば、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、ミュー鎖病);血管芽腫;下咽頭がん;炎症性筋線維芽細胞腫瘍;免疫球性アミロイドーシス;腎臓がん(例えば、腎芽細胞腫、別名ウィルムス腫瘍、腎細胞癌);肝臓がん(例えば、肝細胞がん(HCC)、悪性肝細胞癌);肺がん(例えば、気管支癌、小細胞肺がん(SCLC)、非小細胞肺がん(NSCLC)、肺の腺癌)平滑筋肉腫(LMS);肥満細胞症(例えば、全身性肥満細胞症);筋肉のがん;骨髄異形成症候群(MDS);中皮腫;骨髄増殖性疾患(MPD)(例えば、真性多血症(PV)、本態性血小板増加症(ET)、特発性骨髄様化生(AMM)、別名骨髄線維症(MF)、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性好中球性白血病(CNL)、好酸球増多症候群(HES));神経芽細胞腫;神経線維腫(例えば、神経線維腫症(NF)1または2型、神経鞘腫症);神経内分泌癌(例えば、胃腸すい管神経内分泌腫瘍(GEP−NET)、カルチノイド腫瘍);骨肉腫(例えば、骨のがん);卵巣がん(例えば、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、卵巣腺癌);乳頭腺癌;膵臓がん(例えば、膵臓腺癌、管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、膵島細胞腫瘍);陰茎がん(例えば、陰茎と陰嚢のパジェット病);松果体腫;原始神経外胚葉性腫瘍(PNT);形質細胞新生物;腫瘍随伴症候群;上皮内新生物;前立腺がん(例えば、前立腺腺癌);直腸がん;横紋筋肉腫;唾液腺のがん;皮膚がん(例えば、扁平上皮癌(SCC)、角化棘細胞腫(KA)、黒色腫、基底細胞癌(BCC));小腸がん(例えば、虫垂がん);軟部組織肉腫(例えば、悪性線維性組織球腫(MFH)、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍(MPNST)、軟骨肉腫、線維肉腫、粘液肉腫);皮脂腺癌;小腸がん;汗腺癌;滑膜腫;精巣がん(例えば、精上皮腫、精巣胚性癌腫);甲状腺がん(例えば、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌(PTC)、甲状腺髄様がん);尿道がん;膣のがん;および外陰がん(例えば、外陰部パジェット病)。
【0088】
用語「血液悪性腫瘍」は血液、骨髄、および/またはリンパ節を冒す腫瘍を言う。例示的な血液悪性腫瘍は、白血病、例えば急性リンパ芽球性白血病(ALL)(例えばB細胞ALL、T細胞ALL)、急性骨髄性白血病(AML)(例えばB細胞AML、T細胞AML)、慢性骨髄性白血病(CML)(例えばB細胞CML、T細胞CML)、および慢性リンパ性白血病(CLL)(例えばB細胞CLL、T細胞CLL)、リンパ腫、例えばホジキンリンパ腫(HL)(例えばB細胞HL、T細胞HL)および非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えばB細胞NHL、例えばびまん性大細胞型リンパ腫(DLCL)(例えばびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL、例えば活性化B細胞(ABC)DLBCL(ABC−DLBCL)))、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、辺縁帯B細胞リンパ腫(例えば、粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾辺縁帯B細胞リンパ腫)、原発性縦隔B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、ワルデンストレームマクログロブリン血症(WM、リンパ形質細胞性リンパ腫)、有毛細胞性白血病(HCL)、免疫芽球型大細胞性リンパ腫、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、中枢神経系(CNS)リンパ腫(例えば、原発性CNSリンパ腫および続発性CNSリンパ腫)、およびT細胞NHL、例えば前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(例えば、皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)(例えば、菌状息肉症、セザリー症候群)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸管症型T細胞リンパ腫、皮下蜂窩織炎様T細胞リンパ腫、および未分化大細胞性リンパ腫)、免疫特権部位のリンパ腫(例えば脳リンパ腫、眼内リンパ腫、胎盤のリンパ腫、胎児のリンパ腫、精巣リンパ腫)、上に記載されている1つ以上の白血病/リンパ腫の混合物、骨髄異形成、ならびに多発性骨髄腫(MM)を包含するが、これらに限定されない。
【0089】
用語「炎症性疾患」とは、炎症によって引き起こされる疾患、炎症から生じる疾患、または炎症をもたらす疾患を指す。用語「炎症性疾患」はまた、マクロファージ、顆粒球、および/またはTリンパ球による過剰応答を引き起こして、異常な組織の損傷および/または細胞死に至る、調節不全の炎症反応を指す。炎症性疾患は、急性または慢性の炎症状態のいずれかであることができ、感染性または非感染性の原因から生じ得る。炎症性疾患としては、限定されないが、以下が挙げられる:アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、自己免疫疾患、多発性硬化症、全身性エリテマトーデス、リウマチ性多発筋痛(PMR)、痛風性関節炎、変形性関節症、腱炎、滑液包炎、乾癬、嚢胞性線維症、骨関節炎、リウマチ性関節炎、炎症性関節炎、シェーグレン症候群、巨細胞性動脈炎、進行性全身性硬化症(強皮症)、強直性脊椎炎、多発性筋炎、皮膚筋炎、天疱瘡、類天疱瘡、糖尿病(例えば、I型)、重症筋無力症、橋本甲状腺炎、グレーブス病、グッドパスチャー病、混合性結合組織病、硬化性胆管炎、炎症性腸疾患、クローン病、潰瘍性大腸炎、悪性貧血、炎症性皮膚疾患、通常の間質性肺炎(UIP)、石綿肺、珪肺、気管支拡張症、ベリリウム中毒症、滑石肺、塵肺、サルコイドーシス、剥離性間質性肺炎、リンパ間質性肺炎、巨細胞間質性肺炎、細胞間質性肺炎、外因性アレルギー性肺胞炎、ウェゲナー肉芽腫症および関連形態の血管炎(側頭動脈炎および結節性多発動脈炎)、炎症性皮膚病、肝炎、遅延型過敏反応(例えば、ツタウルシ皮膚炎)、肺炎、気道の炎症、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、脳炎、即時型過敏反応、喘息、花粉症、アレルギー、急性アナフィラキシー、リウマチ熱、糸球体腎炎、腎盂腎炎、蜂巣炎、膀胱炎、慢性胆嚢炎、虚血(虚血性傷害)、再灌流障害、同種移植片拒絶反応、宿主対移植片拒絶、虫垂炎、動脈炎、眼瞼炎、細気管支炎、気管支炎、子宮頸管炎、胆管炎、絨毛羊膜炎、結膜炎、涙腺炎、皮膚筋炎、心内膜炎、子宮内膜炎、腸炎、全腸炎、上顆炎、精巣上体炎、筋膜炎、結合組織炎、胃炎、胃腸炎、歯肉炎、回腸炎、虹彩炎、喉頭炎、脊髄炎、心筋炎、腎炎、臍炎、卵巣炎、精巣炎、骨炎、中耳炎、膵炎、耳下腺炎、心膜炎、咽頭炎、胸膜炎、静脈炎、肺炎、直腸炎、前立腺炎、鼻炎、卵管炎、副鼻腔炎、口内炎、滑膜炎、精巣炎、扁桃炎、尿道炎、膀胱炎、ブドウ膜炎、膣炎、血管炎、外陰炎、外陰膣炎、血管炎、慢性気管支炎、骨髄炎、視神経炎、側頭動脈炎、横断性脊髄炎、壊死性筋膜炎、および壊死性全腸炎。
【0090】
「自己免疫疾患」は、対象の身体の、身体内に通常に存在する物質および組織に対する、不適切な免疫応答に起因する疾患を指す。言い換えれば、免疫系は、身体の一部を病原体と誤って、それ自身の細胞を攻撃する。これは、特定の臓器に限定されるか(例えば、自己免疫性甲状腺炎におけるように)、または異なる部位における特定の組織が関与する(例えば、グッドパスチャー病では、肺および腎臓の両方において基底膜に影響を与え得る)。自己免疫疾患の処置は典型的には、免疫抑制により、例えば、免疫応答を低減する薬剤による。例示の自己免疫疾患としては、限定はされないが、以下が挙げられる:糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、壊死性血管炎、リンパ節炎、結節性動脈周囲炎、全身性エリテマトーデス、リウマチ性関節炎、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデス、乾癬、潰瘍性大腸炎、全身性硬化症、皮膚筋炎/多発性筋炎、抗リン脂質抗体症候群、強皮症、尋常性天疱瘡、ANCA関連血管炎(例えば、ウェゲナー肉芽腫症、顕微鏡的多発性血管炎)、ブドウ膜炎、シェーグレン症候群、クローン病、ライター症候群、強直性脊椎炎、ライム病、ギラン・バレー症候群、橋本甲状腺炎、および心筋症。
【0091】
用語「キナーゼ」は、リン酸化と言われる、リン酸基をATPなどの高エネルギードナー分子から特異的な基質に移し替える酵素の型である。キナーゼは、ホスホトランスフェラーゼの最も大きいファミリーの部分である。キナーゼの最も大きい群の1つはタンパク質キナーゼであり、これは特異的なタンパク質の活性に作用し、改変する。キナーゼは、細胞においてシグナルを伝え複雑なプロセスをコントロールするために広く用いられている。種々の他のキナーゼが、シグナル伝達のためまたはそれらを代謝経路にプライミングするためのどちらかで、脂質、炭水化物、アミノ酸、およびヌクレオチドなどの小分子に作用する。キナーゼは多くの場合にそれらの基質に因んで名付けられる。500よりも多くの異なるタンパク質キナーゼがヒトにおいて同定されている。例示的なヒトタンパク質キナーゼは、AAK1、ABL、ACK、ACTR2、ACTR2B、AKT1、AKT2、AKT3、ALK、ALK1、ALK2、ALK4、ALK7、AMPKa1、AMPKa2、ANKRD3、ANPa、ANPb、ARAF、ARAFps、ARG、AurA、AurAps1、AurAps2、AurB、AurBps1、AurC、AXL、BARK1、BARK2、BIKE、BLK、BMPR1A、BMPR1Aps1、BMPR1Aps2、BMPR1B、BMPR2、BMX、BRAF、BRAFps、BRK、BRSK1、BRSK2、BTK、BUB1、BUBR1、CaMK1a、CaMK1b、CaMK1d、CaMK1g、CaMK2a、CaMK2b、CaMK2d、CaMK2g、CaMK4、CaMKK1、CaMKK2、caMLCK、CASK、CCK4、CCRK、CDC2、CDC7、CDK10、CDK11、CDK2、CDK3、CDK4、CDK4ps、CDK5、CDK5ps、CDK6、CDK7、CDK7ps、CDK8、CDK8ps、CDK9、CDKL1、CDKL2、CDKL3、CDKL4、CDKL5、CGDps、CHED、CHK1、CHK2、CHK2ps1、CHK2ps2、CK1a、CK1a2、CK1aps1、CK1aps2、CK1aps3、CK1d、CK1e、CK1g1、CK1g2、CK1g2ps、CK1g3、CK2a1、CK2a1−rs、CK2a2、CLIK1、CLIK1L、CLK1、CLK2、CLK2ps、CLK3、CLK3ps、CLK4、COT、CRIK、CRK7、CSK、CTK、CYGD、CYGF、DAPK1、DAPK2、DAPK3、DCAMKL1、DCAMKL2、DCAMKL3、DDR1、DDR2、DLK、DMPK1、DMPK2、DRAK1、DRAK2、DYRK1A、DYRK1B、DYRK2、DYRK3、DYRK4、EGFR、EphA1、EphA10、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、Erk1、Erk2、Erk3、Erk3ps1、Erk3ps2、Erk3ps3、Erk3ps4、Erk4、Erk5、Erk7、FAK、FER、FERps、FES、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGR、FLT1、FLT1ps、FLT3、FLT4、FMS、FRK、Fused、FYN、GAK、GCK、GCN2、GCN22、GPRK4、GPRK5、GPRK6、GPRK6ps、GPRK7、GSK3A、GSK3B、ハスピン、HCK、HER2/ErbB2、HER3/ErbB3、HER4/ErbB4、HH498、HIPK1、HIPK2、HIPK3、HIPK4、HPK1、HRI、HRIps、HSER、HUNK、ICK、IGF1R、IKKa、IKKb、IKKe、ILK、INSR、IRAK1、IRAK2、IRAK3、IRAK4、IRE1、IRE2、IRR、ITK、JAK1、JAK2、JAK3、JNK1、JNK2、JNK3、KDR、KHS1、KHS2、KIS、KIT、KSGCps、KSR1、KSR2、LATS1、LATS2、LCK、LIMK1、LIMK2、LIMK2ps、LKB1、LMR1、LMR2、LMR3、LOK、LRRK1、LRRK2、LTK、LYN、LZK、MAK、MAP2K1、MAP2K1ps、MAP2K2、MAP2K2ps、MAP2K3、MAP2K4、MAP2K5、MAP2K6、MAP2K7、MAP3K1、MAP3K2、MAP3K3、MAP3K4、MAP3K5、MAP3K6、MAP3K7、MAP3K8、MAPKAPK2、MAPKAPK3、MAPKAPK5、MAPKAPKps1、MARK1、MARK2、MARK3、MARK4、MARKps01、MARKps02、MARKps03、MARKps04、MARKps05、MARKps07、MARKps08、MARKps09、MARKps10、MARKps11、MARKps12、MARKps13、MARKps15、MARKps16、MARKps17、MARKps18、MARKps19、MARKps20、MARKps21、MARKps22、MARKps23、MARKps24、MARKps25、MARKps26、MARKps27、MARKps28、MARKps29、MARKps30、MAST1、MAST2、MAST3、MAST4、MASTL、MELK、MER、MET、MISR2、MLK1、MLK2、MLK3、MLK4、MLKL、MNK1、MNK1ps、MNK2、MOK、MOS、MPSK1、MPSK1ps、MRCKa、MRCKb、MRCKps、MSK1、MSK12、MSK2、MSK22、MSSK1、MST1、MST2、MST3、MST3ps、MST4、MUSK、MYO3A、MYO3B、MYT1、NDR1、NDR2、NEK1、NEK10、NEK11、NEK2、NEK2ps1、NEK2ps2、NEK2ps3、NEK3、NEK4、NEK4ps、NEK5、NEK6、NEK7、NEK8、NEK9、NIK、NIM1、NLK、NRBP1、NRBP2、NuaK1、NuaK2、Obscn、Obscn2、OSR1、p38a、p38b、p38d、p38g、p70S6K、p70S6Kb、p70S6Kps1、p70S6Kps2、PAK1、PAK2、PAK2ps、PAK3、PAK4、PAK5、PAK6、PASK、PBK、PCTAIRE1、PCTAIRE2、PCTAIRE3、PDGFRa、PDGFRb、PDK1、PEK、PFTAIRE1、PFTAIRE2、PHKg1、PHKg1ps1、PHKg1ps2、PHKg1ps3、PHKg2、PIK3R4、PIM1、PIM2、PIM3、PINK1、PITSLRE、PKACa、PKACb、PKACg、PKCa、PKCb、PKCd、PKCe、PKCg、PKCh、PKCi、PKCips、PKCt、PKCz、PKD1、PKD2、PKD3、PKG1、PKG2、PKN1、PKN2、PKN3、PKR、PLK1、PLK1ps1、PLK1ps2、PLK2、PLK3、PLK4、PRKX、PRKXps、PRKY、PRP4、PRP4ps、PRPK、PSKH1、PSKH1ps、PSKH2、PYK2、QIK、QSK、RAF1、RAF1ps、RET、RHOK、RIPK1、RIPK2、RIPK3、RNAseL、ROCK1、ROCK2、RON、ROR1、ROR2、ROS、RSK1、RSK12、RSK2、RSK22、RSK3、RSK32、RSK4、RSK42、RSKL1、RSKL2、RYK、RYKps、SAKps、SBK、SCYL1、SCYL2、SCYL2ps、SCYL3、SGK、SgK050ps、SgK069、SgK071、SgK085、SgK110、SgK196、SGK2、SgK223、SgK269、SgK288、SGK3、SgK307、SgK384ps、SgK396、SgK424、SgK493、SgK494、SgK495、SgK496、SIK(例えばSIK1、SIK2)、skMLCK、SLK、Slob、smMLCK、SNRK、SPEG、SPEG2、SRC、SRM、SRPK1、SRPK2、SRPK2ps、SSTK、STK33、STK33ps、STLK3、STLK5、STLK6、STLK6ps1、STLK6−rs、SuRTK106、SYK、TAK1、TAO1、TAO2、TAO3、TBCK、TBK1、TEC、TESK1、TESK2、TGFbR1、TGFbR2、TIE1、TIE2、TLK1、TLK1ps、TLK2、TLK2ps1、TLK2ps2、TNK1、Trad、Trb1、Trb2、Trb3、Trio、TRKA、TRKB、TRKC、TSSK1、TSSK2、TSSK3、TSSK4、TSSKps1、TSSKps2、TTBK1、TTBK2、TTK、TTN、TXK、TYK2、TYK22、TYRO3、TYRO3ps、ULK1、ULK2、ULK3、ULK4、VACAMKL、VRK1、VRK2、VRK3、VRK3ps、Wee1、Wee1B、Wee1Bps、Wee1ps1、Wee1ps2、Wnk1、Wnk2、Wnk3、Wnk4、YANK1、YANK2、YANK3、YES、YESps、YSK1、ZAK、ZAP70、ZC1/HGK、ZC2/TNIK、ZC3/MINK、およびZC4/NRKを包含するが、これに限定されない。
【0092】
用語「SRCファミリーキナーゼ」は、非受容体型チロシンタンパク質キナーゼのあるファミリーを言い、9つの構成要素、c−SRC(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼSRC)、YES(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼYes)、FYN(癌原遺伝子チロシンタンパク質キナーゼFYN)、およびFGR(ガードナー・ラシードネコ肉腫ウイルス(v−FGR)癌遺伝子ホモログ)を包含するSRCAサブファミリー、LCK(リンパ球特異的タンパク質チロシンキナーゼ)、HCK(チロシンタンパク質キナーゼHCK、造血細胞キナーゼ)、BLK(チロシンタンパク質キナーゼBLK)、およびLYN(チロシンタンパク質キナーゼLYN)を包含するSRCBサブファミリー、ならびにFRK(Fyn関連キナーゼ)を包含する。
【0093】
用語「CDK」とは。サイクリン依存性キナーゼを指す。CDKは、調節性タンパク質であるサイクリン(例えばサイクリンH)に結合する。CDKは、それらの基質を、セリンおよびスレオニンにおいてリン酸化する。CDK基質のアミノ酸配列中のリン酸化部位についてのコンセンサス配列は、[S/T*]PX[K/R]であり、ここで、S/T*は、リン酸化されたセリンまたはスレオニンであり、Pはプロリンであり、Xは任意のアミノ酸であり、Kはリジンであり、Rはアルギニンである。CDKは、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK15、CDK16、CDK17、CDK18、CDK19および/またはCDK20を含む。
【0094】
CDK7、サイクリン依存性キナーゼ7は、基質がサイクリンH、MAT1(例えばMNAT1)、またはサイクリンHおよびMAT1であるCDKである。CDK7は、代替的に、CAK1、HCAK、MO15、STK1、CDKN7およびp39MO15とも称される。ヒトCDK7についてのヌクレオチドおよびタンパク質はいれつの非限定的な例は、本明細書において参考として援用されるGenBankアクセッション番号NP_001790において記載される。このCDK7のアミノ酸配列は、以下のとおりである:
【数1】
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【0095】
本発明のある態様の詳細な説明
サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は、細胞周期の重要な調節因子である。それらの連続的な活性化および不活化が、周期を前向きに駆動する。CDKの活性は、正または負のリン酸化、サイクリンおよびCDK阻害剤などの調節性タンパク質の結合などの複数の機構により制御される。サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)は、RNAポリメラーゼIIにより媒介されるタンパク質コード遺伝子の転写の制御において重要な役割を果たす。CDK7シグナル伝達の妨害は、転写の欠損を引き起こす;しかし、CDK7の妨害がどのようにして全体的な転写に影響を及ぼすかについての完全な理解は欠如している。さらに、CDK7の選択的阻害剤の不在が、正常および病的な条件下におけるCDK7の急性および長期の阻害の、転写的および機能的な結果の研究を妨害してきた。本発明は、細胞スクリーニングおよび慣用的なプロテオミクス標的発見アプローチを記載し、これが、基準のキナーゼドメイン(すなわち、CDK7のCys312)の外側に位置するシステイン残基を共有結合的に修飾する能力を有する、高度に選択的なCDK7阻害剤およびアナログの同定をもたらした。このシステインは、CDK7中に排他的に見出され、今日までに報告されている19個のCDKの間の選択性を達成するという極めて困難な問題を解決する、予期しない手段を提供する。本発明の阻害剤を用いるCDK7の不可逆的阻害は、多様な癌細胞株のサブセットの長期の転写の妨害およびアポトーシスの誘導をもたらす。ゲノムワイドな転写物分析と、その後の阻害剤処置により、癌細胞の状態の維持において重要なCDK7応答性遺伝子、特にMYCおよびMCL−1遺伝子が示される。CDK7の選択的な共有結合的阻害は、実行可能な癌治療戦略となり得る。
【0096】
本発明は、増殖性疾患を有する対象の予防および/または処置のためにキナーゼの活性を阻害する化合物を提供する。ある態様において、本発明の化合物は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)の活性を阻害する。ある態様において、本発明の化合物は、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)の活性を阻害する。本発明はまた、例えば、キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))の活性の阻害を研究するための生物学的プローブとして、ならびに、例えばキナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))の過剰発現および/または異常な活性に関連する疾患の予防および/または処置における治療薬として。本明細書において記載される化合物を用いる方法を提供する。ある態様において、疾患は、増殖性疾患である。処置および/または予防することができる増殖性疾患として、限定されないが、がん(例えば、白血病、メラノーマ、多発性骨髄腫)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患が挙げられる。また本開示により提供されるのは、本明細書において記載されるような式(I)の化合物を含む、医薬組成物、キット、方法および使用である。
【0097】
CDK7の活性を阻害することに加えて、本発明の化合物は、他のCDKと比べてCDK7について選択的である。本発明は、CDK12またはCDK13を阻害する能力をも有するいくつかの先のCDK7阻害剤(Kwiatowski et al., “Targeting transcription regulation in cancer with a covalent CDK7 inhibitor.” Nature 511, 616-620 (2014))の潜在的な欠陥に取り組む。このことにより、CDK12および/またはCDK13の阻害と比較して、CDK7の阻害から誘導される薬理学的効果を、より明らかに区別し、薬物の開発および治療的使用のための新たな化合物およびその組成物を提供する機会が得られる。
【0098】
化合物
本開示の側面は、本明細書において記載される化合物に関する。本明細書において記載される化合物は、対象において増殖性疾患を処置および/または予防すること、対象または生体試料においてタンパク質キナーゼ(例えばCDK)の活性を阻害すること、ならびに細胞においてアポトーシスを誘導することにおいて有用であり得る化合物を含むピロロ−ピラゾールである。ある態様において、本明細書において記載される化合物は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグである。ある態様において、本明細書において記載される化合物は、式(I)の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0099】
本明細書において提供されるのは、式(I):
【化13】
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の化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグであって、式中:
は、−NR、−CHRまたは−ORであり、ここでRおよびRの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基であるか、あるいは、RとRとは連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
およびRの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換C〜Cアルキル、または任意置換アリールであるか、あるいは、RとRとは、連結して、任意置換C〜Cカルボシクリル環を形成し;
は、独立して、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
は、−NRL1−、−NRL1C(=O)−、−C(=O)NRL1−、−O−、または−S−であり、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
環Aは、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり;
は、結合、−C(=O)−、−NRL2−、−C(=O)NRL2−、−NRL2C(=O)−、−O−、または−S−であり、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
環Bは、不在であるか、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり;ならびに
は、以下に定義されるとおりの式(i−1)〜(i−42):
【化14】
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【化15】
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のうちのいずれかであって、
式中:
は、結合、または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、あるいは2つのRL3b基は、連結して、任意置換の炭素環式または任意置換のヘテロ環式環を形成し;
は、結合、または任意置換の分枝状または非分枝状のC1〜6炭化水素鎖であり;
E1、RE2、およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHOREE、−CHN(REE、−CHSREE、−OREE、−N(REE、−Si(REE、および−SREEであり、ここで、REEの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、あるいは2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成するか;あるいはRE1とRE3、またはRE2とRE3、またはRE1とRE2とは、連結して、任意置換の炭素環式または任意置換のヘテロ環式環を形成し;
E4は、脱離基であり;
E5は、ハロゲンであり;
E6は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
Yの各々は、独立して、O、SまたはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
aは、1または2であり;ならびに
zの各々は、独立して、原子価が許容する限りにおいて、0、1、2、3、4、5または6である。
【0100】
ある態様において、本明細書において記載される化合物は、式(I):
【化16】
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のもの、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、およびプロドラッグであって、式中:
は、−NR、−CHRまたは−ORであり、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基であるか、あるいは、RとRとは連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成し;
およびRの各々は、独立して、水素、ハロゲン、または任意置換C〜Cアルキルであるか、あるいは、RとRとは、連結して、任意置換C〜Cカルボシクリル環を形成し;
は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
は、−NRL1−、−NRL1C(=O)−、−C(=O)NRL1−、−O−、または−S−であり、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
環Aは、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり;
は、結合、−C(=O)−、−NRL2−、−C(=O)NRL2−、−NRL2C(=O)−、−O−、または−S−であり、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
環Bは、不在であるか、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであり;ならびに
は、以下に定義されるとおりの式(i−1)〜(i−41):
【化17】
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【化18】
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のうちのいずれかであって、
式中:
は、結合、または任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、任意にここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−で置き換えられ、ここで、RL3aは、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であり、およびここで、RL3bの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、あるいは2つのRL3b基は、連結して、任意置換の炭素環式または任意置換のヘテロ環式環を形成し;
は、結合、または任意置換の分枝状または非分枝状のC1〜6炭化水素鎖であり;
E1、RE2、およびRE3の各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHOREE、−CHN(REE、−CHSREE、−OREE、−N(REE、−Si(REE、および−SREEであり、ここで、REEの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルコキシ、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであるか、あるいは、2つのREE基は、連結して、任意置換ヘテロ環式環を形成するか;あるいはRE1とRE3、またはRE2とRE3、またはRE1とRE2とは、連結して、任意置換の炭素環式または任意置換のヘテロ環式環を形成し;
E4は、脱離基であり;
E5は、ハロゲンであり;
E6は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
Yの各々は、独立して、O、SまたはNRE7であり、ここで、RE7は、水素、置換または非置換のC1〜6アルキル、または窒素保護基であり;
aは、1または2であり;ならびに
zの各々は、独立して、原子価が許容する限りにおいて、0、1、2、3、4、5または6である。
【0101】
式(I)の化合物は、ピロロピラゾール二環式環のカルボニル置換基に付着したRを含む。Rは、−NR、−CHRまたは−ORであってもよく、ここで、RおよびRの各々は、独立して、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基であるか、あるいは、RとRとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。ある態様において、Rは、−NRである。ある態様において、Rは、−CHRである。ある態様において、Rは、−ORである。
【0102】
ある態様において、Rは、
【化19】
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であり、ここで、R2’は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、Rは、
【化20】
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である。
【0103】
ある態様において、Rは、式(ii−1):
【化21】
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のものであって、式中:
は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
2aは、水素、−OR1N、または−NR1N2Nであり、ここで、R1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基である。
【0104】
ある態様において、Rは、式(ii−2):
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、式中:
は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
2aは、水素、−OR1N、または−NR1N2Nであり、ここで、R1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、窒素原子に付着している場合は窒素保護基、または酸素原子に付着している場合は酸素保護基である。
【0105】
ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、任意置換C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、非置換C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、窒素保護基である。ある態様において、Rは、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。
【0106】
ある態様において、R1aは、水素である。ある態様において、R1aは、メチルである。ある態様において、R1aは、エチルである。ある態様において、R1aは、プロピルである。ある態様において、R1aは、任意置換フェニルである。ある態様において、R1aは、フェニルである。
【0107】
ある態様において、R2aは、水素である。ある態様において、R2aは、−OR1Nであり、ここで、R1Nは、水素、C〜Cアルキル、または酸素保護基である。ある態様において、R2aは、−OHである。ある態様において、R2aは、−NR1N2Nであり、ここで、R1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、R1NとR2Nとは、同じである。ある態様において、R1NとR2Nとは、異なっている。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれもメチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれもエチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれもプロピルである。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれも水素である。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれも窒素保護基である。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、メチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、エチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、プロピルである。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、水素である。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、窒素保護基である。ある態様において、R1Nは、メチルであり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、エチルであり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、プロピルであり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、窒素保護基であり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、メチルであり、かつR2Nは、窒素保護基である。ある態様において、R1Nは、エチルであり、かつR2Nは、窒素保護基である。ある態様において、R1Nは、プロピルであり、かつR2Nは、窒素保護基である。
【0108】
ある態様において、Rは、式(ii−1a):
【化23】
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のものであって、式中:
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基である。
【0109】
ある態様において、Rは、式(ii−2a):
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、式中:
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基である。
【0110】
ある態様において、R1aは、水素である。ある態様において、R1aは、メチルである。ある態様において、R1aは、エチルである。ある態様において、R1aは、プロピルである。ある態様において、R1aは、任意置換フェニルである。ある態様において、R1aは、フェニルである。ある態様において、R1NとR2Nとは、同じである。
【0111】
ある態様において、R1NとR2Nとは、異なっている。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれもメチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれもエチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれもプロピルである。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれも水素である。ある態様において、R1NおよびR2Nは、いずれも窒素保護基である。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、メチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、エチルである。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、プロピルである。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、水素である。ある態様において、R1NおよびR2Nのうちの少なくとも1つは、窒素保護基である。ある態様において、R1Nは、メチルであり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、エチルであり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、プロピルであり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、窒素保護基であり、かつR2Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、メチルであり、かつR2Nは、窒素保護基である。ある態様において、R1Nは、エチルであり、かつR2Nは、窒素保護基である。ある態様において、R1Nは、プロピルであり、かつR2Nは、窒素保護基である。
【0112】
ある態様において、Rは、式(ii−1b):
【化25】
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のものであり、式中、R1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0113】
ある態様において、Rは、式(ii−2b):
【化26】
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のものであって、式中、R1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0114】
ある態様において、R1aは、水素である。ある態様において、R1aは、メチルである。ある態様において、R1aは、エチルである。ある態様において、R1aは、プロピルである。ある態様において、R1aは、任意置換フェニルである。ある態様において、R1aは、フェニルである。
【0115】
ある態様において、Rは:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0116】
ある態様において、Rは:
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0117】
ある態様において、Rは:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0118】
ある態様において、Rは、式(ii−1c):
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、
式中:
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または酸素保護基である。
【0119】
ある態様において、Rは、式(ii−2c):
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、
式中:
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または酸素保護基である。
【0120】
ある態様において、R1aは、水素である。ある態様において、R1aは、メチルである。ある態様において、R1aは、エチルである。ある態様において、R1aは、プロピルである。ある態様において、R1aは、任意置換フェニルである。ある態様において、R1aは、フェニルである。ある態様において、R1Nは、水素である。ある態様において、R1Nは、メチルである。ある態様において、R1Nは、エチルである。ある態様において、R1Nは、プロピルである。ある態様において、R1Nは、酸素保護基である。
【0121】
ある態様において、Rは、式(ii−1d):
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、式中、R1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0122】
ある態様において、Rは、式(ii−2d):
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
のものであって、式中、R1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0123】
ある態様において、R1aは、水素である。ある態様において、R1aは、メチルである。ある態様において、R1aは、エチルである。ある態様において、R1aは、プロピルである。ある態様において、R1aは、任意置換フェニルである。ある態様において、R1aは、フェニルである。
【0124】
ある態様において、Rは、
【化35】
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である。
【0125】
ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換アリールであり、かつRは、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換ヘテロアリールであり、かつRは、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換ヘテロシクリルであり、かつRは、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または窒素保護基である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換カルボシクリルであり、かつRは、水素、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、または窒素保護基から選択される。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換アリールであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換ヘテロアリールであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換ヘテロシクリルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換カルボシクリルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、任意置換ピラゾリルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、−NRであり、ここで、Rは、1−メチル−1H−ピラゾール−4−イルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、
【化36】
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である。
【0126】
式(I)の化合物は、ピロロピラゾール二環式環と環Aとを連結するリンカーLを含む。リンカーLは、−NRL1−、−NRL1C(=O)−、−C(=O)NRL1−、−O−、または−S−であってもよく、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Lは、−NRL1−であり、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Lは、−NRL1C(=O)−であり、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Lは−C(=O)NRL1−であり、ここで、RL1は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、RL1は、水素である。ある態様において、Lは、−NH−である。ある態様において、Lは、−NH(C=O)−である。ある態様において、Lは、−(C=O)NH−である。ある態様において、Lは、−O−である。ある態様において、Lは、−S−である。
【0127】
式(I)の化合物は、ピロロピラゾール二環式環に付着したRおよびRを含む。RおよびRの各々は、独立して、水素、ハロゲン、任意置換アリール、または任意置換C〜Cアルキルであるか、あるいは、RとRとは、連結して、任意置換C〜Cカルボシクリル環を形成する。ある態様において、Rは、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換のフェニル)である。ある態様において、Rは、置換または非置換のアリール(例えば、置換または非置換のフェニル)である。ある態様において、RとRとは、連結して、任意置換C〜Cカルボシクリルを形成する。ある態様において、RとRとは、連結して、任意置換シクロプロパンを形成する。ある態様において、RとRとは、連結して、非置換シクロプロパンを形成する。ある態様において、RとRとは、連結して、任意置換シクロヘキサンを形成する。ある態様において、RとRとは、連結して、非置換シクロヘキサンを形成する。ある態様において、RとRとは、同じである。ある態様において、RとRとは、異なっている。ある態様において、RおよびRは、任意置換C〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、非置換C〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、いずれもメチルである。ある態様において、RおよびRは、いずれもエチルである。ある態様において、RおよびRは、いずれもプロピルである。ある態様において、RおよびRは、いずれも水素である。ある態様において、RおよびRは、いずれもハロゲンである。ある態様において、RおよびRの各々は、独立して、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RおよびRは、いずれも−Fである。ある態様において、RとRとは、−CHCH−として連結する。
【0128】
ある態様において、Rは、任意置換C〜Cアルキル(例えば、イソプロピル)である。ある態様において、Rは、非置換C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、メチルである。ある態様において、Rは、エチルである。ある態様において、Rは、プロピルである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、ハロゲンである。ある態様において、Rは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、Rは、−Fである。ある態様において、Rは、任意置換C〜Cアルキル(例えば、イソプロピル)である。ある態様において、Rは、非置換C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、メチルである。ある態様において、Rは、エチルである。ある態様において、Rは、プロピルである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、ハロゲンである。ある態様において、Rは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、Rは、−Fである。
【0129】
ある態様において、Rは、水素であり、かつRは、メチルである。ある態様において、Rは、メチルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、水素であり、かつRは、エチルである。ある態様において、Rは、エチルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、水素であり、かつRは、プロピルである。ある態様において、Rは、プロピルであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、水素であり、かつRは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、Rは、−Cl、Br、または−Iであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、水素であり、かつRは、−Fである。ある態様において、Rは、−Fであり、かつRは、水素である。ある態様において、Rは、メチルであり、かつRは、−Fである。ある態様において、Rは、−Fであり、かつRは、メチルである。ある態様において、Rは、エチルであり、かつRは、−Fである。ある態様において、Rは、−Fであり、かつRは、エチルである。ある態様において、Rは、プロピルであり、かつRは、−Fである。ある態様において、Rは、−Fであり、かつRは、プロピルである。ある態様において、Rは、メチルであり、かつRは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、Rは、−Cl、またはBr、または−Iであり、かつRは、メチルである。ある態様において、Rは、エチルであり、かつRは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、Rは、−Cl、またはBr、または−Iであり、かつRは、エチルである。ある態様において、Rは、プロピルであり、かつRは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、Rは、−Cl、またはBr、または−Iであり、かつRは、プロピルである。
【0130】
式(I)の化合物は、ピラゾール窒素に付着したRを含む。Rは、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基であってもよい。ある態様において、Rは、任意置換C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、非置換C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、置換メチルである。ある態様において、Rは、非置換メチルである。ある態様において、Rは、水素である。ある態様において、Rは、窒素保護基である。ある態様において、Rは、Bn、BOC、Cbz、Fmoc、トリフルオロアセチル、トリフェニルメチル、アセチル、またはTsである。
【0131】
式(I)の化合物は、式(I−a)および(I−b):
【化37】
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の互変異生体またはその混合物として存在してもよい。
各々の互変異生体において、Rは、各々の式の化合物中の異なるピラゾール窒素に付着している。ある態様において、Rは、式(I−a)におけるもののように、標識された位置1における窒素に付着している。ある態様において、Rは、式(I−b)におけるもののように、標識された位置2における窒素に付着している。ある態様において、式(I)の化合物は、式(I−a)および(I−b)の化合物の混合物として存在してもよく、この場合、Rは、式(I−a)に対応する混合物の成分については標識された位置1における窒素に、Rは、式(I−b)に対応する混合物の成分については標識された位置2における窒素に付着している。
【0132】
式(I)の化合物は、リンカーLとリンカーLとの間に環Aを含む。環Aは、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであってよい。ある態様において、環Aは、任意置換カルボシクリルである。ある態様において、環Aは、任意置換ヘテロシクリルである。ある態様において、環Aは、任意置換アリールである。ある態様において、環Aは、任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、環Aは、任意置換フェニルである。ある態様において、環Aは、LおよびLのみにより置換されたフェニルである。ある態様において、環Aは、任意置換シクロヘキシルである。ある態様において、環Aは、任意置換ピペリジニルである。ある態様において、環Aは、任意置換ピペリジニルである。ある態様において、環Aは、任意置換ピリジニルである。ある態様において、環Aは、任意置換ピリミジニルである。
【0133】
ある態様において、リンカーLおよびLは、環Aに対して「オルト」または1,2で付着している。ある態様において、リンカーLおよびLは、環Aに対して「メタ」または1,3で付着している。ある態様において、リンカーLおよびLは、環Aに対して「パラ」または1,4で付着している。
【0134】
ある態様において、環Aは、
【化38】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、環Aは、
【化39】
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または
【化40】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、環Aは、
【化41】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、環Aは、
【化42】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。ある態様において、環Aは、
【化43】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。ある態様において、環Aは、
【化44】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。ある態様において、環Aは、
【化45】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。
【0135】
ある態様において、環Aは、
【化46】
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である。ある態様において、環Aは、
【化47】
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である。ある態様において、環Aは、
【化48】
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である。ある態様において、環Aは、
【化49】
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であり、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。ある態様において、環Aは、
【化50】
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または
【化51】
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であり、ここで、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。ある態様において、環Aは、
【化52】
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であり、ここで、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。ある態様において、環Aは、
【化53】
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であり、ここで、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Aに付着していてもよい。
【0136】
式(I)の化合物は、環Aを環Bに連結するリンカーLを含む。リンカーLは、結合、−C(=O)−、−NRL2−、−C(=O)NRL2−、−NRL2C(=O)−、−O−、または−S−であってもよく、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、環BまたはRが環Aに直接付着するように、Lは、結合である。ある態様において、Lは、−NRL2−であり、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Lは、−C(=O)NRL2−であり、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Lは、−NRL2C(=O)−、ここで、RL2は、水素、任意置換C〜Cアルキル、または窒素保護基である。ある態様において、Lは、−O−である。ある態様において、Lは、−S−である。ある態様において、RL2は、水素である。ある態様において、Lは、−C(=O)−である。ある態様において、Lは、−NH−である。ある態様において、Lは、−NHC(=O)−である。ある態様において、Lは、−C(=O)NH−である。ある態様において、Lは、−O−である。ある態様において、Lは、−S−である。
【0137】
(I)の化合物は、リンカーLと基Rとの間に環Bを含む。ある態様において、環Bが環Aに直接付着するように、リンカーLは、結合である。環Bは、不在であるか、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールであってもよい。ある態様において、LがRに直接付着するように、環Bは不在である。ある態様において、環Bは、不在であり、かつ、環AがRに直接付着するように、リンカーLは、結合である。ある態様において、環Bは、任意置換カルボシクリルである。ある態様において、環Bは、任意置換ヘテロシクリルである。ある態様において、環Bは、任意置換アリールである。ある態様において、環Bは、任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、環Bは、任意置換フェニルである。ある態様において、環Bは、任意置換シクロヘキシルである。ある態様において、環Bは、任意置換ピペリジニルである。ある態様において、環Bは、任意置換ピペリジニルである。ある態様において、環Bは、任意置換ピリジニルである。ある態様において、環Bは、任意置換ピリミジニルである。
【0138】
ある態様において、リンカーLと基Rとは、環B上で、互いに「オルト」または1,2で付着している。ある態様において、リンカーLと基Rとは、環B上で、互いに「メタ」または1,2で付着している。ある態様において、リンカーLとRとは、環B上で、互いに「パラ」または1,4で付着している。
【0139】
ある態様において、環Bは、
【化54】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、環Bは、
【化55】
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または
【化56】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、環Bは、
【化57】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されている。ある態様において、環Bは、
【化58】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。ある態様において、環Bは、
【化59】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。ある態様において、環Bは、
【化60】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。ある態様において、環Bは、
【化61】
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であり、ここで、各々の環原子は、任意に置換されており、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。
【0140】
ある態様において、環Bは、
【化62】
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である。ある態様において、環Bは、
【化63】
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である。ある態様において、環Bは、
【化64】
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である。ある態様において、環Bは、
【化65】
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であり、LおよびLは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。ある態様において、環Bは、
【化66】
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または
【化67】
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であり、ここで、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。ある態様において、環Bは、
【化68】
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であり、ここで、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。ある態様において、環Bは、
【化69】
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であり、ここで、LおよびRは、いずれかの示された位置において環Bに付着していてもよい。
【0141】
式(I)の化合物は、環Bに付着したRを含む。ある態様において、RがリンカーLに直接付着するように、環Bは、不在である。ある態様において、環Bは、不在であり、かつ、Rが環Aに直接付着するように、Lは、結合である。ある態様において、Rは、求電子性部分を含む。ある態様において、Rは、マイケルアクセプター部分を含む。求電子性部分(例えば、マイケルアクセプター部分)は、キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))のシステイン残基と反応して、キナーゼに対する化合物の共有結合的付着を可能にすることができる。ある態様において、求電子性部分(例えば、マイケルアクセプター部分)は、キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))のシステイン残基と反応することができる。ある態様において、求電子性部分(例えば、マイケルアクセプター部分)は、CDK7のCys312残基と反応することができる。ある態様において、共有結合的付着は、不可逆的である。ある態様において、共有結合的付着は、可逆的である。
【0142】
は、式(i−1)〜(i−42)のいずれか1つのものであってもよい。ある態様において、Rは、式(i−1):
【化70】
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(i−1)のものである。ある態様において、Rは、式(i−2):
【化71】
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(i−2)のものである。ある態様において、Rは、式(i−3):
【化72】
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(i−3)のものである。ある態様において、Rは、式(i−4):
【化73】
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(i−4)のものである。ある態様において、Rは、式(i−5):
【化74】
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(i−5)のものである。ある態様において、Rは、式(i−6):
【化75】
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(i−6)のものである。ある態様において、Rは、式(i−7):
【化76】
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(i−7)のものである。ある態様において、Rは、式(i−8):
【化77】
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(i−8)のものである。ある態様において、Rは、式(i−9):
【化78】
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(i−9)のものである。ある態様において、Rは、式(i−10):
【化79】
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(i−10)のものである。ある態様において、Rは、式(i−11):
【化80】
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(i−11)のものである。ある態様において、Rは、式(i−12):
【化81】
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(i−12)のものである。ある態様において、Rは、式(i−13):
【化82】
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(i−13)のものである。ある態様において、Rは、式(i−14):
【化83】
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(i−14)のものである。ある態様において、Rは、式(i−15):
【化84】
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(i−15)のものである。ある態様において、Rは、式(i−16):
【化85】
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(i−16)のものである。ある態様において、Rは、式(i−17):
【化86】
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(i−17)のものである。ある態様において、Rは、式(i−18):
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
(i−18)のものである。ある態様において、Rは、式(i−19):
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
(i−19)のものである。ある態様において、Rは、式(i−20):
【化89】
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(i−20)のものである。ある態様において、Rは、式(i−21):
【化90】
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(i−21)のものである。ある態様において、Rは、式(i−22):
【化91】
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(i−22)のものである。ある態様において、Rは、式(i−23):
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
(i−23)のものである。ある態様において、Rは、式(i−24):
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
(i−24)のものである。ある態様において、Rは、式(i−25):
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
(i−25)のものである。ある態様において、Rは、式(i−26):
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
(i−26)のものである。ある態様において、Rは、式(i−27):
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
(i−27)のものである。ある態様において、Rは、式(i−28):
【化97】
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(i−28)のものである。ある態様において、Rは、式(i−29):
【化98】
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(i−29)のものである。ある態様において、Rは、式(i−30):
【化99】
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(i−30)のものである。ある態様において、Rは、式(i−31):
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
(i−31)のものである。ある態様において、Rは、式(i−32):
【化101】
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(i−32)のものである。ある態様において、Rは、式(i−33):
【化102】
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(i−33)のものである。ある態様において、Rは、式(i−34):
【化103】
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(i−34)のものである。ある態様において、Rは、式(i−35):
【化104】
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(i−35)のものである。ある態様において、Rは、式(i−36):
【化105】
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(i−36)のものである。ある態様において、Rは、式(i−37):
【化106】
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(i−37)のものである。ある態様において、Rは、式(i−38):
【化107】
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(i−38)のものである。ある態様において、Rは、式(i−39):
【化108】
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(i−39)のものである。ある態様において、Rは、式(i−40):
【化109】
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(i−40)のものである。ある態様において、Rは、式(i−41):
【化110】
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(i−41)のものである。ある態様において、Rは、式(i−42):
【化111】
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(i−42)のものである。
【0143】
ある態様において、Rは、式(i−1a):
【化112】
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(i−1a)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1b):
【化113】
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(i−1b)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1c):
【化114】
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(i−1c)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1d):
【化115】
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(i−1d)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1e):
【化116】
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(i−1e)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1f):
【化117】
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(i−1f)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1g):
【化118】
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(i−1g)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1g):
【化119】
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(i−1g)のものである。ある態様において、Rは、
【化120】
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である。ある態様において、Rは、
【化121】
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である。ある態様において、Rは、
【化122】
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である。ある態様において、Rは、
【化123】
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である。
【0144】
ある態様において、Rは、式(i−1a):
【化124】
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(i−1a)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1b):
【化125】
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(i−1b)のものである。ある態様において、Rは、式(i−1c):
【化126】
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(i−1c)のものである。ある態様において、Rは、
【0145】
ある態様において、Rは、式(i−18a):
【化127】
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(i−18a)のものである。ある態様において、Rは、式(i−18b):
【化128】
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(i−18b)のものである。ある態様において、Rは、式(i−18c):
【化129】
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(i−18c)のものである。
【0146】
ある態様において、Rは、式(i−15a):
【化130】
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(i−15a)のものである。ある態様において、Rは、式(i−15b):
【化131】
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(i−15b)のものである。ある態様において、Rは、式(i−15c):
【化132】
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(i−15c)のものである。
【0147】
は、リンカーLまたはLを含んでもよい。ある態様において、Lは、結合である。Lは、任意置換C1〜4炭化水素鎖である。ある態様において、Lは、任意置換エチルである。ある態様において、Lは、任意置換アルケニルである。ある態様において、Lは、任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、ここで、炭化水素鎖の1つ以上の炭素単位は、独立して、−C(=O)−、−O−、−S−、−NRL3a−、−NRL3aC(=O)−、−C(=O)NRL3a−、−SC(=O)−、−C(=O)S−、−OC(=O)−、−C(=O)O−、−NRL3aC(=S)−、−C(=S)NRL3a−、トランス−CRL3b=CRL3b−、シス−CRL3b=CRL3b−、−C≡C−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、−NRL3aS(=O)−、−S(=O)−、−S(=O)O−、−OS(=O)−、−S(=O)NRL3a−、または−NRL3aS(=O)−で置き換えられる。ある態様において、Lは、任意置換C1〜4炭化水素鎖であり、ここで、炭化水素鎖の1つの炭素単位は、−NRL3a−(例えば、またはNH−)で置き換えられる。ある態様において、Lは、式:−(CH1〜4−NRL3a−のものである(例えば、または(CH1〜4−NH−)または−NRL3a−CH1〜4−(例えば、またはNH−CH1〜4−)。ある態様において、Lは、−NRL3a−である。ある態様において、Lは、−NRL3a(C=O)−である。ある態様において、Lは、−(C=O)NRL3a−である。ある態様において、Lは、−NH−である。ある態様において、Lは、−(C=O)−である。ある態様において、Lは、−NH(C=O)−である。ある態様において、Lは、−(C=O)NH−である。ある態様において、Lは、−O−である。ある態様において、Lは、−S−である。ある態様において、Lは、結合である。ある態様において、Lは、任意置換C1〜4炭化水素鎖である。
【0148】
リンカーLは、基RL3aまたはRL3bを含んでもよい。ある態様において、RL3aは、水素である。ある態様において、RL3bのうちの少なくとも1つは、水素である。ある態様において、RL3bの各々は、水素である。ある態様において、RL3bのうちの少なくとも1つは、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RL3bの各々は、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RL3bのうちの少なくとも1つは、−Fである。ある態様において、RL3bの各々は、−Fである。ある態様において、RL3bのうちの少なくとも1つは、任意置換アルキル、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリールである。ある態様において、2つのRL3b基は、連結して、任意置換の炭素環式または任意置換のヘテロ環式環を形成する。
【0149】
は、基RE1、RE2および/またはRE3を含んでもよい。ある態様において、RE1は、水素である。ある態様において、RE2は、水素である。ある態様において、RE3は、水素である。ある態様において、RE1は、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RE2は、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RE3は、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RE1は、−Fである。ある態様において、RE2は、−Fである。ある態様において、RE3は、−Fである。ある態様において、RE1は、任意置換アルキル(例えば、置換または非置換のC1〜6アルキル)である。ある態様において、RE2は、任意置換アルキル(例えば、置換または非置換のC1〜6アルキル)である。ある態様において、RE3は、任意置換アルキル(例えば、置換または非置換のC1〜6アルキル)である。ある態様において、RE1は、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHOREE、−CHN(REE、−CHSREE、またはOREE、またはN(REE、またはSi(REE、または−SREEである。ある態様において、RE2は、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHOREE、−CHN(REE、−CHSREE、またはOREE、またはN(REE、またはSi(REE、または−SREEである。ある態様において、RE3は、任意置換アルケニル、任意置換アルキニル、任意置換カルボシクリル、任意置換ヘテロシクリル、任意置換アリール、任意置換ヘテロアリール、−CN、−CHOREE、−CHN(REE、−CHSREE、またはOREE、またはN(REE、またはSi(REE、または−SREEである。ある態様において、RE1は、−N(REEである。ある態様において、RE2は、−N(REEである。ある態様において、RE3は、−N(REEである。ある態様において、RE1は、−N(CHである。ある態様において、RE2は、N(CHである。ある態様において、RE3は、−N(CHである。ある態様において、RE1は、−CHN(REEである。ある態様において、RE2は、−CHN(REEである。ある態様において、RE3は、−CHN(REEである。ある態様において、RE1は、−CHN(CHである。ある態様において、RE2は、−CHN(CHである。ある態様において、RE3は、−CHN(CHである。ある態様において、RE1は、−CNである。ある態様において、RE2は、−CNである。ある態様において、RE3は、−CNである。
【0150】
ある種の態様において、RE1およびRE3は連結されて任意置換炭素環式環を形成する。ある種の態様において、RE1およびRE3は連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある種の態様において、RE2およびRE3は連結されて任意置換炭素環式環を形成する。ある種の態様において、RE2およびRE3は連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成する。ある種の態様において、RE1およびRE2は連結されて任意置換炭素環式環を形成する。ある種の態様において、RE1およびRE2は連結されて任意置換ヘテロ環式環を形成する。
【0151】
は、基RE4を含んでもよく、ここで、RE4は、脱離基である。ある態様において、RE4は、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RE4は、−Fである。ある態様において、RE4は、−OS(=O)RE4aまたは−OS(=O)E4aであり、ここで、RE4aは、置換または非置換のアルキル、置換または非置換のアルケニル、置換または非置換のアルキニル、置換または非置換のカルボシクリル、置換または非置換のヘテロシクリル、置換または非置換のアリール、または置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、RE4は、−ORE4aである。ある態様において、RE4は、−OMs、またはOTf、またはOTs、またはOBs、または2−ニトロベンゼンスルホニルオキシである。ある態様において、RE4は、−ORE4aである。ある態様において、RE4である。−OMe、またはOCF、または−OPhである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)RE4aである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)Me、またはOC(=O)CF、またはOC(=O)Ph、または−OC(=O)Clである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)ORE4aである。ある態様において、RE4は、−OC(=O)OMeまたは−OC(=O)O(t−Bu)である。
【0152】
は、基RE5を含んでもよく、ここで、RE5は、ハロゲンである。ある態様において、RE5は、−Cl、またはBr、または−Iである。ある態様において、RE5は、−Fである。
【0153】
は、基RE6を含んでもよい。ある態様において、RE6は、水素である。ある態様において、RE6は、置換または非置換のC〜Cアルキルである。ある態様において、RE6は、窒素保護基である。
【0154】
ある態様において、aは、1である。ある態様において、aは、2である。
【0155】
ある態様において、zは、0である。ある態様において、zは、1である。ある態様において、zは、2である。ある態様において、zは、3、4、5または6である。
【0156】
は、基Yを含んでもよい。ある態様において、Yは、Oである。ある態様において、Yは、Sである。ある態様において、Yは、NRE7である。ある態様において、Yは、NHである。
【0157】
ある態様において、本明細書において記載される化合物は、式(II):
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0158】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(III):
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0159】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IV−a):
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0160】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IV−b):
【化136】
[この文献は図面を表示できません]

のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0161】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IV−c):
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0162】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IV−d):
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0163】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IV−e):
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0164】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IV−f):
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、R、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0165】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(V−a):
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0166】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(V−b):
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0167】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(V−c):
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0168】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(V−d):
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0169】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−a):
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0170】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−b):
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0171】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−c):
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0172】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−d):
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0173】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−e):
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0174】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−f):
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0175】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−g):
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0176】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−h):
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0177】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−i):
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0178】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−j):
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0179】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−k):
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0180】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VI−l):
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0181】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VII−a):
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0182】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VII−b):
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0183】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VII−c):
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0184】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VII−d):
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0185】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−a):
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0186】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−b):
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0187】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−c):
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0188】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−d):
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0189】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−e):
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0190】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−f):
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0191】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−g):
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0192】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−h):
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0193】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−i):
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0194】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−j):
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0195】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−k):
【化171】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0196】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(VIII−l):
【化172】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
、リンカーL、リンカーL、および環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;ならびに
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールである。
【0197】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IX−a):
【化173】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0198】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IX−b):
【化174】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0199】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IX−c):
【化175】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0200】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(IX−d):
【化176】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中、R、リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりである。
【0201】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(X−a):
【化177】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0202】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(X−b):
【化178】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0203】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(X−c):
【化179】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0204】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(X−d):
【化180】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0205】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XI−a):
【化181】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0206】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XI−b):
【化182】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0207】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XI−c):
【化183】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0208】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XI−d):
【化184】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0209】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XII−a):
【化185】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0210】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XII−b):
【化186】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0211】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XII−c):
【化187】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0212】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XII−d):
【化188】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0213】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XIII−a):
【化189】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0214】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XIII−b):
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0215】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XIII−c):
【化191】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0216】
ある態様において、式(I)の化合物は、式(XIII−d):
【化192】
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のもの、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグであって、式中:
リンカーL、環Aおよび環Bは、式(I)について定義されるとおりであり;
1aは、水素、C〜Cアルキル、または任意置換アリールであり;ならびに
1NおよびR2Nの各々は、独立して、水素、C〜Cアルキル、または窒素保護基であるか、あるいは、R1NとR2Nとは、連結して、任意置換炭素環式、任意置換ヘテロ環式、任意置換アリール、または任意置換ヘテロアリール環を形成する。
【0217】
ある態様において、式(I)による化合物は、表1において列記される化合物である。
【0218】
【表1-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-7】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-8】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-9】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-10】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-11】
[この文献は図面を表示できません]
【表1-12】
[この文献は図面を表示できません]
【0219】
医薬組成物および投与
本明細書において記載される医薬組成物は、対象において、増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌、大腸癌)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)を処置および/または予防することにおいて有用であり得る。本明細書において記載される組成物はまた、対象、生体試料、組織、または細胞においてタンパク質キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))の活性を阻害するためにも有用であり得る。本明細書において記載される組成物はまた、細胞においてアポトーシスを誘導するためにも有用であり得る。
【0220】
本開示は、本明細書において記載される化合物(例えば、式(I)の化合物)、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグと、任意に薬学的に許容し得る賦形剤とを含む、医薬組成物を提供する。ある態様において、本発明の医薬組成物は、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩と、任意に薬学的に許容し得る賦形剤とを含む。ある態様において、本明細書において記載される医薬組成物は、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩と、薬学的に許容し得る賦形剤とを含む。ある態様において、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグは、医薬組成物中で、有効量で提供される。
【0221】
ある種の態様において、有効量は治療有効量である(例えば、その必要がある対象における増殖性疾患を処置するために有効な量)。ある種の態様において、有効量は、その必要がある対象におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、細胞にアポトーシスを誘導するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は予防有効量である(例えば、その必要がある対象における増殖性疾患を防止することおよび/またはその必要がある対象を増殖性疾患の寛解に保つために有効な量)。
【0222】
ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、CDKである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、CDK1、CDK2、CDK3、CDK4、CDK5、CDK6、CDK7、CDK8、CDK9、CDK10、CDK11、CDK12、CDK13、CDK14、CDK15、CDK16、CDK17、CDK18、CDK19、またはCDK20である。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、CDK7である。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、CDK12である。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、CDK13である。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、Srcファミリーキナーゼである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、SRCである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、FGRである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、BUB1Bである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、CHEK2である。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、HIPK4である。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、PRKCQである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、RETである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、MELKである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、IRAK1、IRAK4、BMX、またはPI3Kである。ある態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼは、ABL、ARG、BLK、CSK、EphB1、EphB2、FGR、FRK、FYN、SRC、YES、LCK、LYN、MAP2K5、NLK、p38a、SNRK、またはTECである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはABL、ACK、ARG、BLK、CSK、EphB1、EphB2、FGR、FRK、FYN、SRC、YES、LCK、LYN、MAP2K5、NLK、PIP4K2C、p38a、SNRK、SRC、またはTECである。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼはリン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、FGR、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(Y253F)、非リン酸化型ABL1、FRK、LYN、非リン酸化型ABL1(Q252H)、DDR1、EPHB1、ERBB4、p38−アルファ、ABL2、リン酸化型ABL1(Q252H)、SIK、EPHA8、MEK5、リン酸化型ABL1(E255K)、非リン酸化型ABL1(F317L)、FYN、LCK、EPHA2、リン酸化型ABL1(M351T)、TXK、EGFR(L858R)、EGFR(L861Q)、ERBB2、ERBB3、EPHA5、非リン酸化型ABL1(F317I)、EGFR(L747−E749del,A750P)、CSK、EPHA1、リン酸化型ABL1(F317L)、BRAF(V600E)、EGFR、自己阻害型KIT、またはEGFR(E746−A750del)である。ある種の態様において、本明細書に記載されるタンパク質キナーゼは非リン酸化型ABL1(F317L)、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、LYN、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1、リン酸化型ABL1(Y253F)、ERBB3、FGR、FRK、p38−アルファ、非リン酸化型ABL1(F317I)、DDR1、EPHA2、リン酸化型ABL1(Q252H)、MEK5、非リン酸化型ABL1(Q252H)、ABL2、FYN、EPHB1、リン酸化型ABL1(E255K)、リン酸化型ABL1(F317L)、EPHA1、リン酸化型ABL1(M351T)、ERBB4、TXK、LCK、EPHA8、SIK、EPHA5、EGFR(L861Q)、自己阻害型CSF1R、BRAF(V600E)、BRK、CSK、KIT(D816V)、自己阻害型KIT、EGFR(L747−T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L747−E749del,A750P)、またはCSF1Rである。
【0223】
ある種の態様において、有効量は、タンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%だけ阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、タンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を10%以下、20%以下、30%以下、40%以下、50%以下、60%以下、70%以下、80%以下、90%以下、95%以下、または98%以下だけ阻害するために有効な量である。ある種の態様において、有効量は、タンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を、本パラグラフに記載されているあるパーセンテージおよび本パラグラフに記載されている別のパーセンテージの間の範囲(両端を含む)だけ阻害するために有効な量である。
【0224】
本明細書に記載される医薬組成物は、薬理学の分野において知られているいずれかの方法によって調製され得る。一般的に、かかる調製方法は、本明細書に記載される化合物(すなわち「活性成分」)を担体もしくは添加剤および/または1つ以上の他の補助的な成分と結合させることと、それから、必要なおよび/または望ましい場合には、生成物を望ましい単回用量または複数回用量の単位に成形および/またはパッケージングすることとを包含する。
【0225】
医薬組成物は、バルクで、単一のユニットドーズとして、および/または単一のユニットドーズの複数として調製、パッケージング、および/または販売され得る。「ユニットドーズ」は、活性成分の所定量を含む医薬組成物の個別的な量である。活性成分の量は、一般的には、対象に投与されるであろう活性成分の投与量および/またはかかる投与量の便利な分数、例えばかかる投与量の1/2もしくは1/3に等しい。
【0226】
活性成分、薬学的に許容し得る賦形剤および/またはあらゆる追加の成分の相対量は、処置される対象のアイデンティティー、サイズ、および/または状態に応じて、およびさらに、組成物が投与される経路に応じて、変化し得る。組成物は、0.1%〜100%(w/w)の間の活性成分を含んでよい。
【0227】
提供される医薬組成物の製造に使用される、薬学的に許容し得る賦形剤としては、不活性希釈剤、分散および/または造粒剤、界面活性剤および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、潤滑剤、および/または油が挙げられる。例えば、ココアバターおよび坐剤ワックスなどの賦形剤、着色剤、コーティング剤、甘味料、香味料、および香料も、組成物中に存在してもよい。
【0228】
例示の希釈剤としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉砂糖、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0229】
例示の造粒剤および/または分散剤としては、ジャガイモデンプン、トウモロコシデンプン、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、クレー、アルギン酸、グアーガム、シトラスパルプ、寒天、ベントナイト、セルロース、および木製品、天然スポンジ、カチオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(starch 1500)、微晶質デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum)、ラウリル硫酸ナトリウム、第四級アンモニウム化合物、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0230】
例示の界面活性剤および/または乳化剤としては、以下が挙げられる:天然の乳化剤(例えば、アカシア、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガカント、コンドラックス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ワックス、およびレシチン)、コロイドクレー(例えば、ベントナイト(ケイ酸アルミニウム)およびVeegum(ケイ酸アルミニウムマグネシウム))、長鎖アミノ酸誘導体、高分子量アルコール(例えば、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、トリアセチンモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、グリセリルモノステアレート、およびプロピレングリコールモノステアラート、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えば、カルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、およびカルボキシビニルポリマー)、カラギーナン、セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(Tween(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタン(Tween(登録商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween(登録商標)80)、ソルビタンモノパルミテート(Span(登録商標)40)、ソルビタンモノステアラート(Span(登録商標)60)、ソルビタントリステアレート(Span(登録商標)65)、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート(Span(登録商標)80))、ポリオキシエチレンエステル(例えば、ポリオキシエチレンモノステアレート(Myrj(登録商標)45)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシル化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、およびSolutol(登録商標))、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えば、Cremophor(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(Brij(登録商標)30))、ポリ(ビニルピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、Pluronic(登録商標)F-68、poloxamer P-188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサート・ナトリウム、および/またはそれらの混合物。
【0231】
例示の結合剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチおよびデンプン糊)、ゼラチン、糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトールなど)、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモスの抽出物、パンワルゴム(panwar gum)、ガッチゴム(ghatti gum)、イサポール殻(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum(登録商標))、および落葉松アラボガラクタン)、アルギネート、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、無機カルシウム塩、ケイ酸、ポリメタクリレート、ワックス、水、アルコール、および/またはそれらの混合物が挙げられる。
【0232】
例示の保存剤としては、抗酸化剤、キレート剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、抗原虫性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および他の保存剤が挙げられる。ある態様において、保存剤は抗酸化剤である。他の態様において、保存剤はキレート剤である。
【0233】
例示の酸化防止剤としては、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および亜硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0234】
例示のキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)ならびにその塩および水和物(例えば、エデト酸ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸カルシウム二ナトリウム、エデト酸二カリウム等)、クエン酸ならびにその塩および水和物(例えばクエン酸一水和物)、フマル酸ならびにその塩および水和物、リンゴ酸塩ならびにその塩および水和物、リン酸ならびにその塩および水和物、および酒石酸ならびにその塩および水和物が挙げられる。例示の抗菌性保存剤としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、およびチメロサールが挙げられる。
【0235】
例示の抗真菌性保存剤としては、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、およびソルビン酸が挙げられる。
【0236】
例示のアルコール保存剤としては、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、およびフェニルエチルアルコールが挙げられる。
【0237】
例示の酸性保存剤としては、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、およびフィチン酸が挙げられる。
【0238】
その他の他の保存剤としては、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、Glydant(登録商標)Plus、Phenonip(登録商標)、メチルパラベン、Germall(登録商標)115、Germaben(登録商標)II、Neolone(登録商標)、Kathon(登録商標)、およびEuxyl(登録商標)が挙げられる。
【0239】
例示の緩衝剤としては、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロパン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、リン酸カルシウムヒドロキシド(calcium hydroxide phosphate)、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質非含有水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0240】
例示の潤滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0241】
例示の天然オイルとしては、以下の油が挙げられる:アーモンド、杏仁、アボカド、ババス、ベルガモット、ブラックカレント種子、ルリジサ、カデ、カモミール、キャノーラ、キャラウェイ、カルナバ、ヒマシ油、シナモン、ココアバター、ココナッツ、タラ肝臓、コーヒー、トウモロコシ、綿実、エミュー、ユーカリ、月見草、魚、アマニ、ゲラニオール、ヘチマ、ブドウ種子、ヘーゼルナッツ、ヒソップ、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ、ククイナッツ、ラバンジン、ラベンダー、レモン、リツェアクベバ、マカデミアナッツ、ゼニアオイ、マンゴー種子、メドウフォームシード、ミンク、ナツメグ、オリーブ、オレンジ、オレンジラフィー、パーム、パームカーネル(kernel)、桃カーネル、ピーナッツ、ケシの実、カボチャの種、菜種、米ぬか、ローズマリー、ベニバナ、サンダルウッド、サザンカ、セイボリー、シーバックソーン、ゴマ、シアバター、シリコーン、大豆、ヒマワリ、ティーツリー、アザミ、ツバキ、ベチベル、クルミ、および小麦胚芽。例示の合成油としては、限定はされないが、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコーン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0242】
経口および非経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容し得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。活性成分に加えて、液体剤形は、当該技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(例えば、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、およびそれらの混合物を含んでよい。不活性希釈剤以外に、経口組成物は、アジュバントを、例えば湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味料、および香料などを含むことができる。非経口投与のためのある態様において、本明細書に記載のコンジュゲートは、可溶化剤と、例えば、Cremophor(登録商標)、アルコール、油、変性油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、およびそれらの混合物などと、混合される。
【0243】
注射用製剤、例えば、無菌の注射用水性または油性懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて、周知の技術に従って製剤化することができる。無菌注射用製剤は、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒、例えば1,3−ブタンジオール溶液中の、無菌の注射可能な溶液、懸濁液、またはエマルジョンであることができる。使用可能な許容し得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として、従来から使用されている。この目的のために、あらゆる無刺激性の固定油が、合成モノ−またはジ−グリセリドを含めて使用することができる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は、注射剤の調製に使用される。
【0244】
注射用製剤は例えば、細菌保持フィルターを通す濾過により、または、使用の前に、滅菌水または他の滅菌注射用媒体に溶解または分散され得る滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
【0245】
薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることがしばしば望ましい。これは、低い水溶性の、結晶または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成することができる。薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、これは次に、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。代替的に、非経口投与された薬物形態の遅延吸収は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって、達成してよい。
【0246】
直腸または膣投与のための組成物は、典型的には、本明細書に記載のコンジュゲートを、ココアバター、ポリエチレングリコールなどの適切な非刺激性賦形剤または担体と混合することにより調製可能な坐剤、または周囲温度では固体であるが、体温では液体となり、したがって直腸または膣腔で融解して活性成分を放出する、坐剤ワックスである。
【0247】
経口投与のための固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、活性成分は、少なくとも1つの、不活性な薬学的に許容し得る賦形剤または担体、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと、および/または、(a)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など、(b)バインダー、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、およびアカシア、(c)湿潤剤(humectant)、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(e)溶解遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物、(g)湿潤剤(wetting agent)、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、(h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイトクレー、および(i)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と、混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでもよい。
【0248】
同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、使用することができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび薬理学の技術分野で知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて、調製することができる。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延様式で、放出する組成物であることができる。使用され得る封入組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。同様の種類の固体組成物は、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤として、ラクトースまたは乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いて、使用することができる。
【0249】
活性成分は、上述の1以上の賦形剤を有するマイクロカプセル化形態であることができる。錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング、放出制御コーティング、および医薬製剤分野で知られている他のコーティングなどの、コーティングおよびシェルを用いて調製することができる。かかる固体剤形において、活性成分は、スクロース、ラクトース、またはデンプンなどの少なくとも1種の不活性希釈剤と混合することができる。かかる固体剤形は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の追加的な物質、例えば、錠剤化潤滑剤および他の錠剤化補助剤、例えばステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどを、含むことができる。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合、剤形は緩衝剤を含んでいてもよい。それらは、任意に不透明化剤を含んでもよく、活性成分(単数または複数)のみを、またはこれを優先的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延様式で、放出する組成物であることができる。使用することができるカプセル化剤の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。
【0250】
本明細書に記載の化合物の局所および/または経皮投与用の剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル剤、粉末剤、溶液剤、スプレー剤、吸入剤、および/または貼付剤を含むことができる。一般に、活性成分は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体または賦形剤、および/または必要に応じて、あらゆる必要な保存剤および/または緩衝剤と混合される。さらに本開示は、経皮貼付剤の使用を意図し、これは多くの場合、活性成分の身体への制御送達を提供するという追加の利点を有する。かかる剤形は、例えば、活性成分を適切な媒体中に溶解および/または分配することによって、調製することができる。代替的にまたは付加的に、速度は、速度制御膜を提供することにより、および/または活性成分をポリマーマトリックスおよび/またはゲル中に分散させることにより、制御することができる。
【0251】
本明細書に記載の皮内医薬組成物の送達に使用するための好適なデバイスとしては、短針デバイスを含む。皮内組成物は、皮膚への針の有効侵入長を制限するデバイスにより、投与することができる。代替的にまたは付加的に、従来の注射器を、皮内投与の古典的なマントー法で使用することができる。液体ジェット注射器を介して、および/または角質層を貫通して真皮に達するジェットを生成する針を介して、液体製剤を真皮に送達するジェット式注射デバイスは、好適である。圧縮ガスを使用して粉末形態の化合物を皮膚の外側の層を通って真皮へと加速する、衝撃(ballistic)粉末/粒子送達デバイスは、好適である。
【0252】
局所投与に適した製剤としては、限定はされないが、リニメント剤、ローション剤などの液剤および/または半液剤、クリーム剤、軟膏剤などの水中油型および/または油中水型エマルジョン、および/またはペースト剤、および/または溶液剤および/または懸濁液剤が挙げられる。局所投与製剤は、例えば、約1%〜約10%(w/w)活性成分を含んでもよく、ただし活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度まで高くすることができる。局所投与のための製剤はさらに、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでもよい。
【0253】
本明細書に記載の医薬組成物は、口腔を介した肺投与に適した製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、有効成分を含みかつ、約0.5〜約7nm、または約1〜約6nmの範囲の直径を有する、乾燥粒子を含んでもよい。かかる組成物は、便利には、乾燥粉末の形態であって、噴射剤の流れを導いて粉末を分散させる乾燥粉末リザーバを備えたデバイスを用いて、および/または、密閉された容器中の低沸点噴射剤中に溶解または懸濁された活性成分を含むデバイスなどの、自己推進溶媒/粉末分注容器を用いて、投与される。かかる粉末剤は、重量において粒子の少なくとも98%が0.5nmより大きい直径を有し、数において粒子の少なくとも95%が7nm未満の直径を有する。代替的に、重量において粒子の少なくとも95%が1nmより大きい直径を有し、数において粒子の少なくとも90%が6nm未満の直径を有する。乾燥粉末組成物は、糖などの固体微粉末希釈剤を含んでもよく、単位用量形態で便利に提供される。
【0254】
低沸点噴射剤は、大気圧で65°F未満の沸点を有する液体噴射剤を一般に含む。一般に噴射剤は、組成物の50〜99.9%(w/w)を構成してもよく、活性成分は、組成物の0.1〜20%(w/w)を構成してもよい。噴射剤はさらに、液体非イオン性および/もしくは固体アニオン性界面活性剤、および/または固体希釈剤(これは有効成分を含む粒子と同程度の粒径を有してもよい)などの、追加成分をさらに含んでよい。
【0255】
肺送達のために製剤化された本明細書に記載の医薬組成物は、有効成分を、溶液および/または懸濁液の液滴の形態で提供することができる。かかる製剤は、活性成分を含む任意に滅菌性の水性および/または希釈アルコール溶液および/または懸濁液として、調製、包装、および/または販売されることができ、あらゆる噴霧および/または微粒化デバイスを用いて、便利に投与され得る。かかる製剤はさらに、限定はされないが以下を含む1種以上の追加の成分、例えばサッカリンナトリウムなどの香味剤、揮発性油、緩衝剤、界面活性剤、および/またはメチルヒドロキシベンゾエート等の保存剤を含んでもよい。この投与経路によって提供される液滴は、約0.1〜約200nmの範囲の平均直径を有してよい。
【0256】
肺送達に有用であるとして本明細書に記載された製剤は、本明細書に記載の医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含み、約0.2〜500μmの平均粒子を有する、粗い粉末である。かかる製剤は、鼻孔の近くに保持された粉末の容器から、鼻腔を通した急速な吸入によって投与される。
【0257】
経鼻投与のための製剤は、例えば、わずか0.1%(w/w)から100%(w/w)という多量の活性成分を含んでもよく、および1種以上の本明細書中に記載の追加の成分を含んでいてもよい。本明細書に記載の医薬組成物は、口腔内投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、例えば、従来の方法を用いて作製した錠剤、および/またはロゼンジの形態であってもよく、例えば、0.1〜20%(w/w)の活性成分を含んでよく、バランスは、経口的に溶解可能および/または分解可能な組成物と、任意に、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含む。代替的に、口腔内投与用の製剤は、活性成分を含有する粉末、および/またはエアロゾル化および/または微粒化された溶液および/または懸濁液を含んでよい。かかる粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化製剤は、分散された場合、約0.1〜約200nmの範囲の平均粒子および/または液滴サイズを有していてもよく、さらに、本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでもよい。
【0258】
本明細書に記載の医薬組成物は、眼への投与のための製剤として、調製、包装、および/または販売することができる。かかる製剤は、例えば点眼剤の形態であってもよく、例えば、水性または油性液体担体または賦形剤中の、活性成分の0.1〜1.0%(w/w)の溶液および/または懸濁液を含む。かかる滴剤は、さらに、緩衝剤、塩、および/または本明細書に記載の1種以上の追加の成分を含んでよい。有用な他の眼科的に投与可能な製剤としては、微結晶形態および/またはリポソーム製剤中に活性成分を含むものが挙げられる。点耳剤、および/または点眼剤もまた本開示の範囲内であると考えられる。
【0259】
本明細書で提供される医薬組成物の説明は、ヒトへの投与に適した医薬組成物に主として向けられているが、かかる組成物は、一般的にあらゆる種類の動物への投与に適している。ヒトへの投与に適した医薬組成物を、様々な動物への投与に適した組成物にするための改変はよく理解されており、獣医薬理学の当業者は、かかる改変を、通常の実験を用いて設計および/または実施することができる。
【0260】
本明細書で提供される化合物は典型的には、投与の容易さおよび投与量の均一性のために投与量単位形態で処方される。しかし、本明細書に記載の組成物の1日総使用量は、健全な医学的判断の範囲内で医師によって決定されることが、理解されるであろう。あらゆる特定の対象または生物に対する具体的な治療有効用量レベルは、様々な要因に依存し、これには、処置される疾患および障害の重症度;使用される特定の活性成分の活性;使用される特定の組成物;対象の年齢、体重、一般的健康状態、性別、および食事;投与の時間、投与経路、および使用される特定の活性成分の排出速度;処置期間;使用される特定の活性成分と組み合わせて、またはこれと同時に使用される薬物;および、医療分野で知られている類似の要因を含む。
【0261】
本明細書で提供される化合物および組成物は、あらゆる経路で、例えば経腸(例えば経口)、非経口、静脈内、筋肉内、動脈内、髄内、髄腔内、皮下、脳室内、経皮、インターダーマル(interdermal)、直腸、膣内、腹腔内、局所(散剤、軟膏剤、クリーム剤、および/または滴剤によるものなど)、粘膜、経鼻、口腔内、舌下;気管内点滴注入、気管支点滴注入、および/または吸入によって;および/または経口スプレー、鼻腔スプレーおよび/またはエアロゾルとして、投与することができる。具体的に企図される経路は、経口投与、静脈内投与(例えば、全身静脈内注射)、血液および/またはリンパ供給を介した局所投与、および/または患部への直接適用である。一般的には、投与の最も適切な経路は、薬剤の性質(例えば、胃腸管の環境でのその安定性)、および/または対象の状態(例えば、対象が経口投与を耐容できるかどうか)、を含む、種々の要因に依存する。ある態様において、本明細書に記載の化合物または医薬組成物は、対象の眼への局所投与に適している。
【0262】
有効量を達成するために要求される化合物の厳密な量は、例えば対象の種、年齢、および一般的状態、副作用または障害の重さ、特定の化合物のアイデンティティー、投与モード、ならびに同類に依存して対象毎に変わるであろう。有効量は、単回用量(例えば単回経口用量)または複数回用量(例えば、複数回経口用量)として包含され得る。ある種の態様において、複数回用量が対象に投与または生体サンプル、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量のいずれか2つの用量は、本明細書に記載される化合物の、異なるかまたは実質的に同じ量を包含する。ある種の態様において、複数回用量が対象に投与または生体サンプル、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日3用量、1日2用量、1日1用量、2日に1用量、3日に1用量、毎週1用量、2週間に1用量、3週間に1用量、または4週間に1用量である。ある種の態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり1用量である。ある種の態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり2用量である。ある種の態様において、複数回用量を対象に投与または複数回用量を組織もしくは細胞に適用する頻度は、1日あたり3用量である。ある種の態様において、複数回用量が対象に投与または生体サンプル、組織、もしくは細胞に適用されるときには、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は1日、2日、4日、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、1年、2年、3年、4年、5年、7年、10年、15年、20年、または対象、生体サンプル、組織、もしくは細胞の寿命である。ある種の態様において、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は3ヶ月、6ヶ月、または1年である。ある種の態様において、複数回用量の第1の用量および最後の用量の間の期間は対象、生体サンプル、組織、または細胞の寿命である。ある種の態様において、本明細書に記載される用量(例えば、単回用量、または複数回用量のいずれかの用量)は、独立して、本明細書に記載される化合物の0.1μgと1μgとの間(両端を含む)、0.001mgと0.01mgとの間、0.01mgと0.1mgとの間、0.1mgと1mgとの間、1mgと3mgとの間、3mgと10mgとの間、10mgと30mgとの間、30mgと100mgとの間、100mgと300mgとの間、300mgと1,000mgとの間、または1gと10gとの間を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の1mgと3mgとの間(両端を含む)を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の3mgと10mgとの間(両端を含む)を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して本明細書に記載される化合物の10mgと30mgとの間(両端を含む)を包含する。ある種の態様において、本明細書に記載される用量は、独立して最初と最後を含めて本明細書に記載される化合物の30mgと100mgとの間(両端を含む)を包含する。
【0263】
本明細書に記載の用量範囲は、提供される医薬組成物の、成人への投与のための指針を提供する。例えば、小児または青年に投与する量は、医師または当業者によって決定することができ、成人に投与するより少ないか、または同一であることができる。
【0264】
本明細書に記載の化合物または組成物は、増殖性疾患を処理および/または予防するのに有用な1以上の追加の医薬剤(例えば、治療的および/または予防的に活性な薬剤)と組み合わせて投与され得る。化合物または組成物は、それらの活性(例えば増殖性疾患の処置を、それを必要とする対象に行うこと、増殖性疾患の予防を、それを必要とする対象に行うこと、および/または、対象、生体サンプル、組織または細胞のタンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を阻害することにおける、活性(例えば、効力および/または有効性))を改善する、生物学的利用能を改善する、安全性を改善する、薬物耐性を低下させる、代謝を減少および/または変更する、排出する阻害する、および/または、対象、生体サンプル、組織または細胞における分布を変更する、追加の医薬剤と組み合わせて、投与され得る。使用される治療法が、同じ障害に対して所望の効果を達成できる、および/または、異なる効果を達成できることもまた理解されるであろう。ある種の態様において、本明細書に記載の化合物および追加の医薬剤を含む本明細書に記載の医薬組成物は、化合物と追加の医薬剤の両方ではなく、その1つを含む医薬組成物には存在しない相乗効果を示す。
【0265】
化合物または組成物は、例えば増殖性疾患の治療および/または予防における併用療法として有用であり得る、1以上の追加の医薬品と同時に、その前に、またはその後に、投与され得るる。医薬剤は、治療的に活性な薬剤を含む。医薬剤はまた、予防的に活性な薬剤も含む。医薬剤は、小有機分子を、例えば薬物化合物(例えば、ヒトまたは獣医学的使用のために米国食品医薬品局によって承認された、米国連邦規則集(CFR)に提供されている化合物)、ペプチド、タンパク質、炭水化物、単糖、オリゴ糖、多糖、核タンパク質、ムコタンパク質、リポタンパク質、合成ポリペプチドまたはタンパク質、タンパク質に連結された小分子、糖タンパク質、ステロイド、核酸、DNA、RNA、ヌクレオチド、ヌクレオシド、オリゴヌクレオチド、アンチセンスオリゴヌクレオチド、脂質、ホルモン、ビタミン、および細胞を含む。ある種の態様において、追加の医薬剤は、増殖性疾患を処置するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、増殖性疾患を予防するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、対象、生体サンプル、組織、または細胞におけるタンパク質キナーゼ(例えば、CDK(例えばCDK7))の活性を阻害するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、細胞においてアポトーシスを誘導するのに有用な医薬剤である。ある種の態様において、追加の医薬剤は、増殖性疾患を処置および/または予防するための、規制機関(例えばUS FDA)によって承認された医薬剤である。それぞれの追加の医薬剤は、その医薬剤について決定された用量および/または時間スケジュールで、投与されてもよい。追加の医薬剤はまた、本明細書に記載の化合物または組成物と互いに一緒に単回用量で、および/または、単回用量の本明細書に記載の化合物または組成物とともに、投与されてもよく、あるいは、異なる用量で個別に投与されてもよい。レジメンにおいて使用するための特定の組合せには、本明細書に記載の化合物の、追加の医薬剤(単数または複数)に対する適合性、および/または、達成される所望の治療効果および/または予防効果が、考慮されるであろう。一般に、併用される追加の医薬剤(単数または複数)は、それらが個別に利用されるレベルを超えないレベルで利用されることが期待される。いくつかの態様において、組み合わせで利用されるレベルは、個別で利用されるレベルよりも低くなるであろう。
【0266】
ある種の態様において、追加の医薬品は抗増殖剤(例えば抗がん剤)である。ある種の態様において、追加の医薬品は抗白血病剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ADE、Adriamycin RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、Ambochlorin(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、ARZERRA(オファツムマブ)、BOSULIF(ボスチニブ)、BUSULFEX(ブスルファン)、CAMPATH(アレムツズマブ)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CLOFAREX(クロファラビン)、CLOLAR(クロファラビン)、CVP、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、ERWINAZE(Asparaginase Erwinia Chrysanthemi)、FLUDARA(フルダラビンリン酸エステル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、GAZYVA(オビヌツズマブ)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、Hyper-CVAD、ICLUSIG(ポナチニブ塩酸塩)、IMBRUVICA(イブルチニブ)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、MARQIBO(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、ミトキサントロン塩酸塩、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MYLERAN(ブスルファン)、NEOSAR(シクロホスファミド)、ONCASPAR(ペグアスパラガーゼ)、PURINETHOL(メルカプトプリン)、PURIXAN(メルカプトプリン)、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、SYNRIBO(オマセタキシンメペスクシネート)、TARABINE PFS(シタラビン)、TASIGNA(ニロチニブ)、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、TRISENOX(三酸化ヒ素)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品は抗リンパ腫剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、ADCETRIS(ブレンツキシマブベドチン)、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRIAMYCIN RDF(ドキソルビシン塩酸塩)、AMBOCHLORIN(クロラムブシル)、AMBOCLORIN(クロラムブシル)、ARRANON(ネララビン)、BEACOPP、BECENUM(カルムスチン)、BELEODAQ(ベリノスタット)、BEXXAR(トシツモマブおよびヨウ素I131トシツモマブ)、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CARMUBRIS(カルムスチン)、CHOP、CLAFEN(シクロホスファミド)、COPP、COPP-ABV、CVP、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DEPOCYT(シタラビンリポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EPOCH、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLOTYN(プララトレキサート)、HYPER-CVAD、ICE、IMBRUVICA(イブルチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、ISTODAX(ロミデプシン)、LEUKERAN(クロラムブシル)、LINFOLIZIN(クロラムブシル)、ロムスチン、MATULANE(プロカルバジン塩酸塩)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MOPP、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、OEPA、ONTAK(デニロイキンディフティトックス)、OPPA、R-CHOP、REVLIMID(レナリドミド)、RITUXAN(リツキシマブ)、STANFORD V、TREANDA(ベンダムスチン塩酸塩)、VAMP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、ZEVALIN(イブリツモマブチウキセタン)、ZOLINZA(ボリノスタット)、ZYDELIG(イデラリシブ)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品は抗骨髄異形成剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はREVLIMID(レナリドミド)、DACOGEN(デシタビン)、VIDAZA(アザシチジン)、CYTOSAR-U(シタラビン)、IDAMYCIN(イダルビシン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン)、またはその組み合わせである。
ある種の態様において、追加の医薬品は抗マクログロブリン血症剤である。
ある種の態様において、追加の医薬品はLEUKERAN(クロラムブシル)、NEOSAR(シクロホスファミド)、FLUDARA(フルダラビン)、LEUSTATIN(クラドリビン)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品はABITREXATE(メトトレキサート)、ABRAXANE(アルブミン安定化ナノ粒子パクリタキセル製剤)、AC、AC-T、ADE、ADRIAMYCIN PFS(ドキソルビシン塩酸塩)、ADRUCIL(フルオロウラシル)、AFINITOR(エベロリムス)、AFINITOR DISPERZ(エベロリムス)、ALDARA(イミキモド)、ALIMTA(ペメトレキセド二ナトリウム)、AREDIA(パミドロン酸二ナトリウム)、ARIMIDEX(アナストロゾール)、AROMASIN(エキセメスタン)、AVASTIN(ベバシズマブ)、BECENUM(カルムスチン)、BEP、BICNU(カルムスチン)、BLENOXANE(ブレオマイシン)、CAF、CAMPTOSAR(イリノテカン塩酸塩)、CAPOX、CAPRELSA(バンデタニブ)、CARBOPLATIN-TAXOL、CARMUBRIS(カルムスチン)、CASODEX(ビカルタミド)、CEENU(ロムスチン)、CERUBIDINE(ダウノルビシン塩酸塩)、CERVARIX(組み換え体HPV二価ワクチン)、CLAFEN(シクロホスファミド)、CMF、COMETRIQ(カボザンチニブ−s−リンゴ酸塩)、COSMEGEN(ダクチノマイシン)、CYFOS(イホスファミド)、CYRAMZA(ラムシルマブ)、CYTOSAR-U(シタラビン)、CYTOXAN(シクロホスファミド)、DACOGEN(デシタビン)、DEGARELIX、DOXIL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DOXORUBICIN HYDROCHLORIDE、DOX-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、DTIC-DOME(ダカルバジン)、EFUDEX(フルオロウラシル)、ELLENCE(エピルビシン塩酸塩)、ELOXATIN(オキサリプラチン)、ERBITUX(セツキシマブ)、ERIVEDGE(ビスモデギブ)、ETOPOPHOS(リン酸エトポシド)、EVACET(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、FARESTON(トレミフェン)、FASLODEX(フルベストラント)、FEC、FEMARA(レトロゾール)、FLUOROPLEX(フルオロウラシル)、FOLEX(メトトレキサート)、FOLEX PFS(メトトレキサート)、FOLFIRI、FOLFIRI-BEVACIZUMAB、FOLFIRI-CETUXIMAB、FOLFIRINOX、FOLFOX、FU-LV、GARDASIL(組み換え体ヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン)、GEMCITABINE-CISPLATIN、GEMCITABINE-OXALIPLATIN、GEMZAR(ゲムシタビン塩酸塩)、GILOTRIF(アファチニブ二マレイン酸塩)、GLEEVEC(イマチニブメシル酸塩)、GLIADEL(カルムスチンインプラント)、GLIADEL WAFER(カルムスチンインプラント)、HERCEPTIN(トラスツズマブ)、HYCAMTIN(トポテカン塩酸塩)、IFEX(イホスファミド)、IFOSFAMIDUM(イホスファミド)、INLYTA(アキシチニブ)、INTRON A(組み換え体インターフェロンアルファ−2b)、IRESSA(ゲフィチニブ)、IXEMPRA(イキサベピロン)、JAKAFI(ルキソリチニブリン酸塩)、JEVTANA(カバジタキセル)、KADCYLA(ado-トラスツズマブエムタンシン)、KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、KYPROLIS(カルフィルゾミブ)、LIPODOX(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、LUPRON(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-3 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-4 MONTH(酢酸ロイプロリド)、LUPRON DEPOT-PED(酢酸ロイプロリド)、MEGACE(酢酸メゲストロール)、MEKINIST(トラメチニブ)、METHAZOLASTONE(テモゾロミド)、METHOTREXATE LPF(メトトレキサート)、MEXATE(メトトレキサート)、MEXATE-AQ(メトトレキサート)、MITOXANTRONE HYDROCHLORIDE、MITOZYTREX(マイトマイシンc)、MOZOBIL(プレリキサフォル)、MUSTARGEN(メクロレタミン塩酸塩)、MUTAMYCIN(マイトマイシンc)、MYLOSAR(アザシチジン)、NAVELBINE(ビノレルビン酒石酸塩)、NEOSAR(シクロホスファミド)、NEXAVAR(ソラフェニブトシル酸塩)、NOLVADEX(タモキシフェンクエン酸塩)、NOVALDEX(タモキシフェンクエン酸塩)、OFF、PAD、PARAPLAT(カルボプラチン)、PARAPLATIN(カルボプラチン)、PEG-INTRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、PEMETREXED DISODIUM、PERJETA(ペルツズマブ)、PLATINOL(シスプラチン)、PLATINOL-AQ(シスプラチン)、POMALYST(ポマリドミド)、プレドニゾン、PROLEUKIN(アルデスロイキン)、PROLIA(デノスマブ)、PROVENGE(シプリューセル−t)、REVLIMID(レナリドミド)、RUBIDOMYCIN(ダウノルビシン塩酸塩)、SPRYCEL(ダサチニブ)、STIVARGA(レゴラフェニブ)、SUTENT(スニチニブリンゴ酸塩)、SYLATRON(ペグインターフェロンアルファ−2b)、SYLVANT(シルツキシマブ)、SYNOVIR(サリドマイド)、TAC、TAFINLAR(ダブラフェニブ)、TARABINE PFS(シタラビン)、TARCEVA(エルロチニブ塩酸塩)、TASIGNA(ニロチニブ)、TAXOL(パクリタキセル)、TAXOTERE(ドセタキセル)、TEMODAR(テモゾロミド)、THALOMID(サリドマイド)、TOPOSAR(エトポシド)、TORISEL(テムシロリムス)、TPF、TRISENOX(三酸化ヒ素)、TYKERB(ラパチニブ二トシル酸塩)、VECTIBIX(パニツムマブ)、VEIP、VELBAN(ビンブラスチン硫酸塩)、VELCADE(ボルテゾミブ)、VELSAR(ビンブラスチン硫酸塩)、VEPESID(エトポシド)、VIADUR(酢酸ロイプロリド)、VIDAZA(アザシチジン)、VINCASAR PFS(ビンクリスチン硫酸塩)、VOTRIENT(パゾパニブ塩酸塩)、WELLCOVORIN(ロイコボリンカルシウム)、XALKORI(クリゾチニブ)、XELODA(カペシタビン)、XELOX、XGEVA(デノスマブ)、XOFIGO(塩化ラジウム223)、XTANDI(エンザルタミド)、YERVOY(イピリムマブ)、ZALTRAP(ziv-アフリベルセプト)、ZELBORAF(ベムラフェニブ)、ZOLADEX(ゴセレリン酢酸塩)、ZOMETA(ゾレドロン酸)、ZYKADIA(セリチニブ)、ZYTIGA(酢酸アビラテロン)、またはその組み合わせである。ある種の態様において、追加の医薬品はタンパク質キナーゼ阻害剤(例えばチロシンタンパク質キナーゼ阻害剤)である。ある種の態様において、追加の医薬品はSrcファミリーキナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品はCDK阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、CDK7阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、IRAK1、IRAK4、BMX、およびPI3Kからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、BUB1B、CDK2、CDK9、CHEK2、FGR、HIPK4、PRKCQ、RET、SRCまたはMELKからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、ABL、ARG、BLK、CSK、EphB1、EphB2、FGR、FRK、FYN、SRC、YES、LCK、LYN、MAP2K5、NLK、p38a、SNRKおよびTECからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、FGR、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(Y253F)、非リン酸化型ABL1、FRK、LYN、非リン酸化型ABL1(Q252H)、DDR1、EPHB1、ERBB4、p38−アルファ、ABL2、リン酸化型ABL1(Q252H)、SIK、EPHA8、MEK5、リン酸化型ABL1(E255K)、非リン酸化型ABL1(F317L)、FYN、LCK、EPHA2、リン酸化型ABL1(M351T)、TXK、EGFR(L858R)、EGFR(L861Q)、ERBB2、ERBB3、EPHA5、非リン酸化型ABL1(F317I)、EGFR(L747−E749del,A750P)、CSK、EPHA1、リン酸化型ABL1(F317L)、BRAF(V600E)、EGFR、自己阻害型KIT、およびEGFR(E746−A750del)からなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は、非リン酸化型ABL1(F317L)、非リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1(H396P)、リン酸化型ABL1、BLK、EPHA4、EPHB2、EPHB3、EPHB4、JAK3(触媒JH1ドメイン)、KIT、KIT(L576P)、KIT(V559D)、LYN、PDGFRB、SRC、YES、非リン酸化型ABL1、リン酸化型ABL1(Y253F)、ERBB3、FGR、FRK、p38−アルファ、非リン酸化型ABL1(F317I)、DDR1、EPHA2、リン酸化型ABL1(Q252H)、MEK5、非リン酸化型ABL1(Q252H)、ABL2、FYN、EPHB1、リン酸化型ABL1(E255K)、リン酸化型ABL1(F317L)、EPHA1、リン酸化型ABL1(M351T)、ERBB4、TXK、LCK、EPHA8、SIK、EPHA5、EGFR(L861Q)、自己阻害型CSF1R、BRAF(V600E)、BRK、CSK、KIT(D816V)、自己阻害型KIT、EGFR(L747−T751del,Sins)、EGFR(L858R)、EGFR(L747−E749del,A750P)、およびCSF1Rからなる群から選択される1つ以上のタンパク質キナーゼの阻害剤である。ある種の態様において、追加の医薬品は抗血管新生剤、抗炎症剤、免疫抑制剤、抗細菌剤、抗ウイルス剤、心血管剤、コレステロール降下剤、抗糖尿病剤、抗アレルギー剤、鎮痛剤、またはその組み合わせである。ある種の態様において、本明細書に記載される化合物または医薬組成物は抗がん治療との組み合わせで投与され得、移植(例えば骨髄移植、幹細胞移植)、外科手術、放射線療法、免疫療法、および化学療法を包含するが、これらに限定されない。
【0267】
さらに本開示に包摂されるのは、キット(例えば、医薬パック)である。提供されるキットは、本明細書に記載の医薬組成物または化合物、および容器(例えば、バイアル、アンプル、ボトル、シリンジ、および/またはディスペンサーパッケージ、または他の適切な容器)を含んでもよい。いくつかの態様において、提供されるキットは、任意にさらに、本明細書に記載の医薬組成物または化合物の希釈または懸濁のための薬学的賦形剤を含有する、第2の容器を含んでもよい。いくつかの態様において、第1の容器および第2の容器内に提供される、本明細書に記載の医薬組成物または化合物は、混合されて1単位剤形を形成する。
【0268】
処置および使用の方法
本発明はまた、増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌、大腸癌)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)の処置または予防のための方法を提供する。
【0269】
本明細書において記載される化合物は、以下のとおりであってよい:
・キナーゼ阻害剤活性を示す、
・サイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害する能力を示す、
・サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)を阻害する能力を示す、
・別のサイクリン依存性キナーゼ(CDK)を阻害することなく、サイクリン依存性キナーゼ7(CDK7)を阻害する能力を示す、
・がんの処置において治療効果および/または予防効果を示す、
・Myc依存性がんの処置において治療効果および/または予防効果を示す、ならびに/あるいは
・既存の化学療法剤よりも優れた治療プロフィール(例えば、最適な安全性および治癒的効果)を示す。
【0270】
いかなる特定の理論によっても拘束されることは望まないが、本明細書において記載される化合物は、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼに結合する(例えば共有結合的にこれを改変する)ことができてもよい。ある態様において、本明細書において記載される化合物のR基は、タンパク質キナーゼに結合する(例えば共有結合的にこれを改変する)し得るものであってもよい。ある態様において、本明細書において記載される化合物のR基は、タンパク質キナーゼのシステイン残基に共有結合し得るものであってもよい。ある態様において、本明細書において記載される化合物のR基は、CDK7のCys312残基に共有結合し得るものであってもよい。
【0271】
別の側面において、本開示は、対象においてタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、該方法は、対象に、本明細書において記載される化合物またはその医薬組成物の有効量(例えば治療有効量)を投与することを含む。
【0272】
別の側面において、本開示は生体サンプルにおけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、生体サンプルを本明細書に記載されるような化合物またはその医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
【0273】
別の側面において、本開示は組織におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、組織を本明細書に記載されるような化合物またはその医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
【0274】
別の側面において、本開示は細胞におけるタンパク質キナーゼの活性を阻害する方法を提供し、方法は、細胞を本明細書に記載されるような化合物またはその医薬組成物の有効量と接触させることを含む。
【0275】
ある態様において、処置されている対象は、哺乳動物である。ある態様において、対象は、ヒトである。ある態様において、対象は、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜化された動物である。ある態様において、対象は、イヌまたはネコなどの愛玩動物である。ある態様において、対象は、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジまたはヤギなどの家畜動物である。ある態様において、対象は、動物園の動物である。別の態様において、対象は、げっ歯類、イヌまたは非ヒト霊長類などの研究動物である。ある態様において、対象は、トランスジェニックマウスまたはトランスジェニックブタなどの非ヒトトランスジェニック動物である。
【0276】
ある態様において、本明細書において記載される生体試料は、骨髄、リンパ節、脾臓または血液である。
【0277】
ある態様において、本明細書において記載される細胞は、in vitroのものである。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、ex vivoのものである。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、in vivoのものである。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、悪性細胞(例えば、悪性の血液細胞)である。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、悪性の造血幹細胞(例えば、悪性の骨髄系細胞または悪性のリンパ系細胞)である。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、悪性のリンパ球(例えば、悪性T細胞または悪性B細胞)である。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、悪性赤血球細胞、悪性白血球細胞または悪性血小板である。ある態様において、本明細書において記載される細胞は、悪性好中球、悪性マクロファージ、または悪性プラズマ細胞である。
【0278】
本明細書において記載される化合物を用いて処置または予防されるべき増殖性疾患は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)などのキナーゼの過剰発現と関連していてもよい。真核生物の細胞分裂のプロセスは、広く、G1、S、G2およびMと称される一連の逐次的な期に分けられる。細胞周期の多様な期を通しての正確な進行は、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)として知られるタンパク質のファミリー、およびサイクリンと称されるそれらのコグネートタンパク質パートナーの多様なセットの、空間的および時間的制御に決定的に依存することが示されている。CDKは、CDC2(別名CDK1)に相同なセリン−スレオニンキナーゼタンパク質であって、配列依存的な状況における多様なポリペプチドのリン酸化においてATPを基質として利用することができるものである。サイクリンは、「サイクリンボックス」と称される約100アミノ酸を含む相同領域により特徴づけられるタンパク質のファミリーである。「サイクリンボックス」は、特異的なCDKパートナータンパク質に対して結合すること、およびこれにについての選択性を定義することにおいて用いられる。
【0279】
細胞周期全体にわたる多様なCDKおよびサイクリンの発現レベル、分解速度、タンパク質レベル、および活性レベルの調節は、CDKが酵素的に活性となる一連のCDK/サイクリン複合体の周期性形成をもたらす。これらの複合体の形成は、別々の細胞周期チェックポイントを通しての継代を制御し、それにより、細胞分裂のプロセスが継続することを可能にする。所与の細胞周期チェックポイントにおいて必須の生化学的条件を満たすことに失敗すること、すなわち、必要とされるCDK/サイクリン複合体を形成することに失敗することにより、細胞周期停止および/または細胞のアポトーシスがもたらされ得る。異常な細胞増殖は、しばしば、正確な細胞周期制御の喪失に起因し得る。CDK酵素活性の阻害は、したがって、異常分裂している細胞が、その分裂を停止させるかおよび/または細胞死する手段を提供する。CDKおよびCDK複合体の多様性、ならびに細胞周期を調節することにおけるそれらの重要な役割は、定義された生化学的原理に基づいて選択される広域性の潜在的治療標的を提供する。
【0280】
CDKファミリーのメンバーであるCDK7は、元々、三量体のCDK活性化キナーゼ(CAK)複合体の触媒サブユニットとして単離された。CDK7、サイクリンHおよびMAT1からなるこの複合体は、in vitroで、有糸分裂促進因子の活性化の原因である。CDK7がまた、基底の転写修復因子IIH(TFIIH)の成分でもあったという発見は、TFIIHの一部としての転写における、および三量体CAK複合体としての細胞周期の制御における、CDK7の二重の役割を意味づけた。TFIIHは、RNAポリメラーゼII(RNAP II)により触媒される転写のために必要とされる因子として同定された多サブユニットタンパク質複合体であり、その後、この複合体は、ヌクレオチド除去修復において重要な役割を果たすことが見出された。CDK7は、少なくとも3つの複合体、すなわち、三量体CAK複合体、XPD(またはERCC2:転写とカップリングしたヌクレオチド除去修復に関与するタンパク質)との四次複合体、および9サブユニットのTFIIH複合体の成分である。CAKおよびCTDのリン酸化におけるCDK7の2つの機能は、細胞増殖、細胞周期、および転写の重要な面を支持する。CDK7の過剰発現は、アポトーシスを阻害し、転写および細胞増殖を促進し、ならびに/またはDNA修復を妨害し得、したがって、増殖性疾患を引き起こし得る。ある態様において、本明細書において記載される化合物を用いて処置または予防されるべき増殖性疾患は、CDK(例えば、CDK7)の過剰発現に関連していてもよい。
【0281】
増殖性疾患は、CDK(例えばCDK7)の異常な活性に関連していてもよい。CDK(例えばCDK7)の異常な活性は、上昇した、および/または不適切なCDKの活性であってよい。細胞周期の進行の調節解除は、増殖性疾患の特徴であり、増殖性疾患の多くは、しばしば、上昇した、および/または不適切なCDKの活性化を通して、CDK(例えばCDK7)の活性の一部の成分において異常を有する。CDK7の触媒活性の阻害は、細胞周期CDKのリン酸化を遮断することにより、細胞周期の進行を阻害すると予期され、さらに、細胞分裂のエフェクターの転写を阻害するであろう。ある態様において、CDK7は過剰発現されず、CDK7の活性が上昇しているか、および/または不適切である。ある他の態様において、CDK7が過剰発現され、CDK7の活性が上昇しているか、および/または不適切である。本明細書において記載される化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物は、CDK7の活性を阻害することができ、増殖性疾患を処置および/または予防することにおいて有用であり得る。
【0282】
増殖性疾患はまた、生体試料または対象中の細胞のアポトーシスの阻害と関連していてもよい。本明細書において記載されるかまたは当該分野において公知の全ての型の生体試料が、本発明の範囲内であるものとして企図される。アポトーシスは、プログラムされた細胞死のプロセスである。アポトーシスの阻害は、制御されない細胞増殖をもたらし得、したがって、増殖性疾患を引き起こし得る。細胞周期CDK(CDK1、2、4および6)は、CDK7/サイクリンH(別名CAK)によるリン酸化により活性化される。CDK7の阻害は、したがって、細胞周期の複数のポイントにおいて、細胞周期CDKの活性化の失敗に起因して、細胞周期停止をもたらすであろう。CDK7は、RNAP IIのCTDをリン酸化することにより、転写を活性化する。CTDリン酸化の阻害は、転写を阻害し、アポトーシスの制御に関与するものを含む短命なタンパク質の発現を減少させることが示されている。RNAポリメラーゼの失速は、p53(別名、タンパク質53または腫瘍タンパク質53;ヒトにおいてはTP53遺伝子によりコードされる腫瘍抑制タンパク質)を活性化させ得、これがアポトーシスをもたらすことは、当該分野において理解されている。したがって、CDK7の活性の阻害は、アポトーシスを誘導することにより、細胞傷害を引き起こすことが予期される。本明細書において記載される化合物、ならびにその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体、プロドラッグおよび組成物は、アポトーシスを誘導し得、したがって、増殖性疾患を処置および/または予防することにおいて有用であり得る。
【0283】
ある態様において、本明細書において記載される化合物を用いて処置または予防されるべき増殖性疾患は、がんである。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型のがんは、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、増殖性疾患は、BCL−2抗アポトーシス性タンパク質(例えば、MCL−1および/またはXIAP)に対する依存性に関連するがんである。ある態様において、増殖性疾患は、MYC(転写因子をコードする遺伝子)の過剰発現に関連するがんである。ある態様において、がんは、MYC依存性のがんである。ある態様において、増殖性疾患は、血液学的悪性疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、血液の癌である。ある態様において、増殖性疾患は、血液学的悪性疾患である。ある態様において、増殖性疾患は、白血病である。ある態様において、増殖性疾患は、慢性リンパ球性白血病(CLL)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性リンパ芽球性白血病(ALL)である。ある態様において、増殖性疾患は、T細胞急性リンパ芽球性白血病(T−ALL)である。ある態様において、増殖性疾患は、慢性骨髄性白血病(CML)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性骨髄性白血病(AML)である。ある態様において、増殖性疾患は、急性単球性白血病(AMoL)である。ある態様において、増殖性疾患は、リンパ腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、バーキットリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、ホジキンリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、非ホジキンリンパ腫である。ある態様において、増殖性疾患は、多発性骨髄腫である。ある態様において、増殖性疾患は、メラノーマである。ある態様において、増殖性疾患は、大腸癌である。ある態様において、増殖性疾患は、乳癌である。ある態様において、増殖性疾患は、三種陰性乳癌(TNBC)である。ある態様において、増殖性疾患は、骨癌である。ある態様において、増殖性疾患は、骨肉腫である。ある態様において、増殖性疾患は、ユーイング肉腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、脳癌である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、神経芽細胞腫である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、肺癌である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、小細胞肺癌(SCLC)である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、非小細胞肺癌である。いくつかの態様において、増殖性疾患は、良性新生物である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の良性新生物は、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は、血管新生に関連する。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の血管新生は、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、増殖性疾患は、炎症性疾患である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の炎症性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。ある態様において、炎症性疾患は、関節リウマチである。いくつかの態様において、増殖性疾患は、自己炎症性疾患である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の自己炎症性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。いくつかの態様において、増殖性疾患は、自己免疫性疾患である。本明細書において開示されるか当該分野において公知の全ての型の自己免疫性疾患は、本発明の範囲内であるものとして企図される。
【0284】
本発明の別の側面は、生体試料または対象においてキナーゼの活性を阻害する方法に関する。ある態様において、キナーゼは、CDKである。ある態様において、キナーゼは、CDK7である。ある態様において、キナーゼの活性は、キナーゼの異常な活性である。ある態様において、キナーゼの活性の阻害は、不可逆的である。他の態様において、キナーゼの活性の阻害は、可逆的である。ある態様において、キナーゼの活性を阻害する方法は、本明細書において記載される化合物を、キナーゼに付着させることを含む。
【0285】
本発明においてまた提供されるのは、生体試料または対象において遺伝子の転写を阻害する方法である。本明細書における化合物によりその転写が阻害され得る遺伝子として、MYC、KLF2、E2F2、CDK6、CCND3、E2F3、HNRPDL、TET1およびIL7Rが挙げられる。
【0286】
本発明はまた、生体試料または対象において細胞増殖を阻害する方法を提供する。
【0287】
お別の側面において、本発明は、生体試料または対象において細胞のアポトーシスを誘導する方法を提供する。
【0288】
ある態様において、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物、多形、共結晶、互変異生体、立体異性体、同位体標識された誘導体もしくはプロドラッグ、またはその医薬組成物の有効量を、対象に投与するか、または生体試料をこれと接触させることを含む。ある態様において、本明細書において記載される方法は、本明細書において記載される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、またはその医薬組成物の有効量を、対象に投与するか、または生体試料をこれと接触させることを含む。ある態様において、化合物を、生体試料と接触させる。ある態様において、化合物を、対象に投与する。ある態様において、化合物を、本明細書において記載される1つ以上のさらなる医薬品と組み合わせて投与する。さらなる医薬品は、抗増殖剤であってもよい。ある態様において、さらなる医薬品は、抗がん剤である。さらなる医薬品はまた、キナーゼ阻害剤であってもよい。ある態様において、さらなる医薬品は、CDKの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、CDK7の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、CDK7の選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、CDK7の非選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、別のCDKの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、別のCDKの選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、別のCDKの非選択的阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、フラボピリドール、トリプトライド、SNS-032(BMS-387032)、PHA-767491、PHA-793887、BS-181、(S)-CR8、(R)-CR8、またはNU6140である。ある態様において、さらなる医薬品は、マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、AGCキナーゼの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、カルモジュリン依存性キナーゼ(CaMキナーゼ)の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、カゼインキナーゼ1の阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、STEキナーゼの阻害剤である。ある態様において、さらなる医薬品は、チロシンキナーゼの阻害剤である。
【0289】
いくつかの態様において、さらなる医薬品は、トポイソメラーゼ阻害剤、MCL1阻害剤、BCL−2阻害剤、BCL−xL阻害剤、BRD4阻害剤、CDK9阻害剤、十文字ヒストンデメチラーゼ阻害剤、またはDNA損傷誘導因子である。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、エトポシド、オバトクラックス(obatoclax)、ナビトクラックス(navitoclax)、JQ1、4−(((5’−クロロ−2’−(((1R,4R)−4−(((R)−1−メトキシプロパン−2−イル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−[2,4’−ビピリジン]−6−イル)アミノ)メチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボニトリル、JIB04、またはシスプラチンである。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、エトポシド、オバトクラックス、またはナビトクラックスであり、処置されるべき疾患は、乳癌、例えば、三種陰性乳癌、HER2陽性乳癌、ER陽性乳癌、またはER/PR陽性乳癌である。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、エトポシド、JIB04、またはシスプラチンであり、処置されるべき疾患は、ユーイング肉腫である。いくつかの態様において、さらなる医薬品は、JQ1またはNVP2であり、処置されるべき疾患は、白血病、例えば、急性骨髄性白血病、骨髄芽球性白血病、前骨髄球性白血病、骨髄単球性白血病、単球性白血病、単芽球性白血病、または巨核芽球性白血病である。ある態様において、本明細書において記載される医薬組成物はさらに、本明細書において記載されるさらなる医薬品の組み合わせを含む。
【0290】
本発明の化合物または組成物は、生体試料または対象において、さらなる医薬品により誘導されるCDK7の阻害を、相乗的に増強することができる。したがって、本発明の化合物または組成物とさらなる医薬品との組み合わせは、本発明の化合物または組成物なしでさらなる医薬品を用いる処置に対して耐性の増殖性疾患を処置することにおいて有用であり得る。
【0291】
いくつかの態様において、タンパク質キナーゼの活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、非選択的に阻害される。いくつかの態様において、本明細書において記載されるタンパク質キナーゼの活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、異なるタンパク質(例えば、異なるタンパク質キナーゼ)の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK(例えばCDK7)の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、異なるタンパク質の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK7の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、異なるCDKタンパク質の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK7の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、CDK12の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK7の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、CDK13の活性と比較して、選択的に阻害される。ある態様において、CDK7の活性は、本明細書において記載される化合物または医薬組成物により、CDK12の活性およびCDK13の活性と比較して、選択的に阻害される。
【0292】
異なるタンパク質(例えば、異なるタンパク質キナーゼ)に対して、あるタンパク質キナーゼの活性を阻害する際の本明細書に記載される化合物または医薬組成物の選択性は、タンパク質キナーゼの活性を阻害する際の化合物または医薬組成物のIC50値で割った異なるタンパク質の活性を阻害する際の化合物または医薬組成物のIC50値の商によって測定され得る。異なるタンパク質に対して、あるタンパク質キナーゼについての本明細書に記載される化合物または医薬組成物の選択性は、化合物または医薬組成物とタンパク質キナーゼとのアダクトのK値で割った化合物または医薬組成物と異なるタンパク質とのアダクトのK値の商によって測定され得る。ある種の態様において、選択性は少なくとも2倍、少なくとも3倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも30倍、少なくとも100倍、少なくとも300倍、少なくとも1,000倍、少なくとも3,000倍、少なくとも10,000倍、少なくとも30,000倍、または少なくとも100,000倍である。ある種の態様において、選択性は100,000倍以下、10,000倍以下、1,000倍以下、100倍以下、10倍以下、または2倍以下である。上で参照された範囲の組み合わせ(例えば、少なくとも2倍かつ10,000倍以下)もまた本開示の範囲内である。
【0293】
ある態様において、本明細書において記載されるキットは、本明細書において記載される化合物または医薬組成物を含む第1の容器を含む。ある態様において、本明細書において記載されるキットは、それを必要とする対象において増殖性疾患(例えば、がん(例えば、白血病、急性リンパ芽球性白血病、リンパ腫、バーキットリンパ腫、メラノーマ、多発性骨髄腫、乳癌、ユーイング肉腫、骨肉腫、脳癌、神経芽細胞腫、肺癌、大腸癌)、良性新生物、血管新生に関連する疾患、炎症性疾患、自己炎症性疾患、および自己免疫性疾患)を処置すること、それを必要とする対象において増殖性疾患を予防すること、対象、生体試料、組織もしくは細胞においてタンパク質キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))の活性を阻害すること、ならびに/または細胞においてアポトーシスを誘導することにおいて、有用である。
【0294】
ある態様において、本明細書において記載されるキットは、さらに、キット中に含まれる化合物または医薬組成物を使用するための説明を含む。本明細書において記載されるキットはまた、米国食品医薬品局(FDA)などの規制当局により必要とされる情報を含んでもよい。ある態様において、キット中に含まれる情報は、処方情報である。ある態様において、キットおよび説明は、それを必要とする対象において増殖性疾患を処置すること、それを必要とする対象において増殖性疾患を予防すること、対象、生体試料、組織もしくは細胞においてタンパク質キナーゼ(例えばCDK(例えばCDK7))の活性を阻害すること、ならびに/または細胞においてアポトーシスを誘導することを提供する。本明細書において記載されるキットは、本明細書において記載される1つ以上のさらなる医薬品を、個別の組成物として含んでもよい。
【0295】

本明細書において記載される発明がより完全に理解され得るために、以下の例を記載する。本願において記載される合成例および生物学的例は、本明細書において提供される化合物、医薬組成物および方法を説明するために提供され、決してそれらの範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0296】
化合物の合成
本明細書において提供される化合物は、容易に入手可能な出発材料から、以下の一般的方法および手順を用いて、調製することができる。反応は、0.25mmのE. Merckプレコートシリカゲルプレート(60 F254)およびWaters LCMSシステム(Waters 2489 UV/可視光検出器、Waters 3100 Mass、Waters 515 HPLCポンプ、Waters 2545バイナリーグラジエントモジュール、Watersリージェントマネージャ、Waters 2767サンプルマネージャ)による薄層クロマトグラフィー(TLC)により、SunFire(商標)C18カラム(4.6×50mm、5μm粒子サイズ):溶媒勾配=0分において95%のA、5分において0%のA;溶媒A=水中0.5%のTFA;溶媒B=メタノール;流速:1.5mL/分を用いて、モニタリングした。反応生成物の精製は、フラッシュクロマトグラフィーにより、CombiFlash(登録商標)Rfを用いて、Teledyne Isco RediSep(登録商標)Rf High Performance GoldまたはSilicycle SiliaSep(商標)High Performanceカラム(4g、12g、24g、40g、80gまたは120g)により、または、Waters調製HPLCシステムにより、C18カラム:溶媒勾配=0分において100%のA、15分において0%のA;溶媒A=水中0.5%のTFA;溶媒B=メタノール;流速:20mL/分で行った。化合物の純度は、95%より高く、Waters LCMSシステムにより分析した。1H NMRおよび13C NMRスペクトルは、Varian Inova-600または400MHz分光器を用いて得た。化学シフトは、1H NMRについてクロロホルム(δ=7.24)、または1H NMRについてジメチルスルホキシド(δ=2.50)、および、13C NMRについてジメチルスルホキシド(δ=39.51)に対して相対的に報告された。データは、(br=広域、s=一重線、d=二重線、t=三重線、q=四重線、m=多重線)として報告される。
【0297】
例1.(S)−3−((3−(4−アクリルアミドベンズアミド)フェニル)アミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミド(化合物101)
化合物101の合成は、合成スキーム1に従う。化合物102〜111(表2において表す)の合成は、対応する方法に従う。
【化193】
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【0298】
【化194】
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THF(10mL)中のtert−ブチル3−アミノ−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラート(1.0g、3.95mmol)およびTEA(0.6g、0.82mL、5.93mmol)の溶液に、クロロギ酸エチル(0.43g、0.38mL、3.95mmol)を0℃で滴加した。混合物を0℃で1時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcおよび飽和NaHCOで分配した。有機層を水および鹹水で洗浄し、乾燥させた(NaSO)。これを濃縮して、5−(tert−ブチル)エチル3−アミノ−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを、オフホワイトの固体として得た(1.28g、100%)。LC/MS (ESI) m/z = 325.3 (M + H)+.
【0299】
【化195】
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DCM(10mL)中の5−(tert−ブチル)エチル3−アミノ−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(500mg、1.54mmol)、(3−ニトロフェニル)ボロン酸(514mg、3.08mmol)、およびCu(OAc)(420mg、2.31mmol)の懸濁液に、TEA(311mg、0.43mL、3.08mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を蒸発させ、未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(EtOAc/ヘキサン、0〜70%)、5−(tert−ブチル)エチル6,6−ジメチル−3−((3−ニトロフェニル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを、黄色の固体として得た(240mg、35%)。LC/MS (ESI) m/z = 446.4 (M + H)+.
【0300】
【化196】
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EtOAc(2mL)およびピリジン(0.2mL)中の5−(tert−ブチル)エチル6,6−ジメチル−3−((3−ニトロフェニル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(120mg、0.27mmol)の溶液に、SnCl・2HO(305mg、1.35mmol)を添加した。混合物を70℃で一晩撹拌した。混合物をCHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(MeOH/DCM、0〜10%)、5−(tert−ブチル)エチル3−((3−アミノフェニル)アミノ)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを黄色の固体として得た(99mg、88%)。LC/MS (ESI) m/z = 416.4 (M + H)+.
【0301】
【化197】
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DCM(2mL)中の5−(tert−ブチル)エチル3−((3−アミノフェニル)アミノ)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(99mg、0.24mmol)およびDIEA(62mg、84μL、0.48mmol)の溶液に、4−ニトロベンゾイルクロリド(53mg、0.29mmol)を0℃で添加した。反応を室温で2時間撹拌し、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(MeOH/DCM、0〜5%)、5−(tert−ブチル)エチル6,6−ジメチル−3−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを黄色の固体として得た(129mg、95%)。LC/MS (ESI) m/z = 565.4 (M + H)+.
【0302】
【化198】
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DCM(1mL)中の5−(tert−ブチル)1−または2−エチル6,6−ジメチル−3−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(129mg、0.23mmol)の溶液に、TFA(1mL)を添加した。反応を室温で1時間撹拌し、濃縮して、エチル6,6−ジメチル−3−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートをTFA塩として得、これを、さらなる精製なしに直接用いた。LC/MS (ESI) m/z = 464.4 (M + H) +.
【0303】
【化199】
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DCM(2mL)中のエチル6,6−ジメチル−3−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(TFA塩、0.23mmol)の混合物に、DIEA(148mg、0.2mL、1.15mmol)を0℃で添加し、その後、(S)−2−イソシアナート−N,N−ジメチル−2−フェニルエタン−1−アミンHCl塩(62mg、0.27mmol)を添加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(MeOH/DCM中1.75MのNH、0〜10%)、エチル(S)−5−((2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−3−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートを黄色の固体として得た(134mg、2ステップにわたり89%)。LC/MS (ESI) m/z = 655.4 (M + H)+.
【0304】
【化200】
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EtOAc(2mL)中のエチル(S)−5−((2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−3−((3−(4−ニトロベンズアミド)フェニル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(134mg、0.20mmol)の溶液に、SnCl・2HO(226mg、1.0mmol)を添加した。混合物を70℃で2時間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製して(MeOH/DCM中1.75MのNH、0〜10%)、エチル(S)−3−((3−(4−アミノベンズアミド)フェニル)アミノ)−5−((2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートを黄色の固体として得た(112mg、90%)。LC/MS (ESI) m/z = 625.4 (M + H)+.
【0305】
【化201】
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THF(1mL)および飽和NaHCO(1mL)中のエチル(S)−3−((3−(4−アミノベンズアミド)フェニル)アミノ)−5−((2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(20mg、0.032mmol)の混合物に、塩化アクリロイル(5.8mg、0.064mmol)を0℃で滴加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物エチル(S)−3−((3−(4−アクリルアミドベンズアミド)フェニル)アミノ)−5−((2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートをi−PrOH(1mL)中で溶解し、LiOH(1M、1mL)を添加した。室温で10分間撹拌した後、混合物をCHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、調製HPLCにより精製して(MeOH/HO、0〜100%)、(S)−3−((3−(4−アクリルアミドベンズアミド)フェニル)アミノ)−N−(2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドを白色固体として得た(10.5mg、54%)。1H NMR: 600 MHz (DMSO-d6) δ 10.44 (d, J = 4.2 Hz, 1H), 10.04 (s, 1H), 8.33 (s, 1H), 7.96-7.93 (m, 2H), 7.82-7.80 (m, 2H), 7.34-7.32 (m, 2H), 7.26-7.23 (m, 2H), 7.20-7.10 (m, 3H), 6.52-6.46 (m, 1H), 6.35-6.30 (m, 1H), 6.09 (s, 1H), 5.84-5.81 (m, 1H), 4.89-4.83 (m, 1H), 4.35 (d, J = 19.8 Hz, 2H), 2.64-2.57 (m, 1H), 2.45-2.38 (m, 1H), 2.18 (s, 6H), 1.65 (d, J = 4.2 Hz, 3H), 1.58 (d, J = 4.8 Hz, 3H); MS m/z: 607.4 [M+1].
【0306】
【表2-1】
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【表2-2】
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【表2-3】
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【表2-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表2-5】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
例2.(S)−3−(3−(4−アクリルアミドベンズアミド)ベンズアミド)−N−(2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミド(化合物112)
化合物112の合成は、合成スキーム2に従う。化合物120および214〜217(表3において表す)の合成は、対応する方法に従う。
【化202】
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【0308】
【化203】
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DCM(2mL)中の5−(tert−ブチル)エチル3−アミノ−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(100mg、0.31mmol)およびDIEA(79mg、0.11mL、0.62mmol)の溶液に、3−ニトロベンゾイルクロリド(87mg、0.47mmol)を添加した。反応を室温で2時間撹拌し、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(EtOAc/ヘキサン、0〜70%)、5−(tert−ブチル)エチル6,6−ジメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを黄色の固体として得た(110mg、75%)。LC/MS (ESI)m/z = 474.4 (M + H)+.
【0309】
【化204】
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先に記載された化合物101の合成手順に従って、5−(tert−ブチル)エチル6,6−ジメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートから、(S)−3−(3−(4−アクリルアミドベンズアミド)ベンズアミド)−N−(2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドを白色固体として得た。1H NMR (TFA塩): 400 MHz (DMSO-d6) δ 10.97 (s, 1H), 10.53 (s, 1H), 10.40 (s, 1H), 9.04 (s, 1H), 8.62 (m, 1H), 8.04 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.89 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 7.83 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.57-7.44 (m, 4H), 7.36 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.83 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 6.54 (dd, J = 17.2, 10.0 Hz, 1H), 6.37 (dd, J = 17.2, 2.0 Hz, 1H), 5.88 (dd, J = 10.0, 2.0 Hz, 1H), 5.43-5.37 (m, 1H), 4.86 (d, J = 12.4 Hz, 1H), 4.64 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 2.95 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 2.90 (d, J = 8.4 Hz, 3H), 1.74 (s, 3H), 1.66 (s, 3H); MS m/z: 635.3 [M+1].
【0310】
【表3-1】
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【表3-2】
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【0311】
例3.3−(1−アクリロイルピペリジン−3−カルボキサミド)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミド(化合物113&114)
化合物113の合成は、合成スキーム3に従う。化合物114、123、221および222(表4において提供される)は、対応する方法に従う。
【化205】
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【0312】
【化206】
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DMF(2mL)中の5−(tert−ブチル)エチル3−アミノ−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(100mg、0.31mmol)、(R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボン酸(122mg、0.47mmol)、およびDIEA(120mg、0.16mL、0.93mmol)の溶液に、HATU(236mg、0.62mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌し、酢酸エチルおよび飽和NaHCOで希釈した。有機層を水および鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(EtOAc/ヘキサン、0〜70%)、5−(tert−ブチル)エチル(R)−3−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを黄色の固体として得た(65mg、37%)。LC/MS (ESI)m/z = 570.4 (M + H)+.
【0313】
【化207】
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DCM(1mL)中の5−(tert−ブチル)エチル(R)−3−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(65mg、0.115mmol)の溶液に、TFA(1mL)を添加した。反応を室温で1時間撹拌し、濃縮して、エチル(R)−3−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートをTFA塩として得、これを、さらなる精製なしに直接用いた。LC/MS (ESI)m/z = 470.4 (M + H) +.
【0314】
DCM(1mL)中の(R)−3−(1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(TFA塩、0.115mmol)の混合物に、DIEA(74mg、0.1mL、0.57mmol)を0℃で添加し、その後、(S)−2−イソシアナート−N,N−ジメチル−2−フェニルエタン−1−アミンHCl塩(31mg、0.14mmol)を添加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(MeOH/DCM中1.75MのNH、0〜10%)、エチル3−((R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド)−5−(((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートを黄色の固体として得た(53mg、2ステップにわたり70%)。LC/MS (ESI)m/z = 660.4 (M + H)+.
【0315】
【化208】
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MeOH(5mL)中のエチル3−((R)−1−((ベンジルオキシ)カルボニル)ピペリジン−3−カルボキサミド)−5−(((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(53mg、0.081mmol)および10%のPd/C(10mg)の混合物を脱気した。混合物を、H(1atm)下において室温で一晩撹拌した。反応をCelite(登録商標)を通して濾過し、濃縮して、N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−3−((R)−ピペリジン−3−カルボキサミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドを、透明なワックスとして得た(28mg、78%)。LC/MS (ESI)m/z: 454.4 (M + H)+.
【0316】
【化209】
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THF(1mL)および飽和NaHCO(1mL)中のN−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−3−((R)−ピペリジン−3−カルボキサミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミド(20mg、0.044mmol)の混合物に、塩化アクリロイル(12mg、0.13mmol)を0℃で滴加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物をi−PrOH(1mL)中で溶解し、LiOH(1M、1mL)を添加した。室温で10分間撹拌した後、混合物をCHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、調製HPLCにより精製して(MeOH/HO、0〜100%)、3−((R)−1−アクリロイルピペリジン−3−カルボキサミド)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドTFA塩を白色固体として得た(11mg、42%)。1H NMR (TFA塩): 600 MHz (DMSO-d6) δ 10.56 (d, J = 19.8 Hz, 1H), 8.95 (s, 1H), 7.41-7.36 (m, 3H), 7.31-7.27 (m, 1H), 6.87-6.79 (m, 1H), 6.72 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 6.08 (d, J = 16.2 Hz, 1H), 5.66 (d, J = 10.2 Hz, 1H), 5.32 (m, 1H), 4.69 (m, 1H), 4.47 (m, 2H), 4.03 (m, 2H), 3.53 (t, J = 12.0 Hz, 2H), 3.35-3.30 (m, 1H), 3.18-3.12 (m, 1H), 2.99 (t, J = 13.2 Hz, 1H), 2.85 (d, J = 5.4 Hz, 3H), 2.82 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 2.70 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.73 (m, 1H), 1.62 (s, 3H), 1.53 (s, 3H), 1.33 (m, 1H); MS m/z: 508.3 [M+1].
【0317】
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
3−((S)−1−アクリロイルピペリジン−3−カルボキサミド)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドは、対応する出発化合物を用いることにより、化合物113について記載されたものと類似の方法に従って調製した。1H NMR (TFA塩): 400 MHz (DMSO-d6) δ 10.50 (d, J = 15.6 Hz, 1H), 8.90 (s, 1H), 7.37-7.31 (m, 4H), 7.25-7.21 (m, 1H), 6.82-6.72 (m, 1H), 6.66 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.03 (d, J = 16.4 Hz, 1H), 5.61 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 5.27 (m, 1H), 4.62 (m, 1H), 4.43 (m, 2H), 4.07-3.96 (m, 2H), 3.13-3.05 (m, 2H), 2.94 (t, J = 12.0 Hz, 1H), 2.81 (d, J = 5.2 Hz, 3H), 2.77 (d, J = 5.2 Hz, 3H), 2.69-2.57 (m, 1H), 1.89 (m, 1H), 1.67 (m, 1H), 1.57 (s, 3H), 1.49 (s, 3H), 1.29 (m, 1H); MS m/z: 508.3 [M+1].
【0318】
【表4-1】
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【表4-2】
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例4.3−((1−(4−アクリルアミドベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミド(化合物115)
【0319】
化合物115の合成は、合成スキーム4に従う。化合物116〜119、および化合物228〜232(表5において表す)の合成は、対応する方法に従う。
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
【0320】
【化212】
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THF(1mL)中のtert−ブチル3−アミノ−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラート(50mg、0.20mmol)の溶液に、1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−オン(49mg、0.20mmol)を添加し、その後AcOH(5滴)およびNa(OAc)BH(127mg、0.60mmol)を添加した。混合物を室温でO/N撹拌し、EtOAcおよび飽和NaHCOで希釈した。有機層を水および鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、調製HPLCにより精製して(MeOH/HO、0〜100%)、tert−ブチル6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラートをTFA塩として得た(48mg、40%)。LC/MS (ESI)m/z: 485.4 (M + H)+.
【0321】
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
THF(2mL)中のtert−ブチル6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラートTFA塩(48mg、0.08mmol)の溶液に、DIEA(31mg、42μL、0.24mmol)を0℃で添加した。クロロギ酸ベンジル(14mg、0.08mmol)を滴加し、0℃で1時間攪拌した。反応をEtOAcおよび飽和NaHCOで希釈した。有機層を水および鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(EtOAc/ヘキサン、0〜70%)、1−ベンジル5−(tert−ブチル)6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラートを黄色の固体として得た(28mg、56%)。LC/MS (ESI)m/z: 619.4 (M + H)+.
【0322】
【化214】
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DCM(1mL)中の1−ベンジル5−(tert−ブチル)6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(28mg、0.045mmol)の溶液に、TFA(1mL)を添加した。反応を室温で1時間撹拌し、濃縮して、ベンジル6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートをTFA塩として得、これを、さらなる精製なしに直接用いた。LC/MS (ESI)m/z = 519.4 (M + H) +.
【0323】
DCM(1mL)中のベンジル6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(TFA塩、0.045mmol)の混合物に、DIEA(29mg、39μL、0.22mmol)を0℃で添加し、その後、(S)−2−イソシアナート−N,N−ジメチル−2−フェニルエタン−1−アミンHCl塩(12mg、0.054mmol)を添加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(MeOH/DCM中1.75MのNH、0〜10%)、ベンジル5−(((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラートを得た(24mg、2ステップにわたり77%)。LC/MS (ESI)m/z = 709.4 (M + H)+.
【0324】
【化215】
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MeOH(5mL)中のベンジル5−(((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)カルバモイル)−6,6−ジメチル−3−((1−(4−ニトロベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−5,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1(4H)−カルボキシラート(24mg、0.034mmol)と10%のPd/C(5mg)との混合物を脱気した。混合物を、H(1atm)下において室温で6時間撹拌した。反応を、Celite(登録商標)を通して濾過し、濃縮して、3−((1−(4−アミノベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドを透明なワックスとして得た(18mg、70%)。LC/MS (ESI)m/z: 545.4 (M + H)+.
【0325】
【化216】
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THF(1mL)中の3−((1−(4−アミノベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミド(18mg、0.033mmol)と飽和NaHCO(1mL)との混合物に、塩化アクリロイル(9.0mg、0.099mmol)を0℃で滴加した。混合物を0℃で10分間撹拌し、CHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物をi−PrOH(1mL)中で溶解し、LiOH(1M、1mL)を添加した。室温で10分間撹拌した後、混合物をCHCl/i−PrOH(v/v 4:1)で希釈し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。未精製物を、調製HPLCにより精製して(MeOH/HO、0〜100%)、3−((1−(4−アクリルアミドベンゾイル)ピペリジン−3−イル)アミノ)−N−((S)−2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドTFA塩を白色固体として得た(10.5mg、45%)。1H NMR (TFA塩): 600 MHz (DMSO-d6) δ 10.29 (s, 1H), 9.10 (s, 1H), 7.72-7.55 (m, 1H), 7.49-7.26 (m, 7H), 6.73-6.61 (m, 1H), 6.49-6.40 (m, 1H), 6.27-6.24 (m, 1H), 5.77-5.75 (m, 1H), 5.36-5.26 (m, 1H), 4.55-4.50 (m, 1H), 4.30-4.24 (m, 2H), 3.55-3.45 (m, 3H), 3.38-3.32 (m, 2H), 3.28-3.07 (m, 2H), 2.88 (m, 3H), 2.85 (m, 1H), 2.82 (m, 3H), 2.00-1.90 (m, 1H), 1.85-1.70 (m, 1H), 1.65-1.50 (m, 6H), 1.09-1.03 (m, 1H); MS m/z: 599.4 [M+1].
【0326】
【表5-1】
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【表5-2】
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【表5-3】
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【表5-4】
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【表5-5】
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【0327】
例5.(S)−3’−(4−アクリルアミドベンズアミド)−N−(2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−1’,4’−ジヒドロ−5’H−スピロ[シクロプロパン−1,6’−ピロロ[3,4−c]ピラゾール]−5’−カルボキサミド(化合物233)。
化合物233の合成は、合成スキーム5に従う。化合物234〜240(表6において表す)の合成は、対応する方法に従う。
【化217】
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【0328】
【表6-1】
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【表6-2】
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【表6-3】
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【0329】
化合物241の合成は、合成スキーム6に従う。化合物242〜247(表7において表す)の合成は、対応する方法に従う。
【化218】
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【0330】
【化219】
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i−PrOH(5mL)中の5−(tert−ブチル)エチル6,6−ジメチル−3−((3−ニトロフェニル)アミノ)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−1,5−ジカルボキシラート(500mg、1.05mmol)の溶液に、1MのNaOH水溶液(5mL)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌し、CHCl/i−PrOH (v:v 4:1)で抽出した。未精製物を、シリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(MeOH/DCM中1.75MのNH、0〜15%)、t−ブチル6,6−ジメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラートを黄色の固体として得た(394mg、93%)。LC/MS (ESI)m/z: 402.4 (M + H)+.
【0331】
【化220】
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THF(5mL)中のt−ブチル6,6−ジメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラート(394mg、0.98mmol)およびヨウ化メチル(697mg、0.31mL、4.91mmol)の溶液を80℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、EtOAcで抽出し、飽和NaHCOおよび鹹水で洗浄した。未精製物を、調製HPLCにより精製して(MeOH/HO、0〜100%)、t−ブチル1,6,6−トリメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラート(123mg、30%)およびt−ブチル2,6,6−トリメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−2,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(4H)−カルボキシラート(108mg、26%)を白色固体として得た。LC/MS (ESI)m/z: 416.4 (M + H)+.
【0332】
【化221】
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先に記載された手順に従って、t−ブチル1,6,6−トリメチル−3−(3−ニトロベンズアミド)−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキシラートから出発して、(S)−3−(3−アクリルアミドベンズアミド)−N−(2−(ジメチルアミノ)−1−フェニルエチル)−1,6,6−トリメチル−4,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]ピラゾール−5(1H)−カルボキサミドを白色固体として得た。1H NMR: 500 MHz (DMSO-d6) δ 10.70 (s, 1H), 10.34 (s, 1H), 7.94 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.71 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.31 (d, J = 7.3 Hz, 2H), 7.23 (t, J = 7.6 Hz, 2H), 7.13 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.40 (dd, J = 17.1, 10.1 Hz, 1H), 6.24 (dd, J = 17.1, 1.8 Hz, 1H), 6.21 (m, 1H), 5.74 (dd, J = 10.1, 1.8 Hz, 1H), 4.81 (q, J = 7.3 Hz, 1H), 4.45 (dd, J = 15.9, 11.9 Hz, 1H), 3.65 (s, 3H), 2.60 (m, 1H), 2.33 (m, 1H), 2.13 (s, 6H), 1.64 (s, 3H), 1.56 (s, 3H); MS m/z: 530.3 [M+1].
【0333】
【表7-1】
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【表7-2】
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【表7-3】
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【0334】
化合物の生物学的アッセイ
例5.キナーゼ活性の阻害
本発明の化合物を、多様な異なるキナーゼに対する活性についてアッセイした。例示的な結果を、計算されたIC50値として表す(表A1&A2)。表A1およびA2において、「A」は、100nM未満の計算されたIC50値を表し;「B」は、100nM以上かつ1μM未満の計算されたIC50値を表し;および「C」は、1μM以上の計算されたIC50値を表す。アッセイにおいて各々のキナーゼについて用いられたコファクターは、以下のとおりである:CDK7:サイクリンHおよびMNAT1;CDK2:サイクリンA;CDK9:サイクリンK。
【0335】
【表8-1】
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【表8-2】
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【表8-3】
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【0336】
【表9】
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【0337】
例6.細胞増殖の阻害
本発明の例示的な化合物を、異なる濃度において試験した。細胞を、96ウェルプレート中に、以下の播種濃度で播種した:Jurkat T細胞急性リンパ芽球性白血病25,000細胞/ウェル;HCT116大腸癌8,000細胞/ウェル;Kelly神経芽細胞腫4,000細胞/ウェル。細胞を、多様な濃度の化合物(1nM〜10μMの範囲)で処置した。化合物を含まないDMSO溶媒を対照として用いた。72時間にわたるインキュベーションの後で、本明細書において記載される例示的化合物による処置の後での細胞生存率を、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイ(Promega)により評価した。GRAPHPAD PRISM 6ソフトウェアを用いてIC50値を決定した。例示的な結果を、表A3において示し、ここで、「A」は、500nM未満の計算されたIC50値を表し;「B」は、500nM以上かつ5000μM未満の計算されたIC50値を表し;および「C」は、5000μM以上の計算されたIC50値を表す。
【0338】
【表10】
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【0339】
例7.阻害剤によるCDK7の標識
プロテアーゼ阻害剤およびホスファターゼ阻害剤を含む、40mMのHepes(pH7.4)、150mMのNaCl、5%のグリセロールおよび1mMのDTT中のCAK複合体(Milliporeカタログ#14-476)を、10倍過剰のモル濃度の化合物101と共に、6時間37℃でインキュベートした。タンパク質を、SDS-PAGEで分解し、CDK7に対応するバンドをゲル中でトリプシンにより消化し、ペプチドを、Orbitrap XL質量分析計(ThermoFisher Scientific, San Jose, CA)を用いてナノLC-MSにより分析した。標識の効率を、DMSO対照と比較したCys312含有ペプチドYFSNRPGPTPGCQLPRPNCPVETLKのシグナルの低下から概算した。CDK7ペプチドVPFLPGDSDLDQLTRおよびLDFLGEGQFATVYKからのシグナルを、正規化のために用いた。DMSO(A〜D)または化合物101(E〜H)で処置されたCDK7ペプチドの全イオンクロマトグラム(TIC)および抽出イオンクロマトグラム(EIC)についての図1を参照。標識されたペプチドは、図2のスペクトルにおいて示すとおり、質量分析により検出した。m/z 687.7498におけるシグナルは、Cys312において化合物101で標識されたYFSNRPGPTPGCQLPRPNCPVETLKに対応する。
【0340】
均等物および範囲
クレームにおいて、「a」、「an」および「the」などの冠詞は、1または1より多いことを意味してもよいが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。ある群の1以上のメンバー間に「または」を含むクレームまたは記載は、その群のメンバーのうち、1つ、1つより多いか、または、すべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、あるいはそれとは別に、それに関係があるか、を満たすと考えるが、それと反する指示がないか、またはそれとは別に、文脈から明らかでない場合に限る。本発明は、その群のうち、厳密に1つのメンバーが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を含む。本発明は、その群のメンバーのうち、1つより多いかまたはすべてが、所定の生成物またはプロセスに存在するか、それに用いられるか、またはそれとは別に、それに関係がある態様を含む。
【0341】
その上、本発明は、列挙されたクレームの1以上からの1以上の限定、要素、節および記述用語が別のクレーム中へ導入されるすべての変動、組み合わせおよび順列を包含する。例えば、別の請求項に従属するいずれの請求項も、同じ基本クレームに従属するいずれか他の請求項中に見出される1以上の限定を含むように修飾され得る。要素が、例えばマーカッシュ群形式において列挙されたものとして提示されている場合、要素の各下位群もまた開示されており、いずれの要素(単数または複数)も群から除去され得る。一般に、本発明または本発明の側面が、特定の要素および/または特徴を含むとして見なされる場合、本発明のある態様または本発明のある側面は、かかる要素および/または特徴からなるか、または、実質的にそれからなると理解されるべきである。簡潔さを目的として、それらの態様は、本明細書中、in haec verbaで具体的に記載されていない。用語「含むこと(comprising)」および「含有すること(containing)」が、オープンであることを意図し、追加の要素またはステップの包含を容認することにもまた留意する。範囲が与えられたとき、エンドポイントも含まれる。その上、別段の指示がないか、またはそれとは別に、文脈および当業者の理解から明らかでない場合に限り、範囲として表現された値は、いずれか具体的な数値、または、本発明の異なる態様において述べられた範囲内の下位の範囲を、文脈が明確に別段の指図をしない限り範囲の下限の単位の10倍まで、想定し得る。
【0342】
本願は種々の発行済み特許、公開特許出願、雑誌記事、および他の公刊物を参照し、それらの全ては参照によって本明細書に組み込まれる。組み込まれる参照のいずれかと本明細書との間に矛盾がある場合には、本明細書がコントロールするものとする。加えて、先行技術に属する本発明のいずれかの特定の態様は請求項のいずれかの1つ以上からはっきりと除外され得る。かかる態様は当業者に知られていると思われるので、それらは除外が本明細書においてはっきりと示されていない場合であっても除外され得る。本発明のいずれかの特定の態様は、先行技術の存在に関するか否かにかかわらず、いずれかの請求項からいずれかの理由で除外され得る。
【0343】
当業者は、本明細書に記載される具体的な態様の多くの均等物を認識するか、またはせいぜい通例の実験作業を用いて確かめる能力があるであろう。本明細書に記載される本発明の態様の範囲は上の明細書に限定されることを意図されず、むしろ添付の請求項に示されている通りである。当業者は、次の請求項において定義される本発明の趣旨または範囲から離れることなしに、本明細書の種々の変更および改変がなされ得るということを理解するであろう。
図1
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図2
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