(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項11記載の検出器入口において、前記プレナムは、前記流体フローをフロー方向に導き、前記循環フローが前記フロー方向に交差する回転軸線周りに循環するよう構成されている、検出器入口。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面において、同様の参照符号は同様の素子を示すのに使用する。
【0009】
本発明の実施形態は、関心対象物質を検出する検出器にサンプルを供給するための検出器に関する。質量分光分析装置及びイオン移動度分光分析装置のような検出器は、蒸気をイオン化し、また次にその蒸気から発生したイオンを分析して関心対象物質を検出するよう構成することができる。このような検出器は、検査すべき環境からのガス状流体のフローを吸入し、また次にこのフローからサンプルを取得するよう構成することができる。この後、サンプルを検査して関心対象物質の存在を検出することができる。ガス状流体は、空気、蒸気及びエアロゾル、例えば流体に懸濁した固体又は液体の粒子のようなガスを含み得る。
【0010】
本発明の実施形態は、吸入フローの一部を残りのフロー部分よりも多く加熱し、またこの後吸入フローの加熱された一部を残りのフロー部分と混合して、残りのフロー部分によって搬送されるエアロゾルを気化することに関する。次に、サンプル蒸気が、混合かつ加熱されたガス状流体フローから取り込まれ、また検出器に供給される。
【0011】
図1は、環境からガス状流体のサンプルを採取するための2つのポートを有する吸入口を備える検出器入口1を示す。検出器入口は、さらに、第1ポートを検出器入口の混合領域に接続する第1導管2を備える。第2導管4は第2ポートを混合領域6に接続する。したがって、第1導管及び第2導管は、ガス状流体フローの環境から検出器入口の混合領域への別個の経路を提供する。例えば、これら導管は、検出器入口の吸入ポートから混合領域への、並列的な(必ずしも幾何学的に平行ではなく代替的であるという意味における)個別の流体経路を提供する。したがって、検出器入口の吸入ポートに引き込まれるガス状流体フローの第1部分は、第1導管を経由して流動することによって混合領域に達することができ、またフローの第2部分は第2導管を経由して流動することによって混合領域に達することができる。このフローの第1部分及び第2部分は、このようにして混合領域に到達する際に再合流することができる。
【0012】
検出器入口は、さらに、ヒータ18を備える。このヒータ18は、ガス状流体フローの第1部分14を加熱し、ガス状流体フローの第1部分14がガス状流体フローの第2部分16よりも多く加熱される。例えば、ヒータは第1導管内に配置し、例えば少なくとも部分的に第1導管内側に、例えば第1導管から混合領域への出口に配置することができる。幾つかのこのような実施例において、第1導管における1つ又はそれ以上の内壁部分がヒータを有することができる。ヒータは、フィラメントヒータのような抵抗ヒータ、例えば、メンブレインヒータとすることができる。ヒータの例としては、赤外線光源もある。
【0013】
図1に示す検出器入口は、随意であるがフィルタを備えることができる。フィルタを設ける場合、フィルタはガス状流体フローの第1部分によって搬送される少なくとも幾分かの粒子が通過するのを阻止するよう配置する。例えば、フィルタは、吸入口とヒータとの間で第1導管に配置することができる。第2導管は第1導管よりも幅を広く、例えば、より大きいフロー断面積を有するようにすることができる。混合領域6において、ガス状流体の第1部分を第2導管4によって搬送されるガス状流体フローの第2部分と混合する。
【0014】
検出器入口は、さらに、排出口12と、及びファン又はポンプのようなムーバーとを備えることができる。ムーバーを設けるとき、ムーバーは、吸入口から検出器入口経由で流出口に至るガス状流体フローを生ずるよう配置することができる。ピンホール開孔のようなサンプリング入口8を検出器入口に配置し、流出口と第1部分からの出口との間におけるガス状流体フローのサンプルを採取する。例えば、サンプリング入口は、混合領域6からのサンプルを採取するよう配置することができる。サンプリング入口は、検出器入口からサンプルを取り込み、またこれら取込みサンプルを検出器に供給して、ガス状流体フローによって搬送される関心対象物質を検出することができる。
【0015】
図に示す検出器入口は、検出器による分析のためのエアロゾルを準備するよう動作することができ、検出器はそのエアロゾルが関心対象物質を含むか否かを検出する。したがって、動作にあたり、ガス状流体フローは、検出器入口内に取り込まれ、また2つの部分に分けられる。フローの第1部分は第1導管に沿って通過することができ、またフローの第2部分は第2導管に沿って通過することができる。フローの第1部分は、フローの第2部分よりも多く加熱することができ、これにより第2部分よりも熱くなる。フローの第1部分の温度は、選択された関心対象物質を気化するに十分な熱さとなるようにすることができる。例えば、フローの第1部分は、少なくとも150℃、例えば少なくとも200℃、例えば少なくとも400℃の温度まで加熱することができる。この後、ガス状流体フローの第1部分をフローの第2部分と混合し、この第2部分を加熱する。サンプルの第1部分は十分に加熱し、この加熱は、混合領域における温度がフローの第2部分に搬送される選択した関心対象物質のエアロゾルを少なくとも部分的に気化するのに十分熱いものとなるように行う。例えば、ヒータの動作は、混合領域におけるフローの温度が少なくとも150℃、例えば少なくとも200℃となるように行う。
【0016】
サンプルは、混合かつ加熱されたフローからサンプリング入口によって取り込み、また検出器に供給する。例えば、サンプリング入口は、フローの温度がフローの第1部分をフローの第2部分に混合することに起因して上昇する領域における混合(再合流)したフローから取り込むよう動作することができる。
【0017】
図1に示す実施形態は2つの吸入ポートを有するものとして説明したが、幾つかの実施形態において、検出器入口は、第1導管及び第2導管によって混合領域に結合される単独の共通吸入口を備えることができる。
【0018】
1つのこのような実施例を
図2に示す。
図2に示すように、検出器入口は、ガス状流体の第1部分をガス状流体の第2部分から分離し、また第1部分を第1導管に通過させる配置する。フローの第1部分はその後に混合領域で第2部分と再合流することができる。第2部分と第1部分とのこの混合は、第2部分によって搬送されるエアロゾルを気化することができる。
【0019】
流体フローの2つの部分を再合流させる様態は、フローにおける2つの部分の混合さえも促進するよう選択することができる。例えば、第1部分はノズルを用いて第2部分に供給することができる。これらノズルは加熱された流体のジェットを生ずるよう配置することができる。例えば、加熱流体フローの第1部分はフローの第2部分よりも速い速度を有することができる。このことは、ガス状流体フローの第1部分を第1導管に沿って移動させるための付加的ムーバー(例えば、ポンプ、ブロワ又はファン)を設けることによって達成することができる。
【0020】
混合を促進する他のやり方は、フローの第1部分をフローの第2部分とは異なる方向に移動させるものであり得る。例えば、フローの第2部分に交差する方向に設けることができる。とくに、非線形的(例えば、丸い)断面のフロー通路の場合、循環又は螺旋状フローを混合領域に確立することができる。
【0021】
このように動作することができる検出器入口の一実施例を
図3に示す。
図3に示す検出器入口において、検出器入口は漏斗状部分5を有する。この漏斗状部分はベース及び頂点を有し、漏斗のベースは漏斗の頂点よりも幅が広い。漏斗のベースは漏斗壁によって漏斗の頂点に連結する。第1導管2は漏斗の一方の側面に配置し、また第2部分は漏斗のベースから漏斗の軸線に沿って延在させ、第2導管からの流体が漏斗の軸線に沿って流動するようにする。第1導管からの流体フローが第2導管からの流体フローと混合する混合領域6は漏斗の頂点に位置する。
【0022】
流体フローが第1導管から漏斗状部分内へと漏斗に進入するとき、漏斗壁は流体を第1導管から漏斗の軸線周りの循環経路に導向させる。第1導管から漏斗内に受け入れられる流体は漏斗の軸線を目指して混合領域に向かって流動し、かつ漏斗の頂点に向かって流動するとき漏斗の軸線周りに循環する。第1導管からの循環フローは混合領域6で第2導管からの流体と混合する。第1導管由来の循環経路で流動する加熱された流体と第2導管からの流体との混合は、第2導管からの流体に搬送されるエアロゾルを気化することができ、また混合した流体の循環フローを誘発する。この循環して加熱された流体は、次に
図1及び
図2につき上述したように、混合領域からサンプリング入口に向かって通過する。
【0023】
上述したいかなる実施形態においても、サンプリング入口8は混合領域からの蒸気サンプルを収集するよう構成することができる。すなわち、サンプリング入口は、フローの2つの部分を混合することで温度が上昇させられるガス状流体フローの領域からサンプルを収集することができる。例えば、サンプリング入口8は、フローの第1部分及びフローの第2部分が混合するポイントの下流50mm未満の位置に配置することができる。例えば30mm未満、例えば20mm未満、例えば10mm未満の位置に配置することができる。
【0024】
上述したように、第1導管及び第2導管のうち少なくとも一方は、混合領域周りでガス状流体の循環フローを生ずるよう構成することができる。循環フローはサンプリング入口8の周りを回ることができる。循環フローは、ノズルを用いて、及び/又は
図3につき説明したような漏斗状構体を用いて生ずるようにすることができる。
【0025】
このような実施形態は、ガス状流体フローがサンプリング入口8を詰まらせる又は入口経由で検出器に搬送されて検出器を汚染又は損傷させるおそれがある粒子を含んでいるとき、特別な有用性があり得る。
【0026】
図6は、混合領域が検出器入口のプレナムに配置されている検出器入口の実施例を示す。サンプリング入口8はプレナム57のサンプリング容積部52からサンプルを取り込むよう配置される。
図6に示すように、検出器入口は、プレナム57を巡るガス状流体の循環フローを生じてサンプリング入口8を取り囲むよう構成したプレナム57の湾曲壁のようなフロー導向器51を備える。この循環フローは遠心効果を生じ、これにより流体によって搬送される粒子の空間的分布を変化させることができ、したがって、より多くの粒子はサンプリング容積部52に運ばれるよりもプレナム57の壁に近いところに運ばれる。しかし、蒸気はプレナム57に拡散し、またサンプリング容積部52に拡散することができる。このことはサンプリング容積部52に進入することなくサンプリング入口8を通り越して搬送される粒子の相対的比率を増加させることができる。
【0027】
図6は、フロー入口54、フロー出口56及びプレナム57を備える検出器入口1の一部を示す。プレナム57へのフロー入口54は、
図1、
図2、
図3のいずれにも関して上述した第1導管及び第2導管の双方からの流出部によって設けることができる。
図6に示すように、プレナム57は、内面59を有する湾曲壁を備える。上述したように、ピンホールのようなサンプリング入口8は、プレナム57におけるサンプリング容積部52からサンプルを採取するよう配置される。
【0028】
図7は
図6の検出器入口の断面図を示す。
図7からは、サンプリング入口8をプレナム57の中心領域からガス状流体のサンプルを収集するよう構成できることが分かる。例えば、
図6において、プレナム57は、吸入したフローの経路が図面の平面に整列する平面図で示される。この図において、プレナム57は、丸みがある形状、例えば円形の形状を有する。サンプリング入口8は、この丸みがある形状のプレナム57の中央に配置することができる、又はプレナム57の壁から均等に離れた位置に配置することができる。
【0029】
図6に示すフロー入口54及びフロー出口56は異なる方向に整列する。フロー入口54及びフロー出口56は双方ともにプレナム57に接合し、したがって、この実施例において、このプレナム57は、検出器入口1を通過する流体の経路における湾曲部に存在する。プレナム57において、ガス状流体のフローは、ガス状流体がフロー入口54からプレナム57を経てフロー出口56に流れるとき方向転換を受ける。
【0030】
図1、
図2又は
図3に示す検出器入口はフィルタを備えることができる。このフィルタはガス状流体フローの第1部分によって搬送される少なくとも幾分かの粒子が通過するのを阻止するよう配置する。例えば、フィルタは、吸入口とヒータとの間で第1導管に配置することができる。ガス状流体フローの第1部分はフローによって搬送される粒子の少なくとも幾分かを除去するようフィルタ処理することができる。
【0031】
プレナム57は、壁の内面59によって区切られる内側容積部を有する。図示のように、壁の内面は湾曲し、例えば、壁内面59の曲率は、フロー入口54からフロー出口56への吸入フローの経路に湾曲部を生ずるよう構成することができる。
図7に示すように、プレナム57のフロー断面はフロー入口54のフロー断面よりも大きい。この状況において、フロー断面は、ガス状流体のフロー方向に交差する方向の面積を意味する。例えば、プレナム57は、フロー入口54がプレナム57に合流するフロー経路の拡開を生ずることができる。このことは、ガス状流体がプレナム57に進入するときにガス状流体のフローを遅くするよう作用し得る。
図7の図示において、フロー出口56は、フロー出口56よりも大きいフロー断面を有する平面で示す。このことは、フロー出口56においてプレナム57から流出するガス状流体により遅いフロー速度を付与する1つの方法である。出口でフロー速度をより遅くすることは、プレナム57を巡る循環フローの生成を促すことができる。
【0032】
上述したように、フロー入口54は、ガス状流体をプレナム57に導き入れるよう構成する。プレナム57は、プレナム57によってサンプリング入口8の一方の側を通り越して設けられる湾曲部の外側周りの第1フロー経路と、及びサンプル入口8の他方の側を通り越して設けられる湾曲部58の内側周りの第2フロー経路とを有する。このようにして、プレナム57の中央に又はその近傍にサンプリング入口8を位置決めすることによって、サンプリング入口8を取り囲む流体の循環フローを誘導することができる。この循環フローは、流体が搬送する粒子の空間的分布を変化させて、サンプリング入口8がサンプルを採取するサンプリング容積部52に進入することなくサンプリング入口8を通り越して搬送される粒子の相対的比率を増加させることができる。フロー出口56は、ガス状流体がフロー入口54から流入するよりも遅い速度でガス状流体のフローがプレナム57から流出するよう構成することができる。例えば、フロー出口56は、より広いフロー断面にして、フロー出口を経由するガス状流体の体積流量率がフロー入口を経由するのと同一体積流量率と同一であるが、より遅い線速度(例えば、より少ない流量に対向するより低い速度)で流れることができるようにする。このことは、ガス状流体が湾曲部58の内側でサンプリング入口8を通り越して戻るよう流れる傾向を増長することができる。例えば、流体がプレナム57内に流入することができるこのような実施形態において、フローは流入後にサンプリング入口8における一方の側の周りに湾曲し、フロー出口56における遅く流れる流体によってフロー出口56に全面的に進入するのを阻止され、また少なくとも部分的にサンプリング入口8の他方の側でサンプリング入口8を通り越して戻るよう流れることによってプレナム57を循環する。このことは、プレナム57を通過するフロー方向に交差する軸線周りに循環する循環フローを生ずることができる。
【0033】
図6の装置の動作において、ガス状流体のフローは、吸入されてフ第1導管及び第2導管を通過する。フローの第1部分はフローの第2部分よりも多く加熱されてから、これら2つの導管からの流出が混合され、この混合は、例えばプレナム57に流入することによって行う(上述したように、第1導管及び第2導管はフロー入口54経由でプレナムへのフローを生ずることができる)。この混合かつ加熱されたフローはプレナム57を経由してフロー出口56に流動する。プレナム57は、吸入されたガス状流体におけるこのフローの方向を変化させる、例えば、フロー入口54からのフロー方向を曲げる。この曲げの外側は、湾曲するプレナム57の壁によって生ずる。このことは吸入された流体のフロー方向を変化させ、また流体がプレナム57を経て流れるとき流体フローをサンプリング入口8の周りに曲げる。流体がフロー出口56に達するとき、幾らかのガス状流体はフロー出口56を経てプレナム57から退出するが、幾らかのガス状流体は、フロー出口56を通り越して流れにおける渦流のように湾曲部58の内側でサンプリング入口8の他方の側を通り越して戻る方向に案内され、プレナム57に留まる。サンプリング入口8を通り越して戻る方向に流れて再びフロー入口54に復帰したとき、この逆流フローは、フロー入口54でプレナム57に到達する他のフローに再合流することができる。これと同一のサイクルが再開して、この再合流フローのうち幾分かが再循環するとともに、幾分かは出口4から退出する。したがって、ガス状流体フローのうち少なくとも一部に関して、このような実施形態は、一定断面の真直ぐなパイプに沿う同一フローと比較すると、サンプリング入口8周りにおけるガス状流体の滞留時間を増大させることができる。
【0034】
したがって、流体の少なくとも一部分は、プレナム57内周りでサンプリング入口8を包囲する湾曲した、例えば少なくとも部分的に円形のフロー経路を流れてからフロー出口56からプレナム57を抜け出ることができる。この循環フローは、入口及び出口を通過するガス状流体のバルクフロー方向に交差する、例えば直交する回転軸線の周りに循環することが
図7から分かる。
【0035】
この循環フローは、サンプリング入口8周りの遠心効果をもたらすことができ、この遠心効果は、フローが搬送する粒子をプレナム57の壁に向けて、例えば、サンプリング入口8から遠ざかる移動をさせようとする。このことは、循環フローの回転軸線に向かう領域であって、ガス状流体における粒子比率がガス状流体フロー他の領域、例えば、プレナム57の壁により近接する流体フロー領域に比べて低減される領域を生ずる。しかし、フローによって搬送される蒸気は、プレナム57周りに自由に拡散し、この低減領域内に留まる。したがって、本発明方法は、この低減領域からガス状流体のサンプルを収集して、サンプリング入口8を詰まらせる又はこのサンプリング入口に進入して検出器を汚染することがあり得る粒子の数を減らすステップを備える。
【0036】
図6に示したラインA及びサンプリング容積部52に沿う粒子の分布を
図8におけるプロットグラフで示す。
図8に示すように、粒子の数(例えば、単位容積当たりの数)は壁の表面からの距離の関数として減少する。例えば、粒子の数は、サンプリング容積部52に向かうにつれて、また湾曲部の内側58から離れるにつれて低下する。上述したように、遠心効果が粒子をプレナム57の壁に向う方向に移動させ、またこの運動はサンプリング容積部52に向かう壁からの距離とともに粒子の数を変化させる。
図8に示す粒子分布は、壁の表面とサンプリング容積部52との間における領域に比べて湾曲部の内側58とサンプリング容積部52との間における領域の方が粒子の数がより少ないことを示す。粒子理論に固執したくはないが、壁の表面とサンプリング容積部52との間における流体の一部が湾曲部の内側58とサンプリング容積部52との間における領域に通過し、したがって、湾曲部の内側58とサンプリング容積部52との間における流体はより大きい遠心効果を受けており、またひいては、より少ない粒子を含むことになり得る。しかし、このような分布は単なる例であることを理解されたい。
【0037】
壁の曲率は、粒子が検出器入口1の内面に衝突するのを減らすよう選択することができる。例えば、壁の曲率半径は、流体フローに対して滑らかな経路を付与するよう壁の異なる部分で相違させることができる。例えば、壁のフロー入口54に隣接する第1部分及び壁のフロー出口56に隣接する第2部分の双方は、壁における第1部分を第2部分に接合する部分よりも大きい曲率半径にする。この曲率半径変化は、吸入ガス状流体のフロー方向に緩やかな変化をもたらす。このことは、ガス状流体によって搬送される粒子及びエアロゾルがプレナムの壁に衝突しまた堆積する傾向を減少することができる。
【0038】
図9は、
図6につき上述したような検出器入口の実施例を示す。しかし、この
図9においては、フロー入口54はフロー出口56と同一向きに整列する。フロー出口56は、しかし、フロー入口54からはオフセットしている。
図9に示す実施例に関しては、フロー出口56は、フロー入口54から側方に、例えば、流体フローの方向に交差する方向に離間する。この実施例において、流体の少なくとも一部分はサンプリング入口8を取り囲むプレナム57周りの円として流動してから、フロー入口54に平行な方向にフロー出口56を経由してプレナム57から退出することができる。
図9に示す実施例において、フロー出口56は、プレナム57のフロー入口54とは反対側に配置する。したがって、ガス状流体は、フロー入口54からプレナム57に流入するのと同一方向にフロー出口56を経由してプレナム57から流出することができる。しかし、他の実施形態において、フロー出口56はプレナム57のフロー入口54と同一側に配置することもできる。例えば、プレナム57はU字屈曲の曲げ部に配置することができる。これら及び他の実施例は、ガス状流体フローの方向に交差する軸線周りに回転する循環フローを生ずる。
【0039】
検出器入口の他の構成も設けることができる。プレナム57内における流体の循環フローはフロー方向に整列する軸線周りに循環することもできる。このことは
図3につき上述した漏斗状構成によって得ることができる。他の構成も使用することができる。例えば、フローの第1部分をフローの第2部分に混合を生ずるプレナム57は、流体がシリンダに沿って流動できるよう構成した該シリンダのような導管又はフロー通路を有することができる。
【0040】
このような構成において、循環フローの回転軸線は、フロー通路の長手方向軸線に整列し得る。このような1つの実施例を
図10に示す。
【0041】
図10に示す実施例において、第1導管及び第2導管からの加熱された流体が混合される混合領域をフロー通路に配置する。フロー通路72は、ガス状流体のフロー方向に平行な軸線周りに回転する循環フローを生ずるよう構成する。上述したように、循環フローは、フロー内粒子の空間的分布に変化をもたらし、フロー通路72の壁70に近づくにつれて比較的より多くの粒子がフローに搬送される。粒子数はフロー通路72の壁70からの距離の関数としても減少する。
【0042】
より詳細には、
図10は、フロー通路72、フロー入口64、第1フロー出口66、及び第2フロー出口68を備える検出器入口を示す。フロー通路72は、壁70と、フロー通路72の壁70の内面に配列したフィン62の形式であるフロー導向器と、サンプリング容積部74と、及びサンプリング入口8とを有する。
図12は、
図10のマークBを付けたラインにおけるフロー通路72の断面を示す。
【0043】
図10及び
図12に示す実施例において、フロー通路72は、材料ブロックを切削しまた材料で囲まれるチャンネル、又はパイプ若しくはチューブのような導管から構成する。フロー通路72はバルクフロー方向を画定する。フロー入口64はこのフロー通路72の一部を構成する。第1フロー出口66及び第2フロー出口68は、フロー通路72に沿ってフロー入口64から離間し、通路の管体軸線から遠ざかる方向に延在する。例えば、フロー出口66、68はフロー通路72から分岐することができる。例えば、フロー通路72に対して角度をなすよう配置することができる。これらフロー出口はフロー通路72に対して交差する(例えば、直交する)よう配列するが、幾つかの実施形態において、フロー通路72の方向に少なくとも部分的に整列することができる。例えば、フロー通路72及びフロー出口は、Y字状に配列することができる。
図10に示す実施例において、第1フロー出口66及び第2フロー出口68は管体から異なる方向に延在することができ、例えば、第1フロー出口66は、第2フロー出口68によって搬送される流体フローとは反対方向にガス状流体フローを搬送するよう配列することができる。
【0044】
図10において、フロー導向器は、フロー通路72の内壁70から突出するフィン62を有する。フィン62は、フロー通路72の周りにかつフロー通路に沿うねじ山のような螺旋状経路に整列することができる。フロー導向器として作用するため、このフィン(又はこれらフィン)62は、フロー通路72を流動する流体の少なくとも一部分の経路に存在する。図示の実施例において、フロー導向器はフロー通路72の壁70に結合した2つのフィン62の形式とする。単独のフィン又はそれより多い数のフィン62を使用することもできる。フィン62は、フロー通路に沿う螺旋状(例えば、コルク栓抜き状)経路の少なくとも一部分に整列する薄く細長い構体を有する限り、連続的である必要はない。このフィン62は、螺旋軸線がフロー通路72に整列する螺旋状経路に沿ってフロー通路の内壁によって担持することができ、例えば、螺旋状経路はフロー通路72と同軸状にすることができる。フィン62は、フロー通路72の壁70に固着することができ、例えば、フロー通路72にはフィン62を一体に形成することができる。フィン62はフロー通路72の壁70から少なくとも10ミクロン突出することができる。
【0045】
フロー通路72はフロー入口64からサンプルを受け入れるよう構成する。フロー通路72の壁70の内面におけるフィン62は、流体のフロー方向を変化させ、フロー通路72のバルクフロー方向に整列する回転軸線を有する循環フロー63で流体が流動するよう構成する。サンプリング入口8はサンプリング容積部74からサンプルを採取するよう配列し、例えば、
図10に示すように、サンプリング入口8は、サンプリング容積部74の中心に配置することができる。
【0046】
図12は
図10のフロー通路72の断面図を示す。
図12は、フロー通路72に同軸状であり、また流体20のフローによって取り囲まれるサンプリング容積部を示す。フロー経路63は、
図10及び
図12において、壁70の内面を流動しかつフィン62で反時計方向に導かれる流体の循環フローにより示す。
【0047】
動作にあたり、ガス状流体はフロー入口64から吸入され、フロー通路72を経由して第1フロー出口66及び第2フロー出口68から流出する。フロー通路72の内壁70から突出するフロー導向器は、フロー通路におけるガス状流体フローの方向を変化させる。流体がフロー通路に沿って移動するとき、方向変化が流体に回転を付与し、これにより例えば、銃身に沿って移動する銃弾に回転運動を誘導する銃身旋条痕のように、流体フローはフロー通路の軸線を取り囲む。ガス状流体は、フロー通路の軸線周りに回転し続けるとともに、第1フロー出口66及び第2フロー出口68に向かって移動する。この後、ガス状流体は第1フロー出口66及び第2フロー出口68を経由してフロー通路から退出する。
【0048】
図10及び
図12に示す循環流体フロー経路63はフロー通路に沿うフロー方向に対応する軸線を有する螺旋状フロー経路である。このフロー経路は、フィン62の配列によって付与することができる。付加的に、又は代替的に第1導管(
図1参照)及び第2導管のうち少なくとも一方からのガス状流体のフローは、例えば、ジェット又はノズルを用いてフロー通路72でこのような経路63に沿って導向させることができる。
図10及び
図12に示す構成において、フィン62は、フロー通路の表面に配列され、フロー通路の軸線に同軸状の軸線を有する螺旋パターンを形成するよう指向性を与えられる。したがって、流体は、フィン62の指向性に追随してフロー通路72に沿う螺旋状経路で導向される。
図10及び
図12に示す実施例において、フィンは、流体フローに対して反時計方向の螺旋をなすよう配列され、したがって、流体がフロー通路に沿って流動するとき、流体フィンは流体を反時計方向に回転させる。
【0049】
フロー通路における流体の循環フローは、流体が搬送する粒子の空間的分布を変化させることができる。上述したように、循環フローは、粒子をフロー通路72の壁に向けて移動させる循環フローの遠心効果により、サンプリング容積部74に進入することなくサンプリング入口8を通り越して搬送される粒子の相対的比率を増加させることができる。壁に向かう粒子の運動は、サンプリング容積部における粒子比率をより低下させ、したがって、サンプリング容積部における蒸気の比率を増加させる。
【0050】
図10に示す実施例において、流体循環フローの性質はフィン62の配列によって決定される。例えば、フロー通路72の所定長さあたりフロー通路72の軸線周りを流体が回転する回数は、フロー通路72の壁70におけるフィン62の位置によって決定される。フロー通路72の長さに沿うより多くの回転数を有するフィン配列、例えば、より小さいピッチの螺旋となるよう配列されるフィンによれば、ガス状流体がフロー通路の長さに沿って移動するとき、フロー通路の軸線周りにより多くの回転サイクルを流体にもたらすことができる。
【0051】
ラインB及びサンプリング容積部74に沿う粒子の分布を
図11におけるプロットグラフで示す。
図11に示すように、粒子の数はフロー通路の壁70からサンプリング入口に至るまで減少する。上述したように、遠心効果が粒子を壁70に向って移動させ、またこのことがフロー通路72の軸線付近に位置するサンプリング容積部74における粒子の数を減少させる。
【0052】
サンプリング入口8は検出器入口1に接続し、またサンプリング入口8周りのサンプリング容積部74,52から流体のサンプルを収集し得るようにする。サンプラー(図示せず)は、サンプリング容積部74,52よりも少量の選択された流体量をサンプリング入口8から吸引して分析装置にサンプルを供給するよう構成する。サンプラーは、蒸気をサンプリング容積部74、52からサンプリング入口8を経由して分析装置に送給するよう構成された電気機械的アクチュエータ、例えばソレノイド駆動アクチュエータ及び/又は機械的ポンプを備えることができる。
【0053】
図4に示すように、幾つかの実施例において、第1導管は、フィルタ50及びヒータ18の双方を有することができる。流体は、導管内に流入し、ポートからフィルタ50を経由してヒータ18に向かって流動する。この後、流体はヒータを経由して検出器入口に移行する。フィルタは、フィラメントのグリッド又は入り組んだニットのようなメッシュから構成することができる。このようなフィルタは、少なくとも0.5ミクロンの粒径を有する粒子の通過を阻止するよう構成することができる。
【0054】
ガス状流体フローの加熱された第1部分は、混合領域6内に流入し、またガス状流体フローの第2部分と混合して混合流体の温度をガス状流体フローの第2部分の温度よりも上昇させる。この混合は、
図10に示すフロー通路72で生ずることができる。フィン62の他に付加的に、又はフィン62に代わるものとして、フローの第1部分及びフローの第2部分のうち一方又は双方は、フロー通路72の壁70周りの循環フローを生ずるよう選択された方向にフロー通路72内に供給することができる。例えば、フローの一方又は他方の部分は、対角線方向(例えば、フロー通路72の軸線に対して角度をなす方向)に、円筒形とすることができるフロー通路72の内壁70に沿って供給することができる。したがって、フローは、通路に沿うバルクフロー方向に整列する軸線周りに循環して、通路に沿う螺旋状のものとなり得る。
【0055】
上述したように、第1導管及び第2導管はガス状流体フローをフロー通路72に供給することができる。フローの第1部分が加熱されるため、フローの第2部分における温度上昇はガス状流体フローの第2部分によって搬送されるエアロゾルの気化をもたらす。フロー通路72(又は場合によってはプレナム57)周りの循環フローは2つの目的に供する。一方では、サンプリング容積部74の領域におけるガス状流体の滞留(ドウェル)時間を少なくとも限界まで増大させ、また他方では、サンプリング入口8を取り囲む際に遠心効果を生じてサンプリング入口8の汚染又は詰まりを回避するよう作用することができる。
【0056】
図1に示す実施例において、ヒータ18はフィラメントヒータとし、第1導管2におけるフィラメントヒータを通過するガス状流体フローを加熱するよう構成する。他の種類のヒータを使用することもできる。ガス状流体の気化温度はガス状流体の組成に基づく。例えば、より低い温度で気化する化学物質を含む流体は、ガス状流体におけるエアロゾルから蒸気を発生するため混合領域6の温度がより低い温度であることを必要とする。混合領域における温度は、ガス状流体フローの第1部分における流率及び/又はガス状流体フローの第1部分における温度を変化させることによって制御することができる。
【0057】
一実施例において、コントローラをヒータ18に接続してヒータの加熱電力を制御し、ガス状流体フローの第1部分における温度を変化させるようにする。コントローラは、さらに、第1導管における流体の流率を制御するよう構成することもできる。流率を変化させることは、流体がヒータに接触する時間量を変化させてガス状流体の温度を変化させ、また第1導管から混合領域に進入する流体量を変化させる。第1導管から混合領域に進入する流体量を増加させることは、第1導管からの流体における第2導管からの流体に対する比率を増加させ、また混合領域の流体温度を上昇させる。
【0058】
図5は分光分析装置(spectrometer)28を有する装置22を示す。分光分析装置28は
図1の検出器入口1に接続する。
【0059】
図5において、分光分析装置28は、サンプリング入口8により検出器入口1に接続したイオン移動度分光分析装置と、及びサンプルがイオン化され得る反応領域46とを備える。サンプリング入口8は、入口から分光分析装置28へのサンプルを採取するよう動作することができる。
【0060】
図5に示すように、ゲート電極アセンブリ42は反応領域46をドリフトチャンバ36から分離することができる。ドリフトチャンバ36は、ゲート電極アセンブリ42側とは反対側のドリフトチャンバ36の端部近傍に、検出器30有する。ドリフトチャンバ36は、さらに、ドリフトガス入口32と、ドリフトチャンバ36に沿って検出器30からゲート42に向かうドリフトガスのフローを生ずるよう配置されたドリフトガス出口40とを有する。
【0061】
サンプリング入口8は、入口1から分光分析装置28の反応領域46への空気をサンプリングするよう動作することができる。反応領域46は、サンプルをイオン化するイオン化装置44を有する。
図5に示す実施例において、イオン化装置44は、電極から構成なるコロナ放電イオン化装置を有することができる。
【0062】
ドリフトチャンバ36は、ドリフトチャンバ36に沿って電界を付与し、ドリフトガスのフローに抗してイオンを検出器30に向けて移動させるためのドリフト電極38,34を有することができる。
【0063】
一実施例において、コントローラ24は、入口から選択した時間的期間中に少なくとも1つの初期サンプルを採取するようサンプリング入口8を制御し、また初期サンプルを分析して残留物が存在するかの検査するよう構成する。この検査基づいてコントローラ24は、選択した時間的期間を長くしたり又は短縮したりすることができる。
【0064】
図13はサンプリング入口8を介して検出器入口51に接続した検出器86を示し、また
図14はサンプリング入口8を介して検出器入口60に接続した検出器86を示す。検出器86は、サンプリング入口8を介して流体のサンプルを採取するよう構成したサンプラー82と、及び分析装置84とを有する。
【0065】
分析装置84は、サンプリング入口8から受け入れたサンプルを分析する、例えば、サンプルにおける関心対象の1つ又はそれ以上の化学物質を決定するよう構成する。
図13及び
図14に示す分析装置84は質量分析装置を有する。質量分析装置は、イオン化装置と、イオン加速器と、ビーム合焦器と、磁石と、及び蒸気のサンプルに対して質量分光分析を行うよう構成されたファラデー捕集器とを有することができる。
【0066】
図13及び
図14に示すように、コントローラ80を接続して、分析装置、フロー供給器及びサンプラー82を制御する。コントローラ80は、プロセッサ、及び検出器86を動作させる命令を記憶するメモリを有することができる。
【0067】
図15及び
図16は、分析装置がイオン移動度分光分析装置90を有する検出器86を示すが、それ以外は
図13及び
図14に示す装置と同一である。
図15のイオン移動度分光分析装置90はサンプリング入口8によって検出器入口51に接続する。サンプラー82は、サンプリング入口8から流体のサンプルを採取し、またイオン移動度分光分析装置90に供給するよう構成される。
図13及び
図14の実施例と同様に、コントローラ80は、プロセッサ、及び検出器86を動作させる命令を記憶するメモリを有することができる。さらに、
図13及び
図14の実施例と同様に、サンプラー82は、蒸気をサンプリング容積部52、74(
図6、
図7、
図8、
図9、
図10、
図11及び
図12に示すような)からサンプリング入口8を経由して分析装置に送給するよう構成された電気機械的アクチュエータ、例えばソレノイド駆動アクチュエータ及び/又は機械的ポンプを備えることができる。
【0068】
ゲート電極アセンブリ96は反応領域58をドリフトチャンバ104から分離することができる。ゲート電極アセンブリ96は、ブラッドベリー-ニールセン・ゲート又はティンダル-パウエル・ゲートを生ずるよう配列することができる少なくとも2つの電極のアセンブリを有することができる。ドリフトチャンバ104は、ゲート電極アセンブリ96側とは反対側のドリフトチャンバ104の端部近傍に、イオンを検出するためのコレクタ98を有することができる。ドリフトチャンバは、さらに、ドリフトガス入口106と、ドリフトチャンバ104に沿ってイオンコレクタ98からゲート96に向かうドリフトガスのフローを生ずるよう配置されたドリフトガス出口108とを有する。サンプラー82はコントローラ80によって動作して、サンプリング容積部52,74(
図6、
図7、
図8、
図9、
図10、
図11及び
図12に示すような)からサンプリング入口8経由で流体を採取することができる。サンプラー82は、さらに、採取したサンプルを分光分析装置68の反応領域102に供給するよう動作することができる。
図15及び
図16に示す反応領域は、サンプルをイオン化するイオン化装置100を有する。イオン化装置100は、コロナ放電イオン化装置から構成することができる。ドリフトチャンバ104は、ドリフトチャンバ104に沿って電界を付与し、ドリフトガスのフローに抗してイオンをコレクタ98に向けて移動させるためのドリフト電極92,94を有することができる。
【0069】
図15及び
図16の装置は2つのドリフト電極92,94を有するものとして示すが、幾つかの実施形態は、2つよりも多いドリフト電極を有することができる。
【0070】
上述したように、本発明検出器入口は、塵埃及び汚染物質が行き渡っている厳しい環境内で使用できる可搬式デバイスに特別な用途を見出している。これら検出器入口は、
図13及び
図14の質量分光分析装置、及び
図15及び
図16のイオン移動度分光分析装置のような種々の分析装置、他の種類のアナライザ、分光分析装置及び/又はクロマトグラフィ装置に使用することができる。さらに、検出器入口51、60は異なる構成を有することができる。
【0071】
上述した幾つかの実施例において、フロー検出器は、単独フロー入口及び単独フロー出口を有する。他の実施例において、フロー検出器は、1つより多いフロー入口及び1つより多いフロー出口を有することができる。一実施例において、フロー検出器は、フロー入口の数よりも多い数のフロー出口を有する。これら入口及び出口のフロー断面積は、フロー出口の総フロー断面積がフロー入口の総フロー断面積よりも大きくなるよう選択することができる。
【0072】
上述した実施例において、フロー検出器の表面は、流体に循環フローを誘発するよう流体フローを導向させる。フロー検出器は、さらに、付加的流体をフローに導向させて循環フローを生成するよう構成した付加的流体経路を有することができる。この付加的流体経路は、流体をフロー導向器に導入してガス状流体の循環フローを生成するよう流体のフロー経路を変化させるよう配列した1つ又はそれ以上の流体ジェットを有することができる。
【0073】
図10及び
図12に示す実施例において、フィン62はフロー通路72の壁70に螺旋状構成をなすよう配置し、流体フローがフロー通路72に沿って螺旋状経路に存在するようにする。フィン62は螺旋状パターン以外のパターンで表面に配置して、流体のフロー通路72に沿う螺旋状でない循環運動を誘発することができ、例えば、フィン62に少なくとも部分的にテーパを付け、例えば、円錐状スパイラルにすることができる。フィン62は流体を反時計方向に導向させるよう配列するが、フィン62は、さらに、流体が時計方向螺旋状経路で流動するよう時計方向螺旋状パターンで配列することができる。
【0074】
図10及び
図12に示す実施例において、フィン62はフロー通路72の壁70に配列する。螺旋状パターンは螺旋の長さに沿って均一ピッチを有することができる。螺旋は、フロー通路72の少なくとも一部、例えば、フロー通路72の全部に沿って延在することができる。螺旋状フィン62のピッチは、さらに、フロー通路72の長さに沿って変化させることができ、例えば、フィン62のピッチは、フロー通路72の一部分で減少させ、これにより循環フローは、流体がフロー通路72の所定長さに対してフロー通路72の軸線周りにより多くの回転を受けるものとなるようにすることができる。
【0075】
図10及び
図12に示す実施例において、フロー導向器は、フロー通路72の壁70から突出するフィン62を有する。フロー導向器は、さらに、流体を循環経路に導向させるようフロー通路72の壁70に設けた溝を有することができ、例えば、溝は、フロー通路72の壁70における、例えば、ナットにおけるねじ山のような窪み領域とすることができる。
【0076】
図10及び
図12に示す実施例において、フィンはフロー通路70の壁70から突出する。フィンは、さらに、フロー通路の他の部分から突出することもでき、例えば、フィンは、フロー入口及び/又はフロー出口からフロー通路内に突入することができる。
【0077】
図10及び
図12に示す実施例において、第1フロー出口66及び第2フロー出口68はフロー通路72を横切るよう配置する。第1フロー出口66及び/又は第2フロー出口68はフロー方向に少なくとも部分的に整列することもでき、例えば、第1フロー出口66及び/又は第2フロー出口68はフロー通路72に対して45゜の角度をなす向きに指向させることができる。
【0078】
図10及び
図12に示す実施例において、フロー通路72は20mm未満の幅とすることができる。フロー通路は、例えば10mm未満の幅、例えば5mm未満の幅、例えば2mm未満の幅、例えば1.5mm未満の幅、例えば0.75mm未満の幅、例えば0.5mm未満の幅、例えば0.4mm未満の幅、例えば0.3mm未満の幅、例えば0.2mm未満の幅、例えば0.1mm未満の幅とすることができる。
【0079】
図10及び
図12に示す実施例において、フロー通路72は、少なくとも10ミクロンの幅、例えば少なくとも0.1mmの幅とすることができる。フロー通路は、例えば少なくとも0.2mmの幅、例えば少なくとも0.3mmの幅、例えば少なくとも0.4mmの幅、例えば少なくとも0.5mmの幅、例えば少なくとも0.75mmの幅、例えば少なくとも1mmの幅、例えば少なくとも1.5mmの幅、例えば少なくとも2mmの幅、例えば少なくとも5mmの幅とすることができる。
【0080】
検出器入口は、さらに、ガス状流体を循環フロー周りに移動させるムーバーを備えることができる。このムーバーは、ジェットのようなガス状流体の付加的フローをフロー通路72又はプレナム57の壁70の内面周りに吹き込むよう構成することができる。
【0081】
検出器入口は、さらに、プレナム57内のガス状流体を加熱するヒータを備えることができる。このヒータは、流体フロー、例えばガス状流体を加熱してフローが搬送するエアロゾルを気化するよう構成することができる。一実施例において、ヒータはフロー入口、フロー通路72及び/又はプレナム57に位置決めすることができる。ヒータは、フィラメントヒータのような抵抗ヒータ、例えば、メンブレインヒータとすることができる。ヒータの例としては、赤外線光源もある。
【0082】
図6及び
図9に示す実施例において、フロー入口54はフロー出口56よりも小さいフロー断面積を有する。さらに、フロー入口54はフロー出口56と同一のフロー断面積を有することもできる。幾つかの実施例において、フロー入口はフロー出口56よりも大きいフロー断面積を有することができる。
【0083】
図6及び
図9に示す実施例において、循環フローはバルクフロー方向に交差する回転軸線周りに循環する。循環フローは、さらに、循環フローはバルクフロー方向に交差する以外の、例えばバルクフロー方向に整列する回転軸線周りに循環することができる。
【0084】
本明細書に記載の検出器入口は、ホース又はパイプのような導管の構成として説明する。しかし、上述したように、チャネル、及び材料ブロックに切削して材料によって囲まれるプレナム57によって設けることもできる。このような実施形態において、本明細書に記載のフロー通路72及び入口は円形断面を有していないことがあり得る。
【0085】
さらに、当然のことながら、本発明の任意な態様として説明及び規定した様々な特徴の特別な組合せも独立的に実装及び/又は供給及び/又は使用することができる。他の実施例及び変更例も本発明明細書の記載背景から当業者には明らかであろう。
【0086】
上述の実施例において、第1導管及び第2導管からのガス状流体フローは、検出器入口に沿ってサンプリング入口8を通り越して排出口12に至る流体フローを誘導する。検出器に沿うガス状流体フローは、空気ムーバーによって誘導する、例えば、ポンプ、ファン、又はベローズのような入口に空気フローを引き込むのに適した任意のデバイスによって誘導することもできる。第1導管2及び第2導管4は、それぞれ材料ブロックを切削しまた材料で囲まれるチャンネルによって設けることができ、例えば、管状フロー経路を得るため、これら導管は、パイプ若しくはチューブ、例えば、ホースによって設けることもできる。