特許第6854821号(P6854821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854821
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】マルチアクセス手技中塞栓保護デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/01 20060101AFI20210329BHJP
   A61B 17/22 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   A61F2/01
   A61B17/22
【請求項の数】24
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2018-534075(P2018-534075)
(86)(22)【出願日】2016年12月20日
(65)【公表番号】特表2019-501712(P2019-501712A)
(43)【公表日】2019年1月24日
(86)【国際出願番号】US2016067686
(87)【国際公開番号】WO2017116828
(87)【国際公開日】20170706
【審査請求日】2019年12月6日
(31)【優先権主張番号】62/272,643
(32)【優先日】2015年12月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/297,053
(32)【優先日】2016年2月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/294,018
(32)【優先日】2016年2月11日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/137,924
(32)【優先日】2016年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514171463
【氏名又は名称】エンボライン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クレシンスキ, スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル, スコット エム.
(72)【発明者】
【氏名】ベルソン, アミル
【審査官】 山口 賢一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2015/0066075(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0287668(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0249568(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/01
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塞栓保護デバイスであって、前記デバイスは、
管状多孔性メッシュ材料を含むフィルタ本体であって、前記管状多孔性メッシュ材料は、開放上流端を有する上流チャンバと、開放下流端を有する下流チャンバと、前記上流チャンバと前記下流チャンバとの間の場所における自己シールポートとを画定し、前記ポートは、それを通して通過する少なくとも1つの作業カテーテルに適合するように構成されている拡張可能開口部を含む、フィルタ本体と、
前記フィルタ本体の前記下流端の周辺に結合されている支持体と、
位端を有するカテーテル本体であって、前記支持体は、前記カテーテル本体の前記遠位端を通して挿入される、カテーテル本体と、
腔を有す送達シースであって、前記管腔は、前記フィルタ本体を受容し、前記フィルタ本体を半径方向に拘束するように構成されてい、送達シースと
を備え、
記フィルタ本体を拘束から解放し、かつ、前記フィルタ本体前記フィルタ本体の下流端を取り囲む支持体とともに半径方向に拡張することを可能にするように、前記送達シースが前記カテーテル本体に対して近位に後退させられる一方で、前記カテーテル本体は、静止して保持されることが可能であり、前記支持体および前記フィルタ本体を前記送達シースの管腔の中に戻すように引動するように、前記カテーテル本体は、前記送達シースに対して近位に後退させられること可能であり、これにより、前記フィルタ本体が前記管腔の中に引き込まれることに先立って閉鎖されるように、前記支持体は、前記フィルタ本体の前記下流端を半径方向に狭くする、塞栓保護デバイス。
【請求項2】
前記ポートは、前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分を備え、前記壁部分は、前記送達シースからの半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳または閉鎖する請求項1に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項3】
前記壁部分は、下流側上に円錐形開口部を有するポートを形成するように反転する、請求項に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項4】
前記管状多孔性メッシュ材料の反転された壁部分は、前記ポートの前記拡張可能開口部を画定する円錐形開口部の頂点から下流方向に延在する弾性的に閉鎖されるスリーブ部分を有する、請求項に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項5】
前記管状多孔性メッシュ材料の前記壁部分は、前記ポートの前記拡張可能開口部を画定するように狭くされている、請求項に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項6】
前記支持体は、前記フィルタ本体の前記下流端の周辺の周囲に固着されているループを含む、請求項1に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項7】
前記カテーテル本体は、前記支持体に取り付けられているテザーを受容する少なくとも1つの展開管腔を有する、請求項に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項8】
記フィルタ本体を前記送達シースの管腔の中に引き込むことに先立って、前記テザーが、前記フィルタ本体の開放下流端を閉鎖されるように引き込むことを可能にするために、前記ループは、輪なわとして構成されている、請求項に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項9】
前記支持体は、足場を含み、前記足場は、前記フィルタ本体の前記下流端の周辺に結合されている開放端と、前記カテーテル本体の遠位端に結合されている締付された端部とを有する請求項1に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項10】
前記カテーテル本体は作業カテーテル管腔を少なくとも含み、前記作業カテーテル管腔は、それを通して作業カテーテルを前記フィルタ本体の前記開放下流端の中へと前進させ前記ポートを通るように前進させるためのものである、請求項1に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項11】
前記カテーテル本体は、前記支持体に取り付けられているテザーを受容す展開管腔を少なくともさらに含む、請求項10に記載の塞栓保護デバイス。
【請求項12】
管腔塞栓捕捉デバイスであって、
円筒形の壁を有する管状多孔性メッシュ材料を含むフィルタ本体であって、前記管状多孔性メッシュ材料は、開放上流端を有する上流チャンバと、開放下流端を有する下流チャンバと、前記上流チャンバと前記下流チャンバの間の場所において前記円筒形壁内に一体的に形成されている第1の自己シールポートとを少なくとも画定し、前記第1のポートは、それを通して通過する少なくとも1つの作業カテーテルに適合するように構成されている拡張可能開口部を含み、前記下流チャンバは、前記第1のポートの下流端と前記フィルタ本体の前記下流端との間にあり、前記上流チャンバは、前記第1のポートの上流端と前記フィルタ本体の前記上流端との間にある、フィルタ本体と、
前記フィルタ本体の前記下流端に結合されている遠位端を有するカテーテル本体
を備える、管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項13】
前記多孔性メッシュ材料は、所定のサイズを上回る塞栓が通過することを防止するように選定される細孔サイズを有する編成繊維、織成繊維、不織成繊維、フィラメント、またはワイヤのファブリックを含む、請求項12に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項14】
前記ファブリックは、前記管状多孔性メッシュの少なくとも一部にわたって二重壁である、請求項13に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項15】
前記多孔性メッシュ材料は、弾性金属、ポリマー材料、可鍛性材料、塑性的に変形可能な材料、形状記憶材料、または、これらの組み合わせから作製されている、請求項13に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項16】
前記多孔性メッシュ材料は、その表面上に血栓形成防止コーティングを有する、請求項13に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項17】
前記多孔性メッシュ材料は、約1mm〜約0.1mmの範囲内の細孔サイズを有する、請求項13に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項18】
前記第1のポートは前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分を含み、前記壁部分は、半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳または閉鎖する請求項12に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項19】
前記壁部分は、下流側上に円錐形開口部を有するポートを形成するように反転する、請求項18に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項20】
前記管状多孔性メッシュの反転された壁部分は、前記ポートの拡張可能開口部を画定する円錐形開口部の頂点から上流方向に延在する弾性的に閉鎖されるスリーブ部分を有する、請求項19に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項21】
前記管状多孔性メッシュ材料の前記壁部分は、前記ポートの拡張可能開口部を画定するように半径方向に内向きに締付されている、請求項18に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項22】
前記管状多孔性メッシュ材料は、前記第1のポートから縦方向に離間されている第2のポートを少なくとも含み、前記第2のポートは前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分を含み、前記壁部分は、半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳または閉鎖する請求項18に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項23】
前記フィルタ本体は、前記第1のポートの下流端と前記第2のポートの上流端との間に中心開放円筒形チャンバを有する、請求項22に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
【請求項24】
凝血塊回収システムであって、
請求項23に記載される管腔塞栓捕捉デバイスと、
凝血塊捕捉遠位端を有する凝血塊回収作業カテーテルであって、前記カテーテルは、下流方向において回収された凝血塊を、前記フィルタ本体上の開放上流端を通して、前記中心チャンバの中に引き込むように構成されている、カテーテル
を備える、凝血塊回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国出願第62/272,643号(代理人管理番号41959−711.101),出願日2015年12月29日;第62/294,018号(代理人管理番号41959−711.102),出願日2016年2月11日;第62/297,053号(代理人管理番号41959−712.101),出願日2016年2月18日、および米国特許出願第15/137,924号(代理人管理番号41959−712.201),出願日2016年4月25日の利益を主張するものであり、これらの全開示は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
また、本願の開示は、共有の同時係属中の米国特許出願第14/537,814号(代理人管理番号41959−707.201),出願日2014年11月10日、および米国特許出願第13/735,864号(代理人管理番号41959−705.201),出願日2013年1月7日の開示に関連しており、これらの全開示は、参照により本明細書中に援用される。本段落に列挙されている出願からの優先権が主張されている。
【0003】
(1.発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関し、より具体的には、心臓外科手術および介入心臓病学手技中に患者の大動脈弓血管に塞栓保護を提供するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0004】
脳塞栓症は、心臓外科手術、心肺バイパス術、およびカテーテルベースの介入心臓病学および電気生理学手技の公知の合併症である。血栓、アテローム、および脂質を含む塞栓性粒子が、外科手術またはカテーテル操作によって遊離した状態になり、血流に進入し、脳または他の下流の重要臓器に「塞栓を起こし」得る。脳塞栓症は、神経心理学的障害、脳卒中、さらには死につながり得る。塞栓解放の下流の他の臓器もまた、損傷し、機能低下または臓器不全をもたらし得る。
【0005】
本発明の特に着目すべきこととして、いくつかの手技が、患者の大動脈弓にわたって前進されるカテーテルを使用して、大動脈弁に対して実施される。大動脈弁上の石灰化を途絶させるために、弁形成手技が、長年にわたって実施されており、大動脈弓にわたって前進される高圧バルーンを使用する。そのような手技は、大脳動脈に塞栓解放の有意なリスクを提示する。より最近では、経カテーテル大動脈弁埋込(TAVI)手技または経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)手技としても公知である、経皮的大動脈弁置換(PAVR)手技が、承認され、その使用が、普及してきている。多くの患者利益を提供するが、それらもまた、特に、大動脈弓にわたって導入されるカテーテルを用いて経血管的に実施されるとき、塞栓解放の有意なリスクを提示する。
【0006】
これらおよび他の手技における塞栓症の防止は、患者に利益を与え、多くの外科手術手技の転帰を向上させるであろう。潜在的な塞栓が、多くの場合、1つを上回るアクセス部位および1つを上回る手技デバイスを伴うカテーテルベースの手技中に遊離することを考慮して、複数のカテーテルを用いて診断および介入手技を実施するために、保護デバイスを通して、またはそれを越えて複数のアクセス経路を提供する塞栓保護システムを展開することが、有利であろう。血管造影診断カテーテル、経カテーテル弁送達システム、および電気生理学カテーテル等と併用される、手技を実施するために使用されているシース上に塞栓保護システムを統合することが、さらに有利であろう。
【0007】
本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2015/0066075号が、従来の塞栓保護シースアクセスデバイスの欠点のいくつかに対処する、弁形成およびTAVR手技における使用が具体的に意図される導入器シースを説明している。第‘075号シースは、塞栓保護要素を含み、フィルタ内に形成されたポートを通してシースおよび第2のカテーテルを通して造影剤または他の小さいカテーテルを前進させるために好適である。以前の塞栓保護アクセスシースに優る有意な改良を特徴とするが、第‘075号アクセスの特定の設計は、展開および回収することが困難であり得、少量の塞栓を喪失してしまう可能性があり、展開中に比較的に大きい外形を有し得る。
【0008】
したがって、大動脈弓にわたって実施される心臓および他の手技中に塞栓を防止するための改良されたデバイス、システム、および方法を提供することが、望ましいであろう。そのようなデバイス、システム、および方法は、より複雑ではない展開プロトコルを提供するべきであり、展開されているときに比較的に薄型を有するべきであり、手技中の全ての時間において信頼性のある効率的な塞栓封じ込めをもたらすべきである。これらの目的の少なくともいくつかは、本明細書に説明される本発明によって満たされるであろう。
【0009】
(2.背景技術の説明)
米国特許公開第2015/0066075号が、上記に説明された。脳塞栓症を防止するための他のフィルタおよびデバイスが、米国特許公開第2013/0178891号、第2010/0312268号、第2006/0287668号、第2005/0010246号、第2005/0283186号、第2004/0215167号、および第2003/0100940号、PCT公開第WO/2004/019817号、および米国特許第8,114,114号、第7,232,453号、第6,712,834号、第6,537,297号、第6,499,487号、第6,371,935号、第6,361,545号、第6,258,120号、第6,254,563号、第6,245,012号、第6,139,517号、および第5,769,819号に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0100940号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0215167号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0283186号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0010246号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2006/0287668号明細書
【特許文献6】米国特許出願公開第2010/0312268号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2013/0178891号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2015/0066075号明細書
【特許文献9】米国特許第5,769,819号明細書
【特許文献10】米国特許第6,139,517号明細書
【特許文献11】米国特許第6,245,012号明細書
【特許文献12】米国特許第6,254,563号明細書
【特許文献13】米国特許第6,258,120号明細書
【特許文献14】米国特許第6,361,545号明細書
【特許文献15】米国特許第6,371,935号明細書
【特許文献16】米国特許第6,499,487号明細書
【特許文献17】米国特許第6,537,297号明細書
【特許文献18】米国特許第6,712,834号明細書
【特許文献19】米国特許第7,232,453号明細書
【特許文献20】米国特許第8,114,114号明細書
【特許文献21】国際公開第2004/019817号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、塞栓を収集するための、特に、塞栓が腕頭動脈、左頸動脈、および左鎖骨下動脈を含む、大動脈側枝の中に解放されるリスクが存在する、大動脈弁置換、大動脈弁弁形成、および同等物を含む、患者の大動脈における介入手技の実施中の脳脈管の中への塞栓の解放を防止するための方法、システム、およびデバイスを提供する。本発明は、塞栓保護デバイス、管状フィルタ本体、および下行大動脈を通した、大動脈弓にわたる本デバイスおよびフィルタの留置のためのシステムおよび方法を提供し、典型的には、従来の片側性または両側性大腿動脈アクセスによる、下行大動脈から導入される1つ、2つ、3つ、またはそれを上回る介入および/または診断カテーテルによって、大動脈弁への同時アクセスを可能にしながら、大動脈側枝の中への塞栓解放を阻止する。
【0012】
塞栓保護デバイスは、フィルタ本体と、フィルタ本体に接続される展開カテーテル本体とを含む。フィルタ本体は、典型的には、管状多孔性メッシュ材料を含み、血流および塞栓の進入を可能にするための開放上流端と、少なくとも1つの作業カテーテルおよび通常2つまたはそれを上回る作業カテーテルの進入を同時に可能にするための開放下流端とを有する。展開カテーテル本体は、フィルタ本体の開放下流端に直接または間接的に結合され、上流および下流は、血流の方向を指し、例えば、下流は、下行大動脈に向かい、心臓および大動脈弓から離れる。少なくとも1つの自己シールポートまたは通路が、フィルタ本体の内部に提供され、展開カテーテル本体は、典型的には、少なくとも1つの管腔を有し、自己シールポートを通して診断、介入、または他の作業カテーテルを導入するための管状フィルタ本体の内部への少なくとも1つのアクセスルートを提供する。好ましくは、1つまたはそれを上回る付加的作業カテーテルが、シースを通して導入される第1のカテーテルと同時に、またはそれと連続的に同一の自己シール通路を通して導入され得る。付加的自己シールまたは他のカテーテルアクセスポートが、フィルタ本体を通して他の平行アクセスルートを提供するために含まれ得るが、自己シール通路が、典型的には、2つまたはそれを上回るカテーテルの同時通過を可能にするために十分に拡張可能である一方、いかなるカテーテルも存在しないときに塞栓開放を遮断するように閉鎖することが可能である直径を有するであろうため、通常、必要ではない。他の軸方向に整合される自己シールカテーテルアクセスポートもまた、フィルタ本体内に付加的塞栓捕捉チャンバを提供するために含まれ得る。
【0013】
本発明の第1の具体的側面では、塞栓保護デバイスが、管状多孔性メッシュ材料から形成され、開放上流端および開放下流端を有する、フィルタ本体を備える。自己シールポートが、端部のそれぞれから内向きに離間され、自己シールポートは、それを通して通過する少なくとも1つの作業カテーテルに適合するように構成される拡張可能開口部を含む。半径方向に圧潰可能な支持体が、フィルタ本体の下流端の周辺に結合され、遠位端を有するカテーテル本体が、半径方向に圧潰可能な支持体に結合され、「遠位」は、オペレータから離れる、すなわち、身体の外側にある本デバイスの一部からさらに離れる本デバイス上の方向を指す。同様に、用語「近位」は、オペレータにより近接する、すなわち、身体の外側にある本デバイスの一部により近接する本デバイスの方向を指す。送達シースが、フィルタ本体を受容し、半径方向に拘束するように構成される管腔を有し、したがって、カテーテル本体は、送達シースに対して遠位に前進され、フィルタ本体を拘束から解放し、フィルタ本体が、フィルタ本体の下流端を取り囲む支持体とともに半径方向に拡張することを可能にし得る。このように、カテーテル本体は、送達シースに対して遠位に前進され、近位に後退され、支持体およびフィルタ本体のアセンブリを、送達シースの管腔から、およびその中に移動させ得る。特に、送達シースから前進されるとき、支持体は、フィルタ本体の下流端の展開を補助するように開放し、送達シースの中に戻るように後退されるとき、支持体は、フィルタ本体が管腔の中に引き込まれることに先立って、フィルタ本体の下流端を圧潰するように閉鎖するであろう。
【0014】
特定の実施形態では、フィルタ本体は、ポートの下流端とフィルタ本体の下流端との間に配置される開放円筒形チャンバを有する。ポートは、管状多孔性メッシュ材料の上に壁部分を備え得、壁部分は、送達シースからの半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳する、反転する、または別様に偏向する。さらに他の特定の実施形態では、壁部分は、下流側上に円錐形開口部または基部を有するポートを形成するように反転する。例えば、管状多孔性メッシュ材料の反転された壁部分は、ポートの拡張可能開口部を画定する円錐形開口部または基部の頂点から上流方向に延在する、弾性的に閉鎖されるスリーブ部分を有し得る。
【0015】
またさらなる特定の実施形態では、半径方向に圧潰可能な支持体は、フィルタ本体の下流端の周辺の周囲に固着されるループを備え得る。ループは、カテーテル本体内の展開管腔を通過するテザーに接続され得る。ループは、テザーが、フィルタ本体を送達シースの管腔の中に引き込むことに先立って、フィルタ本体の開放端を閉鎖されるように引き込むことを可能にするための輪なわとして構成され得る。代替として、半径方向に圧潰可能な支持体は、フィルタ本体の下流端の周辺に結合される開放端と、カテーテル本体の遠位端に結合される締付された端部とを有する足場を備え得る。
【0016】
本発明のさらに他の特定の実施形態では、カテーテル本体は、少なくとも1つの作業カテーテルを受容するための管腔を含み、したがって、作業カテーテルは、管腔を通して、フィルタ本体の開放下流端の中に、次いで、ポートを通して前進され得る。カテーテル本体はさらに、半径方向に圧潰可能な支持体に取り付けられるテザーを受容するための少なくとも1つの付加的管腔を含み得る。付加的管腔もまた、他の目的のために提供され得る。
【0017】
本発明の第2の具体的側面では、管腔塞栓捕捉デバイスが、管状多孔性メッシュ材料から形成され、開放上流端、開放下流端、および端部のそれぞれから内向きに離間される少なくとも第1のポートを有する、フィルタ本体を備える。ポートは、それを通して通過する少なくとも1つの作業カテーテルに適合するように構成される拡張可能開口部を備え、フィルタ本体は、少なくとも、その下流端における開放円筒形チャンバと、その上流端における開放円筒形チャンバとを有し、ポートは、その間に配置される。塞栓捕捉デバイスはさらに、フィルタ本体の下流端に結合される遠位端を有する、カテーテル本体を備え得る。
【0018】
具体的実施形態では、多孔性メッシュ材料は、事前判定されたサイズを上回る塞栓がそれを通して通過することを防止するように選定される細孔サイズを有する編成繊維、編組繊維、織成繊維、不織成繊維、フィラメント、またはワイヤのファブリックを含む。多くの実施形態では、ファブリックは、管状メッシュの少なくとも一部にわたって二重壁であり、多孔性メッシュ材料は、弾性金属、ポリマー材料、可鍛性材料、塑性的に変形可能な材料、形状記憶材料、またはそれらの組み合わせから作製され得る。さらなる具体的場合では、多孔性メッシュ材料は、その表面上に血栓形成防止コーティングを有し得、細孔サイズは、典型的には、約1mm〜約0.1mmの範囲内であろう。例示的多孔性メッシュ材料は、20mm〜40mmの最終二重層メッシュ直径に形成される、各ワイヤが0.002インチの直径である、276本のNitinol(R)(ニッケル−チタン合金)ワイヤおよび12本のタンタルワイヤの組み合わせを含む、288本の個々のワイヤから形成される二重層編組を含む。
【0019】
さらなる特定の実施形態では、少なくとも第1のポートは、管状多孔性メッシュ材料の壁部分から形成される、またはそれを備える。壁部分は、拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて、ポートが半径方向に内向きに折畳または閉鎖するように形成または成形される、例えば、熱的に成形および固化される。壁部分は、典型的には、下流側上に円錐形開口部を伴うポート、典型的には、ポートの拡張可能開口部を画定する円錐形開口部の頂点から上流方向に延在する閉鎖されるスリーブ部分を形成するように反転するように事前成形されるであろう。代替実施形態では、ポートは、半径方向に内向きに締付、挟持、または別様に閉鎖される管状多孔性メッシュの壁部分によって画定され得るが、それを通した作業カテーテルの通過に応答して開放するであろう。特定の実施形態では、上流および下流チャンバに加えて、フィルタ本体は、第1または他のポートの下流端と第2または他のポートの上流端との間に1つまたはそれを上回る開放「中心」円筒形チャンバを有し得る。
【0020】
本発明の第3の具体的側面では、凝血塊回収システムが、凝血塊捕捉遠位端を有する凝血塊回収作業カテーテルとの組み合わせにおいてちょうど説明されたような塞栓保護デバイスを備え、凝血塊回収作業カテーテルは、下流方向において回収された凝血塊を、フィルタ本体上の開放上流端を通して、中心チャンバの中に引き込むように構成される。
【0021】
第4の具体的側面では、本発明は、作業カテーテルを患者の大動脈弓の中に、および/またはそれにわたって前進させるための方法を提供する。少なくとも部分的に多孔性メッシュから形成される円筒形フィルタ本体が、提供される。円筒形フィルタ本体は、塞栓のための収集チャンバを画定し、開放上流端と、開放下流端と、端部のそれぞれから内向きに離間される自己シールポートと、フィルタ本体の下流端の周辺に結合される半径方向に圧潰可能な支持体とを有する。円筒形フィルタ本体を運搬および拘束する展開カテーテルが、大動脈弓の下流側に前進される一方、フィルタ本体は、典型的には、先に留置された送達シースを用いて、その半径方向に拘束される構成のままである。円筒形フィルタ本体は、半径方向に拡張され、したがって、多孔性メッシュの壁が、患者の大動脈側枝または血管枝を被覆し、フィルタ本体の開放上流端は、患者の心臓に面する。血液が、開放上流端を通してフィルタ本体の内部に流動し、塞栓が、収集チャンバ内に収集される。フィルタ本体が展開されるにつれて、支持体は、半径方向に拡張し、フィルタ本体の下流端を開放するように保持し、フィルタ本体の多孔性メッシュを通して大動脈側枝の中に流動する血液は、実質的に塞栓がない。フィルタ本体が展開された後、第1の作業カテーテルが、フィルタ本体の開放下流端を通して、および自己シールポートを通して心臓に向かって前進されることができる。随意に、第2の作業カテーテルが、第1の作業カテーテルの留置と同時か、またはそれと連続的かのいずれかで、フィルタ本体の開放下流端を通して、および自己シールポートを通して心臓に向かって前進され得る。
【0022】
特定の実施形態では、第1の診断または介入手技が、第1の作業カテーテルを用いて実施され得、第2の診断または介入手技が、第2のカテーテルを用いて実施され得る。第3、第4、および付加的作業カテーテルもまた、他の作業カテーテルと同時か、またはそれと連続的かのいずれかで、導入および前進され得ることを理解されたい。
【0023】
第1の作業カテーテルは、典型的には、展開カテーテル内の管腔を通して導入され、第2の作業カテーテルは、展開カテーテルに平行に導入され得る。このように、展開カテーテルの送達外形は、最小限にされることができる。一実施例では、第1の作業カテーテルは、造影剤を介入部位に導入するために使用される一方、第2の作業カテーテルは、その部位において介入手技を実施するであろう。より具体的には、介入手技は、補綴大動脈弁の送達、弁形成の実施、または同等物を含み得る。
【0024】
またさらなる特定の実施形態では、展開カテーテルは、円筒形フィルタ本体を半径方向に拘束する送達シース内に存在する間に前進される。円筒形フィルタ本体を半径方向に拡張させるステップは、展開カテーテルに対して送達シースを近位に後退させるステップを含み得る。典型的には、半径方向に拡張されるフィルタ本体は、展開カテーテルを後退させ、半径方向に圧潰可能な支持体を圧潰し、フィルタの開放下流端を閉鎖し、フィルタ本体の閉鎖された下流端を送達シースの中に引き込むことによって回収される。より具体的には、展開カテーテルを後退させ、半径方向に圧潰可能な支持体を圧潰するステップは、展開カテーテルの管腔内に存在するテザーを後退させ、最初に半径方向に圧潰可能な支持体を圧潰し、フィルタ本体の下流端を閉鎖し、次いで、展開カテーテルを後退させ、フィルタ本体の閉鎖された下流端を送達シースの中に引き込むステップを含み得る。
【0025】
またさらなる実施形態では、フィルタは、本デバイスに縦方向堅性を提供する1つまたはそれを上回る支持構造またはワイヤを含有し、本手技中のフィルタの圧縮または移動を防止し得る。そのようなワイヤまたは構造は、本デバイスの全長またはその長さの一部のみにわたって延在し得、そのようなワイヤまたは構造は、アクセスシースに固定して、または摺動可能に取り付けられるものとする。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
塞栓保護デバイスであって、前記デバイスは、
管状多孔性メッシュ材料を含むフィルタ本体であって、前記フィルタ本体は、開放上流端、開放下流端、および前記端部のそれぞれから内向きに離間される自己シールポートを有し、前記ポートは、それを通して通過する少なくとも1つの作業カテーテルに適合するように構成される拡張可能開口部を備える、フィルタ本体と、
前記フィルタ本体の下流端の周辺に結合される半径方向に圧潰可能な支持体と、
前記半径方向に圧潰可能な支持体に結合される遠位端を有するカテーテル本体と、
前記フィルタ本体を受容し、半径方向に拘束するように構成される管腔を有する、送達シースと、
を備え、
前記カテーテル本体は、前記送達シースに対して遠位に前進され、前記フィルタ本体を拘束から解放し、前記フィルタ本体が、前記フィルタ本体の下流端を取り囲む支持体とともに半径方向に拡張することを可能にし得、前記カテーテル本体は、前記送達シースに対して遠位に後退させられ、前記支持体およびフィルタ本体を前記送達シースの管腔の中に戻すように引動し得、したがって、前記支持体は、前記フィルタ本体が前記管腔の中に引き込まれることに先立って、前記フィルタ本体の下流端を半径方向に圧潰する、デバイス。
(項目2)
前記フィルタ本体は、前記ポートの下流端と前記フィルタ本体の下流端との間に開放円筒形チャンバを有する、項目1に記載の塞栓保護デバイス。
(項目3)
前記ポートは、前記送達シースからの半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳または閉鎖する、管状多孔性メッシュ材料の壁部分を備える、項目1に記載の塞栓保護デバイス。
(項目4)
前記壁部分は、下流側上に円錐形開口部を伴うポートを形成するように反転する、項目3に記載の塞栓保護デバイス。
(項目5)
前記管状多孔性メッシュ材料の反転された壁部分は、前記ポートの拡張可能開口部を画定する円錐形開口部の頂点から上流方向に延在する弾性的に閉鎖されるスリーブ部分を有する、項目4に記載の塞栓保護デバイス。
(項目6)
前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分は、前記ポートの拡張可能開口部を画定するように半径方向に内向きに圧潰される、項目3に記載の塞栓保護デバイス。
(項目7)
前記半径方向に圧潰可能な支持体は、前記フィルタ本体の下流端の周辺の周囲に固着されるループを備える、項目1に記載の塞栓保護デバイス。
(項目8)
前記カテーテル本体は、前記半径方向に圧潰可能な支持ループに取り付けられるテザーを受容する少なくとも1つの展開管腔を有する、項目7に記載の塞栓保護デバイス。
(項目9)
前記ループは、前記テザーが、前記フィルタ本体を前記送達シースの管腔の中に引き込むことに先立って、前記フィルタ本体の開放端を閉鎖されるように引き込むことを可能にするための輪なわとして構成される、項目7に記載の塞栓保護デバイス。
(項目10)
前記半径方向に圧潰可能な支持体は、前記フィルタ本体の下流端の周辺に結合される開放端と、前記カテーテル本体の遠位端に結合される締付された端部とを有する足場を備える、項目1に記載の塞栓保護デバイス。
(項目11)
前記カテーテル本体は、少なくともある作業カテーテル管腔を含み、前記作業カテーテル管腔は、それを通して作業カテーテルをフィルタ本体の開放下流端の中へと前進させ、そして前記ポートを通るように前進させるためのものである、項目1に記載の塞栓保護デバイス。
(項目12)
前記カテーテル本体はさらに、前記半径方向に圧潰可能な支持ループに取り付けられるテザーを受容する少なくともある展開管腔を含む、項目11に記載の塞栓保護デバイス。
(項目13)
管腔塞栓捕捉デバイスであって、
管状多孔性メッシュ材料を含むフィルタ本体であって、前記フィルタ本体は、開放上流端、開放下流端、および前記端部のそれぞれから内向きに離間される少なくとも第1のポートを有し、前記ポートは、それを通して通過する少なくとも1つの作業カテーテルに適合するように構成される拡張可能開口部を備え、前記フィルタ本体は、前記第1のポートの下流端と前記フィルタ本体の下流端との間の下流開放円筒形チャンバと、前記ポートの上流端と前記フィルタ本体の上流端との間の上流開放円筒形チャンバとを有する、フィルタ本体と、
前記フィルタ本体の下流端に結合される遠位端を有するカテーテル本体と、
を備える、管腔塞栓捕捉デバイス。
(項目14)
前記多孔性メッシュ材料は、事前判定されたサイズを上回る塞栓が通過することを防止するように選定される細孔サイズを有する編成繊維、織成繊維、不織成繊維、フィラメント、またはワイヤのファブリックを含む、項目13に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
(項目15)
前記ファブリックは、前記管状多孔性メッシュの少なくとも一部にわたって二重壁である、項目14に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
(項目16)
前記多孔性メッシュ材料は、弾性金属、ポリマー材料、可鍛性材料、塑性的に変形可能な材料、形状記憶材料、またはそれらの組み合わせから作製される、項目14に記載の塞栓保護デバイス。
(項目17)
前記多孔性メッシュ材料は、その表面上に血栓形成防止コーティングを有する、項目14に記載の塞栓保護デバイス。
(項目18)
前記多孔性メッシュ材料は、約1mm〜約0.1mmの範囲内の細孔サイズを有する、項目14に記載の塞栓保護デバイス。
(項目19)
前記第1のポートは、半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳または閉鎖する、前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分を備える、項目13に記載の管腔塞栓捕捉デバイス。
(項目20)
前記壁部分は、下流側上に円錐形開口部を伴うポートを形成するように反転する、項目19に記載の塞栓保護デバイス。
(項目21)
前記管状多孔性メッシュ材料の反転された壁部分は、前記ポートの拡張可能開口部を画定する円錐形開口部の頂点から上流方向に延在する弾性的に閉鎖されるスリーブ部分を有する、項目20に記載の塞栓保護デバイス。
(項目22)
前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分は、前記ポートの拡張可能開口部を画定するように半径方向に内向きに締付される、項目19に記載の塞栓保護デバイス。
(項目23)
前記管状多孔性メッシュ材料は、前記第1のポートから縦方向に離間される少なくとも第2のポートを含み、前記第2のポートは、半径方向拘束から解放されるとき、他の壁部分が拡張するにつれて半径方向に内向きに折畳または閉鎖する、前記管状多孔性メッシュ材料の壁部分を備える、項目19に記載の塞栓保護デバイス。
(項目24)
前記フィルタ本体は、前記第1のポートの下流端と前記第2のポートの上流端との間に中心開放円筒形チャンバを有する、項目23に記載の塞栓保護デバイス。
(項目25)
凝血塊回収システムであって、
項目24に記載される塞栓保護デバイスと、
凝血塊捕捉遠位端を有する凝血塊回収作業カテーテルであって、前記カテーテルは、下流方向において回収された凝血塊を、前記フィルタ本体上の開放上流端を通して、前記中心チャンバの中に引き込むように構成される、カテーテルと、
を備える、凝血塊回収システム。
(項目26)
患者の大動脈弓にわたって作業カテーテルを前進させるための方法であって、前記方法は、
塞栓のための収集チャンバを画定する多孔性メッシュから少なくとも部分的に形成される円筒形フィルタ本体を提供するステップであって、前記フィルタ本体は、開放上流端と、開放下流端と、前記端部のそれぞれから内向きに離間される自己シールポートと、前記フィルタ本体の下流端の周辺に結合される半径方向に圧潰可能な支持体と、半径方向に拘束される送達構成と、半径方向に拡張される展開構成とを有する、ステップと、
展開カテーテルを前記大動脈弓の中に前進させるステップであって、前記展開カテーテルの遠位端は、前記円筒形フィルタ本体上の支持体に取り付けられる一方、前記円筒形フィルタ本体は、その半径方向に拘束される構成のままであり、前記フィルタ本体を前記大動脈弓にわたって位置付ける、ステップと、
前記多孔性メッシュが、前記患者の大動脈側枝を被覆するように、前記円筒形フィルタ本体を半径方向に拡張させるステップであって、前記フィルタ本体の上流端は、前記患者の心臓に面し、前記上流端を通した血流および塞栓を前記収集チャンバの中に指向させ、前記支持体は、半径方向に拡張し、前記フィルタ本体の下流端を開放するように保持し、塞栓のない血液が、前記多孔性メッシュを通して前記大動脈側枝の中に流動する、ステップと、
前記フィルタ本体の開放下流端を通して、および前記自己シールポートを通して前記心臓に向かって第1の作業カテーテルを前進させるステップと、
を含む、方法。
(項目27)
前記フィルタ本体の開放下流端を通して、および前記自己シールポートを通して前記心臓に向かって第2の作業を前進させるステップをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記第1の作業カテーテルを用いて第1の診断または介入手技を実施し、前記第2の作業カテーテルを用いて第2の診断または介入手技を実施する、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記第1の作業カテーテルは、前記展開カテーテル内の管腔を通して導入され、前記第2の作業カテーテルは、前記展開カテーテルに平行に導入される、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記第1の作業カテーテルは、造影剤を介入部位に導入し、前記第2の作業カテーテルは、介入手技を実施する、項目28に記載の方法。
(項目31)
前記介入手技は、補綴大動脈弁の送達を含む、項目31に記載の方法。
(項目32)
前記展開カテーテルは、前記円筒形フィルタ本体を半径方向に拘束する送達シース内に存在する間に前進され、前記円筒形フィルタ本体を半径方向に拡張させるステップは、前記展開カテーテルに対して前記送達シースを近位に後退させるステップを含む、項目27に記載の方法。
(項目33)
前記展開カテーテルを後退させ、前記半径方向に圧潰可能な支持体を圧潰し、前記フィルタ本体の開放下流端を閉鎖し、前記フィルタ本体の閉鎖された下流端を前記送達シースの中に引き込むことによって、前記半径方向に拡張されるフィルタ本体を回収するステップをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
前記展開カテーテルを後退させ、前記半径方向に圧潰可能な支持体を圧潰するステップは、前記展開カテーテルの管腔内に存在するテザーを後退させ、最初に前記半径方向に圧潰可能な支持体を圧潰し、前記フィルタ本体の開放下流端を閉鎖し、次いで、前記展開カテーテルを後退させ、前記フィルタ本体の閉鎖された下流端を前記送達シースの中に引き込むステップを含む、項目33に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイスの第1の実施形態の部分分解図である。
【0027】
図2図2は、図1の塞栓保護デバイスのフィルタ本体と展開カテーテル本体との間の接続の詳細図である。
【0028】
図3図3は、図1の塞栓保護デバイスのフィルタ本体の下流端をカテーテル本体の上流または遠位端に接続する、テザー構造の部分的区分において示される詳細図である。
【0029】
図4図4および5は、本発明の方法の原理による、大動脈弓への前進のために図1の塞栓保護デバイスのフィルタ本体を送達シースのポートの中に導入するためのピールアウェイカテーテルの使用を図示する。
図5図4および5は、本発明の方法の原理による、大動脈弓への前進のために図1の塞栓保護デバイスのフィルタ本体を送達シースのポートの中に導入するためのピールアウェイカテーテルの使用を図示する。
【0030】
図6図6は、本発明の塞栓保護デバイスを使用する補綴心臓弁の留置のために使用されるであろうような、塞栓保護デバイスおよび別個の経カテーテル大動脈弁置換(TAVR)カテーテルの留置のための送達シースの対側位置付けを図示する。
【0031】
図7A図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7B図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7C図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7D図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7E図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7F図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7G図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7H図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7I図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7J図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7K図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7L図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7M図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7N図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7O図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7P図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7Q図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7R図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7S図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7T図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7U図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7V図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7W図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7X図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7Y図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7Z図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
図7ZZ図7A−7ZZは、本発明の方法による、患者の大動脈弓にわたる本発明の塞栓保護デバイスの位置付けおよび塞栓保護デバイスを通した補綴大動脈弁の送達を図示する。
【0032】
図8図8A−8Eは、本発明の実施形態において有用なフィルタ本体を形成するための、管状多孔性メッシュ材料に関するいくつかの異なる折畳パターンを図示する。
【0033】
図9図9は、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイスの第2の実施形態を図示する。
【0034】
図10図10は、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイスの第3の実施形態を図示する。
【0035】
図11図11は、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイスの第4の実施形態を図示する。
【0036】
図12図12は、図11の塞栓保護デバイスの自己シールポートを通して第2の作業カテーテルを導入するための図11のデバイスの使用を図示する。
【0037】
図13図13A−13Cは、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイスの第5の実施形態を図示し、本デバイスのフィルタ本体内の自己シール弁の段階的形成をさらに示す。
【0038】
図14図14は、患者の大動脈弓にわたる、本発明の原理に従って構築される塞栓保護デバイスの第6の実施形態の留置を図示する。
【0039】
図15図15A−15Cは、本発明のフィルタ本体内の自己シールポートを提供するために使用され得る、異なる折畳パターンを図示する。
【0040】
図16図16A−16Eは、本発明の第2の例示的方法において凝血塊を捕捉するための、図15Bに示されるものと類似するフィルタ本体の使用を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1−3に示されるように、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイス10が、開放上流端16および開放下流端18を有する、フィルタ本体12を備える。フィルタ本体12は、典型的には、多孔性メッシュ材料、より典型的には、管状多孔性メッシュ材料から形成され、これは、開放上流端16と開放下流端18との間に、典型的には、図示されるように開放下流端により近接して位置する拡張可能開口部22を伴う自己シールポート20を有するように事前形成される。フィルタ本体12に関する具体的な折畳パターンが、図8A−8Eを参照して以下に説明され、いくつかの例示的代替折畳パターンが、図15A−15Cと関連して以下に説明される。
【0042】
半径方向に拡張可能/圧潰可能な支持体24が、図2に最良に見られるように、フィルタ本体12の開放下流端18において固着される。半径方向に圧潰可能な支持体24は、その遠位端において形成されるループ37を伴うプルワイヤ36を有する、管34(図3)を備え得る。ループ37は、フィルタ本体12の開放下流端18の周辺を中心として固着され、したがって、これは、開放下流端18を開放および閉鎖するための「輪なわ」または「巾着」構成要素として作用し得る。特に、管34内でプルワイヤ36を近位に(図3の右に)後退させることによって、ループ37は、閉鎖され得る。逆に、管34に対してプルワイヤ36を遠位に前進させることによって、ループ37は、開放し得る。以下により詳細に説明されるように、テザー構造32を軸方向に前進および後退させることによって、フィルタ本体12は、展開カテーテル本体28に対して位置付けられ得る。
【0043】
フィルタ本体12の自己シールポート20は、フィルタ本体を上流円筒形チャンバ26Aおよび下流円筒形チャンバ26Bに分割する。チャンバ26Aおよび26Bはそれぞれ、概して、内部構造がなく、自己シールポート20は、2つのチャンバを分割するように作用し、特に、上流チャンバ26Aに進入し得る塞栓の下流チャンバ26Bの中への、またはそれを越える通過を防止するように作用するであろう。下流円筒形チャンバ26Bは、フィルタ本体が大動脈または他の血管内に展開されるとき、フィルタ本体12の上流で介入手技を実施するために、自己シールポート20の中への、それを通した作業カテーテルの導入を受容および促進するように作用する。
【0044】
展開カテーテル本体28は、遠位端30と、少なくとも、テザー構造32を運搬するための第1の管腔38、および以下に詳細に説明されるであろうような補綴大動脈弁を展開するためのTAVRカテーテル等、それを通して介入または作業カテーテルを導入するための作業管腔としての役割を果たす第2の管腔40とを有する。
【0045】
近位または制御ハブ29が、展開カテーテル本体28の近位端31に結合される。テザー構造32の近位端33が、制御ハブ29から延在し、ユーザが、テザー構造の軸方向後退および前進の両方およびループ37の開放および閉鎖を含め、テザー構造を操作することを可能にする。制御ハブ29はまた、ガイドワイヤ、作業カテーテル、および同等物の通過を可能にするために、カテーテル本体28内の第2の管腔40に開放するポート35を有する。
【0046】
フィルタ本体12は、典型的には、自己拡張するであろう。「自己拡張」とは、フィルタ本体が弾性的であり、半径方向および/または軸方向拘束がないとき、常時開放または拡張された構成を有することを意味する。フィルタ本体を半径方向に収縮させるか、または軸方向に延在させるかのいずれかによって、フィルタ本体の直径または外形は、縮小され、したがって、これは、患者の脈管内、典型的には、大動脈弓にわたるが、随意に、他の場所における作業部位に血管内導入されることができる。加えて、フィルタ本体を半径方向に圧潰させることおよび/または軸方向に延在させることによって、フィルタ本体内の自己シールポートは、広げられ、軸方向に延在されるであろう。
【0047】
自己シールポート20は、自己形成し、典型的には、図1に示されるように、円錐形基部56と、延在するスリーブ58とを有するであろう。自己シールポート20は、フィルタ本体の半径が増加し、フィルタ本体の長さが軸方向に短縮するようにフィルタ本体の略管状構造を折畳および反転することによって形成される構造を有するであろう。必要な折り線は、典型的には、熱処理によって、フィルタ本体に事前形成されるであろう。例示的実施形態では、フィルタ本体は、以下に図8A−8Eを参照してより詳細に説明される折り線を有するように形成されるであろう、Nitinol(R)(ニッケル−チタン合金)薄ワイヤメッシュとして形成されるであろう。これらの事前形成された折り線は、フィルタ本体が、軸方向に伸長され、半径方向に圧潰され、送達中に、典型的には、12Fr(フレンチ)を下回る、多くの場合、10Frを下回る送達直径を有する薄型を有することを可能にするであろう。逆に、フィルタ本体は、典型的には、5mmを上回り、多くの場合、15mmを上回り、より多くの場合、25mmを上回り、典型的には、25mm〜40mmの範囲内の非拘束幅または直径に対して開放し得るであろう。以下により詳細に説明されるであろうように、フィルタ本体12は、患者の大動脈内に、典型的には、大腿動脈を通して大動脈弓にわたって事前留置されている送達シース42を通して、その薄型構成において導入されるであろう。しかしながら、フィルタ本体を送達シース42の中に前進させるために、自己拡張フィルタ本体12を一時的に拘束することが、必要である。これは、図4および5に示されるように、ピールアウェイシース48を使用して達成され得る。フィルタ本体12は、図4に示されるように、軸方向に伸長され、半径方向に圧潰され、ピールアウェイシース48の管腔の中に引き込まれる。ピールアウェイシースは、フィルタ本体12を被覆し、カテーテル本体28は、ピールアウェイシース48の近位端から延在する。ピールアウェイシースおよびカテーテル本体28の一時的アセンブリは、図4に示されるように、送達シース42の遠位ポート44を通して事前留置されているガイドワイヤ構造46にわたって導入され、次いで、シースは、図5に示されるように、遠位ポート44を通して前進されることができる。いったんフィルタ本体12の遠位端が、ポート44を通して送達シース42の近位端の中に導入されると、フィルタ本体が送達シース42の中に継続して導入されるため、ピールアウェイシースは、除去され得る。送達を促進するために、送達シース42およびピールアウェイシース48はそれぞれ、その管腔の中への流体の導入を可能にするためのポートを有し得る。
【0048】
図6に示されるように、送達シース42は、従来の様式で、患者の鼠径部を通して大腿動脈の中に、かつ大動脈弓の上にそれにわたって導入されるであろう。典型的には、TAVRまたは他の介入または作業カテーテルを導入するための第2のシース50が、送達シース42に平行に、大動脈の上に大動脈弓AAにわたって作業カテーテルを導入するために、対側大腿動脈内に位置付けられるであろう。そのような位置付けは、患者Pの心臓Hに対する補綴弁留置または他の介入手技が意図されるであろう。
【0049】
ここで図7A−7ZZを参照すると、補綴弁PVを患者の自然大動脈弁AVの中に導入するための特定のプロトコルが、説明されるであろう。図7Aに示されるように、送達シース42は、図6を参照してちょうど説明されたように、最初に、ガイドワイヤ構造46にわたって留置される。カテーテル本体28は、次いで、送達シース42の内側管腔を通して前進され、したがって、半径方向に拘束されるフィルタ本体12は、送達シースの開放遠位端52に接近する。
【0050】
次いで、カテーテル本体28を比較的に静止して、または定常に保持し、送達シース42を近位方向に、すなわち、患者の大動脈弁AVから離れるように後退させることによって、フィルタ本体12の遠位端は、拘束から解放され、したがって、管状多孔性メッシュ14は、図7Bに示されるように、半径方向に拡張し始めるであろう。送達シース42は、図7Cに示されるように、継続して近位に後退され、したがって、管状多孔性メッシュ14は、拡張し、大動脈弁AVの直上の上行大動脈の内壁に係合する。図7Dに示されるように、送達シース42は、継続して近位に抜去され、管状多孔性メッシュ14が継続して拡張し、血管枝BVを被覆し始めることを可能にし、フィルタ本体12の上流円筒形チャンバ26Aの相対的な完全展開が、図7Eに示される。また、図7Eに示されるように、自己シールポート構造20は、その非常に初期の形成段階にあり、さらなる形成が、図7Fに示される。
【0051】
図7Gに示されるように、自己シールポート20になるであろうものの円錐形基部56は、大部分が形成され、下流円筒形チャンバ26Bは、図7Hに示されるように形成し始める。下流円筒形チャンバ26Bは、図7Iに示されるように大部分が形成される一方、自己シールポート20は、形成し始めたばかりである。次いで、図7Jに示されるように、カテーテル本体28を大動脈弁AVに向かう方向に前進させることによって、管状多孔性メッシュ14の狭化区画が、ポート20のスリーブ構造58を形成するように反転し始めるであろう。また、図7Iおよび7Jに明白であるように、ループ37の形態における半径方向に圧潰可能な支持体24は、下流円筒形チャンバ26の開放遠位端を開放および支持するために開放する。カテーテル本体28がフィルタ本体12の下流部分を操作することを可能にするのは、本支持構造24であり、したがって、下流円筒形チャンバ26Bは、上流円筒形チャンバ26Aに対して遠位に、または大動脈弁AVに向かって前進されることができる。半径方向に拡張可能/圧潰可能な支持体24Aはまた、以下により詳細に説明されるであろうように、本手技の終了時にフィルタ本体12を後退させるときに有用であろう。
【0052】
完全に展開された自己シールポート20が、図7Kに示され、以下により詳細に示されるように、スリーブ58は、拡張可能開口部22を画定し、円錐形基部58は、下流端からのカテーテルの導入を促進する。
【0053】
具体的実施例では、ガイドワイヤ構造46は、図7Lに示されるように、ガイドワイヤを定位置に残すために後退および抜去され得る外部支持管を含み得る。診断カテーテル60が、次いで、図7Mに示されるように、ガイドワイヤ46にわたって前進され、典型的には、血管造影のために使用され得る。本ポート20は、診断カテーテル60の直径に適応するために拡張する一方、いずれの塞栓もポートを通過しないようにするためにカテーテルの周囲をシールするであろう。
【0054】
診断カテーテル60を抜去した後、別のガイドワイヤ62が、図7Nに示されるように、TAVR送達カテーテル64を前進させるために導入され得る。第1のカテーテル構造46は、典型的には、定位置に残されるであろうが、これは、図7Nにおいて可視ではない。TAVR送達カテーテル64は、次いで、図7Pに示されるように、これが自然大動脈弁AVを通過するまで、図7Oに示されるように、患者の大動脈弓AAにわたって前進される。補綴弁PVが、次いで、図7Qに示されるように、TAVRカテーテル64から解放されるであろう。大動脈弓AAにわたるTAVRカテーテル64の前進中、特に、補綴弁PVの解放中、大動脈弓および大動脈弁AVが重度に石灰化し得るため、塞栓が解放される実質的なリスクが存在することを理解されたい。そのような塞栓が存在する場合、それらは、大動脈弓にわたって、フィルタ本体12の開放上流端16を通して運搬され、したがって、それらは、上側円筒形チャンバ26Aに進入し、その中に含有される。特に、管状多孔性メッシュ14は、任意の有意なサイズの塞栓が血管枝BVのいずれかに進入することを防止する一方、これらの血管の中への血流を可能にするであろう。自己シールポート20のスリーブ58は、TAVR送達カテーテル64の外部に適合し、その周囲をシールし、したがって、これがカテーテル通過を可能にするように拡張される間、ポートを通した塞栓の偶発的通過を阻止または防止するであろう。
【0055】
図7Qに示されるように、補綴弁PVが解放された後、図7Rに示されるように、TAVR送達カテーテル64は、ガイドワイヤ62にわたって近位に後退されるであろう。第1のガイドワイヤ46もまた、図7Rに示される。TAVR送達カテーテル64は、図7Sおよび7Tに示されるように、継続して抜去され、自己シールポート20を通して退出し、これは、次いで、ガイドワイヤ46にわたって閉鎖する。TAVRガイドワイヤ62は、次いで、図7Tに示されるように、大動脈を通して戻るように引動される。
【0056】
TAVRカテーテル64およびガイドワイヤ62が抜去された後、補綴弁PVは、定位置にあり、大動脈弓AAからフィルタ本体12を抜去することが、必要である。図7Uおよび7Vに示されるように、テザー構造32は、半径方向に圧潰可能な支持体24のループ37を閉鎖するように操作される。ループ37を閉鎖することに加えて、図7Wに示されるように、フィルタ構造12の近位端は、カテーテル本体28の遠位端に引き込まれ、カテーテル本体28は、後退され、送達シース42の中にフィルタ本体を引き込む。
【0057】
カテーテル本体28は、図7Xに示されるように、これが下流円筒形チャンバ26を送達シース42の中に引動するように継続して近位に抜去され、図7Y、7Z、および7ZZに示されるように、フィルタ本体12全体が送達シース42の中に引き込まれるまで継続して近位に抜去される。フィルタ本体およびその中に含有される全ての塞栓は、次いで、送達シース42内に安全に捕捉され、送達シース42は、患者から抜去され得、本手技は、従来の様式で完了し得る。
【0058】
多孔性フィルタメッシュ材料は、種々の編成繊維、織成繊維、不織成繊維、フィラメント、またはワイヤを含み得、血液が通過することを可能にするが、あるサイズを上回る塞栓が通過することを防止するように選定される細孔サイズを有するであろう。好適な材料は、形状および熱記憶合金等の弾性金属、ポリマー、およびそれらの組み合わせを含み、材料は、随意に、その表面上に血栓形成防止コーティング(ヘパリン等)を有し得る。フィルタメッシュはさらに、フィルタ本体の放射線不透過性を強化するための材料および構造を組み込み得る。例示的材料は、金、白金、パラジウム、またはタンタル、および弾性金属を上回る放射線不透過性を有する他の金属、および放射線不透過性コーティングまたは充填材を含む。他の場合では、弾性金属フィラメントまたはワイヤは、より薄い、より放射線不透過性のワイヤまたはフィラメントとともに提供され得る。
【0059】
フィルタ本体は、ともに取り付けられる離散区分において構築され得るが、より典型的には、具体的設計特徴を形成するために区分において狭化または折畳される連続的円筒形メッシュ構造から形成され、典型的には、単一のそのような折畳される管状メッシュ構造から成るであろう。1つの連続的円筒形メッシュから本デバイスを形成することは、フィルタ本体が展開および/または回収のために軸方向に延伸されることを可能にし、それによって、フィルタの外形を縮小する。単一の連続的平面メッシュ材料から形成されるフィルタの別の利点は、これが平滑な丸形縁のみを含有するであろうことである。そのような縁は、フィルタを通して導入されているカテーテルおよび手技ツールとの摩擦および引っ掛かりを最小限にする。
【0060】
自己シールポートは、典型的には、先に説明されるようなスリーブによって形成される、その狭い端部にアクセスポートを伴う円錐形構造として構成され得る。他の実施形態では、以下に例証されるように、自己シールポートは、円筒形構造の単純な狭化部、例えば、カテーテルおよびそれを通して導入される他のツールの周囲をシールする自己閉鎖縮径部領域であり得る。いかなる特定の幾何学形状であっても、自己シールポートは、熱処理または冷間成形を介して、より大きい管状または円筒形メッシュを縮小された直径において形状固化することによって形成されることができる。加えて、自己シールポートの他の実施形態は、直線である、捩れを含有する、波形である、平坦区分を有する、またはカテーテルが定位置にあるとき、塞栓が通過することを阻止または防止するために十分に手技デバイスの周囲を閉鎖するその能力を補助する他の特徴を保有することができる。さらに他の実施形態では、フィルタ本体は、2つまたはそれを上回るそのような自己拡張ポート構造を含有し得る。ポート20は、単一のデバイス(ガイドワイヤ、カテーテル、弁送達システム、ペーシングリード等)に、2つのデバイスに、または同時に2つを上回るデバイスに適応し得、必要に応じて複数のデバイスの周囲に十分なシールを維持するために拡張および収縮することができる。さらに、そのようなデバイスは、カテーテル本体28の作業管腔40を用いて、または代替アクセス部位における第2のシース50を用いて直接、またはそれらのある組み合わせにおいて、下流円筒形チャンバ26Bを通してポート20の中に導入されることができる。
【0061】
ここで図8A−8Eを参照すると、本発明の管状多孔性メッシュ材料14を、上流円筒形チャンバ26Aと下流円筒形チャンバ26Bとの間に自己シールポート20を有するフィルタ本体12に形成するためのいくつかの異なるパターンが、図示される。図8A−8Bの構造はそれぞれ、ちょうど説明されたようなメッシュ材料の単一層管で始まることを理解されたい。図8Aの構成では、管状構造は、最初に、その中間において折り目14Aを有する二層構造に折畳される。二層構造は、次いで、ある構造を有する図示されるフィルタ本体12aを形成するために、それ自体の上で折り返され、反転され、これは、次いで、完全に半径方向に拡張された構成において熱固化される。
【0062】
図8Bのフィルタ本体12bも同様に、一方の端部において単一の折り目14Bを伴う二層管状メッシュとして始まる。二層構造は、次いで、円筒形チャンバ26Aの開放端が、図8Aに示されるような単純な折り返しパターンではなく、内向きに反転されるパターンにおいて折畳されることを除いて、図8Bのパターンと同様に折畳される。
【0063】
図8Cに図示されるフィルタ本体12cは、上流円筒形チャンバ26Aの開放端が遠位カフを形成するように外側層に折り重ねられる内側層を有し、内側層が折り返された外側層内で終端することを除いて、再び、図8Aのフィルタ12aの折り目パターンと殆どの点で類似する。
【0064】
図8Dに図示されるフィルタ本体12dは、多くの意味で、図8Aのそのフィルタ本体12aの逆である。元々の単一層管状円筒における単一の折り目14Dは、上流円筒形チャンバ26Aの開放端に位置する。下流チャンバ26Bの開放下流端は、カフ構造を形成するようにそれ自体の上で折り返される。
【0065】
図8Eに図示されるようなフィルタ本体12eは、全ての中で最も単純な構造であり、下流円筒形チャンバ26Bの折畳は、図8A−8Cのものと類似するが、上流円筒形チャンバ26Aの開放端は、開放する内側および外側層で終端し、全く折り返されない。
【0066】
図9は、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイス70の第1の代替実施形態を図示する。フィルタ本体72が、開放上流端74と、閉鎖下流端76とを有する。自己シールポート78が、閉鎖下流端76において形成され、支持構造82が、フィルタ本体の下流端に取り付けられる。支持構造82は、支柱の対を備え、送達のために圧縮され、拘束するシース86の解放によって原位置で拡張され得る材料(形状記憶合金等)から作製されることができる。支持体は、カラー84を介して、展開カテーテル本体80に固定して、または移動可能に取り付けられる。カテーテル本体80の遠位または上流端が、自己シールポート78に隣接するフィルタ本体72の閉鎖端76を通過する。
【0067】
図10は、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイス90の第2の代替実施形態を図示する。閉鎖下流端93を伴うフィルタ本体92が、完全円周支持構造96によって、展開カテーテル本体に取り付けられる。支持構造96は、支持構造が重複し、フィルタ92のメッシュ材料に取り付けられる領域にわたって「ステント様」菱形要素を備える。支持構造96は、カラー100および複数の支柱98を介して、展開カテーテル本体94に固定して、または移動可能に取り付けられる。カテーテル本体94の遠位または上流端が、自己シールポート99に隣接するフィルタ本体92の閉鎖端93を通過する。
【0068】
図11および12は、フィルタ本体104の閉鎖端106において円錐形メッシュ自己シールポート108を有する、塞栓保護デバイス102の第3の代替実施形態を図示する。展開カテーテル本体114が、カラー116によって取り付けられる。送達シース118が、フィルタ本体104の送達および牽引のために提供される。図11では、カテーテル本体114の遠位または上流端が、自己シールポート108を通して配置され、自己シールポート108に隣接して導入管腔またはポートを通した他の経路を提供する。図12では、TAVR送達または他の作業カテーテルが、カテーテル本体114に平行に、自己シールポートを通して導入される。自己シールポート108の周辺は、同時に両方のカテーテルに適合し、それらに対してシールするために十分に柔軟性(弾性)であろう。
【0069】
図13A−13Cは、本発明の原理に従って構築される、塞栓保護デバイス130の第4の代替実施形態を図示する。フィルタ本体132が、フィルタの大部分全体を通してメッシュの二重層を備え、下流端に付加的層またはカフ150(合計で3つの層)を伴い、本デバイスの本部分におけるフィルタの繋留強度を増加させる。図13Aは、その弛緩構成における塞栓保護デバイス130を示す一方、図13Bおよび13Cは、これが矢印146の方向において送達または回収構成に軸方向に延伸される際の塞栓保護デバイス130を示す。自己シールポート134および他のデバイス特徴が、連続的円筒形メッシュ構造内に一体的またはモノリシックに形成されるため、これらの特徴は、フィルタ本体132が軸方向において外に完全に延伸されるとき、事実上消失する。外に延伸し、内部構造を排除する本能力は、本デバイス外形を最小限にする。1つの連続的円筒形表面からのフィルタの構築はまた、複雑なものを製造することを回避し、本デバイス全体を通して平滑な接触面を維持し、フィルタを通過する手技ツールの摩擦を低減させる。フィルタ本体は、フィルタ本体132の下流円筒形チャンバ139に重複する、またはそれを覆うステント様周辺支持構造140によって、展開カテーテル本体144に取り付けられる。自己シールポート134は、概して、先に説明されるように、円錐形基部136と、スリーブ138とを備え得る。
【0070】
図14は、大動脈弁AVにおいて弁形成またはTAVR等の手技を実施するために、介入カテーテルが自己シールポート134を通して上流方向に送達される際に血管枝を保護するために、患者の大動脈弓にわたって展開される塞栓保護デバイス130を図示する。
【0071】
図15A−15Cは、本発明のフィルタ本体の代替構成を示す。図15Aは、円筒形メッシュ材料において形成される単純な狭化部または縮径部166によって分離される、上流円筒形チャンバ162および下流円筒形チャンバ164を備えるフィルタ本体160を示す。円筒形メッシュ材料は、単一壁である、二重壁である、壁面積の一部または全てにわたって2つを上回る層を有する、またはそれらの組み合わせであり得、本フィルタ本体構成は、先に説明された本発明の塞栓保護デバイスの実施形態の殆どまたは全てにおいて組み合わせられることができる。
【0072】
図15Bは、それぞれ、縮径部180および182によって分離される、上流円筒形チャンバ172、中心円筒形チャンバ174、および下流円筒形チャンバ178を備えるフィルタ本体170を示す。そのような複数の円筒形チャンバは、先に説明された自己閉鎖ポート構造のいずれかによって分離され得ることを理解されたい。下流円筒形チャンバ178の下流端は、図示されるように、集合または閉鎖され得、閉鎖下流端を伴うフィルタ本体170は、以下の図16A−16Eに説明される凝血塊捕捉構成における特定の使用を見出し得る。先の実施形態のように、フィルタ本体170の円筒形メッシュ材料は、単一壁である、二重壁である、2つを上回る層を有する、またはそれらの組み合わせであり得、マルチチャンバフィルタ本体構成は、先に説明された本発明の塞栓保護デバイスの実施形態の殆どまたは全てにおいて組み合わせられることができるが、下流チャンバの下流端は、開放される必要があるであろう。
【0073】
図15Cは、それぞれ、縮径部208および自己シールポート210によって分離される、上流円筒形チャンバ202、中心円筒形チャンバ204、および下流円筒形チャンバ206を備えるフィルタ本体200を示す。下流円筒形チャンバ206の下流端は、開放し、マルチチャンバフィルタ本体200は、先に説明された本発明の塞栓保護デバイスの実施形態の殆どまたは全てにおいて組み合わせられることができる。フィルタ本体200の円筒形メッシュ材料は、単一壁である、二重壁である、2つを上回る層を有する、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0074】
図16A−16Eは、心臓、末梢、または大脳血管BV内の凝血塊および/または血栓を捕捉するために、図15Bのフィルタ本体170を使用する具体的手技を示す。そのようなデバイスおよびプロトコルは、特に、急性虚血発作を処置するための頭側血管内の凝血塊/血栓回収のために有用であろう。図16Aに示されるように、フィルタ本体170の集合された端部179は、展開カテーテル210の遠位端に取り付けられ、カテーテル210は、マイクロカテーテル230(図16E)を通して前進される。その遠位端に螺旋先端等の凝血塊捕捉要素222を有する、Merci(R)回収器カテーテル等の凝血塊捕捉カテーテル220が、図16Bに示されるように、カテーテル220、フィルタ本体170を通して、凝血塊/血栓THRの中に前進される。凝血塊捕捉カテーテル220は、次いで、図16B−16Dに示されるように、凝血塊/血栓THRを縮径部180を通して中心チャンバ174の中に引き込むように近位に引動される。凝血塊/血栓THRが中心チャンバ174に入った後、これがフィルタから喪失されるであろう機会は、大幅に低減され、縮径部180および182を通して逃散し得るどのような塞栓も、それぞれ、上流および下流円筒形チャンバ178および172内に捕捉される可能性が高いであろう。上流縮径部180は、凝血塊回収デバイスおよび引っ掛けられた血栓および凝血塊が通過することを可能にするように延伸して開放し、凝血塊および/または血栓が中心円筒形チャンバ174内に完全に封入された後に閉鎖するように構成されるであろう。凝血塊および血栓からくずれて離れ得るいずれの残骸も、完全に閉鎖された縮径部180および182(図16D)によって含有され、凝血塊回収器220、フィルタ本体170、およびカテーテル本体220のアセンブリは、マイクロカテーテル230を通して安全に抜去され得る。
【0075】
当業者に明白である、本発明を実行するための上記に説明されるアセンブリおよび方法の修正、実践可能であるような異なる変形例間の組み合わせ、および本発明の側面の変形例が、本発明開示の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図7J
図7K
図7L
図7M
図7N
図7O
図7P
図7Q
図7R
図7S
図7T
図7U
図7V
図7W
図7X
図7Y
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図7ZZ
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図16D
図16E