特許第6854826号(P6854826)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854826
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】電磁調理器具及びその電力制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
   H05B6/12 324
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2018-544036(P2018-544036)
(86)(22)【出願日】2018年2月28日
(65)【公表番号】特表2020-505716(P2020-505716A)
(43)【公表日】2020年2月20日
(86)【国際出願番号】CN2018077600
(87)【国際公開番号】WO2019119640
(87)【国際公開日】20190627
【審査請求日】2018年8月20日
(31)【優先権主張番号】201711390613.0
(32)【優先日】2017年12月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100129115
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(72)【発明者】
【氏名】雷 俊
(72)【発明者】
【氏名】▲ビュン▼ 在▲銀▼
(72)【発明者】
【氏名】王 云峰
(72)【発明者】
【氏名】▲曽▼ 露添
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲徳▼勇
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 帆
(72)【発明者】
【氏名】黄 庶▲鋒▼
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 文▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】瞿 月▲紅▼
(72)【発明者】
【氏名】杜 放
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−094028(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/084386(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/061595(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁調理器具の電力制御方法であって、
前記電磁調理器具は、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとを含み、
前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとは、それぞれ一つの独立する共振回路に対応し、
前記電力制御方法は、
前記電磁調理器具の目標電力を取得するステップと、
前記目標電力に基づいて前記電磁調理器具の加熱サイクルを決定するステップであって、各前記加熱サイクルは、少なくとも一つの加熱期間を含むステップと、
各前記加熱期間において、第1制御パルスで前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとにそれぞれ対応する前記共振回路に共振電圧を発生させ、第2制御パルスで前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御して、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとにそれぞれ対応する前記共振回路に共振電圧を発生させ、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱するようにするステップであって、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点と、前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点とは、同一であるステップと、を含
ことを特徴とする電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項2】
各前記加熱期間は、入力される交流電源の一つの半波サイクルに対応する、ことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項3】
各前記加熱サイクルが一つの加熱期間を含む場合、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に連続加熱する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項4】
各前記加熱サイクルが四つの加熱期間を含む場合、
第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱し、
第3の加熱期間及び第4の加熱期間において、前記第1のコイルプレートが加熱し、前記第2のコイルプレートが加熱を停止する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項5】
各前記加熱サイクルが四つの加熱期間を含む場合、
第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱し、
第3の加熱期間において、前記第1のコイルプレートが加熱し、前記第2のコイルプレートが加熱を停止し、
第4の加熱期間において、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱を停止する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項6】
前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン時間と、前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン時間とは、異なり、
前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチのスイッチングサイクルと、前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチのスイッチングサイクルとは、同一である、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項7】
前記加熱サイクルは、320ミリ秒以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項8】
前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとは、同心的に設けられるか、
又は隣接して設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の電磁調理器具の電力制御方法。
【請求項9】
コンピュータプログラムが記憶されている非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサより実行され、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁調理器具の電力制御方法が実現されるようになっている、ことを特徴とする非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
電磁調理器具であって、
第1のコイルプレートと、
第2のコイルプレートと、
メモリと、
プロセッサと、
前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサにより実行可能な電磁調理器具の電力制御プログラムと、を含み、
前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとは、それぞれ一つの独立する共振回路に対応し、
前記電磁調理器具の電力制御プログラムが前記プロセッサにより実行され、請求項1〜8のいずれか一項に記載の電磁調理器具の電力制御方法が実現されるようになっている、ことを特徴とする電磁調理器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電機器の技術分野に関し、特に電磁調理器具の電力制御方法及び電磁調理器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数のコイルプレートにより一つの鍋類用具を同時に加熱する場合、コイルプレートの間に生じる磁界が互いに結合して干渉するため、異なる電力で加熱することを実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、従来技術における少なくとも一つの技術的課題を解決することである。そのため、本発明の第1の目的は、電磁調理器具の電力制御方法を提供することにあり、前記方法は、複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【0004】
本発明の第2の目的は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することにある。
【0005】
本発明の第3の目的は、電磁調理器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述目的を到達するために、本発明の第1実施例は、電磁調理器具の電力制御方法を提供し、前記電磁調理器具は、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとを含み、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとは、それぞれ一つの独立する共振回路に対応し、前記電力制御方法は、前記電磁調理器具の目標電力を取得するステップと、前記目標電力に基づいて前記電磁調理器具の加熱サイクルを決定するステップであって、ここで、各前記加熱サイクルは、少なくとも一つの加熱期間を含むステップと、各前記加熱期間において、第1制御パルスで前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、第2制御パルスで前記第の2コイルプレートに対応する電力スイッチを制御して、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱するようにするステップであって、ここで、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点と、前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点とは、同一であるステップと、を含む。
【0007】
本発明の実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法によれば、電磁調理器具の目標電力を取得し、目標電力に基づいて電磁調理器具の加熱サイクルを決定し、ここで、各加熱サイクルは、少なくとも一つの加熱期間を含み、各加熱期間において、第1制御パルスで第1のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御して、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱し、これにより複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【0008】
また、本発明の上述実施例に提供される電磁調理器具の電力制御方法は、以下の付加的な技術的特徴を含むことができる。
【0009】
本発明の一実施例によれば、各前記加熱期間は、入力される交流電源の一つの半波サイクルに対応する。
【0010】
本発明の一実施例によれば、各前記加熱サイクルが一つの加熱期間を含む場合、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に連続加熱する。
【0011】
本発明の一実施例によれば、各前記加熱サイクルが四つの加熱期間を含む場合、ここで、第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱し、第3の加熱期間及び第4の加熱期間において、前記第1のコイルプレートが加熱し、前記第2のコイルプレートが加熱を停止する。
【0012】
本発明の一実施例によれば、各前記加熱サイクルが四つの加熱期間を含む場合、ここで、第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱し、第3の加熱期間において、前記第1のコイルプレートが加熱し、前記第2のコイルプレートが加熱を停止し、第4の加熱期間において、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱を停止する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン時間と、前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン時間とは、異なり、前記第1のコイルプレートに対応する電力スイッチのスイッチングサイクルと、前記第2のコイルプレートに対応する電力スイッチのスイッチングサイクルとは、同一である。
【0014】
本発明の一実施例によれば、前記加熱サイクルは、320ミリ秒以下である。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとは、同心的に設けられるか、又は隣接して設けられる。
【0016】
上述の目的を到達するために、本発明の第2実施例は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶され、当該プログラムがプロセッサより実行され、上述の電磁調理器具の電力制御方法が実現されるようになっている。
【0017】
本発明の実施例に係る非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述の電磁調理器具の電力制御方法を実行することにより、複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【0018】
上述の目的を到達するために、本発明の第3実施例は、電磁調理器具を提供し、前記電磁調理器具は、第1のコイルプレートと、第2のコイルプレートと、メモリと、プロセッサと、前記メモリに記憶され且つ前記プロセッサにより実行可能な電磁調理器具の電力制御プログラムとを含み、ここで、前記第1のコイルプレートと前記第2のコイルプレートとは、それぞれ一つの独立する共振回路に対応し、前記電磁調理器具の電力制御プログラムが前記プロセッサにより実行され、上述の電磁調理器具の電力制御方法が実現されるようになっている。
【0019】
本発明の実施例に係る電磁調理器具は、上述の電磁調理器具の電力制御方法に基づいて、複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法のフローチャートである。
図2】本発明の一実施例に係る電磁調理器具の駆動制御回路の構造模式図である。
図3】本発明のもう一つの一実施例に係る電磁調理器具の駆動制御回路の構造模式図である。
図4】本発明の一実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法の波形図である。
図5】本発明の一実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法の共振波形図である。
図6】本発明のもう一つの一実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法の共振波形図である。
図7】本発明のさらにもう一つの一実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法の共振波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施例を詳細に説明する。前記実施例の例が図面に示されるが、同一または類似する符号は、常に、同一又は類似の構成要素、或いは、同一又は類似の機能を有する構成要素を表す。以下に、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例に提供される電磁調理器具の電力制御方法及び電磁調理器具を説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法のフローチャートである。
【0024】
本発明の実施例において、図2及び図3に示すように、電磁調理器具は、第1のコイルプレート70及び第2のコイルプレート80を含むことができ、第1のコイルプレート70と第2のコイルプレート80とは、それぞれ一つの独立する共振回路に対応する。ここで、図2に示すように、第1のコイルプレート70と第2のコイルプレート80とは、同心的に設けられてもよく、又は図3に示すように、第1のコイルプレート70と第2のコイルプレート80とは、隣接して設けられてもよい。
【0025】
具体的に、図2及び図3に示すように、電磁調理器具の駆動制御回路は、交流電源10と、整流モジュール20と、制御モジュール30と、第1電力スイッチ40と、第2電力スイッチ50と、ゼロクロス検出モジュール60と含むことができる。ここで、第1電力スイッチ40と第2電力スイッチ50とは、IGBTであってもよい。第1のコイルプレート70と第2のコイルプレート80とは、それぞれ独立する共振回路にあり、即ち、第1電力スイッチ40は、第1のコイルプレート70のターンオンとターンオフを制御するために用いられ、第2電力スイッチ50は、第2のコイルプレート80のターンオンとターンオフを制御するために用いられる。ゼロクロス検出モジュール60は、交流電源ゼロクロス信号を検出するために用いられ、整流モジュール20は、入力される交流電源を直流電力に整流するために用いられ、スイッチモジュールは、整流された直流信号を逆変換して20KHz以上の高周波信号にするために用いられ、高周波信号は、コイルプレートにより電気信号を交番する電磁信号に変換され、電磁調理器具(被加熱体)には、交番する電磁信号に渦電流及びヒステリシス運動が発生し、エネルギーが発生する。
【0026】
図4に示すように、その中の一つの電力スイッチ制御が対応するコイルプレートが動作する場合、コイルプレートの周囲及び被加熱体の周辺に、交番する磁界が生じ、電力スイッチに制御されていないコイルプレートでは、交番磁界で追従型周波数と同一な共振が発生され、また二つの共振する波の谷が到達する時間は非常に近い。
【0027】
図1に示すように、本発明の実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法は、以下のステップS1〜S3含むことができる。
【0028】
S1において、電磁調理器具の目標電力を取得する。
【0029】
S2において、目標電力に基づいて電磁調理器具の加熱サイクルを決定し、ここで、各加熱サイクルは、少なくとも一つの加熱期間を含む。本発明の実施例において、各加熱期間が入力される交流電源の一つの半波サイクルに対応する。加熱サイクルは、320ミリ秒以下である。なお、320ミリ秒は、32の交流電源半サイクルであり、最小加熱サイクルは、一つの交流電源半サイクルが10ミリ秒加熱し、310ミリ秒停止し、最小平均電力は、基準電力P×1/32であり、最小基準に基づいて制御電力が3200Wであり、最小電力が100Wであり、加熱サイクルが小さければ、加熱が均一になり、最小制御電力及び加熱均一性を組み合わせるため、加熱サイクルを320ミリ秒以内に限定する。
【0030】
S3において、各加熱期間において、第1制御パルスで第1のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御して、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱し、ここで、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、第1のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点と、第2のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点とは、同一である。
【0031】
具体的に、電磁調理器具に電源を入れて動作した後、電磁調理器具の目標電力を取得し、その後、目標電力に基づいて電磁調理器具の加熱サイクルを決定し、各加熱サイクルは、少なくとも一つの加熱期間を含み、各加熱期間において、異なる制御パルスでそれぞれ第1のコイルプレート及び第2のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、且つ二つの電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン開始時点が同一にするように制御し、これにより第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとは、同時に異なる電力で加熱する目的を到達し、調理電気器具の現在加熱電力が設定された目標電力に到達する際に、加熱を停止する。例えば、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、最大電力でコイルプレートを加熱することを基準として(第1のコイルプレートと仮定する)、電力スイッチのターンオン時間が同一であってもよく、これにより第1のコイルプレート及び第2のコイルプレートの同時加熱を実現し、ターンオフ時間が同一であっても異なってもよく(すなわち、パルス幅が同一又は異なるように制御し、パルス幅が同一にするように制御する場合、同一電力による加熱を実現し、パルス幅が異なるように制御する場合、異なる電力による加熱を実現する)、例えば、第1制御パルスで第1のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御して、第1制御パルスのパルス幅は、第2制御パルスの幅よりも大きいことができ、これにより、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとは、異なる電力で加熱する。
【0032】
ここで、電磁調理器具の現在加熱電力は、各加熱期間での第1のコイルプレートへの加熱電力と、第2のコイルプレートへの加熱電力との合計である。
【0033】
本発明の一実施例によれば、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱する場合、第1のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン時間は、第2のコイルプレートに対応する電力スイッチの各スイッチングサイクルでのターンオン時間と異なり、第1のコイルプレートに対応する電力スイッチのスイッチングサイクルは、第2のコイルプレートに対応する電力スイッチのスイッチングサイクルと同一である。
【0034】
即ち、各スイッチングサイクルにおいて、第1のコイルプレートのターンオン時間をT1とし、ターンオフ時間をT2とし、第2のコイルプレートのターンオン時間をt1とし、ターンオフ時間をt2とすると、T1≧t1、T2≦t2、且つT1+T2=t1+t2。これにより、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとは、同時に加熱することを保証することができる。
【0035】
以下、加熱サイクルに含まれる加熱期間を説明する。
【0036】
本発明の一実施例によれば、各加熱サイクルが一つの加熱期間を含む場合、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとは、同時に連続加熱する。
【0037】
即ち、図5に示すように、加熱期間において、第1制御パルスで第1電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2電力スイッチを制御し、第1制御パルスは、第2制御パルスの幅と異なり、第1電力スイッチと第2電力スイッチとのターンオン開始時点が同一であり、これにより第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとは、電磁調理器具の現在電力が設定された目標電力に到達するまで、同時に且つ異なる電力で連続加熱することを実現する。これにより、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱するように制御し、各加熱サイクルが交流電源半サイクルであり、出力電力は、各サイクルで同一であり、電力が変動しなく、電力網への干渉が少ない。
【0038】
本発明のもう一つの実施例によれば、各加熱サイクルが四つの加熱期間を含む場合、ここで、第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱し、第3の加熱期間及び第4の加熱期間において、第1のコイルプレートが加熱し、第の2コイルプレートが加熱を停止する。
【0039】
即ち、図6に示すように、第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、第1制御パルスで第1電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2電力スイッチを制御し、第1制御パルスは、第2制御パルスの幅と異なり、第1電力スイッチと第2電力スイッチとのターンオン開始時点が同一であり、これにより、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱することを実現する。第3の加熱期間及び第4の加熱期間において、依然として、第1制御パルスで第1電力スイッチを制御し、第2電力スイッチをターンオフ状態にあるように制御し、これにより、第1のコイルプレートが加熱し、第2のコイルプレート加熱を停止し、この期間に、電磁調理器具の現在電力を調節することができる。これにより、第1コイルプレートの出力電力がシステムに許容される最小連続出力電力よりも小さくなるように制御することにより、ここで第2のコイルプレートは、間欠的加熱制御方法を用い、同時に加熱する目的を到達し、均一に加熱する効果を向上させる。
【0040】
本発明のさらにもう一つの実施例によれば、各加熱サイクルが四つの加熱期間を含む場合、ここで、第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱し、第3の加熱期間において、第1のコイルプレートが加熱し、第2のコイルプレートが加熱を停止し、第4の加熱期間において、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱を停止する。
【0041】
即ち、図7に示すように、第1の加熱期間及び第2の加熱期間において、第1制御パルスで第1電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2電力スイッチを制御し、第1制御パルスは、第2制御パルスの幅と異なり、第1電力スイッチと第2電力スイッチとのターンオン開始時点が同一であり、これにより第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱することを実現する。第3の加熱期間において、依然として、第1制御パルスで第1電力スイッチを制御し、且つ第2電力スイッチをターンオフ状態にあるように制御し、これにより第1のコイルプレートが加熱し、第2のコイルプレートが加熱を停止する。第4の加熱期間において、第1電力スイッチと第2電力スイッチとのいずれもターンオフ状態にあるように制御し、これにより第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に加熱を停止し、この期間に、電磁調理器具の現在電力を調節することができる。これにより、二つのコイルプレートの出力電力のいずれもシステムに許容される最小連続出力電力よりも小さくなるように制御することにより、二つのコイルプレートのいずれも間欠的加熱制御方法を用い、同時に加熱する目的を到達し、均一に加熱する効果を向上させる。
【0042】
以上のことから、図5図7に示すように、第1のコイルプレートを加熱するように制御すると、第1のコイルプレートの周囲に交番する磁界が発生されるため、第1のコイルプレートに対応する共振回路が共振電圧を発生させる同時に、第2のコイルプレートが加熱しなくても、それが対応する共振回路は、共振電圧(第1のコイルプレートに対応する共振回路が発生させる電圧よりも小さい)を発生させることが分かる。同様に、第2のコイルプレートを加熱するように制御すると、第1のコイルプレートが加熱しなくても、第1のコイルプレートに対応する共振回路は、共振電圧を発生させる。
【0043】
以上のことから、本発明の実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法は、電磁調理器具の目標電力を取得し、また目標電力に基づいて電磁調理器具の加熱サイクルを決定し、ここで、各加熱サイクルは、少なくとも一つの加熱期間を含み、各加熱期間において、第1制御パルスで第1のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御し、第2制御パルスで第2のコイルプレートに対応する電力スイッチを制御して、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとが同時に異なる電力で加熱し、これにより複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【0044】
また、本発明の実施例は、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、それにコンピュータプログラムが記憶され、当該プログラムがプロセッサより実行される場合、上述の電磁調理器具の電力制御方法が実現される。
【0045】
本発明の実施例に係る非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上述の電磁調理器具の電力制御方法を実行することにより、複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【0046】
さらに、本発明の実施例は、電磁調理器具をさらに提供し、前記電磁調理器具は、第1のコイルプレートと、第2のコイルプレートと、メモリと、プロセッサと、メモリに記憶され且つプロセッサにより実行可能な電磁調理器具の電力制御プログラムとを含み、ここで、第1のコイルプレートと第2のコイルプレートとは、それぞれ一つの独立する共振回路に対応し、電磁調理器具の電力制御プログラムがプロセッサにより実行される場合、上述の電磁調理器具の電力制御方法が実現される。
【0047】
なお、本発明の実施例に係る調理器具に記載しない詳細について、本発明の実施例に係る電磁調理器具の電力制御方法に記載の詳細を参照し、具体的な説明を省略する。
【0048】
本発明の実施例に係る電磁調理器具は、上述の電磁調理器具の電力制御方法に基づいて、複数のコイルプレートが同時に異なる電力で加熱することを実現することができる。
【0049】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」、などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は素子が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0050】
なお、「第1」、「第2」の用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。そこで、「第1」、「第2」が限定されている特徴は一つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、二つ又は二つ以上のことを意味する。
【0051】
本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付け」、「互いに接続」、「接続」、「固定」等の用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机械的な接続や、電気的な接続や、あるいは互いに通信することも可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの素子の内部が連通することや、あるいは二つの素子の間に相互の作用関係があることも可能である。当業者にとって、具体的な場合によって上記用語の本発明においての具体的な意味を理解することができる。
【0052】
本発明において、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含むことができるし、第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上及び斜め上にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことのみ表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下及び斜め下にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことのみを表す。
【0053】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例示的な実施例」、「例示」、「具体的な例示」、或いは「一部の例示」などの用語を参考した説明とは、該実施例或いは例示に組み合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例示に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な表現は、必ずしも同じ実施例或いは例示を示すことではない。又、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特徴は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は例示において適切に組み合わせることができる。なお、相互に矛盾しない限り、当業者は、本明細書に記載の異なる実施例又は例示、及び異なる実施例又は例示の特徴を組み合わせることができる。
【0054】
以上、本発明の実施例について示して説明したが当業者にとって理解できるのは、上記の実施例は例示的なものに限らず、本発明を限定するように解釈されることはできない。当業者は、本発明の範囲で、上述の実施例に対し様々な変更、修正、置換よび変形をすることができる。
【符号の説明】
【0055】
10 交流電源
20 整流モジュール
30 制御モジュール
40 第1電力スイッチ
50 第2電力スイッチ
60 ゼロクロス検出モジュール
70 第1のコイルプレート
80 第2のコイルプレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7