特許第6854858号(P6854858)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854858
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】人間工学的なIVシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
   A61M25/06 500
   A61M25/06 514
【請求項の数】2
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2019-154759(P2019-154759)
(22)【出願日】2019年8月27日
(62)【分割の表示】特願2018-522616(P2018-522616)の分割
【原出願日】2016年10月6日
(65)【公開番号】特開2020-6190(P2020-6190A)
(43)【公開日】2020年1月16日
【審査請求日】2019年9月10日
(31)【優先権主張番号】62/247,626
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/247,596
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/247,599
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/247,617
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/247,607
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/247,621
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/247,624
(32)【優先日】2015年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/296,385
(32)【優先日】2016年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/296,383
(32)【優先日】2016年2月17日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】15/286,292
(32)【優先日】2016年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】バート ディー.ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】ステファン ティー.ボーンホフト
(72)【発明者】
【氏名】ネヴィル チア
(72)【発明者】
【氏名】シッダールタ シング
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ エル.ソンデレッガー
(72)【発明者】
【氏名】ワン ビン
【審査官】 豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第202909200(CN,U)
【文献】 特開昭61−253073(JP,A)
【文献】 特開平8−257129(JP,A)
【文献】 特表2012−521796(JP,A)
【文献】 米国特許第4362156(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0150793(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内(IV)カテーテルシステムであって、
カテーテルコンポーネントであって、
近位端を有するカテーテルハブ、
前記カテーテルハブから遠位に延びるカニューレ、及び、
前記カテーテルハブの側部から外向きに延びているウイング
を備えるカテーテルコンポーネント、並びに、
ニードルコンポーネントであって、
前記カテーテルハブの前記近位端に結合される遠位端を有するニードルハブ、
前記ニードルハブの前記遠位端から遠位側に延びている針、
前記ニードルハブの側部から外向きに及び遠位に延びているグリップ、及び、
前記ニードルハブの前記遠位端に形成された回転停止機構であって、前記針が前記カニューレ内に完全に挿入された場合に前記カテーテルコンポーネントの前記ウイングと接触して前記カテーテルコンポーネントに対する前記ニードルコンポーネントの回転を制限するように適合されている回転停止機構
を備えたニードルコンポーネント
を備えることを特徴とするIVカテーテルシステム。
【請求項2】
前記回転停止機構は前記ニードルハブの前記遠位端から遠位に延びており、及び、
前記回転停止機構が前記ウイングに接触したときに、前記グリップの平面は前記ウイングの平面と実質的に平行である、請求項1のIVカテーテルシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流体を患者の血管系に直接投与することができる、静脈内(「IV」)送達のためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本発明は、IV型カテーテルシステムを介して流体を患者に送達することができる、患者への挿入、および/または、挿入構成から流体送達構成への移動を容易にするIVカテーテルシステムおよび方法に関する。本発明によるIVカテーテルシステムは、流体の動脈、静脈内、血管内、腹膜および/または非血管の投与に使用するために、流体を患者に送達するために使用されるコンポーネントを説明するために、広く本明細書で使用される。当然ながら、当業者は、IVカテーテルシステムを使用して、患者の体内の他の場所に流体を投与することができる。
【背景技術】
【0002】
公知のIVカテーテルシステムおよび方法は、多くの欠点を有する。このような多くのシステムは、臨床医がIVカテーテルシステムを位置決めするためおよび/または針を患者の流体送達位置(例えば、流体が送達されるべき静脈)に挿入するために2本の手を必要とする。さらに、多くのこのようなシステムは、臨床医がIVカテーテルシステムを挿入構成から流体送達構成に移動させることを必要とし、この場合、針をカニューレから取り外して、カニューレを通して流体を静脈に送達することができる。従って、臨床医は、IVカテーテルシステムの挿入に先立って、流体送達位置を有する患者の腕または他の身体部分を安定させる必要がある。その結果、臨床医が輸血を開始するために充分な時間が必要となる。さらに、臨床医は、挿入中および/または流体送達構成への移動中に、患者の安定化または安心感などの他の作業を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8,496,623号明細書
【特許文献2】米国特許第9,399,120号明細書
【特許文献3】米国特許出願第62/314,262号明細書
【特許文献4】米国特許第6,117,108号明細書
【特許文献5】米国特許出願第14/295,953号号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、IVカテーテルシステムの配置、挿入、および/または流体送達の準備を容易にするIVカテーテルシステムおよび方法が必要とされている。安価で製造が容易で汎用性のあるIVカテーテルシステムがさらに必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、一般に、人間工学を強化したIVカテーテルシステムに関する。幾つかの実施形態では、IVカテーテルシステムは、片手で挿入され流体送達形態に移動される。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントとニードルコンポーネントとを含むことができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブ遠位端およびカテーテルハブ近位端を有するカテーテルハブを有することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端の間に延びるチャンバと、チャンバへのアクセスを提供するカテーテルハブ近位端のニードルポートとを画定することができる。カテーテルハブはまた、カテーテルハブ遠位端から遠位に延びるカニューレと、カテーテルハブに接続され、カテーテルコンポーネントの押圧面を画定する押圧機構とを有していてよい。ニードルコンポーネントは、ニードルハブ遠位端と、ニードルハブ遠位端から遠位に延びる針とを有するニードルハブを有していてよい。ニードルコンポーネントはまた、ニードルハブに接続され、ニードルコンポーネントの引っ張り面を画定する引っ張り機構を有していてよい。挿入構成では、針をカニューレ内に配置し、ニードルハブ遠位端をニードルポートに着座させ、引っ張り面をカテーテルハブ近位端の遠位に配置することができる。
【0006】
引っ張り面は、IVカテーテルシステムが挿入構成にあるとき、押圧面の遠位に配置することができる。
【0007】
押圧機構は、カテーテルハブに固定されたウイングであってカニューレの軸線に略平行なウイングのトレーリングエッジ、カテーテルハブに固定されたグリップ機構であってカニューレの軸線に略平行なウイングの主表面上に適合され、または形成されるグリップ機構、カテーテルハブに固定されたウイングの主表面上に適合され、または形成される一連のナッブ、カテーテルハブに固定され、カニューレの軸線に略平行なウイングに固定されたタブであって、ウイングに対し平行でない方向にウイングから延びているタブ、カテーテルハブに固定され、カニューレの軸線に略平行なウイングに固定されたタブであって、ウイングから略垂直に延びているタブ、カテーテルハブに固定され、カテーテルハブから外向きに延びているタブ、カテーテルハブの周りに配置された円周リング、及び、カテーテルハブから延びる延長チューブ接合部の近位面からなる群のうちから選択された機構を備える。
【0008】
押圧機構は、カテーテルハブから概してカニューレの軸線に平行に延在するウイングのような固定プラットフォームに一体化されてもよく、それにより、流体送達構成において、IVカテーテルシステムを通じて流体を受ける患者の皮膚上にウイングが載置される。
【0009】
ウイングは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端の中間の位置でカテーテルハブから外向きに延びる延長チューブ接合部と一体化することができる。
【0010】
ウイングは、オプションで、カニューレを含むカニューレ軸と同一平面上になくてよい。あるいは、ウイングは、カニューレを含むカニューレ軸と同一平面上にある。
【0011】
カテーテルコンポーネントは、針が挿入構成内を通過する隔壁をさらに含むことができる。隔壁は、臨床医の片手でIVカテーテルシステムを挿入構成から流体送達構成に移動させることを可能にするために、隔壁を通る針の引き抜きに対して十分に低い抵抗を備えるように構成してもよい。
【0012】
引っ張り機構は、ニードルハブに固定されたグリップのリーディングエッジであって、ニードルハブから外向きに、概して遠位に延びているリーディングエッジ、ニードルハブに固定されたグリップの主表面上に適合され、または形成されるグリップ機構であって、ニードルハブから外向きに、概して遠位に延びているグリップ機構、ニードルハブに固定されたグリップの主表面上に適合され、または形成される一連のナッブであって、ニードルハブから外向きに、概して遠位に延びている一連のナッブ、ニードルハブに固定されており、ニードルハブから外向きに及び概して遠位に、針の軸線に概して平行に延びているグリップに固定されたタブであって、グリップからグリップに対し平行でない方向に延びているタブ、及び、ニードルハブに固定されており、ニードルハブから外向きに及び概して遠位に、針の軸線に概して平行に延びているグリップに固定されたタブであって、グリップから実質的に垂直に延びているタブからなる群のうちから選択された機構を備えている。
【0013】
カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブからカニューレ軸にほぼ平行に外向きに延びるウイングを有することができる。ニードルコンポーネントは、針軸に概ね平行なニードルハブから外向きにかつ遠位に延びるグリップを有していてよい。挿入構成では、ウイングとグリップは、お互いにほぼ平行であってもよく、互いに対して当接関係に配置してもよい。IVカテーテルシステムの挿入構成から流体送達構成への移動の間、グリップはウイングに沿ってスライドすることができる。
【0014】
ニードルコンポーネントは、ニードルハブ遠位端に近接して形成された回転停止機構を有することができる。回転停止機構は、カテーテルコンポーネントに対するニードルコンポーネントの回転を制限するために、カテーテルコンポーネント上の対応する機構に係合するように構成してもよい。
【0015】
カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブからカニューレ軸にほぼ平行に外向きに延びるウイングを含むことができる。ニードルコンポーネントは、針軸に概ね平行なニードルハブから外向きにかつ遠位に延びるグリップを含むことができる。回転停止機構は、ニードルハブ遠位端から遠位に延在することができる。挿入構成では、回転停止機構がカテーテルコンポーネントのウイングに接触し、グリップがウイングと実質的に同一平面となるように、ニードルコンポーネントをカテーテルコンポーネントに対して回転させることができる。回転停止機能は、グリップがウイングの上で回転するがウイングの下では回転しないようにすることができる。
【0016】
グリップ面または押圧面は、カテーテルハブの1つまたはより多くの表面の周りに延びる円周リングを備えてもよい。カテーテルハブ内に低抵抗の隔壁を配置することができる。対向するサイドグリップは、ニードルハブの対向する側に配置してもよい。少容積で高視認性のフラッシュチャンバは、ニードルハブの近位端に取り付けられたフラッシュ収容部に取り外し可能に取り付けることができる。
【0017】
ニードルコンポーネントは、フラッシュチャンバを含むフラッシュ収容部を有するニードルハブ近位端を有していてよい。フラッシュ収容部は、フラッシュチャンバから空気を排出するための1つまたはより多くの端部ベントおよび/またはサイドベントを含むことができる。
【0018】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、片手で挿入して流体供給形態に移動させることができる。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントとニードルコンポーネントを含むことができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端とを有するカテーテルハブを含み、カテーテルハブは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端の間に延びるチャンバを画定する。カテーテルコンポーネントはまた、チャンバへのアクセスを提供するカテーテルハブ近位端にニードルポートを含み、カテーテルハブ遠位端から遠位に延びるカニューレを含むことができる。カテーテルコンポーネントはまた、カテーテルハブに接続され、カテーテルハブから外向きに延び、カテーテルコンポーネントの押圧面を有するウイングを含むことができる。ニードルコンポーネントは、ニードルハブ遠位端と、ニードルハブ遠位端から遠位に延びる針とを有するニードルハブを有していてよい。ニードルコンポーネントはまた、ニードルハブに連結され、ニードルハブから外向きにかつ遠位に延びるグリップを有することができ、グリップは、ニードルコンポーネントの引っ張り面を備える。挿入構成では、針をカニューレ内に配置し、ニードルハブの遠位端をニードルポートに着座させ、引っ張り面をカテーテルハブ近位端の遠位に配置することができる。
【0019】
引っ張り面は、IVカテーテルシステムが挿入構成にあるとき、押圧面の遠位に配置してもよい。押圧面は、ウイングのトレーリングエッジなどの表面、ウイングの主表面に塗布または形成されたグリップ構造、ウイングの主表面に塗布または形成された一連のナッブ、前記ウイング部に固定され、前記ウイング部から実質的に垂直に延びるタブ、または前記カテーテルハブから延在し、前記ウイング部と一体化された延長チューブ接合部の近位面を含む。
【0020】
引っ張り面は、グリップのリーディングエッジなどの表面、グリップの主表面に塗布された、またはグリップの主表面に形成されたグリップ機構、グリップの主表面上に塗布された、または形成された一連のナッブ、グリップに実質的に垂直に延在するグリップ、および、タブに固定されたタブを含むことができる。
【0021】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントに対するニードルコンポーネントの回転を制限する回転停止機能を含むことができる。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントとニードルコンポーネントを含むことができる。カテーテルコンポーネントは、近位端、カテーテルハブから遠位に延びるカニューレ、および、カテーテルハブの側面から外向きに延びるウイングを有するカテーテルハブを有していてよい。ニードルコンポーネントは、カテーテルハブ近位端と連結する遠位端を有するニードルハブ、ニードルハブの遠位端から遠位に延びる針、および、ニードルハブの遠位端から外向きにおよび遠位に延びるグリップを有することができる。ニードルコンポーネントはまた、ニードルハブの遠位端に形成される回転停止機構を有していてよく、回転停止機構は、カテーテルコンポーネントのウイングまたは他の外部機構またはタブなどの、カテーテルコンポーネントの対応する針コンポーネントがカニューレ内に完全に挿入されたときにカテーテルコンポーネントに対するニードルコンポーネントの回転を制限するために、カテーテルコンポーネントの近位端に配置される。
【0022】
回転停止機構は、ニードルハブの遠位端から遠位に延在することができる。回転停止機構がウイングに接触すると、グリップの平面はウイングの平面に実質的に平行となり得る。
【0023】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、片手で流体送達構成に挿入され移動されてもよい。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントおよびニードルコンポーネントを有することができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブ遠位端およびカテーテルハブ近位端を有するカテーテルハブを有することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端の間に延在するチャンバと、チャンバへのアクセスを提供するカテーテルハブ近位端におけるニードルポートを画定する形状とすることができる。カテーテルコンポーネントはまた、カテーテルハブ遠位端からカニューレ軸に沿って遠位に延びるカニューレと、カテーテルハブに近接して配置され、カニューレ軸に実質的に垂直に向けられた押圧面を画定する押圧機構とを有し得る。ニードルコンポーネントは、ニードルハブ遠位端およびニードルハブ近位端を有するニードルハブと、ニードルハブ遠位端から針軸に沿って遠位に延びる針と、ニードルハブから延在するグリップとを含むことができ、グリップには引っ張り機能がある。挿入構成では、針をカニューレ内に配置することができ、ニードルハブの遠位端をニードルポートに着座させることができる。流体送達構成では、針をカテーテルハブの外側に配置することができる。IVカテーテルシステムが挿入構成から流体送達構成に移動するように促すために、押圧機構および引っ張り機構を片方の手指から接触を受けるように配置してもよい。
【0024】
カテーテルハブは、カテーテルハブ近位端とカテーテルハブ遠位端の間にカテーテルハブの中間部分を有することができる。カテーテルコンポーネントはさらに、カテーテルハブの中間部分から外向きに延在する延長チューブ接合部を有し、カテーテルハブを延長チューブに接続することができる。
【0025】
カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブから延在し、概してカニューレ軸に平行な第1のウイングを有する固定プラットフォームをさらに有していてよい。流体送達構成では、第1のウイングは、IVカテーテルシステムを通じて流体を受ける患者の皮膚上に載置されることができる。第1のウイングは、延長チューブ接合部と一体化してもよい。
【0026】
カテーテルコンポーネントはさらに、チャンバ内に隔壁を有し、この隔壁を通って針が挿入構成を通過する。隔壁は、隔壁を通る針の引き抜きに対して十分に低い抵抗を備え、手だけで、IVカテーテルシステムを挿入構成から流体送達構成に移動させることができるように構成することができる。
【0027】
カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブから延び、概してカニューレ軸に平行な第1のウイングを有する固定プラットフォームをさらに有していてよい。流体送達構成では、第1のウイングは、IVカテーテルシステムを通じ流体を受ける患者の皮膚に載置される。
【0028】
押圧機構は、第1のウイングに固定されたタブであってよい。タブは、第1のウイングから第1のウイングに対して平行でない方向に沿って延在していてよい。
【0029】
挿入構成では、第1のウイングおよびグリップは、互いにほぼ平行であってよく、お互いに隣接して配置してもよい。IVカテーテルシステムの挿入構成から流体送達構成への移動の間、グリップは第1のウイングに沿ってスライドすることができる。
【0030】
押圧機構はカテーテルハブに固定されたタブであってよい。タブはカテーテルハブから外向きに延在することができる。
【0031】
タブはカテーテルハブ近位端に近接して配置してもよい。具体的には、タブは、カテーテルハブ遠位端よりもカテーテルハブ近位端の近くに配置してよい。
【0032】
引っ張り機構は、グリップのリーディングエッジであってよい。リーディングエッジは、指形状の1つから快適に接触を受けるような形状およびサイズにすることができる。
【0033】
引っ張り機構は、グリップに固定されたタブであってよい。タブは、グリップから非グリップ方向に延在することができる。
【0034】
IVカテーテルシステムはさらに、ニードルハブの近位端に固定されたフラッシュ収容部を有することができる。フラッシュ収容部は、血管内のカニューレ遠位端の位置決めに応答して血液を受け取るフラッシュチャンバを画定するように成形されてもよい。
【0035】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、片手で流体送達構成に挿入され、移動されてもよい。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントおよびニードルコンポーネントを有することができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブ遠位端およびカテーテルハブ近位端を有するカテーテルハブを有することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端の間に延びるチャンバを画定するように成形されてもよい。カテーテルハブはさらに、カテーテルハブ近位端に、カテーテルのアクセスを提供するニードルポートを有することができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブ遠位端からカニューレ軸に沿って遠位に延びるカニューレと、カテーテルハブに近接して配置された押圧機構と、カニューレ軸にほぼ平行なカテーテルハブから延びる第1のウイングを含むことができる。流体送達構成では、第1のウイングは、IVカテーテルシステムを通じ流体を受ける患者の皮膚に載置されることができる。第1のウイングは、カニューレ軸と同一平面上になくてもよい。ニードルコンポーネントは、ニードルハブ遠位端およびニードルハブ近位端を有するニードルハブと、ニードルハブ遠位端から針軸に沿って遠位に延びる針と、ニードルハブから延在する針に概ね平行なグリップ軸を含むことができ、グリップには引っ張り機能がある。挿入構成では、針をカニューレ内に配置することができ、ニードルハブの遠位端をニードルポートに着座させることができる。流体送達構成では、針をカテーテルハブの外側に配置することができる。押圧機構および引っ張り機構は、IVカテーテルシステムが挿入構成から流体送達構成に移動するように促すために、片方の手指から接触を受けるように配置してもよい。
【0036】
カテーテルハブは、カテーテルハブ近位端とカテーテルハブ遠位端の間にカテーテルハブの中間部分を有することができる。カテーテルコンポーネントはさらに、カテーテルハブの中間部分から外向きに延在する延長チューブ接合部を有し、カテーテルハブを延長チューブに接続することができる。
【0037】
カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブから延び、概してカニューレ軸に平行な第1のウイングを有する固定プラットフォームをさらに有していてよい。流体送達構成では、第1のウイングは、IVカテーテルシステムを通じ流体を受ける患者の皮膚に載置されることができる。第1のウイングは、延長チューブ接合部と一体化してもよい。
【0038】
カテーテルコンポーネントはさらに、チャンバ内に隔壁を有し、この隔壁を通って、針が挿入構成を通過する。隔壁は、片手でIVカテーテルシステムを挿入構成から流体送達構成に移動させることができるように、隔壁を通る針の引き抜きに対して十分に低い抵抗を備えるように構成してもよい。
【0039】
押圧機構は、第1のウイングに固定されたタブであってよい。タブは、第1のウイングから、第1のウイングに対して平行でない方向に沿って延びることができる。
【0040】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、片手で流体送達構成に挿入され移動されてもよい。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントおよびニードルコンポーネントを有することができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブ遠位端およびカテーテルハブ近位端を有するカテーテルハブを有することができる。カテーテルハブは、カテーテルハブ遠位端とカテーテルハブ近位端の間に延在するチャンバと、チャンバへのアクセスを提供するカテーテルハブ近位端におけるニードルポートとを画定する形状とすることができる。カテーテルコンポーネントは、カニューレ軸線に沿ってカテーテルハブ遠位端から遠位に延びるカニューレと、カテーテルハブに近接して配置された押圧機構とをさらに有していてよい。ニードルコンポーネントは、ニードルハブ遠位端およびニードルハブ近位端を有するニードルハブと、ニードルハブ遠位端から針軸に沿って遠位に延びる針と、ニードルハブから延びる第1のグリップと、針軸を含むことができる。第1のグリップは、ニードルハブ遠位端の遠位に配置された第1の引っ張り機構を有することができる。ニードルコンポーネントは、ニードルハブから延び、針軸にほぼ平行な第2のグリップをさらに有していてよい。第2のグリップは、第1の引っ張り機構の近位に配置された第2の引っ張り機構を有することができる。挿入構成では、針をカニューレ内に配置することができ、ニードルハブの遠位端をニードルポートに着座させることができる。流体送達構成では、針をカテーテルハブの外側に配置することができる。押圧機構、第1の引っ張り機構、および第2の引っ張り機構は、IVカテーテルシステムが挿入構成から流体送達構成に移動するように促すために、片手の形状から接触を受けるように配置してもよい。
【0041】
第2のグリップは、第1のグリップと実質的に同一平面上にあってよい。第2のグリップは、さらに、第1のグリップからカテーテルハブの反対側に配置することができる。
【0042】
カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブから延在し、概してカニューレ軸に平行な第1のウイングを有する固定プラットフォームをさらに有していてよい。流体送達構成では、第1のウイングは、IVカテーテルシステムを通じ流体を受ける患者の皮膚に載置されることができる。挿入構成では、第1のウイングおよび第1のグリップは、お互いに概ね平行であってもよく、お互いに隣接する関係に配置してもよい。挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステムの動作中、第1のグリップは第1のウイングに沿ってスライドすることができる。
【0043】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントに対するニードルコンポーネントの回転を制限する回転停止機構を含むことができる。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントおよびニードルコンポーネントを有することができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブと、カテーテルハブから遠位に延びるカニューレとを有していてよい。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブの第1の側部から外向きに延び、延長チューブをカテーテルハブに連結する延長チューブ接合部をさらに有することができる。カテーテルコンポーネントはまた、第1の側部から外向きに延びる第1のウイング部を有していてよい。ニードルコンポーネントは、カテーテルハブ近位端に連結する遠位端と、ニードルハブから遠位に延びる針とを有するニードルハブを有していてよい。ニードルコンポーネントはまた、ニードルハブの第2の側から外向きに延びるグリップと、ニードルハブの遠位端に形成された回転停止部とを有していてよい。回転停止機構は、カテーテルコンポーネントに接触して、ニードルコンポーネントのカテーテルコンポーネントに対する回転を制限することができる。
【0044】
回転停止機構は、ニードルハブ上の特徴部およびカテーテルハブ上の対応する特徴部を含むことができる。ニードルハブ上の特徴部は、ニードルハブの遠位端から遠位に延在してもよく、ニードルハブの遠位端の外形であってよく、またはニードルハブの遠位端における内部特徴部であってもよい。ニードルハブ上の特徴および/またはカテーテルハブ上の対応する特徴は、それぞれ単一の表面または特徴を含むことができ、あるいは代替的に、複数の適合する表面または特徴をそれぞれ含むことができる。カテーテルハブの特徴は、カテーテルハブ上の外部特徴またはタブであってよく、カテーテルシステムの第1のウイングのようなさらなる目的に役立つカテーテルハブの特徴であってもよい。回転停止機構は、ニードルハブの遠位端から遠位に延び、カテーテルコンポーネントの第1のウイングと接触してもよい。回転停止機構が第1のウイングに接触すると、グリップは第1のウイングと実質的に並んでもよい。回転停止機能は、グリップが第1のウイングの上で回転するが第1のウイングの下では回転しないようにすることができる。回転停止機構は、第1のウイングの下側に接触するレッジを形成することができる。
【0045】
グリップは引っ張り機構を含むことができ、第1のウイングは押圧機構を含むことができる。ニードルコンポーネントの近位端は、フラッシュチャンバを含むフラッシュ収容部を含むことができる。フラッシュ収容部は、フラッシュチャンバから空気を排出するための1つまたはより多くのサイドベントを含むことができる。フラッシュ収容部はまた、フラッシュチャンバから空気を排出するための近位開口を含むことができる。フラッシュ収容部は、ニードルハブから取り外し可能としてもよい。
【0046】
他の実施形態では、IVカテーテルシステムは、フラッシュチャンバ内から空気を排出するための1つまたはより多くのサイドベントを有するフラッシュ収容部を含むことができる。IVカテーテルシステムは、カテーテルコンポーネントおよびニードルコンポーネントを有することができる。カテーテルコンポーネントは、カテーテルハブと、カテーテルハブから遠位に延びるカニューレとを含むことができる。カテーテルコンポーネントはまた、カテーテルハブの第1の側から外向きに延び、延長チューブをカテーテルハブに連結する延長チューブ接合部と、第1の側から外向きに延びる第1のウイングとを含むことができる。ニードルコンポーネントは、カテーテルハブ近位端に連結する遠位端を有するニードルハブ、ニードルハブから遠位に延びる針、およびニードルハブの第2の側から外向きに延びるグリップを含むことができる。ニードルハブは、ニードルコンポーネントの近位端に形成され、フラッシュチャンバを含むフラッシュ収容部をさらに含むことができる。フラッシュ収容部は、フラッシュチャンバ内から空気を排出するための1つまたはより多くのサイドベントを含むことができる。フラッシュ収容部は、フラッシュチャンバ内から空気を排出するための近位開口部を含むこともできる。
【0047】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、本発明の特定の実施形態に組み込むことができ、以下の説明および特許請求の範囲からより十分に明らかになるか、または以下に示す本発明の実施形態によって理解される。本発明は、本明細書に記載された全ての有利な特徴および利点が本発明のすべての実施形態に組み込まれることを必要としない。
【0048】
本発明の上記および他の特徴および利点が得られる様式が容易に理解されるように、上では簡潔に説明した本発明のより詳細な説明は、その特定の実施形態及び添付の図面を参照することによってなされる。これらの図面は、本発明の典型的な実施形態のみを示しており、したがって、本発明の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】一実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図2A】一代替実施形態によるIVカテーテルシステムの分解斜視図である。
図2B】一代替実施形態によるIVカテーテルシステムの一部の完全な組み立て図である。
図3】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの一部の斜視図である。
図4】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図5A】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図5B】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図6】一実施形態による、流体を患者に送達するためのIVカテーテルシステムを準備する1つの方法を示すフローチャートである。
図7A】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図7B】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図8】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図9A】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
図9B】別の代替実施形態によるIVカテーテルシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
現時点で好ましい本発明の実施形態は、図面を参照することによって理解することができ、同一の参照番号は、機能的に同一または類似の要素を示す。本出願の図面に一般的に説明され図示された本発明のコンポーネントは、多種多様な異なる構成で配置され、設計され得ることは容易に理解されるであろう。したがって、図面に示されている以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するものではなく、現時点で好ましい本発明の実施形態の単なる代表例に過ぎない。
【0051】
さらに、図面は、簡略化された図面または部分的な図面を示していることがあり、図面の要素の寸法は、誇張されていても、明瞭にするために比例していなくてもよい。さらに、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上他に明確に指示されていない限り、複数の指示対象も含む。したがって、例えば、端末への参照は、1つまたはより多くの端末への参照を含む。さらに、要素(例えば、要素a、b、c)のリストを参照する場合、そのような参照は、列挙された要素のうちのいずれか1つを単独で含むことを意図しており、またはリストされたすべての要素の組み合わせを意図することがある。
【0052】
「実質的に」という用語は、記載された特性、パラメータ、または値が正確に達成される必要はないが、例えば許容誤差、測定誤差、測定精度限界および当業者に知られている他の要素子を含む偏差または変動特性が提供しようとしている効果を排除しない量で生じ得る。
【0053】
本明細書で使用される場合、「近位」、「上」、「上」または「上向き」という用語は、装置を使用する臨床医に最も近く、装置との関連において患者から最も遠い装置上の位置を指し、装置が通常の操作で使用されるときに使用される。逆に、用語「遠位」、「底部」、「下方」または「下方」は、装置を使用する臨床医から最も遠く、患者が装置に接続されたときに装置に最も近い位置を指し、装置が通常の動作で使用されるときに使用される。
【0054】
本明細書で使用される場合、「内」または「内向き」という用語は、通常の使用中に装置の内側に向かう装置に関する位置を指す。逆に、本明細書で使用される場合、用語「外に」または「外向きに」は、通常の使用中に装置の外側にある装置に関する位置を指す。さらに、本明細書で使用される「カニューレ」は、流体の送達および/または除去のために体内に挿入され得るチューブである。カニューレは、剛性または可撓性であってもよく、金属、セラミック、ポリマー、エラストマーおよび複合材料を含むが、これらに限定されない任意の材料で形成されてもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、あるコンポーネントの別のコンポーネントに対する関係を指すために使用される場合、「接続された」、「取り付けられた」または「固定された」などの用語は、特に説明のない限り主として空間的関係を定義することを意図し、2つのコンポーネントが互いに一体的に形成されている場合、及び、2つのコンポーネントが別々に形成され、その後に互いに固定されている場合、を包含するものと理解すべきである。
【0056】
図1は、一実施形態によるIVカテーテルシステム100の斜視図である。IVカテーテルシステム100は、注入される流体の供給源に接続してもよい。流体供給源(図示せず)は、患者に送達される血液または薬物のバッグ、IVカテーテルシステム100への流体の流れを調節するドリップチャンバ、および/または流体の供給に関与する他のコンポーネントIVカテーテルシステム100を備える。IVカテーテルシステム100は、図1の例示的な実施形態に示すように、多数のコンポーネントを有することができる。これらのコンポーネントは、カテーテルコンポーネント102、ニードルコンポーネント104、延長チューブ106、クランプ108、Yアダプタ110、および/またはフラッシュ収容部112を含むことができる。
【0057】
カテーテルコンポーネント102を、流体を患者に搬送するために、患者の流体送達位置に挿入することができる。ニードルコンポーネント104は、流体送達位置へのカテーテルコンポーネント102の挿入を容易にすることができる。延長チューブ106は、流体をカテーテルコンポーネント102に搬送することができる。クランプ108は、流体送達を停止または一時停止することが望ましい場合、カテーテルコンポーネント102への流体の流れを手動で遮断するために使用することができる。Yアダプタ110は、例えば、流体供給源または他の流体コンポーネントの相補的なルアーロック(図示せず)への接続を介して、流体供給および/または他の流体搬送コンポーネントに容易に接続されるルアーロックフィッティングを有することができる。フラッシュ収容部112は、IVカテーテルシステム100が血管にアクセスするように配置されたときに血液を受け取るフラッシュチャンバ114を有することができる。したがって、フラッシュ収容部112は、IVカテーテルシステム100の適切な挿入を示すことができる。
【0058】
図1に具体化されるように、IVカテーテルシステム100は、延長チューブ106がカテーテルコンポーネント102に予め取り付けられているので、統合IVカテーテルシステムであってよい。他の実施形態では、開放型、統合型、および/または安全型の一体構成の、様々なIVカテーテルシステムを使用することができる。
【0059】
カテーテルコンポーネント102は、カテーテルハブ120、固定プラットフォーム122、延長チューブ接合部124、およびカニューレ126を含むことができる様々なコンポーネントを有することができる。カテーテルハブ120は、ほぼチューブ状および/または中空の円錐形状を有していてよく、近位端130および遠位端132を有していてよい。カテーテルハブ120は、流体が流体供給位置に達するように流れるチャンバ134を画定するような形状にすることができる。カテーテルハブ120は、近位端130にニードルポート136を有することができる。チャンバ134は、血液および/またはチャンバ134からニードルポート136を通って送達される流体の流れを阻止するように設計された隔壁(目に見えない)を含むことができる。カニューレ126は、カテーテルハブ120の遠位端132に固定され、カニューレ軸線128に沿って遠位端132の遠位に延在することができる。
【0060】
固定プラットフォーム122は、液体供給が行われるときにカテーテルコンポーネント102を適所にしっかりと保持するために、固定プラットフォーム122を患者の皮膚に固定することを可能にするように設計された、ほぼ平面形状を有していてよい。図1に具体化されるように、固定プラットフォーム122は、概して平面形状を有する第1のウイング140を有していてよく、第1のウイング140の平面は、カニューレ軸線128に概ね平行であってよい。第1のウイング140は、カテーテルハブ120に固定されてもよく、第1のウイング140の平面に垂直な方向に沿って見て、略半円形状を有していてよい。第1のウイング140は、カテーテルハブ120の近位端130に向かって配向されたトレーリングエッジ144を有し、トレーリングエッジ144は、押圧面として形成されるか、または使用することができる。第1のウイング140および/または固定プラットフォーム122の他の表面は、オプションで押圧面としても機能し得る。第1のウイング140および/または第1のウイング140の押圧面は、カテーテルコンポーネント102の押圧機構の例である。固定プラットフォーム122の一部として、第1のウイング140は、IVカテーテルシステム100を通って患者の体液を受ける患者の皮膚に載置されるように適合されてもよい。
【0061】
他の実施形態(図示せず)では、固定プラットフォームは、オプションで、第1のウイング140と同一平面上にあってよい第2のウイングを含むことができる。そのような第2のウイングは、第1のウイング140からカテーテルハブに対して反対方向に延在することができる。望ましい場合、第2のウイングは、第1のウイング140に対して対称であってよい。このような第2のウイングは、第1のウイング140のトレーリングエッジ144の使用に加えて、またはこれに代えて、押圧面として使用することができるトレーリングエッジを有することもできる。第2のウイングは、挿入のためおよび/または流体送達構成への移動のためにカテーテルコンポーネント102を把持するための追加のオプションを提供することができ、押圧機能の別の例である。
【0062】
第1のウイング140は、カニューレ軸線128と同一平面上になくてもよく、その代わりに、カニューレ軸線128からずれていてよい。したがって、第1のウイング140は、カテーテルハブ120の中心線と交差していなくてよい。あるいは、第1のウイング140は、カニューレ軸線128と同一平面上にあってよい。第1のウイング140は、延長チューブ接合部124と一体化して、延長チューブ接合部124が第1のウイング140を、トレーリングエッジ144を有する先導部分および後部分に分割するようにすることができる。したがって、延長チューブ接合部124の軸線は、カニューレ軸線128と同一平面上になくてもよいが、むしろ第1のウイング140と同一平面上にあって、カニューレ軸線128からずれていてもよい。あるいは、延長チューブ接合部124の軸線は、カニューレ軸線および第1のウイング140と、またはそれらのうちの1つだけと同一平面上にあってもよい。
【0063】
ニードルコンポーネント104は、ニードルハブ150、グリップ152、および針154を有することができる。ニードルハブ150は、カテーテルコンポーネント102のカテーテルハブ120に取り外し可能に結合されてもよい。グリップ152は、ニードルハブ150から外向きに延在することができる。針154は、針送達位置(例えば、静脈)へのアクセスおよびカニューレ126の適切な位置決めを容易にして、流体送達位置に流体を送達するように、針154をカニューレ126内に取り外し可能に配置することができる。図1に示すように、IVカテーテルシステム100が挿入構成にあるとき、針154は、針軸に沿ってニードルハブ150から遠位に延在することができ、針軸はカニューレ軸線128と一致することができる。
【0064】
ニードルハブ150は、近位端160および遠位端162を有するほぼチューブ状の形状を有するものであってよい。ニードルハブ150は遠位端162に配置されたボス164を備え、ボス164は、カテーテルコンポーネント102のカテーテルハブ120のニードルポート136に挿入可能であってよい。
【0065】
グリップ152は、ニードルハブ150から外向きに延びるほぼ平面形状を有することができる。さらに、グリップ152は、ニードルハブ150から遠位に延在することができる。グリップ152は、グリップ152の平面に垂直な方向から見たときに、比較的狭い形状を有する近位部166と、より幅広い形状を有する遠位部168とを有する、長円形状および/または部分的に楕円形状を有していてよい。近位部166は、針軸と同一平面上にある(したがって、IVカテーテルシステム100が挿入構成にあるときにカニューレ軸線128と同一平面上にある)ニードルハブ150から外向きに延在することができる。代替的に、グリップ152は、針軸と同一平面上になくても、ニードルハブ150から概して外向きにおよび遠位に延在してもよく、グリップ152の平面は、任意で針軸に対してほぼ平行であってもよい。グリップ152および第1のウイング140は、第1のウイング140に対して手でグリップ152を把持しおよび/または移動することを容易にする安全なインターフェースを提供することを助けることができる、1つまたはより多くのグリップ機構(図示せず)を有することができる。グリップ機構は、押圧機構または引っ張り機構として機能する機構の一例である。グリップ152は、ニードルコンポーネント104の引っ張り面を形成するか、またはその役割を果たすリーディングエッジ172を有していてよく、リーディングエッジ172は引っ張り機構の別の例である。
【0066】
IVカテーテルシステム100は、図1に挿入構成で示されており、IVカテーテルシステム100は、カニューレ126を流体送達位置に位置決めするために容易に挿入可能である。IVカテーテルシステム100はまた、カニューレ126を通る流体の流れが比較的妨げられない流体送達構成を有する。挿入構成では、針154はカニューレ126内に配置され、組織を貫通させるための鋭利な先端部と、挿入中にカニューレ126を支持する比較的堅い本体とを備えている。ニードルハブ150のボス164は、カテーテルハブ120のニードルポート136内に配置される。針154は、カテーテルコンポーネント102の隔壁(図示せず)を通過する。さらに、ニードルコンポーネント104の引っ張り機構部(例えば、リーディングエッジ172)は、カテーテルコンポーネント102の近位端130の遠位に、カテーテルコンポーネント102の押し込み構造の遠位に配置される(例えば、トレーリングエッジ144)。
【0067】
IVカテーテルシステム100は、カニューレ126の先端を流体送達位置(例えば、患者の静脈)の近くに配置することによって所定の位置に挿入することができる。固定プラットフォーム122は、患者の皮膚上に、流体送達位置に近接して、および/または臨床医の手に保持されてもよい。カニューレ126の先端が周囲の組織を貫通して流体送達位置に達するまで、カテーテルコンポーネント102とニードルコンポーネント104を一緒に前進させてカニューレ126を押すことができる。望ましい場合、カテーテルコンポーネント102の押圧面を押すことによって、カテーテルコンポーネント102を前進させることができる。「押圧面」は、概して近位に向けられた面であり、したがって、カテーテルコンポーネント102およびニードルコンポーネント104を遠位方向に一緒に押すように、臨床医の手による接触を受けることができる。
【0068】
カニューレ126の先端が流体送達位置に到達すると、IVカテーテルシステム100を流体送達形態に移動させることができる。これは、ニードルコンポーネント104をカテーテルコンポーネント102から近位方向に引き出すことによって行うことができる。これにより、ボス164がニードルポート136内から近位に引き出されることが最初に生じる。針154はまた、カニューレ126から近位に引き抜かれ、次いで隔壁(図示せず)を含むチャンバ134を通って引き抜かれてもよい。針154は、ニードルポート136を通ってチャンバ134から出て、流体送達構成に対するIVカテーテルシステム100の動作を完了させる。流体送達位置への流体の流れは、延長チューブ106を通ってチャンバ134に流体を流し、カニューレ126を通って流体送達位置に流すことによって達成され得る。
【0069】
IVカテーテルシステム100は、片手で流体送達位置への挿入を容易にするように有利に設計することができる。例えば、臨床医は挿入中、例えば、固定プラットフォーム122およびグリップ152を掴むことによって、カテーテルコンポーネント102およびニードルコンポーネント104を片手で保持することができる。次いで、臨床医は、同じ手で、カテーテルコンポーネント102の1つまたはより多くの押圧面(例えば、第1のウイング140のトレーリングエッジ144)に穏やかな圧力を加えて、カニューレ126の先端を患者の体内に突き刺すように促すことができて、最終的に流体送達位置に達することができる。望ましい場合、臨床医がIVカテーテルシステム100を挿入構成から流体送達構成に移動させるための閾値力を加えるまで、1つまたはより多くのロッキング機構(図示せず)を使用してカテーテルコンポーネント102およびニードルコンポーネント104を保持することができる。このようなロック機構は、ボス164とニードルポート136の間のインターロック機構(図示せず)の形態をとることができる。
【0070】
IVカテーテルシステム100を、血管内の適切な配置の視覚的確認を提供するように設計してもよい。例えば、カテーテルハブ120の少なくとも一部は、チャンバ134内に視認性を提供するために半透明であってよい。したがって、カニューレ126の先端が静脈に入って、血液がチャンバ134内に入ると、得られた血流すなわち「フラッシュ」がカテーテルハブ120の外壁を介して視認可能となる。延長チューブ接合部124および延長チューブ106は、場合によっては半透明であってもよい。幾つかの実施形態では、フラッシュは、延長チューブ106を通ってYアダプタ110まで延在することがある。Yアダプタ110は、血液の漏れを実質的に防止するように流体供給源に結合されてもよい。さらに、フラッシュ収容部112は、フラッシュチャンバ114内の血液を受け取ることによってフラッシュを示すことができる。所望であれば、収集された血液を排出することなくニードルコンポーネント104から分離することができるように、フラッシュ収容部112を換気してもよい。これは、感染リスクを低減し、および/またはフラッシュ収容部112の使用を容易にして、試験のために血液サンプルを収集するのに役立ち得る。
【0071】
さらに、IVカテーテルシステム100は、挿入構成から流体送達構成への移動を片手で容易にするように設計することが有利である。例えば、臨床医は、IVカテーテルシステム100を流体送達位置に挿入するために使用される同じ手であってよいほうの片手で、カテーテルコンポーネント102およびニードルコンポーネント104を把持し、ニードルコンポーネント104をカテーテルコンポーネント102から引き抜く。カテーテルコンポーネント102は、ニードルコンポーネント104のみが著しく動いてIVカテーテルシステム100を挿入構成から流体送達構成に移動させるように、実質的に適所に残すことができる。
【0072】
このことにより、ニードルコンポーネント104の引っ張り面およびカテーテルコンポーネント102の押圧面に手指を接触させ、次いでニードルコンポーネント104を近位に、カテーテルコンポーネント102をニードルコンポーネント104に対して遠位に(矢印192で示すように)押すかまたは支えながら、ニードルコンポーネント104と近位方向に移動しないようにする。例えば、グリップ152のリーディングエッジ172が引っ張り面として作用する一方で、第1のウイング140または固定プラットフォーム122のトレーリングエッジ144は押圧面として作用することができる。臨床医は、グリップ152のリーディングエッジ172に1本またはより多数の指を置いて、親指および/または1本またはより多くの他の指で押している間に近位に引っ張り、第1のウイング140のトレーリングエッジ144に固定プラットフォーム122を含む。したがって、カテーテルコンポーネント102は、カニューレ126の先端が流体送達位置にある間、ニードルコンポーネント104をカテーテルコンポーネント102から近位に引き戻し、流体送達経路を流体送達位置にブロック解除することができる。
【0073】
引っ張り面と押圧面の相対的な位置は、上述のように片手操作を容易にすることができる。カニューレ軸線128(または針軸からのグリップ152)からの第1のウイング140のオフセットはまた、第1のウイング140とグリップ152が離間していることを確実にすることでそのような片手操作を容易にすることができ、手指がグリップ152からの干渉なしにトレーリングエッジ144に接触し、第1のウイング140からの干渉なしにリーディングエッジ172と接触するためのスペースを提供する。カテーテルコンポーネント102の1つまたはより多くの押圧面の相対的な遠位/近位の位置およびニードルコンポーネント104の1つまたはより多くの引っ張り面は、流体送達位置への片手での移動を容易にすることができる。望ましい場合、ニードルハブ150とカテーテルハブ120の結合は、IVカテーテルシステム100が挿入構成にある間、ニードルハブ150がカテーテルハブ120に対して回転可能であるようにすることができる。したがって、臨床医は、リーディングエッジ172を引っ張ってトレーリングエッジ144に押し当てる前に、リーディングエッジ172を引っ張るのに最も適した向きにグリップ152を手で回転させることができる。
【0074】
隔壁(図示せず)は、静脈を通って近位方向に針154を引き抜くために、IVカテーテルシステム100が挿入構成から流体送達構成へ移行するときに発生する比較的低い抵抗を備えるように構成された「低摩擦」または「低抗力」設計を有することができる。隔壁を通る針154の引き抜きに対する抵抗は、臨床医がIVカテーテルシステム100を挿入構成から流体送達構成に比較的容易に片手で移動させることができるように、十分に低くてもよい。幾つかの実施形態において、離脱に対する耐性は平均して約50gf未満であり得る。
【0075】
図2Aおよび図2Bは、一代替実施形態によるIVカテーテルシステム200の分解斜視図およびIVカテーテルシステム200の一部の完全な組み立て図である。IVカテーテルシステム200は、図1のIVカテーテルシステム100のものに概ね対応するコンポーネントを有することができる。図2Aに示すように、IVカテーテルシステム200は、カテーテルコンポーネント202、ニードルコンポーネント204、延長チューブ206、クランプ208、ルアーロックアダプタ210、および、フラッシュ収容部212を有することができる。ルアーロックアダプタ210は、Yアダプタ110と同様であってよいが、流体供給源または他のコンポーネントに接続されるように設計された単一のフィッティングのみを含み得る。図2Bは、カテーテルコンポーネント202、ニードルコンポーネント204、およびカテーテルコンポーネント202に接続された延長チューブ206の遠位端のみを示す。IVカテーテルシステム200は、図1のIVカテーテルシステム100と同様の構成を有することができる。代替の人間工学および/または機能を提供するように、一部のコンポーネントを修正、追加、または省略することができる。
【0076】
カテーテルコンポーネント202は、カテーテルハブ220、固定プラットフォーム222、延長チューブ接合部224、および、カニューレ226を有していてよい。カテーテルハブ220は、近位端230および遠位端232を備えたほぼチューブ状および/または中空の円錐形を有していてよい。カテーテルハブ220は、流体が流入してカニューレ226を通って流体送達位置に到達するためのチャンバ234を画定するような形に作られた概ね半透明な外壁を有することができる。カテーテルハブ220は、カテーテルハブ220の近位端230に近接して、ニードルコンポーネント204に接続するニードルポート236を有することができる。カテーテルハブ220はまた、チャンバ234内に配置された隔壁238を有していてよい。隔壁238は、前述したように「低抵抗」隔壁であってよい。
【0077】
さらに、カテーテルハブ220は、挿入および/または注入中のカニューレ226のねじれを回避するために役立つねじれ抵抗機能を有することができる。ねじれ抵抗機構は、カテーテルハブ220の遠位端232上の近位側延長部228の形態を採ることができる。近位側延長部228は、カニューレ226を受け入れることができ、その位置におけるカニューレ226の屈曲歪みを緩和するために、カニューレ226の遠位端232への接合部でのカニューレ226の屈曲に対する、いくらかの抵抗を備えることができ、またはカニューレ226の他の望ましくない屈曲をもたらす。望ましい場合、近位側延長部228は、カテーテルハブ220の残りの部分よりも可撓性の材料で形成され、ある程度の撓みがよじれを防止することを可能にする。
【0078】
固定プラットフォーム222は、流体送達中に患者の皮膚に取り付けられて、カニューレ226を流体送達位置に定位置に保持することができる。固定プラットフォーム222は、概して平面形状であってよい第1のウイング240を有することができる。第1のウイング240は、第1のウイング240の平面に対して垂直な方向から見たときに概ね三角形形状を有し、押圧面として作用することができるトレーリングエッジ244を有する。前述の実施形態の場合と同様に、第1のウイング240は、カニューレ226のカニューレ軸(図示せず)から任意にオフセットされてもよい。あるいは、所望であれば、第1のウイング240は、カニューレ軸と同一平面上にあってよい。同様に、第1のウイング240は、延長チューブ接合部224と一体化されてもよいし、または単に延長チューブ接合部224に隣接していてもよい。
【0079】
タブ246は、第1のウイング240に固定されてもよい。タブ246は、第1のウイング240と一体的に形成されてもよく、または第1のウイング240とは別個に形成されてもよく、当技術分野で公知の様々な方法のいずれかによって第1のウイング240に取り付けられることができる。タブ246は、第1のウイング240の平面に対して実質的に垂直に、または第1のウイング240の平面に対して垂直な適度な角度で延在することができる(例えば、タブ246の近位側に向いた面押圧面としての役割を継続する)。したがって、タブ246の近位方向の表面は、押圧面として機能し、カニューレ226のカニューレ軸(図示せず)に対して実質的に垂直に、またはカニューレ軸に垂直から適度な角度で配向され得る。あるいは、タブ246は、第1のウイング240の平面に平行でない方向に沿って、第1のウイング240から延在することができる。
【0080】
ニードルコンポーネント204は、ニードルハブ250と、グリップ252と、針254とを有することができる。ニードルハブ250は、近位端260および遠位端262を備えたほぼ円筒形形状を有することができる。ニードルハブ250はまた、遠位端262から突出してカテーテルハブ220のニードルポート236と接触するボス264を有していてよい。
【0081】
グリップ252は、グリップ252の平面に対して垂直に見たときに不規則な細長い形状を有するほぼ平面形状を有していてよい。グリップ252は、比較的狭い形状を有する近位部266と、拡大形状を有する遠位部268とを有することができる。近位部266は、ニードルハブ250から外向きに延びていてよく、針軸(図示せず)とほぼ同一平面上にあり、ひいてはニードルハブ250の軸と同一平面にあってよい。グリップ252の遠位部268は、引っ張り面として作用することができるリーディングエッジ272を有することができる。グリップ252および/または第1のウイング240は、任意の所望の形状および数の隆起したノブ、バンプ、またはリッジなどの1つまたはより多くのグリップ機構270、または第1のウイング240に適用される高摩擦面を有することができ、第1のウイング240の一部分が形成され得、グリップ252および/または第1のウイング240を手で把持するおよび/または移動することを容易にする安全なインターフェースを提供することを助けることができる。グリップ機構270は、押圧機構または引っ張り機構として機能し得る機構の一例である。
【0082】
グリップ252および第1のウイング240は、カニューレ226のカニューレ軸および針254の針軸の周りで互いに回転可能であり、図2Bに示す挿入構成と一致していてもよい。したがって、臨床医は、グリップ252および/または第1のウイング240を、挿入前および/または流体送達構成への移動前に、所望の相対的な向きに回転させることができる。1つの方法では、臨床医は、延長チューブ接合部224および/またはタブ246がグリップ252と第1のウイング240の間に挟まれるように、グリップ252を回転させることができる。
【0083】
フラッシュ収容部212は、前述の実施形態のフラッシュ収容部112と同様に機能することができる。具体的には、カニューレ226の遠位端が血管に入ると、血液がカテーテルハブ220を通り、ニードルハブ250を通り、フラッシュ収容部212のフラッシュチャンバ214へと流れる。したがって、臨床医は、カニューレ226の遠位端の適切な配置を視覚的に確認することができる。
【0084】
IVカテーテルシステム200を挿入構成から流体送達構成に移動させるために、臨床医は、グリップ252のリーディングエッジ272に形状(例えば、指)を配置し、グリップ252のリーディングエッジ272に形状(例えば、親指)を、第1のウイング240のトレーリングエッジ244および/またはタブ246の近位に向いた面に備えることができる。臨床医は、グリップ252のリーディングエッジ272を近位に引っ張り、第1のウイング240のトレーリングエッジ244および/またはタブ246の近位に向いた面を遠位に押圧するおよび/または支えることができる。これにより、カテーテルコンポーネント202は、ニードルコンポーネント204がカテーテルコンポーネント202から近位に引き出されている間、所定の位置に留まる。
【0085】
図3は、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム300の一部の斜視図である。IVカテーテルシステム300は、前述の実施形態のIVカテーテルシステムのものに概ね対応するコンポーネントを有することができる。図3は、カテーテルコンポーネント302およびニードルコンポーネント304のみを示す。IVカテーテルシステム300は、「一体型」ではなく「開いた」タイプのものであってもよく、したがって、予め取り付けられた延長チューブを有していなくてよい。むしろ、延長チューブは、流体を供給するためにカテーテルコンポーネント302の近位端に結合されていてよい。IVカテーテルシステム300は、さもなければ、前述の実施形態のものと同様の構成を有することができる。代替の人間工学および/または機能を提供するために、一部のコンポーネントを修正、追加、または省略することができる。
【0086】
カテーテルコンポーネント302は、カテーテルハブ320、固定プラットフォーム322、およびカニューレ326を有することができる。カテーテルハブ320は、近位端330および遠位端332を備えた概ねチューブ状および/または中空の円錐形を有していてよい。カテーテルハブ320は、流体が流れてカニューレ326を通って流体送達位置に到達するためのチャンバ334を画定するような形に作られた、概ね半透明な外壁を有することができる。カテーテルハブ320は、カテーテルハブ320の近位端330に近接してニードルコンポーネント304に接続するニードルポート336を有することができる。カテーテルハブ320はまた、チャンバ334内に配置された隔壁(図示せず)を有していてよい。隔壁は、前述のように「低抵抗」隔壁であってよい。延長チューブがカテーテルハブ320の近位端330に結合されるため、延長チューブ接合部は存在しないことがある。
【0087】
さらに、カテーテルハブ320は、挿入中および/または注入中のカニューレ326のねじれを回避するのに役立つねじれ抵抗機能を有することができる。ねじれ抵抗機構は、カテーテルハブ320の遠位端332上の近位側延長部328の形態を採ることができる。近位側延長部328は、カニューレ326を受け取り、カニューレ326の遠位端332への接合部でのカニューレ326の屈曲に対するある程度の抵抗を与えて、その位置での屈曲歪みを緩和し、それにより、カニューレ326のねじれまたは他の望ましくない屈曲を回避することを助ける。望ましい場合、近位側延長部328は、カテーテルハブ320の残りの部分よりも柔軟性のある材料で形成され、ある程度の撓みがよじれを防止することを可能にする。
【0088】
固定プラットフォーム322は、流体送達位置の間、カニューレ326を定位置に保持するために流体送達中に患者の皮膚に取り付けられてもよい。固定プラットフォーム322は、概して平面形状であってよい第1のウイング340を有することができる。第1のウイング340は、第1のウイング340の平面に垂直な方向から見たときに概して三角形形状を有し、押圧面として作用することができるトレーリングエッジ344を有する。第1のウイング340は、カニューレ326のカニューレ軸(図示せず)と同一平面上にあってよい。
【0089】
タブ346は、第1のウイング340に固定されてもよい。タブ346は、第1のウイング340と一体的に形成されてもよく、第1のウイング340とは別個に形成されてもよく、当技術分野で公知の様々な方法のいずれかによって第1のウイング340に取り付けることができる。タブ346は、第1のウイング340の平面に対して実質的に垂直に、または第1のウイング340の平面に垂直な適度な角度で延在する(例えば、タブ346の近位方向の表面が押圧面)。あるいは、タブ346は、第1のウイング340から、第1のウイング340に直接的に非平行に沿って延在することができる。したがって、タブ346の近位方向の表面は、押圧面として機能し、カニューレ326のカニューレ軸(図示せず)に対して実質的に垂直に、またはカニューレ軸に垂直から適度な角度に向けて配置することができる。
【0090】
ニードルコンポーネント304は、ニードルハブ350、グリップ352、および、針354を有していてよい。ニードルハブ350は、近位端360および遠位端362を有するほぼ円筒形形状を有していてよい。ニードルハブ350はまた、遠位端362から突出してカテーテルハブ320のニードルポート336と接触するボス364を有することができる。
【0091】
グリップ352は、グリップ352の平面に対して垂直に見たときに不規則な細長い形状を有する全体的に平面形状を有していてよい。グリップ352は、比較的狭い形状を有する近位部366と、拡大された形状を有する遠位部368とを有していてよい。近位部366は、ニードルハブ350から外向きに延びてもよく、針軸(図示せず)とほぼ同一平面上にあり、ひいてはニードルハブ350の軸と同一平面上にあってよい。グリップ352の遠位部368は、引っ張り面として役立ち得るリーディングエッジ372を有していてよい。グリップ352および/または第1のウイング340は、任意の所望の形状および数の、隆起したナッブ、バンプ、またはリッジなどの1つまたはより多くのグリップ機構370、または第1のウイング340に適用される高摩擦面を有することができ、第1のウイング340の一部が形成され、グリップ352および/または第1のウイング340を手で把持するおよび/または移動させることを容易にする安全なインターフェースを提供することを助けることができる。
【0092】
グリップ352および第1のウイング340は、カニューレ326のカニューレ軸および針354の針軸の周りで互いに回転可能であり、図3に示す挿入構成と一致していてもよい。したがって、臨床医は、グリップ352および/または第1のウイング340を、挿入前および/または流体送達構成への移動前に、所望の相対的な向きに回転させることができる。一方法として、医師は、グリップ352を第1のウイング340に対して回転させて、タブ346がグリップ352と第1のウイング340の間に挟まれるようにしてもよい。
【0093】
望ましい場合、IVカテーテルシステム300は、フラッシュ収容部(図示せず)を有していてよく、これは前述の実施形態のものと同様であってよい。フラッシュ収容部は、カニューレ326の遠位端の適切な配置を視覚的に確認するために血液を受け取ることができる。
【0094】
IVカテーテルシステム300を挿入構成から流体送達構成に移動させるために、臨床医は、グリップ352のリーディングエッジ372に形状(例えば、指)を配置し、グリップ352のリーディングエッジ372に形状(例えば、親指)を、第1のウイング340のトレーリングエッジ344および/またはタブ346の近位に向いた表面上に配置することができる。次いで、臨床医は、リーディングエッジ372を近位に引っ張り、第1のウイング340のトレーリングエッジ344および/またはタブ346の近位側に向いた面を遠位方向に押圧するおよび/または支えることができる。これは、ニードルコンポーネント304がカテーテルコンポーネント302から近位に引き出されている間に、カテーテルコンポーネント302を所定の位置に留まらせ得る。
【0095】
図4は、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム400の斜視図である。IVカテーテルシステム400は、前述の実施形態のIVカテーテルシステムのものに概ね対応するコンポーネントを有することができる。図4は、カテーテルコンポーネント402、ニードルコンポーネント404、および、延長チューブ406のみを示す。IVカテーテルシステム400は、前述の実施形態のIVカテーテルシステムのものと同様の構成を有することができる。代替の人間工学および/または機能を提供するために、一部のコンポーネントを修正、追加、または省略することができる。
【0096】
カテーテルコンポーネント402は、カテーテルハブ420、延長チューブ接合部424、および、カニューレ426を有していてよい。カテーテルハブ420は、近位端430および遠位端432を有するほぼチューブ状および/または中空の円錐形を有していてよい。カテーテルハブ420は、流体が流れてカニューレ426を通って流体送達位置に到達するチャンバ(図示せず)を画定する形状の外壁を有することができる。カテーテルハブ420は、カテーテルハブ420の近位端430に近接してニードルコンポーネント404に接続するニードルポート436を有することができる。カテーテルハブ420はまた、チャンバ内に配置された隔壁(図示せず)を有していてよい。隔壁は、前述のように「低抵抗」隔壁であってよい。
【0097】
カテーテルコンポーネント402は、固定プラットフォームを有していなくてもよい。むしろ、望ましい場合、カテーテルハブ420を患者の皮膚に直接取り付けることができる。代替的に、カテーテルコンポーネント402を適所に保持するために、カテーテルコンポーネント402を流体送達の間にカテーテルコンポーネント402に適用することができる。別の代替として、延長チューブ接合部424を使用して、患者の皮膚へのカテーテルコンポーネント402の快適な配置および/または皮膚へのカテーテルコンポーネント402の取り付けを容易にすることができる。
【0098】
タブ446は、カテーテルハブ420に固定されてもよく、カテーテルハブ420から外向きに延在してもよい。タブ446は、カテーテルハブ420と一体的に形成されてもよく、カテーテルハブ420とは別個に形成されてもよく、カテーテルハブ420に取り付けられていてもよい。タブ446は、カテーテルハブ420および/またはカニューレ426のカニューレ軸(図示せず)に対して実質的に垂直に延在することができる。あるいは、タブ446は、カテーテルハブおよび/またはカニューレ軸に対して垂直な方向から(例えば、タブ446の近位方向の表面が押圧面として機能するのに十分な任意の角度だけ)適度な角度で延在してもよい。かくして、タブ446の近位に配向された表面は、押圧面として機能することができ、カニューレ426のカニューレ軸に対して実質的に垂直に、またはカニューレ軸に対して垂直から適度な角度で配向することができる。タブ446は、任意で、カテーテルハブ420の近位端430に近接して配置してもよい。さらに、所望であれば、タブ446は、カテーテルハブ420の遠位端432よりもカテーテルハブ420の近位端430の近くに配置することができる。近位端430の近くにタブ446を配置することにより、親指などの、手の1本またはより多くの手指に対してより容易にタブ446の近位に配向された表面を到達させることができる。
【0099】
ニードルコンポーネント404は、ニードルハブ450、グリップ452、および、針454を有することができる。ニードルハブ450は、近位端460および遠位端462を備えたほぼ円筒形形状を有することができる。ニードルハブ450はまた、遠位端462から突出してカテーテルハブ420のニードルポート436と接触するボス(図示せず)を有していてよい。
【0100】
グリップ452は、グリップ452の平面に対して垂直に見たときに不規則な細長い形状を有するほぼ平面形状を有していてよい。グリップ452は、比較的狭い形状を有する近位部466と、拡大された形状を有する遠位部468とを有することができる。近位部466は、ニードルハブ450から外向きに延びてもよく、針軸(図示せず)とほぼ同一平面上にあり、したがってニードルハブ450の軸と同一平面上にあってよい。グリップ452の遠位部468は、引っ張り面として役立ち得るリーディングエッジ472を有していてよい。グリップ452は、把持を容易にすることおよび/またはグリップ452を手で動かす安全なインターフェースを提供することを助けることができる1つまたはより多くのグリップ機構(図示せず)を有することができる。
【0101】
さらに、別のタブ474は、グリップ452の遠位部468に固定してもよい。タブ474は、グリップ452と一体的に形成されてもよく、またはグリップ452とは別個に形成され、当技術分野で公知の様々な方法のいずれかによってグリップ452に取り付けることができる。タブ474は、グリップ452の平面に対して実質的に垂直に、またはグリップ452の平面に垂直な適度な角度で延在してもよい(例えば、タブ474の遠位側に向けられた表面が引っ張り面)。あるいは、タブ474は、グリップ452のプレートに対して平行でない方向に沿ってグリップ452から延在することができる。したがって、タブ474の遠位側に向いた表面は引っ張り面として機能し、針454の針軸(図示せず)に対して実質的に垂直に、または針軸に対し垂直から適度な角度で配向されている。タブ474の位置は、タブ474の遠位方向に面する表面上に形状を配置することを容易にすることができ、それにより、特に片手操作のための人間工学的なエンジニアリングが強化される。したがって、タブ474とタブ446は、片手操作を容易にするために協働することができる。
【0102】
グリップ452およびタブ446は、カニューレ426のカニューレ軸および針454の針軸の周りで互いに回転可能であり、図4に示す挿入構成と一致していてもよい。したがって、臨床医は、グリップ452および/またはタブ446を、挿入前および/または流体送達形態への動きの前に、所望の相対的な向きに回転させることができる。
【0103】
望ましい場合、IVカテーテルシステム400は、フラッシュ収容部(図示せず)を有していてもよく、これは前述の実施形態のものと同様であってよい。フラッシュ収容部は、カニューレ426の遠位端の適切な配置を視覚的に確認するために血液を受け取ることができる。
【0104】
IVカテーテルシステム400を挿入構成から流体送達構成に移動させるために、臨床医は、グリップ452のリーディングエッジ472および/またはタブ474に形状(例えば、指)を配置し、タブ446の近位側に向いた表面上に手指(例えば、指または親指)を付ける。リーディングエッジ472、タブ474、および/またはタブ446の近位/横方向の位置は、流体送達形態への移動を容易にすることができる。次いで、臨床医は、グリップ452および/またはタブ474のリーディングエッジ472を近位に引っ張り、タブ446の近位方向の表面を遠位方向に押圧するおよび/または支えることができる。これは、ニードルコンポーネント404がカテーテルコンポーネント402から近位に引き出されている間に、カテーテルコンポーネント402を適所に留まらせ得る。
【0105】
図5Aおよび図5Bは、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム500の斜視図である。IVカテーテルシステム500は、前述の実施形態のIVカテーテルシステムのものに概ね対応するコンポーネントを有することができる。図5Aおよび5Bは、カテーテルコンポーネント502およびニードルコンポーネント504のみを示す。図3のIVカテーテルシステム300と同様に、IVカテーテルシステム500は、「一体型」ではなく「開いた」タイプのものであってもよく、従って、予め取り付けられた延長チューブを有していなくてもよい。むしろ、延長チューブはカテーテルコンポーネント502の近位端に結合されて流体を供給することができる。IVカテーテルシステム500は、さもなければ、前述の実施形態のものと同様の構成を有することができる。代替の人間工学および/または機能を提供するために、一部のコンポーネントを修正、追加、または省略することができる。
【0106】
カテーテルコンポーネント502は、カテーテルハブ520と、固定プラットフォーム522と、カニューレ526とを有することができる。カテーテルハブ520は、近位端530および遠位端532を有するほぼチューブ状および/または中空の円錐形を有することができる。カテーテルハブ520は、流体が流体供給位置に達するようにカニューレ526を通って流れるチャンバ534を画定するような形に作られた略半透明の外壁を有していてよい。カテーテルハブ520は、カテーテルハブ520の近位端530に近接して、ニードルコンポーネント504に接続するニードルポート536を有することができる。カテーテルハブ520はまた、チャンバ534内に配置された隔壁538を有していてよい。隔壁538は、前述のように「低抵抗」隔壁であってよい。延長チューブはカテーテルハブ520の近位端530に結合されるため、延長チューブ接合部は存在しなくてもよい。
【0107】
さらに、カテーテルハブ520は、挿入中および/または注入中のカニューレ526のねじれを回避するのに役立つねじれ抵抗機能を有することができる。ねじれ抵抗機構は、カテーテルハブ520の遠位端532上の近位側延長部528の形態を採ることができる。近位側延長部528は、カニューレ526を受け入れることができ、その位置での屈曲歪みを緩和するために、カニューレ526の遠位端532への接合部でのカニューレ526の屈曲に対するいくらかの抵抗を備えることができ、カニューレ526の内腔に挿入される。所望であれば、近位側延長部528は、カテーテルハブ520の残りの部分よりも柔軟性のある材料で形成することができ、ある程度の撓みが、よじれを防止することを可能にする。
【0108】
固定プラットフォーム522は、流体送達中に患者の皮膚に取り付けられて、カニューレ526を流体送達位置に定位置に保持することができる。固定プラットフォーム522は、概して平面形状であってよい第1のウイング540を有することができる。第1のウイング540は、第1のウイング540の平面に対して垂直な方向から見たときに概して三角形および/または楕円形を有し、押圧面として作用することができるトレーリングエッジ544を有する。第1のウイング540は、カニューレ526のカニューレ軸(図示せず)と同一平面上にあってよい。
【0109】
ニードルコンポーネント504は、ニードルハブ550、第1のグリップ552、第2のグリップ553、および、針554を有することができる。ニードルハブ550は、近位端560および遠位端562を備えたほぼ円筒形形状を有することができる。ニードルハブ550はまた、遠位端562から突出してカテーテルハブ520のニードルポート536と接触するボス564を有していてよい。
【0110】
第1のグリップ552は、第1のグリップ552の平面に対して垂直に見たときに不規則な細長い形状を有する、ほぼ平面形状を有していてよい。第1のグリップ552は、比較的狭い形状の近位部566と、拡大された形状を有する遠位部568とを有することができる。近位部566は、ニードルハブ550から外向きに延びてもよく、針軸(図示せず)、したがってニードルハブ550の軸とほぼ同一平面上にあってよい。第1のグリップ552の遠位部568は、引っ張り面として働くことができるリーディングエッジ(図示せず)を有することができる。
【0111】
第2のグリップ553は、第2のグリップ553の平面に垂直に見たときに、概ね切頭楕円形の全体的に平面形状を有していてよい。第2のグリップ553は、ニードルハブ550から外向きに延びてもよく、針軸(図示せず)と、したがってニードルハブ550の軸とほぼ同一平面上にあってよい。第2のグリップ553はまた、第1のグリップ552とほぼ同一平面上にあってよい。第2のグリップ553は、引っ張り面として機能し得るリーディングエッジ572を有していてよい。第2のグリップ553は、挿入構成において、第2のグリップ553のリーディングエッジ572が依然としてカテーテルハブ520の近位端530の近位に配置していてもよいが、第1のグリップ552の近位に配置してもよい。したがって、第2のグリップ553は、特にIVカテーテルシステム500の挿入の間、および/または、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム500の移動の間に、臨床医がニードルコンポーネント504を把持するための追加のオプションを提供することができる。特に、第2のグリップ553のリーディングエッジ572は、親指などの、臨床医の手指がリーディングエッジ572に容易に接触し近位圧力をかけることができるように配置される。追加的または代替的に、第2のグリップ553は、IVカテーテルシステム500を挿入構成から流体送達構成に移動させることを助けるために秒針の使用を容易にすることができる。
【0112】
第1のグリップ552、第2のグリップ553、および/または第1のウイング540は、任意の所望の形状および数の隆起したナッブ、バンプまたはリッジなどの1つまたはより多くのグリップ機構570、または、第1のグリップ552、第2のグリップ553、および/または第1のウイング540、またはそこから第1のグリップ552、第2のグリップ553、および/または第1のウイング540の一部を形成することができ、第1のグリップ552および/またはIVカテーテルシステム500の任意の他の部分を手で把持するおよび/または移動させることを容易にする。第1のグリップ552および第2のグリップ553は、ニードルハブ550を介して一緒にしっかりと固定されてもよいが、カニューレ526のカニューレ軸および針554の針軸の周りで第1のウイング540に対して回転可能であってよい図5Aに示されている挿入構成において一致していなければならない。したがって、臨床医は、挿入前および/または流体送達構成への移動前に、第1のグリップ552、第2のグリップ553、および/または第1のウイング540を所望の相対的な向きに回転させることができる。
【0113】
望まれる場合、第1のグリップ552および第1のウイング540は、互いに平行またはほぼ平行であり、互いに近接して配置されるように相対的に配向されていてよい。したがって、第1のグリップ552および第1のウイング540は、挿入構成において、および挿入構成から流体送達構成への動作の初期段階の間に、互いに当接関係に配置され得る。挿入構成から流体送達構成への移動中、第1のグリップ552は、第1のウイング540に沿ってスライドすることができる。第1のグリップ552と第1のウイング540の間の所望の相対的位置を維持するために、第1のグリップ552および/または第1のウイング540は、第1のウイング540および第1のグリップ552の間の相対的な位置決めおよび/または配向を維持する1つまたはより多くの位置合わせ機構を有することができる。リッジ、トラフ、および/または、他の機構の様々な組み合わせを、位置合わせ機構として使用することができる。
【0114】
そのような位置合わせ機構は、カテーテルコンポーネント502および/またはニードルコンポーネント504に加えられる不均衡な力のために、カテーテルコンポーネント502および/またはニードルコンポーネント504に及ぼされ得る曲げモーメントを緩和することを助けることができ、カテーテルコンポーネント502およびニードルコンポーネント504は、IVカテーテルシステム500が流体送達構成になるまで適切に位置合わせされたままである。したがって、挿入構成から流体送達構成への移動中に、カテーテルコンポーネント502とニードルコンポーネント504の間の結合および/または他の望ましくない相互作用が回避され得る。
【0115】
さらに、第1のウイング540および/または第1のグリップ552は、臨床医がカテーテルコンポーネント502から針コンポーネント504を取り外すのに十分な閾値離脱力を加えるまでIVカテーテルシステム500を挿入構成に保つのを助ける1つまたはより多くのロッキング機構(図示せず)を含む。クリップ、タブ、戻り止め、凹部等の様々な相互係止機能を、所望の閾値離脱力を提供するためのロック機構として使用することができる。
【0116】
望まれる場合、IVカテーテルシステム500は、前述の実施形態のものと同様のフラッシュ収容部(図示せず)を有することができる。フラッシュ収容部は、カニューレ526の遠位端の適切な配置を視覚的に確認するために血液を受け取ることができる。
【0117】
IVカテーテルシステム500を挿入構成から流体送達構成に移動させるために、臨床医は、第1のグリップ552のリーディングエッジおよび/または第2のグリップ552のリーディングエッジ572に形状(例えば、指)を配置してもよいグリップ553、および、第1のウイング540のトレーリングエッジ544上の形状(例えば、指または親指)を含む。次いで、臨床医は、第1のグリップ552のリーディングエッジおよび/または第2のグリップ553のリーディングエッジ572を近位に引っ張り、第1のウイング540のトレーリングエッジ544を遠位方向に押圧するおよび/または支えることができる。これにより、カテーテルコンポーネント502は、ニードルコンポーネント504がカテーテルコンポーネント502から近位に引き出されている間、所定の位置に留まる。
【0118】
図6は、一実施形態による、流体を患者に送達するためのIVカテーテルシステムを準備する1つの方法を示すフローチャートである。図6の方法は、図1から図5Bに開示されたIVカテーテルシステムのいずれか、または後述する図7図9Bに関連して開示されるIVカテーテルシステムのいずれか、または本明細書に具体的に図示または説明されていない他のIVカテーテルシステムの実施形態と一緒に実施することができる。一例として、本方法は、図1のIVカテーテルシステム100に関連して説明される。さらに、図6の方法は単なる例示であり、本開示の範囲内に含まれる任意のIVカテーテルシステムの実施形態と組み合わせて他の方法を使用することができる。
【0119】
この方法は、IVカテーテルシステム100が準備されるステップ620において開始することができる(610)。この準備は、様々なコンポーネント(例えば、図1のカテーテルコンポーネント102、ニードルコンポーネント104、延長チューブ106、クランプ108、Yアダプタ110、および/または、フラッシュ収容部112など)を、一緒に行う。さらに、これには、カテーテルコンポーネント102を患者に固定すること、IVカテーテルシステム100に接続される流体供給源のコンポーネントを準備すること、および/または、同様のもののいずれかを必要とする接着剤を準備することが含まれる。
【0120】
ステップ630では、IVカテーテルシステム100を片手で把持することができる。
これは、上述したように、ニードルコンポーネント104の引っ張り面およびカテーテルコンポーネント102の押圧面に手の形状を接触させることを含むことができる。注目すべきことに、引っ張り面および押圧面として機能する表面は、利用される特定の実施形態に応じて変化し得る。さらに、カテーテルの挿入は、主に押圧することを伴い得る。従って、臨床医は、この段階で引っ張り面と接触するのではなく、IVカテーテルシステム100が流体送達形態に移動されるときに接触するように選択することができる。
【0121】
ステップ640では、IVカテーテルシステム100を操作してカニューレ126を患者に挿入することができる。これは、オプションで、片手で行うことができる。挿入は、カニューレ126の先端が流体送達位置に到達するまで継続してもよい。挿入は、押圧面および/またはカテーテルコンポーネント102および/またはニードルコンポーネント104の他の表面を押すことによって実行されてもよく、臨床医はさらに、ニードルコンポーネントの引っ張り面および/またはカテーテルコンポーネント102および/またはニードルコンポーネント104の他の表面との接触を利用して、カニューレ126の配置を安定させるおよび/または案内することができる。臨床医は、フラッシュ収容部112のフラッシュチャンバ114への血流を観察することによって、カニューレ126の適切な挿入を確認することができる。
【0122】
ステップ650において、IVカテーテルシステム100は、挿入構成から流体送達構成へと移動させることができる。臨床医がニードルコンポーネント104の引っ張り面にまだ接触していない場合、彼または彼女は1またはより多くの手の形状でこれを行うことができる。オプションで、IVカテーテルシステム100を挿入するために使用される同じ手は、IVカテーテルシステム100を流体送達形態に移動させるために専ら(すなわち、別の手の助けなしに)使用されてもよい。臨床医は、カテーテルコンポーネント102を所定の位置に保持するために押圧面を押している間に引っ張り面を近位に引っ張ってもよい。したがって、カテーテルコンポーネント102は、カニューレ126の先端が流体送達位置にある間、ニードルコンポーネント104をカテーテルコンポーネント102から近位に引き戻して、流体送達経路を流体送達位置にブロック解除することができる。
【0123】
このことは、オプションで、片手で行うことができる。したがって、IVカテーテルシステム100の流体送達構成への挿入中および/または動作中に別の手を用いて別の仕事をすることができる。例えば、臨床医は、別の手を用いて患者の腕(または流体送達位置が配置されている身体の別の部分)を保持し、IVカテーテルシステム100との相互接続のための他のコンポーネントを準備し、必要な血液検査材料を準備し、および、類似のことをすることができる。
【0124】
方法は、次いで終了する(690)。IVカテーテルシステム100が流体送達形態にある場合、流体供給源はカテーテルコンポーネント102に接続されて流体を患者に送達することができ、または流体供給源がカテーテルコンポーネント102に以前に接続されていたのであれば、流体供給源からカテーテルコンポーネント102への流れを遮断し解除するように作動されてもよい。
【0125】
図7Aは、ニードルハブ750上に形成された回転停止機構762aを含むIVカテーテルシステム700の他の実施形態を示す。IVカテーテルシステム700は、多くの点でIVカテーテルシステム200の構造が実質的に同様であるが、同様の回転停止機能もまた、上述のIVカテーテルシステムの他の多くの実施形態において形成することができる。図7Aに見られるように、IVカテーテルシステム700の多くの特徴は、他のIVカテーテルシステムの特徴と同じまたは類似であるため、これらの特徴は重複して説明しない。
【0126】
IVカテーテルシステム700のカテーテルコンポーネントは、IVカテーテルシステム200の第1のウイング240と同様に配置された第1の(または左側)ウイング740を含む。また、IVカテーテルシステム700のニードルコンポーネントは、IVカテーテルシステム200のグリップ252と同様に配置されるグリップ752を含む。したがって、上述したように、ニードルコンポーネントは、グリップ752および第1のウイング740を所望の向きに配置するために、カテーテルコンポーネントに対して回転することができる。しかし、IVカテーテルシステム200の設計に関して、ニードルコンポーネント204を回転させる、この能力の1つの潜在的な欠点は、グリップ252が自由に垂れ下がることを可能にしてしまうことである。換言すると、IVカテーテルシステム200が操作されている間に、グリップ252の重量により、ニードルコンポーネント204は、グリップ252がカテーテルコンポーネント202の真下にぶら下がる点まで回転することがあり、そのため、グリップ252を適切な位置に配置して、カテーテルシステム200を挿入構成および/または流体送達構成に操作する。
【0127】
この問題に対処するために、IVカテーテルシステム700などのIVカテーテルシステムは、ニードルコンポーネントがカテーテルコンポーネントに結合されている間にニードルコンポーネントが方向795にどれだけ回転できるかを制限するように機能する回転停止機構762aを含むことができる。図示されているように、回転停止機構762aは、ニードルハブ750の遠位端から遠位に突出する部分を含み、第1のウイング740の部分740aの下を捕捉する上向きのレッジを形成する。幾つかの実施形態では、本発明の回転停止機構は、ニードルコンポーネントの回転を制限するために利用される複数のレッジまたは他の表面を備えることができる。
【0128】
回転停止機構762aは、部分740aと接触するとき、グリップ752が第1のウイング740と実質的にインラインに、すなわち実質的に同一平面になるように配置することができる。換言すると、回転停止機構762aは、グリップ752をほぼ平坦な向きに保持することができる。しかしながら、回転停止機構762aは上向きのレッジ部を形成するので、グリップ752が方向795とは反対の方向に回転することを妨げることはない。したがって、グリップ752は、異なるグリップ技術に対応するために、第1のウイング740の上で依然として回転してもよい。
【0129】
代替的に、カテーテル部品の異なる部分に接触する針部材に回転停止機構を形成することができる。例えば、カテーテルコンポーネントは、上述したのと同じ方法でニードルコンポーネントの回転を制限するために、ニードルコンポーネントに形成されたノッチまたは突起と接触する突起を含むことができる。また、回転停止機構762aは、第1のウイング740以外のカテーテルコンポーネントの一部に接触するように構成することもできる。
【0130】
図7Aは主に右手挿入のために設計されたIVカテーテルシステムの実施形態を示していることに留意されたい。しかし、主に左利きの挿入を意図した設計では、コンポーネントの向きを逆にすることができる。換言すれば、第1のウイング740および延長チューブは、グリップ752がニードルコンポーネントの左側から延在することができる一方、カテーテルコンポーネントの右側から延びることもできる。このような設計では、回転停止機構762aは、方向795とは反対方向への過回転を防止するために反対方向に向けることもできる。また、同様の回転停止機能を、本明細書に記載のIVカテーテルシステムの他の実施形態に組み込むこともできる。
【0131】
図7Bは、サイドベント701を有するフラッシュ収容部を含むIVカテーテルシステム700の実施形態を示す。IVカテーテルシステム700は、多くの点で図7AのIVカテーテルシステム700と同様に構成されているが、同様のサイドベントを、フラッシュチャンバを含むニードルコンポーネントを有する上述の実施形態のいずれかに組み込むことができる。
【0132】
図7Bには示されていないが、ニードルコンポーネントの近位端は、ニードルコンポーネントのフラッシュ収容部内に形成されたフラッシュチャンバにフラッシュが流入する際に、空気を排出することができる開口部を含むことができる。幾つかのグリップ技術では、臨床医は、この近位開口の上に手指(例えば、親指または指)を配置し、それによってフラッシュチャンバからの空気の排出を最小化するか、または防止することができる。これに対処するために、図7BのIVカテーテルシステム700のフラッシュ収容部は、近位開口部が覆われていてもフラッシュチャンバから空気を排出するように機能することができる1つまたはより多くのサイドベント701を含むことができる。サイドベント701の各々は、血液がサイドベント701を通って流出することを防止するように、フラッシュチャンバ内に含まれる任意の膜または他の血流抑制構造の近位に配置することができる。幾つかの実施形態では、フラッシュ収容部は、近位開口部を含まないことがあり、したがって、通気のために1つまたはより多くのサイドベント801のみに頼ることがある。
【0133】
図8は、ニードルハブ上の内部ノッチとして形成された別の回転停止機構862bを含むIVカテーテルシステム800の実施形態を示す。IVカテーテルシステム800はまた、カテーテルハブ、この場合はタブ863に対応する回転停止機構を含む。図8に示すように、回転停止機構862bおよびノッチ863は、カテーテルハブに対するニードルハブのいかなる回転も本質的に完全に防止するように形成されてもよい。言い換えると、回転停止機構862bのノッチは、最小限の回転以上を防止するためにサイズが制限されてもよい。他の実施形態では、回転停止機構862bのノッチは、カテーテルハブに対するニードルハブの任意の所望の回転範囲を可能にするように、周方向に拡大されてもよい。IVカテーテルシステム800は、前述の実施形態のIVカテーテルシステムのものに概ね対応するコンポーネントを有していてよく、そのような特徴は重複して説明しない。図8のIVカテーテルシステム800は一体型であってよいが、カテーテルシステム800に関して論じた追加の特徴は、開放型および安全統合IVカテーテルシステムを含む代替の実施形態にも適用することができる。
【0134】
幾つかの実施形態では、挿入構成と流体送達構成の間のIVカテーテルシステムの片手での移動を容易にするために、押圧および/または引っ張り表面として機能する1つまたはより多くの追加の特徴を備えることができる。例えば、上述した様々な実施形態のフラッシュ収容部は、ニードルコンポーネントに挿入されるように適合された円筒形の小容積/高視認性フラッシュチャンバと置換することができる。さらに、フラッシュ収容部の側面グリップおよび/またはニードルコンポーネントの他の部分に1つまたはより多くのグリップを適用して、フラッシュ収容部/ニードルコンポーネントのサイドグリップが挿入および/または移動に使用される中央グリップ挿入技術を容易にすることができる流体送達形態に変換することができる。さらに、押圧面のさらなる例は、カテーテル部品のカテーテルハブに適用される軟質および/または可撓性材料の隆起した円周リングの形態で提供されてもよい。幾つかの実施形態では、軟質および/または可撓性材料は、約30ショアA〜約90ショアDのデュロメータ硬度を含む。幾つかの実施形態では、軟質材料および/または可撓性材料は、約50ショアA〜〜約90ショアDのデュロメータ硬度を含む。本明細書で論じたものと同様の技術を達成するために押したり引っ張ったりするさらなる表面を提供するために任意のコンポーネントに提供されるさらなる変更は、本発明の精神に含まれるものとして包含される。
【0135】
図9Aおよび9Bは、別の代替実施形態によるIVカテーテルシステム900の斜視図である。IVカテーテルシステム900は、前述の実施形態のIVカテーテルシステムのものに概ね対応するコンポーネントを有していてよく、このような特徴については説明していない。図9Aおよび図9BのIVカテーテルシステム900は一体型であってよいが、カテーテルシステム900に関して論じた追加の特徴は、開放型および安全な統合IVカテーテルシステムを含む代替の実施形態にも適用することができる。
【0136】
図7Aおよび図7BのIVカテーテルシステム700で説明したように、IVカテーテルシステム900のカテーテルコンポーネント902は、ニードルコンポーネント904の対応する回転停止機構962aに接触するように構成されたウイング940を含む。回転停止機構962aは、ニードルコンポーネントがカテーテルコンポーネントに連結されている間にニードルコンポーネントがカテーテルコンポーネントに対してどれだけ回転できるかを制限するために、ウイング940とともに機能する。回転停止機構962aの機能は回転停止機構762aの機能と本質的に同様である。
【0137】
カテーテルコンポーネント902は、図9Aに全体的に示される挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム900の移動を容易にする押圧機構として機能し得る追加の特徴を含み、構成間の移動は図9Bに示される。追加の特徴は、カテーテルコンポーネント902のカテーテルハブ920の周囲に配置された円周リング948である。円周リング948は、接触に対して比較的柔軟な材料で製造されてもよく、および/または、IVカテーテルシステム900の挿入構成から流体送達構成への移動を容易にするための手指の先端の確実な受け入れを容易にする比較的高い摩擦係数を備えてもよい。それに加えてまたはそれに代えて、円周リング948は、比較的剛性の材料で形成されてもよい。それに加えてまたはそれに代えて、円周リング948を、隆起、バンプ、またはナッブを有する表面などのテクスチャ加工された表面で形成してもよい。
【0138】
ニードルコンポーネント904には、挿入構成から流体送達構成へのIVカテーテルシステム900の移動を容易にする追加の引っ張り機構として役立つ追加の特徴も備えられている。具体的には、一対の中央グリップ976は、ニードルコンポーネント904のニードルハブ950の対向する側部に固定されてもよい。中央グリップ976は、接触に対して比較的柔軟な材料で形成することができ、かつ/または、比較的高い摩擦係数を備えて中央グリップ976を挟み運動で把持することによってニードルコンポーネント904を固定することを容易にすることができ、例えば、円周リング948を使用するなどして、押圧するまたは支える力がカテーテルコンポーネント902に加えられている間に、ニードルコンポーネント904に適用することができる。それに加えてまたはそれに代えて、中央グリップ976は、比較的剛性の材料で形成されてもよい。これに加えてまたはこれに代えて、中央グリップ976は、図9Aおよび図9Bに示すように、リッジ、バンプまたはナッブを有する表面などのテクスチャ加工された表面で形成することができる。
【0139】
図9Aおよび図9Bに示されている追加の押圧および引っ張り機構は、IVカテーテルシステム900を挿入構成に挿入し、かつ/または、挿入構成から流体送達構成に片手で移動させる代替の機構を備えている。IVカテーテルシステムの幾つかの代替の実施形態では、図9Aおよび9Bに関連して説明した追加の押圧および引っ張り機構を優先し、本明細書で説明した様々な押圧および引っ張り機構の一部は省略することができる。したがって、図9Aおよび図9Bに示される押圧および引っ張り機構の特定の組み合わせは、円周リング948および/または中央グリップ976などの中央グリップのような円周リングの使用を限定することを意図するものではない。対応する円周リングを含まずに、図4のIVカテーテルシステム400のタブ446に類似したタブ846を含むことによって、図8のIVカテーテルシステム800に中央グリップ876を含む。
【0140】
図9Aおよび図9Bは、IVカテーテルシステムの特定の実施形態、すなわち、少容積高視認性フラッシュチャンバ914に組み込むことができる追加の特徴を示している。少容積高視認性フラッシュチャンバ914は、ニードルコンポーネント904のニードルハブ950のフラッシュ収容部112内に固定的にまたは取り外し可能に受容されてもよい。少容積で高視認性のフラッシュチャンバ914がフラッシュ収容部112内に着脱自在に受容されるとき、方向997によって示されるように、ニードルハブ950の近位端の開口部を通して挿入され得る。
【0141】
本発明の様々な実施形態は、偶発的な針刺しを防止するために、ニードルコンポーネントの様々な実施形態をカテーテルコンポーネントの様々な実施形態から取り外して分離した後に、導入針の鋭利な遠位先端部を固定するように構成された針安全機構をさらに備え得る。安全機構は、当技術分野で知られている任意の互換性のある装置を含むことができる。幾つかの例では、安全機構は、針上のフェルール、ノッチ、クリンプまたはバンプのような針の特徴と相互作用するように構成される。ニードルに形成されたクリンプまたはバンプは、安全機構を作動させるために使用することができる丸い構成から僅かに外れたものとなる。幾つかの例では、安全機構は、アームまたはレバーマットを備え、機構内で針先端部を捕捉し、安全な処理より前に先端が出ることを防止する。
【0142】
安全機構は、任意の数の方法で特定のIVカテーテルシステムと連結することができる。幾つかの実施形態では、安全機構は、安全機構がカテーテル部品の内面に連結された内部インターロックを含むことができる。結合には、ねじ切り、嵌合、スナップ、接続、取り付け、締結、クリッピング、引っ掛け、または他の適切な結合手段が含まれ得る。内部インターロックを含む安全機構の非限定的な例は、2009年3月2日に出願された特許文献1(BI−DIRECTIONAL CANNULA FEATURE CAPTURE MECHANISM);2013年7月11日に出願された特許文献2(BI−DIRECTIONAL CANNULA FEATURE CAPTURE MECHANISM);2016年3月28日に出願された特許文献3(CANNULA CAPTURE MECHANISM)(その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)などに開示がある。幾つかの実施形態では、安全機構は、カテーテルコンポーネント内に配置されたクリップを含むことができ、非限定的な例は、1998年6月12日に出願された特許文献4(SPRING CLIP SAFETY IV CATHETER)であり、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0143】
幾つかの実施形態では、安全機構は、安全機構がカテーテル部品の外面に連結された外部インターロックを含むことができる。幾つかの実施形態では、安全機構は、カテーテルコンポーネントの外面およびニードルハブの内面および/または外面に結合されてもよい。結合には、ねじ切り、嵌合、スナップ、接続、取り付け、締結、クリッピング、引っ掛け、または他の適切な結合手段が含まれ得る。外部インターロックを含む安全機構の非限定的な例は、2014年6月4日に提出された特許文献5(外部針シールドおよび内部血圧制御を有するPORTED IVカテーテル)により提供されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、安全機構は、Vクリップまたは同様のクリップを含むことができる。Vクリップの非限定的な例は、2014年6月4日に出願された特許文献5、外針縫合および内臓血液制御隔壁を有するPORTED IVカテーテルに記載されており、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。Vクリップは、カテーテルコンポーネントの一部分を選択的に保持することができる。
【0144】
幾つかの実施形態では、安全機構とIVカテーテルシステムの少なくとも1つの他のコンポーネントの間に、拒否可能な機械的接続が備えられる。場合によっては、安全機構内で針の遠位先端を固定すると機械的接続が破断される。幾つかの実施形態では、安全機構の表面は、カテーテルコンポーネント、血液制御バルブ、延長チューブ、および1つまたはより多くのパドルグリップのうちの1つまたはより多くのに選択的に結合される。
【0145】
幾つかの実施形態では、安全機構は、ばね負荷式の安全バレルを含むことができる。例えば、安全バレルは、BD TM Insyte Autoguard(商標)BCシールド保護IVカテーテルのようにバネ負荷されてもよい。幾つかの実施形態では、安全機構は、受動的および/または能動的に作動させることができる。幾つかの実施形態では、安全機構は、針上のフェルール、ノッチ、クリンプまたはバンプなどの針の特徴と相互作用するように構成することができる。幾つかの実施形態では、安全機構は、安全機構内で遠位先端部を捕捉し、安全な処理より前に先端部が出ることを防止するように作動され得るアームまたはレバーを含むことができる。幾つかの実施形態では、安全機構は、針の本体に取り付けられ、その長さに沿ってスライドすることができる。
【0146】
幾つかの実施形態では、カテーテル挿入前の組立位置において、安全機構をカテーテルコンポーネントとニードルハブの間に配置することができる。幾つかの実施形態では、カテーテルコンポーネントおよびニードルハブは、カテーテル挿入前に組み立てられた位置で安全機構の少なくとも一部分によって離間されていてよい。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入前の組立位置において、カテーテルコンポーネントの近位端は、安全機構の遠位端とニードルハブのグリップ、例えばパドルグリップ、の遠位端の間に配置することができる。幾つかの実施形態では、カテーテル挿入前の組立位置において、カテーテルコンポーネントの近位端を、安全機構の遠位端とニードルハブのグリップの近位端の間に配置することができる。幾つかの実施形態では、安全機構の一部は、ニードルハブのグリップの一部と重なってもよい。幾つかの実施形態では、カテーテルコンポーネントおよびグリップのうちの少なくとも1つの少なくとも一部分が、安全機構の少なくとも一部分と重なる。幾つかの実施形態では、カテーテルコンポーネントまたはグリップ部は、安全機構のいずれの部分とも重ならない。
【0147】
本発明は、その構造、方法、または本明細書に広く記載された、または、特許請求の範囲の他の本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具体化されてもよい。記載された実施形態は、すべての点において例示的なものであり、限定的なものではないとみなされるべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に入るすべての変更は、その範囲内に包含されるべきである。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B