特許第6854865号(P6854865)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカの特許一覧

特許6854865ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路
<>
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000002
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000003
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000004
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000005
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000006
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000007
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000008
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000009
  • 特許6854865-ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854865
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20210329BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20210329BHJP
   H04W 72/08 20090101ALI20210329BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20210329BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W16/14
   H04W72/08 110
   H04W72/04 132
【請求項の数】16
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2019-208882(P2019-208882)
(22)【出願日】2019年11月19日
(62)【分割の表示】特願2018-513776(P2018-513776)の分割
【原出願日】2015年10月21日
(65)【公開番号】特開2020-25353(P2020-25353A)
(43)【公開日】2020年2月13日
【審査請求日】2019年11月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン リ
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀俊
(72)【発明者】
【氏名】ローア ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】アインハウス ミヒャエル
(72)【発明者】
【氏名】ワン リレイ
(72)【発明者】
【氏名】星野 正幸
【審査官】 桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/042594(WO,A2)
【文献】 国際公開第2014/189916(WO,A2)
【文献】 特開2016−174216(JP,A)
【文献】 Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,UL LBT and DL/UL Frame Structure for LAA[online], 3GPP TSG-RAN WG1#82 R1-154574,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_82/Docs/R1-154574.zip>,2015年 8月28日,1−6頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ライセンスバンドのシステム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するように動作し、
割り当てられた帯域幅において第2のLBTを実行するように動作する回路と、
前記第1のLBTが成功せず、かつ前記第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられた帯域幅において信号を送信するように動作し、
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功しない場合に、前記信号を送信しない送信機と、を具備する、
ユーザ機器。
【請求項2】
前記割り当てられた帯域幅は、制御情報を用いて基地局から通知される、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項3】
前記送信機は、前記第1のLBTが成功した場合に、前記システム帯域幅において信号を送信する、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項4】
前記割り当てられた帯域幅は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)のリソースを指示する制御情報によって割り当てられる、
請求項1に記載のユーザ機器。
【請求項5】
非ライセンスバンドのシステム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するように動作し、
割り当てられた帯域幅において第2のLBTを実行するように動作し、
前記第1のLBTが成功せず、かつ前記第2のLBTが成功した場合に前記割り当てられた帯域幅において信号を送信するように動作し、
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功しない場合に信号を送信しない、
通信方法。
【請求項6】
前記割り当てられた帯域幅は、制御情報を用いて基地局から通知される、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項7】
前記第1のLBTが成功した場合に、前記システム帯域幅において信号を送信する、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項8】
前記割り当てられた帯域幅は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)のリソースを指示する制御情報によって割り当てられる、
請求項5に記載の通信方法。
【請求項9】
非ライセンスバンドに割り当てられた帯域幅を通知する制御情報を送信する送信機と、
前記非ライセンスバンドのシステム帯域幅で実施された第1のリッスンビフォアトーク(LBT)が成功せず、前記割り当てられた帯域幅で実施された第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられた帯域幅において信号を受信し、
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功しない場合に、前記信号を受信しない受信機と、を具備する、
基地局。
【請求項10】
前記受信機は、前記第1のLBTが成功した場合に、前記システム帯域幅において信号を受信する、
請求項9に記載の基地局。
【請求項11】
前記割り当てられた帯域幅は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)のリソースを指示する制御情報によって割り当てられる、
請求項9に記載の基地局。
【請求項12】
非ライセンスバンドに割り当てられた帯域幅を通知する制御情報を送信し、
前記非ライセンスバンドのシステム帯域幅で実施された第1のリッスンビフォアトーク(LBT)が成功せず、前記割り当てられた帯域幅で実施された第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられた帯域幅において信号を受信し、
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功しない場合に、前記信号を受信しない、
通信方法。
【請求項13】
前記第1のLBTが成功した場合に、前記システム帯域幅において信号を受信する、
請求項12に記載の通信方法。
【請求項14】
前記割り当てられた帯域幅は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)のリソースを指示する制御情報によって割り当てられる、
請求項12に記載の通信方法。
【請求項15】
非ライセンスバンドのシステム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するように動作し、
割り当てられた帯域幅において第2のLBTを実行するように動作する処理と、
前記第1のLBTが成功せず、かつ前記第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられた帯域幅において信号を送信するように動作し、
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功しない場合に、前記信号を送信しない処理と、を制御する、
集積回路。
【請求項16】
非ライセンスバンドに割り当てられた帯域幅を通知する制御情報を送信する処理と、
前記非ライセンスバンドのシステム帯域幅で実施された第1のリッスンビフォアトーク(LBT)が成功せず、前記割り当てられた帯域幅で実施された第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられた帯域幅において信号を受信し、
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功しない場合に、前記信号を受信しない処理と、を制御する、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信の技術分野に関し、詳細には、ユーザ機器、基地局、通信方法、および、集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイルデータの急速な成長によって、事業者は、限られた周波数スペクトルをますます高い効率で利用するように強いられる一方で、十分なアンライセンス周波数スペクトルは、Wi−Fi、Bluetooth(登録商標)などのみによって低い効率で利用されている。LTE−U(LTEアンライセンス:LTE-unlicensed)およびLAA(ライセンス補助アクセス:Licensed Assisted Access)によって、LTEの周波数帯をアンライセンスバンドに拡張することができ、これによってLTEネットワークの容量が直接的かつ劇的に増大する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示を制限することのない例示的な一実施形態は、UL(アップリンク)多重化、特に、PRACH(物理ランダムアクセスチャネル:Physical Random Access Channel)とPUSCH(物理アップリンク共有チャネル:Physical Uplink Shared Channel)/PUCCH(物理アップリンク制御チャネル:Physical Uplink Control Channel)とのUL FDMAを容易にする方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の第1の一般的態様においては、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合のユーザ機器(UE)であって、システム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT:listen-before-talk)を実行するように動作する第1の回路と、割り当てられる帯域幅において第2のLBTを実行するように動作する第2の回路と、第1のLBTが成功せず、かつ第2のLBTが成功した場合に、割り当てられる帯域幅において信号を送信するように動作する送信機と、を備えている、ユーザ機器(UE)、を提供する。
【0005】
本開示の第2の一般的態様においては、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合のeNode Bであって、ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てるように動作する回路と、PRACHリソースの指示情報(indication)をUEに送信するように動作する送信機と、を備えている、eNode B、を提供する。
【0006】
本開示の第3の一般的態様においては、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合のユーザ機器であって、eNBから送信される、ULバーストのためのULリソースのグラントおよびPRACHリソースの指示情報、を受信するように動作する受信機と、PRACHリソースの指示情報をULリソースでブロードキャストするように動作する送信機と、を備えている、ユーザ機器、を提供する。
【0007】
本開示の第4の一般的態様においては、UEによって実行される、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合の無線通信方法であって、システム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するステップと、割り当てられる帯域幅において第2のLBTを実行するステップと、第1のLBTが成功せず、かつ第2のLBTが成功した場合に、割り当てられる帯域幅において信号を送信するステップと、を含む、無線通信方法、を提供する。
【0008】
本開示の第5の一般的態様においては、eNBによって実行される、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合の無線通信方法であって、ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てるステップと、PRACHリソースの指示情報をUEに送信するステップと、を含む、無線通信方法、を提供する。
【0009】
本開示の第6の一般的態様においては、UEによって実行される、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合の無線通信方法であって、eNBから送信される、ULバーストのためのULリソースのグラントおよびPRACHリソースの指示情報、を受信するステップと、PRACHリソースの指示情報をULリソースでブロードキャストするステップと、を含む、無線通信方法、を提供する。
【0010】
なお、一般的または特定の実施形態は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、記憶媒体、またはこれらの任意の選択的な組合せ、として実施できることに留意されたい。
【0011】
開示されている実施形態のさらなる恩恵および利点は、本明細書および図面から明らかになるであろう。これらの恩恵および/または利点は、本明細書および図面のさまざまな実施形態および特徴によって、個別に得ることができ、このような恩恵および/または利点の1つまたは複数を得る目的で、実施形態および特徴すべてを設ける必要はない。
【0012】
本開示の上記の特徴および上記以外の特徴は、以下の説明および添付の「特許請求の範囲」を、添付の図面を参照しながら読み進めることによって、さらに完全に明らかになるであろう。なお、これらの図面は、本開示によるいくつかの実施形態を示しているにすぎず、したがってこれらの図面は、本開示の範囲を制限するものとはみなされないことを理解されたい。以下では、本開示について、添付の図面を使用することによってさらに具体的かつ詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】システム帯域幅および割り当てられる帯域幅の両方におけるLBTを説明するための概略図である。
図2】本開示の実施形態に係る、UEによって実行される無線通信方法の流れ図を示している。
図3】本開示の実施形態に係るUEのブロック図を概略的に示している。
図4】本開示の実施形態に係る、PRACHリソースのスケジューリングおよび指示情報を概略的に示している。
図5】本開示の実施形態に係る、eNBによるPRACHリソースの指示情報を概略的に示している。
図6】本開示の実施形態に係るeNBのブロック図を概略的に示している。
図7】本開示の実施形態に係る、eNBによって実行される無線通信方法の流れ図を示している。
図8】本開示の実施形態に係る、UEによって実行される無線通信方法の流れ図を示している。
図9】LBTが終了してからアイドル期間の後にPRACHを送信する例を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の詳細な説明においては、添付の図面を参照し、これらの図面は説明の一部を形成している。図面においては、特に明記しない限り、一般には類似する記号は類似する要素を表している。なお、本開示の態様は、さまざまな異なる構造・構成に配置する、置き換える、組み合わせる、設計することができ、そのような態様すべては明示的に意図されたものであり本開示の一部を形成することが、容易に理解されるであろう。
【0015】
LAAにおいては、競合のない(contention-free)ランダムアクセスの場合にはULタイミングの調整のため、または、競合ベースの(contention-based)ランダムアクセスの場合にはアンライセンス周波数帯における単独動作のため、アンライセンスキャリアにおけるランダムアクセス手順が要求される。ほとんどの場合、LBTが要求されうる。しかしながら、システム帯域幅を通じて実行される現在のLBTでは、UL多重化をサポートすることが難しく、なぜなら各UEにおける独立したLBTが互いに妨げあう(ブロックしあう)ためである。
【0016】
本開示では、UL多重化、特に、PRACHとPUSCH/PUCCHとのUL FDMAをサポートするために、新規のLBTメカニズムを導入する。この新規のメカニズムにおいては、システム帯域幅と、割り当てられる帯域幅(例えばPRACH)の両方においてLBTが実行される。このようなLBTメカニズムを使用すると、1つのサブフレームにおける異なるPRB(物理リソースブロック)が割り当てられているUEが、LBT中に互いに妨げあわない。
【0017】
本開示の実施形態においては、UEによって実行される、LAAの場合の無線通信方法を提供する。図1は、システム帯域幅および割り当てられる帯域幅の両方におけるLBTを説明するための概略図である。図1では、割り当てられる帯域幅を、割り当てられるULチャネル(例:PRACH)によって表してあり、システム帯域幅の中の他の帯域幅を、他の(1つまたは複数の)ULチャネル(例:PUSCH/PUCCH)によって表してある。PRACHでプリアンブルを送信することを望むUEは、システム帯域幅およびPRACH帯域幅の両方においてチャネルを検出する。同じサブフレームにおけるPRACHとPUSCH/PUCCHとのFDM(周波数分割多重:Frequency Division Multiplexing)の特性を利用することによって、PRACHにおけるLBTが、PRACHに対する直交帯域に位置するPUSCH/PUCCHの送信による影響を受けない。その一方で、システム帯域幅におけるLBTによって、(1つまたは複数の)別のノード(すなわちスケジューリングするeNBおよびそのeNBによってスケジューリングされるUE以外のノード)からの送信への干渉を防止することができる。システム帯域幅はビジー(busy)であるがPRACH帯域幅がアイドル(idle)であることが検出された場合、UEはPRACHチャネルにアクセスすることができる。システム帯域幅およびPRACH帯域幅の両方がビジーであることが検出された場合、UEはPRACHにアクセスすることができない。システム帯域幅およびPRACH帯域幅の両方がアイドルであることが検出された場合には、2つの代替方法がある。1つは、UEがプリアンブルを送信しないことであり、もう1つは、UEがシステム帯域幅において広帯域プリアンブル(wideband preamble)(例:20MHz程度)を送信することである。
【0018】
図2は、本開示の実施形態に係る無線通信方法200の流れ図を示している。無線通信方法200は、システム帯域幅において第1のLBTを実行するステップ201と、割り当てられる帯域幅(例:PRACH)において第2のLBTを実行するステップ202と、第1のLBTが成功せず(システム帯域幅がビジーである)、かつ第2のLBTが成功した(割り当てられる帯域幅がアイドルである)場合に、割り当てられる帯域幅において信号を送信するステップ203と、を含む。上に説明したように、割り当てられる帯域幅はPRACHとすることができ、信号はプリアンブル(以下では第1のプリアンブルと称する)とすることができる。しかしながら本開示においては、割り当てられる帯域幅は、PRACH以外の任意の別のバンドとすることができる。オプションとして、UEは、第1のLBTおよび第2のLBTの両方が成功した場合に、システム帯域幅を通じて第2のプリアンブル(広帯域プリアンブル)を送信する。または、UEは、第1のLBTおよび第2のLBTの両方が成功した場合に、プリアンブルを送信しない。なお本開示において、第1のLBTおよび第2のLBTの順序は制限されておらず、例えば第1のLBTおよび第2のLBTを同時に実行することができる。
【0019】
さらに、本開示の実施形態は、上の通信方法を実行する、LAAの場合のUE、を提供する。図3は、本開示の実施形態に係るUE300のブロック図を概略的に示している。UE300は、システム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するように動作する第1の回路301と、割り当てられる帯域幅において第2のLBTを実行するように動作する第2の回路302と、第1のLBTが成功せず、かつ第2のLBTが成功した場合に、割り当てられる帯域幅において信号を送信するように動作する送信機303と、を備えている。割り当てられる帯域幅はPRACHとすることができ、信号は第1のプリアンブルとすることができる。オプションとして、送信機は、第1のLBTおよび第2のLBTの両方が成功した場合に、システム帯域幅を通じて第2のプリアンブル(広帯域プリアンブル)を送信するように、さらに動作するようにすることができる。または、送信機は、第1のLBTおよび第2のLBTの両方が成功した場合にプリアンブルを送信しないように、さらに動作するようにすることができる。
【0020】
本開示に係るUE300は、オプションとして、UE300の中でさまざまなデータを処理しそれぞれのユニットの動作を制御するための関連するプログラムを実行するCPU(中央処理装置:Central Processing Unit)310、CPU310によってさまざまなプロセスおよび制御を実行するために必要なさまざまなプログラムを格納するROM(読み出し専用メモリ:Read Only Memory)313、CPU310によるプロセスおよび制御の手順において一時的に生成される中間データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ:Random Access Memory)315、および/または、さまざまなプログラムおよびデータなどを格納する記憶装置317、を含むことができる。上記の第1の回路301、第2の回路302、送信機303、CPU310、ROM313、RAM315、および/または記憶装置317などは、データおよび/または命令バス320を介して相互に接続し、互いの間で信号を伝送することができる。
【0021】
上述したそれぞれの構成要素は、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実装形態によると、上記の第1の回路301、第2の回路302、および送信機303の機能をハードウェアによって実施することができ、上記のCPU310、ROM313、RAM315、および/または記憶装置317は、必要ないことがある。これに代えて、上記の第1の回路301、第2の回路302、および送信機303の機能を、上記のCPU310、ROM313、RAM315、および/または記憶装置317などと組み合わせて、機能ソフトウェアによって実施することもできる。
【0022】
本開示の実施形態においては、eNBによって、ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てることができる。言い換えれば、eNBは、各ULバーストのためのPRACHリソースを割り当てる。PRACHリソースは、eNBまたは別の(1基または複数基の)UEによって指示される。したがって、上のUE300は、eNode B(eNB)または別のUEによって送信される、ULバーストのためのPRACHリソースの指示情報(すなわちPRACH用にどの(1つまたは複数の)サブフレームおよびどの(1つまたは複数の)PRBを使用するべきか)、を受信するように動作する受信機、をさらに備えていることができる。以下では、ULバーストにおけるPRACHリソースを指示するための2つの例について説明する。
【0023】
最初の例においては、ULバースト(1つまたは複数のサブフレーム)におけるPRACHリソースが、ULグラント(すなわちULデータ送信)を有する1基または複数基のUEによって指示される。なお、複数基のUEが、(1つまたは複数の)同じPRACHリソースまたは異なるPRACHリソースを指示することができることに留意されたい。PUSCH/PUCCHは、リリース12までの現在のLTE設計のように、eNBによって(E)PDCCHを介してスケジューリングすることができる。eNBは、ULバーストにおいてPRACHリソースを割り当て、さらに、どの(1基または複数基の)UEがそのPRACHリソースを指示するかも割り当てる。競合のないランダムアクセスの場合、UEがランダムアクセスを実行するためのプリアンブルの順序も、eNBによって割り当てられる。競合ベースのランダムアクセスの場合には、UEがランダムアクセスを実行するためのプリアンブルの順序は、UEによってランダムに選択される。ULグラントを有するUEは、LBTに成功した後、自身のULデータおよびPRACHリソースの指示情報を、スケジューリングされたリソースで送信する。PRACHリソースの指示情報は、同じセル内の別のUEによって復号することのできるブロードキャスト情報である。図4図4は、本開示の実施形態に係る、PRACHリソースのスケジューリングおよび指示情報を概略的に示している)に示したように、PRACHリソースを含むリソースがeNBによってスケジューリングされ、ULバーストの開始時に、ULグラントを有するUEによって、PRACH指示情報をULバースト構造指示情報(UL burst structure indication)の中で送信することができる。これに代えて、ULグラントを有するUEによって、スケジューリングされたPUCCHまたはPUSCHの中でPRACH指示情報を送信することができる。PRACHでプリアンブルを送信することを望むUEは、PRACHリソースの指示情報をブラインド復号によって監視(monitor)する。ブラインド復号の複雑さを軽減するために、PRACH指示情報のリソース位置および/またはフォーマットを、事前の定義または事前の設定を介してUEにとって既知とする、または、事前に定義される、もしくは事前に設定される限られたセット内に制限することができる。
【0024】
2番目の例においては、PRACHリソースを、eNBによって、例えばアンライセンスバンドで直接指示することができる。DLおよびULの両方から構成されるバースト構造の開始時に送信されるバースト構造指示情報の中で、eNBによってPRACHリソースを指示することができる。図5は、本開示の実施形態に係る、eNBによるPRACHリソースの指示情報を概略的に示している。図5には、DLおよびULの両方から構成されるバースト構造を示してある。このバースト構造においては、PRACH指示情報を含むバースト構造指示情報を、(図5に示した)PDCCH、EPDCCH、または新規のチャネルで伝えることができる。これに加えて、PUSCH/PUCCHをeNBによって(E)PDCCHを介してスケジューリングすることができる。PRACHでプリアンブルを送信することを望むUEは、PRACHリソースの指示情報をブラインド復号によって監視することができる。
【0025】
PRACHリソースの指示情報をサポートするために、本開示の実施形態は、eNBと、eNBによって実行される無線通信方法と、をさらに提供する。図6は、本開示の実施形態に係るeNB600のブロック図を概略的に示している。eNB600は、ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てるように動作する回路601と、PRACHリソースの指示情報を(1基または複数基の)UEに送信するように動作する送信機602と、を備えていることができる。なお、eNB600は、上の最初の例および2番目の例の両方に適用可能であることに留意されたい。上の最初の例では、送信機602は、特定のUEがPRACHリソースの指示情報を別のUEにブロードキャストすることができるように、その指示情報をその特定のUEに送信することができる。この場合、UEがPRACHリソースの指示情報をブロードキャストできるようにそのUEにULグラントを送信するように、送信機をさらに動作するようにすることができる。上の2番目の例では、送信機602は、PRACHリソースの指示情報をアンライセンスバンドの中でUEに直接ブロードキャストすることができる。
【0026】
本開示に係るeNB600は、オプションとして、eNB600の中でさまざまなデータを処理しそれぞれのユニットの動作を制御するための関連するプログラムを実行するCPU(中央処理装置)610、CPU610によってさまざまなプロセスおよび制御を実行するために必要なさまざまなプログラムを格納するROM(読み出し専用メモリ)613、CPU610によるプロセスおよび制御の手順において一時的に生成される中間データを格納するRAM(ランダムアクセスメモリ)615、および/または、さまざまなプログラムおよびデータなどを格納する記憶装置617、を含むことができる。上記の回路601、および送信機602、CPU 610、ROM 613、RAM 615、および/または記憶装置617などは、データおよび/または命令バス620を介して相互に接続し、互いの間で信号を伝送することができる。
【0027】
上述したそれぞれの構成要素は、本開示の範囲を限定するものではない。本開示の一実装形態によると、上記の回路601および送信機602の機能をハードウェアによって実施することができ、上記のCPU610、ROM613、RAM615、および/または記憶装置617は、必要ないことがある。これに代えて、上記の回路601および送信機602の機能を、上記のCPU610、ROM613、RAM615、および/または記憶装置617などと組み合わせて、機能ソフトウェアによって実施することもできる。
【0028】
図7は、本開示の実施形態に係る、eNBによって実行される無線通信方法700の流れ図を示している。この方法700は、ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てるステップ701と、PRACHリソースの指示情報を(1基または複数基の)UEに送信するステップ702と、を含むことができる。オプションとして、方法700は、UEがPRACHリソースの指示情報をブロードキャストすることができるように、そのUEにULグラントを送信するステップ、をさらに含むことができる。
【0029】
これに加えて、PRACHリソースをUEによって示す例の場合、本開示の実施形態は、PRACHリソースを指示するUEと、そのUEによって実行される通信方法とを提供する。UEは、eNBから送信される、ULバーストのためのULリソースのグラントおよびPRACHリソースの指示情報、を受信するように動作する受信機と、PRACHリソースの指示情報をULリソースでブロードキャストするように動作する送信機と、を備えていることができる。なお、UE300について説明した構造および実装は、この場合のUEにも適用することができることに留意されたい。図8は、本開示の実施形態に係る、PRACHリソースを示すUEによって実行される無線通信方法800の流れ図を示している。この方法800は、eNBから送信される、ULバーストのためのULリソースのグラントおよびPRACHリソースの指示情報、を受信するステップ801と、PRACHリソースの指示情報をULリソースでブロードキャストするステップ802と、を含むことができる。
【0030】
本開示の実施形態における、PRACHリソースを示す上の方法によると、バーストごとにPRACHリソースを動的に示すことによって、PRACHとPUSCH/PUCCHの多重化をサポートすることができる。
【0031】
これに加えて、本開示の実施形態によれば、PRACH内での多重化に関するさらなる機能強化を導入する。PRACHにおけるCDM(符号分割多重:Code Division Multiplexing)は、通常ではあまり使用されず、なぜなら、送信時刻の異なるUEが互いに妨げあうためである。LBTの要件下でPRACHにおけるCDMをサポートするために、LBTの後、かつPRACHの送信の境界の前に、アイドル期間(例えば、アンライセンス周波数帯において想定される最大の片道遅延(single trip delay))を加えることが有利である。本開示の実施形態によれば、LBTが終了した直後にプリアンブルを送信する代わりに、第1のLBTおよび第2のLBTが終了したときの時刻からある期間(アイドル期間)の後に、PRACHでプリアンブル(第1のプリアンブル)を送信するように、UE300の送信機を動作するようにすることができる。図9は、LBTが終了してからアイドル期間の後にPRACHを送信する例を概略的に示している。図9から理解できるように、PRACH送信境界(PRACHでのプリアンブルの送信の先頭)が、LBTの終了直後ではなく、これらの間にアイドル期間が存在する。このようにすることで、UE間の相互の妨げを軽減することが可能である。アイドル期間は、例えば、アンライセンス周波数帯において想定される最大片道遅延に基づいて決定することができる。5GHzを使用する場合、従来の2〜3GHzを使用する場合よりもセルのカバレッジを非常に小さくすることができる。PRACHフォーマット0を例にとると、96μsのガード期間(往復遅延)は14.5kmの最大セル半径に相当し、これは5GHzを使用する場合に要求されるものよりも大きい。5GHzにおける最大セル半径が1km未満である場合、ガード期間に必要なのはわずか10μsである。したがって、PRACH送信境界は、サブフレーム境界より80μsの後とすることができる。
【0032】
本開示は、ソフトウェア、ハードウェア、または、ハードウェアと協働するソフトウェアによって、実施することができる。上に説明した各実施形態の説明において使用される各機能ブロックは、集積回路としてLSIによって実施することができ、各実施形態において説明した各プロセスは、LSIによって制御することができる。これらの機能ブロックは、チップとして個別に形成する、または、機能ブロックの一部またはすべてが含まれるように1個のチップを形成することができる。これらのチップは、自身に結合されたデータ入出力部を含むことができる。LSIは、集積度の違いに応じて、IC、システムLSI、スーパーLSI、またはウルトラLSIとも称される。しかしながら、集積回路に実装する技術は、LSIに限定されず、専用回路または汎用プロセッサを使用することによって実施することができる。さらには、LSIの製造後にプログラムすることのできるFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または、LSI内部に配置されている回路セルの接続および設定を再設定できるリコンフィギャラブルプロセッサを使用することもできる。
【0033】
なお、本開示は、本明細書に提示した説明および公知の技術に基づき、本開示の内容および範囲から逸脱することなく、当業者によってさまざまな変更や修正が行われるように意図されており、そのような変更および修正は、「特許請求の範囲」に記載された保護範囲内であることに留意されたい。さらには、本開示の内容から逸脱しない範囲内で、上に説明した実施形態の構成要素を任意に組み合わせることができる。
【0034】
本開示の実施形態は、少なくとも以下の主題を提供することができる。
【0035】
[項目1]
ライセンス補助アクセス(LAA)の場合のユーザ機器(UE)であって
システム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するように動作する第1の回路と、
割り当てられる帯域幅において第2のLBTを実行するように動作する第2の回路と、
前記第1のLBTが成功せず、かつ前記第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられる帯域幅において信号を送信するように動作する送信機と、
を備えている、ユーザ機器。
【0036】
[項目2]
前記割り当てられる帯域幅が物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)であり、前記信号が第1のプリアンブルである、
項目1に記載のユーザ機器。
【0037】
[項目3]
前記送信機が、前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功した場合に、前記システム帯域幅を通じて第2のプリアンブルを送信するように、さらに動作する、
項目2に記載のユーザ機器。
【0038】
[項目4]
前記送信機が、前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功した場合に、プリアンブルを送信しないように、さらに動作する、
項目2に記載のユーザ機器。
【0039】
[項目5]
eNode B(eNB)または別のユーザ機器(UE)によって送信される、アップリンク(UL)バーストのためのPRACHリソースの指示情報、を受信するように動作する受信機、
をさらに備えている、項目2から項目4のいずれかに記載のユーザ機器。
【0040】
[項目6]
前記送信機が、前記第1のLBTおよび前記第2のLBTが終了したときの時刻からある期間の後に、前記PRACHで前記第1のプリアンブルを送信するように、さらに動作する、
項目2に記載のユーザ機器。
【0041】
[項目7]
ライセンス補助アクセス(LAA)の場合のeNode Bであって、
ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てるように動作する回路と、
前記PRACHリソースの指示情報をUEに送信するように動作する送信機と、
を備えている、eNode B。
【0042】
[項目8]
前記送信機が、UEが前記PRACHリソースの前記指示情報をブロードキャストするために前記UEにULグラントを送信するように、さらに動作する、
項目7に記載のeNode B。
【0043】
[項目9]
ライセンス補助アクセス(LAA)の場合のユーザ機器であって、
eNBから送信される、ULバーストのためのULリソースのグラントおよびPRACHリソースの指示情報、を受信するように動作する受信機と、
前記PRACHリソースの前記指示情報を前記ULリソースでブロードキャストするように動作する送信機と、
を備えている、ユーザ機器。
【0044】
[項目10]
UEによって実行される、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合の無線通信方法であって、
システム帯域幅において第1のリッスンビフォアトーク(LBT)を実行するステップと、
割り当てられる帯域幅において第2のLBTを実行するステップと、
前記第1のLBTが成功せず、かつ前記第2のLBTが成功した場合に、前記割り当てられる帯域幅において信号を送信するステップと、
を含む、無線通信方法。
【0045】
[項目11]
前記割り当てられる帯域幅が物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)であり、前記信号が第1のプリアンブルである、
項目10に記載の無線通信方法。
【0046】
[項目12]
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功した場合に、前記システム帯域幅を通じて第2のプリアンブルを送信するステップ、
をさらに含む、項目11に記載の無線通信方法。
【0047】
[項目13]
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTの両方が成功した場合に、プリアンブルが送信されない、
項目11に記載の無線通信方法。
【0048】
[項目14]
eNode B(eNB)または別のUEによって送信される、アップリンク(UL)バーストのためのPRACHリソースの指示情報、を受信するステップ、
をさらに含む、項目11から項目13のいずれかに記載の無線通信方法。
【0049】
[項目15]
前記第1のLBTおよび前記第2のLBTが終了したときの時刻からある期間の後に、前記第1のプリアンブルが前記PRACHで送信される、
項目11に記載の無線通信方法。
【0050】
[項目16]
eNBによって実行される、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合の無線通信方法であって、
ULバーストごとにPRACHリソースを割り当てるステップと、
前記PRACHリソースの指示情報をUEに送信するステップと、
を含む、無線通信方法。
【0051】
[項目17]
UEが前記PRACHリソースの前記指示情報をブロードキャストすることができるように、前記UEにULグラントを送信するステップ、
をさらに含む、項目16に記載の無線通信方法。
【0052】
[項目18]
UEによって実行される、ライセンス補助アクセス(LAA)の場合の無線通信方法であって、
eNBから送信される、ULバーストのためのULリソースのグラントおよびPRACHリソースの指示情報、を受信するステップと、
前記PRACHリソースの前記指示情報を前記ULリソースでブロードキャストするステップと、
を含む、無線通信方法。
【0053】
これに加えて、本開示の実施形態は、上記のそれぞれの通信方法における(1つまたは複数の)ステップを実行する(1つまたは複数の)モジュール、を備えている集積回路、をさらに提供することができる。さらには、本開示の実施形態は、プログラムコードを含むコンピュータプログラムが格納されているコンピュータ可読記憶媒体であって、プログラムコードがコンピューティングデバイスにおいて実行されたとき、プログラムコードが上記のそれぞれの通信方法の(1つまたは複数の)ステップを実行する、コンピュータ可読記憶媒体、を提供することができる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9