特許第6854876号(P6854876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6854876負荷およびデバイスを駆動するための装置と方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854876
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】負荷およびデバイスを駆動するための装置と方法
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20210329BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20210329BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
   H02M7/48 E
   H02M3/155 F
   H01L41/09
【請求項の数】18
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-500359(P2019-500359)
(86)(22)【出願日】2016年7月7日
(65)【公表番号】特表2019-523624(P2019-523624A)
(43)【公表日】2019年8月22日
(86)【国際出願番号】EP2016066134
(87)【国際公開番号】WO2018006964
(87)【国際公開日】20180111
【審査請求日】2019年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー−ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンセロウ フランク
(72)【発明者】
【氏名】キンツェル ベルナデット
(72)【発明者】
【氏名】イサ エルカン
【審査官】 麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−246821(JP,A)
【文献】 特開2004−248353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
H01L 41/09
H02M 3/155
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動信号(VPIEZO)によって負荷(2)を駆動するための装置(1)であって、
前記装置(1)は、AC電圧源(3)、DC電圧源(4)、コンデンサ(5)および制御装置(6)を含み、
前記AC電圧源(3)はAC電圧(VOUT)を出力するように構成され、
前記DC電圧源(4)は予め決定可能な大きさを持つDC電圧(V1)を出力するように構成され、
前記コンデンサ(5)は第1の端子(51)および第2の端子(52)を含み、
前記AC電圧源(3)は前記第1の端子(51)に接続され、前記AC電圧源(3)は制御可能な電流源(8)を含み、前記電流源(8)はAC電流を発生させるように構成され、前記電流源(8)は前記コンデンサ(5)の前記第1の端子(51)に接続され、
信号出力(25)は前記第2の端子(52)に接続され、
前記制御装置(6)は、前記信号出力(25)に存在している電圧に依存して、前記DC電圧源(4)と前記第2の端子(52)との間の接続を制御するように構成されている、装置(1)。
【請求項2】
前記駆動信号(VPIEZO)は、正の振幅および負の振幅を持つAC電圧信号であり、
前記駆動信号(VPIEZO)の前記正の振幅の大きさは、前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)の前記大きさに依存し、
前記駆動信号(VPIEZO)の前記負の振幅の大きさは、前記AC電圧源(3)の前記AC電圧(VOUT)の正の振幅の大きさと前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)の前記大きさとの間の差の大きさに依存する、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)の前記大きさは、前記AC電圧源(3)の前記AC電圧(VOUT)の正の振幅の大きさより小さい、請求項1または請求項2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記制御装置(6)は、仮に前記信号出力(25)に存在する前記電圧が前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)より大きい、または、これに等しいならば、前記DC電圧源(4)を前記第2の端子(52)に接続するように構成されている、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項5】
前記電流源(8)は少なくとも2つの電流調節回路(81)を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項6】
前記AC電圧源(3)はDC電圧コンバータ(7)を含み、
前記DC電圧コンバータ(7)は、DC電圧(VIN)に基づいて、駆動電圧(VBST)を生成するように構成され、
ステップアップコンバータ(7)により生成された前記駆動電圧(VBST)は、前記電流源(8)に供給される、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項7】
前記AC電圧源(3)は、出力される前記AC電圧(VOUT)に負の振幅が無いように構成される、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項8】
前記AC電圧源(3)は、出力される前記AC電圧(VOUT)が正の振幅および0ボルトの振幅を含むように構成されている、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記負荷(2)は接地されている、請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項10】
前記制御装置(6)は少なくとも1つの整流器を含む、請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項11】
前記制御装置(6)は、カソード側で前記DC電圧源(4)に接続され、アノード側で前記信号出力(25)に接続されている少なくとも1つのダイオードを含む、請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の装置(1)。
【請求項12】
少なくとも負荷(2)と、駆動信号(VPIEZO)によって前記負荷(2)を駆動するための装置(1)とを備えるデバイス(100)であって、
前記装置(1)は、AC電圧源(3)およびDC電圧源(4)およびコンデンサ(5)および制御装置(6)を含み、
前記AC電圧源(3)はAC電圧(VOUT)を出力するように構成され、
前記DC電圧源(4)は予め決定可能な大きさのDC電圧(V1)を出力するように構成され、
前記コンデンサ(5)は第1の端子(51)および第2の端子(52)を含み、
前記AC電圧源(3)は前記第1の端子(51)に接続され、前記AC電圧源(3)は制御可能な電流源(8)を含み、前記電流源(8)はAC電流を発生させるように構成され、前記電流源(8)は前記コンデンサ(5)の前記第1の端子(51)に接続され、
信号出力(25)は前記第2の端子(52)に接続され、
前記制御装置(6)は、前記信号出力(25)に存在する電圧に依存して、前記DC電圧源(4)と前記第2の端子(52)との間の接続を制御するように構成されている、デバイス(100)。
【請求項13】
前記装置(1)は請求項2〜請求項11のいずれか1つに従って構成されている、請求項12に記載のデバイス(100)。
【請求項14】
前記負荷(2)はピエゾアクチュエータである、請求項12または請求項13に記載のデバイス(100)。
【請求項15】
前記デバイス(100)はマイクロポンプとして構成される、請求項12〜請求項14のいずれか1つに記載のデバイス(100)。
【請求項16】
駆動信号(VPIEZO)によって負荷(2)を駆動するための方法であって、
AC電圧源(3)によってAC電圧(VOUT)を生成するステップと、
DC電圧(V1)を生成するステップと、
前記AC電圧(VOUT)をコンデンサ(5)の第1の端子(51)に適用するステップであって、前記AC電圧源(3)は制御可能な電流源(8)を含み、前記電流源(8)はAC電流を発生させるように構成され、前記電流源(8)は前記コンデンサ(5)の前記第1の端子(51)に接続される、ステップと、
前記DC電圧(V1)を、信号出力(25)に存在する電圧に依存して、前記コンデンサ(5)の第2の端子(52)に適用するステップと、を含む、方法。
【請求項17】
駆動信号(VPIEZO)によって負荷(2)を駆動するための装置(1)であって、
前記装置(1)は、AC電圧源(3)、DC電圧源(4)、コンデンサ(5)および制御装置(6)を含み、
前記AC電圧源(3)はAC電圧(VOUT)を出力するように構成され、
前記DC電圧源(4)は予め決定可能な正の大きさを持つDC電圧(V1)を出力するように構成され、
前記コンデンサ(5)は第1の端子(51)および第2の端子(52)を含み、
前記AC電圧源(3)は前記第1の端子(51)に接続され、
前記AC電圧源(3)は、出力される前記AC電圧(VOUT)に負の振幅が無いように構成され、
信号出力(25)は前記第2の端子(52)に接続され、
前記制御装置(6)は、前記信号出力(25)に存在している電圧に依存して、前記DC電圧源(4)と前記第2の端子(52)との間の接続を制御するように構成され、
前記制御装置(6)は、仮に前記信号出力(25)に存在する前記電圧が前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)より大きい、または、これに等しいならば、前記DC電圧源(4)を前記第2の端子(52)に接続するように構成され、
前記駆動信号(VPIEZO)は、正の振幅および負の振幅を持つAC電圧信号であり、
前記駆動信号(VPIEZO)の前記正の振幅の大きさは、前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)の前記大きさに依存し、
前記駆動信号(VPIEZO)の前記負の振幅の大きさは、前記AC電圧源(3)の前記AC電圧(VOUT)の正の振幅の大きさと前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)の前記大きさとの間の差の大きさに依存する、装置(1)。
【請求項18】
前記DC電圧源(4)の前記DC電圧(V1)の大きさは、前記AC電圧源(3)の前記AC電圧(VOUT)の正の振幅の大きさよりも小さい、請求項17に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動信号によって負荷を駆動するための装置および対応する方法に関する。さらに、本発明は、特に、駆動されるべき負荷を含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、(電気的)負荷は、(電気)駆動信号を受信する部品、組立品またはデバイスである。負荷の例は、電気駆動信号を機械的動作または他の物理的量(例えば、圧力または温度)に変換し、それから、工程または部品に積極的に影響するアクチュエータ(または、駆動素子)である。
【0003】
例えば、少なくとも1つのピエゾ電気(圧電気)素子を含むピエゾアクチュエータは、特別なアクチュエータである。それらは、いくつかの固体が電気分極の変化(従って、固体での電圧の発生)と弾性変形との間の関係を含むという事実を利用する。別の例によれば、負荷は、駆動信号によって作動するセンサーの一部であり、その測定動作は駆動信号によって影響される。
【0004】
ピエゾアクチュエータの応用の1つの分野は、マイクロポンプである。マイクロポンプは、マイクロシステム技術方式を使って生成された液体、ガスまたは流動性物質を搬送するためのポンプである。ピエゾアクチュエータは、逆ピエゾ効果を使って、媒体を一定の方向に搬送するためにダイヤフラムを動かす。
【0005】
大きい正の振幅(最大数百ボルト)と小さい負の振幅(最小−100ボルト)とを持つAC電圧信号は、ピエゾアクチュエータを駆動するために通常使用される。応用に依存して、2つの振幅の大きさの値は異なり、互いに独立しており、非対称な駆動信号を結果として生じる。マイクロポンプで、振幅は、例えばダイヤフラムのピエゾ電気素子の厚さに依存して規定されるべきである。
【0006】
さらに、例えばマイクロポンプにおいて、ピエゾアクチュエータに電気的に接続されたダイヤフラムは、接地電位と接触することが、特定の応用、例えば医学的応用において必要である。従って、ピエゾ素子の2つの接続面のそれぞれが電気駆動回路に接続される、ピエゾアクチュエータの差動的駆動は不可能である。
【0007】
さらに、仮にマイクロポンプを駆動するための電子部品が可能な限りコンパクトで、集積回路(IC)において大きく有利に実現されるならば、それは利点である。これは、例えば携帯電話または医療機器において、応用および使用を単純化する。さらに、このようにして、コストが削減され、いくつかの応用が最初に可能になる。
【0008】
ピエゾアクチュエータを駆動するための異なる概念は、例えば、非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「ピエゾ電気アクチュエータのための制御概念」という表題を付けられた、グンナー・グナドによる学術論文、2005年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、本発明の目的は、従来技術の代わりとなる負荷の駆動のための態様を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、負荷を駆動するための装置、例えばピエゾアクチュエータによって、この目的を解決する。装置は、負荷を駆動するための駆動信号を使用するように構成されている。この駆動信号は信号出力を介して出力される。装置と負荷とが互いにコンパクトに、そして緊密に接続している実施の形態において、実施の形態に依存して、信号出力がどのような接続点でもよいように、この信号出力は、ノードからなる。回路技術において、ノードは、部品の電気的伝導性接続の電流分岐点である。
【0012】
装置は、少なくともAC電圧源、DC電圧源、コンデンサおよび制御装置を含む。
【0013】
AC電圧源は、好ましくは、電圧曲線に関して、および/または、振幅の大きさに関して予め決定可能な形式で、AC電圧を出力するように構成されている。
【0014】
DC電圧源は、予め決定可能な大きさによってDC電圧を出力するように構成されている。
【0015】
コンデンサは、1つの部品から成る1つの実施の形態の中で、および、いくつかの相互接続されたコンデンサ素子またはコンデンサ特性を持つ部品の別の実施の形態の中で、第1の端子および第2の端子を含む。
【0016】
AC電圧源は第1の端子に接続される。さらに、信号出力(従って、間接的に負荷も)は、第2の端子に接続される。
【0017】
最後に、制御装置は、信号出力に存在する電気的な電圧に依存して、DC電圧源と第2の端子との間の接続を制御するように構成されている。接続の制御は、制御装置がスイッチとして本質的に機能し、存在する電圧に依存してDC電圧源を第2の端子に接続したり、そのような接続を切ったりすることを意味する。実施の形態において、DC電圧源は、コンデンサの第2の端子に、信号出力に、および負荷に接続された状態で接続される。
【0018】
DC電圧を通して、AC電圧の減少が、望ましい駆動信号が生成されるように、結果として生じる。あるいは、逆もまた同様であり、駆動信号は、DC電圧を使って、AC電圧を減少させることから結果として生じる。
【0019】
信号出力での、従ってまた負荷に存在する電圧に依存して、制御装置はDC電圧源を接続したり、接続を切ったりする。従って、それは、駆動されるべき負荷が接続されるコンデンサの側の電圧制限方法で動作する。
【0020】
別の実施の形態において、負の電圧範囲への制御信号の減少は、コンデンサを再充電する接続をさらに結果として生じる。この場合において、DC電圧とAC電圧の正の振幅との差が利用される。
【0021】
制御装置がそれぞれ切り替える電圧制限が、外部のコントローラにより規定でき、あるいは、実施の形態において回路を通して、信号出力に存在する電圧をDC電圧源のDC電圧と比較する制御装置によって規定できる。
【0022】
従って、実施の形態において、制御装置はコンパレータからなり、別の実施の形態において、制御装置は少なくとも1つの整流器からなる。従属する実施の形態において、制御装置は少なくとも1つのダイオードを含む。
【0023】
実施の形態において、駆動信号は、正の振幅および負の振幅を持つAC電圧信号である。
【0024】
駆動信号の正の振幅の大きさは、DC電圧源のDC電圧の大きさに依存する。実施の形態において、正の振幅の大きさは、DC電圧の大きさに本質的に等しい。DC電圧の大きさは、駆動信号の正の振幅が、この実施の形態においてDC電圧源を介して規定できるように、DC電圧源を介し規定できる。この実施の形態において、AC電圧に依存する信号は、従って、DC電圧のレベルにまで下げられる。
【0025】
さらに、実施の形態において、駆動信号の負の振幅の大きさは、AC電圧源のAC電圧の正の振幅の大きさとDC電圧源のDC電圧の大きさとの間の差の大きさに依存する。実施の形態において、駆動信号の負の振幅の大きさは、前記差に本質的に等しい。この差は、DC電圧源のDC電圧とAC電圧源のAC電圧の正の振幅とが互いに異なる度合いである。AC電圧の正の振幅とDC電圧の大きさとの間の差は、従って、AC電圧の減少の度合い、および、その結果、励磁信号の負の振幅も決定する。
【0026】
全体的に見て、装置は、AC電圧の正の振幅とDC電圧の大きさとの間の差によって、生成されたAC電圧の減少を引き起こす。
【0027】
実施の形態において、AC電圧信号の正の振幅および負の振幅の大きさは異なり、非対称な駆動信号が存在する。この実施の形態の利点は、装置が、異なる方法でではなく、負の振幅を生成することによって生じる異なる大きさの振幅を持つ駆動信号(または、AC電圧信号)を生成することを可能にすることである。
【0028】
代わりに、2つの大きさが等しい対称の信号が提供される。
【0029】
実施の形態は、DC電圧源のDC電圧の大きさが、AC電圧の正の振幅の大きさよりも小さいことを提供する。
【0030】
実施の形態において、制御装置は、信号出力に存在する電圧が、DC電圧源のDC電圧より大きい、または、DC電圧に等しい場合において、DC電圧源を第2の端子に接続するように構成されている。この場合、制御装置に依存して、信号出力に電圧制限が起こる。これは、上記のDC電圧源のDC電圧を超える電圧が、負荷および/または信号出力が配置されているコンデンサのこの側に発生しないという事実と一致する。
【0031】
実施の形態において、AC電圧源は、AC電流を生成する制御可能な電流源を含む。さらに、電流源(または、特にAC電流源)は、コンデンサの第1の端子に接続される。従って、実施の形態において、電流源の電流出力は、AC電圧源への出力に接続され、別の実施の形態において、電流源の電流出力は、AC電圧源の出力である。
【0032】
実施の形態において、電流源は少なくとも2つの電流調節回路を含む。別の実施の形態において、電流調節回路は別々に駆動される。電流調節回路のための例は、カレントミラー回路である。これらは、別の電流が既存の基準電流から導出されるトランジスタ回路である。
【0033】
別の実施の形態において、AC電圧源はDC電圧コンバータを含む。実施の形態において、ステップアップコンバータとして構成されたDC電圧コンバータは、予め決定されたDC電圧に基づいて、実施例において予め決定されたDC電圧より大きい駆動電圧を生成する。この駆動電圧は、電流源に特にその制御のために供給される。従って、電流源は、駆動電圧に依存する電流信号を生成する。従って、AC電流の電圧も、駆動電圧に対応する。従って、例えば負荷としてのアクチュエータで、電流源を介して負荷を操作することによって、生成されるべき機械的なストローク(例えばダイヤフラムのストローク)が、より良く制御される。
【0034】
実施の形態において、DC電圧コンバータは、断続的に操作されるステップアップコンバータとして構成される。ステップアップコンバータ(別名はブーストコンバータである)は、出力電圧の大きさが入力電圧の大きさより大きいDC電圧コンバータである。
【0035】
実施の形態によれば、電流源は、AC電圧源のAC電圧のエッジ険しさを設定するように構成される。エッジ険しさ(または、スルー(slew)レート)は、信号の信号エッジの険しさまたは傾斜に関する。実施の形態において、スルーレートは、特に、AC電圧源のAC電圧の正の振幅と0ボルトを持つ下側の振幅との間のエッジの険しさである。従って、振幅間の遷移が定義される。
【0036】
実施の形態において、AC電圧源は、出力AC電圧が負の振幅がないように構成される。この実施の形態において、AC電圧源のAC電圧は、負の電圧値を持っていない。駆動信号の負の電圧値は、DC電圧を印加することによる減少によってのみ生成される。従って、装置の1つの利点は、双極AC電圧が単極AC電圧から生成されることである。
【0037】
従って、実施の形態において、装置は、正の電圧だけが生じる第1の部分と、実際の減少を含み、駆動信号の負の電圧が生成される第2の部分とからなる。結果として生じる実施の形態において、第2の部分は、負の電圧のために第1の部分から分離される。
【0038】
実施の形態によると、AC電圧源は、出力AC電圧が正の振幅と0ボルトを持つ振幅とを含むように構成される。この実施の形態において、AC電圧は、また、負の電圧部分が無く、正の振幅と0ボルトとの間を行き来する。従って、このAC電圧の最も低い電圧は、0ボルトである。
【0039】
実施の形態において、負荷は接地される。従って、負荷は一方の側が接地されている。実施の形態において、これは、例えば、マイクロポンプのダイヤフラムを介して、負荷としてのピエゾアクチュエータによって実行される。ピエゾアクチュエータは、好ましくは、ダイヤフラムの機械的な動きを生成するために使用され、また、ダイヤフラムに電気的に結合される。駆動のための装置は、異なる方法で作動しないけれども、負の電圧を生成するので、負荷の一方の側の接地が可能である。
【0040】
実施の形態において、負荷はコンデンサ特性により特徴付けられる。実施の形態において、これは、コンデンサの静電容量が負荷の静電容量より大きいという事実を伴う。実施の形態において、静電容量の比率は1〜10であり、別の実施の形態では最高1:100に達する。
【0041】
実施の形態において、デバイスはチャージポンプを含む。チャージポンプは、電圧の大きさを増加する電気回路である。大きな出力電流が必要ではないとき、または、コイルなどの適切な磁気部品が使われないとき、チャージポンプが一般に使われる。
【0042】
実施の形態によると、制御装置は少なくとも1つの整流器を含む。実施の形態において、制御装置は、カソード側においてDC電圧源に接続され、アノード側において信号出力に、かつ、信号出力を介してコンデンサの第2の端子に間接的に接続される少なくとも1つのダイオードを含む。この配置を通して、DC電圧源のDC電圧を使って、制御装置はコンデンサの第1の端子に存在する信号を減少する。従って、これは相対的に簡単な実施の形態である。
【0043】
実施の形態において、制御装置はコモンモード制御として実現される。(特に線形)コモンモード制御において、2つの異なる出力間の平均が、それが同時にレベル変換であるように、基準値に設定される。
【0044】
コモンモード制御の実施の形態において、AC電圧源により生成されたAC電圧と負荷および/または信号出力との間に、AC電圧結合が存在する。測定回路(例えば制御装置の一部としての)において、負荷に接続された信号出力でのDC電圧値は、負荷および/または信号出力で設定されるべき負の電圧に対応している比較値と比較される。例えば、信号出力に直接接続される2つの電流源または電圧源は、結果として生じているエラー信号または偏差信号を使用して制御される。
【0045】
さらに、本発明は、(駆動されるべき)少なくとも1つの負荷を持っているデバイス、および、(信号出力を介して出力されるべき)駆動信号で負荷を駆動するための装置によって、目的を解決する。装置は、AC電圧源、DC電圧源、コンデンサおよび制御装置を含む。AC電圧源は、好ましくは予め決定可能な形式で、AC電圧を出力するように構成される。DC電圧源は、予め決定可能な値のDC電圧を出力するように構成される。コンデンサは、第1の端子および第2の端子を含み、AC電圧源は第1の端子に接続され、装置の信号出力は第2の端子に接続される。最後に、制御装置は、信号出力に存在する電圧に依存して、DC電圧源と第2の端子との間の接続を制御するように構成される。駆動されるべき負荷は、装置の信号出力と、および従って、コンデンサの第2の端子とも接続されている。
【0046】
別の実施の形態において、デバイスの装置は上記の実施の形態に従って構成される。従って、上記の議論および説明も、ここに適用される。
【0047】
実施の形態によれば、負荷はピエゾアクチュエータである。従って、少なくとも1つのピエゾ素子に負荷をかける。
【0048】
実施の形態において、デバイスはマイクロポンプである。
【0049】
全体的に見て、負荷を駆動するための装置に関する上記の説明および実施の形態も、そのような負荷を含むデバイスに適用される。従って、反復は省略される。
【0050】
あるいは、装置は、デバイスとして、例えば、超音波トランスデューサまたは触覚システムまたは測定デバイスの中で使われる。
【0051】
最後に、本発明は、駆動信号によって負荷を駆動するための方法を通して目的を解決する。
【0052】
この場合において、負荷は、好ましくは、駆動信号を出力するために信号出力に接続されるべきである。
【0053】
方法は以下のステップを少なくとも含む。
・好ましくは予め決定可能な形式で、AC電圧を生成するステップ。
・好ましくは予め決定可能な大きさで、DC電圧を生成するステップ。
・AC電圧をコンデンサの第1の端子に適用するステップ。
・さらに、信号出力に存在する電圧に依存して、DC電圧をコンデンサの第2の端子に印加するステップ。
【0054】
信号出力は、好ましくはコンデンサの第2の端子に接続される。
【0055】
方法に関して、上記の実施の形態と議論が、また、装置に適用され、逆もまた同様である。特に、方法は、また、デバイスの負荷を駆動するために用いられる。
【0056】
詳細において、本発明に係る装置、デバイスおよび方法を構成し、さらに開発するために、多くの可能性がある。この目的のために、一方において請求項が、そして、他方において図面に関連して実施の形態の以下の説明が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1図1は、第1の変形例におけるブロック回路図として、負荷を駆動するための本発明の装置の概略構成を示す図である。
図2図2は、本発明の装置の第2の変形例の概略構成を示す図である。
図3図3は、装置の信号の概略的な進行を示す図である。
図4図4は、第1のフェーズにおける本発明の装置の第3の変形例の概略構成を示す図である。
図5図5は、第2のフェーズにおける図4の装置を示す図である。
図6図6は、装置の別の実施の形態の詳細な説明を示す図である。
図7図7は、負荷としてのピエゾアクチュエータを駆動するための装置を持つデバイスとしてのマイクロポンプを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1は、駆動信号VPIEZOによって、ピエゾアクチュエータとして例示的に構成される、負荷2を駆動する本発明の装置1の実施の形態の概略構成を示す。駆動信号VPIEZOはAC電圧信号であり、正の振幅および負の振幅を含む。例として、振幅はそれらの大きさに関して互いに異なる(例えば、図3参照)。従って、負荷2を駆動するための駆動信号またはAC電圧信号VPIEZOは非対称である。
【0059】
負荷2は、装置1により駆動されるために、信号出力25としてのノードを介して、装置1に第1の接点21によって接続されている。さらに、負荷2は、第2の接点22によって接地されている。実際において、第2の接点22は、例えば、動かされるべき対象物、例えばダイヤフラムに機械的に結合される側である(例えば、図7参照)。
【0060】
装置1は、示された実施例において、例えばバッテリーから生じるDC電圧VINからAC電圧VOUTを生成するAC電圧源3を含む。このため、AC電圧源3は、例えば断続的に操作される誘導非同期ステップアップコンバータを含む。
【0061】
示された実施例において、結果として生じているAC電圧VOUTは、入力電圧VINの大きさよりも大きい大きさVBSTを持つ正の振幅を含み、かつ、0ボルトである振幅も含む。従って、AC電圧VOUTは、負の部分が無く、すなわち、負電圧がない。例えば、入力電圧VINは5Vであり、正の振幅VBSTは100Vである。
【0062】
AC電圧源3は、コンデンサ5の第1の端子51に、すなわち第1の側に接続されるので、コンデンサ5のこの側にはAC電圧VOUTが印加される。
【0063】
さらに、装置1は、大きさV1のDC電圧を出力するDC電圧源4を含む。このDC電圧V1は、制御装置6を介してコンデンサ5の第2の端子52に接続される。DC電圧V1の大きさは、好ましくは、AC電圧VOUTの正のまたは上側の振幅の大きさより小さい。従って、|V1|<|VBST|が、好ましくは適用される。上記の例の値に関して、V1は70Vに等しい。
【0064】
制御装置6は、信号出力25での、従ってまた、負荷2に存在する電圧に依存して、DC電圧源4を、信号出力すなわちノード25に、従って、第2の端子52を介してコンデンサ5の第2のソースに接続する。
【0065】
実施の形態において、仮に信号出力25での正の電圧が、DC電圧の大きさを越えるならば、DC電圧源4はコンデンサ5の第2の端子52に接続される。これによって、コンデンサ5は、AC電圧VOUTの正の振幅の大きさと、DC電圧V1(この場合において正)の大きさ(この例においてより小さい)との間の差まで、AC電圧源3のより高い正の電圧にて充電される。ここで、dV=VBST−V1によって与えられる電圧差dVは、その充電を反転するコンデンサ5の場合において、AC電圧VOUTが駆動信号VPIEZOを生成するために減少される大きさである。
【0066】
仮にノード25での電圧が再び降下するならば、スイッチとして同時に作動する制御装置6は、DC電圧源4と、ノード25またはコンデンサ5の第2の端子52との間の接続を開く。
【0067】
従って、AC電圧VOUTがコンデンサ5の一方の側に存在し、DC電圧V1が他方の側に少なくとも一時的に存在する。これは、DC電圧V1の大きさによってAC電圧VOUTの減少をもたらす。これはまた、負荷2に印加される負電圧を結果として生じる、0ボルトを持つ例示的なAC電圧VOUTの振幅をもたらす。例に対して、dV=VBST−V1=100−70であるので、負の電圧は従って−30Vである。これは、異なる大きさを持つ振幅を持っている全体のAC電圧信号VPIEZOを結果として生じる。
【0068】
ここで、一点鎖線は、正の電圧だけを含む装置1のエリア(ここでは左側)と、正および負の電圧を含む装置1のエリア(右側)とを分離する。実施の形態において、特性に関するこの分離は、装置1を2つのエリアまたは部分に分割するために用いられる。
【0069】
図2は、装置1の別の実施の形態を示す。構造は基本的に図1の装置のそれと同様である。AC電圧源3の実施の形態における、および、AC電圧源3とDC電圧源4との間に接続があるという事実における、2つの相違がある。これらの2つの相違は以下で説明される。回路の残りについて、図1を参照して議論される。
【0070】
ここで、AC電圧源3は、例えばステップアップコンバータである、DC電圧コンバータ7を含む。そのようなDC電圧コンバータ7は、入力電圧VINを、より高い駆動電圧VBSTに変換する。この駆動(AC)電圧VBSTは、AC電流信号を生成する電流源8に供給される。これは、AC電圧源3の出力での、従ってまた、コンデンサ5の第1の端子51でのAC電圧VOUTを結果として生じる。
【0071】
さらに、駆動電圧VBSTは、DC電圧源4にも達する。例えば、これは、追加の(例えば外部の)電圧源およびエネルギー源の使用を抑える。
【0072】
図3において、図2の装置のいくつかの信号の進行が図式的にプロットされる。電圧(V)はY軸にプロットされ、時間(t)はX軸にプロットされる。
【0073】
DC電圧コンバータ7の駆動電圧VBSTおよびDC電圧源4のDC電圧V1が説明される。両方のDC電圧VBSTおよびV1は、0より大きい。
【0074】
さらに、VBSTは、一方でこの上側の振幅VBSTを、および、他方で0Vを持つ下側の振幅を含むAC電圧VOUTの上側の振幅の大きさである。電流源8は、このAC電圧信号VOUTのエッジの険しさを設定することを可能にする。
【0075】
他方、V1は、出力信号VOUTが減少されるDC電圧の大きさである。値VBSTとV1との間には、差dV=VBST−V1がある。AC電圧VOUTの上側の振幅の大きさは、DC電圧V1の大きさよりも大きい。
【0076】
減少は、信号出力25を介して負荷2に供給されるAC電圧信号VPIEZOを結果として生じる。AC電圧信号VPIEZOは、DC電圧V1の大きさに対応する正の振幅を含む。さらに、AC電圧信号VPIEZOは、示された例においてVBSTとV1との差に等しい負の振幅を含む。
【0077】
図3の信号の進行に基づいて、図1および図2の実施の形態は、コンデンサ5の第1の接点51まで負電圧が無いように、および、これらが電圧dV=VBST−V1間の差による減少を通してコンデンサ5の両端でのみ生成されるように理解される。
【0078】
装置1の機能化は、それぞれ異なるフェーズに関する図4および図5の図面によって、別の実施の形態に基づいて説明される。
【0079】
図4および図5の両方の図面において示された装置1は、信号出力としてのノード25を介して、さらに接地される負荷2に接続される。負荷2は、従って、差動的な態様では駆動されないけれども、装置1は、正および負の振幅を持つAC電圧という形式で、駆動信号VPIEZOを提供する。
【0080】
装置1は、ここで示された正の大きさV1を持つDC電圧を生成するDC電圧源4を含む。さらに、装置1は、2つの振幅を持つAC電圧信号VOUTを出力するAC電圧源3を含む。さらに、制御装置6およびコンデンサ5が装置1に関連する。
【0081】
AC電圧装置3により生成されたAC電圧VOUTは、コンデンサ5の片側51に向けられる。DC電圧源4のDC電圧V1は、電圧制御されたスイッチとしての役割を同時に果たす制御装置6を介して、コンデンサ5の他の片側52に達する。電気的負荷2は、駆動信号VPIEZOを得るために、DC電圧V1が適用されるコンデンサ5の片側52に接続される。負荷2とDC電圧源4とは、ここで信号出力としても機能する同じノード25を介して、第2の端子52に接続される。しかしながら、これは、2つの異なる物理的ノードまたは端子でもよい。
【0082】
ここに、制御装置6は、仮にノード25での、従って負荷2での電圧が、DC電圧源4のDC電圧V1よりも下にあるならば、(整流器の例として)遮断するダイオードとして構成される。ダイオード6が遮断した状態において、制御装置6という形式のスイッチが開く。
【0083】
仮にノード25の電圧が本質的に、DC電圧V1に等しい、または、DC電圧V1より大きいならば、スイッチ6は閉じられて、DC電圧源4はコンデンサ5の第2の端子52に接続される。
【0084】
AC電圧源3は、駆動電圧VBSTのための電圧源として機能するDC電圧コンバータ7を含む。DC電圧コンバータとしての、または特にステップアップコンバータとしての実施の形態は、例えば、バッテリーから供給される、かなり小さい入力電圧で十分であるという利点を持つ。
【0085】
この駆動電圧VBSTは、2つの電流調節回路81をここで含む電流源8に供給される。電流調節回路81は、個々に調節される電流源を表す。両方の電流調節回路81は、それぞれ、それらを、AC電圧源3の信号出力に、従って、コンデンサ5の第1の端子51に導くノードに接続するスイッチを含む。ここに示された上側の電流調節回路81は、DC電圧コンバータ7および出力ノードに接続される。他の電流調節回路81は、一方が接地され、他方が出力ノードに接続される。
【0086】
コントローラ9は、電流源8の2つのスイッチを作動して、両方のスイッチを交互に開閉する。この交番は、AC電圧をもたらし、それはコンデンサ5でのAC電圧VOUTを引き起こす。
【0087】
図4において示されたフェーズにおいて、DC電圧コンバータ7が上側の電流調節回路81を介してコンデンサ5の第1の端子51に接続するように、上側のスイッチは閉じられ、下側のスイッチは開く。電流の流れを説明するために、配線上に2つの矢印が示される。
【0088】
このフェーズにおいて、コンデンサ5は充電される。コンデンサ5の他の側において、制御装置6は、DC電圧源4のDC電圧V1の値に到達した瞬間にだけ反応する。この瞬間に、制御装置6は、DC電圧源4を、ノード25に、従って、コンデンサ5の第2の端子52に接続する。
【0089】
DC電圧コンバータ7の駆動電圧VBSTの大きさは、DC電圧V1の大きさより大きいので、駆動電圧VBSTとDC電圧V1との差に等しい電圧dVが、コンデンサ5に結果として生じる。損失効果はここで無視されるべきである。
【0090】
DC電圧源4のDC電圧V1に等しい、このフェーズにおける振幅を持つ駆動信号VPIEZOが、負荷2に供給される。従って、電圧制限は、駆動信号VPIEZOの正の成分が生成されるフェーズに対して与えられる。
【0091】
図5に示される次のフェーズにおいて、電流源8の上側のスイッチは開き、下側のスイッチは閉じられる。この場合において、DC電圧コンバータ7は遮断されて、電流が、下側の電流調節回路81を介し、コンデンサ5からグランド(地面)に向かって流れる。また、これは配線上の2つの矢印により示される。
【0092】
差動電圧dVはコンデンサ5を介して出力され続ける。仮に差動電圧dVが、DC電圧源4でのDC電圧V1より小さいならば、制御装置6は、ちょうどこの差動電圧dVがノード25での、従って負荷2での負の電圧として存在するように開く。
【0093】
従って、負の振幅を含む駆動信号VPIEZOは、負荷2に供給される。そこで、正の電圧だけが、装置1のほとんどの部品で生じる。
【0094】
図6において、装置1は別の実施の形態に従ってより詳細に説明される。上で述べられた2つのエリアへの分離も、非常に明確に見出だされる。
【0095】
DC電圧コンバータ7は、部分的にICに集積化され、例えばそれらの寸法のために集積化するには大き過ぎるいくつかの個別の部品を含む。例えば、これらは、抵抗器と共に、Lと印されたコイル、ダイオードおよびいくつかのコンデンサを含む。
【0096】
DC電圧コンバータ7は、同じ方法で示された入力を介して、入力電圧VINが供給されて、駆動電圧VBSTを生成する。さらに、DC電圧コンバータ7を制御するための基準値を供給するユニット(基準と称する)が設けられている。
【0097】
さらに、ENで示された入力に基づいて、DC電圧コンバータ7が、例えば、生成されるべき駆動電圧VBSTの正の振幅の大きさを規定するために、コントローラ9により調節される。
【0098】
駆動電圧VBSTは、DC電圧源4および制御可能な電流源8に供給される。
【0099】
DC電圧源4は、ここで「適応スイング制御」とも称される。DC電圧源4も、生成されるべきDC電圧V1の大きさに特に関係してコントローラ9により制御される。DC電圧源4は、ここで「最大Vout制御」とも称される制御装置6に供給される、大きさV1を持つDC電圧を生成する。さらに、DC電圧源4は、ICのASC出力を介して外部のコンデンサに接続される。
【0100】
コントローラ9も作用する、制御装置(代わりの呼称は一般に電圧依存スイッチング装置である)6を介して、かつ、MVCと示された出力を介して、DC電圧V1が、信号出力としてノード25に供給される。ノード25は、コンデンサ5の第2の接点52、および、ここでピエゾアクチュエータとして構成される負荷2の第1の接点21に接続される。ここで、負荷2の第2の接点22も接地される。
【0101】
コンデンサ5を介して、DC電圧V1は、コンデンサ5の第1の接点51に存在するAC電圧VOUTの減少を可能にする。出力信号VOUTは、駆動電圧VBSTに基づいて電流源8から生成される。
【0102】
電流源8は、電流調節回路81の具体的な実施の形態として2つのカレントミラーを含む。これらは、別の電流が既存の基準電流から導出できるトランジスタ回路である。電流源8は、従って、ここでICの出力を介して出力される出力信号VOUTを生成する。
【0103】
DC電圧源4およびAC電圧源3または少なくとも1つの部品7,8の、コントローラ9、または、ICのインタフェースENによってここで示された分離制御は、生成されるべき2つの電圧VBSTおよびV1を、従って、負荷2を駆動するための駆動信号VPIEZOとしてのAC電圧信号の形も、別々に設定することを可能にする。
【0104】
図7は、それに隣接した空洞を持つダイヤフラムを含むデバイス100の例として、マイクロポンプを示す。媒体(ここでは示されない)を搬送するために、機械的な動きがダイヤフラムに伝達されるピエゾアクチュエータが、ダイヤフラム上に負荷2として実装される。駆動信号として上で説明されたAC電圧信号によってピエゾアクチュエータ2を駆動することが、装置1により実行される。従って、上記の実施の形態も、ここに適用される。
【0105】
さらに、ダイヤフラムは、それに面するピエゾアクチュエータ2の側に電気的に接続されると共に、ピエゾアクチュエータ2も一方の側で接地されるように電気的に接地される。
【0106】
たとえいくつかの態様がデバイスの文脈内で説明されても、前記態様が対応する方法の説明も表していることが理解され、その結果、デバイスのブロックまたは構造部品も、対応する方法ステップとして、または、方法ステップの特徴として理解されるべきである。それと同様に、方法ステップの文脈内または方法ステップとして説明された態様はまた、対応するデバイスの対応するブロックまたは詳細または特徴の説明を表わす。方法ステップのうちのいくつかまたは全てが、マイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータまたは電子回路などのハードウェアデバイスによる(または、ハードウェアデバイスを使用することによる)。いくつかの実施の形態において、最も重要な方法ステップのいくつかが、そのようなデバイスにより実行される。
【0107】
上述の実施の形態は、本発明の原理の説明を単に表している。ここに説明された配置と詳細の修正とバリエーションが当業者に明白であることが理解される。これは、本発明が、本明細書および実施の形態の説明と議論によってここに提供された特定の詳細というよりも、以下の特許請求の範囲だけに制限されることが意図される理由である。
【0108】
これらの結果をもたらした研究は、欧州連合によりサポートされた。
【符号の説明】
【0109】
1 装置
2 負荷
3 AC電圧源
4 DC電圧源
5 コンデンサ
6 制御装置
7 DC電圧コンバータ
8 制御可能な電流源
25 ノード(信号出力)
51 第1の端子
52 第2の端子
100 デバイス
VPIEZO 駆動信号
VBST 駆動電圧
VIN DC電圧
V1 DC電圧
VOUT AC電圧
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7