【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、負荷を駆動するための装置、例えばピエゾアクチュエータによって、この目的を解決する。装置は、負荷を駆動するための駆動信号を使用するように構成されている。この駆動信号は信号出力を介して出力される。装置と負荷とが互いにコンパクトに、そして緊密に接続している実施の形態において、実施の形態に依存して、信号出力がどのような接続点でもよいように、この信号出力は、ノードからなる。回路技術において、ノードは、部品の電気的伝導性接続の電流分岐点である。
【0012】
装置は、少なくともAC電圧源、DC電圧源、コンデンサおよび制御装置を含む。
【0013】
AC電圧源は、好ましくは、電圧曲線に関して、および/または、振幅の大きさに関して予め決定可能な形式で、AC電圧を出力するように構成されている。
【0014】
DC電圧源は、予め決定可能な大きさによってDC電圧を出力するように構成されている。
【0015】
コンデンサは、1つの部品から成る1つの実施の形態の中で、および、いくつかの相互接続されたコンデンサ素子またはコンデンサ特性を持つ部品の別の実施の形態の中で、第1の端子および第2の端子を含む。
【0016】
AC電圧源は第1の端子に接続される。さらに、信号出力(従って、間接的に負荷も)は、第2の端子に接続される。
【0017】
最後に、制御装置は、信号出力に存在する電気的な電圧に依存して、DC電圧源と第2の端子との間の接続を制御するように構成されている。接続の制御は、制御装置がスイッチとして本質的に機能し、存在する電圧に依存してDC電圧源を第2の端子に接続したり、そのような接続を切ったりすることを意味する。実施の形態において、DC電圧源は、コンデンサの第2の端子に、信号出力に、および負荷に接続された状態で接続される。
【0018】
DC電圧を通して、AC電圧の減少が、望ましい駆動信号が生成されるように、結果として生じる。あるいは、逆もまた同様であり、駆動信号は、DC電圧を使って、AC電圧を減少させることから結果として生じる。
【0019】
信号出力での、従ってまた負荷に存在する電圧に依存して、制御装置はDC電圧源を接続したり、接続を切ったりする。従って、それは、駆動されるべき負荷が接続されるコンデンサの側の電圧制限方法で動作する。
【0020】
別の実施の形態において、負の電圧範囲への制御信号の減少は、コンデンサを再充電する接続をさらに結果として生じる。この場合において、DC電圧とAC電圧の正の振幅との差が利用される。
【0021】
制御装置がそれぞれ切り替える電圧制限が、外部のコントローラにより規定でき、あるいは、実施の形態において回路を通して、信号出力に存在する電圧をDC電圧源のDC電圧と比較する制御装置によって規定できる。
【0022】
従って、実施の形態において、制御装置はコンパレータからなり、別の実施の形態において、制御装置は少なくとも1つの整流器からなる。従属する実施の形態において、制御装置は少なくとも1つのダイオードを含む。
【0023】
実施の形態において、駆動信号は、正の振幅および負の振幅を持つAC電圧信号である。
【0024】
駆動信号の正の振幅の大きさは、DC電圧源のDC電圧の大きさに依存する。実施の形態において、正の振幅の大きさは、DC電圧の大きさに本質的に等しい。DC電圧の大きさは、駆動信号の正の振幅が、この実施の形態においてDC電圧源を介して規定できるように、DC電圧源を介し規定できる。この実施の形態において、AC電圧に依存する信号は、従って、DC電圧のレベルにまで下げられる。
【0025】
さらに、実施の形態において、駆動信号の負の振幅の大きさは、AC電圧源のAC電圧の正の振幅の大きさとDC電圧源のDC電圧の大きさとの間の差の大きさに依存する。実施の形態において、駆動信号の負の振幅の大きさは、前記差に本質的に等しい。この差は、DC電圧源のDC電圧とAC電圧源のAC電圧の正の振幅とが互いに異なる度合いである。AC電圧の正の振幅とDC電圧の大きさとの間の差は、従って、AC電圧の減少の度合い、および、その結果、励磁信号の負の振幅も決定する。
【0026】
全体的に見て、装置は、AC電圧の正の振幅とDC電圧の大きさとの間の差によって、生成されたAC電圧の減少を引き起こす。
【0027】
実施の形態において、AC電圧信号の正の振幅および負の振幅の大きさは異なり、非対称な駆動信号が存在する。この実施の形態の利点は、装置が、異なる方法でではなく、負の振幅を生成することによって生じる異なる大きさの振幅を持つ駆動信号(または、AC電圧信号)を生成することを可能にすることである。
【0028】
代わりに、2つの大きさが等しい対称の信号が提供される。
【0029】
実施の形態は、DC電圧源のDC電圧の大きさが、AC電圧の正の振幅の大きさよりも小さいことを提供する。
【0030】
実施の形態において、制御装置は、信号出力に存在する電圧が、DC電圧源のDC電圧より大きい、または、DC電圧に等しい場合において、DC電圧源を第2の端子に接続するように構成されている。この場合、制御装置に依存して、信号出力に電圧制限が起こる。これは、上記のDC電圧源のDC電圧を超える電圧が、負荷および/または信号出力が配置されているコンデンサのこの側に発生しないという事実と一致する。
【0031】
実施の形態において、AC電圧源は、AC電流を生成する制御可能な電流源を含む。さらに、電流源(または、特にAC電流源)は、コンデンサの第1の端子に接続される。従って、実施の形態において、電流源の電流出力は、AC電圧源への出力に接続され、別の実施の形態において、電流源の電流出力は、AC電圧源の出力である。
【0032】
実施の形態において、電流源は少なくとも2つの電流調節回路を含む。別の実施の形態において、電流調節回路は別々に駆動される。電流調節回路のための例は、カレントミラー回路である。これらは、別の電流が既存の基準電流から導出されるトランジスタ回路である。
【0033】
別の実施の形態において、AC電圧源はDC電圧コンバータを含む。実施の形態において、ステップアップコンバータとして構成されたDC電圧コンバータは、予め決定されたDC電圧に基づいて、実施例において予め決定されたDC電圧より大きい駆動電圧を生成する。この駆動電圧は、電流源に特にその制御のために供給される。従って、電流源は、駆動電圧に依存する電流信号を生成する。従って、AC電流の電圧も、駆動電圧に対応する。従って、例えば負荷としてのアクチュエータで、電流源を介して負荷を操作することによって、生成されるべき機械的なストローク(例えばダイヤフラムのストローク)が、より良く制御される。
【0034】
実施の形態において、DC電圧コンバータは、断続的に操作されるステップアップコンバータとして構成される。ステップアップコンバータ(別名はブーストコンバータである)は、出力電圧の大きさが入力電圧の大きさより大きいDC電圧コンバータである。
【0035】
実施の形態によれば、電流源は、AC電圧源のAC電圧のエッジ険しさを設定するように構成される。エッジ険しさ(または、スルー(slew)レート)は、信号の信号エッジの険しさまたは傾斜に関する。実施の形態において、スルーレートは、特に、AC電圧源のAC電圧の正の振幅と0ボルトを持つ下側の振幅との間のエッジの険しさである。従って、振幅間の遷移が定義される。
【0036】
実施の形態において、AC電圧源は、出力AC電圧が負の振幅がないように構成される。この実施の形態において、AC電圧源のAC電圧は、負の電圧値を持っていない。駆動信号の負の電圧値は、DC電圧を印加することによる減少によってのみ生成される。従って、装置の1つの利点は、双極AC電圧が単極AC電圧から生成されることである。
【0037】
従って、実施の形態において、装置は、正の電圧だけが生じる第1の部分と、実際の減少を含み、駆動信号の負の電圧が生成される第2の部分とからなる。結果として生じる実施の形態において、第2の部分は、負の電圧のために第1の部分から分離される。
【0038】
実施の形態によると、AC電圧源は、出力AC電圧が正の振幅と0ボルトを持つ振幅とを含むように構成される。この実施の形態において、AC電圧は、また、負の電圧部分が無く、正の振幅と0ボルトとの間を行き来する。従って、このAC電圧の最も低い電圧は、0ボルトである。
【0039】
実施の形態において、負荷は接地される。従って、負荷は一方の側が接地されている。実施の形態において、これは、例えば、マイクロポンプのダイヤフラムを介して、負荷としてのピエゾアクチュエータによって実行される。ピエゾアクチュエータは、好ましくは、ダイヤフラムの機械的な動きを生成するために使用され、また、ダイヤフラムに電気的に結合される。駆動のための装置は、異なる方法で作動しないけれども、負の電圧を生成するので、負荷の一方の側の接地が可能である。
【0040】
実施の形態において、負荷はコンデンサ特性により特徴付けられる。実施の形態において、これは、コンデンサの静電容量が負荷の静電容量より大きいという事実を伴う。実施の形態において、静電容量の比率は1〜10であり、別の実施の形態では最高1:100に達する。
【0041】
実施の形態において、デバイスはチャージポンプを含む。チャージポンプは、電圧の大きさを増加する電気回路である。大きな出力電流が必要ではないとき、または、コイルなどの適切な磁気部品が使われないとき、チャージポンプが一般に使われる。
【0042】
実施の形態によると、制御装置は少なくとも1つの整流器を含む。実施の形態において、制御装置は、カソード側においてDC電圧源に接続され、アノード側において信号出力に、かつ、信号出力を介してコンデンサの第2の端子に間接的に接続される少なくとも1つのダイオードを含む。この配置を通して、DC電圧源のDC電圧を使って、制御装置はコンデンサの第1の端子に存在する信号を減少する。従って、これは相対的に簡単な実施の形態である。
【0043】
実施の形態において、制御装置はコモンモード制御として実現される。(特に線形)コモンモード制御において、2つの異なる出力間の平均が、それが同時にレベル変換であるように、基準値に設定される。
【0044】
コモンモード制御の実施の形態において、AC電圧源により生成されたAC電圧と負荷および/または信号出力との間に、AC電圧結合が存在する。測定回路(例えば制御装置の一部としての)において、負荷に接続された信号出力でのDC電圧値は、負荷および/または信号出力で設定されるべき負の電圧に対応している比較値と比較される。例えば、信号出力に直接接続される2つの電流源または電圧源は、結果として生じているエラー信号または偏差信号を使用して制御される。
【0045】
さらに、本発明は、(駆動されるべき)少なくとも1つの負荷を持っているデバイス、および、(信号出力を介して出力されるべき)駆動信号で負荷を駆動するための装置によって、目的を解決する。装置は、AC電圧源、DC電圧源、コンデンサおよび制御装置を含む。AC電圧源は、好ましくは予め決定可能な形式で、AC電圧を出力するように構成される。DC電圧源は、予め決定可能な値のDC電圧を出力するように構成される。コンデンサは、第1の端子および第2の端子を含み、AC電圧源は第1の端子に接続され、装置の信号出力は第2の端子に接続される。最後に、制御装置は、信号出力に存在する電圧に依存して、DC電圧源と第2の端子との間の接続を制御するように構成される。駆動されるべき負荷は、装置の信号出力と、および従って、コンデンサの第2の端子とも接続されている。
【0046】
別の実施の形態において、デバイスの装置は上記の実施の形態に従って構成される。従って、上記の議論および説明も、ここに適用される。
【0047】
実施の形態によれば、負荷はピエゾアクチュエータである。従って、少なくとも1つのピエゾ素子に負荷をかける。
【0048】
実施の形態において、デバイスはマイクロポンプである。
【0049】
全体的に見て、負荷を駆動するための装置に関する上記の説明および実施の形態も、そのような負荷を含むデバイスに適用される。従って、反復は省略される。
【0050】
あるいは、装置は、デバイスとして、例えば、超音波トランスデューサまたは触覚システムまたは測定デバイスの中で使われる。
【0051】
最後に、本発明は、駆動信号によって負荷を駆動するための方法を通して目的を解決する。
【0052】
この場合において、負荷は、好ましくは、駆動信号を出力するために信号出力に接続されるべきである。
【0053】
方法は以下のステップを少なくとも含む。
・好ましくは予め決定可能な形式で、AC電圧を生成するステップ。
・好ましくは予め決定可能な大きさで、DC電圧を生成するステップ。
・AC電圧をコンデンサの第1の端子に適用するステップ。
・さらに、信号出力に存在する電圧に依存して、DC電圧をコンデンサの第2の端子に印加するステップ。
【0054】
信号出力は、好ましくはコンデンサの第2の端子に接続される。
【0055】
方法に関して、上記の実施の形態と議論が、また、装置に適用され、逆もまた同様である。特に、方法は、また、デバイスの負荷を駆動するために用いられる。
【0056】
詳細において、本発明に係る装置、デバイスおよび方法を構成し、さらに開発するために、多くの可能性がある。この目的のために、一方において請求項が、そして、他方において図面に関連して実施の形態の以下の説明が参照される。