(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
ホットメルト接着剤は、加熱によって溶融された状態で、接着対象物である被着体に塗布し、溶融されたホットメルト接着剤を介して、被着体同士を接触させた状態で保持することにより、被着体同士を接着させるものである。このようなホットメルト接着剤は、例えば、段ボールや小箱等の包装分野、紙おむつや生理用品等の衛生材料分野、製本分野、合板分野、木工分野、自動車分野、家電分野、及び住宅分野等、様々な分野に用いられている。
【0003】
また、ホットメルト接着剤は、上述したように、加熱によって溶融された状態で用いられるので、溶剤を特に必要としない。このため、ホットメルト接着剤は、人体への安全性が高い接着剤として、例えば、衛生材料分野で好ましく用いられている。具体的には、紙おむつや生理用品等の使い捨て衛生材料において、その構成部材の固定や組み立てにホットメルト接着剤が広く用いられている。
【0004】
このような衛生材料分野でホットメルト接着剤を用いた場合、その用途から、体液等の水分と接触する機会が多い。ホットメルト接着剤の中には、水分と接触すると接着性が低下するもの、すなわち、湿潤状態での接着性が低いものがあることが知られている。このようなホットメルト接着剤であると、水分との接触機会が多い分野では、製品の使用時等に構成材料間の接着が維持されず、製品自体が崩壊するおそれがある。具体的には、紙おむつ等の衛生材料には、ティッシュ及び紙おむつの吸収体として使用される粉砕パルプ等の親水性多孔質基材が用いられている。このような親水性多孔質基材がホットメルト接着剤で固定されている場合、この親水性多孔質基材が、尿等の体液で濡れて湿潤状態となると、ホットメルト接着剤による接着強度が著しく低下するおそれがある。このように、接着強度が低下した場合、吸収体として用いられる親水性多孔質基材の固定が不充分となり、足腰の動きに伴って、吸収体が本来の位置からずれ、尿等の体液を適切に吸収できなくなるという問題が生じる。これらのことから、湿潤状態となっている親水性多孔質基材に対しても優れた接着強度を維持できるように、ホットメルト接着剤には、湿潤状態での接着性の維持が求められている。
【0005】
このような湿潤状態での接着性を高めること等を目的とした接着剤としては、例えば、特許文献1〜4に記載の接着剤が挙げられる。
【0006】
特許文献1には、スチレン成分の含有量が15〜35質量%である、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンよりなる群から選択される少なくとも1種を含む熱可塑性ブロック共重合体100重量部と、カルボキシル基及び/又はカルボン酸無水物基を分子内に有する液状ゴム0.05〜10重量部と、粘着付与剤とを含有するホットメルト接着剤組成物が記載されている。特許文献1によれば、比較的低温であっても湿潤状態の親水性多孔質基材に対して優れた接着強度を発現することが可能であり、熱安定性に優れる旨が開示されている。
【0007】
特許文献2には、ビニル系芳香族炭化水素と共役ジエン化合物との共重合体である熱可塑性ブロック共重合体と、カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物で変性されたワックスとを含有するホットメルト接着剤が記載されている。特許文献2によれば、湿潤接着性が改良され、さらに好ましくは低温接着性、粘度、接着性、臭気、経済性から選択される少なくとも1種が改善される旨が開示されている。
【0008】
特許文献3には、メタロセン触媒を用いてプロピレンを重合して得られた融点100℃以下のプロピレンホモポリマーと、カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物で変性されたワックスを含有する使い捨て製品用ホットメルト接着剤が記載されている。特許文献3によれば、高速塗工に適し、湿潤状態での接着性及び低温塗工にも優れる旨が開示されている。
【0009】
特許文献4には、ビニル芳香族炭化水素と共役ジエン化合物とのブロック共重合体およびその水素添加物のうち少なくとも1種を含んでいる熱可塑性ブロック共重合体、及び不飽和カルボン酸類又はその無水物によって酸変性されてなる酸変性石油樹脂を含んでいるホットメルト接着剤が記載されている。特許文献4によれば、熱安定性の低下や臭気の発生をさせることなく、構成部材に対して、湿潤接着性が向上されている旨が開示されている。
【0010】
ホットメルト接着剤は、上述したように、湿潤状態での接着性を高めることが求められる。湿潤状態での接着性を高めるためには、湿潤状態におけるホットメルト接着剤に負荷がかかった状態で一定以上の時間が経過しても、ホットメルト接着剤の変形の発生が抑制されることも求められる。すなわち、湿潤状態におけるクリープ現象の発生が抑制されることも求められる。このような湿潤状態でのクリープ現象の発生を抑制することによっても、湿潤状態での接着性を高めることができる。このため、ホットメルト接着剤は、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れることが求められる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ホットメルト接着剤を用いた接着方法では、まず、加熱によって溶融させたホットメルト接着剤を、塗工機等を用いて、被着体に塗布する。この塗布されたホットメルト接着剤に、もう一方の被着体を接触させた状態で保持することによって、被着体同士を接着させることができる。
【0016】
また、紙おむつ等の衛生材料分野では、その風合いを良くすることが求められている。このため、構成材料を薄くすることで、紙おむつ等の柔軟性を高め、風合いを向上させることが検討されている。しかしながら、構成材料が薄くなると、その耐熱性が低下する傾向がある。このような耐熱性の低い構成材料に、加熱によって溶融されたホットメルト接着剤を塗布すると、構成材料が、溶融したり、変形する等、損傷することがあった。そして、この構成材料の熱による損傷は、塗布するホットメルト接着剤の温度が高かったり、塗布するホットメルト接着剤の量が多かったりすると、発生しやすくなる傾向があった。そこで、このような耐熱性の低い構成材料を用いることができること等を目的として、衛生材料分野では、ホットメルト接着剤の低温塗布及び少量塗布が求められている。また、塗工設備等の性能が向上したことにより、ホットメルト接着剤の低温塗布及び少量塗布が実現できるようになってきている。
【0017】
これらのことから、低温塗布及び少量塗布であっても、好適に接着可能なホットメルト接着剤が求められるようになってきている。すなわち、塗工機のノズル径を小さくすること等により、塗布されるホットメルト接着剤の量を少なくして、さらに、ホットメルト接着剤を溶融させる温度を下げても、被着体同士の充分な接着性を確保することができるホットメルト接着剤が求められている。特許文献1〜4によれば、上述したように、湿潤状態での接着性を高めることができる旨が開示されている。このことから、特許文献1〜4に記載の接着剤を用いることが考えられる。
【0018】
しかしながら、本発明者等の検討によれば、ホットメルト接着剤として、特許文献1〜4に記載の接着剤を用いると、湿潤状態での接着性を高めることができたとしても、低温塗布及び少量塗布の場合には、その湿潤状態での接着性を充分に高めることができない場合があった。具体的には、特許文献1〜4に記載の接着剤を低温塗布及び少量塗布で用いて接着させた場合、紙おむつ等の衛生材料を長時間にわたって使用すると、親水性多孔質基材を固定させていたホットメルト接着剤が湿潤状態になる。このような湿潤状態におけるホットメルト接着剤に負荷がかかった状態で一定以上の時間が経過すると、ホットメルト接着剤が変形してしまう。すなわち、湿潤状態においてクリープ現象が発生してしまうことがあった。このような場合、ホットメルト接着剤で固定されている親水性多孔質基材が本来の位置から移動してしまう。
【0019】
そこで、ホットメルト接着剤には、湿潤状態での接着性を高めることが求められ、これを実現するために、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制できることが求められる。
【0020】
本発明者は、種々検討した結果、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れたホットメルト接着剤を提供するといった上記目的は、以下の本発明により達成されることを見出した。
【0021】
本発明者は、ホットメルト接着剤を低温塗布及び少量塗布で用いた場合、湿潤状態での接着性を高めることができたとしても、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制できない理由を、以下のように推察した。
【0022】
まず、ホットメルト接着剤を低温塗布及び少量塗布で用いた場合、塗工時のホットメルト接着剤の熱量が減少し、ホットメルト接着剤が被着体である親水性多孔質基材にしみこみにくくなると考えられる。これにより、被着体同士がホットメルト接着剤で接着されていても、被着体とホットメルト接着剤とが被着体の表面付近のみで接触することになると考えられる。このため、湿潤状態でホットメルト接着剤に負荷がかかった状態で一定以上の時間が経過すると、ホットメルト接着剤が変形しやすくなると考えられる。すなわち、クリープ現象により、ホットメルト接着剤と被着体との界面で剥離する界面破壊が発生しやすくなると考えられる。
【0023】
そこで、本発明者は、ホットメルト接着剤が、親水性多孔質基材にしみこみやすくなるように、ホットメルト接着剤を親水性多孔質基材との親和性を高めることに着目し、その組成を検討した。その結果、以下のようなホットメルト接着剤を想到するに至った。
【0024】
以下、本発明に係る実施形態について説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0025】
本発明の実施形態に係るホットメルト接着剤は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤と、軟化剤とを含む。そして、前記熱可塑性ポリマーは、共役ジエン系化合物からなる第1ブロックとビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックとからなる共重合体、及び前記共重合体の水素化物の少なくとも一方を含む。さらに、この共重合体は、前記第2ブロックの含有量が、30質量%未満であり、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体の含有量が、10質量%以上である共重合体である。さらに、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物の含有量は、前記熱可塑性ポリマー全量に対して、55質量%以上である。また、前記軟化剤の含有量は、前記ホットメルト接着剤100質量部に対して、15〜30質量部である。
【0026】
このホットメルト接着剤は、前記熱可塑性ポリマーとして、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物の少なくとも一方を、それらの合計で55質量%以上含み、さらに、軟化剤を、前記ホットメルト接着剤100質量部に対して、15〜30質量部含むことによって、湿潤状態でのクリープ現象の発生を抑制できる。
【0027】
このことは、以下のことによると考えられる。
【0028】
まず、前記第2ブロックは、ビニル系芳香族炭化水素からなるブロックであり、いわゆるハードセグメントと呼ばれ、他のハードセグメントと集合体を形成し、共重合体において、分子鎖同士の結合点を形成すると考えられる。前記共重合体は、このような第2ブロックの含有量が比較的少ないので、分子鎖同士の結合点が比較的少ないと考えられる。また、前記第1ブロックは、共役ジエン系化合物からなるブロックであり、いわゆるソフトセグメントと呼ばれる。このような第1ブロックを有することによって、前記共重合体を含むホットメルト接着剤は、柔軟性の高い接着剤になると考えられる。また、前記共重合体には、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体が含まれる。そして、このジブロック体は、分子鎖同士の結合点になりうる第2ブロックが片方の端部に存在することになり、架橋剤として働くものではない。前記共重合体は、このような架橋剤として働くものではないジブロック体が一定量以上含まれていることになる。このように、前記共重合体における、前記第2ブロック及び前記ジブロック体のそれぞれの含有量を調整することによって、前記共重合体を含むホットメルト接着剤は、被着体である親水性多孔質基材の内部に浸透しやすくなると考えられる。また、前記共重合体の水素化物も、前記共重合体と同様に働くと考えられる。このような共重合体及びその水素化物を一定量以上含むので、前記ホットメルト接着剤は、柔軟性があり、被着体の内部に浸透しやすくなると考えられる。また、前記軟化剤を所定量含有させるので、少量塗布でも好適に塗布できるホットメルト接着剤になると考えられる。よって、前記ホットメルト接着剤は、被着体である親水性多孔質基材に、好適に塗布でき、内部に浸透しやすく、柔軟性もあるので、湿潤状態でのクリープ現象の発生を好適に抑制できると考えられる。
【0029】
まず、本実施形態において用いられる熱可塑性ポリマーは、上述したように、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物のいずれか一方を含み、それらの合計が、前記熱可塑性ポリマー全量に対して、55質量%以上であれば、特に限定されない。また、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物の含有率は、上述したように、前記熱可塑性ポリマー全量に対して、55質量%以上であり、75質量%以上であることが好ましい。また、前記熱可塑性ポリマーは、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物のみからなっていてもよく、すなわち、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物の含有率は、100質量%であってもよい。前記共重合体が少なすぎると、被着体である親水性多孔質基材に浸透させやすくする等の、前記共重合体を含むことによる効果を充分に発揮できない傾向がある。
【0030】
また、前記共重合体は、共役ジエン系化合物からなる第1ブロックとビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックとからなる共重合体である。
【0031】
前記第1ブロックは、共役ジエン系化合物からなるブロックであり、すなわち、共役ジエン系化合物由来のブロックである。前記第1ブロックとしては、具体的には、共役ジエン系化合物を重合して得られた重合体(共役ジエン系化合物の重合体)等が挙げられる。前記共役ジエン系化合物は、少なくとも一対の共役二重結合を有するジオレフィン化合物であれば、特に限定されない。前記共役ジエン系化合物としては、具体的には、ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、及び1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。前記共役ジエン系化合物としては、この中でも、ブタジエン及びイソプレンが好ましい。また、前記共役ジエン系化合物としては、上記例示の化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
前記第2ブロックは、ビニル系芳香族炭化水素からなるブロックであり、すなわち、ビニル系芳香族炭化水素由来のブロックである。前記第2ブロックとしては、具体的には、ビニル系芳香族炭化水素を重合して得られた重合体(前記ビニル系芳香族炭化水素の重合体)等が挙げられる。前記ビニル系芳香族炭化水素は、ビニル基を有する芳香族炭化水素であれば、特に限定されない。ビニル系芳香族炭化水素としては、具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、及びビニルアントラセン等が挙げられる。前記ビニル系芳香族炭化水素としては、この中でも、スチレンが好ましい。また、前記ビニル系芳香族炭化水素としては、上記例示の化合物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0033】
また、前記共重合体は、前記第2ブロックの含有量が、前記共重合体に対して30質量%未満であり、5〜25質量%であることが好ましく、15〜25質量%であることがより好ましい。前記第2ブロックの含有量が、上記範囲内のような比較的少ない含有量であると、分子鎖同士の結合点として好適に働きつつ、柔軟性の高い接着剤が得られる。
【0034】
また、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体の含有量が、前記共重合体に対して10質量%以上であり、30〜90質量%であることが好ましく、50〜80質量%であることがより好ましい。また、前記共重合体は、前記ジブロック体のみからなっていてもよく、すなわち、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体の含有量が、前記共重合体に対して、100質量%であってもよい。前記ジブロック体が少なすぎると、トリブロック体等が増え、得られる接着剤の柔軟性が低下する傾向がある。前記ジブロック体の含有量が上記範囲内であると、分子鎖同士の結合点として好適に働きつつ、柔軟性の高い接着剤が得られる。
【0035】
また、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物の具体例としては、例えば、スチレン−ブタジエンブロックコポリマー、スチレン−イソプレンブロックコポリマー、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマー、及び水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマー等が挙げられる。また、これらの共重合体は、前記ジブロック体の含有量が上記範囲内であれば、トリブロック体を含んでいてもよい。トリブロック体としては、スチレン−ブタジエンブロックコポリマーの場合、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)等が挙げられる。また、スチレン−イソプレンブロックコポリマーの場合は、例えば、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)等が挙げられる。また、水素添加されたスチレン−ブタジエンブロックコポリマーの場合は、例えば、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー(SEBS)等が挙げられる。また、水素添加されたスチレン−イソプレンブロックコポリマーの場合は、例えば、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックコポリマー(SEPS)等が挙げられる。
【0036】
また、前記熱可塑性ポリマーは、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物を55質量%以上含んでいればよく、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物以外の熱可塑性ポリマー(他の熱可塑性ポリマー)を含んでいてもよい。前記他の熱可塑性ポリマーとしては、ホットメルト接着剤を構成する成分として用いられる熱可塑性ポリマーであれば、特に限定されない。また、この熱可塑性ポリマーとしては、ホットメルト接着剤の主成分であるベースポリマーとして用いられる熱可塑性ポリマー等が挙げられる。前記熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、エラストマー系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)系、ポリエステル系、ポリアミド系、及びポリアクリル系の熱可塑性ポリマーが挙げられる。この中でも、本実施形態においては、前記エラストマー系の熱可塑性ポリマー及び前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーが好ましく、前記エラストマー系の熱可塑性ポリマーがより好ましい。
【0037】
エラストマー系の熱可塑性ポリマーには、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物も含まれるが、ここでのエラストマー系の熱可塑性ポリマーは、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物以外のエラストマー系の熱可塑性ポリマーが挙げられ、例えば、前記第1ブロック及び第2ブロック以外のブロックを含むエラストマー系の熱可塑性ポリマー等が挙げられる。
【0038】
前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、オレフィン系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。また、前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、チーグラー・ナッタ触媒やシングルサイト触媒で重合した常温で固体のポリオレフィン系化合物等が挙げられる。前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリイソブチレン、プロピレンとエチレン及び1−ブテンの少なくとも一方とのあらゆる比率でのランダム共重合体又はブロック共重合体、エチレンとプロピレンとジエン成分とのあらゆる比率でのエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン又はプロピレンとビニル化合物とのランダム共重合体又はブロック共重合体、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・エチレン・α−ブテン共重合体、1−ブテン単独重合体、1−ブテン・エチレン共重合体、1−ブテン・プロピレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。前記オレフィン系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、上記例示した化合物の中でも、α−オレフィン等のオレフィン(アルケン)をモノマーとして重合されたオレフィン系ポリマー等が好ましい。前記オレフィン系ポリマーとしては、具体的には、ポリα−オレフィンポリマー等が挙げられる。ポリα−オレフィンポリマーとしては、より具体的には、アモルファス−ポリα−オレフィンポリマー(APAO)、及びプロピレンの単独重合体(プロピレンホモポリマー)等が好ましい。プロピレンホモポリマーとしては、より具体的には、メタロセン触媒を用いてプロピレンを重合して得られたプロピレンホモポリマー等が好ましい。
【0039】
前記EVA系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、EVA系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、エチレンと酢酸ビニルから合成される共重合体等が挙げられる。
【0040】
前記ポリエステル系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリエステル系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されない。ポリエステル系の熱可塑性ポリマーとしては、例えば、モノマーとしてダイマー酸を用いて重合されたポリエステル等が挙げられる。
【0041】
前記ポリアミド系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリアミド系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリアミド等が挙げられる。
【0042】
前記ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーは、ホットメルト接着剤における、ポリアクリル系の熱可塑性ポリマーとして用いられるものであれば、特に限定されず、例えば、ポリアクリル酸エステル、及びポリメタクリル酸エステル等が挙げられる。
【0043】
前記他の熱可塑性ポリマーとしては、上記例示の熱可塑性ポリマーを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
前記共重合体等の熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は、熱可塑性ポリマーの種類等によっても異なり、特に限定されないが、例えば、1万〜50万であることが好ましく、5万〜30万であることがより好ましい。熱可塑性ポリマーの分子量が小さすぎると、凝集力が低下し、また経時安定性が低下する傾向がある。また、熱可塑性ポリマーの分子量が大きすぎると、溶融粘度が上昇して塗工性が低下する傾向がある。なお、ここでの重量平均分子量は、一般的な測定方法で測定した重量平均分子量であればよく、例えば、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した重量平均分子量等が挙げられる。
【0045】
本実施形態において用いられる粘着付与剤は、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる粘着付与剤であれば、特に限定されない。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、及び石油系樹脂等が挙げられる。
【0046】
前記ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、トールロジン及びウッドロジン等の天然ロジン、不均斉化ロジン、重合ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル及びペンタエリスリトールエステル等が挙げられる。また、このロジン系樹脂は、上記各ロジン系樹脂を、水素添加していないものであってもよいし、水素添加したもの、すなわち、上記ロジン系樹脂の水素添加物(水素化物)であってもよい。
【0047】
前記テルペン系樹脂としては、テルペン樹脂、炭化水素変性テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及びフェノール系変性テルペン樹脂等が挙げられる。また、このテルペン系樹脂は、上記各テルペンを、水素添加していないものであってもよいし、水素添加したもの、すなわち、上記テルペン系樹脂の水素添加物(水素化物)であってもよい。また、テルペン系樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂水素化物、芳香族変性テルペン樹脂、テルペン樹脂水素化物が好ましく、芳香族変性テルペン樹脂水素化物がより好ましい。
【0048】
前記石油系樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、及びこれらの水素添加物(水素化物)等が挙げられる。また、石油系樹脂水素化物としては、脂肪族系石油樹脂水素化物、脂環族系石油樹脂水素化物、及び芳香族系石油樹脂水素化物が好ましい。また、脂環族系石油樹脂水素化物としては、例えば、水添C9石油樹脂、及び水添ジシクロペンタジエン系石油樹脂等が挙げられる。
【0049】
また、前記粘着付与剤としては、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性した酸変性粘着付与剤を含んでいることが好ましい。前記酸変性粘着付与剤は、ホットメルト接着剤において粘着付与剤として一般的に用いられる粘着付与剤を、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性したものであれば、特に限定されない。前記酸変性粘着付与剤としては、例えば、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方が、粘着付与剤にグラフト付加することで得られる粘着付与剤や、粘着付与剤を重合により合成する際に、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方を共重合することで得られる粘着付与剤等が挙げられる。
【0050】
変性させる前の粘着付与剤としては、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる粘着付与剤であれば、特に限定されず、上述した粘着付与剤が挙げられる。
【0051】
前記酸変性に用いるカルボン酸は、特に限定されない。前記酸変性に用いるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、フタル酸、グルタル酸、イタコン酸、アクリル酸、及びメタクリル酸等が挙げられる。
【0052】
前記酸変性に用いるカルボン酸無水物は、特に限定されない。前記酸変性に用いるカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸(マレイン酸無水物)、無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水グルタル酸等が挙げられる。
【0053】
前記カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、及びアクリル酸が好ましく、マレイン酸がより好ましい。また前記カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸が好ましい。また、前記酸変性に用いるものとしては、カルボン酸無水物である無水マレイン酸が好ましい。
【0054】
前記カルボン酸及び前記カルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸やカルボン酸無水物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0055】
また、前記粘着付与剤としては、上記例示した粘着付与剤及び酸変性粘着付与剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0056】
本実施形態において用いられる軟化剤は、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる軟化剤であれば、特に限定されない。軟化剤としては、例えば、鉱物油類、合成油類、植物油類、及び脂肪酸エステル類等のオイル等が挙げられる。
【0057】
前記鉱物油類としては、具体的には、プロセスオイル、及び流動パラフィン等が挙げられる。プロセスオイルとは、ゴムや熱可塑性エラストマー等の可塑剤として一般的に用いられるオイルであり、いわゆる石油精製等において生産されるオイルである。プロセスオイルは、一般に、芳香族環、ナフテン環、及びパラフィン鎖を含む混合物であって、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルとに大別される。プロセスオイルは、パラフィン鎖炭素数が全炭素数の50%以上を占めるものをパラフィン系、ナフテン環炭素数が30%以上を占めるものをナフテン系、芳香族炭素数が30%以上を占めるものを芳香族系と区別している。パラフィン系プロセスオイルとしては、炭素数4〜155のパラフィン系化合物、好ましくは炭素数4〜50のパラフィン系化合物が挙げられる。前記パラフィン系プロセスオイルとしては、具体的には、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタデコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン、ヘントリアコンタン、ドトリアコンタン、ペンタトリアコンタン、ヘキサコンタン、及びヘンプタコンタン等のn−パラフィン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、ネオヘキサン、2,3−ジメチルブタン、各種メチルヘキサン、3−エチルペンタン、各種ジメチルペンタン、2,2,3−トリメチルブタン、3−メチルヘプタン、各種ジメチルヘキサン、各種トリメチルペンタン、イソノナン、2−メチルノナン、イソデカン、イソウンデカン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソオクタデカン、イソナノデカン、イソエイコサン、及び4−エチル−5−メチルオクタン等のイソパラフィン、これらの飽和炭化水素の誘導体等が挙げられる。選択されるこれらのパラフィン系化合物は、混合物で用いることができ、室温で液状である。
【0058】
合成油類としては、具体的には、室温で液状である、リン酸エステル、塩素化パラフィン、エチレン−α−オレフィンオリゴマー、ポリブテン、低分子量ポリブタジエン、ポリイソプレン、及びその水素添加物等が挙げられる。
【0059】
植物油類としては、具体的には、オリーブ油、カルナウバロウ、米胚芽油、コーン油、サザンカ油、ツバキ油、ヒマシ油、ホホバ種子油、及びユーカリ葉油などが挙げられる。
【0060】
脂肪酸エステル類としては、具体的には、ミスチル酸イソプロピル、スリスチン酸オクチルドデシル、トリイソオクタン酸グリセリン、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、サリチル酸エチレングリコール、及びジステアリン酸グリコール等が挙げられる。
【0061】
また、前記軟化剤としては、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性した酸変性軟化剤を含んでいることが好ましい。前記酸変性軟化剤は、ホットメルト接着剤において軟化剤として一般的に用いられる軟化剤を、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性したものであれば、特に限定されない。前記酸変性軟化剤としては、例えば、分子内にコハク酸骨格を有するオイル等が挙げられる。
【0062】
変性させる前の軟化剤としては、ホットメルト接着剤に一般的に用いられる軟化剤であれば、特に限定されず、上述した軟化剤が挙げられる。
【0063】
前記酸変性に用いるカルボン酸は、特に限定されない。前記酸変性に用いるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、フタル酸、グルタル酸、イタコン酸、アクリル酸、及びメタクリル酸等が挙げられる。
【0064】
前記酸変性に用いるカルボン酸無水物は、特に限定されない。前記酸変性に用いるカルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸(マレイン酸無水物)、無水コハク酸、無水フタル酸、及び無水グルタル酸等が挙げられる。
【0065】
前記カルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、及びアクリル酸が好ましく、マレイン酸がより好ましい。また前記カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸が好ましい。また、前記酸変性に用いるものとしては、カルボン酸無水物である無水マレイン酸が好ましい。
【0066】
前記カルボン酸及び前記カルボン酸無水物としては、上記のカルボン酸やカルボン酸無水物を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0067】
また、前記軟化剤としては、上記例示した軟化剤及び酸変性軟化剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0068】
また、前記ホットメルト接着剤において、前記熱可塑性ポリマー、前記粘着付与剤及び前記軟化剤の各含有量は、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲であれば、特に限定されない。前記各含有量としては、例えば、以下のような範囲が挙げられる。
【0069】
前記熱可塑性ポリマーの含有量は、前記ホットメルト接着剤100質量部に対して、10〜50質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることがより好ましく、15〜25質量部であることがさらに好ましい。前記熱可塑性ポリマーの含有量が少なすぎると、凝集力が不足する傾向がある。また、前記熱可塑性ポリマーの含有量が多すぎると、溶融粘度が上昇して、塗工性が低下する傾向がある。なお、この含有量は、ホットメルト接着剤全量に対しての含有量である。
【0070】
前記粘着付与剤の含有量が、前記ホットメルト接着剤100質量部に対して、40〜80質量部であることが好ましく、50〜70質量部であることがより好ましく、55〜65質量部であることがさらに好ましい。前記粘着付与剤の含有量が少なすぎると、粘着力が低下し、接着強度が低下する傾向がある。また、前記粘着付与剤の含有量が多すぎると、柔軟性や可撓性を喪失し、応力分散性が低下して保持力が低下する傾向がある。なお、この含有量は、ホットメルト接着剤全量に対しての含有量である。
【0071】
また、前記軟化剤の含有量が、前記ホットメルト接着剤100質量部に対して、15〜30質量部であることが好ましく、15〜27質量部であることがより好ましく、18〜27質量部であることがより好ましい。前記軟化剤の含有量が少なすぎると、湿潤時のクリープ強度が低下する傾向がある。また、前記軟化剤の含有量が多すぎると、凝集力や接着力が低下し、保持力が低下する傾向がある。なお、この含有量は、ホットメルト接着剤全量に対しての含有量である。
【0072】
これらのことから、前記ホットメルト接着剤において、前記熱可塑性ポリマーの含有量は、ホットメルト接着剤全量に対して、10〜50質量%であることが好ましい。前記粘着付与剤の含有量は、ホットメルト接着剤全量に対して、40〜80質量%であることが好ましい。また、前記軟化剤の含有量は、前記合計質量に対して、15〜30質量%であることが好ましい。
【0073】
本実施形態に係るホットメルト接着剤には、本発明の目的とする所望の特性を阻害しない範囲で、前記熱可塑性ポリマー、前記粘着付与剤、及び前記軟化剤以外のものを含有してもよい。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、充填材、界面活性剤、カップリング剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、ワックス、及び可塑剤等の添加剤を含有してもよい。
【0074】
また、酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤や有機硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。有機硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、上記例示した酸化防止剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0075】
ワックスは、ホットメルト接着剤に含有されるワックスであれば、特に限定されない。ワックスとしては、例えば、合成ワックス、石油ワックス、及び天然ワックス等が挙げられる。また、合成ワックスとしては、例えば、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックスやポリプロピレンワックス等の、ポリオレフィンワックス等が挙げられる。石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、及びペトラタム等が挙げられる。天然ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、木ロウ、カルバナロウ、ミツロウ、及びカスターワックス等が挙げられる。これらのワックスは、上記例示したワックスを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0076】
本実施形態に係るホットメルト接着剤を製造する方法としては、上記構成のホットメルト接着剤を製造することができる製造方法であれば、特に限定されない。ホットメルト接着剤を製造する方法としては、例えば、ホットメルト接着剤を構成する成分を加熱溶融し、攪拌混練する方法等が挙げられる。そうすることによって、ホットメルト接着剤を構成する成分の分散性の高いホットメルト接着剤が得られる。また、この方法を実現する装置としては、例えば、加熱装置を備えた、攪拌混練機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、及び押出機等が挙げられる。
【0077】
ホットメルト接着剤を用いた接着方法は、ホットメルト接着剤を用いた接着方法として用いることができる方法であれば、特に限定されない。ホットメルト接着剤を用いた接着方法としては、例えば、ホットメルト接着剤を、加熱によって溶融させる。そして、その溶融状態のホットメルト接着剤を接着対象物である被着体に塗布する。この塗布されたホットメルト接着剤に、もう一方の被着体を接触させた状態で放置することで、このホットメルト接着剤が冷却し、固化される。この固化されたホットメルト接着剤が、被着体同士を接着させる。
【0078】
ホットメルト接着剤を塗布する方法は、ホットメルト接着剤を被着体に好適に塗布できれば、特に限定されない。この塗布方法としては、例えば、接触塗布方法と非接触塗布方法とに大別される。接触塗布方法とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、塗工機等の、塗布に用いる装置を被着体に接触させた状態で塗布する塗布方法をいう。また、非接触塗布方法とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、塗工機等を被着体に接触させない状態で塗布する塗布方法をいう。接触塗布方法としては、例えば、スロット塗工(ノードソン株式会社製のスロットコートガン等)及びロールコーター塗工等が挙げられる。また、非接触塗布方法として、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工(株式会社サンツール製のスパイラルスプレーノズル等)、波状に塗布できるスプレー塗工(ITWダイナテック株式会社製のオメガコート等)、面状に塗布できるスプレー塗工(株式会社サンツール製のカーテンスプレーヘッド等)、点状に塗工できるドット塗工等が挙げられる。本実施形態に係るホットメルト接着剤は、スパイラル塗工に適している。スパイラル塗工とは、間欠または連続塗工で接着剤をエアーでらせん状に非接触塗布する方法である。
【0079】
本明細書は、上述したように、様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
【0080】
本発明の一局面は、熱可塑性ポリマーと、粘着付与剤と、軟化剤とを含むホットメルト接着剤であって、前記熱可塑性ポリマーは、共役ジエン系化合物からなる第1ブロックとビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックとからなる共重合体、及び前記共重合体の水素化物の少なくとも一方を含み、前記共重合体は、前記第2ブロックの含有量が30質量%未満であり、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体の含有量が10質量%以上である共重合体であって、前記共重合体及び前記共重合体の水素化物の含有量が、前記熱可塑性ポリマー全量に対して、55質量%以上であり、前記軟化剤の含有量が、前記ホットメルト接着剤100質量部に対して、15〜30質量部であることを特徴とするホットメルト接着剤である。
【0081】
このような構成によれば、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れるホットメルト接着剤を提供することができる。よって、このホットメルト接着剤は、湿潤状態での接着性に優れる。
【0082】
また、前記ホットメルト接着剤において、前記ビニル系芳香族炭化水素が、スチレンであり、前記共役ジエン系化合物が、ブタジエン及びイソプレンの少なくとも一方であることが好ましい。
【0083】
このような構成によれば、湿潤状態でのクリープ現象の発生をより抑制できるホットメルト接着剤が得られる。
【0084】
また、前記ホットメルト接着剤において、前記粘着付与剤は、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性した酸変性粘着付与剤を含むことが好ましい。
【0085】
このような構成によれば、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、さらに、湿潤状態での接着強度がより高められたホットメルト接着剤が得られる。
【0086】
また、前記ホットメルト接着剤において、前記軟化剤は、カルボン酸及びカルボン酸無水物の少なくとも一方で変性した酸変性軟化剤を含むことが好ましい。
【0087】
このような構成によれば、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、さらに、湿潤状態での接着強度がより高められたホットメルト接着剤が得られる。
【0088】
本発明によれば、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れるホットメルト接着剤を提供することができる。
【0089】
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0090】
まず、本実施例において、ホットメルト接着剤を調製する際に用いる各成分について説明する。
【0091】
[熱可塑性ポリマー]
熱可塑性ポリマー1:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)(日本ゼオン株式会社製のQuintac3433、スチレン(第2ブロック)の含有量:16質量%、ジブロック体の含有量:60質量%)
熱可塑性ポリマー2:スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー(SIS)(李長栄化学社製のGlobalprene5517、スチレン(第2ブロック)の含有量:15質量%、ジブロック体の含有量:38質量%)
熱可塑性ポリマー3:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(分岐状のSBS、JSR株式会社製のTR2830、スチレン(第2ブロック)の含有量:20質量%、ジブロック体の含有量:27質量%)
熱可塑性ポリマー4:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(直鎖状のSBS、スチレン(第2ブロック)の含有量:16質量%、ジブロック体の含有量:16質量%)
熱可塑性ポリマー5:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成株式会社製のタフプレン315P、スチレン(第2ブロック)の含有量:20質量%、ジブロック体の含有量:0質量%)
熱可塑性ポリマー6:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成株式会社製のアサプレンT−438、スチレン(第2ブロック)の含有量:35質量%、ジブロック体の含有量:65質量%)
熱可塑性ポリマー7:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成株式会社製のアサプレンT−436、スチレン(第2ブロック)の含有量:30質量%、ジブロック体の含有量:50質量%)
熱可塑性ポリマー8:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成株式会社製のアサプレンT−420、スチレン(第2ブロック)の含有量:30質量%、ジブロック体の含有量:10質量%)
熱可塑性ポリマー9:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(旭化成株式会社製のアサプレンT−413、スチレン(第2ブロック)の含有量:30質量%、ジブロック体の含有量:75質量%)
熱可塑性ポリマー10:スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー(SBS)(クレイトン社製のD−1118、スチレン(第2ブロック)の含有量:30質量%、ジブロック体の含有量:65質量%)
【0092】
ここで、スチレンの含有量は、上記熱可塑性ポリマーの場合、ビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックの含有量に相当する。そして、ジブロック体の含有量は、共役ジエン系化合物からなる第1ブロックとビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックとのジブロック体の含有量に相当する。
【0093】
[粘着付与剤]
粘着付与剤:脂環族系石油樹脂水素化物(水添C9石油樹脂)(荒川化学工業株式会社製のアルコンM−100)
酸変性粘着付与剤:以下のようにして製造されたマレイン酸変性粘着付与樹脂
ステンレス鋼(SUS)製の反応釜中に、粘着付与剤である芳香族変性テルペン樹脂水素化物(ヤスハラケミカル株式会社製のクリアロンK4100:軟化点100℃)750gを投入し、170℃で溶融させた。その後、反応釜内を窒素雰囲気下にし、反応釜中の溶融物に、無水マレイン酸22.5gとジクミルパーオキサイド5gとメタクリル酸ブチル22.5gとを1時間かけて滴下した。滴下完了後、170℃で30分間攪拌した後、反応釜内を減圧することにより、未反応物及びジクミルパーオキサイドの分解した低分子量化合物の除去を1時間行った。そうすることにより、淡黄色の固体が得られた。この固体が、無水マレイン酸で変性されている芳香族変性テルペン樹脂水素化物であり、酸変性粘着付与剤(マレイン酸変性粘着付与樹脂)である。この得られた酸変性粘着付与剤は、140℃での溶融粘度が3500mPa・sであり、重量平均分子量が1260であった。
【0094】
[軟化剤]
オイル:オイル(出光興産株式会社製のダイアナフレシアS32)
酸変性オイル:マレイン酸変性オイル(分子内にコハク酸骨格を有するオイル)(星光PMC株式会社製のAS−1532)
【0095】
[添加剤]
ワックス:(エボニック社製のSarawaxSX−105)
酸化防止剤:一次酸化防止剤(BASF社製のイルガノックス1010)
【0096】
[ホットメルト接着剤の製造方法]
上記各成分を、下記表1に示す配合量(組成:質量部)となるように、以下のような手順で混練してホットメルト接着剤を作成した。攪拌混練機中に、粘着付与剤、軟化剤、及び添加剤を投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で攪拌することによって、充分に溶融させた。その溶融物の中に、熱可塑性ポリマーを投入し、150〜190℃になるように加熱した状態で混練することにより、熱可塑性ポリマーも充分に溶融させ、溶融物の中に均一に分散させた。その後、その溶融物の中に、酸変性粘着付与剤を投入し、攪拌混練した。その際、可能な限り、ホットメルト接着剤の均一性が高まるまで混練した。そうすることで、ホットメルト接着剤を製造した。
【0097】
[評価]
(塗工性:溶融粘度)
以下のようにして、硬化前のホットメルト接着剤の140℃での溶融粘度を測定した。具体的には、JIS K 6682に記載の測定方法に準拠し、ホットメルト接着剤の140℃で溶融させた溶融液の粘度を、ブルックフィールド粘度計(スピンドルNo.27のロータ)により、測定した。この粘度が、硬化前のホットメルト接着剤の140℃での溶融粘度である。
【0098】
また、同様の方法により、硬化前のホットメルト接着剤の160℃での溶融粘度を測定した。
【0099】
(湿潤時低速剥離強度)
製造されたホットメルト接着剤を150℃に加熱することにより溶融させた後、溶融されたホットメルト接着剤を、スパイラルスプレーによって、ティッシュの一方の面上に、6gsm(g/m
2)となるように塗布した。塗布してから1秒後に、ホットメルト接着剤が塗布されたティッシュ上に、このホットメルト接着剤が接触するように、ティッシュを置いた。その後、このティッシュとティッシュとを、23℃で、圧力50gf/cm
2で、0.01秒間プレスした。この積層体を、基材進行に対して垂直方向(CD)方向に25mmに切断することによって、短冊状の試験片とした。そして、この試験片を、50℃の水道水に5〜6秒間浸漬させた後、水中から取り出し、水を拭き取ることによって、湿潤状態の試験体とした。そして、この試験体を、各ホットメルト接着剤毎に3個用意した。そして、この試験体にJIS K6845に準拠したT型剥離試験を行った。具体的には、この試験体を、引張速度10mm/分で剥離した時の強度(N/25mm)を測定した。この剥離試験は、23℃、65%RHで行った。
【0100】
また、この剥離試験を行った結果、ティッシュが全体的に破れた場合は、「◎」と評価し、ティッシュが部分的に破れた場合は、「○」と評価し、ティッシュが破れなかった場合は、「×」と評価した。なお、ティッシュが破れた場合は、試験片が破壊される材料破壊に相当し、接着性に優れていることを示す。この場合、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れることを示す。また、ティッシュが破れなかった場合は、試験片が接着剤層との界面から破壊されることなく剥離する界面破壊に相当し、接着性に劣っていることを示す。
【0101】
(湿潤時せん断強度)
製造されたホットメルト接着剤を150℃に加熱することにより溶融させた後、溶融されたホットメルト接着剤を、コータによって、発泡ウレタンシートの一方の面上に、4gsm(g/m
2)となるように塗布した。塗布してから1秒後に、ホットメルト接着剤が塗布された発泡ウレタンシート上に、このホットメルト接着剤が接触するように、不織布を置いた。その後、この発泡ウレタンシートと不織布とを、23℃で、圧力50gf/cm
2で、0.01秒間プレスした。この積層体を、基材進行に対して垂直方向(CD)方向に25mmに切断することによって、短冊状の試験片とした。そして、この試験片を、40℃の水道水に5〜6秒間浸漬させた後、水中から取り出し、水を拭き取ることによって、湿潤状態の試験体とした。そして、この試験体を、各ホットメルト接着剤毎に3個用意した。そして、この試験体にJIS K6845に準拠したT型剥離試験を行った。具体的には、この試験体を、引張速度100mm/分で剥離した時の強度(N/25mm)を測定した。この剥離試験は、23℃、65%RHで行った。
【0102】
また、この剥離試験を行った結果、発泡ウレタンシートが全体的に破れた場合は、「◎」と評価し、発泡ウレタンシートが部分的に破れた場合は、「○」と評価し、発泡ウレタンシートが破れなかった場合は、「×」と評価した。なお、発泡ウレタンシートが破れた場合は、試験片が破壊される材料破壊に相当し、接着性に優れていることを示す。この場合、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れることを示す。また、発泡ウレタンシートが破れなかった場合は、試験片が接着剤層との界面から破壊されることなく剥離する界面破壊に相当し、接着性に劣っていることを示す。
【0103】
各評価結果を、ホットメルト接着剤の配合量とともに、表1に示す。なお、表1中の、熱可塑性ポリマーにおける共重合体の比率は、熱可塑性ポリマー全量に対する、熱可塑性ポリマー1〜4の合計の比率(質量%)を示す。また、ホットメルト接着剤100質量部に対する軟化剤の含有量は、ホットメルト接着剤100質量部に対する軟化剤の質量部を示す。
【0104】
【表1】
【0105】
表1からわかるように、共役ジエン系化合物からなる第1ブロックとビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックとからなり、前記第2ブロックの含有量が30質量%未満であって、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体の含有量が10質量%以上である共重合体を55質量%以上含む熱可塑性ポリマーを含み、さらに、軟化剤をホットメルト接着剤100質量部に対して15〜30質量部を含むホットメルト接着剤の場合(実施例1〜9)は、湿潤時低速剥離強度も湿潤時せん断強度も高く、湿潤時低速剥離強度を測定するときも、湿潤時せん断強度を測定するときも、界面破壊ではなく、材料破壊であった。
【0106】
これに対して、熱可塑性ポリマーとして、前記共重合体以外を含む場合(比較例3、4、7)は、実施例1〜9と比較して、湿潤時せん断強度も、湿潤時低速剥離強度も低く、湿潤時低速剥離強度を測定するときも、湿潤時せん断強度を測定するときも、材料破壊ではなく、界面破壊であった。また、前記共重合体を含んでいても、前記熱可塑性ポリマーにおける前記共重合体の含有率が55質量%未満である場合(比較例1、2、5)は、実施例1〜9と比較して、湿潤時せん断強度も、湿潤時低速剥離強度も低く、湿潤時せん断強度を測定するとき、材料破壊ではなく、界面破壊であった。
【0107】
これらのことから、前記第2ブロックを構成するスチレンの含有量が30質量%未満であって、前記ジブロック体が10質量%以上である共重合体が、55質量%以上含む熱可塑性ポリマーを用いることによって、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れることがわかった。
【0108】
ホットメルト接着剤100質量部に対する軟化剤の含有量が15質量部未満の場合(比較例6)は、実施例1〜9と比較して、湿潤時せん断強度も、湿潤時低速剥離強度も低く、湿潤時低速剥離強度を測定するときも、湿潤時せん断強度を測定するときも、材料破壊ではなく、界面破壊であった。また、ホットメルト接着剤100質量部に対する軟化剤の含有量が30質量部を超える場合(比較例8)は、実施例1〜9と比較して、湿潤時せん断強度も、湿潤時低速剥離強度も低く、湿潤時せん断強度を測定するとき、材料破壊ではなく、界面破壊であった。
【0109】
これらのことから、前記第2ブロックを構成するスチレンの含有量が30質量%未満であって、前記ジブロック体が10質量%以上である共重合体が、55質量%以上含む熱可塑性ポリマーを用い、さらに、軟化剤を15〜30質量%含有させることによって、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れることがわかった。
【0110】
以上のことから、共役ジエン系化合物からなる第1ブロックとビニル系芳香族炭化水素からなる第2ブロックとからなり、前記第2ブロックの含有量が30質量%未満であって、前記第1ブロックと前記第2ブロックとのジブロック体の含有量が10質量%以上である共重合体を55質量%以上含む熱可塑性ポリマーを含み、さらに、軟化剤をホットメルト接着剤100質量部に対して15〜30質量部を含むホットメルト接着剤であれば、湿潤状態でのクリープ現象の発生を充分に抑制でき、湿潤状態での接着性に優れることがわかった。
【0111】
この出願は、2017年6月12日に出願された日本国特許出願特願2017−114990を基礎とするものであり、その内容は、本願に含まれるものである。
【0112】
本発明を表現するために、上述において実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。