(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854906
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】ターボ機械のための案内羽根
(51)【国際特許分類】
F01D 11/00 20060101AFI20210329BHJP
F01D 25/12 20060101ALI20210329BHJP
F02C 7/00 20060101ALI20210329BHJP
F16J 15/16 20060101ALI20210329BHJP
B33Y 80/00 20150101ALI20210329BHJP
B22F 5/04 20060101ALI20210329BHJP
C22C 1/04 20060101ALI20210329BHJP
B22F 3/16 20060101ALI20210329BHJP
B22F 3/105 20060101ALI20210329BHJP
【FI】
F01D11/00
F01D25/12 E
F02C7/00 D
F16J15/16 B
B33Y80/00
B22F5/04
C22C1/04 B
B22F3/16
B22F3/105
【請求項の数】14
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2019-543317(P2019-543317)
(86)(22)【出願日】2018年2月6日
(65)【公表番号】特表2020-510776(P2020-510776A)
(43)【公表日】2020年4月9日
(86)【国際出願番号】EP2018052879
(87)【国際公開番号】WO2018146062
(87)【国際公開日】20180816
【審査請求日】2019年11月25日
(31)【優先権主張番号】17155609.5
(32)【優先日】2017年2月10日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】517298149
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ラルフ・ベーク
(72)【発明者】
【氏名】ハンス−トマス・ボルムス
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
独国特許出願公開第102011055375(DE,A1)
【文献】
特開2016−125496(JP,A)
【文献】
特開2008−095695(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0356172(US,A1)
【文献】
米国特許第8277177(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 3/105
B22F 3/16
B22F 5/04
B33Y 80/00
C22C 1/04
F01D 5/00
F01D 9/00
F01D 11/00
F01D 25/00
F01D 25/12
F02C 7/00
F16J 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械のための案内羽根(1)であって、前記案内羽根(1)が、羽根ブレード(2)と、前記羽根ブレード(2)に接続されている少なくとも1つのプラットフォーム(3)とを有しており、前記プラットフォーム(3)及び前記羽根ブレード(2)を冷却するための冷却ダクトシステムが設けられており、前記プラットフォーム(3)が、前記ターボ機械の回転システムに対してシールするために、前記羽根ブレード(2)の反対側に面している前記プラットフォーム(3)の側部に、前記プラットフォーム(3)から突出している少なくとも1つのシールリップ(8,9)を備えている、前記案内羽根(1)において、
前記冷却ダクトシステムの一部分を形成している少なくとも1つの冷却ダクト(12)が、前記シールリップ(8,9)を貫通して延在しており、
複数の冷却ダクト(12)が設けられており、前記冷却ダクト(12)の出口開口部が、前記シールリップ(8,9)の自由端(13)に配設されており、
前記冷却ダクト(12)が、少なくとも相互に平行とされるように、前記シールリップ(8,9)の前記自由端(13)から前記シールリップ(8,9)を貫通して、少なくともラジアル方向(R)に延在していることを特徴とする案内羽根(1)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記シールリップ(8,9)が、軸流方向(A)において前方又は後方に位置する前記プラットフォーム(3)の周囲領域に配設されており、
前記シールリップ(8,9)が、ラジアル方向(R)に対して平行に延在している前記プラットフォーム(3)の終端面(10)を形成するように、少なくとも1つの前記シールリップ(8,9)が、前記羽根ブレード(2)の反対側に面している前記プラットフォーム(3)の側部から少なくとも略ラジアル方向に突出していることを特徴とする請求項1に記載の案内羽根(1)。
【請求項3】
複数の前記冷却ダクト(12)を互いに接続させ且つ前記冷却ダクトシステムの一部分を形成する少なくとも1つの接続ダクト(14)が、前記シールリップ(8,9)の自由端(13)から離隔するように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の案内羽根(1)。
【請求項4】
前記プラットフォーム(3)が、プラットフォーム基部(4)と、前記プラットフォーム基部(4)に溶接又は半田付け若しくは鍍金処理されている少なくとも1つのプラットフォーム取付部(5)とから組み立てられており、
少なくとも1つの前記冷却ダクト(12)と、前記冷却ダクトシステムのさらなる部品(14,15,16)とが、少なくとも1つの前記プラットフォーム取付部(5)によって少なくとも部分的に形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の案内羽根(1)。
【請求項5】
鋳造技術によって製造された少なくとも1つの溝(11)が、少なくとも1つの前記冷却ダクト(12)が少なくとも形成されるように、金属製プレートとされた前記プラットフォーム取付部(5)によって覆われており、前記プラットフォーム基部(4)に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の案内羽根(1)。
【請求項6】
前記プラットフォーム(3)が、前記羽根ブレード(2)の反対側に面している前記プラットフォーム(3)の側部に、少なくとも互いに対して平行とされ且つ互いから離隔配置されるように延在している2つの直接隣り合うシールリップ(8,9)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の案内羽根(1)。
【請求項7】
前記プラットフォーム取付部(5)が、2つの前記シールリップ(8,9)の間に配置されているU字状断面プレート(5a)の形態で設けられており、
前記U字状断面プレート(5a)の対向する脚部(6,7)が、平坦状態で前記シールリップ(8,9)に当接し、且つ、少なくとも1つの前記溝(11)を覆っていることを特徴とする請求項6に記載の案内羽根(1)。
【請求項8】
前記プラットフォーム取付部(5)が、U字状断面プレート(5a)の形態で設けられており、
前記U字状断面プレート(5a)の第1の脚部(6)が、前記プラットフォーム基部(4)の前記シールリップに設けられた少なくとも1つの前記溝(11)を覆うように、平坦状態で2つの前記シールリップ(8,9)のうち第1のシールリップ(8)に当接しており、
前記U字状断面プレート(5a)の第2の脚部(7)が、2つの前記シールリップ(8,9)のうち第2のシールリップ(9)が2つの接続された脚部(7,17)によって形成されるように、終端プレート(5b)の形態をしたさらなるプラットフォーム取付部(5)の脚部(17)に溶接又は半田付け若しくは鍍金処理されていることを特徴とする請求項6に記載の案内羽根(1)。
【請求項9】
前記プラットフォーム取付部(5)が、U字状部分を有する一体型断面プレートの形態で設けられており、
前記プラットフォーム取付部(5)の第1の脚部が、前記プラットフォーム基部(4)の前記シールリップに設けられた少なくとも1つの前記溝(11)を覆うように、平坦状態で2つの前記シールリップ(8,9)のうち第1のシールリップ(8)に当接しており、
前記プラットフォーム取付部(5)の第2の脚部が、2つの前記シールリップ(8,9)のうち第2のシールリップ(9)と、前記一体型断面プレートに隣り合っている終端プレート部分とを形成していることを特徴とする請求項6に記載の案内羽根(1)。
【請求項10】
前記プラットフォーム取付部(5)が、選択的レーザ溶融法(SLM)によって積層造形され、少なくとも1つの前記冷却ダクト(12)を少なくとも完全に形成することを特徴とする請求項4に記載の案内羽根(1)。
【請求項11】
前記プラットフォーム取付部(5)が、ブレース(18)を介して接続されている2つのシールリップ(8,9)と、前記シールリップ(8,9)に接続されている終端プレート(5b)とを形成していることを特徴とする請求項10に記載の案内羽根(1)。
【請求項12】
少なくとも1つの乱流要素が、少なくとも1つの前記冷却ダクト(12)に組み込まれていることを特徴とする請求項10又は11に記載の案内羽根(1)。
【請求項13】
前記プラットフォーム基部(4)及び/又は少なくとも1つの前記プラットフォーム取付部(5)が、ニッケル基超合金から製造されていることを特徴とする請求項4〜12のいずれか一項に記載の案内羽根(1)。
【請求項14】
前記プラットフォーム基部(4)及び少なくとも1つの前記プラットフォーム取付部(5)が、同一の材料から製造されていることを特徴とする請求項4〜12のいずれか一項に記載の案内羽根(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ機械のための案内羽根であって、案内羽根が、羽根ブレードと、羽根ブレードに接続されている少なくとも1つのプラットフォームとを有しており、プラットフォーム及び羽根ブレードを冷却するための冷却ダクトシステムが設けられており、プラットフォームが、ターボ機械の回転システムに対してシールするために、羽根ブレードの反対側に面しているプラットフォームの側部に、プラットフォームから突出している少なくとも1つのシールリップを備えている、案内羽根に関する。
【背景技術】
【0002】
タービンブレードは、例えばガスタービンのようなターボ機械で利用される。特に、回転しているロータブレードと静止している案内羽根との間に差が生まれるので、高温の液状作動媒体、特にガスがロータブレードに向かって方向づけられる。タービンブレードには、その動作中に、高温の液状作動媒体に起因して、高い熱応力が、これに関連して高い熱入力が、液状作動媒体からタービンブレードに作用する。これにより、タービンブレードが損傷する。
【0003】
タービンブレードの高い熱応力を相殺させるために、タービンブレードが、高温に対する耐性を有している金属合金から作られる場合がある。一方、タービンブレードは、一般に、冷却ダクトシステムを介して冷却流体によって能動的に冷却される。例えば特許文献1及び特許文献2から知られるように、下方に突出したプラットフォーム突起は、中空とされるように構成されているので、冷却され得る。これら特許文献では、プラットフォームの衝突冷却とフィルム冷却とが組み合わせて利用されている。さらに、特許文献3は、螺旋状の侵食電極によってコイル状の冷却ダクトをタービンブレードの移行領域に組み込むための方法を開示している。
【0004】
このような背景に鑑みて、本発明は、効率的な冷却ダクトシステムを有している冒頭で説明したタイプの案内羽根を提供することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願第102011055375号明細書
【特許文献2】欧州特許出願第1167695号明細書
【特許文献3】欧州特許出願第1211384号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当該目的を達成するために、本発明は、冒頭で説明したタイプの案内羽根であって、冷却ダクトシステムの一部分を形成する少なくとも1つの冷却ダクトが、シールリップを通じて延在している、案内羽根を提供する。これにより、シールリップを能動的に冷却することができ、その結果として、プラットフォーム全体を効率的且つ一様に冷却することができる。従って、案内羽根に熱応力及び損傷をもたらし得る、材料の内部における大きな温度変動を回避することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
さらに、複数の冷却ダクトが設けられており、冷却ダクトの出口開口部が、シールリップの自由端に配設されている。冷却ダクトが、特に少なくとも実質的に相互に平行とされるように、シールリップの自由端からシールリップを通じて、少なくとも略ラジアル方向において延在しており、これにより終端面に対して平行とされる。上述のように延在している複数の冷却ダクトによって、シールリップを特に効率的で一様に冷却することができる。さらに、案内羽根を用途に従って利用する際に、ラジアル方向内方に向いているシールリップの自由端において冷却ダクトから流出する冷却空気によって、シールリップと回転システムとの間における間隙の冷却を改善することができる。優位には、少なくとも1つの接続ダクトは、シールリップの自由端から離隔して配置されるように設けられており、複数の冷却ダクトを互いに接続しており、同様に冷却ダクトシステムの一部分を形成している。冷却流体は、好ましくは周方向に延在している接続ダクトによって、中央に向かって冷却ダクトに供給される。
【0008】
本発明の一の実施例では、少なくとも1つのシールリップが、軸流方向において前方又は後方に位置するプラットフォームの周囲領域に配設されており、シールリップが、ラジアル方向に対して略平行に延在しているプラットフォームの終端面を形成するように、少なくとも1つのシールリップが、羽根ブレードの反対側に面しているプラットフォームの側部から少なくとも略ラジアル方向に突出している。
【0009】
プラットフォームが、プラットフォーム基部と、プラットフォーム基部に接続されている、好ましくはプラットフォーム基部に溶接又は半田付け若しくは鍍金処理されている少なくとも1つのプラットフォーム取付部とから組み立てられており、少なくとも1つの冷却ダクトと、好ましくは冷却ダクトシステムのさらなる部品とが、少なくとも1つのプラットフォーム取付部によって少なくとも部分的に形成されている。小さい冷却ダクトは、複数の部品から構成されるプラットフォームによって構成されており、特に狭いシールリップを効果的に冷却することができる。さらに、複数の部品から成る構成とすることによって、プラットフォームの鋳造及び機械加工を著しく単純化することができる。
【0010】
少なくとも1つの溝(11)が、特に少なくとも1つの冷却ダクト(12)が少なくとも形成されるように、鋳造技術によって製造された溝(11)が、プレートの形態とされ、特に金属製プレートとされ、プラットフォーム基部(4)に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の案内羽根(1)。従って、幾つかの動作ステップのみにおいて、複数の冷却ダクトを構成することができる。
【0011】
プラットフォームが、ブレードの反対側に面している側部において、特に少なくとも互いに対して略平行とされ且つ互いから離隔配置されるように延在している2つの直接隣り合うシールリップを備えている。
【0012】
プラットフォーム取付部が、2つのシールリップの間に配置されているU字状断面プレートの形態で設けられており、U字状断面プレートの対向する脚部が、平坦状態でシールリップに当接し、且つ、少なくとも1つの溝を覆っている。
【0013】
代替的には、プラットフォーム取付部が、U字状断面プレートの形態で設けられており、U字状断面プレートの第1の脚部が、プラットフォーム取付部に設けられた少なくとも1つの溝を覆うように、平坦状態で2つのシールリップのうち第1のシールリップに当接しており、U字状断面プレートの第2の脚部が、2つのシールリップのうち第2のシールリップが2つの接続された脚部によって形成されるように、終端プレートの形態をしたさらなるプラットフォーム取付部の脚部に接続され、特に溶接又は半田付け若しくは鍍金処理されている。
【0014】
半田付け若しくは鍍金処理又は溶接に加えて、或いは半田付け若しくは鍍金処理又は溶接の代替として、U字状断面プレートを固定することによって、当該U字状断面プレートを2つのシールリップの間に、又は終端プレートのシールリップと脚部との間に圧入した状態で保持することができる。動作中にプラットフォームが加熱された場合には、U字状断面プレートの原材料は、プラットフォームの原材料より速く膨張するので、これにより圧入接続の強度が高められる。
【0015】
一のさらなる代替例では、プラットフォーム取付部が、U字状部分を有する一体型断面プレートの形態で設けられており、プラットフォーム取付部の第1の脚部が、プラットフォーム取付部に設けられた少なくとも1つの溝を覆うように、平坦状態で2つのシールリップのうち第1のシールリップに当接しており、プラットフォーム取付部の第2の脚部が、2つのシールリップのうち第2のシールリップを形成しており、終端プレート部分が、一体型断面プレートに隣り合っている。断面プレートを一体化された構成とすることによって、半田付け若しくは鍍金処理又は溶接によってU字状断面プレートの形態をしたプラットフォーム取付部を終端プレートの形態をしたプラットフォーム取付部に接続する作業ステップを省略することができる。
【0016】
少なくとも1つの冷却ダクトを形成するためにプレートの形態をしたプラットフォーム取付部によって覆われているプラットフォーム取付部の少なくとも1つの溝の代替として、プラットフォーム取付部が、好ましくは選択的レーザ溶融法(SLM)によって積層造形され、少なくとも1つの冷却ダクトを少なくとも完全に形成する。そこに構成された少なくとも1つの冷却ダクトを含むプラットフォーム取付部は、一の作業ステップで一体的に製造することができる。
【0017】
積層造形によって、最も多様な形状の冷却ダクトをプラットフォーム取付部に設けることができる。例えば、プラットフォーム取付部は、非常に品質に優れた及び/又は微細構造型の冷却ダクトを有している。このような冷却ダクトは、冷却流体を、特に冷却空気を極めて効果的に利用することができる。積層造形によって、少なくとも1つの冷却ダクトに少なくとも1つの乱流要素を同様に配設することができる。乱流要素によって、熱伝達をプラットフォームの応力負荷部に正確に適用させることができる。
【0018】
優位には、積層造形されたプラットフォーム取付部は、少なくとも1つの冷却ダクトを有している完全なシールリップを形成している。積層造形されたプラットフォーム取付部が、ブレースを介して接続されている2つのシールリップと、シールリップに接続されている終端プレートとを形成している。
【0019】
複数の冷却ダクトに加えて、プラットフォーム取付部は、好ましくは、複数の冷却ダクトに接続している上述の冷却ダクト、又は冷却ダクトシステムのさらなる部分も少なくとも形成している。
【0020】
プラットフォーム基部及び/又は少なくとも1つのプラットフォーム取付部が、超合金から、好ましくはニッケル基超合金から製造されている。優位には、プラットフォーム基部及び少なくとも1つのプラットフォーム取付部が、同一の材料から、特に超合金から、好ましくはニッケル基超合金から製造されている。ニッケル基超合金の利点は、ニッケル基超合金が酸化及び温度についての安定性を有していると共に温度に対する十分な耐性を有していることである。
【0021】
プラットフォームの上述の構成の代替として、複数の部分において、少なくとも1つの冷却ダクトが、プラットフォームが一体構造とされる場合に、原則としてボアとして、特に侵食過程によって組み込まれたボアとして構成されている。
【0022】
本発明のさらなる特徴及び利点は、本発明におけるタービンブレードのための案内羽根の4つの実施例についての以下の説明によって、添付図面を参照しつつ明らかとなるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の第1の実施例における案内羽根の概略的な側面図である。
【
図2】
図1に表わす案内羽根のプラットフォームの一部分を表わす概略的な斜視図である。
【
図3】冷却ダクト及び接続ダクトを可視化した、
図1に表わす案内羽根のプラットフォームの一部分の概略な斜視図である。
【
図4】
図3においてIVで示すプラットフォームの領域の概略的な拡大図である。
【
図5】
図1に表わす案内羽根のプラットフォームの一部分の概略な斜視図である。
【
図6】本発明の第2の実施例における案内羽根のプラットフォームの一部分を表わす、部分的に断面図を伴う概略的な側面図である。
【
図7】本発明の第3の実施例における案内羽根のプラットフォームの一部分を表わす、部分的に断面図を伴う概略的な側面図である。
【
図8】本発明の第4の実施例における案内羽根のプラットフォームの一部分を表わす、部分的に断面図を伴う概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜
図5は、本発明の第1の実施例におけるターボ機械のための案内羽根1の概略図である。本発明における案内羽根1は、羽根ブレード2と、羽根ブレード2に接続されているプラットフォーム3とを備えている。プラットフォーム3は、プラットフォーム基部4とプラットフォーム取付部5、すなわち2つの対向する脚部6,7を有する金属製のU字状断面プレート5a及び終端プレート5bとから組み立てられており、U字状断面プレート5a及び終端プレート5bが、溶接によってプラットフォーム基部4に接続されている。軸流方向Aにおいて後方に位置するターボ機械の回転システムの周辺領域において当該回転システムに関してシールするための、プラットフォーム基部4は、2つの直接隣り合うシールリップ8,9を備えている。シールリップ8,9は、ブレードの反対側に向いているプラットフォーム3の側面と相互に並行に且つ離隔するように延在しており、プラットフォーム3の当該側面からラジアル方向に突出している。従って、シールリップ8,9は、シーリング組立体のラジアル方向内方に向いているシーリング協働部材とされる。当該シーリング組立体は、対応するシーリング協働部材として、同様に構成されているが、外方に向いている摩擦面(図示しない)又はシールリップを備えている。軸流方向Aにおいて最後方のシールリップ9は、プラットフォーム3の終端面10を形成している。
【0025】
鋳造技術によって製造された溝11が、プラットフォーム基部4に、特に軸流方向Aにおける最後方のシールリップ9に配設されている。金属製のU字状断面プレート5aは、U字状断面プレート5aの対向する脚部6,7がシールリップ8,9に平坦状態で当接するように、2つのシールリップ8,9の間に配置されている。これにより、溝11は、金属製のU字状断面プレート5aによって覆われている。従って、案内羽根1を冷却するための冷却ダクトシステムの一部分を形成する冷却ダクト12は、プラットフォーム基部4及び金属製のU字状断面プレート5aによって形成されている。プラットフォーム3が二分割式であることを考慮して、特に薄肉のシールリップ8,9は、効果的に且つ能動的に冷却可能とされる。
【0026】
本明細書で説明する実施例では、6つの冷却ダクト12が、シールリップ9に構成されており、冷却ダクト12の出口開口部が、シールリップ9のラジアル方向内方に向いている自由端13に配置されている。そこから、冷却ダクト12は、軸流方向Aにおいて最後方のシールリップ9から、シールリップ9を貫通して、ラジアル方向Rに対してひいては略ラジアル方向Rに対して僅かに斜めに且つ相互に平行とされるように延在している。
【0027】
さらに、冷却ダクトシステムは、接続ダクト14を備えており、接続ダクト14は、プラットフォーム3の周方向に延在しており、且つ、シールリップ9の自由端13から離隔配置されるように設けられている。冷却ダクト12は、冷却ダクト12同士が互いに接続されるように、接続ダクト14に向かって開口している。プラットフォーム3の略周方向に延在している接続ダクト14は、軸流方向Aにおいて延在している複数の接続ダクト15を介して、収集ダクト16に接続されている。収集ダクト16は、溶接によってプラットフォーム基部4に接続されている終端プレート5bの形態をしたさらなるプラットフォーム取付部5によって、少なくとも部分的に形成されている。同様に、接続ダクト15と収集ダクト16とが冷却ダクトシステムの一部分を形成している。
【0028】
冷却ダクトシステムがプラットフォーム3の本体部分の内部に及びシールリップ8の内部にダクトを有しているので、プラットフォーム3を理想的に一様冷却することができ、プラットフォーム3の材料の内部温度が大きく変動することを防止することができる。
【0029】
上述の実施例の場合には、プラットフォーム基部4は、プラットフォーム取付部5すなわちU字状断面プレート5a及び終端プレート5bそれぞれと同様に、同一のニッケル基超合金から作られている。
【0030】
動作の際には、冷却流体は、案内羽根の冷却ダクトシステムに供給された後に、収集ダクト16及び接続ダクト14を通じて流れる。その後に、冷却流体は、シールリップ8を冷却するために、冷却ダクト12を通じて流通可能とされる。出口開口部が自由端13に配設されているので、最終的には、冷却流体は、案内羽根から流出した後に、ステータとロータとの間における密封性を改善することに貢献する。
【0031】
図6に表わす本発明における案内羽根1の第2の実施例は、第1の実施例に実質的に対応している。唯一の相違点は、第2の実施例の場合には、プラットフォーム基部4が、軸流方向Aにおける後方周囲領域において、2つのシールリップ8,9のうち第1のシールリップ8のみを備えていることである。第1の実施例の場合と同様に、第2の実施例におけるU字状断面プレート5aの第1の脚部6は、第1のシールリップ8に平坦状態で当接しており、且つ、溶接によって第1のシールリップ8に接続されている。しかしながら、第2の実施例の場合には、終端プレート5bも、2つのシールリップ8,9のうち第2のシールリップ9が形成されるように、溶接によってU字状断面プレート5aの第2の脚部7に接続されている脚部17を有している。6つの冷却ダクト12と接続ダクト14,15とを部分的に形成するために、U字状断面プレート5a及び終端プレート5bによって覆われている溝11は、プラットフォーム基部4の内部に、特に第1のシールリップ8の内部に鋳込まれている。さらに、終端プレート5bは、プラットフォーム基部4と共に、収集ダクト16を形成している。
【0032】
図7は、本発明における案内羽根1の第3の実施例を表わす。第3の実施例では、プラットフォーム3が、プラットフォーム基部4と、選択的レーザ溶融法(selective laser melting)によって積層造形され且つ溶接によってプラットフォーム基部4に接続された単一のプラットフォーム取付部5とから組み立てられている。第3の実施例の場合におけるプラットフォーム基部4は、シールリップ8,9を全く備えていない。その代わりに、プラットフォーム取付部5は、ブレース18を介して接続されている2つのシールリップ8,9と、シールリップ8,9に接続されているプラットフォーム3の終端プレート5bとを形成している。
【0033】
さらに、プラットフォーム取付部5は、冷却ダクト12をシールリップ8の内部に完全に形成しており、冷却ダクト12は、プラットフォーム3の周方向において延在している接続ダクト14と同様に、上述の2つの実施例に基づいて説明したとおりである。選択的レーザ溶融法によって構成されている冷却ダクト12は、非常に小型である。このことは、特に非常に狭いシールリップが能動的に冷却される場合に優位である。乱流要素は、理解し易くするために
図7に表わさないが、冷却ダクト12の内部に組み込まれている。乱流要素によって、プラットフォーム3の応力それぞれに正確に適合される熱輸送を実現することができる。
【0034】
第3の実施例の場合には、軸流方向Aにおいて延在しており且つ上述の2つの実施例に基づいて説明した通りの接続ダクト15が、プラットフォーム基部4に鋳込まれており、収集ダクト16と同様に、プラットフォーム取付部5によって部分的に形成されている。
【0035】
図8に表わすように、プラットフォーム取付部5は、プラットフォーム取付部5の冷却ダクト12及び接続ダクト14が接続ダクト15及び収集ダクト16に流通可能に接続されるように、プラットフォーム基部4に溶接されている。
【0036】
図8に表わす本発明における案内羽根1の第4の実施例は、第3の実施例に略対応している。唯一の相違点は、第4の実施例の場合には、軸流方向Aにおいて延在している接続ダクト15が、プラットフォーム基部4に突入しているので、プラットフォーム基部4によって完全に形成されている。
【0037】
本発明については、好ましい典型的な実施例に基づいて詳細に図解及び説明したが、本発明は、開示された実施例に限定される訳では無く、本発明の保護範囲から逸脱しない限り、当業者が想到可能な他の変形例も実施可能である。
【符号の説明】
【0038】
1 案内羽根
2 羽根ブレード
3 プラットフォーム
4 プラットフォーム基部
5 プラットフォーム取付部
5a U字状断面プレート
5b 終端プレート
6 (第1の)脚部
7 (第2の)脚部
8 (第1の)シールリップ
9 (第2の)シールリップ
10 (プラットフォーム3の)終端面
11 溝
12 冷却ダクト
13 (シールリップ8,9の)自由端
14 接続ダクト
15 接続ダクト
16 収集ダクト
17 脚部
18 ブレース
A 軸流方向
R 径方向