特許第6854924号(P6854924)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6854924
(24)【登録日】2021年3月18日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】拡散手段を有する排気ガス処理装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/04 20060101AFI20210329BHJP
   B01D 53/78 20060101ALI20210329BHJP
   B01D 53/92 20060101ALI20210329BHJP
   B01D 53/56 20060101ALI20210329BHJP
   B01D 53/50 20060101ALI20210329BHJP
   B01D 53/18 20060101ALI20210329BHJP
   B63H 21/32 20060101ALI20210329BHJP
   B63B 83/40 20200101ALN20210329BHJP
【FI】
   F01N3/04 A
   B01D53/78
   B01D53/92 215
   B01D53/92 331
   B01D53/56 200
   B01D53/92 224
   B01D53/50 200
   B01D53/18 150
   B63H21/32 Z
   B63H21/32 A
   !B63B83/40
【請求項の数】12
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2019-561945(P2019-561945)
(86)(22)【出願日】2018年5月10日
(65)【公表番号】特表2020-519806(P2020-519806A)
(43)【公表日】2020年7月2日
(86)【国際出願番号】KR2018005399
(87)【国際公開番号】WO2018208109
(87)【国際公開日】20181115
【審査請求日】2019年11月8日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0059585
(32)【優先日】2017年5月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514090153
【氏名又は名称】パンアジア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,スー−タエ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ス−キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン−ソプ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク,ケウン−ジエ
(72)【発明者】
【氏名】チン,ソン−ジェ
(72)【発明者】
【氏名】チョイ,ヨン−キ
【審査官】 菅野 京一
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06036756(US,A)
【文献】 特開2012−122469(JP,A)
【文献】 特表2016−514038(JP,A)
【文献】 特開2015−086726(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1635935(KR,B1)
【文献】 特表2011−523898(JP,A)
【文献】 韓国登録特許第10−1025294(KR,B1)
【文献】 特開2000−107540(JP,A)
【文献】 特開2003−144851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00−3/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機と、上記前処理機によって一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガス内の有害物質をさらに除去する後処理機を含み、
上記後処理機は、
上記前処理ガスが流入される前処理ガスの流入部と上記後処理機によって有害物質がさらに除去された後処理ガスが流出される後処理ガス流出部を有し、内部に上記前処理ガスの流動経路を形成する後処理機ハウジングと、
上記前処理ガス流入部の前方に離隔された状態で配置されて、上記前処理ガス流入部を通じて流入される前処理ガスを拡散させてくれる拡散手段を含み、
上記拡散手段は、上記前処理ガス流入部の前方を垂直にカバーするように配置された多数個の通孔が形成された胴体を含み、
上記胴体は、上記前処理ガス流入部に対向し上下に延長され、上端および下端が上記前処理ガス流入部側にそれぞれ上方向および下方向の傾きまたは屈曲する形で形成されたことを特徴とする拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項2】
上記胴体は前処理されたガスが通過する拡散部を備えることを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項3】
上記拡散手段は、上記前処理ガス流入部の前方に2以上連続して配置されたことを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項4】
上記前処理機は、
上記排気ガスが流入される排気ガス流入部と、上記前処理機で一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガスが流出される前処理ガス流出部を有し、内部に上記排気ガスの流動経路を形成する前処理機ハウジングと、
上記流動経路上の排気ガスが曲線型に流動するようにする撹拌手段を含むことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項5】
上記攪拌手段は、上記前処理機ハウジングの内部に上記流動経路をカバーし配置されるが、中央の胴体と、上記胴体に所定のねじれ角を持って放射状に結合された多数個の翼を含むことを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項6】
上記攪拌手段は、各上記翼の間に、上記排気ガスが各上記翼にぶつけずに通過できる空間部を形成することを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項7】
上記攪拌手段は、回転しないで固定されたことを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項8】
上記前処理機は、
上記排気ガス流入部と、上記撹拌手段との間に配置されて、上記排気ガス流入部を通じて流入された排気ガスに洗浄液を噴射する第1の前処理噴射手段と、
上記撹拌手段と、上記前処理ガス流出部との間に配置されて、上記攪拌手段を経て、上記流動経路を螺旋状に進行する排気ガスに洗浄液を噴射する第2の前処理噴射手段をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項9】
上記第1の前処理噴射手段は、上記第2の前処理噴射手段に比べて、上記洗浄液を微細な液滴の形に噴射することを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項10】
上記第1の前処理噴射手段は、上記洗浄液を粒径が100〜200μmである液滴の形に噴射することを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項11】
上記第2の前処理噴射手段は、上記洗浄液を粒径が500〜1,000μmである液滴の形に噴射することを特徴とする請求項10に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【請求項12】
上記拡散手段を有する排気ガス処理装置は、船舶に設置され、上記有害物質は硫黄酸化物(SOx)を含むことを特徴とする請求項に記載の拡散手段を有する排気ガス処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、拡散手段を有する排気ガス処理装置に関し、より詳細には、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機と、上記前処理機によって一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガス内の有害物質をさらに除去する後処理機を含むが、上記後処理機は、内部に流入される前処理ガスを拡散させてくれる拡散手段を含むことを特徴とする拡散手段を有する排気ガス処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代の船舶は、ほとんど自体動力と暖房のためのエンジンとボイラーなどを備えている。上記エンジンとボイラーなどを駆動するためには、燃料を焼くべきであるが、燃焼過程で発生する排気ガスには、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、PM(Particular Matter、粒子性物質)などの有害物質が含まれている。
【0003】
硫黄酸化物や窒素酸化物は、人体の粘膜に作用して呼吸器疾患を引き起こす可能性もあり、世界保健機関(WHO)傘下の国際がん研究所が1級発がん物質に指定した汚染物質でもある。また、上記SOxやNOxが空気中にそのまま放出されると、大気中の水分(H0)と反応して、それぞれ硫酸(HSO)、硝酸(HNO)になって酸性雨の主な原因になることもある。
【0004】
PMはガス状汚染物質に対比される小さな粒子の形態として排気ガス中のPMがそのまま大気中に放出されると、可視距離を減らす視程障害を起こしたり、微細な粒子が肺や呼吸器を介して人体に入って、様々な疾患を発生させることができる。最近、韓国内で問題になっている微細ホコリも、上記PMによるものとして、大気汚染の主な原因と見ることができる。
【0005】
したがって、これらの排気ガス中の有害物質に対する防止策が必要であるが、特に船舶の場合は、エンジンの出力規模が巨大で、乗用車の130倍に達する排気ガスを噴き出すことが知られているところ、膨大な量の有害物質の排出を防止するために、船舶の排気ガスに対する具体的かつ実体的な対策が要求される。
【0006】
これに、国際海事機関(International Maritime Organization、以下IMO)では、排出規制地域(Emission Control Area、以下ECA)を設定して、その海域内で有害物質の排出量を制限している。特に硫黄酸化物の排出規制地域(Sox Emission Control Area、以下SECA)はNOxなどの他の有害物質も一緒に規制する上記ECAより一層広範囲に規定して、強力な制裁を加えている。
【0007】
さらに、2015年1月1日からは規制をより強化して、上記SECAを通るすべての船舶に対して、環境汚染を引き起こす燃料内硫黄(Sulphur)含有率を0.1%に制限した(IMO 184(59))。上記SECAは2011年8月海洋汚染防止条約の修正を介して、既存のバルト海と北海地域から北米地域に拡大規定され、2016年4月1日からは中国近海も指定されるなど、これから続けて拡張されることになるので、船舶の硫黄酸化物の管理は、より重要になる見込みである。
【0008】
また、ECA以外世界中の海域でも、排気ガス内のSOx含有量を3.5%以下に規制していたことを、2016年10月28日に開催されたIMO総会で0.5%に下げる法案が通過されて、2020年から施行される予定であるところ、地域を問わず、硫黄酸化物の管理の必要性はさらに増大している。
【0009】
これらの国際的な規制を遵守するためにローサルファ(Low sulphur)を使用したり、硫黄酸化物の排出量が少ない天然ガスが燃料として使われるLNG推進船が用いられることもあるが、排出ガスの硫酸化物を削減するスクラッバー(Scrubber)を使用することもある。
【0010】
スクラッバーを用いて後処理工程を実行すると、硫黄含有率が比較的に高い低コストの燃料でも、上記規制らを満足させ、環境汚染を防止することができるので、経済的に有利である。このようにスクラッバーは、経済性と環境性の両方を満たすことができて、船舶だけでなく、発電所などでも使用されるほど汎用性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国登録特許公報US9,272,241号(2016.03.01.登録)“COMBINED CLEANING SYSTEM AND METHOD FOR REDUCTION OF SOX AND NOX IN EXHAUST GASES FROM A COMBUSTION ENGINE”
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
上記特許文献に示された発明は、排気ガス内のSOxおよびPMを吸収するためのスクラッバーを掲示している。上記スクラッバーは洗浄液でSOxをイオン化させるが、この際pH8.3前後である海水(Sea Water)を用いると、別のアルカリ性添加剤がなくてもイオン化された硫黄酸化物を中和させることができる利点がある。また、粒子性物質を凝集させて洗浄液の中に一緒に排出して大気中への放出を防止することもできる。
【0013】
しかし、上記発明は、スクラッバーを含む排気ガスおよび洗浄液の循環過程に対する概略図を示しているだけで、スクラッバー内部の具体的な形状と洗浄方法に対したことが言及していない。
【0014】
スクラッバーは、上下に非常に長い形を有しており、船舶の体積を多く占めて空間活用度面で非効率的であり、船舶の美観を害する。したがって、スクラッバーの高さを下げる方法に対する必要性が存在するが、上記文献にはこれらの問題点に対する解決策は、全く開示されていない。
【0015】
スクラッバー内に流入される排気ガスを処理機内に均等に分散させてこそ洗浄液を用いた作業効率が高まるが、上記先行文献には、これのための構成も存在しない。
【0016】
そして、洗浄液と排気ガスの混合が円滑に起きてこそ両者間の接触時間と接触面積が増え、洗浄作業がちゃんと行われることができるので、その混合方法は、スクラッバーの重要な性能中の一つとして見ることができるが、上記発明には、これに対する具体的な方案が公開されていない。
【0017】
また、排気ガスの排出過程でスクラッバーを通過する時に、洗浄のための海水噴射および構造物による経路妨害で圧力損失が発生するが、このような圧力損失は、数値化されてスクラッバーの性能を示す資料として使われるほどで重要な事項にもかかわらず、上記文献にはこれに対する方案も用意されていない。
【0018】
スクラッバー内に噴射された海水などの洗浄液が下に逆流して排気ガスが出てくるエンジンおよびボイラーなどへ流入される場合も、問題になったりするが、上記特許文献には、これに対する対策も記載されていない。
【0019】
エンジンやボイラーの負荷に応じて排出される排気ガスの量は可変的であるが、このような流動の変化を考慮せずに一括して洗浄液を噴射する上記特許発明は、作業において、効率性が落ちる問題点もある。
【0020】
排気ガス中の微細な洗浄液粒子を除去するためのデミスタ(気水分離器)などのフィルタは、長期間使用する場合、穴が詰まって掃除する必要があるが、これらのデミスタの洗浄のための方法も要求される。
【0021】
最後に、排気ガス中の有害物質を吸収した洗浄液が排気ガスの流動に沿って大気中へ放出される現象を防止する必要性も存在する。
【0022】
したがって、排気ガスの圧力損失を最小化しながら均等に分散させ、硫黄酸化物とPMを洗浄液と適切に混合して有害物質を効果的に除去して清浄ガスのみを排出しながらも、スクラッバーの体積を減らして空間活用度を高めることができ、エンジン負荷に応じて柔軟に適応して作業効率を向上させ、洗浄液のエンジン逆流を防止することができる排気ガス処理装置に対する必要性が台頭されている。
【0023】
本発明は、前述した従来技術の問題点を解決するためのもので、
本発明の目的は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機と、上記前処理機によって一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガス内の有害物質をさらに除去する後処理機を含むが、上記後処理機は、内部に流入される前処理ガスを拡散させてくれる拡散手段を含むことを特徴とする拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0024】
本発明の他の目的は、上記後処理機に前処理ガスが流入される前処理ガスの流入部の前方に離隔された状態に配置された拡散手段を介して後処理機の下部から前処理ガスの拡散が効率的に行われるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、上記拡散手段が、上記前処理ガス流入部の前方をカバーし配置されるが、上記前処理ガスが通過できる拡散部を有する胴体を介して前処理ガスの拡散が効率的に行われるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、上記前処理ガスが効率的に拡散することができるようにしてくれる形状の胴体を有する拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、上記後処理機へ前処理ガスが流入される前処理ガスの流入部の前方に2以上連続して配置された拡散手段を介して前処理ガスの拡散が効率的に行われるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0028】
本発明のさらに他の目的は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機の内部を流動する排気ガスの流動経路上に洗浄液が二重に噴射されるようにしてくれることによって改良された空間活用度と有害物質除去効率を発揮する拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機の内部を流動する排気ガスを撹拌手段を介して曲線型に流動するように作ってくれることによって改良された空間活用度と有害物質除去効率を発揮する拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、船舶に適用されて、上記船舶のエンジンやボイラーなどから排出される排気ガス内の硫黄酸化物(SOx)を含む有害物質を効率的に除去することができるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0031】
本発明は、先に見た目的を達成するために、次のような構成を有する実施例によって具現される。
【0032】
本発明の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機と、上記前処理機によって一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガス内の有害物質をさらに除去する後処理機を含み、上記後処理機は、上記前処理ガスが流入される前処理ガスの流入部と上記後処理機によって有害物質がさらに除去された後処理ガスが流出される後処理ガス流出部を有し、内部に上記前処理ガスの流動経路を形成する後処理機ハウジングと、上記前処理ガス流入部に隣接配置されて、上記前処理ガス流入部を通じて流入される前処理ガスを拡散させてくれる拡散手段を含む。
【0033】
本発明の他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記拡散手段は、上記後処理機ハウジングの内部のうち、上記前処理ガス流入部の前方に離隔された状態に配置されて、上記前処理ガスを、上記後処理機ハウジングの内部に拡散させてくれることを特徴とする。
【0034】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記拡散手段は、上記前処理ガス流入部の前方をカバーし配置されるが、上記前処理ガスが通過できる拡散部を有する胴体を含むことを特徴とする。
【0035】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記拡散部は、多数個の通孔を含むことを特徴とする。
【0036】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記胴体は、上記前処理ガス流入部の前方を垂直にカバーする形に形成されるが、上端および下端が上記前処理ガス流入部側にそれぞれ上方向および下方向の傾きまたは屈曲する形で形成されたことを特徴とする。
【0037】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記拡散手段は、上記前処理ガス流入部の前方に2以上連続して配置されたことを特徴とする。
【0038】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記前処理機は、上記排気ガスが流入される排気ガスの流入部と、上記前処理機で一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガスが流出される前処理ガス流出部を有し、内部に上記排気ガスの流動経路を形成する前処理機ハウジングと、上記流動経路上の排気ガスが曲線型で流動するようにする撹拌手段を含むことを特徴とする。
【0039】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記攪拌手段は、上記前処理機ハウジングの内部に上記流動経路をカバーし配置されるが、中央の胴体と、上記胴体に所定のねじれ角を持って放射状に結合された多数個の翼を含むことを特徴とする。
【0040】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記攪拌手段は、各上記翼の間に、上記排気ガスが各上記翼にぶつけずに通過できる空間部を形成することを特徴とする。
【0041】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記攪拌手段は、回転しないで固定されたことを特徴とする。
【0042】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記前処理機は、上記排気ガス流入部と、上記撹拌手段との間に配置されて、上記排気ガス流入部を通じて流入された排気ガスに洗浄液を噴射する第1の前処理噴射手段と、上記撹拌手段と、上記前処理ガス流出部との間に配置されて、上記攪拌手段を経て、上記流動経路を螺旋状に進行する排気ガスに洗浄液を噴射する第2の前処理噴射手段をさらに含むことを特徴とする。
【0043】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記第1の前処理噴射手段は、上記第2の前処理噴射手段に比べて、上記洗浄液を微細な液滴の形に噴射することを特徴とする。
【0044】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記第1の前処理噴射手段は、上記洗浄液を粒径が100〜200μmである液滴の形に噴射することを特徴とする。
【0045】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記第2の前処理噴射手段は、上記洗浄液を粒径が500〜1,000μmである液滴の形に噴射することを特徴とする。
【0046】
本発明のさらに他の一実施例によると、本発明の拡散手段を有する排気ガス処理装置は、上記拡散手段を有する排気ガス処理装置は船舶に設置され、上記有害物質は硫黄酸化物(SOx)を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0047】
本発明は、前述した構成を介して、次のような効果を有する。
【0048】
本発明は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機と、上記前処理機によって一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガス内の有害物質をさらに除去する後処理機を含むが、上記後処理機は、内部に流入される前処理ガスを拡散させてくれる拡散手段を含むことを特徴とする拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果がある。
【0049】
本発明は、上記後処理機へ前処理ガスが流入される前処理ガス流入部の前方に離隔された状態に配置された拡散手段を介して、後処理機の下部で前処理ガスの拡散が効率的に行われるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を有する。
【0050】
本発明は、上記拡散手段が、上記前処理ガス流入部の前方をカバーし配置されるが、上記前処理ガスが通過できる拡散部を有する胴体を介して前処理ガスの拡散が効率的に行われるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を発揮する。
【0051】
本発明は、上記前処理ガスが効率的に拡散することができるしてくれる形状の胴体を有する拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を示す。
【0052】
本発明は、上記後処理機へ前処理ガスが流入される前処理ガスの流入部の前方に2以上連続して配置された拡散手段を介して前処理ガスの拡散が効率的に行われるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を示す。
【0053】
本発明は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機の内部を流動する排気ガスの流動経路上に洗浄液が二重に噴射されるようにしてくれることによって改良された空間活用度と有害物質除去効率を発揮する拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を保有する。
【0054】
本発明は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する前処理機の内部を流動する排気ガスを撹拌手段を介して曲線型に流動するように作ってくれることによって改良された空間活用度と有害物質除去効率を発揮する拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を発現する。
【0055】
本発明は、船舶に適用されて、上記船舶のエンジンやボイラーなどから排出される排気ガス内の硫黄酸化物(SOx)を含む有害物質を効率的に除去することができるようにしてくれる拡散手段を有する排気ガス処理装置を提供する効果を与える。
【図面の簡単な説明】
【0056】
図1】本発明の一実施例による拡散手段を有する排気ガス処理装置の斜視図。
図2】本発明の一実施例による拡散手段を有する排気ガス処理装置の切開斜視図。
図3図1のA−A'断面図。
図4図3の断面で排気ガスの処理過程を示す参考図。
図5】前処理機の切開斜視図。
図6図5のA区間のa1−a1’端面図。
図7図5のA区間のa2−a2’端面図。
図8図5のB区間のb−b’端面図。
図9】撹拌手段の斜視図。
図10図5のC区間のc1−c1’端面図。
図11図5のC区間のc2−c2’端面図。
図12】後処理機の切開斜視図。
図13図12のD区間のd1−d1’端面図。
図14図12のD区間のd2−d2’端面図。
図15】拡散手段の斜視図。
図16】パッキン支持手段の斜視図。
図17図16のB-B’端面図。
図18図12のE区間のe1−e1’端面図。
図19図12のE区間のe2−e2’端面図。
図20図12のF区間のf−f’端面図。
図21図20での洗浄過程を示す参考図。
図22図12のG区間のg−g’断面斜視図。
図23図22での水滴遮断過程を示す参考図。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下では、本発明による拡散手段を有する排気ガス処理装置を、添付された図面を参照して詳細に説明する。特別な定義がない限り、本明細書のすべての用語は、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する技術者が理解する当該用語の一般的な意味と同じであり、もし本明細書に使用された用語の意味と矛盾する場合には、本明細書に使用された定義に従う。また、本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができる公知の機能および構成に対して詳細な説明は省略する。
【0058】
本発明の排気ガスというのは、エンジン、ボイラー等の燃焼装置を駆動するための燃料を燃焼する過程で発生するガスを意味し、上記排気ガス内の有害物質は、上記排気ガスに含まれた硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、PM(Particular Matter、粒子性物質)などを意味する。本発明による拡散手段を有する排気ガス処理装置は、船での排気ガスの処理を主な目的とするが、船舶にのみ適用されるもので用途が限定されるのではない。
【0059】
図1ないし図3を参照すると、本発明の一実施例による拡散手段を有する排気ガス処理装置は、前処理機(11)、連結部(12)、後処理機(13)を含む。
【0060】
図4を参照して、上記排気ガス処理装置で進行される排気ガスの処理過程を簡単に見てみると、以下の通りである。図4で太い矢印はガスの流れ、点線は噴射される洗浄液、細い矢印は排出される洗浄液を意味する。
【0061】
上記前処理機(11)は、燃焼によって生成された排気ガスが排気ガス流入部(1112)を介して流入されると、一次的に有害物質を削減された前処理ガスに作って作成前処理ガス流出部(1113)を介して排出する。上記連結部(12)は、上記前処理ガスを、上記後処理機(13)に移動させる。上記後処理機(13)は、前処理ガス流入部(1312)を介して流入された前処理ガスからさらに有害物質を除去して後処理ガス流出部(1313)を介して排出する。
【0062】
上記前処理機(11)から上記排気ガス内の有害物質を除去するために、上記前処理機(11)の洗浄液流入部(1114)へ流入されて使用された洗浄液および上記後処理機(13)で前処理ガスの有害物質を除去するために、上記後処理機(13)の洗浄液流入部(1314)に流入されて使用された洗浄液は、上記前処理機(11)および上記後処理機(13)の下部にそれぞれ形成された洗浄液流出部(1115、1315)を介して排出される。
【0063】
本発明が、船舶に適用される場合、上記洗浄液では、海水またはアルカリの添加剤が混合された淡水などが使用されることがあり、上記排気ガスは、上記船舶のエンジンまたはボイラーなどの燃焼過程で発生するもので、上記有害物質は硫黄酸化物(SOx)およびPMを意味することができる。
【0064】
上記前処理機(11)は、燃焼によって生成された排気ガスから一次的に有害物質を削減する役割を遂行する。図2ないし図5を介して確認することができるように、上記前処理機(11)は、前処理機ハウジング(111)、第1の前処理噴射手段(112)、攪拌手段(113)、第2の前処理噴射手段(114)を含む。
【0065】
上記前処理機ハウジング(111)は、上記前処理機(11)の外形を形成し、内部に上記排気ガスの流動経路を形成する部分である。上記前処理機ハウジング(111)は、内壁(1111)、排気ガス流入部(1112)、前処理ガス流出部(1113)、洗浄液流入部(1114)および洗浄液流出部(1115)を含む。図1ないし図5を参照すると、本発明の一実施例で、上記前処理機ハウジング(111)は、円筒形のタワーで形成されており、流入された排気ガスを、上記前処理機ハウジング(111)の上部から下部に移動させ、上記排気ガス内の有害物質が一次的に除去されることができる流動経路を形成する。
【0066】
上記内壁(1111)は、上記前処理機ハウジング(111)の内部に上記排気ガスの流動経路を形成する部分である。図2を参照すると、本発明の一実施例で、上記内壁(1111)は、上記前処理機ハウジング(111)の内部に上記排気ガスの流動経路を円筒状に形成している。
【0067】
上記排気ガス流入部(1112)は、上記前処理機ハウジング(111)の内部に排気ガスが流入する部分である。図2ないし図5を介して確認することができるように、上記排気ガス流入部(1112)は、上記前処理機ハウジング(111)の上端に形成されており、上記排気ガス流入部(1112)を介して流入された排気ガスは、上記内壁(1111)が形成する円筒状の流動経路に沿って下部に移動するようになる。
【0068】
上記前処理ガス流出部(1113)は、上記前処理機(11)で一次的に有害物質が除去された排気ガスである前処理ガスが排出される部分である。図2ないし図5を介して確認することができるように、上記前処理ガス流出部(1113)は、上記前処理機ハウジング(111)の下部一側に形成されており、上記前処理ガス流出部(1113)を介して排出される前処理ガスは、上記連結部(12)を介して、上記後処理機(13)に移動するようになる。
【0069】
上記洗浄液流入部(1114)は、上記前処理機(11)の内部から噴射されるための洗浄液が流入される部分である。図5を介して確認することができるように、上記洗浄液流入部(1114)は、後述する第1の前処理噴射手段(112)および第2の前処理噴射手段(114)にそれぞれ接続または形成されている。
【0070】
上記洗浄液流出部(1115)は、上記排気ガス流入部(1112)を介して、上記前処理機ハウジング(111)の内部へ流入された排気ガスの有害物質除去のために、上記第1の前処理噴射手段(112)および上記第2の前処理噴射手段(114)によって噴射された洗浄液が排出される部分である。図2ないし図5に示したように、上記洗浄液流出部(1114)は、上記前処理機ハウジング(111)の下端に形成されているが、上記洗浄液流出部(1114)を介して、上記第1の前処理噴射手段(112)および上記第2の前処理噴射手段(114)によって噴射された洗浄液が、上記排気ガス内の有害物質を捕集して、上記前処理機ハウジング(111)の下端に移動して、外部に排出されることができるようになる。上記洗浄液の円滑な排出のため、上記前処理機ハウジング(111)の下端は、上記洗浄液流出部(1114)を向けて収束される形で形成されることが望ましい。
【0071】
上記第1の前処理噴射手段(112)は、上記前処理機ハウジング(111)の内部中の上記排気ガス流入部(1112)付近に配置されて、上記排気ガス流入部(1112)を介して流入された排気ガスに洗浄液を噴射する部分である。上記洗浄液としては、前述したように、海水、アルカリ添加剤が混合された淡水などが使用されることができる。
【0072】
上記第1の前処理噴射手段(112)は、上記排気ガス流入部(1112)を介して流入された排気ガスを冷却させてくれる。上記ガス流入部(1112)を介して流入された排気ガスは、一般的に250〜350°Cの温度を有するが、上記第1の前処理噴射手段(112)が噴射する洗浄液によって、50〜60°Cもその温度が降り、体積が減ることになる。
【0073】
また、上記第1の前処理噴射手段(112)は、上記排気ガス内の有害物質、その中でも、特に、PMが洗浄液によって一次的に捕集されることができるようにしてくれる。上記第1の前処理噴射手段(112)が噴射した洗浄液と接触した排気ガスは、上記攪拌手段(113)を経て、その流動経路が直線から螺旋状に変わることになり、後述する第2の前処理噴射手段(114)が噴射する洗浄液と接触するようになる。これにより、上記第1の前処理噴射手段(112)が噴射して有害物質を捕集した洗浄液は、その大きさが増加することになって、重力によって上記前処理機ハウジング(111)の下部に移動するようになる。
【0074】
上記第1の前処理噴射手段(112)は、上記第2の前処理噴射手段(114)に比べて、上記洗浄液を微細な液滴の形に噴射することを特徴とすることが望ましい。具体的に、上記第1の前処理噴射手段(112)は、上記洗浄液を粒径が100〜200μmである液滴の形に噴射することを特徴とすることができる。上記排気ガスの有害物質中のPMは、粒径が0.1〜0.5μm程度であるが、上記洗浄液が粒径が100〜200μmである液滴の形に噴射される場合、上記PMを効率的に凝集して洗浄液内に固まるようにするのに効率的である。
【0075】
図6および図7を参照すると、本発明の一実施例で、上記第1の前処理噴射手段(112)は、棒状噴射胴体(1121)と、上記噴射胴体(1121)の一端部に形成された噴射口(1122)を含んでおり、上記噴射胴体(1121)は、洗浄液供給手段(図示せず)から、上記洗浄液流入部(1114)を介して洗浄液と圧縮空気の供給を受けることができる。上記噴射胴体(1121)は、洗浄液を圧縮空気と共に供給されて、上記噴射口(1122)に伝達し、上記噴射口(1122)は、洗浄液を上記排気ガスに向けて噴射する。
【0076】
一方、上記第1の前処理噴射手段(112)は、上記前処理機ハウジング(111)の内壁(1111)によって形成された排気ガスの流動経路上に上記排気ガスの進行方向と垂直な断面に水平に配置されるが、上記内壁(1111)で一定角度の間隔に上記流動経路の中心を向けてそれぞれ突出して多数個が配置されている。このような配置を介して、上記排気ガス流入部(1112)に流入されて、上記攪拌手段(113)の方に進行する排気ガスに効率的に洗浄液が噴射されるようにすることができる。
【0077】
上記第1の前処理噴射手段(112)の具体的な形態と配置などは、上記第1の前処理噴射手段(112)の噴射容量および上記前処理機(11)の全体的な長さの設計などによって変わることができる。
【0078】
上記攪拌手段(113)は、上記前処理機ハウジング(111)の内部のうち、上記第1の前処理噴射手段(112)および上記第2の前処理噴射手段(114)の間に配置されて、上記流動経路上の排気ガスが曲線型、好ましくは螺旋状に流動するようにしてくれる役割を実行する部分である。本発明の一実施例で、上記前処理機ハウジング(111)は、上部から下部に垂直下方向の排気ガス流動経路を形成するが、上記攪拌手段(113)は、上記排気ガス流入部(1112)を介して流入されて直線下方向に進行する排気ガスの流れを曲線型、好ましくは螺旋状に変えてくれる。
【0079】
上記攪拌手段(113)によって、上記排気ガスの流動経路上での流れが直線から曲線型に変わる場合、上記流動経路が長くなり、その結果、上記第2の前処理噴射手段(114)によって噴射される洗浄液との接触時間が増えることになる。これにより、上記排気ガスから上記PMや上記SOx等の有害物質が上記洗浄液によって捕獲される割合が高くなる。したがって、上記攪拌手段(113)は、上記排気ガス流入部(1112)と隣接して配置されることが望ましい。
【0080】
このように、上記攪拌手段(113)を介して、上記前処理機ハウジング(111)の内部空間に比べて排気ガス内の有害物質除去時間を向上させることができるようになり、上記前処理機(11)の高さを増やさなくても、またはよりさらにその高さを減らしても、排気ガス内の有害物質除去効率を向上させることができるようになる。その結果、設備の小型化が可能になる。
【0081】
図8および図9を参照すると、上記攪拌手段(113)は、上記流動経路をカバーし配置されるが、中央の胴体(1131)、多数の翼(1132)および空間部(1133)を含んでおり、上記翼(1132)の外側に結合されたフランジ部(1134)によって、上記前処理機ハウジング(111)の内壁(1111)に形成された段差(1111a)に安着されて配置されている。必要に応じて、上記攪拌手段(113)は、上記前処理機ハウジング(111)の内壁(1111)に溶接などの方法を介して結合される形態に配置されることもできる。
【0082】
上記胴体(1131)は、上記攪拌手段(113)の中心になる部分であり、上記翼(1132)は、上記胴体(1131)に所定のねじれ角を持って放射状に結合されている。また、上記空間部(1133)は、各上記翼(1132)の間に、上記排気ガスが各上記翼(1132)にぶつけずに通過できる空間を形成する部分である。
【0083】
図8に示されたように、本発明の一実施例で、上記攪拌手段(113)は、上記胴体(1131)の外側面に沿って、30°間隔に6つの翼(1132)が一定の角度ねじれて結合されており、各上記翼(1132)の間に、上記空間部(1133)が形成されていることを特徴とする。
【0084】
上記攪拌手段(113)が、このように構成されている場合、上記攪拌手段(113)を通過した排気ガスの流れが螺旋状に形成されるが、上記前処理機ハウジング(111)の内壁(1111)によって形成される排気ガスの流動経路の移動方向の中心に沿って対称的な形で形成されることができるようになり、その流れがスムーズになり、上記第1の前処理噴射手段(112)および上記第2の前処理噴射手段(114)が噴射される洗浄液によって捕獲された排気ガス内の有害物質が上記ハウジング(111)の内壁(1111)に沿って流れ落ちることができるようになる。
【0085】
一方、各上記翼(1132)の間に、上記空間部(1133)が表示されない場合、上記排気ガス流入部(1112)を介して流入された排気ガスが上記攪拌手段(113)を通過するとき、過度な圧力損失を受けることになるので、上記排気ガスの流れの面で望ましくない。
【0086】
また、上記攪拌手段(113)は、回転しないで固定されたことを特徴とすることが望ましい。これは、上記排気ガス流入部(1112)を介して流入される排気ガスは、一般的に、上記前処理ガス流出部(1113)を向けた液体供給速度は十分に備えているので、上記流動経路上の排気ガスに別の直進エネルギーを供給する必要がないからである。
【0087】
上記第2の前処理噴射手段(114)は、上記前処理機ハウジング(111)の内部中の上記攪拌手段(113)と、上記前処理ガス流出部(1113)との間に配置されて、上記攪拌手段(113)を経て、上記流動経路を螺旋状に進行する排気ガスに洗浄液を噴射する部分である。
【0088】
上記第2の前処理噴射手段(114)は、上記攪拌手段(113)を経て、上記前処理機ハウジング(111)の下部に位置する前処理ガス流出部(1113)を向けて湾曲型、好ましくは、螺旋状に進行する排気ガスに洗浄液をさらに噴射することにより、上記第1の前処理噴射手段(112)によって噴射されて排気ガス内に含まれたPMなどの有害物質を捕集した状態である洗浄液の凝集を誘導することにより、その大きさを一層大きく作ってくれて、上記前処理機ハウジング(111)の内壁(1111)に沿って流れ落ちたり、上記前処理機ハウジング(111)の下部に、効率的に落下するようにしてくれる。
【0089】
上記第2の前処理噴射手段(114)は、上記のように、上記第1の前処理噴射手段(112)によって噴射されて、排気ガス内のPMなどの有害物質を捕集した状態である洗浄液のサイズを増加させてくれるために、上記第1の前処理噴射手段(112)が噴射する洗浄液に比べて、その粒径が大きい洗浄液を噴射してくれることが望ましい。具体的に、上記第2の前処理噴射手段(114)は、上記洗浄液を粒径が500〜1,000μmである液滴の形に噴射することが望ましい。
【0090】
図10および図11を参照すると、本発明の一実施例で、上記第2の前処理噴射手段(114)は、棒状の噴射胴体(1141)と、上記噴射胴体(1141)から一定の間隔に並んで分枝された多数個の噴射台(1142)と、各上記噴射台(1142)に一定の間隔に形成された多数の噴射口(1143)を含んでいる。上記噴射胴体(1141)は、洗浄液供給手段(図示せず)から、上記洗浄液流入部(1114)を介して洗浄液と圧縮空気の供給を受けることができる。上記噴射胴体(1141)は、洗浄液を圧縮空気と一緒に供給されて、各上記噴射台(1142)へ伝達し、上記噴射口(1143)は、洗浄液を上記排気ガスに向けて噴射する。
【0091】
上記第2の前処理噴射手段(114)は、上記第1の前処理噴射手段(112)に比べて、上記洗浄液を噴射する噴射口(1143)が、一層細かく配置された構造を形成しているが、これは上記攪拌手段(113)を経て、上記流動経路を螺旋状に進行している排気ガスを向けて死角領域なしに、洗浄液を均等に噴射することに有利であるからである。
【0092】
上記第1の前処理噴射手段(112)と関連して前述したように、上記第2の前処理噴射手段(114)の具体的な形態と配置なども、上記第2の前処理噴射手段(114)の噴射用量および上記前処理機(11)の全体的な長さの設計などにより、変わることができる。
【0093】
上記連結部(12)は、上記前処理機(11)から一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理機ガスを上記後処理機(13)に移動させてくれる部分である。図2ないし図4を参照すると、上記連結部(12)は、一端が上記前処理機ハウジング(111)の前処理ガス流出部(1113)と連通され、他端が上記後処理機ハウジング(131)の前処理ガス流入部(1312)と連通された通路を含む。
【0094】
上記後処理機(13)は、上記前処理機(11)によって一次的に有害物質が削減された排気ガスである前処理ガス内の有害物質をさらに除去する役割を遂行する。図1ないし図4および図12を参照すると、上記後処理機(13)は、後処理機ハウジング(131)、拡散手段(132)、パッキン(133)、パッキン支持手段(134)、第1の後処理噴射手段(135)、第2の後処理噴射手段(136)、気水分離手段(137)、洗浄手段(138)、水滴遮断手段(139)を含む。
【0095】
上記後処理機ハウジング(131)は、上記後処理機(13)の外形を形成し、内部に上記前処理ガスの流動経路を形成する部分である。上記後処理機ハウジング(131)は、内壁(1311)、前処理ガス流入部(1312)、後処理ガス流出部(1313)および洗浄液流出部(1315)を含む。図2及び図12に示したように、本発明の一実施例で、上記後処理機ハウジング(131)は、円筒形の塔に形成されており、下部一側を介して流入した前処理ガスを上方向に移動させ、上記前処理ガス内の有害物質がさらに除去されることができる流動経路を形成する。
【0096】
上記内壁(1311)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部に、上記前処理ガスの流動経路を形成する部分である。図2及び図12を参照すると、上記内壁(1311)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部に上記排気ガスの流動経路を円筒状に形成している。
【0097】
上記前処理ガス流入部(1312)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部に前処理ガスが流入される部分である。図2ないし図4および図12に示したように、上記前処理ガス流入部(1312)は、上記後処理機ハウジング(131)の下部一側に形成されており、上記前処理ガス流入部(1312)を介して流入された前処理ガスは、上記内壁(1311)が形成する円筒状の流動経路に沿って上部に移動することになる。
【0098】
上記後処理ガス流出部(1313)は、上記後処理機(13)からさらに有害物質が除去された前処理ガスである後処理ガスが排出される部分である。図2ないし図4および図12に示したように、上記後処理ガス流出部(1313)は、上記後処理機ハウジング(131)の上部に形成されており、上記後処理ガス流出部(1313)を介して排出される後処理ガスは、排気ガスから有害物質の除去が上記前処理機(11)および上記後処理機(13)からなるもので、大気中に放出されることができる。
【0099】
上記洗浄液流入部(1314)は、上記後処理機(13)の内部から噴射されるための洗浄液が流入される部分である。図2及び図12を介して確認できるように、上記洗浄液流入部(1314)は、後述する第1の後処理噴射手段(135)、第2の後処理噴射手段(136)および洗浄手段(138)にそれぞれ接続または形成されている。
【0100】
上記洗浄液流出部(1315)は、上記前処理ガス流入部(1312)を介して、上記後処理機ハウジング(131)の内部に流入された前処理ガス内の有害物質除去をするために、上記第1の後処理噴射手段(135)または上記第2の後処理噴射手段(136)による噴射された洗浄液が排出される部分である。図2ないし図4および図12を介して確認することができるように、上記洗浄液流出部(1315)は、上記後処理機ハウジング(131)の下端に形成されているが、上記洗浄液流出部(1315)を介して、上記第1の後処理噴射手段(135)および上記第2の後処理噴射手段(136)によって噴射された洗浄液が、上記前処理ガス内の有害物質を捕集して、上記後処理機ハウジング(131)の下端に移動して、外部に排出されることができるようになっている。上記洗浄液の円滑な排出のため、上記後処理機ハウジング(131)の下端は、上記洗浄液流出部(1315)に向けて収束される形で形成されることが望ましい。
【0101】
上記拡散手段(132)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部中の上記前処理ガス流入部(1312)に隣接配置されて、上記前処理ガス流入部(1312)を介して流入される前処理ガスを拡散させてくれる部分である。図13ないし図15を参照すると、上記拡散手段(132)は、上記前処理ガス流入部(1312)の前方に離隔された状態に配置されているが、胴体(1321)および締結部(1322)を含んでいる。
【0102】
上記胴体(1321)は、上記前処理ガス流入部(1312)の前方をカバーし配置されるが、上記前処理ガスが通過できる拡散部(1321a)を有する部材である。上記胴体(1321)は、板状部材で形成されることができる。図14及び図15に示されたように、上記胴体(1321)は、全体的には、上記前処理ガス流入部(1312)の前方を垂直にカバーする形で形成され、上記胴体(1321)の上端と下端が上記前処理ガス流入部(1312)側に傾斜または屈曲される形で形成されることができる。
【0103】
もう少し詳細に見てみると、上記胴体(1321)の上端は、上記前処理ガス流入部(1312)側に上方向に傾斜建て形成され、上記胴体(1321)の下端は、上記前処理ガス流入部(1312)側に下方向に傾斜建て形成されている。上記胴体(1321)のこのような形状を介して上記前処理ガス流入部(1312)を介して流入される前処理ガスが前方および上下部に均等に拡散されることができるようになる。上記胴体(1321)は、上端と下壇のみが傾斜または屈曲される形態ではなく、全体的に屈曲される形に形成されることもできる。
【0104】
上記拡散部(1321a)は、多数個の通孔を含むことができる。しかし、上記拡散部(1321a)は、均一に形成された多数個の通孔で形成されることができる。しかし、上記拡散部(1321a)が通孔に限定されるものではなく、上記拡散部(1321a)は、スリットなどの形態からなることもできる。
【0105】
上記胴体(1321)の面積や形状、上記拡散部(1321a)の大きさや形態、個数などは、上記後処理機(13)の処理容量などに応じて異なることができる。
【0106】
上記締結部(1322)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部に形成された固定部(1311b)に締結されることにより、上記拡散手段(132)が、上記後処理機ハウジング(131)の内部に固定されることができるようにしてくれる部分である。図13および図14を参照すると、上記締結部(1322)は、上記胴体(1321)の左右側端から上記前処理ガス流入部(1312)側に垂直延長または曲げされた形で形成されているが、ボルトなどの締結手段により上記後処理機ハウジング(131)の内部に形成された固定部(1311b)に締結されることにより、上記拡散手段(132)が、上記後処理機ハウジング(131)の内部に固定されることができるようにしてくれる。
【0107】
上記前処理機(11)によって一次的に有害物質の削減が行われた排気ガスである前処理ガスは、上記攪拌手段(113)によって、その流動経路が螺旋状に変更された状態であるため、上記前処理ガス流出部(1312)に流出されて、上記連結部(12)を経て、上記前処理ガス流入部(1312)へ流入されるときにも、ある程度の回転エネルギーを持っている状態である。したがって、上記後処理機ハウジング(131)の内部に進入しながら、上記後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)の中、上記前処理ガス流入部(1312)側へその流れが集中されるようになり、上記後処理機ハウジング(131)の内部に形成された前処理ガスの流動経路に均一に分散されることができない。
【0108】
上記拡散手段(132)は、上記前処理ガスが上記後処理機ハウジング(131)の内部に流入されるときの断面積を狭くして、ノズルのような役割を遂行することにより、上記前処理ガスが上記後処理機ハウジング(131)の内部に均一に拡散することができるようにしてくれる。これにより、上記前処理ガスが上記後処理機ハウジング(131)の内部に形成された前処理ガスの流動経路上に均等に分散されることができるようになる。すなわち、上記拡散手段(132)を介して、上記パッキン(133)に流入される前処理ガスを均等に分散されるようして、上記パッキン(133)からの前処理ガスのSOxの吸収効率を向上させることができるようになり、他の有害物質の捕集効率も向上させることができるようになる。
【0109】
一方、図13及び図14に示されたように、上記拡散手段(132)は、上記前処理ガス流入部(1312)の前方に2つが連続して配置されているが、これにより、上記拡散手段(132)による拡散がより均一に行われるようにすることができる。
【0110】
上記パッキン(packing、133)は、後から説明する第1の後処理噴射手段(135)および第2の後処理噴射手段(136)が噴射する洗浄液と上記前処理ガスの接触面積を大きく作ってくれるための部分である。上記パッキン(133)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部中、上記拡散手段(132)の上部、上記前処理ガスの流動経路上に配置されて、上記前処理ガスと上記洗浄液の気/液接触面積を増やすことにより海水またはアルカリ添加剤を含有した淡水などからなる洗浄液を通じた上記前処理ガス内の有害物質であるSOxの溶解がスムーズに行われることができるようにしてくれる。
【0111】
上記パッキン(133)の多数の充填材が集まっている構造をなすが、上記充填材は、鉄鋼(steel)、セラミック、プラスチック材料などで作られたものが使用されることができる。また、上記パッキン(133)の形状は、一定のパターンがなく、充填材が集まっているランダム(random)パッキンと一定のパターンがあるストラクチャード(structured)パッキンなどが適用されることができる。上記パッキン(133)は、上記後処理機(13)の処理容量および長さの設計などに応じて、その種類と形状は異なることができる。
【0112】
上記パッキン支持手段(134)は、上記パッキン(133)を下部から支持してくれるが、上記前処理ガスを拡散させてくれる部分である。図16および図17を参照すると、上記パッキン支持手段(134)は、上記前処理ガスの流動経路をカバーし、上記後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)に内側に突出形成された段差(1311a)に、その枠部分が安着され、上部に置かれるパッキン(133)を支持する。本発明で、上記パッキン支持手段(134)は、上記前処理ガスを、上記パッキン(133)の下部から拡散させてくれる拡散機能を持っていることを特徴とする。
【0113】
上記パッキン支持手段(134)は、上記前処理ガスが通過することができるように形成された貫通部(134a)および上記パッキンを支持する支持部(134b)を含んでいる。具体的に、上記支持部(134b)は交差構造を有するストランドであり、上記貫通部(134a)は、上記支持部(134b)によって形成された通孔で形成されたことを特徴とする。すなわち、上記パッキン支持手段(134)は、交差構造を有する支持部(134b)によってメッシュ構造の貫通部(134a)を形成している。これらのメッシュ構造を介して抵抗を下げることで、上記前処理ガスの圧力損失を低減することができる。
【0114】
上記パッキン支持手段(134)は、上記拡散部(134a)の割合、すなわち、メッシュ構造の通孔の割合を増やすことで、一般的なメッシュ構造に比べて、上記前処理ガスの通過面積を増加させて前処理ガスの圧力損失を最小化することが好ましいが、具体的に、上記拡散部(134a)の面積と、上記支持部(134b)の垂直投影面積が2〜4対1程度に形成されることが望ましい。
【0115】
一方、図16に示されたように、上記支持部(134b)は、少なくとも一部がねじれた構造を有することを特徴とすることが望ましい。上記支持部(134b)がこのようにねじれた構造を有する場合、上記貫通部(134a)を通過する前処理ガス中の上記支持部(134b)にぶつかる前処理ガスは、上記ねじれた方向に沿って、その進行方向を転換することになる。その結果、上記前処理ガスがより広範囲に拡散することができるようになり、さらに均一で活発な前処理ガスの分散および拡散が行われるようになる。
【0116】
本発明で、上記パッキン支持手段(134)は、単に、上記パッキン(133)を支持する役割にとどまらず、上記パッキン(133)に流入される前処理ガスを、上記パッキン(133)の下部全体面積に均一に分散されるようにしてくれる。その結果、上記パッキン支持手段(134)を介して、上記パッキン(133)からの前処理ガスのSOxの吸収効率を向上させることができるようになり、他の有害物質の捕集効率も向上させることができるようになる。
【0117】
また一方、上記パッキン支持手段(134)は、山部(1341)と谷間部(1342)が連続して並んで続く屈曲構造を有することが望ましい。並んで連続して続く屈曲構造は、断面積比支持力を向上させてくれるので、上記パッキン(133)が、上記山部(1341)によって、より安定的に支持されることができるようにしてくれる。よりさらに、これらの構造は、上記パッキン(133)に向けて進行する前処理ガスの圧力が上記パッキン支持手段(134)に均一に分散されることができるようしてくれることで、上記パッキン(133)の下部から上記パッキン(133)に向けて流動する前処理ガスが上記パッキン(133)の下部に全体的に均一に拡散されるように作ってくれる。
【0118】
上記第1の後処理噴射手段(135)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部中の上記前処理ガスの流動経路上に配置されて、上記前処理ガスに向けて洗浄液を噴射する部分である。上記第1の後処理噴射手段(135)は、上記パッキン(133)の上部に配置されて、上記パッキン(133)に向けて洗浄液を噴射する。
【0119】
図12図18および図19を参照すると、本発明の一実施例で、上記第1の後処理噴射手段(135)は、棒状の噴射胴体(1351)と、上記噴射胴体(1351)から一定の間隔に並んで分枝された多数個の噴射台(1352)と、各上記噴射台(1352)に一定の間隔に形成された多数個の噴射口(1353)を含んでおり、上記噴射胴体(1351)を介して、各上記噴射台(1352)に洗浄液と圧縮空気を供給する洗浄液供給手段(図示せず)をさらに含むことができる。上記洗浄液供給手段(図示せず)が供給する洗浄液および圧縮空気は、上記洗浄液流入部(1314)を介して、上記噴射胴体(1351)に供給される。上記噴射胴体(1351)は、洗浄液を圧縮空気と共に供給されて、各上記噴射台(1352)に伝達し、上記噴射口(1353)は、洗浄液を上記排気ガスに向けて噴射する。
【0120】
上記第1の後処理噴射手段(135)の具体的な形態と配置などは、上記第1の後処理噴射手段(135)の噴射用量および上記後処理機(13)の全体的な長さの設計などにより変わることができる。
【0121】
上記第2の後処理噴射手段(136)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部中の上記前処理ガスの流動経路上に配置されて、上記前処理ガスに向けて洗浄液を噴射するが、上記第1の後処理噴射手段(135)と独立的に作動することを特徴とする。これらの独立的な作動は、図19に示されたような制御部(C)の制御によって行われることができる。上記制御部(C)は、上記第1の後処理噴射手段(135)および上記第2の後処理噴射手段(136)の洗浄液噴射が独立的に行われるように制御を行う。
【0122】
図12図18および図19を参照すると、本発明の一実施例で、上記第2の後処理噴射手段(136)は、棒状の噴射胴体(1361)と、上記噴射胴体(1361)から一定の間隔に並んで分枝された多数個の噴射台(1362)と、各上記噴射台(1362)に一定の間隔に形成された多数個の噴射口(1363)を含んでおり、上記噴射胴体(1361)を介して、各上記噴射台(1362)に洗浄液と圧縮空気を供給する洗浄液供給手段(図示せず)をさらに含むことができる。上記洗浄液供給手段(図示せず)が供給する洗浄液および圧縮空気は、上記洗浄液流入部(1314)を介して、上記噴射胴体(1361)に供給される。上記噴射胴体(1361)は、洗浄液を圧縮空気と一緒に供給されて、各上記噴射台(1362)に伝達し、上記噴射口(1363)は、洗浄液を上記排気ガスに向けて噴射する。
【0123】
上記第2の後処理噴射手段(136)の具体的な形態と配置などは、上記第1の後処理噴射手段(135)と関連して説明したように、上記第2の後処理噴射手段(136)の噴射用量および上記後処理機(13)の全体的な長さの設計などにより変わることができる。
【0124】
上記第2の後処理噴射手段(136)が、上記第1の後処理噴射手段(135)とは独立的に作動するということは、上記第2の後処理噴射手段(136)は、上記第1の後処理噴射手段(135)と選択的にまたは同時に洗浄液を噴射することができることを意味する。したがって、エンジンの負荷に応じて燃焼によって生成された排気ガスおよび上記前処理機(11)から流入される前処理ガスの量が変化するとき、それに対応して、適切な洗浄液の噴射が行われるようにすることができるようになって、その結果、上記後処理機(13)の経済的な作動が行われるようになる。
【0125】
上記第2の後処理噴射手段(136)は、上記第1の後処理噴射手段(135)の上部に一定間隔離隔されて配置されている。上記第2の後処理噴射手段(136)と、上記第1の後処理噴射手段(135)が、上記前処理ガスの流動経路のうち、同一の水平面上に配置される場合、上記前処理ガスの流動を妨害する抵抗が大きくなるので、上記第2の後処理噴射手段(136)と、上記第1の後処理噴射手段(135)は、このように、互いに異なる高さに配置されることが望ましい。
【0126】
また、よりさらに上記第1の後処理噴射手段(135)と、上記第2の後処理噴射手段(136)は、互いに異なる高さに配置されながらも、上記前処理ガスの流動経路上に垂直投影時、互いに交差する形で配置されることがより好ましい。このような配置を介して、上記前処理ガス流動経路上の前処理ガスに死角領域なしに、均一に洗浄液が噴射されることができるようになり、前処理ガス内の有害物質の除去がより効率的に行われることができるようになる。
【0127】
ここで、上記第1の後処理噴射手段(135)および上記第2の後処理噴射手段(136)が噴射する洗浄液を使用して、上記前処理ガス内の有害物質が除去されるメカニズムを調べてみると、以下の通りである。
【0128】
上記前処理ガスは、酸性物質である硫黄酸化物(SOx)やPMなどの有害物質を含むが、上記第1の後処理噴射手段(135)および上記第2の後処理噴射手段(136)は、このような有害物質を中和ないしは凝集して除去するために洗浄液を噴射する。一般的に、0.1〜0.5μmのPMが先に微細水滴(100〜200μm)によって凝集されて、サイズが大きくなる。また、酸性の硫黄酸化物(SOx)を中和させるために塩基性の洗浄液が必要であるが、淡水を使用する場合には、別のアルカリ性添加剤を入れて中和反応を誘導する。
【0129】
この際、上記アルカリ性添加剤は、NaOH(水酸化ナトリウム)、NaCO(炭酸ナトリウム)またはNaHCO(重炭酸ナトリウム)などが可能である。NaOHを添加した洗浄液による硫黄酸化物(SOx)の中和反応は、以下の通りである。
【0130】
【化1】
【0131】
しかし、前述したように、本発明が船舶に適用される場合には、塩水である海水(Sea Water)を洗浄液として使用することもできる。一般的に、海水は塩化ナトリウム(NaCl)、塩化マグネシウム(MgCl)、塩化カリウム(KCl)などの塩分を含むが、これらが溶けて生じるCl、SO2−、Brなどの陰イオンによりpHが7.8〜8.3程度である弱塩基性を持つようになる。したがって、これらの海水を洗浄液として使用すると、別のアルカリ性添加剤の投入がなくても硫黄酸化物(SOx)の中和が可能な利点がある。
【0132】
この際、海水による中和反応式は次のようであるが、まず気体状態の二酸化硫黄(SO)水と混合される。
【0133】
【化2】
【0134】
以下に、海水内の塩基と反応するようになるが、これは次の通りである。
【0135】
【化3】
【0136】
【化4】
【0137】
つまり、二酸化硫黄が海水に吸収されて、上記反応を経て硫酸塩になる。
【0138】
上記気水分離手段(137)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部中の上記第2の後処理噴射手段(136)の上部に配置されて、上記第2の後処理噴射手段(136)を経て、上記前処理ガスの流動経路を流動する微細液滴を分離する役割を実行する部分である。上記気水分離手段(137)は、上記後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)に内側に突出形成された段差(1311a)に、その枠部分が安着される方式などを介して配置される。
【0139】
上記気水分離手段(137)は、上記前処理ガスと洗浄液が会って生成されるエアロゾル形態の液滴またはミスト(mist)を分離、ろ過、回収する役割を実行するが、垂直方向の断面がジグザグ形で表示されるブレード(blade)が一定の間隔に多数個配置される形態で構成されることができる。この他にも、上記気水分離手段(137)は、上記後処理機(13)の設計や温度および化学的な特性などにより、具体的な形態などが異なることができる。
【0140】
上記洗浄手段(138)は、上記後処理機ハウジング(131)の内部中の上記第2の後処理噴射手段(136)の上部および上記気水分離手段(137)の下部に配置されて、上記気水分離手段(137)を向けて洗浄液を噴射する部分である。
【0141】
図12図20および図21を参照すると、本発明の一実施例で、上記洗浄手段(138)は、棒状の噴射胴体(1381)と、上記噴射胴体(1381)から一定の間隔に並んで分枝された多数個の噴射台(1382)と、各上記噴射台(1382)に一定の間隔に形成された多数個の噴射口(1383)を含んでおり、上記噴射胴体(1381)を介して、各上記噴射台(1382)に洗浄液と圧縮空気を供給する洗浄液供給手段(図示せず)をさらに含むことができる。上記洗浄液供給手段(図示せず)が供給する洗浄液および圧縮空気は、上記洗浄液流入部(1314)を介して、上記噴射胴体(1381)に供給される。上記噴射胴体(1381)は、洗浄液を圧縮空気と一緒に供給を受けて、各上記噴射台(1382)に伝達して、上記噴射口(1383)は、洗浄液を上記気水分離手段(137)に向けて噴射する。
【0142】
上記気水分離手段(136)は、前処理ガス内のPMなどのような有害物質を捕集した状態の微細液滴またはミストを分離、ろ過、回収する過程で汚染されたり閉塞されることがあるが、上記洗浄手段(138)は、上記気水分離手段(137)が洗浄液によって洗浄されるようにしてくれることで、上記気水分離手段(136)の汚染および閉塞を防止してくれる。
【0143】
また、上記洗浄手段(138)は、洗浄液を噴射して、上記気水分離手段(137)によって分離された微細液滴またはミストのサイズを増やすことで、有害物質を捕集した微細液滴またはミストが大きな液滴になって上記後処理機ハウジング(131)の下部に、効率的に落下したり、上記後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)に沿って下部に流れ落ちることができるようにしてくれる。
【0144】
上記水滴遮断手段(139)は、上記後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)を介して上昇して、上記後処理ガス流出部(1313)に流出される水滴を遮断する役割を実行する部分である。図12図22および図23を参照すると、上記水滴遮断手段(139)は、遮断壁(1391)を含んでいる。また、上記水滴遮断手段(139)は、上記後処理ガス流出部(1313)の付近で、水滴を捕集する捕集空間(1392)を形成して水滴が外部に流出されることを防止してくれる。上記捕集空間(1392)は、捕集された水滴が下部に落下することができる形に形成される。
【0145】
上記後処理ガス流出部(1313)は、上記後処理機ハウジング(131)の上部に上方向に形成されているが、上記水滴遮断手段(139)は、上記後処理ガス流出部(1313)の枠から下方向に延長された遮断壁(1391)を含んでいる。上記遮断壁(1391)は、上記後処理機のハウジング(131)の上端内壁との間に捕集空間(1392)を形成してくれる。上記後処理機のハウジング(131)の上部内壁(1311)は、上記後処理ガス流出部に向かって収束し傾斜建て形成されているが、上記遮断壁(1391)は、上記捕集空間(1392)の効率的な形成と液敵の外部排出の効率的な遮断のために垂直下方向に延長されたことを特徴とすることが望ましい。
【0146】
上記前処理ガスは、上記後処理機(13)の内部に形成された前処理ガスの流動経路に沿って上昇し、有害物質がさらに除去されながら、後処理ガスになって、上記後処理ガス流出部(1313)を介して外部に排出される。この過程で、前処理ガス内の有害物質を捕集した洗浄液からなる水滴ら中の一部は、上記後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)に沿って上昇して、上記後処理機流出部(1313)を向けて移動するようになる。
【0147】
上記後処理機ハウジング(131)の上端内壁(1311)に沿って、上記後処理ガス流出部(1313)の枠付近まで移動した水滴は、上記遮断壁(1391)にかかるようになる。また、上記遮断壁(1391)と、上記後処理ガス流出部(1313)の周囲の後処理機ハウジング(131)の内壁(1311)の間に水滴が互いに凝集することができるようにしてくれる捕集空間(1392)が形成されるので、上記捕集空間(1392)で、水滴らが凝集して、その大きさと重量が増加して、上記後処理機ハウジング(131)の下部に落下することができるようになる。
【0148】
このように、上記水滴遮断手段(139)は、前処理ガス内の有害物質を捕集した水滴らが、上記後処理機流出部(1313)を介して外部に排出されることを遮断し、上記後処理機ハウジング(131)の下部に分離されて落下するようにしてくれる。
【0149】
以上で、出願人は、本発明の様々な実施例を説明したが、このような実施例らは、本発明の技術的な思想を実装する一実施例であるだけで、本発明の技術的な思想を実装する限り、変更例または修正例も本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
図1
図2
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