(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも、前記第一の積層工程から前記第二の積層工程までの間を、裏面保護膜形成用フィルムを貼付する装置と支持シートを貼付する装置を連結させて行う、または、同一の装置内で行う、請求項1に記載の第三積層体の製造方法。
前記第一の積層工程から前記第二の積層工程までの間において、前記ワークに前記裏面保護膜形成用フィルムが貼付された第二積層体を一枚ずつ搬送する、請求項1又は2に記載の第三積層体の製造方法。
前記第一の積層工程の貼付開始地点から前記第二の積層工程の貼付完了地点までの間の前記ワークの搬送距離が、7000mm以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の第三積層体の製造方法。
前記第一の積層工程の貼付開始時から前記第二の積層工程の貼付完了時までの間の前記ワークの搬送時間が、150s以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の第三積層体の製造方法。
前記ワークが、少なくとも一個の電子部品が封止樹脂で封止された半導体装置の集合体からなる半導体装置パネルである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の第三積層体の製造方法。
前記裏面保護膜形成用フィルムに、前記支持シートの側からレーザーを照射してレーザーマーキングする工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の第三積層体の製造方法。
請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法で製造された第三積層体の、前記裏面保護膜形成用フィルム及び前記ワークをダイシングして、裏面保護膜形成用フィルム付き半導体装置とする工程と、
前記裏面保護膜形成用フィルムを硬化させて裏面保護膜とする工程と、
裏面保護膜形成用フィルム付き半導体装置、又は、裏面保護膜付き半導体装置を、前記支持シートからピックアップする工程とを含む、
裏面保護膜付き半導体装置の製造方法。
前記裏面保護膜形成用フィルムが熱硬化性であり、前記裏面保護膜とする工程が、前記裏面保護膜形成用フィルムを熱処理して熱硬化させる、請求項15又は16に記載の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法。
前記裏面保護膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性であり、前記裏面保護膜とする工程が、前記裏面保護膜形成用フィルムにエネルギー線を照射してエネルギー線硬化させる、請求項15又は16に記載の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を適用した実施形態である第三積層体の製造方法、第四積層体の製造方法、及び、半導体装置の製造方法について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
【0021】
<<第三積層体の製造方法>>
図1は、第三積層体の製造方法の実施形態の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の第三積層体の製造方法は、ワーク14と、裏面保護膜形成用フィルム13と、支持シート10とが、この順に積層された第三積層体19の製造方法であって、ワーク14の、一方の面が回路面14aであり、他方の面が裏面14bであり(
図1(a))、裏面保護膜形成用フィルム13の、一方の面が平滑面13bであり、他方の面が平滑面13bよりも粗い粗面13aであり、ワーク14の裏面14bに、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aを向い合せに貼付する第一の積層工程(
図1(b))と、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を貼付する第二の積層工程(
図1(d))とを、この順に含む(
図1(a)〜
図1(e))。
【0022】
すなわち、本実施形態の第三積層体は、ワーク14と、裏面保護膜形成用フィルム13と、支持シート10とが、この順に積層された第三積層体であって、ワーク14の、一方の面が回路面14aであり、他方の面が裏面14bであり、裏面保護膜形成用フィルム13の、一方の面が平滑面13bであり、他方の面が平滑面13bよりも粗い粗面13aであり、ワーク14の裏面14bに、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aが貼り合わされ、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10が貼り合わされている(
図1(e))。
【0023】
本実施形態において、
図1(a)に示されるワーク14として、半導体ウエハを用いている。半導体ウエハの一方の面は回路面14aであり、バンプが形成されている。また、半導体ウエハの回路面14a及びバンプが、半導体ウエハの裏面研削時に潰れたり、ウエハ裏面におけるディンプルやクラックが発生したりすることを防止するために、半導体ウエハの回路面14a及びバンプは、回路面保護用テープ17によって保護されている。回路面保護用テープ17は裏面研削用テープであり、ワーク14である半導体ウエハの裏面(すなわち、ワークの裏面14b)は研削された面である。
【0024】
ワーク14としては、一方に回路面14aを有し、他方の面が裏面と云えるものであれば限定されない。ワーク14として、一方に回路面を有する半導体ウエハや、個片化され個々の電子部品が封止樹脂で封止され、一方に、端子付き半導体装置の端子形成面(換言すると回路面)を有する端子付き半導体装置集合体からなる半導体装置パネル等を例示することができる。
【0025】
回路面保護用テープ17としては、例えば、特開2016−192488号公報、特開2009−141265号公報に開示された表面保護用シートを用いることができる。回路面保護用テープ17は、適度な再剥離性を有する粘着剤層を備えている。前記粘着剤層は、ゴム系、アクリル系、シリコーン系、ウレタン系、ビニルエーテル系など汎用の弱粘着タイプの粘着剤から形成されてもよい。また、前記粘着剤層は、エネルギー線の照射により硬化して再剥離性となるエネルギー線硬化型粘着剤であってもよい。回路面保護用テープ17が両面テープ形状となっており、回路面保護用テープ17のさらに外側が硬質支持体に固定されていてもよく、硬質の支持体にワーク14が固定されていてもよい。
【0026】
本明細書において、「エネルギー線」とは、電磁波又は荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味する。エネルギー線の例としては、紫外線、放射線、電子線等が挙げられる。紫外線は、例えば、紫外線源として高圧水銀ランプ、ヒュージョンランプ、キセノンランプ、ブラックライト又はLEDランプ等を用いることで照射できる。電子線は、電子線加速器等によって発生させたものを照射できる。
また、本明細書において、「エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射することにより硬化する性質を意味し、「非エネルギー線硬化性」とは、エネルギー線を照射しても硬化しない性質を意味する。
【0027】
図1(b)に示される本実施形態の第一の積層工程において、裏面保護膜形成用フィルム13は、
図2に示す第一積層体5として用いることができる。
図2に示す第一積層体5は、裏面保護膜形成用フィルム13の一方の面(すなわち、粗面13a)上に第1剥離フィルム151を備え、粗面13aとは反対側の他方の面(すなわち、平滑面13b)上に第2剥離フィルム152を備える。粗面13aの側の第1剥離フィルム151を剥離してから、第一の積層工程において、ワーク14の裏面14bに、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aを向い合せに積層する(
図1(b))。この時の裏面保護膜形成用フィルム13は、事前にワーク14の形状に合わせて加工されているものを用いてもよいし、直前に、装置内で加工して用いてもよい。次に、平滑面13bの側の第2剥離フィルム152を剥離して、第二積層体6とする(
図1(c))ことが好ましい。
【0028】
図2に示す裏面保護膜形成用フィルムは、例えば、厚さ38μmの第2剥離フィルム152の剥離面上に、溶媒を含有する保護膜形成組成物を、ナイフコーターにて塗布した後、オーブンにて120℃で2分間乾燥させて、裏面保護膜形成用フィルムを形成する。次いで、裏面保護膜形成用フィルムに厚さ38μmの第1剥離フィルム151の剥離面を重ねて両者を貼り合わせ、第1剥離フィルム151と、裏面保護膜形成用フィルム(
図2における裏面保護膜形成用フィルム13)(厚さ:25μm)と、第2剥離フィルム152とからなる裏面保護膜形成用フィルムを得ることができる。このような裏面保護膜形成用フィルムは、例えば、ロール状として保管するのに好適である。また、第1剥離フィルム151の剥離面を、例えば、表面粗さRaが200nmの粗面とし、第2剥離フィルム152の剥離面を、前記粗面の表面粗さよりも平滑な、例えば、表面粗さRaが30nmの平滑面とすることで、裏面保護膜形成用フィルム13の一方の面を、平滑面13bとすることができ、裏面保護膜形成用フィルム13の前記一方の面とは反対側の他方の面を、平滑面13bよりも粗い粗面13aとすることができる。そして、粗面13aの側の第1剥離フィルム151を剥離してから、第一の積層工程において、ワーク14の裏面14bに、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aを向い合せに貼付する。
【0029】
あるいは、第1剥離フィルム151の剥離面の面粗さRaと、第2剥離フィルム152の剥離面の表面粗さとが、同じ平滑面であっても、例えば、次の様にして、裏面保護膜形成用フィルム13の一方の面を、平滑面13bとすることができ、裏面保護膜形成用フィルム13の前記一方の面とは反対側の他方の面を、平滑面13bよりも粗い粗面13aとすることができる。
【0030】
すなわち、第2剥離フィルム152の、表面粗さRaが30nmの剥離面上に、溶媒を含有する保護膜形成組成物を、ナイフコーターにて塗布した後、オーブンにて120℃で2分間乾燥させて、裏面保護膜形成用フィルムを形成する。次いで、裏面保護膜形成用フィルムに厚さ38μmの第1剥離フィルム151の、表面粗さRaが30nmの剥離面を重ねて、例えば、23℃、0.4MPaの条件で、両者を貼り合わせて、第1剥離フィルム151と、裏面保護膜形成用フィルム(
図2における裏面保護膜形成用フィルム13)(厚さ:25μm)と、第2剥離フィルム152とからなる裏面保護膜形成用フィルムを得ることができる。これによって、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aと第1剥離フィルム151との間は軽剥離面となり、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bと第2剥離フィルム152との間を前記軽剥離面の剥離強度よりも、大きい剥離強度の重剥離面となる。このような裏面保護膜形成用フィルムも、例えば、ロール状として保管するのに好適である。
【0031】
裏面保護膜形成用フィルムの第1剥離フィルム151側の表面粗さは、裏面保護膜形成用フィルムに第1剥離フィルム151の剥離面を貼り合わせる温度及び圧力の条件により調整することができる。裏面保護膜形成用フィルムに第1剥離フィルム151の剥離面を貼り合わせる温度及び圧力の条件を高くすれば、裏面保護膜形成用フィルムの第1剥離フィルム151側の表面粗さは、第1剥離フィルム151の剥離面の表面粗さに忠実になる。
【0032】
前記ワークの前記裏面側に向かい合わされる、前記裏面保護膜形成用フィルムの前記粗面の表面粗さRaは、32〜1200nmであってもよく、32〜1000nmであることが好ましく、32〜900nmであることがより好ましく、32〜800nmであることが特に好ましい。
【0033】
前記裏面保護膜形成用フィルムの前記粗面の表面粗さRaが大きい方が、実質、剥離フィルムとの接する面積が小さくなる。したがって、前記裏面保護膜形成用フィルムの前記粗面の表面粗さRaは、前記下限値以上であることにより、前記裏面保護膜形成用フィルムの前記粗面の側を剥離する際には優先的に剥がれ易くなる。
これにより、剥離力が小さい側の剥離フィルムを剥離する際に、裏面保護膜形成用フィルムの剥離力が小さい側の剥離フィルムからの剥離が適切に行われず、裏面保護膜形成用フィルムが凝集破壊するなどして、裏面保護膜形成用フィルムの一部が、剥離力が小さい側の剥離フィルム上に残存する、剥離不良(いわゆる、ナキワカレ)のリスクが低減できる。
【0034】
前記支持シートの側に向かい合わされる、前記裏面保護膜形成用フィルムの前記平滑面の表面粗さRaは、20〜80nmであることが好ましく、24〜50nmであることがより好ましく、28〜32nmであることがさらに好ましい。
【0035】
前記裏面保護膜形成用フィルムの前記平滑面の表面粗さRaに対する、前記裏面保護膜形成用フィルムの前記粗面の表面粗さRaの比(粗面の表面粗さRa/平滑面の表面粗さRa)は、1.1〜50であってもよく、1.2〜45であってもよく、1.3〜35であってもよく、1.4〜30であってもよく、1.5〜24であってもよい。
【0036】
図1(d)に示される第二の積層工程において、ワーク14の裏面14bに積層された裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層する。支持シート10は、例えば、厚さ80μm、直径が270mmの円形のポリエチレンテレフタレートフィルムであり、外周部に、治具用接着剤層16を備えている。本実施形態では、ワーク14は、裏面保護膜形成用フィルム13とともに固定用治具18に固定されている。そして、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層するとともに、治具用接着剤層16を介して、固定用治具18に固定される(
図1(e))。
【0037】
従来、
図9(A)で、半導体ウエハ8の裏面8bに、裏面保護膜形成用フィルム13を積層する装置と、
図9(D)で、裏面保護膜13’に支持シート10を積層する装置とは、別々の装置で行われ、それぞれの積層体は、複数の積層体が一のカセットに収容されて、次の装置に搬送することが行われていた。
しかしながら、本実施形態においては、少なくとも、
図1(b)に示される第一の積層工程から、
図1(d)に示される第二の積層工程までの間を、裏面保護膜形成用フィルムを貼付する装置と支持シートを貼付する装置を連結させて行うことができ、または、同一の装置内で行うことができる。したがって、前記第一の積層工程から前記第二の積層工程までの間において、ワーク14に裏面保護膜形成用フィルム13が貼付された第二積層体を、カセットに収容することなく、
図1(d)に示される第二の積層工程に、一枚ずつ搬送することができる。同一装置内で行うことにより、装置スペースをより低減できる。連結した装置内で行うことにより、一から設計せずとも従来の装置を改造することで対応ができ初期費用の低減ができる。そして、第二積層体がカセットに収容されて装置外に搬送されることがないため、製造効率が向上し、かつ第二積層体の汚染、破損を抑制することができる。
【0038】
本実施形態において、第一の積層工程の後に、裏面保護膜形成用フィルム13から平滑面13bの側の第2剥離フィルム152を剥離する工程も、裏面保護膜形成用フィルムを貼付する装置と、第2剥離フィルムを剥離する装置と、支持シートを貼付する装置とを連結させて行うことができ、または、同一の装置内で行うこともできる。
【0039】
第一の積層工程に用いる裏面保護膜形成用フィルム13は、事前にワークの形状に加工されていてもよいし、第一の積層工程を行う直前に同一装置内で加工されてもよい。使用される製造ラインでワークの大きさが一定である場合には事前に加工できる前者の方が効率的であるし、ワークの大きさが変更される可能性がある場合には、後者であれば裏面保護膜形成用フィルムの無駄が出ず、コストメリットがある。
【0040】
第一の積層工程の前に、第一積層体5の裏面保護膜形成用フィルム13から、粗面13aの側の第1剥離フィルム151を剥離する工程も、第1剥離フィルムを剥離する装置と、裏面保護膜形成用フィルムを貼付する装置とを連結させて行うことができ、または、同一の装置内で行うこともできる。
【0041】
本実施形態においては、前記第一の積層工程の貼付開始地点から前記第二の積層工程の貼付完了地点(又は前記第一の積層工程の貼付開始地点から硬化工程の硬化完了地点)までの間のワーク14の搬送距離を、7000mm以下に設計することができ、装置スペースを低減させることができる。前記第一の積層工程の貼付開始地点から前記第二の積層工程の貼付完了地点(又は前記第一の積層工程の貼付開始地点から硬化工程の硬化完了地点)までの間のワーク14の搬送距離は、6500mm以下にすることもでき、6000mm以下にすることもでき、4500mm以下にすることもでき、3000mm以下にすることもできる。
【0042】
本実施形態においては、前記第一の積層工程の貼付開始時から前記第二の積層工程の貼付完了時までの間のワーク14の搬送時間を、150s以下にすることができ、工程時間を短縮することができる。前記第一の積層工程の貼付開始時から前記第二の積層工程の貼付完了時までの間のワーク14の搬送時間は、130s以下にすることもでき、110s以下にすることもでき、90s以下にすることもでき、70s以下にすることもできる。
【0043】
本実施形態においては、前記第一の積層工程の貼付開始時から前記硬化工程の硬化完了時までの間のワーク14の搬送時間を、400s以下にすることができ、工程時間を短縮することができる。前記第一の積層工程の貼付開始時から前記硬化工程の硬化完了時までの間のワーク14の搬送時間は、300s以下にすることもでき、250s以下にすることもでき、200s以下にすることもでき、150s以下にすることもできる。
【0044】
第三積層体の製造方法における第一の積層工程においてワーク14の裏面14bに裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aを貼付する速度、及び、第三積層体の製造方法における第二の積層工程において裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を貼付する速度は、100mm/s以下とすることもでき、80mm/s以下とすることもでき、60mm/s以下とすることもでき、40mm/s以下とすることもできる。第一の積層工程における前記貼付する速度、及び、第二の積層工程における前記貼付する速度が上記上限値以下であることにより、ワーク14と裏面保護膜形成用フィルム13との間の密着性、裏面保護膜形成用フィルム13と支持シート10との間の密着性を良好なものとすることができる。
【0045】
第一の積層工程における前記貼付する速度、及び、第二の積層工程における前記貼付する速度は、2mm/s以上とすることもでき、5mm/s以上とすることもでき、10mm/s以上とすることもできる。第一の積層工程における前記貼付する速度、及び、第二の積層工程における前記貼付する速度が上記下限値以上であることにより、第二積層体6及び第三積層体19の生産効率を向上させるとともに、第一の積層工程の貼付開始時から第二の積層工程の貼付完了時までの間のワーク14の搬送時間を、150s以下とすることができ、第一の積層工程の貼付開始時から硬化工程の硬化完了時までの間のワーク14の搬送時間を、400s以下とすることができる。
【0046】
図1(b)に示される本実施形態の第一の積層工程の貼付開始地点から、
図1(d)に示される第二の積層工程の貼付完了地点までの前記ワークの搬送距離は、7000mm以下とすることができ、6500mm以下とすることができ、6000mm以下とすることができ、4500mm以下にすることもでき、3000mm以下にすることもできる。
図1(b)に示される本実施形態の第一の積層工程の貼付開始時から、
図1(d)に示される第二の積層工程の貼付完了時までの前記ワークの搬送時間は、150s以下とすることができ、130s以下とすることができ、110s以下とすることができる。
【0047】
また、
図1(b)に示される本実施形態の第一の積層工程の貼付開始地点から、
図4(g)に示される硬化工程の硬化完了地点までの前記ワークの搬送距離は、7000mm以下とすることができ、6500mm以下とすることができ、6000mm以下とすることができ、4500mm以下にすることもでき、3000mm以下にすることもできる。
図1(b)に示される本実施形態の第一の積層工程の貼付開始地点から、
図4(g)に示される硬化工程の硬化完了地点までの間のワーク14の搬送時間を、400s以下とすることができ、300s以下にすることもでき、250s以下にすることもでき、200s以下にすることもでき、150s以下にすることもできる。
【0048】
(保護膜形成組成物)
裏面保護膜形成用フィルムを形成するための保護膜形成組成物の組成としては、バインダーポリマー成分及び硬化性成分を含有することが好ましい。
【0049】
(バインダーポリマー成分)
裏面保護膜形成用フィルムに十分な接着性および造膜性(シート形成性)を付与するためにバインダーポリマー成分が用いられる。バインダーポリマー成分としては、従来公知のアクリルポリマー、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系ポリマー等を用いることができる。
【0050】
バインダーポリマー成分の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜120万であることがより好ましい。バインダーポリマー成分の重量平均分子量が低過ぎると裏面保護膜形成用フィルムと支持シートとの粘着力が高くなり、裏面保護膜形成用フィルムの転写不良が起こることがあり、高過ぎると裏面保護膜形成用フィルムの接着性が低下し、チップ等に転写できなくなったり、あるいは転写後にチップ等から裏面保護膜が剥離することがある。
【0051】
バインダーポリマー成分として、アクリルポリマーが好ましく用いられる。アクリルポリマーのガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜50℃、さらに好ましくは−50〜40℃、特に好ましくは−40〜30℃の範囲にある。アクリルポリマーのガラス転移温度が低過ぎると裏面保護膜形成用フィルムと支持シートとの剥離力が大きくなって裏面保護膜形成用フィルムの転写不良が起こることがあり、高過ぎると裏面保護膜形成用フィルムの接着性が低下し、チップ等に転写できなくなったり、あるいは転写後にチップ等から裏面保護膜が剥離することがある。
【0052】
上記アクリルポリマーを構成するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体が挙げられる。例えば、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレートなどが挙げられる。さらに官能基を有するモノマーとして、水酸基を有するヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ;その他、エポキシ基を有するグリシジル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。アクリルポリマーは、水酸基を有しているモノマーを含有しているアクリルポリマーが、後述する硬化性成分との相溶性が良いため好ましい。また、上記アクリルポリマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどが共重合されていてもよい。
【0053】
さらに、バインダーポリマー成分として、硬化後の保護膜の可とう性を保持するための熱可塑性樹脂を配合してもよい。そのような熱可塑性樹脂としては、重量平均分子量が1000〜10万のものが好ましく、3000〜8万のものがさらに好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、好ましくは−30〜120℃であり、さらに好ましくは−20〜120℃である。熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリスチレンなどが挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。上記の熱可塑性樹脂を含有することにより、裏面保護膜形成用フィルムの転写面に裏面保護膜形成用フィルムが追従しボイドなどの発生を抑えることができる。
【0054】
(硬化性成分)
硬化性成分は、熱硬化性成分および/またはエネルギー線硬化性成分が用いられる。
【0055】
熱硬化性成分としては、熱硬化樹脂および熱硬化剤が用いられる。熱硬化樹脂としては、たとえば、エポキシ樹脂が好ましい。
【0056】
エポキシ樹脂としては、従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。エポキシ樹脂としては、具体的には、多官能系エポキシ樹脂や、ビフェニル化合物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルやその水添物、オルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェニレン骨格型エポキシ樹脂など、分子中に2官能以上有するエポキシ化合物が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0057】
裏面保護膜形成用フィルムには、バインダーポリマー成分100質量部に対して、熱硬化樹脂が、好ましくは1〜1000質量部、より好ましくは10〜500質量部、特に好ましくは20〜200質量部含まれる。熱硬化樹脂の含有量が1質量部未満であると十分な接着性が得られないことがあり、1000質量部を超えると裏面保護膜形成用フィルムと粘着シートまたは基材フィルムとの剥離力が高くなり、裏面保護膜形成用フィルムの転写不良が起こることがある。
【0058】
熱硬化剤は、熱硬化樹脂、特にエポキシ樹脂に対する硬化剤として機能する。好ましい熱硬化剤としては、1分子中にエポキシ基と反応しうる官能基を2個以上有する化合物が挙げられる。その官能基としてはフェノール性水酸基、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基および酸無水物などが挙げられる。これらのうち好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基、酸無水物などが挙げられ、さらに好ましくはフェノール性水酸基、アミノ基が挙げられる。
【0059】
フェノール系硬化剤の具体的な例としては、多官能系フェノール樹脂、ビフェノール、ノボラック型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、ザイロック型フェノール樹脂、アラルキルフェノール樹脂が挙げられる。アミン系硬化剤の具体的な例としては、DICY(ジシアンジアミド)が挙げられる。これらは、1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
【0060】
熱硬化剤の含有量は、熱硬化樹脂100質量部に対して、0.1〜500質量部であることが好ましく、1〜200質量部であることがより好ましい。熱硬化剤の含有量が少ないと硬化不足で接着性が得られないことがあり、過剰であると裏面保護膜形成用フィルムの吸湿率が高まり半導体装置の信頼性を低下させることがある。
【0061】
エネルギー線硬化性成分としては、エネルギー線重合性基を含み、紫外線、電子線等のエネルギー線の照射を受けると重合硬化する低分子化合物(エネルギー線重合性化合物)を用いることができる。このようなエネルギー線硬化性成分として具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、オリゴエステルアクリレート、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシ変性アクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびイタコン酸オリゴマーなどのアクリレート系化合物が挙げられる。このような化合物は、分子内に少なくとも1つの重合性二重結合を有し、通常は、重量平均分子量が100〜30000、好ましくは300〜10000程度である。エネルギー線重合性化合物の配合量は、バインダーポリマー成分100質量部に対して、好ましくは1〜1500質量部、より好ましくは10〜500質量部、特に好ましくは20〜200質量部含まれる。
【0062】
また、エネルギー線硬化性成分として、バインダーポリマー成分の主鎖または側鎖に、エネルギー線重合性基が結合されてなるエネルギー線硬化型重合体を用いてもよい。このようなエネルギー線硬化型重合体は、バインダーポリマー成分としての機能と、硬化性成分としての機能を兼ね備える。
【0063】
エネルギー線硬化型重合体の主骨格は特に限定はされず、バインダーポリマー成分として汎用されているアクリルポリマーであってもよく、またポリエステル、ポリエーテル等であっても良いが、合成および物性の制御が容易であることから、アクリルポリマーを主骨格とすることが特に好ましい。
【0064】
エネルギー線硬化型重合体の主鎖または側鎖に結合するエネルギー線重合性基は、たとえばエネルギー線重合性の炭素−炭素二重結合を含む基であり、具体的には(メタ)アクリロイル基等を例示することができる。エネルギー線重合性基は、アルキレン基、アルキレンオキシ基、ポリアルキレンオキシ基を介してエネルギー線硬化型重合体に結合していてもよい。
【0065】
エネルギー線重合性基が結合されたエネルギー線硬化型重合体の重量平均分子量(Mw)は、1万〜200万であることが好ましく、10万〜150万であることがより好ましい。また、エネルギー線硬化型重合体のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは−60〜50℃、さらに好ましくは−50〜40℃、特に好ましくは−40〜30℃の範囲にある。
【0066】
エネルギー線硬化型重合体は、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を含有するアクリルポリマーと、該官能基と反応する置換基とエネルギー線重合性炭素−炭素二重結合を1分子毎に1〜5個を有する重合性基含有化合物とを反応させて得られる。該官能基と反応する置換基としては、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基等が挙げられる。
【0067】
重合性基含有化合物としては、(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、メタ−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシアネート、アリルイソシアネート、グリシジル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
【0068】
アクリルポリマーは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリルモノマーまたはその誘導体と、これと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体とからなる共重合体であることが好ましい。
【0069】
ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、置換アミノ基、エポキシ基等の官能基を有する(メタ)アクリルモノマーまたはその誘導体としては、たとえば、ヒドロキシル基を有する2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート;カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸;エポキシ基を有するグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレートなどが挙げられる。
【0070】
上記モノマーと共重合可能な他の(メタ)アクリル酸エステルモノマーまたはその誘導体としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜18であるアルキル(メタ)アクリレート、具体的にはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられ;環状骨格を有する(メタ)アクリレート、具体的にはシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、イミドアクリレートなどが挙げられる。また、上記アクリルポリマーには、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレンなどが共重合されていてもよい。
【0071】
エネルギー線硬化型重合体を使用する場合であっても、前記したエネルギー線重合性化合物を併用してもよく、またバインダーポリマー成分を併用してもよい。本発明における裏面保護膜形成用フィルム中のこれら三者の配合量の関係は、エネルギー線硬化型重合体およびバインダーポリマー成分の質量の和100質量部に対して、エネルギー線重合性化合物が好ましくは1〜1500質量部、より好ましくは10〜500質量部、特に好ましくは20〜200質量部含まれる。
【0072】
裏面保護膜形成用フィルムにエネルギー線硬化性を付与することで、裏面保護膜形成用フィルムを簡便かつ短時間で硬化でき、保護膜付チップの生産効率が向上する。従来、チップ用の保護膜は、一般にエポキシ樹脂などの熱硬化樹脂により形成されていたが、熱硬化樹脂の硬化温度は200℃を超え、また硬化時間は2時間程度を要しているため、生産効率向上の障害となっていた。しかし、エネルギー線硬化性の裏面保護膜形成用フィルムは、エネルギー線照射により短時間で硬化するため、簡便に保護膜を形成でき、生産効率の向上に寄与しうる。
【0073】
裏面保護膜形成用フィルムは、上記バインダーポリマー成分及び硬化性成分に加えて下記成分を含むことができる。
【0074】
(着色剤)
裏面保護膜形成用フィルムは、着色剤を含有することが好ましい。裏面保護膜形成用フィルムに着色剤を配合することで、半導体装置を機器に組み込んだ際に、周囲の装置から発生する赤外線等を遮蔽し、それらによる半導体装置の誤作動を防止することができ、また裏面保護膜形成用フィルムを硬化して得た保護膜に、製品番号等を印字した際の文字の視認性が向上する。すなわち、保護膜を形成された半導体装置や半導体チップでは、保護膜の表面に品番等が通常レーザーマーキング法(レーザー光により保護膜表面を削り取り印字を行う方法)により印字されるが、保護膜が着色剤を含有することで、保護膜のレーザー光により削り取られた部分とそうでない部分のコントラスト差が充分に得られ、視認性が向上する。着色剤としては、有機または無機の顔料および染料が用いられる。これらの中でも電磁波や赤外線遮蔽性の点から黒色顔料が好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等が用いられるが、これらに限定されることはない。半導体装置の信頼性を高める観点からは、カーボンブラックが特に好ましい。着色剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明における裏面保護膜形成用フィルムの高い硬化性は、可視光および/または赤外線と紫外線との両方の透過性を低下させる着色剤を用い、紫外線の透過性が低下した場合に、特に好ましく発揮される。可視光および/または赤外線と紫外線との両方の透過性を低下させる着色剤としては、上記の黒色顔料のほか、可視光および/または赤外線と紫外線との両方の波長領域で吸収性または反射性を有するものであれば特に限定されない。
【0075】
着色剤の配合量は、裏面保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して、好ましくは0.1〜35質量部、さらに好ましくは0.5〜25質量部、特に好ましくは1〜15質量部である。
【0076】
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、裏面保護膜形成用フィルムの硬化速度を調整するために用いられる。硬化促進剤は、特に、硬化性成分において、エポキシ樹脂と熱硬化剤とを併用する場合に好ましく用いられる。
【0077】
好ましい硬化促進剤としては、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどのイミダゾール類;トリブチルホスフィン、ジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどの有機ホスフィン類;テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレートなどのテトラフェニルボロン塩などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
【0078】
硬化促進剤は、硬化性成分100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、さらに好ましくは0.1〜1質量部の量で含まれる。硬化促進剤を上記範囲の量で含有することにより、高温度高湿度下に曝されても優れた接着特性を有し、厳しいリフロー条件に曝された場合であっても高い信頼性を達成することができる。硬化促進剤の含有量が少ないと硬化不足で十分な接着特性が得られず、過剰であると高い極性をもつ硬化促進剤は高温度高湿度下で裏面保護膜形成用フィルム中を接着界面側に移動し、偏析することにより半導体装置の信頼性を低下させる。
【0079】
(カップリング剤)
カップリング剤は、裏面保護膜形成用フィルムのチップに対する接着性、密着性および/または保護膜の凝集性を向上させるために用いてもよい。また、カップリング剤を使用することで、裏面保護膜形成用フィルムを硬化して得られる保護膜の耐熱性を損なうことなく、その耐水性を向上することができる。
【0080】
カップリング剤としては、バインダーポリマー成分、硬化性成分などが有する官能基と反応する基を有する化合物が好ましく使用される。カップリング剤としては、シランカップリング剤が望ましい。このようなカップリング剤としてはγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−6−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上混合して使用することができる。
【0081】
カップリング剤は、バインダーポリマー成分および硬化性成分の合計100質量部に対して、通常0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部の割合で含まれる。カップリング剤の含有量が0.1質量部未満だと上記の効果が得られない可能性があり、20質量部を超えるとアウトガスの原因となる可能性がある。
【0082】
(無機充填材)
無機充填材を裏面保護膜形成用フィルムに配合することにより、硬化後の保護膜における熱膨張係数を調整することが可能となり、半導体チップに対して硬化後の保護膜の熱膨張係数を最適化することで半導体装置の信頼性を向上させることができる。また、硬化後の保護膜の吸湿率を低減させることも可能となる。
【0083】
好ましい無機充填材としては、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化鉄、炭化珪素、窒化ホウ素等の粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維およびガラス繊維等が挙げられる。これらのなかでも、シリカフィラーおよびアルミナフィラーが好ましい。上記無機充填材は単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。無機充填材の含有量は、裏面保護膜形成用フィルムを構成する全固形分100質量部に対して、通常1〜80質量部の範囲で調整が可能である。
【0084】
(光重合開始剤)
裏面保護膜形成用フィルムが、前述した硬化性成分としてエネルギー線硬化性成分を含有する場合には、その使用に際して、紫外線等のエネルギー線を照射して、エネルギー線硬化性成分を硬化させる。この際、該組成物中に光重合開始剤を含有させることで、重合硬化時間ならびに光線照射量を少なくすることができる。
【0085】
このような光重合開始剤として具体的には、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4−ジエチルチオキサンソン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ベンジル、ジベンジル、ジアセチル、1,2−ジフェニルメタン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイドおよびβ−クロールアンスラキノンなどが挙げられる。光重合開始剤は1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0086】
光重合開始剤の配合割合は、エネルギー線硬化性成分100質量部に対して0.1〜10質量部含まれることが好ましく、1〜5質量部含まれることがより好ましい。0.1質量部未満であると光重合の不足で満足な転写性が得られないことがあり、10質量部を超えると光重合に寄与しない残留物が生成し、裏面保護膜形成用フィルムの硬化性が不十分となることがある。
【0087】
(架橋剤)
裏面保護膜形成用フィルムの初期接着力および凝集力を調節するために、架橋剤を添加することもできる。架橋剤としては有機多価イソシアネート化合物、有機多価イミン化合物などが挙げられる。
【0088】
上記有機多価イソシアネート化合物としては、芳香族多価イソシアネート化合物、脂肪族多価イソシアネート化合物、脂環族多価イソシアネート化合物およびこれらの有機多価イソシアネート化合物の三量体、ならびにこれら有機多価イソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られる末端イソシアネートウレタンプレポリマー等を挙げることができる。
【0089】
有機多価イソシアネート化合物としては、たとえば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、3−メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、トリメチロールプロパンアダクトトリレンジイソシアネートおよびリジンイソシアネートが挙げられる。
【0090】
上記有機多価イミン化合物としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネートおよびN,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキシアミド)トリエチレンメラミン等を挙げることができる。
【0091】
架橋剤はバインダーポリマー成分およびエネルギー線硬化型重合体の合計量100質量部に対して通常0.01〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.5〜5質量部の比率で用いられる。
【0092】
(汎用添加剤)
裏面保護膜形成用フィルムには、上記の他に、必要に応じて各種添加剤が配合されてもよい。各種添加剤としては、レベリング剤、可塑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、イオン捕捉剤、ゲッタリング剤、連鎖移動剤などが挙げられる。
【0093】
(溶媒)
保護膜形成組成物は、さらに溶媒を含有することが好ましい。溶媒を含有する保護膜形成組成物は、取り扱い性が良好となる。
前記溶媒は特に限定されないが、好ましいものとしては、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素;メタノール、エタノール、2−プロパノール、イソブチルアルコール(2−メチルプロパン−1−オール)、1−ブタノール等のアルコール;酢酸エチル等のエステル;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン等のエーテル;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド(アミド結合を有する化合物)等が挙げられる。
保護膜形成組成物が含有する溶媒は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
【0094】
保護膜形成組成物が含有する溶媒は、
保護膜形成組成物中の含有成分をより均一に混合できる点から、メチルエチルケトン等であることが好ましい。
【0095】
上記のような各成分からなる保護膜形成組成物を、塗布し、乾燥させて得られる裏面保護膜形成用フィルムは、接着性と硬化性とを有し、未硬化状態ではワーク(半導体ウエハやチップ等)に押圧することで容易に接着する。押圧する際に、裏面保護膜形成用フィルムを加熱してもよい。そして硬化を経て最終的には耐衝撃性の高い保護膜を与えることができ、接着強度にも優れ、厳しい高温度高湿度条件下においても十分な保護機能を保持し得る。なお、裏面保護膜形成用フィルムは単層構造であってもよく、また上記成分を含む層を1層以上含む限りにおいて多層構造であってもよい。
【0096】
裏面保護膜形成用フィルムの厚さは特に限定されないが、好ましくは3〜300μm、さらに好ましくは5〜250μm、特に好ましくは7〜200μmである。
【0097】
<支持シート>
本発明の一態様で用いる支持シート10としては、基材11のみから構成されたシートや、基材11上に粘着剤層12を有する粘着シートが挙げられる。
本発明の一態様の第三積層体が有する支持シートは、裏面保護膜形成用フィルムの表面にホコリ等の付着を防止する剥離シート、もしくは、ダイシング工程等で裏面保護膜形成用フィルムの面を保護するためのダイシングシート等の役割を果たすものである。
【0098】
支持シートの厚さとしては、用途に応じて適宜選択されるが、複合シートに十分な可とう性を付与し、シリコンウエハに対する貼付性を良好とする観点から、好ましくは10〜500μm、より好ましくは20〜350μm、更に好ましくは30〜200μmである。
なお、上記の支持シートの厚さには、支持シートを構成する基材の厚さだけでなく、粘着剤層を有する場合には、それらの層や膜の厚さも含む。
【0099】
(基材)
支持シート10を構成する基材11としては、樹脂フィルムが好ましい。
当該樹脂フィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムや直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)フィルム等のポリエチレンフィルム、エチレン・プロピレン共重合体フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム等が挙げられる。
本発明の一態様で用いる基材は、1種類の樹脂フィルムからなる単層フィルムであってもよく、2種類以上の樹脂フィルムを積層した積層フィルムであってもよい。
また、本発明の一態様においては、上述の樹脂フィルム等の基材の表面に、表面処理を施したシートを支持シートとして用いてもよい。
【0100】
これらの樹脂フィルムは、架橋フィルムであってもよい。
また、これらの樹脂フィルムを着色したもの、又は印刷を施したもの等も使用できる。 さらに、樹脂フィルムは、熱可塑性樹脂を押出形成によりシート化したものであってもよく、延伸されたものであってもよく、硬化性樹脂を所定手段により薄膜化及び硬化してシート化したものが使われてもよい。
【0101】
これらの樹脂フィルムの中でも、耐熱性に優れ、且つ、適度な柔軟性を有するためにエキスパンド適性を有し、ピックアップ適性も維持されやすいとの観点から、ポリプロピレンフィルムを含む基材が好ましい。
なお、ポリプロピレンフィルムを含む基材の構成としては、ポリプロピレンフィルムのみからなる単層構造であってもよく、ポリプロピレンフィルムと他の樹脂フィルムとからなる複層構造であってもよい。
裏面保護膜形成用フィルムが熱硬化性である場合、基材を構成する樹脂フィルムが耐熱性を有することで、基材の熱によるダメージを抑制し、半導体装置の製造プロセスにおける不具合の発生を抑制できる。
【0102】
支持シートとして、基材のみから構成されたシートを用いる場合、当該基材の裏面保護膜形成用フィルムの表面と接する面の表面張力としては、剥離力を一定の範囲に調整する観点から、好ましくは20〜50mN/m、より好ましくは23〜45mN/m、更に好ましくは25〜40mN/mである。
【0103】
支持シートを構成する基材の厚さとしては、好ましくは10〜500μm、より好ましくは15〜300μm、更に好ましくは20〜200μmである。
【0104】
(粘着シート)
本発明の一態様で支持シート10として用いる粘着シートとしては、上述の樹脂フィルム等の基材11上に、粘着剤から形成した粘着剤層12を有するものが挙げられる。
図11は、基材11上に粘着剤層12が設けられた支持シート10の一例を示す概略断面図である。
支持シート10が粘着剤層12を備えるものであるときは、第二の積層工程において、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10の粘着剤層12を貼付する。
【0105】
粘着剤層の形成材料である粘着剤としては、粘着性樹脂を含む粘着剤組成物が挙げられ、当該粘着剤組成物は、さらに上述の架橋剤や粘着付与剤等の汎用添加剤を含有してもよい。
当該粘着性樹脂としては、その樹脂の構造に着目した場合、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ゴム系樹脂、シリコーン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂等が挙げられ、その樹脂の機能に着目した場合、例えば、エネルギー線硬化型粘着剤や、加熱発泡型粘着剤、エネルギー線発泡型粘着剤等が挙げられる。
本発明の一態様において、剥離力を一定の範囲に調整する観点、並びに、ピックアップ性を良好とする観点から、エネルギー線硬化型樹脂を含む粘着剤組成物から形成されたエネルギー線硬化性の粘着剤層を有する粘着シート又は、微粘着性の粘着剤層を有する粘着シートが好ましい。
エネルギー線硬化型樹脂としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性基を有する樹脂であればよいが、重合性基を有する粘着性樹脂であることが好ましい。
【0106】
第一の積層工程において、(a)半導体ウエハ等のワークに対して裏面保護膜形成用フィルムが全面に貼れていない、(b)裏面保護膜形成用フィルムの浮きが発生する、(c)裏面保護膜形成用フィルムにシワが発生するなどの裏面保護膜形成用フィルムの貼付不良が起こった場合に、支持シートは、裏面保護膜形成用フィルムの剥がし用シートも兼ねることができる。第一の積層工程において、裏面保護膜形成用フィルムの貼付不良が起こった場合であっても、そのまま、第二の積層工程を経て、第三積層体を製造する。その後、半導体ウエハ等のワークから、裏面保護膜形成用フィルムを支持シートと共に、脱離させることで、半導体ウエハ等のワークをリワークすることができる。このとき、生産タクトを考慮すると、リングフレームなどの固定用治具から速やかに支持シートを剥がす必要があり、治具用接着剤層は、エネルギー線硬化性であることが好ましい。また、基材上に、エネルギー線硬化性の粘着剤層が設けられた支持シートを用いることで、治具用接着剤層を介さずに、リングフレームなどの固定用治具に、直接、支持シートを固定することができ、且つ、紫外線などのエネルギー線を照射することで、リワーク性に優れるものとすることができる。
【0107】
また、剥離力を一定の範囲に調整する観点から、アクリル系樹脂を含む粘着剤が好ましい。
当該アクリル系樹脂としては、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位(x1)を有するアクリル系重合体が好ましく、構成単位(x1)と、官能基含有モノマーに由来する構成単位(x2)とを有するアクリル系共重合体がより好ましい。
【0108】
上記アルキル(メタ)アクリレートが有するアルキル基の炭素数としては、好ましくは1〜18、より好ましくは1〜12、更に好ましくは1〜8である。
当該アルキル(メタ)アクリレートとしては、上述のバインダーポリマー成分の部分で説明したアルキル(メタ)アクリレートと同じものが挙げられる。
なお、アルキル(メタ)アクリレートは、単独で又は2種以上を併用してもよい。
構成単位(x1)の含有量は、アクリル系重合体の全構成単位(100質量%)に対して、通常50〜100質量%、好ましくは50〜99.9質量%、より好ましくは60〜99質量%、更に好ましくは70〜95質量%である。
【0109】
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシ基含有モノマー、カルボキシ基含有モノマー、エポキシ基含有モノマー等が挙げられ、それぞれのモノマーの具体例は、バインダーポリマー成分の部分で例示したものと同じものがあげられる。
なお、これらは、単独で又は2種以上を併用してもよい。
構成単位(x2)の含有量は、アクリル系重合体の全構成単位(100質量%)に対して、通常0〜40質量%、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは5〜20質量%である。
【0110】
また、本発明の一態様で用いるアクリル系樹脂としては、上記構成単位(x1)及び(x2)を有するアクリル系共重合体に対して、さらにエネルギー線重合性基を有する化合物と反応して得られる、エネルギー線硬化型アクリル系樹脂であってもよい。
エネルギー線重合性基を有する化合物としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の重合性基を有する化合物であればよい。
【0111】
アクリル系樹脂を含む粘着剤を用いる場合、剥離力を一定の範囲に調整する観点から、アクリル系樹脂と共に、架橋剤を含有することが好ましい。
当該架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤等が挙げられるが、剥離力を一定の範囲に調整する観点から、イソシアネート系架橋剤が好ましい。
架橋剤の含有量は、上記粘着剤中に含まれるアクリル系樹脂の全質量(100質量部)に対して、好ましくは0.01〜20質量部、より好ましくは0.1〜15質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部、より更に好ましくは1〜8質量部である。
【0112】
支持シート10は、1層(単層)からなるものであってもよいし、2層以上の複数層からなるものであってもよい。支持シートが複数層からなる場合、これら複数層の構成材料及び厚さは、互いに同一でも異なっていてもよく、これら複数層の組み合わせは、本発明の効果を損なわない限り、特に限定されない。
【0113】
なお、本明細書においては、支持シートの場合に限らず、「複数層が互いに同一でも異なっていてもよい」とは、「すべての層が同一であってもよいし、すべての層が異なっていてもよく、一部の層のみが同一であってもよい」ことを意味し、さらに「複数層が互いに異なる」とは、「各層の構成材料及び厚さの少なくとも一方が互いに異なる」ことを意味する。
【0114】
支持シートは、透明であってもよいし、不透明であってもよく、目的に応じて着色されていてもよい。
例えば、裏面保護膜形成用フィルムがエネルギー線硬化性を有する場合には、支持シートはエネルギー線を透過させるものが好ましい。
例えば、裏面保護膜形成用フィルムを、支持シートを介して光学的に検査するためには、支持シートは透明であることが好ましい。
【0115】
本実施形態において、ワーク14の回路面14aは、回路面保護用テープ17に保護されており、前記第二の積層工程の後に、ワーク14の回路面14aから、回路面保護用テープ17を剥離させる剥離工程を含むことができる。本実施形態において、回路面保護用テープ17は、回路面14aに貼着されている側に、エネルギー線の照射により硬化して再剥離性となるエネルギー線硬化性の粘着剤層を有する。前記剥離工程においては、回路面保護用テープ17の粘着剤層にエネルギー線を照射して、粘着剤層を硬化して再剥離性にさせることで、ワーク14の回路面14aから、回路面保護用テープ17を容易に剥離させることができる。
【0116】
本実施形態の第三積層体の製造方法は、裏面保護膜形成用フィルム13に、支持シート10の側からレーザーを照射してレーザーマーキングする工程を含むものであってもよい。本実施形態の第三積層体の製造方法は、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層するので、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射すると、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bにレーザーマーキングすることになり、粗面13aにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0117】
図10に示される従来の裏面保護膜付き半導体チップの製造方法の一例では、
図10(A’)で保護膜形成用複合シート1の裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bが半導体ウエハ8の裏面8bに貼着されるので、
図10(D’)で支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射する場合、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aにレーザーマーキングすることになる。裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aと支持シート10との界面は密着性が損なわれるので、支持シート越しにレーザーを照射すると、レーザー照射されたところで、裏面保護膜形成用フィルム13と支持シート10との界面で印字された文字や記号の輪郭がぼやけてしまい、印字後の視認性が損なわれる。
【0118】
一方、本実施形態の第三積層体の製造方法は、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層するので、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bと支持シート10との界面は良好な密着性が保たれる。したがって、その後、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射する場合、
図1(b)〜
図1(e)、及び
図4(f)に示されるように、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bにレーザーマーキングすることになり、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bと支持シート10との界面で印字された文字や記号が滲むことが防がれるので、粗面13aにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0119】
また、本実施形態の第三積層体の製造方法は、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層するので、その後、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させて裏面保護膜13’とした後に、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射しても、裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングすることになり、粗面13’aにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0120】
図9に示される従来の裏面保護膜付き半導体チップの製造方法の一例では、
図9(B)で、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bが露出した状態で熱硬化される。一方、本実施形態の第三積層体の製造方法では、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層するので、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させるとき、支持シート10に接触して、平滑面13bが保護された状態となる。したがって、その後、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射しても、硬化工程において支持シート10に保護された状態の、裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングすることになり、露出した状態で熱硬化された裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0121】
図3は、第三積層体の製造方法の実施形態の他の一例を模式的に示す概略断面図である。なお、
図3以降の図において、既に説明済みの図に示すものと同じ構成要素には、その説明済みの図の場合と同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0122】
本実施形態において、ワーク14は、少なくとも一個の電子部品62が封止樹脂層64で封止された半導体装置が、平面的に並んで配置された集合体からなる半導体装置パネルである。本実施形態の第三積層体の製造方法は、ワーク14である半導体装置パネルと、裏面保護膜形成用フィルム13と、支持シート10とが、この順に積層された第三積層体19の製造方法であって、ワーク14である半導体装置パネルの、一方の面が回路面であり、他方の面が裏面14bであり(
図3(a’))、裏面保護膜形成用フィルム13の、一方の面が平滑面13bであり、他方の面が平滑面13bよりも粗い粗面13aであり、ワーク14の裏面14bに、裏面保護膜形成用フィルム13の粗面13aを向い合せに貼付する第一の積層工程(
図3(b’))と、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を貼付する第二の積層工程(
図3(c’))とを、この順に含む(
図3(a’)〜
図3(d’))。
【0123】
本実施形態において、半導体装置パネルは、個々の半導体装置が略円形の領域内に平面的に並んで形成されたものであってもよく、個々の半導体装置が略矩形の領域内に平面的に並んで形成されたものであってもよい。
【0124】
図3に示される本実施形態においても、
図1に示される実施形態と同様、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに、支持シート10を積層するので、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射すると、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13b又は裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングすることになり、粗面13a又は粗面13’aにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。また、その後、硬化工程において支持シート10に保護された状態の、裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングすることになるので、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射しても、露出した状態で熱硬化された裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0125】
<<第四積層体の製造方法>>
本実施形態の第四積層体の製造方法は、前記第三積層体の製造方法で製造された第三積層体19の、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させて裏面保護膜13’とする硬化工程を含む、ワーク14と、裏面保護膜13’と、支持シート10とが、この順に積層された第四積層体19’の製造方法である。
【0126】
図4は、第四積層体の製造方法の実施形態の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の第四積層体の製造方法は、前記第二の積層工程の後に、ワーク14の回路面14aから、回路面保護用テープ17を剥離させる剥離工程(
図4(e))と、裏面保護膜形成用フィルム13に、支持シート10の側からレーザーを照射してレーザーマーキングする工程(
図4(f))と、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させて裏面保護膜13’とする硬化工程(
図4(g))と、を含む。本実施形態では熱硬化性の裏面保護膜形成用フィルムを用いており、本実施形態の硬化工程では、130℃、2hの条件で熱硬化させている。
【0127】
熱硬化性の裏面保護膜形成用フィルムを熱処理して熱硬化させて、裏面保護膜を形成するときの硬化条件は、裏面保護膜が十分にその機能を発揮する程度の硬化度となる限り、特に限定されず、熱硬化性の裏面保護膜形成用フィルムの種類に応じて、適宜選択すればよい。
【0128】
例えば、熱硬化時の加熱温度は、100〜200℃であることが好ましく、110〜180℃であることがより好ましく、120〜170℃であることが特に好ましい。そして、前記熱硬化時の加熱時間は、0.5〜5時間であることが好ましく、0.5〜3時間であることがより好ましく、1〜2時間であることが特に好ましい。硬化工程において、熱硬化させる場合、前記剥離工程の順番は、回路面保護用テープ17の耐熱性を考慮して、硬化工程よりも前であることが好ましい。
【0129】
図4で示される本実施形態においては、上述したとおり、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに支持シート10が積層されているので、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射すると、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bにレーザーマーキングすることになり、粗面13aにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0130】
図5は、第四積層体の製造方法の実施形態の他の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の第四積層体の製造方法は、前記第二の積層工程の後に、ワーク14の回路面14aから、回路面保護用テープ17を剥離させる剥離工程(
図5(e))と、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させて裏面保護膜13’とする硬化工程(
図5(f’))と、裏面保護膜13’に、支持シート10の側からレーザーを照射してレーザーマーキングする工程(
図5(g’))と、を含む。
【0131】
図5で示される本実施形態においては、上述したとおり、裏面保護膜形成用フィルム13の平滑面13bに支持シート10が積層されているので、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射すると、裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングすることになり、粗面13’aにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。また、硬化工程において支持シート10に保護された状態の、裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングすることになるので、支持シート10の側から支持シート越しにレーザーを照射すると、露出した状態で熱硬化された裏面保護膜13’の平滑面13’bにレーザーマーキングする場合に比べて、より鮮明にレーザーマーキングすることができる。
【0132】
<<裏面保護膜付き半導体装置の製造方法>>
図6は、裏面保護膜付き半導体装置の製造方法の実施形態の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法は、前記第四積層体の製造方法で製造された第四積層体19’の、ワーク14及び裏面保護膜13’をダイシングして、裏面保護膜付き半導体装置21とする工程(
図6(h)及び
図6(i))と、裏面保護膜付き半導体装置21を、支持シート10からピックアップする工程(
図6(j))とを含む。
【0133】
図7は、裏面保護膜付き半導体装置の製造方法の実施形態の他の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法は、前記第三積層体の製造方法で製造された第三積層体19の、裏面保護膜形成用フィルム13及びワーク14をダイシングして、裏面保護膜形成用フィルム付き半導体装置21’とする工程(
図7(h’)及び
図7(i’))と、裏面保護膜形成用フィルム付き半導体装置21’を、支持シート10からピックアップする工程(
図7(j’))と、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させて裏面保護膜13’とする硬化工程(
図7(k’))と、を含む。
【0134】
図8は、裏面保護膜付き半導体装置の製造方法の実施形態の他の一例を模式的に示す概略断面図である。本実施形態の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法は、前記第三積層体の製造方法で製造された第三積層体19の、裏面保護膜形成用フィルム13及びワーク14をダイシングして、裏面保護膜形成用フィルム付き半導体装置21’とする工程(
図8(
h)及び
図8(
i))と、裏面保護膜形成用フィルム13を硬化させて裏面保護膜13’とする硬化工程(
図8(j’))と、裏面保護膜付き半導体装置21を、支持シート10からピックアップする工程とを含む。
【0135】
本実施形態の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法は、裏面保護膜形成用フィルム13が熱硬化性であり、本実施形態の裏面保護膜とする工程では、例えば、裏面保護膜形成用フィルム13を、130℃、2hの条件で熱硬化させている。
【0136】
熱硬化性の裏面保護膜形成用フィルムを熱硬化させて、裏面保護膜を形成するときの硬化条件は、上述の通り、裏面保護膜が十分にその機能を発揮する程度の硬化度となる限り、特に限定されず、熱硬化性の裏面保護膜形成用フィルムの種類に応じて、適宜選択すればよい。
【0137】
本実施形態の裏面保護膜付き半導体装置の製造方法は、裏面保護膜形成用フィルム13がエネルギー線硬化性であり、前記裏面保護膜とする工程が、裏面保護膜形成用フィルム13にエネルギー線を照射してエネルギー線硬化させる工程であってもよい。
【0138】
エネルギー線硬化性の裏面保護膜形成用フィルムをエネルギー線硬化させて、保護膜を形成するときの硬化条件は、保護膜が十分にその機能を発揮する程度の硬化度となる限り特に限定されず、エネルギー線硬化性裏面保護膜形成用フィルムの種類に応じて、適宜選択すればよい。
例えば、エネルギー線硬化性裏面保護膜形成用フィルムのエネルギー線硬化時における、エネルギー線の照度は、4〜280mW/cm
2であることが好ましい。そして、前記硬化時における、エネルギー線の光量は、3〜1000mJ/cm
2であることが好ましい。
【0139】
エネルギー線硬化性の裏面保護膜形成用フィルムとしては、例えば、国際公開第2017/188200号、国際公開第2017/188218号に開示されたものを用いることもできる。
【実施例】
【0140】
以下、具体的実施例により、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明は、以下に示す実施例に、何ら限定されるものではない。
【0141】
[実施例1]
次の各成分を、表1に示す配合比(固形分換算)で混合し、固形分濃度が保護膜形成組成物の総質量に対して、50質量%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、裏面保護膜形成用フィルムを形成するための保護膜形成組成物を調製した。
(A−1):バインダーポリマー:n−ブチルアクリレート55質量部、メチルアクリレート10質量部、グリシジルメタクリレート20質量部および2−ヒドロキシエチルアクリレート15質量部を共重合してなる(メタ)アクリル酸エステル共重合体(重量平均分子量:80万,ガラス転移温度:−28℃)
(B−1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,jER828,エポキシ当量184〜194g/eq)
(B−2)ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製,jER1055,エポキシ当量800〜900g/eq)
(B−3)ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC社製,エピクロンHP−7200HH,エポキシ当量255〜260g/eq)
(B−4)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬社製,EOCN−104,エポキシ当量220g/eq)
(C−1)熱活性潜在性エポキシ樹脂硬化剤:ジシアンジアミド(ADEKA社製,アデカハードナーEH−3636AS,活性水素量21g/eq)
(D−1)硬化促進剤:2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール(四国化成工業社製,キュアゾール2PHZ)
(E−1)不定形シリカフィラー(龍森社製,SV−10,平均粒径8μm)
(F−1)シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製,KBM403,メトキシ当量:12.7mmol/g,分子量:236.3)
(G−1)着色剤:フタロシアニン系青色色素(Pigment Blue 15:3)32質量部と、イソインドリノン系黄色色素(Pigment Yellow 139)18質量部と、アントラキノン系赤色色素(Pigment Red 177)50質量部とを混合し、前記3種の色素の合計量/スチレンアクリル樹脂量=1/3(質量比)となるように顔料化して得られた顔料。
【0142】
(裏面保護膜形成用フィルムの形成)
ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されてなる剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET501031」、厚さ50μm、前記第2剥離フィルムに相当)の剥離処理面(表面粗さRa:30nm)に、上記で得られた組成物(III−1)を塗工し、100℃で3分乾燥させることにより、厚さが25μmである裏面保護膜形成用フィルムを形成した。
さらに、この裏面保護膜形成用フィルムの露出面(剥離フィルムを備えている側とは反対側の表面)に、別途、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されてなる剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm、前記第1剥離フィルムに相当)の剥離処理面(表面粗さRa:30nm)を、第1剥離フィルム側から、ラミネートロールにて、温度:23±5℃、圧力:0.4MPa、速度:1m/minの条件で貼り合わせて、裏面保護膜形成用フィルムの両面に剥離フィルムが積層された積層シート(すなわち、第一積層体)を作製した。
【0143】
(剥離不良の発生頻度評価)
第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シートをA4サイズで10枚作製した。
前記積層シートから、第1剥離フィルムを、A4サイズの短辺側から、剥がした。
10枚の積層シートのうち、第1剥離フィルムを、A4サイズの短辺側から剥がし始める際に、剥離不良が発生した枚数を以下の基準で判定し、剥離不良の発生頻度を評価した。
【0144】
・剥離不良発生0〜1枚・・・A:非常に良い。
・剥離不良発生2〜3枚・・・B:良い。
・剥離不良発生4〜5枚・・・C:普通。
・剥離不良発生6〜10枚・・・D:劣っている。
【0145】
(表面粗さ(Ra)の測定)
光干渉式表面形状測定装置(Veeco Metrology Group社製、製品名「WYKO WT1100」)を用いて、PSIモードで倍率10倍にて、測定対象の表面の表面粗さ(Ra)を、面内で10点測定し、平均値の小数第一位を四捨五入して整数の数値を得た。
第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シートについて、第1剥離フィルムを剥離させることによって、未硬化の裏面保護膜形成用フィルムのワークの側の表面粗さ(Ra)を測定し、第2剥離フィルムを剥離させることによって、裏面保護膜形成用フィルムの支持シートの側の表面粗さ(Ra)を測定した。
【0146】
[支持シートの製造]
剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm)の剥離処理面に、粘着剤組成物を塗工し、100℃で3分乾燥させて、紫外線硬化型の粘着剤層(乾燥後厚さ10μm)を形成し、露出面(剥離フィルムを備えている側とは反対側の表面)に、別途、基材であるポリプロピレンフィルム(厚さ80μm、グンゼ社製)を貼り合わせて支持シートを得た。
【0147】
前記粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体100質量部(固形分)、3官能キシリレンジイソシアネート系架橋剤(三井武田ケミカル社製「タケネートD110N」)6.6質量部(固形分)、及び光重合開始剤(BASF社製「イルガキュア127」)3.0質量部(固形分)を含有し、メチルエチルケトン、トルエン及び酢酸エチルの混合溶媒を用いて、固形分濃度を30質量%に調節したものである。また、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体は、アクリル酸2−エチルヘキシル(以下、「2EHA」と略記することがある)70質量部と、酢酸ビニル(以下、「VAc」と略記することがある)10質量部と、アクリル酸2−ヒドロキシルエチル(以下、「HEA」と略記することがある)20質量部とを共重合させて得られたプレ共重合体に、さらに、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(メタクリル酸2−イソシアナトエチル、以下、「MOI」と略記することがある。)21.4質量部(HEA中の水酸基の総モル数に対して、MOI中のイソシアネート基の総モル数が0.8倍となる量)を反応させて得られた、重量平均分子量700000の紫外線硬化型アクリル系共重合体である。
【0148】
(ワーク)
ワークとして、#2000研磨面を有する、12インチシリコンウエハ(厚さ100μm)を用いた。
【0149】
(第三積層体の製造)
第三積層体の製造にあたって、同一装置内で、第1剥離フィルムを剥離する機構と、裏面保護膜形成用フィルムを貼付する機構と、第2剥離フィルムを剥離する機構と、支持シートを貼付する機構とを連続させ、各機構間において、ワークであるシリコンウエハに裏面保護膜形成用フィルムが貼付された第二積層体を、搬送アームを用いて、一枚ずつ搬送して行った。
【0150】
初めに、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムからなる積層シート(すなわち、第一積層体)から、裏面保護膜形成用フィルム及び第1剥離フィルムを、ワークであるシリコンウエハの形状に抜き加工するとともに第1剥離フィルムを剥離し、前記シリコンウエハの#2000研磨面に、温度:23℃、圧力:0.5MPaの条件で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルムを貼付した。
次に、この第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/シリコンウエハからなる積層体から、第2剥離フィルムを剥離し、ワークであるシリコンウエハに裏面保護膜形成用フィルムが貼付された第二積層体を得た。
【0151】
更に、前記支持シートの剥離フィルムを剥離し、同一装置内に有するウエハマウンターを用いて、前記支持シートの粘着剤層の露出面と、前記裏面保護膜形成用フィルムの露出面とを、貼付速度:20mm/s、プレス圧:0.3MPaの貼付条件で貼り合わせ、支持シート、裏面保護膜形成用フィルム及び半導体ウエハがこの順に積層されて構成された第三積層体を得た。
【0152】
シリコンウエハに裏面保護膜形成用フィルムを貼付する第一の積層工程の貼付開始時から、裏面保護膜形成用フィルムに支持シートを貼付する第二の積層工程の貼付完了時までの間のワークの搬送時間は、60sであった。
【0153】
シリコンウエハに裏面保護膜形成用フィルムを貼付する第一の積層工程の貼付開始地点から、裏面保護膜形成用フィルムに支持シートを貼付する第二の積層工程の貼付完了地点までの間のワークの搬送距離は、2900mmであった。
【0154】
(熱硬化)
第三積層体を130℃、2hの条件で、熱処理して、支持シート、裏面保護膜及びシリコンウエハがこの順に積層されて構成された第四積層体を得た。
【0155】
(レーザーマーキング評価)
第四積層体について、レーザー印字装置(EOテクニクス社製「CSM300M」)を用いて、第四積層体中の裏面保護膜のうち、粘着剤層側の面に、支持シート越しにレーザー光を照射することにより、印字を行った。このとき、0.3mm×0.2mmの大きさの文字を印字した。
【0156】
次いで、この裏面保護膜の印字(レーザー印字)を、支持シートを介して目視で観察し、下記基準にしたがって、印字(文字)の視認性を評価した。結果を表1に示す。
○:印字は、鮮明であり、容易に視認可能である。
×:印字は、不鮮明であり、視認不可能である。
【0157】
【表1】
【0158】
[実施例2]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:40℃、圧力:0.5MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0159】
[実施例3]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:50℃、圧力:0.5MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0160】
[実施例4]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:60℃、圧力:0.5MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0161】
[実施例5]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:70℃、圧力:0.5MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0162】
[実施例6]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:70℃、圧力:0.7MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0163】
[実施例7]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:70℃、圧力:0.8MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0164】
[実施例8]
実施例1で、第2剥離フィルム/裏面保護膜形成用フィルム/第1剥離フィルムの積層シート(すなわち、第一積層体)を作製する際の、裏面保護膜形成用フィルムの露出面に第1剥離フィルムを貼り合わせる条件を、温度:70℃、圧力:0.9MPa、速度:1m/minの条件にしたことの他は、実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0165】
[比較例1]
(裏面保護膜形成用フィルムの形成)
ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されてなる剥離フィルム(帝人デュポンフィルム社製,U4Z−50,厚さ:50μm、前記第2剥離フィルムに相当)の剥離処理面(表面粗さ:218nm)に、上記で得られた組成物(III−1)を塗工し、100℃で3分乾燥させることにより、厚さが25μmである裏面保護膜形成用フィルムを形成した。
さらに、この裏面保護膜形成用フィルムの露出面(剥離フィルムを備えている側とは反対側の表面)に、別途、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムの片面がシリコーン処理により剥離処理されてなる剥離フィルム(リンテック社製「SP−PET381031」、厚さ38μm、前記第1剥離フィルムに相当)の剥離処理面(表面粗さ:30nm)を、第1剥離フィルム側から、ラミネートロールにて、温度:70℃、圧力:0.9MPa、速度:1m/minの条件で貼り合わせて、裏面保護膜形成用フィルムの両面に剥離フィルムが積層された積層シート(すなわち、第一積層体)を作製した。
実施例1と同様にして、剥離不良が発生した枚数を調べて、剥離不良の発生頻度を評価し、表面粗さ(Ra)を測定した。
また、実施例1と同様に、第二積層体、第三積層体及び第四積層体を製造し、レーザーマーキング評価をした。結果を表1に示した。
【0166】
【表2】
本発明は、ワーク(14)の、一方の面が回路面(14a)であり、他方の面が裏面(14b)であり、裏面保護膜形成用フィルム(13)の、一方の面が平滑面(13b)であり、他方の面が平滑面(13b)よりも粗い粗面(13a)であり、ワーク(14)の裏面(14b)に、裏面保護膜形成用フィルム(13)の粗面(13a)を向い合せに貼付する第一の積層工程と、裏面保護膜形成用フィルム(13)の平滑面(13b)に、支持シート(10)を貼付する第二の積層工程とを、この順に含む、第三積層体(19)の製造方法に関する。