特許第6855183号(P6855183)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6855183
(24)【登録日】2021年3月19日
(45)【発行日】2021年4月7日
(54)【発明の名称】超音波診断装置及びその制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/08 20060101AFI20210329BHJP
【FI】
   A61B8/08
【請求項の数】14
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-133329(P2016-133329)
(22)【出願日】2016年7月5日
(65)【公開番号】特開2018-673(P2018-673A)
(43)【公開日】2018年1月11日
【審査請求日】2019年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100115462
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 猛
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ジャハン イスラト
(72)【発明者】
【氏名】金山 侑子
(72)【発明者】
【氏名】谷川 俊一郎
【審査官】 冨永 昌彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−067392(JP,A)
【文献】 特開2016−067399(JP,A)
【文献】 特開2005−118152(JP,A)
【文献】 特開2012−061317(JP,A)
【文献】 特開2013−240721(JP,A)
【文献】 特開2011−120614(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/024168(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/142255(WO,A1)
【文献】 特開2007−312958(JP,A)
【文献】 特開2000−051214(JP,A)
【文献】 特開2003−135462(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0148676(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された組織形態画像と、前記生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された計測対象画像とが合成された合成画像であって、時間的に異なる複数の合成画像を並べて表示する表示デバイスと、
該表示デバイスに表示される前記複数の計測対象画像における同一の部分に、前記エコー信号に基づく計測を行なう対象となる計測領域を設定する計測領域設定部と、
前記表示デバイスに並べて表示された前記複数の合成画像のうち、操作者が所望の合成画像を特定する入力を受け付ける入力デバイスと、
該入力デバイスにおいて特定された合成画像を除く前記被検体についての複数の合成画像又は前記入力デバイスにおいて特定された複数の合成画像における計測対象画像に設定された計測領域について得られる複数の計測値の第一代表値を算出する第一代表値算出部と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
【請求項2】
前記表示デバイスには、操作者が前記入力デバイスにおいて前記入力を行なうための操作画像が表示され、
前記入力デバイスが、前記操作画像を用いた所望の合成画像を特定する入力を受け付けると、特定された合成画像を前記表示デバイスから消去する画像表示制御部を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記表示デバイスに、前記第一代表値が表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記計測対象画像は、前記エコー信号に基づいて作成されたデータに基づく画像であり、
前記計測領域における前記エコー信号に基づく計測の計測値として、前記計測領域における前記データが示す値の第二代表値を算出する第二代表値算出部を備え、
前記複数の合成画像が表示されている前記表示デバイスには、前記被検体についての複数の合成画像における計測対象画像の前記計測領域における前記第二代表値が表示される
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記計測対象画像について、生体組織の弾性を正確に反映している程度を示す評価値を算出する評価値算出部を備え、
前記表示デバイスには、前記評価値が所定の基準を満たす計測対象画像を有する合成画像が並んで表示される
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記複数の合成画像は、複数のシネメモリに記憶されたデータに基づく画像であり、操作者による入力によって特定された被検体のデータが、前記複数のシネメモリに記憶されたデータのメタデータに基づいて検索されて表示されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記表示デバイスには、前記複数の合成画像の各々を識別する識別画像であって、前記複数のシネメモリのうち、どのシネメモリに記憶された合成画像であるかを認識できる識別画像が表示されることを特徴とする請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
操作者が、前記複数の計測対象画像のうちの少なくとも一つにおいて前記計測領域を移動させる入力を受け付ける入力デバイスを備え、
前記計測領域設定部は、前記入力デバイスにおける入力に基づいて、全ての計測対象画像における前記計測領域を移動させる
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
前記生体組織に対して送信された超音波のプッシュパルスによって生じたせん断弾性波を、前記生体組織に対して送信された検出用超音波のエコー信号に基づいて検出して、前記生体組織の弾性データを作成する弾性データ作成部を備え、
計測対象画像は、前記弾性データに基づいて作成される弾性画像であり、
前記計測値は、前記弾性データに基づいて得られる
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項10】
前記第一代表値は、前記複数の計測値の統計値であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項11】
前記エコー信号に基づいてBモードデータを作成するBモードデータ作成部を備え、
前記組織形態画像は、前記Bモードデータに基づいて作成されたBモード画像である
ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の超音波診断装置
【請求項12】
前記表示デバイスに表示された複数の合成画像は、記憶デバイスに記憶されたデータに基づく画像の中から選択された画像であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の超音波診断装置。
【請求項13】
プロセッサーと、表示デバイスと、入力デバイスとを備えることを特徴とする超音波診断装置であって、
前記プロセッサーは、前記表示デバイスに、被検体の生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された組織形態画像と、前記生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された計測対象画像とが合成された合成画像であって、時間的に異なる複数の合成画像を並べて表示させる画像表示制御機能をプログラムによって実行し、
前記入力デバイスは、前記表示デバイスに並べて表示された前記複数の合成画像のうち、操作者が所望の合成画像を特定する入力を受け付け、
さらに、前記プロセッサーは、
前記表示デバイスに表示される前記複数の計測対象画像における同一の部分に、前記エコー信号に基づく計測を行なう対象となる計測領域を設定する計測領域設定機能と、
前記入力デバイスにおいて特定された合成画像を除く前記被検体についての複数の合成画像又は前記入力デバイスにおいて特定された複数の合成画像における計測対象画像に設定された計測領域について得られる複数の計測値の第一代表値を算出する第一代表値算出機能と、
をプログラムによって実行する
ことを特徴とする超音波診断装置。
【請求項14】
プロセッサーと、表示デバイスと、入力デバイスとを備えることを特徴とする超音波診断装置の制御プログラムであって、
前記プロセッサーは、前記表示デバイスに、被検体の生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された組織形態画像と、前記生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された計測対象画像とが合成された合成画像であって、時間的に異なる複数の合成画像を並べて表示させる画像表示制御機能を前記制御プログラムによって実行し、
前記入力デバイスは、前記表示デバイスに並べて表示された前記複数の合成画像のうち、操作者が所望の合成画像を特定する入力を受け付け、
前記制御プログラムは前記プロセッサーに、
前記表示デバイスに表示される前記複数の計測対象画像における同一の部分に、前記エコー信号に基づく計測を行なう対象となる計測領域を設定する計測領域設定機能と、
前記入力デバイスにおいて特定された合成画像を除く前記被検体についての複数の合成画像又は前記入力デバイスにおいて特定された複数の合成画像における計測対象画像に設定された計測領域について得られる複数の計測値の第一代表値を算出する第一代表値算出機能と、
を実行させる
ことを特徴とする超音波診断装置の制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計測対象画像に設定された計測領域について計測を行なう超音波診断装置及びその制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に対して超音波を送信して得られたエコー信号に基づいて作成された計測対象画像として、例えば生体組織の弾性を示す弾性画像を表示する超音波診断装置がある。このような超音波診断装置は、エコー信号に基づいて被検体の弾性に関する値を算出し、この値に応じた弾性画像を表示する。
【0003】
被検体の弾性に関する値を算出する手法として、例えば、生体組織に対して、超音波プローブから音圧の高い超音波パルス、すなわちプッシュパルスを送信して、このプッシュパルスによって生体組織に生じたせん断弾性波(shear wave)の伝搬速度や生体組織の弾性値を算出する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。せん断弾性波の伝搬速度のデータや生体組織の弾性値のデータなどの弾性データが得られると、超音波診断装置の表示デバイスに、弾性データに応じた色などを有する弾性画像が表示される。弾性画像は、例えばBモード画像と合成されて表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−100997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、弾性画像に計測領域を設定し、計測領域について、せん断弾性波の伝搬速度や生体組織の弾性値などの計測値を得る場合がある。ここで、生体組織の弾性に応じた正確な伝搬速度や弾性値が得られないことがある。このため、被検体における同じ位置に計測領域を設定し、この計測領域について複数回の計測を行なう。具体的には、複数フレームの弾性画像及びBモード画像を得て、各々の弾性画像における同じ位置に計測領域を設定して、計測を行なう。そして、複数回の計測によって得られた複数の計測値を代表する値として、例えば中央値(メジアン:median)などを得ることにより、信頼性のある計測値を得ている。
【0006】
操作者は、計測領域を設定する時に、例えば被検体における同じ位置の弾性画像であるかなど、計測に適した弾性画像であるかを、Bモード画像によって確認した後に、計測領域を設定している。従来は、操作者が各々の計測において計測に適した弾性画像であるかを確認し、計測領域を設定している。しかし、新たなフレームの弾性画像及びBモード画像が得られると、直前の計測において表示されていたBモード画像を確認することはできないため、新たなフレームの弾性画像が、直前の計測において用いられた弾性画像と同じ位置であるかを確認することは困難である。弾性画像の位置が異なっていると、複数の計測値を代表する値として、正確な値を得ることができない。
【0007】
また、上述のように、従来は、操作者が各々の計測において計測に適した弾性画像であるかを確認し、計測に適した弾性画像ではないと判断すると、その弾性画像に代えて新たな弾性画像を取得している。しかし、被検体によっては、計測を行なうための最適な弾性画像が得られない場合がある。この場合、操作者は、数枚の弾性画像を取得した後に、計測に最適な弾性画像が得られないと判断し、その後所要数の弾性画像を取得する必要がある。従って、最初に取得された数枚の弾性画像が無駄になり、操作者にとって手間である。また、余計な弾性画像の取得が必要になるために、検査時間が長くなり、被検体にとっても負担になっている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するためになされた一の観点の発明は、被検体の生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された組織形態画像と、前記生体組織に対して送信された超音波のエコー信号に基づいて作成された計測対象画像とが合成された合成画像であって、時間的に異なる複数の合成画像を並べて表示する表示デバイスと、この表示デバイスに表示される前記複数の計測対象画像における同一の部分に、前記エコー信号に基づく計測を行なう対象となる計測領域を設定する計測領域設定部と、前記表示デバイスに表示された前記複数の合成画像のうち、操作者が所望の合成画像を特定する入力を受け付ける入力デバイスと、この入力デバイスにおいて特定された合成画像を除く前記被検体についての複数の合成画像又は前記入力デバイスにおいて特定された複数の合成画像における計測対象画像に設定された計測領域について得られる複数の計測値の第一代表値を算出する第一代表値算出部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置である。
【発明の効果】
【0009】
上記観点の発明によれば、複数の合成画像が並べて表示されるので、操作者は、複数の組織形態画像を比較することにより、複数の計測対象画像が、被検体の同じ部分について得られているか否かを容易に確認することができる。そして、操作者は、例えば前記複数の計測対象画像のうち、他の計測対象画像とは被検体において異なる部分について得られた計測対象画像があると判断した場合、その計測対象画像を有する合成画像を特定する入力を前記入力デバイスにおいて行なう。また、操作者は、前記異なる部分について得られた計測対象画像を有する合成画像以外の複数の合成画像を特定する入力を前記入力デバイスにおいて行なってもよい。前記第一代表値算出部は、前記入力デバイスによる入力によって特定された合成画像を除く複数の合成画像又は前記入力デバイスにおいて特定された複数の合成画像における計測対象画像に設定された複数の計測領域について得られる複数の計測値の第一代表値を算出するので、代表値として、より正確な値を得ることができる。また、複数の合成画像が並べて表示されることにより、操作者は複数の計測対象画像を比較することができる。従って、操作者は、余計な計測対象画像を取得することなく、計測を行なうことができる弾性画像であるかどうかを判断し、より正確な代表値を得ることができる弾性画像を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態の一例である超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】エコーデータ処理部の構成を示すブロック図である。
図3】表示処理部の構成を示すブロック図である。
図4】本発明の実施の形態の一例である超音波診断装置の作用を説明するフローチャートである。
図5】複数の合成画像が表示された表示デバイスを示す図である。
図6】カーソルが操作画像に移動した状態の表示デバイスを示す図である。
図7】第一代表値が表示された状態の表示デバイスを示す図である。
図8】エコーデータ処理部の構成の他例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示す超音波診断装置1は、超音波プローブ2、送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4、表示処理部5、表示デバイス6、操作デバイス7、制御部8、記憶デバイス(device)9を備える。前記超音波診断装置1は、コンピュータ(computer)としての構成を備えている。
【0012】
超音波プローブ2は、本発明における超音波プローブの実施の形態の一例であり、被検体の生体組織に対して超音波を送信する。超音波プローブ2においては、特に図示しないが複数の超音波トランスデューサ(transducer)がアジマス(azimuth)方向に配列されている。超音波プローブ2により、生体組織にせん断弾性波を生じさせるための超音波パルス(プッシュパルス)が送信される。また、超音波プローブ2により、プッシュパルスによって生体組織に生じたせん断弾性波を検出するための検出用超音波パルスが送信され、そのエコー信号が受信される。
【0013】
また、超音波プローブ2により、Bモード画像を作成するためのBモード画像用超音波パルスが送信され、そのエコー信号が受信される。
【0014】
送受信ビームフォーマ3は、制御部8からの制御信号に基づいて、超音波プローブ2を駆動させて所定の送信パラメータ(parameter)を有する前記各種の超音波パルスを送信させる。また、送受信ビームフォーマ3は、超音波のエコー信号について、整相加算処理等の信号処理を行なう。
【0015】
エコーデータ処理部4は、図2に示すように、Bモード処理部41、伝搬速度算出部42を有する。Bモード処理部41は、送受信ビームフォーマ3から出力されたエコーデータに対し、対数圧縮処理、包絡線検波処理等のBモード処理を行い、Bモードデータを作成する。Bモード処理部41は、本発明におけるBモードデータ作成部の実施の形態の一例である。
【0016】
また、伝搬速度算出部42は、前記プッシュパルスによって生体組織に生じたせん断弾性波の伝搬速度を算出する。具体的には、伝搬速度算出部42は、検出用超音波パルスのエコー信号から得られ、送受信ビームフォーマ3から出力されたエコーデータに基づいて、前記せん断弾性波を検出する。そして、伝搬速度算出部42は、前記せん断弾性波の伝搬速度を算出して、せん断弾性波の伝搬速度を示すデータを作成する。伝搬速度は、後述の表示領域Rd内から得られたエコーデータに基づいて算出される。従って、表示領域Rd内におけるせん断弾性波の伝搬速度が算出される。伝搬速度を示すデータは、後述の弾性画像における画素に対応する部分ごとに得られる。
【0017】
生体組織におけるせん断弾性波の速度は、生体組織の弾性に応じて異なっている。従って、表示領域Rd内において、生体組織の弾性に応じた伝搬速度を得ることができる。
【0018】
伝搬速度を示すデータを、弾性データと云うものとする。伝搬速度算出部42は、本発明における弾性データ作成部の実施の形態の一例である。
【0019】
表示処理部5は、図3に示すように、Bモード画像データ作成部51、弾性画像データ作成部52、画像表示制御部53、評価値算出部54、計測領域設定部55、第一代表値算出部56及び第二代表値算出部57を有する。Bモード画像データ作成部51は、Bモードデータをスキャンコンバータ(scan converter)によって走査変換してBモード画像データを作成する。弾性画像データ作成部52は、弾性データをスキャンコンバータによって走査変換して弾性画像データを作成する。
【0020】
画像表示制御部53は、Bモード画像データ及び弾性画像データを合成して合成画像データを作成する。また、画像表示制御部53は、合成画像データに基づいて、合成画像EIを表示デバイス6に表示させる。合成画像EIは、Bモード画像データに基づくBモード画像BI及び弾性画像データに基づく弾性画像EIを有する画像である。画像表示制御部53は、Bモード画像BIに設定された表示領域Rdに、弾性画像EIを表示させる。弾性画像EIは、背景のBモード画像BIが透過する半透明のカラー画像である。このカラー(color)画像は、伝搬速度又は弾性値に応じた色を有する画像であり、生体組織の弾性に応じた色を有する。
【0021】
表示領域Rdは、せん断弾性波が検出される領域であり、この領域において前記検出用超音波パルスの送受信が行われる。
【0022】
画像表示制御部53は、リアルタイムのBモード画像データ及び弾性画像データを合成して合成画像EIを表示させてもよい。また、記憶デバイス9に記憶されたBモード画像データ及び弾性画像データを合成して合成画像EIを表示させてもよい。また、記憶デバイスに記憶された合成画像データに基づく合成画像EIを表示させてもよい。
【0023】
Bモード画像BIは、本発明における組織形態画像の実施の形態の一例である。また、弾性画像EIは、本発明における計測対象画像の実施の形態の一例である。また、合成画像CIは、本発明における合成画像の実施の形態の一例である。
【0024】
画像表示制御部53は、記憶デバイス9に記憶された複数フレームのデータ(Bモード画像データ、弾性画像データ、合成画像データ)に基づいて、複数の合成画像CIを表示デバイス6に並べて表示させる(図5参照)。複数フレームのデータは、時間的に異なるフレームのデータである。詳細は後述する。画像表示制御部53の機能は、本発明における画像表示制御機能の実施の形態の一例である。
【0025】
評価値算出部54は、弾性画像EIについての評価値を算出する。詳細は後述する。評価値算出部54は、本発明における評価値算出部の実施の形態の一例である。
【0026】
計測領域設定部55は、弾性データに基づく計測値を得る対象となる計測領域Rmを弾性画像EIに設定する。詳細は後述する。計測領域設定部55は、本発明における計測領域設定部の実施の形態の一例である。また、計測領域設定部55の機能は、本発明における計測領域設定機能の実施の形態の一例である。
【0027】
第一代表値算出部56は、複数の合成画像CIの弾性画像EIに設定された計測領域Rmについて得られる複数の計測値の第一代表値を算出する。詳細は後述する。計測領域Rmについて得られる計測値は、第二代表値算出部57で得られる第二代表値である。第二代表値算出部57は、第二代表値として、計測領域Rmにおける弾性データが示す値の代表値を算出する。詳細は後述する。第一代表値算出部56は、本発明における第一代表値算出部の実施の形態の一例である。また、第一代表値算出部56の機能は、本発明における第一代表値算出機能の実施の形態の一例である。また、第二代表値算出部57は、本発明における第二代表値算出部の実施の形態の一例である。
【0028】
表示デバイス6は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどである。表示デバイス6は、本発明における表示デバイスの実施の形態の一例である。
【0029】
操作デバイス7は、特に図示しないが、ユーザーからの指示や情報の入力を受け付けるデバイスである。操作デバイス7は、操作者からの指示や情報の入力を受け付けるボタン及びキーボード(keyboard)などを含み、さらにトラックボール(trackball)等のポインティングデバイス(pointing device)などを含んで構成されている。操作デバイス7は、本発明における入力デバイスの実施の形態の一例である。
【0030】
制御部8は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーである。この制御部8は、記憶デバイス9に記憶されたプログラムを読み出し、超音波診断装置1の各部を制御する。例えば、制御部8は、記憶デバイス9に記憶されたプログラムを読み出し、読み出されたプログラムにより、送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4及び表示処理部5の機能を実行させる。
【0031】
制御部8は、送受信ビームフォーマ3の機能のうちの全て、エコーデータ処理部4の機能のうちの全て及び表示処理部5の機能のうちの全ての機能をプログラムによって実行してもよいし、一部の機能のみをプログラムによって実行してもよい。制御部8が一部の機能のみを実行する場合、残りの機能は回路等のハードウェアによって実行されてもよい。
【0032】
なお、送受信ビームフォーマ3、エコーデータ処理部4及び表示処理部5の機能は、回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0033】
記憶デバイス9は、HDD(Hard Disk Drive:ハードディスクドライブ)や、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体メモリ(Memory)などである。記憶デバイス9は、シネメモリ(cine memory)を含む。記憶デバイス9は、本発明における記憶デバイスの実施の形態の一例である。
【0034】
超音波診断装置1は、記憶デバイス9として、HDD、RAM及びROMの全てを有していてもよい。また、記憶デバイス9は、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)などの可搬性の記憶媒体であってもよい。
【0035】
制御部8によって実行されるプログラムは、記憶デバイス9を構成するHDDやROMなどの非一過性の記憶媒体に記憶されている。また、プログラムは、記憶デバイス9を構成するCDやDVDなどの可搬性を有し非一過性の記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0036】
次に、本例の超音波診断装置1の作用について図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0037】
先ず、図4のステップS1においては、検査対象の被検体Pについて、複数フレームの合成画像が取得される。具体的には、超音波プローブ2からBモード画像用超音波パルスの送信が行われる。そして、このBモード画像用超音波パルスのエコー信号に基づいて、Bモードデータ及びBモード画像データが作成され、表示デバイス6にBモード画像BIが表示される。また、Bモード画像BIに表示領域Rdが設定された後に、超音波プローブ2から被検体に対してプッシュパルスの検出用超音波パルスの送信が開始される。そして、検出用超音波パルスのエコー信号に基づいて弾性データが作成され、表示領域Rdに弾性画像EIが表示された合成画像CIが、表示デバイス6に表示される。このステップS1では、リアルタイムの合成画像CIが表示デバイス6に表示される。
【0038】
ステップS1では、被検体Pについて複数フレームの合成画像CIが取得される。すなわち、同一の被検体について異なる時間における複数の合成画像CIが取得される。複数フレームの合成画像CIのデータは、シネメモリに記憶される。複数フレームの合成画像CIのデータは、複数の異なるシネメモリに記憶されてもよい。
【0039】
次に、ステップS2では、図5に示すように複数の合成画像CIが表示デバイス6に表示される。画像表示制御部53は、操作者による複数の合成画像CIを表示させる入力を操作デバイス7が受け付けると、ステップS1でシネメモリに記憶されたデータに基づいて、複数の合成画像CIを並べて表示させる。本例では、9枚の合成画像CIが表示されている。ただし、9枚に限られるものではない。
【0040】
複数の合成画像CIを表示させる入力は、被検体Pを特定する入力が含まれる。被検体P以外の被検体についてのデータがシネメモリに記憶されている場合、画像表示制御部53は、前記入力によって特定された被検体Pについて取得されたデータを、前記シネメモリにおいて検索してこれを読み出し、読み出したデータに基づく合成画像CIを表示させる。画像表示制御部53は、シネメモリに記憶されたデータ(合成画像データ、Bモード画像データ、弾性画像データ)のメタデータ(meta data、付帯情報)を参照して、被検体Pのデータを検索する。被検体Pのデータが複数の異なるシネメモリに記憶されている場合、画像表示制御部53は、複数の異なるシネメモリの各々において被検体Pのデータを検索する。
【0041】
画像表示制御部53は、表示された複数の合成画像CIの各々を識別する識別画像Idを、表示デバイスに表示させてもよい。複数の異なるシネメモリに記憶されたデータに基づく複数の合成画像CIが表示される場合、画像表示制御部53は、どのシネメモリに記憶された合成画像CIであるかを認識できる識別画像Idを表示させてもよい。図5では、複数の合成画像CIの左上に、識別画像Idとして、「1:1」、「1:2」、「1:3」、「1:4」、「2:1」、「2:2」、「2:3」、「3:1」、「3:2」が表示されている。コロン(「:」)の左側がシネメモリの番号を示し、コロンの右側が、あるシネメモリにおける各々の合成画像に固有の番号(例えばフレーム番号)である。合成画像に固有の番号は、シネメモリに記憶された順番を示していてもよい。例えば、「1:1」であれば、シネメモリ1における1番目の合成画像CIを示す。識別画像Idは、本発明における識別画像の実施の形態の一例である。
【0042】
画像表示制御部53は、シネメモリに記憶された被検体Pの合成画像CIのうち、評価値算出部54が算出する評価値が所定の基準を満たす合成画像CIのみを選択して読み出し、表示させる。前記評価値は、合成画像CIにおける弾性画像EIが、生体組織の弾性を正確に反映している程度を示す値である。例えば、評価値算出部54は、評価値として、せん断弾性波による生体組織の変位に比例する値を算出する。せん断弾性波による生体組織の変位は、前記検出用超音波パルスのエコーデータにおいて検出される。
【0043】
せん断弾性波が小さいほど、検出用超音波パルスのエコー信号においてS/Nが悪化し、せん断弾性波の正確な検出が困難となる。これにより、より正確なせん断弾性波の伝搬速度の算出が困難になる。従って、せん断弾性波による生体組織の変位が小さいほど小さい値となる評価値が算出される。評価値が小さいほど、前記伝搬速度及び前記弾性値の信頼度が低く、評価値が大きいほど、前記伝搬速度及び前記弾性値の信頼度が高い。
【0044】
前記変位に比例する値は、画素毎に算出されてもよい。この場合、評価値算出部54は、評価値として、表示領域Rd内における変位に比例する値の合計値を算出する。
【0045】
画像表示制御部53は、前記評価値が所定の閾値以上である合成画像CIを表示させる。
【0046】
なお、画像表示制御部53は、シネメモリに記憶された被検体Pの合成画像CIのうち、操作者によって選択された合成画像CIを表示させてもよい。
【0047】
画像表示制御部53は、シネメモリに記憶された合成画像CIのうち、評価値が所定の基準を満たす全ての合成画像CIを一画面に表示させなくてもよい。画像表示制御部53は、評価値が所定の基準を満たす合成画像CIのうち、予め決められた枚数の合成画像CIのみを一画面に表示させてもよい。この枚数としては、一画面に表示された時に、合成画像CIの各々を観察しやすい大きさで表示することができる枚数(本例では9枚)が設定される。一画面に表示されない合成画像CIについては、操作者が画面を送ることによって表示される。
【0048】
画像表示制御部53は、シネメモリに記憶された合成画像CIの全体ではなく、一部分を拡大して表示させる。図5では、画像表示制御部53は、合成画像CIのうち、表示領域Rdの近傍の部分を拡大して表示させている。ただし、画像表示制御部53は、このように表示領域Rdの近傍の部分を拡大して表示させるのではなく、合成画像CIの全体を表示させてもよい。
【0049】
計測領域設定部55は、弾性画像EIに計測領域Rmを設定して表示する。計測領域Rmは、本例では円で囲まれる領域である。計測領域設定部54は、複数の弾性画像EIにおける同一の部分に、計測領域Rmを設定する。弾性画像EIにおいて計測領域Rmが設定される位置は、予めプログラムとして記憶されているものとする。
【0050】
第二代表値算出部57は、計測領域Rmにおける画素の各々の弾性データが示す値の第二代表値として、例えば計測領域Rmにおける画素の各々の弾性データが示す伝搬速度の平均値Vavを算出する。画像表示制御部53は、複数の弾性画像の各々の前記伝搬速度の平均値Vavを表示デバイス6に表示させる。図5では、伝搬速度の平均値Vavは、表示デバイス6において、複数の弾性画像CIが表示されている部分の左側に表示されている。
【0051】
本例では、シネメモリに記憶された合成画像CIのうち、評価値が所定の基準を満たす全ての合成画像CIにおける伝搬速度の平均値Vavが表示される。本例では、12個の伝搬速度の平均値Vavが表示デバイスに表示されている。従って、表示デバイス6に表示されている合成画像CIにおける伝搬速度の平均値Vavの他、表示デバイス6に表示されていない合成画像CIにおける伝搬速度の平均値Vavも表示されている。ただし、表示デバイス6に表示された合成画像CIにおける伝搬速度の平均値Vavのみが表示されてもよい。
【0052】
第一代表値算出部56は、表示デバイス6に表示された伝搬速度の平均値Vavの代表値を、第一代表値VAとして算出する。例えば、第一代表値VAは、表示デバイス6に表示された伝搬速度の平均値Vavの中央値(メジアン:median)Vme及び前記伝搬速度の平均値VavのIQR(Interquartile Range)の値Viqである。また、画像表示制御部53は、第一代表値VAを表示デバイス6に表示させる。第一代表値VAは、伝搬速度の平均値Vavの下側に表示されている。
【0053】
画像表示制御部53は、複数の合成画像CIのうち、後述する第一代表値の算出から除外する合成画像CIを操作者が特定する入力であって、なおかつ表示デバイス6から消去する合成画像CIを操作者が特定する入力を行なうための操作画像OIを表示デバイス6に表示させる。操作画像OIは、本例では「×」の図形からなる画像であり、合成画像CIの各々の右上に表示される。操作画像OIは、本発明における操作画像の実施の形態の一例である。
【0054】
次に、ステップS3においては、操作者によって計測領域Rmを移動させる入力が操作デバイス7において行なわれたか否かを制御部8が判定する。操作者は、表示デバイス6に表示された合成画像CIにおける計測領域Rmの位置を観察して、適切な伝搬速度の平均値Vavが得られる位置に、計測領域Rmが設定されていなければ、トラックボール等を用いて計測領域Rmを移動させる入力を行なう。
【0055】
ステップS3において、計測領域Rmを移動させる入力があったと判定された場合(ステップS3において、「YES」)、ステップS4へ移行する。このステップS4では、計測領域設定部54は、操作デバイス7における入力に基づいて計測領域Rmを移動させる。操作者は、複数の合成画像CIの弾性画像EIにおける計測領域のうち、一つの計測領域Rmのみをトラックボール等を用いて移動させる入力を行なう。この入力に基づいて、計測領域設定部54は、全ての弾性画像EIにおける計測領域Rmを同時に同じ位置に移動させる。計測領域設定部54は、表示デバイス6に表示された弾性画像EIにおける計測領域Rmと、表示デバイス6に表示されていない弾性画像EIにおける計測領域Rmとを同じ位置に移動させる。
【0056】
ステップS4において計測領域Rmの移動が行われると、ステップS5では、第二代表値算出部57が、新たに設定された計測領域Rmについての第二代表値(伝搬速度の平均値Vav)を再算出する。また、第一代表値算出部56は、新たに設定された計測領域Rmについての第一代表値VAを再算出する。画像表示制御部53は、再算出された第二代表値及び第一代表値VAを表示デバイス6に表示させる。
【0057】
ステップS5において第二代表値及び第一代表値VAが再算出され表示された場合又はステップS3において、計測領域Rmの移動がない場合(ステップS3において、「NO」)、ステップS6へ移行する。ステップS6では、操作デバイス7において、後述する第一代表値の算出から除外する合成画像CIを操作者が特定する入力であって、なおかつ表示デバイス6から消去する合成画像CIを操作者が特定する入力(以下、「消去入力」という)が操作デバイス7において行なわれたか否かを制御部8が判定する。本例では、消去入力は、表示デバイス6から消去する合成画像CIを選択する入力である。例えば、前記消去入力は、トラックボールを用いて図6に示すようにカーソルCUを操作画像OIに移動させ、ボタンを押す動作である。前記消去入力は、本発明において操作者が所望の合成画像を特定する入力の実施の形態の一例である。
【0058】
操作者は、表示デバイス6に表示された合成画像CIの中から前記特定を行なう。前記評価値が所定の基準を満たし、表示デバイス6に表示されていない合成画像CIがある場合、操作者はこの合成画像CIを、画面を送って表示させ、消去入力が必要な合成画像を特定する。
【0059】
操作者は、例えば表示デバイス6に表示されたBモード画像BIを見比べることによって、被検体Pにおける同一の断面についての合成画像CIが得られているかを確認する。複数のBモード画像BIが、一画面に並べて表示されているので、操作者は同一の断面についての合成画像CIであるか否かを容易に判断することができる。そして、操作者は、異なる断面についての合成画像CIに対して消去入力を行なう。
【0060】
また、操作者は、伝搬速度の平均値Vavを見比べて、異常な値となっている伝搬速度の平均値Vavがあった場合、対応する合成画像CIに対して消去入力を行なう。
【0061】
ステップS6において、消去入力が行われたと判定された場合(ステップS6において、「YES」)、ステップS7へ移行する。このステップS7では、画像表示制御部53は、ステップS6において特定された合成画像CIを表示デバイス6から消去する。画像表示制御部53は、表示デバイス6から消去した合成画像CIに対応する伝搬速度の平均値Vavを、表示デバイス6から消去してもよい。ただし、画像表示制御部53は、ステップS6において特定された合成画像CIは表示させたまま、この合成画像CIにおける操作画像OIを消去したり、操作画像OIの表示形態を変更したりしてもよい。
【0062】
ステップS7において合成画像CIが表示デバイス6から消去されると、ステップS8では、画像表示制御部53は、消去された合成画像CIに代わり、図7に示すように、新たに識別画像Idが「3:3」である合成画像CIを表示させる。また、第一代表値算出部56は、消去された合成画像CIの第二代表値を除き、第一代表値VAを再算出する。画像表示制御部53は、再算出された第一代表値VAを表示デバイス6に表示させる。
【0063】
ステップS8の処理が行われた場合又はステップS6において消去入力が行われない場合(ステップS6において、「NO」)、ステップS9へ移行する。ステップS9では、制御部8が処理を終了するか否かを判定する。例えば、操作デバイス7が処理を終了する入力を受け付けた場合、制御部8は処理を終了すると判定し(ステップS9において「YES」)、処理が終了する。一方、制御部8が処理を終了しないと判定した場合、ステップS3の処理へ戻る。
【0064】
以上説明した本例によれば、操作者は、表示デバイス6において、一画面に表示された複数の合成画像CIを見比べて、第一代表値VAとして生体組織の弾性に応じた正確な値を得ることができない恐れがある合成画像CIを容易に削除することができる。これにより、生体組織の弾性に応じたより正確な第一代表値VAを得ることができる。
【0065】
また、操作者は、複数の弾性画像EIを比較して、計測を行なうことができる弾性画像であるかどうかを判断し、より正確な代表値を得ることができる弾性画像を選択することができる。
【0066】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、エコーデータ処理部4は、図8に示すように、Bモード処理部41、伝搬速度算出部42の他、弾性値算出部43を有していてもよい。弾性値算出部43は、プッシュパルスが送信された生体組織の弾性値(ヤング率(Pa:パスカル))を、前記伝搬速度に基づいて算出し、弾性値を示すデータを作成する。弾性値を示すデータも、後述の弾性画像における画素に対応する部分ごとに得られる。弾性値を示すデータも、弾性データと云うものとする。すなわち、本願明細書において、弾性データは、伝搬速度を示すデータ及び弾性値を示すデータを含む。伝搬速度算出部42及び弾性値算出部43は、本発明における弾性データ作成部の実施の形態の一例である。
【0067】
また、第一代表値算出部56によって算出される第一代表値は、複数の第二代表値の統計値であればよく、複数の伝搬速度の平均値Vavの中央値やIQRに限られるものではない。例えば、第一代表値は、複数の伝搬速度の平均値であってもよい。
【0068】
また、評価値算出部54が算出する評価値は、上述のものに限られない。
【0069】
また、ステップS6において、表示デバイス6から消去する合成画像CIが選択されるのではなく、操作者が、表示デバイス6から消去しない合成画像CIを、操作デバイス7を用いて表示デバイス6において選択してもよい。この場合、選択された合成画像について、第一代表値VAが再算出される。表示デバイス6から消去しない合成画像CIを選択する入力は、操作者が所望の合成画像を特定する入力の実施の形態の一例である。
【0070】
また、複数の合成画像CIの弾性画像EIにおける計測領域のうち、一つの計測領域Rmのみをトラックボール等を用いて移動させる入力が行われると、その計測領域Rmのみが移動してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 超音波診断装置
6 表示デバイス
7 操作デバイス
8 制御部
9 記憶デバイス
41 Bモード処理部
42 伝搬速度算出部
43 弾性値算出部
53 画像表示制御部
54 評価値算出部
55 計測領域設定部
56 第一代表値算出部
57 第二代表値算出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8