(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る折機の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明は図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0013】
〈主な実施形態〉
本発明に係る折機の主な実施形態を
図1〜13に基づいて以下に説明する。
【0014】
図1に示すように、印刷されたウエブ1を幅方向に沿って断裁する断裁刃111を周方向に沿って所定の間隔で複数(本実施形態では2つ)有する回転可能な断裁胴110には、断裁されたウエブ1のシートの前端側を保持するシート保持手段である針121と、断裁されたウエブ1のシートを幅方向に沿って折り曲げる折ブレード122とを周方向に沿って所定の間隔でそれぞれ複数(本実施形態では2つずつ)有する回転可能な折胴120が対接している。
【0015】
前記折胴120には、前記折胴120の前記折ブレード122を上記シートと共に間に差し込まれて当該シートを幅方向に沿って折り曲げるように当該シートをくわえるくわえあご131及びくわえ板132を有するくわえ手段であるくわえ装置を周方向に沿って所定の間隔で複数(本実施形態では3つ)設けたくわえ胴130が対接している。前記くわえ胴130の前記くわえ装置の前記くわえ板132は、付勢手段であるトーションバー133に取り付けられており、当該トーションバー133は、当該くわえ板132を前記くわえあご131から引き離す方向へ付勢することにより、当該くわえ板132を当該くわえあご131に対して接近離反移動可能に支持している。
【0016】
前記折胴120及び前記くわえ胴130の軸方向一端側の近傍には、
図2に示すように、当該胴120,130の軸方向に沿って軸方向を向けた移動軸142が本体フレーム101に対して周方向へ回転可能且つ軸方向へスライド移動可能となるようにメタル軸受141を介して基端側(
図2中、左端側)を支持されている。前記移動軸142の先端寄り(
図2中、右端寄り)には、軸受143の内周側が同軸をなして嵌合している。前記軸受143の外周側には、スリーブ144が同軸をなして嵌合している。
【0017】
前記スリーブ144の外周の、軸方向一方側(
図2中、右側)には、はすば歯車145が同軸をなして嵌合している。前記スリーブ144の外周の、軸方向他方側(
図2中、左側には、はすば歯車146が同軸をなして嵌合しており、上記はすば歯車145と上記はすば歯車146とは、歯が互いに異なる傾斜方向となっている。
【0018】
前記はすば歯車145には、前記本体フレーム101に対して支持軸150及び軸受151を介して回転可能に支持されたはすば歯車147が噛み合っている。前記はすば歯車147には、前記折胴120と同軸をなして一体的に回転可能に設けられたはすば歯車148が噛み合っている。前記はすば歯車146には、前記くわえ胴130と同軸をなして一体的に回転可能に設けられたはすば歯車149が噛み合っている。
【0019】
前記移動軸142の基端(
図2中、左端)には、作動軸152の一端(
図2中、右端)が同軸をなして連結固定されている。前記作動軸152の外周の一端寄り(
図2中、右端寄り)には、ねじ山152aが形成されている。前記作動軸152の前記ねじ山152aには、取付ナット153が螺合している。前記取付ナット153は、前記本体フレーム101に固定されている。
【0020】
前記作動軸152の他端寄り(
図2中、左端寄り)には、従動歯車154が同軸をなして一体的に取り付けられている。前記従動歯車154には、前記本体フレーム101に対して固定支持された駆動モータ155の駆動歯車155aと、前記本体フレーム101に対して固定支持されたロータリエンコーダ156の伝達歯車156aとが噛み合っている。
【0021】
つまり、前記折胴120と前記くわえ胴130とは、前記はすば歯車145〜149を介して同期回転することができると共に、前記駆動モータ155を作動させて前記駆動歯車155aを回転させると、前記従動歯車154を介して前記作動軸152が回転し、前記取付ナット153に対して軸方向へ移動して、前記移動軸142が前記メタル軸受141を介して前記本体フレーム101に対して軸方向へスライド移動し、前記軸受143及び前記スリーブ144を介して前記はすば歯車145,146が軸方向へ移動することにより、当該はすば歯車145,146に対する前記はすば歯車147,149の噛み合い周期を変化させて、前記折胴120と前記くわえ胴130との回転周期を変更することができるようになっているのである(詳細は後述する)。
【0022】
このような前記メタル軸受141、前記移動軸142、前記軸受143、前記スリーブ144、前記はすば歯車145〜149、前記支持軸150、前記軸受151、前記作動軸152、前記取付ナット153、前記従動歯車154、前記駆動モータ155、前記ロータリエンコーダ156等により、本実施形態では、くわえあご間隔調整手段を構成している。
【0023】
図3に示すように、前記くわえ胴130の他端側(
図3中、左端側)には、軸受104の内周が同軸をなして嵌合している。前記軸受104の外周には、スリーブ103の内周が同軸をなして嵌合している。前記スリーブ103の外周は、本体フレーム102に支持されている。
【0024】
図3,4に示すように、前記本体フレーム102の内側(
図3中、右側)へ突出する前記スリーブ103の外周には、径方向外側へ突出するレバー163aを有する回動リング163が周方向へ回動可能となるように同軸をなして設けられている。前記スリーブ103の軸方向内側(
図3中、右側)の端部には、外周にカム面161aを有する環状のメインカム161が同軸をなして固定されている。前記回動リング163には、外周にカム面162aを有する扇形のサブカム162が前記メインカム161と隣接するようにして取り付けられている。
【0025】
前記くわえ胴130の前記くわえ装置の前記トーションバー133の、当該くわえ胴130の他端側の端部(
図3中、左端)には、ホルダ134が取り付けられている。前記ホルダ134には、前記カム161,162のカム面161a,162aに当接するカムフォロア135が回転可能に取り付けられており、当該カムフォロア135は、上記ホルダ134を介した前記トーションバー133によって、上記カム161,162の上記カム面161a,162aへ押し付けられるように付勢されながら保持されている。
【0026】
図4,5に示すように、前記フレーム本体102の、前記回動リング163の前記レバー163aの近傍には、回転軸164が前記くわえ胴130の軸方向に軸方向を向けるようにして回転可能に支持されている。前記回転軸164の先端(
図5中、下端)には、かさ歯車165が同軸をなして取り付けられている。
【0027】
前記本体フレーム102の内側(
図5中、下側)の、前記かさ歯車165と前記回動リング163の前記レバー163aとの間には、支持穴166aを形成された支持ブロック166が当該かさ歯車165と当該回動リング163の当該レバー163aとの間を結ぶ線に沿って当該支持穴166aの軸心を向けるようにして取り付けられている。前記支持ブロック166の前記支持穴166a内には、伝達軸167が同軸をなして回転可能に支持されている。
【0028】
前記伝達軸167の基端(
図4,5中、右端)には、前記かさ歯車165と噛み合うかさ歯車168が同軸をなして取り付けられている。前記伝達軸167の先端側(
図4,5中、左端側)には、六角形状のガイド穴167aが同軸をなして形成されている。前記伝達軸167の前記ガイド穴167a内には、六角形状のスライドブロック169が当該ガイド穴167aの軸方向に沿ってスライド移動可能に差し込まれている。
【0029】
前記スライドブロック169の先端(
図4,5中、左端)には、ねじ軸170の基端(
図4,5中、右端)が同軸をなして連結固定されている。前記ねじ軸170は、前記本体フレーム102に固定支持されたナットブロック171に螺合している。前記ねじ軸170の先端(
図4中、左端)は、前記回動リング163の前記レバー163aに当接している。
【0030】
図5に示すように、前記回転軸164の基端(
図5中、上端)には、かさ歯車172が同軸をなして取り付けられている。前記かさ歯車172には、前記本体フレーム102に固定支持された駆動モータ173及びロータリエンコーダ174の各かさ歯車173a,174aが噛み合っている。
【0031】
なお、
図4中、180は、前記回動リング163の前記レバー163aを前記ねじ軸170の先端に常に押し付けるように当該レバー163aを付勢する押付装置である。
【0032】
つまり、前記駆動モータ173を作動させて前記かさ歯車173aを回転させると、前記かさ歯車172、前記回転軸164、前記かさ歯車165,168を介して前記伝達軸167が回転し、前記スライドブロック169を介して前記ねじ軸170が回転して、前記ナットブロック171に対して軸方向へ移動することにより、前記押付装置180で当該ねじ軸170の先端に押し付けられている前記レバー163aを介して前記回動リング163を回動させて、前記メインカム161に対して前記サブカム162を周方向へ移動させることができ、前記カムフォロア135、前記ホルダ134、前記トーションバー133を介して、前記くわえあご131に対する前記くわえ板132の開閉タイミングを調整することができるようになっているのである(詳細は後述する)。
【0033】
このような前記トーションバー133、前記ホルダ134、前記カムフォロア135、前記メインカム161、前記サブカム162、前記回動リング163、前記回転軸164、前記かさ歯車165、前記支持ブロック166、前記伝達軸167、前記かさ歯車168、前記スライドブロック169、前記ねじ軸170、前記ナットブロック171、前記かさ歯車172、前記駆動モータ173、前記ロータリエンコーダ174、前記押付装置180等により、本実施形態ではくわえ板間隔調整手段を構成している。
【0034】
図6に示すように、前記メインカム161の前記カム面161aは、前記くわえ板132を開放するように前記くわえあご131に対して離反させる、すなわち、前記くわえ胴130の径方向外側に位置する開放面161aaと、前記くわえ板132を閉鎖するように前記くわえあご131に対して接近させる、すなわち、前記くわえ胴130の径方向内側に位置する閉鎖面161abと、前記くわえ板132を半閉じするように開放位置と閉鎖位置との間に位置させる、すなわち、前記開放面161aaと前記閉鎖面161abとの間の位置に位置する半閉じ面161acとを有している。
【0035】
また、
図7〜9に示すように、前記サブカム162の前記カム面162aも、前記メインカム161と同様に、前記くわえ板132を開放するように前記くわえあご131に対して離反させる、すなわち、前記くわえ胴130の径方向外側に位置する開放面162aaと、前記くわえ板132を閉鎖するように前記くわえあご131に対して接近させる、すなわち、前記くわえ胴130の径方向内側に位置する閉鎖面162abと、前記くわえ板132を半閉じするように開放位置と閉鎖位置との間に位置させる、すなわち、前記開放面162aaと前記閉鎖面162abとの間の位置に位置する半閉じ面162acとを有している。
【0036】
そして、
図10に示すように、前記ロータリエンコーダ156,174は、制御手段である制御装置190の入力部へ電気的に接続している。前記制御装置190の入力部には、情報を入力する入力手段である入力器191が電気的に接続されている。前記制御装置190の出力部は、前記駆動モータ155,173へ電気的に接続しており、当該制御装置190は、前記入力器191及び前記ロータリエンコーダ156,174からの情報に基づいて、前記駆動モータ155,173の作動を制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
【0037】
このような本実施形態に係る折機においては、まず、ウエブ1(シート)の厚さやシートの重ね枚数等を前記入力器191に入力すると、前記制御装置190が、当該入力器191からの情報に基づいて、当該ウエブ1(シート)の厚さ及びシート重ね枚数等の折丁の厚さに対応して予め設定されている、前記折胴120と前記くわえ胴130との回転周期及び当該くわえ胴130の前記くわえ装置の開閉タイミングとなるように、前記ロータリエンコーダ156,174からの情報を確認しながら前記駆動モータ155,173の調整制御を行う(具体的には後述する)。
【0038】
そして、印刷されたウエブ1が前記断裁胴110と前記折胴120との間に送給されると、当該ウエブ1は、当該断裁胴110の前記断裁刃111により所定の間隔ごとにシート状に断裁されると共に当該折胴120の外周面から突出する前記針121が差し込まれることにより、当該針121にシートとして搬送方向前端側を保持されて当該折胴120の外周面上に支持されながら、前記くわえ胴130との対接位置近傍にまで搬送されて、当該折胴120の外周面から前記折ブレード122が突出し、その中程が当該くわえ胴130のくわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれて、当該くわえあご131と当該くわえ板132とで折り曲げられるように保持されてくわえ替えされることにより、折丁として当該くわえ胴130の外周面上に支持された後、後工程に受け渡される。
【0039】
ここで、標準的な厚さ(例えば、0.1mm)のウエブ1(シート)を標準的な重ね枚数(例えば、2枚)で折り曲げる場合、当該情報を前記入力器191に入力すると、前記制御装置190は、
図11Aに示すように、前記折胴120の前記折ブレード122が前記くわえ胴130の前記くわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122の先端との間の長さ(間隔)が標準値L0となる予め対応して設定された当該折胴120と当該くわえ胴130との回転位相となるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報で確認しながら前記駆動モータ173の作動を制御すると共に、前記サブカム162を
図7に示す予め対応して設定された位置に位置させるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報で確認しながら前記駆動モータ173の作動を調整制御する。
【0040】
これにより、前記折ブレード122が前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122の先端との間の長さ(間隔)が前記標準値L0となるときに(
図11A参照)、当該折ブレード122の先端と当該くわえ板132との間の長さ(間隔)が規定値Lcとなるように、前記カムフォロア135が前記カム161,162の前記カム面161a,162aの前記開放面161aa,162aaから前記半閉じ面161ac,162acに載り移り、当該折ブレード122が当該くわえあご131と当該くわえ板132との間の折込位置にまで達したときに(
図11B参照)、上記カムフォロア135が上記カム161,162の上記カム面161a,162aの上記半閉じ面161ac,162acから前記閉鎖面161ab,162abに載り移り始め、当該折ブレード122が当該くわえあご131と当該くわえ板132との間から抜き出るときに(
図11C参照)、上記カムフォロア135が上記カム161,162の上記カム面161a,162aの上記閉鎖面161ab,162abに載り移り終えることにより、シート2が二つ折りの折丁3となってくわえ替えされて保持される。
【0041】
また、例えば、標準的な厚さ(例えば、0.1mm)のウエブ1(シート)を標準よりも多い重ね枚数(例えば、6枚)で折り曲げる場合、当該情報を前記入力器191に入力すると、前記制御装置190は、
図12Aに示すように、前記折胴120の前記折ブレード122が前記くわえ胴130の前記くわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122の先端との間の長さ(間隔)が前記標準値L0よりも大きい厚手値Lb(>L0)となる予め対応して設定された当該折胴120と当該くわえ胴130との回転位相となるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報で確認しながら前記駆動モータ173の作動を制御すると共に、前記サブカム162を
図8に示す予め対応して設定された位置に位置させるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報で確認しながら前記駆動モータ173の作動を調整制御する。
【0042】
これにより、前記折ブレード122が前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122との間の長さ(間隔)が前記厚手値Lbとなるときに(
図12A参照)、当該折ブレード122の先端と当該くわえ板132との間の長さ(間隔)が前記規定値Lcとなるように、前記カムフォロア135が前記カム161,162の前記カム面161a,162aの前記開放面161aa,162aaから前記半閉じ面161ac,162acに載り移り、以下、上述と同様に、当該折ブレード122が当該くわえあご131と当該くわえ板132との間から抜き出るときに(
図12B参照)、上記カムフォロア135が上記カム161,162の上記カム面161a,162aの上記閉鎖面161ab,162abに載り移り終えることにより、シート2が二つ折りの折丁3となってくわえ替えされて保持される。
【0043】
なお、例えば、標準よりも厚い厚さ(例えば、0.6mm)のウエブ1(シート)を重ねることなく1枚だけで折り曲げる場合にも、上述した場合と同様にして対応することができる。
【0044】
また、標準よりも薄い厚さ(例えば、0.04mm)のウエブ1(シート)を標準的な重ね枚数(例えば、2枚)で折り曲げる場合、当該情報を前記入力器191に入力すると、前記制御装置190は、
図13Aに示すように、前記折胴120の前記折ブレード122が前記くわえ胴130のくわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122の先端との間の長さ(間隔)が前記標準値L0よりも小さい薄手値Ls(<L0)となる予め対応して設定された当該折胴120と当該くわえ胴130との回転位相となるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報で確認しながら前記駆動モータ173の作動を制御すると共に、前記サブカム162を
図9に示す予め対応して設定された位置に位置させるように、前記ロータリエンコーダ174からの情報で確認しながら前記駆動モータ173の作動を制御する。
【0045】
これにより、前記折ブレード122が前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122との間の長さ(間隔)が前記薄手値Lsとなるときに(
図13A参照)、当該折ブレード122の先端と当該くわえ板132との間の長さ(間隔)が前記規定値Lcとなるように、前記カムフォロア135が前記カム161,162の前記カム面161a,162aの前記開放面161aa,162aaから前記半閉じ面161ac,162acに載り移り、以下、上述と同様に、当該折ブレード122が当該くわえあご131と当該くわえ板132との間から抜き出るときに(
図13B参照)、上記カムフォロア135が上記カム161,162の上記カム面161a,162aの上記閉鎖面161ab,162abに載り移り終えることにより、シート2が二つ折りの折丁3となってくわえ替えされて保持される。
【0046】
なお、例えば、標準的な厚さ(例えば、0.1mm)のウエブ1(シート)を重ねることなく1枚だけで折り曲げる場合にも、上述した場合と同様にして対応することができる。
【0047】
つまり、本実施形態においては、折丁3の厚さに対応して、標準よりも厚くなる場合には、前記折ブレード122が前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122との間隔を前記標準値L0よりも大きい前記厚手値Lb(<L0)となるように、前記折胴120に対する前記くわえ胴130の回転周期を標準的な場合よりも遅くすると共に、当該折ブレード122の先端と当該くわえ板132との間隔を標準的な場合と同じ前記規定値Lcとなるように、前記サブカム162の前記カム面162aの前記閉鎖面162abの位置を標準的な場合よりも当該くわえ胴130の回転方向に対して前進させて、当該くわえ板132の閉鎖タイミングを標準的な場合よりも遅くし、標準よりも薄くなる場合には、前記折ブレード122が前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122との間の間隔を前記標準値L0よりも小さい前記薄手値Ls(>L0)となるように、前記折胴120に対する前記くわえ胴130の回転周期を標準的な場合よりも早くすると共に、当該折ブレード122の先端と当該くわえ板132との間隔を標準的な場合と同じ前記規定値Lcとなるように、前記サブカム162の前記カム面162aの前記閉鎖面162abの位置を標準的な場合よりも当該くわえ胴130の回転方向に対して後退させて、当該くわえ板132の閉鎖タイミングを標準的な場合よりも早めたのである。
【0048】
このため、本実施形態においては、前記くわえ胴130の前記くわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に前記折胴120の前記折ブレード122と共にシート2を差し込むときに、シート2の厚さやシート2の重ね枚数等が標準時よりも大きく変化していたとしても、シート2の損傷や、折丁3の折り精度の低下を防止することができる。
【0049】
したがって、本実施形態に係る折機によれば、折丁3の厚さが変化しても、シート2を損傷させたり、折丁3の折り精度を低下させたりすることなくシート2を折り曲げて折丁3とすることができる。
【0050】
〈他の実施形態〉
なお、前述した実施形態においては、前記はすば歯車145,146と前記はすば歯車147,149との噛み合いを位置を調整することにより、前記折胴120と前記くわえ胴130との回転位相を変更して、当該折胴120の前記折ブレード122が当該くわえ胴130のくわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122の先端との間隔を調整するようにしたが、他の実施形態として、例えば、波動歯車装置(例えば、前記特許文献1の段落[0008],[0009]等に記載されているような株式会社ハーモニックドライブシステムズ製「ハーモニックドライブ(登録商標)」)を適用することにより、折胴とくわえ胴との回転位相を変更して、折胴の折ブレードがくわえ胴のくわえ装置のくわえあごとくわえ板との間に差し込まれるときのくわえあごと折ブレードの先端との間隔を調整することや、各胴をそれぞれ独立して回転駆動させるセクショナルドライブ方式として、くわえ胴を単独駆動するモータを調整することにより、折胴とくわえ胴との回転位相を変更して、折胴の折ブレードがくわえ胴のくわえ装置のくわえあごとくわえ板との間に差し込まれるときのくわえあごと折ブレードの先端との間隔を調整するようにすることも可能である。
【0051】
また、前述した実施形態においては、前記折胴120と前記くわえ胴130との回転位相を変更することにより、当該折胴120の前記折ブレード122が当該くわえ胴130のくわえ装置の前記くわえあご131と前記くわえ板132との間に差し込まれるときの当該くわえあご131と当該折ブレード122の先端との間隔を調整するようにしたが、他の実施形態として、例えば、くわえ胴のくわえ装置のくわえあごをくわえ胴の胴本体に対して周方向へ移動可能に設けることにより、折胴の折ブレードがくわえ胴のくわえ装置のくわえあごとくわえ板との間に差し込まれるときのくわえあごと折ブレードの先端との間隔を調整できるようにすることも可能である。
【0052】
また、前述した実施形態においては、前記くわえ胴130の前記くわえ装置の前記くわえ板132を開閉させる前記サブカム162を移動して、前記カムフォロア135の移動軌跡を変更することにより、当該くわえ板132の開閉タイミングを調整するようにしたが、他の実施形態として、例えば、くわえ胴のくわえ装置のくわえ板をエアシリンダ等のアクチュエータやモータ等の駆動手段で開閉移動できるようにして、当該駆動手段の作動を制御することにより、くわえ板の開閉タイミングを調整するようにすることも可能である。
【0053】
また、前述した実施形態においては、前記入力器191からウエブ1(シート)の厚さを前記制御装置190に入力するようにしたが、他の実施形態として、例えば、給紙部や印刷部等に設けられている紙厚センサ等からウエブ(シート)の厚さを制御手段に入力するようにすることも可能である。
【0054】
また、前述した実施形態においては、印刷されたウエブを所定の長さごとに断裁して折り畳むことにより折丁とする場合について説明したが、本発明はこれに限らず、シートを折り曲げて折丁とする場合であれば、前述した実施形態の場合と同様に適用して、前述した実施形態の場合と同様な作用効果を奏することができる。